JP2003213179A5 - - Google Patents

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JP2003213179A5
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【書類名】 明細書
【発明の名称】 インクジェット用インク及びインクジェット記録方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水と着色剤と水溶性有機溶剤を必須成分とするインクジェット用インクにおいて、
前記インクジェット用インクは、前記着色剤の含有量が6wt%以上で、
普通紙に対する吸収係数が3ml/(m2・(msec)1/2)であり、かつ、普通紙に対する接触角θ0が10°以上40°未満である
ことを特徴とするインクジェット用インク
【請求項2】 水と着色剤と水溶性有機溶剤を必須成分とするインクジェット用インクにおいて、
前記インクジェット用インクは、前記着色剤の含有量が6wt%以上で、
普通紙に対する接触角θ0が10°以上40°未満であり、かつ、接触1秒後の接触角θ1と接触角θ0との関係が、
θ1>(1/2)・θ0
で表されることを特徴とするインクジェット用インク
【請求項3】 前記インクジェット用インクは、25℃における粘度が5mPa・sec以上20mPa・sec以下であり、
かつ、25℃における表面張力が40dyne/cm以下である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット用インク
【請求項4】 前記着色剤は、重量平均粒子径が50nm以上200nm以下で、含有量が6wt%以上20wt%以下である
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェット用インク
【請求項5】 前記水溶性有機溶剤が、グリセリン、1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールエタンからなる群より選ばれる少なくとも1種類を湿潤剤として含有し、
さらに炭素数8以上11以下の多価アルコールまたはグリコールエーテルを含有する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェット用インク
【請求項6】 前記湿潤剤の含有量は、10wt%以上50wt%以下である
ことを特徴とする請求項5に記載のインクジェット用インク
【請求項7】 前記湿潤剤の含有量は、前記着色剤に対する重量比で2.0以上6.0以下である
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のインクジェット用インク
【請求項8】 前記湿潤剤の含有量は、前記着色剤に対する重量比で3.0以上5.0以下である
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のインクジェット用インク
【請求項9】 前記炭素数8以上11以下の多価アルコールまたはグリコールエーテルが、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールまたは2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールを含む
ことを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載のインクジェット用インク
【請求項10】 前記水溶性有機溶剤が、1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオールからなる群より選択される少なくとも1種類を含む
ことを特徴とする請求項5ないし9のいずれかに記載のインクジェット用インク
【請求項11】 前記水溶性有機溶剤が、エチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ペンタエリスリトールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む
ことを特徴とする請求項5ないし9のいずれかに記載のインクジェット用インク
【請求項12】 前記水溶性有機溶剤が、ラクタム類を含む
ことを特徴とする請求項5ないし11のいずれかに記載のインクジェット用インク
【請求項13】 前記ラクタム類が、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタムからなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を含む
ことを特徴とする請求項12に記載のインクジェット用インク
【請求項14】 前記インクジェット用インクが、尿素類または糖類を含有する
ことを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載のインクジェット用インク
【請求項15】 前記尿素類は、尿素、チオ尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンからなる群より選ばれる1種類を含む
ことを特徴とする請求項14に記載のインクジェット用インク
【請求項16】 前記糖類は、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン、マルトースからなる群より選ばれる少なくとも1種類を含む
ことを特徴とする請求項14に記載のインクジェット用インク
【請求項17】 前記インクジェット用インクは、25℃における粘度が8mPa・sec以上20mPa・sec以下である
ことを特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載のインクジェット用インク
【請求項18】 前記インクジェット用インクは、アニオン系またはノニオン系界面活性剤を含有する
ことを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載のインクジェット用インク
【請求項19】 前記アニオン系またはノニオン系界面活性剤が、下記の一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類を含む
ことを特徴とする請求項18に記載のインクジェット用インク
【化1】

Figure 2003213179
【化2】
Figure 2003213179
【化3】
Figure 2003213179
【化4】
Figure 2003213179
【化5】
Figure 2003213179
【化6】
Figure 2003213179
【請求項20】 前記アニオン系またはノニオン系界面活性剤の含有量は、0.1wt%以上5wt%以下である
ことを特徴とする請求項18又は19に記載のインクジェット用インク
【請求項21】 前記インクジェット用インクは、25℃における表面張力が35dyne/cm以下である
ことを特徴とする請求項18ないし20のいずれかに記載のインクジェット用インク
【請求項22】 水と着色剤と水溶性有機溶剤を必須成分とするインクジェット用インクにエネルギーを付与して、微細孔から該インクジェット用インクを吐出させて記録を行うインクジェット記録方法において、
前記インクジェット用インクを普通紙に吐出させたときの吸収係数を3ml/(m2・(msec)1/2)以上とし、かつ、このときの接触角θ0を10°以上40°未満とする
ことを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項23】 水と着色剤と水溶性有機溶剤を必須成分とするインクジェット用インクにエネルギーを付与して、微細孔から該インクジェット用インクを吐出させて記録を行うインクジェット記録方法において、
前記インクジェット用インクを普通紙に吐出させたときの接触角θ0を10°以上40°未満とし、かつ、接触1秒後の接触角θ1と接触角θ0との関係を、
θ1>(1/2)・θ0
で表される関係とする
ことを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項24】 前記インクジェット記録方法は、用いる記録紙が坪量50g/m2以上100g/m2以下の普通紙である
ことを特徴とする請求項22または23に記載のインクジェット記録方法。
【請求項25】 前記インクジェット記録方法は、前記インクジェット用インクに熱エネルギーを作用させてインク吐出を行う
ことを特徴とする請求項22ないし24のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
【請求項26】 前記インクジェット記録方法は、前記インクジェット用インクに力学的エネルギーを作用させてインク吐出を行う
ことを特徴とする請求項22ないし24のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
【請求項27】 前記インクジェット記録方法は、インク滴1個の体積(Mj)が2pl以上35pl以下、周波数が1kHz以上、解像度が300dpi以上のワンパス印字条件にて記録を行う
ことを特徴とする請求項22ないし26のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
【請求項28】 前記インクジェット用インクは、25℃における粘度が5mPa・sec以上20mPa・sec以下であり、かつ、25℃における表面張力が40dyne/cm以下である
ことを特徴とする請求項22ないし27のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
【請求項29】 前記インクジェット用インクは、前記着色剤の重量平均粒子径が50nm以上200nm以下で、含有量が6wt%以上20wt%以下である
ことを特徴とする請求項22ないし28のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
【請求項30】 前記水溶性有機溶剤は、グリセリン、1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールエタンからなる群より選ばれる少なくとも1種類を湿潤剤として含有し、
さらに炭素数8以上11以下の多価アルコールまたはグリコールエーテルを含有する
ことを特徴とする請求項22ないし29のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
【請求項31】 前記湿潤剤の含有量は、10wt%以上50wt%以下である
ことを特徴とする請求項30に記載のインクジェット記録方法。
【請求項32】 前記湿潤剤の含有量は、前記着色剤に対する重量比で2.0以上6.0以下である
ことを特徴とする請求項30又は31に記載のインクジェット記録方法。
【請求項33】 前記湿潤剤の含有量は、前記着色剤に対する重量比で3.0以上5.0以下である
ことを特徴とする請求項30又は31に記載のインクジェット記録方法。
【請求項34】 前記炭素数8以上11以下の多価アルコールまたはグリコールエーテルが、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールまたは2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールを含む
ことを特徴とする請求項30ないし33のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
【請求項35】 前記水溶性有機溶剤が、1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオールからなる群より選択される少なくとも1種類を含む
ことを特徴とする請求項30ないし34のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
【請求項36】 前記水溶性有機溶剤が、エチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ペンタエリスリトールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む
ことを特徴とする請求項30ないし34のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
【請求項37】 前記水溶性有機溶剤が、ラクタム類を含む
ことを特徴とする請求項30ないし36のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
【請求項38】 前記ラクタム類が、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタムからなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を含む
ことを特徴とする請求項37に記載のインクジェット記録方法。
【請求項39】 前記インクジェット用インクが、尿素類または糖類を含有する
ことを特徴とする請求項22ないし38のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
【請求項40】 前記尿素類は、尿素、チオ尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンからなる群より選ばれる1種類を含む
ことを特徴とする請求項39に記載のインクジェット記録方法。
【請求項41】 前記糖類は、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン、マルトースからなる群より選ばれる少なくとも1種類を含む
ことを特徴とする請求項39に記載のインクジェット記録方法。
【請求項42】 前記インクジェット用インクは、25℃における粘度が8mPa・sec以上20mPa・sec以下である
ことを特徴とする請求項22ないし41のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
【請求項43】 前記インクジェット用インクは、アニオン系またはノニオン系界面活性剤を含有する
ことを特徴とする請求項22ないし42のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
【請求項44】 前記アニオン系またはノニオン系界面活性剤が、下記の一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類を含む
ことを特徴とする請求項43に記載のインクジェット記録方法。
【化7】
Figure 2003213179
【化8】
Figure 2003213179
【化9】
Figure 2003213179
【化10】
Figure 2003213179
【化11】
Figure 2003213179
【化12】
Figure 2003213179
【請求項45】 前記アニオン系またはノニオン系界面活性剤の含有量は、0.1wt%以上5wt%以下である
ことを特徴とする請求項43又は44に記載のインクジェット記録方法。
【請求項46】 前記インクジェット用インクは、25℃における表面張力が35dyne/cm以下である
ことを特徴とする請求項43ないし45のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
【請求項47】 水と着色剤と水溶性有機溶剤を必須成分とし、
前記着色剤の含有量が6wt%以上で、普通紙に対する吸収係数が3ml/(m2・(msec)1/2)であり、かつ、普通紙に対する接触角θ0が10°以上40°未満であるインクジェット用インクを収納してなるインクカートリッジ。
【請求項48】 水と着色剤と水溶性有機溶剤を必須成分とし、
前記着色剤の含有量が6wt%以上で、普通紙に対する接触角θ0が10°以上40°未満であり、かつ、接触1秒後の接触角θ1と接触角θ0との関係が、
θ1>(1/2)・θ0
で表されるインクジェット用インクを収納してなるインクカートリッジ。
【請求項49】 記録紙を搬送する搬送部と、インクジェット用インクを記録紙に付着させる付着部とを有し、記録紙に画像を形成するインクジェット記録装置であって、
前記インクジェット用インクは、着色剤の含有量が6wt%以上で、普通紙に対する吸収係数が3ml/(m2・(msec)1/2)であり、かつ、普通紙に対する接触角θ0が10°以上40°未満である
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項50】 記録紙を搬送する搬送部と、インクジェット用インクを記録紙に付着させる付着部とを有し、記録紙に画像を形成するインクジェット記録装置であって、
前記インクジェット用インクは、普通紙に対する接触角θ0が10°以上40°未満であり、かつ、接触1秒後の接触角θ1と接触角θ0との関係が、
θ1>(1/2)・θ0
で表される
ことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項51】 請求項22又は23に記載のインクジェット記録方法により作製される
ことを特徴とするインクジェット記録物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、普通紙を用いた記録に好適なインクジェット用インク及びインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、記録の高速化、カラー化、高密度化などが容易なことから注目されており、インクジェット記録方式を採用した記録装置も普及している。
こうしたインクジェット記録方式に適用される記録紙として、コート紙タイプの紙が専用に用いられてきた。専用記録紙を用いることにより、例えば従来の銀塩写真にせまる高画質化が達成され、近年では個人ユーザーにまで広く普及してきた。
【0003】
一方、ビジネス分野においては、モノクロ画像やビジネスカラー画像を記録する場合が多く、電子写真方式の複写機やプリンタが既に広く普及している。近年、ビジネス文書にもカラー化が増えていることに加え、前述のインクジェットプリンタの価格が急激に低下してきたことから、オフィスにおいてもインクジェットプリンタが徐々に普及する傾向にある。
しかしながら、ビジネス分野においては、写真画質よりもむしろ高速印字性や低コスト化が優先されており、専用記録紙のコスト高が普及の大きな妨げになっている。すなわち、電子写真方式の複写機等と共存するオフィス内で、専ら用いられる普通紙(PPC用紙)と別に管理することの煩雑さも手伝い、入手性が高く、低価格である普通紙に対するインクジェット適性の優れた記録方法が望まれている。
【0004】
