JP2003231366A - 中間転写媒体 - Google Patents

中間転写媒体

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JP2003231366A
JP2003231366A JP2002029266A JP2002029266A JP2003231366A JP 2003231366 A JP2003231366 A JP 2003231366A JP 2002029266 A JP2002029266 A JP 2002029266A JP 2002029266 A JP2002029266 A JP 2002029266A JP 2003231366 A JP2003231366 A JP 2003231366A
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ultraviolet
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JP2002029266A
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Keiichi Akiyama
恵一 秋山
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Alps Alpine Co Ltd
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、インクリボンのインク層を中間転
写記録した1次画像を、再転写記録媒体に再転写して記
録した2次画像の機械的強度等を向上することができる
中間転写媒体を提供すること。 【解決手段】 本発明の中間転写媒体1は、基材1a
と、この基材1aの一方の面に形成した樹脂皮膜1bと
を備え、この樹脂皮膜1bは、少なくとも紫外線反応性
樹脂と光開始剤を主成分とする紫外線反応層からなり、
基材1aは200〜500nmの波長の紫外線を透過可
能となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中間転写媒体に係
わり、特にインクリボンのインクを一旦中間転写して一
次画像を形成し、この一次画像を、カード等の再転写記
録媒体に再転写することが可能な中間転写媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、ワープロ、ファクシミリ、コ
ンピュータ等の情報処理装置の出力用端末機器として、
静寂性、低コスト性、高信頼性等の観点から、インクリ
ボンのインクを一旦中間転写媒体に熱転写により中間転
写して1次画像を形成し、この1次画像をカード等の再
転写記録媒体に再転写して2次画像を記録する中間転写
記録方法がある。
【0003】前述したような中間転写記録方法に用いら
れている従来の中間転写媒体31は、フィルム状に形成
され、その断面形状は、図7に示すように、樹脂フィル
ム等からなる厚さが略50μmの基材31aを有し、こ
の基材31の一方の面に、基材31に対して離型性の良
い熱可塑性の樹脂被膜31bが形成されている。前記樹
脂皮膜31bは、低融点ワックス、あるいは熱可塑性樹
脂を主成分とし、各種の可塑剤、分散剤、酸化防止剤等
が微量添加されている。
【0004】また、基材31aの他方の面には、中間転
写媒体31の搬送の安定化、あるいは巻き取り時の樹脂
皮膜31bとの融着防止等の目的で、潤滑剤等からなる
背面処理層31cが塗布形成されている。また、中間転
写媒体31の樹脂皮膜31b上に1次画像を中間転写す
るためのインクリボン(図示せず)は、表面に低融点ワ
ックス等の熱可塑性物質や熱可塑性樹脂を主成分とする
インク層が形成され、このインク層は、着色剤として各
種顔料および各種の可塑剤、分散剤、酸化防止剤等を微
量添加することにより構成されている。
【0005】前述したような従来の中間転写媒体31を
