JP2003215828A - 応力除去方法 - Google Patents

応力除去方法

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JP2003215828A JP2002295487A JP2002295487A JP2003215828A JP 2003215828 A JP2003215828 A JP 2003215828A JP 2002295487 A JP2002295487 A JP 2002295487A JP 2002295487 A JP2002295487 A JP 2002295487A JP 2003215828 A JP2003215828 A JP 2003215828A
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heated
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シー ユー ユ ロバート
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 機械的疲労を受けてもひび割れの発生がない
高耐久画像形成部材ベルトを提供する。 【解決手段】 ガラス転移温度を示し表面層を有するフ
レキシブルな多層部材を処理する方法であって、曲がり
のある接触ゾーン40,40Aに該部材10を接触させ
る接触ゾーンと、接触前部材経路30A及び接触後部材
経路30Bを含む経路30中に該部材を移動させる工程
と、表面層の各部分を順次加熱する工程であって、曲が
りのある接触ゾーン領域にある間に、それぞれの加熱さ
れた表面層の部分がガラス転移温度以上になるように加
熱する工程及び加熱された表面層部分を順次冷却する工
程であって、該表面層部分が接触ゾーン領域から出る前
に、ガラス転移温度以下になるようにし、加熱がなされ
る加熱領域108が、冷却領域以外の接触ゾーンの一部
または全体と接触ゾーンに隣接する接触前部材経路の一
部分を包含する冷却する工程を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電写真フレキシ
ブル画像形成部材の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】静電写真フレキシブル画像形成部材は静
電写真技術においては公知である。典型的なフレキシブ
ル静電写真画像形成部材としては、たとえば、(1)一
般的にエレクトロフォトグラフィ(電子写真)のプロセ
スで使用される感光性部材(感光体)、および、(2)
エレクトログラフィ画像形成システムのためのイオノグ
ラフィ画像形成部材のような電子受容体などがある。こ
のフレキシブル静電写真画像形成部材は、継ぎ目なしの
ベルトまたは継ぎ目ありのベルトであってよい。典型的
なエレクトロフォトグラフィ画像形成部材ベルトでは、
支持基材層の一方の側に電荷輸送層および電荷発生層、
その基材層の反対側にカール防止裏打ち層がある。しか
しながら、典型的なエレクトログラフィ画像形成部材ベ
ルトでは材料の構成がもっと簡単になっていて、支持基
材の一方の側に誘電画像形成層、基材の反対側にカール
防止裏打ち層がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】機器を使用している状
態では、ベルト支持モジュールに搭載したフレキシブル
画像形成部材ベルトは通常、エレクトロフォトグラフィ
画像形成で繰り返し循環しながら使用されるので、画像
形成部材ベルトが、ベルト駆動ローラやその他すべての
ベルトモジュール支持ローラでの曲がりや折り返し、さ
らには、裏当て棒の曲がりのある表面上での摺動・曲げ
接触などを受け、そのために、最外層の電荷輸送層に機
械的疲労がもたらされる。このように画像形成部材ベル
トが繰り返し循環使用されると、負荷がかかる最外層の
電荷輸送層の物理的、機械的総合特性が徐々に劣化して
いって、電荷輸送層の疲労割れが早めに始まってしまう
ことになる。ベルトの動的な疲労の結果として電荷輸送
層で割れが発生すると、それは印刷した時の欠陥として
露呈することになり、その結果、印刷した紙の上での画
像品質に悪影響があらわれる。結局のところ、電荷輸送
層での割れが明らかになることで、画像形成部材ベルト
の予定した機能寿命が短くなってしまうのである。
【0004】数千フィートもの長さで多層コーティング
した感光体からなるウェブ素材(web stock)
を製造する時、電荷輸送層のコーティングおよび乾燥の
仕上げをした際に、勝手に上方向にカールしてしまうこ
とがあり、その場合には、基材支持体の裏側、すなわち
電荷輸送層があるのとは反対側に、カール防止裏打ち層
を設けて、カールを打ち消し、感光体ウェブ素材をフラ
ットにする必要がある。電荷輸送層のコーティングをし
た後で感光体が上向きにカールするのは、塗布した電荷
輸送層と基材支持体との間で熱収縮における不整合があ
る結果だということが判っている。すなわち、高温で加
熱して溶剤系の塗膜を乾燥させ、次いで室温にまで冷却
した際に、この不整合が表面化するのである。典型的な
感光体デバイス中の電荷輸送層の熱収縮係数は、基材支
持体よりも約3.5倍も大きく、そのため室温にまで冷
却すると、その寸法収縮が基材支持体の収縮よりも大き
く、そのために感光体が上向きにカールしてしまうの
で、そのため、カール防止裏打ち層を使用してカールの
バランスをとり、フラットにする必要性が生じるのであ
る。
【0005】典型的な感光体ウェブ素材の材料パッケー
ジを製造するのに、カール防止裏打ち層を使用するの
も、場合によっては有用であるが、(上向きのカールに
対抗させ、感光体ウェブ素材をフラットにするために)
基材支持体の裏側にカール防止裏打ち層を塗布すると、
そのために電荷輸送層で、その原料マトリックス中に約
0.28%の内部引張歪みが即座に蓄積されてしまう。
このウェブ素材を加工して、継ぎ目ありの感光体ベルト
とすると、この内部に蓄積された歪みが、感光体の曲げ
で誘発される歪みに累積的に加わってしまうが、それ
は、機器の中で感光体ベルトが動的に循環使用されてい
る間に、各種のベルトモジュールの支持ローラ上でベル
トが曲がるたびに加わってくるのである。このように歪
み効果が積み重なる結果、電荷輸送層での疲労割れが早
々と発生し、それが原因で、最終的な画像コピーの際
に、望ましくない印刷時の欠陥が出てしまうことにな
る。
【0006】このようなことから、本発明が対象として
いるように、部材の機械的な性質を向上させるために、
ある種のフレキシブルな多層部材中で発生する蓄積内部
引張歪みを減少させるか無くしてしまう、新規な方法が
必要なのである。
【0007】従来からの多層部材およびそのような部材
の処理方法については、例えばユ(Yu)らの特許文献
1から特許文献5に開示がある。
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,165,670号明細書
【特許文献2】米国特許第5,606,396号明細書
【特許文献3】米国特許第5,089,369号明細書
【特許文献4】米国特許第5,167,987号明細書
【特許文献5】米国特許第4,983,481号明細書
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガラス転移温
度を示し表面層を有する、フレキシブルな多層部材を処
理する方法を提供することにより、実施態様として達成
されるが、この方法には、曲がりのある接触ゾーン領域
を含むアーチ形表面に部材を接触させる接触ゾーンと、
前記接触ゾーンの手前の接触前部材経路と、前記接触ゾ
ーンの後の接触後部材経路と、を含む部材経路中に部材
を移動させる工程と、表面層の各部分を順次加熱する工
程であって、前記曲がりのある接触ゾーン領域にある間
に、それぞれの加熱された表面層の部分がガラス転移温
度以上になるように加熱する工程と、前記接触ゾーンに
ある間にそれぞれの加熱された表面層部分を順次冷却す
る工程であって、それぞれの加熱された表面層部分が前
記曲がりのある接触ゾーン領域から出る前に、それぞれ
の加熱された表面層部分の温度がガラス転移温度以下に
なるようにし、その際、加熱がなされる加熱領域が、冷
却領域以外の接触ゾーンの一部または全体と接触ゾーン
に隣接する接触前部材経路の一部分を包含することによ
って、冷却領域が定義されるように冷却する工程と、が
含まれる。
【0010】実施態様にはまた、フレキシブルな画像形
成部材を処理する方法が提供されるが、この部材には次
のように、基材層、電荷発生層、そして電荷輸送層の順
に含まれていて、ここで電荷輸送層がガラス転移温度を
示すが、この方法には、曲がりのある接触ゾーン領域を
含むアーチ形表面に部材を接触させる接触ゾーンと、前
記接触ゾーンの手前の接触前部材経路と、前記接触ゾー
ンの後の接触後部材経路と、を含む部材経路中に部材を
移動させる工程と、 電荷輸送層の各部分を順次加熱す
る加熱工程であって、前記曲がりのある接触ゾーン領域
にある間に、それぞれの加熱された電荷輸送層の部分が
ガラス転移温度以上になるように加熱する工程と、前記
接触ゾーンにある間にそれぞれの加熱された電荷輸送層
部分を順次冷却する工程であって、それぞれの加熱され
た電荷輸送層部分が前記曲がりのある接触ゾーン領域か
ら出る前に、それぞれの加熱された電荷輸送層部分の温
度がガラス転移温度以下になるようにし、その際、加熱
がなされる加熱領域が、冷却領域以外の接触ゾーンの一
部または全体と接触ゾーンに隣接する接触前部材経路の
一部分を包含することによって、冷却領域が定義される
