JP2003235575A - 哺乳動物において機能的なトランスポゾン - Google Patents

哺乳動物において機能的なトランスポゾン

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 哺乳動物内で機能的な新たなトランスポゾン
およびこのトランスポゾンを用いた哺乳動物における遺
伝子改変方法等を提供する。 【解決手段】メダカで見出されたTol2トランスポゾンに
コードされているTol2トランスポゼースと、このトラン
スポゼースを欠損したTol2トランスポゾンとを哺乳動物
細胞にコトランスフェクションすることにより、Tol2ト
ランスポゾンが染色体に転移した遺伝子改変哺乳動物細
胞することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は哺乳動物で転移誘導
し得るトランスポゼース、および該トランスポゼースを
保持したトランスポゾン、哺乳動物内において転移し得
る非自律的トランスポゾン、さらには、これらトランス
ポゼースなどを用いた遺伝子改変動物の作製方法等に関
する。
【0002】
【従来の技術】トランスポゾンは分子生物学や遺伝学の
研究において強力なツールであり、細菌、植物、無脊椎
動物においては、変異導入、トランスジェニック個体の
作製などの目的として広く利用されている。一方、この
ような技術は脊椎動物では開発が遅れていたが、近年、
サケ科魚類で見出されたTc1様トランスポゾンの断片を
繋ぎ合わせた合成トランスポゾン系「Sleeping Beaut
y」が再構築された(Ivics, Z., Hackett, P.B., Plast
erk, R.H., & Izsvák, Z. Cell 91, 501-510 (1
997))。このトランスポゾンはマウスの胚幹細胞や生殖
細胞系などでもトランスポジションすることが確認され
ている(Luo G., Ivics Z., Izsvak Z. & Bradley A. P
roc. Natl. Acad. Sci. USA 95, 10769-10773 (1998)、
Yant S. R.,Meuse L., Chiu W. Ivics Z., Izsvak Z. &
Kay M. A. Nat. Genet. 25: 35-41(2000), Fischer S.
E., Wienholds E. & Plasterk R. H. Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA 98: 6759-6764 (2001), Horie K., Kuroiw
a A., Ikawa M., Okabe M.,Kondoh G., Matsuda Y. & T
akeda J. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98, 9191-9196
(2001), Dupuy A. J. Fritz S. & Largaespada D.A. Ge
nesisi 30: 82-88 (2001))。
【0003】上記「Sleeping Beauty」は合成トランス
ポゾンであるが、他方、脊椎動物において、活性を有す
る天然トランスポゾンも見出されている。この脊椎動物
において唯一の天然トランスポゾンTol2 はメダカのゲ
ノムからクローニングされ(Koga, A., Suzuki, M., In
agaki, H., Bessho, Y., & Hori, H. Nature 383, 30(1
996))、その配列はトウモロコシのAc エレメントと類
似していることからトランスポゾンhATファミリーに分
類されている。また、このTol2 のトランスポジション
は、メダカの胚(Koga, A., & Hori, H. Genetics 156,
1243-1247 (2000))だけでなく、ゼブラフィッシュの
生殖細胞系(Kawakami, K., Koga, A., Hori, H., & Sh
ima, A. Gene 225, 17-22 (1998)、Kawakami, K., & Sh
ima, A. Gene 240, 239-244 (1999)、Kawakami, K., Sh
ima, A., & Kawakami, N. Proc. Natl. Acad. Sci. USA
97, 11403-11408 (2000))でも観察されているが、哺
乳動物でのトランスポジションは確認されていない。
【0004】こうしたトランスポゾンは、哺乳動物細胞
での変異導入後の表現型から遺伝子を解析するフォワー
ドジェネティクス、トランスジェニックの作製などによ
り導入遺伝子から表現型を解析するリバースジェネティ
クスのいずれにも極めて有用となることが予想される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、哺
乳動物における遺伝子解析の強力なツールとなる機能的
なトランスポゾンを見出すべく、Tol2の哺乳動物細胞で
の活性を解析することを第一の目的とし、このTol2を用
いて哺乳動物における遺伝子改変方法等を開発すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本願発明者らはTol2トランスポゾンが哺乳動物で転移し
得るかを調べた結果、哺乳動物においても機能すること
を見出した。特に、Tol2トランスポゾンにコードされて
いるTol2トランスポゼースとトランスポゼースを欠損し
たTol2トランスポゾンとを別のベクターに組み込み、コ
トランスフェクションすることによってTol2トランスポ
ゾンが染色体に転移し得ることが検出された。これら知
見に基づき、本願発明者らは、以下の発明を開発した。
【0007】(1) 哺乳動物細胞内で転移誘導活性を
備えたトランスポゼースをコードしたDNAであって、
配列番号1に記載の配列を有するトランスポゼースDN
Aである。 (2) 哺乳動物細胞内で転移誘導活性を備えたトラン
スポゼースをコードしたDNAであって、下記(A)ま
たは(B)に記載のトランスポゼースDNA、(A)配列
番号2記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のア
ミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されたア
ミノ酸配列を有するタンパク質をコードしたDNA、
(B)配列番号1記載の塩基配列からなるDNAとスト
リンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであ
る。 (3) 配列番号1に記載の塩基配列からなるDNA又
はその相補鎖と相補的であり、少なくとも15ヌクレオ
チド長を備えたDNAである。 (4) 上記(1)または(2)に記載のDNAにより
コードされたトランスポゼースである。 (5) 上記(4)に記載のトランスポゼースをコード
したRNAである。 (6)上記(1)または(2)に記載のDNAが挿入さ
れたベクターである。 (7) 上記(1)もしくは(2)に記載のDNAまた
は上記(6)に記載のベクターを保持する宿主細胞であ
る。 (8) 哺乳動物細胞において転移し得るDNAであっ
て、以下(A)または(B)記載のトランスポゾンDN
A、(A)配列番号3に記載の塩基配列からなるDN
A、(B)配列番号3に記載の塩基配列からなるDNA
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDN
Aである。 (9) 上記(8)に記載のDNAを保持したベクター
である。 (10) 上記(8)に記載のDNAまたは上記(9)
に記載のベクターを保持した宿主細胞である。 (11) 配列番号3に記載の塩基配列からなるDNA
又はその相補鎖と相補的であり、少なくとも15ヌクレ
オチド長を備えたDNAである。 (12) 哺乳動物細胞において非自律的に転移し得る
DNAであって、配列番号3に記載の塩基配列において
トランスポゼースをコードした領域に塩基配列の欠失、
挿入または置換を備えた、非自律的トランスポゾンDN
Aである。 (13) 上記(12)に記載の非自律的トランスポゾ
ンDNAを含むベクターである。 (14) 上記(12)に記載の非自律的トランスポゾ
ンDNAまたは上記(13)に記載のベクターを保持し
た宿主細胞である。 (15) 上記(8)に記載のDNAまたは上記(9)
に記載のベクターを含む、哺乳動物遺伝子改変用キット
である。 (16) 上記(12)に記載の非自律的トランスポゾ
ンDNAまたは上記(13)に記載のベクターと、上記
(1)もしくは(2)に記載のトランスポゼースDN
A、上記(6)に記載のベクター、上記(4)に記載の
トランスポゼースまたは上記(5)に記載のRNAのう
ち少なくともいずれか一つと、を備えた、哺乳動物遺伝
子改変用キットである。 (17) 上記(12)に記載の非自律的トランスポゾ
ンDNA、または上記(13)に記載のベクター上の上
記(12)に記載の非自律的トランスポゾンDNA領域
に任意の核酸を挿入し得る部位が備えられた、上記(1
6)に記載の哺乳動物遺伝子改変用キットである。 (18) ヒトを除く哺乳動物細胞に上記(8)に記載
のDNAまたは上記(9)に記載のベクターを導入する
工程を含む、遺伝子改変哺乳動物細胞の製造方法であ
る。 (19) 上記(12)に記載の非自律的トランスポゾ
ンDNAまたは上記(13)に記載のベクターと、上記
(1)もしくは(2)に記載のトランスポゼースDN
A、上記(6)に記載のベクター、上記(4)に記載の
トランスポゼースまたは上記(5)に記載のRNAのう
ち少なくともいずれか一つとを、ヒトを除く哺乳動物細
胞に導入する工程を含む、遺伝子改変哺乳動物細胞の製
造方法である。 (20) 上記(12)に記載の非自律的トランスポゾ
ンDNA、上記(13)に記載のベクター上の上記(1
2)に記載の非自律的トランスポゾンDNA領域には、
任意の核酸が挿入されている、上記(19)に記載の遺
伝子改変哺乳動物細胞の製造方法である。 (21) ヒトを除く哺乳動物に上記(8)に記載のD
NAまたは上記(9)に記載のベクターを注入する工程
を含む、遺伝子改変哺乳動物の作製方法である。 (22) 上記(12)に記載の非自律的トランスポゾ
ンDNAまたは上記(13)に記載のベクターと、上記
(1)もしくは(2)に記載のトランスポゼースDN
A、上記(6)に記載のベクター、上記(4)に記載の
トランスポゼースまたは上記(5)に記載のRNAのう
ち少なくともいずれか一つとを、ヒトを除く哺乳動物に
導入する工程を含む、遺伝子改変哺乳動物の作製方法で
ある。 (23) 上記(1)または(2)に記載のトランスポ
ゼースDNAを保持したヒトを除く哺乳動物と、上記
(12)に記載の非自律的トランスポゾンDNAを保持
したヒトを除く哺乳動物とを交配させ、個体を発生させ
る工程を含む、遺伝子改変哺乳動物の作製方法である。 (24) 上記(1)もしくは(2)に記載のトラン
スポゼースDNAまたは上記(12)に記載の非自律的
トランスポゾンDNAを保持した、ヒトを除く遺伝子改
変哺乳動物作製用哺乳動物である。 (25) 上記(12)に記載の非自律的トランスポ
ゾンDNA、上記(13)に記載のベクター上の上記
(12)に記載の非自律的トランスポゾンDNA領域に
は、任意の核酸が挿入されている、上記(22)に記載
の遺伝子改変哺乳動物の作製方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
き詳細に説明する。
【0009】[自律的トランスポゾン]本発明は、哺乳動
物において転移し得るTol2トランスポゾンDNAに関す
る。通常、トランスポゾンの転移には、トランスポジシ
ョンを誘導する酵素(トランスポゼース)とこのトラン
スポゼースにより認識されて転移するDNA配列(トラン
スポゾンシスエレメント)が必要になる。本発明のTol2
トランスポゾンは、この両者を備えたDNA型のトランス
ポゾンである。なお、本願明細書においては、自らトラ
ンスポゼースを発現して転移し得るということから、こ
のTol2トランスポゾンを自律的Tol2トランスポゾンと称
する。
【0010】具体的に、本発明の自律的Tol2トランスポ
ゾンDNAの代表としては、配列番号3に記載の塩基配列
を挙げることができるが、Tol2トランスポゾンと同様に
哺乳動物において転移し得るTol2トランスポゾンと類似
のDNAも含まれる。このような類似のトランスポゾンDNA
としては配列番号3に記載の塩基配列からなるDNAとス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAなど
を挙げることができる。
【0011】このようなTol2トランスポゾンと機能的に
同等なDNAを単離するためのストリンジェントなハイブ
リダイゼーション条件としては、当業者であれば、適宜
選択することができる。一例を示せば、25%ホルムアミ
ド、より厳しい条件では50%ホルムアミド、4×SSC、50
mM Hepes pH7.0、10×デンハルト溶液、20μg/ml変性サ
ケ精子DNAを含むハイブリダイゼーション溶液中、42℃
で一晩プレハイブリダイゼーションを行った後、標識し
たプローブを添加し、42℃で一晩保温することによりハ
イブリダイゼーションを行う。その後の洗浄における洗
浄液および温度条件は、「1xSSC、0.1% SDS、37℃」程
度で、より厳しい条件としては「0.5xSSC、0.1% SDS、4
2℃」程度で、さらに厳しい条件としては「0.2xSSC、0.
