JP2003234191A - 発光素子 - Google Patents

発光素子

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JP2003234191A
JP2003234191A JP2002029355A JP2002029355A JP2003234191A JP 2003234191 A JP2003234191 A JP 2003234191A JP 2002029355 A JP2002029355 A JP 2002029355A JP 2002029355 A JP2002029355 A JP 2002029355A JP 2003234191 A JP2003234191 A JP 2003234191A
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JP2002029355A
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Masayuki Kiyoyanagi
正幸 清柳
Teppei Tsuchida
哲平 土田
Yasuo Shirasaki
康夫 白崎
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気エネルギーの利用効率が高く、高輝度かつ
高色純度の橙色〜赤色発光素子を提供する。 【解決手段】陽極と陰極の2つの電極間に発光層を含む
有機薄膜が形成された、電気エネルギーにより発光する
素子であって、該素子は少なくとも下記一般式(A)に
示す化合物を含有することを特徴とする発光素子。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通電によって層状
に形成した有機化合物が発光する、有機薄膜を利用した
発光素子であって、表示素子、フラットパネルディスプ
レイ、バックライト、照明、インテリア、標識、看板、
電子写真機、光信号発生器などの分野に利用可能な発光
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の有機薄膜を利用した発光素子の
構成は、陰極である金属電極と陽極である透光性の透明
電極との間に、互いに積層された有機蛍光体薄膜(発光
層)及び正孔輸送層が配された2層構造(シングルへテロ
構造)のもの及び、金属電極と透明電極との間に互いに
積層された電子輸送層、発光層及び正孔輸送層が配され
た3槽構造(ダブルへテロ構造)のものが知られている。
ここで、正孔輸送層は、陽極から正孔を注入させやすく
する機能と電子をブロックする機能とを有し、電子輸送
層は、陰極から電子を注入させやすくする機能を有して
いる。これら有機薄膜を利用した発光素子において、透
明電極の外側にはガラス、プラスチック及び適宜の材料
を用いた基板が配されている。金属電極から注入された
電子と透明電極から注入された正孔が両極に挟まれた有
機薄膜内で再結合することにより、励起子が生じ、この
励起子が放射失活する過程で光を放ち、この光が透明電
極及び硝子基板を介して外部に放出される。この素子
は、薄型、低駆動電圧下での高輝度発光、発光させる材
料を選ぶことにより多色発光出来ることが特徴である。
【0003】イーストマンコダック社の研究グループが
提示した「C.W.Tang andS.A.VanS
like:Appl.Phys.Lett.51,91
3(1987)」によれば、有機積層薄膜発光素子の代
表的な構成は、ITOガラス基板上に正孔輸送性のジア
ミン化合物、発光層兼電子輸送層であるトリス(8−キ
ノリノラト)アルミニウム錯体、そして陰極としてM
g:Agを順次設けたものである。
【0004】現在、低分子化合物を蒸着した緑色発光材
料が最も完成度が高く、輝度、耐久性共に充分なレベル
となっているが、赤色発光材料と青色発光材料、特に赤
色発光材料において耐久性に優れ十分な輝度と色純度特
性を示すものがないことが課題となっている。
【0005】赤色発光材料としては、ビス(ジイソプロ
ピルフェニル)ペリレンなどのペリレン系、ポルフィリ
ン系、ユーロピウム錯体(Chem.Lett.,12
67(1991)、ジュロリジン置換スチリル化合物
(特開2001−43974)などが挙げられる。
【0006】更に発光材料の主成分であるホスト材料
に、ドーパント材料という補助的な成分を含有させる、
ドーピングという方法もある。つまりホスト材料の中に
微量の赤色蛍光化合物をドーパントとして含有させて、
発光色(発光の波長)を所望の色に変化させる方法であ
る。ホスト材料としては、トリス(8−キノリノラト)
アルミニウム錯体(アルミオキシン)を始めとするキノ
リノール誘導体の金属錯体、ビス(10−ベンゾキノリ
ノラト)ベリリウム錯体、ジアリールブタジエン誘導
体、スチルベン誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベ
ンゾチアゾール誘導体、ペリノン誘導体、ナフタルイミ
ド誘導体などがあげられる。その中にドーパントとして