また、近年、プリンタの普及等によりますますプリント物が増加しつつある一方で、省資源の観点から紙の消費量を減らそうとの活動が盛んである。オフィスにおいても両面印字などにより、紙消費の削減の必要性がますます高まってきた。オフィスで用いられている記録紙としては、坪量が100g/m2以上の厚手のものが用いられることは少なく、50〜100g/m2の記録紙を用いることが大半であるため、両面印字の際の裏面に印字した画像の裏抜けが今まで以上に重要な課題となってきた。その面でも電子写真方式の方が有利であり、インクジェットプリンタのオフィスへの本格的普及には多くの課題が残されている。
【0005】
現在普及しているインクジェットプリンタで普通紙に記録した場合の問題点を整理すると以下の通りである。(1)水性のインクの吸収性に乏しく、多量のインクが付与されると、インクの乾燥、定着が遅い(インクが未定着、未乾燥の状態で記録面に物が触れると、形成された画像を損なう場合がある)。(2)水性のインクが紙層内に吸収される際に、紙を構成する繊維に沿ってにじみが生じるため、インクドットもしくは画像の外周形状がギザギザ等の不規則形状となる、いわゆるフェザリングが発生し、鮮明な文字、記録画像が得られない。(3)水性インクに用いた染料等の水溶性の着色剤を固定するための特別な構成を有するものではないので、記録画像の耐侯性、耐水性が不十分である。
(1)を解決するための手段としては、普通紙に対してインクの吸収速度を高くすることが有効であるが、紙の内部までインクが浸透してしまうことにより、画像濃度が低下したり、裏抜け濃度が高くなって両面印字性が低下するといった不具合が生じる。
(2)に関しては、例えば特開平7−133453号公報に記載されているように、インクの普通紙との接触角を50°〜130°とすることによって改善されるが、その場合はインクの乾燥速度が遅くなり、高速印字には不適である。
(3)に関しては、水溶性染料に代え、顔料を用いることが検討されている。この場合はノズルへの目詰まり等噴射安定性の課題がある。
以上のように、個々の問題点に対しては改善する手段は知られているものの、これらを同時に満足させる技術は未だ十分ではない。
【0006】
普通紙に対する浸透性を適切に制御して、乾燥性とフェザリングのバランスをとろうとする試みとして、特開平6−136307号公報では、普通紙に対する接触角が30°〜60°である記録用インクが開示され、さらに、特開平6−136308号公報では、普通紙に対する前進張力を5dyne/cmとすることで、乾燥速度と滲み改善の両立が図られている。これらの技術のように、普通紙に対するインクの特性を制御することで、乾燥性と滲みのバランスをとることが可能となってきた。
しかしながら、上記公報に記載の技術では、当時の画質要求レベルではほぼ満足の行く画像が得られるようになったものの、近年要求される画質レベル(例えば黒ベタの画像濃度で1.3以上)には達しないことが判明した。その原因は、紙の内部までインクが浸透していくこと、着色剤として用いている染料では乾燥性と画像濃度のバランスが限界にきていることが考えられる。さらに、上記公報に記載の技術では、染料を用いていることにより、前述した(3)の欠点を克服していない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、従来の技術より画質の向上を図り、高い画像濃度をより高速の印字で達成するためになされたものである。すなわち本発明の課題は、特別の表面処理がされていない普通紙に対しても、インクジェット専用のコート紙並の印字品質が得られ、とりわけ高速で印字した際にも、吐出安定性や保存安定性に優れ、かつ(1)良好な色調、(2)高い画像濃度、(3)文字、画像の周辺部分にフェザリングの生じない鮮鋭度の高い画像、(4)異なる色間の境界にじみ(カラーブリード)のない画像、(5)両面印刷にも耐えうる裏抜けの少ない画像(6)耐水性や耐光性などの画像の堅牢性 を与えることのできるインクジェット用インク、及びインクジェット記録方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者は、比較的少ないインク量で十分高い画像濃度が得られることを必須条件とし、インクが記録紙上に広がった場合にも画像濃度が低下しないよう着色剤の濃度を考慮した上、普通紙への浸透性を適切に調節してインクジェット用インクを設計し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
請求項1に記載の発明は、水と着色剤と水溶性有機溶剤を必須成分とするインクジェット用インクにおいて、前記インクジェット用インクは、前記着色剤の含有量が6wt%以上で、普通紙に対する吸収係数が3ml/(m2・(msec)1/2)であり、かつ、普通紙に対する接触角θ0が10°以上40°未満である。
請求項2に記載の発明は、水と着色剤と水溶性有機溶剤を必須成分とするインクジェット用インクにおいて、前記インクジェット用インクは、前記着色剤の含有量が6wt%以上で、普通紙に対する接触角θ0が10°以上40°未満であり、かつ、接触1秒後の接触角θ1と接触角θ0との関係が、θ1>(1/2)・θ0 で表されるものである。
請求項3に記載の発明は、前記インクジェット用インクの25℃における粘度が5mPa・sec以上20mPa・sec以下であり、かつ、25℃における表面張力が40dyne/cm以下である請求項1または2に記載のインクジェット用インクである。
請求項4に記載の発明は、前記着色剤の重量平均粒子径が50nm以上200nm以下で、含有量が6wt%以上20wt%以下である請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェット用インクである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、前記水溶性有機溶剤が、グリセリン、1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールエタンからなる群より選ばれる少なくとも1種類を湿潤剤として含有し、さらに炭素数8以上11以下の多価アルコールまたはグリコールエーテルを含有する請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェット用インクである。
請求項6に記載の発明は、前記湿潤剤の含有量が10wt%以上50wt%以下である請求項5に記載のインクジェット用インクである。
請求項7に記載の発明は、前記湿潤剤の含有量が、前記着色剤に対する重量比で2.0以上6.0以下である請求項5または6に記載のインクジェット用インクである。
請求項8に記載の発明は、前記湿潤剤の含有量が、前記着色剤に対する重量比で3.0以上5.0以下である請求項5または6に記載のインクジェット用インクである。
請求項9に記載の発明は、前記炭素数8以上11以下の多価アルコールまたはグリコールエーテルが、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールまたは2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールを含む請求項5ないし8のいずれかに記載のインクジェット用インクである。
【0011】
請求項10に記載の発明は、前記水溶性有機溶剤が、1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオールからなる群より選択される少なくとも1種類を含む請求項5ないし9のいずれかに記載のインクジェット用インクである。
請求項11に記載の発明は、前記水溶性有機溶剤が、エチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ペンタエリスリトールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項5ないし9のいずれかに記載のインクジェット用インクである。
請求項12に記載の発明は、前記水溶性有機溶剤が、ラクタム類を含む請求項5ないし11のいずれかに記載のインクジェット用インクである。
請求項13に記載の発明は、前記ラクタム類が、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタムからなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を含む請求項12に記載のインクジェット用インクである。
【0012】
請求項14に記載の発明は、前記インクジェット用インクが、尿素類または糖類を含有する請求項1ないし13のいずれかに記載のインクジェット用インクである。
請求項15に記載の発明は、前記尿素類は、尿素、チオ尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンからなる群より選ばれる1種類を含む請求項14に記載のインクジェット用インクである。
請求項16に記載の発明は、前記糖類は、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン、マルトースからなる群より選ばれる少なくとも1種類を含む請求項14に記載のインクジェット用インクである。
請求項17に記載の発明は、前記インクジェット用インクが、25℃における粘度が8mPa・sec以上20mPa・sec以下である請求項1ないし16のいずれかに記載のインクジェット用インクである。
【0013】
請求項18に記載の発明は、前記インクジェット用インクが、アニオン系またはノニオン系界面活性剤を含有する請求項1ないし17のいずれかに記載のインクジェット用インクである。
請求項19に記載の発明は、前記アニオン系またはノニオン系界面活性剤が、下記の一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類を含む請求項18に記載のインクジェット用インクである。
【化13】
Figure 2003213179
【0014】
【化14】
Figure 2003213179
【0015】
【化15】
Figure 2003213179
【0016】
【化16】
Figure 2003213179
【0017】
【化17】
Figure 2003213179
【0018】
【化18】
Figure 2003213179
【0019】
請求項20に記載の発明は、前記アニオン系またはノニオン系界面活性剤の含有量が、0.1wt%以上5wt%以下である請求項18又は19に記載のインクジェット用インクである。
請求項21に記載の発明は、前記インクジェット用インクが、25℃における表面張力が35dyne/cm以下である請求項18ないし20のいずれかに記載のインクジェット用インクである。
【0020】
請求項22に記載の発明は、水と着色剤と水溶性有機溶剤を必須成分とするインクジェット用インクにエネルギーを付与して、微細孔から該インクジェット用インクを吐出させて記録を行うインクジェット記録方法において、前記インクジェット用インクを普通紙に吐出させたときの吸収係数を3ml/(m2・(msec)1/2)以上とし、かつ、このときの接触角θ0を10°以上40°未満とするインクジェット記録方法である。
請求項23に記載の発明は、水と着色剤と水溶性有機溶剤を必須成分とするインクジェット用インクにエネルギーを付与して、微細孔から該インクジェット用インクを吐出させて記録を行うインクジェット記録方法において、前記インクジェット用インクを普通紙に吐出させたときの接触角θ0を10°以上40°未満とし、かつ、接触1秒後の接触角θ1と接触角θ0との関係を、θ1>(1/2)・θ0 で表される関係とするインクジェット記録方法である。
【0021】
請求項24に記載の発明は、前記インクジェット記録方法が、用いる記録紙が坪量50g/m2以上100g/m2以下の普通紙である請求項22または23に記載のインクジェット記録方法である。
請求項25に記載の発明は、前記インクジェット記録方法が、前記インクジェット用インクに熱エネルギーを作用させてインク吐出を行う請求項22ないし24のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
請求項26に記載の発明は、前記インクジェット記録方法が、前記インクジェット用インクに力学的エネルギーを作用させてインク吐出を行う請求項22ないし24のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
請求項27に記載の発明は、前記インクジェット記録方法が、インク滴1個の体積(Mj)が2pl以上35pl以下、周波数が1kHz以上、解像度が300dpi以上のワンパス印字条件にて記録を行う請求項22ないし26のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
【0022】
請求項28に記載の発明は、前記インクジェット用インクが、25℃における粘度が5mPa・sec以上20mPa・sec以下であり、かつ、25℃における表面張力が40dyne/cm以下である請求項22ないし27のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
請求項29に記載の発明は、前記インクジェット用インクが、前記着色剤の重量平均粒子径が50nm以上200nm以下で、含有量が6wt%以上20wt%以下である請求項22ないし28のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
【0023】
請求項30に記載の発明は、前記水溶性有機溶剤が、グリセリン、1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールエタンからなる群より選ばれる少なくとも1種類を湿潤剤として含有し、さらに炭素数8以上11以下の多価アルコールまたはグリコールエーテルを含有する請求項22ないし29のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
請求項31に記載の発明は、前記湿潤剤の含有量が、10wt%以上50wt%以下である請求項30に記載のインクジェット記録方法である。
請求項32に記載の発明は、前記湿潤剤の含有量が、前記着色剤に対する重量比で2.0以上6.0以下である請求項30又は31に記載のインクジェット記録方法である。
請求項33に記載の発明は、前記湿潤剤の含有量が、前記着色剤に対する重量比で3.0以上5.0以下である請求項30又は31に記載のインクジェット記録方法である。
請求項34に記載の発明は、前記炭素数8以上11以下の多価アルコールまたはグリコールエーテルが、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールまたは2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールを含む請求項30ないし33のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
【0024】
請求項35に記載の発明は、前記水溶性有機溶剤が、1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオールからなる群より選択される少なくとも1種類を含む請求項30ないし34のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
請求項36に記載の発明は、前記水溶性有機溶剤が、エチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ペンタエリスリトールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項30ないし34のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
請求項37に記載の発明は、前記水溶性有機溶剤が、ラクタム類を含む請求項30ないし36のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
請求項38に記載の発明は、前記ラクタム類が、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタムからなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を含む請求項37に記載のインクジェット記録方法である。
【0025】
請求項39に記載の発明は、前記インクジェット用インクが、尿素類または糖類を含有する請求項22ないし38のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
請求項40に記載の発明は、前記尿素類が、尿素、チオ尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンからなる群より選ばれる1種類を含む請求項39に記載のインクジェット記録方法である。
請求項41に記載の発明は、前記糖類が、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン、マルトースからなる群より選ばれる少なくとも1種類を含む請求項39に記載のインクジェット記録方法である。
請求項42に記載の発明は、前記インクジェット用インクが、25℃における粘度が8mPa・sec以上20mPa・sec以下である請求項22ないし41のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
【0026】
請求項43に記載の発明は、前記インクジェット用インクが、アニオン系またはノニオン系界面活性剤を含有する請求項22ないし42のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
請求項44に記載の発明は、前記アニオン系またはノニオン系界面活性剤が、下記の一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種類を含む請求項43に記載のインクジェット記録方法である。
【化19】
Figure 2003213179
【0027】
【化20】
Figure 2003213179
【0028】
【化21】
Figure 2003213179
【0029】
【化22】
Figure 2003213179
【0030】
【化23】
Figure 2003213179
【0031】
【化24】
Figure 2003213179
【0032】
請求項45に記載の発明は、前記アニオン系またはノニオン系界面活性剤の含有量が、0.1wt%以上5wt%以下である請求項43又は44に記載のインクジェット記録方法である。
請求項46に記載の発明は、前記インクジェット用インクが、25℃における表面張力が35dyne/cm以下である請求項43ないし45のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
【0033】
請求項47に記載の発明は、水と着色剤と水溶性有機溶剤を必須成分とし、前記着色剤の含有量が6wt%以上で、普通紙に対する吸収係数が3ml/(m2・(msec)1/2)であり、かつ、普通紙に対する接触角θ0が10°以上40°未満であるインクジェット用インクを収納してなるインクカートリッジである。
