JP2003216152A - 楽音生成装置及び方法 - Google Patents

楽音生成装置及び方法

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JP2003216152A JP2002333675A JP2002333675A JP2003216152A JP 2003216152 A JP2003216152 A JP 2003216152A JP 2002333675 A JP2002333675 A JP 2002333675A JP 2002333675 A JP2002333675 A JP 2002333675A JP 2003216152 A JP2003216152 A JP 2003216152A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部分的区間における適切な波形制御を簡単に
行うことができるようにする。 【解決手段】 複数のセグメントテンプレートの中から
音長に基づいて、演奏情報の一部区間に適用するセグメ
ントテンプレートを自動的に決定する。決定したセグメ
ントテンプレートの特性変化カーブを、入力された演奏
情報に基づくエンベロープと合成することによって合成
エンベロープを形成し、該合成エンベロープを用いて楽
音を生成する。音長毎に従って決定された特性変化カー
ブを使用して合成することによって、演奏情報の一部区
間における音長毎の音楽的特徴を反映した細かな制御を
行うことが可能な合成エンベロープが生成できる。これ
により、ユーザは音長に応じた適切な波形制御が行われ
ている楽音を簡単に生成することができるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、楽音あるいは音
声若しくはその他任意の音の楽音を生成する楽音生成装
置及び方法に関する。特に、波形データの各種エンベロ
ープを奏法に対応して制御させることにより、表現力豊
かな楽音波形を生成する楽音生成装置及び方法に関す
る。この発明は、電子楽器は勿論のこと、自動演奏装
置、コンピュータ、電子ゲーム装置その他のマルチメデ
ィア機器等、楽音あるいは音声若しくはその他任意の音
を発生する機能を有するあらゆる分野の機器若しくは装
置または方法において広範囲に応用できるものである。
なお、この明細書において、楽音波形という場合、音楽
的な音の波形に限るものではなく、音声あるいはその他
任意の音の波形を含んでいてもよい意味合いで用いるも
のとする。
【0002】
【従来の技術】PCM(パルス符号変調)あるいはDP
CM(差分PCM)又はADPCM(適応差分PCM)
等の任意の符号化方式で符号化した1又は複数周期の波
形データを波形メモリに記憶しておき、これを所望のピ
ッチに対応して繰り返し読み出すことによって適宜の楽
音波形を生成するようにした、いわゆる「波形メモリ読
み出し」技術は既に公知であり、また、様々なタイプの
「波形メモリ読み出し」技術が知られている。こうした
「波形メモリ読み出し」技術を用いた音源においては、
単にメモリに記憶した波形データをそのまま読み出した
ものを楽音として出力するだけでなく、読み出した波形
データを音高、音量、音色などの楽音要素毎に制御する
ことによって、表現力豊かな楽音波形を生成することが
従来から行われている。こうした音源において波形制御
を行うものとして、例えば音源に内蔵されるピッチEG
やアンプ(振幅)EGあるいはフィルタEGなどの各種
EG(Envelope Generator)がある。ピッチEGは音高
(つまりピッチ)に関するピッチエンベロープを制御す
るものであり、任意のピッチエンベロープに従って波形
データの読み出し速度を適宜に変更することによって、
ピッチが経時変化する楽音波形を生成する。アンプEG
は音量に関する所要のエンベロープ波形(つまり音量振
幅エンベロープ)を形成し、読み出した波形データに該
音量振幅エンベロープを付与することによって、発音開
始から終了までの音量を制御する。また、フィルタEG
は音色制御用のフィルタ特性を制御するものであり、読
み出した波形データをその特性がフィルタEGで制御さ
れたフィルタにより処理することによって、音色が経時
変化する楽音波形を生成する。
【0003】上述した各種EG以外に波形制御を行うも
のとして、曲中で演奏の抑揚(例えば、expression(エ
クスプレッション)、Pitch bend(ピッチベンド)、Mo
dulation depth(モジュレーションデプス)、Modulati
on Speed(モジュレーションスピード)など)を変化さ
せたい適宜の時間にユーザがその都度所定の操作子等
(例えば、expression pedal(イクスプレッションペダ
ル)、bend wheel(ベンドホイール)、modulation whe
el(モジュレーションホイール)など)を操作すること
によって、音高・音量・音色等を連続的に変化するよう
に制御を行うコンティニュアス・コントロールが従来か
ら知られている。このコンティニュアス・コントロール
により設定された各種の制御値はシーケンサに記憶する
ことができ、また記憶した各種の制御値をシーケンサ上
で適宜に編集することができる。この他にも、シーケン
サが独自機能として提供する奏法テンプレート機能によ
る波形制御が従来から知られている。これは、音楽記号
を指定すると、予め用意されている各音楽記号に対応す
るマクロパターンデータ(若しくは奏法テンプレートと
も呼ぶ)を楽曲データに付加することによって、音高・
音量・音色等を制御するものである。奏法テンプレート
が用意される音楽記号としては、例えば強弱記号(例え
ばクレッシェンド、ディミニュエンド、ピアノ、メゾ・
フォルテなど)や終止記号(例えばフェルマータなど)
や速度変化記号(例えばアッチェレランド、リタルダン
ドなど)、あるいは演奏・奏法記号(例えばグリッサン
ド、ポルタメント、チョーキング、トレモロ、スタッカ
ート、アクセントなど)などがある。さらに波形制御を
行うものとして、1音の立ち上がりから立下りまでの全
発音期間にわたる楽音のピッチ変調波形を予め複数記憶
しておき(例えばアタックピッチ、ビブラート、ポルタ
メントなどに関してのピッチ変調波形)、オンされてい
るピッチ変調波形のみを合成して、合成されたピッチ変
調波形に基づき楽音の音高(つまりピッチ)を変更する
ことによって制御を行うようにしたものが、本出願人に
より既に出願済みである(特開昭60−60693号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
な各種の波形制御に従って楽音波形を生成するものは、
以下の点においてそれぞれ問題がある。すなわち、各種
EGによる波形制御においては、1音の立ち上がり立下
りなどの1音単位の制御を行うのが普通であるために、
フレーズ単位(例えば1小節単位など)における波形の
緩やかな変化等をうまく制御することができない、とい
う問題点がある。コンティニュアス・コントロールによ
る波形制御においては、コンティニュアス・コントロー
ルは演奏される音符とは独立した制御であるために、音
のアタック部といった所定の部分区間についてのみ制御
を行ったり、1音や1つのフレーズについてのみ制御を
行ったりすることが困難である、という問題点がある。
シーケンサの奏法テンプレート機能による波形制御にお
いては、全ての奏法テンプレートが同じ時間長さを持つ
ものである(つまり、時間長さで階層化されたテンプレ
ートを複数用いて変化カーブを合成するようなものでは
ない)ために、所望の部分区間毎に表現を変えたいよう
な場合に用いることができず柔軟性がない、という問題
点がある。また、奏法テンプレートはコンティニュアス
・コントロールを生成するものであるため、複数エレメ
ントからなるボイス(音色波形)を制御する場合にはエ
レメント毎に個性ある奏法を付与することができない、
という問題点もある。全発音期間にわたる楽音のピッチ
変調波形による波形制御においては、オンオフできるピ
ッチ変調波形はそれぞれ1音の立ち上がりから立下りま
での1音全体について制御を行うものであり、アタック
部だけの制御とかフレーズにわたっての制御を行うこと
ができない、という問題点がある。このように、従来知
られた音源のほとんどは1音内の所定区間毎に多くの変
化をする楽音を生成するための波形制御や、複数の音に
わたって適宜に変化する楽音を生成するための波形制御
を行うことは非常に難しいことであった。
【0005】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、1音単位での波形制御だけでなく、1音内における
部分的区間に対しての波形制御、あるいは複数の音にわ
たっての波形制御を簡単に行いながら楽音を生成するこ
とのできる楽音生成装置及び方法を提供しようとするも
のである。例えば、1フレーズ内あるいは1音内におけ
る一部区間に付与すべき特性変化カーブからなるテンプ
レートを用いてエンベロープを合成し、該合成したエン
ベロープに従って楽音波形を生成する際に、前記一部区
間における所定情報に従って適用すべきテンプレートを
自動選択することによって、部分的区間における適切な
波形制御を簡単に行うことができるようにした楽音生成
装置及び方法に関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
楽音生成装置は、演奏情報を供給する演奏情報供給手段
と、部分的な特性変化カーブを表すセグメントテンプレ
ートを異なる音長毎にそれぞれ供給し得るセグメントテ
ンプレート供給手段と、演奏音の一部区間に配置すべき
セグメントテンプレートを、前記セグメントテンプレー
ト供給手段で供給し得る複数のセグメントテンプレート
の中から、指定された音長に応じて決定する決定手段
と、前記音長に応じて決定されたセグメントテンプレー
トの特性変化カーブを、前記演奏情報に従う演奏音の一
部区間に対応して時間軸上に配置し、配置した特性変化
カーブを含む合成エンベロープを形成するエンベロープ
合成手段と、形成された合成エンベロープを用いて、前
記演奏情報に基づく楽音を生成する楽音生成手段とを具
える。
【0007】この発明によれば、部分的な特性変化カー
ブを表すセグメントテンプレートを異なる音長毎にそれ
ぞれ供給し得るようにしてなり、演奏音の一部区間に配
置すべきセグメントテンプレートを、演奏情報あるいは
ユーザによる選択などによって指定された音長に応じて
適切に決定し、決定されたセグメントテンプレートの特
性変化カーブを含む合成エンベロープを形成するように
したので、演奏音のエンベロープを形成するにあたり、
演奏音の一部区間において、適切な特性変化カーブを用
いることができ、よって、一部区間で個別の音長毎に特