ように冷却する工程と、が含まれる。
【0011】
【発明の実施の形態】特に断らない限り、図が異なって
いても、同一または同様の構成物には同一の参照番号が
付与してある。
【0012】図1は、ガラス転移温度(「Tg」)を示
し表面層を有する、フレキシブルな多層部材を処理する
ための、本発明の方法を実施するのに有用な装置の例示
実施態様である。「多層」という用語は、2、3、4ま
たはそれ以上の層を指す。表面層は、本発明の方法の主
題であるTgを示しても、示さなくてもよい;実施態様
においては、部材の内の他の層(たとえば、表面層に隣
接する層、または、表面層からは何層か離れた非隣接の
内部層)が本発明の方法の主題であるTgを示し、それ
に対して表面層が異なったTgを示している。よく知ら
れているように、Tgとは、分子が運動性を抑えられた
剛直なガラスのような状態から、自由になった分子の回
転や並進運動が優位となるフレキシブルな状態に転換す
る、温度である。本発明の方法には部材10が部材経路
30を通って移動することが含まれ、これに含まれるの
は、曲がりのある接触ゾーン領域40Aを含むアーチ形
表面210に部材を接触させる接触ゾーン40と、接触
ゾーン40の手前の接触前部材経路30Aと、接触ゾー
ンの後の接触後部材経路30Bと、を含む。
【0013】部材10は、アーチ形外表面210および
空間(chamber)209を有する自由回転部品206
(実施態様では円筒として画かれている)の方へ移動す
る。部材10の温度はもともとは室温の約25℃である
が、このものが部品206に対して、たとえば約12時
の方向から接触をはじめ、そのアーチ形表面210に沿
って移動する。図1では、アーチ形表面は、移動してい
る部材10によって回転させられているが、別な実施態
様としては、アーチ形表面が回転しないものもある。
【0014】この部材10は引張歪みを受けるが、その
大きさはたとえば約0.9%から約0.1%、特に約
0.6%から約0.2%である。
【0015】部材経路を移動していく時の部材の速度
は、たとえば約1フィート/分から約90フィート/分
(約0.3m/分から約27.4m/分)の範囲である
が、特に約5フィート/分から約40フィート/分(約
1.5m/分から約12.2m/分)である。
【0016】アーチ形表面を形成している部品206の
外径または幅は、たとえば約0.5インチから約5イン
チ(約1.3cmから約12.7cm)の範囲である
が、特に約0.5インチから約1インチ(約1.3cm
から約2.54cm)である。
【0017】部材が、部材経路における加熱領域に進む
と、加熱源103によって表面層の各部が順次加熱さ
れ、曲がりのある接触ゾーン領域にある間に、ガラス転
移温度よりも高い温度とされる。この加熱を受けるの
は、部材経路中の加熱領域108の部分においてだけで
ある。この「加熱領域」という用語は、部材経路で加熱
源から熱を受ける区域を指しており、そのような区域と
しては、冷却領域以外の接触ゾーンの一部または全体お
よび接触ゾーンに隣接する接触前部材経路の一部分が含
まれる。
【0018】図示した実施態様においては、加熱源10
3は高出力赤外線放射タングステンハロゲン石英ランプ
であり、部材のすぐ上に位置していて、瞬時に表面層を
局部的に昇温させる。実施態様においては、この加熱源
103はその長さが部材10の横幅をカバーする一体も
ののユニットであり、断面が半楕円形の長い反射鏡10
6およびその反射鏡106の内部の焦点のところに位置
するハロゲン石英管105からできていて、管105か
ら出る赤外線放射エネルギーをすべて反射して、反射鏡
106の外側のもう一つの焦点に集束して、加熱領域1
08で集光加熱線を作り、急速な温度上昇をもたらす。
たとえば集光加熱線により作られるこの加熱領域の幅
(すなわち、部材の移動方向での幅)は約3mmから約
1cmの範囲であり、特には約6mmから約12mmの
範囲である。別な方法として、加熱源にレーザー、たと
えば二酸化炭素レーザーを用いてもよい。
【0019】この加熱によって、それぞれの加熱された
表面層部分の温度が上昇して、ガラス転移温度より約5
℃から約40℃高い、特にガラス転移温度より約10℃
から約20℃高い温度になる。加熱源に印加する電力を
徐々に増やしていって、所望の加熱エネルギー出力とな
るよう調節することができる。部材の温度は赤外線カメ
ラで検出することが可能である。
【0020】この本発明の方法では次いで、接触ゾーン
中で加熱されたそれぞれの表面層部分を順次冷却して、
加熱されたそれぞれの表面層部分が曲がりのある接触ゾ
ーン領域から出る前に、その加熱されたそれぞれの表面
層部分の温度がガラス転移温度以下に下がるようにする
が、この部分が冷却領域と定義される。「冷却領域」と
いう用語は、加熱領域より後でかつ接触後部材経路より
は前の、部材経路の区域を指していて、表面層部分の温
度がまだガラス転移温度よりも下がっていないような場
所はすべて含まれる。この「冷却領域」には、加熱源に
よって加熱を受けるような部材経路の場所が含まれない
のは、言うまでもない。
【0021】冷却領域に入ると、加熱源103で照射を
受けて加熱されたそれぞれの表面層部分は、部材が加熱
源103から離れると直ぐに冷却を受けるが、それには
たとえば、部材から部品206への直接の熱伝導や、周
辺の空気への熱対流(部材が、部材経路を移動している
ため)による。最終的な冷却は、冷却システム203を
随意に使用して行うこともできる。このシステムには、
自由に回転する軟質親水性フォームのロール50(冷却
液で飽和させておく)を用い、約4時の方向から約6時
の方向までの間の位置で部材に押しつけて、出てくる表
面層部分の温度を下げて、ガラス転移温度よりは少なく
とも約20℃(特には、少なくとも約40℃)低い温度
とし、これにより永久応力または歪みを除去する。冷却
システム203の実施態様では、親水性冷却ロール50
は、自由回転軸51を有する空転式の軟質フォームロー
ルであって、冷却液浴52(たとえば、水、アルコール
など、およびそれらの混合物)にその一部が浸漬され、
全体が飽和されていて、効率的に冷却効果をもたらす。
この冷却液浴の温度は、たとえば約0℃から約25℃、
特に約5℃から約10℃の範囲である。処理部品206
の環状の空間209には、室温の空気だけを存在させて
もよいし、また、たとえば過冷却水、液体窒素、アルコ
ールなどの冷媒を環状の空間209に流してもよい。こ
の空間に流す水および/またはアルコール冷媒の温度
は、たとえば約0℃から約25℃、特に約5℃から約1
0℃の範囲である。
【0022】実施態様においては、本発明の方法による
応力または歪み除去効果を高めるために、部材を本明細
書に記載された速度で部材経路を通過させるが、その
際、接触させる冷却用フォームのロール50によって部
材から奪われる熱によって、それぞれの表面層部分が曲
がりのある接触ゾーン領域から出る前に、それぞれの表
面層部分の温度がTgよりも充分に低くなっているよう
にする。
【0023】図2は、本発明を実施するのに有用な装置
のまた別の実施態様であり、ここでは、図1で用いられ
ていた冷却システム203を、図示したような空気吹き
付けナイフ(air impinging knif
e)による冷却システム203Aに置き換えている。冷
却システム203Aで冷却するのに、空気以外にも、固
体炭酸(CO2 snow)、過冷却窒素ガス、液状の
水、アルコールなどを吹き付けてもよい。空気、窒素、
CO2、液状アルコールまたは液状の水を吹き付けるの
は、強制対流冷却プロセスであるので、冷却媒体を吹き
付けることで、加熱された表面層部分の温度を急速にT
g以下に下げることが可能である。この吹き付け冷却媒
体がガス状のものなら、その温度はたとえば約−10℃
から約20℃、特に約−5℃から約5℃の範囲でよい。
しかしながら、水やアルコールのような熱伝導性の高い
液体の場合には、吹き付け用の液温はたとえば約2℃か
ら約25℃、特に約5℃から約10℃である。
【0024】本明細書で記してきたように、冷却で部材
から熱を取り去るには、アーチ形表面からの熱伝導によ
るものと、周辺空気への熱対流(たとえば、ファンを用
いた強制熱対流や、自然熱対流)がある。実施態様にお
いては、周辺空気以外の冷却媒体に熱伝導や熱対流によ
って、部材から熱を取り去ることも含まれる。別の実施
態様においては、周辺空気以外の冷却媒体に熱伝導また
は熱対流により部材から熱を取り去るようなことはせず
に、アーチ形表面からの熱伝導および/または周辺空気
への熱対流だけに依存して部材から熱を取り去ることで
冷却を実施するが、これはすなわち、そのような実施態
様では冷却システム203や203Aを持たないという
ことである。
【0025】本発明の方法では、加熱および冷却の面
を、表面層に関連させて、表面層が部材の最上層である
か最下層であるかを述べている。しかしながら、熱伝導
現象のために、表面層を加熱または冷却すれば、表面層
の上下を問わずあらゆる層(単一または複数)が、表面
層が受けるのと同様の加熱/冷却の影響を受ける。した
がって、本発明の方法は、熱伝導を通して、表面層に加
えるに部材の単一または複数のその他の層を処理するた
めの実施態様において、使用できる。それぞれの層が表
面層とは異なるガラス転移温度を有するような1層また
は複数の層を処理するには、加熱領域において部材を充
分に加熱して、表面層とそれら追加の層(単数または複
数)とを、応力除去の対象となる各層のうち、最も高い
ガラス転移温度以上に上げる。次いで、本発明の方法で
は、冷却領域において表面層とそれらの追加の層とを、
応力除去の対象となる各層のうち、最も低いガラス転移
