JP2003232627A - 測距装置 - Google Patents

測距装置

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JP2003232627A
JP2003232627A JP2002030977A JP2002030977A JP2003232627A JP 2003232627 A JP2003232627 A JP 2003232627A JP 2002030977 A JP2002030977 A JP 2002030977A JP 2002030977 A JP2002030977 A JP 2002030977A JP 2003232627 A JP2003232627 A JP 2003232627A
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JP2002030977A
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Hideo Yoshida
秀夫 吉田
Kiichi Mihara
喜一 三原
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Fujinon Corp
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Fuji Photo Optical Co Ltd
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    • G02B7/28Systems for automatic generation of focusing signals
    • G02B7/287Systems for automatic generation of focusing signals including a sight line detecting device

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  • Automatic Focus Adjustment (AREA)
  • Measurement Of Optical Distance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】AFセンサの一対のラインセンサにより撮像し
た各センサ像のコントラストを示す相関値演算等の測距
演算用のAFデータの生成と、AFデータを使用した測
距演算を演算処理回路(CPU)により行うことで、回
路の簡素化を図り、また、AFセンサからセンサデータ
を順次取得しながら、AFデータを順次生成することに
より、AFデータの生成のための処理時間を大幅に削減
し、測距時間の短縮化を図る。 【解決手段】AFセンサ74の一対のラインセンサによ
り測距対象物を撮像し、そのセンサ像を示すセンサデー
タを生成する。CPU60は、そのセンサデータを各セ
ルごとに順次CPU60により取得しながらセンサ像の
コントラストを示すAFデータを生成する。そして、そ
のAFデータを使用して相関値演算等を行い測距対象物
の距離を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は測距装置に係り、特
にパッシブ方式のAFセンサを用いた例えばカメラの測
距装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パッシブ方式のAFセンサを用いた測距
は、例えば左右一対のラインセンサにより測距対象物を
撮像し、各ラインセンサにより得られる左右一対のセン
サ像のずれ量から測距対象物の距離を算出するものとし
て知られている。
【0003】センサ像のずれ量は、例えば、左右の各ラ
インセンサ内にウインドウ範囲を設定し、左右一対のウ
インドウ範囲を相対的に左右にシフトさせながら、ウイ
ンドウ範囲のセンサ像を示す左右一対のセンサデータの
相関を求め、相関が最高となるウインドウ範囲のシフト
量を検出することによって求めることができる。
【0004】また、特公平3−48484号公報や特公
平6−93059号公報には、センサ像を示すセンサデ
ータの相関を求めるのではなく、センサ像のコントラス
トを示すデータの相関を求めることによって精度良く測
距対象物の距離を求めることができる旨記載されてい
る。センサ像のコントラストを示すデータは、例えば、
各ラインセンサのセンサデータについて、センサデータ
とそのセンサデータを所定画素分シフトさせたデータと
の差分(2画素差分)を求めることにより得た差分デー
タである。即ち、各セルのそれぞれに着目したときに着
目したセルのセンサデータから所定画素分離間したセル
のセンサデータを減算して得た差分データに基づいて相
関を求めるようにしている。
【0005】尚、センサ像のコントラストを示すデータ
は差分データではなく、各ラインセンサのセンサデータ
について、センサデータとそのセンサデータを所定画素
分シフトさせたデータとの比を示すデータであってもよ
い。また、本明細書では、相関を求める際に使用するデ
ータをAFデータというものとする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようにAFデータとしてセンサ像のコントラストを示す
データを使用する場合、センサデータからAFデータを
生成するための時間を要し、測距時間が遅延すると共
に、センサデータからAFデータを生成するための特別
の回路が必要になる等の欠点があった。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、一対のラインセンサから得られたセンサ像のコ
ントラストを示すデータを用いて相関値演算等の測距演
算を行う場合に、測距時間の短縮と回路の簡素化を図る
測距装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本願請求項1に記載の測距装置は、複数の受光素子
からなる一対のラインセンサに測距対象物からの光を結
像させ、各受光素子から得られた信号を各受光素子ごと
に積分して一対のセンサデータを生成するAFセンサ
と、前記AFセンサによって生成された一対のセンサデ
ータを前記AFセンサから取得し、該取得した一対のセ
ンサデータに基づいて前記ラインセンサにより撮像した
センサ像のコントラストを示す測距演算用の一対のAF
データを生成すると共に、該AFデータに基づいて測距
対象物の距離を算出する演算処理回路と、を備えた測距
装置において、前記演算処理回路は、前記測距演算を開
始する前に前記AFデータを生成し、該生成したAFデ
ータをメモリに格納しておくと共に、前記測距演算の実
行時には、前記メモリに格納したAFデータを使用する
ことを特徴としている。
【0009】即ち、相関値演算等の測距演算に使用する
AFデータの生成(センサデータ読出し時に2画素差分
演算をCPUで行う)と、AFデータを使用した測距演
算を演算処理回路(CPU)により行うことで、回路の
簡素化を図ることができる。
【0010】請求項2に示すように前記演算処理回路
は、前記AFセンサから各セルのセンサデータを順次取
得しながら、取得したセルのセンサデータにより生成可
能なAFデータを順次生成することにより、AFデータ
の生成のための処理時間を大幅に削減することができ、
測距時間の短縮化を図ることができる。
【0011】また、請求項3に示すように前記演算処理
回路は、前記AFセンサから順次取得したセンサデータ
を一時的にメモリに格納し、該メモリに格納したセンサ
データに基づいてAFデータを生成すると、該生成した
AFデータ以外のAFデータの生成に不要なセンサデー
タが格納されていたメモリに前記AFセンサから新たに
取得したセンサデータを格納することにより、センサデ
ータを一時的に格納するメモリ容量が削減でき、装置全
体として必要なメモリ容量を削減することができる。
【0012】また、本願請求項4に記載の測距装置は、
複数の受光素子からなる一対のラインセンサに測距対象
物からの光を結像させ、各受光素子から得られた信号を
各受光素子ごとに積分して一対のセンサデータを生成す
るAFセンサと、前記AFセンサによって生成された一
対のセンサデータを前記AFセンサから取得し、該取得
した一対のセンサデータに基づいて前記ラインセンサに
より撮像したセンサ像のコントラストを示す測距演算用
の一対のAFデータを生成すると共に、該AFデータに
基づいて測距対象物の距離を算出する演算処理回路と、
を備えた測距装置において、前記演算処理回路は、前記
AFセンサから順次取得したセンサデータを一時的にメ
モリに格納し、該メモリに格納したセンサデータに基づ
いてAFデータを生成すると、該生成したAFデータ以
外のAFデータの生成に不要なセンサデータが格納され
ていたメモリに、該生成したAFデータ以外のAFデー
タを生成するために必要なセンサデータを格納すること
を特徴している。本発明によれば、AFデータの生成に
必要なメモリ容量が削減でき、装置全体として必要なメ
モリ容量を削減することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って、本発明に
係る測距装置を例えばカメラに適用した場合の好ましい
実施の形態について詳説する。
【0014】図1は、本発明が適用されたカメラの正面
斜視図である。同図に示すようにカメラ10には、被写
体像を銀塩フイルムに結像する撮影レンズを備えたズー
ムレンズ鏡胴12と、ストロボ光が発光されるストロボ
発光窓16と、撮影者が被写体を確認するファインダ窓
18と、被写体距離を測定するパッシブタイプのAFセ
ンサが内蔵されているAF窓22と、被写体の明るさを
測定する測光センサが内蔵されている測光窓25と、撮
影者がシャッタレリーズを指示する際に操作するシャッ
タボタン34等が設けられている。
【0015】図2は、カメラ10の背面斜視図である。
同図に示すようにカメラ10には、設定されている撮影
モード等や日付情報等を表示するLCD表示パネル38
と、ストロボの発光モードを設定するフラッシュボタン
42と、セルフタイマーのモードを設定するセルフタイ
マーボタン44と、フォーカスのモードを設定するフォ
ーカスボタン46と、日付や時刻を設定する日付ボタン
48と、撮影画角をワイド方向又はテレ方向に指示する
ズームボタン50とが設けられている。
【0016】例えば、フラッシュボタン42を操作する
と、フラッシュ(ストロボ)に関するモードを切り替え
ることができ、フラッシュボタン42で選択可能なモー
ドとして、被写体が暗い場合にストロボ光を自動発光す
るオートモード、本発光前にプレ発光を行い赤目を軽減
する赤目軽減モード、ストロボ光を強制発光する強制発
光モード、ストロボを発光しない発光禁止モード、スト
ロボを発光して人物と夜景とを撮影する夜景ポートレー
トモード等がある。また、フォーカスボタン46を操作
すると、フォーカスに関するモードを切り替えることが
でき、フォーカスボタン46で選択可能なモードとし
て、自動でピント合わせを行うオートフォーカスモー
ド、遠景を撮影するための遠景モード、マクロ撮影のた
めのマクロモード等のモードがある。
【0017】図3は、上記カメラ10の制御部を示した
ブロック図である。同図に示すようにカメラ10には、
カメラ10の全体を制御するCPU60(情報処理手
段)が設けられており、以下に示す各部から情報を取得
するとともに、CPU60からの指示によって以下に示
す各部を制御することが可能となっている。尚、図3に
示すCPU60は、CPUコア部とI/O、ウォッチド
グタイマ、A/D変換器等の周辺回路から構成されるA
SICであってもよい。
【0018】また、同図に示すようにカメラ10には、
電池の電圧を昇圧させるとともに安定化させてCPU6
0及びその他の各周辺回路に電源を供給するレギュレー
タ62と、ズームレンズ鏡胴12をモータ駆動してズー
ム位置やフォーカス位置を変更するとともにズーム位置
やフォーカス位置の位置情報をCPU60に出力する鏡
胴駆動部64と、フイルム給送モータを駆動してフイル
ムを給送するフイルム給送駆動部66とが設けられてい
る。
【0019】またカメラ10には、露光時にシャッタを
開閉してフイルムを露光するシャッタ駆動部68と、図
1の測光窓25を介して取り込んだ外光に基づいて被写
体の光量を測定する測光センサ70と、メインコンデン
サを充電し、また、メイコンデンサに充電した発光エネ
ルギーによりストロボを発光させるストロボ装置72
と、図1のAF窓22から取り込んだ被写体光からオー
トフォーカスにおける測距に必要なデータを取得するパ
ッシブタイプのAFセンサ74とが設けられている。
【0020】またカメラ10には、カメラ10の制御に
関するパラメータやデータ、処理プログラム、測距に関
する情報等の各種情報を書き換え自在に記録するプログ
ラマブルROM82(EEPROM等の記録手段)と、
CPU60からの指示に基づいてLCD表示パネル38
に対して各モードに応じた図形、文字、数字等を表示す
るための信号を出力するLCD駆動部84とが設けられ
ている。
【0021】図2に示したシャッタボタン34、フラッ
シュボタン42、セルフタイマーボタン44、フォーカ
スボタン46、日付ボタン48、ズームボタン50等の
各種ボタンの操作は各ボタンに対応して設けられたスイ
ッチからのオン/オフ信号としてCPU60に与えられ
る。これらのスイッチは、図3においてスイッチ部86
として示されている。尚、シャッタボタン34について
は半押しの状態(SP1がONの状態)と全押しの状態
(SP2がONの状態)とが区別して検出される。
【0022】尚、図3に示すドライバ88は、CPU6
0からの指令に基づいて鏡胴駆動部64に設けられてい
るズーム駆動モータやフォーカス駆動モータを制御し、
フイルム給送駆動部66に設けられているフイルム給送
モータを駆動することが可能となっている。また、ドラ
イバ88は、CPU60からの指令に基づいて基準電圧
や駆動電力をA/D変換回路や測光センサ70に出力す
ることが可能となっている。また、ドライバ88は、C
PU60からの指令に基づいてフイルム露光時に開閉す
るシャッタの制御信号をシャッタ駆動部68に出力する
とともに、ストロボの発光/停止を指示する信号をスト
ロボ装置72に出力することが可能となっている。
【0023】図4は、パッシブ方式によるAFセンサ7
4の構成を示した図である。同図に示すようにAFセン
サ74には、例えば白と黒の2つの色から構成されてい
る被写体90の像を左右の各センサの受光面に結像する
レンズ92と、受光面に結像した像を光電変換して輝度
信号として出力する右側のR(右)センサ94及び左側
のL(左)センサ96と、CPU60と間で各種データ
の送受信を行うとともにRセンサ94及びLセンサ96
の制御とデータ処理を行う処理回路99とが設けられて
いる。尚、Rセンサ94、Lセンサ96、及び、処理回
路99は、例えば、同一基板上に実装される。
【0024】Rセンサ94及びLセンサ96は例えばC
MOSラインセンサであり、直線上に配列された複数の
セル(受光素子)から構成される。尚、Rセンサ94と
Lセンサ96のそれぞれのセルには図中左側から順にセ
ンサ番号1、2、3…233、234が付されるものと
する。ただし、Rセンサ94及びLセンサ96の左右両
側の5つずつのセルは、ダミーのセルとして実際には使
用されていないため、有効なセンサ領域は、センサ番号
6から229までとなっている。これらのRセンサ94
及びLセンサ96の各セルからは受光した光量に応じた
輝度信号がセンサ番号と関連付けて処理回路99に順次
出力される。
【0025】処理回路99は、CPU60から指示信号
によってAFセンサ74の動作状態と非動作状態の切替
えを行い、動作状態においてCPU60から動作内容に
関する制御データを取得すると、その制御データに基づ
いて積分処理等の処理を開始する。詳細は後述するが積
分処理は各Rセンサ94及びLセンサ96から得た各セ
ルの輝度信号を各セル毎に積分(加算)し、各セル毎の
輝度信号の積分値(光量の積分値)を生成する処理であ
る。尚、各セル毎の輝度信号の積分値を示す値としてA
Fセンサ74の受光セルから出力されるデータをセンサ
データというものとすると、処理回路99がセンサデー
タとして実際に生成する値は、各セルの輝度信号の積分
値を所定の基準値(基準電圧VREF)から減算した値
であり、以下の説明においてセンサデータという場合に
は、この値をいうものとする。従って、センサデータは
受光した光量が多い程、低い値を示す。但し、AFセン
サ74から出力されるセンサデータは、各セルからの出
力を各セルごとに積分した信号に基づく値であって、A
Fセンサ74で撮像した被写体の特徴を示すデータ(例
えば、被写体のコントラストを示すデータ)であれば、
少なくとも以下で説明する処理を同様に適用できる。ま
た、以下の説明において、単に積分又は積分処理という
場合にはセンサデータ(輝度信号の積分値)を得るため
の積分又は積分処理を示すものとする。
【0026】また、積分処理は、例えば、Rセンサ94
とLセンサ96のそれぞれのセンサ領域内(有効なセル
内)のうちCPU60によって指定された後述するピー
ク選択領域内のいずれかのセルのセンサデータが所定の
積分終了値に達すると、即ち、ピーク選択領域内のセン
サデータのピーク値(最小値)が積分終了値に達する
と、測距を行うのに十分なセンサデータが得られたと判
断して終了する。このとき、処理回路99は、CPU6
0に積分終了を示す信号(積分終了信号)を出力する。
尚、上述のようにセンサデータのピーク値が積分終了値
に達した場合をAFセンサ74における積分終了条件と
するのではなく、例えば、ピーク選択領域内におけるセ
ンサデータの平均値が所定値に達した場合を積分終了条
件としてもよく、また、他の条件を積分終了条件として
もよい。
【0027】CPU60は、積分終了信号を受けて処理
回路99から積分処理によって得られた各セルのセンサ
データをセンサ番号と対応付けて取得する。これによっ
て、CPU60はRセンサ94及びLセンサ96で撮像
された画像(以下、センサ像という)を認識する。そし
て、詳細を後述するようにRセンサ94とLセンサ96
のそれぞれのセンサ像の間(又は、センサ像のコントラ
スト抽出処理を実施した後)で相関値演算を行い、相関
が最も高くなるときのセンサ像のズレ量を求め、被写体
90までの距離を算出する(三角測量の原理)。図5、
図6は、それぞれAFセンサ74から被写体90までの
距離が近い場合と遠い場合のセンサ像(センサデータ)
を例示した図である。被写体90までの距離が近い場
合、図5に示すようにLセンサ96のセンサ番号87〜
101までのセンサデータは明るい値(50)となり、
センサ番号101〜150までは暗い値(200)とな
る。Rセンサ94についてはLセンサ96と異なる位置
に設けられているため、センサ番号85〜133までの
センサデータは明るい値(50)となり、センサ番号1
33〜148までは暗い値(200)となる。
【0028】これに対して、被写体90までの距離が遠
い場合(例えば略無限遠の場合)には、図6に示すよう
に、Lセンサ96のセンサ番号87〜117までのセン
サデータは明るい値(50)となり、センサ番号118
〜150までは暗い値(200)となる。一方、Rセン
サ94は、Lセンサ96とは異なる位置に設けられてい
るものの被写体位置が遠距離に存在するために、センサ
番号85〜116までのセンサデータは明るい値(5
0)となり、センサ番号117〜148までは暗い値
(200)となる。この場合にCPU60は、Rセンサ
94とLセンサ96のセンサ像のズレ量がほとんどな
く、被写体が略無限遠に存在すると判断することができ
る。これに対して、図5に示したように被写体が近距離
に存在する場合には、センサ像のズレ量が大きくなる。
【0029】定量的には、被写体距離は、Rセンサ94
とLセンサ96との間隔及び各センサからレンズ92ま
での距離、Rセンサ94及びLセンサ96の各セルのピ
ッチ(例えば12μm)等を考慮して、センサ像のズレ
量から算出することができる。センサ像のズレ量は、R
センサ94とLセンサ96のそれぞれのセンサ像の間で
相関値演算を行うことにより求めることができ、詳細に
ついては後述する。
【0030】次に、上記構成のAFセンサ74を使用し
て被写体の距離を測距し、その被写体にピントを合わせ
るAF測距の処理内容について説明する。
【0031】カメラ10の処理モードを撮像のモードに
設定して利用者がシャッタボタン34を半押しすると、
CPU60はスイッチ部86からシャッタボタン34が
半押しされたことを示すSP1のオン信号を取得する。
SP1のオン信号を取得した場合、CPU60は、被写
体を撮像するために被写体の輝度に応じたAEを設定す
るとともに、被写体を特定してピントを合わせるAF測
距処理を開始する。
【0032】図7は、上記CPU60におけるAF測距
の処理手順の概要を示すフローチャートである。 [ステップS10(測距エリア設定処理)]撮影レンズ
は、ズームレンズ鏡胴12を駆動することにより焦点距
離を可変できるのに対し、AFセンサ74にセンサ像を
結像させるレンズ92は、固定焦点レンズである。そこ
で、撮影レンズのレンズ位置(画角)に対応して測距エ
リアを変更するようにしている。即ち、撮影レンズがテ
レ位置の場合には、測距エリアを狭くする。
【0033】ここで、図8に示すようにRセンサ94及
びLセンサ96のセンサ領域は、それぞれ5分割したエ
リア単位で相関値演算等の処理が行われ、各エリア毎に
被写体距離が算出されるようになっている。これらの分
割されたエリアを以下分割エリアというものとすると、
分割エリアは、同図に示すように「右エリア」、「右中
エリア」、「中央エリア」、「左中エリア」、「左エリ
ア」から構成される。また、各分割エリアは、隣接する
分割エリアと一部領域(セル)を共有している。相関値
演算等の際には、Rセンサ94とLセンサ96の対応す
る各分割エリア間(同一名の分割エリア間)でそれぞれ
個別に相関値演算が行われることになる。尚、本実施の
形態では分割エリアはセンサ領域を5分割したものであ
るが5分割以外の分割数であってもよい。
【0034】測距エリアは、Rセンサ94とLセンサ9
6のそれぞれのセンサ領域のうち測距に使用する領域で
あり、その領域を決めるのに上記分割エリアが使用され
る。この測距エリア設定処理の詳細について、図9のフ
ローチャートを用いて説明する。
【0035】まず、CPU60は、現在設定されている
ズーム位置(画角の設定角度)に関する情報を鏡胴駆動
部64から取得して、現在のズーム位置が所定のズーム
位置よりテレ側かワイド側(テレ以外)かを判定する
(ステップS10A)。例えばズーム可変範囲をZ1〜
Z6の6つの範囲に分けた場合に、現在のズーム位置が
テレ端側の範囲Z6に設定されているときにはテレ側と
判定し、それ以外の範囲Z1〜Z5に設定されていると
きには、テレ以外と判定する。尚、マクロモードに設定
されているときにはテレ以外と判定する。
【0036】もし、テレ側と判定した場合には、図10
に示すようにRセンサ94及びLセンサ96のセンサ領
域(画角が±6.5°の範囲)のうち、測距に使用する
測距エリアを撮影レンズの画角に対応した範囲(画角が
±3.9°の範囲)に制限する。即ち、テレと判定した
場合には、Rセンサ94及びLセンサ96の全センサ領
域(5エリア)のうちの中央部の「右中エリア」、「中
央エリア」、及び「左中エリア」の3つの分割エリアで
構成される領域を測距エリアとして設定する(3エリ
ア設定)(ステップS10B)。一方、テレ以外と判定
した場合には、「右エリア」、「右中エリア」、「中央
エリア」、「左中エリア」、「左エリア」の5つの分割
エリアで構成される領域を測距エリアとして設定する
(5エリア設定)(ステップS10C)。 [ステップS12(AFデータ取得処理)]ステップS
12では、被写体の明るさに応じてAFデータ(後に記
述)の取得方法を切り替えている。
【0037】即ち、被写体の輝度が超高輝度又は高輝度
の場合には、AFセンサ74のセンサ感度(輝度信号の
ゲイン)を低感度に設定し、かつ測距エリアが3エリア
設定の場合には、測距エリア(図10の領域参照)を
構成する「中央エリア」、「左中エリア」、及び「右中
エリア」における積分処理を個別に行い、測距エリアが
5エリア設定の場合には、測距エリア(図10の領域
参照)を構成する「中央エリア」、「左中及び左エリ
ア」、及び「右中及び右エリア」における積分処理を個
別に行う。尚、「左中及び左エリア」は「左中エリア」
及び「左エリア」から構成される領域を示し、「右中及
び右エリア」は「右中エリア」及び「右エリア」から構
成される領域を示す。また、AFセンサ74のセンサ感
度は、高感度と低感度の2段階に切り替えることができ
るようになっている。
【0038】ここで、上記測距エリアを構成する「中央
エリア」、「左中エリア」(又は「左中及び左エリ
ア」)、及び「右中エリア」(又は「右中及び右エリ
ア」)における積分処理を個別に行うとは、「中央エリ
ア」内のいずれかのセンサデータが積分終了値に達する
と、その「中央エリア」のセンサデータを取得し、続い
てセンサデータをリセットして積分を開始し、「左中エ
リア」(又は「左中及び左エリア」)内のいずれかのセ
ルのセンサデータが積分終了値に達すると、その「左中
エリア」(又は「左中及び左エリア」)のセンサデータ
を取得し、次にセンサデータをリセットして積分を開始
し、「右中エリア」(又は「右中及び右エリア」)内の
いずれかのセルのセンサデータが積分終了値に達する
と、その「右中エリア」(又は「右中及び右エリア」)
のセンサデータを取得することをいう。このようにし
て、複数の領域の積分処理を個別に行うことにより、い
ずれかの領域に高輝度のライトなどが入射し、その領域
のセンサデータが不適当な場合でも他の領域から有効な
センサデータを取得することができる。例えば、測距エ
リアが5エリア設定の場合において、測距エリア内に図