4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジ
メチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)、金
属フタロシアニン(MgPc、AlPcClなど)化合
物、スクアリリウム化合物、ビオラントロン化合物、ナ
イルレッド、5−シアノピロメテンーBF4錯体(特開
平11−176572)等赤色蛍光化合物をドーピング
することによって赤色発光させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】又、従来技術に用いら
れる発光材料(ホスト材料、ドーパント材料)には、発
光効率が低く高い輝度が得られないものや、ドーピング
しても色純度が悪くオレンジがかった発光しか得られな
いものや、耐久性が低く素子寿命の短いものが多く、特
に赤色発光材料(ホスト材料およびドーパント材料)に
関しては、色純度と輝度が両立したものが少ないことが
大きな問題であった。
【0008】本発明は、上記のような問題を解決し、発
光効率が高い赤色発光素子のためのドーパント材料(ゲ
スト材料)及び高輝度かつ高色純度の発光素子を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、特定の化
合物を赤色発光素子として用いることにより前記課題が
解決されることを見出し本発明を完成させたものであ
る。即ち本発明は、(1)陽極と陰極の電極間に、1層
または複数層の有機薄膜が形成された、電気エネルギー
により発光する素子であって、前記有機薄膜に下記一般
式(A)に示す化合物を含有することを特徴とする発光
素子、
【0010】
【化2】 (式(A)において、R1及びR2は、同一であっても異
なっていても良く、シアノ基、アシル基又はアルコキシ
カルボニル基を、R4、R5は、同一であっても異なって
いても良く、置換もしくは未置換のアルキル基又は置換
もしくは未置換のアリール基を、R3、R6、R7は、同
一であっても異なっていても良く、水素原子、置換もし
くは未置換のアルキル基又は置換もしくは未置換のアリ
ール基を、R8は水素原子、置換もしくは未置換のアル
キルオキシ基又は置換もしくは未置換のアリールオキシ
基を、Xは酸素原子又はイオウ原子を、Yは窒素原子又
はメチン基をそれぞれ表す。又、R3、R4、R5、R6
れぞれの置換基は隣接する基どうしが互いに連結して環
を形成しても良い。) (2)前記一般式(A)において、R1、R2がシアノ基
である(1)記載の発光素子、(3)前記一般式(A)
において、R4、R5の、置換もしくは未置換のアルキル
基がC2〜C12アルキル基であり、置換もしくは未置
換のアリール基がC6〜C16アリール基である(1)
または(2)記載の発光素子、(4)前記一般式(A)
において、Yが窒素原子である(1)ないし(3)記載
の発光素子、(5)前記一般式(A)において、R3
4、R5とR6の両方もしくは片方が連結して5〜7員
環を形成した(1)ないし(4)記載の発光素子、
(6)前記有機薄膜が少なくとも正孔輸送層と発光層と
の積層構造を有することを特徴とする(1)ないし
(5)記載の発光素子、(7)陽極、正孔輸送層、発光
層、電子輸送層、陰極を順次積層することを特徴とする
(6)記載の発光素子、(8)前記一般式(A)の化合
物を発光層に添加するドーパントとして用いることを特
徴とする(6)または(7)記載の発光素子、(9)マ
トリクスおよび/またはセグメント方式によって表示す
るディスプレイであることを特徴とする(1)ないし
(8)記載の発光素子、に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明において使用されうる陽極として
は、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(IT
O)、酸化亜鉛インジウム(IZO)などの導電性金属
酸化物、あるいは金、銀、クロムなどの金属、ヨウ化
銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリチオフェン、ポ
リピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが
挙げられ、特に限定されるものでないが、ITOガラス
やネサガラスを用いることが特に望ましい。透明電極の
抵抗は素子の発光に十分な電流が供給できるものであれ
ば限定されないが、素子の消費電力の観点からは低抵抗
であることが望ましい。例えば300Ω/cm2以下の
ITO基板であれば素子電極として機能するが、10Ω
/cm2程度の基板の供給も可能になっていることか
ら、可能な限り低抵抗品を使用することが望ましい。I
TOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ事ができる
が、通常100〜300nmの間で採用される。また、
ガラス基板はソーダライムガラス、無アルカリガラスな
どが用いられ、機械的強度を保つのに十分な厚みがあれ
ばよく、0.5mm以上の厚みがあれば十分である。ガ