用いて、プラスチックカード等の再転写記録媒体(図示
せず)にインクリボンのインク層を再転写して2次画像
を記録するには、まず中間転写記録装置(図示せず)の
サーマルヘッドにより、インクリボンのインク層を熱軟
化溶融させて、中間転写媒体31の樹脂皮膜31b上に
所望の1次画像32を中間転写記録する。次に、1次画
像32が形成された部分の中間転写媒体31を、カード
等の再転写記録媒体上に搬送して位置させ、中間転写媒
体31の背面処理層31c側から、所定の温度に加熱し
たヒートローラ(図示せず)を圧接する。
【0006】すると、ヒートローラの熱が、基材31a
を介して1次画像32および樹脂皮膜31bに伝達され
て、1次画像32および樹脂皮膜31bが熱軟化溶融す
る。この熱軟化溶融した樹脂被膜31b、および1次画
像32は、ヒートローラの圧接圧で、図8に示すよう
に、中間転写媒体31が再転写記録媒体41に密着す
る。その後、再転写記録媒体41をヒートローラから離
れる方向に搬送すると、1次画像32および樹脂皮膜3
1bは、温度低下して硬化する。そして、中間転写媒体
31の基材31aを、再転写記録媒体41から剥離する
と、再転写記録媒体41に樹脂被膜31bで覆われた2
次画像42が再転写記録される。
【0007】このような従来の中間転写媒体31に中間
転写した1次画像32を、再転写記録媒体41に再転写
して2次画像42を記録する中間転写記録方法は、通常
のプリンタでは印刷が難しかったプラスティックカー
ド、あるいは印刷面が湾曲した再転写記録媒体41に、
高品質な2次画像を再転写して記録することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の中間転
写媒体31により、カード等の再転写記録媒体42に再
転写して2次画像42上を覆う樹脂被膜31bは、熱可
塑性樹脂からなっているので、高温環境に放置すると、
樹脂被膜31bが溶融すると共に、樹脂被膜31に覆わ
れた2次画像42も溶融して、2次画像42が変形した
り、消失するおそれがあった。
【0009】また、樹脂被膜31bの主成分である熱可
塑性樹脂は、熱軟化溶融していない固体の状態でも一般
的に機械的強度が低く、カード等の再転写記録媒体42
に再転写した2次画像42、および樹脂被膜31bに、
高い耐磨耗性を得ることは困難であった。そのために、
再転写記録媒体41に再転写した2次画像42上の樹脂
皮膜31bを繰り返し手で擦ったり、あるいは複数の再
転写記録媒体41を重ね合わせた状態で振動させたりす
ると、2次画像42が削り取られたりして、判読できな
くなったり消失したりするおそれがあった。本発明は前
述したような問題点に鑑みてなされたもので、インクリ
ボンのインク層を中間転写記録した1次画像を、再転写
記録媒体に再転写記録した2次画像の機械的強度等を向
上することができる中間転写媒体を提供することを目的
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の解決手段として本発明の中間転写媒体は、基材
と、この基材の一方の面に形成した樹脂皮膜とを備え、
この樹脂皮膜は、少なくとも紫外線反応性樹脂と光開始
剤を主成分とする紫外線反応層からなり、前記基材は2
00〜500nmの波長の紫外線を透過可能とした構成
とした。
【0011】また、前記課題を解決するための第2の解
決手段として、前記樹脂皮膜は、前記基材と前記紫外線
反応層との間に熱可塑性樹脂からなる離型層を形成した
構成とした。
【0012】また、前記課題を解決するための第3の解
決手段として、前記基材は、材質がPFA、またはFE
P、またはETFEの高分子フィルムのいずれかからな
る構成とした。
【0013】また、前記課題を解決するための第4の解
決手段として、前記基材は、膜厚が2〜38μmの範囲
に形成されている構成とした。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明の中間転写媒体を図面