1% SDS、65℃」程度で実施することができる。このよう
にハイブリダイゼーションの洗浄条件が厳しくなるほど
プローブ配列と高い相同性を有するDNAの単離を期待し
うる。但し、上記SSC、SDSおよび温度の条件の組合せは
例示であり、当業者であれば、ハイブリダイゼーション
のストリンジェンシーを決定する上記若しくは他の要素
(例えば、プローブ濃度、プローブの長さ、ハイブリダ
イゼーション反応時間など)を適宜組み合わせることに
より、上記と同様のストリンジェンシーを実現すること
が可能である。
【0012】上記Tol2トランスポゾンはメダカで見出さ
れたことから、メダカのゲノムDNAより得ることができ
るが、簡便には、後述するTol2トランスポゾンを保持し
た形質転換体から生成することができる。また、Tol2ト
ランスポゾンの類似体は、配列番号3に記載の配列から
DNAを人工的に改変することにより、また、メダカ以外
の生物種から上記ハイブリダイゼーション法により得る
こともできる。
【0013】このようにTol2トランスポゾンおよびTol2
トランスポゾンの類似体は哺乳動物(細胞)内で自律的
に転移し得るため、ランダムな遺伝子のノックアウトな
どの変異導入ツールとして有用となる。
【0014】このように変異導入ツールなどの目的で使
用するような場合には、上記Tol2トランスポゾンDNAは
ベクターに担持させて用いることができる。このベクタ
ーは宿主細胞に応じて選択することができ、このような
選択は当業者が容易に成し得る範囲である。例えば、哺
乳動物細胞への導入のためのベクターは、ウイルス系ベ
クター、非ウイルス系ベクター、あるいは、哺乳動物細
胞内では複製能力がないベクターであってもよい。Tol2
トランスポゾンは、これがコードしているTol2トランス
ポゼースが発現し、これによりTol2トランスポゾンが転
移し得れば、Tol2トランスポゾンを保持したベクターが
哺乳動物細胞内で自律複製する必要は必ずしもない。し
たがって、ウイルスベクターの持ち込みを望まない場合
には、非ウイルス系ベクターや、Tol2トランスポゾンDN
Aのデグラデーションを回避し得る任意のDNA配列の付
加、化学修飾などであってもよい。
【0015】また、本発明は、Tol2トランスポゾン全長
配列のみならず、その一部フラグメントも含まれる。こ
のような一部フラグメントは、ハイブリダイゼーション
プローブやPCRプライマーなどとして、哺乳動物に変異
導入した際にいずれの遺伝子座にトランスポゾンが転移
したかを解析するために有用となる。このような一部フ
ラグメントとして、具体的には、配列番号3に記載の塩
基配列からなるDNA又はその相補鎖と相補的であり、
プローブ、プライマーなどの特異性を保持し得る長さ、
例えば、15ヌクレオチド長以上を備えていることが好
ましい。
【0016】[トランスポゼース]上記自律的Tol2トラン
スポゾンはそれ自身で哺乳動物内において自律的に転移
し得るが、Tol2トランスポゾンを転移させる手法として
は、トランスポゼースを欠損し自律的には転移し得ない
非自律的Tol2トランスポゾンに、Tol2トランスポゼース
を供給することによっても行うことができる。
【0017】本発明は、このような哺乳動物内でTol2ト
ランスポゾンを転移誘導し得るトランスポゼースに関す
る。このトランスポゼースには配列番号2に記載のアミ
ノ酸配列からなるTol2トランスポゼースを挙げることが
できるが、この配列に限定されるものではない。例え
ば、哺乳動物内でTol2トランスポゼースと同様の活性を
有し、配列番号2記載のアミノ酸配列に類似したタンパ
ク質も含まれる。この類似したタンパク質としては、配
列番号2と比べ1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠
失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列を有し
たトランスポゼース活性を有するタンパク質、他の生物
由来のTol2トランスポゼースに類似したタンパク質およ
び人工的に創製したTol2トランスポゼース変異体が含ま
れる。
【0018】なお、上記「アミノ酸が置換、欠失、挿入
および/または付加されたアミノ酸配列」の語におい
て、アミノ酸の変異数や変異部位はTol2トランスポゼー
スにおけるトランスポジション誘導活性が保持される範
囲内であれば制限はない。アミノ酸の変異数は、典型的
には、全アミノ酸の10%以内であり、好ましくは全アミ
ノ酸の5%以内であり、さらに好ましくは全アミノ酸の1
%以内であると考えられる。
【0019】Tol2トランスポゼースの調製は、メダカを
用いて行うこともできるが、簡便には、後述するTol2ト
ランスポゼースをコードしたDNAを担持したベクターに
より形質転換された形質転換体を用いて生成することが
できる。
【0020】また、上記Tol2トランスポゼースタンパク
質に類似した蛋白質の調整は、当業者に周知のハイブリ
ダイゼーション技術を用いて行うことができる。例え
ば、Tol2トランスポゼースをコードしたDNAの塩基配
列、例えば、配列番号1に記載の塩基配列またはその一
部をプローブとして、メダカなどの魚類、ヒトを含めた
哺乳類、その他種々の生物種からTol2トランスポゼース
のcDNAと相同性の高いDNAを単離し、単離されたDNAか
らTol2トランスポゼースタンパク質と類似したタンパク
質を得ることができる。このようなTol2トランスポゼー
スと機能的に同等なポリペプチドをコードするDNAを単
離するためのストリンジェントなハイブリダイゼーショ
ン条件としては、当業者であれば、適宜選択することが
できる。一例を示せば、25%ホルムアミド、より厳しい
条件では50%ホルムアミド、4×SSC、50mM Hepes pH7.
0、10×デンハルト溶液、20μg/ml変性サケ精子DNAを含
むハイブリダイゼーション溶液中、42℃で一晩プレハイ
ブリダイゼーションを行った後、標識したプローブを添
加し、42℃で一晩保温することによりハイブリダイゼー
ションを行う。その後の洗浄における洗浄液および温度
条件は、「1xSSC、0.1%SDS、37℃」程度で、より厳しい
条件としては「0.5xSSC、0.1% SDS、42℃」程度で、さ
らに厳しい条件としては「0.2xSSC、0.1% SDS、65℃」
程度で実施することができる。このようにハイブリダイ
ゼーションの洗浄の条件が厳しくなるほどプローブ配列
と高い相同性を有するDNAの単離を期待しうる。但し、
上記SSC、SDSおよび温度の条件の組合せは例示であり、
当業者であれば、ハイブリダイゼーションのストリンジ
ェンシーを決定する上記若しくは他の要素(例えば、プ
ローブ濃度、プローブの長さ、ハイブリダイゼーション
反応時間など)を適宜組み合わせることにより、上記と
同様のストリンジェンシーを実現することが可能であ
る。
【0021】また、上記配列番号1に記載の塩基配列ま
たはその一部をプライマーに用い、当業者に周知のPCR
(polymerase chain reaction)法によりTol2トランス
ポゼース類似DNAを単離し、その類似DNAからTol2トラン
スポゼース類似タンパク質を調製することもできる。
【0022】また、上記Tol2トランスポゼースと類似し
たタンパク質は、天然型のタンパク質に限られず、配列
番号2に記載のアミノ酸からなるTol2トランスポゼース
タンパク質を人工的に改変する方法によっても調製する
ことができる。この人工的な改変は、Tol2トランスポゼ
ースタンパク質をコードしたDNA、例えば、配列番号1
のDNAを当業者に公知の技術、deletion-mutant作製方
法、PCR法、カセット変異法などを用いたsite-directed
mutagenesisにより実行することができる。
【0023】ここで得られたTol2トランスポゼースに類
似したタンパク質が、Tol2トランスポゼースと同様のト
ランスポジション誘導活性を有するかを解析することに
より測定することができる。この解析は後述する実施例
に従って行うこともできる。
【0024】[トランスポゼースDNA]本発明のトランス
ポゼースをコードしたDNA(以下、「トランスポゼースD
NA」という)は、トンラスポジションを誘導する活性を
コードしているDNAであれば、cDNA、ゲノムDNAおよび合
成DNAも含まれる。
【0025】本発明のトランスポゼースをコードしたcD
NAの好適な例としては、上記Tol2トランスポゼースをコ
ードしたcDNAを挙げることができ、具体的には、配列番
号1に記載のDNAが挙げられる。また、このcDNA以外に
も、Tol2トランスポゼースと同様の活性を有するcDNA
も含めることができる。こうしたcDNAは、配列番号1
に記載のDNAまたはその断片などを標識化し、これをプ
ローブとして用いたハイブリダイゼーションにより、上
記活性を有するタンパク質が発現している生物組織由来
のcDNAライブラリーからスクリーニングすることができ
る。また別の上記cDNAの調製は、配列番号1に記載のDN
Aの一部を含む合成オリゴヌクレオチドをプライマーと
して、上記活性を有するタンパク質が発現している組織
由来のRNAを鋳型としたRT−PCRにより行ってもよい。
【0026】本発明のトランスポゼースをコードしたゲ
ノムDNAの好適な例として、配列番号3に記載のDNAを挙
げることができる。このゲノムDNAは、メダカより得ら
れたことから、メダカのトータルDNA、あるいはメダカ
のゲノムDNAライブラリー、あるいはゼブラフィッシュ
のように既にトランスポゾンが導入された動物ゲノムな
どより得ることができる。また、配列番号3に記載のゲ
ノムDNA以外にも、Tol2トランスポゼースと同様の活性
を有するゲノムDNAも含めることができる。こうしたゲ
ノムDNAは、上記cDNAの調製と同様に、配列番号1また
は3に記載のDNAまたはその断片などを標識化し、これ
をプローブとして用いて、生物組織由来のゲノムDNAラ
イブラリーからハイブリダイゼーションにより得てもよ
く、また上記配列番号1または3に記載のDNAの一部を
含む合成オリゴヌクレオチドをプライマーとして、生物
組織由来のRNAを鋳型としたRT−PCRにより調製してもよ
い。
【0027】また、上述したcDNA、ゲノムDNAは市販のD
NA合成機を用いて合成することもできる。例えば、配列
番号1または3に記載のDNAおよび相補鎖をそれぞれ合成
し、これらをアニーリングさせて二本鎖にすることによ
り調製することもできる。
【0028】上記トランスポゼースDNAは哺乳動物細胞
内でトランスポジションを誘導する活性を有したトラン
スポゼースをコードしていることから、このDNAはトラ
ンスポゼースを産生させるための材料として有用なだけ
ではなく、本トランスポゼースDNAを直接哺乳動物内に
導入し、細胞内でトランスポゼースを発現させるために
用いることもできる。
【0029】本発明はトランスポゼースDNAを組み込ん
だベクターに関する。上述のようにトランスポゼースDN
Aを用いてトランスポゼースの産生や哺乳動物内でのト
ランスポゼースの発現を実行するためには、上記トラン
スポゼースDNAを所望の発現ベクターに組み込むことが
好ましい。ここで用いることができるベクターは特に限
定はなく、トランスポゼースDNAを組み込んだベクター
が導入される宿主、用途などにより、当業者において知
られている発現ベクターから適宜選択して使用すること
ができる。例えば、哺乳動物(細胞)内でトランスポゼ
ースを発現させるためのベクターとしては、例えば、ウ
イルス系のベクター(レトロウイルスベクター、アデノ
ウイルスベクター、アデノ関連ウイルスベクター、ワク
シニアウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ヘ
ルペスウイルスベクター、アルファウイルスベクター、
EBウイルスベクター、パピローマウイルスベクター、フ
ォーミーウイルスベクターなど)、非ウイルスベクター
(カチオニックリポソーム、リガンドDNA複合体、ジー
ンガンなど)などが挙げられる(Y. Niitsuら, Molecul
ar Medicine 35: 1385-1395 (1998)。
【0030】本発明は、トランスポゼースDNAの一部フ
ラグメントをも含む。上記トランスポゼースDNAは全長
配列としてトランスポゼースを発現させる等の目的に利
用することができるだけでなく、その一部フラグメント
としても、ハイブリダイゼーション用プローブ、PCRプ
ライマーまたはリボザイム誘導体として利用することが
できる。そのため一部フラグメントはこれら目的を実行
し得るように、プローブ等として特異性を保持できる長
さ、例えば、15ヌクレオチド長以上を有していることが
好ましい。例えば、こうしたポリヌクレオチドとして
は、配列番号1または3に記載の塩基配列からなるDNA
またはその相補鎖と特異的にハイブリダイズするものが