温度以下に下げる。
【0026】実施態様によっては、表面層のTgが隣接
する層のTgより高くそしてその隣接する層が応力除去
の目標となっている層であるような場合には、本発明の
方法で加熱領域で熱を与え、表面層を加熱することで、
隣接している層の温度をその隣接している層のTgより
も高い温度とするが、表面層が応力除去の目標ではない
場合においても、表面層のTgよりも高い温度に上げて
しまうのは、随意である。次いで、冷却領域において表
面層および隣接層を冷却して、その隣接層のTg以下に
する。
【0027】このようにして、実施態様においては、部
材にさらに追加の層が含まれ、そこでは以下のようなこ
とが起きている。すなわち、(1)部材内部の熱伝導が
あるために、表面層の各部を順次加熱することによっ
て、追加の層の各部も順次加熱を受け、それにより曲が
りのある接触ゾーン領域にある間に、その加熱を受けた
追加の層の各部もガラス転移温度より高い温度となり、
そして(2)ここで部材内部の熱伝導があるために、加
熱を受けた表面層の各部を順次冷却することによって、
追加の層の各部も順次冷却され、それにより、加熱を受
けた追加の層の各部がそのガラス転移温度よりも低い温
度となり、それから、その加熱を受けた追加の層の各部
が曲がりのある接触ゾーン領域から出ていく。
【0028】部材の各層のガラス転移温度は、たとえば
約5℃から約30℃、特に約10℃から約20℃の範囲
で、異なっていってもよい。
【0029】図1および2では、接触ゾーン40は、曲
がりのある接触ゾーン領域40Aだけで構成されてい
る。実施態様によっては、接触ゾーンに、曲がりのある
接触ゾーン領域に隣接させて1つまたは2つの直線の接
触ゾーン領域を有していてもよい。図3に示したのは、
回転しない縦長の部品206A(空間部209A)で、
2つの直線表面210Bの間に、アーチ形表面210A
を有している。したがって、2つの直線接触ゾーン領域
40Bの間に配置された曲がりのある接触ゾーン領域4
0Aが、ひとまとめで接触ゾーン40なのである。
【0030】部材がアーチ形表面に接触する巻き角(w
rap angle)は、たとえば約30度から約35
0度、特に約30度から約180度である。巻き角18
0度の場合が、図1〜3に示されている。図4には、部
材10を部品206と回転ローラ207に沿わせて、1
80度よりも大きな巻き角にして、接触ゾーン40を長
くしたものを図示している。
【0031】部材は、1つまたは複数のローラ上で循環
させることが可能なものならば、どのようなフレキシブ
ルな多層成分でもよい。この部材は、静電画像形成部
材、特にエレクトロフォトグラフィ画像形成部材(たと
えば、感光体)のような画像形成部材であってよい。ま
た別な実施態様においては、部材がコンベアベルト、中
間画像転写ベルトなどであってもよい。
【0032】実施態様においては、接触ゾーンを通過す
ることを含め部材経路上で、部材を定速で移動させる。
ここでの「定速」という用語は、停止および発進動作、
中断、あるいは速度変更などが無い、定常的な移動を意
味している。他の実施態様においては、接触ゾーンを通
過することを含め部材経路上で、部材を非定速で移動さ
せる。ここでの「非定速」という用語は、停止、発進の
動作、中断、変速などがあることを意味している。中断
はその都度、たとえば約3秒から約1分の間続いてもよ
い。部材に本発明の方法を、1度、2度、そしてもっと
繰り返して当てはめてもよいし、実施態様によっては、
本発明の方法を1度だけ、当てはめてもよい。
【0033】本発明の方法は、部材の内部の蓄積内部引
張歪みを減少または無くすもので、それにより、以下の
ようなメリットの一部または全部が得られる、すなわ
ち、(1)縁部でのカールの減少または消滅、(2)表
面層割れの寿命延長、および(3)画像形成部材でのカ
ール防止裏打ち層の使用が必須ではなくなる。
【0034】部材をさらに加工することは、従来からの
方法により実施できる。たとえば、部材が画像形成部材
のウェブ素材ならば、たとえば、米国特許第5,68
8,355号に記載されているような技術を組み合わせ
て、継ぎ目ありの画像形成ベルトを作ることも可能であ
る。この特許における開示はすべて、ここに引用するこ
とにより本明細書に包含されるものとする。
【0035】図5には、画像形成部材を例示している
が、ここにあるのは、カール防止層1、支持基材2、電
気伝導性の接地面3、電荷阻止層4、接着層5、電荷発
生層6、電荷輸送層7、任意の上塗り層8、および接地
帯(ground strip)9である。
【0036】カール防止層 用途によっては、任意層としてのカール防止層1を設け
ることができるが、これには、電気絶縁性またはやや半
導体性の、有機または無機の成膜性ポリマーが含まれ
る。カール防止層によって、平坦性および/または耐摩
擦性が得られる。
【0037】カール防止層1は、基材2の裏側、すなわ
ち画像形成層とは反対側に形成される。このカール防止
層には、成膜性樹脂に加えて、接着促進剤のポリエステ
ル添加物を加えてもよい。カール防止層に使用可能な成
膜性樹脂の例をあげれば、ポリアクリレート、ポリスチ
レン、ポリ(4,4’−イソプロピリデンジフェニルカ
ーボネート)、ポリ(4,4’−シクロヘキシリデンジ
フェニルカーボネート)、それらの混合物などがある
が、これらに限定されるわけではない。
【0038】このカール防止層に存在させる添加剤の量
は、カール防止層の約0.5重量%から約40重量%の
範囲である。好適な添加剤には、耐摩耗性をさらに改良
および/または電荷緩和性を与えることが可能な有機お
よび無機粒子などがある。有機の粒子で好ましいのは、
テフロン(登録商標)粉末、カーボンブラック、および
グラファイト粒子などである。無機の粒子で好ましいの
は、絶縁性および半導体金属酸化物粒子であって、たと
えばシリカ、酸化亜鉛、酸化錫などである。その他の半
導体添加物としては、米国特許第5,853,906号
に記載されている、酸化オリゴマー塩がある。好適なオ
リゴマー塩としては、酸化されたN,N,N’,N’−
テトラ−p−トリル−4,4’−ビフェニルジアミン塩
がある。
【0039】添加剤として有用な典型的な接着促進剤と
しては、デュポン(dupont)49,000(登録
商標)(デュポン社(duPont)製)、バイテル
(Vitel)PE−100(登録商標)、バイテル
(Vitel)PE−200(登録商標)、バイテル
(Vitel)PE−307(登録商標)(グッドイヤ
ー社(Goodyear)製)、それらの混合物などが
あるが、これらに限定されるわけではない。成膜性樹脂
添加物にとしては、成膜性樹脂の重量基準で約1重量%
から約15重量%の接着促進剤が通常用いられる。
【0040】カール防止層の厚みは、典型的には約3μ
mから約35μm、好ましくは約14μmである。しか
しながら、これらの範囲外の厚みでも、使用することは
可能である。
【0041】カール防止コーティングは、成膜性樹脂お
よび接着促進剤を塩化メチレンのような溶媒に溶解させ
た溶液として、塗布することができる。この溶液を、感
光体デバイスの支持基材の裏面(画像形成層とは反対の
側)に、たとえばウェブ塗布法またはその他の当業者公
知の方法によって塗布すればよい。電荷輸送層、電荷発
生層、接着層、阻止層、接地面および基材を含む多層感
光体の上に、上塗り層およびカール防止層の塗布を同時
に、ウェブ塗布法により実施することも可能である。湿
潤状態のコーティング膜を次いで乾燥させれば、カール
防止層1ができる。
【0042】支持基材 先に述べたように、感光体を調整するには、まず基材
2,すなわち支持体を準備する。この基材は不透明であ
っても、実質的に透明であってもよく、また、必要な機
械的性質を与えるようなものなら、多くの好適な物質を
加えることができる。
【0043】この基材には、電気非伝導性の材料の層ま
たは電気伝導性材料の層、たとえば無機組成物または有
機組成物、を含むことが可能である。非伝導性の材料を
使用する場合には、そのような非伝導性材料の上に電気
伝導性の接地面を設けておく必要がある。基材に伝導性
の材料を用いるのなら、別に接地面層を設ける必要はな
い。
【0044】基材は可撓性があって、各種の形態をとる
ことが可能であるが、例をあげれば、シート状、巻物
状、エンドレスなフレキシブルベルト、ウェブなどであ
る。
【0045】電気非伝導性材料としては、各種の樹脂を
使用することが可能で、それらとしては、ポリエステル
類、ポリカーボネート類、ポリアミド類、ポリウレタン
類などがあるが、これらに限定されるわけではない。そ
のような基材として好ましいものには、市販されている
2軸延伸ポリエステルがあり、たとえば、マイラー(M
YLAR、登録商標)(E.I.デュポン・ドウ・ヌム
ール社(E.I.duPont de Nemours
& Co.)から入手可能)、メリネックス(MER
INEX、登録商標)(ICIアメリカズ社(ICI
Americas Inc.)から入手可能)、ホスタ
ファン(HOSTAPHAN、登録商標)(アメリカン
・ヘキスト社(American Hoechst C
orporation)から入手可能)などである。基
材に使用可能なその他の材料には、以下のようなポリマ
ー材料があるが、それらはたとえば、ポリフッ化ビニル
のテドラー(TEDLAR、登録商標)(E.I.デュ
ポン・ドウ・ヌムール社(E.I.duPont de
Nemours & Co.)から入手可能)、ポリ
エチレンおよびポリプロピレンのマーレックス(MAR
LEX、登録商標)(フィリップス・ペトロリアム社
(Phillips Petroleum Compa