11(A)、(B)に示すような主要被写体である人物
と、人物後方の高輝度のライトが存在するものとする。
このとき、例えば、測距エリアの全領域を選択領域(ピ
ーク選択領域)として積分処理を行うと、図11(A)
に示すように高輝度のライトに対応する右エリアにおけ
るセンサデータの信号レベルが適切なものとなり、主要
被写体である人物に対応する中央エリアにおけるセンサ
データの信号レベルが小さくなる。このため、各分割エ
リアごとに被写体距離を求めようとすると、中央エリア
に関しては測距不能と判断され、結果的に後方のライト
に合焦してしまう不具合が生じる。これに対して、上述
のように測距エリアを複数の領域に分けて個別に積分処
理を行うと、図11(B)に示すように中央エリアの積
分処理において主要被写体である人物に対応するのセン
サデータの信号レベルが適切なものとなり、結果的に人
物に合焦させることができるようになる。
【0039】また、被写体の輝度が中輝度の場合には、
AFセンサ74のセンサ感度を低感度に設定し、かつ3
エリア設定又は5エリア設定された測距エリアにおける
積分処理を一括して行う。例えば、3エリア設定の場合
には、測距エリア(図10の領域参照)を構成する
「中央エリア」、「左中エリア」、及び「右中エリア」
の積分処理を同時に行い、これらの「中央エリア」、
「左中エリア」、及び「右中エリア」内のいずれかのセ
ルのセンサデータが積分終了値に達すると、「中央エリ
ア」、「左中エリア」、及び「右中エリア」のセンサデ
ータを一括して取得する。
【0040】更に、被写体の輝度が低輝度の場合には、
AFセンサ74のセンサ感度を高感度に設定し、かつ3
エリア設定又は5エリア設定された測距エリアにおける
積分処理を一括して行う。尚、積分時間が所定の時間経
過しても測距エリア内のセルのセンサデータが積分終了
値に達しない場合には、積分を終了させた後、AFセン
サ74のセンサ感度を低感度に切り替えて積分を開始す
ると共に、オートフォーカス用の補助光をストロボ装置
72から発光させる(AFプレ発光)。この場合には、
3エリア設定又は5エリア設定された測距エリアにおけ
る積分処理を一括して行う。
【0041】尚、ここでは、AFセンサ74の受光セル
より出力されるデータをセンサデータとしており、下記
コントラスト検出処理1以降に使用される画像データと
しては、センサデータ自体とする場合の他に、センサデ
ータにコントラスト抽出処理等を施したものとする場合
もあるため、コントラスト検出処理1以降の処理では、
センサデータをそのまま処理に用いたもの、及び、セン
サデータにコントラスト抽出処理等を施したものを総称
してAFデータと記載する。 [ステップS14(コントラスト検出処理1)]ステッ
プS14では、ステップS12で取得したAFデータが
測距に必要なコントラストがあるか否かを判定する。そ
して、AFデータが測距に必要なコントラストがないと
判定(低コントラスト判定)されると、測距不能とす
る。
【0042】ここで、ステップS10の測距エリア設定
処理において、測距エリアとして3エリア設定がされて
いる場合には、右中エリア、中央エリア、及び左中エリ
アの各分割エリアごとに上記コントラスト判定を行い、
低コントラスト判定された分割エリアのAFデータを使
用した相関値演算等の処理は行わないようにしている。
同様に、測距エリアとして5エリア設定がされている場
合には、右エリア、右中エリア、中央エリア、左中エリ
ア、左エリアの各分割エリアごとに上記コントラスト判
定を行い、低コントラスト判定された分割エリアのAF
データを使用した相関値演算等の処理は行わないように
している。 [ステップS16(相関値演算処理)]ステップS16
では、AFセンサ74のRセンサ94及びLセンサ96
からそれぞれ取り込んだセンサ像(AFデータ)の間で
相関値演算を行い、相関が最も高くなるときのセンサ像
のズレ量(左右のAFデータ間のシフト量)を求める。
この左右のAFデータ間のシフト量から被写体の距離を
求めることができる。
【0043】尚、測距エリアとして3エリア設定がされ
ている場合には、右中エリア、中央エリア、及び左中エ
リアの各分割エリアごとに相関値演算を行い、測距エリ
アとして5エリア設定がされている場合には、右エリ
ア、右中エリア、中央エリア、左中エリア、左エリアの
各分割エリアごとに相関値演算を行うが、上記ステップ
S14で低コントラスト(測距不能)の判定が行われた
分割エリアでの相関値演算は行わない。
【0044】次に、上記相関値演算について図12を参
照しながら説明する。
【0045】図12において、94A及び96Aは、そ
れぞれRセンサ94及びLセンサ96のうちのある分割
エリアのセンサ(以下「採用センサ」という)である。
また、94B及び96Bは、それぞれ採用センサ94A
及び96AのAFデータから相関値演算に使用するAF
データを抽出するためのRウインドウ及びLウインドウ
である。
【0046】ここで、Rウインドウ94BとLウインド
ウ96Bとのシフト量をn(n=−2,−1,0,1,
…,MAX(=38))とすると、n=−2のときにRウインド
ウ94Bは採用センサ94Aの左端に位置し、Lウイン
ドウ96Bは採用センサ96Aの右端に位置している。
そして、n=−1のときにLウインドウ96Bは採用セ
ンサ96Aの右端から1セル分だけ左にシフトし、n=
0のときにRウインドウ94Bは採用センサ94Aの左
端から1セル分だけ右にシフトし、同様にしてnが1増
加するごとにRウインドウ94BとLウインドウ96B
とは交互に1セルずつ移動する。そして、n=MAXのと
きにRウインドウ94Bは採用センサ94Aの右端に位
置し、Lウインドウ96Bは採用センサ96Aの左端に
位置する。
【0047】いま、Rウインドウ94BとLウインドウ
96Bとのあるシフト量nのときの相関値をf(n)とす
ると、相関値f(n)は、次式、
【0048】
【数1】 で表すことができる。尚、式(1)において、iはウイン
ドウ内のセルの位置(i=1,2,…wo(=42))を示す
番号であり、R(i)及びL(i)は、それぞれRウインドウ
94B及びLウインドウ96Bの同じセル位置iのセル
から得られたAFデータである。即ち、式(1)に示すよ
うに相関値f(n)は、Rウインドウ94B及びLウイン
ドウ96Bの同じセル位置のセルから得られたAFデー
タの差分の絶対値の総和であり、相関が高い程、ゼロに
近づく。
【0049】従って、シフト量nを変えて相関値f(n)
を求め、相関値f(n)が最も小さくなるとき(相関が最
も高くなるとき)のシフト量nから被写体の距離を求め
ることができる。尚、被写体距離が無限遠のときに、シ
フト量n=0で相関が最も高くなり、被写体距離が至近
端のときに、シフト量n=MAXで相関が最も高くなるよ
うに被写体像がRセンサ94及びLセンサ96に結像す
るようになっている。また、相関を求める演算式は、上
式(1)に限らず、他の演算式を用いることができる。そ
の場合において、相関が高いほど相関値が大きくなる場
合があり、このときには、以下の説明における相関値に
ついての大小関係を反転してその演算式において本実施
の形態を適用する。例えば、上式(1)により算出した相
関値の極小値は、極大値となり、また、上式(1)により
算出した相関値について小さい又は大きいなどの文言
は、大きい又は小さいなどの文言に反転して適用するこ
とができる。 [ステップS18(コントラスト検出処理2)]ステッ
プS14では、分割エリア内のAFデータが、測距に必
要なコントラストがあるか否かを判定しているのに対
し、ステップS18では相関が最大となるシフト量nの
ときのウインドウ範囲内のAFデータが、測距に必要な
コントラストがあるか否かを判定する。そして、低コン
トラストと判定すると、測距不能とし、そのときのシフ
ト量nに基づく測距は行わない。 [ステップS20(L、Rチャンネル差補正処理)]ス
テップS20では、AFセンサ74から得られた左右の
AFデータであって、相関が最大となるウインドウ範囲
内の左右のAFデータの最小値を比較する。そして、左
右のAFデータの最小値の差の絶対値が第1の基準値以
上かつ第2の基準値以下の場合に、ダイナミックレンジ
を越えない方のチャンネルのAFデータを補正する。
尚、相関が最大となったときの相関値が小さい場合に
は、AFデータを補正しなくても相関値演算の結果は信
頼性が高いと判断できるため、相関が最大となったとき
の相関値が第3の基準値以上の場合にのみAFデータの
補正を行うようにしてもよい。
【0050】また、AFデータを補正した場合には、再
度相関値演算を行い、最小の相関値を求める。そして、
補正後の最小の相関値と補正前の最小の相関値とを比較
し、一致度の高い方の相関値のシフト量を採用する。 [ステップS22(補間値演算処理)]ステップS22
では、相関が最も高くなるときの相関値f(n)(最小極
小値)を求めた後、その最小極小値と前後の相関値とを
使用し、シフト量が1以内(AFセンサ74のセルの1
ピッチ以内)の補間値を算出する。
【0051】前記補間値は、最小極小値が得られたシフ
ト量をnとすると、その最小極小値と、そのシフト量n
の前後の複数のシフト量における相関値(最低3つの相
関値)とに基づいて、これらの相関値を通りV字状に交
わる2本の直線の交点を求め、その交点の位置と前記シ
フト量nとの差分値として算出される。 [ステップS24(AFエラー処理)]ステップS24
では、3エリア設定又は5エリア設定された測距エリア
の全ての測距エリアで測距不能と判定されると、予め設
定した被写体距離にピントを合わせるように撮影レンズ
をセットする。
【0052】即ち、オートフォーカス用の補助光を発光
し、かつ全ての測距エリアのAFデータ量不足によりエ
ラーと判断された場合、無限遠にピントが合うように撮
影レンズをセットする。
【0053】また、オートフォーカス用の補助光を発光
し、かつ全ての測距エリアのAFデータ量不足によりエ
ラーと判断された場合、フイルム感度に応じてストロボ
到達可能な固定焦点セット距離に切り替える。例えば、
ISO400以上の場合には、固定焦点セット距離を6
mとし、ISO400未満の場合には、固定焦点セット
距離を3mとする。更に、エラーの種類によってピント
を合わせる固定焦点セット距離を切り替えるようにして
もよい。 [ステップS26(距離算出処理)]ステップS26で
は、ステップS16での相関値演算により最小極小値の
相関値が得られるときのシフト量nと、ステップS22
で演算した補間値とに基づいて被写体距離を算出する。
尚、3エリア設定又は5エリア設定された測距エリアの
全ての測距エリアごとに被写体距離を算出する。 [ステップS28(エリア選択処理)]AF測距処理中
にエラーが発生しない場合には、3エリア設定時には3
つの被写体距離が算出され、5エリア設定時には5つの
被写体距離が算出される。複数の被写体距離が算出され
ると、基本的には最も近距離の被写体距離を採用する。
【0054】尚、5エリア設定時に5つの被写体距離が
算出され、これらの被写体距離のうち、左エリア又は右
エリアのうちの何れか一方のエリアに対応する被写体距
離が超至近距離となり、それ以外のエリアに対応する被
写体距離が全て中間距離以遠となる場合には、超至近の
結果を採用せず、中間距離以遠の被写体距離のうちの最
も近距離の被写体距離を採用する。 {AFデータ取得処理(図7ステップS12)の詳細}
次に、上記図7のステップS12におけるAFデータ取
得処理について詳説する。
【0055】まず、ピーク選択領域について説明する
と、ピーク選択領域とは、AFセンサ74の積分処理に
おいて、センサデータのピーク値(最小値)が積分終了
値に達したか否かを監視するセルの範囲をいう。図13
は、以下で説明するAFデータ取得処理において設定さ
れるピーク選択領域の態様を示した図である。ピーク選
択領域は、上記図8で説明した分割エリアを単位として
構成され、図13(A)には、Rセンサ94及びLセン
サ96の分割エリアが示されている。これに対して、同
図(B)〜同図(H)にはピーク選択領域が示されてお
り、ピーク選択領域は領域〜の7通りに切り替えら
れる。
【0056】同図(B)に示す領域は、Rセンサ94
及びLセンサ96における「中央エリア」、「右中エリ
ア」、及び「左中エリア」の3つの分割エリアから構成
され、同図(C)に示す領域は、Rセンサ94及びL
センサ96における「中央エリア」、「右中エリア」、
「右エリア」、「左中エリア」、及び「左エリア」の5
つの分割エリアから構成される。尚、領域は、図10
で示した3エリア設定時の領域に等しく、領域は、
図10で示した5エリア設定時の領域に等しい。同図
(D)、(E)、(F)に示す領域、、はそれぞ
れ、Rセンサ94及びLセンサ96における「中央エリ
ア」、「左中エリア」、「右中エリア」であり、同図
(G)に示す領域は、Rセンサ94及びLセンサ96
における左中エリア及び左エリアから構成され、同図
(H)に示す領域は、Rセンサ94及びLセンサ96
における右中エリア及び右エリアから構成される。
【0057】図14は、AFデータ取得処理の手順を示
したフローチャートである。まず、CPU60は、測光
センサ70が出力する光量の信号出力を参照して、被写
体から得た光量が超高輝度と判断する所定の閾値以上で
あるか否かを判定する(ステップS50)。NOと判定
した場合、CPU60は、AFセンサ74(AFセンサ
74の処理回路99)に対して一括ゲイン高積分の処理
を開始させる(ステップS52)。尚、以下の説明で
は、AFセンサ74の処理回路99が行う処理であって
も処理回路99とは明記せず、単にAFセンサ74と記
述する。
【0058】一括ゲイン高積分は、上記図7に示したス
テップS10の測距エリア設定処理により設定した測距
エリアと同一範囲の領域をピーク選択領域とし、また、
AFセンサ74のセンサ感度を高感度とし、測距エリア
内の各セルのセンサデータを一括して取得する処理であ
る。上記測距エリア設定処理において測距エリアを3エ
リア設定とした場合(ズーム位置がテレの場合)には、
ピーク選択領域は、図13(B)に示した領域に設定
される。一方、測距エリアを5エリア設定とした場合
(ズーム位置がテレ以外の場合)には、ピーク選択領域
は、図13(C)に示したピーク選択領域に設定され
る。尚、一括ゲイン高積分は、被写体輝度が低輝度の場
合のセンサデータを取得するための積分処理であるが、
後述の記載からも分かるように被写体輝度が高輝度、中
輝度、低輝度のどの状態にあるかを判別するための処理
でもある。このステップS52の一括ゲイン高積分の処
理の代わりに被写体輝度を判別するための他の方法を採
用してもよい。
【0059】AFセンサ74による一括ゲイン高積分の
開始後、CPU60は、AFセンサ74から積分処理の
終了を示す積分終了信号が出力されるのを待機する。そ
して、積分処理の開始後、積分処理が終了するまでに要
した時間(積分時間)が2ms未満か、2ms以上4m
s未満か、又は、4ms以上か(4ms経過しても積分
処理が終了しないか)を判定する(ステップS54)。
【0060】もし、積分時間が2ms未満であった場合
には、被写体が高輝度であると判断してAFセンサ74
のセンサデータをリセットし、詳細を後述する3分割ゲ
イン低積分の処理に切り替える(ステップS56)。積
分時間が2ms以上4ms未満であった場合には、被写
体が中輝度であると判断してAFセンサ74のセンサデ
ータをリセットし、詳細を後述する一括ゲイン低積分の
処理に切り替える(ステップS58)。積分時間が4m
s以上であった場合には、被写体が低輝度であると判断
して詳細を後述する低輝度時処理を実行する(ステップ
S60)。
【0061】ここで、上記ステップS50においてYE
S、即ち、被写体が超高輝度と判定した場合には、2m
s未満で終了した場合と同様に3分割ゲイン低積分の処
理を実行する(ステップS56)。
【0062】ステップS56の3分割ゲイン低積分の処
理は、AFセンサ74のセンサ感度を低感度に設定し、
また、上記測距エリア設定処理において設定した測距エ
リアを3分割し、分割した各エリアをそれぞれ順にピー
ク選択領域としてAFセンサ74に積分処理を実行させ
るCPU60の処理である。
【0063】即ち、上記図7ステップS10の測距エリ
ア設定処理において測距エリアを3エリア設定として場
合(ズーム位置がテレの場合)、測距エリアは「中央エ
リア」、「左中エリア」及び「右中エリア」から構成さ
れる。この測距エリアを「中央エリア」、「左中エリ
ア」、及び、「右中エリア」の各分割エリアに3分割し
て、各分割エリアを順にピーク選択領域として積分処理
を実行する。図13で示したピーク選択領域の態様にお
いては、同図(D)、(E)、(F)の領域、、
が順にピーク選択領域として設定される。具体的には、
図15のフローチャートに示すように、まず、中央エリ
ア(領域)をピーク選択領域とし(ステップS8
0)、また、AFセンサ74のセンサ感度を低感度とし
て(ステップS82)積分処理を開始する(ステップS
84)。この積分処理が終了し、CPU60が領域の
センサデータを取得すると(ステップS86)、測距エ
リアが3エリア設定であるため(ステップS88)、続
いて、左中エリア(領域)をピーク選択領域とし(ス
テップS90)、また、AFセンサ74のセンサ感度を
低感度として(ステップS92)積分処理を開始する
(ステップS94)。この積分処理が終了し、CPU6
0が領域のセンサデータを取得すると(ステップS9
6)、続いて、右中エリア(領域)をピーク選択領域
とし(ステップS98)、また、AFセンサ74のセン
サ感度を低感度として(ステップS100)積分処理を
開始する(ステップS102)。この積分処理が終了
し、CPU60が領域のセンサデータを取得すると
(ステップS104)、3分割ゲイン低積分の処理を終
了する。これによって以後の測距演算に必要な測距エリ
ア内の各分割エリアのセンサデータが取得される。
【0064】一方、上記測距エリア設定処理において5
エリア設定とした場合(ズーム位置がテレ以外の場
合)、測距エリアは、「中央エリア」、「左中エリ
ア」、「左エリア」、「右中エリア」、「右エリア」か
ら構成される。この測距エリアを図13(D)、
(G)、(H)の領域、、に3分割して、各領域
、、を順にピーク選択領域として積分処理を実行
する。具体的には、図15のフローチャートで説明する
と、上述の3エリア設定の場合と同様に、まず、中央エ
リア(領域)をピーク選択領域とし(ステップS8
0)、また、AFセンサ74のセンサ感度を低感度とし
て(ステップS82)積分処理を開始する(ステップS
84)。この積分処理が終了し、CPU60が領域の
センサデータを取得すると(ステップS86)、測距エ
リアが5エリア設定であるため(ステップS88)、続
いて、左中エリア及び左エリア(領域)をピーク選択
領域とし(ステップS106)、また、AFセンサ74
のセンサ感度を低感度として(ステップS108)積分
処理を開始する(ステップS110)。この積分処理が
終了し、CPU60が領域のセンサデータを取得する
と(ステップS112)、続いて、右中エリア及び右エ
リア(領域)をピーク選択領域とし(ステップS11
4)、また、AFセンサ74のセンサ感度を低感度とし
て(ステップS116)積分処理を開始する(ステップ
S118)。この積分処理が終了し、CPU60が領域
のセンサデータを取得すると(ステップS120)、
3分割ゲイン低積分の処理を終了する。これによって以
後の測距演算に必要な測距エリア内の各分割エリアのセ
ンサデータが取得される。
【0065】尚、上記説明では測距エリアが5エリア設
定の場合には、測距エリアを領域、、に3分割す
るようにしたが、これに限らず、各分割エリアに5分割
してそれぞれの分割エリアを順にピーク選択領域として
積分処理を実行しセンサデータを取得するようにしても
よい。即ち、測距エリアを分割する領域の数は本実施の
形態の場合に限らず任意に設定変更できる。
【0066】図14のステップS58における一括ゲイ
ン低積分の処理は、ステップS52の一括ゲイン高積分
において採用したピーク選択領域を変更せず、AFセン
サ74のセンサ感度を高感度から低感度に切り替えてA
Fセンサ74に積分処理を実行させるCPU60の処理
である。
【0067】即ち、上記測距エリア設定処理において測
距エリアを3エリア設定とした場合(ズーム位置がテレ
の場合)には、ピーク選択領域を、図13(B)に示し
た領域とし、また、AFセンサ74のセンサ感度を低
感度としてAFセンサ74に積分処理を実行させる。一
方、上記測距エリア設定処理において測距エリアを5エ
リア設定とした場合(ズーム位置がテレ以外の場合)に
は、ピーク選択領域を、図13(C)に示した領域と
し、また、AFセンサ74のセンサ感度を低感度として
AFセンサ74に積分処理を実行させる。
【0068】以上の積分処理が終了するとCPU60
は、AFセンサ74から測距エリア内のセンサデータを
取得する。これによって、測距演算に必要な測距エリア
内の各分割エリアのセンサデータが取得される。
【0069】図14のステップS60における低輝度時
処理は、ステップS52における一括ゲイン高積分の処
理を、最大許容積分時間を限度として積分処理が終了す
るまで継続させる処理である。
【0070】最大許容積分時間は、撮影モードにより異
なり、撮影モードが発光禁止モードに設定されている場
合には、上記ステップS52の一括ゲイン高積分の積分
時間が4ms以上経過した後も200ms(最大許容積
分時間)を限度としてそのまま積分処理を継続させる。
もし、積分処理が200ms以内で正常に終了した場合
(ピーク選択領域内のセンサデータのピーク値が積分終
了値に達したことにより積分を終了した場合(以下同
様))には、その時点のセンサデータをAFセンサ74
から取得する。一方、200msが経過しても積分処理
が正常に終了しない場合には、CPU60からの指示信
号により強制的に積分処理を終了させ、その時点でのセ
ンサデータをAFセンサ74から取得する。
【0071】また、撮影モードが発光禁止モードでない
場合には、まず、上記ステップS52の一括ゲイン高積
分の積分時間が4ms以上経過した後も100msを限
度(最大許容積分時間)としてそのまま積分処理を継続
させる。もし、積分処理が100ms以内で正常に終了
した場合には、その時点でセンサデータをAFセンサ7
4から取得する。一方、積分時間が100msに達して
も積分処理が終了しない場合には、CPU60からの指
示信号により強制的に積分処理を終了させる。そして、
ストロボ装置AF72による補助光の発光によりAFプ
レ発光させながら積分処理を再度開始させる。尚、夜景
ポートレートモードのように夜景と手前の人物とを同時
に撮影するようなモードに設定されている場合には、夜
景にピントが合う不具合を防止するために、一括ゲイン
高積分の積分時間は、100msの替わりに25msを
限度とし、積分時間が25msに達しても積分処理が正
常に終了しない場合には、積分処理を強制的に終了させ
て、AFプレ発光と共に積分処理を開始させる。尚、以
下、AFプレ発光させながら積分を行う処理をプレ発光
処理という。
【0072】プレ発光処理による積分処理を開始する場
合、ステップS52の一括ゲイン高積分において採用し
たピーク選択領域を変更せず、AFセンサ74のセンサ
感度を高感度から低感度に切り替えてAFセンサ74に
積分処理を開始させる。また、AFプレ発光は、断続的
なパルス発光により所定の上限回数を設定して行う。こ
れにより、プレ発光が上限回数に達する前に積分処理が
正常に終了した場合には、そのときのセンサデータをA
Fセンサ74から取得する。一方、プレ発光が上限回数
に達しても積分処理が正常に終了しない場合には、積分
処理を強制的に終了させて、その時点でのセンサデータ
をAFセンサ74から取得する。
【0073】尚、上記実施の形態では被写体輝度が高輝
度又は超高輝度の場合だけ測距エリアを複数の領域(ピ
ーク選択領域)に分割して各領域ごとにセンサデータを
取得するようにしたが、被写体輝度が中輝度や低輝度の
場合であっても高輝度等の場合と同様に測距エリアを複
数の領域に分割して各領域ごとにセンサデータを取得す
るようにしてもよい。
【0074】また、上記実施の形態では、被写体輝度が
超高輝度、高輝度、中輝度、低輝度の場合に場合分けし
てそれぞれの場合に対応したセンサデータの取得処理を
行うようにしたが、これに限らず、被写体輝度のレベル
を上記実施の形態よりも細かく又は粗く場合分けしてそ
れぞれの被写体輝度のレベルに対応したセンサデータの
取得処理を行うようにしてもよい。
【0075】次に、上記AFデータ取得処理を実行する
際のCPU60とAFセンサ74(処理回路99)の処
理動作について詳説する。図16に示すようにCPU6
0とAFセンサ74との間では、複数の信号ラインによ
り各種信号の送受信が行われる。CPU60からAFセ
ンサ74に送信される信号の信号ラインとしては、AF
センサ74を動作状態又は非動作状態に切り替える信号
が送信される/AFCEN、制御データの設定を指示す
る信号が送信される/AFRST、制御データの内容を
示す信号が送信されるAFAD、READ/WRIGH
T−クロックパルスが送信されるAFCLK等がある。
AFセンサ74からCPU60に送信される信号の信号
ラインとしては、積分処理が終了したことを示す信号が
送信される/AFEND、ピーク選択領域におけるセン
サデータのピーク値(最小値)がアナログデータとして
送信されるMDATA、Rセンサ94及びLセンサ96
の各セルのセンサデータがアナログデータとして送信さ
れるAFDATAP等がある。尚、以下、各信号ライン
から送信される信号の種類を信号ラインの名称により識
別する(/AFCEN信号、/AFRST信号等)。
【0076】CPU60及びAFセンサ74における上
記各信号の送受信の動作タイミングについて図17の動
作タイミングチャートを用いて説明する。CPU60が
/AFCEN信号を1(Highレベル)に設定してい
る場合、AFセンサ74は非動作状態にあり、CPU6
0が/AFCEN信号を0(Lowレベル)に切り替え