有の音楽的特徴を反映した細かな制御を行うことが可能
となる。例えば、演奏情報に基づき生成される基本エン
ベロープに対して、決定されたセグメントテンプレート
の特性変化カーブを組み合わせることにより合成エンベ
ロープを形成することで、基本エンベロープが持つ特徴
に加えて、一部区間で個別の音長に特有の音楽的特徴を
反映した細かな制御を行うことが可能となり、エンベロ
ープ制御の幅が広がる。また、演奏音のエンベロープを
形成するにあたり、複数の異なる一部区間において、そ
れぞれ個別にセグメントテンプレートを決定しうるの
で、多様な組み合わせで合成エンベロープを形成するこ
とも可能となる。このように、一部区間に配置するセグ
メントテンプレートを、指定された音長に応じて決定す
るようにしたことから、ユーザは音長に応じた適切な波
形制御が行われている楽音を簡単に生成することができ
るようになる。なお、演奏音のエンベロープは1音毎に
形成してもよいし、複数音からなるフレーズ毎に形成し
てもよい。
【0008】本発明の請求項2に係る楽音生成装置は、
演奏情報を供給する演奏情報供給手段と、部分的な特性
変化カーブを表すセグメントテンプレートを異なる音高
毎にそれぞれ供給し得るセグメントテンプレート供給手
段と、演奏音の一部区間に配置すべきセグメントテンプ
レートを、前記セグメントテンプレート供給手段で供給
し得る複数のセグメントテンプレートの中から、指定さ
れた音高に応じて決定する決定手段と、前記音高に応じ
て決定されたセグメントテンプレートの特性変化カーブ
を、前記演奏情報に従う演奏音の一部区間に対応して時
間軸上に配置し、配置した特性変化カーブを含む合成エ
ンベロープを形成するエンベロープ合成手段と、形成さ
れた合成エンベロープを用いて、前記演奏情報に基づく
楽音を生成する楽音生成手段とを具える。これによる
と、演奏音の一部区間で、個別の音高毎に特有の音楽的
特徴を反映した細かな制御を行うことが可能となる。例
えば、演奏情報に基づき生成される基本エンベロープに
対して、決定されたセグメントテンプレートの特性変化
カーブを組み合わせることにより合成エンベロープを形
成することで、基本エンベロープが持つ特徴に加えて、
一部区間で個別の音高に特有の音楽的特徴を反映した細
かな制御を行うことが可能となり、エンベロープ制御の
幅が広がる。また、演奏音のエンベロープを形成するに
あたり、複数の異なる一部区間において、それぞれ個別
にセグメントテンプレートを決定しうるので、多様な組
み合わせで合成エンベロープを形成することも可能とな
る。このように、一部区間に配置するセグメントテンプ
レートを音高に基づいて自動的に決定することから、音
高に応じた適切な波形制御が行われている楽音を簡単に
生成することができるようになる。
【0009】本発明の請求項3に係る楽音生成装置は、
演奏情報を供給する演奏情報供給手段と、部分的な特性
変化カーブを表すセグメントテンプレートを異なる音の
強度毎にそれぞれ供給し得るセグメントテンプレート供
給手段と、演奏音の一部区間に配置すべきセグメントテ
ンプレートを、前記セグメントテンプレート供給手段で
供給し得る複数のセグメントテンプレートの中から、指
定された音の強度に応じて決定する決定手段と、前記音
の強度に応じて決定されたセグメントテンプレートの特
性変化カーブを、前記演奏情報に従う演奏音の一部区間
に対応して時間軸上に配置し、配置した特性変化カーブ
を含む合成エンベロープを形成するエンベロープ合成手
段と、形成された合成エンベロープを用いて、前記演奏
情報に基づく楽音を生成する楽音生成手段とを具える。
これによると、演奏音の一部区間で、個別の音の強さ毎
に特有の音楽的特徴を反映した細かな制御を行うことが
可能となる。例えば、演奏情報に基づき生成される基本
エンベロープに対して、決定されたセグメントテンプレ
ートの特性変化カーブを組み合わせることにより合成エ
ンベロープを形成することで、基本エンベロープが持つ
特徴に加えて、一部区間で個別の音の強さに特有の音楽
的特徴を反映した細かな制御を行うことが可能となり、
エンベロープ制御の幅が広がる。また、演奏音のエンベ
ロープを形成するにあたり、複数の異なる一部区間にお
いて、それぞれ個別にセグメントテンプレートを決定し
うるので、多様な組み合わせで合成エンベロープを形成
することも可能となる。このように、演奏情報の一部区
間に配置するセグメントテンプレートを音の強さに基づ
いて自動的に決定することから、音のつながりのよい楽
音を簡単に生成することができるようになる。
【0010】本発明の請求項4に係る楽音生成装置は、
演奏情報を供給する演奏情報供給手段と、音のつながり
状態に対応する部分的な特性変化カーブを表すセグメン
トテンプレートを、異なるつながり状態に対応してそれ
ぞれ供給し得るセグメントテンプレート供給手段と、前
記演奏情報に基づく演奏音の所定の一部区間に配置すべ
きセグメントテンプレートを、前記セグメントテンプレ
ート供給手段で供給し得る複数のセグメントテンプレー
トの中から、指定されたつながり状態に応じて決定する
決定手段と、前記決定されたセグメントテンプレートの
特性変化カーブを、前記演奏情報に従う演奏音の前記所
定の一部区間に対応して時間軸上に配置し、配置した特
性変化カーブに基づき該所定の一部区間に隣接する他の
音とのつながりを実現する合成エンベロープを形成する
エンベロープ合成手段と、形成された合成エンベロープ
を用いて楽音を生成する楽音生成手段とを具える。これ
によると、他の音と隣接する演奏音の所定の一部区間
で、各種の音のつながり状態毎に特有の音楽的特徴を反
映した細かな制御を行うことが可能となる。例えば、演
奏情報に基づき生成される基本エンベロープに対して、
決定されたセグメントテンプレートの特性変化カーブを
組み合わせることにより合成エンベロープを形成するこ
とで、基本エンベロープが持つ特徴に加えて、該一部区
間で、所望の音のつながり状態に応じた特有の音楽的特
徴を反映した細かな制御を行うことが可能となり、エン
ベロープ制御の幅が広がる。このように、演奏情報の一
部区間に配置するセグメントテンプレートを該一部区間
に隣り合う前後の音とのつながり状態に基づいて自動的
に決定することから、例えば一部区間毎に途切れた感じ
のある音やつながり感のある音などを簡単に生成し分け
ることができるようになる。
【0011】本発明は、装置の発明として構成し実施す
ることができるのみならず、方法の発明として構成し実
施することができる。また、本発明は、コンピュータま
たはDSP等のプロセッサのプログラムの形態で実施す
ることができるし、そのようなプログラムを記憶した記
憶媒体の形態で実施することもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面に従って詳細に説明する。
【0013】図1は、この発明に係る楽音生成装置のハ
ードウエア構成例を示すブロック図である。ここに示さ
れたハードウエア構成例はコンピュータを用いて構成さ
れており、そこにおいて、楽音生成処理は、コンピュー
タがこの発明に係る楽音生成処理を実現する所定のソフ
トウエア・プログラムを実行することにより実施され
る。勿論、この楽音生成処理はコンピュータソフトウエ
アの形態に限らず、DSP(Digital Signal Processo
r)によって処理されるマイクロプログラムの形態でも
実施可能であり、また、この種のプログラムの形態に限
らず、ディスクリート回路又は集積回路若しくは大規模
集積回路等を含んで構成された専用ハードウエア装置の
形態で実施してもよい。また、この楽音生成装置は、電
子楽器あるいはカラオケ装置又は電子ゲーム装置又はそ
の他のマルチメディア機器又はパーソナルコンピュータ
等、任意の製品応用形態をとっていてよい。なお、上記
した楽音生成装置はこれら以外のハードウェアを有する
場合もあるが、ここでは必要最小限の資源を用いた場合
について説明する。
【0014】図1に示されたハードウエア構成例におい
ては、コンピュータのメイン制御部としてのCPU1に
対して、バスラインBL(データあるいはアドレスバス
等)を介してリードオンリメモリ(ROM)2、ランダ
ムアクセスメモリ(RAM)3、入力装置4、表示装置
5、ドライブ6、波形取込部7、音源部8、ハードディ
スク9、入出力インターフェース10がそれぞれ接続さ
れている。CPU1は、「楽音生成処理」(後述する図
2参照)などの各種処理を所定のプログラムに基づいて
実行する。これらのプログラムは、入出力インターフェ
ース10を介した通信ネットワークに接続された外部の
電子楽器、あるいはドライブ6に装着されたCDやMO
等の外部記憶メディア6A等から供給されてハードディ
スク9に記憶される。そして、実行時にハードディスク
9からRAM3にロードされる。あるいは、ROM2に
プログラムが予め記録されていてもよい。
【0015】ROM2は、CPU1により実行あるいは
参照される各種プログラムや各種データ等を格納するも
のである。RAM3は、CPU1がプログラムを実行す
る際に発生する各種データなどを一時的に記憶するワー
キングメモリとして、あるいは現在実行中のプログラム
やそれに関連するデータを記憶するメモリとして使用さ
れるものである。RAM3の所定のアドレス領域がそれ
ぞれの機能に割り当てられ、レジスタやフラグ、テーブ
ル、メモリなどとして利用される。入力装置4は、楽音
をサンプリングする指示やサンプリングされた波形デー
タのエディット(つまり波形制御)や該波形制御の際に
用いる各種セグメント・テンプレートの選択(詳しくは
後述する)、あるいは各種情報の入力等を行うための各
種の操作子を含んで構成される。例えば、各種セグメン
ト・テンプレート選択用のスイッチや、数値データ入力
用のテンキー、文字データ入力用のキーボード、あるい
はマウス等のポインティングデバイスなどである。この
他にも音高、音色、効果等を選択・設定・制御するため
の各種操作子を含んでいてよい。表示装置5は、入力装
置4により入力された各種情報、サンプリングされた波
形データや波形制御後の波形データ、あるいは各種セグ
メント・テンプレート等を表示する、例えば液晶表示パ
ネル(LCD)やCRT等のディスプレイである。
【0016】波形取込部7は図示しないA/D変換器を
内蔵し、例えばマイクロフォンなどから外部波形入力さ
れたアナログ楽音信号をサンプリングしてデジタルデー
タに変換し、該デジタルデータをオリジナル波形データ
(つまり、生成すべき楽音波形の素材となる波形デー
タ)としてハードディスク9上に取り込む。該取り込ま
れたオリジナル波形データは、所定の処理に従ってベク
トルデータ及び奏法モジュールとして、それぞれ「波形
データベース」と「奏法データベース」に記憶される。
ベクトルデータは取り込んだオリジナル波形データをそ