ny)から入手可能)、ポリフェニレンスルフィドのラ
イトン(RYTON、登録商標)(フィリップス・ペト
ロリアム社(Phillips Petroleum
Company)から入手可能)、それにポリイミドの
カプトン(KAPTON、登録商標)(E.I.デュポ
ン・ドウ・ヌムール社(E.I.duPont de
Nemours & Co.)から入手可能)などであ
る。感光体はまた、絶縁性のプラスチックドラム上にも
塗布することは可能であるが、その場合には、先に述べ
たように、その表面に前もって伝導性の接地面を塗布し
ておかねばならない。これらの基材は、継ぎ目を作って
も、継ぎ目を作らなくても、いずれでもよい。
【0046】伝導性基材を使用する場合には、好適な伝
導性材料なら何を使用してもよい。伝導性材料の例をあ
げれば(これらに限定されるわけではない)、アルミニ
ウム、チタン、ニッケル、クロム、真鍮、金、ステンレ
ススチール、カーボンブラック、グラファイトなどの金
属フレーク、粉体または繊維であり、これらが、金属酸
化物、硫化物(スルフィド)、ケイ化物、四級アンモニ
ウム塩組成物、伝導性ポリマー、たとえば、ポリアセチ
レン、その熱分解および分子ドープ生成物、電荷移動錯
体、およびポリフェニルシランおよびポリフェニルシラ
ンからの分子ドープ生成物などのバインダ樹脂中に含ま
れる。
【0047】好ましい基材の厚みは、要求される機械的
性能や経済性など、各種の因子によって変わってくる。
小さな直径、たとえば直径19mmのローラのまわりを
循環させるような場合に、最適なフレキシビリティを持
ち、誘起される表面の曲げ応力を最小にするには、基材
の厚みを典型的には、約65μmから約150μm、好
ましくは約75μmから約125μmの範囲とする。フ
レキシブルベルトの基材は、最終的な光導電デバイスに
悪影響が出ないのであれば、かなりの厚みたとえば20
0μm以上とか、できるだけ薄いたとえば50μm以下
であってもよい。
【0048】層を塗布する基材の表面を洗浄して、その
ような層の接着性が増大するようにしておくのが好まし
い。たとえば、基材層の表面にプラズマ放電、イオン衝
撃を加えることによって洗浄することが可能である。そ
の他の方法、たとえば溶媒洗浄なども使用できる。
【0049】金属層を形成させるのにどのような技術を
使用したとしても、たいていの金属では空気にさらされ
る外側表面の上には通常、薄い金属酸化物層が形成され
る。したがって、金属層の上に重なる他の層は、「近接
した(contiguous)」層としての特徴を有し
ており、このことは、これらの上に重なる近接した層は
実際には、酸化可能な金属層の外表面に形成された薄い
金属酸化物層と接触していることを意味している。
【0050】電気伝導性の接地面 先に述べたように、本発明にしたがい調製した感光体に
は、電気伝導性、電気非伝導性のいずれかの基材が用い
られている。非伝導性の基材を使用する場合には、電気
伝導性の接地面3を使用する必要があり、この接地面を
伝動層としてはたらかせる。伝導性の基材を使用する場
合には、その基材が伝動層として作用するが、さらに伝
導性の接地面を設けてもよい。
【0051】電気伝導性の接地面を使用するならば、そ
れは基材の上に設ける。電気伝導性の接地面に好適な材
料としては、アルミニウム、ジルコニウム、ニオブ、タ
ンタル、バナジウム、ハフニウム、チタン、ニッケル、
ステンレススチール、クロム、タングステン、モリブデ
ン、銅など、およびそれらの混合物および合金などがあ
るが、これらに限定されるわけではない。実施態様にお
いては、アルミニウム、チタン、ジルコニウムが好まし
い。
【0052】接地面は、溶液塗布、気相蒸着、それにス
パッタリングのような、公知のコーティング技術を使っ
て塗布することができる。電気伝導性の接地面を塗布す
る方法としては、真空蒸着が好ましい。それ以外の方法
を用いても構わない。
【0053】この接地面としての好ましい厚みは、実質
上広い範囲にわたるが、それは、電子光導電部材に対し
て要求される光学的透過性およびフレキシビリティに依
存する。したがって、フレキシブルな光応答性画像形成
デバイスにおいて、電気伝導性、フレキシビリティおよ
び光透過性を最適に組み合わせ状態とするには、伝導層
の厚みが、好ましくは約20オングストロームから約7
50オングストローム、より好ましくは約50オングス
トロームから約200オングストロームであればよい。
しかしながら、この接地面は所望により不透明なもので
あってもよい。
【0054】電荷阻止層 電気伝導性の接地面層を蒸着させてから、電荷阻止層4
をその上に塗布することができる。プラスに荷電した感
光体のための電子阻止層によって、正孔が感光体の画像
形成表面から伝導層へと移動できる。マイナスに荷電し
た感光体のためには、伝動層から対向する光導電層への
正孔注入を妨げるバリアを形成することが可能な好適な
正孔阻止層ならば、どのようなものでも使用できる。
【0055】阻止層を使用する場合、電気伝導層の上に
位置させるのが好ましい。本明細書において、各種の異
なったタイプの層の関係をあらわす「上に」という用語
は、層が近接している場合だけに限定されるものではな
いと受け取るべきである。この用語はむしろ、層の間の
相対的な関係を表していて、不特定な中間の層が間にあ
る場合も含んでいる。
【0056】阻止層4に含まれるのは、ポリマー類であ
って、たとえば、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂
類、ポリエステル類、ポリシロキサン類、ポリアミド
類、ポリウレタン類など;窒素含有シロキサンまたは窒
素含有チタン化合物であって、たとえば、トリメトキシ
シリルプロピルエチレンジアミン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、チタン酸
イソプロピル4−アミノベンゼンスルホニル、チタン酸
ジ(ドデシルベンゼンスルホニル)、チタン酸イソプロ
ピルジ(4−アミノベンゾイル)イソステアロイル、チ
タン酸イソプロピルトリ(N−エチルアミノ)、チタン
酸イソプロピルトリアントラニル、チタン酸イソプロピ
ルトリ(N,N−ジメチル−エチルアミノ)、チタン−
4−アミノベンゼンスルホネートオキシアセテート、チ
タン4−アミノベンゾエートイソステアレートオキシア
セテート、γ−アミノブチルメチルジメトキシシラン、
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、およびγ
−アミノプロピルトリメトキシシランなどであって、こ
れらは米国特許第4,338,387号、同第4,28
6,033号および同第4,291,110号に開示さ
れている。
【0057】正孔阻止層としては、加水分解したシラン
または加水分解したシランの混合物と金属接地面層の酸
化された表面との間の反応混合物であるのが、好まし
い。この酸化された表面は、大抵の金属接地面層を蒸着
後に空気にさらすとその外側の表面に本来的に形成され
ているものである。こういうふうに組み合わせること
で、相対湿度の低い状態での電気的な安定性が向上す
る。ここでの加水分解されたシランは、当業者公知の方
法で使用することができる。たとえば、トウシャー(T
euscher)らの米国特許第5,091,278号
を参照されたい。
【0058】阻止層4は連続でなければならず、その材
料の用途に応じて、2μmまでの厚みであればよい。
【0059】しかしながら、阻止層は約0.5μm未満
の厚みであるのが好ましく、その理由は、厚みが厚いほ
ど残留電圧が高くなって好ましくないからである。ほと
んどの用途では、阻止層の厚みは約0.005μmから
約0.3μmの間であればよいが、それは、露光後の電
荷の中和が容易に進み、良好な電気的性質が得られるか
らである。最適な電気的挙動を得るには、阻止層の厚み
を約0.03μmから約0.06μmとするのが好まし
い。
【0060】阻止層4は好適な塗布法ならどのような方
法で塗布してもよいが、それにはたとえば、スプレー塗
布、浸漬塗布、ドローバー(draw bar)塗布、
グラビア塗布、シルクスクリーン、エアナイフ塗布、リ
バースロール塗布、真空蒸着、化学処理などがある。薄
い膜を得るには、阻止層を希薄溶液の形で塗布し、塗膜
の付着後にその溶媒を、常法たとえば真空、加熱などに
よって除去すれば、好都合である。通常、阻止層原料と
溶媒の重量比を、約0.5:100から5.0:100
の間とすれば、良好なスプレー塗装が得られる。
【0061】接着層 所望により、阻止層と電荷発生層の間に中間層5を設け
て、接着性を向上させてもよい。
【0062】さらに、必要ならば、感光体中のどの層の
間であっても、接着層を設けることができ、それにより
隣接する層の間の接着性を上げることが可能となる。そ
れとは別のあるいは追加の方法として、接着させたい層
の一方または両方に、接着性原料を加えておくこともで
きる。そのような任意成分としての接着層は、その厚み
が約0.001μmから約0.2μmであるのが好まし
い。そのような接着層の塗布は、たとえば接着性物質を
適当な溶媒に溶解させ、ハンド塗布、スプレー塗布、浸
漬塗布、ドローバー塗布、グラビア塗布、シルクスクリ
ーン、エアナイフ塗布、真空蒸着、化学処理、ロール塗
布、線巻きロッド塗布(wire wound rod
coating)などの方法で塗布し、乾燥させて溶
媒を除去することで可能である。好適な接着剤として
は、たとえば成膜性のポリマーで、例をあげれば、ポリ
エステル、デュポン(dupont)49,000(登
録商標)(E.I.デュポン・ドウ・ヌムール社(E.