請求項48に記載の発明は、水と着色剤と水溶性有機溶剤を必須成分とし、前記着色剤の含有量が6wt%以上で、普通紙に対する接触角θ0が10°以上40°未満であり、かつ、接触1秒後の接触角θ1と接触角θ0との関係が、θ1>(1/2)・θ0 で表されるインクジェット用インクを収納してなるインクカートリッジである。
【0034】
請求項49に記載の発明は、記録紙を搬送する搬送部と、インクジェット用インクを記録紙に付着させる付着部とを有し、記録紙に画像を形成するインクジェット記録装置であって、前記インクジェット用インクは、着色剤の含有量が6wt%以上で、普通紙に対する吸収係数が3ml/(m2・(msec)1/2)であり、かつ、普通紙に対する接触角θ0が10°以上40°未満であるインクジェット記録装置である。
請求項50に記載の発明は、記録紙を搬送する搬送部と、インクジェット用インクを記録紙に付着させる付着部とを有し、記録紙に画像を形成するインクジェット記録装置であって、前記インクジェット用インクは、普通紙に対する接触角θ0が10°以上40°未満であり、かつ、接触1秒後の接触角θ1と接触角θ0との関係が、θ1>(1/2)・θ0 で表されるインクジェット記録装置である。
請求項51に記載の発明は、請求項22又は23に記載のインクジェット記録方法により作製されるインクジェット記録物である。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
本発明のインクジェット用インクは、水と着色剤と水溶性有機溶媒を必須成分とし、着色剤を6wt%以上含有するものである。少ないインク量で十分高い画像濃度を得るために、また、インクが普通紙上に広がった際にも画像濃度の極度の低下を招かないために、着色剤の含有量を6wt%以上とする。
【0036】
加えて本発明のインクジェット用インクは、動的走査吸液装置により測定された普通紙に対する吸収係数が、3ml/(m2・(msec)1/2)以上であり、かつ普通紙に対する接触角θ0が10°以上40°未満である。
ここで、動的走査吸液測定とは、文献「動的走査吸液計の開発と応用」(紙パルプ技術協会誌48(5)、p88(1994)、空閑ら)中に記載されている装置及び方法を用いて行うものである。得られた測定プロットから近似出来る直線部分の傾きを、J.TAPPI紙パルプ試験方法No.51−87「紙及び板紙の液体吸収性試験方法(ブリストー法)」で定義される吸収係数とする。吸収係数が大きい程、インクが記録紙に対し素早く浸透することを意味している。
普通紙に対する吸収係数が、3ml/(m2・(msec)1/2)未満である場合には、紙面上に付着した後も比較的長時間インクが残存し、次の記録紙に記録が行われて重なった場合画像乱れを生じるため、高速印字性が達成されない。したがって、普通紙に対しても高速印字性を有するインクとするために、本発明のインクジェット用インクは、3ml/(m2・(msec)1/2)以上の吸収係数を有するものとする。
【0037】
また、接触角の測定は、普通紙上にインク1滴を滴下した時の状態を水平方向から観察することによって行うものであり、例えば、自動接触角計(協和界面科学株式会社製)を用いて測定することができる。本発明のインクジェット用インクでは、滴下直後の接触角θ0が10°以上40°未満である。図1は、本発明のインクジェット用インクを普通紙に滴下したときのインク滴を模式的に示す図である。普通紙に対する接触角θ0を10°以上40°未満に制御することで、インク滴が形成する画像のドットサイズがインク滴直径の1.5倍〜5倍程度で、比較的円に近い形状とすることができる。
一方、接触角θ0が40°以上であると、普通紙に付着したインク滴の広がりが十分でなく、高い画像濃度が得られないか、もしくは画像濃度を得るために多量のインクを付着させる必要が生じ、乾燥時間が遅れたり、コックリングなどの不具合を生じる。さらに、図2は、普通紙に対する接触角θ0が40°以上であるインク滴を模式的に示す図である。普通紙表面はパルプ繊維が露出した状態であるため、インクの吸収性は不均一となり、図2に示すように、インク滴は紙面上で広がらずに堆積し、一定時間を経過すると、毛管力によって、あるいはミクロ的に繊維の弱い部分に集中して吸収される。これにより、部分的に普通紙裏面にインクが貫通することがあり、画像の裏抜け濃度が高くなって両面印字性を低下させる。
また、図3は、接触角θ0が10°未満であるインク滴を模式的に示す図である。接触角θ0が10°未満である場合には、インクが紙面上に着弾と同時に必要以上に広がり、この際、着色剤の粒子も普通紙の繊維に沿って移動してしまうため、結果としてフェザリングが発生したり画像の輪郭がボケてしまう。さらに、紙の内部にまでインクが浸透することにより画像濃度を低下させ、また裏抜け濃度も高くなって両面印字性を低下させる。
【0038】
また、本発明のインクジェット用インクは、普通紙の対する接触角θ0が10°以上40°未満で、かつ、接触1秒後の接触角θとθの関係が、θ1>(1/2)・θ0で表されるものとする。
特開2000−144028号公報では、測定開始から10秒までの動的接触角の変化量を測定時間(10秒)で除した値を時間変化率として規定し、その値が0.5〜3.5°/秒であるインクが開示されているが、本発明のインクジェット用インクは、高速印字性を向上させるために普通紙への吸収性を大きく改善しており、インクを紙面上に滴下してからの接触角の経時変化が大きいものであるから、このような測定は適さない。そこで、本発明においてはニードルからインク滴(約5μL)を普通紙上に静かに滴下した時の状態を高速度カメラで撮影し、インク滴の映像を時間変化と共に解析することによって接触角の時間変化を測定した。
上記のように、接触1秒後の接触角θとθの関係が、θ1>(1/2)・θ0を満たす場合には、画像濃度、インクの乾燥速度が適正で、画像の裏抜けが少なく両面印字性に優れる。
一方、図4は、θ1が(1/2)・θ0よりも小さくなるインク滴を模式的に示す図である。図4に示すように、インクは過度に広がって滲みが生じ、画像濃度が低下するばかりでなく、画像の裏抜けが大きくなり、両面印字性を低下させる。
なお、本発明者の実験によれば、インクの接触後約2秒以後は記録紙裏面(表面)からのインクの広がりにより正確な接触角を測定することは不可能であるが、1秒後の接触角θ1はインクと記録紙の相互物性を正確に反映していることが確認されている。
【0039】
また、上記したように、普通紙に対する吸収係数が、3ml/(m2・(msec)1/2)以上であり、かつ普通紙に対する接触角θ0が10°以上40°未満であり、さらに接触1秒後の接触角θが、θ1>(1/2)・θ0であることを同時に満足するインクジェット用インクであれば、よりいっそう画像濃度が高く、滲みのない鮮明な画像が得られるとともに、画像の裏抜けが著しく低減し、両面印字性に優れるため、一層好ましい。
【0040】
本発明のインクジェット用インクは、25℃における粘度が5mPa・sec以上20mPa・sec以下であり、表面張力が40dyne/cm以下であることが好ましい。このように高粘度低表面張力のインクを用いることにより、印字品質を格段に向上させることができる。従来のインクジェットプリンタに用いられてきた3mPa・sec程度の低粘度インクでは、普通紙に着弾した際に普通紙の繊維に沿ってインクが流れて広がる傾向が強いため、画像の輪郭が滲んだような形状になるフェザリング現象が発生するのに対し、本発明の5mPa・sec以上20mPa・sec以下の粘度を有するインクでは、普通紙の繊維に沿ってインクが流れる現象を抑えることができる。より好ましくは、8mPa・sec以上の高粘度インクであり、普通紙表面との親和性によって広がる力が支配的になるため、フェザリングがほとんどなくなる。尚、20mPa・sec以上の高粘度になると、ノズルからのインク吐出が不安定になったり、普通紙への浸透性が低下して、画像の定着性が低下するため好ましくない。
また、インクの25℃における表面張力を40dyne/cm以下にすることで、インクのヘッド部材への濡れが良くなるために、例えば8mPa・sec以上の高粘度インクでも周波数応答性が向上し、吐出安定性を格段に向上させることができる。
【0041】
上記の特性を有するインクジェット用インクは、以下の構成からなる。すなわち、可視像として記録するための着色剤、乾燥を防止する湿潤剤としての水溶性有機溶剤、適度の粘度と普通紙への浸透性を付与するための有機溶剤、及び水とを必須成分とし、更に必要に応じて添加剤として、特性制御剤、界面活性剤、樹脂エマルション、防腐剤、pH調製剤などからなる。
【0042】
以下、本発明のインクジェット用インクの各構成要素について説明する。
着色剤
本発明に用いる着色剤は各種染料、顔料いずれでもよいが、画像堅牢性の面で好適には顔料が用いられる。顔料に関しては、特にその種類を限定することなく、無機顔料、有機顔料を使用することができる。無機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
本発明において好ましく用いられる着色剤の具体例としては、以下のものが挙げられる。
黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、408、109、110、117、120、138、153、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36等がある。
本発明の好ましい態様によれば、上記の着色剤のうち、水と親和性の良いものが好ましく用いられる。
【0043】
着色剤の重量平均粒子径は、50nm以上500nm以下が好ましく、さらに好ましくは200nm以下である。重量平均粒子径が500nmを超えると、画像定着性が劣るものとなる。また、重量平均粒子径が50nm未満では、インク粘度が高くなり、ノズル詰まりを生じやすい。着色剤の重量平均粒子径が上記範囲であることにより、画像濃度が高く、定着性に優れた画像を得ることができる。
また、着色剤の含有量は、6wt%以上20wt%以下が好ましく、より好ましくは8wt%以上である。インクが普通紙に浸透したときにも画像濃度の極度の低下を招かないために、6wt%以上とすることは前述の通りであるが、8wt%以上とすることで、十分な画像濃度を確実に得ることができる。一方、着色剤の含有量を高くするとインクの粘度が高くなり、ノズル詰まりを起こしやすくなるため、20wt%以下とすることが好ましい。
【0044】
上記着色剤は、水及び水溶性有機溶剤への分散性を向上させるため、着色剤に親水性基を直接導入した自己分散型、高分子または界面活性剤を分散剤として表面に吸着させた分散剤分散型、あるいは樹脂中に着色剤を包埋したマイクロカプセル型等の形態により用いられる。
【0045】
自己分散型としては、イオン性の親水性基を有する着色剤が好ましく、アニオン性に帯電したものやカチオン性に帯電したものが好適である。
アニオン性に帯電した着色剤表面に結合されている親水性基としては、例えば、−COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO32、−SO2NH2、−SO2NHCOR(但し、式中のMは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わし、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表わす。)等が挙げられる。これらの中で、特に、−COOM、−SO3Mを着色剤表面に結合させたものが好ましい。
又、上記親水性基中の「M」に含まれるアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、有機アンモニウムとしては、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。
アニオン性に帯電した着色剤を得る方法としては、例えば、着色剤を次亜塩素酸ナトリウムで酸化処理する方法、スルホン化する方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法等を用いることができるが、勿論、本発明はこれらに限定されるわけではない。
【0046】
カチオン性に帯電した着色剤表面に結合されている親水性基としては、例えば、第4級アンモニウム基が好ましく、より好ましくは、下記に示す構造を有する第4級アンモニウム基が挙げられ、本発明においては、これらのいずれかが着色剤表面に結合されたものが好ましく使用される。
【0047】
【化25】
Figure 2003213179
【0048】
上記した様な親水性基が結合されたカチオン性の自己分散型着色剤を得る方法としては、例えば、
【化26】
Figure 2003213179
の構造のN−エチルピリジル基を結合させる方法として、着色剤を3−アミノ−N−エチルピリジウムブロマイドで処理する方法等が挙げられるが、勿論、本発明はこれに限定されない。
【0049】
又、本発明においては、上記に挙げた様な親水性基が、他の原子団を介して着色剤の表面に結合されていてもよい。他の原子団としては、例えば、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基が挙げられる。上記した親水性基が他の原子団を介して着色剤の表面に結合する場合の具体例としては、例えば、−C24COOM、−PhSO3M、−C510NH3 +等が挙げられるが、勿論、本発明はこれらに限定されない。
【0050】
次に、分散剤分散型着色剤を作製するための分散液としては、例えば以下のものが挙げられる。ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、これらの共重合体は重量平均分子量が3,000〜50,000であるのが好ましく、より好ましくは5,000〜30,000、最も好ましくは7,000〜15,000である。分散剤の添加量は、着色剤を安定に分散させ、本発明の他の効果を失わせない範囲とし、着色剤と分散剤との割合としては、1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、より好ましくは1:0.125〜1:3の範囲である。
【0051】
その他の着色剤の分散方法として、着色剤をマイクロカプセルとして樹脂粒子中に包含させ、水中に分散可能としたものであっても良い。カプセル化の方法は、コアセルベーション法、相分離法等公知のマイクロカプセル化法によって作製可能であり、例えば特開平1−170672号公報、特開平5−3944号公報、特開平6−313141号公報等に記載されている方法を用いることができる。
【0052】
水溶性有機溶剤
本発明のインクジェット用インクは水を液媒体として使用するものであるが、インクの乾燥を防止する湿潤剤として、水溶性有機溶剤を必須成分とする。水溶性有機溶剤の使用は、インクを所望の物性にし、また、着色剤の溶解安定性を向上させるという目的も兼ねる。加えて、本発明では、特に、普通紙に対する接触角と浸透性を制御する機能を発揮させる意味で、水溶性有機溶剤の選択は重要である。
湿潤剤としての水溶性有機溶剤の具体例としては、以下のものが挙げられる。これら水溶性有機溶媒は、適宜複数混合して使用することが望ましい。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類;プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等である。
【0053】
これら水溶性有機溶剤の中でも、特に、グリセリン、1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンが好ましい。これらは、特に着色剤の溶解安定性に優れ、また、水分蒸発による噴射特性不良の防止に対しても優れた効果を発揮するからである。
【0054】
上記湿潤剤の含有量は10wt%以上50wt%以下であることが好ましい。湿潤剤の含有量が10wt%未満であると、インクの乾燥を十分に防止することができない。また、湿潤剤の含有量が50wt%を超えると、インクの最適な粘度が得られないからである。
また、着色剤の含有量の好ましい範囲は、先に示したとおり6wt%以上20wt%以下であるが、例えば、着色剤の含有量に対する湿潤剤の含有量が十分でないと、ノズルプレート上で着色剤の乾燥が進み吐出不良をもたらしてしまう。すなわち、着色剤と湿潤剤との含有量の比が、ヘッドからのインク吐出安定性に与える影響は大きいため、両者の比を考慮する必要がある。そこで、湿潤剤の含有量は、着色剤に対する重量比で、2.0以上6.0以下が好ましく、より好ましくは3.0以上5.0以下の範囲である。この範囲にあるインクは、乾燥性や保存試験や信頼性試験が非常に良好である。
【0055】
浸透性付与剤
本発明のインクジェット用インクは、上記湿潤剤に加えて、普通紙に対する浸透性を付与する有機溶剤として炭素数8以上11以下の多価アルコールまたはグリコールエーテルを含有することを特徴とする。
これらの有機溶剤をインクジェット用インク全重量に対して0.1〜10.0wt%添加したところ、普通紙に対するインクの接触角を著しく低下させることが分かり、本発明における重要な材料と知見した。さらに、インク中にこれを少量添加することによって、インク吐出ヘッドの液室や熱素子への濡れ性が著しく改良され、吐出安定性および周波数安定性が得られることが分かった。
炭素数8以上11以下の多価アルコールまたはグリコールエーテルは、25℃の水中において0.1wt%以上4.5wt%未満の溶解度を有する部分的に水溶性の多価アルコールまたはグリコールエーテルが好ましい。特に好適な有機溶剤として、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(20℃における溶解度:4.2wt%)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール(25℃における溶解度:2.0wt%)があげられる。これらの有機溶剤は、普通紙に対する浸透性が極めて高いため、本発明のインクジェット用インクの普通紙に対する吸収係数、あるいは接触角を制御するには好適の材料である。
尚、水に対する溶解度の低さは、他の有機溶剤、界面活性剤との組み合わせにより、その溶解性を補うことができる。このような材料の組み合わせにより、高浸透性のインクジェット用インクを作製することが可能となる。
【0056】

本発明のインクジェット用インクに用いられる水は、粒子の沈殿等を防止したり、適度な電気絶縁性を持たせる意味で不純物、特にイオン性物質の少ないものが好ましく、純水、超純水、蒸留水、イオン交換水等を用いることができる。
【0057】
特性制御剤
本発明のインクジェット用インクは、特性制御剤として尿素類または糖類を含むことが好ましい。尿類または糖類は、水との親和性が強いことから、インクに含まれる水の蒸発を防止する効果がある。本発明のインクジェット用インクは、着色剤の含有量が6wt%以上と高いため、尿素類または糖類を添加することでインクの乾燥を抑制し、ノズルの目詰まりが生じるのを効果的に防止する。