のままではなく、取り込んだオリジナル波形の形状を代
表する一部の波形(例えば、アタック部波形、ボディ部
波形、リリース部波形、ジョイント部波形など)毎に、
階層的な圧縮手法を用いてデータ圧縮した形で波形デー
タベースに記憶したものである。奏法モジュールは、ベ
クトルデータを指定するためのデータと、圧縮された形
で記憶されたベクトルデータを元の波形形状の波形デー
タに戻すために必要なデータなどを具える。したがっ
て、奏法モジュールは、Entrance(エントランス)系モ
ジュール、Finish(フィニッシュ)系モジュール、Join
t(ジョイント)系モジュール、Body(ボディ)系モジ
ュールのいずれかとして奏法データベースに記憶され
る。すなわち、Entrance系モジュールはアタック部のよ
うな1音における立ち上がりの演奏区間を表すベクトル
データを指し示すものであって、Finish系モジュールは
リリース部のような1音における立下りの演奏区間を表
すベクトルデータを指し示すものであって、Joint系モ
ジュールは音と音とをつなぐ演奏区間を表すベクトルデ
ータを指し示すものであって、Body系モジュールは前記
Entrance系モジュールと前記Finish系モジュールとの間
の演奏区間を表すベクトルデータを指し示すものであ
る。Entrance系、Finish系、Joint系の各奏法モジュー
ルは奏法(若しくはアーティキュレーション)等の特徴
を有する高品質な波形から生成されたベクトルデータを
指し示すものであり、Body系モジュールはNSB(Normal
Short Body:ノーマルショートボディ)やVB(Vibrato
Body:ビブラートボディ)などといった1周期または適
当な複数周期分の波形からなる比較的単調な音部分の単
位波形(つまりループ波形)から生成されたベクトルデ
ータを指し示すものである。なお、波形を形成するため
のベクトルデータは、波形(timbre)ベクトル、振幅
(amplitude)エンベロープベクトル、ピッチ(pitch)
エンベロープベクトル、時間(time)ベクトル、などの
要素で構成される。
【0017】音源部8は、「波形データベース」から読
み出したベクトルデータを複数接続して波形合成するこ
とで一連の楽音波形を生成することができ、生成した楽
音波形をサウンドシステム8Aに送出する。この楽音生
成の際に、音源部8は「セグメントデータベース」から
読み出した各種セグメント・テンプレート(後述する)
を用いて、1音内における一部区間に対する楽音波形の
制御を行うことができるようになっている。これについ
ての詳細は後述することから、ここでの説明を省略す
る。サウンドシステム8Aでは、音源部8から出力され
た楽音信号をD/A変換してアナログ信号に変換して外
部に出力する。勿論、複数の楽音信号の同時出力が可能
である。ハードディスク9は、各種奏法モジュールを蓄
積した奏法データベースや各種セグメント・テンプレー
トを蓄積したセグメントデータベースやベクトルデータ
を蓄積した波形データベースなどの各種データベース
や、前記CPU1が実行する各種プログラム等などを記
憶する記憶装置である。なお、前記音源部8は、ソフト
ウエアにより楽音を生成するいわゆるソフトウエア音源
により実現するようにしてもよいことは言うまでもな
い。
【0018】ドライブ6は、各種奏法モジュールや各種
セグメント・テンプレートなどの各種データや、前記C
PU1が実行する各種プログラム等を記憶するための着
脱可能な外部記憶メディア6Aを駆動するものである。
該ドライブ6により駆動される外部記憶メディア6A
は、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディス
ク(CD−ROM・CD−RW)、光磁気ディスク(M
O)、あるいはDVD(Digital Versatile Disk)等の
着脱自在な様々な形態の外部記憶媒体を利用するメディ
アであればどのようなものであってもよい。若しくは、
半導体メモリなどであってもよい。各種プログラムを記
憶した外部記憶メディア6Aをドライブ6にセットした
場合、その記憶内容(つまりプログラム)をハードディ
スク9に落とすことなく直接RAM3にロードするよう
にしてもよい。なお、外部記憶メディア6Aを用いて、
あるいは入出力インターフェース10を介してプログラ
ムを提供するやり方は、プログラムの追加やバージョン
アップ等を容易に行うことができるので好都合である。
【0019】入出力インターフェース10は、例えばL
ANやインターネット、電話回線等の通信ネットワーク
(図示せず)に接続されており、該通信ネットワークを
介してサーバコンピュータ等(図示せず)と接続され、
当該サーバコンピュータ等からプログラムや各種奏法モ
ジュールや各種セグメント・テンプレート、あるいは演
奏情報などを楽音生成装置側に取り込むための通信イン
ターフェースである。すなわち、ROM2やハードディ
スク9にプログラムや各種奏法モジュールや各種セグメ
ント・テンプレートなどが記憶されていない場合に、サ
ーバコンピュータからプログラムや各種奏法モジュール
や各種セグメント・テンプレートなどをダウンロードす
るために用いられる。クライアントとなる楽音生成装置
は、入出力インターフェース10を介してサーバコンピ
ュータへとプログラムや各種奏法モジュールや各種セグ
メント・テンプレートなどのダウンロードを要求するコ
マンドを送信する。サーバコンピュータは、このコマン
ドを受け、要求されたプログラムや各種奏法モジュール
や各種セグメント・テンプレートなどを入出力インター
フェース10を介してハードディスク9に蓄積すること
により、ダウンロードが完了する。なお、入出力インタ
ーフェース10はMIDIインターフェースであっても
よく、そうした場合にはシーケンサや電子楽器などの外
部MIDI機器との間でMIDI演奏情報の入出力を行
う。また、MIDIインターフェースとした場合には、
音楽演奏用キーボードや演奏操作機器を接続して、これ
らを用いてMIDI演奏情報をリアルタイムに該楽音生
成装置に対して供給するようにしてもよい。
【0020】上述の図1に示した楽音生成装置におい
て、楽音生成はコンピュータが楽音生成処理を実現する
所定のソフトウエア・プログラムを実行することにより
実施される。あるいは、こうしたプログラムの形態に限
らず、楽音生成処理を専用ハードウエア装置の形態で実
施するようにしてもよい。そこで、本発明に係る楽音生
成装置で実行する楽音生成処理について、図2を用いて
説明する。図2は、楽音生成処理を専用ハードウエア装
置の形態で構成した場合の一実施例を示すブロック図で
ある。この図2を用いて、楽音生成処理全体の動作概要
について簡単に説明する。
【0021】曲データ再生部1Aは、奏法記号付き曲デ
ータの再生処理を行う。すなわち、まず最初に曲データ
再生部1Aは奏法記号付き曲データ(つまり演奏情報)
を受信する。通常の楽譜においては、そのままではMI
DIデータとすることができないような強弱記号(例え
ばクレッシェンドやデクレッシェンド等)、テンポ記号
(例えばアレグロやリタルダンド等)、スラー記号、テ
ヌート記号、アクセント記号等の音楽記号が付されてい
る。そこで、これらの音楽記号を「奏法記号」としてデ
ータ化する。この「奏法記号」を含むMIDI曲データ
が「奏法記号付き曲データ」であり、曲データ再生部1
Aはこのような奏法記号付き曲データを受信する。楽譜
解釈部(プレーヤー)1Bでは、楽譜解釈処理を行う。
具体的には、受信した奏法記号付き曲データに含まれる
MIDIデータと上記「奏法記号」を所定の奏法指定情
報(例えば、奏法IDと奏法パラメータ)に変換し、時
刻情報とともに奏法合成部(アーティキュレーター)1
Cに出力する。楽譜解釈部(プレーヤー)1Bでは奏法
指定情報を生成する際に、演奏情報に基づくオリジナル
なエンベロープ(これを「入力エンベロープ」または
「基本エンベロープ」ということにする)を生成し、か
つ、ユーザ選択あるいは自動選択処理に従ってセグメン
トデータベースから読み出された各種セグメント・テン
プレートとこの「入力エンベロープ」(すなわち「基本
エンベロープ」)とを加算して合成エンベロープを生成
し、該生成した合成エンベロープを奏法合成部(アーテ
ィキュレーター)1Cに奏法パラメータとして出力す
る。一般的に、同じ音楽記号でも演奏者や楽器により該
音楽記号の解釈が異なって、演奏者毎や楽器毎に異なっ
た演奏方法(すなわち、奏法若しくはアーティキュレー
ション)で演奏が行われることがある。あるいは、音符
の並び方等によっても、演奏者毎や楽器毎に異なった演
奏方法で演奏が行われることもある。そこで、そのよう
な楽譜上の記号(音楽記号や音符の並び方等)を解釈す
る知識をエキスパートシステム化したものが楽譜解釈部
1Bであり、楽譜解釈部1Bは所定の基準に従った解釈
を楽譜に対して行う。この際に、楽譜解釈部1Bは、ユ
ーザからのプレーヤー指定(例えば、誰の演奏かあるい
はどの楽器かなどの指定)に応じて、楽譜の解釈方法を
異ならせて楽譜を解釈する。こうした複数プレーヤーに
対応した異なる楽譜解釈方法の1つとして、セグメント
データベースに複数の各種セグメント・テンプレートが
蓄積されており、楽譜解釈部1Bはユーザからのプレー
ヤー指定あるいは楽器指定に応じて用いるべきセグメン
ト・テンプレートを決定する。
【0022】奏法合成部(アーティキュレーター)1C
は楽譜解釈部(プレーヤー)1Bにより変換された所定
の奏法指定情報(奏法IDと奏法パラメータ)に基づい
て奏法データベースを参照して、該奏法指定情報に応じ
たパケットストリーム及び奏法パラメータに応じた該ス
トリームに関するベクトルパラメータを生成し、波形合
成部1Dに供給する。パケットストリームとして波形合
成部1Dに供給されるデータは、ベクトルID、時刻情
報等である。この際に、奏法合成部(アーティキュレー
ター)1Cでは、所定の奏法指定情報に基づき奏法デー
タベースから奏法モジュールを読み出し、該奏法モジュ
ールを時間軸上に配置してパケットストリームを生成
し、時間軸上に配置した奏法モジュールに対して楽譜解
釈部(プレーヤー)1Bにより生成された合成エンベロ
ープを配分する。奏法モジュールはハードディスク9上
の「奏法データベース」に記憶されており、例えば1つ
の奏法モジュールは「奏法ID」によって特定される。
「奏法ID」に応じて特定された所定の奏法モジュール
の内容は、該奏法モジュールに対応する波形データを特
徴付ける若しくは制御する奏法パラメータとして与えら
れる。波形合成部1Dは生成されたパケットストリーム
に応じて波形データベースからベクトルデータを順次に
取り出し、該ベクトルデータをベクトルパラメータに応
じて変形し、変形した各ベクトルデータを波形接続し、
該接続した一連のベクトルデータに基づいて任意の楽音
