JP2003219778A - 燻煙剤水容器 - Google Patents

燻煙剤水容器

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JP2003219778A JP2002373058A JP2002373058A JP2003219778A JP 2003219778 A JP2003219778 A JP 2003219778A JP 2002373058 A JP2002373058 A JP 2002373058A JP 2002373058 A JP2002373058 A JP 2002373058A JP 2003219778 A JP2003219778 A JP 2003219778A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 床が変質する恐れのない、安全に使用するこ
とができる水容器、及びそれを用いた燻煙発生製品を提
供する。 【解決手段】 水と接触して燻煙を発生する燻煙発生装
置の水容器1において、当該水容器1の底面5から突出
した台座6が設けられており、当該台座6の高さが2.
5mm以上であることを特徴とする燻煙発生装置の水容
器、そのための上蓋、及び前記した本発明の水容器1の
内部に燻煙発生装置が収納されてなる水と接触して燻煙
を発生する燻煙発生製品に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、殺虫剤等の熱揮散
性薬剤と例えばニトロセルロースやアゾジカルボンアミ
ド等のガス発生剤を含んでなる燻煙剤組成物を、水と接
触して発熱する発熱物質の水和反応熱により加熱するこ
とによりガス発生剤を熱分解させ、熱揮散性薬剤を煙と
して大気中に放出させることによりゴキブリ、ダニ、
蚊、蠅等の害虫を駆除せんとする燻煙発生装置用として
用いられる、水を入れる水容器及び当該水容器を用いた
燻煙発生製品に関する。
【0002】
【従来の技術】燻煙剤組成物を、酸化カルシウム等の、
水と接触して発熱する発熱物質の水和反応熱により加熱
して、熱揮散性薬剤を煙として大気中に放出させる燻煙
装置は、従来から広く用いられている。即ち、燻煙剤組
成物と酸化カルシウムなどの発熱物質を隔壁を介して収
納した燻煙発生装置を、使用時に所定量の水を入れた水
容器内に静置することにより、しばらくして、水容器内
の水が燻煙発生装置中の酸化カルシウムなどの発熱物質
の収納部に浸入し、この際生じる水和反応による熱で燻
煙剤組成物を加熱し、殺虫剤等の熱揮散性薬剤を大気中
に放出させて害虫を防除しようとするものである。
【0003】この種の燻煙発生装置を使用する場合に
は、水容器に入れる水の量を或る程度正確に計り取るこ
とが必要である。水容器に入れられた水の量が、所定量
より少ない場合には、酸化カルシウムなど発熱剤の水和
反応が不十分となり、十分な燻煙が得られないし、ま
た、所定量よりも水が過剰な場合には、発熱温度が充分
に上昇することができず、やはり、十分な燻煙を得るこ
とが困難となる。このために従来は、水容器の容器本体
に適切な水の量を表示する目線が入れられていたが、こ
の種の燻煙発生装置を使用する場合の、水を入れる水容
器への水の添加は、従来からコップ等を用いる方法がと
られており、このような方法では必然的に水の量が不正
確にならざるを得なかった。
【0004】また、従来の燻煙発生製品は燻煙発生装
置、水容器ともに円柱状であり、当該装置と水容器間の
スペースが小さいことから、水容器に必要量の水を入れ
た後で燻煙装置を上方から挿入する際に、指が入りにく
く、やむなく途中から落とさざるを得ないこともあっ
た。このため、水の一部が撥ね飛び、適切な水量で水和
反応がなされず、最悪の結果として十分発煙しなくなる
こともあった。このために指が充分入るような水容器に
しようとすれば、水容器自体の直径が大きくなり、製品
の運搬や保管のために広いスペースが必要とされること
になり、直径を大きくすることも製品の性格上困難であ
った。さらに、水を入れた水容器に燻煙発生装置を入れ
ると、燻煙発生装置は約300℃程度の高温になり、水
容器を直接床の上に置いて燻煙させた場合には、床が変
質する可能性もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来製品の問題点を解決することを目的としている。
