JP2003215646A - 光スイッチ - Google Patents

光スイッチ

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JP2003215646A
JP2003215646A JP2002012142A JP2002012142A JP2003215646A JP 2003215646 A JP2003215646 A JP 2003215646A JP 2002012142 A JP2002012142 A JP 2002012142A JP 2002012142 A JP2002012142 A JP 2002012142A JP 2003215646 A JP2003215646 A JP 2003215646A
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photonic crystal
switch element
propagation path
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JP2002012142A
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English (en)
Inventor
仁路 ▲高▼野
Kimimichi Takano
Yuji Suzuki
裕二 鈴木
Masahiko Suzumura
正彦 鈴村
Takaaki Yoshihara
孝明 吉原
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】応答速度の高速化および小型化が可能で波長選
択性を有する光スイッチを提供する。 【解決手段】入力側の光導波路1aと出力側の光導波路
1bとの間に挿入されるスイッチ要素2を備え、スイッ
チ要素2の状態を図示しない制御手段によって電気的に
変化させるようになっている。スイッチ要素2は、フォ
トニック結晶20と、フォトニック結晶20を挟むよう
に形成された一対の電極2a,2bとを備えており、上
記制御手段によって両電極2a,2b間に印加する電圧
を制御することで光導波路1aを伝搬してきた特定波長
の光を透過可能とする状態と阻止する状態との2つの状
態をとれるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光スイッチに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、通信容量増加の需要を背景に波長
分割多重方式による光通信システムの普及が進んでい
る。波長分割多重方式では、複数の波長の光を独立の信
号により変調させた後、合波器などで光波長を多重化し
て1本の光ファイバに送り出すので、1本の光ファイバ
の伝送容量を飛躍的に増大させることができる。
【0003】このような光通信システムに用いられる光
スイッチとしては、プリズム、ミラー、光ファイバなど
の機械的移動を利用した機械式(機械制御型)の光スイ
ッチ、半導体製造技術を用いて作成した数100μm程
度の微小なミラーを機械的に駆動する微小電気機械シス
テム(micro-electro-mechanical system:MEMS)
を採用したミラー式の光スイッチ、光伝送媒質の熱光学
効果による屈折率変化を利用して光を偏向する熱式(熱
制御型)の光スイッチなどが提案されているまた、今後
は常時接続可能な高度情報通信ネットワークインフラが
増加するものと考えられ、光パケット通信などの新しい
通信技術を用いたいわゆる全光ネットワークの確立が期
待されている。全光ネットワークでは、現状の光通信シ
ステムにおいて光信号を電気信号に変換した後に行って
いる信号処理を、光の状態で直接的に行うことができる
ので、ピコ秒〜ナノ秒オーダの高速応答が可能な光スイ
ッチや光波長可変フィルタが必要であるといわれてい
る。さらに、上述の波長分割多重方式の光通信システム
を念頭におくと、複数波長を個別に制御する波長の選択
性が不可欠と考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の光スイッチでは、応答速度がミリ秒オーダと遅
いので、上述の全光ネットワークに要求される高速性を
満足できないという不具合がある。
【0005】応答速度が高速な光スイッチとしては、L
iNbO3等の媒質の電界による屈折率変化を利用した
いわゆる電気光学効果を用いた電気式の光スイッチや、
半導体材料への電流注入により媒質屈折率を変化させる
電気式の光スイッチも提案されているが、いずれも波長
を選択的に個別制御することは困難であり、一般に電気
光学係数が小さいことに起因し屈折率変化が微小なた
め、ほとんど単一モードでしか動作できないという不具
合や、デバイスサイズが数mmと大きいという不具合が
あった。また、電気光学効果を用いた電気式の光スイッ
チでは、動作電圧が数10Vと高く消費電力が高くなっ
てしまうという不具合や、材料が特殊で加工が難しいた
めコストが高くなってしまうという不具合もある。
【0006】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、応答速度の高速化および小型化が可
能で波長選択性を有する光スイッチを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、光の伝搬経路を遮断する若しく
は切り替える光スイッチであって、屈折率の異なる複数
種類の物質の周期構造を有するフォトニック結晶よりな
り光の伝搬経路に挿入されて状態変化によって光の伝搬
経路を遮断する若しくは切り替えるスイッチ要素と、ス
イッチ要素の状態を変化させるようにフォトニック結晶
の構成物質の屈折率を電気的に変化させる制御手段とを
備えてなることを特徴とするものであり、制御手段によ
って、スイッチ要素の状態を変化させるようにフォトニ
ック結晶の構成物質の屈折率を電気的に変化させること
ができるので、応答速度の高速化を図ることができ、ま
た、スイッチ要素としてフォトニック結晶を利用してい
ることで小型化を図ることができ、しかも、フォトニッ
ク結晶の周期構造の周期設計に応じて所望の波長の光を
制御することができるから波長選択性を有することにな
る。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記フォトニック結晶が半導体材料と当該半導体材
料とは屈折率の異なる材料との2種類の物質からなり、
前記制御手段は、前記半導体材料からなる半導体領域の
キャリア濃度を電気的に制御して屈折率を変化させるの
で、半導体領域へのキャリアの注入速度および再結合に
よるキャリアの消滅速度または半導体領域からのキャリ
アの引き抜き速度に応じてスイッチ要素の状態を高速に
変化させることができ、また、比較的安価で加工の容易
な半導体材料を用いているので、従来の電気光学効果を
用いた電気式の光スイッチのように高価で加工の難しい
LiNbO3などの材料を用いる必要がなく、低コスト
化を図ることができる。
【0009】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、前記スイッチ要素は、前記フォトニック結晶の一端
面に接しp形半導体からなる第1のコンタクト領域と、
前記フォトニック結晶の他端面に接しn形半導体からな
る第2のコンタクト領域とを備えて前記フォトニック結
晶が空乏領域となり、前記制御手段は、第1のコンタク
ト領域と第2のコンタクト領域との間に第1のコンタク
ト領域を高電位側として順方向バイアス電圧を印加する
電圧印加手段からなるので、前記フォトニック結晶が空
乏領域であるときに前記スイッチ要素の状態をオン状態
とし順方向バイアス電圧を印加したときに前記スイッチ