に基づいて説明する。図1は本発明に関する中間転写媒
体の要部断面図であり、図2は本発明に係わるインクリ
ボンの要部断面図であり、図3は本発明に係わる中間転
写記録装置を説明する概略図であり、図4は本発明の中
間転写媒体による再転写記録媒体への画像記録を説明す
る要部断面図であり、図5は本発明の中間転写媒体によ
る再転写記録媒体への画像記録を説明する要部断面図で
あり、図6は本発明に係わる基材の材質と紫外線透過率
との関係を説明するグラフである。
【0015】まず、本発明の1実施の形態の中間転写媒
体1は、フィルム状の基材1aを有し、この基材1a
は、厚さが2〜38μm、好ましくは2〜6μmの薄膜
状に形成されている。また、基材1aの材料としては、
PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキル
ビニールエーテル)、FEP(テトラフルオロエチレン
ヘキサフルオロプロリレン)、ETFE(エチレンテト
ラフルオロエチレン)等の高分子フィルムが最適な材料
である。
【0016】このようなPFA、FEP、ETFEから
なる基材1aは、図6のグラフに示すように、波長が2
00〜500nmの範囲の紫外線の80%以上を透過す
ることができると共に、紫外線吸収端波長が200nm
以下であり、エネルギーの高い短波長の紫外線を効率よ
く透過させることができる。そのために、PFA、FE
P、ETFEからなる基材1aの他方の面から紫外線を
照射して、一方の面に形成した後述する紫外線反応層1
cを短時間で紫外線硬化させることができる。
【0017】また、基材1aは、PFA、FEP、ET
FEの材料の次に好適な材料として、メチルペテン、P
ET(ポリエチレンテレフタレート、PES(ポリエー
テレルサルフォン)、PSF(ポリサルフォン)を挙げ
ることができる。このような材料は、紫外線吸収端波長
が300nm付近にあり、300nm付近の波長の紫外
線が効率よく透過させて、紫外線反応層1cを効率よく
紫外線硬化させることができる。次に好適な材料とし
て、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PEI(ポ
リエーテルイミド)を挙げることができる。このような
材料は、紫外線吸収端波長が360〜400nmであ
り、360nm付近の波長の紫外線を透過できる。次に
好適な材料として、アラミド、PI(ポリイミド)を挙
げることができる。このような材料は、紫外線吸収端波
長が略400nmであり、430nm付近の波長の紫外
線を透過できる。本発明に係わる基材1aは、紫外線透
過率の高いPFA、FEP、ETFE等の材料に限定さ
れず、必要に応じて材料を換えても良い。
【0018】また、中間転写媒体1は、基材1aの一方
の面に、樹脂被膜1bが形成されており、この樹脂被膜
1bは、少なくとも紫外線反応性樹脂と光開始剤を主成
分とする紫外線反応層1cからなっている。この紫外線
反応層1cは、膜厚が略8μmに成膜されている、ま
た、樹脂皮膜1bは、必要に応じて基材1aと紫外線反
応層1cとの間にアクリル系の熱可塑性樹脂からなる離
型層1dが、略0.2μmと非常に薄い膜厚で形成され
ている。また、基材1aの他方の面には、後述するヒー
トローラ10との摩耗抵抗の低減、あるいは中間転写媒
体1の走行の安定化、巻き取り時の樹脂皮膜1bとの融
着防止等の目的で潤滑剤からなる背面処理層1eが塗布
されている。
【0019】前記基材1aは、具体的には、東レ(株)
社製の厚さが5μmのPFAフィルムの他方の面に、東
亞合成化学(株)社製のシリコン樹脂(MEK溶媒希
釈)をワイアーバー塗工し、60℃のオーブン内で乾燥
させる。その結果、摩擦抵抗の低い背面処理層1eが形
成された基材1aの原反が得られる。また、基材1aの
一方の面に、アクリル系の離型材料をグラビア塗工し、
95℃にて5分間乾燥させることにより、膜厚が略0.