挙げられる。ここで、「特異的にハイブリダイズする」
とは、ハイブリダイゼーションにおいて、他のタンパク
質をコードするDNAとクロスハイブリダイゼーションが
有意に生じないことを意味する。上記プローブ、プライ
マーは、本タンパク質をコードしたDNAのクローニング
や本DNAの検出に利用することができる。
【0031】また、本発明のトランスポゼースを発現し
得る核酸としては、上記DNAだけではく、RNAをも含まれ
る。トランスポゼースDNAからトランスポゼースの発現
には、RNAが介在する。そのためトランスポゼースDNAで
はなく、トランスポゼースRNAを哺乳動物細胞に導入す
ることによっても、哺乳動物細胞内でトランスポゼース
を発現させることもできる。このようなRNAの調整は、
上記トランスポゼースcDNAまたはゲノムDNAを転写する
ことにより、または上記トランスポゼースcDNAに対応し
たRNAをRNA合成機で合成することにより行うことができ
る。
【0032】[非自律的Tol2トランスポゾン]本発明の他
の態様は、トランスポゼースが欠損していることにより
自律的には哺乳動物内で転移し得ないTol2トランスポゾ
ンであり、Tol2トランスポゼースの供給により転移し得
る非自律的Tol2 トランスポゾンに関する。
【0033】Tol2トランスポゾンは自律的に転移し得る
ため、一旦、哺乳動物の染色体内にTol2トランスポゾン
が転移した後に、これが切り出され、別の部位に転移す
る可能性がある。このような自律的トランスポゾンは、
単独で哺乳動物の染色体変異を導入し得るが、転移した
位置から別の位置へ転移する可能性がある点では不安定
といえる。そのため、Tol2トランスポゾンにおいて、ト
ランスポゼースを欠損させて自律的に転移する能力を欠
損させることにより、染色体に転移した後の再転移を抑
制し、安定して染色体内に変異を導入して、遺伝子改変
を行うことができる。こうした非自律的Tol2トランスポ
ゾンは、上述した配列番号3に記載の塩基配列を有する
トランスポゾンDNAあるいは同等の機能を有する類似のD
NA中、トランスポゼースをコードした領域に塩基配列の
欠失、挿入または置換が加えられ、トランスポゼース活
性を失ったDNAが挙げられる。
【0034】このトランスポゼースをコードした領域に
おける塩基配列の欠失、挿入または置換は、トランスポ
ゼース活性を失い得る変異であれば、変異領域の塩基
数、種類などには限定されない。また、トランスポゼー
スをコードした領域に限られず非コード領域の欠失、挿
入、置換などの変異によりトランスポゼースの発現を阻
害し得る変異をも含めることができる。但し、これら変
異はトランスポゾンとして転移し得る能力を担保し得る
ためにトランスポジションのシスエレメントを欠損しな
い範囲に限られる。このようなトランスポジションのシ
スエレメントは、配列番号3に記載の塩基配列を系統的
に欠失させたシリーズを当業者に公知の方法あるいは市
販のディリーションキットなどを用いて作製し、転移に
必要な領域を解析することにより同定することができ
る。
【0035】トランスポゼースコード領域の欠失変異の
一例としては、図1に示すようなTol2トランスポゾンDN
Aにおいてエキソン2の5’側からエキソン4の中央付近
(具体的には配列番号3における第2230塩基から第4146
塩基)にかけて欠失を有するものを挙げることができる
が、これよりも長い欠失、あるいは短い欠失であっても
よく、また欠失部位は複数に分断されていてもよい。ま
た、挿入変異の一例としては、Tol2トランスポゾン上の
トランスポゼースがコードされた領域等に、リンカー配
列、制限酵素認識配列、マルチクローニングサイトある
いは任意の遺伝子を挿入することにより、トランスポゼ
ース活性を欠損させるような変異が挙げられる。また、
置換変異の一例としては、トランスポゼースコード領域
等の塩基配列を他の塩基配列に置換して、トランスポゼ
ースの転移誘導活性を欠損させる置換変異が挙げられ
る。これら欠失、挿入、置換変異は単独でも組み合わせ
て用いてもよい。このような変異の組合せの一例を挙げ
れば、配列番号4に記載の塩基配列からなる非自律的ト
ランスポゾンDNAを示すことができる。このDNAは、配列
番号3に記載のTol2トランスポゾンDNA中、第第2230塩
基から第4146塩基が欠失され、この欠失領域に「AGATCT
C ATATGCTCGAGGGCCC」からなるXhoI認識配列を含むリ
ンカー配列が挿入されている。
【0036】このような非自律的Tol2トランスポゾンDN
Aを用いて染色体に変異導入を行った場合、本DNA自体は
トランスポゼース活性を保持しないため、トランスポゼ
ースが外部から供給されない限り、本DNAは染色体上に
安定的にとどまることができる。そのため、この変異導
入による機能遺伝子の同定や、安定したトランスジェニ
ック個体の作製に有利となる。
【0037】また、本発明は、上記非自律的Tol2トラン
スポゾンDNAを保持するベクターに関する。非自律的Tol
2トランスポゾンDNAそのままで用いることもできるが、
哺乳動物あるいはその細胞に導入する場合などにおいて
は端部からのデグラデーションを防止等するために、こ
のDNAをベクターにつなぐことができる。このベクター
は、導入する宿主や目的に応じて選択することができ
る。例えば、哺乳動物(あるいはその細胞)内に本DNA
を導入するためのベクターとしては、例えば、ウイルス
系のベクター(アデノウイルスベクター、アデノ関連ウ
イルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、レンチ
ウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、アルフ
ァウイルスベクター、EBウイルスベクター、パピローマ
ウイルスベクター、フォーミーウイルスベクター、レト
ロウイルスベクターなど)、非ウイルスベクター(カチ
オニックリポソーム、リガンドDNA複合体、ジーンガン
など)(Y. Niitsuら, Molecular Medicine 35: 1385-1
395 (1998)のいずれであってもよい。
【0038】また、本発明は上記非自律的Tol2トランス
ポゾンDNAまたはこれを含むベクターを保持した哺乳動
物細胞に関する。このようなDNAまたはベクターを保持
した哺乳動物細胞は、トランスポゼースの供給により、
細胞内の非自律的Tol2トランスポゾンDNAが転移し変異
を導入し得るため、機能遺伝子の解析、ノックアウト動
物の作製等に用いることができる。機能遺伝子の解析用
としては、宿主となる哺乳動物細胞は、特に限定はな
く、ヒトなどの霊長類由来の細胞、マウスなどのげっ歯
類由来の細胞であってもよい。また、この哺乳動物細胞
は、体細胞、生殖細胞であってもよく、体細胞であれば
種々の臓器由来の細胞を含めることができる。また、ノ
ックアウト動物の作製用としては、この宿主の哺乳動物
細胞として、胚細胞などの生殖能力を有する細胞を用い
ることが好ましい。こうした細胞内において、上記DNA
またはベクターは、染色体外に保持されていても、また
染色体内に保持されていてもよい。
【0039】[変異哺乳動物細胞の製造用システム]本発
明の他の態様は哺乳動物遺伝子改変用システムに関す
る。この哺乳動物遺伝子改変用システムは、上述した自
律的あるいは非自律的のTol2トランスポゾンを用いて、
哺乳動物の染色体を改変するシステムである。この「改
変」には、既存の染色体上の遺伝子を破壊するノックダ
ウン変異、新たな遺伝子を挿入するトランスジェニック
変異および、これら双方の組合せによる改変が含まれ
る。
【0040】ノックダウン変異用としては、第一に、上
述した配列番号3に記載の塩基配列に代表されるような
自律的Tol2トランスポゾンDNAあるいはこのDNAを保持し
たベクターを含むシステムを挙げることができる。上述
したように、自律的Tol2トランスポゾンDNAはトラン
スポゼースを保持し、哺乳動物細胞内で自律的に転移し
得るため、上記DNAあるいはベクターを哺乳動物細胞
内に導入することにより、ランダムな遺伝子のノックダ
ウンなどに用いることができる。
【0041】第二のノックダウン変異用システムとして
は、配列番号4に記載の塩基配列のような非自律的Tol2
トランスポゾンDNAまたはこれを保持したベクター
と、配列番号1に記載の塩基配列に代表されるTol2トラ
ンスポゼースDNA、このDNAを保持したベクター、配列番
号2に記載のアミノ酸配列に代表されるようなトランス
ポゼースまたはこのトランスポゼースをコードしたRNA
のうち少なくともいずれか一つと、を備えた、哺乳動物
遺伝子改変用システムが挙げられる。すなわち、非自律
的Tol2トランスポゾンDNAはそれ自身ではトランスポゼ
ースを欠損しているため転移し得ないが、この非自律的
Tol2トランスポゾンDNAとともに、DNA、RNAまたは直
接、タンパク質としてトランスポゼースを哺乳動物に供
給することにより、Tol2トランスポゼースDNAは哺乳
動物内で染色体に転移し、染色体上のランダムな遺伝子
に変異を導入し得る。なお、Tol2トランスポゼース供給
源としてDNAを用いる場合には、このトランスポゼースD
NAは、非自律的Tol2トランスポゾンDNAと別体、すなわ
ち、別々のフラグメントまたは別々のベクター上に載せ
た形式でもよく、同一のベクター上に二つのDNAを担持
させる形式であってもよい。
【0042】トランスジェニック変異用のシステムとし
ては、上記第二のノックダウン変異用システム、すなわ
ち、非自律的Tol2トランスポゾンDNAまたはこれを保持
したベクターとTol2トランスポゼース供給源(DNA、RN
A、タンパク質など)を含むシステムを応用することが
できる。このシステムをトランスジェニック変異用のシ
ステムとして使用し易くするために、上記非自律的トラ
ンスポゾンDNAまたはこれを保持したベクター上の非自
律的トランスポゾンDNA領域に任意の核酸を挿入し得る
部位が備えられていることが好ましい。ここで「任意の
核酸」は、哺乳動物の染色体内に挿入させたい所望の核
酸であり、例えば、機能を解析したい遺伝子などを任意
に選択することができる。また、この任意の核酸を非自
律的トランスポゾンDNA上に保持させ易くするために、
「任意の核酸を挿入し得る部位」として、制限酵素の認
識配列を設けることができる。この制限酵素の認識配列
は、一種類の制限酵素の認識サイトであってもよいが、
好ましくは複数種の制限酵素の認識サイトを有するマル
チクローニングサイトなどとしてもよい。このようにク
ローニングサイトを設けることにより解析したい遺伝子
を非自律的トランスポゾンDNAに挿入することが容易
になる。そして、このように任意の核酸を保持した非自
律的トランスポゾンDNAを、Tol2トランスポゼース供
給源(Tol2トランスポゼースDNA、これを保持したベク
ター、Tol2トランスポゼースRNAまたはTol2トランスポ
ゼースタンパク質)とともに哺乳動物細胞に導入するこ
とにより、非自立型Tol2トランスポゾンDNAの染色体へ
転移させ、所望の核酸を効率良く染色体内に組み込むこ
とが可能となる。また、このTol2トランスポゾンの染色
体の転移に際しては、仮にTol2トランスポゾンDNAがベ
クター上に組み込まれた場合であってもベクター配列な
どのトランスポゾンDNA以外の不必要なDNAの持ち込みが
ない。そのため、このトランスジェニック変異用のシス
テムは、トランスジェニック動物などの作製用としての
み使用することができるだけでなく、安全な遺伝子治療
用のシステムとしても利用し得ることが期待される。す
なわち、疾患の原因となる遺伝子を外来から補足するな
どのシステムとして医療用として利用してもよい。
【0043】[変異哺乳動物細胞の製造方法]また、本発
明はTol2トランスポゾンDNAを用いて、変異哺乳動物
細胞を製造する方法に関する。Tol2トランスポゾンDN
Aを用いた第一の変異哺乳動物細胞を製造する方法とし
ては、哺乳動物細胞に配列番号3に代表されるような自
律的Tol2トランスポゾンDNAまたはこれを保持したベ
クターを導入する工程を含む方法である。
【0044】この方法の対象となる細胞は、哺乳動物細
胞であれば、特に種などの制限はなく、ヒトなどの霊長
類由来の細胞、マウスなどのげっ歯類由来の細胞などで
あってもよい。このような細胞に上記トランスポゾンD
NAを導入するための方法は、特に限定はなく、リポソ
ーム法、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム
法、ジーンガン法などを用いることができ、また、胚細
胞などに対しては、マイクロインジェクション法などを
用いることができる。
【0045】このように対象となる哺乳動物細胞に自律
的Tol2トランスポゾンDNAを導入することにより、細胞
内で自律的Tol2トランスポゾンDNAにコードされたトラ
ンスポゼースの作用によりTol2トランスポゾンDNAを染