要素の状態をオフ状態とすることで、伝導性キャリアの
光吸収に起因する光の吸収損失を小さくでき、しかも、
伝導性キャリアの濃度をほぼ0から1020cm-3オーダ
まで変化させることが可能となるから、消光比を高める
ことが可能になる。
【0010】請求項4の発明は、請求項2の発明におい
て、前記スイッチ要素は、前記フォトニック結晶の一端
面に接し前記フォトニック結晶よりも高不純物濃度の半
導体からなる第1のコンタクト領域と、前記フォトニッ
ク結晶の他端面に接し前記フォトニック結晶よりも高不
純物濃度の半導体からなる第2のコンタクト領域とを備
え、前記制御手段は、第1のコンタクト領域と第2のコ
ンタクト領域との間に電圧を印加する電圧印加手段から
なるので、第1のコンタクト領域と第2のコンタクト領
域との間に電圧を印加した通電時の電流経路である前記
フォトニック結晶のキャリア濃度を請求項3の発明に比
べて高く設定でき、前記フォトニック結晶の抵抗を小さ
くすることが可能で低消費電力化を図ることができる。
【0011】請求項5の発明は、請求項2の発明におい
て、前記スイッチ要素が、前記フォトニック結晶の一端
面に接しp形半導体からなる第1のコンタクト領域と、
前記フォトニック結晶の他端面に接しn形半導体からな
る第2のコンタクト領域とを備え、前記制御手段が、第
1のコンタクト領域と第2のコンタクト領域との間に第
2のコンタクト領域を高電位側として逆方向バイアス電
圧を印加する電圧印加手段からなり、スイッチ要素は、
前記逆方向バイアス電圧が印加されたときにフォトニッ
ク結晶が空乏領域となるように前記フォトニック結晶お
よび各コンタクト領域それぞれの不純物濃度が設定され
ているので、前記スイッチ要素の状態を変化させるため
に前記逆方向バイアス電圧を印加したときの電流が空乏
領域を通して流れる微量の電流となり、低消費電力化を
図ることができる。
【0012】請求項6の発明は、請求項3ないし請求項
5の発明において、前記スイッチ要素は、前記各コンタ
クト領域が前記伝搬経路を遮らないように前記伝搬経路
に挿入されているので、前記各コンタクト領域中の伝導
性キャリアによる光吸収を抑制することができ、吸収損
失を小さくすることができる。
【0013】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
6の発明において、前記周期構造は1次元の周期性を有
するので、前記フォトニック結晶を比較的容易に形成す
ることができる。
【0014】請求項8の発明は、請求項1ないし請求項
6の発明において、前記周期構造は2次元の周期性を有
するので、2次元面内における前記フォトニック結晶へ
の光の入射許容角度を請求項7の発明に比べて大きくす
ることができる。
【0015】請求項9の発明は、請求項1ないし請求項
6の発明において、前記周期構造は3次元の周期性を有
するので、3次元空間における前記フォトニック結晶へ
の光の入射許容角度を大きくすることができる。
【0016】請求項10の発明は、請求項7または請求
項8の発明において、前記スイッチ要素は、前記フォト
ニック結晶へ前記フォトニック結晶の周期性を有さない
方向からキャリアが注入されるように形成されているの
で、前記フォトニック結晶における注入キャリアの濃度
が均一になりやすく、屈折率変化の均一性を高めること
ができ、前記フォトニック結晶のフォトニックバンドギ
ャップの変化を得やすくなる。
【0017】請求項11の発明は、請求項1ないし請求
項10の発明において、前記スイッチ要素が光の伝搬経
路に挿入されて状態変化によって光の伝搬経路を遮断す
るものであって、前記制御手段は、伝搬経路が遮断され
るように前記フォトニック結晶の構成物質の屈折率を電
気的に変化させるので、入射光を透過するオン状態と遮
断するオフ状態とを高速で制御することができる。
【0018】請求項12の発明は、請求項1ないし請求
項10の発明において、前記スイッチ要素が光の伝搬経
路に挿入されて状態変化によって光の伝搬経路を切り替
えるものであって、前記制御手段は、伝搬経路が切り替
わるように前記フォトニック結晶の構成物質の屈折率を
電気的に変化させるので、入射光の伝搬経路の切り替え
を高速で制御することができる。
【0019】請求項13の発明は、光の伝搬経路を遮断
する若しくは切り替える光スイッチであって、屈折率の
異なる複数種類の物質の周期構造を有するフォトニック
結晶よりなり光の伝搬経路に挿入されて状態変化によっ
て光の伝搬経路を遮断する若しくは切り替えるスイッチ
要素と、スイッチ要素の状態を変化させるようにフォト
ニック結晶の構成物質の屈折率を制御光によって変化さ
せる制御手段とを備えてなることことを特徴とするもの
であり、制御手段によって、スイッチ要素の状態を変化
させるようにフォトニック結晶の構成物質の屈折率を制
御光で変化させることができるので、応答速度の高速化
を図ることができ、また、スイッチ要素としてフォトニ
ック結晶を利用していることで小型化を図ることがで
き、しかも、フォトニック結晶の周期構造の周期設計に
応じて所望の波長の光を制御することができるから波長
選択性を有することになる。
【0020】
【発明の実施の形態】(実施形態1)本実施形態の光ス
イッチは、図1に示すように、入力側(送信側)の光導
波路1aと出力側(受信側)の光導波路1bとの間に挿
入されるスイッチ要素2(図2参照)を備えており、ス
イッチ要素2の状態を図示しない制御手段によって電気
的に変化させるようになっている。
【0021】スイッチ要素2は、屈折率の異なる2種類
の光学媒質(以下、説明の便宜上、第1の光学媒質,第
2の光学媒質と称す)からなり全体として直方体状に形
成されたフォトニック結晶20と、フォトニック結晶2
0を挟むように形成された一対の電極2a,2bとを備
えており、上記制御手段によって両電極2a,2b間に
印加する電圧を制御する(つまり、フォトニック結晶2
0にかかる電界を制御する)ことで光導波路1aを伝搬
してきた特定波長の光(入射光)を透過可能(伝達可
能)とする状態(オン状態)と阻止する状態(オフ状
態)とが変化するようになっている。要するに、スイッ
チ要素2は、図3(a)のように矢印Aで示す向きの光
(入射光)が同図中に一点鎖線Bで示す伝搬経路でフォ
トニック結晶20を透過する状態と、図3(b)のよう
に矢印Aで示す向きの光(入射光)がフォトニック結晶
20で反射される状態とをとれるようになっている。な
お、図3(a),(b)中の矢印A’はフォトニック結
晶20からの出射光の向きを示している。つまり、図3
(a)はフォトニック結晶20への入射光がフォトニッ
ク結晶20を透過することを示しており、図3(b)は
フォトニック結晶20への入射光がフォトニック結晶2
0で反射されることを示している。ここに、スイッチ要
素2は入力側の光導波路1aと出力側の光導波路1bと
の間に挿入されているので、つまり、スイッチ要素2は
光の伝搬経路に挿入されているので、図3(b)の状態
は光の伝搬経路を遮断する状態となる。
【0022】フォトニック結晶20は、図2に示すよう
に、第1の光学媒質(物質)からなる背景媒質21中に
第2の光学媒質(物質)からなる球状体(以下、フォト
ニック原子と称す)22が入射光の波長程度(例えば、
入射光の波長の2分の1程度)の周期間隔で2次元アレ
イ状に配列されており(すなわち、図2における右方向
をx方向、上方向をy方向とし、x方向の周期間隔をL
x、y方向の周期間隔をLyとすれば、Lx,Lyのい
ずれも入射光の波長の2分の1程度の値に設定されてい
る)、2次元面内のあらゆる方向から入射する特定波長
の光を伝搬しない波長帯であるフォトニックバンドギャ
ップを有している。なお、図示例では、フォトニック原
子22のx方向における配列数を4、y方向における配
列数を4としてあるが、x方向の配列数は光の集光径程