尿素類として好ましい化合物は、尿素、チオ尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである。これらの化合物は、特にノズルの目詰まり防止効果が高い。
また、糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげられる。これらの糖類は誘導体を用いても良い。誘導体としては、還元糖(例えば、糖アルコール(一般式:HOCH2(CHOH)nCH2OH 但し、nは2〜5の整数を表す。))、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などがあげられる。
糖類の好ましい化合物としては、マルトース、ソルビトース、グルコノラクトン、マルトースである。これらの化合物は、特にノズルの目詰まり防止効果が高い。
【0058】
界面活性剤
本発明のインクジェット用インクに界面活性剤を添加することにより、普通紙への濡れ性をさらに改善することができる。特に、アニオン系またはノニオン系界面活性剤が普通紙に対するインク特性を改善するのに好適である。先に示した一般式(I)、(II)で表される化合物がアニオン系界面活性剤として好適な例、また、一般式(III)〜(VI)で表される化合物がノニオン系界面活性剤として好適な例である。これらの化合物は単独で、あるいは複数を組み合わせて用いることができる。
一般式(I)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、または一般式(II)で表される炭素鎖が5〜7の分岐したアルキル鎖を有するジアルキルスルホ琥珀酸は、普通紙に対するインク特性を改善するとともに、さらに着色剤の溶解・分散安定性を向上させる。また、一般式(I)、(II)のMをリチウムイオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウムとすることで、優れた溶解安定性を得ることができる。
また、一般式(III)で表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、一般式(IV)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル、一般式(V)で表されるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、あるいはポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンアルキルエーテル、一般式(VI)で表されるアセチレングリコール系化合物を用いることにより、インクの浸透性を相乗的に向上させることができ、これにより色境界にじみが低減され、また文字にじみも少ないインクを得ることができる。
上記に示した一般式(I)〜(VI)で表される界面活性剤の添加量は、0.05wt%以上10wt%以下が好ましく、更に好ましくは、0.1wt%以上5wt%である。上記範囲とすることで、プリンターシステムにより要求されるインク特性に対し所望の浸透性をあたえることが可能である。界面活性剤の添加量が0.05wt%未満では、いずれの場合も2色重ね部の境界でのにじみが発生し、また、10wt%を超えると界面活性剤自体が低温で析出しやすくなるため信頼性を欠く原因となる。
【0059】
樹脂エマルション
樹脂エマルションとは、連続相が水であり、分散相が次の様な樹脂成分であるエマルションを意味する。分散相の樹脂成分としてはアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などがあげられる。
本発明の好ましい態様によれば、この樹脂成分は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径はエマルションを形成する限り特に限定されないが、150nm程度以下が好ましく、より好ましくは5〜100nm程度である。
これらの樹脂エマルションは、樹脂粒子を、場合によって界面活性剤とともに水に混合することによって、もしくは乳化重合法等既知の重合方法によって得ることができる。例えば、アクリル系樹脂またはスチレン−アクリル系樹脂のエマルションは、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルとを過硫酸カリウム等の水溶性ラジカル重合開始剤とともに水と混合し、必要に応じて界面活性剤を加え、不活性ガス雰囲気下で重合することによって得ることができる。
また、樹脂エマルションの添加量は、その樹脂成分がインク全重量の0.1〜20wt%であるのが好ましく、より好ましくは1〜10wt%の範囲である。
樹脂エマルションは、記録紙に付着後、乾燥過程において増粘・凝集する性質を持ち、着色剤の浸透を抑制し、さらに記録紙への定着を促進する効果を有する。また、樹脂エマルションの種類によっては記録紙上で皮膜を形成し、印刷物の耐擦性をも向上させる効果を有する。
【0060】
防腐剤
防腐剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等を使用することができる。
【0061】
pH調整剤
pH調整剤としては、インク特性に悪影響を及ぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。
その例として、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
【0062】
その他の添加剤
その他の添加剤として、例えば、防錆剤として、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
また、目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤等を添加することができる。
【0063】
次に、本発明のインクジェット記録方法は、水と着色剤と水溶性有機溶剤を必須成分とするインクジェット用インクにエネルギーを付与して、微細孔からインクジェット用インクを吐出させて記録を行うインクジェット記録方法であって、インクジェット用インクを普通紙に吐出させたときの吸収係数を3ml/(m2・(msec)1/2)以上とし、かつ、このときの接触角θ0を10°以上40°未満とする記録方法である。前述の通り、吸収係数は動的走査吸液装置により測定されるものであり、この値が3ml/(m2・(msec)1/2)以上であれば、普通紙に対しても高速印字が達成できる。また、インク滴の普通紙に対する接触角θ0を10°以上40°未満とすることにより、インク滴が形成する画像のドットサイズがインク滴直径の1.5倍〜5倍程度で、比較的円に近い形状とすることができ、高い画像濃度が得られる。また、画像裏抜けもなく、両面印字性に優れる。一方、接触角θ0が40°以上であると、普通紙に付着したインク滴の広がりが十分でなく、高い画像濃度が得られない。また、インクの吸収性が不均一となるため、部分的に普通紙裏面にインクが貫通することがあり、画像の裏抜け濃度が高くなって両面印字性を低下させる。接触角θ0が10°未満である場合には、インクが紙面上に着弾と同時に必要以上に広がるため、着色剤の粒子も普通紙の繊維に沿って移動し、フェザリングの発生や、画像の輪郭ボケが生じる。さらに、紙の内部にまでインクが浸透することにより画像濃度を低下させ、また裏抜け濃度も高くなって両面印字性を低下させる。
【0064】
また、インクジェット用インクを普通紙に吐出させたときの接触角θ0を10°以上40°未満とし、かつ、接触1秒後の接触角θ1と接触角θ0との関係を、θ1>(1/2)・θ0 で表される関係とすることでも上記と同様の効果を得ることができる。接触1秒後の接触角θ1は、先にも示したように、普通紙上に静かに滴下したインク滴の状態を高速度カメラで撮影し、インク滴の映像を時間変化と共に解析することによって測定できる。θ1が(1/2)・θ0よりも小さくなると、インクは過度に広がって滲みが生じ、画像濃度が低下するばかりでなく、画像の裏抜けが大きくなり、両面印字性を低下させる。
【0065】
本発明のインクジェット記録方法は、上記のように普通紙に対する高速印字性、高画像濃度、及び良好な両面印字性を達成できる方法であるため、一般的にオフィスで電子写真方式の複写機用に用いられている坪量50g/m2以上100g/m2以下のPPC用紙を用いることが可能である。すなわち、インクジェット記録用の専用紙を用いなくとも、低価格の記録紙で、良好な画像を得ることができるため、インクジェット記録装置のオフィスにおける利用等、利用の幅を広げることができる。
【0066】
また、更に高速の印字を行う方法として、記録ヘッドのスキャン回数が1回のみのワンパス印字がある。この場合、一度に多量のインクを吐出することになり、記録画像の乾燥速度が低下する、あるいは、乾燥速度の低下を防ぐため、インクの浸透性を上げることで、今度は画像滲みが増えたり、画像濃度が低下するといった不具合が生じる。そこで、本発明のインクジェット用インクを用いることで、このような高速印字も対応し、画像滲みもなく、画像濃度も高く、インクの記録紙への適正な浸透性により、記録画像の乾燥速度も速く、良好な画像を提供することができる。ワンパス印字条件としては、特にインク滴1個の体積(Mj)が2pl以上35pl以下、周波数が1kHz以上、解像度が300dpi以上とすることが好ましい。このような条件により、高画質の画像を得ることができる。
【0067】
尚、本発明のインクジェット記録方法に好適に用いられるインクジェット用インクは、前述した通りであり、ここでは説明を省く。
【0068】
次に、本発明のインクジェット用インク、及びインクジェット記録方法をインクカートリッジ、及びインクジェット記録装置に用いた例を示す。尚、以下は構成例の1つに過ぎず、本発明になんら限定を加えるものではない。
図5は、本発明のインクジェット用インクを収容した記録液収容部を備えたインクカートリッジを搭載するシリアル型インクジェット記録装置の機構部の概略正面図である。このインクジェット記録装置の機構部は、両側の側板1、2間に主支持ガイドロッド3及び従支持ガイドロッド4を略水平な位置関係で横架し、これらの主支持ガイドロッド3及び従支持ガイドロッド4でキャリッジユニット5を主走査方向に摺動自在に支持している。キャリッジユニット5には、それぞれイエロー(Y)インク、マゼンタ(M)インク、シアン(C)インク、ブラック(Bk)インクをそれぞれ吐出する4個のヘッド6を、その吐出面(ノズル面)6aを下方に向けて搭載し、またキャリッジユニット5のヘッド6の上側には4個のヘッド6に各々インクを供給するための各色のインク供給体である4個のインクカートリッジ7y,7m,7c,7kを交換可能に搭載している。
【0069】
キャリッジユニット5は主走査モータ8で回転される駆動プーリ(駆動タイミングプーリ)9と従動プーリ(アイドラプーリ)10との間に張装したタイミングベルト11に連結して、主走査モータ8を駆動制御することによってキャリッジ5、即ち4個のヘッド6を主走査方向に移動するようにしている。
また、側板1、2をつなぐ底板12上にサブフレーム13、14を立設し、このサブフレーム13、14間に用紙16を主走査方向と直交する副走査方向に送るための搬送ローラ15を回転自在に保持している。そして、サブフレーム14側方に副走査モータ17を配設し、この副走査モータ17の回転を搬送ローラ15に伝達するために、副走査モータ17の回転軸に固定したギヤ18と搬送ローラ15の軸に固定したギヤ19とを備えている。
【0070】
さらに、側板1とサブフレーム13との間には、ヘッド6の信頼性維持回復機構(以下、「サブシステム」と称する。)21を配置している。サブシステム21は、各ヘッド6の吐出面をキャッピングする4個のキャップ手段22をホルダ23で保持し、このホルダ23をリンク部材24で揺動可能に保持している。そして、キャリッジユニット5の主走査方向の移動でホルダ23に設けた係合部25にキャリッジユニット5が当接すると、その動作に従ってホルダ23がリフトアップしキャップ手段22でインクジェットヘッド6の吐出面6aをキャッピングする。また、キャリッジユニット5が印写領域側へ移動することで、その動作に従ってホルダ23がリフトダウンしてキャップ手段22がインクジェットヘッド6の吐出面6aから離れるようにしている。
なお、キャップ手段22は、それぞれ吸引チューブ26を介して吸引ポンプ27に接続すると共に、大気開放口を形成して、大気開放チューブ及び大気開放バルブを介して大気に連通している。また、吸引ポンプ27は吸引した廃液を、ドレインチューブ等を介して図示しない廃液貯留槽に排出する。
さらに、ホルダ23の側方には、インクジェットヘッド6の吐出面6aをワイピングする繊維部材、発泡部材或いはゴム等の弾性部材からなるワイピング手段であるワイパブレード28をブレードアーム29に取付け、このブレードアーム29は揺動可能に軸支し、図示しない駆動手段で回動されるカムの回転によって揺動させるようにしている。
【0071】
次に、インクカートリッジについて説明する。図6は、インクカートリッジの外観斜視図、図7は、インクカートリッジの正断面図である。インクカートリッジ7は、図7に示すように、カートリッジ本体41内に所要の色のインクを吸収させたインク吸収体42を収容してなる。カートリッジ本体41は、上部に広い開口を有するケース43の上部開口に上蓋部材44を接着又は溶着して形成したものであり、例えば樹脂成型品からなる。また、インク吸収体42は、ウレタンフォーム体等の多孔質体からなり、カートリッジ本体41内に圧縮して挿入した後、インクを吸収させている。
カートリッジ本体41のケース43底部には記録ヘッド6へインクを供給するためのインク供給口45を形成し、このインク供給口45内周面にはシールリング46を嵌着している。また、上蓋部材44には大気開放口47を形成している。
そして、カートリッジ本体41には、装填前の状態で、インク供給口45を塞ぐと共に装填時や輸送時などのカートリッジ取扱い時、或いは真空包装時による幅広側壁に係る圧力でケース43が圧縮変形されて内部のインクが漏洩することを防止するため、キャップ部材50を装着している。
また、大気開放口47は、図6に示すように、酸素透過率が100ml/m2以上のフィルム状シール部材55を上蓋部材44に貼着してシールしている。このシール部材55は大気開放口47と共にその周囲に形成した複数本の溝48をもシールする大きさにしている。このように大気開放口47を酸素透過率が100ml/m2以上のシール部材55でシールすることで、インクカートリッジ7を透気性のないアルミラミネートフィルム等の包装部材を用いて減圧状態で包装し、インク充填時やインク吸収体42とカートリッジ本体41との間に生じる空間A(図7参照)にある大気のためにインク中に気体が溶存したときでも、シール部材55を介してインク中の空気が真空度の高いカートリッジ本体41外の包装部材との間の空間に排出され、インクの脱気度が向上する。
【0072】
また、図8は、本発明のインクジェット用インクを収容した記録液収容部と、インク液滴を吐出させるためのヘッド部を備えた記録ユニットの構成例を示す図である。記録ユニット30は、シリアルタイプのものであり、インクジェットヘッド6と、このインクジェットヘッド6に供給されるインクを収容するインクタンク41と、このインクタンク41内を密閉する蓋部材44とで主要部が構成される。インクジェットヘッド6には、インクを吐出するための多数のノズル32が形成されている。インクはインクタンク41から、図示しないインク供給管を介して、やはり図示しない共通液室へと導かれ、電極31より入力されるインクジェット記録装置本体からの電気信号に応じて、ノズル32より吐出される。
このようなタイプの記録ユニットは、構成上、安価に製造できるタイプのヘッド、いわゆるサーマル方式、バブル方式と呼ばれる、熱エネルギーを駆動の動力源とするヘッドに適した構造である。本発明のインクジェット用インクは、サーマル方式、バブル方式等の記録方法において、吐出安定性及び周波数安定性が得られ、かつ安全性も高く、非常に適している。
【0073】
尚、ここでは、前述のようなシリアル型インクジェット記録装置を説明したが、本発明のインクジェット用インク及び記録方法は、ノズルを千鳥など任意の配列で、目的とする画像の解像度と同じか数分の1程度の密度に集積し、記録紙の幅以上に配列させた、いわゆるラインヘッドを有するインクジェット記録装置に適用することも可能である。
また、ここでいうインクジェット記録装置とは、パソコンやデジタルカメラ用の出力プリンタのみならず、ファックスやスキャナ、電話などと組み合わせた複合的な機能を有する装置であっても構わない。
【0074】
また、本発明のインクジェット用インクを用い、上記記録方法により作製されるインクジェット記録物は、画像滲みや色境界滲みのない非常に良好な画像であり、耐水性、耐光性にも優れた記録物である。特に、記録紙として普通紙を用いた場合でも、上記のように高い画像品質の記録物とすることができる。
【0075】
【実施例】
以下、本発明を具体化した実施例について説明する。
先ず、自己分散型の着色剤を得るための表面処理について具体例を挙げる。
<自己分散型カーボンブラック分散液aの調製>
表面積が130m2/gでDBP吸油量が70ml/100gのカーボンブラック100gと、p−アミノ−N−安息香酸34gとを水750gに混合分散し、これに硝酸16gを滴下して70℃で撹拌した。5分後、50gの水に11gの亜硝酸ナトリウムを溶かした溶液を加え、更に1時間撹拌した。得られたスラリーを10倍に希釈し、遠心処理により粗大粒子を除き、ジエタノールアミンにてpHをpH8−9に調整し、限外濾過膜にて脱塩濃縮し着色剤濃度15wt%のカーボンブラック分散液とした。これをポリプロピレン製の孔径0.5μmフィルターにて濾過し、カーボンブラック分散液aとした。平均粒子径は99nmであった
【0076】
<自己分散型フタロシアニン顔料bの調製(シアン)>
20gのフタロシアニンブルー(ピグメントブルー15:3)を4.0gのスルファニル酸と混合した。この混合物を70℃のウォーターバス中のビーカーに入れた。74.32gの蒸留水中に溶解した1.68gの亜硝酸ナトリウムからなる溶液を、急速に混合しながらビーカーに加え、スラリーを形成させた。塩化水素酸をこの溶液に加え、スラリーのpHを2に調節した。マグネティックスターラーを用いて1時間、スラリーを70℃において急速に混合し、その後、70℃で炉内で乾燥させた。得られた材料は、乾燥した、−C64SO3 Na基を有する、改質された着色剤であった。
表面改質された着色剤6gをソックレー抽出器中においてメタノールを用いて10時間抽出し、あらゆる反応副生成物を除去し、そして再乾燥した。得られたフタロシアニン顔料bは水性媒体中で攪拌時に容易に分散された。
【0077】
<自己分散型キナクリドン顔料cの調製(マゼンタ)>
フタロシアニンブルーの代わりに、ホスタパームピンクE顔料(ピグメントレッド122)を用いた以外は、上記の自己分散型フタロシアニンブルー顔料と同様の手順により、改質されたキナクリドン顔料cを得た。得られたキナクリドン顔料cは水性媒体中で攪拌時に容易に分散された。
【0078】