ラスの材質については、ガラスからの溶出イオンが少な
い方がよく、無アルカリガラスの方が好ましい。SiO
2などのバリアコートを施したソーダライムガラスも市
販されているのでこれらも使用できる。ITO膜形成方
法は、電子線ビーム法、スパッタリング法、化学反応法
など通常のものが採用出来、特に制限を受けるものでは
ない。
【0013】陰極材料としては、電子を本有機薄膜に効
率良く注入できる物質であれば特に限定されないが、一
般に白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、
インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、カルシウム、マグネシウムなどがあげられ、電子注
入効率をあげて素子特性を向上させるためにリチウム、
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムまた
はこれら低仕事関数金属を含むアルミニウムもしくは銀
等の安定な金属との合金、或いはこれらを積層した構造
を使用できる。積層構造の電極にはフッ化リチウムのよ
うな無機塩の使用も可能である。また、基板側でなく基
板上方へ発光を取り出すため、低温で製膜可能な透明電
極を使用しても良い。更に白金、金、銀、銅、鉄、錫、
アルミニウム、インジウムなどの金属、またはこれらの
金属を含む合金、そしてシリカ、チタニア、窒化ケイ
素、酸化珪素、窒化酸化ケイ素、酸化ゲルマニウムなど
の無機物、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、炭化水
素系高分子、フッ素系高分子などで本発明の発光素子を
保護し、酸化バリウム、五酸化リン、酸化カルシウム等
の脱水剤と共に本発明の発光素子を封止することが好ま
しい。
【0014】本発明における有機薄膜は、陽極と陰極の
電極間に、1層または複数層形成される。その有機薄膜
に式(A)に示す化合物を含有することにより、電気エ
ネルギーにより発光する素子が得られる。
【0015】本発明における有機薄層構成は、1)、正
孔輸送層/電子輸送性発光層、2)、正孔輸送層/発光
層/電子輸送層、3)、正孔輸送性発光層/電子輸送
層、4)、正孔輸送層/発光層/正孔阻止層、5)、正
孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層、6)、正
孔輸送性発光層/正孔阻止層/電子輸送層、そして
7)、1)ないし6)の組み合わせのそれぞれにおい
て、正孔輸送層もしくは正孔輸送性発光層の前に正孔注
入層を更にもう一層付与した形態、更に8)、1)ない
し7)の組合わせにおいて使用する物質をそれぞれ混合
して一層に混合した形態のいずれであってもよい。即
ち、素子構成としては、上記1)〜7)の多層積層構造
の他に8)のようにバイポーラー性の発光材料単独また
は発光材料と正孔輸送材料や電子輸送材料を含む層を一
層設けるだけでもよい。
【0016】正孔輸送層は通常正孔輸送性物質単独また
は二種類以上の物質を積層、混合することにより形成さ
れ、正孔輸送性物質としてはN,N’−ジフェニル−
N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフ
ェニル−1,1’−ジアミン、N,N’−ジナフチル−
N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−1,
1’−ジアミンなどのトリフェニルアミン類、ビス(N
−アリルカルバゾール)またはビス(N−アルキルカル
バゾール)類、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化合
物、ヒドラゾン系化合物、オキサジアゾール誘導体やポ
ルフィリン誘導体に代表される複素環化合物、ポリマー
系では前記単量体を側鎖に有するポリカーボネートやス
チレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリシランな
どが好ましく使用できる。素子作製に必要な薄膜を形成
し、陽極から正孔が注入できて、さらに正孔を輸送でき
る化合物であれば特に限定されるものではない。陽極正
孔注入性を向上するため正孔輸送層と陽極の間に設ける
正孔注入層としては、フタロシアニン誘導体、m−MT
DATA等のスターバーストアミン類、高分子系ではP
EDOT等のポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
【0017】本発明における電子輸送材料としては、電
界を与えられた電極間において負極からの電子を効率良
く輸送することが出来、電子注入効率が高く、注入され
た電子を効率良く輸送することが出来るものが好まし
い。そのためには電子親和力が大きく、しかも電子移動
度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純
物が製造時および使用時に発生しにくい物質であること
が好ましい。このような条件を満たす物質として、トリ
