JP2003228633A - 製品の損害度判定装置、その方法、及び製品の損害度判定プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

製品の損害度判定装置、その方法、及び製品の損害度判定プログラムを記録した記録媒体

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JP2003228633A
JP2003228633A JP2002027614A JP2002027614A JP2003228633A JP 2003228633 A JP2003228633 A JP 2003228633A JP 2002027614 A JP2002027614 A JP 2002027614A JP 2002027614 A JP2002027614 A JP 2002027614A JP 2003228633 A JP2003228633 A JP 2003228633A
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Nobuhiko Kawai
信彦 川井
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車が損傷したときの損害度を精度良く判定
する。 【解決手段】自動車の損傷情報に基づいて該自動車に加
わった外力の入力位置、入力方向及び大きさを求め、該
自動車の構成に基づいて設定された力学モデルにより、
当該外力による当該自動車の損害度を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製品の損害度判定
装置、その方法、及び製品の損害度判定プログラムを記
録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】事故車を修理する場合、事前に修理費用
を見積もることが行なわれている。その見積もりは、目
視によって事故車の損傷部位及び程度を判断し、それに
基づいて修理方法を検討することによって行なわれてい
る。しかし、この方法では、見積者の知識や経験の程度
によって修理方法の判断、修理費用の見積額が異なり、
適切な修理が行なわれない場合も生ずる。
【0003】これに対して、事故車を撮影した画像に基
づいてコンピュータを用いてその事故車の修理費用を見
積もるようにしたシステムが知られている(特開平11
−66147号公報参照)。それは、端的に言えば、事
故車の画像と損傷のない同一車種の画像とを比較し、そ
の比較に基づいて事故車に対する外力の入力パターンを
求め、その入力パターンに基づいて修理費用を見積もる
というものである。その見積には、予め外力の入力パタ
ーンと車体フレーム及び車体パネルの変形パターンとの
関係を考察して、それら車体構成要素の損害度、修理内
容、修理費用等に関連付けて記憶させたデータベースが
利用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、製品に対する
外力の入力位置、入力方向及び大きさは様々であり、外
力の入力をパターン化しただけでは、製品の損害度を精
度良く判定することはできない。
【0005】そこで、本発明は、製品の損害情報に基づ
いてその損害度を精度良く判定することができるように
することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題に対して、損害度の判定に力学モデルを用いるように
した。
【0007】すなわち、請求項1に係る発明は、コンピ
ュータを用いた製品の損害度判定装置であって、製品損
傷時に該製品に作用した外力に関連する損傷情報を入力
する入力手段と、上記損傷情報に基づいて上記製品に加
わった外力の入力位置、入力方向及び大きさを求め、上
記製品の構成に基づいて設定された力学モデルにより、
当該外力による当該製品の損害度を判定する判定手段と
を備えていることを特徴とする。
【0008】従って、製品に対する外力の入力位置、入
力方向及び大きさは様々であっても、その入力位置、入
力方向及び大きさに基づいて製品の力学モデルにより損
害度を個々に判定するから、得られる損害度情報の信頼
性が高まる。
【0009】ここに、力学モデルとは、上記製品の構成
に基づいて設定され、外力(ベクトル)によって該製品
の各部が変化する態様をモデル(数学モデル)化してな
るものであり、力学モデルによる解析には、例えば製品