2μmの離型層1dが形成されている。
【0020】前記離型層1d上に成膜する紫外線反応層
1cは、少なくとも紫外線反応性樹脂であるダイセル化
学工業(株)社製の水分散系UV硬化樹脂(商品名Uc
ecoat)と、光開始剤として日本チバガイギー
(株)社製のアセトフェノン系化合物とを主成分として
いる。そして、水分散系UV硬化樹脂を95重量部、ア
セトフェノン系化合物を5重量部添加して、紫外線反応
性インク塗液を制作する。
【0021】この紫外線反応性インク塗液を離型層1d
の上からグラビア塗工し、その後80℃で90秒間乾燥
することで、離型層1dの上に紫外線反応層1cが略8
μmの膜厚で成膜されて、樹脂皮膜1bが形成される。
この乾燥後の樹脂皮膜1bは、表面が粘着性の無いタッ
クフリーとなっている。また、紫外線反応性インク塗液
には、必要に応じて紫外線吸収剤や着色剤、さらには各
種の可塑剤、分散剤、酸化防止剤、および増感剤、レベ
リング剤、粘着性改善剤等等が必要に応じて微量添加さ
れている。
【0022】また、紫外線反応層1cに用いられている
紫外線反応性樹脂は、光化学的作用によってさらに重合
する樹脂であり、光重合性不飽和ポリマー、光重合性オ
リゴマーと呼ばれることもある。そして、紫外線反応層
1cに紫外線照射する時の末端官能基の作用により、自
らが光重合反応に関与するものであり、官能基の数によ
り単官能性モノマー、多官能性モノマーに分類できる。
また、特に多官能性モノマーは高分子間の橋かけをなす
架橋剤の役割を果すものである。
【0023】このような紫外線反応性樹脂としては、ポ
リエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレ
タンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリア
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル
アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、テ
トラヒドロフルフリールアクリレート、テトラヒドロフ
ルフリールアクリレートの誘導体等の単官能型や、ジシ
クロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキ
シエチルアクリレート、1,3−ブタンジオールアクリ
レート、1,4−ブタンジオールアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールアクリレート、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコール400ジアクリレート、
ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコール
ジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレ
ート、1,3−ビス(3−アクリルオキシエトキシ−2
−ヒドロキシプロピル)−5,5−ジメチルヒダントイ
ン、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコ
ール誘導体のジアクリレート等の2官能型、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート等の3官能以上型のものを好適なものとして挙
げることができる。
【0024】また、光開始剤は光を吸収して紫外線硬化
性樹脂の光重合反応のトリガーになるものである。この
ような光開始剤としては、ビアセチル、アセトフェノ
ン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベン
ゾイン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメ
チルケタール、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾ
ビスイソブチルニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、
ジ−tert−ブチルパーオキサイド、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−(4−イ
ソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、メチル