ス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体に代表される
キノリノール誘導体金属錯体、トロポロン金属錯体、ペ
リレン誘導体、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導
体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体、フェナント
ロリン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、キノキサリ
ン誘導体などが挙げられるが特に限定されるものではな
い。これらの電子輸送材料は単独でも用いられるが、異
なる電子輸送材料と積層または混合して使用しても構わ
ない。
【0018】正孔阻止層は正孔阻止性物質単独または二
種類以上の物質を積層、混合することにより形成され、
正孔阻止性物質としてはバソフェナントロリン、バソキ
ュプロイン等のフェナントロリン誘導体、シロール誘導
体、キノリノール誘導体金属錯体、オキサジアゾール誘
導体、オキサゾール誘導体などが好ましいが、正孔が陰
極側から素子外部に流れ出てしまい発光効率が低下する
のを阻止することができる化合物であれば特に限定され
るものではない。
【0019】発光層は強い発光性を有する正孔輸送層、
強い発光性を有する電子輸送層とも言い換えられるが、
発光材料(ホスト材料、ドーパント材料)により形成さ
れ、これはホスト材料とドーパント材料との混合物であ
っても、ホスト材料単独であってもいずれでもよいが、
ドーパント材料を併用することが好ましい。ホスト材料
とドーパント材料は、それぞれ一種類であっても、複数
の組み合わせであっても、いずれでもよい。ドーパント
材料はホスト材料の全体に含まれていても、部分的に含
まれていても、いずれであってもよい。ドーパント材料
は積層されていても、分散されていても、いずれであっ
てもよい。
【0020】本発明における有機薄膜のうち、発光層、
正孔輸送性層、電子輸送層の1層または複数層に、式
(A)に示す化合物を含有させることにより、電気エネ
ルギーにより発光する素子が得られる。
【0021】綺麗な赤色発光による表示を行わせるため
には、発光スペクトルのピーク波長が580nm以上6
90nm以下、より好ましくは600nm以上670n
m以下の範囲内であり、半値幅が100nm以下である
ことが望ましい。発光スペクトルは、できるだけ単一ピ
ークであることが好ましいが、場合によっては他のピー
クとの重なりによって複数の極大点を有したり、ピーク
の裾に肩が現れることもある。本発明において、ピーク
波長とは発光中心波長に値する主ピークの波長である。
【0022】本発明における式(A)の化合物は、橙色
〜赤色発光材料であり、ホスト材料としてもドーパント
材料としても使用することができるが、発光層中にドー
パント材料として用いるのがより好ましい。ホスト材料
としては前述した、従来から用いられているものを適宜
用いることが出来る。
【0023】本発明における式(A)で表される化合物
について詳細に説明する。アシル基としてはアルキルカ
ルボニル基またはアリールカルボニル基が挙げられ、ア
ルキルカルボニル基としては、好ましくは炭素数2〜炭
素数11であり、例えばアセチル基、トリフルオロメチ
ルカルボニル基などが挙げられ、アリールカルボニル基
としては、好ましくは炭素数5〜炭素数11であり、よ
り好ましくは置換もしくは未置換のベンゾイル基、置換
もしくは未置換のナフトイル基、フロイル基等が挙げら
れる。アルコキシカルボニル基としては、好ましくは炭
素数2〜炭素数7であり、例えばメトキシカルボニル
基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブチルオキシ
カルボニル基、シクロへキシルオキシカルボニル基等が
挙げられる。置換もしくは未置換のアルキル基として
は、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数
2〜12であり例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブ
チル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アダマ
ンチル基、ノルボルニル基、ノルボルネニル基、ベンジ
ル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メトキ
シプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−エチル
ヘキシル基、イソプロピルオキシプロピル基、イソブチ
ルオキシプロピル基、エトキシプロピル基、イソプロピ
ルオキシフェニルエチル基、ナフトメチル基等が挙げら
れる。置換もしくは未置換のアリール基としては、好ま
しくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16
であり例えばフェニル基、ナフチル基、フルオレニル
基、ビフェニル基、ピレニル基、エチルカルバゾイル