<自己分散型イエロー顔料dの調製>
フタロシアニンブルーの代わりに、ピグメントイエロー74を用いた以外は、上記の自己分散型フタロシアニンブルー顔料と同様の手順により、改質されたイエロー顔料dを得た。得られたイエロー顔料dは水性媒体中で攪拌時に容易に分散された。
【0079】
以下に、本発明のインクジェット用インクの作製及びこれを用いた各種試験について実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例に記載の各成分の量(%)は重量基準であり、市販の着色剤分散体および樹脂エマルションの量は、有効成分(固形分)量を表す。
【0080】
(実施例1)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化リチウム10%水溶液にてpHを9に調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、インクジェット用インクを得た。
自己分散型カーボンブラック分散液a 10.0wt%
ジプロピレングリコール 20.0wt%
グリセリン 10.0wt%
N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン 5.0wt%
界面活性剤(一般式(I)におけるR=C12、m=3) 2.0wt%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0wt%
マイクロジェルE−1002(日本ペイント社製) 3.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0081】
(実施例2)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化ナトリウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
自己分散型フタロシアニン顔料b 8.0wt%
トリエチレングリコール 22.5wt%
グリセリン 7.5wt%
2−ピロリドン 5.0wt%
界面活性剤(一般式(I)におけるR=C12、m=4) 2.0wt%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0wt%
スチレン−メタクリル酸ブチル樹脂エマルション 3.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0082】
(実施例3)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化リチウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
自己分散型キナクリドン顔料c 13.0wt%
プロピレングリコール 30.0wt%
グリセリン 10.0wt%
N−メチル−2−ピロリドン 2.0wt%
界面活性剤(一般式(I)におけるR=C12、m=5) 2.0wt%
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2.0wt%
スチレン−メタクリル酸オクチル樹脂エマルション 3.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0083】
(実施例4)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化リチウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
自己分散型イエロー顔料d 10.0wt%
1,3−ブタンジオール 22.5wt%
グリセロリン 7.5wt%
2−ピロリドン 5.0wt%
界面活性剤(一般式(I)におけるR=C12、m=6) 2.0wt%
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2.0wt%
メタクリル酸メチル樹脂エマルション 3.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0084】
(実施例5)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化リチウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
カーボンブラック(CAB-O-JET300;キャボット社製) 12.0wt%
2,3−ブタンジオール 22.5wt%
グリセリン 7.5wt%
N−メチル−2−ピロリドン 3.0wt%
界面活性剤(一般式(II)におけるR=C6) 2.0wt%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0085】
(実施例6)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化リチウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
シアン顔料(IJX253C;キャボット社製) 10.0wt%
ジプロピレングリコール 15.0wt%
グリセリン 15.0wt%
N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン 5.0wt%
界面活性剤(一般式(II)におけるR=C6) 2.0wt%
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0086】
(実施例7)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化リチウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
マゼンタ顔料(IJX266D;キャボット社製) 10.0wt%
1,3−プロパンジオール 22.5wt%
グリセリン 7.5wt%
2−ピロリドン 5.0wt%
界面活性剤(一般式(II)におけるR=C6) 2.0wt%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0087】
(実施例8)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化リチウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
イエロー顔料(IJX273B;キャボット社製) 10.0wt%
1,4−ブタンジオール 22.5wt%
グリセリン 7.5wt%
N−メチル−2−ピロリドン 2.0wt%
界面活性剤(一般式(II)におけるR=C6) 2.0wt%
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0088】
(実施例9)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化リチウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
樹脂分散型カーボンブラック(大日精化社製) 10.0wt%
1,5−ペンタンジオール 15.0wt%
グリセリン 15.0wt%
N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン 2.0wt%
ノニオン系界面活性剤(ディスパノールTOC;日本油脂社製)
2.0wt%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0089】
(実施例10)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化リチウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
シアン顔料(Li0 Jet Cyan;東洋インキ社製) 11.0wt%
1,6−ヘキサンジオール 22.5wt%
グリセリン 7.5wt%
2−ピロリドン 3.0wt%
ノニオン系界面活性剤(ディスパノールTOC;日本油脂社製)
2.0wt%
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0090】
(実施例11)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化ナトリウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
マゼンタ顔料(Li0 Jet Magenta;東洋インキ社製) 14.0wt%
2−メチル−2,4−ペンタンジオール 22.5wt%
グリセリン 7.5wt%
N−メチル−2−ピロリドン 5.0wt%
界面活性剤(一般式(III)におけるR=C6、k=5) 2.0wt%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0091】
(実施例12)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化ナトリウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
イエロー顔料(Li0 Jet Yellow;東洋インキ社製) 12.0wt%
1,2,6−ヘキサントリオール 30.0wt%
グリセリン 10.0wt%
N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン 5.0wt%
界面活性剤(一般式(IV)におけるR=C6、n=5) 2.0wt%
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0092】
(実施例13)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化ナトリウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
マイクロカプセル型ブラック顔料(大日本インキ社製) 12.0wt%
トリメチロールプロパン 20.0wt%
グリセリン 20.0wt%
2−ピロリドン 4.0wt%
界面活性剤(一般式(V)におけるR=C6、n=2、M=3)
2.0wt%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0093】
(実施例14)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化リチウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
マイクロカプセル型シアン顔料(大日本インキ社製) 8.0wt%
トリメチロールエタン 22.5wt%
グリセリン 7.5wt%
N−メチル−2−ピロリドン 2.0wt%
界面活性剤(一般式(VI)におけるp+q=15、p+q=0の混合)
2.0wt%
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0094】
(実施例15)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化リチウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
マイクロカプセル型マゼンタ顔料(大日本インキ社製) 10.0wt%
尿素 22.5wt%
グリセリン 7.5wt%
N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン 5.0wt%
アニオン系界面活性剤(ECTD-3NEX;日光ケミカルズ製) 2.0wt%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0095】
(実施例16)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化リチウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
マイクロカプセル型イエロー顔料(大日本インキ社製) 8.0wt%
1,3−ジメチルイミダゾリジノン 15.0wt%
グリセリン 15.0wt%
2−ピロリドン 5.0wt%
アニオン系界面活性剤(ECTD-6NEX;日光ケミカルズ製) 2.0wt%
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0096】
(比較例1)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化ナトリウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
自己分散型カーボンブラック分散液a 5.0wt%
ジエチレングリコール 15.0wt%
グリセリン 5.0wt%
N−メチル−2−ピロリドン 2.0wt%
アニオン系界面活性剤(ECTD-6NEX;日光ケミカルズ製) 1.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0097】
(比較例2)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化リチウム10%水溶液にてpHを9に調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過し、インクジェット用インクを得た。
自己分散型フタロシアニン顔料b 3.0wt%
エチレングリコール 15.0wt%
2−ピロリドン 2.0wt%
アニオン系界面活性剤(ECTD-3NEX;日光ケミカルズ製) 1.0wt%
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0098】
(比較例3)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化リチウムにてpHを9に調整して比較例1と同様にインクジェット用インクを得た。
自己分散型マゼンタ顔料c 6.0wt%
ジエチレングリコール 10.0wt%
グリセリン 5.0wt%
N−メチル−2−ピロリドン 2.0wt%
アニオン系界面活性剤(ECTD-6NEX;日光ケミカルズ製) 1.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0099】
(比較例4)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化リチウムにてpHを9に調整して比較例1と同様にインクジェット用インクを得た。
自己分散型イエロー顔料d 3.0wt%
トリエチレングリコール 15.0wt%
グリセリン 5.0wt%
N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン 2.0wt%
ノニオン系界面活性剤(ディスパノールTOC;日本油脂社製)
1.0wt%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0wt%
エマルジョン 3.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0100】
(比較例5)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化ナトリウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
自己分散型カーボンブラック分散液a 5.0wt%
ジエチレングリコール 22.5wt%
グリセリン 7.5wt%
N−メチル−2−ピロリドン 2.0wt%
アニオン系界面活性剤(ECTD-6NEX;日光ケミカルズ製) 1.0wt%
ノニオン系界面活性剤(ディスパノールTOC;日本油脂社製)
1.0wt%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0101】
(比較例6)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化リチウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
自己分散型フタロシアニン顔料b 3.0wt%
ジエチレングリコール 15.0wt%
グリセリン 5.0wt%
2−ピロリドン 2.0wt%
アニオン系界面活性剤(ECTD-6NEX;日光ケミカルズ製) 1.0wt%
ノニオン系界面活性剤(ディスパノールTOC;日本油脂社製)
2.0wt%
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5wt%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0102】
(比較例7)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化リチウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
自己分散型マゼンタ顔料c 6.0wt%
ジエチレングリコール 10.0wt%
グリセリン 5.0wt%
N−メチル−2−ピロリドン 2.0wt%
ノニオン系界面活性剤(ディスパノールTOC;日本油脂社製)
3.0wt%
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0103】
(比較例8)
下記処方のインク組成物を作製し、水酸化リチウムにてpHを9に調整して実施例1と同様にインクジェット用インクを得た。
自己分散型イエロー顔料d 6.0wt%
ジエチレングリコール 10.0wt%
グリセリン 5.0wt%
N−メチル−2−ピロリドン 2.0wt%
アニオン系界面活性剤(ECTD-6NEX;日光ケミカルズ製) 1.0wt%
ノニオン系界面活性剤(ディスパノールTOC;日本油脂社製)
1.0wt%
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0104】
以上作製したインクジェット記録用インク各々について、表面張力、25℃における粘度、及び記録紙に対する接触角を測定した。記録紙には下記の4種類のPPC用紙を用い、インク滴付着直後の接触角θ0と1秒後の接触角θ1を測定した。
<使用した記録紙>
1)マイペーパー(株式会社NBSリコー製)
2)PB紙(キャノン株式会社製)
3)やまゆり紙(本州製紙株式会社製・再生紙)
4)Xerox4024紙(富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)
【0105】
物性測定の結果を、各インクの着色剤の種類及び湿潤剤含有量とともに表1に示す。
【表1】
Figure 2003213179
【0106】