るとAFセンサ74が動作状態に切り替わる(時刻T1
0参照)。
【0077】AFセンサ74を動作状態に切り替えた
後、所定時間(10ms)が経過すると、CPU60は
/AFRST信号を1から0に切り替えてAFセンサ7
4に対して制御データの設定を指示する(時刻T20参
照)。そして、CPU60は、AFセンサ74に対し
て、AFAD信号により制御データを送信すると共に、
AFCLK信号によりクロックパルスを送信する(時刻
T20〜T30の期間参照)。AFセンサ74は、/A
FRST信号が1から0に切り替えられると、AFCL
K信号により与えられるクロックパルスに同期してAF
AD信号の信号レベルを読み込む。これによって、ピー
ク選択領域、センサ感度等の積分処理に必要なデータが
AFセンサ74にセットされる。尚、制御データとし
て、D0からD127までの128個の1又は0で示さ
れるデータが時系列で送信されるが、制御データの内容
については後述する。
【0078】AFAD信号により最後のデータ(D12
7)が送信され(時刻T30参照)、100μsが経過
すると(時刻T40参照)、CPU60は/AFRST
信号を0から1に切り替え、積分処理の開始を指示す
る。これにより、AFセンサ74は、センサ感度を高感
度に設定した場合には150μs後に、センサ感度を低
感度に設定した場合には30μs後に、Rセンサ94及
びLセンサ96の各セルによる受光を開始すると共に、
各セルから逐次出力される輝度信号の積分を開始する
(時刻T50参照)。同時に、AFセンサ74は、/A
FEND信号を1から0に切り替え、積分を開始したこ
とをCPU60に送信する。また、MDATA信号によ
りピーク選択領域内のセンサデータのピーク値をアナロ
グデータとして出力する。
【0079】積分処理の開始後、センサデータのピーク
値が所定の積分終了値VEND(例えば、0.5V)に
達すると、AFセンサ74は、輝度信号の積分を終了す
ると共に、/AFEND信号を0から1に切り替える
(時刻T60参照)。尚、/AFEND信号の0から1
への切替りが積分終了信号となる。
【0080】CPU60は、/AFEND信号が0に設
定されていた時間(時刻T50〜T60の期間)を検出
することより、積分時間を検出すると共に、/AFEN
D信号が0から1に切り替えられたことにより積分が終
了したことを検出する。
【0081】積分が終了すると、CPU60は、AFセ
ンサ74に対してAFCLK信号によりクロックパルス
を送信し、センサデータの読出しを指示する(時刻T7
0参照)。尚、ピーク選択領域内におけるセンサデータ
のピーク値が積分終了値に達した場合にAFセンサ74
が積分を自動的に終了する自動終了モードと、センサデ
ータのピーク値が積分終了値に達したか否かとは無関係
に外部(CPU60)からの指示により積分を終了する
外部終了モードとがあり、CPU60は、前者の場合に
はAFAD信号を1に設定した状態を維持して上記クロ
ックパルスを送信し、後者の場合にはAFAD信号を0
に切り替えてAFセンサ74の積分を終了させた後、上
記クロックパルスを送信する。また、前者の場合であっ
てもCPU60がAFAD信号を1から0に切り替える
ことにより強制的にAFセンサ74における積分を終了
させることができるようになっている。
【0082】AFセンサ74は、AFCLK信号により
与えられるクロックパルスに同期して各セルごとに積分
して得たセンサデータをアナログデータとしてLセンサ
96とRセンサ94のセンサ番号1からセンサ番号23
4まで交互にCPU60に送信する。これによってCP
U60はセンサデータをAFセンサ74から取得する。
【0083】次に、上記AFAD信号により送受信され
る制御データの内容について説明する。上述のように制
御データは、D0からD127までの128個の1又は
0のデータから構成される(図17時刻T20〜T30
の期間参照)。このうち、D0〜D111は、AFセン
サ74において設定すべきピーク選択領域を示すピーク
選択領域設定データであり、D112〜D118は、ピ
ーク選択領域数を示すピーク選択領域数データである。
尚、ピーク選択領域設定データ及びピーク選択領域数デ
ータの詳細は後述する。
【0084】また、D119〜D120はダミーデータ
(0)であり、D121は設定すべきセンサ感度を示す
感度データである。本実施の形態においてセンサ感度
は、高又は低の2段階で切替可能であり、D121が1
の場合には高感度、D121が0の場合には低感度の設
定を示す。
【0085】D122は、積分の終了に関するモードを
示す積分モードデータであり、D122が1のときは外
部からの指示によって積分を終了する外部終了モードの
設定を示し、D122が0のときは、ピーク選択領域内
のセンサデータが所定の積分終了値(積分終了電圧)V
ENDに達したときにAFセンサ74が自動で積分処理
を終了する自動終了モードの設定を示す。
【0086】D123は、自動終了モードの場合に積分
終了値VENDを設定する自動積分終了電圧設定データ
であり、本実施の形態では、D123が1の場合には電
圧Lの設定を示し、D123が0の場合には電圧Hの設
定を示す。
【0087】D124〜D126は、基準電圧VREF
を設定するVREF選択データである。3ビットのデー
タによって8種類の基準電圧を設定することができる。
D127は、制御データの終了を示す終了データであ
り、常に1に設定される。
【0088】次に、ピーク選択領域設定データD0〜D
111及びピーク選択領域数データD112〜D118
について詳説する。Rセンサ94及びLセンサ96は、
それぞれ図18に示すようにセンサ番号1から234ま
での234個のセルによって構成されている。各センサ
94、96の左右5つのセル(センサ番号1〜5、及
び、センサ番号230〜234)はダミーセルであり、
実際に有効なセル(有効画素)はセンサ番号6〜229
までの224個となっている。
【0089】CPU60及びAFセンサ74の処理上に
おいて、有効画素範囲のセンサ番号6〜229のセル
は、隣接する4つずつセルを1ブロックとしてブロック
単位で管理されており、同図に示すようにLセンサ96
のセンサ番号229からセンサ番号6まで順に4つ単位
でブロック番号D0、D1、…、D55(ブロック数5
6)が割り当てられ、Rセンサ94のセンサ番号229
からセンサ番号6まで順に4つ単位でブロック番号D5
6、D57、…、D111(ブロック数56)が割り当
てられている。
【0090】CPU60とAFセンサ74との間で制御
データとして送受信されるD0〜D111のデータは、
このようにして割り当てられたブロック番号に対応して
おり、ピーク選択領域設定データD0〜D111を図1
9のように配列して示すと、Lセンサ96についての設
定データは、点線で囲まれていないD0〜D55であ
り、Rセンサ94についての設定データは、点線で囲ま
れたD56〜D111である。例えば、設定データD
0、D56は、それぞれLセンサ96、Rセンサ94の
センサ番号226〜229についての設定データを示
し、設定データD55、D111は、それぞれLセンサ
96、Rセンサ94のセンサ番号6〜9についての設定
データを示す。
【0091】ピーク選択領域設定データD0〜D111
は、その設定データに対応するブロック番号の4つのセ
ルをピーク選択領域内のセルとして設定するか否かを示
しており、設定データが1のときは、その設定データに
対応するブロック番号の4つのセルはピーク選択領域内
のセルとして設定され、設定データが0のときは、その
設定データに対応するブロック番号の4つのセルはピー
ク選択領域外のセルとして設定される。例えば、設定デ
ータD0が1の場合、Lセンサ96のセル229、22
8、227、226は、ピーク選択領域内のセルとして
設定される。
【0092】また、ピーク選択領域設定データと共に制
御データとして送受信されるピーク選択領域数データD
112〜D118は、ピーク選択領域設定データにより
ピーク選択領域として設定するブロック数を2進数で示
したものであり、図20に示すように、D112を最上
位ビット、D118を最下位ビットとした7ビットデー
タにより、ピーク選択領域として設定するブロック数が
表される。同図(A)に示すようにD115のみが1の
場合にはピーク選択領域として設定するブロック数は8
であり、同図(B)に示すようにD112〜D114が
1、D115〜D118が0の場合にはピーク選択領域
として設定するブロック数は112である。
【0093】次に、ピーク選択領域設定データの生成手
順について説明する。ピーク選択領域は、図13に示し
たように領域〜のいずれかに設定される。各領域
〜をピーク選択領域として設定する際のピーク選択領
域設定データは、以下のように生成される。
【0094】例えば、図21に示すようにRセンサ94
又はLセンサ96のセンサ領域Sにおいて領域P(斜線
部分)をピーク選択領域として設定する場合、領域Pの
右端と左端のセルのセンサ番号を求め、センサ番号が領
域Pの右端と左端のセルのセンサ番号の間にあるセルを
ピーク選択領域内のセルとする。
【0095】ここで、各セルのセンサ番号が各セルのア
ドレスを示すものとし、特に領域Pの右端のアドレスを
ピーク選択開始アドレスPS、左端のアドレスをピーク
選択終了アドレスPEとする。
【0096】一方、領域Pを特定する情報として領域P
の右端のアドレスS1と、領域P内の所定セルのアドレ
スS2と、アドレスS2のセルから領域Pの左端のセル
までのセル数(センサ数)Dが予め参照データとして与
えられているとする。このとき、領域Pのピーク選択領
域開始アドレスPSとピーク選択領域終了アドレスPE
は、次式、
【0097】
【数2】PS=S1 …(2) PE=S2+D−1…(3) により求めることができる。尚、Rセンサ94において
ピーク選択領域とする領域に対する上記ピーク選択開始
アドレスPS、ピーク選択終了アドレスPE、参照デー
タS1、S2、Dを、それぞれPSR、PER、SR
1、SR2、DRとし、Lセンサ96においてピーク選
択領域とする領域に対する上記ピーク選択開始アドレス
PS、ピーク選択終了アドレスPE、参照データS1、
S2、Dを、それぞれPSL、PEL、SL1、SL
2、DLとして識別する。
【0098】図13に示した各領域〜をピーク選択
領域として設定する場合について具体的に説明すると、
各領域〜をピーク選択領域として設定する際の参照
データとして、Rセンサ94及びLセンサ96の各分割
エリアの右端のセルのアドレスと、各分割エリアの採用
センサ数(セル数)が用いられる。
【0099】本実施の形態においてRセンサ94及びL
センサ96に対して採用される各分割エリアの右端のセ
ルのアドレス及び各分割エリアの採用センサ数の具体的
数値例を図22に示す。尚、Rセンサ94については括
弧なしの数値で示し、Lセンサ96については括弧付き
の数値で示している。
【0100】例えば、領域をピーク選択領域とする場
合、Rセンサ94についての参照データSR1、SR
2、DRは、それぞれ左中エリアの右端のセルのアドレ
ス46、右中エリアの右端のセルのアドレス126、右
中エリアの採用センサ数62である。同様にLセンサ9
6にについての参照データSL1、SL2、DLは、そ
れぞれ左中エリアの右端のセルのアドレス48、右中エ
リアの右端のセルのアドレス128、右中エリアの採用
センサ数62である。これらの参照データを上式(2)、
(3)に代入すると、Rセンサ94及びLセンサ96にお
ける領域のピーク選択開始アドレスPSR、PSL、
ピーク選択終了アドレスPER、PELが算出される。
即ち、
【0101】
【数3】 PSR=46 PER=126+62−1=187 PSL=48 PEL=128+62−1=189 が算出される。従って、領域をピーク選択領域とする
場合にはRセンサ94についてはセンサ番号46〜18
7のセルがピーク選択領域内のセルとすることが求ま
り、Lセンサ96についてはセンサ番号48〜189の
セルがピーク選択領域内のセルとすることが求まる。
【0102】領域以外の領域〜をピーク選択領域
とする場合についても上述と同様にしてピーク選択開始
アドレスPSR、PSL、ピーク選択終了アドレスPE
R、PELを算出することができる。即ち、設定しよう
とするピーク選択領域内において、右端にある分割エリ
ア内の右端のアドレスを参照データSR1、SL1と
し、左端にある分割エリア内の右端のアドレスを参照デ
ータSR2、SL2とする。また、その左端にある分割
エリアの採用センサ数をDR、DLとする。そして、上
式(2)、(3)にそれらの値を代入することによって、各領
域〜をピーク選択領域として設定する場合のピーク
選択開始アドレスPSR、PSL及びピーク選択終了ア
ドレスPER、PELを算出することができる。図22
にも示されているように、領域の場合には、PSR=
6、PER=227、PSL=8、PEL=229、領
域の場合には、PSR=86、PER=147、PS
L=88、PEL=149、領域の場合には、PSR
=46、PER=107、PSL=48、PEL=10
9、領域の場合には、PSR=126、PER=18
7、PSL=128、PEL=189、領域の場合に
は、PSR=6、PER=107、PSL=8、PEL
=109、領域の場合には、PSR=126、PER
=227、PSL=128、PEL=229となる。
【0103】尚、右エリア、右中エリア、中央エリア、
左中エリア、左エリアの順に、Rセンサ94における各
分割エリアの右端のセルのアドレスをRSR、RMS
R、MSR、LMSR、LSR、各エリアの採用センサ
数をRWR、RMWR、MWR、LMWR、LWRと
し、また、Lセンサ96における各分割エリアの右端の
セルのアドレスをRSL、RMSL、SL、LMSL、
LSL、各エリアの採用センサ数をRWL、RMWL、
MWL、LMWL、LWLとすると、図23に示すよう
に各領域〜をピーク選択領域とする場合に上記SR
1、SR2、SL1、SL2、DR、DLに代入するア
ドレス及びセンサ数が対応する。
【0104】以上のようにして、ピーク選択領域とする
領域のピーク選択開始アドレスPSとピーク選択終了ア
ドレスPEを得ると、次に図18のように4つのセルを
1ブロックとしたブロック番号D0〜D55、D56〜
D111によりピーク選択領域の範囲を求める。このと
き、ピーク選択開始アドレスPSとピーク選択終了アド
レスPEを含むブロック番号の4つのセルは、ピーク選
択領域内のセルとする。
【0105】そこで、Lセンサ96とRセンサ94のそ
れぞれについてピーク選択領域の左端のブロック番号を
ピーク選択開始ブロック番号DSL、DSRとし、ピー
ク選択領域の右端のブロック番号をピーク選択終了ブロ
ック番号DEL、DERとすると、次式、
【0106】
【数4】 DSL=INT((229−PEL)/4) …(4) DEL=55−INT((PSL−6)/4) …(5) DSR=56+INT((229−PER)/4) …(6) DER=111−INT((PSR−6)/4) …(7) によりDSL、DEL、DSR、DERが得られる。た
だし、DSL<0の場合は、DSL=0とし、DEL>
55の場合は、DEL=55とし、DSR<56の場合
は、DSR=56とし、DER>111の場合は、DE
R=111とする。
【0107】ピーク選択領域は、Rセンサ94について
は、ブロック番号DSRからDERまでの範囲となり、
Lセンサ96については、ブロック番号DSLからDE
Lまでの範囲となるため、ピーク選択領域設定データD
0〜D111は、それらの範囲において1に設定され、
他の範囲で0に設定される。
【0108】また、このとき、ピーク選択領域数をDP
Sとすると、ピーク選択領域数DPSは、次式、
【0109】
【数5】 DPS=DEL−DSL+1+DER−DSR+1 …(8) により得られる。ピーク選択領域数データD112〜D
118は、DPSを二進数により表すことで得られる。
【0110】図24は、図13の各領域〜をピーク
選択領域とする場合に、図22に示した数値例から上式
(4)〜(8)により生成されるピーク選択領域設定データD
0〜D111及びピーク選択領域数データD112〜D
118を示した図である。例えば、領域をピーク選択
領域とする場合、ピーク選択開始アドレスPSR、PS
Lはそれぞれ46、48であり、ピーク選択終了アドレ
スPER、PELはそれぞれ187、189であるか
ら、これらの数値を上式(4)〜(7)に代入すると、ピーク
選択開始ブロック番号DSL、DSRは、それぞれ1
0、66となり、ピーク選択終了ブロック番号DEL、
DERは、それぞれ45、101となる。従って、図2
4の領域についてのピーク選択領域設定データD0〜
D111に示すように、D0〜D9が0、D10〜D4
5が1、D46〜D55が0、D56〜D65が0、D
66〜D101が1、D102〜D111が0となる。
また、上式(8)により、領域のピーク選択領域数は1
12となり、図24の領域についてのピーク選択領域
数データD112〜D118に示すように、各データ値
は、順に1001000となる。
【0111】以上のように各領域〜をピーク選択領
域として設定する際に、ピーク選択領域設定データD0
〜D111やピーク選択領域数データD112〜D11
8を、各分割エリアの範囲を示すアドレス情報を参照デ
ータとして生成するようにしているため、予め図24に
示したような膨大なデータをメモリに登録しておく必要
がなく、メモリを節約することができる。尚、上記実施
の形態では、各分割エリアの範囲を示すアドレス情報と
して各分割エリアの右端のアドレスと採用センサ数を参
照する場合について説明したが、各分割エリアの範囲を
示すアドレス情報として各分割エリアの右端と左端のア
ドレスを参照データとしてピーク選択領域設定データD
0〜D111やピーク選択領域数データD112〜D1
18を生成することもできる。また、各分割エリアの範
囲を示すアドレス情報であれば、上記以外のアドレス情
報であってもピーク選択領域設定データD0〜D111
やピーク選択領域数データD112〜D118を生成す
ることができる。
【0112】次に、AFセンサ74から/AFEND信
号が正常に出力されない場合における処理について説明
する。例えば、図14のステップS52、ステップS5
6、ステップS58における各積分処理において、通常
は、図17に示したように/AFRST信号が0から1
に切り替わった後(時刻T40参照)、所定時間経過後
(センサ感度が高感度の場合には150μs後、低感度
の場合には30μs後)に積分が開始されて/AFEN
D信号が1から0に切り替わる(時刻T50参照)。そ
して、ピーク選択領域内のセンサデータのピーク値が積
分終了値に達すると、/AFEND信号が0から1に切
り替わる(時刻T60参照)。CPU60はこの/AF
END信号の0から1への切り替わりを積分終了信号と
して検知し、積分終了を認識する。
【0113】これに対して、被写体輝度が低い場合や、
被写体輝度が一定輝度を超えている場合、又は、/AF
END信号の接続エラーの場合には、最大許容積分時間
が経過しても/AFEND信号が正常に出力されない場
合がある。
【0114】被写体輝度が低い場合に/AFEND信号
が正常に出力されない(/AFEND信号が0から1へ
切り替わらない)のは、センサデータのピーク値が積分
終了値に達しないためである。例えば、被写体が明るい
場合には、図26(A)に示すように/AFEND信号
が1から0に切り替わった後(積分処理が開始された
後)、最大許容積分時間が経過する前に、ピーク選択領
域におけるセンサデータのピーク値が積分終了値に達す
るため(同図MDATA信号参照)、/AFEND信号
が0から1に切り替わる(積分終了信号が出力され
る)。これに対して、被写体が暗い場合には、図26
(C)に示すように/AFEND信号が1から0に切り
替わった後、最大許容積分時間が経過する前に、ピーク
選択領域におけるセンサデータのピーク値が積分終了値
に達しないため(同図MDATA信号参照)、最大許容
積分時間が経過するまでに/AFEND信号は0から1
に切り替わらず、積分終了信号は出力されない。尚、最
大許容積分時間に達するとCPU60からAFセンサ7
4に強制的に積分処理を終了させる信号(図26(B)
のAFAD=“L”にする)が与えられるため、その信
号により最大許容積分時間経過時に積分処理が終了し、
/AFEND信号が0から1に切り替わる。
【0115】一方、被写体輝度が一定輝度を超えている
場合に/AFEND信号が正常に出力されない(/AF
END信号が1から0へ切り替わらない、及び、/AF
END信号が0から1へ切り替わらない)のは、AFセ
ンサ74の特性上の問題である。即ち、正常に積分処理
が行われ、センサデータのピーク値が積分終了値に達し
ていても被写体輝度が極めて高い場合にはAFセンサ7
4の特性上、/AFEND信号が正常に出力されない場
合があり、例えば、/AFEND信号が次のような出力
形態となることがある(特に、図14ステップS32の
ゲイン高感度積分時に生じやすい)。被写体輝度がある
一定輝度を超えた場合、図25に示すように/AFRS
T信号が0から1に切り替わってから所定時間経過後の
積分開始時に本来0に切り替わるべき/AFEND信号
が0に切り替わらなくなる(同図(A)の場合)。この
場合には当然に積分処理の終了時においても/AFEN
D信号は0から1に切り替わることがなく積分終了信号
は出力されない。一方、これよりも被写体輝度が高くな
ると、/AFEND信号が正常に出力されるようになる
が(同図(B)の場合)、積分時間が極めて短いために
/AFEND信号の1から0への切替わり及び0から1
への切替わりを正常に認識できない場合がある。更に被
写体輝度が高くなりセンサの動作限界を超えると、/A
FEND信号が1から0に切り替わったまま積分が終了
しても1に切り替わらなくなり(同図(C)の場合)、
この場合も積分終了信号が出力されない。
【0116】このように被写体輝度が一定輝度を超える
と(特に感度高で積分を実行した場合(S52))、輝
度が高くなるに従って、 (a) /AFEND信号が1から0に切り替わらない場
合。 (b) /AFEND信号が1から0に切り替わった後、
/AFEND信号が0から1へとの切り替わりが非常に
短い場合。 (c) /AFDEN信号が1から0となるが、その後/
AFEND信号が0から1へと切り替わらない場合。 の3通り、/AFEND信号が正常に出力されない場合
がある。
【0117】/AFEND信号が1から0に切り替わら
ない場合は、ある一定輝度を超えた場合(この場合は/
AFEND信号の接続エラーの場合も考えられる)と想
定し、後に示すMDATAにより、実際にある一定輝度
を超えていたかを判断する。
【0118】また、ある一定輝度よりも被写体輝度が高
くなり、/AFEND信号が1から0に切り替わった
後、/AFEND信号が0から1へとの切り替わりが非
常に短く、CPUに於いて正常に/AFEND信号を認
識できない場合も、CPU側から見ると上記の/AFE
ND信号が1から0に切り替わらないと認識するため、
ある一定輝度を超えた場合と推定し、後に示すMDAT
Aにより、実際にある一定輝度を超えていたかを判断す
る。
【0119】更に被写体輝度が高くなり、/AFEND
信号が1から0となり、その後/AFEND信号が0か
ら1へと切り替わらない場合は被写体輝度が低い場合で
丁度最大許容積分時間で積分が終了した場合と、超高輝
度の場合で/AFEND信号が0から1へと切り替わら
ない場合との判断ができなくなる(センサピーク(後に
示すMDATAの値)が共に最小値のため)。
【0120】そこで、図14のステップS50において
測距対象物が測光センサにより超高輝度と判定された場
合は、図14のステップS52(感度高積分)を実施せ
ず、ステップS56の3分割ゲイン低積分を実施し上記
誤判断を防ぐこととしている。
【0121】ところで、回路の不具合により/AFEN
D信号が1から0に切り替わらない場合も想定される。
【0122】ここで、(a)/AFEND信号のみの接
続エラーの場合(正常に積分は実施されるが、積分開始
及び積分終了が判断できない場合)及び(b)回路の積
分動作エラーの場合(/AFEND信号以外の接続エラ
ーであり、VCC、GND、/AFCEN、/AFRS
T、AFCLKのいずれかの接続エラーにより積分が実
施されない場合、及び、AFセンサ破損等により積分が
実施されない場合)が考えられる。
【0123】/AFEND信号の接続エラーの場合も、
/AFEND信号が1から0に切り替わらず、/AFE
ND信号が正常に出力されない。このため、/AFEN
D信号が1から0に切り替わらない場合には、上述のよ
うに被写体輝度が一定輝度を超えている場合を想定する
だけでなく、/AFEND信号の接続エラーの場合も想
定する。そして、後に示すMDATAによりセンサデー
タが積分終了条件を満たすか否かを判断する。/AFE
ND信号の接続エラーの場合で、MDATAの値が、図
26(B)のMC_JDG以上(ほぼ初期値(VRE
F))となる場合(被写体輝度が極端に低く信号蓄積が
ほとんど行われていない場合)は、測距不能と判断す
る。
【0124】また、/AFEND信号の接続エラーの場
合で、MDATAの値が、図26(B)のMC_JDG
未満の場合(被写体輝度が極端に低くなく、ある程度信
号蓄積が行われている場合)は、測距を継続する。
【0125】また、回路の積分動作エラーの場合も、/
AFEND信号が1から0に切り替わらず、/AFEN
D信号が正常に出力されない。このため、/AFEND
信号が1から0に切り替わらない場合には、上述のよう
に被写体輝度が一定輝度を超えている場合を想定するだ
けでなく、回路の積分動作エラーの場合も想定する。そ
して、後に示すMDATAによりセンサデータが積分終
了条件を満たすか否かを判断する。回路の積分動作エラ
ーの場合は、MDATAの値が、ほぼ初期値(VRE
F)となる(積分が実施されていない)。この場合は、
測距不能と判断する。
【0126】一方、被写体輝度がある一定輝度を超えて
いることに起因する場合にはMDATAの値が、約0.