を多数の微小な要素に分割し、それぞれについて力と変
位のつり合うマトリックス方程式を立て、コンピュータ
で解く有限要素法がある。
【0010】請求項2に係る発明は、請求項1に記載さ
れている製品の損害度判定装置において、上記製品は自
動車であり、上記力学モデルは、車体フレームと、該フ
レームに支持されたエンジンとを構成要素として備えて
いることを特徴とする。
【0011】すなわち、エンジンを支持した車体フレー
ムは外力による変形が該エンジンによって規制(拘束)
されるが、本発明によれば、自動車衝突時にエンジンを
支持した車体フレームがどのように変形するかを判定す
る上で有利になる。また、その車体フレームの変形に起
因してエンジンがどのように変位するか、それによって
その周辺部品にどのような損害が発生するかを判定する
ことができる。
【0012】請求項3に係る発明は、請求項2に記載さ
れている製品の損害度判定装置において、上記力学モデ
ルは、上記車体フレームとエンジンとの関係を表した設
計図に基づいて設定されていることを特徴とする。
【0013】従って、力学モデルの精度が高いものにな
り、損害度の判定精度が高くなる。
【0014】請求項4に係る発明は、請求項1に記載さ
れている製品の損害度判定装置において、上記入力手段
によって入力された損傷情報と実際の損害度との関連を
示す実損害度データを蓄積するデータベースを備え、上
記判定手段は、上記データベースに蓄積された実損害度
データを上記損害度の判定に用いることを特徴とする。
【0015】すなわち、この発明は、過去の同一又は類
似の損傷があったときの実際の損害度(判定結果ではな
く、実際に修理を行なって把握された損害度)を上記判
定手段による損害度の判定に反映させる、というもので
あり、これにより、より精度の高い損害度判定を行なう
ことができる。その反映の仕方としては、力学モデルに
よる判定結果を過去の実際の損害度に基づいて補正す
る、というものであっても、過去の実際の損害度に基づ
いて修正した力学モデルを用いて判定を行なうというも
のであってもよい。
【0016】請求項5に係る発明は、コンピュータを用
いた製品の損害度判定方法であって、製品損傷時に該製
品に作用した外力に関連する損傷情報を入力する入力ス
テップと、上記損傷情報に基づいて上記製品に加わった
外力の入力位置、入力方向及び大きさを求める外力判定
ステップと、上記製品の構成に基づいて設定された力学
モデルにより、当該外力による当該製品の損害度を判定
する損害度判定ステップとを備えていることを特徴とす
る。
【0017】従って、製品に対する外力の入力位置、入
力方向及び大きさは様々であっても、その入力位置、入
力方向及び大きさに基づいて製品の力学モデルにより損
害度を個々に判定するから、得られる損害度情報の信頼
性が高まる。
【0018】請求項6に係る発明は、請求項5に記載さ
れている製品の損害度判定方法において、上記力学モデ
ルを保存したデータベースを備え、上記入力ステップで
は、第1コンピュータから通信回線を介して損害度判定
用の第2コンピュータに損傷情報を入力し、上記損害度
判定ステップでは、上記データベースから上記第2コン
ピュータに力学モデルを取り込んで損害度を判定するこ
とを特徴する。
【0019】従って、力学モデルによる損害度の判定を
第2コンピュータで行なうようにし、この第2コンピュ
ータに対して別の第1コンピュータから損傷情報を入力
するようにしたから、第1コンピュータの能力を高める
必要がなく、また、力学モデル及び判定ソフトの第1コ
ンピュータ側への漏洩防止に有利になる。
【0020】請求項7に係る発明は、請求項6に記載さ
れている製品の損害度判定方法において、さらに、上記
第2コンピュータによる損害度判定結果を上記第1コン
ピュータに通信回線を介して送信するステップを備えて
いることを特徴とする。
【0021】従って、第1コンピュータから第2コンピ
ュータにアクセスして損傷情報を送信すれば、損害度の
判定結果を得ることができ、利便性を高める上で有利に
なる。
【0022】請求項8に係る発明は、コンピュータを用
いて製品の損害度を判定するプログラムを記録した記録
媒体であって、製品損傷時に該製品に作用した外力に関
連する損傷情報に基づいて該製品に加わった外力の入力
位置、入力方向及び大きさを求め、上記製品の構成に基
づいて予め設定された力学モデルにより、当該外力によ
る当該製品の損害度を判定することを特徴とする。
【0023】従って、当該記録媒体によってコンピュー