I.duPont de Nemours & C
o.)から入手可能)、バイテル(Vitel)PE−
100(登録商標)(グッドイヤー・タイヤ・アンド・
ラバー社(Goodyear Tire and Ru
bber Co.)から入手可能)、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリメチ
ルメタクリレートなどがある。
【0063】画像形成層 感光性の画像形成部材を作るには、電荷発生材料(CG
M)および電荷輸送材料(CTM)を基材表面に担持さ
せるが、CGMとCTMが別々の層にあるような積層形
態でもよいし、CGMとCTMがバインダ樹脂と共に同
一の層にあるような単一層形態であってもよい。本発明
を具体化する感光体は、電気伝導性の層の上に、電荷発
生層6および、任意に電荷輸送層7を塗布することによ
り、調製される。実施態様においては、電荷発生層およ
び(もしあれば)電荷輸送層はどちらを先に塗布しても
よい。
【0064】有機の光導電性電荷発生材料の例をあげれ
ば、アゾ顔料たとえば、スーダン・レッド、ディアン・
ブルー、ヤヌス・グリーンBなど;キノン顔料たとえ
ば、アルゴール・イエロー、ピレン・キノン、インダン
トレン・ブリリアント・バイオレットRRPなど;キノ
シアニン顔料;ペリレン顔料たとえばベンズイミダゾー
ルペリレン;インジゴ顔料たとえばインジゴ、チオイン
ジゴなど;ビスベンゾイミダゾール顔料、たとえばイン
ドファスト・オレンジなど;フタロシアニン顔料たとえ
ば銅フタロシアニン、アルミノクロロ−フタロシアニ
ン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンなど;キナクリ
ドン顔料;または、アズレン化合物などである。好適な
無機の光導電性電荷発生材料としては、たとえば、硫化
カドミウム、スルホセレン化カドミウム、セレン化カド
ミウム、結晶質または非晶質セレン、酸化鉛、およびそ
の他のカルコゲニドなどがある。セレンの合金も現在の
発明の実施態様に包含され、それにはたとえば、セレン
−ヒ素、セレン−テルル−ヒ素、それにセレン−テルル
などがある。
【0065】電荷発生層では、好適な不活性樹脂バイン
ダ材料ならどのようなものを用いてもよい。典型的な有
機樹脂バインダとしては、ポリカーボネート類、アクリ
レートポリマー類、メタクリレートポリマー類、ビニル
ポリマー類、セルロースポリマー類、ポリエステル類、
ポリシロキサン類、ポリアミド類、ポリウレタン類、エ
ポキシ類、ポリビニルアセタール類などがある。
【0066】塗膜組成物として有用な分散体を作るに
は、溶媒を電荷発生材料および任意成分の樹脂バインダ
と併用する。この溶媒としては、たとえば、シクロヘキ
サノン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢
酸アルキル、およびそれらの混合物が使用できる。酢酸
アルキル(たとえば酢酸ブチルおよび酢酸アミル)は、
アルキル基中に3個から5個の炭素原子を含むものがよ
い。この組成物中の溶媒の量は、たとえば、組成物の重
量を基準にして、約70重量%から約98重量%の範囲
である。
【0067】この組成物中の電荷発生材料の量は、たと
えば、溶媒を含めた組成物の重量を基準にして、約0.
5重量%から約5重量%の範囲である。乾燥させた光導
電性塗膜の中に分散される光導電性粒子(すなわち、電
荷発生材料)の量は、どの光導電性顔料粒子を選択した
かによって、ある程度変わってくる。たとえば、チタニ
ルフタロシアニンおよび金属を含まないフタロシアニン
のようなフタロシアニン有機顔料を用いる場合には、乾
燥させた光導電性塗膜中に、乾燥させた光導電性塗膜の
全重量を基準にして、フタロシアニン顔料が合計で約5
0重量%から約90重量%の間で含まれていると、満足
のいく結果が得られる。光導電特性は塗膜の1平方セン
チあたりの顔料の相対量に依存するので、乾燥させた光
導電塗膜層が厚い場合には、顔料の担持量を少なくして
もよい。逆に、乾燥させた光導電層が薄い場合には、顔
料の担持量を増やしてやるのが好ましい。
【0068】一般的に言って、光導電性塗膜を浸漬塗布
法で塗布する場合には、光導電粒子の平均粒子径を約
0.6μm未満にすると、好結果が得られる。光導電粒
子の平均粒子径が約0.4μmよりも小さいのが好まし
い。光導電粒子が分散されている光導電性塗膜の乾燥さ
せた時の厚みよりも、光導電粒子のサイズが小さいのも
好ましい。
【0069】電荷発生材料(「CGM」)の本発明のポ
リマー化合物(「バインダ」)に対する重量比が、40
(CGM):60(バインダ)から、70(CGM):
30(バインダ)の範囲とする。
【0070】電荷発生層(本明細書では光導電層とも呼
ばれている)および電荷輸送層を含む多層化された感光
体では、乾燥させた光導電層塗膜の厚みが約0.1μm
から約10μmの間であると、満足のいく結果が得られ
よう。光導電層の厚みが、約0.2μmから約4μmの
間であれば好ましい。しかしながら、これらの厚みは、
加える顔料の担持量によっても変わる。したがって、顔
料の担持量を増やす程、光導電塗膜の厚みを薄くするこ
とができる。本発明の目的が達成できるならば、これら
の範囲外の厚みを選択することも可能である。
【0071】塗膜組成物のバインダと溶媒の中に光導電
粒子を分散させるには、好適ならどのような方法を用い
てもよい。典型的な分散方法をあげれば、たとえば、ボ
ールミル法、ロールミル法、垂直アトリターによる分散
法、サンドミル法などがある。ボールロールミルを用い
た場合の分散時間は通常、約4日から約6日である。
【0072】電荷輸送材料には有機ポリマーまたは非ポ
リマー材料が含まれるが、これらは、光導電性材料から
の光励起された正孔または輸送電子の注入を支援するこ
とが可能で、また、これらの正孔または電子を、有機層
を通して輸送して表面電荷を選択的に逃がすことができ
るようなものである。電荷輸送材料を例示的に示せば、
たとえば、主鎖または側鎖に、たとえば、アントラセ
ン、ピレン、フェナントレン、コロネンなどの多環芳香
族リング、または、たとえば、インドール、カルバゾー
ル、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イ
ミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリ
ン、チアジアゾール、トリアゾール、およびヒドラゾン
化合物などの窒素含有ヘテロ環を含む、化合物などから
選択される正孔輸送材料がある。典型的な正孔輸送材料
には、電子供与体があり、たとえば、カルバゾール;N
−エチルカルバゾール;N−イソプロピルカルバゾー
ル;N−フェニルカルバゾール、テトラフェニルピレ
ン;1−メチルピレン;ペリレン;クリセン;アントラ
セン;テトラフェン;2−フェニルナフタレン;アゾピ
レン;1−エチルピレン;アセチルピレン;2,3−ベ
ンゾクリセン;2,4−ベンゾピレン;1,4−ブロモ
ピレン;ポリ(N−ビニルカルバゾール);ポリ(ビニ
ルピレン);ポリ(−ビニルテトラフェン);ポリ(ビ
ニルテトラセン)およびポリ(ビニルペリレン)などで
ある。好適な電子輸送材料としては、2,4,7−トリ
ニトロ−9−フルオレノン;2,4,5,7−テトラニ
トロ−フルオレノン;ジニトロアントラセン;ジニトロ
アクリデン;テトラシアノピレンおよびジニトロアント
ラキノンなどの電子受容体がある。
【0073】電荷輸送層には、好適な不活性樹脂バイン
ダならどのようなものを用いてもよい。塩化メチレンに
可溶な典型的な不活性樹脂バインダとしては、ポリカー
ボネート樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリエステ
ル、ポリアリーレート、ポリスチレン、ポリアクリレー
ト、ポリエーテル、ポリスルホンなどがある。分子量は
約20,000から約1,500,000までの間であ
ればよい。
【0074】基材の上に電荷輸送層および電荷発生層を
塗布するには、好適ならばどのような方法を用いてもよ
い。典型的な塗布方法としては、浸漬塗布、ロール塗
布、スプレー塗布、ロータリーアトマイザなどがある。
塗布方法では、広い範囲の固形分濃度のものが使用でき
る。分散体の全重量を基準にして、固形分含量は約2重
量%から約8重量%の間であるのが好ましい。「固形
分」という表現は、電荷発生塗膜分散体では光導電性顔