6Vとなり(積分が終了している)、この場合は、測距
を継続する。
【0127】尚、表現上、被写体輝度が低いためにセン
サデータが信号量不足となるような場合も積分処理が正
常に行われていない場合の範疇に属するものとする。ま
た、信号量不足のため測距不能と判断するのは、実際に
は、積分処理の開始からセンサデータのピーク値に全く
変化が生じなかった場合か、又は、極めて少ない変化し
か生じなかった場合であり、それ以外では測距可能な場
合もあるため積分処理は正常に行われていると判断し、
測距不能とは判断しないものとしている。
【0128】以上のように、積分時間が一定時間を経過
しても/AFEND信号から積分開始信号又は積分終了
信号が正常に出力されない場合には、積分処理が正常に
行われているか否かをMDATA信号により判定するこ
ととする。MDATA信号はピーク選択領域におけるセ
ンサデータのピーク値をアナログデータとして出力する
ものであるから、積分処理が行われていれば、図25に
示すように/AFEND信号が正常に出力されていなく
てもMDATA信号からピーク選択領域におけるセンサ
データのピーク値が正常に出力され、積分処理が正常に
行われているか否が容易に判断できる。
【0129】CPU60の処理内容を具体的に説明する
と、図14のステップS52における一括ゲイン高積分
の実行時において、CPU60は、/AFRST信号を
0から1に切り替えた後(図17時刻T40参照)、一
定時間(例えば500μs)経過するまでに、AFセン
サ74から積分開始を示す/AFEND信号の1から0
への切り替わりを検出しなかった場合には、MDATA
信号を読み取る。そして、そのMDATA信号の値が積
分終了値に達していれば、/AFEND信号の1から0
への切り替わりが検出されなかった理由が被写体輝度が
高輝度(超高輝度)であることに起因するものと判断し
て、積分時間が2ms未満であった場合と同様に3分割
ゲイン低積分の処理(図14ステップS54、S56参
照)に移行する。一方、MDATA信号の値が所定値以
上の場合、即ち、積分開始時の値から全く変化していな
い場合(上記基準電圧VREFの値の場合)、又は、全
く変化がないのと同等とみなせる値の場合には、回路の
積分動作エラーとして測距不能とする。上述以外の場合
には通常通り積分処理を継続する。この後の処理は、図
14のフローチャートで説明したので省略する。
【0130】図14のステップS56における3分割ゲ
イン低積分の実行時において(図15のステップS8
4、S94、S102、S110、S118の各積分処
理の実行時において)、上述と同様にCPU60は、/
AFRST信号を0から1に切り替えた後、一定時間
(例えば500μs)経過するまでに、AFセンサ74
から積分開始を示す/AFEND信号の1から0への切
り替わりを検出しなかった場合には、MDATA信号を
読み取る。このときMDATA信号の値が所定値(図2
6(B)のMC_JDG)以上の場合、即ち、積分開始
時の値から全く変化していない場合(上記基準電圧VR
EFの値の場合)、又は、全く変化がないのと同等とみ
なせる値の場合には、そのときの積分処理におけるピー
ク選択領域を構成する分割エリアについて測距不能とす
る(回路の積分動作エラー)。一方、前記一定時間が経
過するまでに、AFセンサ74から積分開始を示す/A
FEND信号の1から0への切り替わりを検出した場合
には、最大許容積分時間を限度として積分処理を継続す
る。もし、最大許容積分時間が経過するまでにAFセン
サ74から積分終了を示す/AFEND信号の0から1
への切り替わりを検出しなかった場合には、最大許容積
分時間に達した時点でMDATA信号を読み取る。この
ときMDATA信号の値が所定値(図26(B)のMC
_JDG)以上の場合、即ち、積分開始時の値から全く
変化していない場合(上記基準電圧VREFの値の場
合)、又は、全く変化がないのと同等とみなせる値の場
合には、そのときの積分処理におけるピーク選択領域を
構成する分割エリアについてセンサデータの信号量不足
として測距不能とする(センサデータを無効とする)。
これ以外の場合は、正常に積分処理が行われたと判定
し、それまでCPU60に蓄積されたセンサデータを有
効として、その時点におけるセンサデータの読み出しを
行う。尚、最大許容積分時間が経過してもMDATA信
号の値が積分終了値に達していない場合には積分処理が
継続しているため、CPU60は、強制的にAFセンサ
74の積分処理を停止させてから(AFAD信号を1か
ら0に切り替えてから)、センサデータの読出しを行
う。
【0131】図14のステップS58における一括ゲイ
ン低積分の実行時において、上述と同様にCPU60
は、/AFRST信号を0から1に切り替えた後、一定
時間(例えば500μs)経過するまでに、AFセンサ
74から積分終了を示す/AFEND信号の0から1へ
の切り替わりを検出しなかった場合には、MDATA信
号を読み取る。このとき、MDATA信号の値が所定値
以上の場合、即ち、積分開始時の値から全く変化してい
ない場合(上記基準電圧VREFの値の場合)、又は、
全く変化がないのと同等とみなせる値の場合には、測距
不能と判定する(回路の積分動作エラー)。尚、一括ゲ
イン低積分ではピーク選択領域は測距エリア全域に設定
されているため、測距エリアを構成する全ての分割エリ
アにおいて測距不能(測距自体が不能)となる。一方、
前記一定時間が経過するまでに、AFセンサ74から積
分開始を示す/AFEND信号の1から0への切り替わ
りを検出した場合には、最大許容積分時間を限度として
積分処理を継続する。もし、最大許容積分時間が経過す
るまでにAFセンサ74から積分終了を示す/AFEN
D信号の0から1への切り替わりを検出しなかった場合
には、最大許容積分時間に達した時点でMDATA信号
を読み取る。このときMDATA信号の値が所定値以上
の場合、即ち、積分開始時の値から全く変化していない
場合(上記基準電圧VREFの値の場合)、又は、全く
変化がないのと同等とみなせる値の場合には、センサデ
ータの信号量不足として測距不能とする(センサデータ
を無効とする)。これ以外の場合は、正常に積分処理が
行われたと判定し、それまでCPU60に蓄積されたセ
ンサデータを有効として、その時点におけるセンサデー
タの読み出しを行う。尚、この場合も上述と同様に最大
許容積分時間が経過してもMDATA信号の値が積分終
了値に達していない場合には積分処理が継続しているた
め、CPU60は、強制的にAFセンサ74の積分処理
を停止させてから(AFAD信号を1から0に切り替え
てから)、センサデータの読出しを行う。
【0132】次に、CPU60によるセンサデータの読
出し処理について説明する。図17のタイミングチャー
トに示したように、CPU60は、例えば、AFセンサ
74から送信される/AFEND信号が0から1に切り
替えられ、積分が終了したことを検出すると、AFセン
サ74に対してAFCLK信号によりクロックパルスを
送信し、センサデータの読出しを開始する。AFセンサ
74からは、クロックパルスに同期して各セルごとのセ
ンサデータがアナログデータとして順次AFDATAP
信号により出力され、A/D変換された後、CPU60
に入力される。
【0133】具体的には、AFDATAP信号によりL
センサ96とRセンサ94の各セルのセンサデータが交
互にセンサ番号1からセンサ番号234まで順に出力さ
れCPU60のA/D変換回路により読み出される。
尚、Lセンサ96とRセンサ94のすべてのセルのセン
サデータが送信された後、数個のダミーデータが送信さ
れる。
【0134】ここで、クロックパルスによるセンサデー
タの読出し速度について説明する。上述のようにあるピ
ーク選択領域をAFセンサ74に対して設定して上記積
分処理を実行させた場合に、その積分処理によってAF
センサ74で蓄積された各セルのセンサデータのうち、
CPU60が以後の測距演算の処理において実際に使用
するセンサデータは、1又は複数の分割エリアにより構
成されるピーク選択領域の範囲内における各セルのセン
サデータに限られ、それ以外の範囲における各セルのセ
ンサデータは不要である。また、上述のようにピーク選
択領域の範囲内であっても、AFセンサ74に対するピ
ーク選択領域の設定は、隣接する4つのセルを1ブロッ
クとしたブロック単位(上記ブロック番号D0、D1、
…、D55、ブロック番号D56、D57、…、D11
1についての記載事項参照)で行われるため、実際に
は、ピーク選択領域の両端のブロック内においてもセン
サデータを取得する必要のないセルが存在する。更に、
本実施の形態では、必要なセンサデータはピーク選択領
域内に限られるが、測距演算の態様によってはピーク選
択領域内に限らず、ピーク選択領域外のセルのセンサデ
ータも必要な場合がある。そこで、CPU60の以後の
処理において必要なセンサデータを生成するセルの範囲
をデータ取得範囲といい、CPU60の以後の処理にお
いて不要なセンサデータを生成するセルの範囲をデータ
非取得範囲というものとすると、CPU60は、一定周
期のクロックパルスを出力するのではなく、図27に示
すようにデータ取得範囲のセルのセンサデータを搬送す
る期間T2のクロック周期よりも、データ非取得範囲の
セルのセンサデータを搬送する期間T1のクロック周期
を短くし、不要なセンサデータの読出し時間を短縮して
いる。
【0135】例えば、データ取得範囲のセルのセンサデ
ータを搬送する際、AFDATAP信号の安定期間の周
期(“H”)を16μs、A/D変換を実施する期間の
周期を18μs(“L”)とすると、データ非取得範囲
のセルのセンサデータを搬送する際はクロック周期を
(“H”)2μs、(“L”)2μsとしている。
(“H”)16μs、(“L”)18μs周期のクロッ
クパルスでは、各セルのセンサデータの値をA/D変換
回路により適切に取得することができるが、2μs周期
のクロックパルスでは、各セルのセンサデータの値を適
切に取得することができない可能性がある。しかしなが
ら、データ非取得範囲のセンサデータは不要であるた
め、データ非取得範囲のセンサデータを(“H”)2μ
s、(“L”)2μs周期のクロックパルスで搬送する
ことに不具合は生じない。
【0136】また、図27に示すようにデータ取得範囲
の全てのセンサデータの搬送が終了した場合には、デー
タ非取得範囲のセンサデータの搬送が残っているときで
も、AFCLK信号(クロックパルス)の出力を停止さ
せ、データ取得範囲後のデータ非取得範囲のセンサデー
タの読み出しを実施しないようにすることで、更に、セ
ンサデータの読出し時間を短縮することができる。
【0137】尚、データ非取得範囲のセンサデータの搬
送からデータ取得範囲のセンサデータの搬送に移行する
場合には、クロックパルスの安定等を考慮してデータ取
得範囲ののセンサデータの搬送を開始する1つ前のセル
からクロック周期を(“H”)16μs、(“L”)1
8μsに切り替えるようにしている。但し、このように
データ取得範囲のセンサデータの搬送時におけるクロッ
ク周期への移行を、データ取得範囲のセンサデータの搬
送を開始する1つ前のセルから行うのではなく、データ
取得範囲のセンサデータの搬送を開始するのと同時に行
うようにしてもよいし、また、2つ以上前のセルから行
うようにしてもよい。
【0138】次に、センサデータからAFデータを生成
する処理について説明する。上述のようにAFセンサ7
4の受光セルより出力されるデータをセンサデータとす
ると、AFセンサ74から出力された各センサデータを
A/D変換回路により取得し、取得したセンサデータの
A/D変換値そのものをCPU60における以後の各処
理で使用するAFデータとする場合と、測距精度向上の
ためセンサデータに所定の処理を施したものをAFデー
タとする場合とが考えられる。前者の場合にはCPU6
0においてAFデータを生成するための特別の処理を行
う必要はなく、センサデータの取得処理がAFデータの
取得処理となるが、後者の場合にはセンサデータの取得
後、CPU60においてAFデータを生成するための特
別の処理が行われることになる。後者の場合の例とし
て、センサデータにコントラスト抽出処理を施したもの
を以後の各処理で使用するAFデータとすることがで
き、以下、センサデータにコントラスト抽出処理を施し
てAFデータを生成する場合の処理について説明する。
【0139】コントラスト抽出処理は、例えば、あるセ
ンサ番号(アドレスi)のセルに着目したときに、その
着目したセルのセンサデータと、着目したセルに対して
mセル分(m画素分)離間したセンサ番号(i+m)の
セルのセンサデータとの差分(又は比)を算出する演算
処理である。言い換えると、Rセンサ94とLセンサ9
6から得たセンサデータのそれぞれについて、センサデ
ータとそのセンサデータをm画素分シフトしたものとの
差分を算出する処理である。即ち、Rセンサ94におけ
るセンサ番号(i)のセルのセンサデータをR(i)、L
センサ96におけるセンサ番号(i)のセルのセンサデ
ータをL(i)とすると、Rセンサ94のセンサデータに
対しては、次式、
【0140】
【数6】R(i)−R(i+m) …(9) の演算が行われ、Lセンサ96のセンサデータに対して
は、次式、
【0141】
【数7】L(i)−L(i+m) …(10) の演算が行われる。これによって得られた差分データは
AFセンサ74の各セルによって撮像されたセンサ像の
コントラストを示す。尚、本明細書では、2画素分のセ
ンサデータの差分によりコントラストを示すデータを算
出する演算処理を2画素差分演算という。
【0142】差分をとる2つのセンサデータの上記セル
間隔mの値は、所望の設定値とすることができるが、以
下の説明ではm=2とする。但し、AFセンサ74にお
いてセンサ番号が偶数のセルで蓄積された電荷と奇数の
セルで蓄積された電荷は、異なるチャンネルにより伝送
され、処理されるため、上記差分データも同一チャンネ
ル同士のセルのセンサデータから求めるのが好ましく、
mの値としては偶数であることが望ましい。尚、上式
(9)、(10)により求めたデータは、CPU60でAFセ
ンサ74から取得したセンサデータの数に比べてm個分
減少するが、予めm個分減少することを考慮して上記デ
ータ取得範囲を拡大しておくことによって必要なAFデ
ータ数を確保することができる。
【0143】従来においては、上式(9)、(10)により得
られた差分データをAFデータとしているが本実施の形
態では、その差分データに対して更に+255を加算す
る処理と、2で割る処理とを加えたものをAFデータと
する。即ち、Rセンサ94のセンサ番号iに対応するA
FデータをAFR(i)とし、Lセンサ96のセンサ番号
iに対応するAFデータをAFL(i)とすると、m=2
の場合、次式、
【0144】
【数8】 AFR(i)=(255+R(i−1)−R(i+1))/2 …(11) AFL(i)=(255+L(i−1)−L(i+1))/2 …(12) により得られた値をAFデータとする。
【0145】ここで、AFデータを単に上式(9)、(10)
により得られた差分データとするのではなく、上式(1
1)、(12)としたのは、RAM使用量の増加と相関値演算
等の演算時間の増加を抑止するためである。例えば、各
セルのセンサデータは8ビットのデータとして得られる
とする。この場合、センサデータR(i)、L(i)の値は
図28(A)に示すように0〜+255の範囲にある。
これに対して上式(9)、(10)により得られた差分データ
をAFデータとした場合(この場合を従来方式とい
う)、図28(B)に示すようにAFデータの値は−2
55〜+255の範囲にあり、9ビットのデータとな
る。RAMの使用及び演算においてはバイト単位で処理
されるため、9ビットのデータは、16ビット(2バイ
ト)のデータとして処理されることになる。
【0146】一方、上式(11)、(12)により得られた差分
データをAFデータとした場合には(この場合を新方式
という)、図28(C)に示すようにAFデータの値は
0〜+255の範囲にあり、8ビットのデータとなる。
従って、RAMの使用及び演算においては1バイトのデ
ータとして処理されることになる。図29(A)、
(B)に、それぞれ同一のセンサデータに基づいて新方
式により生成されたAFデータの値と、従来方式により
生成されたAFデータの値とを例示しておく。
【0147】新方式のようにAFデータをセンサデータ
と同じビット数のデータとなるように生成することによ
り、RAM使用量が低減すると共に、相関値演算等の以
後の各処理における処理時間が低減する。尚、上式(1
1)、(12)による新方式では、上式(9)、(10)による従来
方式の差分演算結果を半分にしているため、測距精度の
低下が考えられるが、実質的な不具合は生じないことを
確認している。
【0148】次に、上記新方式によりAFデータを生成
する際の具体的処理内容について説明する。従来では、
測距エリアの各セルのセンサデータがAFセンサから読
み出されると、その読み出されたセンサデータはそのま
まRAMに格納される。そして、AFデータ(画像)を
用いた相関値演算等の処理が開始されると、その処理の
実行中においてRAMからAFデータ(画像)が読み出
されて上式(9)、(10)の演算により必要な差分データが
逐次生成されるようになっている。例えば、AFデータ
(画像)が使用される相関値演算処理では、図12に示
したようにRウインドウ94BとLウインドウ96Bと
を1セルずつシフトさせながら、各シフト量n(採用セ
ンサ数62、ウインドウサイズ42の場合、n=−2,
−1,0,1,…,MAX(=38))ごとに各ウインドウ範囲
内のAFデータ(画像)により相関値が算出される。こ
のため、同じセルのAFデータ(画像)が繰り返し使用
されることになり、その都度、AFデータ(画像)がR
AMから読み出され、2画素差分演算により差分データ
が生成されることになる。このように相関値演算の実行
時(実行中)において差分データを生成する場合におけ
る各シフト量n(n=−2,−1,0,1,…,MAX(=3
8))ごとの相関値演算の処理手順を図30に示す。ま
ず、i=1としてRAMからセンサデータL(i+1)と
L(i−1)を読み出す(ステップS600、S60
2)。尚、ここで示すiは、上記Rウインドウ94B、
Lウインドウ96Bにおけるセル位置iを示す。そし
て、上式(12)により、差分データAFL(i)=(255
+L(i−1)−L(i+1))/2を算出する(ステップ
S604)。同様に、RAMからセンサデータR(i+
1)とR(i−1)を読み出す(ステップS606、S6
08)。そして、上式(11)により、差分データAFR
(i)=(255+R(i−1)−R(i+1))/2を算出
する(ステップS610)。次に、相関値f(n)を求め
るための上式(1)における右辺の|L(i)−R(i)|を
f(ni)として、AFL(i)>AFR(i)か否かを判定す
る(ステップS612)。YESと判定した場合、f(n
i)=L(i)−R(i)とし(ステップS614)、NOと
判定した場合、f(ni)=R(i)−L(i)とする(ステッ
プS616)。続いて、上式(1)の左辺f(n)の値(初期
値0)に対してf(ni)を加算してその値をf(n)の新た
な値とする。即ち、f(n)=f(n)+f(ni)とする(ステ
ップS618)。
【0149】次に、i=(ウインドウサイズwo(=42))
となったか否かを判定し(ステップS620)、YES
と判定した場合にはこの処理を終了する(ステップS6
22)。一方、NOと判定した場合には、i=i+1と
し(ステップS624)、上記ステップS600の処理
に戻り、ステップS600の処理から繰り返す。上記が
各シフト量nごとの演算であり、さらに各シフト量n
(n=−2〜38)ごとにi=1からi=woまで演算処
理を繰り返す。
【0150】このようにAFデータ(画像)を用いた相
関値演算処理の実行時に差分データを生成する場合で
は、図12に示したように同じセルのAFデータ(画
像)を繰り返し使用するため重複して2画素差分演算を
実行する必要がある。従って、その演算に時間を要し、
結果的に測距演算に要する時間が長くなるという問題が
生じることとなる。
【0151】上記不具合を解消するため、本実施の形態
では、差分データを用いた処理を開始する前に予めAF
データ(差分)を生成しておき、その生成したAFデー
タ(差分)をRAMに格納しておくようにする。図31
に、相関値演算の実行前に予めAFデータ(差分)を生
成してRAMに格納しておいた場合における相関値演算
の処理手順を示す。まず、i=1としてRAMからAF
データ(差分)AFL(i)とAFR(i)を読み出す(ス
テップS650、S652)。尚、ここで示すiは、上
記Rウインドウ94B、Lウインドウ96Bにおけるセ
ル位置iを示す。次に、相関値f(n)を求めるための上
式(1)における右辺の|L(i)−R(i)|をf(ni)とし
て、AFL(i)>AFR(i)か否かを判定する(ステッ
プS654)。YESと判定した場合、f(ni)=L(i)
−R(i)とし(ステップS656)、NOと判定した場
合、f(ni)=R(i)−L(i)とする(ステップS65
8)。続いて、上式(1)の左辺f(n)の値(初期値0)に
対してf(ni)を加算してその値をf(n)の新たな値とす
る。即ち、f(n)=f(n)+f(ni)とする(ステップS6
60)。
【0152】次に、i=(ウインドウサイズwo(=42))
となったか否かを判定し(ステップS662)、YES
と判定した場合にはこの処理を終了する(ステップS6
64)。一方、NOと判定した場合には、i=i+1と
し(ステップS666)、上記ステップS650の処理
に戻り、ステップS650の処理から繰り返す。
【0153】このようにAFデータ(差分)を予め生成
してRAMに格納しておくことによって、AFデータ
(差分)を用いた各処理の実行時には、必要なAFデー
タ(差分)をRAMから読み出すだけでよく、差分デー
タを生成するための処理に要する時間が大幅に削減され
る。図30と図31に示した相関値演算における処理時
間を比較すると、図31の処理では、図30のステップ
S602、S604と、ステップS608、S610の
処理に要する時間分(2×21μs)だけ相関値演算に
要する時間を短縮することができる。上記iの演算回数
は、採用センサ数62、ウインドウサイズ42の設定で
5エリアの場合、(i=1〜42→42回)×(n=−
2〜38→41回)×5エリア=42×41×5=86
10回となる。従って、総合測距時間は、8610回×
(2×21μs)≒362ms短縮することができる。
尚、AFデータ(差分)を予め生成してRAMに格納し
ておく場合には、センサデータからAFデータ(差分)
を生成するための処理時間が相関値演算の時間とは別に
必要であるが、これについては後述する。
【0154】ところで、2画素差分演算を実施する場合
の態様については2通りの態様が考えられる。第1の態
様は、AFセンサ74から読み出したセンサデータを一
旦、RAMに格納し(AFデータ(画像))、その後、
RAMからAFデータ(画像)を読み出して差分データ
を上式(11)、(12)により生成して2画素差分演算を実施
するというものである。第2の態様は、AFセンサ74
からセンサデータを順次読み出している際に、各センサ
番号iのセンサデータについて上式(11)、(12)の演算に
必要なセンサデータが得られた時点でその差分演算(1
1)、(12)を実施し、順次生成した差分演算結果をRAM
に格納する(AFデータ(差分))というものである。
第1の態様におけるセンサデータの読出し処理について
は、差分データの生成処理と独立して行われるため2画
素差分演算を行わない場合や相関値演算等の各処理の実
行時においてAFデータ(画像)を生成する場合のセン
サデータの読出し処理と同じである。一方、第2の態様
のセンサデータの読出し処理については、センサデータ
を読出しながら2画素差分演算を行っているため、その
分センサデータの読出しに要する時間が長くなる。但
し、第1の態様においても2画素差分演算を行うことを
考慮すると、第1の態様の方が第2の態様よりも有利と
いうことではない。
【0155】ここで、相関値演算等の実行時に差分デー
タを生成する場合(以下、この場合を従来方式という)
のデータの流れを図32に示し、AFデータ(差分)を
予め生成してRAMに格納しておく場合(以下、この場
合を新方式という)として上記第2の態様を採用した場
合のデータの流れを図33に示す。図32に示すように
従来方式ではAFセンサから順次読み出された各セルの
センサデータはRAMに格納される。そして、相関値演
算の実行時においてRAMからAFデータ(画像)が読
み出されて上式(11)又は(12)により差分データが生成さ
れ、相関値f(n)が算出される。一方、図33に示すよ
うに新方式の第2の態様では、AFセンサから順次読み
出された各セルのセンサデータは上式(11)又は(12)によ
り差分演算処理が実施されAFデータ(差分)としてR
AMに格納される。そして、相関値演算の実行時にはR
AMに格納されたAFデータ(差分)が読出されて相関
値f(n)が算出される。図には示していないが新方式に
おいて上式(11)又は(12)によりセンサデータをAFデー
タ(差分)に変換する際には2つのセンサデータが必要
であるため、2つのセンサデータが読み出されるまでA
Fセンサから先に読み出されたセンサデータを保持して
おくメモリ(RAM)が必要である。しかしながら全て
のセンサデータを格納するためのメモリ容量を必要とし
ない。具体的には、センサデータはL(i−1)、R(i
−1)、L(i)、R(i)、L(i+1)、R(i+1)、…
の順に読み出されるため、2つのセンサデータのセル間
隔mが2の場合には、5つのセンサデータを格納するR
AMがあれば十分である。例えば、L(i−1)、R(i
−1)、L(i)、R(i)、L(i+1)を格納した時点
で、上式(12)のAFL(i)をRAMに格納されたL(i
−1)、L(i+1)から求めることができる。そして、
AFL(i)を求めた際には、L(i−1)のセンサデータ
は以後不要となるため、そのデータを消去して、次いで
AFセンサ74から読み出されるセンサデータR(i+
1)をその消去したアドレスに格納することによって、
上式(11)のAFR(i)をR(i−1)、R(i+1)から求
めることができる。このようにして、AFセンサ74か
ら読み出した5つのセンサデータをRAMに格納すると
共に、新たなセンサデータを読み出した際にはRAMに
格納されているセンサデータのうち最も先に読み出した
センサデータを消去してその新たなセンサデータをRA
Mに格納することによって少ないメモリ容量のRAMで
AFデータ(差分)を順次作成することができる。
【0156】続いて、センサデータの読出し処理に関し
て、上記従来方式を採用した場合と、新方式として上記
第2の態様を採用した場合とを比較する。図34は、従
来方式におけるセンサデータの読出し処理を示したフロ
ーチャートであり、図35は、従来方式におけるセンサ
データ読出し時の上記AFCLK信号及びAFDATA
P信号を示したタイミングチャートである。これらの図
を参照して従来方式におけるセンサデータの読出し処理
について説明すると、まず、AFCLK信号を“H”か
ら“L”に切り替え(ステップS700)、センサデー
タを示すAFDATAP信号をA/D変換する(ステッ
プS702)。そして、AFCLK信号を“L”から
“H”に切り替え(ステップS704)、A/D変換に
より取得したセンサデータR(i)又はL(i)をRAMに
格納する(ステップS706)。以上の処理を繰り返
す。尚、AFCLK信号の“H”、“L”の期間はそれ
ぞれ例えば16μs、18μsである。
【0157】一方、図36は、新方式(第2の態様)に
おけるセンサデータの読出し処理のフローチャートであ
り、図37は、新方式におけるセンサデータ読出し時の
上記AFCLK信号及びAFDATAP信号を示した図
である。これらの図を参照して新方式におけるセンサデ
ータの読出し処理について説明すると、まず、AFCL
K信号を“H”から“L”に切り替え(ステップS75
0)、センサデータを示すAFDATAP信号をA/D
変換する(ステップS752)。そして、AFCLK信
号を“L”から“H”に切り替え(ステップS75
4)、A/D変換により取得したセンサデータR(i)又
はL(i)をRAMに格納する(ステップS756)。次
にRAMからセンサデータR(i−2)又はL(i−2)を
読み出し(ステップS6−5)、上式(11)又は(12)によ
りAFデータ(差分)AFR(i−1)又はAFL(i−
1)を算出する(ステップS760)、そして、算出し
たAFデータ(差分)AFR(i−1)又はAFL(i−
1)をRAMに格納する(ステップS762)。以上の
処理を繰り返す。
【0158】以上の新方式と従来方式のセンサデータ読
出し処理手順から分かるように新方式ではステップS7
58、S760、S762の動作時間分(21μs)だ
け従来方式よりも1つのセンサデータの読出しに時間を
要する。尚、ステップS758、S760、S762の
処理は、AFCLK信号が“H”の際に行われるため、
図37に示すようにAFCLK信号の“H”の期間が従
来方式に比べてセンサデータの読出し時間が長く、37
μsとなっている。即ち、センサデータの読出し時間だ