波形を生成する。サウンドシステム8Aでは、生成した
楽音波形に基づき楽音を出力する。
【0023】ここで、上述した楽譜解釈部(プレーヤ
ー)1Bが入力エンベロープを合成する際に用いるセグ
メント・テンプレートについて、図3を参照しながら説
明する。図3はセグメント・テンプレートのデータ構成
の一実施例を示した概念図であり、図3(a)はNote
(ノート)セグメント・テンプレートを示す。図3
(b)はEntranceセグメント・テンプレートを指定する
テーブル、図3(c)はFinishセグメント・テンプレー
トを指定するテーブルの一実施例を示したものである。
これらの各セグメント・テンプレートは、テーブル化さ
れた「セグメントデータベース」としてそれぞれハード
ディスク9などに予め記憶されている。勿論、これらの
実施例は一例であり、これに限られないことは言うまで
もない。
【0024】Noteセグメント・テンプレート(以下、単
にNoteセグメントと呼ぶ)は1音全体の抑揚を表現する
ために用いる制御データであり、図3(a)に示すよう
に、Noteセグメントはハードディスク9上にテーブル化
されて構成される。テーブルを構成する1つ1つのNote
セグメントは、1音全体に付与すべき特性変化カーブか
らなる。すなわち、1つ1つのNoteセグメントは所定の
テーブル番号毎に所定形状の特性変化カーブを持つデー
タである。各Noteセグメントは、それぞれが持つ特性変
化カーブの形状にあわせていくつかのタイプ別に分類さ
れる。例えば、この実施例では大きく6つのタイプ別に
分類されている。すなわち、テーブル番号0〜7までは
ほぼ真っ直ぐな形状の特性変化カーブを持つNoteセグメ
ント、テーブル番号8〜15までは右肩上がりの形状の
特性変化カーブを持つNoteセグメント、テーブル番号1
6〜23までは右肩下がりの形状の特性変化カーブを持
つNoteセグメント、テーブル番号24〜31までは山型
の形状の特性変化カーブを持つNoteセグメント、テーブ
ル番号32〜39までは谷型の形状の特性変化カーブを
持つNoteセグメント、テーブル番号40〜47までは飛
ばし型の形状の特性変化カーブを持つNoteセグメントで
ある。
【0025】こうしたタイプ別に分類された各々のNote
セグメントは、それぞれのタイプに属する特徴的な形状
の特性変化カーブをもつ。例えば、右肩上がりタイプに
分類されたテーブル番号8のNoteセグメントは一定の傾
きで右肩上がりの特性変化カーブを持つデータである
し、テーブル番号9のNoteセグメントは前半部分の傾斜
に比較して後半部分から傾斜が急に右肩上がりとなる特
性変化カーブを持つデータである。また、山型タイプに
分類されたテーブル番号24のNoteセグメントは前半部
分に山型のピークがある特性変化カーブを持つデータで
あるし、テーブル番号25のNoteセグメントは中央部分
に山型のピークがある特性変化カーブを持つデータであ
る。なお、この実施例におけるテーブル番号0のNoteセ
グメントはデフォルトで用いられるデータとして設定さ
れるものであり、該Noteセグメントはその形状が完全な
フラット形状である。つまり、テーブル番号0のNoteセ
グメントを入力エンベロープを変更する際に用いた場合
には、オリジナルの入力エンベロープ波形が再現される
ことになる。なお、図示しないPhraseセグメント・テン
プレートは1つのフレーズ(例えば、1小節など)の抑
揚を表現するために用いる制御データであり、上記Note
セグメント・テンプレートとは時間長が異なるだけのも
のであって、その他のデータ構成及び特性変化カーブ形
状などは上記Noteセグメント・テンプレートと類似であ
ることから説明を省略する。
【0026】他方、Entranceセグメント・テンプレート
及びFinishセグメント・テンプレート(以下、単にEntr
anceセグメント及びFinishセグメント)は、上述のNote
セグメント・テンプレートと比較してその時間長が短い
データであり、Entranceセグメントは1音の鳴り始め部
分の所定区間における抑揚を表現するため、Finishセグ
メントは1音の鳴り終わり部分の所定区間における抑揚
を表現するために用いる制御データであり、Entranceセ
グメント及びFinishセグメントは上述したNoteセグメン
トと同様にハードディスク9上にテーブル化されて構成
される。テーブルを構成する1つ1つのEntranceセグメ
ントは、1音内における鳴り初めの所定区間に付与すべ
き特性変化カーブと位置データ(詳しくはノートオンタ
イミング)とからなるデータである。一方、テーブルを
構成する1つ1つのFinishセグメントは、1音内におけ
る鳴り終わりの所定区間に付与すべき特性変化カーブと
位置データ(詳しくはノートオフタイミング)とからな
るデータである。すなわち、1つ1つのEntranceセグメ
ント及びFinishセグメントは、所定のテーブル番号毎に
所定形状の特性変化カーブ(図示省略)を持つデータで
ある。前記位置データは、Entranceセグメント及びFini
shセグメントにおける各特性変化カーブの形状に応じた
位置に設定されるデータである。例えば、Entranceセグ
メントにおいて、立ち上がりがゆっくりである音の場合
における位置データはEntranceセグメントの後半よりの
適宜の位置に設定されるし、立ち上がりが急である音の
場合における位置データはEntranceセグメントの前半よ
りの適宜の位置に設定される。このように位置データを
設定すると、Entranceセグメント及びFinishセグメント
をそれぞれノートオン付近やノートオフ付近の時間軸上
に配置することができ(後述する図6に示す各セグメン
ト・テンプレートの時間軸上への配置参照)、これによ
りユーザがアタック音やリリース音などを感じる適切な
位置でアタック音やリリース音などを発生させることが
できるようになっている。
【0027】Entranceセグメントが持つ特性変化カーブ
は、Entranceセグメントにおいては音価(4分音符以下
・2分音符以下・全音符以下・全音符以上)、前音との
関係(Finish・Joint)及び引っ掛けの強さ(強・中・
弱・スラー)によって指定される。引っ掛けの強さと
は、バイオリンなどの弦楽器でいえば弓を弾き始める時
に弦の上に弓を置く強さ、サックスなどの管楽器でいえ
ばタンギングの強さ、ピアノなどの鍵盤楽器でいえば押
鍵の強さを表す。図3(b)に示した実施例において、
例えばEntranceセグメントを適用する対象となる音価が
「4分音符以下」であり、前音との関係が「Joint」で
あり、引っ掛けの強さが「中」であるような場合には、
テーブル番号68のEntranceセグメントが適用するEntr
anceセグメントとして選択されることになる。一方、Fi
nishセグメントが持つ特性変化カーブは、音価(4分音
符以下・2分音符以下・全音符以下・全音符以上)、後
音との関係(Entrance・Joint)及びタイプ(ねっとり
・ふつう・あっさり・スラー)によって指定される。図
3(c)に示した実施例において、例えばFinishセグメン
トを適用する対象となる音価が「全音符以下」であり、
後音との関係が「Entrance」であり、タイプが「あっさ
り」であるような場合には、テーブル番号48のFinish
セグメントが適用するFinishセグメントとして選択され
ることになる。なお、Noteセグメント・テンプレートと
同様に、Entranceセグメント・テンプレート及びFinish
セグメント・テンプレートにおいても、それらテーブル
番号0のEntrance及びFinishセグメントはデフォルトで
用いられるデータとして設定されるものであり、該テー
ブル番号0のEntrance及びFinishセグメントを入力エン
ベロープを変更する際に用いた場合には、オリジナル波
形が再現されることになる。
【0028】これらPhrase/Note/Entrance/Finishの
各セグメント・テンプレートは、dynamics(持続的演奏
強度)/Pitch(ピッチ)/vibrato depth(ビブラート
デプス)/vibrato Speed(ビブラートスピード)の各
特性変化カーブをセットで持つ。ただし、上述した実施
例では説明を簡単にするために、代表としてdynamicsに
関してのセグメント・テンプレートのみを示した。すな
わち、図3(a)はdynamicsを制御する特性変化カーブ
を例示的に示したものであり、このdynamicsに関する各
セグメント・テンプレートに対応するようにして、各テ
ーブル番号毎に図示を省略したPitch/vibrato depth/
vibrato Speedに関する各セグメント・テンプレートが
予めテーブル化されてハードディスク9上に記憶されて
いる。Phrase/Note/Entrance/Finishの各セグメント
・テンプレートがそれぞれdynamics/Pitch/vibrato d
epth/vibrato Speedの各特性変化カーブの計4種をセ
ットで持つことによって、dynamicsを徐々に上げながら
Pitchを下げるといった、異なる楽音要素のエンベロー
プを相互に関連づけながら制御すること、を同時に行う
ことができるようになっている。こうしたdynamics/Pi
tch/vibrato depth/vibrato Speedに関する各特性変
化カーブをセットで持つPhrase/Note/Entrance/Fini
shの各セグメント・テンプレートを、この実施例ではS
AT(SegmentArticulation Template)と呼び、こうし
たSATを1奏者毎あるいは1楽器毎にそれぞれセグメ
ントデータベースに記憶する。こうすると、同じテーブ
ル番号のSATを指定しても奏者毎あるいは楽器毎に異
なるSATを用いることができるし、また、Phrase/No
te/Entrance/Finishの各セグメント・テンプレートを
指定するだけでdynamics/Pitch/vibrato depth/vibr
ato Speedの各特性変化カーブを全て同時に指定するこ
とができることから、1つ1つをわざわざ指定しなくて
よく便利である。
【0029】上述したように、Phrase/Note/Entrance
/Finishの各セグメント・テンプレートは時間長毎に階
層的に構成されているデータであり、これらの各セグメ
ント・テンプレートを適宜に組み合わせて、演奏情報が
所持するオリジナルなエンベロープである入力エンベロ
ープと合成することで、フレーズ毎や1音毎における細
やかなエンベロープ制御を行うことができる。すなわ
ち、本発明に係る楽音生成装置では、Phraseセグメント
及びNoteセグメントを重ねて用いることによって各特性
変化カーブを入力エンベロープと合成し、該合成エンベ
