JP2003218102A - 誘電体膜の処理装置及び誘電体膜の処理方法 - Google Patents

誘電体膜の処理装置及び誘電体膜の処理方法

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JP2003218102A
JP2003218102A JP2002014601A JP2002014601A JP2003218102A JP 2003218102 A JP2003218102 A JP 2003218102A JP 2002014601 A JP2002014601 A JP 2002014601A JP 2002014601 A JP2002014601 A JP 2002014601A JP 2003218102 A JP2003218102 A JP 2003218102A
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Japan
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dielectric film
chamber
pressure
substrate
energy density
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JP2002014601A
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English (en)
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Mika Mukojima
美香 向島
Akira Matsuno
明 松野
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】配向性のよい強誘電体膜を形成して、電気特性
を向上させ、またレーザアニールによって形成される強
誘電体膜の表面を滑らかにすること。 【解決手段】大気圧未満の雰囲気ガス中で誘電体膜7に
レーザ光Lを照射する。または大気圧未満の雰囲気ガス
中で誘電体膜7を加熱した後にレーザ光Lを照射する。
または誘電体膜7に、比較的弱いエネルギー密度のレー
ザ光L1を照射した後に比較的強いエネルギー密度のレ
ーザ光L2を照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強誘電体メモリに用
いられる誘電体膜の処理装置及び誘電体膜の処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】半導体基板上には種々の素子が形成され
て回路が構成されている。これら素子の一つとして、電
極間に強誘電体が介在された強誘電体コンデンサをメモ
リセルの一部に用いた強誘電体メモリがある。この強誘
電体コンデンサを形成する工程は、半導体基板上に下部
電極を形成する工程と、下部電極上に強誘電体膜を形成
する工程と、強誘電体膜上に上部電極を形成する工程と
からなる。さらに強誘電体膜を形成する工程は、下部電
極上に誘電体膜を形成する工程と、この誘電体膜を強誘
電体化するために熱処理する工程とからなる。
【0003】熱処理の工程では、強誘電体化のために誘
電体膜の温度を高温(約600〜800℃程度)にする
必要がある。半導体基板全体を加熱する場合にこのよう
な高温下では半導体基板上の他の素子が損傷するおそれ
がある。そこで特開平5−343642号公報や特開平
5−200277号公報等に記載されているように、紫
外線レーザからのレーザ光を非晶質の誘電体膜に照射し
熱処理するレーザアニールが提案されている。レーザア
ニールによれば、誘電体膜に短時間で高エネルギーが供
給され、また照射した紫外線の大部分が誘電体膜で吸収
されるため、半導体基板の温度を低温に保ちつつ、かつ
誘電体膜を強誘電体化に必要な温度まで加熱することが
できる。
【0004】またレーザアニールに関する技術について
は、例えば特開2000−31411号公報が開示され
ている。この技術はレーザアニールの後に再度半導体基
板を加熱して、レーザアニール時に生じた結晶の損傷を