タを作動させて製品の損害度を判定することができると
ともに、製品に対する外力の入力位置、入力方向及び大
きさは様々であっても、その入力位置、入力方向及び大
きさに基づいて製品の力学モデルにより損害度を個々に
判定するから、得られる損害度情報の信頼性が高まる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0025】図1には本発明に係るコンピュータを用い
た製品の損害度判定・修理支援システムの全体構成が示
されている。この実施形態は、自動車が損傷したときの
損害度判定・修理支援に使用するものである。図1にお
いて、1はユーザー(自動車損害保険会社等)側端末装
置である第1コンピュータ、2は本システムを用いてサ
ービスを提供する側の第2コンピュータである。この両
コンピュータ1,2は通信回線(例えばインターネッ
ト)3を介して結ばれるようになっている。なお、図1
では第1コンピュータ1が1つだけ描かれているが、本
システムは複数のユーザーに対してサービスを提供する
ことができる。
【0026】このシステムでは、自動車4の損傷情報を
ユーザー側の第1コンピュータ1から通信回線3によっ
てサービス提供者側の第2コンピュータ2に入力し、こ
の第2コンピュータ2によって損害度の判定及び修理に
関する情報の生成を行なって第1コンピュータ1に送信
するようになっている。
【0027】自動車4の損傷情報としては、損傷した自
動車4の車台番号、車両番号及び所有者、損傷した自動
車をデジタルカメラ5によって撮影して得られる3次元
画像データ、車速センサによって得られる損傷時の車
速、全方位型重力加速度センサによって得られる損傷時
に自動車に働いた重力加速度の大きさと方向、並びに損
傷時の自動車周囲の環境(周囲の車両、障害物等)変化
をモニタカメラ6によって撮影して得られた3次元画像
データがある。デジタルカメラ5では、自動車の外観の
画像データの他、自動車前部の損傷の場合はエンジンル
ーム内の画像データをも得る。自動車周囲の環境変化は
レーダーによって捉えるようにすることもできる。
【0028】デジタルカメラ5による画像データは、デ
ジタルカメラ5を第1コンピュータ1に接続して(又は
デジタルカメラ附属のメモリカードから第1コンピュー
タ1にインストールして)送信される。車速、重力加速
度の大きさと方向、並びにモニタカメラ6による3次元
画像データは、車載コンピュータ附属のメモリカード7
に記録され、該メモリカード7から第1コンピュータ1
にインストールして送信される。
【0029】なお、デジタルカメラ5による画像データ
に代えて損傷した自動車をデジタルムービーカメラによ
って撮影して得られる画像データを採用するようにして
もよい。
【0030】コンピュータ1,2にはキーボード1a,
2a及び表示装置1b,2bが接続されている。第2コ
ンピュータ2にはさらに損害度判定及び修理支援に必要
な各種のデータやプログラムを記憶・保存したハードデ
ィスクドライブ8(以下、HDD8という。)が接続さ
れている。
【0031】図2は第2コンピュータ2の構成を示す。
図中、11はブートプログラム等を記憶しているRO
M、12は各種処理結果を一時記憶するRAM、13は
外部装置と通信回線3を介して通信するための通信イン
タフェース、14はマウス等のポインティング・デバイ
ス、15はCPU(中央演算処理装置)である。これら
の各構成は、内部バス29を介して接続されており、C
PU15はHDD8に記憶したプログラムに従って装置
全体を制御する。本実施形態において、表示装置2b、
キーボード2a、並びにポインティング・デバイス14
は、後述する各表示画面において、ユーザに対して所謂
マン・マシンインタフェースを提供する。
【0032】HDD8には、自動車の設計図データベー
ス8a、力学モデルデータベース8b、損傷関連情報デ
ータベース8c、及び部品・工賃データベース8dが作
成して保存されているとともに、損害度判定・修理支援
のためのプログラムが保存されている。
【0033】設計図データベース8aには、自動車の3
次元での設計図が車種別に保存されている。力学モデル
データベース8bには、自動車の損傷時(衝突時)にお
ける変形を有限要素法によって解析するためのモデル
(力学モデル)が車種別に作成して保存されている。
【0034】損傷関連情報データベース8cには、自動
車の各部品の損害度と該損害度に対応する修理情報(修
理又は交換の必要性の有無、修理方法)とが車種別に保