ロープに基づいてフレーズ毎及び1音1音毎に波形制御
を行い任意の楽音波形を生成する。また、Entranceセグ
メントをNoteセグメントの開始部分の所定区間に、Fini
shセグメントをNoteセグメントの終了部分の所定区間に
それぞれ重ねて用いることによって各特性変化カーブを
入力エンベロープと合成し、該合成エンベロープに基づ
いて1音内における所定の部分区間毎に波形制御を行い
任意の楽音波形を生成する。すなわち、異なる時間長さ
からなる階層的構造のセグメント・テンプレートを適宜
に組み合わせて用いることで、フレーズ毎及び1音1音
毎に、あるいは1音内における所定区間毎に波形制御を
行うことができ、これにより微妙な変化のある楽音波形
を生成することができるようになっている。そこで、こ
うしたセグメント・テンプレートによる波形制御につい
て、具体例を用いて説明する。
【0030】まず、各セグメント・テンプレートの決定
処理について説明する。Phrase及びNoteセグメント・テ
ンプレートは、ユーザ選択に従って決定される。Phrase
セグメント・テンプレートの場合、Phraseセグメント・
テンプレートを使用する指定があった後の所定演奏区間
毎における最初(同時刻を含む)のノートオンイベント
データから始まる所定演奏区間に対してのみ該Phraseセ
グメント・テンプレートは有効であることから、ユーザ
は各演奏区間毎に用いるべきPhraseセグメント・テンプ
レートを適宜に選択する。こうした選択が行われなかっ
た所定演奏区間に対しては、デフォルトとして予め決め
られたPhraseセグメント・テンプレートを使用する。一
方、Noteセグメント・テンプレートの場合、Noteセグメ
ント・テンプレートを使用する指定があった後の最初
(同時刻を含む)のノートオンイベントデータから始ま
る1音に対してのみ該Noteセグメント・テンプレートは
有効であることから、ユーザは1音1音の各音毎に用い
るべきNoteセグメント・テンプレートを適宜に選択す
る。こうした選択が行われなかった1音に対しては、デ
フォルトとして予め決められたNoteセグメント・テンプ
レートを使用する。例えば、上述の図3(a)に示すよう
なテーブル番号0の完全なフラット形状の特性変化カー
ブを持つNoteセグメント・テンプレートがデフォルトと
して決められている場合には、該Noteセグメント・テン
プレートを使用する。
【0031】他方、Entrance及びFinishセグメント・テ
ンプレートは1音毎に、ユーザ選択が行われている場合
には該選択に従って決定され、ユーザ選択が行われてい
ない場合には所定の処理に従って自動的に決定される。
そこで、こうしたEntrance及びFinishセグメント・テン
プレートの決定処理について、図4及び図5を用いて説
明する。Entranceセグメント・テンプレートを決定する
処理について、図4を用いて説明する。図4は、「Entr
anceセグメント・テンプレート自動決定処理」の一実施
例を示すフローチャートである。
【0032】ステップS1では、Entranceセグメント・
テンプレートがテーブル番号等により選択的に指定され
ているか否かを判定する。Entranceセグメント・テンプ
レートが指定されている場合には(ステップS1のYE
S)、指定されたテーブル番号等に従うEntranceセグメ
ント・テンプレートに決定する(ステップS2)。Entr
anceセグメント・テンプレートが指定されていない場合
には(ステップS1のNO)、該NoteにおいてEntrance
セグメント・テンプレートが必要でないか否か、つまり
音の立ち上がり区間に対する制御を行う必要がないか否
かを判定する(ステップS3)。Entranceセグメント・
テンプレートが必要でない、つまり該NoteにおいてEntr
anceセグメント・テンプレートによる波形制御を行う必
要がない場合には(ステップS3のNO)、テーブル番
号0のEntranceセグメント・テンプレート(つまりSA
Tなし)に決定する(ステップS4)。すなわち、この
場合には特性変化カーブが「フラット」であるEntrance
セグメント・テンプレートに決定することから、音の立
ち上がり区間に対する制御が行われないこととなる。一
方、Entranceセグメント・テンプレートが必要である、
つまり該NoteにおいてEntranceセグメント・テンプレー
トによる波形制御を行う必要がある場合には(ステップ
S3のYES)、Entranceセグメント・テンプレートの
自動選択を実行するように設定されたか否かを判定する
(ステップS5)。自動選択を実行するように設定され
ていなかった場合には(ステップS5のNO)、テーブ
ル番号0のEntranceセグメント・テンプレート(つまり
SATなし)に決定する(ステップS4)。自動選択を
実行するように設定されていた場合には(ステップS5
のYES)、前の音(Note)との関係がジョイントであ
るか否かを判定する(ステップS6)。前の音との関係
がジョイントでない場合には(ステップS6のNO)、
テーブルにおける前音との関係を「Finish」に設定する
(ステップS9)。前の音との関係がジョイントである
場合には(ステップS6のYES)、さらに前の音との
関係がスラーであるか否かを判定する(ステップS
7)。前の音との関係がスラーでない場合には(ステッ
プS7のNO)、テーブルにおける前音との関係を「Jo
int」に設定する(ステップS10)。前の音との関係
がスラーである場合には(ステップS7のYES)、テ
ーブル番号1のEntranceセグメント・テンプレート(つ
まり、スラー制御を行うデータ)に決定する(ステップ
S8)。
【0033】ステップS11では、Entranceセグメント
・テンプレートの引っ掛けが自動選択であるか否かを判
定する。Entranceセグメント・テンプレートの引っ掛け
が自動選択である場合には(ステップS11のYE
S)、演奏強度(特にMIDIデータの場合には音のベロシ
ティ)に従ってEntranceセグメント・テンプレートの引
っ掛けを決定する(ステップS13)。Entranceセグメ
ント・テンプレートのタイプが自動選択でない場合には
(ステップS11のNO)、予めユーザが選択したEntr
anceセグメント・テンプレートの引っ掛けに決定する
(ステップS14)。ステップS12では、Entranceセ
グメント・テンプレートの長さが自動選択であるか否か
を判定する。Entranceセグメント・テンプレートの長さ
が自動選択である場合には(ステップS12のYE
S)、音の長さに従ってEntranceセグメント・テンプレ
ートの長さを決定する(ステップS15)。Entranceセ
グメント・テンプレートの長さが自動選択でない場合に
は(ステップS12のNO)、予めユーザが選択したEn
tranceセグメント・テンプレートの長さに決定する(ス
テップS16)。こうして決定されたテーブルにおける
前音との関係(ステップS9及びS10参照)、Entran
ceセグメント・テンプレートのタイプ(ステップS13
及びS14参照)、Entranceセグメント・テンプレート
の長さ(ステップS15及びS16参照)に従い、上述
の図3(b)に示したようなEntranceセグメント・テン
プレートに関するテーブルを参照することで、各Noteに
おける音の立ち上り区間の波形制御に用いるべきEntran
ceセグメント・テンプレートを決定する。
【0034】Finishセグメント・テンプレートを決定す
る処理について、図5を用いて説明する。図5は、「Fi
nishセグメント・テンプレート自動決定処理」の一実施
例を示すフローチャートである。
【0035】ステップS21では、ユーザによりFinish
セグメント・テンプレートがテーブル番号で選択的に指
定されているか否かを判定する。Finishセグメント・テ
ンプレートが指定されている場合には(ステップS21
のYES)、指定されたテーブル番号に従うFinishセグ
メント・テンプレートに決定する(ステップS22)。
Finishセグメント・テンプレートが指定されていない場
合には(ステップS21のNO)、該NoteにおいてFini
shセグメント・テンプレートが必要でないか否か、すな
わち音の立下り区間に対する制御を行う必要がないか否
かを所定パラメータに従って判定する(ステップS2
3)。Finishセグメント・テンプレートが必要でない、
つまり該NoteにおいてFinishセグメント・テンプレート
による波形制御を行う必要がない場合には(ステップS
23のNO)、テーブル番号0のFinishセグメント・テ
ンプレート(つまりSATなし)に決定する(ステップ
S24)。すなわち、この場合には特性変化カーブが
「フラット」であるFinishセグメント・テンプレートに
決定することから、音の立下り区間に対する制御が行わ
れないこととなる。一方、Finishセグメント・テンプレ
ートが必要である、つまり該NoteにおいてFinishセグメ
ント・テンプレートによる波形制御を行う必要がある場
合には(ステップS23のYES)、Finishセグメント
・テンプレートの自動選択を実行するように設定されて
いるか否かを判定する(ステップS25)。自動選択を
実行するように設定されていない場合には(ステップS
25のNO)、テーブル番号0のFinishセグメント・テ
ンプレート(つまりSATなし)に決定する(ステップ
S24)。自動選択を実行するように設定されている場
合には(ステップS25のYES)、次の音(Note)と
の関係がジョイントであるか否かを判定する(ステップ
S26)。次の音との関係がジョイントでない場合には
(ステップS26のNO)、テーブルにおける後音との
関係を「Entrance」に設定する(ステップS29)。次
の音との関係がジョイントである場合には(ステップS
26のYES)、次の音との関係がスラーであるか否か
を判定する(ステップS27)。次の音との関係がスラ
ーでない場合には(ステップS27のNO)、テーブル
における後音との関係を「Joint」に設定する(ステッ
プS30)。次の音との関係がスラーである場合には
(ステップS27のYES)、テーブル番号1のFinish
セグメント・テンプレート(つまり、スラー制御を行う
データ)に決定する(ステップS28)。
【0036】ステップS31では、Finishセグメント・
テンプレートのタイプが自動選択であるか否かを判定す
る。Finishセグメント・テンプレートのタイプが自動選
択である場合には(ステップS31のYES)、音のベ
ロシティに従ってFinishセグメント・テンプレートのタ
イプを決定する(ステップS33)。Finishセグメント
・テンプレートのタイプが自動選択でない場合には(ス
テップS31のNO)、予めユーザが選択したFinishセ
