JP2003225747A - タンデム鋳造用連続鋳造機及び該連続鋳造機への改造方法 - Google Patents

タンデム鋳造用連続鋳造機及び該連続鋳造機への改造方法

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JP2003225747A JP2002026178A JP2002026178A JP2003225747A JP 2003225747 A JP2003225747 A JP 2003225747A JP 2002026178 A JP2002026178 A JP 2002026178A JP 2002026178 A JP2002026178 A JP 2002026178A JP 2003225747 A JP2003225747 A JP 2003225747A
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正弘 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成でありながら高能率で高精度なタ
ンデム鋳造を可能とするタンデム用の連続鋳造設備を提
供する。 【解決手段】 垂直曲げ型の連続鋳造機において、二次
冷却帯の長手方向に沿って配置された複数本のピンチロ
ール6がそれぞれ独立して速度制御可能とされ、前記複
数本のピンチロール6が、前記二次冷却帯の垂直部3、
湾曲部4及び前後方向に2つに分割された水平部5にそ
れぞれブロック分けされ、前記2つの水平部5に対応す
るブロックのうち、機端に最も近いブロックは2本のピ
ンチロール6A、6Bを有し、前記各ブロック毎にピン
チロールがストランドを押し付ける圧力を制御する独立
した1Gr〜4Grの油圧系統9〜12が配置され、前
記2つの水平部の各ブロックにおいては各ピンチロール
に油圧を供給する配管のそれぞれに減圧弁が配置されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼等の溶融金属の
連続鋳造機において一単位の溶鋼に対する連続鋳造が終
了した後に、鋳造された鋳片を機内から完全に引き抜く
前に次の単位の鋳造を開始する、いわゆるタンデム鋳造
を可能にする連続鋳造機に関する。又、本発明は、連続
鋳造が終了した後に、鋳造された鋳片を機内から完全に
引き抜いてから次の単位の鋳造を開始する、いわゆるシ
ングル鋳造用に作られた連続鋳造機をタンデム鋳造用の
連続鋳造機に改造する改造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳片を先導するためのダミーバー(以下
D/Bと略すこともある)を上方より挿入する方法を採
用している連続鋳造機では、連続鋳造機内部に鋳片が存
在しない状態になってからダミーバーによる鋳造を開始
するシングル鋳造と、連続鋳造機内に引抜き中の鋳片
(以下、先行鋳片と呼ぶ)が存在する状態で次の鋳片
(以下、後行鋳片と呼ぶ)の鋳造を開始するタンデム鋳
造の2種類の運転方法がある。特に、後者の方法には、
操業のタイムサイクルを削減できるというメリットがあ
る。
【0003】図4には、優れた表面品質及び内部品質の
鋳片を製造可能であることから、現在主流となっている
シングル鋳造用の垂直曲げ型連続鋳造機の例を模式的に
示す。
【0004】この連続鋳造機の鋳造制御では、複数のピ
ンチロール(以下P/Rと略すこともある)6が、ダミ
ーバー8及び鋳片2(これらを総称してストランドとい
う)を、対向配置されている非駆動ロール7の方向へ順
次押付ながら、その押付力によって発生する摩擦力を利
用し、安定して鋳片を連続鋳造機の下流へと運んでい
く。通常、油圧によるピンチロールの押付を実施する
が、垂直曲げ型連続鋳造機にあっては連続鋳造機内を垂
直部3、湾曲部4、水平部5の3つのブロックに分割
し、各ブロックにそれぞれ含まれる複数のピンチロール
毎に、それぞれ該当する油圧系統(図中、1Gr〜3G
rで示す各油圧グループ)9、10、11を有してお
り、これら各系統毎にピンチロール6の押圧が、あるタ
イミングで一括してダミーバー押付圧(以下、ダミーバ
ー圧とも呼ぶ)と、鋳片押付圧(以下、鋳片圧とも呼
ぶ)との間で変更されるようになっている。押付圧力の
大きさは、ダミーバー圧>鋳片圧である。更に、鋳片圧
は鋳片の幅や厚みによって可変制御できる仕組みになっ
ている。
【0005】上記のようなシングル鋳造用の連続鋳造機
を使ってタンデム鋳造を実施したいと言う要望がある場
合、注意すべき点は、同一のピンチロール押付圧ブロッ
クに先行鋳片と後行鋳片先導用のダミーバーを共存させ