度になる数、y方向における配列数は10程度あればよ
い。
【0023】ところで、フォトニック結晶20を構成す
る第1の光学媒質の材料としては、電界の印加によって
屈折率が変化する材料(例えば、LiNbO3、LiT
aO3など)を用いればよい。なお、電界の印加によっ
て光学媒質の屈折率が変化する現象としては、シュタル
ク効果、フランツ・ケルディッシュ効果、ポッケルス効
果、カー効果などが知られている。
【0024】以下、本実施形態の光スイッチの動作につ
いて図4を参照しながら説明する。なお、図4(a),
(b)は横軸が光の波長、縦軸が光の透過率である。
【0025】いま、上記制御手段によってスイッチ要素
2の両電極2a,2b間に電圧を印加していない時の背
景媒質21の屈折率をn21、フォトニック原子22の
屈折率をn22とし、図4(a)に示すように波長λ2
1〜波長λ22(λ21<λ22)の波長帯に光を透過
しないフォトニックバンドギャップが形成されていると
すれば、フォトニックバンドギャップの波長帯に含まれ
ない波長λ0(λ0<λ21)の入射光は図3(a)中
に一点鎖線Bで示した伝搬経路でフォトニック結晶20
中を伝搬することになる(光スイッチはオン状態となっ
ている)。一方、上記制御手段によってスイッチ要素2
の両電極2a,2b間に所定電圧を印加することで、フ
ォトニック原子22の直径L1および屈折率n22と上
記周期間隔Lx,Lyは電圧印加前と同じであるが、背
景媒質21の屈折率がn21’へ変化したとし、図4
(b)に示すように図4(a)とは異なる波長λ21’
〜λ22’(λ21’<λ0<λ22’)の波長帯にフ
ォトニックバンドギャップが形成され、フォトニックバ
ンドギャップの波長帯に含まれる波長λ0の入射光は図
3(b)中に矢印A’で示した向きに反射されフォトニ
ック結晶20を伝搬しない(光スイッチはオフ状態とな
っている)。要するに、上記制御手段によってスイッチ
要素2の両電極2a,2b間に上記所定電圧が印加され
ると、光の伝搬経路が遮断されることになる。本実施形
態では、両電極2a,2b間に電圧を印加することによ
りフォトニックバンドギャップが短波長側へシフトして
いるが、これは背景媒質21として、両電極2a,2b
間に印加する電圧の値が大きくなるにつれて屈折率が低
下するような材料を採用しているからである。
【0026】なお、本実施形態の光スイッチは、フォト
ニックバンドギャップに含まれる波長の光の透過を阻止
するものであり、波長選択性を有する光スイッチとして
使用できるものである。また、各光学媒質の材料や、周
期間隔Lx,Ly、フォトニック原子22の直径L1、
L1/Lx、L1/Lyなどを適宜変更することで、フ
ォトニック結晶20のフォトニックバンドギャップを任
意の波長帯に設計することが可能であって、任意の波長
の光スイッチとして使用することもできる。また、印加
電圧に応じてフォトニックバンドギャップのシフト量
(変化量)を調整できるので、光波長可変フィルタとし
ても使用可能である。
【0027】ところで、本実施形態では、上記2次元面
内における単位格子が四角形の2次元四角格子の各格子
点にフォトニック原子22を配置してあるが、より等方
性の高い配列構造を採用してもよく、例えば、上記2次
元面内における単位格子が三角形の2次元三角格子の各
格子点にフォトニック原子22を配置するようにしても
よいし、上記2次元面内における単位格子が六角形の2
次元六方格子(蜂の巣構造)の各格子点にフォトニック
原子22を配置するようにしてもよい。また、フォトニ
ック原子22の形状も球状以外の形状、例えば、立方体
状の形状にしてもよい。また、本実施形態におけるスイ
ッチ要素2では、2次元の周期構造を有するフォトニッ
ク結晶20を採用しているが、1次元あるいは3次元の
周期構造を有するフォトニック結晶を採用してもよい。
【0028】(実施形態2)本実施形態の光スイッチ
は、図5に示すように、入力側(送信側)の光導波路1
aと出力側(受信側)の光導波路1bとの間に挿入され
るスイッチ要素2(図6および図7参照)を備えてお
り、スイッチ要素2の状態を図示しない制御手段によっ
て電気的に変化させるようになっている。
【0029】スイッチ要素2は、屈折率の異なる2種類
の光学媒質(以下、説明の便宜上、第1の光学媒質,第
2の光学媒質と称す)からなり全体として直方体状に形
成されたフォトニック結晶20と、フォトニック結晶2
0を挟むように形成された一対のコンタクト領域3a,
3bと、各コンタクト領域3a,3bにそれぞれ電気的
に接続された一対のオーミック電極(図示せず)とを備
えており、上記制御手段によって両オーミック電極間に
印加する電圧を制御する(つまり、両コンタクト領域3
a,3b間に印加する電圧を制御する)ことで光導波路
1aを伝搬してきた特定波長の光(入射光)を透過可能
(伝達可能)とする状態(オン状態)と阻止する状態
(オフ状態)とが変化するようになっている。要する
に、スイッチ要素2は、実施形態1と同様に、光の伝搬
経路に挿入されており、光の伝搬経路を遮断することが
できるようになっている。
【0030】各光導波路1a,1bおよびフォトニック
結晶20は、厚み方向の中間にシリコン酸化膜(埋込酸
化膜)からなる絶縁膜10(図5参照)を有するいわゆ
るSOI(Silicon On Insulator)基板を用いて形成
してある。すなわち、各光導波路1a,1bおよびフォ
トニック結晶20はSOI基板の主表面側のシリコン層
(活性層)をリソグラフィ技術およびエッチング技術を
利用して加工することによって形成されている。したが
って、各光導波路1a,1bおよびフォトニック結晶2
0を比較的簡単に形成することができる。例えば、市販
のSOIウェハに所望の形状にパターニングしたレジス
トマスクを形成した後、ドライエッチング装置によって
各光導波路1a,1bに対応した部分およびフォトニッ
ク結晶20の後述の半導体領域23に対応した部分が残
り且つ各光導波路1a,1bの周囲および後述の円孔2
4に対応する部位が除去されるようにシリコン層をエッ
チングすることによって、各光導波路1a,1bとフォ
トニック結晶20とを同時に形成することが可能とな
る。また、光導波路1aとフォトニック結晶20と光導
波路1bとを連続させることができるので、光損失を少
なくすることができる。ここに、各光導波路1a,1b
はシリコンよりも屈折率の低いシリコン酸化膜からなる
絶縁膜10を下部クラッドとしている。
【0031】ここにおいて、フォトニック結晶20は、
上記シリコン層の一部からなる半導体領域23に円孔2
4が入射光の波長程度(例えば、入射光の波長の2分の
1程度)の周期間隔で2次元アレイ状に配列されており
(すなわち、図7における右方向をx方向、上方向をy
方向とし、x方向の周期間隔をLx、y方向の周期間隔
をLyとすれば、Lx,Lyのいずれも入射光の波長の
2分の1程度の値に設定されている)、2次元面内のあ
らゆる方向から入射する特定波長の光を伝搬しない波長
帯であるフォトニックバンドギャップを有している。な
お、図示例では、単位格子が四角形の2次元四角格子の
各格子点に円孔24が形成されており、円孔24のx方
向における配列数を4、y方向における配列数を4とし
てあるが、x方向の配列数は光の集光径程度になる数、
y方向における配列数は10程度あればよい。
【0032】以上の説明から分かるように、本実施形態
におけるフォトニック結晶20を構成する2つの物質は
シリコンと空気である。
【0033】ところで、半導体材料においては、自由電
子や空孔といったキャリアが半導体内部の分極状態に影
響を及ぼすため、キャリア濃度に応じて屈折率が変化す
ることが知られている。代表的な半導体材料であって本
実施形態におけるフォトニック結晶20の構成物質の1
つであるシリコンについて、キャリア濃度と波長が1.