基、アントラニル基、トルイル基、ジイソプロピルフェ
ニル基等が挙げられる。置換もしくは未置換のアリール
オキシ基としては、好ましくは炭素数6〜20、より好
ましくは炭素数6〜14であり、例えばフェノキシ基、
4−t−ブチルフェノキシ基、2,4−ジーt−ブチル
フェノキシ基、4−ヘキシルフェノキシ基、4−オクチ
ルフェノキシ基、ビフェニルオキシ基、ナフチルオキシ
基等が挙げられる。置換もしくは未置換のアルキルオキ
シ基としては、好ましくは炭素数1〜12、より好まし
くは炭素数1〜6であり、例えばメトキシ基、エトキシ
基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシルオ
キシ基、ノルボニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、
フェノキシプロピルオキシ基、メトキシプロピルオキシ
基等が挙げられる。一般式(A)においてR3とR4、R
5とR6が連結して形成される5〜7員環は、6員環がよ
り好ましい。
【0024】また、上記式(A)に示した化合物の好適
な例として、下記のような構造式のものが挙げられる。
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】
【0032】本発明における式(A)の化合物は赤〜橙
色発光材料へのドーパントとして好適に用いることがで
きるが、更に色純度の向上した赤色発光を得る為に式
(A)の化合物を複数混合して用いたり、既知のドーパ
ント材料の一種類以上を式(A)の化合物と混合して用
いてもよい。用いうる既知のドーパントとして、好まし
くは蛍光ピーク波長が580nm以上690nm以下、
より好ましくは600nm以上670nm以下の有機蛍
光物質を含有させる事が出来る。具体的には従来から知
られている、ビス(ジイソプロピルフェニル)ペリレン
テトラカルボン酸イミドなどのペリレン誘導体、ペリノ
ン誘導体、アセチルアセトンやベンゾイルアセトンとフ
ェナントロリンなどを配位子とするEu錯体などの希土
類錯体、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−
(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DC
M)やその類縁体、マグネシウムフタロシアニン、アル
ミニウムクロロフタロシアニンなどの金属フタロシアニ
ン誘導体、ローダミン化合物、デアザフラビン誘導体、
クマリン誘導体、オキサジン化合物、スクアリリウム化
合物、ビオラントロン化合物、ナイルレッド、5−シア
ノピロメテンーBF4錯体等のピロメテン誘導体などを
用いることが出来るが特にこれらに限定されるものでは
ない。
【0033】ドーパントの量は、多すぎると濃度消光現
象が起きることがあるため、通常ホスト材料に対して1
0重量%以下で用いることが好ましく、更に好ましくは
3重量%以下である。ドーピング方法は後述するが、ホ
スト材料にサンドイッチ状に挟んで使用することも可能
である。この場合、一層でも二層以上ホスト材料と積層
しても良い。
【0034】正孔輸送性発光層は発光性を有する正孔輸
送層、電子輸送性発光層は発光性を有する電子輸送層と
も言い換えられ、正孔輸送層、発光層、電子輸送層に使
用しうる物質から適宜選択し使用できる。
【0035】以上の正孔輸送層、発光層、電子輸送層、
正孔輸送性発光層、電子輸送性発光層、正孔阻止層に用
いられる材料は単独で各層を形成することができるが、
高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(N
−ビニルカルバゾール)、ポリ(メチル)(メタ)アク
リレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、
ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリブタ
ジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、
ポリサルフォン、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸
ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂などの溶剤可溶
性樹脂や、フェノール樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、
ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの硬
化性樹脂などに溶解もしくは分散、更にはアルキレン基
等の連結基によって上記樹脂にペンダント状に化学結合
させて用いることも可能である。
【0036】有機薄膜の形成方法は、抵抗加熱蒸着、電
子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、コーティ
ング法など特に限定されるものではないが、通常は、抵
抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着が特性面で好ましい。層の
