JP2003229816A - 光送受信装置及びこの装置を用いた光伝送路切替システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光伝送路の状態を監視するための別線の光伝
送路や複数の光送受信器を用いることなく、光の損失を
防ぐとともに、システムの消費電力を削減して、光信号
の伝送効率を高める。 【解決手段】 主伝送路１０，１１と予備伝送路１２，
１３の両端を、光学的に選択切り替えできる光切替器４
２，４３，５１，５４に接続させ、光信号がこれら光切
替器４２，４３，５１，５４によって選択された主伝送
路１０，１１又は予備伝送路１２，１３のいずれか一方
の伝送路に伝送されるようにし、例えば主伝送路１０に
障害が発生した場合、この主伝送路１０から受信される
光信号のレベル検出に基づいて、光送受信装置５０の光
切替器５１，５４が光信号を伝送する伝送路を予備伝送
路１２，１３に切り替えることで、他方の光送受信装置
４０でも主伝送路の障害発生を検出して、光切替器４
２，４３による予備伝送路１２，１３への切り替えが行
われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、主伝送路と予備
伝送路を有する冗長構成において、障害発生時等に光伝
送路の切り替えを行う光送受信装置及びこの装置を用い
た光伝送路切替システムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の光伝送路切替システムでは、例え
ば図６に示すように、メインの回線となる下り用及び上
り用主伝送路１０，１１の他に、バックアップの回線と
なる別ルートの下り用及び上り用予備伝送路１２，１３
を有し、これら伝送路１０〜１３の両端に光送受信装置
２０と３０が接続される冗長構成のものがある。

【０００３】このような構成において、光送受信装置２
０は、下り用の光送信器２１と、光分配器２２と、上り
用光／電気変換器２３，２４と、電気信号切替器２５と
から構成されている。下り側では、光送信器２１から送
信された光信号を、光分配器２２によって主伝送路１０
と予備伝送路１２にそれぞれ分配して送出している。ま
た、上り側では、主伝送路１１と予備伝送路１３から入
力する光信号を、光／電気変換器２３，２４によって電
気信号に変換した後、電気信号切替器２５で光／電気変
換器２３，２４から入力するいずれかの電気信号を選択
して出力していた。

【０００４】また、光送受信装置３０でも、同様に、下
り用光／電気変換器３１，３２と、電気信号切替器３３
と、上り用光送信器３４と、光分配器３５とから構成さ
れている。下り側では、主伝送路１０と予備伝送路１２
から入力する光信号を、光／電気変換器３１，３２によ
って電気信号に変換した後、電気信号切替器３３でいず
れかの電気信号を選択して出力している。また、上り側
では、主伝送路１１と予備伝送路１３にそれぞれ送信さ
れた光信号を、光分配器３５によって主伝送路１１と予
備伝送路１２にそれぞれ分配している。

【０００５】このシステムの送信側では、主伝送路と予
備伝送路に同じデータからなる光信号を伝送させてお
り、受信側では、光／電気変換器２３と３１が主伝送路
１１と１０の光信号を検出し、この光信号が途絶える
か、又はある値以上に減衰した場合には、電気信号切替
器２５，３３に異常を示す状態信号を出力して、受信側
から外部に出力される信号を予備伝送路１２，１３から
の電気信号に切り替えていた。

【０００６】しかしながら、このようなシステムにおい
て、送信側では、光信号を分配するため、例えば２分配
の場合でも、約３ｄＢの光の伝送損失が生じていた。こ
のように、光送信器の出力が３ｄＢロスすることは、伝
送距離にして約１０ｋｍ（１．５５μｍ帯）も短くなる
ことになる。このため、一般的には、伝送距離を長くす
るために、高出力型の光送信器を用いるか、高い受信感
度の光／電気変換器を使用する必要があるが、この構成
では製作コストが高くなるという問題点があった。

【０００７】そこで、図７に示すように、上り用と下り
用に２台ずつの光送信器２１，２６，３４，３６を用い
て、同じデータからなる光信号を主伝送路と予備伝送路
を介して送信するものがあった。

【０００８】しかし、このシステムでも、上り用と下り
用に光／電気変換器と高価な光送信器がそれぞれ２台ず
つ必要となり、製作コストがさらに高くなるとともに、
通常光信号の受信や送信を行わない伝送路側の光／電気
変換器や光送信器にも電源を供給する必要があるので、
消費電力が２倍になってしまうという問題点があった。