55μmの光に対する屈折率との関係を図8に示すが、
同図はSorefらにより実験的に求められた近似式
(R.A.Soref,Journal of Quantum Electronics,vo
l.QE−23,No.1,p123−129,Jan.1987)を用いて計算
した結果を図示したものである。
【0034】図8から分かるように、シリコンの屈折率
はキャリア濃度が1018cm-3程度まではほぼ一定であ
り、キャリア濃度が1×1018cm-3を超えると屈折率
の減少が顕著になり、キャリア濃度が1×1018cm-3
から1×1020cm-3まで変化すると、屈折率は約5%
減少する。
【0035】したがって、本実施形態では、フォトニッ
ク結晶20における半導体領域23のキャリア濃度の増
加に伴い屈折率が減少すれば、フォトニックバンドギャ
ップが変化し、入射光の波長とフォトニックバンドギャ
ップの波長帯との関係が変わるので、実施形態1と同様
に、入射光を透過させる状態と反射する状態との2つの
状態をとることが可能になる。ここにおいて、フォトニ
ック結晶20における半導体領域23のキャリア濃度が
変化するには、キャリアが注入されたり、キャリアが再
結合により消滅したり、キャリアが引き抜かれたりする
必要がある。
【0036】そこで、本実施形態では、半導体領域23
を不純物濃度が非常に低い1013cm-3程度のp-形シ
リコンにより構成するとともに、コンタクト領域3aを
101 9cm-3程度の高濃度のp+形シリコンにより構成
し、コンタクト領域3bを10 19cm-3程度の高濃度の
+形シリコンにより構成してある。なお、本実施形態
では、コンタクト領域3aがフォトニック結晶20の一
端面に接しp形半導体からなる第1のコンタクト領域を
構成し、コンタクト領域3bがフォトニック結晶20の
他端面に接しn形半導体からなる第2のコンタクト領域
を構成している。また、各コンタクト領域3a,3b
は、例えば、高濃度に不純物を添加した多結晶シリコン
を堆積した後で所望の形状に加工することによって形成
することができる。
【0037】ここに、本実施形態におけるスイッチ要素
2は、p+形シリコンからなるコンタクト領域3aとp-
形シリコンからなる半導体領域23とn+形シリコンか
らなるコンタクト領域3bとでいわゆるpinダイオー
ド構造が形成されており、上記オーミック電極間に電圧
が印加されていない状態、つまり、コンタクト領域3
a,3b間に電圧が印加されていない状態では、p-
シリコンからなる半導体領域23とn+形シリコンから
なるコンタクト領域3bとの接合部における大きなキャ
リア密度勾配に起因したキャリアの移動により半導体領
域23は全ての伝導性キャリアが排斥された空乏領域と
なっている。なお、1019cm-3程度の高濃度のn+
シリコンからなるコンタクト領域3bと1013cm-3
度のp-形シリコンからなる半導体領域23との接合部
では10μm程度の空乏層が伸びるので、フォトニック
結晶20のy方向の長さ寸法(つまり、コンタクト領域
3bとコンタクト領域3aとの間の距離)を空乏層幅以
下の長さに設定しておけば、フォトニック結晶20の半
導体領域23を全体にわたって空乏化して空乏領域とす
ることができる。
【0038】これに対して、図9に示すように、p+
シリコンからなるコンタクト領域3aとn+形シリコン
からなるコンタクト領域3bとの間にコンタクト領域3
aが高電位側となるようなバイアス電圧(順方向バイア
ス電圧)Vbを上記制御手段によって印加すると、0.
7V程度で空乏領域は消滅し、半導体領域23への伝導
性キャリアの注入が行われ、半導体領域23のキャリア
濃度が増加し屈折率が減少することになる。したがっ
て、p+形シリコンからなるコンタクト領域3aとn+
シリコンからなるコンタクト領域3bとの間にコンタク
ト領域3aが高電位側となるような順方向バイアス電圧
Vbを上記制御手段によって印加することによって、フ
ォトニック結晶20のフォトニックバンドギャップを変
化させることができ、スイッチ要素2の状態をオン状態
からオフ状態へ高速で変化させることができる。つま
り、光の伝播経路を遮断することができる。
【0039】ここにおいて、本実施形態では、コンタク
ト領域3aとコンタクト領域3bとの間に電圧が印加さ
れておらず半導体領域23のキャリア濃度が低い状態の
ときにフォトニック結晶20のフォトニックバンドギャ
ップが実施形態1で説明した図4(a)の如く入射光の
波長λ0を含まない波長帯に設計されており、波長λ0
の入射光がフォトニック結晶20を透過可能となってい
る。一方、p+形シリコンからなるコンタクト領域3a
とn+形シリコンからなるコンタクト領域3bとの間に
コンタクト領域3aが高電位側となるような順方向バイ
アス電圧Vbを印加して半導体領域23にキャリアが注
入されキャリア濃度が高い状態のときにフォトニック結
晶20のフォトニックバンドギャップが実施形態1で説
明した図4(b)の如く入射光の波長λ0を含む波長帯
へ変化するように設計されており、波長λ0の入射光が
フォトニック結晶20で反射され光の伝播経路がスイッ
チ要素2によって遮断されることになる。
【0040】しかして、本実施形態の光スイッチでは、
上記制御手段が半導体材料からなる半導体領域23のキ
ャリア濃度を電気的に制御して屈折率を変化させるの
で、半導体領域23へのキャリアの注入速度および再結
合によるキャリアの消滅速度または半導体領域23から
のキャリアの引き抜き速度に応じてスイッチ要素2の状
態をピコ秒〜ナノ秒オーダで高速に変化させることがで
きる。また、比較的安価で加工の容易な半導体材料を用
いているので、従来の電気光学効果を用いた電気式の光
スイッチのように高価で加工の難しいLiNbO3など
の材料を用いる必要がなく、低コスト化を図ることがで
きる。
【0041】また、本実施形態では、フォトニック結晶
20が空乏領域であるときにスイッチ要素2の状態をオ
ン状態とし順方向バイアス電圧Vbを印加したときにス
イッチ要素の状態2をオフ状態とすることで、スイッチ
要素2の状態がオン状態のときにフォトニック結晶20
のキャリア濃度が低くなっているので、伝導性キャリア
の光吸収に起因する光の吸収損失を小さくできる。ま
た、フォトニック結晶20の半導体領域23のキャリア
濃度は順方向バイアス電圧Vbの大きさにほぼ比例して
増加するので、伝導性キャリアの濃度をほぼ0から10
20cm-3オーダまで変化させることが可能となるから、
フォトニックバンドギャップのシフト量(変化量)を大
きくでき、消光比を高めることが可能となる。
【0042】ところで、本実施形態におけるスイッチ要
素2はフォトニック結晶20において光の伝搬経路Bと
交差する面以外の2つの端面にそれぞれコンタクト領域
3a,3bが接するようにしてあるので、言い換えれ
ば、スイッチ要素2はコンタクト領域3a,3bが光の
伝搬経路Bを遮らないように伝搬経路Bに挿入されてい
るので、図10に示すように光の伝搬経路Bと交差(直
交)する2つの端面にそれぞれコンタクト領域3a,3
bが形成されている場合に比べてスイッチ要素2での吸
収損失を小さくすることができる。すなわち、図10に
示す構成では光がスイッチ要素2を伝搬する際にキャリ
ア濃度の高いコンタクト領域3a,3bを通過するの
で、高濃度の伝導性キャリアに起因する光の吸収が起こ
り、光スイッチの吸収損失を増大させてしまうが、本実
施形態では、キャリア濃度の高いコンタクト領域3a,
3bが光の伝搬経路B上にないので、スイッチ要素2で
の吸収損失を小さくすることが可能となるのである。
【0043】なお、本実施形態では、上記制御手段がコ
ンタクト領域3aとコンタクト領域3bとの間にコンタ
クト領域3aを高電位側として順方向バイアス電圧Vb
を印加する電圧印加手段を構成している。また、本実施
形態では、フォトニック結晶20の一部を構成する半導
体材料としてシリコンを例示したが、屈折率がキャリア
濃度に依存して変化するものであればシリコン以外の半
導体材料や化合物半導体材料でもよい。
【0044】(実施形態3)本実施形態の光スイッチの