即ち、本発明の第一の目的は、簡便でかつ容易に燻煙発
生に必要な水の量を正確に計り取れることのできる水容
器、及びそれを用いた燻煙発生製品を提供することであ
る。本発明の第二の目的は、円柱状である燻煙発生装置
を指で持ったまま、水容器の底部に容易にかつ確実に設
置できるコンパクトな水容器、及びそれを用いた燻煙発
生製品を提供することである。本発明の第三の目的は、
床が変質する恐れのない、安全に使用することができる
水容器、及びそれを用いた燻煙発生製品を提供すること
である。また、本発明の他の目的は、生産ラインにおけ
る機械適性が良好であり、流通等において、商品の品質
安定性が確保され、さらに水容器、上蓋並びに水容器胴
体に装着されたフィルムが、燻煙時の発熱に対する耐熱
性を有し、かつ家屋内材質に対して、熱変質などの影響
を及ぼさないなどの、生産効率及び流通効率が良好で、
安全性の高い水容器、及びそれを用いた燻煙発生製品を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決するために、燻煙発生装置の水容器の形状、構
造を鋭意検討してきたところ、水容器の断面の形状を略
四角状にすることにより従来の円筒状の水容器とほぼ同
じ大きさで安全かつ確実に燻煙発生装置を水容器に設置
することができ、かつ水容器の外形の大きさが従来のも
のとほぼ同じ程度であることから、流通過程における運
搬や保管スペースも従来の製品とほぼ同じ程度ですませ
ることができることを見出した。また、水容器の容器本
体下部の水秤量位置又はその近傍において、段差を設け
ることにより、意外にも簡便に且つ確実に水容器に入れ
る水の量を正確に計り取ることができることを見出し
た。さらに、水容器の底部の温度変化を入念に検討して
きたところ、水容器の底部に2.5mm以上の樹脂製の
台座を設けることにより、床面における温度を安全基準
値以下にすることができることを見出した。
【0007】即ち、本発明は、水と接触して燻煙を発生
する燻煙発生装置の水容器において、容器本体下部の水
秤量位置又はその近傍において、段差が設けられている
ことを特徴とする燻煙発生装置の水容器を提供するもの
であり、また、本発明は、水と接触して燻煙を発生する
燻煙発生装置の水容器において、当該水容器の断面の形
状が略四角状、好ましくは略四角状の外縁周の一辺が、
少なくとも18mm以上であることを特徴とする燻煙発
生装置の水容器を提供するものであり、さらに、本発明
は、水と接触して燻煙を発生する燻煙発生装置の水容器
において、底面から突出した台座、好ましくは樹脂製の
台座が設けられており当該台座の高さが2.5mm以上
であることを特徴とする燻煙発生装置の水容器を提供す
るものである。また、本発明は、前記した本発明の水容
器に適した水容器の上蓋、及び前記した本発明の水容器
の内部に燻煙発生装置が収納されてなる水と接触して燻
煙を発生する燻煙発生製品を提供するものである。
【0008】より詳細には、本発明は、水と接触して燻
煙を発生する燻煙発生装置の水容器において、当該水容
器の底面から突出した台座が設けられており、当該台座
の高さが2.5mm以上であることを特徴とする燻煙発
生装置の水容器、そのための上蓋、及び前記した本発明
の水容器の内部に燻煙発生装置が収納されてなる水と接
触して燻煙を発生する燻煙発生製品に関する。
【0009】水容器に入れる水の量を正確に計り取るた
めには、秤量の位置がわかりやすくかつ見やすいこと並
びに秤量の誤差が小さくなることが好ましい。従来は水
容器に目盛り線を入れることにより水を入れる位置を表
示していた。水容器を目の位置まで持ち上げて水の量を
正確に計量すればよいのであるが、この方法では操作が
煩雑になるために多くの場合には水容器の上から水を入
れる方法がとられてきた。しかし、この方法では容器の
上から水を入れるために、目盛り線が見えにくく、往々
にして水の量が不正確となり充分な燻煙発生効果を生じ
させることができなかった。本発明の水容器の第一の特
徴点は、容器下部の水秤量位置又はその近傍において、
段差を設けたことである。目盛り線のような線ではな
く、容器に不連続な形状を付すことにより、水容器の上
から見ても、秤量の位置が容器の形状の変化として目視