ベンゾイルフォーメイト等を好適なものとして挙げるこ
とができる。
【0025】また、着色剤としては、カーボンブラッ
ク、アセチレンブラック、オイルブラック等の黒色顔料
ならびにチタニア、炭酸カルシウム等の白色顔料の他
に、イエロー、マジェンタ、シアン等の公知の染料を挙
げることができ、これらの顔料あるいは染料の添加量を
適宜変化させることにより色調等が所望の状態に調整さ
れるものである。
【0026】前述のような中間転写媒体1を、図3の概
略図に示すような中間転写記録装置Sに用いることによ
り、後述する再転写記録媒体11に再転写した1次画像
14を、紫外線硬化した紫外線反応層1cで被覆して2
次画像15を記録することができる。このような中間転
写記録装置Sは、ヘッド押圧機構(図示せず)により矢
印A方向に移動可能なサーマルヘッド2が配設されてい
る。このサーマルヘッド2は、複数の発熱素子(図示せ
ず)がアレイ状に配列されている。そして、入力信号に
対応して発熱素子に選択的に通電することにより、発熱
素子が選択的に加熱昇温するようになっている。
【0027】また、サーマルヘッド2の発熱素子と対向
する側には、長尺状で中間転写媒体1の幅寸法と略同じ
幅寸法のインクリボン3が配設され、このインクリボン
3は、一端部が供給コア4に、他端部が巻取りコア5に
それぞれ巻回されて、巻取りコア5を回転駆動させるこ
とにより、供給コア4から巻取りコア5(矢印B方向)
に巻取り可能になっている。また、供給コア4と巻取り
コア5の間のリボン搬送経路には、矢印B方向に巻取り
されるインクリボン3に所定の張力を付勢するための複
数のテンションローラ6が配設されて、インクリボン3
に発生する弛みを防止するようになっている。
【0028】前記インクリボン3は、図2に示すよう
に、フィルム状の基材3aの一方の面にインク層3bが
形成され、他方の面には背面処理層3cが形成されてい
る。前記基材3aは、通常1〜12μmの膜厚の高分子
フィルムが用いられており、その材料としては、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタ
レート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリエーテル
エーテルケトン(PEEK)、アラミド等の汎用樹脂が
利用されている。
【0029】また、インク層3bは、所望の色のインク
材料が塗工されており、このインク材料は、低融点ワッ
クス等の熱可塑性物質、あるいは熱可塑性樹脂を主成分
とし、着色剤として各種顔料および各種の可塑剤、分散
剤、酸化防止剤等を微量添加することにより構成されて
いる。前記インク層3bに用いられる低融点ワックスと
しては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ラ
イスワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタ
リンワックス、ポリエチレンワックス等を挙げることが
でき、これらが単独あるいは混合されて使用される。
【0030】このような低融点ワックスを、トルエン、
キシレン、アセトン、MEK、各種アルコール、ケロシ
ン、ナフサ、揮発油等の各種溶剤に溶解させてインク塗
液を調合し、グラビア塗工、ワイアーバー塗工、スピン
塗工、スプレー塗工、ディッピング塗工、シルクスクリ
ーン塗工等の各種コーティング方法により基材3aの一
方の面に塗工した後、乾燥させることにより、前述の各
種溶剤を揮発させて製造されている。また、インク層3
bを構成するインク材料に用いられる熱可塑性樹脂とし
ては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酪酸
ビニル共重合体、エチレン−アクリル共重合体等のエチ
レン系共重合体、ポリウラリルメタクリレート、ポリヘ
キシルアクリレート等のポリ(メタ)アクリル酸エステ
ル類、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体等の塩化ビ
ニル系共重合体等を挙げることができ、こら等の樹脂が
単独、あるいは混合されて使用されている。
【0031】また、背面処理層3cは、シリコン樹脂等
からなる潤滑剤が塗布されており、インクリボン3に摺
接するサーマルヘッド2の摩耗の低減、およびインクリ
ボン3を巻取りコア5に巻取る時のインク層3bのイン