回復させるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図6は従来のレーザア
ニールにより形成された強誘電体膜に対するX線回折計
の出力結果を示す図である。図6から(100)面、
(200)面、(111)面の回折ピークが生じている
ことが分かる。なお、図6の略中央に示されているピー
クAは下部電極のものであり、強誘電体膜のものではな
い。図6によると、従来のレーザアニールでは強誘電体
の(100)配向膜と(111)配向膜が混在して現れ
ていることが分かる。
【0006】強誘電体膜の配向性をよくすることにより
電気特性の向上をはかることができる。したがって強誘
電体膜の配向性は可能な限りよいことが望ましく、配向
性のよい強誘電体膜を形成するための技術が検討されて
いる。
【0007】本発明はこうした実状に鑑みてなされたも
のであり、配向性のよい強誘電体膜を形成して、電気特
性を向上させることを第1の解決課題とするものであ
る。
【0008】また従来のレーザアニールによると短時間
に高エネルギーが供給されるため強誘電体膜が急激に加
熱される。その結果として強誘電体膜の表面は滑らかで
なく荒くなる。
【0009】本発明はこうした実状に鑑みてなされたも
のであり、レーザアニールによって形成される強誘電体
膜の表面を滑らかにすることを第2の解決課題とするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用および効果】そこで
第1の解決課題に対して、第1発明は、誘電体膜の処理
装置において、誘電体膜が表面に形成された被処理基板
を収容する収容室と、前記収容室の圧力を大気圧未満に
調整する圧力調整手段と、レーザ光を前記誘電体膜に照
射して強誘電体化するレーザ装置とを備えたことを特徴
とする。
【0011】また第1の解決課題に対して、第2発明
は、誘電体膜の処理装置において、誘電体膜が表面に形
成された被処理基板を収容する収容室と、前記収容室の
圧力を大気圧未満に調整する圧力調整手段と、前記誘電
体膜を加熱する加熱手段と、レーザ光を前記誘電体膜に
照射して強誘電体化するレーザ装置とを備えたことを特
徴とする。
【0012】第3発明は、第1、第2発明において、前
記圧力調整手段は、前記収容室にガスを供給するガス供
給手段を含むことを特徴とする。
【0013】第1及び第1発明に係る第3発明を図1及
び図2を用いて説明する。
【0014】図2(a)に示すように、被処理基板2表
面(図面上部)には誘電体膜7が形成されている。つぎ
に図2(b)に示すように、チャンバ11内に被処理基
板2が収容され、ポンプ14によりチャンバ11内のガ
スが吸引される。チャンバ11内が真空となると第2バ
ルブ21が開放され、チャンバ11内が大気圧未満とな
るようにガスボンベ15から酸素ガスが供給される。こ
のとき第1バルブ19は閉鎖されていてもよいし、開放
されていてもよい。第1バルブ19が開放される場合
は、第2バルブ21が制御され所望の流量の酸素ガスが
供給される。このようにしてチャンバ11内に大気圧未
満の圧力の酸素ガスが供給される。なおチャンバ11内
の圧力は、第1、第2バルブ19、21を閉鎖した状態
で保持されるようにしてもよいし、第1、第2バルブ1
9、21の制御によってガスの供給量及び排出量のバラ
ンスをとった状態で保持されるようにしてもよい。
【0015】チャンバ11内の圧力が大気圧未満に保持
された状態で図2(c)に示すように、レーザ装置13
から誘電体膜7にレーザ光Lが照射される。すると図2
(d)に示すように、結晶化した強誘電体膜8が得られ
る。
【0016】第2及び第2発明に係る第3発明を図1及
び図2を用いて説明する。
【0017】図2(a)に示すように、被処理基板2表
面(図面上部)には誘電体膜7が形成されている。つぎ
に図2(b)に示すように、チャンバ11内に被処理基
板2が収容され、ポンプ14によりチャンバ11内のガ
スが吸引される。チャンバ11内が真空となると第2バ
ルブ21が開放され、チャンバ11内が大気圧未満とな
るようにガスボンベ15から酸素ガスが供給される。こ
のとき第1バルブ19は閉鎖されていてもよいし、開放
されていてもよい。第1バルブ19が開放される場合