【０００９】これらの問題を解決する方法として、例え
ば特許協力条約に基づいて国際公開された日本語特許出
願公報（ＷＯ９４／０９５７５）に示すように、光伝送
路を光学的な切替器により選択して、上り用及び下り用
にそれぞれ１台ずつ設けた光送受信装置で、光信号の送
受信を行うシステムもあった。

【００１０】この従来例では、光信号の状態を監視する
ため、光スイッチと受信器間の光伝送路に光カプラと、
この光カプラに接続された別線の光伝送路とを設け、こ
の光カプラで分配された光信号を制御装置でモニタし、
その光レベルを検出していた。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来例では、光カプラによって分岐された光伝送路が何ら
かの原因で光信号を伝送できなくなった場合には、主伝
送路や予備伝送路の監視や切り替え制御ができなくなる
という問題点があった。

【００１２】また、この従来例では、光カプラによって
光信号の分配を行っているので、この場合にも、光信号
の分配損失が生じてしまい、図６に示した従来例と同様
の問題点があった。

【００１３】この発明は、上記問題点に鑑みなされたも
ので、光伝送路の状態を監視するための別線の光伝送路
や複数の光送受信器を用いることなく、光の損失を防ぐ
とともに、システムの消費電力を削減して、光信号の伝
送効率を高めることができる光送受信装置及びこの装置
を用いた光伝送路切替システムを提供することを目的と
する。

【００１４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明では、上りと下りの少なくとも１本ずつの
主伝送路と予備伝送路にそれぞれ接続され、選択された
前記伝送路を介して光信号を送信する送信手段と、選択
された前記伝送路から光信号を受信する受信手段とを有
し、前記上りと下りの伝送路を介して光信号の双方向伝
送を行う光送受信装置において、前記送信手段と前記各
伝送路とを光学的に切り替えて接続させる第１の光切替
手段と、前記受信手段と前記各伝送路とを光学的に切り
替えて接続させる第２の光切替手段と、少なくとも１本
の前記伝送路を介して受信される光信号の信号レベルを
検出するレベル検出手段と、前記検出された信号レベル
に基づいて、前記第１及び第２の光切替手段の切り替え
制御を行い、前記選択された伝送路と前記受信手段及び
前記送信手段を接続させる切替制御手段とを備えたこと
を特徴とする光送受信装置が提供される。

【００１５】この発明によれば、主伝送路と予備伝送路
とを光学的に選択切り替えできる光切替手段に接続さ
せ、光信号がこの光切替手段によって選択された主伝送
路又は予備伝送路のいずれか一方の伝送路に伝送される
ようにして、光信号の分配損失を防ぎ、光信号の伝送効
率を高める。

【００１６】この発明の請求項２では、上記発明におい
て、前記第１の光切替手段は、前記送信手段と前記各伝
送路とを接続させる少なくとも２つの導波路を有し、前
記第２の光切替手段は、前記受信手段と前記各伝送路が
接続される少なくとも２つの導波路を有し、前記第１及
び第２の光切替手段は、前記切替制御手段の制御によっ
て前記導波路を光学的に切り替え、前記光送信手段及び
光受信手段と前記選択された伝送路を接続させることを
特徴とする。

【００１７】この発明によれば、送信手段から送信され
た光信号を、光学的に選択切り替えされた導波路に伝送
することで、光分配器を使用せずに、主伝送路又は予備
伝送路のいずれか一方の伝送路に伝送されるようにし
て、光の分配による分配損失を防ぐ。

【００１８】この発明の請求項３では、主伝送路と予備
伝送路にそれぞれ接続され、選択された前記伝送路を介
して光信号を送信する送信手段と、選択された前記伝送
路から光信号を受信する受信手段と、上り及び下りの前
記光信号の混合又は分配を行う混合分配手段とを有し、
同一の前記伝送路を介して光信号の双方向伝送を行う光
送受信装置において、前記混合分配手段と前記各伝送路
が接続される少なくとも２つの導波路を有し、前記導波
路を光学的に切り替える光切替手段と、前記伝送路を介
して受信される光信号の信号レベルを検出するレベル検
出手段と、前記検出された信号レベルに基づいて、前記
光切替手段の導波路切り替えの制御を行い、前記選択さ
れた伝送路と前記混合分配手段とを接続させる切替制御
手段とを備えたことを特徴とする。