基本構成は実施形態2と略同じであって、図11に示す
構成のスイッチ要素2を備えている。ここにおいて、本
実施形態におけるスイッチ要素2は、フォトニック結晶
20の半導体領域23を不純物濃度が1016cm-3程度
のn形シリコンにより構成するとともに、コンタクト領
域3aを10 19cm-3程度の高濃度のn+形シリコンに
より構成し、コンタクト領域3bを1019cm-3程度の
高濃度のn+形シリコンにより構成している点に特徴が
ある。他の構成は実施形態2と同様であり、各コンタク
ト領域3a,3bにそれぞれ接続された一対のオーミッ
ク電極(図示せず)と両オーミック電極間に電圧を印加
してスイッチ要素2の状態を変化させる制御手段(図示
せず)とを備えている。なお、実施形態2と同様の構成
要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】本実施形態の光スイッチでは、図12に示
すように、n+形シリコンからなるコンタクト領域3a
とn+形シリコンからなるコンタクト領域3bとの間に
コンタクト領域3aが高電位側となるようなバイアス電
圧Vaを上記制御手段によって印加すると、フォトニッ
ク結晶20の抵抗とバイアス電圧Vaとによって決まる
量の電子が半導体領域23へ注入され、半導体領域23
のキャリア濃度が増加し屈折率が減少することになる。
したがって、n+形シリコンからなるコンタクト領域3
aとn+形シリコンからなるコンタクト領域3bとの間
にコンタクト領域3aが高電位側となるようなバイアス
電圧Vaを上記制御手段によって印加することによっ
て、フォトニック結晶20のフォトニックバンドギャッ
プを変化させることができ、スイッチ要素2の状態をオ
ン状態からオフ状態へ高速で変化させることができる。
つまり、光の伝播経路を遮断することができる。
【0046】ここにおいて、本実施形態では、コンタク
ト領域3aとコンタクト領域3bとの間にバイアス電圧
Vaを印加していない状態(半導体領域23へキャリア
が注入されておらずキャリア濃度が1016cm-3程度の
比較的低い状態)のときにフォトニック結晶20のフォ
トニックバンドギャップが実施形態1で説明した図4
(a)のように入射光の波長λ0を含まない波長帯に設
計されており、波長λ0の入射光がフォトニック結晶2
0を透過可能となっている。一方、コンタクト領域3a
とコンタクト領域3bとの間に所定のバイアス電圧Va
を印加している状態(半導体領域23にキャリアが注入
されキャリア濃度が高い状態)のときにフォトニック結
晶20のフォトニックバンドギャップが実施形態1で説
明した図4(b)の如く入射光の波長λ0を含む波長帯
となるように設計されており、波長λ0の入射光がフォ
トニック結晶20で反射され光の伝播経路がスイッチ要
素2によって遮断されることになる。なお、本実施形態
の光スイッチでは、入射光を透過するオン状態のときの
半導体領域23のキャリア濃度が1016cm-3程度であ
って実施形態2で説明した1013cm-3に比べてキャリ
ア濃度が高いので、伝導性キャリアの光吸収に起因する
光の吸収損失が実施形態2に比べて大きくなるが、コン
タクト領域3a,3b間にバイアス電圧Vaを印加した
通電時の電流経路である半導体領域23のキャリア濃度
を高くできて抵抗を小さくできるので、低消費電力化を
図ることができる。
【0047】(実施形態4)本実施形態の光スイッチの
基本構成は実施形態2と略同じであって、図13に示す
構成のスイッチ要素2を備えている。ここにおいて、本
実施形態におけるスイッチ要素2は、フォトニック結晶
20の半導体領域23を不純物濃度が1015cm-3程度
のp形シリコンにより構成するとともに、コンタクト領
域3aを10 15cm-3程度のp形シリコンにより構成
し、コンタクト領域3bを1019cm-3程度の高濃度の
+形シリコンにより構成している点に特徴がある。す
なわち、本実施形態におけるスイッチ要素2では、コン
タクト領域3aとフォトニック結晶20の半導体領域2
3とがキャリア濃度を同濃度に設定してあり、コンタク
ト領域3aとフォトニック結晶20とコンタクト領域3
bとでpnダイオード構造を有していることになる。他
の構成は実施形態2と同様であり、各コンタクト領域3
a,3bにそれぞれ接続された一対のオーミック電極
(図示せず)と両オーミック電極間に電圧を印加してス
イッチ要素2の状態を電気的に変化させる制御手段(図
示せず)とを備えている。なお、実施形態2と同様の構
成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0048】以下、本実施形態の光スイッチの動作につ
いて図14を参照しながら説明する。
【0049】スイッチ要素2のコンタクト領域3a,3
b間に電圧が印加されていない状態では、図14(a)
に示すように、p形シリコンからなる半導体領域23と
+形シリコンからなるコンタクト領域3bとの接合部
における大きなキャリア密度勾配に起因したキャリアの
移動により接合部近傍に伝導性キャリアが排斥された空
乏領域26が形成されている。なお、キャリア濃度が1
15cm-3のp形シリコンとキャリア濃度が1019cm
-3のn+形シリコンとの接合部では約1μmの空乏層が
延びるので、空乏領域26の幅(空乏層幅)をLd(図
14(a)参照)とすれば、Ldは1μm程度の値にな
っている。
【0050】これに対して、図14(b)に示すよう
に、p形シリコンからなるコンタクト領域3aとn+
シリコンからなるコンタクト領域3bとの間にコンタク
ト領域3bが高電位側となるようなバイアス電圧(逆方
向バイアス電圧)Vcを上記制御手段によって印加する
と、空乏領域26がコンタクト領域3a側へ伸びてい
き、空乏層幅Ld’(図14(b)参照)が図14
(a)における空乏層幅Ldよりも大きくなる。ここに
おいて、空乏領域26では伝導性キャリアの排斥が行わ
れるので、フォトニック結晶20の半導体領域23のキ
ャリア濃度が減少し屈折率が変化することになる。した
がって、p形シリコンからなるコンタクト領域3aとn
+形シリコンからなるコンタクト領域3bとの間にコン
タクト領域3bが高電位側となるような逆方向バイアス
電圧Vcを上記制御手段によって印加することによっ
て、フォトニックバンドギャップを変化させることがで
き、スイッチ要素2の状態をオフ状態からオン状態へ高
速で変化させることができる。
【0051】ここにおいて、本実施形態では、コンタク
ト領域3aとコンタクト領域3bとの間に電圧が印加さ
れていない状態(つまり、半導体領域23のキャリアが
排斥されておらずキャリア濃度が高い状態)のときのフ
ォトニック結晶20のフォトニックバンドギャップが実
施形態1で説明した図4(b)の如く入射光の波長λ0
を含む波長帯に設計されており、波長λ0の入射光がフ
ォトニック結晶20で反射され光の伝播経路がスイッチ
要素2によって遮断されることになる。一方、p形シリ
コンからなるコンタクト領域3aとn+形シリコンから
なるコンタクト領域3bとの間にコンタクト領域3bが
高電位側となるような逆方向バイアス電圧Vcを印加し
て半導体領域23が全体にわたって空乏領域26となっ
た状態でフォトニック結晶20のフォトニックバンドギ
ャップが実施形態1で説明した図4(a)の如く入射光
の波長λ0を含まない波長帯となるように設計されてお
り、波長λ0の入射光がフォトニック結晶20を透過可
能となっている。要するに、本実施形態におけるスイッ
チ要素2は、逆方向バイアス電圧Vcが印加されたとき
にフォトニック結晶20が空乏領域となるようにフォト
ニック結晶20の半導体領域23および各コンタクト領
域3a,3bそれぞれの不純物濃度が設定されているの
で、スイッチ要素2の状態を変化させるために逆方向バ
イアス電圧Vcを印加したときの電流が空乏領域26を
通して流れる微量の電流となり、低消費電力化を図るこ
とができる。
【0052】なお、キャリア濃度が1015cm-3のp形
シリコンとキャリア濃度が1019cm-3のn+形シリコ
ンとからなるpnダイオード構造に逆方向バイアス電圧
を印加した際の空乏層幅は逆方向バイアス電圧が200