は、第2バルブ21が制御され所望の流量の酸素ガスが
供給される。このようにしてチャンバ11内に大気圧未
満の圧力の酸素ガスが供給される。なおチャンバ11内
の圧力は、第1、第2バルブ19、21を閉鎖した状態
で保持されるようにしてもよいし、第1、第2バルブ1
9、21の制御によってガスの供給量及び排出量のバラ
ンスをとった状態で保持されるようにしてもよい。
【0018】チャンバ11内の圧力が大気圧未満に保持
された状態で、ヒータ12により被処理基板2が加熱さ
れる。被処理基板2が所定温度に加熱された後に、酸素
ガスの供給量を増加させてチャンバ11内の圧力が高く
なるようにしてもよい。なおこのときチャンバ11内の
圧力は大気圧と等しくてもよい。必要ならば酸素ガスを
供給した後に図2(c)に示すように、レーザ装置13
から誘電体膜7にレーザ光Lが照射される。すると図2
(d)に示すように、結晶化した強誘電体膜8が得られ
る。
【0019】第1〜第3発明によれば、図3に示すよう
に、配向性のよい強誘電体の多結晶膜を形成することが
できる。
【0020】また第1、第2の解決課題に対して、第4
発明は、誘電体膜の処理装置において、被処理基板表面
に形成された誘電体膜にレーザ光を照射して強誘電体化
するレーザ装置と、第1のエネルギー密度のレーザ光を
照射した後に、前記第1のエネルギー密度より強い第2
のエネルギー密度のレーザ光を照射するように制御する
制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】第4発明を図1及び図4を用いて説明す
る。
【0022】図4(a)に示すように、被処理基板2表
面(図面上部)には誘電体膜7が形成されている。図4
(b)に示すように、チャンバ11内に被処理基板2が
収容され、レーザ装置13から誘電体膜7に比較的弱い
レーザ光L1が照射される。すると誘電体膜7が変質し
誘電体膜71が形成される。つぎに図4(c)に示すよ
うに、レーザ装置13から誘電体膜71にレーザ光L1
より強いレーザ光L2が照射される。すると図4(d)
に示すように、結晶化した強誘電体膜8が得られる。
【0023】第4発明によれば、配向性のよい強誘電体
の多結晶膜を形成することができる。またレーザ光のエ
ネルギー密度を段階的に強くするため、誘電体膜は徐々
に結晶化する。このため強誘電体膜の表面荒れを防止で
きる。
【0024】また第5発明は、第1、第2発明におい
て、第1のエネルギー密度のレーザ光を照射した後に、
前記第1のエネルギー密度より強い第2のエネルギー密
度のレーザ光を照射するように制御する制御手段とを備
えたことを特徴とする。
【0025】第5発明によれば、第1〜第4発明と同様
の効果が得られる。
【0026】第6発明は、誘電体膜の処理方法におい
て、誘電体膜が表面に形成された被処理基板を収容室に
収容する収容工程と、前記収容室の圧力を大気圧未満に
調整する圧力調整工程と、前記収容室の圧力を大気圧未
満に保持しつつレーザ光を前記誘電体膜に照射して強誘
電体化するレーザ光照射工程とを備えたことを特徴とす
る。
【0027】第6発明は第1発明の方法に関する発明で
ある。
【0028】第7発明は、誘電体膜の処理方法におい
て、誘電体膜が表面に形成された被処理基板を収容室に
収容する収容工程と、前記収容室の圧力を大気圧未満に
調整する圧力調整工程と、前記収容室の圧力を大気圧未
満に保持しつつ前記誘電体膜を加熱する加熱工程と、レ
ーザ光を前記誘電体膜に照射して強誘電体化するレーザ
光照射工程とを備えたことを特徴とする。
【0029】第7発明は第2発明の方法に関する発明で
ある。
【0030】第8発明は、誘電体膜の処理方法におい
て、所定エネルギー密度のレーザ光を被処理基板表面に
形成された誘電体膜に照射する第1のレーザ光照射工程
と、前記所定エネルギー密度よりも強いエネルギー密度
のレーザ光を前記誘電体膜に照射して強誘電体化する第
2のレーザ光照射工程とを備えたことを特徴とする。
【0031】第8発明は第4発明の方法に関する発明で
ある。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。
【0033】図1は本発明に係わる誘電体膜処理装置1
を示すブロック図である。