存されている。例えば、車体フレームの損傷による曲が
りの場合は、その曲がりを修正するためにそのフレーム
に加えるべき力の入力位置、入力方向及び大きさが保存
されている。また、同一車種について過去の損傷時に得
られた損傷情報、そのときの外力判定結果、そのときの
修理の結果判明した実際の損害度、及びそのときの修理
方法がこのデータベース8cに車種別に保存されてい
る。
【0035】部品・工賃データベース8dには、自動車
の各部品の価格、各部品の交換費用、及び各部品の修理
費用が車種別に保存されている。
【0036】図3は自動車のエンジンルーム部分の設計
図を簡略化して示すものである。同図において、16は
サスペンションタワー、17は車体前部のサイドフレー
ム、18はサイドフレーム17に結合されたペリメータ
フレームであり、このペリメータフレーム18にパワー
プラント(エンジン本体及び自動変速機)19が支持さ
れている。21はエアクリーナ、22は吸気管、23は
バッテリ、24はラジエータ、25は冷却水タンク、2
6はブレーキのブースタ、27はブレーキのマスタシリ
ンダである。
【0037】図4は上記CPU15による処理ロジック
をブロック化して表したものである。すなわち、CPU
15では、ユーザー確認、損傷情報の入力、画像データ
処理、静的損害度判定、損傷時の外力判定、損傷時の動
的解析、動的損害度判定、修理情報生成、並びに情報出
力の各処理が行なわれる。これら各処理は、そのための
プログラムを記録した記録媒体(フロッピー(登録商
標)ディスク、コンパクトディスク等)から、そのプロ
グラムをHDD8(又は第2コンピュータ2のハードデ
ィスク)に組み込んで(インストールして)実行され
る。以下、その内容を図5に示すフローを参照しながら
具体的に説明する。
【0038】<ユーザー確認処理>スタート後のステッ
プA1で第1コンピュータ1から第2コンピュータ2に
通信回線3によってアクセスされているか(サービス提
供依頼があるか)をみて、アクセスされていれば、ステ
ップA2に進んでユーザー確認処理を行なう。すなわ
ち、データ交換が可能になったときに、ユーザーIDと
パスワードの入力を求め、その確認ができたときは(ロ
グイン)、さらにステップA3に進んで、サービス料金
の支払い方法の確認も行なう。
【0039】<損傷情報入力>続くステップA4では、
損傷情報として、自動車の損傷部位を含むエンジンルー
ム等の3次元画像データ(デジタルカメラ5による画像
データ)、損傷時の車速、損傷時に自動車に働いた重力
加速度の大きさ及び方向、並びにモニタカメラ6によっ
て撮影された当該自動車と障害物との衝突状況を示す3
次元画像データを入力する。
【0040】<画像データ処理>続くステップA5にお
いて設計図データベース8aから同一車種の損傷のない
自動車の対応する画像データ(設計図)を検索して読出
す。続くステップA6で、損傷情報としてのデジタルカ
メラ5による画像データと設計図の画像データとを対比
させて論理演算を行なうことにより、変形を生じている
部分の画像データ(変形前後の画像データ)を残す。
【0041】<静的損害度判定>続くステップA7にお
いて、上記画像データ処理によって得られた変形前後の
画像データに基づいて、変形を生じている部品及びその
損害度(損傷の種類、変形の大きさ、金属疲労度)を判
定する。パワープラントが変位している場合は、その変
位に伴って損傷するエンジン周辺部品の損害度を当該変
位量に基づいて判定する。
【0042】<損傷時の外力判定>続くステップA8に
おいて、上記画像データ処理によって得られた変形前後
の画像データに基づいて、損傷時に自動車に加わった外
力の入力位置、入力方向及び大きさを判定する(第1の
外力判定)。また、損傷時の車速、損傷時に自動車に働
いた重力加速度の大きさ及び方向、並びにモニタカメラ
6によって撮影された当該自動車と障害物との衝突状況
を示す3次元画像データに基づいて、損傷時に自動車に
加わった外力の入力位置、入力方向及び大きさを判定す
る(第2の外力判定)。
【0043】上記第1の外力判定について説明すると、
変形前後の画像データから外力によって変形した部分が
わかる。その変形した部分の各部位の外力に対する抵抗
力(強度)はその外力の入力方向によって異なるから、
各部位の変形量を変形前後の画像データから取得するこ
とによって、外力の入力位置、入力方向及び大きさがわ
かることになる。
【0044】上記第2の外力判定について説明すると、
損傷時に自動車に働いた重力加速度の大きさ及び方向