ないことである。もし共存させると、ダミーバー圧にし
た場合には、先行鋳片が過大圧力のために潰される可能
性が発生する。逆に先行鋳片の鋳片圧にした場合には、
ダミーバーを挟持する力が不安定になることから、ダミ
ーバーに続く後行鋳片が不定期にずり落ちることによっ
て、鋳片内部の未凝固の溶融金属が外部から圧迫を受
け、その結果として、モールド油面変動等の問題が発生
する。
【0006】従って、タンデム鋳造を行なうためにはシ
ングル鋳造用に設計され、製造された連続鋳造機をその
まま使用することができない。しかしながら、既にシン
グル鋳造用の連続鋳造機を有している製鋼工場にあって
は、単にタンデム鋳造を行なうためだけに新たに連続鋳
造機を親設することは不経済である。
【0007】そこで、従来より、シングル鋳造用の連続
鋳造機をタンデム鋳造可能な状態に改造することが提案
されている。例えば、特許第2621995号公報にお
いて開示される技術では、図5に水平部油圧グループ
(4Gr)として示すように、ピンチロール押付圧制御
ブロック12を水平部に1つ追加し、更にその最終位置
の下側にピンチロール6´を1台追加することにより、
先行鋳片22と後行鋳片用ダミーバー8が近接した際に
も、同一油圧ブロック内に両者が共存しないようにでき
ることから、安定して鋳造を行なえる方法を提案してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の改造方法では、油圧ブロックを1つ追加した上
に、更にピンチロールを1台追加する必要があり、建設
コストが非常に大きくなるという問題があった。
【0009】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、簡単な構成でありながら高能率で高
精度なタンデム鋳造を可能とする連続鋳造機を提供する
ことを第1の課題とする。
【0010】本発明は、又、最低限の改造範囲とコスト
で、シングル用の連続鋳造機をタンデム用に変更するこ
とができる改造方法を提供することを第2の課題とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、垂直曲げ型の
連続鋳造機において、二次冷却帯の長手方向に沿って配
置された複数本のピンチロールがそれぞれ独立して速度
制御可能とされ、前記複数本のピンチロールが、前記二
次冷却帯の垂直部、湾曲部及び前後方向に少なくとも2
つに分割された水平部にそれぞれブロック分けされ、前
記少なくとも2つの水平部に対応するブロックのうち、
機端に最も近いブロックは少なくとも2本のピンチロー
ルを有しており、前記各ブロック毎にピンチロールがス
トランドを押し付ける圧力をそれぞれ制御する独立した
油圧系統が配置され、前記少なくとも2つの水平部の各
ブロックにおいては各ピンチロールに油圧を供給する配
管のそれぞれに減圧弁が配置されていることを特徴とす
るタンデム鋳造用連続鋳造機を提供することにより、前
記第1の課題を解決したものである。
【0012】本発明は、又、二次冷却帯の長手方向に沿
って配置された複数本のピンチロールが、前記二次冷却
帯の垂直部、湾曲部及び水平部にブロック分けされ、前
記各ブロック毎にピンチロールがストランドを押し付け
る圧力をそれぞれ制御する独立した油圧系統が配置さ
れ、且つ、前記各ブロック毎にピンチロールの速度を一
括制御する方式のシングル鋳造用の垂直曲げ型連続鋳造
機をタンデム鋳造可能な連続鋳造設備に改造するに当た
り、前記複数本のピンチロールを個別に速度制御可能に
すると共に、前記水平部を機端に最も近いブロックはピ
ンチロールを少なくとも2本有するように少なくとも2
つのブロックに分割し、分割された水平部の各ブロック
に対してはそれぞれ独立した油圧系統を配置し、且つ、
該各ブロックにおいては各ピンチロールに油圧を供給す
る配管のそれぞれに減圧弁を配置することを特徴とする
シングル鋳造用連続鋳造機のタンデム鋳造用連続鋳造機
への改造方法を提供することにより、前記第2の課題を
解決したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明に係る一実施形態のタンデ
ム鋳造用連続鋳造機を模式的に示す概略正面図である。
【0015】本実施形態のタンデム鋳造用連続鋳造機
は、前記図4、図5に示したものと同様に垂直曲げ型の
連続鋳造機であるので、同一の符号を使って説明する
が、モールド1の下方に続く二次冷却帯の長手方向に沿
って配置された複数本のピンチロール6がそれぞれ独立
して速度制御可能とされ、前記複数本のピンチロール6