厚みは、発光物質の抵抗値にもよるので限定することは
できないが、通常0.5〜1000nmの間から選ばれ
る。
【0037】発光層におけるドーパント材料をホスト材
料にドーピングする方法としては、ホスト材料との共蒸
着法によって形成することができるが、ホスト材料と予
め混合してから同時に蒸着しても良い。また、ホスト材
料にサンドイッチ状に挟んで使用することも可能であ
る。この場合、一層でも二層以上ホスト材料と積層して
も良い。
【0038】電気エネルギーとしては主に直流電流が採
用されるが、パルス電流や交流電流を用いることも可能
である。電流値および電圧値は特に制限はないが、素子
の消費電力、寿命を考慮するとできるだけ低いエネルギ
ーで最大の輝度が得られるようにすることが好ましい。
【0039】本発明におけるマトリクスとは、表示のた
めの画素が格子状に配置されたものをいい、画素の集合
で文字や画像を表示する。画素の形状、サイズは用途に
よって決まる。例えばパソコン、モニター、テレビの画
像および文字表示には、通常一辺が300μm以下の四
角形もしくは円形の画素が用いられるし、表示パネルの
ような大型ディスプレイの場合は、一辺がmmオーダー
の画素を用いることになる。モノクロ表示の場合は、同
じ色の画素を配列すればよいが、カラー表示の場合に
は、赤、緑、青の画素を並べて表示させる必要がある。
このカラー表示は、典型的にはデルタタイプとストライ
プタイプがある。そして、このマトリクスの駆動方法と
しては、線順次駆動方法(パッシブタイプ)やアクティ
ブマトリックスのどちらでもよい。線順次駆動の方が構
造が簡単であるという利点があるが、動作特性を考慮し
た場合、アクティブマトリックスの方が優れるので、こ
れも用途によって使い分けることが必要である。
【0040】本発明におけるセグメント方式とは、予め
決められた情報を表示するようにパターンを形成し、決
められた領域を発光させる。例えば、デジタル時計や温
度計における時刻や温度表示、オーディオ機器や電磁調
理器などの動作状態表示、自動車のパネル表示などがあ
げられる。そして、前記マトリクス表示とセグメント表
示は同じパネルの中に共存していてもよい。
【0041】本発明の発光素子は、バックライトにも用
いることができる。この場合、有色光を発するものでも
白色光を発するものでもいずれでも使用できる。白色光
を発するものは、例えば従来から用いられている青色ま
たは緑色の発光材料と併用することにより得られる。又
有色光を発するものでも、他の従来から用いられている
青色または緑色の発光素子と併用し、それぞれ同時に発
光させることにより白色光が得られる。バックライトと
は、主に自発光しない表示装置の視認性を向上させる目
的に使用され、液晶表示装置、時計、オーディオ機器、
自動車パネル、表示板、標識などに使用される。特に液
晶表示装置、中でも薄型化が課題となっているパソコン
用途のバックライトは、従来方式のものが蛍光灯や導光
板からなっているため薄型化が困難であるが本発明の発
光素子を用いたバックライトは、薄型、軽量が特徴にな
る。
【0042】本発明による発光素子は、色純度の高い橙
色または赤色の発光を与え、低エネルギーでも十分な輝
度を有する。
【0043】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限
定されるものではない。
【0044】実施例1 ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板
(東京山容真空(株)製、14Ω/cm2以下)を25
×25mmに切断、エッチングを行った。得られた基板
を中性洗剤で10分間超音波洗浄、イオン交換水で5分
×2回超音波洗浄、アセトンで5分×2回超音波洗浄、
続いてイソプロピルアルコールで5分間×2回超音波洗
浄し、この基板を素子を作製する直前に30分間UV−
オゾン洗浄し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真
空度が1×10-4Pa以下になるまで排気した。抵抗加
熱法によって、まず正孔輸送材料としてN,N’−ジフ
ェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’
−ジフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)を50n
mの厚さに蒸着し、正孔輸送層を形成した。次にホスト
材料としてアルミオキシンを、ドーパント材料として前
記化合物例1(DMF中の蛍光ピーク波長は、599n
m)をホスト材料に対しての濃度が5wt%になるよう
に用いて、35nmの厚さに共蒸着し、発光層を形成し
た。次にアルミニウムを200nm蒸着して陰極を形成
し、6×6mm角の発光素子を作製した。
【0045】この発光素子は、XYZ表色系色度座標に
おいて(x=0.58、y=0.40)(以下同様)の
橙色発光を示し、印加電圧8Vで120cd/m2の発
光が得られた。
【0046】実施例2 実施例1と同様にして処理した基板に、抵抗加熱法によ