【0034】誘電体膜処理装置1は、被処理基板2及び
ヒータ12を内部に収容するチャンバ11と、被処理基
板2にレーザ光Lを照射するレーザ装置13及び光学系
23と、第1配管18を介してチャンバ11に接続され
るポンプ14と、第2配管20を介してチャンバ11に
接続されるガスボンベ15と、チャンバ11内の圧力を
検出する圧力センサ16と、第1配管18に設けられた
第1バルブ19及び第2配管20に設けられた第2バル
ブ21の開閉や、ヒータ12の温度や、レーザ装置13
の動作や、ポンプ14の作動及び停止を制御するコント
ローラ17とで構成されている。
【0035】チャンバ11の内部にはヒータ12が設け
られており、ヒータ12の上部には誘電体膜7が形成さ
れている被処理基板2が載置される。なお図1ではヒー
タ12が被処理基板2の下部に配置されているが、被処
理基板2を加熱することができ、かつ被処理基板2への
レーザ照射の妨げとならない位置であれば、ヒータ12
はどこに配置されていてもよい。チャンバ11の壁には
集光レンズ22が取り付けられている。集光レンズ22
は外部のレーザ装置13から照射されるレーザ光Lを誘
電体膜7に集光する。集光レンズ22の代わりにレーザ
光を透過するウィンドウを設けてもよい。なお誘電体膜
7の表面全面又は表面の必要な部分にレーザ光Lが照射
されるようにチャンバ11は図示しないステージに載置
されており、図1における前後左右に移動する。また被
処理基板2が載置されるステージをチャンバ11内部に
設置し、被処理基板2を前後左右に移動するようにして
もよい。
【0036】レーザ装置13は、誘電体膜7を強誘電体
化することができるエネルギー密度(約10〜100(m
J/cm2)以上)が誘電体膜7上で得られるようなパルスレ
ーザ光Lを出力する。例えば、レーザ装置13としては
紫外線レーザが使用される。ここではKrFエキシマレ
ーザが使用されている。
【0037】ポンプ14は、第1バルブ19が開放され
た場合に第1配管18を介してチャンバ11の内部と連
通され、第1バルブ19が閉鎖された場合にチャンバ1
1の内部と連通が遮断される。第1バルブ19が開放さ
れた状態でポンプ14が作動された場合には、チャンバ
11の内部からガスが吸引される。
【0038】ガスボンベ15には雰囲気ガスが封入され
ている。雰囲気ガスとしては酸素ガスが使用されるが、
酸素ガスにフッ素ガス等の他ガスを混入した混合ガスが
使用されるようにしてもよい。ガスボンベ15は、第2
バルブ21が開放された場合に第2配管20を介してチ
ャンバ11の内部に連通され、第2バルブ21が閉鎖さ
れた場合にチャンバ11の内部と連通が遮断される。第
2バルブ21が開放された場合には、ガスボンベ15か
らチャンバ11の内部に雰囲気ガスが供給される。
【0039】コントローラ17は、レーザ装置13の動
作、例えばレーザ光Lのパルス数や発振繰り返し周波数
等を制御する。またパルス毎にレーザ光Lのエネルギー
密度を変化させることもできる。被処理基板2に到達す
るレーザ光Lのエネルギー密度の調整をレーザ装置13
で行うようにしてもよいし、光学系に調整装置を設けて
調整するようにしてもよい。またコントローラ17は、
ヒータ12のオン・オフ及び加熱温度を制御し、また第
1バルブの開閉とポンプ14の作動及び停止を制御し、
さらに圧力センサ16の検出値に基づき第2バルブ21
の開閉を制御する。
【0040】つぎに誘電体膜処理装置1を用いた誘電体
膜の処理工程について図1、図2を用いて説明する。
【0041】図2(a)〜(d)は誘電体膜の処理工程
を示す図である。
【0042】図2(a)に被処理基板2の一例を示す。
被処理基板2はSi基板3、SiO2層4、Tiなどの
バッファ層5、下部電極6、誘電体膜7からなる。Si
基板3にはSiO2層4、バッファ層5が順次積層さ
れ、バッファ層5の表面(図面上部)に下部電極6が形
成される。さらにスパッタやCVD法(化学蒸着法)等
により下部電極6の表面(図面上部)に誘電体膜7が形
成される。この誘電体膜7には、Pb(ZrXTi1-x)O3(略称
PZT)、例えばPbTiO3、KNbO3、Pb(MnNb)O3、LiTaO3、(B
aXSr1-x)TiO3等、のABO3の形で表されるペロブスカイト