が、前記二次冷却帯の垂直部3、湾曲部4及び前後方向
に2つに分割された水平部にそれぞれブロック分けされ
ている。又、前記2つの水平部に対応するブロックのう
ち、機端に最も近いブロックは2本のピンチロール6
A、6Bを有しており、前記各ブロック毎にピンチロー
ルがストランドを押し付ける圧力をそれぞれ制御する独
立した1Gr〜4Grで示す油圧系統9〜12が配置さ
れ、前記2つの水平部の各ブロックにおいては、後に詳
述するように、各ピンチロール6に油圧を供給する配管
のそれぞれに減圧弁が配置された構成になっている。
【0016】なお、ここにストランドとは連続鋳造機内
に存在している鋳片及びダミーバーを指す。
【0017】以下に、前記図4に示したシングル鋳造用
の連続鋳造機を、本実施形態のタンデム鋳造用の連続鋳
造機に変更する改造方法を通して、本実施形態の連続鋳
造機の特徴について詳述する。
【0018】前記図5に示したタンデム鋳造を実現する
ための従来の連続鋳造機では、先行鋳片22と、後行鋳
片21を先導するダミーバー8とがどのような相対的な
位置関係であっても、先行鋳片22は新たに付加された
最終油圧ブロック12により鋳片圧で引き抜かれ、後行
鋳片21の先導用ダミーバー8は前段の油圧ブロック
(3Gr)11によりダミーバー圧に挟持しつつ引き抜
く手法であったため、先行鋳片22を引き抜くための専
用ピンチロールと押付圧力装置が必要であった。
【0019】本発明の実施形態は、前記図1に例示した
通りである。なお、連続鋳造機にはストランドを支持す
るロールとして図1に明示するピンチロール6と、これ
に対向して配置された非駆動ロール7の対の他に、これ
らロール対の間に専らストランドを支持するための多数
のサポートロールが設けられているが、この図ではそれ
らサポートロールは図示を省略してある。これは、前記
図4、図5の場合も同様である。
【0020】本発明では、水平部5を少なくとも2つの
ブロックに分ける(但し、実施形態では2ブロックとし
ている)。そして、そのうち最も機端に近い水平ブロッ
ク12には、ピンチロール6が少なくとも2本含まれる
ようにする(但し、実施形態では2本としている)。こ
のピンチロール6は、前記図5に示した従来の連続鋳造
機のように、上ロール6に対向する下ロール6´を新た
に設けるのではなく、既存の2本の上ロール6A、6B
をそのまま流用できる。そして本発明では、先行鋳片2
2の引き抜きを最低限、最終ピンチロール6Aと最終マ
イナス1番目のピンチロール6Bで実施し、追加された
4Grの油圧ブロック12はその最低限2本のピンチロ
ールに割り当てる。従って、ピンチロールの追加は不要
である。
【0021】この手法だけでは、水平部5(油圧ブロッ
クとしては3Gr11及び4Gr12)に先行鋳片22
と後行鋳片用ダミーバー8が共存した場合、鋳片保護を
優先し、鋳片圧を選択せざるを得ない。こうなると、場
合によっては後行鋳片の保持力が確保できなくなり、モ
ールド油面変動等の問題が発生することも考えられる。
これはシングル鋳造時には発生しない問題である。
【0022】そこで、本実施形態では、水平部5の油圧
ブロック11及び12をダミーバー圧にし、当該ブロッ
クの先行鋳片が存在するピンチロールに対しては簡易的
に減圧を行なえる弁を設置し、次式を成り立たせる固定
圧力に設定する。
【0023】 ダミーバー圧>最大鋳片圧力>減圧後の固定圧力>最小鋳片圧 …(1)
【0024】図2に本実施形態の垂直部ブロック及び湾
曲部ブロックに適用される油圧系統の構成(従来と同
様)、図3に本発明の水平部ブロック用の油圧系統の構
成を示す。図2の油圧系統の構成では、油圧発生装置
(図示せず)から供給される元圧は、連動する切替弁1
3によって、ダミーバー圧を供給する系統か鋳片圧を供
給する系統のいずれか一方に択一的に導かれる。鋳片圧
の方がダミーバー圧より低いので、鋳片圧を供給する系
統は圧力変更装置14によって減圧され、油圧シリンダ
15へ導かれる。
【0025】一方、図3の油圧系統の構成では各ピンチ
ロール毎に油圧シリンダ15の上流に切替弁16と減圧
弁17が設けられている。水平部5に後行鋳片用ダミー
バー8が侵入してきたときに、水平部油圧グループでは
切替弁13によってダミーバー圧の油圧を供給する。そ
の際に、後行鋳片用ダミーバー8を挟持しているピンチ
ロール6では、油圧は減圧弁17を通らない配管を経由
して油圧シリンダ15に作用しダミーバー圧で後行鋳片
用ダミーバーを挟持する。一方、先行鋳片22を挟持し
ているピンチロールに対しては油圧は切替弁16によっ
て減圧弁17に導かれ、上記(1)式を満たす固定圧力
となって油圧シリンダ15に供給される。