Vのときで約5μmであるので、フォトニック結晶20
におけるy方向の長さ寸法を空乏層幅Ld’以下に設定
しておけばよい。また、フォトニック結晶20の半導体
領域23のキャリア濃度の変化量が十分でない場合に
は、オフ状態とする際に電流を流してキャリア注入を行
うことで半導体領域23のキャリア濃度をあらかじめ高
くしておいてもよい。
【0053】また、本実施形態では、上記制御手段が、
第1のコンタクト領域たるコンタクト領域3aと第2の
コンタクト領域たるコンタクト領域3bとの間にコンタ
クト領域3bを高電位側として逆方向バイアス電圧Vc
を印加する電圧印加手段を構成している。
【0054】(実施形態5)本実施形態の光スイッチの
基本構成は実施形態2と略同じであって、図15および
図16に示すように、スイッチ要素2が、フォトニック
結晶20へフォトニック結晶20の周期性を有さない方
向からキャリアの注入が行われるようにコンタクト領域
3a,3bの形成位置が設定されている点に特徴があ
る。すなわち、本実施形態では、フォトニック結晶20
において周期性を有さない方向に直交する2つの端面に
コンタクト領域3a,3bを形成してある。図15に示
した例では、シリコン酸化膜(埋込酸化膜)よりなる絶
縁膜10上にコンタクト領域3bが形成され、コンタク
ト領域3b上にフォトニック結晶20が形成され、フォ
トニック結晶20上にコンタクト領域3aが形成されて
いる。他の構成は実施形態2と同じなので実施形態2と
同じ構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】ところで、実施形態2の構成では半導体領
域23へキャリアが注入された時に周期的に配列されて
いる円孔24が電流を遮るように形成されているのに対
して、本実施形態では、フォトニック結晶20の周期性
を有さない方向から半導体領域23へキャリアの注入が
行われるので、実施形態2に比べて半導体領域23全体
にわたってのキャリア濃度の均一性を高めることがで
き、フォトニックバンドギャップの変化を得やすくな
る。
【0056】なお、本実施形態では、キャリアの移動方
向がフォトニック結晶20の周期性を有さない方向に揃
うようにコンタクト領域3a,3bの形成位置を設定し
てあるが、この技術思想を他の実施形態2〜4に適用し
てもよいことは勿論である。
【0057】ところで、上記各実施形態におけるフォト
ニック結晶20の周期構造は2次元の周期性を有してい
るが、例えば図17に示すように1次元の周期性を有す
るフォトニック結晶20を採用してもよいし、例えば図
18に示すように3次元の周期性を有するフォトニック
結晶20を採用するようにしてもよい。ここに、図17
に示したフォトニック結晶20は、シリコンからなる半
導体領域23と溝27とが同図中のx方向において交互
に形成することによって1次元の周期構造が形成されて
いる。また、図18に示したフォトニック結晶20は、
シリコンからなる直方体状の半導体領域23に対して同
図中のx方向、y方向、z方向それぞれに周期的に球状
の孔28を形成することによって3次元の周期構造が形
成されている。1次元の周期構造を有するフォトニック
結晶20は2次元の周期構造を有するフォトニック結晶
20と同様、3次元の周期構造を有するフォトニック結
晶20よりも容易に作製することができる。ただし、フ
ォトニック結晶20では、周期構造の次元数が高くなる
ほど、入射光の広い入射角度を許容することが可能とな
る。すなわち、図17に示した1次元の周期構造を有す
るフォトニック結晶20では反射可能な光の入射角度が
周期構造により一義的に決定されるが、2次元の周期構
造を有するフォトニック結晶20では2次元面内(x−
y平面内)のあらゆる方向からの光を反射するフォトニ
ックバンドギャップを有するので、許容入射角度の大き
な光スイッチとして利用することができる。同様に、図
18に示した3次元の周期構造を有するフォトニック結
晶20では3次元空間のあらゆる方向から入射する光を
反射するフォトニックバンドギャップを有するので、3
次元的に広い入射角度を許容する光スイッチとして利用
することができる。
【0058】また、上記実施形態2〜5で説明したフォ
トニック結晶20は、上記2次元面内における単位格子
が四角形の2次元四角格子の各格子点に円孔24を形成
してあるが、より等方性の高い配列構造を採用してもよ
く、例えば、上記2次元面内における単位格子が三角形
の2次元三角格子の各格子点に円孔24を形成するよう
にしてもよいし、上記2次元面内における単位格子が六
角形の2次元六方格子(蜂の巣構造)の各格子点に円孔
24を形成するようにしてもよい(図19参照)。ま
た、フォトニック原子22の形状も球状以外の形状、例
えば、立方体状の形状にしてもよい。また、本実施形態
におけるスイッチ要素2では、2次元の周期構造を有す
るフォトニック結晶20を採用しているが、1次元ある
いは3次元の周期構造を有するフォトニック結晶を採用
してもよい。図18に示した3次元の周期構造では媒質
(半導体領域23)内に孔28を設けた構造を例示した
が、3次元の周期構造としては、いわゆるウッドパイル
(woodpile)構造、いゆゆる反転オパール(inverse o
pal)構造などの他の等方性の高い周期構造を採用して
もよい。
【0059】(実施形態6)本実施形態の光スイッチの
基本構成は実施形態5と略同じであり、図20に示すよ
うに、1つの入力側(送信側)の光導波路1aと2つの
出力側(受信側)の光導波路1b,1cとの間にスイッ
チ要素2のフォトニック結晶20を介在させている点に
特徴がある。ここに、各光導波路1a〜1cはシリコン
よりも屈折率の低いシリコン酸化膜からなる絶縁膜10
を下部クラッドとしている。なお、実施形態5と同様の
構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。ま
た、各コンタクト領域3a,3bそれぞれには図示しな
いオーミック電極が接続されている。
【0060】ところで、本実施形態の光スイッチは、光
導波路1aを伝搬してきた光を出力側の2つの光導波路
1b,1cのうちの一方に選択的に伝搬するように伝搬
経路を切り替える光スイッチであり、コンタクト領域3
a,3b間に電圧を印加していない時に光導波路1aを
伝搬してきた光が光導波路1bへ導波され、コンタクト
領域3a,3b間に実施形態5と同様の制御手段(図示
せず)によって電圧を印加した時に光導波路1bを伝搬
してきた光が光導波路1cへ導波されるようなフォトニ
ックバンドギャップが形成されるようにフォトニック結
晶20を設計してある。
【0061】しかして、本実施形態の光スイッチでは、
スイッチ要素2が光の伝搬経路に挿入されて状態変化に
よって光の伝搬経路を切り替えるものであって、上記制
御手段が、伝搬経路が切り替わるようにフォトニック結
晶20の構成物質の屈折率を電気的に変化させるので、
入射光の伝搬経路の切り替えを高速で制御することがで
きる。
【0062】ところで、上記各実施形態2〜6では、フ
ォトニック結晶20をシリコンと空気との2種類の物質
の周期構造により構成していたが、円孔24内をシリコ
ンとは屈折率の異なる誘電体材料により充実してシリコ
ンと誘電体とでフォトニック結晶20を形成するように
してもよいし、あるいは3種類以上の物質の周期構造と
してもよく、例えば、図21に示すようにシリコンから
なる半導体領域23に設けた円孔24の内周面を被覆す
るSiO2(またはSi34)からなる絶縁膜25を形
成することによって、シリコンとSiO2(またはSi3
4)と空気との3種類でフォトニック結晶20を構成
するようにしてもよい。また、3種類の物質からなり3
次元の周期構造を有するフォトニック結晶として、例え
ば図22に示すようにSiからなる半導体領域31とS
iO2からなる絶縁体領域32とで構成した2次元周期
構造に孔33を穿孔してSiとSiO2と空気との3種
類でフォトニック結晶20を構成するようにしてもよ
い。
【0063】また、上記各実施形態1〜6における制御
手段は、スイッチ要素2の状態を変化させるようにフォ