【００１９】この発明によれば、混合分配手段によって
上りと下りの光信号を混合して同一の光伝送路での双方
向伝送を行う場合も、この光信号が光切替手段によって
選択された主伝送路又は予備伝送路のいずれか一方の伝
送路に伝送されるようにして、光信号の分配損失を防
ぎ、光信号の伝送効率を高める。

【００２０】この発明の請求項４では、上記発明におい
て、前記光切替手段は、前記混合分配手段と前記各伝送
路とを接続させる少なくとも２つの導波路を有し、前記
切替制御手段の制御によって前記導波路を光学的に切り
替え、前記混合分配手段と前記選択された伝送路を接続
させることを特徴とする。

【００２１】この発明によれば、送信手段から送信され
た光信号を、光学的に選択切り替えされた導波路に伝送
することで、光分配器を使用せずに、主伝送路又は予備
伝送路のいずれか一本の伝送路に双方向伝送されるよう
にして、光の分配による分配損失を防ぐ。

【００２２】この発明の請求項５では、上記発明におい
て、前記光送信手段は、異なる波長の光信号を送信する
複数の光送信器からなり、前記光受信手段は、前記異な
る波長の光信号を別々に受信する複数の光受信器からな
り、前記光送受信装置は、前記光送信器からの各光信号
を波長多重するとともに、前記伝送路からの光信号を各
波長に波長分割する波長分割多重手段をさらに備え、前
記レベル検出手段は、前記波長分割された少なくとも１
波長の光信号の信号レベルを検出することを特徴とす
る。

【００２３】この発明によれば、波長分割多重手段によ
って異なる波長の光信号を波長多重して光伝送路での伝
送を行う場合も、この光信号が光切替手段によって選択
された主伝送路又は予備伝送路のいずれか一方の伝送路
に伝送されるようにして、光信号の分配損失を防ぎ、光
信号の伝送効率を高める。

【００２４】この発明の請求項６では、上記発明におい
て、前記受信手段は、前記受信した光信号を光電気変換
しており、前記レベル検出手段は、前記光電気変換され
た電気信号の信号レベルを検出することを特徴とする。

【００２５】この発明によれば、受信手段で光信号を電
気信号に変換した後、レベル検出手段によって電気信号
の信号レベルを検出することにより、光信号の分配を行
わないようにすることで分配損失を防ぐ。

【００２６】この発明の請求項７では、少なくとも１本
ずつの主伝送路と予備伝送路を有し、当該伝送路を切り
替えて双方向の光伝送を行う光伝送路切替システムにお
いて、前記主伝送路と予備伝送路を介して請求項１〜６
のいずれか一つの光送受信装置が互いに接続され、前記
選択された伝送路を介して光信号の送受信を行うことを
特徴とする光伝送路切替システムが提供される。

【００２７】この発明によれば、請求項１〜６のいずれ
か一つの光送受信装置を伝送路の両端に接続させ、光信
号が光切替手段によって選択された主伝送路又は予備伝
送路の一方の伝送路に伝送されるようにするので、光信
号の分配損失を防ぎ、光信号の伝送効率を高める。

【００２８】この発明の請求項８では、上記発明におい
て、前記光伝送路切替システムでは、一方の光送受信装
置の前記レベル検出手段による信号レベルの検出結果に
基づいて、前記各光送受信装置の切替制御手段が前記伝
送路の切り替え制御を行うことを特徴とする。

【００２９】この発明によれば、前記光送受信装置のう
ち、例えば下り側の光送受信装置では、前記切替制御手
段が、前記レベル検出手段で検出された信号レベルに基
づいて、前記光切替手段の切替制御を行い、上り側の光
送受信装置では、これに伴って光信号が受信できなくな
るので、その状態を検出することができ、システム全体
で切替制御手段による光切替手段の自動切替制御が可能
となる。

【００３０】

【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明にかかる光送受信装置及びこの装置を用いた光伝送
路切替システムの好適な実施の形態を説明する。

【００３１】（実施例１）図１は、この発明にかかる光
送受信装置を用いた光伝送路切替システムの実施例１の
構成を示す構成図である。図において、この光伝送路切
替システムでは、この発明にかかる光送受信装置４０と
５０間に、メインの回線となる下り用及び上り用主伝送
路１０，１１とバックアップの回線となる別ルートの下
り用及び上り用予備伝送路１２，１３が接続されてい
る。