色体内に転移させ、変異哺乳動物細胞を製造することが
可能となる。
【0046】また、第二の変異哺乳動物細胞を製造方法
としては、配列番号4に記載の塩基配列のような非自律
的Tol2 トランスポゾンDNAまたはこれを保持したベクタ
ーと、配列番号1に記載の塩基配列に代表されるような
Tol2トランスポゼースDNA、このDNAを保持したベクタ
ー、配列番号2に記載のアミノ酸配列に代表されるトラ
ンスポゼースまたはこのトランスポゼースをコードした
RNAのうち少なくともいずれか一つとを、ヒトを除く哺
乳動物細胞に導入する工程を含む方法が挙げられる。
【0047】上記第一の方法では、製造された変異哺乳
動物細胞内でTol2 トランスポゼースが再転移する可能
性があるため、この再転移の可能性を抑制するために
は、非自立型Tol2トランスポゾンを用いた第二の方法を
用いることが好ましい。第二の製造方法においても、上
記第一の製造方法と同様に、対象となる哺乳動物細胞は
特に限定はない。
【0048】Tol2トランスポゾンDNAと、トランスポゼ
ース供給源としてTol2トランスポゼースDNA、このDNAを
保持したベクターまたはTol2トランスポゼースRNAとを
対象細胞へ導入する方法は、第一の製造方法において述
べた種々の方法(リポソーム法、エレクトロポレーショ
ン法、リン酸カルシウム法、ジーンガン法、マイクロイ
ンジェクション法など)を用いて、コトランスフェクシ
ョンしてもよい。また、トランスポゼース供給源として
Tol2トランスポゼースDNAを用いた場合には、非自律的T
ol2トランスポゾンDNAと別々のフラグメントとして
あるいは別々のベクターに担持させた状態で上記コトラ
ンスフェクションを実施する以外に、両DNAを同一のベ
クター上に組み込んで上記方法のいずれかにより哺乳動
物細胞内に導入することもできる。また、Tol2 トラン
スポゼース供給源として、直接Tol2 トランスポゼース
タンパク質を用いた場合には、対象細胞に上記非自律的
Tol2トランスポゾンDNAマイクロインジェクションに
よりトランスフェクションする際の同時にタンパク質も
供給するか、あるいはエンドサイトーシスを利用して、
Tol2 トランスポゼースタンパク質を供給してもよい。
【0049】上記変異哺乳動物細胞の製造方法は、主に
染色体へTol2トランスポゾンを転移させ、ランダムに遺
伝子等がノックアウトされた細胞を製造し得る方法とし
て利用することができる。そして、ここで製造された細
胞はフォワードジェネティクスのツールとして使用し得
る。すなわち、ここで製造された細胞は、何らかの遺伝
子の破壊により表現型が変化する可能性がある。そのた
め、このような方法で製造した細胞の表現型を解析し、
表現型が変化した細胞内のトランスポゾンDNAが挿入さ
れた遺伝子座を同定することにより、機能遺伝子をスク
リーニングすることが可能となる。なお、上記において
表現型の解析は、細胞表面に現われる状態を解析するだ
けでなく、広く細胞における動態変化などの解析も含ま
れる。また、トランスポゾンDNAが挿入された遺伝子座
の同定は、変異導入に用いたトランスポゾンDNAまたは
その一部をプローブとして用いたハイブリダイゼーショ
ンなどにより実施することができる。
【0050】また、本発明の変異哺乳動物細胞の製造方
法は上述したようにランダムなノックアウト哺乳動物細
胞を製造する方法にのみ利用されるのではなく、所望の
遺伝子などの核酸が導入されたトランジェニック細胞を
製造する目的でも利用することができる。このような所
望の外来遺伝子等が導入された細胞を製造する場合に
は、上記非自律的Tol2 トランスポゾンDNAまたはこれを
含むベクター上の非自律的トランスポゾンDNA領域に予
め機能を解析したい遺伝子等の所望の核酸を挿入する。
そして、所望の核酸が挿入された非自律的Tol2 トラン
スポゾンDNAまたはこれを含むベクターを対象の哺乳動
物細胞に導入する。この非自律的Tol2 トランスポゾンD
NAの細胞内への導入と同時にあるいは異なるタイミング
で細胞に上記Tol2トランスポゼース供給源(Tol2トラン
スポゼースDNA、このDNAを含むベクター、Tol2トランス
ポゼースRNAまたはTol2トランスポゼースタンパク質)
を提供する。このTol2トランスポゼースの作用により、
細胞内では所望の核酸を含むTol2トランスポゾンDNAが
染色体に転移し、この所望の核酸を効率よく染色体上に
挿入することができる。このように、本発明のトランス
ポゾンを所望の遺伝子を染色体へ運搬するための担体と
して用いることにより、機能を調べたい遺伝子、DNAな
どの所望の核酸を染色体に効率よく挿入することができ
る。そして、ここで製造された細胞はリバースジェネテ
ィクスの材料として用いることができる。すなわち、ト
ランスポゾンDNAと共に細胞の染色体に導入された所望
の核酸により、表現型が変化すれば、この表現型を解析
することにより、この所望の核酸の機能を解析すること
が可能となる。
【0051】[遺伝子改変動物の作製方法]本発明の他の
態様は、Tol2トランスポゾンを用いた遺伝子改変動物の
作製方法に関する。
【0052】第一の遺伝子改変動物の作製方法は、ヒト
を除く哺乳動物に配列番号3に記載の塩基配列に代表さ
れる自律的Tol2 トランスポゾンDNAまたはこれを含むベ
クターを注入する工程を含む、方法である。
【0053】本方法の対象となる哺乳動物は、人を除く
哺乳動物であればサルなどの霊長類、マウスなどのげっ
歯類などを含めることができる。また、これら哺乳動物
への上記トランスポゾンDNAあるいはベクターを導入
する方法としては、血管内、筋肉内、皮下などに注入す
ることにより動物の体内に輸送することができる。例え
ば、マウスであれば尾を切断し、尾の静脈血管より上記
DNA等を注入することができる。このように注入されたD
NAは哺乳動物の組織内などに分配され、体細胞、生殖細
胞などに到達し、これら細胞のいずれかにおいてTol2ト
ランスポゾンDNAが染色体に転移して、染色体に変異を
有する哺乳動物を作製することができる。なお、ここで
生殖細胞内の染色体に上記トランスポゾンDNAが転移し
た場合には、このトランスポゾンDNAは作製された哺
乳動物から子孫へと伝達させ、多くの変異哺乳動物を作
製することも可能となる。
【0054】第二の方法は、配列番号3に記載の塩基配
列のような非自律的Tol2トランスポゾンDNAまたはこれ
を含むベクターと、配列番号1に記載の塩基配列に代表
されるTol2トランスポゼースDNA、このDNAを含むベクタ
ー、配列番号2に記載のアミノ酸配列に代表されるよう
なTol2トランスポゼースまたはこれをコードしたTol2ト
ランスポゼースRNAのうち少なくともいずれか一つと
を、ヒトを除く哺乳動物に導入する工程を含む、方法で
ある。
【0055】この第二の方法の場合にも対象となる動物
はヒトを除く哺乳動物である。また、これら非自律的To
l2トランスポゾンDNA等およびトランスポゼース供給源
(Tol2トランスポゼースDNA、このDNAを含むベクター、
Tol2トランスポゼースまたはTol2トランスポゼースRN
A)の哺乳動物への注入は、上記第一の方法と同様に、
血管内に注入する等により実行することができる。但
し、非自律的Tol2トランスポゾンDNAまたはベクター
と、上記トランスポゼース供給源との注入のタイミング
は、双方同時に行ってもよく、いずれか一方を注入後に
他方を注入してもよい。
【0056】このように非自律的Tol2トランスポゾンDN
A等とトランスポゼース供給源とを哺乳動物細胞内に注
入することにより、これら注入試料が哺乳動物の組織な
どに分配され、体細胞、生殖細胞などに到達する。こう
した細胞において非自律的Tol2トランスポゾンDNAにト
ランスポゼースが作用することにより非自律的Tol2トラ
ンスポゾンDNAは染色体に転移し、染色体に変異を有す
る哺乳動物が作製される。なお、この場合にも生殖細胞
内の染色体に上記トランスポゾンDNAが転移した場合に
は、このトランスポゾンDNAは作製された哺乳動物から
子孫へと伝達させ、多くの変異哺乳動物を作製すること
も可能となる。
【0057】第三の方法は、第二の方法の変形であり、
配列番号1に記載の塩基配列に代表されるようなTol2ト
ランスポゼースDNAを保持したヒトを除く哺乳動物と、
配列番号4に記載の塩基配列のような非自律的Tol2トラ
ンスポゾンDNAを保持したヒトを除く哺乳動物とを交配
させ、個体を発生させる工程を含む、方法である。すな
わち、一の哺乳動物内に、Tol2トランスポゼース供給源
と、非自律的Tol2トランスポゾンDNAとを注入する第二
の方法とは異なり、非自律的Tol2トランスポゾンDNAを
予め保持した哺乳動物と、トランスポゼースDNAを保持
した哺乳動物とを交配させることにより、子孫である哺
乳動物内で両DNAを伝達させる点で異なる。このよう
に子孫にこれらDNAを伝達させるためには、非自律的Tol
2トランスポゾンDNA、Tol2トランスポゼースDNAはそれ
ぞれの哺乳動物の生殖細胞内で保持されている必要があ
る。また、この方法では、交配が前提となるため、両哺
乳動物は雌雄が異なっている必要がある。
【0058】なお、親である自律的Tol2トランスポゾン
DNAを保持した哺乳動物は、上記第二の方法で作製して
もよく、また、自律的Tol2トランスポゾンDNAを保持し
た胚細胞などから発生させてもよく、またTol2トランス
ポゼースの作用を用いずに染色体にインテグレーション
させる通常のトランスジェニック個体の作製方法により
作製したものであってもよい。また、もう一方の親であ
るTol2トランスポゼースDNAを保持した哺乳動物は通常
のトランスジェニック個体の作製方法により作製するこ
とができる(「マウス胚の操作マニュアル」第二版、近
代出版、BrigidHoganら著、山内一也ら訳)。
【0059】上記3つの遺伝子改変哺乳動物の作製方法
は、主に、染色体内に変異を導入したノックアウト個体
を作製する目的で用いることができる。そのため、この
方法で作製した哺乳動物細胞は、新規の機能遺伝子のス
クリーニングに用いることができる。すなわち、ここで
作製された変異哺乳動物の表現型を解析し、表現型が変
化した動物を選択する。この表現型は全身性のものであ
っても、特定の臓器あるいは組織特異的なものであって
もよい。そして、ここで選択された動物においてトラン
スポゾンDNAが存在する組織、染色体位置などを同定す
ることにより、機能遺伝子のスクリーニングを行うこと
もできる。
【0060】本発明の遺伝子改変動物の作製方法は、上
述したようなランダムな遺伝子ノックアウト動物の作製
方法として利用できるだけでなく、所望の核酸を導入し
たトランスジェニック動物の作製方法として用いること
もできる。このような目的で本発明の方法を実施するた
めには、上述した非自律的Tol2トランスポゾンDNAまた
はベクター上の非自律的トランスポゾンDNA領域に、所
望の核酸を予め挿入する。そして、このように所望の核
酸が挿入された非自律的トランスポゾンDNAまたはこれ
を保持したベクターを用いて、上述した本発明の第二の
作製方法を実施する。すなわち、所望の核酸が挿入され
た非自律的Tol2トランスポゾンDNAまたはこれを保持し
たベクターを哺乳動物に注入する。この注入の際に、非
自律的Tol2トランスポゾンを転移させるためのTol2トラ
ンスポゼース供給源(上記Tol2トランスポゼースDNA、
これを含むベクター、Tol2トランスポゼースRNAまたはT
ol2トランスポゼースタンパク質)を同時にあるいは別
に哺乳動物に注入する。そして、この哺乳動物内におい
て、トランスポゼースの作用により非自律的トランスポ
ゾンDNAを染色体内に転移させることにより、この非自
律的トランスポゾンDNAの転移に伴って任意の核酸が
染色体内に導入された変異哺乳動物が作製される。この
本方法によれば、トランスポゾンの機能を用いることに
より哺乳動物に効率良く所望の核酸を導入するが可能と
なる。そして、この方法を用いれば、哺乳動物に効率良
く所望の核酸を導入することにより、所望の機能を付加
し得る。また、所望の核酸として、機能を解析したい被
験核酸などをトランスポゾン上に載せ、本方法で変異哺
乳動物を作製し、作製された動物の表現型を解析するこ
とにより、遺伝子の機能を解析する方法としても用いる
ことができる。
【0061】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて、より詳細に
説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものでは
ない。
【0062】[実施例1] 哺乳動物におけるTol2のトラ
ンスポジション解析 哺乳動物で利用し得る新たなトランスポゾンを開発する
ために、Tol2が哺乳動物細胞においてトランスポジショ
ンし得るかを以下の2−コンポーネント解析システムを
用いて解析した。