トニック結晶20の構成物質の屈折率を電気的に変化さ
せるものであったが、制御手段がスイッチ要素2の状態
を変化させるようにフォトニック結晶20の構成物質の
屈折率を制御光によって変化させるようにしても、応答
速度の高速化を図ることができる。なお、上述の制御光
によって屈折率変化を起こす半導体材料としては、種々
の半導体材料(例えば、Si、GaAs,InP、Al
GaAsなど)が考えられるが、例えばSiドープAl
GaAsのような比較的大きな屈折率変化が得られる材
料を採用することが好ましい。
【0064】
【発明の効果】請求項1の発明は、光の伝搬経路を遮断
する若しくは切り替える光スイッチであって、屈折率の
異なる複数種類の物質の周期構造を有するフォトニック
結晶よりなり光の伝搬経路に挿入されて状態変化によっ
て光の伝搬経路を遮断する若しくは切り替えるスイッチ
要素と、スイッチ要素の状態を変化させるようにフォト
ニック結晶の構成物質の屈折率を電気的に変化させる制
御手段とを備えてなるものであり、制御手段によって、
スイッチ要素の状態を変化させるようにフォトニック結
晶の構成物質の屈折率を電気的に変化させることができ
るので、応答速度の高速化を図ることができるという効
果があり、また、スイッチ要素としてフォトニック結晶
を利用していることで小型化を図ることができるという
効果があり、しかも、フォトニック結晶の周期構造の周
期設計に応じて所望の波長の光を制御することができる
から波長選択性を有することになるという効果がある。
【0065】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記フォトニック結晶が半導体材料と当該半導体材
料とは屈折率の異なる材料との2種類の物質からなり、
前記制御手段は、前記半導体材料からなる半導体領域の
キャリア濃度を電気的に制御して屈折率を変化させるの
で、半導体領域へのキャリアの注入速度および再結合に
よるキャリアの消滅速度または半導体領域からのキャリ
アの引き抜き速度に応じてスイッチ要素の状態を高速に
変化させることができるという効果があり、また、比較
的安価で加工の容易な半導体材料を用いているので、従
来の電気光学効果を用いた電気式の光スイッチのように
高価で加工の難しいLiNbO3などの材料を用いる必
要がなく、低コスト化を図ることができるという効果が
ある。
【0066】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、前記スイッチ要素は、前記フォトニック結晶の一端
面に接しp形半導体からなる第1のコンタクト領域と、
前記フォトニック結晶の他端面に接しn形半導体からな
る第2のコンタクト領域とを備えて前記フォトニック結
晶が空乏領域となり、前記制御手段は、第1のコンタク
ト領域と第2のコンタクト領域との間に第1のコンタク
ト領域を高電位側として順方向バイアス電圧を印加する
電圧印加手段からなるので、前記フォトニック結晶が空
乏領域であるときに前記スイッチ要素の状態をオン状態
とし順方向バイアス電圧を印加したときに前記スイッチ
要素の状態をオフ状態とすることで、伝導性キャリアの
光吸収に起因する光の吸収損失を小さくできるという効
果があり、しかも、伝導性キャリアの濃度をほぼ0から
1020cm-3オーダまで変化させることが可能となるか
ら、消光比を高めることが可能になるという効果があ
る。
【0067】請求項4の発明は、請求項2の発明におい
て、前記スイッチ要素は、前記フォトニック結晶の一端
面に接し前記フォトニック結晶よりも高不純物濃度の半
導体からなる第1のコンタクト領域と、前記フォトニッ
ク結晶の他端面に接し前記フォトニック結晶よりも高不
純物濃度の半導体からなる第2のコンタクト領域とを備
え、前記制御手段は、第1のコンタクト領域と第2のコ
ンタクト領域との間に電圧を印加する電圧印加手段から
なるので、第1のコンタクト領域と第2のコンタクト領
域との間に電圧を印加した通電時の電流経路である前記
フォトニック結晶のキャリア濃度を請求項3の発明に比
べて高く設定でき、前記フォトニック結晶の抵抗を小さ
くすることが可能で低消費電力化を図ることができると
いう効果がある。
【0068】請求項5の発明は、請求項2の発明におい
て、前記スイッチ要素が、前記フォトニック結晶の一端
面に接しp形半導体からなる第1のコンタクト領域と、
前記フォトニック結晶の他端面に接しn形半導体からな
る第2のコンタクト領域とを備え、前記制御手段が、第
1のコンタクト領域と第2のコンタクト領域との間に第
2のコンタクト領域を高電位側として逆方向バイアス電
圧を印加する電圧印加手段からなり、スイッチ要素は、
前記逆方向バイアス電圧が印加されたときにフォトニッ
ク結晶が空乏領域となるように前記フォトニック結晶お
よび各コンタクト領域それぞれの不純物濃度が設定され
ているので、前記スイッチ要素の状態を変化させるため
に前記逆方向バイアス電圧を印加したときの電流が空乏
領域を通して流れる微量の電流となり、低消費電力化を
図ることができるという効果がある。
【0069】請求項6の発明は、請求項3ないし請求項
5の発明において、前記スイッチ要素は、前記各コンタ
クト領域が前記伝搬経路を遮らないように前記伝搬経路
に挿入されているので、前記各コンタクト領域中の伝導
性キャリアによる光吸収を抑制することができ、吸収損
失を小さくすることができるという効果がある。
【0070】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
6の発明において、前記周期構造は1次元の周期性を有
するので、前記フォトニック結晶を比較的容易に形成す
ることができるという効果がある。
【0071】請求項8の発明は、請求項1ないし請求項
6の発明において、前記周期構造は2次元の周期性を有
するので、2次元面内における前記フォトニック結晶へ
の光の入射許容角度を請求項7の発明に比べて大きくす
ることができるという効果がある。
【0072】請求項9の発明は、請求項1ないし請求項
6の発明において、前記周期構造は3次元の周期性を有
するので、3次元空間における前記フォトニック結晶へ
の光の入射許容角度を大きくすることができるという効
果がある。
【0073】請求項10の発明は、請求項7または請求
項8の発明において、前記スイッチ要素は、前記フォト
ニック結晶へ前記フォトニック結晶の周期性を有さない
方向からキャリアが注入されるように形成されているの
で、前記フォトニック結晶における注入キャリアの濃度
が均一になりやすく、屈折率変化の均一性を高めること
ができ、前記フォトニック結晶のフォトニックバンドギ
ャップの変化を得やすくなるという効果がある。
【0074】請求項11の発明は、請求項1ないし請求
項10の発明において、前記スイッチ要素が光の伝搬経
路に挿入されて状態変化によって光の伝搬経路を遮断す
るものであって、前記制御手段は、伝搬経路が遮断され
るように前記フォトニック結晶の構成物質の屈折率を電
気的に変化させるので、入射光を透過するオン状態と遮
断するオフ状態とを高速で制御することができるという
効果がある。
【0075】請求項12の発明は、請求項1ないし請求
項10の発明において、前記スイッチ要素が光の伝搬経
路に挿入されて状態変化によって光の伝搬経路を切り替
えるものであって、前記制御手段は、伝搬経路が切り替
わるように前記フォトニック結晶の構成物質の屈折率を
電気的に変化させるので、入射光の伝搬経路の切り替え
を高速で制御することができるという効果がある。
【0076】請求項13の発明は、光の伝搬経路を遮断
する若しくは切り替える光スイッチであって、屈折率の
異なる複数種類の物質の周期構造を有するフォトニック
結晶よりなり光の伝搬経路に挿入されて状態変化によっ
て光の伝搬経路を遮断する若しくは切り替えるスイッチ
要素と、スイッチ要素の状態を変化させるようにフォト
ニック結晶の構成物質の屈折率を制御光によって変化さ
せる制御手段とを備えてなるものであり、制御手段によ
って、スイッチ要素の状態を変化させるようにフォトニ
ック結晶の構成物質の屈折率を制御光で変化させること