できることから、簡便に且つ確実に水の量を正確に秤量
することができることがわかった。
【0010】本発明の水溶器における段差としては、上
から見て水容器内壁の形状が不連続であることが分かる
ものであればよい。より具体的には水容器の断面積
(S)が、容器の深さ(x)に対して不連続に、より好
ましくは急激に変化するような段差である。例えば、図
1に示されるように容器側壁に対してほぼ垂直な段差を
挙げることができる。
【0011】図1は、本発明の水容器の例の側面図であ
る。水容器1は上部に開口部を有する容器であり、開口
部の外縁9、上部側壁2、段差3、下部側壁4、底面5
及び台座6からなり、容器内部は、段差3の部分から上
の水容器上部8及び水容器下部7からなっている。水容
器下部7には燻煙発生装置を安定に置くためのリブ10
が設けられている。図2は図1に示した水容器1の立面
図である。この例では底面5に設けられたリブ10が8
本示されている。段差3において水容器1の断面積が急
激に小さくなっており、段差部分が水容器1の上部から
も明瞭に見ることができる。図1及び図2に示した例で
は段差3は水容器の側壁に対してほぼ垂直に設けられて
いるが、本発明の段差はこの例のように急激な段差でな
くてもよい。水容器の上方から見て断面積の変化を目視
することができればよく、斜めの段差でもよいし、適当
な半径の曲面を形成していてもよい。
【0012】なお、リブ10は、燻煙発生装置を水容器
に設置する際に、燻煙発生装置を安全かつ容易に水容器
のほぼ中央部に設置されるように仕向けるガイドとして
の機能も有している。このため、リブに直線状又は曲線
状のガイド用の傾斜を設けた形状にするのが好ましい。
また、リブの上面の面積を一定以上確保し、さらに、リ
ブの角を取るなどの工夫をすることが好ましい。例え
ば、リブの幅を1〜5mmとし、角を0.5〜2Rの形
状とするのが好ましい。また、リブの数には特に制限は
ないが、4〜20本が好ましい。さらに、水容器と燻煙
発生装置の包装体との間(例えば、上・側面部又は底・
側面部)に紙やプラスチックなどの緩衝材を設置するこ
とにより、流通過程における運搬時の製品や包装材の破
損などを防止することができる。
【0013】このような不連続な断面積の変化を設ける
ことにより、意外にもこの水容器に上から水を入れてゆ
くと、容器内部に貯まった水の水面の面積の変化を明瞭
に知ることができ、簡便な方法で正確に水の量を秤量す
ることができることがわかった。従来の目盛り線による
秤量では、水面の面積の変化ではなく、目盛りの位置し
か判断材料が無く、正確な秤量は困難であったが、本発
明の水容器によれば、段差を設けたことにより水面の面
積が段差部分において急激に変化するために、極めて明
瞭に水位を知ることができ、正確な水の秤量を可能とし
たのである。即ち、60名のモニターに、水容器に段差
を設けたことの効果を聞いたところ、秤量の目安になる
などの効果があると挙げられた好意的意見は73%を占
めた。この結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】本発明の段差は、断面積の変化が不連続と
なるものであればよく、極端に言えば水容器上部の断面
積と水容器下部の断面積が異なるものであればよいが、
水容器上部の断面積のほうが水容器下部の断面積よりも
大きくなっているものが好ましい。とりわけ水容器の断
面の形状が略四角状になった場合には、従来の円柱状の
水容器に比べて断面積が大きくなるために、所定の水の
量において十分な水深を得られにくくなったり、また水
位の僅かな違いによる秤量誤差が大きくなるために、水
容器下部の断面積は小さいほうが好ましい。水容器下部
の好ましい断面積としては、水容器上部の断面積の90
%以下が好ましいが、これに限定されるものではない。
より詳細には水容器上部の断面積の50%〜90%、好
ましくは70%〜90%である。
【0016】本発明の水容器には、前記した段差に対し
てさらに、従来のような目盛り線を設けてもよい。目盛
り線は段差の直下又はその近辺に設けることが好まし
い。目盛り線としては、黒などの水容器の材質と異なる
色彩で施すのが好ましい。このような目盛り線は、水容
器自体のエンボス加工やインクジェットプリンターによ
る印刷により水容器自体に設けることもできるし、水容