【００３２】光送受信装置４０は、下り用の光送信器４
１と、光切替器４２，４３と、光／電気変換器４４とか
ら構成されており、光送受信装置５０は、下り用の光切
替器５１と、光／電気変換器５２と、上り用の光送信器
５３と、光切替器５４とから構成されている。

【００３３】光／電気変換器４４，５２は、同一構成か
らなっており、この発明にかかる受信手段と光切替制御
手段を構成している。すなわち、この光／電気変換器４
４，５２は、図２に示すように、入力する光信号を電気
信号に変換する受信手段であるＥ／Ｏ部６０と、光切替
制御手段からなり、このＥ／Ｏ部６０から出力される電
気信号の信号レベルを検出する信号レベル検出部６１
と、検出した信号レベルの判定を行って制御信号を出力
するレベル判定部６２とから構成されている。

【００３４】光切替器４２，４３，５１，５４は、同一
構成からなっており、図３に示すように、２つの導波路
７０，７１と、導波路７０の光軸上に設けられて固定さ
れる固定ミラー７２と、導波路７１の光軸上に移動可能
に設けられるとともに、導波路７０と固定ミラー７２に
よって生成される光軸上に設けられて、光信号を伝搬す
る導波路７０，７１を切り替える可動ミラー７３と、可
動ミラー７３の切り替え動作を行うミラー切替動作部７
４とから構成されている。この可動ミラー７３は、導波
路７１の光軸上に配設されている時には（図３の点線部
分の位置）、入力する光信号が固定ミラー７２、導波路
７０によって生成された光軸上を伝搬して主伝送路１０
に送出されている。また、可動ミラー７３が導波路７１
の光軸から完全に外れている時には（図３の実線部
分）、光信号は、導波路７１の光軸上を伝搬して予備伝
送路１３に送出されている。

【００３５】このような構成において、光送受信装置４
０の下り側では、光切替器４２が、ミラー切替動作部７
４の動作によって、可動ミラー７３の切替動作を行って
導波路７０又は７１の選択を行っている。この導波路の
選択により、光送信器４１から送信された光信号は、こ
の導波路に接続された主伝送路１０又は予備伝送路１２
に送出される。

【００３６】光送受信装置５０の下り側では、光切替器
５１の選択動作によって伝送路１０又は１２から光信号
を取り込み、この光信号を光／電気変換器５２によって
光／電気変換した後、電気信号として外部に出力してい
る。

【００３７】また、光送受信装置５０の上り側では、光
切替器５４が、ミラー切替動作部７４の動作によって、
可動ミラー７３の切替動作を行って導波路７０又は７１
の選択を行っている。この導波路の選択により、光送信
器５３から送信された光信号は、この導波路に接続され
た主伝送路１１又は予備伝送路１３に送出される。

【００３８】光送受信装置４０の上り側では、光切替器
４３が選択動作によって、主伝送路１１又は予備伝送路
１３から入力する光信号を取り込み、この光信号を光／
電気変換器４４によって光／電気変換した後、電気信号
として外部に出力している。

【００３９】この光伝送路切替システムでは、通常は光
／電気変換器４４，５２の制御によって主伝送路１０と
１１を選択して光信号の双方向伝送を行っているが、例
えば主伝送路１０に図１の×印に示すような断線等の障
害が発生すると、光送受信装置５０では、光信号が受信
できなくなる。このため、光／電気変換器５２では、信
号レベル検出部６１によって光信号がない状態の信号レ
ベルが検出され、レベル判定部６２で信号レベルの判定
を行い、この信号レベルが所定値以下の場合には、制御
信号（アラーム）が光切替器５１及び５４に送出され
る。

【００４０】光切替器５１，５４では、この制御信号の
入力により、ミラー切替動作部７４が可動ミラー７３を
可動させて導波路７１の光軸上から外れるように動作さ
せる。これにより、予備伝送路１２と光／電気変換器５
２間には、導波路７１を介した光の伝送経路が形成され
る。また、光送信器５３と予備伝送路１３間には、導波
路７１を介した光の伝送経路が形成され、光送信器５３
から送信された光信号は、光切替器５４の導波路７１を
通って予備伝送路１３に伝送されることとなる。