ク材料との融着防止等の目的で形成されている。
【0032】また、サーマルヘッド2と対向する位置に
は、回転駆動可能なプラテンロール7が配設されてお
り、このプラテンローラ7は、円柱状に形成され、回転
中心に配設した金属シャフトからなる回転軸7aと、こ
の回転軸7aに固着したシリコンあるいはEPDM等の
弾性樹脂からなる弾性ローラ7bとで、長さが中間転写
媒体1の幅寸法より若干長く形成されている。このよう
なプラテンローラ7の外周部には、本発明の中間転写媒
体1の背面処理層1c側が弾接し、紫外線反応層1c側
がサーマルヘッド2と対向した状態で配設されている。
そして、中間転写媒体1は、プラテンローラ7の反時計
回り方向の回転駆動で、矢印C方向に搬送可能になって
いる。
【0033】このようなプラテンローラ7に弾接する中
間転写媒体1は、一端部が供給リール8に巻回され、他
端部が巻取りリール9に巻回されており、プラテンロー
ラ7の反時計回り方向の回転で矢印C方向に搬送され
て、巻取りリール9に巻取り可能になっている。前記供
給リール8から巻取りリール9に巻取りされる中間転写
媒体1は、インクリボン3と同様に複数のテンションロ
ーラ6により所定の張力が付勢されている。また、中間
転写媒体1の矢印Cの搬送方向におけるプラテンローラ
7より下流側には、ヒートローラ10が配設されてい
る。このヒートローラ10は、中空状で耐熱性のあるゴ
ムローラ10aを有し、このゴムローラ10aの外周部
に耐熱性や離型性の高いシリコンあるいはフッ素系のエ
ラストマーが被覆されている。
【0034】また、ゴムローラ10aの中空内部には、
ハロゲンヒータ等からなる、熱を輻射する作用を有する
ヒータ10bが配設されている。また、ゴムローラ10
aの表面、もしくは表面近傍には、ゴムロール10a表
面の温度を計測可能な温度センサ10cが配設されてい
る。このようなヒートローラ10は、ヒータ10bから
の輻射熱によりゴムロール10aが加熱され、この加熱
温度は、ゴムローラ10aの表面に弾接する中間転写媒
体1に形成した紫外線反応層1cおよび離型層1dが熱
軟化溶融する所定温度に維持できるようになっている。
【0035】また、サーマルヘッド2を矢印A方向に移
動させることにより、インクリボン3のインク層3b
が、中間転写媒体1の紫外線反応層1cに圧接可能にな
っていまた、ヒートローラ10と対向する図示下方側に
は、例えばアクリル製で平板状のカード等からなる再転
写記録媒体11を取り付けた台座12が配設されてお
り、この台座12は、矢印D方向に搬送可能になってい
る。前記再転写記録媒体11は、プラスティックカー
ド、あるいは金属、セラミックス等のような硬いもの、
あるいは曲面や凹凸面を有するもらの各種の種類からな
っている。
【0036】また、矢印Dの搬送方向におけるヒートロ
ーラ10の下流側で、矢印D方向に搬送される再転写記
録媒体11と対向する図示上方に、紫外線照射手段13
が配設されている。この紫外線照射手段13は、所望の
波長の紫外線を放射可能な光源13aと、この光源13
aから放射された紫外線を所望の方向に集光して反射可
能な反射板13bとからなっている。
【0037】また、光源13aとしては、低圧あるいは
高圧水銀灯、水銀キセノン、メタルハライドランプ等、
種々の紫外線を照射可能な光源が使用可能である。ま
た、紫外線照射手段13は、矢印D方向に搬送される再
転写記録媒体11に対して効率の良い紫外線照射が可能
な位置に配設されている。
【0038】前述したような中間転写記録装置Sに本発
明の中間転写媒体1を用いて、再転写記録媒体11に所
望の画像を記録する方法を図3に基づいて説明する。ま
ず、サーマルヘッド2とプラテンローラ7との間にイン
クリボン3と中間転写媒体1とを位置させた状態で、サ
ーマルヘッド2を矢印A方向に移動させて、背面処理層
3c側からインクリボン3をプラテンローラ7に圧接す
ることにより、インクリボン3のインク層3bが中間転
写媒体1の紫外線反応層1cに圧接される。
【0039】そして、プラテンローラ7を反時計回り方
向に回転させると共に、記録情報に基づいてサーマルヘ
ッド2の発熱素子(図示せず)を選択的に発熱させるこ
とにより、この発熱に対応してインクリボン3のインク
層3bの一部が熱軟化溶融し、このインク層3bの一部
が中間転写媒体1の紫外線反応層1c上に中間転写記録
される。そして、インクリボン3および中間転写媒体1