【0063】上記2−コンポーネント解析システムで
は、Tol2のシスエレメントを備えたpT2KPKneoとトラン
スエレメントを備えたpCAGGS-T2TPとの二つのプラスミ
ドを用いた(図1)。先ず、プラスミドpT2KPKneoは以
下の通り構築した。pTol2-tyr(Kawakami, K., Shima,
A., & Kawakami, N. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97,
11403-11408 (2000))を改変し、Tol2の全長配列(配列
番号3)のうち1から2229までの領域と4147から4682ま
での領域とをXhoI認識配列を含むリンカー配列により接
続して非自律的トランスポゾンDNA(配列番号4)を構
築した。このDNAをプラスミドpCAGGS(Niwa, H., Yamam
ura, K. & Miyazaki, J. Gene 108, 193-200 (1991))
に組み込み非自律的Tol2トランスポゾンベクターを構成
した。そして、上記ベクターに薬剤耐性マーカーを導入
するために前記非自律的トランスポゾンDNA内のXhoIにP
GK-neoカセット(PGKプロモータの下流にネオマイシン
耐性遺伝子が接続され、さらにその下流にPGKのポリA付
加シグナル配列を備えたカセット)を挿入し、pT2KPKne
oを構築した。一方、もう一つのプラスミドpCAGGS-T2TP
は、pCAGGSにTol2 cDNA (配列番号1)を組み込んで
構築した。
【0064】上記pT2KPKneo(50μg)をpCAGGS-T2TP(3
00μg)またはトランスポゼースを担持しないpCAGGSベ
クター(300μg)と共にエレクトロポレーションにより
マウスES細胞に導入した。エレクトロポレーション後の
細胞を数枚のシャーレに分注し、G418(175μg/ml)存
在下、標準的なES細胞培養法にて培養した。pT2KPKneo
およびpCAGGS-T2TPのコトランスフェクションでは、総
数約1.1×104 G418耐性(G418R)コロニーが得られた。一
方、pT2KPKneoおよびpCAGGSベクターのコトランスフェ
クションでは、約50のG418Rコロニーが得られた。すな
わち、pCAGGS-T2TPのコトランスフェクションした際の
トランスフォーメーション効率は、pCAGGSベクターを用
いた場合に比べて約200倍上昇した。この結果は、pC
AGGS-T2TPから発現されるトランスポゼースが、トラン
スフォーメッション効率に正の影響を与えることを示し
た。
【0065】高効率のトランスフォーメーションが、転
移カセットのトランスポジションにより染色体にインテ
グレーションしたことによって生じたのか否かを解析す
る為に、上記各トランスフェクション実験で得られた1
0コのG418 耐性コロニーを単離、培養し、各コロニー
からのゲノムDNAを抽出して種々の解析を行った。ゲノ
ムDNAのサザンブロット解析では、上記転移カセットが
これらG418耐性ES細胞コロニーにおいて染色体に挿入さ
れていたことが示された(図2a)。次に、図1に示した
プライマーf20( 5’-TTTACTCAAGTAAGATTCTAG-3’(配
列番号5))およびex4f(5’-GCTACTACATGGTGCCATTCCT
-3’(配列番号6))を用いたPCRにより、染色体内に
挿入されている配列を解析した。pCAGGS-T2TP (図2b,
上部パネル, レーン 1-10)を用いたコトランスフェクシ
ョンで得られたESコロニーからは、増幅されたDNAバン
ドは検出されなかった。一方、pCAGGS (図2b、上部パネ
ル、レーン11-20)を用いたコトランスフェクションから
得られたESコロニーからは、約200bpのDNAバンドが増幅
された。このPCRの結果より、pCAGGS-T2TPと共にコトラ
ンスフェクションしたESクローンでは、転移カセットの
みがESクローンに挿入され、隣接するベクター配列の挿
入されていないことが示された。
【0066】最後に、挿入されたTol2配列と隣接するマ
ウスゲノム配列との接続部分を含むDNAフラグメントを
解析するために、pCAGGS-T2TPと共にコトランスフェク
ションされた3つのESクローンからインバースPCRを行
い、増幅されたフラグメントのクローニングおよび配列
決定を行った。なお、ここで用いた3つのESクローンは
サザンブロットにおいて、単一のTol2配列の挿入が検出
されたクローンである(図2a、レーン1, 9及び10)。こ
れら3つ全てのクローンにおいて、Tol2挿入がマウスの
染色体DNAおよび8bpの順向き繰返配列により囲まれて
いた。この配列はTol2のターゲットサイトにいつも見出
され、また形成されていた(図2c)。トランスフェク
ションされていないES細胞より、Tol2転移前の上記領域
の野生型DNAをクローニングした。各領域には1コピー
の8bpの配列が含まれていた。これらの結果より、pCAG
GS-T2TPより産生されたトランスポゼースはマウスES細
胞内で機能し、このトランスポゼースの作用により非自
律的Tol2エレメントが染色体内に転移、挿入された。ク
ローン#10において、Tol2が挿入された領域を囲むゲ
ノム配列の一部はマウスEST配列(BB629503)と完全一致
し(118bp/118bp)、この相同性の端は染色体配列上のG
Tで終わっていた。したがって、このクローンではTol2
はエキソンに転移、挿入されている可能性が示唆され
る。
【0067】Tol2は魚類だけでなく哺乳動物であるマウ
スにおいても転移し得ることが示された。Tol2トランス
ポジション反応に関与する宿主ファクターは知られてい
ないが、このようなファクターがこれら宿主間で共通し
て存在しているのかもしれない。
【0068】Tol2 は、Sleeping Beautyが属する Tc1/m
arinerファミリーとは異なるトランスポゾンhATファミ
リーに属する。このことは両トランスポゾンシステム
が、転移効率や好ましい転移配列などにおいて異なる性
質を備えている可能性がある。現実に実際にSleeping B
eauty は通常TA配列に転移するが(Ivics, Z., Hacket
t, P.B., Plasterk, R.H., & Izsvák, Z. Cell
91, 501-510 (1997))、このような特異性はTol2では観
察されていない(図2C、Koga, A., Suzuki, M.,Inagak
i, H., Bessho, Y., & Hori, H. Nature 383, 30 (199
6)、Kawakami, K., Shima, A., & Kawakami, N. Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 97, 11403-11408 (2000)、Koga,
A., & Hori, H. Genetics 156, 1243-1247 (2000))。
そのため、Tol2は哺乳動物におけるトランスジェニック
個体の作製方法や変異導入方法ための新規なツールとし
て利用し得る。
【0069】
【発明の効果】本発明により、新規な哺乳動物内で機能
するトランスポゾンが提供された。このトランスポゾン
は、トランスポゼースを保持した自律的トランスポゾン
としても、トランスポゼースを別にした非自律的トラン
スポゾンとしても利用することができる。このようなト
ランスポゾンはノックアウト動物やトランスジェニック
動物を作成する際の強力なツールとなり得る。また、本
発明では、これらトランスポゾンを用いて哺乳動物の改
変方法等が提供された。これら方法は哺乳動物における
種々の遺伝子の機能解明あるいは機能遺伝子の発見に大
いに役立つことが予想される。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Japan Science And Technology Corporation <120> Transposon transfer factor functioned in mammal <130> SEN-A0128 <140> <141> <160> 6 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 2156 <212> DNA <213> Oryzias latipes <400> 1 acgtcatgtc acatctatta ccacaatgca cagcaccttg acctggaaat tagggaaatt 60 ataacagtca atcagtggaa gaaaatggag gaagtatgtg attcatcagc agctgcgagc 120 agcacagtcc aaaatcagcc acaggatcaa gagcacccgt ggccgtatct tcgcgaattc 180 ttttctttaa gtggtgtaaa taaagattca ttcaagatga aatgtgtcct ctgtctcccg 240 cttaataaag aaatatcggc cttcaaaagt tcgccatcaa acctaaggaa gcatattgag 300 agaatgcacc caaattacct caaaaactac tctaaattga cagcacagaa gagaaagatc 360 gggacctcca cccatgcttc cagcagtaag caactgaaag ttgactcagt tttcccagtc 420 aaacatgtgt ctccagtcac tgtgaacaaa gctatattaa ggtacatcat tcaaggactt 480 catcctttca gcactgttga tctgccatca tttaaagagc tgattagtac actgcagcct 540 ggcatttctg tcattacaag gcctacttta cgctccaaga tagctgaagc tgctctgatc 600 atgaaacaga aagtgactgc tgccatgagt gaagttgaat ggattgcaac cacaacggat 660 tgttggactg cacgtagaaa gtcattcatt ggtgtaactg ctcactggat caaccctgga 720 agtcttgaaa gacattccgc tgcacttgcc tgcaaaagat taatgggctc tcatactttt 780 gaggtactgg ccagtgccat gaatgatatc cactcagagt atgaaatacg tgacaaggtt 840 gtttgcacaa ccacagacag tggttccaac tttatgaagg ctttcagagt ttttggtgtg 900 gaaaacaatg atatcgagac tgaggcaaga aggtgtgaaa gtgatgacac tgattctgaa 960 ggctgtggtg agggaagtga tggtgtggaa ttccaagatg cctcacgagt cctggaccaa 1020 gacgatggct tcgaattcca gctaccaaaa catcaaaagt gtgcctgtca cttacttaac 1080 ctagtctcaa gcgttgatgc ccaaaaagct ctctcaaatg aacactacaa gaaactctac 1140 agatctgtct ttggcaaatg ccaagcttta tggaataaaa gcagccgatc ggctctagca 1200 gctgaagctg ttgaatcaga aagccggctt cagcttttaa ggccaaacca aacgcggtgg 1260 aattcaactt ttatggctgt tgacagaatt cttcaaattt gcaaagaagc aggagaaggc 1320 gcacttcgga atatatgcac ctctcttgag gttccaatgt ttaatccagc agaaatgctg 1380 ttcttgacag agtgggccaa cacaatgcgt ccagttgcaa aagtactcga catcttgcaa 1440 gcggaaacga atacacagct ggggtggctg ctgcctagtg tccatcagtt aagcttgaaa 1500 cttcagcgac tccaccattc tctcaggtac tgtgacccac ttgtggatgc cctacaacaa 1560 ggaatccaaa cacgattcaa gcatatgttt gaagatcctg agatcatagc agctgccatc 1620 cttctcccta aatttcggac ctcttggaca aatgatgaaa ccatcataaa acgaggcatg 1680 gactacatca gagtgcatct