けを考慮すると、新方式は、従来方式よりも不利であ
る。しかしながら、センサデータの読出しと、例えば相
関値演算を含む処理全体の時間を比較すると新方式の方
が短時間で処理を終了させることができる。具体的に計
算した例を図38の表に示す。表には新方式、従来方
式、及び、参考として2画素差分演算を行わない場合
(従来方式)のそれぞれにおいて、センサデータの読
出し時間、1回当たりの相関値演算時間、相関値総演算
時間(41回、5エリア設定)、合計(センサデータ読
出し時間+相関値総演算時間)が示されており、また、
新方式と従来方式との差Δと、新方式と従来方式と
の差Δが示されている。
【0159】センサデータの読出し時間は、{AFCL
K信号の(“H”の時間+“L”の時間)}×セル数×
2(Rセンサ94とLセンサ96)であり、新方式の場
合には、はじめの5セル分のセンサデータ読出し期間で
は2画素差分演算ができないので、(従来方式による5
セル分のセンサデータの読出し時間)+(新方式による
残りセル分のセンサデータの読出し時間)となる。上記
説明で使用した数値を当てはめると、(16+18)×
5+(37+18)×((229−6+1)×2−5)
=24535μsとなる。
【0160】一方、1回当たりの相関値演算時間は、新
方式の場合には実測値を用いており、従来方式の場合に
は、実測値+演算時間増加分としている。演算時間増加
分は図30に示したように21μs×2としている。
尚、従来方式の1回当たりの相関値演算時間は、1.2
×0.021×2×42=2.964msである。
【0161】この表から分かるように新方式では、従来
方式に比べて全センサデータの読出し時間が9ms程度
長くなる。しかしながら、相関値演算に関しては、新方
式では従来方式に対して約361msも処理時間が短縮
されるため、その他の判断処理等に要する時間が同じだ
とすると、新方式では測距時間が352msも短縮され
ることになる。
【0162】以上、センサデータに所要の処理を施して
AFデータを生成する場合、そのAFデータの生成はC
PU60において行うようにしたが、必ずしもCPU6
0において行う必要はなく、AFセンサ74においてセ
ンサデータに所要の処理を施してAFデータを生成し、
CPU60にその生成したAFデータを与えるようにし
てもよい。更に、後述の相関値演算処理についてもCP
U60において行うのではなく、AFセンサ74におい
て行い、その結果得られた距離信号をCPU60に与え
るようにしてもよい。
【0163】また、上記説明では、AFセンサから順次
センサデータを読み出しながら2画素差分演算を行う場
合、AFセンサから先に読み出されたセンサデータを差
分演算用の差分演算RAM領域に保持しておく内容とな
っているが、他の実施例として、AFセンサからセンサ
データを読み出し、CPUのRAM(AFデータRAM
領域)にセンサデータを一旦格納しておき、CPUのR
AM(AFデータRAM領域)に格納済みの全センサデ
ータより順次読み出しながら、2画素差分演算を行う場
合に、CPUのRAM(AFデータRAM領域)より、
先に読み出されたセンサデータを差分演算RAM領域に
保持しておき、その後、算出された2画素差分演算結果
を、AFデータRAM領域に書き換える場合にも適用で
きる。
【0164】また、上記説明では、AFセンサからセン
サデータを読み出しながら差分演算を行いAFデータR
AMに格納するようにしたが、AFデータRAMからセ
ンサデータを読み出しながら差分演算を行いAFデータ
RAMに差分演算結果(AFデータ)を格納するように
してもよい。 {相関値演算処理(図7ステップS16)の詳細}次
に、上記図7のステップS16における相関値演算処理
について詳説する。図12を用いて上述したように相関
値演算処理においてCPU60は、AFセンサ74のR
センサ94及びLセンサ96の測距エリアを構成する各
分割エリアごとに、図7のステップS14のAFデータ
取得処理により取得したAFデータに基づいて上式(1)
により相関値f(n)(n=−2,−1,0,1,…,MAX
(=38))を算出する。そして、算出した相関値f(n)に基
づいて各分割エリアごとに相関が最も高くなるシフト量
nを検出する。尚、ステップS14のコントラスト検出
処理1において測距に必要なコントラストがないと判定
された分割エリアについては、相関値演算処理は行わな
い。
【0165】ここで、CPU60は、極小値を求めるた
めf(n−1)≧f(n)<f(n+1)の判断を実施し、相
関が最も高くなる(最高相関の)シフト量として、相関
値f(n)が最小極小値となるシフト量nを検出する。多
くの場合には相関値の極小値は1つであり、最高相関の
シフト量は、その極小値が得られるシフト量nとなる。
【0166】一方、相関値f(n)の分布(f(n−1)≧
f(n)<f(n+1)の判断)において極小値が複数存在
する場合もあり、その場合には、最高相関のシフト量
は、原則として、複数の極小値のうち最小の極小値(最
小極小値)が得られるシフト量nとなる。ただし、極小
値が複数存在する場合には、誤測距となる可能性がある
ため、以下で説明する極小値判断処理において、最小極
小値のシフト量nを最高相関のシフト量として採用する
ことが妥当であるか否かを判断する。尚、極小値が1つ
の場合の極小値とそのシフト量、又は、極小値が複数存
在する場合の最小極小値とそのシフト量をいずれも最小
極小値fmin1(又は、最小極小値f(nmin1))
とシフト量nmin1で表す。
【0167】次に、極小値判断処理について説明する。
ある分割エリアにおいて相関値f(n)の極小値が2つ以
上存在した場合、CPU60は、最小極小値fmin1
と2番目に小さい極小値(第2極小値という)とを検出
し、それらの差(極小値差)を求める。尚、第2極小値
をfmin2、極小値差をΔfmin(=fmin2−
fmin1)で表す。極小値判断の処理概略としては、
その極小値差Δfminが大きい場合には、最小極小値
fmin1のシフト量nmin1を最高相関のシフト量
nとして採用する。一方、極小値差Δfminが小さい
場合には、誤測距となる可能性が高いため測距不能とす
る。尚、以下、最高相関のシフト量をnmin、最高相
関における相関値(最高相関値)をfmin又はf(n
min)で表す。
【0168】ところで、相関値f(n)の極小値が複数存
在した場合に、測距可能か又は測距不能かの判断を、一
定の基準値に対して極小値差Δfminが大きいか又は
小さいかで判断するのは次のような態様を考慮すると必
要以上に測距不能となるか、又は、誤測距の可能性が高
くなる不具合がある。即ち、極小値差Δfminがある
程度小さくても測距可能とすべき場合と、極小値差Δf
minがある程度大きくても測距不能とすべき場合とが
ある。
【0169】例えば、前者の場合の態様を図39に示
し、後者の場合の態様を図40に示す。図39(A)、
(B)にはAFセンサ74の各Rセンサ94及びLセン
サ96における中央エリアの各セルから得られたAFデ
ータの例が示されており、同図に示すように中央エリア
の各セルから得られたAFデータが低コントラストであ
ったとする。尚、以下の説明において、同様の処理が行
われる分割エリア(測距エリアを構成する各分割エリ
ア)のうち説明上着目している分割エリア又はそのセン
サ(各セル)を採用センサというものとする。このよう
な場合、相関値演算によって算出される相関値f(n)
は、同図(C)に示すように全体的に小さな値(後述の
図40との比較による)となる。また、同図(C)で
は、シフト量n=8のところで最小極小値fmin1が
検出され、シフト量n=18のところで第2極小値fm
in2が検出されているが、これらの極小値差Δfmi
nも後述の図40の場合に比べて小さい。しかしなが
ら、この図39の態様の場合、最小極小値fmin1の
シフト量nmin1(=8)は被写体距離に適切に対応
した値であり、測距可能と判断すべきである。
【0170】一方、図40(A)、(B)には、Rセン
サ94及びLセンサ96の採用センサ(中央エリア)か
ら得られたAFデータが周期的に変化する例が示されて
いる。このようなAFデータが得られるのは、例えば、
縞模様の被写体を撮像した場合である。この場合に、相
関値演算によって算出される相関値f(n)も同図(C)
に示すように周期的に変化し、全体的に大きな値(前述
の図39との比較による)となる。また、同図(D)の
拡大図に示すようにシフト量n=14のところで最小極
小値fmin1が検出され、シフト量n=20のところ
で第2極小値fmin2が検出されているが、これらの
極小値差Δfminも前述の図39の場合に比べて大き
い。しかしながら、この図40の態様の場合、最小極小
値fmin1のシフト量nmin1(=14)は被写体
距離に適切に対応していない可能性が高く、この採用セ
ンサについては測距不能とすべきである。
【0171】CPU60は、図39のように測距可能と
すべき場合と図40のように測距不能とすべき場合とを
適切に判断するため、具体的、以下のように判断処理を
行う。
【0172】まず、採用センサの相関値f(n)の分布に
おいて複数検出された極小値のうち最小極小値fmin
1と第2極小値fmin2を検出する。そして、次式、
【0173】
【数9】fmin1<基準値R3 …(13) が成り立つか否かを判断する。この判断は、図39と図
40の場合を分けるための判断であり、基準値R3はこ
れらの場合を分けるために適切な値に設定される。も
し、式(13)が成り立つ場合、即ち、図39の場合、次い
で、極小値差Δfmin(=fmin2−fmin1)
を求め、次式、
【0174】
【数10】Δfmin<基準値R2 …(14) が成り立つか否かを判断する。基準値R2は、図39の
場合を考慮して少なくとも後述の基準値R1よりも小さ
い値に設定される。もし、式(14)が成り立つ場合には、
極小値差Δfminが小さいとして、この採用センサに
ついて測距不能とする。式(14)が成り立たない場合に
は、測距可能とし、最小極小値fmin1のシフト量n
min1を最高相関値fminのシフト量nminとし
て採用する。
【0175】一方、上式(13)が成り立たない場合、即
ち、図40の場合には、次式、
【0176】
【数11】Δfmin<基準値R1 …(15) が成り立つか否かを判断する。基準値R1は、図40の
場合を考慮して少なくとも基準値R2よりも大きい値に
設定される。もし、式(15)が成り立つ場合には、図40
のように縞模様の被写体等である可能性が高いと判断し
てこの採用センサでの測距を不能とする。式(15)が成り
立たない場合には、測距可能とし、最小極小値fmin
1のシフト量nmin1を最高相関値fminのシフト
量nminとして採用する。
【0177】以上のような極小値判断処理を行うことに
より誤測距等の不具合の発生頻度が削減される。
【0178】次に、相関値演算処理において測距時間の
短縮を図るための複数の他の態様について説明する。ま
ず、測距時間の短縮を図る第1の実施の形態について説
明する。図7ステップS16の説明では(式(1)参
照)、相関値f(n)(n=−2,−1,0,1,…,MAX
(=38))は、Rウインドウ94BとLウインドウ96B
の同一セル位置i(i=1,2,…wo(=42))における
AFデータの差分の絶対値(以下、単にAFデータの差
分という)を全てのセル位置iについて加算したもので
ある。本第1の実施の形態では、各シフト量nの相関値
f(n)を求める際に、全てのセル位置iについてAFデ
ータの差分を加算するのではなく、セル位置iを一定間
隔おきにとって加算するものとする。例えば、セル位置
iを3つおきにとって、AFデータの差分を加算する。
尚、以下の説明において、相関値f(n)の算出において
AFデータの差分を加算する演算対象のセルを採用セル
という。また、3つおきのセル位置iのセルを採用セル
とする場合の相関値演算を以下、「i3つおき演算」と
いい、これに対して、式(1)のように全てのセル位置i
のセルを採用セルとする場合の相関値演算を以下、「通
常演算」という。
【0179】図41は、i3つおき演算におけるRウイ
ンドウ94B及びLウインドウ96B内の採用セルのセ
ル位置iを示した図である。同図に示すようにi3つお
き演算では、Rウインドウ94B及びLウインドウ96
Bともにセル位置1から順に3つおきのセル位置i(=
1、5、9、13、…)のセルが採用セルとして採用さ
れる。ウインドウサイズが42の場合(wo=42の場合)
には採用セルの最終のセル位置iは41となる。この場
合の相関値f(n)の演算式は、上式(1)と同様に次式、
【0180】
【数12】 により表されるが、iはi=1、5,9、13,17、
21,25,29,33、37,41のように3つおき
にとられる。尚、採用セルのセル位置iは3つおきでな
くてもよく、また、セル位置i=1からでなくてもよ
い。また、上式(16)では上式(1)に対して4倍の因子が
加えられているが、i3つおき演算では通常演算に対し
てデータ数が1/4となるため通常演算と数値を合わせ
たためである。
【0181】ここで、採用センサの各セルで得られたA
Fデータに基づいて、通常演算とi3つおき演算とによ
り相関値f(n)を求めた場合の算出結果の例をそれぞれ
図42、図43に示す。これらの図から分かるように、
相関値f(n)の分布の大要は、i3つおき演算の場合で
も通常演算と大きくは変わらず、この例ではi3つおき
演算の場合でも通常演算と同じシフト量n(=10)で
最小極小値が得られている。
【0182】CPU60は、上述のようにi3つおき演
算により各シフト量nについての相関値f(n)を算出し
た場合、通常演算による場合と同様に相関値f(n)が極
小値となるシフト量nを検出する。このとき、図42、
図43から分かるようにi3つおき演算により求めた相
関値f(n)は通常演算により求めた相関値f(n)に比べて
変動が大きく、精度が低い。従って、i3つおき演算で
の極小値の位置は通常演算での極小値の位置と異なる可
能性がある。そこで、i3つおき演算を行う場合には、
検出された極小値が1つの場合にはその極小値を暫定最
小極小値とし、検出された極小値が複数の場合にはその
うちの最小の極小値を暫定最小極小値とし、その暫定最
小極小値のシフト量付近において再度、通常演算により
相関値f(n)を算出する。尚、検出された極小値が複数
の場合において、2番目に小さい極小値(暫定第2極小
値)と暫定最小極小値との差が小さい場合には、暫定第
2極小値のシフト量付近においても通常演算により相関
値f(n)の算出を行うが、この場合の詳細については後
述する。また、以下、暫定最小極小値をTfmin1、
そのときのシフト量をTnmin1で表す。また、通常
演算により相関値f(n)を再演算する範囲を再演算範囲
という。
【0183】CPU60は、通常演算によりシフト量T
nmin1付近の再演算範囲の相関値f(n)を再演算す
ると、その再演算範囲における相関値f(n)の極小値及
びそのシフト量を、通常演算により算出した相関値f
(n)に基づいて検出する。この再演算により検出される
極小値及びシフト量は、測距不能と判断される場合(後
述)を除き、採用センサにおける全ての相関値f(n)を
通常演算により求めた場合に検出される上述の最小極小
値fmin1及びそのシフト量nmin1に相当するた
め、それぞれ最小極小値fmin1、シフト量nmin
1で表す。尚、再演算により検出したことを強調する場
合には再演算最小極小値fmin1という。この再演算
の処理によって検出される再演算最小極小値fmin1
及びシフト量nmin1は、測距不能と判定される場合
を除き、相関値演算処理によって検出すべき最高相関値
fminとそのシフト量nminとなる。
【0184】再演算範囲は、例えば、暫定最小極小値T
fmin1が得られたシフト量Tnmin1に対して±
5のシフト量の範囲とする。例えば、図43の場合に暫
定最小極小値Tfmin1が得られたシフト量Tnmi
n1は10であるから、再演算範囲は、図44に示すよ
うにシフト量n=5〜15となる。この再演算範囲で再
演算を行うと、同図に示すように再演算範囲において図
42と同一の相関値f(n)が算出されるため、本来検出
されるべき最小極小値fmin1のシフト量nmin1
が再演算により検出される。尚、この例では暫定最小極
小値Tfmin1のシフト量Tnmin1と再演算最小
極小値fmin1のシフト量nmin1とは一致してい
る。
【0185】ここで、i3つおき演算により検出された
暫定最小極小値Tfmin1のシフト量Tnmin1が
図45に示すように近距離警告範囲内であった場合、上
述の通常演算による再演算は行わず、Tnmin1=n
min1として近距離警告とする。近距離警告範囲と
は、オートフォーカスにおいてピント合わせができない
近距離の範囲をいい、上述の再演算は、暫定最小極小値
Tfmin1のシフト量Tnmin1が近距離警告範囲
外のときのみ行うものとする。
【0186】CPU60は、上述のように再演算により
算出した相関値f(n)により再演算最小極小値fmin
1のシフト量nmin1を検出すると、そのシフト量n
min1とi3つおき演算により検出された暫定最小極
小値Tfmin1のシフト量Tnmin1とを比較す
る。通常、これらのシフト量は一致するが、場合によっ
ては一致しないことがある。この場合、図7ステップS
22の補間値演算処理等、この後の処理において必要な
範囲の相関値f(n)(通常演算による相関値)が不足する
ため、不足しているシフト量nにおける相関値f(n)の
再演算を追加で行う。即ち、再演算最小極小値fmin
1のシフト量nmin1(最高相関のシフト量nmi
n)に対し、少なくとも一定のシフト量範囲(例えば、
±5の範囲)で通常演算による相関値f(n)を算出して
おく必要があり、暫定最小極小値Tfmin1のシフト
量Tnmin1と再演算最小極小値fmin1のシフト
量nmin1とが一致していない場合には、再演算最小
極小値fmin1のシフト量nmin1に対して必要な
シフト量範囲の相関値f(n)が不足する。本実施の形態
では、再演算最小極小値fmin1のシフト量nmin
1に対して通常演算による相関値f(n)が必要なシフト
量範囲は再演算範囲と同じ範囲(±5の範囲)とする。
【0187】そこで、再演算最小極小値fmin1のシ
フト量nmin1に対して必要なシフト量範囲のうち、
既に通常演算による相関値f(n)が算出された再演算範
囲以外のシフト量について、通常演算による相関値f
(n)の再演算を追加で行う。但し、暫定最小極小値Tf
min1のシフト量Tnmin1と再演算最小極小値f
min1のシフト量nmin1との差(シフト量差nS
A)が所定の値(例えば3)以上の場合には、再演算最
小極小値fmin1が本来検出されるべき最小極小値で
ない可能性が高くなるため、測距不能とする。尚、再演
算の結果、極小値が検出されなくなった場合もこの場合
に相当し測距不能とする。また、不足分の相関値f(n)
を再演算するための処理を不足分相関値再演算処理とい
い、その詳細については後述する。
【0188】次に、i3つおき演算により求めた相関値
f(n)において極小値が複数存在し、そのうちの最小極
小値(暫定最小極小値Tfmin1)と第2極小値(暫定
第2極小値)との差が小さい場合について説明する。例
えば、採用センサにおける全てのシフト量n(n=−2
〜MAX(=38))について通常演算により相関値f(n)を算
出した場合、図46に示すように極小値が複数存在し、
最小極小値fmin1のシフト量nmin1がシフト量
n=7で検出され、第2極小値fmin2のシフト量n
min2がシフト量n=32で検出されるものとする。
そして、このようなAFデータに対してi3つおき演算
により相関値f(n)を算出すると、図47に示すような
相関値分布が得られたとする。この場合、CPU60
は、まず、図47のようにi3つおき演算により算出し
た相関値f(n)の分布において最小極小値と第2極小値
とを検出する。尚、i3つおき演算における最小極小値
を上述のように暫定最小極小値Tfmin1、そのシフ
ト量をTnmin1で表し、第2極小値を暫定第2極小
値Tfmin2、そのシフト量をTnmin2で表す。
また、図47では、暫定最小極小値Tfmin1のシフ
ト量Tnmin1は32、暫定第2極小値Tfmin2
のシフト量Tnmin2は6で検出されている。
【0189】もし、i3つおき演算により検出された暫
定最小極小値Tfmin1と暫定第2極小値Tfmin
2との差(極小値差ΔTfmin=Tfmin2−Tf
min1)が所定の基準値以上の場合には、上述のよう
にCPU60は、暫定最小極小値Tfmin1のシフト
量Tnmin1に対する再演算範囲のみで再演算(通常
演算)を行う。一方、極小値差ΔTfminが上記基準
値よりも小さい場合には、暫定最小極小値Tfmin1
のシフト量Tnmin1に対する再演算範囲と、暫定第
2極小値Tfmin2のシフト量Tnmin2に対する
再演算範囲とで再演算を行う。但し、極小値差ΔTfm
inが上記基準値よりも小さい場合において、暫定最小
極小値Tfmin1のシフト量Tnmin1と暫定第2
極小値Tfmin2シフト量Tnmin2のいずれもが
近距離警告範囲内であった場合には、再演算は行わずに
近距離警告とする。いずれか一方でも近距離警告範囲内
でない場合には上述の通り、両方のシフト量の近傍で再
演算を行う。
【0190】図48は、図47における極小値差ΔTf
minが上記基準値よりも小さいと判断された場合にお
ける再演算の結果を示した図である。同図に示すように
暫定最小極小値Tfmin1のシフト量Tnmin1
(=32)に対して±5のシフト量範囲(シフト量n=
27〜37)が再演算範囲として再演算され、その再演
算範囲において通常演算による相関値f(n)が算出され
る。また、暫定第2極小値Tfmin2のシフト量Tn
min2(=6)に対しても±5のシフト量範囲(シフ
ト量n=1〜11)が再演算範囲として再演算され、そ
の再演算範囲において通常演算による相関値f(n)が算
出される。これらの再演算範囲で再演算された相関値f
(n)は図46の対応するシフト量範囲の相関値f(n)の値
に等しい。
【0191】CPU60は、このように暫定最小極小値
Tfmin1のシフト量Tnmin1付近と暫定第2極
小値Tfmin2のシフト量Tnmin2付近で再演算
を行うと、それらの再演算範囲において、再演算(通常
演算)による相関値f(n)に基づいて極小値及びそのシ
フト量を検出する。これによって検出された最小極小値
と第2極小値をそれぞれ再演算最小極小値fmin1、
再演算第2極小値fmin2で表し、それらのシフト量
をそれぞれシフト量fmin1、シフト量fmin2で
表す。再演算最小極小値fmin1及びそのシフト量f
min1と、再演算第2極小値fmin2及びそのシフ
ト量nmin2は、測距不能と判断される場合(後述)
を除き、採用センサにおける全ての相関値f(n)を通常
演算により求めた場合に検出される上述の最小極小値f
min1及びそのシフト量nmin1と、第2極小値f
min2及びそのシフト量nmin2に相当し、最小極
小値fmin1のシフト量nmin1が相関値演算処理
により検出すべき最高相関値fminのシフト量nmi
nとなる。
【0192】次に、暫定最小極小値が複数存在する場合
において、i3つおき演算により検出された暫定最小極
小値Tfmin1のシフト量Tnmin1と再演算によ
り検出された再演算最小極小値fmin1のシフト量n
min1とが一致しない場合について説明する。この場
合、上述したのと同様に、再演算最小極小値fmin1
のシフト量nmin1に対して、少なくとも一定のシフ
ト量範囲(例えば、±5の範囲)で通常演算による相関
値f(n)が必要となるため、不足分の相関値f(n)の再演
算(通常演算)を追加で行う。
【0193】また、シフト量差nSAが所定の基準値以
上の場合には測距不能とするが、この場合のシフト量差
nSAは、再演算最小極小値fmin1のシフト量nm
in1が暫定最小極小値Tfmin1のシフト量Tnm
in1に対する再演算に起因して検出されたものであれ
ば、それらのシフト量差とするのが適切であるが、再演
算最小極小値fmin1のシフト量nmin1が暫定第
2極小値Tfmin2のシフト量Tnmin2に対する
再演算に起因して検出された場合には、暫定第2極小値
Tfmin2のシフト量Tnmin2と再演算最小極小
値fmin1のシフト量nmin1とのシフト量差とす
るのが適切である。
【0194】そこで、暫定最小極小値Tfmin1のシ
フト量Tnmin1と再演算最小極小値fmin1のシ
フト量nmin1とのシフト量差DIS1(=|Tnm
in1−nmin1|)と、暫定最小極小値Tfmin
2のシフト量Tnmin2と再演算最小極小値fmin
1のシフト量nmin1とのシフト量差DIS2(=|
Tnmin2−nmin1|)を求め、そのうち小さい
方の値をシフト量差nSAとしてシフト量差nSAによ
り測距可能か否かを判断する。
【0195】図48に示した場合、再演算最小極小値f
min1のシフト量nmin1は7であるから、シフト
量差DIS1は図中で示す1の値となり、シフト量差
DIS2は図中で示す25となる。従って、測距可能
か否かは、シフト量差DIS1の大きさで判断する。
【0196】図49は、不足分再演算処理の処理手順を
示したフローチャートである。不足分再演算処理を実施
する前において、CPU60は、i3つおき演算により
相関値f(n)を算出し、暫定最小極小値Tfmin1の
シフト量Tnmin1を検出する。また、暫定最小最小
極Tfmin1以外に暫定第2極小値Tfmin2が存
在する場合には、そのシフト量Tnmin2を検出す
る。そして、再演算範囲で通常演算による再演算を行
い、再演算範囲において再演算最小極小値fmin1の
シフト量nmin1を検出する。
【0197】続いて図49の不足分再演算処理に移行す
る。まず、暫定第2極小値Tfmin2のシフト量Tn
min2が存在するか否か、即ち、暫定第2極小値Tf
min2が存在するか否かを判定する(ステップS15
0)。NOであれば、後述のステップS168に移行す
る。一方、YESであれば、次に、暫定第2極小値Tf
min2のシフト量Tnmin2に対して±5のシフト
量nの範囲を再演算範囲として再演算を実施したか否か
を判定する(ステップS152)。もし、NOと判定し
た場合には、後述のステップS168に移行する。一
方、YESと判定した場合には、(シフト量nmin1
≧シフト量Tnmin1)か否かを判定する(ステップ
S154)。YESであれば、暫定最小極小値Tfmi
n1と再演算最小極小値fmin1とのシフト量差の大
きさを示す値DIS1を(DIS1=nmin1−Tn
min1)とし(ステップS156)、NOであれば、
シフト量差DIS1を(DIS1=Tnmin1−nm
in1)とする(ステップS158)。
【0198】次に、CPU60は、(シフト量nmin
1≧シフト量Tnmin2)か否かを判定する(ステッ
プS160)。YESであれば、暫定第2極小値Tfm
in2と再演算最小極小値fmin1とのシフト量差の
大きさを示す値DIS2を(DIS1=nmin1−T
nmin2)とし(ステップS162)、NOであれ
ば、シフト量差DIS2を(DIS2=Tnmin2−
nmin1)とする(ステップS164)。
【0199】次に、(DIS1≦DIS2)か否かを判
定し(ステップS166)、YES、即ち、再演算最小
極小値fmin1が暫定第2極小値Tfmin2よりも
暫定最小極小値Tfmin1に近い位置にあると判定し
た場合には、暫定値ZANTEI=シフト量Tnmin
1とする(ステップS168)。NO、即ち、再演算最
小極小値fmin1が暫定最小極小値Tfmin1より
も暫定第2極小値Tfmin2に近い位置にあると判定
した場合には、暫定値ZANTEI=シフト量Tnmi
n2とする(ステップS170)。尚、ステップS15
0、又は、ステップS152においてNOと判定した場
合には、ステップS168に移行して、暫定値ZANT
EI=シフト量Tnmin1とする。
【0200】次に、CPU60は、(ZANTEI≧n
min1)か否か、即ち、再演算最小極小値fmin1
のシフト量nmin1が暫定値ZANTEIに対して+
側又は−側のいずれにあるかを判定する(ステップS1
72)。YESと判定した場合、シフト量差nSAを
(nSA=ZANTEI−nmin1)とする(ステッ
プS174)。
【0201】そして、まず、(nSA≧3)か否かを判
定する(ステップS176)。YESと判定した場合に
は、測距不能として(ステップS178)、この不足分
再演算処理を終了する。
【0202】ステップS176においてNOと判定した
場合には、続いて、(nSA=2)か否かを判定する
(ステップS180)。ここでYESと判定した場合に
は、シフト量n=nmin1−4及びnmin1−5に
おける相関値f(nmin1−4)と、相関値f(nmi
n1−5)を通常演算により再演算する(ステップS1
82)。
【0203】ステップS180においてNOと判定した
場合には、次に(nSA=1)か否かを判定する(ステ
ップS184)。YESと判定した場合には、シフト量
nmin1−5における相関値f(nmin1−5)を通
常演算により再演算する(ステップS186)。
【0204】ステップS184においてNOと判定した
場合には再演算(不足分の再演算)を行わず(ステップ