は、外力の入力方向とその大きさに対応する。また、当
該自動車と障害物との衝突状況を示す3次元画像データ
から外力の入力位置がわかる。従って、重力加速度の大
きさ及び方向、並びに衝突状況の3次元画像データか
ら、外力の入力位置、入力方向及び大きさがわかること
になる。車速は外力の入力位置、入力方向及び大きさの
補正に利用することができる。
【0045】<損傷時の動的解析>続くステップA9に
おいて、力学モデルデータベース8bに保存された解析
モデル(力学モデル)により、上記外力判定によって得
られた外力による自動車の変形モードを解析するシミュ
レーションを実行する。この場合、解析モデルの形状モ
デリングは、車体フレーム及び該車体フレームに支持さ
れたパワープラントを含む当該自動車の設計図に基づい
てコンピュータデータを定義することにより行なわれ
る。従って、当該外力によってパワープラントが変位し
ている場合はその変位量も求められることになる。
【0046】<動的損害度の判定>続くステップA10
において、上記動的解析の結果(変形モード)に基づい
て、変形を生じている部品及びその損害度(損傷の種
類、変形の大きさ、金属疲労度)を判定する。この場
合、上記力学モデルの構成要素としては、車体の強度メ
ンバー(車体パネル及び車体フレーム)とエンジンとが
含まれていれば、該強度メンバーやエンジンの変位量か
らエンジン周辺部品、その他の自動車構成部品の損害度
を求めることができる。
【0047】また、動的損害度の判定にあたっては、損
傷情報データベース8cから過去の同一車種についての
同種の損傷情報を検索し、そのような損傷情報がある場
合には、そのときの実損害度に基づいて上記力学モデル
による判定結果を補正する(ステップA11)。その補
正は、今回の判定結果(損害度)と過去の実損害度との
誤差の所定割合を今回の判定結果に反映させることによ
って行なうことができる。また、今回の損傷情報と過去
の損傷情報とが一致しないときは、過去の近似する複数
の損傷関連情報に基づいて補間により今回の損傷情報に
対応する損害度を求め、この損害度に基づいて今回の判
定結果の補正を行なうことができる。
【0048】<修理情報の生成>続くステップA12に
おいて、上記静的損害度判定及び動的損害度判定の結果
に基づいて、その損害を生じた部品の当該損害度に対応
する修理情報(修理又は交換の必要性、修理方法)を損
傷関連情報データベース8cから取得する。例えば、車
体フレームの損傷による曲がりが損害度として判定され
たときは、その曲がりを修正するために該フレームに加
えるべき力の入力位置、入力方向及び大きさが損傷関連
情報データベース8cから求められる。
【0049】また、上記静的損害度判定及び動的損害度
判定の結果に基づいて、その損害を生じた部品を交換す
る場合はその部品の価格及び交換費用を、また、その損
害を生じた部品を修理する場合はその修理費用を、部品
・工賃データベース8dから取得する。
【0050】<情報出力処理>続くステップA13にお
いて、上記損傷情報、上記画像データ処理の結果、上記
動的解析結果、静的損害度の判定結果、動的損害度の判
定結果、並びに上記修理情報を表計算ソフトにより処理
して見積書(表)を作成し、表示装置2dに表示させる
とともに、通信インターフェイス13を介して第1コン
ピュータ1に送信する(ステップA14)。
【0051】図6は見積書の一例を示す。車台番号等の
書誌的事項の他、部品名、部品数、損傷状況、修理方法
及び損害度判定・修理支援のサービス料金のみを表示
し、工賃、部品単価等の修理に関する費用欄はユーザー
側で書き込むようにしてもよい。また、事故車画像、損
傷情報及び修理スケジュールはメニュー方式で表示させ
るようにしている。修理スケジュールに関しては、必要
に応じて修理工場から情報を得て表示できるようにすれ
ばよい。
【0052】また、上記損傷情報、上記画像データ処理
の結果、上記動的解析結果、静的損害度の判定結果、動
的損害度の判定結果、並びに上記修理情報は、損傷関連
情報データベース8cに保存する。さらに、実際に修理
が行なわれたときに、その修理の結果判明した実際の損
害度及び修理方法に関する情報を修理工場から入手し
て、損傷関連情報データベース8cに保存する。
【0053】図7は第1コンピュータ1側の処理フロー
を示す。すなわち、スタート後のステップB1において
損傷情報としての、デジタルカメラ5による画像デー
タ)、損傷時の車速、損傷時に自動車に働いた重力加速