ggagcctttg gaccacaaga aggaattggc caacagttca 1740 tctgatgatg aagatttttt cgcttctttg aaaccgacaa cacatgaagc cagcaaagag 1800 ttggatggat atctggcctg tgtttcagac accagggagt ctctgctcac gtttcctgct 1860 atttgcagcc tctctatcaa gactaataca cctcttcccg catcggctgc ctgtgagagg 1920 cttttcagca ctgcaggatt gcttttcagc cccaaaagag ctaggcttga cactaacaat 1980 tttgagaatc agcttctact gaagttaaat ctgaggtttt acaactttga gtagcgtgta 2040 ctggcattag attgtctgtc ttatagtttg ataattaaat acaaacagtt ctaaagcagg 2100 ataaaacctt gtatgcattt catttaatgt tttttgagat taaaagctta aacaag 2156 <210> 2 <211> 649 <212> PRT <213> Oryzias latipes <400> 2 Met Glu Glu Val Cys Asp Ser Ser Ala Ala Ala Ser Ser Thr Val Gln 1 5 10 15 Asn Gln Pro Gln Asp Gln Glu His Pro Trp Pro Tyr Leu Arg Glu Phe 20 25 30 Phe Ser Leu Ser Gly Val Asn Lys Asp Ser Phe Lys Met Lys Cys Val 35 40 45 Leu Cys Leu Pro Leu Asn Lys Glu Ile Ser Ala Phe Lys Ser Ser Pro 50 55 60 Ser Asn Leu Arg Lys His Ile Glu Arg Met His Pro Asn Tyr Leu Lys 65 70 75 80 Asn Tyr Ser Lys Leu Thr Ala Gln Lys Arg Lys Ile Gly Thr Ser Thr 85 90 95 His Ala Ser Ser Ser Lys Gln Leu Lys Val Asp Ser Val Phe Pro Val 100 105 110 Lys His Val Ser Pro Val Thr Val Asn Lys Ala Ile Leu Arg Tyr Ile 115 120 125 Ile Gln Gly Leu His Pro Phe Ser Thr Val Asp Leu Pro Ser Phe Lys 130 135 140 Glu Leu Ile Ser Thr Leu Gln Pro Gly Ile Ser Val Ile Thr Arg Pro 145 150 155 160 Thr Leu Arg Ser Lys Ile Ala Glu Ala Ala Leu Ile Met Lys Gln Lys 165 170 175 Val Thr Ala Ala Met Ser Glu Val Glu Trp Ile Ala Thr Thr Thr Asp 180 185 190 Cys Trp Thr Ala Arg Arg Lys Ser Phe Ile Gly Val Thr Ala His Trp 195 200 205 Ile Asn Pro Gly Ser Leu Glu Arg His Ser Ala Ala Leu Ala Cys Lys 210 215 220 Arg Leu Met Gly Ser His Thr Phe Glu Val Leu Ala Ser Ala Met Asn 225 230 235 240 Asp Ile His Ser Glu Tyr Glu Ile Arg Asp Lys Val Val Cys Thr Thr 245 250 255 Thr Asp Ser Gly Ser Asn Phe Met Lys Ala Phe Arg Val Phe Gly Val 260 265 270 Glu Asn Asn Asp Ile Glu Thr Glu Ala Arg Arg Cys Glu Ser Asp Asp 275 280 285 Thr Asp Ser Glu Gly Cys Gly Glu Gly Ser Asp Gly Val Glu Phe Gln 290 295 300 Asp Ala Ser Arg Val Leu Asp Gln Asp Asp Gly Phe Glu Phe Gln Leu 305 310 315 320 Pro Lys His Gln Lys Cys Ala Cys His Leu Leu Asn Leu Val Ser Ser 325 330 335 Val Asp Ala Gln Lys Ala Leu Ser Asn Glu His Tyr Lys Lys Leu Tyr 340 345 350 Arg Ser Val Phe Gly Lys Cys Gln Ala Leu Trp Asn Lys Ser Ser Arg 355 360 365 Ser Ala Leu Ala Ala Glu Ala Val Glu Ser Glu Ser Arg Leu Gln Leu 370 375 380 Leu Arg Pro Asn Gln Thr Arg Trp Asn Ser Thr Phe Met Ala Val Asp 385 390 395 400 Arg Ile Leu Gln Ile Cys Lys Glu Ala Gly Glu Gly Ala Leu Arg Asn 405 410 415 Ile Cys Thr Ser Leu Glu Val Pro Met Phe Asn Pro Ala Glu Met Leu 420 425 430 Phe Leu Thr Glu Trp Ala Asn Thr Met Arg Pro Val Ala Lys Val Leu 435 440 445 Asp Ile Leu Gln Ala Glu Thr Asn Thr Gln Leu Gly Trp Leu Leu Pro 450 455 460 Ser Val His Gln Leu Ser Leu Lys Leu Gln Arg Leu His His Ser Leu 465 470 475 480 Arg Tyr Cys Asp Pro Leu Val Asp Ala Leu Gln Gln Gly Ile Gln Thr 485 490 495 Arg Phe Lys His Met Phe Glu Asp Pro Glu Ile Ile Ala Ala Ala Ile 500 505 510 Leu Leu Pro Lys Phe Arg Thr Ser Trp Thr Asn Asp Glu Thr Ile Ile 515 520 525 Lys Arg Gly Met Asp Tyr Ile Arg Val His Leu Glu Pro Leu Asp His 530 535 540 Lys Lys Glu Leu Ala Asn Ser Ser Ser Asp Asp Glu Asp Phe Phe Ala 545 550 555 560 Ser Leu Lys Pro Thr Thr His Glu Ala Ser Lys Glu Leu Asp Gly Tyr 565 570 575 Leu Ala Cys Val Ser Asp Thr Arg Glu Ser Leu Leu Thr Phe Pro Ala 580 585 590 Ile Cys Ser Leu Ser Ile Lys Thr Asn Thr Pro Leu Pro Ala Ser Ala 595 600 605 Ala Cys Glu Arg Leu Phe Ser Thr Ala Gly Leu Leu Phe Ser Pro Lys 610 615 620 Arg Ala Arg Leu Asp Thr Asn Asn Phe Glu Asn Gln Leu Leu Leu Lys 625 630 635 640 Leu Asn Leu Arg Phe Tyr Asn Phe Glu 645 <210> 3 <211> 4682 <212> DNA <213> Oryzias latipes <400> 3 cagaggtgta aagtacttga gtaattttac ttgattactg tacttaagta ttatttttgg 60 ggatttttac tttacttgag tacaattaaa aatcaatact tttactttta cttaattaca 120 tttttttaga aaaaaaagta ctttttactc cttacaattt tatttacagt caaaaagtac 180 ttattttttg gagatcactt cattctattt tcccttgcta ttaccaaacc aattgaattg 240 cgctgatgcc cagtttaatt taaatgttat ttattctgcc tatgaaaatc gttttcacat 300 tatatgaaat tggtcagaca tgttcattgg tcctttggaa gtgacgtcat gtcacatcta 360 ttaccacaat gcacagcacc ttgacctgga aattagggaa attataacag tcaatcagtg 420 gaagaaaatg gaggaagtat gtgattcatc agcagctgcg agcagcacag tccaaaatca 480 gccacaggat caagagcacc cgtggccgta tcttcgcgaa ttcttttctt taagtggtgt 540 aaataaagat tcattcaaga tgaaatgtgt cctctgtctc ccgcttaata aagaaatatc 600 ggccttcaaa agttcgccat caaacctaag gaagcatatt gaggtaagta cattaagtat 660 tttgttttac tgatagtttt tttttttttt tttttttttt tttttgggtg tgcatgtttt 720 gacgttgatg gcgcgccttt tatatgtgta gtaggcctat tttcactaat gcatgcgatt 780 gacaatataa ggctcacgta ataaaatgct aaaatgcatt tgtaattggt aacgttaggt 840 ccacgggaaa tttggcgcct attgcagctt tgaataatca ttatcattcc gtgctctcat 900 tgtgtttgaa ttcatgcaaa acacaagaaa accaagcgag aaattttttt ccaaacatgt 960 tgtattgtca aaacggtaac actttacaat gaggttgatt agttcatgta ttaactaaca 1020 ttaaataacc atgagcaata catttgttac tgtatctgtt aatctttgtt aacgttagtt 1080 aatagaaata cagatgttca ttgtttgttc atgttagttc acagtgcatt aactaatgtt 1140 aacaagatat aaagtattag taaatgttga aattaacatg tatacgtgca gttcattatt 1200 agttcatgtt aactaatgta gttaactaac gaaccttatt gtaaaagtgt taccatcaaa 1260 actaatgtaa tgaaatcaat tcaccctgtc atgtcagcct tacagtcctg tgtttttgtc 1320 aatataatca gaaataaaat taatgtttga ttgtcactaa atgctactgt atttctaaaa 1380 tcaacaagta tttaacatta taaagtgtgc aattggctgc aaatgtcagt tttattaaag 1440 ggttagttca cccaaaaatg aaaataatgt cattaatgac tcgccctcat gtcgttccaa 1500 gcccgtaaga cctccgttca tcttcagaac acagtttaag atattttaga tttagtccga 1560 gagctttctg tgcctccatt gagaatgtat gtacggtata ctgtccatgt ccagaaaggt 1620 aataaaaaca tcaaagtagt ccatgtgaca tcagtgggtt