は、プラテンローラ7の回転でそれぞれ下流側に搬送さ
れて、巻き取りコア5および巻取りリール9に巻き取ら
れる。その結果、中間転写媒体1の紫外線反応層1c上
に中間転写記録されたインクリボン3のインク層3bに
より、所望の1次画像14が形成される。
【0040】次に、1次画像14をヒートローラ10の
位置にまで搬送するのに同期して、再転写記録媒体11
を取り付けた台座12をヒートローラ10と対向する位
置まで移動させる。そして、中間転写媒体1の矢印C方
向の搬送により、1次画像14を形成した部分がヒート
ローラ10の位置まで搬送されて、ヒートローラ10の
加熱されたゴムローラ10aにより、1次画像14が再
転写記録媒体11の表面に押圧されて加熱される。
【0041】この時のヒートローラ10は、中間転写媒
体1を介しての再転写記録媒体11への押し付け圧力が
1MPaに保持されると共に、表面温度が160℃に維
持されている。そして、再転写記録媒体11を略10c
m/分の移動速度で矢印D方向に移動させることによ
り、1次画像14と樹脂被膜1bとが熱軟化溶融して、
図4に示すように、中間転写媒体1が再転写記録媒体1
1に密着する。この状態で、1次画像14を形成した部
分の中間転写媒体1を紫外線照射手段13まで搬送す
る。すると、紫外線照射手段13から放射される紫外線
が、PFA、FEP、ETFE等の材料からなる紫外線
透過率が80〜90%の基材1aを透過して、紫外線反
応層1cを効率よく照射する。
【0042】この時、図4に示すように、基材1aと紫
外線反応層1cとの間には離型層1dが形成されている
が、この離型層1cは、膜厚は0.2μmと非常に薄
く、且つ透明なアクリル系の材料で形成されているの
で、基材1aを透過した紫外線の透過率を低下させるこ
とはない。そして、紫外線反応層1cを紫外線照射する
ことにより、紫外線反応層1cが開始反応、生長反応、
停止反応と呼ばれる周知の光重合反応が行われる。
【0043】このような光重合反応により、再転写記録
媒体11に密着した状態の1次画像14を被覆する紫外
線反応層1cが紫外線硬化して高分子化する。前述のよ
うな紫外線照射においては、中心波長365nm、照射
強度90mW/cm2 の紫外線を、照射距離5cm、移
動速度10cm/分で全面照射する。すると、基材1a
を効率よく透過する紫外線により、紫外線反応層1cが
光重合して短時間で紫外線硬化する。そして、紫外線反
応層1cが紫外線硬化して密着している再転写記録媒体
11を、矢印D方向に搬送することにより、矢印Dの搬
送方向における紫外線照射手段13より下流側のテンシ
ョンローラ6で、中間転写媒体1が図示上方の巻取りリ
ール9に巻取られる。
【0044】この中間転写媒体1の巻取り動作により、
再転写記録媒体11に密着していた中間転写媒体1の基
材1aが再転写記録媒体11から剥離される。そして、
再転写記録媒体11上に、図5に示すような、紫外線硬
化膜15aで被覆されて2次画像15が再転写記録され
る。この2次画像15は、上部を被覆する紫外線硬化膜
15aによって、機械的強度および、耐熱性、耐摩耗
性、耐溶剤性等に優れた画像とすることができる。
【0045】このような、2次画像15を被覆する紫外
線硬化膜15aに、クロスカット粘着テープ剥離試験を
行った結果、紫外線硬化した紫外線硬化膜15aの剥離
は見られず、十分な耐摩耗性があることを確認できた。
また、紫外線硬化膜15aで被覆して2次画像15を記
録した再転写記録媒体11を、40℃で48時間放置し
た後、画像の表面に木綿布を荷重1000gで押圧した
状態で10回往復のラビング試験を行った。そして、ラ
ビング試験後の紫外線硬化膜15aの表面を観察したと
ころ、紫外線硬化膜15aの変形や消失は全く見られ
ず、紫外線硬化膜15aに十分な耐熱性があることを確
認できた。
【0046】また、紫外線硬化膜15aの表面に99%
エタノールで湿潤した木綿布を荷重1000gで押圧し
た状態で10回往復のラビング試験を行った。ラビング
試験後の紫外線硬化膜15aの表面を観察したところ、
紫外線硬化膜15aの変形や消失は全く見られず、紫外
線硬化膜15aに十分な耐溶剤性があることを確認でき
た。本発明の実施の形態における、樹脂皮膜1bの紫外
線反応層1cは、紫外線反応性樹脂と光開始剤とに、更
に熱可塑性樹脂を添加した物でも良い。このような紫外
線反応層1cに熱可塑性樹脂を添加することにより、ヒ
ートローラ10で熱溶融させた紫外線反応層1cを強固