【００４１】光送受信装置４０では、光送受信装置５０
の光切替器５４の切り替え動作によって、主伝送路１１
から光信号が受信できなくなる。このため、光／電気変
換器４４では、信号レベル検出部６１によって光信号が
ない状態の信号レベルが検出され、レベル判定部６２で
は、信号レベルの判定を行う。このレベル判定部６２で
は、この信号レベルが所定値以下の場合には、制御信号
（アラーム）が光切替器４２及び４３に送出される。

【００４２】光切替器４２，４３では、この制御信号の
入力により、ミラー切替動作部７４が可動ミラー７３を
可動させて導波路７１の光軸上から外れるように動作さ
せる。これにより、光送信器４１と予備伝送路１２間に
は、導波路７１を介した光の伝送経路が形成され、光送
信器４１から送信された光信号は、光切替器４２の導波
路７１を通って予備伝送路１２に伝送されることとな
る。

【００４３】この光送受信装置４０から予備伝送路１２
へ伝送された光信号は、光送受信装置５０において、光
切替器５１の導波路７１を通って光／電気変換器５２に
伝送される。また、予備伝送路１３と光／電気変換器４
４間には、導波路７１を介した光の伝送経路が形成さ
れ、予備伝送路１３から入力される光信号は、導波路７
１を通って光／電気変換器４４に伝送される。

【００４４】このように、この実施例では、主伝送路と
予備伝送路の両端を、光学的に選択切り替えできる光切
替器に接続させ、光信号がこの光切替器によって選択さ
れた主伝送路又は予備伝送路のいずれか一方の伝送路に
伝送されるようにする。そして、例えば一方の主伝送路
に障害が発生した場合には、光／電気変換器がこの主伝
送路から受信される光信号のレベル検出に基づいて、自
装置の受信側と送信側の光切替器を制御して、光信号を
伝送する伝送路を予備伝送路に切り替えるので、他方の
光送受信装置でも主伝送路の障害発生を検出して、予備
伝送路への切替を行うことができ、システム全体で主伝
送路と予備伝送路の切り替えが可能になり、光信号の伝
送効率を高めることができる。

【００４５】また、この実施例では、主伝送路と予備伝
送路とを光学的に選択切り替えできる光切替器に接続さ
せ、光信号がこの光切替器によって選択された主伝送路
又は予備伝送路のいずれか一方の伝送路に伝送されるよ
うになるので、光／電気変換器を送信側、受信側１台ず
つ配設するだけでよく、これによりシステムの消費電力
が削減でき、収納スペースも削減でき、装置の小型化も
図ることができる。

【００４６】また、この実施例では、光信号を光切替器
によって選択された一方の伝送路に伝送するので、従来
例のように光信号を分配する必要がなくなり、このため
光分配損失がなくなって光信号の伝送距離を大幅に伸ば
すことができて、光信号の伝送効率を高めることができ
る。さらに、この実施例では、上記のように、一方の伝
送路にのみ光信号を伝送させるので、予備伝送路は切り
替えられた時以外は光信号の伝送がなされず、同一光信
号による複数経路での同時伝送がなくなり、効率よく光
信号を伝送することができる。

【００４７】また、この発明では、光／電気変換器のＯ
／Ｅ部で光信号を電気信号に変換した後に、信号レベル
検出部によってこの電気信号の信号レベルを検出するこ
とで、従来例のような光信号の分配が省けるので、光信
号の分配による分配損失を防ぐことができる。

【００４８】（実施例２）図４は、この発明にかかる光
送受信装置を用いた光伝送路切替システムの実施例２の
構成を示す構成図である。なお、以下の図において、図
１と同様の構成部分に関しては、説明の都合上、同一符
号を付記するものとする。

【００４９】図において、この実施例では、上りと下り
の光信号を一芯の伝送路で双方向伝送するシステムを構
築している。すなわち、この実施例では、光送受信装置
４０の光送信器４１及び光／電気変換器４４と、光切替
器４２との間に混合器４５を、また光送受信装置５０の
光送信器５３及び光／電気変換器５２と、光切替器５１
との間に混合器５５をそれぞれ設け、上りと下りの光信
号の混合又は分配を行う。

【００５０】図２に示した構成からなる光／電気変換器
４４，５２は、混合器４５，５５で分配された光信号を
取り込んで、信号レベル検出部６１で信号レベルを検出
している。そして、例えば、障害の発生により、主伝送
路１０からの光信号が途切れた場合又は信号レベルが低
下した場合に、図２に示した構成からなる光送受信装置
５０の光／電気変換器５２において、レベル判定部６２
が制御信号を出力して、光切替器５１によって光信号の
導波路を、予備伝送路１２が接続されている導波路７１
に光学的に切り替える。