S188)、不足分再演算の処理を終了する。
【0205】上記ステップS172においてNOと判定
した場合には、シフト量差nSA=nmin1−ZAN
TEIとする(ステップS190)。
【0206】そして、まず、(nSA≧3)か否かを判
定する(ステップS192)。YESと判定した場合に
は、測距不能として(ステップS194)、この不足分
再演算処理を終了する。
【0207】ステップS192においてNOと判定した
場合には、続いて、(nSA=2)か否かを判定する
(ステップS196)。ここでYESと判定した場合に
は、シフト量n=nmin1−4及びnmin1−5に
おける相関値f(nmin1−4)と、相関値f(nmi
n1−5)を通常演算により再演算する(ステップS1
98)。
【0208】ステップS196においてNOと判定した
場合には、次に(nSA=1)か否かを判定する(ステ
ップS200)。YESと判定した場合には、シフト量
n=nmin1−5における相関値f(nmin1−5)
を通常演算により再演算する(ステップS202)。
【0209】ステップS196においてNOと判定した
場合には再演算(不足分の再演算)を行わず(ステップ
S188)、不足分再演算の処理を終了する。
【0210】尚、不足分再演算範囲がnの最小値(−
2)未満、又は、nの最大値(38)を超えた場合は再
演算を実施しないこととする。
【0211】以上の不足分再演算処理により最高相関値
fminのシフト量nminに対して必要なシフト量範
囲の通常演算による相関値f(n)が得られる。
【0212】次に、以上のi3つおき演算に特有の誤測
距及びその防止について説明する。i3つおき演算に特
有の誤測距は、上記「AFデータの取得処理」の欄で説
明したようにセンサデータにコントラスト抽出処理(2
画素差分演算)を施したものをAFデータとする場合に
おいて特に問題となる。図50(A)、(B)は2画素
差分演算により得たRセンサ94とLセンサ96のAF
データのうち、シフト量n=0におけるi3つおき演算
で使用するAFデータを例示した図である。この場合、
相関値演算は3つおきにデータを使用しているため、コ
ントラストの有る部分を捉えることができない。一方、
この前後の前後のシフト量ではコントラストの有る部分
を捉えることができるので、シフト量n=0で極小値と
なる可能性が高い。この状態からシフト量nが8ずれた
場合(n=8)は、i3つおき演算で使用するAFデー
タのセンサ番号は4つシフトすることになるため、端の
1つ以外は全てn=0のときと同じAFデータが使用さ
れることになる。このとき新たに加わった端のAFデー
タにコントラストがなかった場合には、再びこのシフト
量n=8においても極小値となる可能性が高い。
【0213】このような現象はシフト量が8ずつシフト
するごとに繰り返される。図51は、図50(A)、
(B)のAFデータの例でi3つおき演算を行って相関
値f(n)を算出した結果を示したものであり、同図に示
すようにシフト量n=0、8、16、…において極小値
が検出される。尚、図50(A)、(B)のAFデータ
の例で通常演算を行った場合の相関値分布を図52に示
す。このように通常演算において検出される真の極小値
とは無関係の位置で極小値が検出されるため、誤測距を
招くおそれがある。
【0214】また、図50のようなセンサデータの態様
が実測で得られた場合にi3つおき演算で求めた相関値
f(n)を図53に示す。この場合、暫定最小極小値Tf
min1はシフト量Tnmin1=33で検出され、暫
定第2極小値Tfmin2はシフト量Tnmin2=2
6で検出されている。このような実測においては、図5
0(A)、(B)のようにあるシフト量nの相関値を算
出する際に使用する全てのセンサデータにコントラスト
がないということはほとんど無く、多少のコントラスト
が存在しており、その影響で極小値が8ごとのシフト量
間隔で繰り返されずに、±1ずれて7や9のシフト量間
隔で観測される場合がある。
【0215】以上のことから、暫定最小極小値Tfmi
n1と暫定第2極小値Tfmin2との差が所定の調整
値aより小さい場合であって、暫定最小極小値のシフト
量Tnmin1と暫定第2極小値のシフト量Tnmin
2との差が8の倍数であるか、又は、8の倍数の±1で
ある場合にはi3つおき演算ではなく上記通常演算によ
り相関値演算を行うようにする。即ち、
【0216】
【数13】Tfmin2−Tfmin1<調整値a かつ、
【0217】
【数14】|Tnmin1−Tnmin2|=(8の倍
数)又は(8の倍数の±1) の場合には通常演算に切り替える。通常演算に切り替え
ることによってi3つおき演算に特有の誤測距を防止す
ることができる。尚、i3つおき演算ではなく通常演算
により相関値演算を行う場合、暫定最小極小値のシフト
量Tnmin1と暫定第2極小値のシフト量Tnmin
2との差が、8の倍数であるか、又は、8の倍数の±1
であることを条件の一つとしたが、i3つおき演算の場
合に限らず、この条件を一般化すると、任意の値xに対
してセル位置iがxつおきのixつおき演算の場合に
は、暫定最小極小値のシフト量Tnmin1と暫定第2
極小値のシフト量Tnmin2との差が、(x+1)×
2の倍数であるか、又は、(x+1)×2の倍数の±1
であることという条件となる。
【0218】次に、相関値演算処理において測距時間の
短縮を図る第2の実施の形態について説明する。上述の
通常演算、i3つおき演算のいずれの場合においても採
用センサにおける全てのシフト量n(n=−2,−1,
0,1,…,MAX(=38))について、相関値f(n)を算出
するようにしたが、本第2の実施の形態においては、全
てのシフト量nについての相関値f(n)は算出せず、一
定間隔おきのシフト量nについての相関値f(n)を算出
する。例えば、シフト量nを3つおきに算出する。尚、
シフト量nを3つおきにとる場合の相関値演算を以下、
「n3つおき演算」といい、これに対して、全てのシフ
ト量nについ相関値f(n)を求める場合の相関値演算を
本第2の実施の形態の説明では「通常演算」という(第
1の実施の形態における「通常演算」の意味とは異な
る)。また、n3つおき演算において相関値f(n)を算
出するシフト量nを、採用シフト量nという。
【0219】図54(A)は、採用センサのセンサ数
(即ち、採用センサ数)が62、ウインドウサイズが4
2の場合に、n3つおき演算における採用シフト量nの
例を示しており、採用シフト量nは、シフト量n=−2
から3つおきのn=2、6、10、14、…、38に設
定される。尚、同図のN1は、図12を参照すると、採
用センサ96Aの右端に対する各採用シフト量n=−
2、2、6、…におけるLウインドウ96Bのシフト量
を示し、N2は、採用センサ94Aの左端に対する各採
用シフト量におけるRウインドウ94Bのシフト量を示
す。
【0220】但し、n3つおき演算においても図54
(A)に示す採用シフト量以外に図54(B)に示すシ
フト量n=−1、0、36、37については採用シフト
量として相関値f(n)を算出することが望ましい。図5
5、図56、図57は、通常演算により全てのシフト量
nについて相関値f(n)を求めた場合において、最小極
小値fmin1が遠距離、中距離、近距離のそれぞれに
得られる場合を仮定して、図54(A)に示した採用シ
フト量n(=2、6、10、14、…、38)のみで相
関値f(n)を算出した場合の相関値分布と、図54
(A)に示した採用シフト量nと併せて図54(B)に
示した採用シフト量n(=−1、0、36、37)で相
関値f(n)を算出した場合の相関値分布を示したグラフ
である。尚、図54(A)の採用シフト量nのみの相関
値分布は、図中「□」記号の点を結ぶ分布により示し、
図54(A)及び図54(B)の採用シフト量nの相関
値分布は、図中「▲」記号の点を結ぶ分布により示す。
【0221】まず、通常演算により本来検出される最小
極小値fmin1が遠距離のシフト量に存在する場合で
あって、その最小極小値fmin1が図54(A)の採
用シフト量nと異なるシフト量n=−1にあるとする。
この場合に図54(A)の採用シフト量nのみで相関値
f(n)を算出すると、図55の「□」記号を結ぶ相関値
分布に示すように、これによって算出された相関値分布
からは、そのシフト量n=−1付近において極小値が検
出されない事態が生じる。これに対して、図54(B)
の採用シフト量n(=−1、0)において相関値f(n)
を算出すれば、図55の「▲」記号を結ぶ相関値分布に
示すようにシフト量n=−1において最小極小値が検出
され、遠距離側において本来検出されるべき最小極小値
fmin1が検出されない不具合が解消される。
【0222】これと同様に、通常演算により本来検出さ
れる最小極小値fmin1が近距離のシフト量に存在す
る場合であって、その最小極小値fmin1が図54
(A)の採用シフト量nと異なるシフト量n=−37に
あるとする。この場合に図54(A)の採用シフト量n
のみで相関値f(n)を算出すると、図57の「□」記号
を結ぶ相関値分布に示すように、これによって算出され
た相関値分布からは、そのシフト量n=−37付近にお
いて極小値が検出されない事態が生じる。これに対し
て、図54(B)の採用シフト量n(=36、37)に
おいて相関値f(n)を算出すれば、図57の「▲」記号
を結ぶ相関値分布に示すようにシフト量n=−37にお
いて最小極小値が検出され、近距離側において本来検出
されるべき最小極小値fmin1が検出されない不具合
が解消される。
【0223】一方、通常演算により本来検出される最小
極小値fmin1が中距離に存在する場合においては、
上述のような不具合はほとんど生じない。例えば、図5
6の細線で示すように通常演算による最小極小値fmi
n1が図54(A)の採用シフト量nと異なるシフト量
n=16にあるとする。このような場合に図54(A)
の採用シフト量nのみで相関値f(n)を算出したとする
と、図56の「□」記号を結ぶ相関値分布に示すように
シフト量n=16の近傍の例えばシフト量n=18にお
いて極小値が検出される。一般に、最小極小値fmin
1のシフト量nmin1が中距離に存在する場合には、
そのシフト量nに向かって両側から相関値が小さくなる
相関値分布を示すため、図54(A)の採用シフト量n
のみで相関値f(n)を算出した場合であっても最小極小
値fmin1のシフト量nに対して、少なくともその近
傍で極小値が検出される。極小値の存在が分かれば、通
常演算により検出される最小極小値fmi1の正確なシ
フト量nmin1は、後述の再演算によって検出できる
ため、このn3つおき演算の処理としては十分である。
【0224】以上のことから、n3つおき演算では図5
4(A)に示した採用シフト量nのみでなく、図54
(B)に示した採用シフト量nについても相関値f(n)
を算出するのが好適である。以下、図54(A)のよう
に3つおきの採用シフト量nと、図54(B)のように
遠距離側及び近距離側の特定の採用シフト量nとにおい
て相関値f(n)を算出することをn3つおき演算という
ものとする。但し、図54(A)の採用シフト量nのみ
で相関値演算を行うようにしてもよく、また、この場合
に図55や図57に示すような極小値の存在しない相関
値分布が得られたときには、遠距離又は近距離に極小値
が存在すると仮定して後述の再演算を行うようにしても
よい。
【0225】CPU60は、上述のようにn3つおき演
算により採用シフト量nにおける相関値f(n)を算出し
た場合、採用シフト量nで得られた相関値f(n)の分布
から相関値f(n)が極小値となるシフト量nを検出す
る。このとき検出された極小値が1つの場合にはその極
小値を暫定最小極小値Tfmin1とし、検出された極
小値が複数の場合にはそのうちの最小の極小値を暫定最
小極小値とし、その暫定最小極小値のシフト量付近にお
いて再度、通常演算により相関値f(n)を再演算する。
尚、この再演算の処理は、上述のi3つおき演算におけ
る再演算と全く同様の方法を用いることができ、再演算
の範囲、検出された極小値が複数の場合の処理方法、不
足分相関値演算等の詳細な説明については省略する。ま
た、用語の定義もi3つおき演算の説明で使用したもの
と同様とする。
【0226】再演算範囲は、暫定最小極小値Tfmin
1のシフト量Tnmin1に対して例えば±5のシフト
量の範囲とし、図56の例では、暫定最小極小値Tfm
in1が得られたシフト量Tnmin1は18であるか
ら、再演算範囲は、図58に示すようにシフト量n=1
3〜23となる。但し、n3つおき演算において既に相
関値f(n)を算出している採用シフト量nついては再演
算で改めて相関値f(n)を算出する必要はなく、図58
に示すように再演算範囲に含まれる採用シフト量n=1
4、18、22については、再演算において相関値f
(n)の算出は行わない。
【0227】CPU60は、以上の再演算によって再演
算範囲の相関値f(n)を算出すると、その再演算範囲の
相関値f(n)に基づいて最小極小値fmin1のシフト
量nmin1を検出し、そのシフト量nmin1を相関
値演算において検出すべき最高相関のシフト量nmin
とする。
【0228】ここで、i3つおき演算、又は、n3つお
き演算を採用した場合における演算数について示してお
くと、例えば、上述の採用センサ数62、ウインドウサ
イズ42の場合、i3つおき演算においては、演算数は
41/4=10.25であり、再演算数11を合わせて
合計21.25個である。n3つおき演算においては、
演算数は15であり、再演算数8を合わせて合計23個
である。これに対して、通常演算の場合には、41個で
あるから、i3つおき演算、n3つおき演算では、演算
数が十分削減され、測距時間の短縮が図られるのが分か
る。
【0229】以上説明した第1の実施の形態におけるi
3つおき演算において、暫定最小極小値Tfmin1の
シフト量nmin1と、通常演算の最小極小値fmin
1のシフト量nmin1とが一致しない場合、それらの
シフト量差が大きいと不足分相関値演算における演算数
が増加するため時間短縮の効果が少なくなる。また、i
3つおき演算では、データ数が通常演算の1/4になる
ため精度が低下し暫定極小値が現れない場合がある。こ
のような現象はAFデータのコントラストが低い場合に
多くみられる。
【0230】そこで、採用センサにおけるAFデータの
コントラストが所定の基準値より大きい場合には、i3
つおき演算を行い、低い場合には、通常演算を行うよう
にすれば、このような現象の多くは生じなくなる。ま
た、コントラストが低い場合には、第2の実施の形態に
おけるn3つおき演算を行うようにしてもよい。 {コントラスト検出処理(図7ステップS14、ステッ
プS18)の詳細}次に、図7のステップS14におけ
るコントラス検出処理1及びステップS18におけるコ
ントラス検出処理2について詳説する。コントラスト検
出は、AFセンサ74の所定範囲内のセル(センサデー
タ)から得られたAFデータの最大値と最小値に基づい
てセンサ像(AFデータ)のコントラストの有無を検出
する処理である。コントラストの評価値として本実施の
形態では、AFデータの最大値と最小値との差を用い、
コントラストが所定の基準値以上であればコントラスト
有りと判定し、前記基準値より小さければコントラスト
無しと判定する。
【0231】図7のステップS14におけるコントラス
ト検出処理1は、測距エリアを構成する各分割エリアご
とに分割エリアの全セル、即ち、採用センサの全セルを
対象範囲としてコントラスト検出を行う一方、ステップ
S16におけるコントラスト検出処理2は、各分割エリ
アにおいて、相関値演算により検出された最小極小値f
min1のシフト量nmin1、即ち、最高相関値fm
inのシフト量nminにおけるウインドウ範囲内の全
セルを対象範囲としてコントラスト検出を行う。
【0232】図59は、コントラスト検出処理1とコン
トラスト検出処理2による一連のコントラスト検出処理
の全体手順を示したフローチャートである。CPU60
は、図7のステップS12におけるのAFデータ取得処
理によりAFデータを取得すると、図7のステップS1
4におけるコントラスト検出処理1の一処理として、測
距エリアを構成するRセンサ94及びLセンサ96の各
分割エリアを個別の対象範囲としたコントラスト検出1
の処理を行う(ステップS250)。今、Rセンサ94
及びLセンサ96の対応するある分割エリアに着目し、
そのRセンサ94の分割エリアとLセンサ96の分割エ
リアをそれぞれRセンサ94の採用センサ、Lセンサ9
6の採用センサというものとする。そして、それらの採
用センサについてコントラスト検出1を行うとすると、
CPU60は、Rセンサ94の採用センサの全セルのA
Fデータのうち最大値及び最小値を検出する。このとき
検出されたAFデータの最大値をRMAX、最小値をR
MINとする。同様にLセンサ96の採用センサの全セ
ルのAFデータのうち最大値及び最小値を検出する。こ
のとき検出されたAFデータの最大値をLMAX、最小
値をLMINとする。
【0233】次いで、CPU60は、Rセンサ94の採
用センサにおけるコントラストを次式、
【0234】
【数15】RMAX−RMIN …(17) により求め、Lセンサ96の採用センサにおけるコント
ラストを次式、
【0235】
【数16】LMAX−LMIN …(18) により求める。 次に、CPU60は、図7のステップ
S14におけるコントラスト検出処理1の一処理とし
て、ステップS250のコントラスト検出1により検出
したコントラストによりコントラスト判定1を行う(ス
テップS252)。即ち、Rセンサ94の採用センサに
おける上式(17)のコントラストRMAX−RMIN、及
び、Lセンサ96の採用センサにおける上式(18)のコン
トラストLMAX−LMINが所定の基準値R4に対し
てそれぞれ、
【0236】
【数17】RMAX−RMIN<R4 …(19) LMAX−LMIN<R4 …(20) が成り立つか否かを判定する。もし、上式(19)と(20)の
うちいずれか一方でも成り立つ場合にはコントラスト無
しとしてそれらの採用センサ(着目している分割エリ
ア)における測距を不能とする(ステップS254)。
上式(19)と(20)の両方とも成り立たない場合には、それ
らの採用センサにおけるコントラストを有りとする。
【0237】次に、CPU60は、ステップS252に
おいてコントラスト有りと判定した分割エリアについ
て、上記図7のステップS16における相関値演算処理
を行う(ステップS256)。
【0238】次に、CPU60は、上記図7のステップ
S18におけるコントラスト検出処理2の一処理とし
て、相関値演算により検出された最高相関のシフト量n
minにおけるRウインドウ94B及びLウインドウ9
6Bを対象範囲としたコントラスト検出2を行う(ステ
ップS258)。今、Rセンサ94及びLセンサ96の
ある対応する分割エリアに着目し、そのRセンサ94の
分割エリアとLセンサ96の分割エリアをそれぞれRセ
ンサ94の採用センサ、Lセンサ96の採用センサとい
うものとする。そして、それらの採用センサについてコ
ントラスト検出2を行うとすると、CPU60は、その
Rセンサ94の採用センサにおいて最高相関のシフト量
nminが得られたときのRウインドウ94Bの範囲で
AFデータの最大値と最小値を検出する。このとき検出
された最大値をRWMAX、最小値をRWMINとす
る。同様にLセンサ96の採用センサにおいて最高相関
のシフト量nminが得られたときのLウインドウ96
Bの範囲でAFデータの最大値と最小値を検出する。こ
のとき検出された最大値をLWMAX、最小値をLWM
INとする。そして、CPU60は、前記Rウインドウ
94Bにおけるコントラストを次式、
【0239】
【数18】RWMAX−RWMIN …(21) により求める。また、Lウインドウ96Bにおけるコン
トラストを次式、
【0240】
【数19】LWMAX−LWMIN …(22) により求める。
【0241】続いて、CPU60は、上記図7のステッ
プS18におけるコントラスト検出処理2の一処理とし
て、上式(21)、(22)により求めたコントラストによりコ
ントラスト判定2を行う(ステップS260)。即ち、
Rウインドウ94Bにおける上式(21)のコントラストR
WMAX−RWMIN、及び、Lウインドウ96Bにお
ける上式(22)のコントラストLWMAX−LWMINが
上述の基準値R4に対してそれぞれ、
【0242】
【数20】 RWMAX−RWMIN<R4 …(23) LWMAX−LWMIN<R4 …(24) が成り立つか否かを判定する。もし、上式(23)と(24)の
うちいずれか一方でも成り立つ場合にはコントラスト無
しとしてそれらの採用センサ(着目している分割エリ
ア)における測距を不能とする(ステップS254)。
上式(23)と(24)の両方とも成り立たない場合には、それ
らのウインドウにおけるコントラストを有りとする。コ
ントラスト有りとした場合には次の処理に移行する。
【0243】以上のコントラスト検出処理1及びコント
ラスト検出処理2により測距不能と判定される場合の具
体例について説明する。例えば、Rセンサ94及びLセ
ンサ96の中央エリアを採用センサとして着目した場合
に、それら採用センサの全セル範囲のAFデータが図6
0(A)、(B)に示すように低コントラストを示して
いたとする。この場合に、相関値演算により相関値f
(n)を算出すると、同図(C)に示すように最小極小値
fmin1のシフト量nmin1、即ち、最高相関値f
minのシフト量nminがシフト量n=12で検出さ
れる。このような場合、同図(A)、(B)に示してい
るようにRセンサ94の採用センサ及びLセンサ96の
採用センサにおいて、シフト量nminにおけるウイン
ドウ範囲(最高相関値となったウインドウ範囲)のAF
データも低コントラストを示し、シフト量n=12を最
高相関のシフト量nminとすると誤測距となる可能性
が高い。
【0244】このように採用センサの全セル範囲におい
てAFデータが低コントラストを示す場合、実際にはこ
の採用センサに対して相関値演算処理は行われることな
く、コントラスト検出処理1におけるコントラスト判定
1(図59のステップS252)において測距不能と判
定される。従って、明らかに測距不能なAFデータを示
す採用センサについては相関値演算が行われないため、
測距時間が短縮される。
【0245】一方、図61(A)、(B)に示すように
Rセンサ94及びLセンサ96の採用センサの全セル範
囲においては、AFデータが高コントラストを示してい
たとする。この場合に、相関値演算により相関値f(n)
を算出したとすると、同図(C)に示すように最高相関
値fminのシフト量nminがシフト量n=12で検
出される。しかしながら、この場合において、同図
(A)、(B)に示しているようにRセンサ94の採用
センサ及びLセンサ96の採用センサにおいて、最高相
関値となったウインドウ範囲のAFデータは低コントラ
ストを示しており、シフト量n=12を最高相関のシフ
ト量nminとすると誤測距となる可能性が高い。
【0246】このように、採用センサの全セルを対象範
囲としてコントラスト検出処理1ではコントラスト有り
と判定されるような場合であっても、相関値演算により
検出された最高相関のシフト量nminにおけるウイン
ドウ範囲ではAFデータが低コントラストを示す場合に
は、コントラスト検出処理2におけるコントラスト判定
2(図59のステップS260)において測距不能と判
定される。従って、コントラスト検出処理1において測
距可能とされた場合でも誤測距となる可能性が高い図6
1のような場合にはコントラスト検出処理2によって適
切に測距不能と判定される。
【0247】以上説明したコントラスト検出処理では、
相関値演算処理(図59のステップS256)を行った
後、最高相関のシフト量nminにおけるウインドウ範
囲についてコントラスト検出処理2を行うようにしたが
(同図ステップS258、260)、相関値演算処理を
行った後にコントラスト検出処理2を行う代わりに、相
関値演算処理を行う前において上述のコントラスト検出
処理2と同様の処理を行うようにすることもできる。例
えば、コントラスト検出処理1によりある分割エリアの
全セルのAFデータを対象としてコントラスト有りと判
定されたとする。この場合、次に、その分割エリアの全
てのシフト量nにおけるウインドウ範囲を対象として、
各ウインドウ範囲ごとにコントラストの有無を検出す
る。この結果、コントラスト無しと判定したウインドウ
範囲のシフト量nについては相関値演算を行わず、コン
トラスト有りと判定したウインドウ範囲のシフト量nに
ついてのみ相関値演算を行い、相関値f(n)を算出す
る。そして、相関値f(n)を算出したシフト量nの範囲
で最高相関値fminのシフト量nminを検出する。
この場合、相関値演算における演算数を削減することが
でき、測距時間の短縮が図れる。尚、この場合における
コントラスト検出処理は行わなくても良い。また、全て
のシフト量nにおけるウインドウ範囲においてコントラ
スト無しと判定された場合には、一度も相関値演算が行
われず、測距不能と判定される。
【0248】更に、一箇所でもコントラストがあるウイ
ンドウがあった場合は、全ての相関値演算を実施するよ
うにしてもよい。 {L、Rチャンネル差補正処理(図7ステップS20)
の詳細}次に、図7のステップS20におけるL、Rチ
ャンネル差補正処理について説明する。L、Rチャンネ
ル差補正処理は、AFセンサ74のRセンサ94から取
得したAFデータと、AFセンサ74のLセンサ96か
ら取得したAFデータとの信号量を一致させる処理であ
る。本処理では、上記コントラスト検出処理2のコント
ラスト判定2(図59参照)においてコントラスト有り
と判定した分割エリアにおいて、最高相関値が得られた
Rウインドウ94B及びLウインドウ96Bの範囲付近
(±5n)のAFデータに対して行う。
【0249】まず、CPU60におけるL、Rチャンネ
ル差補正処理の手順について図62のフローチャートを
用いて説明する。同図のステップS300で示している
コントラスト判定2の処理は、上記図59ステップS2
60のコントラスト判定2に相当し、この判定処理にお
いて、コントラスト無しと判定された分割エリアについ
ては、測距不能とされ、コントラスト有りと判定された
分割エリアについては、以下のL、Rチャンネル差補正
処理に移行する。そこで、コントラスト有りと判定した
ある分割エリアを採用センサとして着目して以下説明す
ると、CPU60は、まず、補正が必要か否かを判定す
るために、その採用センサにおいて最高相関値が得られ
たRウインドウ94Bの範囲とLウインドウ96Bの範
囲でそれぞれAFデータの最小値を検出して比較し、そ
の差の絶対値(左右最小値差ΔDMIN)が大きいか小
さいか、又は、大きすぎるかを判定する(ステップS3
02)。尚、この判定の前又は後(ステップS300と
ステップS302の間、又は、ステップS302とステ
ップS304の間)において、前記採用センサにおける
最高相関値が所定の基準値以上か否かの判断を行い、最
高相関値がその基準値以上の場合にのみ本補正が必要で
あると判断し、最高相関値が基準値より小さい場合には
本補正を行わないようにしてもよい。ここで、最高相関
値が得られたRウインドウ94BにおけるAFデータの
最小値をRWMIN、Lウインドウ96におけるAFデ
ータの最小値をLWMINとすると、左右最小値差ΔD
MINは、次式、
【0250】
【数21】 ΔDMIN=|LWMIN−RWMIN| …(25) により算出される。そして、所定の基準値R5、R6
(R5<R6)に対して、
【0251】
【数22】ΔDMIN<R5 …(26) が成り立つ場合には左右最小値差ΔDMINが小さいと
判定し、
【0252】
【数23】R6≧ΔDMIN≧R5 …(27) が成り立つ場合には左右最小値差ΔDMINが大きいと
判定する。
【0253】
【数24】ΔDMIN>R6 …(28) が成り立つ場合には左右最小値差ΔDMINが大きすぎ
ると判定する。
【0254】以上の判定処理により、左右最小値差ΔD
MINが小さいと判定した場合には、本補正を行わずに
次の処理に移行し、左右最小値差ΔDMINが大きい
(補正に適正)と判定した場合には、本補正を行うた
め、次のステップS304の処理に移行する。左右最小
値差ΔDMINが大きすぎると判定した場合には、測距
不能とする(ステップS306)。
【0255】左右最小値差ΔDMINが大きいと判定し
た場合、次に、CPU60は、Rセンサ94及びLセン
サ96の採用センサにおける補正範囲のAFデータを補
正する(ステップS304)。AFデータの補正は、例
えば、Rセンサ94の採用センサにおけるAFデータの
最小値とLセンサ96の採用センサにおけるAFデータ
の最小値との差分量を求め、その差分量が減少するよう
に一方のセンサのAFデータに対して他方のセンサのA
Fデータの信号量を加減する。尚、AFデータの補正に
ついての詳細は後述する。また、AFデータの補正範囲
は、次のステップS308の処理における補正後のAF
データに基づく相関値演算において所定シフト量範囲の
相関値f(n)を算出する際に必要なAFデータの範囲で
ある。
【0256】AFデータを補正すると、その補正後のA
Fデータを使用して再度相関値演算(補正後の相関値演
算)を行い、相関値f(n)′を求める(ステップS30