に再転写記録媒体11に密着させて再転写することがで
きる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明に関する中
間転写媒体の樹脂皮膜は、少なくとも紫外線反応性樹脂
と光開始剤を主成分とする紫外線反応層からなり、前記
基材は200〜500nmの波長の紫外線を透過可能と
したので、基材は、エネルギーの高い短波長の紫外線を
効率よく透過させることができ、紫外線反応層の硬化時
間を短縮できる。
【0048】また、樹脂皮膜は、基材と紫外線反応層と
の間に熱可塑性樹脂からなる離型層を形成したので、再
転写記録媒体に1次画像および紫外線反応層を中間転写
して、紫外線反応層を紫外線硬化させても、離型層は紫
外線硬化しない。そのために、再転写記録媒体に紫外線
反応層が密着した中間転写媒体の基材を、離型層から容
易に剥離させることができる。
【0049】また、基材は、紫外線透過率が80〜90
%と高い、材質がPFA、またはFEP、またはETF
Eの高分子フィルムのいずれかからなるので、基材の背
面側から照射する紫外線は、基材を効率よく透過するこ
とができ、紫外線反応層に到達する紫外線の量が減少し
ない。つまり、紫外線照射手段から放射された紫外線
は、基材を透過する絶対量が減衰しないので、紫外線反
応層を短時間で確実に硬化させることができる。そのた
めに、機械的強度等に優れた2次画像を再転写記録媒体
に記録することができる。
【0050】また、基材は、膜厚が2〜38μmの範囲
に形成されているので、基材が薄膜状となり、紫外線透
過率を更に向上させることができる。また、基材を薄膜
状にすることにより、ヒートローラで1次画像を再転写
記録媒体に中間転写するときの熱エネルギーを低く押さ
えることができ、省電力化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する中間転写媒体の要部断面図であ
る。
【図2】本発明に係わるインクリボンの要部断面図であ
る。
【図3】本発明に係わる中間転写記録装置を説明する概
略図である。
【図4】本発明の中間転写媒体による再転写記録媒体へ
の画像記録を説明する要部断面図である。
【図5】本発明の中間転写媒体による再転写記録媒体へ
の画像記録を説明する要部断面図である。
【図6】本発明に係わる基材の材質と紫外線透過率殿関
係を説明するグラフである。
【図7】従来の中間転写媒体の要部断面図である。
【図8】従来の中間転写媒体による再転写記録媒体への
画像記録を説明する要部断面図である。
【図9】従来の中間転写媒体による再転写記録媒体への
画像記録を説明する要部断面図である。
【符号の説明】
1 中間転写媒体 1a 基材 1b 樹脂皮膜 1c 紫外線反応層 1d 離型層 1e 背面処理層 2 サーマルヘッド 3 インクリボン 4 供給コア 5 巻取りコア 6 テンションローラ 7 プラテンローラ 8 供給リール 9 巻取りリール 10 ヒートローラ 10a ゴムローラ 10b ヒータ 10c 温度センサ 11 再転写記録媒体 12 台座 13 紫外線照射手段 13a 光源 13b 反射板 14 1次画像 15 2次画像 15a 紫外線硬化膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、この基材の一方の面に形成した
    樹脂皮膜とを備え、この樹脂皮膜は、少なくとも紫外線
    反応性樹脂と光開始剤を主成分とする紫外線反応層から
    なり、前記基材は200〜500nmの波長の紫外線を
    透過可能としたことを特徴とする中間転写媒体。
  2. 【請求項2】 前記樹脂皮膜は、前記基材と前記紫外線
    反応層との間に熱可塑性樹脂からなる離型層を形成した
    ことを特徴とする請求項1、または2記載の中間転写媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記基材は、材質がPFA、またはFE
    P、またはETFEの高分子フィルムのいずれかからな
    ることを特徴とする請求項1または2記載の中間転写媒
    体。
  4. 【請求項4】 前記基材は、膜厚が2〜38μmの範囲
    に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれか1項記載の中間転写媒体。
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