agttagaatt ttttgaagca 1680 tcgaatacat tttggtccaa aaataacaaa acctacgact ttattcggca ttgtattctc 1740 ttccgggtct gttgtcaatc cgcgttcacg acttcgcagt gacgctacaa tgctgaataa 1800 agtcgtaggt tttgttattt ttggaccaaa atgtattttc gatgcttcaa ataattctac 1860 ctaacccact gatgtcacat ggactacttt gatgttttta ttacctttct ggacatggac 1920 agtataccgt acatacattt tcagtggagg gacagaaagc tctcggacta aatctaaaat 1980 atcttaaact gtgttccgaa gatgaacgga ggtgttacgg gcttggaacg acatgagggt 2040 gagtcattaa tgacatcttt tcatttttgg gtgaactaac cctttaatgc tgtaatcaga 2100 gagtgtatgt gtaattgtta catttattgc atacaatata aatatttatt tgttgttttt 2160 acagagaatg cacccaaatt acctcaaaaa ctactctaaa ttgacagcac agaagagaaa 2220 gatcgggacc tccacccatg cttccagcag taagcaactg aaagttgact cagttttccc 2280 agtcaaacat gtgtctccag tcactgtgaa caaagctata ttaaggtaca tcattcaagg 2340 acttcatcct ttcagcactg ttgatctgcc atcatttaaa gagctgatta gtacactgca 2400 gcctggcatt tctgtcatta caaggcctac tttacgctcc aagatagctg aagctgctct 2460 gatcatgaaa cagaaagtga ctgctgccat gagtgaagtt gaatggattg caaccacaac 2520 ggattgttgg actgcacgta gaaagtcatt cattggtgta actgctcact ggatcaaccc 2580 tggaagtctt gaaagacatt ccgctgcact tgcctgcaaa agattaatgg gctctcatac 2640 ttttgaggta ctggccagtg ccatgaatga tatccactca gagtatgaaa tacgtgacaa 2700 ggttgtttgc acaaccacag acagtggttc caactttatg aaggctttca gagtttttgg 2760 tgtggaaaac aatgatatcg agactgaggc aagaaggtgt gaaagtgatg acactgattc 2820 tgaaggctgt ggtgagggaa gtgatggtgt ggaattccaa gatgcctcac gagtcctgga 2880 ccaagacgat ggcttcgaat tccagctacc aaaacatcaa aagtgtgcct gtcacttact 2940 taacctagtc tcaagcgttg atgcccaaaa agctctctca aatgaacact acaagaaact 3000 ctacagatct gtctttggca aatgccaagc tttatggaat aaaagcagcc gatcggctct 3060 agcagctgaa gctgttgaat cagaaagccg gcttcagctt ttaaggccaa accaaacgcg 3120 gtggaattca acttttatgg ctgttgacag aattcttcaa atttgcaaag aagcaggaga 3180 aggcgcactt cggaatatat gcacctctct tgaggttcca atgtaagtgt ttttcccctc 3240 tatcgatgta aacaaatgtg ggttgttttt gtttaatact ctttgattat gctgatttct 3300 cctgtaggtt taatccagca gaaatgctgt tcttgacaga gtgggccaac acaatgcgtc 3360 cagttgcaaa agtactcgac atcttgcaag cggaaacgaa tacacagctg gggtggctgc 3420 tgcctagtgt ccatcagtta agcttgaaac ttcagcgact ccaccattct ctcaggtact 3480 gtgacccact tgtggatgcc ctacaacaag gaatccaaac acgattcaag catatgtttg 3540 aagatcctga gatcatagca gctgccatcc ttctccctaa atttcggacc tcttggacaa 3600 atgatgaaac catcataaaa cgaggtaaat gaatgcaagc aacatacact tgacgaattc 3660 taatctgggc aacctttgag ccataccaaa attattcttt tatttattta tttttgcact 3720 ttttaggaat gttatatccc atctttggct gtgatctcaa tatgaatatt gatgtaaagt 3780 attcttgcag caggttgtag ttatccctca gtgtttcttg aaaccaaact catatgtatc 3840 atatgtggtt tggaaatgca gttagatttt atgctaaaat aagggatttg catgatttta 3900 gatgtagatg actgcacgta aatgtagtta atgacaaaat ccataaaatt tgttcccagt 3960 cagaagcccc tcaaccaaac ttttctttgt gtctgctcac tgtgcttgta ggcatggact 4020 acatcagagt gcatctggag cctttggacc acaagaagga attggccaac agttcatctg 4080 atgatgaaga ttttttcgct tctttgaaac cgacaacaca tgaagccagc aaagagttgg 4140 atggatatct ggcctgtgtt tcagacacca gggagtctct gctcacgttt cctgctattt 4200 gcagcctctc tatcaagact aatacacctc ttcccgcatc ggctgcctgt gagaggcttt 4260 tcagcactgc aggattgctt ttcagcccca aaagagctag gcttgacact aacaattttg 4320 agaatcagct tctactgaag ttaaatctga ggttttacaa ctttgagtag cgtgtactgg 4380 cattagattg tctgtcttat agtttgataa ttaaatacaa acagttctaa agcaggataa 4440 aaccttgtat gcatttcatt taatgttttt tgagattaaa agcttaaaca agaatctcta 4500 gttttctttc ttgcttttac ttttacttcc ttaatactca agtacaattt taatggagta 4560 cttttttact tttactcaag taagattcta gccagatact tttactttta attgagtaaa 4620 attttcccta agtacttgta ctttcacttg agtaaaattt ttgagtactt tttacacctc 4680 tg 4682 <210> 4 <211> 2788 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized sequence <400> 4 cagaggtgta aagtacttga gtaattttac ttgattactg tacttaagta ttatttttgg 60 ggatttttac tttacttgag tacaattaaa aatcaatact tttactttta cttaattaca 120 tttttttaga aaaaaaagta ctttttactc cttacaattt tatttacagt caaaaagtac 180 ttattttttg gagatcactt cattctattt tcccttgcta ttaccaaacc aattgaattg 240 cgctgatgcc cagtttaatt taaatgttat ttattctgcc tatgaaaatc gttttcacat 300 tatatgaaat tggtcagaca tgttcattgg tcctttggaa gtgacgtcat gtcacatcta 360 ttaccacaat gcacagcacc ttgacctgga aattagggaa attataacag tcaatcagtg 420 gaagaaaatg gaggaagtat gtgattcatc agcagctgcg agcagcacag tccaaaatca 480 gccacaggat caagagcacc cgtggccgta tcttcgcgaa ttcttttctt taagtggtgt 540 aaataaagat tcattcaaga tgaaatgtgt cctctgtctc ccgcttaata aagaaatatc 600 ggccttcaaa agttcgccat caaacctaag gaagcatatt gaggtaagta cattaagtat 660 tttgttttac tgatagtttt tttttttttt tttttttttt tttttgggtg tgcatgtttt 720 gacgttgatg gcgcgccttt tatatgtgta gtaggcctat tttcactaat gcatgcgatt 780 gacaatataa ggctcacgta ataaaatgct aaaatgcatt tgtaattggt aacgttaggt 840 ccacgggaaa tttggcgcct attgcagctt tgaataatca ttatcattcc gtgctctcat 900 tgtgtttgaa ttcatgcaaa acacaagaaa accaagcgag aaattttttt ccaaacatgt 960 tgtattgtca aaacggtaac actttacaat gaggttgatt agttcatgta ttaactaaca 1020 ttaaataacc atgagcaata catttgttac tgtatctgtt aatctttgtt aacgttagtt 1080 aatagaaata cagatgttca ttgtttgttc atgttagttc acagtgcatt aactaatgtt 1140 aacaagatat aaagtattag taaatgttga aattaacatg tatacgtgca gttcattatt 1200 agttcatgtt aactaatgta gttaactaac gaaccttatt gtaaaagtgt taccatcaaa 1260 actaatgtaa tgaaatcaat tcaccctgtc atgtcagcct tacagtcctg tgtttttgtc 1320 aatataatca gaaataaaat taatgtttga ttgtcactaa atgctactgt atttctaaaa 1380 tcaacaagta tttaacatta taaagtgtgc aattggctgc aaatgtcagt tttattaaag 1440 ggttagttca cccaaaaatg aaaataatgt cattaatgac tcgccctcat gtcgttccaa 1500 gcccgtaaga cctccgttca tcttcagaac acagtttaag atattttaga tttagtccga 1560 gagctttctg tgcctccatt gagaatgtat gtacggtata ctgtccatgt ccagaaaggt 1620 aataaaaaca tcaaagtagt ccatgtgaca tcagtgggtt agttagaatt ttttgaagca 1680 tcgaatacat tttggtccaa aaataacaaa acctacgact ttattcggca