【００５１】この時、一時的に光送受信装置４０の光切
替器４２は、主伝送路１０と混合器４５とを接続させて
いるので、光送受信装置４０は、信号伝送ができなくな
る。しかし、上りの光／電気変換器４４が障害発生を検
出して制御信号を出力するので、光切替器４２が伝送路
を予備伝送路１２側に切り替えることができる。

【００５２】このように、この実施例では、上りと下り
の光信号を混合して、一芯の伝送路で伝送する場合に
も、実施例１と同様に、選択された主伝送路又は予備伝
送路のいずれか一方の伝送路に伝送されるようにする。
そして、例えば主伝送路に障害が発生した場合には、光
／電気変換器がこの主伝送路から受信される光信号のレ
ベル検出に基づいて、自装置の受信側と送信側の光切替
器を制御して予備伝送路に切り替えることができるの
で、実施例１と同様の効果を得ることができるととも
に、光送受信装置に１つの光切替器を設けて伝送路の切
り替えを行うので、システム構成を簡易にすることが可
能である。

【００５３】（実施例３）また、図５は、この発明にか
かる光送受信装置を用いた光伝送路切替システムの実施
例３の構成を示す構成図である。この実施例では、上り
の異なる波長の光信号と下りの異なる波長の光信号をそ
れぞれ一芯の伝送路で伝送する光波長多重伝送システム
を構築している。

【００５４】すなわち、この実施例では、光送受信装置
４０に、波長の異なる光信号を送信する複数の光送信器
４１ａ〜４１ｄと、これら光送信器４１ａ〜４１ｄから
送信された複数の光信号を波長多重して光切替器４２に
出力するＷＤＭ（Ｗａｖｅｌｅｎｇｔｈ Ｄｉｖｉｓｉ
ｏｎ Ｍｕｌｔｉｐｌｅｘｉｎｇ）部４６と、光切替器
４３からの光信号を波長分割するＷＤＭ部４７と、この
分割された光信号を光／電気変換する複数の光／電気変
換器４４ａ〜４４ｄとが設けられている。

【００５５】さらに、この実施例では、光送受信装置５
０に、光切替器５１からの光信号を波長分割するＷＤＭ
部５６と、この分割された光信号を光／電気変換する複
数の光／電気変換器５２ａ〜５２ｄと、波長の異なる光
信号を送信する複数の光送信器５３ａ〜５３ｄと、これ
ら光送信器５３ａ〜５３ｄから送信された複数の光信号
を波長多重して光切替器５４に出力するＷＤＭ部５７と
が設けられている。

【００５６】この実施例では、光／電気変換器４４ａ，
５２ａは、図３に示した光／電気変換器４４，５２と同
一の構成からなっている。したがって、光／電気変換器
４４ａ，５２ａは、波長分割されたある一つの波長帯の
光信号をそれぞれ取り込んで、信号レベルを検出して、
レベル判定を行い、例えば障害発生時に光切替器４２，
４３が導波路の選択を行い、光信号を伝送する伝送路
を、予備伝送路１２、１３に光学的に切り替える。

【００５７】このように、この実施例では、異なる波長
からなる複数の光信号を波長多重して伝送する場合に
も、実施例１と同様に、選択された主伝送路又は予備伝
送路のいずれか一方の伝送路に伝送されるようにする。
そして、例えば主伝送路に障害が発生した場合には、１
つの光／電気変換器がこの主伝送路から受信される光信
号のレベル検出に基づいて、自装置の受信側と送信側の
光切替器を制御して予備伝送路に切り替えることができ
るので、実施例１と同様の効果を得ることができる。

【００５８】この発明は、これら実施形態に限定される
ものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
の変形実施が可能である。

【００５９】

【発明の効果】以上説明したように、この発明の請求項
１，２では、上りと下りの少なくとも１本ずつの主伝送
路と予備伝送路にそれぞれ接続され、選択された前記伝
送路を介して光信号を送信する送信手段と、選択された
前記伝送路から光信号を受信する受信手段とを有し、前
記上りと下りの伝送路を介して光信号の双方向伝送を行
う光送受信装置において、前記主伝送路と予備伝送路に
接続される各導波路を有する光切替器を備え、前記導波
路を光学的に選択切り替えて、光信号がこの光切替手段
によって選択された導波路に接続された主伝送路又は予
備伝送路の一方の伝送路に伝送されるようにするので、
光伝送路の状態を監視するための別線の光伝送路や複数
の光送受信器を用いることなく、光の損失を防ぐととも
に、光信号の伝送効率を高めることができる。