グメント・テンプレートのタイプに決定する(ステップ
S34)。ステップS32では、Finishセグメント・テ
ンプレートの長さが自動選択であるか否かを判定する。
Finishセグメント・テンプレートの長さが自動選択であ
る場合には(ステップS32のYES)、音の長さに従
ってFinishセグメント・テンプレートの長さを決定する
(ステップS35)。Finishセグメント・テンプレート
の長さが自動選択でない場合には(ステップS32のN
O)、予めユーザが選択したFinishセグメント・テンプ
レートの長さに決定する(ステップS36)。こうして
決定されたテーブルにおける前音との関係(ステップS
29及びS30参照)、Finishセグメント・テンプレー
トのタイプ(ステップS33及びS34参照)、Finish
セグメント・テンプレートの長さ(ステップS35及び
S36参照)に従い、上述の図3(c)に示したような
Finishセグメント・テンプレートに関するテーブルを参
照することで、各Noteにおける音の立下り区間の波形制
御に用いるべきFinishセグメント・テンプレートを決定
する。
【0037】以上のように、Entrance/Finishの各セグ
メント・テンプレートはユーザによる指定が行われてい
ない場合には、前後の隣り合う音(Note)との接続シー
ケンス関係を基準として、あるいは該セグメント・テン
プレートを適用する区間における強度を基準として、あ
るいは該セグメント・テンプレートを適用する区間にお
ける音長を基準として自動的に選択される。なお、セグ
メント・テンプレートの自動選択基準はこれらに限定さ
れることなく、そのセグメント・テンプレートを適用す
る区間における音高を基準としてもよい。このように、
ユーザがセグメント・テンプレートを選択していない場
合には波形制御に用いるべきセグメント・テンプレート
を自動的に決定するようにしたことから、ユーザはわざ
わざ曲全体にわたって1音1音毎にEntrance/Finishの
各セグメント・テンプレートを選択しなくてもよい。こ
れにより、ユーザは効率的な波形制御を行うことができ
るようになる。
【0038】上述のようにして、ユーザ選択あるいは自
動処理により波形制御に用いるべき各セグメント・テン
プレートが決定されると、次に、該決定された各セグメ
ント・テンプレートを時間軸上に配置し、配置した各セ
グメント・テンプレートと入力エンベロープとを合成す
る。そして、合成した結果のエンベロープを各モジュー
ルに適用することによって波形制御を行い、任意の楽音
波形を生成する。そこで、上記決定済みの各セグメント
・テンプレートの時間軸上への配置及び配置した各セグ
メント・テンプレートに基づいて行われる入力エンベロ
ープの合成について、図6及び図7を用いて説明する。
ただし、以下の説明では、1音(Note)に対してのEntr
ance/Finish/Noteの各セグメント・テンプレートの配
置及び入力エンベロープとの合成について説明する。す
なわち、こうした処理は各音毎に行われるものである。
【0039】まず、各セグメント・テンプレートの時間
軸上への配置について説明する。図6は、各セグメント
・テンプレートの時間軸上への配置について説明するた
めの概念図である。図6(a)はEntranceセグメント・
テンプレート及びFinishセグメント・テンプレートの時
間軸上への配置について説明するための概念図であり、
図6(b)はNoteセグメント・テンプレートの時間軸上
への配置について説明するための概念図である。
【0040】図6(a)に示すように、まずEntranceセ
グメント・テンプレート及びFinishセグメント・テンプ
レートを時間軸上に配置する。Entranceセグメント・テ
ンプレートに予め設定されているノートオンタイミング
をノートオンイベント(NoteOn)に一致させることによ
って、Entranceセグメント・テンプレートをノートオン
付近の時間軸上に配置する。一方、Finishセグメント・
テンプレートに予め設定されているノートオフタイミン
グをノートオフイベント(Note Off)に一致させること
によって、Finishセグメント・テンプレートをノートオ
フ付近の時間軸上に配置する。この際に、Entrance/Fi
nishの各セグメント・テンプレートの時間長を所定のタ
イムコントロールパラメータなどを用いて拡大縮小する
ことにより、各セグメント・テンプレートにおける特性
変化カーブの形状を時間軸方向に伸ばしたり縮めたりす
ることができる。このタイムコントロールパラメータな
どを用いてのEntrance/Finishの各セグメント・テンプ
レートの時間長の拡大縮小は、ノートオンタイミングあ
るいはノートオフタイミングを中心として拡大縮小す
る。例えば、Entrance/Finishの各セグメント・テンプ
レートにおけるノートオンタイミングあるいはノートオ
フタイミングよりも前半部分をプレタイム(Pre Tim
e)、後半部分をポストタイム(Post Time)とした場合
には、こうしたプレタイム及びポストタイムを別々にコ
ントロールするようにして、Entrance/Finishの各セグ
メント・テンプレートの前半部分又は後半部分を別々に
拡大縮小することができる。このようにユーザが時間長
を適宜に編集できるようにすることにより、配置した各
セグメント・テンプレートを時間軸方向にカスタマイズ
して、ユーザ所望の区間に対してEntrance/Finishの各
セグメント・テンプレートを適用することができるよう
になる。
【0041】Entrance及びFinishの各セグメント・テン
プレートの時間軸上への配置が終了すると、次に、図6
(b)に示すように、既に配置されたEntrance及びFini
shの各セグメント・テンプレートに基づいてNoteセグメ
ント・テンプレートを配置する。このNoteセグメント・
テンプレートの配置は、Noteセグメント・テンプレート
の開始位置をEntranceセグメント・テンプレートの開始
点に、Noteセグメント・テンプレートの終了位置をFini
shセグメント・テンプレートの終了点にそれぞれ一致す
るようにして行われる。すなわち、Noteセグメント・テ
ンプレートに対しては、既に配置されたEntranceセグメ
ント・テンプレートの開始点からFinishセグメント・テ
ンプレートの終了点までの時間長にあわせて時間長の拡
大縮小が行われる。こうして、Entrance及びFinishの各
セグメント・テンプレートとNoteセグメント・テンプレ
ートとが互いに重なり合うようにして時間軸上に配置さ
れる。
【0042】次に、各セグメント・テンプレートを組み
合わせて行われるエンベロープ合成について説明する。
図7は、各セグメント・テンプレートを組み合わせて行
われるエンベロープ合成について説明するための概念図
である。この実施例では、dynamics/Pitch/vibrato d
epth/vibrato Speedの4種の楽音要素についてのエン
ベロープセグメントのうちのdynamics(振幅)を例にあ
げて説明する。すなわち、図7に示した各図は上から順
に、MIDI入力に基づき生成される入力エンベロープ(基
本エンベロープ)のdynamics値カーブ、該MIDI入力に基
づく該dynamics値カーブから算出される入力dB値カー
ブ、Noteセグメント・テンプレートのdynamicsのdB値カ
ーブ、Entrance及びFinishセグメント・テンプレートの
dynamicsのdB値カーブ、合成された結果の入力dB値カー
ブをそれぞれ示すものである。
【0043】MIDI情報の入力に基づくdynamics値カーブ
(つまり入力エンベロープ又は基本エンベロープ)は、
そのNoteのキー番号に従い、楽譜解釈部(プレーヤー)
にアサインされているDynamicsスケールデータを用いて
dB値に変換される(これを入力dB値カーブと呼ぶ)。こ
の変換により算出された入力dB値カーブに対して、上述
のようにして時間軸上に配置されたNote/Entrance/Fi
nishの各セグメント・テンプレートを加算する。その際
に、Note/Entrance/Finishの各セグメント・テンプレ
ートの各レベルを所定のレベルコントロールパラメータ
により拡大縮小することにより、各セグメント・テンプ
レートにおける特性変化カーブの形状をレベル方向に変
化することができる。こうしたレベルコントロールパラ
メータの指定は、所定位置(例えば、予め決められた特
性変化カーブの形状を特徴付ける代表点)において、ユ
ーザが直接数値入力することによって指定するようにし
てもよいし、あるいは表示装置5上に表示した特性変化
カーブ上の前記代表点をユーザがマウスなどを用いて上
下に動かすことによって指定するようにしてもよい。こ
のようにレベルをユーザが編集することにより、各セグ
メント・テンプレートをレベル方向にカスタマイズする
ことができる。そして、入力dB値カーブに対してNote/
Entrance/Finishの各セグメント・テンプレートを加算
すると、各セグメント・テンプレートが相対的に合成さ
れて特徴ある合成dB値カーブを生成する。生成された合
成dB値カーブは、例えばAmplitude Shiftとして、ある
いはDynamicsとして奏法合成部(アーティキュレータ
ー)に入力される。
【0044】勿論、上記dynamicsにおけるエンベロープ
の合成と同様にして、その他のPitch/vibrato depth/
vibrato Speedにおいても、所定の入力エンベロープに
対してNote/Entrance/Finishの各セグメント・テンプ
レートを演算することにより合成エンベロープが生成さ
れる。また、上記dynamicsにおけるエンベロープに対す
るレベルコントロールと同様に、その他のPitch/vibra
to depth/vibrato Speedにおけるエンベロープに対す
るレベルコントロールをそれぞれ行うことができること
は言うまでもない。このように、Note/Entrance/Fini
sh(あるいはPhrase)の各セグメント・テンプレート
は、入力エンベロープに対して各々が相対的に作用する
ことによって1つの合成エンベロープを生成するように
なっている。
【0045】楽譜解釈部(プレーヤー)1Bにより生成
された合成エンベロープ、つまり入力エンベロープに対
してNote/Entrance/Finishなどの各セグメント・テン
プレートを演算することによって算出された合成エンベ
ロープは奏法合成部(アーティキュレーター)1Cに対
して奏法パラメータとして出力される。そして、奏法合
成部1Cでは、所定の奏法指定情報(奏法IDと奏法パ
ラメータ)に基づいて奏法データベースから奏法モジュ
ールを読出し、該読み出した各々の奏法モジュールに対