ttgtattctc 1740 ttccgggtct gttgtcaatc cgcgttcacg acttcgcagt gacgctacaa tgctgaataa 1800 agtcgtaggt tttgttattt ttggaccaaa atgtattttc gatgcttcaa ataattctac 1860 ctaacccact gatgtcacat ggactacttt gatgttttta ttacctttct ggacatggac 1920 agtataccgt acatacattt tcagtggagg gacagaaagc tctcggacta aatctaaaat 1980 atcttaaact gtgttccgaa gatgaacgga ggtgttacgg gcttggaacg acatgagggt 2040 gagtcattaa tgacatcttt tcatttttgg gtgaactaac cctttaatgc tgtaatcaga 2100 gagtgtatgt gtaattgtta catttattgc atacaatata aatatttatt tgttgttttt 2160 acagagaatg cacccaaatt acctcaaaaa ctactctaaa ttgacagcac agaagagaaa 2220 gatcgggaca gatctcatat gctcgagggc ccatctggcc tgtgtttcag acaccaggga 2280 gtctctgctc acgtttcctg ctatttgcag cctctctatc aagactaata cacctcttcc 2340 cgcatcggct gcctgtgaga ggcttttcag cactgcagga ttgcttttca gccccaaaag 2400 agctaggctt gacactaaca attttgagaa tcagcttcta ctgaagttaa atctgaggtt 2460 ttacaacttt gagtagcgtg tactggcatt agattgtctg tcttatagtt tgataattaa 2520 atacaaacag ttctaaagca ggataaaacc ttgtatgcat ttcatttaat gttttttgag 2580 attaaaagct taaacaagaa tctctagttt tctttcttgc ttttactttt acttccttaa 2640 tactcaagta caattttaat ggagtacttt tttactttta ctcaagtaag attctagcca 2700 gatactttta cttttaattg agtaaaattt tccctaagta cttgtacttt cacttgagta 2760 aaatttttga gtacttttta cacctctg 2788 <210> 5 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized sequence <400> 5 tttactcaagtaagattctag 21 <210> 6 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:an artificially synthesized sequence <400> 6 gctactacatggtgccattcct 22
【図面の簡単な説明】
【図1】 Tol2, pT2KPKneo およびトランスポゼース発
現ベクターの構成を模式的に示す図である。Tol2 トラ
ンスポゼースmRNA はTol2トランスポゾン上の3つのイ
ントロンを備えたトランスポゼースDNAから転写され
る。 pT2KPKneoはTol2の一部をPGK-neoカセット(ドッ
トで示した矢尻)で置換されて構成されており、3つのB
glII 認識サイトが備えられている。pCAGGS-T2TPは, To
l2 cDNAをpCAGGS(Niwa, H., Yamamura, K. & Miyaz
aki, J. Gene 108, 193-200 (1991))にクローニングし
て構築されている。pT2KPKneoの上部に示す黒塗りの線
および黒塗りの矢尻はそれぞれ、本解析で用いたプロー
ブおよびプライマーを示す。
【図2】 pT2KPKneo および pCAGGS-T2TPを用いて形質
転換したG418耐性ES細胞クローン(クローン#1-10)、pT
2KPKneo and pCAGGSを用いて形質転換したG418耐性ES
細胞クローン(クローン#11-20)から抽出したゲノムD
NAの解析結果を示す。(a)図1に示したプローブを
用いて、BglII消化後のゲノムDNAをサザンブロット
解析結果を示す。(b) f20およびex4fプライマー (上
段)、PGKr1およびr7プライマー(下段) を用いた PCR解
析結果を示す。このPGKr1およびr7プライマーを用いた
PCRではDNAサンプル中のTol2 DNAの存在を確認するため
に実施した。図においてMはマーカー, Eは非形質転換ES
細胞DNA, PはpT2KPKneo プラスミドDNA, 「−」はブラ
ンク(DNA無し)を示す。(c)はクローン1, 9 および
10のインテグレーション部位のDNA配列を示す。な
お、この配列中、Tol2配列はイタリックとして示し、8
塩基の順向き繰返配列は下線で示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12N 15/00 ZNAA 9/00 5/00 A Fターム(参考) 4B024 AA20 BA07 CA04 CA05 DA02 EA04 FA02 GA11 HA01 4B050 CC03 DD07 LL03 LL10 4B065 AA91X AA99Y AB01 AC14 BA02 CA27

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物細胞内で転移誘導活性を備えた
    トランスポゼースをコードしたDNAであって、配列番
    号1に記載の配列を有するトランスポゼースDNA。
  2. 【請求項2】 哺乳動物細胞内で転移誘導活性を備えた
    トランスポゼースをコードしたDNAであって、下記
    (A)または(B)に記載のトランスポゼースDNA。 (A)配列番号2記載のアミノ酸配列において1若しくは
    複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加
    されたアミノ酸配列を有するタンパク質をコードしたD
    NA。 (B)配列番号1記載の塩基配列からなるDNAとスト
    リンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA。
  3. 【請求項3】 配列番号1に記載の塩基配列からなるD
    NA又はその相補鎖と相補的であり、少なくとも15ヌ
    クレオチド長を備えたDNA。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載のDNAにより
    コードされたトランスポゼース。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のトランスポゼースをコ
    ードしたRNA。
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載のDNAが挿入
    されたベクター。
  7. 【請求項7】 請求項1もしくは2に記載のDNAまた
    は請求項6に記載のベクターを保持した宿主細胞。
  8. 【請求項8】 哺乳動物細胞において転移し得るDNA
    であって、以下(A)または(B)記載のトランスポゾン
    DNA。 (A) 配列番号3に記載の塩基配列からなるDNA。 (B) 配列番号3に記載の塩基配列からなるDNAとスト
    リンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のDNAを保持したベク
    ター。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載のDNAまたは請求項
    9に記載のベクターを保持した宿主細胞。
  11. 【請求項11】 配列番号3に記載の塩基配列からなる
    DNA又はその相補鎖と相補的であり、少なくとも15
    ヌクレオチド長を備えたDNA。
  12. 【請求項12】 哺乳動物細胞において非自律的に転移
    し得るDNAであって、配列番号3に記載の塩基配列に
    おいてトランスポゼースをコードした領域に塩基配列の
    欠失、挿入または置換を備えた、非自律的トランスポゾ
    ンDNA。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の非自律的トランス
    ポゾンDNAを含むベクター。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の非自律的トランス
    ポゾンDNAまたは請求項13に記載のベクターを保持
    した宿主細胞。
  15. 【請求項15】 請求項8に記載のDNAまたは請求項
    9に記載のベクターを含む、哺乳動物遺伝子改変用キッ
    ト。
  16. 【請求項16】 請求項12に記載の非自律的トランス
    ポゾンDNAまたは請求項13に記載のベクターと、請
    求項1もしくは2に記載のトランスポゼースDNA、請
    求項6に記載のベクター、請求項4に記載のトランスポ
    ゼースまたは請求項5に記載のRNAのうち少なくとも
    いずれか一つと、を備えた、哺乳動物遺伝子改変用キッ
    ト。
  17. 【請求項17】 請求項12に記載の非自律的トランス
    ポゾンDNA、または請求項13に記載のベクター上の
    請求項12に記載の非自律的トランスポゾンDNA領域
    に任意の核酸を挿入し得る部位が備えられた、請求項1
    6に記載の哺乳動物遺伝子改変用キット。
  18. 【請求項18】 哺乳動物細胞に請求項8に記載のDN
    Aまたは請求項9に記載のベクターを導入する工程を含
    む、遺伝子改変哺乳動物細胞の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項12に記載の非自律的トランス
    ポゾンDNAまたは請求項13に記載のベクターと、請
    求項1もしくは2に記載のトランスポゼースDNA、請
    求項6に記載のベクター、請求項4に記載のトランスポ
    ゼースまたは請求項5に記載のRNAのうち少なくとも
    いずれか一つとを、哺乳動物細胞に導入する工程を含
    む、遺伝子改変哺乳動物細胞の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項12に記載の非自律的トランス
    ポゾンDNA、請求項13に記載のベクター上の請求項
    12に記載の非自律的トランスポゾンDNA領域には、
    任意の核酸が挿入されている、請求項19に記載の遺伝
    子改変哺乳動物細胞の製造方法。
  21. 【請求項21】 ヒトを除く哺乳動物に請求項8に記載
    のDNAまたは請求項9に記載のベクターを注入する工
    程を含む、遺伝子改変哺乳動物の作製方法。
  22. 【請求項22】 請求項12に記載の非自律的トランス
    ポゾンDNAまたは請求項13に記載のベクターと、請
    求項1もしくは2に記載のトランスポゼースDNA、請
    求項6に記載のベクター、請求項4に記載のトランスポ
    ゼースまたは請求項5に記載のRNAのうち少なくとも
    いずれか一つとを、ヒトを除く哺乳動物に導入する工程
    を含む、遺伝子改変哺乳動物の作製方法。
  23. 【請求項23】 請求項1または2に記載のトランスポ
    ゼースDNAを保持したヒトを除く哺乳動物と、請求項
    12に記載の非自律的トランスポゾンDNAを保持した
    ヒトを除く哺乳動物とを交配させ、個体を発生させる工
    程を含む、遺伝子改変哺乳動物の作製方法。
  24. 【請求項24】 請求項1もしくは2に記載のトラン
    スポゼースDNAまたは請求項12に記載の非自律的ト
    ランスポゾンDNAを保持した、ヒトを除く遺伝子改変
    哺乳動物作製用哺乳動物。
  25. 【請求項25】 請求項12に記載の非自律的トラン
    スポゾンDNA、請求項13に記載のベクター上の請求
    項12に記載の非自律的トランスポゾンDNA領域に
    は、任意の核酸が挿入されている、請求項22に記載の
    遺伝子改変哺乳動物の作製方法。
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