8)。AFデータ補正後の相関値演算は、全てのシフト
量nについて行うようにしてもよいが、本実施の形態で
は、AFデータ補正前の相関値演算において最高相関が
得られたシフト量nminの付近、例えば、シフト量n
minに対して±5の範囲についてのみ行うものとす
る。
【0257】次に、CPU60は、AFデータ補正後の
相関値演算によって得られた相関値f(n)′に基づい
て、AFデータ補正後の相関値演算により相関値f
(n)′を行ったシフト量の範囲で最小極小値fmin′
及びそのシフト量nmin′を検出する。そして、最小
極小値fmin′に基づいて、補正後におけるRセンサ
94のAFデータとLセンサ96のAFデータについ
て、一致度が低いか高いか、又は一致度が低すぎるかを
判定する(ステップS310)。具体的には、例えば、
AFデータ補正後の最小極小値fmin′が所定の基準
値R7に対して、次式、
【0258】
【数25】fmin′>基準値R7 …(29) を満たす場合には、一致度が低すぎると判定する。一
方、式(29)が成り立たない場合において、AFデータ補
正後の最小極小値fmin′と補正前の最高相関値fm
inとが、次式、
【0259】
【数26】fmin≦fmin′ …(30) を満たす場合には、一致度が低いと判定する。式(30)が
成り立たず、次式、
【0260】
【数27】fmin>fmin′ …(31) が成り立つ場合には、一致度が高いと判定する。
【0261】この判定処理により、一致度が低すぎると
判定した場合には、この採用センサについて測距不能と
する(ステップS306)。一致度が低いと判定した場
合には、以後の処理においてAFデータ補正後の相関値
演算の結果ではなく、AFデータ補正前の相関値演算の
結果を採用することとする(ステップS312)。一
方、一致度が高いと判定した場合には、AFデータ補正
後の相関値演算の結果を採用することとする(ステップ
S314)。AFデータ補正後の相関値演算の結果を採
用することとした場合において、以後の処理の説明で使
用する相関値f(n)、最高相関値fmin及びそのシフ
ト量nminの用語は、AFデータ補正後の相関値f
(n)′、最小極小値fmin′及びそのシフト量nnm
in′を示す。
【0262】ここで、上記ステップS304のAFデー
タの補正について一実施例を説明する。図63は、AF
データの補正をRセンサ94のAFデータとLセンサ9
6のAFデータの信号量差を補正して行う場合の処理手
順を示したフローチャートである。まず、CPU60
は、Rセンサ94とLセンサ96のうち、AFデータを
補正するセンサ(補正センサ)を判定する(ステップS
330)。
【0263】具体的には、最高相関が得られたRウイン
ドウ内におけるAFデータの最小値RMINと最高相関
が得られたLウインドウ内における最小値LMINを比
較し、RMIN>LMINの場合には、Rセンサ94を
補正センサとし、RMIN<LMINの場合には、Lセ
ンサ96を補正センサとする。
【0264】Lセンサ96を補正センサとする場合、R
センサ94及びLセンサ96の補正前のAFデータをR
及びL、補正後のAFデータをRH及びLHとすると、
次式、
【0265】
【数28】LH=L−信号量差 RH=R により求める(ステップS332)。ここで、信号量差
は、LMIN−RMINとする。
【0266】一方、Rセンサ94を補正センサとする場
合には、次式、
【0267】
【数29】LH=L RH=R−信号量差 により求める(ステップS334)。ここで、信号量差
は、RMIN−LMINとする。
【0268】以上のL、Rチャンネル差補正処理による
効果について説明する。図64は、上記図62に示した
L、Rチャンネル差補正処理を新方式としてその効果を
従来方式と比較して示した図である。新方式は、従来方
式と比べると、特に、図62のステップS302におけ
る補正を行うか否かの判定処理の内容が相違しており、
1つ目の従来方式の例(この方式を従来方式とする)
としては、新方式のように最高相関値が得られたRウイ
ンドウ94BとLウインドウ96Bの範囲内におけるA
Fデータの最小値を比較するのではなく、Rセンサ94
の採用センサ内における全てのAFデータに対する最小
値RMINと、Lセンサ96の採用センサ内における全
てのAFデータに対する最小値LMINとを比較し、そ
の最小値差が所定値よりも大きい場合にAFデータを補
正する方式をいうものとする。
【0269】2つ目の従来方式の例(この方式を従来方
式とする)としては、Rセンサ94とLセンサ96の
それぞれの採用センサ内におけるAFデータの平均値を
求め、その差が所定値よりも大きい場合にAFデータを
補正する方式がある。平均値が一致するように一方のセ
ンサのAFデータを補正する方式をいうものとする。
【0270】例えば、Rセンサ94及びLセンサ96の
採用センサ(例えば中央エリア)内において図64
(A)、(B)に示すようなAFデータが得られたとす
る。このAFデータの例は本来補正が不要な場合を示し
たものである。そして、この採用センサにおけるAFデ
ータに対して相関値演算を行った結果、AFデータ補正
前(補正無し)の相関値分布が同図(C)の「・」記号
で結ばれた分布を示したとする。尚、この補正無しの相
関値分布では、最高相関のシフト量nminはシフト量
n=10において検出されており、そのときのRウイン
ドウ94BとLウインドウ96Bの範囲は、それぞれ同
図(A)、(B)においてAFデータの分布が太線で示
されている範囲である。
【0271】このような場合に、従来方式によりAF
データの補正を行うか否かを判定すると、同図(A)、
(B)の比較から明らかなようにRセンサ94とLセン
サ96のそれぞれの採用センサ内におけるAFデータの
最小値に差(図中「従来」で示されている差)が生じ
ているため、AFデータの補正(上記信号量差の補正)
が行われることになり、その補正後のAFデータに基づ
いて相関値演算を行うと、その相関値分布は、同図
(C)の「△」記号で結ばれた分布を示す。このAFデ
ータ補正後に得られた相関値分布では、最小極小値が大
きいため、Rセンサ94のAFデータとLセンサ96の
AFデータの信号量の一致度が低いと判定され、測距不
能と判定される結果となる。尚、従来では、新方式のよ
うにAFデータ補正前に相関値演算を行うことはしてい
ないため、一致度が低いと判定した場合に、新方式のよ
うにAFデータ補正前の相関値演算の結果を採用すると
いう処置は行われていない。このように、従来方式で
は、本来測距不能とすべきでないAFデータが得られて
いるにもかかわらず、補正を行うことによって測距不能
となる不具合が生じる場合がある。
【0272】また、従来方式によりAFデータの補正
を行うか否かを判定すると、Rセンサ94とLセンサ9
6のそれぞれの採用センサ内におけるAFデータの平均
値に差(同図(A)、(B)の比較において「従来」
で示されている差)が生じているため、AFデータの補
正(上記信号量差の補正)が行われることになり、その
補正後のAFデータに基づいて相関値演算を行うと、そ
の相関値分布は、同図(C)の「×」記号で結ばれた相
関値分布を示す。このAFデータ補正後に得られた相関
値分布では、従来方式と同様に最小極小値が大きいた
め、Rセンサ94のAFデータとLセンサ96のAFデ
ータの信号量の一致度が低いと判定され、測距不能と判
定される結果となる。このように、従来方式において
も、本来測距不能とすべきでないAFデータが得られて
いるにもかかわらず、補正を行うことによって測距不能
となる不具合が生じる場合がある。
【0273】以上のような従来方式、に対して、新
方式によりAFデータの補正を行うか否かを判定する
と、採用センサにおいて最高相関値が得られたRウイン
ドウ94BとLウインドウ96Bの範囲内ではAFデー
タの最小値に差がないため、補正は行われず、余分な相
関値演算を実施する必要がない。従って、従来方式、
のような不具合は生じない。仮に補正を行ったとする
と、その相関値分布は、同図(C)の「□」記号で結ば
れた分布を示し、従来方式、と同様に一致度が低い
と判定される。しかし、この場合においても新方式の場
合には、測距不能ではなく、AFデータ補正前の相関値
演算の結果を採用するという判断となるため、補正前の
AFデータが補正無しで測距可能なものである場合に
は、AFデータを補正することが適切でなかった場合で
あっても測距不能となる不具合を回避することができ
る。
【0274】次に、上記ステップS304におけるAF
データ補正において、図63のフローチャートで示した
信号量差補正の代わりに他の補正手段を採用する場合に
ついて説明する。ここで説明するAFデータの補正は、
Rセンサ94及びLセンサ96の採用センサにおけるA
Fデータの信号量差のみではなく、コントラスト比の補
正も行うものである。補正はRセンサ94のAFデータ
とLセンサ96のAFデータのうち、ダイナミックレン
ジを超えない方のセンサのAFデータに対して行う。以
下、具体的に補正処理の内容を説明する。
【0275】まず、AFデータの補正式において使用す
るコントラスト補正量とオフセット補正量について説明
する。尚、オフセット補正量は、上記信号量差を補正す
るための補正量に相当するものである。ここで、コント
ラスト補正量をDLVCOMPA、オフセット補正量を
DLVCOMPB、Rセンサ94の採用センサにおける
AFデータの最大値及び最小値をそれぞれR1MAX及
びR1MIN、Lセンサ96の採用センサにおけるAF
データの最大値及び最小値をそれぞれL1MAX及びL
1MIN、最高相関が得られたRウインドウ94B及び
Lウインドウ96BにおけるAFデータの最小値をそれ
ぞれR2MIN及びL2MINとする。
【0276】コントラスト補正量DLVCOMPAとオ
フセット補正量DLVCOMPBを求める式は、最高相
関が得られたRウインドウ94BにおけるAFデータの
最小値R2MINとRウインドウ94BにおけるAFデ
ータの最小値R2MINとの大小関係によって異なる。
次式、
【0277】
【数30】L2MIN≦R2MIN …(32) が成り立つ場合、コントラスト補正量DLVCOMPA
とオフセット補正量DLVCOMPBは、次式、
【0278】
【数31】 DLVCOMPA=(R1MAX−R1MIN)/(L1MAX−L1MIN ) …(33) DLVCOMPB=R1MIN−{(R1MAX−R1MIN)/(L1MA X−L1MIN)}×L1MIN …(34) により求められる。
【0279】一方、次式、
【0280】
【数32】L2MIN>R2MIN …(35) が成り立つ場合、コントラスト補正量DLVCOMPA
とオフセット補正量DLVCOMPBは、次式、
【0281】
【数33】 DLVCOMPA=(L1MAX−L1MIN)/(R1MAX−R1MIN ) …(36) DLVCOMPB=L1MIN−{(L1MAX−L1MIN)/(R1MA X−R1MIN)}×R1MIN …(37) により求められる。
【0282】上式によりコントラスト補正量DLVCO
MPA及びオフセット補正量DLVCOMPBを求める
と、次にコントラスト補正量DLVCOMPA及びオフ
セット補正量DLVCOMPBに基づいて採用センサに
おける補正範囲のAFデータを補正する演算処理につい
て説明する。ここで、Rセンサ94及びLセンサ96の
補正前のAFデータをR及びL、補正後のAFデータを
RH及びLHとする。
【0283】次式、
【0284】
【数34】L2MIN≦R2MIN …(38) が成り立つ場合、補正後のAFデータRH、LHは、上
式(33)、(34)により求めたコントラスト補正量DLVC
OMPAとオフセット補正量DLVCOMPBを用い
て、次の補正式、
【0285】
【数35】 LH=DLVCOMPA×L+DLVCOMPB …(39) RH=R …(40) により算出される。
【0286】一方、次式、
【0287】
【数36】L2MIN>R2MIN …(41) の場合、補正後のAFデータRH、LHは、上式(36)、
(37)により求めたコントラスト補正量DLVCOMPA
とオフセット補正量DLVCOMPBを用いて、次の補
正式、
【0288】
【数37】 LH=L …(42) RH=DLVCOMPA×R+DLVCOMPB …(43) により算出される。
【0289】以上のAFデータ補正の処理手順を図65
のフローチャートに示す。CPU60は、上記図7ステ
ップS16の相関値演算処理により最高相関が得られた
Rウインドウ94B及びLウインドウ96BにおけるA
Fデータの最小値R2MIN、L2MINについて、上
式(32)、即ち、
【0290】
【数38】L2MIN≦R2MIN …(32) が成り立つか否かを判定する(ステップS350)。Y
ESと判定した場合、次に、コントラスト補正量DLV
COMPAを上式(33)、即ち、
【0291】
【数39】 DLVCOMPA=(R1MAX−R1MIN)/(L1MAX−L1MIN ) …(33) により算出する(ステップS352)。また、オフセッ
ト補正量DLVCOMPBを上式(34)、即ち、
【0292】
【数40】 DLVCOMPB=R1MIN−{(R1MAX−R1MIN)/(L1MA X−L1MIN)}×L1MIN …(34) により算出する(ステップS354)。
【0293】そして、補正後のAFデータRH、LHを
上式(39)、(40)、即ち、
【0294】
【数41】 LH=DLVCOMPA×L+DLVCOMPB …(39) RH=R …(40) により算出する(ステップS356)。
【0295】一方、上記ステップS350においてNO
と判定した場合には、コントラスト補正量DLVCOM
PAを上式(36)、即ち、
【0296】
【数42】 DLVCOMPA=(L1MAX−L1MIN)/(R1MAX−R1MIN ) …(36) により算出する(ステップS358)。また、オフセッ
ト補正量DLVCOMPBを、上式(37)、即ち、
【0297】
【数43】 DLVCOMPB=L1MIN−{(L1MAX−L1MIN)/(R1MA X−R1MIN)}×R1MIN …(37) により算出する(ステップS360)。
【0298】そして、補正後のAFデータLH、RHを
上式(42)、(43)、即ち、
【0299】
【数44】 LH=L …(42) RH=DLVCOMPA×R+DLVCOMPB …(43) により算出する(ステップS362)。
【0300】次に、ここで説明したコントラスト補正と
オフセット補正(信号量差補正)を行う場合のAFデー
タ補正処理の効果について上述の信号量差補正のみ行う
AFデータ補正処理(図63参照)と比較して説明す
る。尚、前者を新方式、後者を従来方式(実施例1)と
いう。
【0301】まず、Rセンサ94とLセンサ96のうち
一方のセンサが明るい場合(太陽光等が片側のセンサに
多く照射された場合→信号量差有り、コントラスト差無
しの場合)における補正結果を例示する。図66
(A)、(B)は、Rセンサ94及びLセンサ96の採
用センサ(図では中央エリア)における補正前(補正無
し)のAFデータの分布と従来方式による補正後のAF
データの分布を示しており、補正は、Rセンサ94のA
Fデータに対して行われている。
【0302】一方、図67(A)、(B)は、図66と
同じ補正前(補正無し)のAFデータの分布と新方式に
よる補正後のAFデータの分布を示しており、補正は、
Lセンサ96のAFデータに対して行われている。
【0303】そして、図68は、図66及び図67にお
ける補正前のAFデータと、新方式及び従来方式による
補正後のAFデータに基づいてそれぞれ相関値f(n)を
算出した場合の相関値分布を示している。
【0304】図68の相関値分布から分かるように、補
正前におけるRセンサ94のAFデータとLセンサ96
のAFデータとにコントラスト差が無い場合には、従来
方式と新方式のいずれのAFデータ補正でも同じ結果を
示し、補正無しの場合に比べてRセンサ94のAFデー
タとLセンサ96のAFデータの信号量の一致度が向上
している。図69は、実際に被写体を至近から無限遠ま
での距離に配置し、その距離(横軸)に対して、オート
フォーカスにより設定される撮影レンズの設定距離(縦
軸)を、AFデータの補正を行わない場合(補正無しの
場合)、新方式によりAFデータを補正した場合、従来
方式によりAFデータを補正した場合、及び、設計値の
場合について示したものである。この図から明らかなよ
うに、補正無しの場合には、設計値とのずれを生じてい
るが、従来方式及び新方式による場合には撮影レンズの
設定距離が設計値とほぼ一致していることが分かる。以
上のことからRセンサ94とLセンサ96とにコントラ
スト差が無い場合には、従来方式と新方式のいずれのA
Fデータ補正処理でも適切な結果が得られる。
【0305】しかしながら、Rセンサ94とLセンサ9
6のうち一方のセンサが暗い場合(片側のセンサを指等
で隠してしまった場合→信号量差及びコントラスト差有
りの場合)には、新方式の方が従来方式に比べてより有
利な結果が得られる。次に、この場合における補正結果
を例示する。図70(A)、(B)は、Rセンサ94及
びLセンサ96の採用センサ(図では中央エリア)にお
ける補正前(補正無し)のAFデータの分布と従来方式
による補正後のAFデータの分布を示しており、補正
は、Rセンサ94のAFデータに対して行われている。
【0306】一方、図71(A)、(B)は、図70と
同じ補正前(補正無し)のAFデータの分布と新方式に
よる補正後のAFデータの分布を示しており、補正は、
Lセンサ96のAFデータに対して行われている。
【0307】そして、図72は、図70及び図71にお
ける補正前のAFデータ、新方式及び従来方式による補
正後のAFデータに基づいてそれぞれ相関値f(n)を算
出した場合の相関値分布を示している。
【0308】図72の相関値分布から分かるように従来
方式に比べて新方式によるAFデータ補正の方が最小極
小値が小さな値を示し、Rセンサ94のAFデータとL
センサ96のAFデータの信号量の一致度がより向上し
ている。図73は、実際に被写体を至近から無限遠まで
の距離に配置し、その距離(横軸)に対して、AFによ
り設定される撮影レンズの設定距離(縦軸)を、AFデ
ータの補正を行わない場合(補正無しの場合)、新方式
によりAFデータを補正した場合、従来方式によりAF
データを補正した場合、及び、設計値の場合について示
したものである。この図から明らかなように、補正無し
の場合及び従来方式による場合には撮影レンズの設定距
離が設計値とのずれを生じているが、新方式による場合
には、撮影レンズの設定距離が設計値とほぼ一致してい
ることが分かる。以上のことからRセンサ94とLセン
サ96とにコントラスト差が有る場合には、従来方式よ
りも新方式によるAFデータ補正処理の方が適切な結果
が得られる。従って、コントラスト差の有無に関係なく
適切な結果が得られる新方式は従来方式に比べてより好
適である。
【0309】尚、上記コントラスト補正量DLVCOM
PAやオフセット補正量DLVCOMPBを算出する際
におけるR1MAX及びR1MIN、L1MAX及びL
1MINはそれぞれRセンサ94、Lセンサ96の採用
センサにおけるAFデータの最大値及び最小値とした
が、これに限らず、Rセンサ94、Lセンサ96のAF
データを補正する範囲におけるAFデータの最大値及び
最小値としてもよい。さらに、R1MAX、R1MI
N、L1MAX、L1MINの代わりにR2MAX、R
2MIN、L2MAX、L2MINを用いてもよい。ま
た、上式(32)、(35)、(38)、(41)におけるR2MIN、
L2MINは、それぞれ最高相関が得られたRウインド
ウ94B及びLウインドウ96BにおけるAFデータの
最小値としたが、R2MIN、L2MINの代わりにA
Fデータを補正する範囲におけるAFデータの最小値を
用いてもよい。 {極小値判定処理}次に、極小値判定の処理について説
明する。上記図7ステップS16の相関値演算処理や、
図7ステップS20のL、Rチャンネル差補正処理に
は、相関値分布から相関値f(n)の極小値を検出する処
理が含まれるが、その際に、ここで説明する極小値判定
の処理により極小値が存在するか否かの判断が行われ
る。基本的に、極小値と判断される相関値は、そのシフ
ト量の両側に隣接するシフト量におけるいずれの相関値
よりも小さくなるものであり、極小値のうち最小のもの
が最小極小値となる。
【0310】ところで、被写体が測距可能な至近よりも
近距離に存在する場合、相関値の極小値は本来存在しな
い。図74は、この場合において、相関値f(n)をシフ
ト量nの最大値である38よりも更に近距離側のシフト
量まで求めたと仮定した場合の相関値分布の一例を示し
た図である。このような相関値分布においてはシフト量
n=−2〜38の範囲に極小値が存在しないため、この
採用センサでは測距不能と判定される。この判定は適切
である。
【0311】しかしながら、このように被写体が至近よ
りも近距離に存在する場合においても実際には図75や
図76に示すように極小値が存在してしまう場合があ
る。尚、図75は高コントラストの場合、図76は低コ
ントラストの場合を示している。
【0312】これに対して極小値判定の基本的判定内容
として、極小値が所定値よりも大きい場合には極小値で
ないと判定することとしているため、例えばその所定値
を1000とした場合、図75の場合には極小値は存在
せず、適切に測距不能と判定される。
【0313】一方、図76の場合には、極小値が100
0より小さい値で存在するため、上記判定内容では極小
値が存在すると判定される不具合が生じる。
【0314】そこで、本極小値判定では、次のような判
定を行い、上記不具合を解消する。被写体が測距可能な
範囲内に存在する場合、通常、相関値f(n)の最小極小
値は最小値でもある。これに対して、最小極小値のシフ
ト量よりも至近側で最小値が検出された場合には、至近
よりもさらに近距離側に被写体があると予想できる。従
って、最小極小値のシフト量よりも至近側(シフト量が
小さい程、至近側)に最小極小値より小さい相関値が存
在する場合には、近距離警告又は測距不能とする。
【0315】一方、最小極小値のシフト量よりも遠距離
側に最小値があった場合は、何らかの異常(シフト量n
=0で無限遠となるので、無限遠より更に無限遠はあり
えない)であると判断できるため、測距不能とする。 {補間値演算処理(図7ステップS22)の詳細}次
に、図7のステップS22における補間値演算処理につ
いて説明する。補間値演算処理は、各分割エリアにおい
て最高相関(最高相関値fmin)が得られたシフト量
nminに対して周辺の相関値f(n)から更に精度の高
い最高相関のシフト量を検出する処理である。尚、以下
の説明において補間値演算処理によって検出する最高相
関のシフト量を真の最高相関のシフト量といい、その値
をxで示す。
【0316】CPU60は、この補間値演算処理におい
て次のような処理を行う。図77に示すように採用セン
サにおいて最高相関(最高相関値fmin(f(nmi
n))が得られたシフト量nminに対して、−1のシ
フト量nmin−1の相関値f(nmin−1)と+1
のシフト量nmin+1の相関値f(nmin+1)と
が、次式、
【0317】
【数45】 f(nmin−1)>f(nmin+1) …(44) の関係を満たしたとする。この場合、CPU60は、シ
フト量nminとシフト量nmin−1の相関値f(n
min)及びf(nmin−1)を通る直線L1と、シ
フト量nmin+1とシフト量nmin+2の相関値f
(nmin+1)及びf(nmin+2)を通る直線L
2との交点を求める。そして、その交点を真の最高相関
のシフト量xとする。
【0318】一方、図78に示すように最高相関が得ら
れたシフト量nminに対して−1のシフト量nmin
−1の相関値f(nmin−1)と+1のシフト量nm
in+1の相関値f(nmin+1)とが、次式、
【0319】
【数46】 f(nmin−1)≦f(nmin+1) …(45) の関係を満たしたとする。この場合、CPU60は、シ
フト量nmin−1とシフト量nmin−2の相関値f
(nmin−1)及びf(nmin−2)を通る直線L
1と、シフト量nminとシフト量nmin+1の相関
値f(nmin)及びf(nmin+1)を通る直線L
2との交点を求める。そして、その交点を真の最高相関
のシフト量xとする。
【0320】ただし、図79に示すようにシフト量nの
最小値(シフト量n=−2)が相関値f(n)の最小値、
又は、図80に示すようにシフト量nの最大値(シフト
量n=38)が相関値f(n)の最小値であった場合、こ
れらの最小値は極小値とはならないため、シフト量nの
最小値(シフト量n=−2)又は最大値(シフト量n=
38)を最高相関のシフト量nminとして補間値演算
を行う場合はない。この場合には測距不能となる。
【0321】また、図81(A)、(B)に示すように
シフト量nの最小値(シフト量n=−2)に対して+1
のシフト量(シフト量n=−1)が最高相関のシフト量
nminであった場合において、図81(A)のように
上式(44)の関係が成り立つ場合(図77の場合)には、
補間値演算を行うことができる。しかし、図81(B)
のように上式(45)の関係が成り立つ場合(図78の場
合)には、上記直線L1が定まらないため補間値演算を
行うことなく測距不能とする。
【0322】また、図82(A)、(B)に示すように
シフト量nの最大値−1(シフト量n=37)が最高相
関のシフト量nminであった場合において、図82
(B)のように上式(45)の関係が成り立つ場合(図78
の場合)には、補間値演算を行うことができる。しか
し、図82(A)のように上式(44)の関係が成り立つ場
合(図77の場合)には、上記直線L2が定まらないた
め補間値演算を行うことなく測距不能とする。
【0323】以上の処理は、原則的な処理であり、次の
場合には他の処理により真の最高相関のシフト量xを求
める。例えば、最高相関が得られたシフト量nminに
対して、±2の範囲のシフト量nmin−2、nmin
−1、nmin+1、nmin+2の相関値f(n)を比
較した場合に、シフト量nminを含めて連続する3点
のシフト量nのみで相関値f(n)が近い値を示したとす
る。この場合には、その3点の中央点における相関値が
シフトしていると考えられる。
【0324】そこで、この場合には、上述の補間値演算
処理の代わりに、次に説明する補間値演算処理により真
の最高相関のシフト量xを検出する。尚、上述した補間
値演算処理を補間値通常演算処理といい、以下で説明す
る補間値演算処理を補間値別演算処理という。また、相
関値f(n)が近い値か否かの具体的判断については後述
する。
【0325】上述のように連続する3点のシフト量nに
おいてのみ相関値f(n)が近い値を示す場合、その3点
のシフト量nのうち中央点の相関値が、本来、最高相関
値fminとして検出されるべきものであったと考えら
れる。そこで、CPU60は、3点のシフト量nのうち
最小のシフト量nsと、そのシフト量nsに対して−1
のシフト量ns−1との相関値f(ns)及びf(ns−
1)を通る直線L1と、3点のシフト量nのうち最大の
シフト量nlとそのシフト量nlに対して+1のシフト
量nl+1との相関値f(nl)及びf(nl+1)を通る
直線L2との交点を求める。そして、その交点を真の最
高相関のシフト量xとする。
【0326】例えば、図83に示すように最高相関のシ
フト量nminが0で検出され、最高相関値f(0)とそ
のシフト量nminに対して+1と+2のシフト量1、
2における相関値f(1)、f(2)が近い値になったとす
る。この場合、シフト量n=−1と0の相関値を通る直
線L1と、シフト量n=2と3の相関値を通る直線L2
との交点を求め、その交点をシフト量xとする。尚、こ
の例のように最高相関のシフト量nminに対して+1
と+2のシフト量における相関値が最高相関値に近い値
となった場合の処理を処理タイプ1という。
【0327】また、図84に示すように最高相関のシフ
ト量nminが0で検出され、最高相関値f(0)とその
シフト量nminに対して−1と+1のシフト量−1、
1における相関値f(−1)、f(1)が近い値になったと
する。この場合、シフト量n=−2と−1の相関値を通
る直線L1と、シフト量n=1と2の相関値を通る直線
L2との交点を求め、その交点をシフト量xとする。
尚、この例のように最高相関のシフト量nminに対し
て−1と+1のシフト量における相関値が最高相関値に
近い値となった場合の処理を処理タイプ2という。
【0328】また、図85に示すように最高相関のシフ
ト量nminが0で検出され、最高相関値f(0)とその
シフト量nminに対して−2と−1のシフト量−2、
−1における相関値f(−2)、f(−1)が近い値になっ
たとする。この場合、シフト量n=−3と−2の相関値
を通る直線L1と、シフト量n=0と1の相関値を通る
直線L2との交点を求め、その交点をシフト量xとす
る。尚、この例のように最高相関のシフト量nminに
対して−2と−1のシフト量において相関値が最高相関
値に近い値となった場合の処理を処理タイプ3という。
【0329】図86は、補間値演算処理において上記補
間値通常演算及び補間値別演算の処理タイプ1〜3を判
別する手順を示したフローチャートである。まず、CP
U60は、最高相関値f(nmin)と、最高相関のシフ
ト量nminに対して+1のシフト量nmin+1にお