料粒子およびバインダ成分、電荷輸送塗膜分散体では電
荷輸送粒子およびバインダ成分を指している。これらの
固形分濃度は、浸漬塗布、ロール塗布、スプレー塗布な
どの場合に有用である。一般的に言って、ロール塗布の
場合には、より高濃度の塗料分散体が好ましい。塗着さ
せた塗膜の乾燥には、従来からの各種の好適な方法が使
用できるが、それらはたとえば、オーブン乾燥、赤外線
照射乾燥、空気乾燥などである。一般的に、電荷発生層
の厚みは約0.1μmから約3μmの範囲、輸送層の厚
みは約5μmから約100μmの間であるが、これらの
範囲から外れた厚みでも使用できる。通常、電荷輸送層
の電荷発生層に対する厚みの比は、約2:1から20
0:1に維持するのが好ましいが、場合によっては大き
く400:1になってもよい。
【0075】上塗り層 本発明の実施態様では、随意に、上塗り層すなわち層8
をさらに加えることができ、その場合には、電荷発生層
の上、または電荷輸送層の上に配置する。この層には電
気絶縁性またはわずかに半導体性の有機ポリマーまたは
無機ポリマーが含まれる。
【0076】このような保護上塗り層には、随意に電荷
輸送材料でドープ処理された成膜性の樹脂バインダが含
まれる。
【0077】この上塗り層には、成膜性があって不活性
な樹脂バインダなら好適ならばどのようなものを用いて
もよい。たとえば、この成膜性バインダは、多くの樹
脂、たとえば、ポリカーボネート、ポリアリーレート、
ポリスチレン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンビニレン、お
よびポリアクリレートなどの内どれであってもよい。上
塗り層に用いる樹脂バインダは、カール防止層または存
在するどれかの電荷輸送層に用いられている樹脂バイン
ダと同一であっても、異なっていてもよい。このバイン
ダ樹脂は、好ましくは、ヤング率が約2×105psi
を越え、破断時伸びが10%以上、ガラス転移温度が約
150℃以上であるべきである。このバインダは、バイ
ンダブレンド物であってもよい。成膜性ポリマーバイン
ダとして好ましいものとしては、マクロロン(MAKR
OLON、登録商標)(重量平均分子量が約50,00
0から約100,000のポリカーボネート樹脂であっ
て、ファルベンファブリケン・バイエル社(Farbe
nfabriken Bayer A.G.)から入手
可能)、4,4’−シクロヘキシリデンジフェニルポリ
カーボネート(三菱化学(Mitsubishi Ch
emicals)より入手可能)、高分子量のレキサン
(LEXAN、登録商標)135(ゼネラル・エレクト
リック社(General Electric Com
pany)より入手可能)、アーデル(ARDEL、登
録商標)ポリアリーレートD−100(ユニオン・カー
バイド(Union Carbide)から入手可
能)、マクロロン(MAKROLON、登録商標)およ
びコポリエステルであるバイテル(VITEL、登録商
標)PE−100またはバイテル(VITEL、登録商
標)PE−200(グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラ
バー社(Goodyear Tire and Rub
ber Co)から入手可能)のポリマーブレンド物な
どがある。
【0078】実施態様においては、ブレンド組成物中
に、バイテル(VITEL、登録商標)コポリマーの上
塗り層を好ましくは約1重量%から約10重量%の範
囲、より好ましくは約3重量%から約7重量%とする。
上塗り層で樹脂として使用可能なその他のポリマーをあ
げると、デュレル(DUREL、登録商標)ポリアリー
レート(セラニーズ(Celanese))、ポリカー
ボネートコポリマーのレキサン(LEXAN、登録商
標)3250、レキサン(LEXAN、登録商標)PP
C4501およびレキサン(LEXAN、登録商標)P
PC4701(ゼネラル・エレクトリック社(Gene
ral Electric Company))、カリ
ブル(CALIBRE、登録商標)(ダウ(Dow)な
どがある。
【0079】この上塗り層には、上塗り層の約0.5重
量%から約40重量%の範囲で添加剤を存在させてもよ
い。好適な添加剤には、耐摩耗性をさらに改良すること
および/または電荷緩和性を与えることが可能な有機お
よび無機粒子などがある。有機粒子で好ましいのは、テ
フロン(登録商標)粉末、カーボンブラック、グラファ
イト粒子などである。無機の粒子で好ましいのは、絶縁
性および半導体金属酸化粒子であって、たとえばシリ
カ、酸化亜鉛、酸化錫などである。その他の半導体添加
物としては、米国特許第5,853,906号に記載さ
れている、酸化オリゴマー塩がある。好適なオリゴマー
塩としては、酸化されたN,N,N’,N’−テトラ−
p−トリル−4,4’−ビフェニルジアミン塩がある。
【0080】上塗り層を調製するには、好適な従来技術
のどれを用いてもよいし、多くの塗布方法のどれを用い
て塗布してもよい。典型的な塗布方法としては、たとえ
ば、手塗り、スプレー塗布、ウェブ塗布、浸漬塗布など
がある。塗着させた塗膜の乾燥には、各種の好適な従来
からの方法が使用できるが、それらはたとえば、オーブ
ン乾燥、赤外線照射乾燥、空気乾燥などである。
【0081】電荷輸送分子の浸出、結晶化および電荷輸
送層の割れを防止するには、約3μmから約7μmの上
塗り層が有効である。厚みが約3μmから約5μmの層
を使用するのが好ましい。
【0082】接地帯(ground strip) 接地帯9は、成膜性バインダと電気伝導性粒子からでき
ている。導電性粒子を分散させるのには、セルロースを
使用することができる。この電気伝導性接地帯層9に
は、好適な電気伝導性粒子ならば何を使用してもよい。
接地帯9には、たとえば、米国特許第4,664,99
5号に列挙されているようなものを含む材料を使用する
ことができる。電気伝導性粒子の典型的なものをあげれ
ば、カーボンブラック、グラファイト、銅、銀、金、ニ
ッケル、タンタル、クロム、ジルコニウム、バナジウ
ム、ニオブ、インジウムスズ酸化物などがあるが、これ
らに限定されるわけではない。
【0083】この電気伝導性粒子はどのような形状であ
ってもよい。形状として典型的なものは、不揃い、粒
状、球状、楕円状、立方状、フレーク状、フィラメント
状などがある。好ましくは、この電気伝導性粒子は、電
気伝導性接地帯層の厚みよりも小さな径であるべきで、
それによって、電気伝導性接地帯層の外表面が過度に不
規則とならないようにする。平均粒子径を約10μm以
下にすれば通常、乾燥させた接地帯層の外表面に電気伝
導性粒子が過度に突き出すような状態は避けることがで
き、また、乾燥させた時に接地帯層のマトリックスに粒
子を比較的均一に分散させることができる。接地帯に用
いる導電性粒子の濃度は、使用する特定の導電性材料の
導電率などの因子によって決まってくる。
【0084】実施態様においては、接地帯層の厚みは、
約7μmから約42μm、好ましくは約14μmから約
27μmであるのがよい。
【0085】パーセントおよび部は、特に断らないかぎ
り、重量基準である。
【0086】
【実施例】対照例I フレキシブルなエレクトロフォトグラフィ画像形成部材
のウェブ素材を得るのに、伝熱係数が約1.8×10-5
/℃、ガラス転移温度Tgが130℃、厚みが3.5ミ
ルすなわち88.7μmであるフレキシブルな2軸延伸
ポリナフタレート基材支持体層(ICIアメリカズ社
(ICI Americas、Inc.)より入手可
能)の上に、厚み0.01μmのチタン層を塗布し、そ
れに、グラビア塗布法により、溶液を塗布したが、その
溶液に含まれるのは、10gのγ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、10.1gの蒸留水、3gの酢酸、6
84.8gの200プルーフ変性アルコール、および2
00gのヘプタンであった。次いでこの層を、強制通風
乾燥器中で125℃で乾燥させた。得られた阻止層の平
均乾燥厚みは、楕円偏光計で測定すると0.05μmで
あった。
【0087】次いで接着中間層を阻止層の上に押出し塗
布法により濡れ塗布したが、この塗料溶液に含まれるの
は、溶液の全重量を基準として5重量%のポリエステル
接着剤(モルエステル(Mor−Ester、登録商
標)49,000、モートン・インターナショナル社
(Morton International、In
c.)より入手可能)を、テトラヒドロフラン/シクロ