次に上記実施例1〜16及び比較例1〜8のインクジェット用インクを用い、インクジェットプリンタにより印字を行い、下記の項目について評価した。インクジェットプリンタとしては、EM-900(セイコーエプソン社製)、DeskJet970Cxi(HP社製)、及びIPSiO Jet 300(リコー社製)を用い、ヘッドの駆動電圧、パルス幅、駆動周波数を変え、1滴あたりの吐出量(Mj)が35pl、記録密度は360dpi、ワンパスで画像が形成できるよう調節し、印字した。
印刷パターンは、1ドット画像、1ドットライン、文字画像、ベタ画像(100%duty)を含むものとし、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色インクを適宜組み合わせて印字した。記録紙は、前記の各紙を用いた。同様の印字を連続して1000枚行い、画像の安定性(非吐出ノズルの有無)を評価した。
<評価項目>
1)画像品質
・画素径
1ドット画像をドットアナライザ(DA5000;王子計測機器社製)を用いてドット面積から円相当径を算出し、画素径とした。
・ベタ画像濃度
反射型カラー分光測色濃度計(X-Rite938;X-Rite社製)を用いて測定した。
・両面印字性
ベタ画像の記録紙の裏側から画像濃度を測定し、印刷していない地肌部の濃度を差し引いて裏抜け濃度とし、その値が0.03以下のものを○、0.03を超えるものを×として評価した。なお、0.03という値は目視評価の結果、裏面の画像が気になって表面の文字画像が読み難いか否かを判定して決定した。
・画像滲み
文字及びライン画像を目視で観察し、エッジが鮮明でシャープな文字が形成されているものを○、部分的にひげ状の滲みが見られるが実用上問題ないものを△、エッジがざらついていたり文字がつぶれて実用上不鮮明と感じるものを×とした。
2)画像の乾燥性
印字後の画像に一定条件で濾紙を押しつけ、インクが濾紙に転写しなくなるまでの時間を測定した。いずれの記録紙でも10秒以内で乾燥した場合に○と判定した。
3)連続印字時の信頼性
テスト画像1000枚を連続印字した場合、非噴射ノズルが発生しなかったものを○、発生して画像に欠陥が生じたものを×とした。
4)乾燥目詰まり性評価
ピエゾ型ヘッドを用いたインクジェットプリンタIPSiOJET300(リコー社製)に評価用インクを入れ、インク吐出を確認した後、ノズル面のキャップをすることなく、室温にて30日間放置した。その後、画像を印字し、すべてのノズルからインクが吐出し、正常に印字できたものを○とした。インクが非吐出のノズルがあり、印字画像が乱れたものを×とした。
【0107】
以上の評価結果を表2に示す。なお、画素径及び画像濃度の値はEM900C(セイコーエプソン社製)を用いてマイペーパー紙に印字した値を代表として示した。また、その他の評価項目については各プリンタ、各記録紙における評価結果とも同様であった。
【表2】
Figure 2003213179
【0108】
表1に示すように、実施例1〜16では、インクの普通紙に対する吸収係数が、いずれも3ml/(m2・(msec)1/2)以上であり、かつ同記録紙に対する接触角θ0が10°以上40°未満であった。これらのインクを用いて印字した結果、表2に示すように、ベタ画像濃度1.10〜1.50の高い画像濃度が得られ、両面印字性に優れ、画像滲みもなく、シャープな画像が得られた。また、画像の乾燥性も良好であることから、速やかな定着が可能であるという顕著な効果が得られた。更には、連続印字時の信頼性も高く、乾燥による目詰まりもないことから、経時においても高い信頼性が得られることがわかった。
一方、比較例1〜4に示すように、吸収係数が3ml/(m2・(msec)1/2)未満であったり、接触角θ0が40°以上となる場合には、画像濃度が低く、画像の乾燥速度も遅かった。また、比較例5〜8に示すように、吸収係数が3ml/(m2・(msec)1/2)以上であり、かつ同記録紙に対する接触角θ0が10°以上40°未満であっても、着色剤含有量及び粘度が低く、接触1秒後の接触角θ1が θ1<(1/2)*θ0 となる場合には、乾燥速度は十分であるものの、両面印字性、画像滲みが劣ることがわかった。
【0109】
【発明の効果】
以上説明してきたように、水と着色剤と水溶性有機溶剤を必須成分とし、着色剤の含有量が6wt%以上で、普通紙に対する吸収係数が3ml/(m2・(msec)1/2)であり、かつ接触角θ0が10°以上40°未満である本発明のインクジェット用インクは、高速印字性に優れ、吐出安定性や保存安定性に優れ、かつ良好な色調、高い画像濃度、文字、画像の周辺部分にフェザリングの生じない鮮鋭度の高い画像、異なる色間の境界にじみ(カラーブリード)のない画像、両面印刷にも耐えうる裏抜けの少ない画像を与えることができる。
上記の効果は、普通紙に対する接触角θ0が10°以上40°未満で、かつ、接触1秒後の接触角θ1がθ1>(1/2)*θ0 である本発明のインクジェット用インクによっても同様に得られる。
【0110】
また、上記の物性を有するインクジェット用インクが、特定の湿潤剤及びインクの浸透性を付与する特定の多価アルコールを含むことで、25℃における粘度が5mPa・sec以上と高粘度でありながら、上記のような高い吸収係数と低い接触角とを両立させることが可能となる。これにより、インクドット画像が大きく広がり、かつフェザリングが低減し、更に、紙面上で着色剤が凝集するため従来に比べて裏抜けが格段に少なくなり、両面印字が可能となる。また、ヘッド部材への濡れ性がよくなり、インク組成物気泡排出性の向上、周波数応答性の向上によって高速印字性、インク吐出安定性が格段に向上する。
このように、本発明のインクジェット用インクにより、特別の表面処理がされていない普通紙に対しても、インクジェット専用のコート紙並みの印字品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明のインクジェット用インクを普通紙に滴下したときのインク滴を模式的に示す図である。
【図2】
普通紙に対する接触角θ0が40°以上であるインク滴を模式的に示す図である。
【図3】
普通紙に対する接触角θ0が10°未満であるインク滴を模式的に示す図である。
【図4】
θ1が(1/2)・θ0よりも小さくなるインク滴を模式的に示す図である。
【図5】
シリアル型インクジェット記録装置の機構部の概略正面図である。
【図6】
インクカートリッジの外観斜視図である。
【図7】
インクカートリッジの正断面図である。
【図8】
記録液収容部と、インク液滴を吐出させるためのヘッド部を備えた記録ユニットの構成例を示す図である。
【符号の説明】
5 キャリッジユニット
6 ヘッド
7 インクカートリッジ
8 主走査モータ
9 駆動プーリ
10 従動プーリ
11 タイミングベルト
15 搬送ローラ
16 用紙
17 副走査モータ
18,19 ギヤ
21 信頼性維持回復機構(サブシステム)
30 記録ユニット
31 電極
32 ノズル
42 インク吸収体
45 インク供給口 [Document Name] Statement
[Title of the Invention] Ink for ink jetAnd inkjet recording method
[Claims]
    1. An essential component comprising water, a colorant, and a water-soluble organic solvent.Ink for ink jetAt
  SaidInk for ink jetHas a content of the colorant of 6 wt% or more,
  The absorption coefficient for plain paper is 3 ml / (mTwo・ (Msec)1/2) And the contact angle θ with plain paper0Is 10 ° or more and less than 40 °
  Characterized byInk for ink jet.
    2. Essential components include water, a colorant, and a water-soluble organic solvent.Ink for ink jetAt
  SaidInk for ink jetHas a content of the colorant of 6 wt% or more,
  Contact angle θ for plain paper0Is not less than 10 ° and less than 40 °, and the contact angle θ after 1 second of contact1And contact angle θ0Relationship with
  θ1> (1/2) · θ0
  Is characterized by being represented byInk for ink jet.
    3. The method according to claim 2,Ink for ink jetHas a viscosity at 25 ° C. of 5 mPa · sec or more and 20 mPa · sec or less,
  And the surface tension at 25 ° C. is 40 dyne / cm or less.
  3. The method according to claim 1, whereinInk for ink jet.
    4. The colorant has a weight average particle size of 50 nm or more and 200 nm or less, and a content of 6 wt% or more and 20 wt% or less.
  The method according to any one of claims 1 to 3, whereinInk for ink jet.
    5. The water-soluble organic solvent is glycerin, 1,3-butanediol, triethylene glycol, 1,6-hexanediol, propylene glycol, 1,5-pentanediol, diethylene glycol, dipropylene glycol, trimethylol. Propane, and at least one selected from the group consisting of trimethylolethane as a wetting agent,
  Further contains a polyhydric alcohol or glycol ether having 8 to 11 carbon atoms.
  The method according to any one of claims 1 to 4, whereinInk for ink jet.
    6. The content of the wetting agent is not less than 10 wt% and not more than 50 wt%.
  The method according to claim 5, whereinInk for ink jet.
    7. The content of the wetting agent is not less than 2.0 and not more than 6.0 in weight ratio to the coloring agent.
  7. The method according to claim 5, whereinInk for ink jet.
    8. The content of the wetting agent is not less than 3.0 and not more than 5.0 in weight ratio to the coloring agent.
  7. The method according to claim 5, whereinInk for ink jet.
    9. The polyhydric alcohol or glycol ether having 8 to 11 carbon atoms includes 2-ethyl-1,3-hexanediol or 2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol.
  The method according to any one of claims 5 to 8, whereinInk for ink jet.
    10. The water-soluble organic solvent contains at least one selected from the group consisting of 1,5-pentanediol, 1,7-heptanediol and 1,8-octanediol.
  The method according to any one of claims 5 to 9, whereinInk for ink jet.
    11. The water-soluble organic solvent is ethylene glycol, tetraethylene glycol, polyethylene glycol, tripropylene glycol, 2,3-butanediol, 1,4-butanediol, 1,3-propanediol, 1,4. -At least one selected from the group consisting of -butanediol, 2-methyl-2,4-pentanediol, 1,2,4-butanetriol, 1,2,6-hexanetriol, thiodiglycol, and pentaerythritol
  The method according to any one of claims 5 to 9, whereinInk for ink jet.
    12. The water-soluble organic solvent contains a lactam.
  The method according to any one of claims 5 to 11, whereinInk for ink jet.
    13. The lactam includes at least one selected from the group consisting of 2-pyrrolidone, N-methyl-2-pyrrolidone, N-hydroxyethyl-2-pyrrolidone, and ε-caprolactam.
  The method according to claim 12, whereinInk for ink jet.
    14. The method according to claim 14,Ink for ink jetContains ureas or sugars
  The method according to any one of claims 1 to 13, whereinInk for ink jet.
    15. The urea includes one selected from the group consisting of urea, thiourea, and 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone.
  The method according to claim 14, whereinInk for ink jet.
    16. The saccharide contains at least one selected from the group consisting of maltose, sorbitol, gluconolactone, and maltose.
  The method according to claim 14, whereinInk for ink jet.
    17. The method of claim 17,Ink for ink jetHas a viscosity at 25 ° C. of not less than 8 mPa · sec and not more than 20 mPa · sec.
  The method according to any one of claims 1 to 16, whereinInk for ink jet.
    18. The method according to claim 18,Ink for ink jetContains an anionic or nonionic surfactant
  The method according to any one of claims 1 to 17, whereinInk for ink jet.
    19. The anionic or nonionic surfactant comprises a compound represented by the following general formulas (I), (II), (III), (IV), (V) and (VI). Including at least one selected from the group
  19. The method according to claim 18, whereinInk for ink jet.
Embedded image
Figure 2003213179
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Figure 2003213179
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Figure 2003213179
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Figure 2003213179
    20. The content of the anionic or nonionic surfactant is 0.1 wt% or more and 5 wt% or less.
  The method according to claim 18 or 19, whereinInk for ink jet.
    21. The method according to claim 21,Ink for ink jetHas a surface tension of 35 dyne / cm or less at 25 ° C.
  The method according to any one of claims 18 to 20, whereinInk for ink jet.