ける相関値f(nmin+1)との相関値差f(nmin
+1)−f(nmin)が基準値R7に対して、次式、
【0330】
【数47】 f(nmin+1)−f(nmin)<R7 を満たすか否かを判定する(ステップS400)。尚、
基準値R7は、2つの相関値が近い値であると判定でき
る上限値である。もし、NOと判定した場合には、次
に、最高相関値f(nmin)と、シフト量nminに対
して−1のシフト量nmin−1における相関値f(n
min−1)との相関値差f(nmin−1)−f(nmi
n)が基準値R7に対して、次式、
【0331】
【数48】 f(nmin−1)−f(nmin)<R7 を満たすか否かを判定する(ステップS402)。も
し、この判定処理においてもNOと判定した場合には、
補間値通常演算処理を行い(ステップS432)、真の
最高相関のシフト量xを検出してこの補間値演算処理を
終了する。
【0332】一方、ステップS402においてYESと
判定した場合、次に、最高相関のシフト量nminに対
して−3のシフト量nmin−3における相関値f(n
min−3)が存在するか否かを判定する(ステップS
404)。NOと判定した場合には、補間値通常演算処
理を行う(ステップS432)。一方、YESと判定し
た場合には、シフト量nmin−1における相関値f
(nmin−1)と、シフト量nmin−2における相関
値f(nmin−2)との相関値差f(nmin−2)−f
(nmin−1)が基準値R7に対して、次式、
【0333】
【数49】 f(nmin−2)−f(nmin−1)<R7 を満たすか否かを判定する(ステップS406)。も
し、この判定処理においてNOと判定した場合には、補
間値通常演算処理を行う(ステップS432)。一方、
YESと判定した場合には、シフト量nmin−2にお
ける相関値f(nmin−2)とシフト量nmin−3に
おける相関値f(nmin−3)との相関値差f(nmi
n−3)−f(nmin−2)が基準値R7に対して、次
式、
【0334】
【数50】 f(nmin−3)−f(nmin−2)<R7 を満たすか否かを判定する(ステップS408)。も
し、この判定処理においてYESと判定した場合には、
補間値通常演算処理を行う(ステップS432)。一
方、NOと判定した場合には、シフト量nmin+1に
おける相関値f(nmin+1)とシフト量nmin−2
における相関値f(nmin−2)との相関値差f(nm
in+1)−f(nmin−2)が基準値R7に対して、
次式、
【0335】
【数51】 f(nmin+1)−f(nmin−2)<R7 を満たすか否かを判定する(ステップS410)。も
し、この判定処理においてNOと判定した場合には、処
理タイプ3の補間値別演算処理を行う(ステップS41
2)。即ち、図85に示したように相関値f(nmin
−1)付近に極小値(真の最高相関値)が存在すると想
定し、相関値f(nmin−3)、f(nmin−2)、f
(nmin)、f(nmin+1)に基づいてシフト量xを
求める。
【0336】一方、ステップS410においてYESと
判定した場合には、処理タイプ2の補間値別演算処理を
行う(ステップS420)。即ち、図84に示したよう
に相関値f(nmin)付近に極小値(真の最高相関値)
が存在すると想定し、相関値f(nmin−2)、f(n
min−1)、f(nmin+1)、f(nmin+2)に
基づいてシフト量xを求める。
【0337】上記ステップS400においてYESと判
定した場合には、CPU60は、最高相関値f(nmi
n)と、最高相関のシフト量nminに対して−1のシ
フト量nmin−1における相関値差f(nmin−1)
との相関値差f(nmin−1)−f(nmin)が基準値
R7に対して、次式、
【0338】
【数52】f(nmin−1)−f(nmin)<R7 を満たすか否かを判定する(ステップS414)。YE
Sと判定した場合、次に、シフト量nmin−1におけ
る相関値f(nmin−1)と、シフト量nmin−2に
おける相関値f(nmin−2)との相関値差f(nmi
n−2)−f(nmin−1)が基準値R7に対して、次
式、
【0339】
【数53】 f(nmin−2)−f(nmin−1)<R7 を満たすか否かを判定する(ステップS416)。も
し、この判定処理においてYESと判定した場合には、
補間値通常演算処理を行う(ステップS432)。一
方、NOと判定した場合には、次に、シフト量nmin
+1における相関値f(nmin+1)と、シフト量nm
in+2における相関値f(nmin+2)との相関値差
f(nmin+2)−f(nmin+1)が基準値R7に対
して、次式、
【0340】
【数54】 f(nmin+2)−f(nmin+1)<R7 を満たすか否かを判定する(ステップS418)。も
し、この判定処理においてYESと判定した場合には、
補間値通常演算処理を行う(ステップS432)。一
方、NOと判定した場合には、処理タイプ2の補間値別
演算処理を行う(ステップS420)。
【0341】上記ステップS414においてNOと判定
した場合、CPU60は、最高相関のシフト量nmin
に対して−3のシフト量nmin−3における相関値f
(nmin−3)が存在するか否かを判定する(ステップ
S422)。NOと判定した場合には、補間値通常演算
処理を行う(ステップS432)。一方、YESと判定
した場合には、シフト量nmin+1における相関値f
(nmin+1)と、シフト量nmin+2における相関
値f(nmin+2)との相関値差f(nmin+2)−f
(nmin+1)が基準値R7に対して、次式、
【0342】
【数55】 f(nmin+2)−f(nmin+1)<R7 を満たすか否かを判定する(ステップS424)。NO
と判定した場合には、補間値通常演算処理を行う(ステ
ップS432)。一方、YESと判定した場合には、シ
フト量nmin+2における相関値f(nmin+2)
と、シフト量nmin+3における相関値f(nmin
+3)との相関値差f(nmin+3)−f(nmin+
2)が基準値R7に対して、次式、
【0343】
【数56】 f(nmin+3)−f(nmin+2)<R7 を満たすか否かを判定する(ステップS426)。も
し、YESと判定した場合には、補間値通常演算処理を
行う(ステップS432)。一方、NOと判定した場合
には、次に、シフト量nmin−1における相関値f
(nmin−2)と、シフト量nmin+2における相関
値f(nmin+2)との相関値差f(nmin−1)−f
(nmin+2)が基準値R7に対して、次式、
【0344】
【数57】 f(nmin−1)−f(nmin+2)<R7 を満たすか否かを判定する(ステップS428)。も
し、NOと判定した場合には、処理タイプ2の補間値別
演算処理を行う(ステップS420)。一方、YESと
判定した場合には、処理タイプ1の補間値別演算処理を
行う(ステップS430)。即ち、図83に示したよう
に相関値f(nmin+1)付近に極小値(真の最高相関
値)が存在すると想定し、相関値f(nmin−1)、f
(nmin)、f(nmin+2)、f(nmin+3)に基
づいてシフト量xを求める。 {AFエラー処理(図7ステップS24)の詳細}次
に、図7のステップS24におけるAFエラー処理につ
いて説明する。AFエラー処理は、測距エリア設定処理
(図7ステップS10参照)において3エリア設定又は
5エリア設定された測距エリアの全ての分割エリアで測
距不能と判定されると、予め設定した被写体距離にピン
トを合わせるように撮影レンズを固定焦点にセットする
処理である。尚、撮影レンズを固定焦点にセットするC
PU60の処理を固定焦点処理といい、以下、この固定
焦点処理について説明する。
【0345】測距エリアの全ての分割エリアで測距不能
と判定された場合、CPU60は測距不能と判定された
原因やフイルム感度等に応じて図87及び図88のフロ
ーチャートに示すように予め決められた固定焦点に撮影
レンズを設定する。
【0346】まず、CPU60は、測距エリアの全ての
分割エリアにおいて測距不能と判定された場合、AFプ
レ発光を行ったか否かを判定する(ステップS45
0)。NOと判定した場合には、センサ感度を高感度と
低感度のいずれに設定していたかを判定する(ステップ
S452)。低感度に設定していたと判定した場合に
は、撮影レンズを固定焦点6mに設定する(ステップS
454)。一方、ステップS452においてセンサ感度
を高感度に設定していたと判定した場合には、図88の
フローチャートに移行し、フイルム感度がISO400
未満かISO400以上かを判定する(ステップS46
4)。ISO400未満と判定した場合には、撮影レン
ズを固定焦点3mに設定する(ステップS466)。一
方、ISO400以上と判定した場合には、撮影レンズ
を固定焦点6mに設定する(ステップS468)。
【0347】上記ステップS450においてYESと判
定した場合、CPU60は、次に測距エリアが5エリア
設定か3エリア設定かを判定する(ステップS45
6)。5エリア設定と判定した場合には、それら全ての
分割エリアにおいて測距不能と判定された原因が信号量
不足(被写体が暗いこと)であったか否かを判定する
(ステップS458)。YESと判定した場合には、撮
影レンズを無限遠位置に設定する(ステップS46
0)。一方、NOと判定した場合には、上記図88のフ
ローチャートの処理に移行し、フイルム感度に応じた固
定焦点に撮影レンズを設定する(詳細は省略)。
【0348】上記ステップS456において3エリア設
定と判定した場合も5エリア設定の場合と同様にそれら
全ての分割エリアにおいて測距不能と判定された原因が
信号量不足であったか否かを判定する(ステップS46
2)。YESと判定した場合には、撮影レンズを無限遠
位置に設定する(ステップS460)。一方、NOと判
定した場合には、上記図88のフローチャートの処理に
移行し、フイルム感度に応じた固定焦点に撮影レンズを
設定する(詳細は省略)。 {エリア選択処理(図7ステップS28)の詳細}次
に、図7のステップS28におけるエリア選択処理につ
いて説明する。エリア選択処理は、測距エリアの各分割
エリアごとに算出された被写体距離のうち、どの分割エ
リアの被写体距離を撮影レンズのピント合わせに採用す
るかを選択する処理である。原則的には、測距不能と判
定された分割エリア以外の分割エリアで算出された被写
体距離のうち最も近いものが採用される。尚、各分割エ
リアにおける被写体距離は、図7のステップS22にお
ける補間値演算処理により求められた真の最高相関のシ
フト量xに基づいて、図7のステップS26における距
離算出処理により求められる。
【0349】一方、例外として、他の分割エリアと比較
して左エリア又は右エリアのいずれか一方の被写体距離
だけが極めて近距離となった場合には、その被写体距離
は採用せず、他の分割エリアの被写体距離のうち最も近
いものを採用する。
【0350】具体的に説明すると、被写体距離を超至近
距離、近距離、中距離以遠の3区分に分割する基準値
1、2を予め設定しておく。尚、基準値1は例えば50
cm(近距離警告が発生する距離)、基準値2は例えば
4mに設定される。今、測距エリアが5エリア設定とな
っている場合において、中央エリア、左中エリア、左エ
リア、右中エリア、右エリアのそれぞれにおいて被写体
距離が算出されたとする。そして、左エリア又は右エリ
アのいずれか一方のみの被写体距離が基準値1より近い
超至近距離となり、それ以外の分割エリア(左エリアと
右エリアのうち被写体距離が超至近距離でない方の分割
エリアも含む)の被写体距離が基準値2よりも遠い中距
離以遠となったとする。この場合、超至近距離となった
左エリア又は右エリアの被写体距離を採用せず、それ以
外の分割エリアの被写体距離のうち最も近いものを採用
する。もし、超至近距離となった左エリア又は右エリア
以外の分割エリアにおいて1つでも超至近距離、又は、
近距離となった被写体距離がある場合には、原則通り、
全ての分割エリアの被写体距離のうち最も近い被写体距
離を採用する。
【0351】具体例を挙げると、各分割エリアごとの被
写体距離が、図89(A)に示すように左エリアの被写
体距離のみが基準値1より近い超至近距離となり、それ
以外の分割エリアでは基準値2よりも遠い中距離以遠に
なったとする。この場合、左エリア以外の分割エリアで
得られた被写体距離のうち最も近い中央エリアの被写体
距離を採用する。
【0352】一方、図89(B)に示すように左エリア
の被写体距離が基準値1より近い超至近距離となり、中
央エリアの被写体距離が基準値1より遠く、基準値2よ
り近い近距離となり、それ以外の分割エリアの被写体距
離が基準値2よりも遠い中距離以遠になったとする。こ
の場合には、原則通り、最も近距離にある左エリアの被
写体距離を採用する。図89(C)に示すように左エリ
アの被写体距離が基準値1よりも遠く、基準値2より近
い近距離となり、それ以外の分割エリアの被写体距離が
基準値2よりも遠い中距離以遠になったとする。この場
合にも原則通り、最も近距離にある左エリアの被写体距
離を採用する。
【0353】右エリアに関しても全く同様であり、図8
9(D)に示すように右エリアの被写体距離のみが基準
値1より近い超至近距離となり、それ以外の分割エリア
では基準値2よりも遠い中距離以遠になったとする。こ
の場合、右エリア以外の分割エリアで得られた被写体距
離のうち最も近い左エリアの被写体距離を採用する。
【0354】一方、図89(E)に示すように右エリア
の被写体距離が基準値1より近い超至近距離となり、左
エリアの被写体距離が基準値1より遠く、基準値2より
近い近距離となり、それ以外の分割エリアの被写体距離
が基準値2よりも遠い中距離以遠になったとする。この
場合には、原則通り、全ての分割エリアの被写体距離の
うち最も近距離にある右エリアの被写体距離を採用す
る。
【0355】また、図89(F)に示すように右エリア
の被写体距離が基準値1よりも遠く、基準値2より近い
近距離となり、それ以外の分割エリアの被写体距離が基
準値2よりも遠い中距離以遠になったとする。この場合
にも原則通り、全ての分割エリアの被写体距離のうち最
も近距離にある右エリアの被写体距離を採用する。
【0356】以上の例外的処理は、測距エリアが3エリ
ア設定の場合にも同様に適用できる。即ち、3エリア設
定の場合に測距エリアを構成する中央エリア、右中エリ
ア、左中エリアのうち両端の右中エリア又は左中エリア
のいずれか一方のみで被写体距離が超至近距離となり、
それ以外の分割エリアで被写体距離が中距離以遠になっ
た場合には、超至近距離以外の被写体距離のうち最も近
い被写体距離を採用するようにしてもよい。
【0357】以上、上記実施の形態は、AFセンサ74
よりセンサデータを出力し、CPU60によりAFデー
タに変換し、相関値演算処理を実施する形態であった
が、これに限らず、AFセンサ74において、センサデ
ータをAFデータに変換した後、AFデータを出力し、
CPU60にて相関値演算処理を実施する形態、及び、
AFセンサ74において、センサデータをAFデータに
変換し、相関値演算処理を実施した後,CPU60へ距
離信号を出力する形態であってもよい。
【0358】また、上記実施の形態は、外光パッシブ方
式の測距装置を例としたものであるが、本発明は、TT
Lのパッシブ位相差方式等にも適用できる。
【0359】更に、上記実施の形態におけるカメラの測
距装置は、カメラに限らず他の用途に使用される測距装
置にも適用できる。
【0360】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る測距装
置によれば、AFセンサの一対のラインセンサにより撮
像した各センサ像のコントラストを示すAFデータの生
成と、AFデータを使用した測距演算を演算処理回路
(CPU)により行うことで、回路の簡素化を図ること
ができ、また、AFセンサからセンサデータを順次取得
しながら、AFデータを順次生成することにより、AF
データの生成のための処理時間を大幅に削減することが
でき、測距時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明が適用されたカメラの正面斜視
図である。
【図2】図2は、本発明が適用されたカメラの背面斜視
図である。
【図3】図3は、本発明が適用されたカメラの制御部を
示したブロック図である。
【図4】図4は、パッシブ方式によるAFセンサの構成
を示した図である。
【図5】図5、AFセンサから被写体までの距離が近い
場合のセンサ像(AFデータ)を例示した図である。
【図6】図6は、AFセンサから被写体までの距離が遠
い場合のセンサ像(AFデータ)を例示した図である。
【図7】図7は、CPUにおけるAF測距の処理手順の
概要を示すフローチャートである。
【図8】図8は、Rセンサ及びLセンサのセンサ領域に
おける分割エリアを示した図である。
【図9】図9は、測距エリア設定処理の手順を示したフ
ローチャートである。
【図10】図10は、3エリア設定と5エリア設定の測
距エリアを示した図である。
【図11】図11は、測距エリアを分けて個別に積分処
理を行う場合の効果の説明に使用した説明図である。
【図12】図12は、相関値演算の説明に使用した説明
図である。
【図13】図13は、AFデータ取得処理において設定
されるピーク選択領域の態様を示した図である。
【図14】図14は、AFデータ取得処理の手順を示し
たフローチャートである。
【図15】図15は、3分割ゲイン高積分の処理手順を
示したフローチャートである。
【図16】図16は、CPUとAFセンサとの間の信号
ラインを示した図である。
【図17】図17は、CPUとAFセンサとの信号送受
信に関する動作タイミングを示した動作タイミングチャ
ートである。
【図18】図18は、ピーク選択領域設定データの説明
に使用した説明図である。
【図19】図19は、ピーク選択領域設定データの説明
に使用した説明図である。
【図20】図20は、ピーク選択領域数データの説明に
使用した説明図である。
【図21】図21は、ピーク選択領域設定データの生成
手順の説明に使用した説明図である。
【図22】図22は、ピーク選択領域設定データの生成
手順の説明に使用した説明図である。
【図23】図23は、ピーク選択領域設定データの生成
手順の説明に使用した説明図である。
【図24】図24は、ピーク選択領域設定データ及びピ
ーク選択領域数データを示した説明図である。
【図25】図25は、/AFEND信号が正常に出力さ
れない場合の出力形態を示した図である。
【図26】図26は、被写体が明るい場合と暗い場合に
おける/AFEND信号とMDATA信号の状態を例示
した図である。
【図27】図27は、AFデータの読出し処理の説明に
使用した説明図である。
【図28】図28は、2画素差分データについて従来方
式と新方式との説明に使用した説明図である。
【図29】図29は、従来方式と新方式とで得た2画素
差分データ(AFデータ)を例示した図である。
【図30】図30は、相関値演算の実行時(実行中)に
おいてAFデータを生成する場合における相関値演算の
処理手順を示したフローチャートである。
【図31】図31は、相関値演算の実行前において予め
AFデータを生成してRAMに格納しておいた場合にお
ける相関値演算の処理手順を示したフローチャートであ
る。
【図32】図32は、相関値演算の実行時(実行中)に
おいてAFデータを生成する場合のデータの流れを示し
た図である。
【図33】図33は、相関値演算の実行前において予め
AFデータを生成してRAMに格納しておく場合のデー
タの流れを示した図である。
【図34】図34は、従来方式におけるセンサデータの
読出し処理を示したフローチャートである。
【図35】図35は、従来方式におけるセンサデータの
読出し時のAFCLK信号及びAFDATAP信号を示
したタイミングチャートである。
【図36】図36は、新方式(本発明)におけるセンサ
データの読出し処理を示したフローチャートである。
【図37】図37は、新方式(本発明)におけるセンサ
データの読出し時のAFCLK信号及びAFDATAP
信号を示したタイミングチャートである。
【図38】図38は、新方式(本発明)と従来方式との
測距時間を比較して示した図である。
【図39】図39は、極小値判断処理の説明に使用した
説明図である。
【図40】図40は、極小値判断処理の説明に使用した
説明図である。
【図41】図41は、i3つおき演算におけるRウイン
ドウ94B及びLウインドウ96B内の採用セルのセル
位置iを示した図である。
【図42】図42は、通常演算により算出された相関値
分布の例を示した図である。
【図43】図43は、i3つおき演算により算出された
相関値分布の例を示した図である。
【図44】図44は、i3つおき演算における再演算範
囲を示した図である。
【図45】図45は、i3つおき演算により検出された
暫定最小極小値が近距離警告範囲内であった場合の相関
値分布の例を示した図である。
【図46】図46は、通常演算により複数の極小値が検
出される場合の相関値分布の例を示した図である。
【図47】図47は、図46と同じAFデータに基づい
てi3つおき演算を行った場合に得られる相関値分布を
示した図である。
【図48】図48は、図47の相関値分布に対して再演
算を行った結果を示した図である。
【図49】図49は、不足分再演算処理の処理手順を示
したフローチャートである。
【図50】図50(A)、(B)は、2画素差分演算に
より得たRセンサとLセンサのAFデータのうち、シフ
ト量n=0におけるi3つおき演算で使用するAFデー
タを例示した図である。
【図51】図51は、図50(A)、(B)のAFデー
タの例でi3つおき演算を行って相関値f(n)を算出し
た結果を示した図である。
【図52】図52は、図50(A)、(B)のAFデー
タの例で通常演算を行って相関値f(n)を算出した結果
を示した図である。
【図53】図53は、図50のようなセンサデータの態
様が実測で得られた場合にi3つおき演算で求めた相関
値f(n)を示した図である。
【図54】図54は、n3つおき演算における採用シフ
ト量nの例を示した説明図である。
【図55】図55は、n3つおき演算における採用シフ
ト量nのとり方に関する説明に使用した説明図である。
【図56】図56は、n3つおき演算における採用シフ
ト量nのとり方に関する説明に使用した説明図である。
【図57】図57は、n3つおき演算における採用シフ
ト量nのとり方に関する説明に使用した説明図である。
【図58】図58は、図56に示したn3つおき演算に
おける再演算範囲の例を示した図である。
【図59】図59は、コントラスト検出処理1とコント
ラスト検出処理2による一連のコントラスト検出処理の
全体手順を示したフローチャートである。
【図60】図60は、コントラスト検出処理により測距
不能と判定される場合のAFデータ及び相関値分布の例
を示した図である。
【図61】図61は、コントラスト検出処理により測距
不能と判定される場合のAFデータ及び相関値分布の例
を示した図である。
【図62】図62は、CPUにおけるL、Rチャンネル
差補正処理の手順を示したフローチャートである。
【図63】図63は、AFデータの補正をRセンサのA
FデータとLセンサのAFデータの信号量差を補正して
行う場合の処理手順を示したフローチャートである。
【図64】図64は、L、Rチャンネル差補正処理によ
る効果の説明に使用した説明図である。
【図65】図65は、L、Rチャンネル差補正処理にお
けるAFデータの補正を信号量差及びコントラスト比を
補正して行うAFデータ補正処理の処理手順を示したフ
ローチャートである。
【図66】図66は、図65におけるAFデータ補正処
理の効果の説明に使用した説明図である。
【図67】図67は、図65におけるAFデータ補正処
理の効果の説明に使用した説明図である。
【図68】図68は、図65におけるAFデータ補正処
理の効果の説明に使用した説明図である。
【図69】図69は、図65におけるAFデータ補正処
理の効果の説明に使用した説明図である。
【図70】図70は、図65におけるAFデータ補正処
理の効果の説明に使用した説明図である。
【図71】図71は、図65におけるAFデータ補正処
理の効果の説明に使用した説明図である。
【図72】図72は、図65におけるAFデータ補正処
理の効果の説明に使用した説明図である。
【図73】図73は、図65におけるAFデータ補正処
理の効果の説明に使用した説明図である。
【図74】図74は、極小値判定の処理の説明に使用し
た説明図である。
【図75】図75は、極小値判定の処理の説明に使用し
た説明図である。
【図76】図76は、極小値判定の処理の説明に使用し
た説明図である。
【図77】図77は、補間値演算処理の説明に使用した
説明図である。
【図78】図78は、補間値演算処理の説明に使用した
説明図である。
【図79】図79は、補間値演算処理の説明に使用した
説明図である。
【図80】図80は、補間値演算処理の説明に使用した
説明図である。
【図81】図81は、補間値演算処理の説明に使用した
説明図である。
【図82】図82は、補間値演算処理の説明に使用した
説明図である。
【図83】図83は、補間値別演算処理の説明に使用し
た説明図である。
【図84】図84は、補間値別演算処理の説明に使用し
た説明図である。
【図85】図85は、補間値別演算処理の説明に使用し
た説明図である。
【図86】図86は、補間値演算処理において補間値通
常演算及び補間値別演算の処理タイプ1〜3を判別する
手順を示したフローチャートである。
【図87】図87は、固定焦点処理の手順を示したフロ
ーチャートである。
【図88】図88は、固定焦点処理の手順を示したフロ
ーチャートである。
【図89】図89は、エリア選択処理の説明に使用した
説明図である。
【符号の説明】
10…カメラ、34…シャッタボタン、60…CPU、
72…ストロボ装置、74…AFセンサ、94…Rセン
サ、96…Lセンサ、99…処理回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F112 AC03 BA05 BA11 CA02 FA03 FA07 FA29 FA31 FA45 GA01 2H011 BA33 BB03 2H051 BA44 BB38 CE16 DA22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の受光素子からなる一対のラインセン
    サに測距対象物からの光を結像させ、各受光素子から得
    られた信号を各受光素子ごとに積分して一対のセンサデ
    ータを生成するAFセンサと、 前記AFセンサによって生成された一対のセンサデータ
    を前記AFセンサから取得し、該取得した一対のセンサ
    データに基づいて前記ラインセンサにより撮像したセン
    サ像のコントラストを示す測距演算用の一対のAFデー
    タを生成すると共に、該AFデータに基づいて測距対象
    物の距離を算出する演算処理回路と、を備えた測距装置
    において、 前記演算処理回路は、前記測距演算を開始する前に前記
    AFデータを生成し、該生成したAFデータをメモリに
    格納しておくと共に、前記測距演算の実行時には、前記
    メモリに格納したAFデータを使用することを特徴とす
    る測距装置。
  2. 【請求項2】前記演算処理回路は、前記AFセンサから
    各セルのセンサデータを順次取得しながら、取得したセ
    ルのセンサデータにより生成可能なAFデータを順次生
    成することを特徴とする請求項1の測距装置。
  3. 【請求項3】前記演算処理回路は、前記AFセンサから
    順次取得したセンサデータを一時的にメモリに格納し、
    該メモリに格納したセンサデータに基づいてAFデータ
    を生成すると、該生成したAFデータ以外のAFデータ
    の生成に不要なセンサデータが格納されていたメモリに
    前記AFセンサから新たに取得したセンサデータを格納
    することを特徴とする請求項2の測距装置。
  4. 【請求項4】複数の受光素子からなる一対のラインセン
    サに測距対象物からの光を結像させ、各受光素子から得
    られた信号を各受光素子ごとに積分して一対のセンサデ
    ータを生成するAFセンサと、 前記AFセンサによって生成された一対のセンサデータ
    を前記AFセンサから取得し、該取得した一対のセンサ
    データに基づいて前記ラインセンサにより撮像したセン
    サ像のコントラストを示す測距演算用の一対のAFデー
    タを生成すると共に、該AFデータに基づいて測距対象
    物の距離を算出する演算処理回路と、を備えた測距装置
    において、 前記演算処理回路は、前記AFセンサから順次取得した
    センサデータを一時的にメモリに格納し、該メモリに格
    納したセンサデータに基づいてAFデータを生成する
    と、該生成したAFデータ以外のAFデータの生成に不
    要なセンサデータが格納されていたメモリに、該生成し
    たAFデータ以外のAFデータを生成するために必要な
    センサデータを格納することを特徴とする測距装置。
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