ヘキサノンの容積比で70:30の混合物中に溶解させ
たものである。得られた接着中間層の乾燥厚みは、乾燥
器を通した後で、0.095μmであった。次いでこの
接着中間層に、押出し法により光発生層(photog
enerating layer)を塗布したが、この
層には、7.5容量%の三方晶系セレン、25容量%の
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフ
ェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミ
ン、および67.5容量%のポリビニルカルバゾールが
含まれていた。この光発生層を次のようにして調製し
た。すなわち、20オンスの褐色ビンに、8gのポリビ
ニルカルバゾールと容積比1:1のテトラヒドロフラン
とトルエンの混合物を140ml加えた。この溶液に、
8gの三方晶系セレンと、直径1/8インチ(3.2m
m)のステンレススチール製ショットを1,000g加
えた。次いでこの混合物を72時間から96時間、ボー
ルミルで混合した。次いで、50gのポリビニルカルバ
ゾールと2.0gのN,N’−ジフェニル−N,N’−
ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミンを、75mlの容積比1:1のテト
ラヒドロフラン/トルエンに溶解させたものを加えた。
さらに、このスラリーを10分間シェーカーにかけた。
得られたスラリーを、接着中間層の上に押出し塗装し
て、濡れ厚みで0.5ミル(12.7μm)の塗膜層を
形成させた。しかしながら、阻止層および接着層を担持
した基材の片端に沿って幅約10mmの帯状部分は完全
に、どの光発生層材料によっても覆われないようにし
て、後ほどそこに設ける接地帯層により、充分な電気的
接触が可能となるようにした。この光発生層を125℃
で乾燥させると、厚みが2.0μmの乾燥した光発生層
18が形成された。
【0088】このようにして塗膜を作った画像形成部材
ウェブの上に、ギャップが3ミルのバードアプリケータ
を使用して、電荷輸送層(「CTL」)および接地帯層
を同時に押出し上塗りした。電荷輸送層は、N,N’−
ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−
1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンとマクロロ
ン(Makrolon、登録商標)5705(重量平均
分子量約120,000のポリカーボネート樹脂で、フ
ァルベンファブリッケン・バイエル社(Farbenf
abricken Bayer A.G.)から市販さ
れている)とを、重量比1:1で褐色ガラス瓶に加えて
調製した。得られた混合物を溶解させて、固形分15重
量%、塩化メチレン溶媒85重量%の溶液とした。この
溶液を光発生剤層の上に塗布して、塗膜とするが、この
CTLは、厚みが24μm、伝熱係数が6.5×10-5
/℃、ガラス転移温度Tgが、約85℃となった。
【0089】光発生層によって覆われないように残して
あった接着層の幅約10mmの帯状部分を、共塗装プロ
セスの間に、接地帯層でコーティングした。この接地帯
層は、乾燥器において125℃で乾燥させてから最後の
工程として室温まで冷却すると、乾燥厚みとして約14
μmとなった。この接地帯は、通常の電子写真画像形成
プロセスの間、カーボンブラシ接地法のような通常の方
法を用いて、電気的に接地された。このエレクトロフォ
トグラフィ画像形成部材のウェブ素材は、この状態で何
の拘束もしないと、上向きにカールして直径1.5イン
チ(3.8cm)の筒状になってしまうが、これは、C
TLと基材支持層との間に熱収縮の不整合があるためで
あって、基材支持体層よりもCTLの方が寸法収縮性が
大きくなり、そのために、CTL中に実質的な内部応力
が蓄積してしまうのである。このようにカールのあるエ
レクトロフォトグラフィ画像形成部材のウェブ素材を対
照として用いた。
【0090】対照例II また別のフレキシブルなエレクトロフォトグラフィ画像
形成部材のウェブ素材を、対照例Iに記載された方法に
よりそれらの原料を使用して調製したが、ただし、画像
形成部材のウェブ素材でのカールを、カール防止裏打ち
層を設けることで調節して、画像形成部材のウェブ素材
を平坦化させた。
【0091】カール防止裏打ち層塗膜溶液を調製するに
は、8.82gのポリカーボネート樹脂(マクロロン
(Makrolon、登録商標)5705、バイエル社
(Bayer A.G.)から入手可能)、0.72g
のポリエステル樹脂(バイテル(Vitel、登録商
標)PE−200、グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラ
バー社(Goodyear Tire and Rub
ber Company)から入手可能)、および9
0.1gの塩化メチレンをガラス容器中で混合して、固
形分が8.9重量%のコーティング溶液とした。この容
器を密封して、ロールミル上で約24時間混合すると、
ポリカーボネートとポリエステルが塩化メチレンに溶解
して、カール防止コーティング溶液が得られた。このカ
ール防止裏打ち層コーティング溶液を画像形成部材のウ
ェブ素材の基材支持体層の裏側(光発生層および電荷輸
送層があるのとは反対側)に塗布し、125℃で乾燥さ
せると、厚みが約13.5μmの乾燥したカール防止裏
打ち層が形成された。こうして得られたエレクトロフォ
トグラフィ画像形成部材のウェブ素材は、所望の平坦さ
を有していて、完成された画像形成デバイスである。こ
のようにして作成したエレクトロフォトグラフィ画像形
成部材のウェブ素材もまた、画像形成部材の対照として
用いた。
【0092】本発明の実施例I 対照例IIのフレキシブルなエレクトロフォトグラフィ
画像形成部材のウェブ素材デバイスを以下のように使用
した。要点を述べれば、画像形成部材のウェブ素材を
6,000フィート(1829m)を巻き上げた画像形
成部材供給ロールから巻き戻してきて、(CTLが外側
に面するようにして、張力をウェブの横幅1インチあた
り1ポンドかけ、ウェブ素材が約10フィート/分の移
動速度になるようにして)、アーチ形外表面210およ
び空隙部209を有し外径が1インチで自由回転する加
工処理用金属円筒206にかけた。画像形成部材のウェ
ブ素材は、室温の25℃で、円筒206に12時の方向
の位置で接触が始まり、アーチ形表面210に沿わせ
た。強力な赤外線を放出するタングステンハロゲン石英
加熱源103が直ぐ上に設けられていて、ただちにCT
Lの温度を局部的にそのTgより約10℃上まで昇温さ
せて分子運動を促し、画像形成部材のウェブ素材のセグ
メントがアーチ形表面210に曲がった状態で接触して
いる間に、CTLから応力を即座に除去した。この加熱
源103はその長さが画像形成部材のセグメントの横幅
をカバーするに充分な一体もののユニットであり;断面
が半楕円形の長い反射鏡106およびその反射鏡106
の中側にある一方の焦点に位置するハロゲン石英管10
5からできていて、管105から出る赤外線放射エネル
ギーをすべて反射して、反射鏡106の外側のもう一方
の焦点に集束して、加熱領域108で幅6mmの集光加
熱領域108を作り、CTLの温度をそのTg以上とす
る瞬時の温度上昇をもたらした。
【0093】加熱領域108で照射を受けたCTLの加
熱されたセグメントは次いで、ガラス転移温度以下に冷
却されはじめるが、それに寄与しているのは、円筒20
6への直接の熱伝導と、画像形成部材のウェブ素材が連
続的な動きで加熱源103から離れていくにつれての、
周囲の空気への熱移動である。それに加えて最終的なC
TLの冷却をするのが、空気ナイフからの空気の吹き付
けであって、90psiの空気供給配管から、円筒20
6の4時の方向の位置で画像形成材料の表面に約19℃
に冷却した空気の狭い幅の流れを高速で吹き付け、その
後に画像形成部材のウェブ素材セグメントは、曲がりの
ある接触ゾーン領域から出て、これにより処理プロセス
が完了した。
【0094】本発明の実施例II 対照例Iにしたがって調製された、カール防止裏打ち塗
膜層を持たない、フレキシブルなエレクトロフォトグラ
フィ画像形成部材のウェブ素材に対して、先の本発明の
実施例Iに記載した方法にしたがい同様に、CTLの応
力除去処理をおこなって好結果を得たが、ただしここで
は、空気吹き付けによる冷却装置に代えて、図1におけ