【0026】この方法により、ピンチロール6´を1台
設置するコストの削減が実現でき、更に先行鋳片22、
後行鋳片21を安定して鋳造できる。又、本発明の効果
として、ピンチロールを増設していないため、各ピンチ
ロールを単位とする水平部のセグメントの形状がどれも
同じであることから、水平部セグメントは全て共通の共
有予備品としての立場を崩さないで済む。よって、タン
デム鋳造用に改造後もセグメント修繕費用は変化しな
い。
【0027】このように、本発明では同じブロック内に
先行鋳片と後行鋳片用ダミーバーを安定して共存させる
ことが可能になるが、このことは鋳片の安定した挟持と
いう観点からは鋳造の効率を上げるためにダミーバー8
が先行鋳片22にできるだけ接近したとしても後行鋳片
21を鋳造することを可能にする。しかし、従来の連続
鋳造機のように、各ブロック内でのピンチロールの速度
が全て一括でしか制御できないのでは、現実には後行鋳
片を先行鋳片に接近させることは困難である。そこで本
発明では、各ピンチロールの速度をそれぞれ独立に制御
できるようにすることによって、上記のような高能率鋳
造を達成する。
【0028】ところで、本実施形態によれば、シングル
鋳造用の連続鋳造機をタンデム鋳造用に改造する際、垂
直部、湾曲部、水平部の3つの油圧ブロックのうち、最
低限、最終ピンチロール及び最終ピンチロールマイナス
1番目の油圧ブロックを独立化させ、タンデム鋳造時は
この最低限2本のピンチロールで制御する。その際、上
流側の水平部3番目(3Gr)の油圧ブロック11に先
行、後行鋳片が共存する場合は、当該ブロックをダミー
バー圧とし、先行鋳片をピンチしているピンチロールは
減圧弁にて減圧することで、後行鋳片の保持力を確保す
る。但し、ダミーバー8が全て水平部5に入ったところ
(即ちダミーバー保持力が鋳片圧でも問題ない範囲に入
ったところ)で減圧弁17による処理の解除と共に、圧
力変更装置14による先行鋳片圧への切替えを実施す
る。これは先行鋳片22に最適な押付圧が働いていない
時間を短くするためである。
【0029】ここで考慮すべき点は、「垂直部、湾曲部
の油圧ブロックの長さは変更できない」ことである。湾
曲部の一部分を垂直部に移動すると、ダミーバー圧→鋳
片圧への切替えが早くなり、ダミーバーを支えられなく
なる。一方、湾曲部を下流に長くすると、先行鋳片が接
近している場合は先行鋳片をダミーバー圧で潰すことに
なるためである。従って、油圧ブロックの変更が可能な
のは水平部のみとなることがわかる。従って、本発明で
は油圧ブロックの再編成は水平部において行なうことに
した。
【0030】なお、上記の説明においては割愛したが、
先行鋳片の後端と後行鋳片用ダミーバー8の先端が連続
鋳造機内で衝突することは避けなければならない。その
ためには先行鋳片、後行鋳片(ダミーバー8を含む)2
1のトラッキングが必須であるが、それには従来から公
知のメジャーリングロールによる鋳込み長さの検出や、
光学的方法による鋳片後端、先端の位置検出を単独又は
組み合わせて使用できる。そして、それらの手段によっ
て検出した鋳片後端、先端の位置情報に基づいて、ピン
チロールの速度制御及びストランド押付圧をそれぞれ制
御すれば良いことは言うまでもない。
【0031】
【実施例】図4に示すシングル鋳造用連続鋳造機をタン
デム鋳造用の連続鋳造機に実際に改造した。本発明の改
造方法を適用した連続鋳造機のスペックは下記のとおり
である。
【0032】・機長30m ・ピンチロール本数13本(垂直部3、湾曲部3、水平
部7) ・油圧圧力 ダミーバー圧25MPa、鋳片圧7〜12
MPa ・減圧弁設定 8MPa
【0033】最初、図5に示す方式に改造を行なうこと
を検討したが、後行鋳片の挟持が不十分のため後行鋳片
の鋳造においてモールド内油面変動が発生し、鋳片品質
の劣化が懸念されたため断念した。そこで、図1に示す
本発明の方式にて改造を行なった。その結果、シングル
鋳造時に比較して、タンデム鋳造の実現によって、先行
鋳片の鋳造終了から後行鋳片の鋳造開始までの待ち時間
を、平均で8分間短縮することができ、しかも後行鋳片
鋳込み開始から先行鋳片の引き抜き終了までの期間(即
ち連続鋳造機内に先行鋳片と後行鋳片が共存する期間)
であっても、ピンチロール6による後行鋳片の挟持が十
分であったため、油面変動による鋳片の欠陥発生は皆無
であった。又、図5の改造に比較して本発明の改造では
ピンチロールの新たな増設が不要であったため、改造の
ための費用を約10%削減することができた。
【0034】以上詳述した本実施形態によれば、安価な
改造費用でシングル鋳造用連続鋳造機をタンデム鋳造用