度の大きさ及び方向、並びにモニタカメラ6によって撮
影された当該自動車と障害物との衝突状況を示す3次元
画像データを入力する。
【0054】続くステップB2において、第2コンピュ
ータ2にアクセスし、ユーザーID、パスワード及び料
金支払い方法を入力する。第2コンピュータ2によるユ
ーザー確認及び料金支払い方法の確認が終了した後、損
傷情報を出力する(ステップB3〜B5)。続くステッ
プB6において第2コンピュータ2から修理情報を受信
すると、続くステップB7において修理情報を表形式で
表示する。
【0055】なお、上記実施形態は、自動車の損害度判
定・修理支援に関するが、本発明が他の製品の損害度判
定・修理支援にも適用できることはもちろんである。
【0056】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、製品の損
傷情報に基づいて該製品に加わった外力の入力位置、入
力方向及び大きさを求め、該製品の構成に基づいて設定
された力学モデルにより、当該外力による当該製品の損
害度を判定する判定手段を備えているから、得られる損
害度情報の信頼性が高まる。
【0057】請求項2に係る発明によれば、請求項1に
記載されている製品の損害度判定装置において、上記製
品は自動車であり、上記力学モデルは、車体フレーム
と、該フレームに支持されたエンジンとを構成要素とし
て備え、エンジンを考慮して損害度の判定を行なうよう
にしたから、損害度判定の精度が高くなる。
【0058】請求項3に係る発明によれば、請求項2に
記載されている製品の損害度判定装置において、上記力
学モデルは、上記車体フレームとエンジンとの関係を表
した設計図に基づいて設定されているから、力学モデル
の精度が高いものになり、損害度の判定精度が高くな
る。
【0059】請求項4に係る発明によれば、請求項1に
記載されている製品の損害度判定装置において、損傷情
報と実際の損害度との関連を示す実損害度データを蓄積
するデータベースを備え、このデータベースに蓄積され
た実損害度データを上記損害度の判定に用いるようにし
たから、損害度判定の精度が高くなる。
【0060】請求項5に係る発明によれば、製品の損傷
に関する情報を入力する入力ステップと、該損傷情報に
基づいて上記製品に加わった外力の入力位置、入力方向
及び大きさを求めるステップと、上記製品の構成に基づ
いて設定された力学モデルにより、当該外力による当該
製品の損害度を判定する判定ステップとを備えているか
ら、得られる損害度情報の信頼性が高まる。
【0061】請求項6に係る発明によれば、請求項5に
記載されている製品の損害度判定方法において、第1コ
ンピュータから通信回線を介して損害度判定用の第2コ
ンピュータに損傷情報を入力し、データベースから第2
コンピュータに力学モデルを取り込んで損害度を判定す
るようにしたから、第1コンピュータの能力を高める必
要がなく、また、力学モデル及び判定ソフトの第1コン
ピュータ側への漏洩防止に有利になる。
【0062】請求項7に係る発明によれば、請求項6に
記載されている製品の損害度判定方法において、上記第
2コンピュータによる損害度判定結果を上記第1コンピ
ュータに通信回線を介して送信するようにしたから、第
1コンピュータから第2コンピュータにアクセスして損
害度の判定結果を得ることができ、利便性を高める上で
有利になる。
【0063】請求項8に係る発明によれば、コンピュー
タを用いて製品の損害度を判定するプログラムを記録し
た記録媒体であって、製品の損傷に関する情報に基づい
て該製品に加わった外力の入力位置、入力方向及び大き
さを求め、上記製品の構成に基づいて予め設定された力
学モデルにより、当該外力による当該製品の損害度を判
定するものであるから、当該記録媒体によってコンピュ
ータを作動させて製品の損害度を判定することができる
とともに、得られる損害度情報の信頼性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の全体構成図。
【図2】同実施形態に係る第2コンピュータの構成を示
すブロック図。
【図3】同実施形態に係る自動車前部の設計図から得ら
れた画像データの一例を示す図。
【図4】同実施形態のシステム構成を示すブロック図。
【図5】同実施形態の第2コンピュータでの処理の流を
示すフローチャート図。
【図6】同実施形態に係る見積書の一例を示す図。
【図7】同実施形態の第1コンピュータでの処理の流を
示すフローチャート図。
【符号の説明】