る冷却システム203を用い、ポリビニルアルコールの
親水性冷却フォームロールを水冷却浴に部分的に浸漬飽
和させた。水冷却浴の温度は約5℃であった。このフォ
ームロールは、画像形成部材のウェブ素材の移動によっ
て回転させた。本発明の方法を実施した後では、この画
像形成部材のウェブ素材の縁部での上向きのカールは起
きなかった。
【0095】比較例I 対照例Iにしたがって調製した、カール防止裏打ち層を
持たないフレキシブルなエレクトロフォトグラフィ画像
形成部材のウェブ素材を、先行技術による方法によって
処理した。簡単に言えば、画像形成部材のウェブ素材
は、コーターの乾燥器から約100℃(CTLのTgよ
り15℃高い温度)で出てくるが、この場合の張力はウ
ェブの横幅1インチあたり1ポンドかかった状態で、ウ
ェブ素材の移動速度は約70フィート/分(約21.3
m/分)であった。コーター乾燥器出口から接触ゾーン
の始まるところまでの距離は、約2フィート(約0.6
m)であった。ウェブ素材を直径1インチ(2.54c
m)の金属処理円筒に向かわせたが、この処理円筒の空
間部には絶えず15℃に保った冷水を通し続けておい
た。移動してきた加熱された画像形成部材のウェブ素材
は、処理円筒とは12時の方向の所で最初の接触をし、
処理円筒の表面とは接触を続けるが、ただし、CTLを
さらに冷却させるための外部冷却デバイスは使用せず
に、ウェブ素材が6時の方向の位置(すなわち、巻き角
が約180度)の所で処理円筒から離れるようにする
が、このような冷却で連続プロセスでの画像形成部材の
ウェブ素材処理を完了した。驚くべき事には、この特定
の加工処理をして得られた画像形成部材のウェブ素材
は、縁部のカールの問題を完全に排除するほどには効果
がなかった。
【0096】機械的なベルト循環試験例 対照例II、および本発明の実施例Iおよび実施例II
で得られた、フレキシブルなエレクトロフォトグラフィ
画像形成部材のウェブ素材を、それぞれ正しく、幅44
0mm、長さ2,808mmの大きさに裁断した。それ
ぞれ裁断した画像形成部材のシートを、長さ方向で両端
の重なりが1mmとなるように合わせて、40KHzの
ホーン振動数の超音波を用いて溶接し、継ぎ目ありのフ
レキシブルな画像形成部材のベルトを形成させて、特定
の電子写真機器を使用して、エレクトロフォトグラフィ
画像形成の動的疲労試験を行った。
【0097】動的循環ベルト試験を実施する前に、物理
的な寸法について、ワイコ・ガーゼ(Wyko Gau
ze)NT−200を使用して、継ぎ目のスプラッシン
グ(seam splashing)を測定解析した。
対照例IIおよび本発明の実施例Iの材料構成および構
造を有するウェブ素材から作成した画像形成部材ベルト
の継ぎ目は、平均して継ぎ目スプラッシングの高さが約
79μm、幅が約0.85mmであった。比較をする
と、本発明の実施例IIの画像形成部材のウェブ素材か
ら作成した継ぎ目ありのベルトでのスプラッシングで
は、高さ、幅ともにスプラッシュの大きさが約40%削
減されていたが、その理由は、この画像形成部材ではカ
ール防止裏打ち層が無いので、継ぎ目スプラッシングを
形成するための溶融物質の突き出しで、材料の組立構造
が単純になっているからである。
【0098】動的な機器ベルト循環試験により得られた
結果からは、対照例IIで応力除去処理をしなかったウ
ェブ素材から得られるベルトの継ぎ目寿命に比較して、
本発明の実施例Iおよび実施例IIにおいて本発明の方
法により処理したウェブ素材から得られる画像形成部材
ベルトの方が、継ぎ目の割れ/層間剥離の欠陥が出始め
るまでの時間が有意に長く、約2倍となっていることが
判明した。機器のベルト支持モジュールローラの上で、
常に動的な曲げを受けていることによる、ベルト屈曲に
より誘発される電荷輸送層の疲労割れに関する結果は、
さらに好ましいものであったが、それは、本発明の実施
例Iおよび実施例IIの画像形成部材のウェブ素材で作
成したベルトでは、対照例IIのウェブ素材から作っ
た、対応する対照のベルトと比較して、電荷輸送層の割
れの開始までの時間が、ほとんど4倍にも長くなったか
らである。
【0099】継ぎ目のスプラッシングサイズの縮小、疲
労による継ぎ目割れ/層間剥離の欠陥の抑制、それに電
荷輸送層の割れ寿命の大幅な延長などに見られるよう
な、物理的な解析および機械的なベルト循環試験の結果
はすべて、本発明の応力除去方法で処理した画像形成部
材のウェブ素材を使用して得られたベルトにおいて達成
されたのである。本発明の方法ではまた、画像形成部材
の化学的、機械的、あるいは電気的性質に悪影響をおよ
ぼすことはなく、画像形成部材の持つ光電気的な機能を
維持している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法を達成するのに有用な装置の第
1の実施態様を示す概略立面図である。
【図2】 本発明の方法を達成するのに有用な装置の第
2の実施態様を示す概略立面図である。
【図3】 本発明の方法を達成するのに有用な装置の第
3の実施態様を示す概略立面図である。
【図4】 本発明の方法を達成するのに有用な装置の第
4の実施態様を示す、概略立面図である。
【図5】 多層部材の一つの実施態様の横幅方向に沿っ
た概略図である。
【符号の説明】
10 部材、30 部材経路、30A 接触前部材経
路、30B 接触後部材経路、40,40A 接触ゾー
ン領域、50 ロール、51 自由回転軸、52冷却液
浴、103 加熱源、105 ハロゲン石英管、106
反射鏡、108 加熱領域、203 冷却システム、
206 部品、209 空間、210アーチ形外表面。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス転移温度を示し、表面層を有する
    フレキシブルな多層部材を処理する方法であって、 曲がりのある接触ゾーン領域を含むアーチ形表面に部材
    を接触させる接触ゾーンと、前記接触ゾーンの手前の接
    触前部材経路と、前記接触ゾーンの後の接触後部材経路
    と、を含む部材経路中に部材を移動させる工程と、 表面層の各部分を順次加熱する工程であって、前記曲が
    りのある接触ゾーン領域にある間に、それぞれの加熱さ
    れた表面層の部分がガラス転移温度以上になるように加
    熱する工程と、 前記接触ゾーンにある間にそれぞれの加熱された表面層
    部分を順次冷却する工程であって、それぞれの加熱され
    た表面層部分が曲がりのある接触ゾーン領域から出る前
    に、それぞれの加熱された表面層部分の温度がガラス転
    移温度以下になるようにし、その際、加熱がなされる加
    熱領域が、冷却領域以外の接触ゾーンの一部または全体
    と接触ゾーンに隣接する接触前部材経路の一部分を包含
    することによって、冷却領域が定義されるように冷却す
    る工程と、を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 基材層と、電荷発生層と、電荷輸送層と
    をこの順に備えてなるフレキシブルな画像形成部材を処
    理する方法であって、該電荷輸送層がガラス転移温度を
    示し、 曲がりのある接触ゾーン領域を含むアーチ形表面に部材
    を接触させる接触ゾーンと、前記接触ゾーンの手前の接
    触前部材経路と、前記接触ゾーンの後の接触後部材経路
    と、を含む部材経路中に部材を移動させる工程と、 電荷輸送層の各部分を順次加熱する工程であって、前記
    曲がりのある接触ゾーン領域にある間に、それぞれの加
    熱された電荷輸送層の部分がガラス転移温度以上になる
    ように加熱する工程と、 前記接触ゾーンにある間にそれぞれの加熱された電荷輸
    送層部分を順次冷却する工程であって、それぞれの加熱
    された電荷輸送層部分が前記曲がりのある接触ゾーン領
    域から出る前に、それぞれの加熱された電荷輸送層部分
    の温度がガラス転移温度以下になるようにし、その際、
    加熱がなされる加熱領域が、冷却領域以外の接触ゾーン
    の一部または全体と接触ゾーンに隣接する接触前部材経
    路の一部分を包含することによって、冷却領域が定義さ
    れるように冷却する工程と、を含むことを特徴とする方
    法。
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