器の外側のフィルムに印刷して固着させてもよい。
【0017】また、本発明者らは、従来の円柱状である
燻煙発生装置に対して、水容器を略角柱状とすること
で、中に入れる燻煙発生装置との間にスペースを確保す
ることにより、指が入り易くなり、その結果、燻煙発生
装置を持ったまま水容器の底部に当該装置を設置するこ
とが可能となり、水が撥ね飛ぶ危険性が低減された燻煙
発生装置の水容器を開発するに至った。水容器の形状を
略角柱状にすることにより燻煙発生装置の入れ易さにつ
いて、60名のモニターによる実験を行った。即ち、本
発明の水容器と従来の円柱状の水容器を比較例として用
いて、60名のモニターに燻煙発生装置の入れやすさを
調査した。その結果を表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】この結果、本発明の水容器では入れやすい
と回答したモニターが43%であったのに対して、比較
例のものでは23%でしかなかった。また入れにくいと
回答したモニターは比較例の円柱状のものでは3%いた
が、本発明の略角柱状の水容器では0%であった。この
結果水容器の形状を略角柱状にすることにより燻煙発生
装置を極めて容易にいれることができ、燻煙発生装置を
水容器に入れる際の水が撥ね飛ぶ危険性を顕著に低減で
きることがわかった。本発明の水容器の容器本体は、そ
の形状が略角柱状であることから、燻煙発生装置を水容
器に入れやすくなるだけでなく、水容器を誤って転倒さ
せても転がらず、また上蓋には燻煙発生装置の飛び出し
防止となり得る内部リブを有するリングが設けられてい
るので、水容器内部の燻煙発生装置が飛び出すこともな
い。したがって、より安全に燻煙発生装置を使用するこ
とができる。さらに、本発明の水容器の容器本体は、そ
の形状を略四角柱状とすることにより、運送時や保管時
又は小売店での陳列時において、無駄なスペースが少な
くなり保管や陳列のスペースを有効に利用することがで
きる。
【0020】本発明の略四角柱状の水容器の大きさや形
状については、特に制限はないが、断面の対角線の長さ
が、燻煙発生装置の直径とこれを支える指二本分の巾の
和以上あればよい。また、深さは燻煙発生装置を収納す
るのに充分な深さがあれば足りる。本発明の略四角柱状
の水容器は、燻煙発生装置を指で持ったまま燻煙発生装
置を底面に設置するに充分な空間を有するので、従来の
円柱状の水容器に比べてやや深い設計にしてもよい。本
発明の略四角柱状の水容器は、断面が略四角状で、対角
線方向に前記した長さを確保することができ、正立、転
倒時の安定性も高いものであれば、断面の形状に格別の
制限はないが、その少なくとも一部に直線部分を有する
ものが好ましい。より好ましくは、四辺がそれぞれ直線
部分を有する形状が挙げられる。また、曲線部分を有す
ることは必ずしも必須ではないが、四隅が曲線になって
いるものが好ましい。直線部分の長さや曲線部分の半径
にも特に制限はなく、正立、転倒時の安定性などを考慮
して適宜設計することができる。
【0021】本発明者らの詳細な研究によれば、略角柱
状容器の外縁周の一面において少なくとも18mm以上
の直線部を有することが好ましく、また、四隅の曲線部
分としてはRを15mm以上にするのが好ましい。しか
しながら、本発明の水容器がこれらのものに限定される
ものではない。本発明の水容器を前記のように設計する
ことにより、蓋装着機やラベル機械の機械適性が向上
し、また搬送工程を考慮して、略角柱状容器の外縁周の
一面において少なくとも18mm以上の直線部を有する
ようにすることにより搬送時に容器同士のぶつかりによ
る容器の回転防止などの効果を奏することができる。
【0022】本発明の水容器は、底面5の下に台座6を
有するものが好ましい。台座6は、水容器を安定に設置
するためだけでなく、燻煙を発生させた際の発熱が床面
に伝達するのを防止するために設けられる。台座6の最
下端、即ち床面に接触する部分の最高温度が80℃以下
であることが求められているが、本発明者らの研究によ
れば、樹脂製の台座6の高さが2.5mm以上あれば、
台座6の最下端、即ち床面に接触する部分の最高温度を
60℃以下とすることができることがわかった。このよ
うに、床材への輻射熱の影響を考慮すると、台座の高さ
は2.5mm以上が好ましく、3〜5mmが熱的影響と