連続鋳造機に改造することができ、しかも改造後のタン
デム鋳造用連続鋳造機では高能率の鋳造と、欠陥発生の
ない鋳造を両立することができるという優れた効果が得
られた。
【0035】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は前記実施形態に示したものに限定されるも
のでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
ある。
【0036】例えば、本発明に係る連続鋳造設備の具体
的な構成は前記実施形態に示したものに限定されない。
【0037】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
簡単な構成でありながら高能率で高精度なタンデム鋳造
を可能とするタンデム用の連続鋳造設備を提供すること
ができる。
【0038】又、本発明によれば、最低限の改造範囲と
コストで、シングル用の連続鋳造設備を上記タンデム用
の連続鋳造設備に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の連続鋳造設備の概要
を模式的に示す正面図
【図2】本発明の垂直部と湾曲部に適用されるピンチロ
ール押付圧切替用のバルブ構成を示す油圧回路図
【図3】本発明の水平部適用されるピンチロール押付圧
切替用のバルブ構成を示す油圧回路図
【図4】従来のシングル鋳造用の連続鋳造設備の概要を
模式的に示す正面図
【図5】従来方法により改造されたタンデム用の連続鋳
造設備の概要を模式的に示す正面図
【符号の説明】
1…モールド 2…鋳片 3…垂直部 4…湾曲部 5…水平部 6…ピンチロール 7…非駆動ロール 8…ダミーバー 14…圧力変更装置 15…油圧シリンダ 17…減圧弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】垂直曲げ型の連続鋳造機において、二次冷
    却帯の長手方向に沿って配置された複数本のピンチロー
    ルがそれぞれ独立して速度制御可能とされ、前記複数本
    のピンチロールが、前記二次冷却帯の垂直部、湾曲部及
    び前後方向に少なくとも2つに分割された水平部にそれ
    ぞれブロック分けされ、前記少なくとも2つの水平部に
    対応するブロックのうち、機端に最も近いブロックは少
    なくとも2本のピンチロールを有しており、前記各ブロ
    ック毎にピンチロールがストランドを押し付ける圧力を
    それぞれ制御する独立した油圧系統が配置され、前記少
    なくとも2つの水平部の各ブロックにおいては各ピンチ
    ロールに油圧を供給する配管のそれぞれに減圧弁が配置
    されていることを特徴とするタンデム鋳造用連続鋳造
    機。
  2. 【請求項2】二次冷却帯の長手方向に沿って配置された
    複数本のピンチロールが、前記二次冷却帯の垂直部、湾
    曲部及び水平部にブロック分けされ、前記各ブロック毎
    にピンチロールがストランドを押し付ける圧力をそれぞ
    れ制御する独立した油圧系統が配置され、且つ、前記各
    ブロック毎にピンチロールの速度を一括制御する方式の
    シングル鋳造用の垂直曲げ型連続鋳造機をタンデム鋳造
    可能な連続鋳造設備に改造するに当たり、前記複数本の
    ピンチロールを個別に速度制御可能にすると共に、前記
    水平部を機端に最も近いブロックはピンチロールを少な
    くとも2本有するように少なくとも2つのブロックに分
    割し、分割された水平部の各ブロックに対してはそれぞ
    れ独立した油圧系統を配置し、且つ、該各ブロックにお
    いては各ピンチロールに油圧を供給する配管のそれぞれ
    に減圧弁を配置することを特徴とするシングル鋳造用連
    続鋳造機のタンデム鋳造用連続鋳造機への改造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009255119A (ja) * 2008-04-16 2009-11-05 Nippon Steel Corp 連続鋳造設備のガイドロール制御システム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009255119A (ja) * 2008-04-16 2009-11-05 Nippon Steel Corp 連続鋳造設備のガイドロール制御システム

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