って、まず正孔注入材料として銅フタロシアニンを10
nmの厚さに蒸着し正孔注入層を形成し、次に正孔輸送
材料としてN,N’−ジフェニル−N,N’−α―ナフ
チル−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(α
―NPD)を45nmの厚さに蒸着し正孔輸送層を形成
した。次にホスト材料としてアルミオキシンを、ドーパ
ント材料として前記化合物例2(DMF中の蛍光ピーク
波長は、610nm)をホスト材料に対しての濃度が1
wt%になるように用いて、45nmの厚さに共蒸着し
て発光層を形成した。次に電子注入層としてフッ化リチ
ウムを0.5nm形成し、次にアルミニウムを200n
m蒸着して陰極を形成し、6×6mm角の素子を作製し
た。
【0047】この発光素子は、発光色度座標で(0.6
0、0.38)の橙色発光を示し、印加電圧7Vで30
9cd/m2の発光が得られた。
【0048】実施例3 ドーパント材料として化合物例1の混合物の代わりに前
記化合物例12(DMF中の蛍光ピーク波長は650n
m)を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を
作成した。
【0049】この発光素子は、発光色度座標で(0.6
5、0.33)の赤色発光を示し、印加電圧8Vで19
0cd/m2の発光が得られた。
【0050】実施例4 ドーパント材料として化合物例1の代わりに前記化合物
例13(DMF中の蛍光ピーク波長は629nm)を用
い40nmの厚さに蒸着した以外は、実施例1と同様に
して発光素子を作成した。
【0051】この発光素子は、発光色度座標で(0.6
5、0.34)の赤色発光を示し、印加電圧10Vで1
70cd/m2の発光が得られた。
【0052】実施例5 ドーパント材料として化合物例1の代わりに前記化合物
例34をホスト材料に対しての濃度が1wt%になるよ
うに用いた以外は実施例1と同様にして発光素子を作製
した。
【0053】この発光素子は、発光色度座標で(0.6
6、0.33)の赤色発光を示し、印加電圧8Vで12
0cd/m2の発光が得られた。
【0054】
【発明の効果】本発明により、高輝度の橙色発光層およ
び赤色発光素子を提供できる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と陰極の電極間に、1層または複数層
    の有機薄膜が形成された、電気エネルギーにより発光す
    る素子であって、前記有機薄膜に下記一般式(A)に示
    す化合物を含有することを特徴とする発光素子。 【化1】 (式(A)において、R1及びR2は、同一であっても異
    なっていても良く、シアノ基、アシル基又はアルコキシ
    カルボニル基を、R4、R5は、同一であっても異なって
    いても良く、置換もしくは未置換のアルキル基又は置換
    もしくは未置換のアリール基を、R3、R6、R7は、同
    一であっても異なっていても良く、水素原子、置換もし
    くは未置換のアルキル基又は置換もしくは未置換のアリ
    ール基を、R8は水素原子、置換もしくは未置換のアル
    キルオキシ基又は置換もしくは未置換のアリールオキシ
    基を、Xは酸素原子又はイオウ原子を、Yは窒素原子又
    はメチン基をそれぞれ表す。又、R3、R4、R5、R6
    れぞれの置換基は隣接する基どうしが互いに連結して環
    を形成しても良い。)
  2. 【請求項2】前記一般式(A)において、R1、R2がシ
    アノ基である請求項1記載の発光素子。
  3. 【請求項3】前記一般式(A)において、R4、R5の、
    置換もしくは未置換のアルキル基がC2〜C12アルキ
    ル基であり、置換もしくは未置換のアリール基がC6〜
    C16アリール基である請求項1または2記載の発光素
    子。
  4. 【請求項4】前記一般式(A)において、Yが窒素原子
    である請求項1ないし3記載の発光素子。
  5. 【請求項5】前記一般式(A)において、R3とR4、R
    5とR6の両方もしくは片方が連結して5〜7員環を形成
    した請求項1ないし4記載の発光素子。
  6. 【請求項6】前記有機薄膜が少なくとも正孔輸送層と発
    光層との積層構造を有することを特徴とする請求項1な
    いし5記載の発光素子。
  7. 【請求項7】陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、
    陰極を順次積層することを特徴とする請求項6記載の発
    光素子。
  8. 【請求項8】前記一般式(A)の化合物を発光層に添加
    するドーパントとして用いることを特徴とする請求項6
    または7記載の発光素子。
  9. 【請求項9】マトリクス及び/またはセグメント方式に
    よって表示するディスプレイであることを特徴とする請
    求項1ないし8記載の発光素子。
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