    22. Essential components of water, a colorant and a water-soluble organic solvent.Ink for ink jetBy applying energy to the micropores.Ink for ink jetIn an ink jet recording method for performing recording by discharging
  SaidInk for ink jetIs 3 ml / (mTwo・ (Msec)1/2) And the contact angle θ at this time0Is set to 10 ° or more and less than 40 °
  An ink-jet recording method, characterized in that:
    23. Essential components of water, a colorant and a water-soluble organic solvent.Ink for ink jetBy applying energy to the micropores.Ink for ink jetIn an ink jet recording method for performing recording by discharging
  SaidInk for ink jetAngle θ when ejected onto plain paper0Is set to 10 ° or more and less than 40 °, and the contact angle θ after 1 second of contact1And contact angle θ0Relationship with
  θ1> (1/2) · θ0
  And the relationship represented by
  An ink-jet recording method, characterized in that:
    24. The ink-jet recording method, wherein the recording paper used has a basis weight of 50 g / m 2.Two100g / m or moreTwoThe following plain paper
  The ink-jet recording method according to claim 22, wherein:
    25. The inkjet recording method according to claim 25, whereinInk for ink jetEjects ink by applying thermal energy to
  The ink jet recording method according to any one of claims 22 to 24, wherein:
    26. The ink jet recording method according to claimInk for ink jetEjects ink by applying mechanical energy to
  The ink jet recording method according to any one of claims 22 to 24, wherein:
    27. The ink jet recording method performs recording under one-pass printing conditions in which the volume (Mj) of one ink droplet is 2 pl or more and 35 pl or less, the frequency is 1 kHz or more, and the resolution is 300 dpi or more.
  The ink jet recording method according to any one of claims 22 to 26, wherein:
    28. The method according to claim 28,Ink for ink jetHas a viscosity at 25 ° C. of 5 mPa · sec or more and 20 mPa · sec or less, and a surface tension at 25 ° C. of 40 dyne / cm or less.
  The ink-jet recording method according to any one of claims 22 to 27, wherein:
    29. The method according to claim 29,Ink for ink jetHas a weight average particle diameter of the colorant of 50 nm or more and 200 nm or less, and a content of 6 wt% or more and 20 wt% or less.
  An ink jet recording method according to any one of claims 22 to 28, wherein:
    30. The water-soluble organic solvent includes glycerin, 1,3-butanediol, triethylene glycol, 1,6-hexanediol, propylene glycol, 1,5-pentanediol, diethylene glycol, dipropylene glycol, and trimethylol. Propane, and at least one selected from the group consisting of trimethylolethane as a wetting agent,
  Further contains a polyhydric alcohol or glycol ether having 8 to 11 carbon atoms.
  The ink jet recording method according to any one of claims 22 to 29, wherein:
    31. The content of the wetting agent is 10 wt% or more and 50 wt% or less.
  The ink jet recording method according to claim 30, wherein:
    32. The content of the wetting agent is not less than 2.0 and not more than 6.0 in weight ratio to the coloring agent.
  The ink jet recording method according to claim 30 or 31, wherein:
    33. The content of the wetting agent is not less than 3.0 and not more than 5.0 in weight ratio to the coloring agent.
  The ink jet recording method according to claim 30 or 31, wherein:
    34. The polyhydric alcohol or glycol ether having 8 to 11 carbon atoms includes 2-ethyl-1,3-hexanediol or 2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol.
  The ink jet recording method according to any one of claims 30 to 33, wherein:
    35. The water-soluble organic solvent contains at least one selected from the group consisting of 1,5-pentanediol, 1,7-heptanediol and 1,8-octanediol.
  The ink jet recording method according to any one of claims 30 to 34, wherein:
    36. The water-soluble organic solvent comprises ethylene glycol, tetraethylene glycol, polyethylene glycol, tripropylene glycol, 2,3-butanediol, 1,4-butanediol, 1,3-propanediol, 1,4. At least one selected from the group consisting of -butanediol, 2-methyl-2,4-pentanediol, 1,2,4-butanetriol, 1,2,6-hexanetriol, thiodiglycol, and pentaerythritol
  The ink jet recording method according to any one of claims 30 to 34, wherein:
    37. The water-soluble organic solvent contains a lactam
  The ink jet recording method according to any one of claims 30 to 36, wherein:
    38. The lactam contains at least one member selected from the group consisting of 2-pyrrolidone, N-methyl-2-pyrrolidone, N-hydroxyethyl-2-pyrrolidone, and ε-caprolactam.
  38. The ink jet recording method according to claim 37, wherein:
    39. The method according to claim 39,Ink for ink jetContains ureas or sugars
  The ink jet recording method according to any one of claims 22 to 38, wherein:
    40. The ureas include one selected from the group consisting of urea, thiourea, and 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone.
  40. The ink jet recording method according to claim 39, wherein:
    41. The saccharide contains at least one selected from the group consisting of maltose, sorbitol, gluconolactone, and maltose.
  40. The ink jet recording method according to claim 39, wherein:
    42. The method as claimed in claim 42,Ink for ink jetHas a viscosity at 25 ° C. of not less than 8 mPa · sec and not more than 20 mPa · sec.
  The ink jet recording method according to any one of claims 22 to 41, wherein:
    43. The method according to claim 43,Ink for ink jetContains an anionic or nonionic surfactant
  The ink jet recording method according to any one of claims 22 to 42, wherein:
    44. The anionic or nonionic surfactant comprises a compound represented by the following general formulas (I), (II), (III), (IV), (V) and (VI). Including at least one selected from the group
  44. The ink jet recording method according to claim 43, wherein:
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Figure 2003213179
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Figure 2003213179
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    45. The content of the anionic or nonionic surfactant is 0.1 wt% or more and 5 wt% or less.
  The ink-jet recording method according to claim 43 or claim 44.
    46. The method according to claim 46,Ink for ink jetHas a surface tension of 35 dyne / cm or less at 25 ° C.
  The ink jet recording method according to any one of claims 43 to 45, wherein:
    47. Water, a colorant, and a water-soluble organic solvent as essential components,
  When the content of the colorant is 6 wt% or more, the absorption coefficient with respect to plain paper is 3 ml / (mTwo・ (Msec)1/2) And the contact angle θ with plain paper0Is 10 ° or more and less than 40 °Ink for ink jetAn ink cartridge containing
    48. Water, a colorant, and a water-soluble organic solvent as essential components,
  When the content of the coloring agent is 6 wt% or more, the contact angle θ with respect to plain paper is0Is not less than 10 ° and less than 40 °, and the contact angle θ after 1 second of contact1And contact angle θ0Relationship with
  θ1> (1/2) · θ0
  Represented byInk for ink jetAn ink cartridge containing
    49. A transport section for transporting recording paper,Ink for ink jetAnd an adhering portion for adhering to the recording paper, an ink jet recording apparatus for forming an image on the recording paper,
  SaidInk for ink jetMeans that the content of the colorant is 6 wt% or more and the absorption coefficient with respect to plain paper is 3 ml / (mTwo・ (Msec)1/2) And the contact angle θ with plain paper0Is 10 ° or more and less than 40 °
  An ink jet recording apparatus, comprising:
    50. A transport section for transporting recording paper,Ink for ink jetAnd an adhering portion for adhering to the recording paper, an ink jet recording apparatus for forming an image on the recording paper,
  SaidInk for ink jetIs the contact angle θ for plain paper0Is not less than 10 ° and less than 40 °, and the contact angle θ after 1 second of contact1And contact angle θ0Relationship with
  θ1> (1/2) · θ0
  Represented by
  An ink jet recording apparatus, comprising:
    51. Fabricated by the ink jet recording method according to claim 22 or 23.
  An ink jet recorded matter characterized by the above-mentioned.
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
      [0001]
    TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
  The present invention is suitable for recording on plain paper.Ink for ink jetAnd an ink jet recording method.
      [0002]
    [Prior art]
  The ink jet recording method has attracted attention because it is easy to perform high-speed recording, color printing, and high-density printing, and recording apparatuses employing the ink jet recording method have become widespread.
  As recording paper applied to such an ink jet recording method, coated paper type paper has been exclusively used. By using a special recording paper, for example, a high image quality comparable to that of a conventional silver halide photograph has been achieved, and in recent years, it has been widely used by individual users.
      [0003]
  On the other hand, in the business field, monochrome images and business color images are often recorded, and electrophotographic copying machines and printers are already widely used. In recent years, in addition to the increasing use of color in business documents, the price of the above-described inkjet printer has been rapidly decreasing, and accordingly, the inkjet printer tends to gradually spread in offices.
  However, in the business field, high-speed printability and cost reduction are prioritized rather than photographic image quality, and the high cost of dedicated recording paper hinders widespread use. That is, in an office coexisting with an electrophotographic copying machine or the like, the complexity of managing separately from plain paper (PPC paper) exclusively used is also helped, and the inkjet suitability for highly available and low-priced plain paper is improved. An excellent recording method is desired.
      [0004]
  In recent years, while the number of printed materials has been increasing due to the spread of printers and the like, activities for reducing paper consumption have been active from the viewpoint of resource saving. In offices, the need to reduce paper consumption has increased due to double-sided printing. Recording paper used in offices has a basis weight of 100 g / mTwoIt is rare that the above thick one is used, and 50 to 100 g / mTwoIn most cases, the recording paper is used, so that strike-through of an image printed on the back surface during double-sided printing has become an even more important issue. In that respect, the electrophotographic method is more advantageous, and many problems remain for the full-scale spread of inkjet printers in offices.
      [0005]
  The problems when recording on plain paper with an ink jet printer that is currently widespread are summarized as follows. (1) Poor absorbency of water-based ink, drying and fixing of ink is slow when a large amount of ink is applied (the ink is formed when the recording surface is touched while the ink is not fixed or undried) May damage the image). (2) When water-based ink is absorbed into the paper layer, bleeding occurs along the fibers constituting the paper, so that the outer shape of the ink dot or image becomes irregular, such as jagged, so-called feathering. And clear characters and recorded images cannot be obtained. (3) Since it does not have a special configuration for fixing a water-soluble coloring agent such as a dye used in the aqueous ink, the weather resistance and water resistance of the recorded image are insufficient.
  As a means for solving the problem (1), it is effective to increase the ink absorption speed with respect to plain paper. However, since the ink penetrates into the paper, the image density may decrease. In addition, there arises a problem that the strike-through density is increased and the double-sided printability is reduced.
  Regarding (2), as described in, for example, JP-A-7-133453, improvement can be achieved by setting the contact angle of the ink with plain paper at 50 ° to 130 °. The drying speed is slow, which is not suitable for high-speed printing.
  Regarding (3), use of a pigment instead of a water-soluble dye is being studied. In this case, there is a problem of injection stability such as clogging of the nozzle.
  As described above, although means for improving individual problems are known, techniques for simultaneously satisfying these are not yet sufficient.
      [0006]
  As an attempt to properly control the permeability to plain paper to balance the dryness and feathering, JP-A-6-136307 discloses a recording medium having a contact angle of 30 ° to 60 ° with plain paper. An ink is disclosed, and in Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-136308, the drying tension and the improvement of bleeding are both achieved by setting the forward tension on plain paper to 5 dyne / cm. By controlling the characteristics of ink with respect to plain paper as in these techniques, it has become possible to balance dryness and bleeding.
  However, with the technology described in the above publication, although an image that is almost satisfactory at the image quality required level at that time can be obtained, the image quality level required in recent years (for example, a black solid image density of 1.3 or more) is obtained. Turned out not to be reached. It is considered that the cause is that the ink penetrates into the inside of the paper, and that the balance between the drying property and the image density of the dye used as the colorant has reached its limit. Furthermore, the technique described in the above publication does not overcome the above-mentioned disadvantage (3) by using a dye.
      [0007]
    [Problems to be solved by the invention]
  SUMMARY OF THE INVENTION In view of the above problems, the present invention has been made to improve image quality as compared with the related art, and to achieve high image density with higher speed printing. That is, an object of the present invention is to provide a print quality comparable to that of a coated paper dedicated to inkjet, even for plain paper that has not been subjected to special surface treatment, and particularly when printing at a high speed, the ejection stability and storage stability can be improved. (1) good color tone, (2) high image density, (3) high sharpness image with no feathering around characters and image, (4) blurring between boundaries of different colors ( (5) An image without color strike-through that can withstand double-sided printing (6) An image having water fastness and light fastness can be provided.Ink for ink jet, And an ink jet recording method.
      [0008]
    [Means for Solving the Problems]
  In order to solve the above-mentioned problems, the present inventor has set a condition that a sufficiently high image density can be obtained with a relatively small amount of ink, and a coloring agent that does not lower the image density even when the ink spreads on the recording paper. Considering the concentration ofInk for ink jetAnd completed the present invention.
      [0009]
  The invention according to claim 1 includes water, a colorant, and a water-soluble organic solvent as essential components.Ink for ink jetIn the aboveInk for ink jetMeans that the content of the colorant is 6% by weight or more and the absorption coefficient with respect to plain paper is 3 ml / (mTwo・ (Msec)1/2) And the contact angle θ with plain paper0Is 10 ° or more and less than 40 °.
  The invention according to claim 2 includes water, a colorant, and a water-soluble organic solvent as essential components.Ink for ink jetIn the aboveInk for ink jetMeans that the content of the colorant is 6 wt% or more and the contact angle θ with respect to plain paper is0Is not less than 10 ° and less than 40 °, and the contact angle θ after 1 second of contact1And contact angle θ0Is related to θ1> (1/2) · θ0  It is represented by
  The invention according to claim 3 is the above-mentioned invention.Ink for ink jetThe viscosity according to claim 1 or 2, wherein the viscosity at 25 ° C is 5 mPa · sec or more and 20 mPa · sec or less, and the surface tension at 25 ° C is 40 dyne / cm or less.Ink for ink jetIt is.
  In the invention according to claim 4, the colorant has a weight average particle diameter of 50 nm or more and 200 nm or less and a content of 6 wt% or more and 20 wt% or less.Ink for ink jetIt is.
      [0010]
  The invention according to claim 5 is characterized in that the water-soluble organic solvent is glycerin, 1,3-butanediol, triethylene glycol, 1,6-hexanediol, propylene glycol, 1,5-pentanediol, diethylene glycol, dipropylene. The method according to any one of claims 1 to 4, further comprising at least one selected from the group consisting of glycol, trimethylolpropane, and trimethylolethane as a wetting agent, and further comprising a polyhydric alcohol having 8 to 11 carbon atoms or a glycol ether. Crab describedInk for ink jetIt is.