ができるので、応答速度の高速化を図ることができると
いう効果があり、また、スイッチ要素としてフォトニッ
ク結晶を利用していることで小型化を図ることができる
という効果があり、しかも、フォトニック結晶の周期構
造の周期設計に応じて所望の波長の光を制御することが
できるから波長選択性を有することになるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の光スイッチの概略構成図である。
【図2】同上におけるスイッチ要素の概略構成図であ
る。
【図3】同上の動作説明図である。
【図4】同上の動作説明図である。
【図5】実施形態2の光スイッチの概略構成図である。
【図6】同上におけるスイッチ要素の概略構成図であ
る。
【図7】同上におけるスイッチ要素の概略構成図であ
る。
【図8】同上におけるスイッチ要素に利用する半導体の
キャリア濃度と屈折率との関係の説明図である。
【図9】同上の動作説明図である。
【図10】同上の比較例の動作説明図である。
【図11】実施形態3の光スイッチにおけるスイッチ要
素の概略構成図である。
【図12】同上の動作説明図である。
【図13】実施形態4の光スイッチにおけるスイッチ要
素の概略構成図である。
【図14】同上の動作説明図である。
【図15】実施形態5の光スイッチの概略構成図であ
る。
【図16】同上におけるスイッチ要素の概略構成図であ
る。
【図17】1次元の周期構造を有するフォトニック結晶
の概略構成図である。
【図18】3次元の周期構造を有するフォトニック結晶
の概略構成図である。
【図19】2次元の周期構造を有するフォトニック結晶
の概略平面図である。
【図20】実施形態6の光スイッチの概略構成図であ
る。
【図21】2次元の周期構造を有するフォトニック結晶
の概略平面図である。
【図22】3次元の周期構造を有するフォトニック結晶
の概略斜視図である。
【符号の説明】
1a 光導波路 1b 光導波路 2 スイッチ要素 2a 電極 2b 電極 20 フォトニック結晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴村 正彦 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 吉原 孝明 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA03 NA02 QA02 RA08 TA01 TA14 2K002 AA02 AB04 BA06 CA03 CA13 DA20 EB02 HA08

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光の伝搬経路を遮断する若しくは切り替
    える光スイッチであって、屈折率の異なる複数種類の物
    質の周期構造を有するフォトニック結晶よりなり光の伝
    搬経路に挿入されて状態変化によって光の伝搬経路を遮
    断する若しくは切り替えるスイッチ要素と、スイッチ要
    素の状態を変化させるようにフォトニック結晶の構成物
    質の屈折率を電気的に変化させる制御手段とを備えてな
    ることを特徴とする光スイッチ。
  2. 【請求項2】 前記フォトニック結晶が半導体材料と当
    該半導体材料とは屈折率の異なる材料との2種類の物質
    からなり、前記制御手段は、前記半導体材料からなる半
    導体領域のキャリア濃度を電気的に制御して屈折率を変
    化させることを特徴とする請求項1記載の光スイッチ。
  3. 【請求項3】 前記スイッチ要素は、前記フォトニック
    結晶の一端面に接しp形半導体からなる第1のコンタク
    ト領域と、前記フォトニック結晶の他端面に接しn形半
    導体からなる第2のコンタクト領域とを備えて前記フォ
    トニック結晶が空乏領域となり、前記制御手段は、第1
    のコンタクト領域と第2のコンタクト領域との間に第1
    のコンタクト領域を高電位側として順方向バイアス電圧
    を印加する電圧印加手段からなることを特徴とする請求
    項2記載の光スイッチ。
  4. 【請求項4】 前記スイッチ要素は、前記フォトニック
    結晶の一端面に接し前記フォトニック結晶よりも高不純
    物濃度の半導体からなる第1のコンタクト領域と、前記
    フォトニック結晶の他端面に接し前記フォトニック結晶
    よりも高不純物濃度の半導体からなる第2のコンタクト
    領域とを備え、前記制御手段は、第1のコンタクト領域
    と第2のコンタクト領域との間に電圧を印加する電圧印
    加手段からなることを特徴とする請求項2記載の光スイ
    ッチ。
  5. 【請求項5】 前記スイッチ要素が、前記フォトニック
    結晶の一端面に接しp形半導体からなる第1のコンタク
    ト領域と、前記フォトニック結晶の他端面に接しn形半
    導体からなる第2のコンタクト領域とを備え、前記制御
    手段が、第1のコンタクト領域と第2のコンタクト領域
    との間に第2のコンタクト領域を高電位側として逆方向
    バイアス電圧を印加する電圧印加手段からなり、スイッ
    チ要素は、前記逆方向バイアス電圧が印加されたときに
    フォトニック結晶が空乏領域となるように前記フォトニ
    ック結晶および各コンタクト領域それぞれの不純物濃度
    が設定されてなることを特徴とする請求項2記載の光ス
    イッチ。
  6. 【請求項6】 前記スイッチ要素は、前記各コンタクト
    領域が前記伝搬経路を遮らないように前記伝搬経路に挿
    入されてなることを特徴とする請求項3ないし請求項5
    のいずれかに記載の光スイッチ。
  7. 【請求項7】 前記周期構造は1次元の周期性を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに
    記載の光スイッチ。
  8. 【請求項8】 前記周期構造は2次元の周期性を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに
    記載の光スイッチ。
  9. 【請求項9】 前記周期構造は3次元の周期性を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに
    記載の光スイッチ。
  10. 【請求項10】 前記スイッチ要素は、前記フォトニッ
    ク結晶へ前記フォトニック結晶の周期性を有さない方向
    からキャリアが注入されるように形成されてなることを
    特徴とする請求項7または請求項8記載の光スイッチ。
  11. 【請求項11】 前記スイッチ要素が光の伝搬経路に挿
    入されて状態変化によって光の伝搬経路を遮断するもの
    であって、前記制御手段は、伝搬経路が遮断されるよう
    に前記フォトニック結晶の構成物質の屈折率を電気的に
    変化させることを特徴とする請求項1ないし請求項10
    のいずれかに記載の光スイッチ。
  12. 【請求項12】 前記スイッチ要素が光の伝搬経路に挿
    入されて状態変化によって光の伝搬経路を切り替えるも
    のであって、前記制御手段は、伝搬経路が切り替わるよ
    うに前記フォトニック結晶の構成物質の屈折率を電気的
    に変化させることを特徴とする請求項1ないし請求項1
    0のいずれかに記載の光スイッチ。
  13. 【請求項13】 光の伝搬経路を遮断する若しくは切り
    替える光スイッチであって、屈折率の異なる複数種類の
    物質の周期構造を有するフォトニック結晶よりなり光の
    伝搬経路に挿入されて状態変化によって光の伝搬経路を
    遮断する若しくは切り替えるスイッチ要素と、スイッチ
    要素の状態を変化させるようにフォトニック結晶の構成
    物質の屈折率を制御光によって変化させる制御手段とを
    備えてなることを特徴とする光スイッチ。
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