結晶構造をとった場合に強誘電性を示す酸化物、又はSr
Bi2Ta2O9(略称SBT)、(Bi,LA)4Ti3O12、Sr0.5La0.33Bi
2Ta2O9等の酸化物が使用される。またはこれらの酸化物
にLa、Ca、Nb、Nd、Bi、Sb、Ta等の不純物がドーピング
されるようにしてもよい。
【0043】図2(b)に示すように、被処理基板2が
チャンバ11のヒータ12に載置される。そしてつぎの
ようにしてチャンバ11内の圧力が大気圧未満に減圧さ
れる。
【0044】第1バルブ19が開放されるとともに、ポ
ンプ14が作動される。チャンバ11内に残留するガス
は第1配管を通過しポンプ14に吸引される。チャンバ
11内が真空になったならば、第2バルブ21が開放さ
れる。チャンバ11内は真空であるため、ガスボンベ1
5に封入されている雰囲気ガスが配管20を通過しチャ
ンバ11内に供給される。このときポンプ14が停止さ
れるとともに第1バルブ19が閉鎖された状態で雰囲気
ガスが供給されてもよいし、ポンプ14が作動されたま
ま第1バルブ19と第2バルブ21の制御によって所望
の流量の雰囲気ガスが供給されてもよい。雰囲気ガスの
供給によりチャンバ11内の圧力は減少する。圧力セン
サ16により0.01気圧以上かつ大気圧未満の所望の
圧力が検出され、また誘電体膜7を強誘電体化させるた
めに必要な分量の雰囲気ガスが供給される。
【0045】なおチャンバ11内の圧力は、第1、第2
バルブ19、21を閉鎖した状態で保持されるようにし
てもよいし、第1、第2バルブ19、21の制御によっ
てガスの供給量及び排出量のバランスをとった状態で保
持されるようにしてもよい。
【0046】図2(c)に示すように、レーザ装置13
から誘電体膜7にレーザ光Lが照射される。レーザ光L
のエネルギー密度は誘電体膜7の膜厚、被処理基板2の
温度等を考慮し、その都度設定する必要がある。本実施
形態ではエネルギー密度20(mJ/cm2)のレーザ光Lが照
射されている。
【0047】レーザ光Lが照射された結果、図2(d)
に示すように、配向性よく結晶化した結晶8aからなる
強誘電体膜8が形成される。強誘電体膜8の表面(図面
上部)に上部電極が形成されると強誘電体メモリとな
る。
【0048】図3は本実施形態により形成された強誘電
体膜に対するX線回折計の出力結果を示す図である。図
3から(100)面、(200)面、(111)面の回
折ピークが生じていることが分かる。なお、図3の略中
央に示されているピークAは下部電極のものであり、強
誘電体膜のものではない。図3によると、本実施形態で
は強誘電体膜の(100)面及び(200)面の出力と
比較して(111)面の出力が極めて強いことが分か
る。すなわち、チャンバ11内の圧力が大気圧未満にさ
れてレーザ照射が行われると、(100)配向が抑制さ
れ、強い(111)配向が得られる。
【0049】またチャンバ11内が大気圧未満の圧力と
なるように雰囲気ガスが供給され、ヒータ12によって
被処理基板2が加熱された後に、誘電体膜7にレーザ光
Lが照射されるようにしてもよい。加熱温度は被処理基
板2に形成されているトランジスタ等に損傷を与えない
程度の温度(約300〜600℃程度)とする。ヒータ
12の加熱によって、誘電体膜7には種結晶が生じるこ
とがあるが、この状態でレーザ照射されるようにしても
よい。
【0050】またチャンバ11内が大気圧未満の圧力と
なるように雰囲気ガスが供給され、ヒータ12によって
被処理基板2が加熱され、さらに誘電体膜7の結晶化に
必要な分量の雰囲気ガスが供給されてチャンバ11内の
圧力が高くなった後に、誘電体膜7にレーザ光Lが照射
されるようにしてもよい。このような場合には、被処理
基板2が加熱された後のチャンバ11内の圧力は大気圧
と等しくてもよい。
【0051】チャンバ11内の圧力が大気圧未満にされ
被処理基板2が加熱された後にレーザ照射が行われた場
合に得られた強誘電体膜に対するX線回折計の出力結果
も図3と同様である。すなわち、チャンバ11内の圧力
が大気圧未満にされて被処理基板が加熱された後にレー
ザ照射が行われると、(100)配向が抑制され、強い
(111)配向が得られる。
【0052】なお上述した誘電体膜処理装置1及び誘電