して楽譜解釈部1Bで生成された合成エンベロープを配
分したパケットストリームを生成する(図2参照)。こ
こで、奏法合成部1Cによるパケットストリーム作成の
際における各奏法モジュールの時間軸上への配置と各奏
法モジュールに対する合成エンベロープの配分につい
て、図8を用いて説明する。図8は、パケットストリー
ム作成の際における各奏法モジュールの時間軸上への配
置と各奏法モジュールに対する合成エンベロープの配分
について説明するための概念図である。図8(a)はEn
trance系モジュール及びFinish系モジュールの時間軸上
への配置について説明するための概念図であり、図8
(b)はBody系モジュール若しくはJoint系モジュール
の時間軸上への配置及び合成エンベロープの配分につい
て説明するための概念図である。
【0046】図8(a)に示すように、まず奏法合成部
1Cは所定の奏法指定情報(奏法IDと奏法パラメー
タ)に基づいて奏法データベースからEntrance系モジュ
ール及びFinish系モジュールを読出し、時間軸上の所定
時間位置に配置する。Entranceセグメント・テンプレー
トの始点にEntrance系モジュールのサウンドオン・タイ
ミングを一致させることによって、Entrance系モジュー
ルを時間軸上の所定時間位置に配置する。ここでいうサ
ウンドオン・タイミングとは、Entrance系モジュール内
にその奏法モジュールの先頭からの時間として記録され
ているものである。一方、Finishセグメント・テンプレ
ートの終点にFinish系モジュールのサウンドオフ・タイ
ミングを一致させることによって、Finish系モジュール
を時間軸上の所定時間位置に配置する。このサウンドオ
フ・タイミングとは、Finish系モジュール内にその奏法
モジュールの先頭からの時間として記録されているもの
である。次に、図8(b)に示すように、時間軸上の所
定時間位置に配置されたEntrance系モジュールとFinish
系モジュールとの間にBody系モジュールを配置する。En
trance系モジュールとFinish系モジュールとの間が所定
の規定値以下の時間間隔である場合にはBody系モジュー
ルとしてNSB(Normal Short Body)を配置し、所定の規
定値以上の時間間隔である場合にはBody系モジュールと
してVB(Vibrato Body)を配置する。ただし、既に配置
されたEntrance系モジュールとFinish系モジュールとの
間にBody系モジュールが入らない場合には、Body系モジ
ュールを配置することなく省略してよい。そして、次の
ノートオフとノートオンとの間隔が所定の規定値以下の
時間間隔である場合は、Body系モジュールと次のBody系
モジュールとの間をジョイント化し、Joint系モジュー
ルを挿入する。こうして各奏法モジュールを時間軸上に
順次に配置する。なお、ユーザにより直接使用すべきモ
ジュールが選択されているような場合には、それを使用
してよいことは言うまでもない。
【0047】そして、図8(b)から理解できるよう
に、配置された各奏法モジュールの位置にあわせて、楽
譜解釈部1Bにより生成された合成エンベロープ、つま
り入力エンベロープに対してNote/Entrance/Finishな
どの各セグメント・テンプレートを演算することによっ
て算出された合成エンベロープを取得し、取得した合成
エンベロープを各奏法モジュールに配分することにより
パケットストリームを生成する。こうして生成されたパ
ケットストリームは波形合成部1Dに供給され、波形合
成部1Dでは該パケットストリームに基づき波形データ
ベースから取り出したベクトルデータ(つまり、奏法モ
ジュールが表す波形)を合成エンベロープに応じて変形
することができ、こうして変形した個々の奏法モジュー
ルが表す波形を波形接続することによって任意の楽音波
形を生成することができる。すなわち、各奏法モジュー
ルに配分された合成エンベロープに応じて各奏法モジュ
ールを変形し、該変形した各奏法モジュールを波形接続
することによって、セグメントテンプレートとして付与
される各特性変化カーブに従う形状の楽音波形を生成す
ることができるようになっている。
【0048】なお、奏法合成部1Cは、上述のように楽
譜解釈部1Bで生成された合成エンベロープをパケット
ストリームに反映するだけでなく、ベクトルデータとし
て反映するようにしてもよい。すなわち、奏法合成部1
Cではベクトルパラメータを生成する際に、時間軸上の
所定時間位置に配置した奏法モジュールに対して楽譜解
釈部1Bにより生成された合成エンベロープを配分した
ベクトルパラメータを生成するようにしてもよい。こう
した場合、波形合成部1Dは生成されたパケットストリ
ームに応じて波形データベースからベクトルデータを順
次に取り出し、該ベクトルデータをベクトルパラメータ
に応じて変形し、変形した各ベクトルデータを波形接続
することで、dynamicsエンベロープが反映された音を生
成することができる。勿論、Pitch/vibrato depth/vi
brato Speedにおいても、dynamicsエンベロープと同様
にして、各エンベロープが反映された音を生成すること
ができる。
【0049】以上のように、この実施例に示す楽音生成
装置においては、Phrase/Note/Entrance/Finishセグ
メント・テンプレートといった時間長が異なる階層的な
テンプレートを用いてフレーズ単位や1音単位での楽音
表現を部分的に変更することが可能となることから、特
に1音内におけるアタック部やリリース部などの一部区
間において複雑な変化形状を持つ楽音波形を生成するこ
とが簡単にできるようになる。これらの各セグメント・
テンプレートで表されるdynamicsについてのエンベロー
プを合成し、さらに1音毎に有するエンベロープと合成
することで全体のdynamicsについてのエンベロープが形
成される。また、上記Phrase/Note/Entrance/Finish
の各セグメント・テンプレートは各々がdynamics/Pitc
h/vibrato depth/vibrato Speedに関する特性変化カ
ーブ(つまりエンベロープカーブ)をセットで持つ構成
とすることで、ユーザは奏法を指定するだけでdynamics
に加え、Pitch/vibrato depth/vibrato Speedに関し
ての波形制御も同時に行うことができるようになる。な
お、演奏情報に基づくオリジナルの入力エンベロープ
(基本エンベロープ)を生成せずに、セグメントテンプ
レートの組合せのみに基づいてエンベロープを合成する
ようにすることも可能である。
【0050】なお、上述したような楽音生成装置を電子
楽器に用いた場合、電子楽器は鍵盤楽器の形態に限ら
ず、弦楽器や管楽器、あるいは打楽器等どのようなタイ
プの形態でもよい。また、その場合に、曲データ再生部
1A、楽譜解釈部1B、奏法合成部1C、波形合成部1
D等を1つの電子楽器本体内に内蔵したものに限らず、
それぞれが別々に構成され、MIDIインターフェース
や各種ネットワーク等の通信手段を用いて各構成部を接
続するように構成されたものにも同様に適用できること
はいうまでもない。また、パソコンとアプリケーション
ソフトウェアという構成であってもよく、この場合処理
プログラムを磁気ディスク、光ディスクあるいは半導体
メモリ等の記憶メディアから供給したり、ネットワーク
を介して供給するものであってもよい。さらに、自動演
奏ピアノのような自動演奏装置などにも適用してよい。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、部分的な特性変化カー
ブを表すセグメントテンプレートを異なる音長毎に、あ
るいは音高毎、音の強度毎、隣接する音とのつながり具
合毎に、それぞれ供給し得るようにしてなり、演奏音の
一部区間に配置すべきセグメントテンプレートを、演奏
情報あるいはユーザによる選択などによって指定された
音長に応じて適切に決定し、決定されたセグメントテン
プレートの特性変化カーブを含む合成エンベロープを形
成するようにしたので、演奏音のエンベロープを形成す
るにあたり、演奏音の一部区間において、適切な特性変
化カーブを用いることができ、よって、一部区間で個別
の音長毎に、あるいは音高毎、音の強度毎、隣接する音
とのつながり具合毎に、特有の音楽的特徴を反映した細
かな制御を行うことが可能となり、エンベロープ制御の
幅が広がる。また、演奏音のエンベロープを形成するに
あたり、複数の異なる一部区間において、それぞれ個別
にセグメントテンプレートを決定しうるので、多様な組
み合わせで合成エンベロープを形成することも可能とな
る、という優れた効果を奏する。また、これにより、ユ
ーザは1フレーズ内あるいは1音内における一部区間に
対して、音長・音高・音の強度・隣接する音とのつなが
り具合などに応じた適切な波形制御を簡単に行うことが
できるようになる、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る楽音生成装置のハードウエア
構成例を示すブロック図である。
【図2】 楽音生成処理を専用ハードウエア装置の形態
で構成した場合の一実施例を示すブロック図である。
【図3】 セグメント・テンプレートのデータ構成の一
実施例を示した概念図である。
【図4】 「Entranceセグメント・テンプレート自動決
定処理」の一実施例を示すフローチャートである。
【図5】 「Finishセグメント・テンプレート自動決定
処理」の一実施例を示すフローチャートである。
【図6】 各セグメント・テンプレートの時間軸上への
配置について説明するための概念図である。
【図7】 各セグメント・テンプレートを組み合わせて
行われるエンベロープ合成について説明するための概念
図である。
【図8】 パケットストリーム作成の際における各奏法
モジュールの時間軸上への配置と各奏法モジュールに対
する合成エンベロープの配分について説明するための概
念図である。
【符号の説明】
1...CPU、2...リードオンリメモリ(ROM)、
3...ランダムアクセスメモリ(RAM)、4...入力装
置、5...表示装置、6...ドライブ、6A...外部記憶
メディア、7...波形取込部、8...音源部、8A...サ
ウンドシステム、9...ハードディスク、10...通信イ
ンターフェース、BL...バスライン、1A...曲データ
再生部、1B...楽譜解釈部(プレーヤー)、1C...奏
法合成部(アーティキュレーター)、1D...波形合成

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 演奏情報を供給する演奏情報供給手段
    と、 部分的な特性変化カーブを表すセグメントテンプレート