安定性を両立できることからより好ましい。また、台座
6には空気の流通をよくするために適宜孔を開けたり、
切れ目などを入れてもよい。したがって、本発明の水容
器は、その使用中あるいは使用後に床が変質する恐れが
なく、燻煙発生装置を安全に使用することができる。
【0023】本発明の水容器本体の材質としては、添加
する水の量を簡便に且つ正確に秤量して入れられるので
不透明な材質であっても良いが、耐熱性を有し、かつ、
水の添加状態を外側から確認することのできる、透明ま
たは半透明の材質が好ましく、例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリ塩化ビニル(塩ビ)等の合成樹脂が挙げられ
るが、なかでもポリプロピレンが好ましい。水容器の耐
熱性をさらに向上させる方法として、樹脂の重合度を調
整したり、炭酸カルシウム、タルク等の無機鉱物質を配
合したり、容器の肉厚を増加させるなどの方法を採用す
ることもできる。本発明の水容器の好ましい材質として
は、0.45MPaにおける荷重たわみ温度が100℃
以上、好ましくは122℃以上の樹脂が挙げられる。種
々の荷重たわみ温度を有する樹脂を用いて水容器の耐熱
性を実験した結果を次の表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】この結果から、0.45MPaにおける荷
重たわみ温度が100℃未満では顕著な熱変形が発生す
るが、100℃以上では熱変形も少なくなることがわか
る。しかし、熱変形を起こさないようにするためには、
0.45MPaにおける荷重たわみ温度が122℃以上
の樹脂を使用する必要があることがわかる。したがっ
て、本発明は、0.45MPaにおける荷重たわみ温度
が100℃以上、好ましくは122℃以上の樹脂製の燻
煙発生装置の水容器を提供するものでもある。
【0026】本発明の水容器は、樹脂製などのものをそ
のまま使用することもできるが、フィルムなどで被覆し
て使用するのが好ましい。このようなフィルムとして
は、耐熱性があり、印刷性が良好なものであればよい
が、操作の簡便性から熱収縮性フィルムが好ましい。従
来の円筒状の水容器では、燻煙時の輻射熱が容器胴体に
装着されたフィルムに対してほぼ一様となり、熱収縮の
バランスが図られることから、燻煙時においても比較的
フィルムは破れにくかったが、本発明の水容器のように
略角柱状では輻射熱のかかり方が胴体中央部と角では差
があるため、熱バランスが不均等となり充分な強度を有
するものでないと破れやすくなる。そのため、ポリプロ
ピレン、PET、塩ビ等の耐熱性の高い熱収縮フィルム
を用いることが好ましく、中でも熱収縮性、焼却時の発
生ガスの観点から、ポリオレフィン系のものがもっとも
好ましい。ポリオレフィン系としては、直鎖状または環
状のものやエチレン−プロピレン、あるいはエチレン−
プロピレン−ブテン等の共重合体のものが挙げられる。
また、環状ポリオレフィン系樹脂からなる熱収縮性フィ
ルムは透明性、光沢に優れ、適度な腰を有することから
商品性、機械適性の面からもいっそう好ましい。
【0027】本発明の水容器に燻煙発生装置の包装体を
収納した後、開口された水容器の上部をフィルム素材に
より密閉することにより燻煙発生製品とすることができ
る。本発明の燻煙発生製品は、必要に応じて密閉された
水容器にさらに後記する上蓋を設けることもできる。水
容器の上部の開口部を密閉するための好ましいフィルム
素材としては、その突刺強度として1700g以上(突
刺先端0.5R、100mm/min)の物性を有する
ものが挙げられる。水容器上部へのフィルム素材による
密閉方法としては、例えば熱圧着によるピーラブル包装
により行うことが出来る。また、密閉後における水容器
内部の圧力調整の面から、フィルムや水容器の一部に適
宜孔や切れ目などの窓部を設けてもよい。例えば、水容
器の上端部に切れ目を設けることが挙げられる。この切
れ目などの窓部の形状は任意のものでよく、水容器内部
と外部の圧力調整が可能な大きさの面積を有するもので
あればよく、また、数も1個以上あればよく適宜決める
ことが出来る。設置位置も上端部に限定されるわけでは
なく、適宜決めることが出来る。好ましい窓部として
は、上端部に幅0.1〜3.0mm、好ましくは0.5
〜1.5mm、深さ0.5〜3.0mm好ましくは0.