【００６０】また、この発明の請求項３，４では、主伝
送路と予備伝送路にそれぞれ接続され、選択された前記
伝送路を介して光信号を送信する送信手段と、選択され
た前記伝送路から光信号を受信する受信手段と、上り及
び下りの前記光信号の混合又は分配を行う混合分配手段
とを有し、同一の前記伝送路を介して光信号の双方向伝
送を行う光送受信装置において、前記混合分配手段によ
って上りと下りの光信号を混合して同一の光伝送路での
双方向伝送を行う場合も、この混合された光信号が光切
替手段によって選択された導波路に接続された主伝送路
又は予備伝送路の一方の伝送路に伝送されるようにする
ので、一芯の光伝送路を用いた光信号の双方向伝送の場
合でも、光伝送路の状態を監視するための別線の光伝送
路や複数の光送受信器を用いることなく、光の損失を防
ぐとともに、光信号の伝送効率を高めることができる。

【００６１】また、この発明の請求項５では、波長分割
多重手段によって異なる波長の光信号を波長多重して光
伝送路での伝送を行う場合も、この多重された光信号が
光切替手段によって選択された導波路に接続された主伝
送路又は予備伝送路の一方の伝送路に伝送されるように
するので、光信号の波長分割多重伝送の場合でも、光伝
送路の状態を監視するための別線の光伝送路や複数の光
送受信器を用いることなく、光の損失を防ぐとともに、
光信号の伝送効率を高める。

【００６２】また、この発明の請求項６では、光信号を
電気信号に変換した後に、この電気信号の信号レベルを
検出することで、従来例のような光信号の分配が省ける
ので、光信号の分配による分配損失を防ぐことができ
る。

【００６３】また、この発明の請求項７，８では、少な
くとも１本ずつの主伝送路と予備伝送路を有し、当該伝
送路を切り替えて双方向の光伝送を行う光伝送路切替シ
ステムにおいて、請求項１〜６のいずれか一つの光送受
信装置を伝送路の両端に接続させ、光信号が光切替手段
によって選択された主伝送路又は予備伝送路の一方の伝
送路に伝送されるようにし、かつ一方の光送受信装置の
前記レベル検出手段による信号レベルの検出結果に基づ
いて、前記各光送受信装置の切替制御手段が前記伝送路
の切り替え制御を行うので、システム全体で切替制御手
段による光切替手段の自動切替制御が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明にかかる光送受信装置を用いた光伝送
路切替システムの実施例１の構成を示す構成図である。

【図２】図１に示した光電気変換器の構成を示す構成図
である。

【図３】同じく、光切替器の構成を示す構成図である。

【図４】この発明にかかる光送受信装置を用いた光伝送
路切替システムの実施例２の構成を示す構成図である。

【図５】同じく、光送受信装置を用いた光伝送路切替シ
ステムの実施例３の構成を示す構成図である。

【図６】従来の光送受信装置を用いた光伝送路切替シス
テムの一例の構成を示す構成図である。

【図７】同じく、従来の光送受信装置を用いた光伝送路
切替システムの他例の構成を示す構成図である。

【符号の説明】

１０，１１ 主伝送路 １２，１３ 予備伝送路 ２０、３０，４０、５０ 光送受信装置 ２１，２６，３４，３６，４１，５３，４１ａ〜４１
ｄ，５３ａ〜５３ｄ 光送信器 ２２，３５ 光分配器 ２３，２４，３１，３２，４４，５２，４４ａ〜４４
ｄ，５２ａ〜５２ａ 光／電気変換器 ２５，３３ 電気信号切替器 ３０ 光送受信装置 ４２，４３，５１，５４ 光切替器 ４５，５５ 混合器 ４６、４７，５６，５７ ＷＤＭ部 ６０ Ｅ／Ｏ部 ６１ 信号レベル検出部 ６２ レベル判定部 ７０，７１ 導波路 ７２ 固定ミラー ７３ 可動ミラー ７４ ミラー切替動作部