体膜の処理工程は、大気圧未満の雰囲気ガスが供給され
てチャンバ11内が減圧される場合の実施形態である
が、他の手段によりチャンバ11内が減圧されるように
してもよい。つまり、チャンバ11内には酸素を含むガ
スが供給され、かつチャンバ11内の圧力が大気圧未満
となるようにすればよい。
【0053】本実施形態によれば、図3に示すように、
配向性のよい強誘電体の多結晶膜を形成することができ
る。
【0054】つぎに誘電体膜処理装置1を用いた誘電体
膜の別の処理工程について説明する。
【0055】図4(a)〜(d)は誘電体膜の処理工程
を示す図である。
【0056】図4(a)に示す被処理基板2は図2
(a)で示した被処理基板2と同一である。
【0057】図4(b)に示すように、チャンバ11内
に被処理基板2が収容され、チャンバ11内に雰囲気ガ
スが供給される。そして誘電体膜7にレーザ装置13か
ら弱いエネルギー密度(約1〜50(mJ/cm2))のレーザ
光L1が照射される。本実施形態ではエネルギー密度7
(mJ/cm2)のレーザ光L1が照射されている。すると誘電
体膜7は変質し誘電体膜51が形成される。
【0058】レーザ光L1が所定パルス数又は所定時間
照射された後に、図4(c)に示すように、誘電体膜7
1にレーザ装置13からレーザ光L1よりも強いエネル
ギー密度(約10〜100(mJ/cm2))のレーザ光L2が
照射される。本実施形態ではエネルギー密度20(mJ/cm
2)のレーザ光L2が照射されている。さらに必要であれ
ば、レーザ光L2が所定パルス数又は所定時間照射され
た後に、誘電体膜71にレーザ装置13からレーザ光L
2よりも強いエネルギー密度のレーザ光が照射される。
【0059】レーザ光L1、L2が照射された結果、図4
(d)に示すように、強誘電体膜8が形成される。強誘
電体膜8の表面(図面上部)に上部電極が形成されると
強誘電体メモリとなる。
【0060】図5は本実施形態により形成された強誘電
体膜に対するX線回折計の出力結果を示す図であり、エ
ネルギー密度が異なるレーザ光L1、L2の照射が行われ
た場合に得られた強誘電体膜8に対するX線回折計の出
力結果を示している。
【0061】図5は本実施形態により形成された強誘電
体膜に対するX線回折計の出力結果を示す図である。図
5から(100)面、(200)面、(111)面の回
折ピークが生じていることが分かる。なお、図5の略中
央に示されているピークAは下部電極のものであり、強
誘電体膜のものではない。図5によると、本実施形態で
は強誘電体膜の(100)面及び(200)面の出力と
比較して(111)面の出力が極めて強いことが分か
る。すなわち、エネルギー密度が低いレーザ光L1の照
射が行われた後に、エネルギー密度が強いレーザ光L2
の照射が行われると、(100)配向が抑制され、強い
(111)配向が得られる。
【0062】本実施形態によれば、図5に示すように、
配向性のよい強誘電体の多結晶膜を形成することができ
る。またレーザ光のエネルギー密度を段階的に強くする
ため、誘電体膜は徐々に結晶化する。このため強誘電体
膜の表面荒れを防止できる。
【0063】なおチャンバ11内が大気圧未満に減圧さ
れてから、レーザ光L1、L2が照射されるようにしても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は誘電体膜処理装置1を示すブロック図で
ある。
【図2】図2は誘電体膜の処理工程を示す図である。
【図3】図3は本実施形態により形成された強誘電体膜
に対するX線回折計の出力結果を示す図である。
【図4】図4は誘電体膜の処理工程を示す図である。
【図5】図5は本実施形態により形成された強誘電体膜
に対するX線回折計の出力結果を示す図である。
【図6】図6は従来のレーザアニールにより形成された
強誘電体膜に対するX線回折計の出力結果を示す図であ
る。
【符号の説明】
2 被処理基板 7 誘電体膜 8 強誘電体膜 11 チャンバ 12 ヒータ 13 レーザ装置
14 ポンプ 15 ガスボンベ 17 コントローラ 19 第
1バルブ 21 第2バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F045 EB02 EC03 EK17 5F083 FR01 JA14 JA15 JA17 JA39 PR33