5〜1.5mm程度の切れ目を設ける方法が挙げられ
る。
【0028】また、燻煙発生装置を密閉するためのフィ
ルム素材としては、流通等において、商品の品質安定性
が確保されること、また、燻煙発生装置の防湿を目的と
して、アルミラミネート包装を用いることが一般的であ
るが、水溶器の上部をフィルム素材で密閉することによ
り、燻煙発生装置のアルミラミネート包装を省略しても
外的衝撃から製品を保護することができる。
【0029】本発明の水容器は、これを単独で使用する
こともできるが、使用時における燻煙発生装置の飛び出
しを防止するために上蓋を用いるのが好ましい。上蓋と
しては、発生した燻煙を放出することができる開口部を
有するリング状のものが好ましい。リング状の上蓋は、
燻煙時に発生するガスや輻射熱の影響を受けることか
ら、やはり耐熱性を有することが求められる。内縁部形
状は、円、多角形等いずれも可能であるが、燻煙時の転
倒における燻煙発生装置の飛び出しを防止しつつ、でき
る限り開口部を大きくし、さらには開口上部のフィルム
素材を保護する観点から、内縁部と外縁部はほぼ同様な
形状とし、内縁部に燻煙発生装置の飛び出しを防止する
ためのリブを設置することが好ましい。また、内縁部の
肉厚を大きくすることで、耐熱性を更に向上させること
が可能である。
【0030】本発明の上蓋の例を図3に示す。図3は本
発明の上蓋の例の平面図である。上蓋20は、外縁部2
1と内縁部22を有するリング状のものであり、中央部
に外縁部21とほぼ同じ形状の開口部25を有する。開
口部25には燻煙発生装置の飛び出しを防止するための
リブ24が設けられている。この例では開口部25を大
きく設計しているために、このままでは燻煙発生装置が
通り抜けるでき使用時に燻煙発生装置が飛び出す可能性
がある。このリブ24により水容器内部に収容された燻
煙発生装置の飛び出しを防止することができる。また、
上蓋20には外縁部21とほぼ同じ形状をした溝23が
設けられている。溝23は上蓋20の表面に凹凸を形成
し、当該溝23に図1における台座6が収容可能に設計
されている。したがって、上蓋20の上に水容器1を重
ねた場合には、上段の水容器1の台座6が下段の上蓋2
0の溝23にかみ合い、安定に製品を重ねて置くことが
できるようになっている。
【0031】上蓋の材質としては、ポリプロピレン、P
ET、塩ビ等の耐熱材料が挙げられ、さらに耐熱性を向
上させるために、炭酸カルシウム、タルク等の無機鉱物
質を配合させることもできる。
【0032】本発明の水容器は、例えば、水と接触して
発熱する発熱物質の収納部が燻煙剤組成物の収納部を囲
むように成型されてなり、底部に通水用の開口部を有す
る底板を有し、発熱物質の水和反応熱により燻煙剤組成
物収納部の底壁及び/又は側壁が加熱されて燻煙を発生
する二重構造の燻煙発生装置等、自体公知の燻煙発生装
置用の水容器としてまた、これと燻煙発生の原理を同じ
くする種々の燻煙発生装置用の水容器として幅広く効果
的に使用しうる。
【0033】本発明の水容器の内部に前記した燻煙発生
装置を内包させてこれを適宜包装することにより、本発
明の水容器と燻煙発生装置とからなる燻煙発生製品とす
ることができる。本発明の水容器に使用される燻煙発生
装置としては、発熱物質収納部に酸化カルシウムなどの
水に接触して発熱する物質を有し、燻煙剤組成物として
殺虫剤を含有するものが好ましい。本発明における殺虫
剤としては、殺虫剤のみならず防虫、殺ダニ、殺菌、殺
黴剤などの有害生物を防除又は駆除するものをいう。例
えば、ペルメトリン、フェノトリン、ピレトリン、シフ
ェノトリン、レスメトリン、プラレスリンなどのピレス
ロイド系殺虫剤、フェニトロチオン、フェンチオン、ダ
イアジノン、DDVPなどの有機リン系殺虫剤、メトキ
サジアゾン、プロポクスルなどのカーバメート系殺虫
剤、トリアジンなどの殺菌剤などが挙げられる。また、
共力剤として、ピペロニルブトキサイド、S−421、
サイネピリン500、MGK264、安息香酸ベンジ
ル、チオシアノ酢酸イソボニル等が挙げられる。また、
燻煙剤用ガス発生剤としては、ニトロセルロース、硝酸
アンモニウムを始めとして、アゾジカルボンアミドなど
のアゾ系化合物等が挙げられる。該燻煙剤組成物には、
さらに必要に応じて各種の添加剤を配合することもでき
る。したがって、本発明の好ましい燻煙発生製品として
は殺虫剤を含有する燻煙剤組成物を有する燻煙発生装置
が本発明の水容器に内包された殺虫剤製品をあげること
ができる。
【0034】
【実施例】次に実施例により本発明をより詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0035】実施例1 図1に示す略角柱状の形状し、水秤量位置に段差が設け