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上りと下りの少なくとも１本ずつの主伝
   送路と予備伝送路にそれぞれ接続され、選択された前記
   伝送路を介して光信号を送信する送信手段と、選択され
   た前記伝送路から光信号を受信する受信手段とを有し、
   前記上りと下りの伝送路を介して光信号の双方向伝送を
   行う光送受信装置において、 前記送信手段と前記各伝送路とを光学的に切り替えて接
   続させる第１の光切替手段と、 前記受信手段と前記各伝送路とを光学的に切り替えて接
   続させる第２の光切替手段と、 少なくとも１本の前記伝送路を介して受信される光信号
   の信号レベルを検出するレベル検出手段と、 前記検出された信号レベルに基づいて、前記第１及び第
   ２の光切替手段の切り替え制御を行い、前記選択された
   伝送路と前記受信手段及び前記送信手段を接続させる切
   替制御手段とを備えたことを特徴とする光送受信装置。
2. 【請求項２】 前記第１の光切替手段は、前記送信手段
   と前記各伝送路とを接続させる少なくとも２つの導波路
   を有し、前記第２の光切替手段は、前記受信手段と前記
   各伝送路が接続される少なくとも２つの導波路を有し、
   前記第１及び第２の光切替手段は、前記切替制御手段の
   制御によって前記導波路を光学的に切り替え、前記光送
   信手段及び光受信手段と前記選択された伝送路を接続さ
   せることを特徴とする請求項１に記載の光送受信装置。
3. 【請求項３】 主伝送路と予備伝送路にそれぞれ接続さ
   れ、選択された前記伝送路を介して光信号を送信する送
   信手段と、選択された前記伝送路から光信号を受信する
   受信手段と、上り及び下りの前記光信号の混合又は分配
   を行う混合分配手段とを有し、同一の前記伝送路を介し
   て光信号の双方向伝送を行う光送受信装置において、 前記混合分配手段と前記各伝送路が接続される少なくと
   も２つの導波路を有し、前記導波路を光学的に切り替え
   る光切替手段と、 前記伝送路を介して受信される光信号の信号レベルを検
   出するレベル検出手段と、 前記検出された信号レベルに基づいて、前記光切替手段
   の導波路切り替えの制御を行い、前記選択された伝送路
   と前記混合分配手段とを接続させる切替制御手段とを備
   えたことを特徴とする光送受信装置。
4. 【請求項４】 前記光切替手段は、前記混合分配手段と
   前記各伝送路とを接続させる少なくとも２つの導波路を
   有し、前記切替制御手段の制御によって前記導波路を光
   学的に切り替え、前記混合分配手段と前記選択された伝
   送路を接続させることを特徴とする請求項３に記載の光
   送受信装置。
5. 【請求項５】 前記光送信手段は、異なる波長の光信号
   を送信する複数の光送信器からなり、前記光受信手段
   は、前記異なる波長の光信号を別々に受信する複数の光
   受信器からなり、前記光送受信装置は、前記光送信器か
   らの各光信号を波長多重するとともに、前記伝送路から
   の光信号を各波長に波長分割する波長分割多重手段をさ
   らに備え、前記レベル検出手段は、前記波長分割された
   少なくとも１波長の光信号の信号レベルを検出すること
   を特徴とする請求項１〜４のいずれか一つに記載の光送
   受信装置。
6. 【請求項６】 前記受信手段は、前記受信した光信号を
   光電気変換しており、前記レベル検出手段は、前記光電
   気変換された電気信号の信号レベルを検出することを特
   徴とする請求項１〜３及び５のいずれか一つに記載の光
   送受信装置。
7. 【請求項７】 少なくとも１本ずつの主伝送路と予備伝
   送路を有し、当該伝送路を切り替えて双方向の光伝送を
   行う光伝送路切替システムにおいて、 前記主伝送路と予備伝送路を介して請求項１〜６のいず
   れか一つの光送受信装置が互いに接続され、前記選択さ
   れた伝送路を介して光信号の送受信を行うことを特徴と
   する光伝送路切替システム。
8. 【請求項８】 前記光伝送路切替システムでは、一方の
   光送受信装置の前記レベル検出手段による信号レベルの
   検出結果に基づいて、前記各光送受信装置の切替制御手
   段が前記伝送路の切り替え制御を行うことを特徴とする
   請求項７に記載の光伝送路切替システム。