    を異なる音長毎にそれぞれ供給し得るセグメントテンプ
    レート供給手段と、 演奏音の一部区間に配置すべきセグメントテンプレート
    を、前記セグメントテンプレート供給手段で供給し得る
    複数のセグメントテンプレートの中から、指定された音
    長に応じて決定する決定手段と、 前記音長に応じて決定されたセグメントテンプレートの
    特性変化カーブを、前記演奏情報に従う演奏音の一部区
    間に対応して時間軸上に配置し、配置した特性変化カー
    ブを含む合成エンベロープを形成するエンベロープ合成
    手段と、 形成された合成エンベロープを用いて、前記演奏情報に
    基づく楽音を生成する楽音生成手段とを具えた楽音生成
    装置。
  2. 【請求項2】 演奏情報を供給する演奏情報供給手段
    と、 部分的な特性変化カーブを表すセグメントテンプレート
    を異なる音高毎にそれぞれ供給し得るセグメントテンプ
    レート供給手段と、 演奏音の一部区間に配置すべきセグメントテンプレート
    を、前記セグメントテンプレート供給手段で供給し得る
    複数のセグメントテンプレートの中から、指定された音
    高に応じて決定する決定手段と、 前記音高に応じて決定されたセグメントテンプレートの
    特性変化カーブを、前記演奏情報に従う演奏音の一部区
    間に対応して時間軸上に配置し、配置した特性変化カー
    ブを含む合成エンベロープを形成するエンベロープ合成
    手段と、 形成された合成エンベロープを用いて、前記演奏情報に
    基づく楽音を生成する楽音生成手段とを具えた楽音生成
    装置。
  3. 【請求項3】 演奏情報を供給する演奏情報供給手段
    と、 部分的な特性変化カーブを表すセグメントテンプレート
    を異なる音の強度毎にそれぞれ供給し得るセグメントテ
    ンプレート供給手段と、 演奏音の一部区間に配置すべきセグメントテンプレート
    を、前記セグメントテンプレート供給手段で供給し得る
    複数のセグメントテンプレートの中から、指定された音
    の強度に応じて決定する決定手段と、 前記音の強度に応じて決定されたセグメントテンプレー
    トの特性変化カーブを、前記演奏情報に従う演奏音の一
    部区間に対応して時間軸上に配置し、配置した特性変化
    カーブを含む合成エンベロープを形成するエンベロープ
    合成手段と、 形成された合成エンベロープを用いて、前記演奏情報に
    基づく楽音を生成する楽音生成手段とを具えた楽音生成
    装置。
  4. 【請求項4】 演奏情報を供給する演奏情報供給手段
    と、 音のつながり状態に対応する部分的な特性変化カーブを
    表すセグメントテンプレートを、異なるつながり状態に
    対応してそれぞれ供給し得るセグメントテンプレート供
    給手段と、 前記演奏情報に基づく演奏音の所定の一部区間に配置す
    べきセグメントテンプレートを、前記セグメントテンプ
    レート供給手段で供給し得る複数のセグメントテンプレ
    ートの中から、指定されたつながり状態に応じて決定す
    る決定手段と、 前記決定されたセグメントテンプレートの特性変化カー
    ブを、前記演奏情報に従う演奏音の前記所定の一部区間
    に対応して時間軸上に配置し、配置した特性変化カーブ
    に基づき該所定の一部区間に隣接する他の音とのつなが
    りを実現する合成エンベロープを形成するエンベロープ
    合成手段と、 形成された合成エンベロープを用いて楽音を生成する楽
    音生成手段とを具えた楽音生成装置。
  5. 【請求項5】 前記エンベロープ合成手段は、前記演奏
    情報に基づく基本エンベロープを生成し、該生成した基
    本エンベロープと前記一部区間に対応して時間軸上に配
    置した特性変化カーブとの組み合わせにより前記合成エ
    ンベロープを形成することを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれかに記載の楽音生成装置。
  6. 【請求項6】 前記エンベロープ合成手段は、前記演奏
    情報に従う1つの演奏音の複数の一部区間に対応する時
    間軸上にそれぞれ固有の特性変化カーブを配置し、各特
    性変化カーブの組み合わせにより前記合成エンベロープ
    を形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
    に記載の楽音生成装置。
  7. 【請求項7】 前記セグメントテンプレートは時間軸上
    の位置を示す位置情報を含み、前記エンベロープ合成手
    段は前記決定したセグメントテンプレートを前記位置情
    報に応じて演奏の時間軸上に配置することを特徴とする
    請求項1乃至6のいずれかに記載の楽音生成装置。
  8. 【請求項8】 前記演奏情報供給手段が供給する演奏情
    報に基づき前記音長、音高、音の強さ又はつながり状態
    が指定され、前記決定手段は、該演奏情報に基づき指定
    される音長、音高、音の強さ又はつながり状態に応じ
    て、セグメントテンプレートを自動的に決定することを
    特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の楽音生成
    装置。
  9. 【請求項9】 前記決定手段は、前記セグメントテンプ
    レート供給手段が供給し得る複数のセグメントテンプレ
    ートの中から、ユーザにより所望の音長、音高、音の強
    さ又はつながり状態に応じたセグメントテンプレートを
    選択する選択手段を含み、該選択手段によって選択され
    たセグメントテンプレートを、前記指定された音長、音
    高、音の強さ又はつながり状態に応じたセグメントテン
    プレートとして決定することを特徴とする請求項1乃至
    7のいずれかに記載の楽音生成装置。
  10. 【請求項10】 前記セグメントテンプレートの各々
    は、複数種の楽音要素についての特性変化カーブをセッ
    トで持ち、前記エンベロープ合成手段は、該複数種の楽
    音要素毎の各特性変化カーブに基づき、各楽音要素毎の
    前記合成エンベロープをそれぞれ形成することを特徴と
    する請求項1乃至9のいずれかに記載の楽音生成装置。
  11. 【請求項11】 前記エンベロープ合成手段は、セグメ
    ントテンプレートの特性変化カーブを、演奏情報に含ま
    れるノートオンあるいはノートオフタイミングに基づき
    配置することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか
    に記載の楽音生成装置。
  12. 【請求項12】 前記セグメントテンプレート供給手段
    は、音のアタック部分に対応するセグメントテンプレー
    トとリリース部分に対応するセグメントテンプレートの
    少なくとも一方を、異なる前記音長、音高、または音の
    強さ毎に供給し得ることを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれかに記載の楽音生成装置。
  13. 【請求項13】 演奏情報を供給するステップと、 部分的な特性変化カーブを表すセグメントテンプレート
    を異なる音長毎に供給するステップと、 演奏音の一部区間に配置すべきセグメントテンプレート
    を、前記供給されるセグメントテンプレートの中から、
    指定された音長に応じて決定するステップと、 前記音長に応じて決定されたセグメントテンプレートの
    特性変化カーブを、前記演奏情報に従う演奏音の一部区
    間に対応して時間軸上に配置し、配置した特性変化カー
    ブを含む合成エンベロープを形成するステップと、 形成された合成エンベロープを用いて、前記演奏情報に
    基づく楽音を生成するステップとを具えた楽音生成方
    法。
  14. 【請求項14】 演奏情報を供給するステップと、 部分的な特性変化カーブを表すセグメントテンプレート
    を異なる音高毎に供給するステップと、 演奏音の一部区間に配置すべきセグメントテンプレート
    を、前記供給されるセグメントテンプレートの中から、
    指定された音高に応じて決定するステップと、 前記音高に応じて決定されたセグメントテンプレートの
    特性変化カーブを、前記演奏情報に従う演奏音の一部区
    間に対応して時間軸上に配置し、配置した特性変化カー
    ブを含む合成エンベロープを形成するステップと、 形成された合成エンベロープを用いて、前記演奏情報に
    基づく楽音を生成するステップとを具えた楽音生成方
    法。
  15. 【請求項15】 演奏情報を供給するステップと、 部分的な特性変化カーブを表すセグメントテンプレート
    を異なる音の強度毎に供給するステップと、 演奏音の一部区間に配置すべきセグメントテンプレート
    を、前記供給されるセグメントテンプレートの中から、
    指定された音の強度に応じて決定するステップと、 前記音の強度に応じて決定されたセグメントテンプレー
    トの特性変化カーブを、前記演奏情報に従う演奏音の一
    部区間に対応して時間軸上に配置し、配置した特性変化
    カーブを含む合成エンベロープを形成するステップと、 形成された合成エンベロープを用いて、前記演奏情報に
    基づく楽音を生成するステップとを具えた楽音生成方
    法。
  16. 【請求項16】 演奏情報を供給するステップと、 音のつながり状態に対応する部分的な特性変化カーブを
    表すセグメントテンプレートを、異なるつながり状態に
    対応して供給するステップと、 前記演奏情報に基づく演奏音の所定の一部区間に配置す
    べきセグメントテンプレートを、前記供給されるセグメ
    ントテンプレートの中から、指定されたつながり状態に
    応じて決定するステップと、 前記決定されたセグメントテンプレートの特性変化カー
    ブを、前記演奏情報に従う演奏音の前記所定の一部区間
    に対応して時間軸上に配置し、配置した特性変化カーブ
    に基づき該所定の一部区間に隣接する他の音とのつなが
    りを実現する合成エンベロープを形成するステップと、 形成された合成エンベロープを用いて楽音を生成するス
    テップとを具えた楽音生成方法。
  17. 【請求項17】 請求項13乃至16のいずれかに記載
    の楽音生成方法をコンピュータに実行させるための命令
    群からなるコンピュータプログラム。
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