られ、当該段差の位置に黒破線の目盛り線が印刷された
本発明の水容器を用いて、水容器に水を入れる際の段差
が設けられていることについての効果を、60名のモニ
ターにより調査した。比較例として、従来の円柱状(内
径73mm×深さ77mm)の水容器で、水秤量位置に
黒破線の目盛り線が印刷された水容器を用いた。この結
果を表1に示す。この結果、「段差が有る方が秤量の目
安になる」等の、挙げられた好意的意見は73%を占め
た。
【0036】実施例2 実施例1で用いた本発明の水容器、及び比較例の水容器
を使用して、円柱状の燻煙発生装置(外径55mm×高
さ65mm)の水容器への入れ易さを60名のモニター
により調査した。結果を表2に示す。この結果、本発明
の水容器が入れやすいと回答したものが43%あり、比
較例のものが入れやすいとした23%の約2倍であっ
た。また、入れやすい及びやや入れやすいを合わせる
と、本発明の略角柱状の水容器では95%であったのに
対して、比較例のものでは73%に過ぎなかった。
【0037】実施例3 0.45MPaにおける荷重たわみ温度が表3の左欄に
記載の温度である樹脂を用いて図1に示す本発明の水容
器を製造した。これらの各水容器に、水15mlを入
れ、酸化カルシウムを39g、燻煙用組成物を11g充
填した燻煙発生装置を燻煙させて、燻煙終了後の各水容
器の状態を観察した。結果を表3に示す。この結果、
0.45MPaにおける荷重たわみ温度が100℃未満
では熱変形が著しいが、100℃以上であれば熱変形が
少なく、さらに122℃以上であれば熱変形を起こさな
いことがわかった。
【0038】
【発明の効果】本発明は、水容器に段差を設けることに
より、簡便で確実にそして正確に所定量の水を水容器に
入れることができる燻煙発生装置用の水容器を提供す
る。本発明の略角柱状の形状をした水容器は、従来の円
柱状の水容器とほぼ同じ大きさであるにもかかわらず、
燻煙発生装置を容易かつ確実に水容器の内部に設置する
ことができ、燻煙発生装置を設置する際の水が撥ね飛ぶ
危険性を低減することができる。さらに、外観が略角柱
状であることから、保管または小売店での陳列時におい
て、無駄なスペースが少なくなり有利であるばかりでな
く、転倒しても転がることが無く安全である。さらに、
本発明の水容器は底部に2.5mm以上の台座を設ける
ことにより、水容器が床面に接する部分の最高温度を6
0℃以下とすることができ、床を変質する恐れもなく安
全に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の水容器の側面図(A−A断面
図)を示す。
【図2】図2は、本発明の水容器の平面図を示す。
【図3】図3は、本発明の水容器の上蓋の平面図を示
す。
【符号の説明】
1.水容器 2.上部側壁 3.段差 4.下部側壁 5.底面 6.台座 7.水容器下部 8.水容器上部 9.開口部の外縁 10.リブ L.外縁(直線部) 20.上蓋 21.外縁部 22.内縁部 23.溝 24.リブ 25.開口部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と接触して燻煙を発生する燻煙発生装
    置の水容器において、当該水容器の底面から突出した台
    座が設けられており、当該台座の高さが2.5mm以上
    であることを特徴とする燻煙発生装置の水容器。
  2. 【請求項2】 水容器が、容器本体下部の水秤量位置又
    はその近傍において、断面積の変化が不連続となる段差
    が設けられているものである請求項1に記載の水容器。
  3. 【請求項3】 水容器が、略角柱状の形状を有する請求
    項1又は2に記載の水容器。
  4. 【請求項4】 略角柱状の外縁周の一辺が、少なくとも
    18mm以上の直線部を有する請求項3に記載の水容
    器。
  5. 【請求項5】 リング状で内縁部が外縁部とほぼ同様な
    形状であり、かつ内縁部にリブが設置されたことを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載の水容器の上蓋。
  6. 【請求項6】 上蓋の外縁部に、水容器底面に設けられ
    た台座の形状に応じた溝部が設けられている請求項5に
    記載の上蓋。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載の水容器
    の内部に燻煙発生装置が収納されてなる水と接触して燻
    煙を発生する燻煙発生製品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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