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体膜の処理装置において、 誘電体膜が表面に形成された被処理基板を収容する収容
    室と、 前記収容室の圧力を大気圧未満に調整する圧力調整手段
    と、 レーザ光を前記誘電体膜に照射して強誘電体化するレー
    ザ装置とを備えたことを特徴とする誘電体膜の処理装
    置。
  2. 【請求項2】 誘電体膜の処理装置において、 誘電体膜が表面に形成された被処理基板を収容する収容
    室と、 前記収容室の圧力を大気圧未満に調整する圧力調整手段
    と、 前記誘電体膜を加熱する加熱手段と、 レーザ光を前記誘電体膜に照射して強誘電体化するレー
    ザ装置とを備えたことを特徴とする誘電体膜の処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記圧力調整手段は、前記収容室にガ
    スを供給するガス供給手段を含むことを特徴とする請求
    項1及び2記載の誘電体膜の処理装置。
  4. 【請求項4】 誘電体膜の処理装置において、 被処理基板表面に形成された誘電体膜にレーザ光を照射
    して強誘電体化するレーザ装置と、 第1のエネルギー密度のレーザ光を照射した後に、前記
    第1のエネルギー密度より強い第2のエネルギー密度の
    レーザ光を照射するように制御する制御手段とを備えた
    ことを特徴とする誘電体膜の処理装置。
  5. 【請求項5】 第1のエネルギー密度のレーザ光を照
    射した後に、前記第1のエネルギー密度より強い第2の
    エネルギー密度のレーザ光を照射するように制御する制
    御手段とを備えたことを特徴とする請求項1及び2記載
    の誘電体膜の処理装置。
  6. 【請求項6】 誘電体膜の処理方法において、 誘電体膜が表面に形成された被処理基板を収容室に収容
    する収容工程と、 前記収容室の圧力を大気圧未満に調整する圧力調整工程
    と、 前記収容室の圧力を大気圧未満に保持しつつレーザ光を
    前記誘電体膜に照射して強誘電体化するレーザ光照射工
    程とを備えたことを特徴とする誘電体膜の処理方法。
  7. 【請求項7】 誘電体膜の処理方法において、 誘電体膜が表面に形成された被処理基板を収容室に収容
    する収容工程と、 前記収容室の圧力を大気圧未満に調整する圧力調整工程
    と、 前記収容室の圧力を大気圧未満に保持しつつ前記誘電体
    膜を加熱する加熱工程と、 レーザ光を前記誘電体膜に照射して強誘電体化するレー
    ザ光照射工程とを備えたことを特徴とする誘電体膜の処
    理方法。
  8. 【請求項8】 誘電体膜の処理方法において、 所定エネルギー密度のレーザ光を被処理基板表面に形成
    された誘電体膜に照射する第1のレーザ光照射工程と、 前記所定エネルギー密度よりも強いエネルギー密度のレ
    ーザ光を前記誘電体膜に照射して強誘電体化する第2の
    レーザ光照射工程とを備えたことを特徴とする誘電体膜
    の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100612860B1 (ko) 2004-09-24 2006-08-14 삼성전자주식회사 강유전막 형성방법, 이를 이용한 커패시터 및 반도체메모리 소자의 제조방법
CN100364065C (zh) * 2003-10-15 2008-01-23 精工爱普生株式会社 强电介质膜的制造方法
KR101303853B1 (ko) * 2011-02-01 2013-09-04 한국과학기술연구원 강유전체 박막의 형성방법 및 평면 구조 소자의 제조방법
JP2013235902A (ja) * 2012-05-07 2013-11-21 Ricoh Co Ltd 薄膜製造装置、薄膜製造方法、液滴吐出ヘッド、及びインクジェット記録装置

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