1 第1コンピュータ 2 第2コンピュータ 3 通信回線 4 自動車 5 デジタルカメラ 6 モニタカメラ 7 メモリカード 8 HDD 8a 自動車の設計図データベース 8b 力学モデルデータベース 8c 損傷関連情報データベース 8d 部品・工賃データベース

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンピュータを用いた製品の損害度判定
    装置であって、 製品損傷時に該製品に作用した外力に関連する損傷情報
    を入力する入力手段と、 上記損傷情報に基づいて上記製品に加わった外力の入力
    位置、入力方向及び大きさを求め、上記製品の構成に基
    づいて設定された力学モデルにより、当該外力による当
    該製品の損害度を判定する判定手段とを備えていること
    を特徴とする製品の損害度判定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されている製品の損害度
    判定装置において、 上記製品は自動車であり、 上記力学モデルは、車体フレームと、該フレームに支持
    されたエンジンとを構成要素として備えていることを特
    徴とする製品の損害度判定装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載されている製品の損害度
    判定装置において、 上記力学モデルは、上記車体フレームとエンジンとの関
    係を表した設計図に基づいて設定されていることを特徴
    とする製品の損害度判定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載されている製品の損害度
    判定装置において、 上記入力手段によって入力された損傷情報と実際の損害
    度との関連を示す実損害度データを蓄積するデータベー
    スを備え、 上記判定手段は、上記データベースに蓄積された実損害
    度データを上記損害度の判定に用いることを特徴とする
    製品の損害度判定装置。
  5. 【請求項5】 コンピュータを用いた製品の損害度判定
    方法であって、 製品損傷時に該製品に作用した外力に関連する損傷情報
    を入力する入力ステップと、 上記損傷情報に基づいて上記製品に加わった外力の入力
    位置、入力方向及び大きさを求める外力判定ステップ
    と、 上記製品の構成に基づいて設定された力学モデルによ
    り、当該外力による当該製品の損害度を判定する損害度
    判定ステップとを備えていることを特徴とする製品の損
    害度判定方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載されている製品の損害度
    判定方法において、 上記力学モデルを保存したデータベースを備え、 上記入力ステップでは、第1コンピュータから通信回線
    を介して送信される損傷情報を損害度判定用の第2コン
    ピュータに入力し、 上記損害度判定ステップでは、上記データベースから上
    記第2コンピュータに力学モデルを取り込んで損害度を
    判定することを特徴する製品の損害度判定方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載されている製品の損害度
    判定方法において、 さらに、上記第2コンピュータによる損害度判定結果を
    上記第1コンピュータに通信回線を介して送信するステ
    ップを備えていることを特徴とする製品の損害度判定方
    法。
  8. 【請求項8】 コンピュータを用いて製品の損害度を判
    定するプログラムを記録した記録媒体であって、 製品損傷時に該製品に作用した外力に関連する損傷情報
    に基づいて該製品に加わった外力の入力位置、入力方向
    及び大きさを求め、上記製品の構成に基づいて予め設定
    された力学モデルにより、当該外力による当該製品の損
    害度を判定することを特徴とする製品の損害度判定用プ
    ログラムを記録した記録媒体。
JP2002027614A 2002-02-05 2002-02-05 製品の損害度判定装置、その方法、及び製品の損害度判定プログラムを記録した記録媒体 Pending JP2003228633A (ja)

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