  In the invention according to claim 6, the content of the wetting agent is 10 wt% or more and 50 wt% or less.Ink for ink jetIt is.
  The invention according to claim 7, wherein the content of the wetting agent is 2.0 or more and 6.0 or less in weight ratio to the colorant.Ink for ink jetIt is.
  The invention according to claim 8, wherein the content of the wetting agent is 3.0 or more and 5.0 or less in weight ratio to the colorant.Ink for ink jetIt is.
  The invention according to claim 9 is characterized in that the polyhydric alcohol or glycol ether having 8 to 11 carbon atoms is 2-ethyl-1,3-hexanediol or 2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol. 9. The method according to claim 5, which comprises:Ink for ink jetIt is.
      [0011]
  In the invention according to claim 10, the water-soluble organic solvent contains at least one selected from the group consisting of 1,5-pentanediol, 1,7-heptanediol, and 1,8-octanediol. Any of 5 to 9Ink for ink jetIt is.
  The invention according to claim 11 is characterized in that the water-soluble organic solvent is ethylene glycol, tetraethylene glycol, polyethylene glycol, tripropylene glycol, 2,3-butanediol, 1,4-butanediol, 1,3-propanediol. , 1,4-butanediol, 2-methyl-2,4-pentanediol, 1,2,4-butanetriol, 1,2,6-hexanetriol, thiodiglycol, at least selected from the group consisting of pentaerythritol The method according to any one of claims 5 to 9, comprising one kind.Ink for ink jetIt is.
  According to a twelfth aspect of the present invention, the water-soluble organic solvent contains a lactam.Ink for ink jetIt is.
  In the invention according to claim 13, the lactam includes at least one or more selected from the group consisting of 2-pyrrolidone, N-methyl-2-pyrrolidone, N-hydroxyethyl-2-pyrrolidone, and ε-caprolactam. Claim 12Ink for ink jetIt is.
      [0012]
  The invention according to claim 14 is the inventionInk for ink jetContains ureas or saccharides.Ink for ink jetIt is.
  The invention according to claim 15, wherein the urea includes one kind selected from the group consisting of urea, thiourea, and 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone.Ink for ink jetIt is.
  The invention according to claim 16, wherein the saccharide comprises at least one selected from the group consisting of maltose, sorbitol, gluconolactone, and maltose.Ink for ink jetIt is.
  The invention according to claim 17 is characterized in thatInk for ink jetHas a viscosity at 25 ° C. of not less than 8 mPa · sec and not more than 20 mPa · sec.Ink for ink jetIt is.
      [0013]
  The invention according to claim 18 is the invention,Ink for ink jetContains an anionic or nonionic surfactant.Ink for ink jetIt is.
  In the invention according to claim 19, the anionic or nonionic surfactant is represented by the following general formulas (I), (II), (III), (IV), (V), and (VI). 19. The method according to claim 18, comprising at least one member selected from the group consisting ofInk for ink jetIt is.
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      [0014]
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      [0018]
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      [0019]
  The invention according to claim 20 is the invention according to claim 18 or 19, wherein the content of the anionic or nonionic surfactant is 0.1 wt% or more and 5 wt% or less.Ink for ink jetIt is.
  The invention according to claim 21 is the invention,Ink for ink jetThe surface tension at 25 ° C. is 35 dyne / cm or less, according to any one of claims 18 to 20, whereinInk for ink jetIt is.
      [0020]
  The invention according to claim 22 includes water, a colorant, and a water-soluble organic solvent as essential components.Ink for ink jetEnergy to the microporesThe inkjet inkIn an ink jet recording method for performing recording by dischargingInk for ink jetIs 3 ml / (mTwo・ (Msec)1/2) And the contact angle θ at this time0Is 10 ° or more and less than 40 °.
  The invention according to claim 23 includes water, a colorant, and a water-soluble organic solvent as essential components.Ink for ink jetBy applying energy to the micropores.Ink for ink jetIn an ink jet recording method for performing recording by dischargingInk for ink jetAngle θ when ejected onto plain paper0Is set to 10 ° or more and less than 40 °, and the contact angle θ after 1 second of contact1And contact angle θ0Relationship to θ1> (1/2) · θ0  This is an inkjet recording method having a relationship represented by:
      [0021]
  The invention according to claim 24 is characterized in that the recording paper used in the ink jet recording method has a basis weight of 50 g / m2.Two100g / m or moreTwoThe inkjet recording method according to claim 22 or 23, wherein the inkjet recording method is the following plain paper.
  The invention according to claim 25, wherein the inkjet recording method comprises the step of:Ink for ink jet25. The ink jet recording method according to claim 22, wherein the ink is ejected by applying thermal energy to the ink.
  The invention according to claim 26, wherein the ink jet recording method comprises:Ink for ink jet25. The ink jet recording method according to claim 22, wherein the ink is ejected by applying a mechanical energy to the ink.
  In the invention according to claim 27, the ink jet recording method performs recording under one-pass printing conditions in which the volume (Mj) of one ink droplet is 2 pl or more and 35 pl or less, the frequency is 1 kHz or more, and the resolution is 300 dpi or more. An ink jet recording method according to any one of Items 22 to 26.
      [0022]
  The invention according to claim 28 is characterized in thatInk for ink jet28. The ink jet recording method according to claim 22, wherein a viscosity at 25 ° C. is 5 mPa · sec or more and 20 mPa · sec or less, and a surface tension at 25 ° C. is 40 dyne / cm or less.
  The invention according to claim 29 is the above-mentioned invention,Ink for ink jet29. The ink jet recording method according to claim 22, wherein the colorant has a weight average particle diameter of 50 nm or more and 200 nm or less and a content of 6 wt% or more and 20 wt% or less.
      [0023]
  The invention according to claim 30 is characterized in that the water-soluble organic solvent is glycerin, 1,3-butanediol, triethylene glycol, 1,6-hexanediol, propylene glycol, 1,5-pentanediol, diethylene glycol, dipropylene 30. Any one of claims 22 to 29, which contains at least one selected from the group consisting of glycol, trimethylolpropane, and trimethylolethane as a wetting agent, and further contains a polyhydric alcohol or a glycol ether having 8 to 11 carbon atoms. Or an inkjet recording method described in
  The invention according to claim 31 is the inkjet recording method according to claim 30, wherein the content of the wetting agent is 10 wt% or more and 50 wt% or less.
  The invention according to claim 32 is the ink jet recording method according to claim 30 or 31, wherein the content of the wetting agent is 2.0 or more and 6.0 or less by weight with respect to the colorant.
  The invention according to claim 33 is the inkjet recording method according to claim 30 or 31, wherein the content of the wetting agent is 3.0 or more and 5.0 or less by weight with respect to the colorant.
  The invention according to claim 34 is characterized in that the polyhydric alcohol or glycol ether having 8 to 11 carbon atoms is 2-ethyl-1,3-hexanediol or 2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol. The inkjet recording method according to any one of claims 30 to 33, comprising:
      [0024]
  In the invention according to claim 35, the water-soluble organic solvent contains at least one selected from the group consisting of 1,5-pentanediol, 1,7-heptanediol, and 1,8-octanediol. An inkjet recording method according to any one of Items 30 to 34.
  36. The invention according to claim 36, wherein the water-soluble organic solvent is ethylene glycol, tetraethylene glycol, polyethylene glycol, tripropylene glycol, 2,3-butanediol, 1,4-butanediol, 1,3-propanediol. , 1,4-butanediol, 2-methyl-2,4-pentanediol, 1,2,4-butanetriol, 1,2,6-hexanetriol, thiodiglycol, at least selected from the group consisting of pentaerythritol The ink jet recording method according to any one of claims 30 to 34, wherein the ink jet recording method includes one kind.
  The invention according to claim 37 is the ink jet recording method according to any one of claims 30 to 36, wherein the water-soluble organic solvent contains a lactam.
  The invention according to claim 38, wherein the lactam includes at least one or more selected from the group consisting of 2-pyrrolidone, N-methyl-2-pyrrolidone, N-hydroxyethyl-2-pyrrolidone, and ε-caprolactam. An ink jet recording method according to claim 37.
      [0025]
  The invention according to claim 39 is characterized in thatInk for ink jet39. The ink jet recording method according to claim 22, wherein the ink contains a urea or a saccharide.
  The invention according to claim 40 is the inkjet recording method according to claim 39, wherein the urea includes one kind selected from the group consisting of urea, thiourea, and 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone. is there.
  The invention according to claim 41 is the inkjet recording method according to claim 39, wherein the saccharide includes at least one selected from the group consisting of maltose, sorbitol, gluconolactone, and maltose.
  The invention according to claim 42 is characterized in thatInk for ink jetThe ink jet recording method according to any one of claims 22 to 41, wherein the viscosity at 25 ° C is from 8 mPa · sec to 20 mPa · sec.
      [0026]
  The invention according to claim 43 is characterized in thatInk for ink jet43. The ink jet recording method according to claim 22, wherein the ink contains an anionic or nonionic surfactant.
  In the invention according to claim 44, the anionic or nonionic surfactant is represented by the following general formulas (I), (II), (III), (IV), (V), and (VI). 44. The ink jet recording method according to claim 43, comprising at least one selected from the group consisting of compounds.
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Figure 2003213179
      [0027]
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      [0028]
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      [0029]
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      [0030]
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      [0031]
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      [0032]
  The invention according to claim 45 is the inkjet recording method according to claim 43 or 44, wherein the content of the anionic or nonionic surfactant is 0.1 wt% or more and 5 wt% or less.
  The invention according to claim 46 is characterized in thatInk for ink jetThe ink jet recording method according to any one of claims 43 to 45, wherein a surface tension at 25 ° C is 35 dyne / cm or less.
      [0033]
  The invention according to claim 47 comprises water, a colorant and a water-soluble organic solvent as essential components, the content of the colorant is 6% by weight or more, and the absorption coefficient with respect to plain paper is 3 ml / (mTwo・ (Msec)1/2) And the contact angle θ with plain paper0Is 10 ° or more and less than 40 °Ink for ink jetThis is an ink cartridge that stores therein.
  The invention according to claim 48 is characterized in that water, a colorant and a water-soluble organic solvent are essential components, the content of the colorant is 6 wt% or more, and the contact angle θ with plain paper is0Is not less than 10 ° and less than 40 °, and the contact angle θ after 1 second of contact1And contact angle θ0Is related to θ1> (1/2) · θ0  Represented byInk for ink jetThis is an ink cartridge that stores therein.
      [0034]
  The invention according to claim 49, wherein a transport unit that transports the recording paper,Ink for ink jetAnd an adhering section for adhering to a recording paper, and an ink jet recording apparatus that forms an image on the recording paper,Ink for ink jetMeans that the content of the colorant is 6 wt% or more and the absorption coefficient with respect to plain paper is 3 ml / (mTwo・ (Msec)1/2) And the contact angle θ with plain paper0Is 10 ° or more and less than 40 °.
  An invention according to claim 50, wherein a transport unit that transports the recording paper;Ink for ink jetAnd an adhering section for adhering to a recording paper, and an ink jet recording apparatus that forms an image on the recording paper,Ink for ink jetIs the contact angle θ for plain paper0Is not less than 10 ° and less than 40 °, and the contact angle θ after 1 second of contact1And contact angle θ0Is related to θ1> (1/2) · θ0  This is an ink jet recording apparatus represented by:
  An invention according to claim 51 is an ink jet recorded matter produced by the ink jet recording method according to claim 22 or 23.
      [0035]
    BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
  Hereinafter, embodiments of the present invention will be described.
  Of the present inventionInk for ink jetContains water, a colorant, and a water-soluble organic solvent as essential components, and contains 6 wt% or more of a colorant. In order to obtain a sufficiently high image density with a small amount of ink and to prevent the image density from extremely lowering even when the ink spreads on plain paper, the content of the colorant is set to 6 wt% or more.
      [0036]
  In addition, the present inventionInk for ink jetIndicates that the absorption coefficient for plain paper measured by a dynamic scanning liquid absorption device is 3 ml / (mTwo・ (Msec)1/2) And the contact angle θ with plain paper0Is 10 ° or more and less than 40 °.
  Here, the dynamic scanning liquid absorption measurement is described in the document "Development and Application of Dynamic Scanning Liquid Absorption Meter" (Journal of the Japan Institute of Paper and Pulp Technology, 48 (5), p88 (1994), Kuga et al.). This is performed using an apparatus and a method. The slope of the straight line portion that can be approximated from the obtained measurement plot is described by J.S. TAPPI paper pulp test method No. 51-87 "Absorption coefficient defined by the paper and paperboard liquid absorption test method (Bristow method)". The higher the absorption coefficient, the faster the ink penetrates the recording paper.
  The absorption coefficient for plain paper is 3 ml / (mTwo・ (Msec)1/2If it is less than (), the ink will remain for a relatively long time even after it has adhered to the paper surface, and if recording is performed on the next recording paper and overlapped, image disturbance will occur, and high-speed printing will not be achieved. Therefore, in order to obtain an ink having high-speed printability even on plain paper,Ink for ink jetIs 3 ml / (mTwo・ (Msec)1/2) It has the above absorption coefficient.
      [0037]
  The contact angle is measured by observing the state of one drop of ink on plain paper from the horizontal direction. For example, an automatic contact angle meter (manufactured by Kyowa Interface Science Co., Ltd.) is used. Can be measured. Of the present inventionInk for ink jetThen, the contact angle θ immediately after dropping0Is 10 ° or more and less than 40 °. FIG.Ink for ink jetFIG. 4 is a diagram schematically illustrating ink droplets when is dropped on plain paper. Contact angle θ for plain paper0Is controlled to 10 ° or more and less than 40 °, the dot size of the image formed by the ink droplets is about 1.5 to 5 times the diameter of the ink droplets, and the shape can be relatively close to a circle.
  On the other hand, the contact angle θ0Is greater than 40 °, the spread of the ink droplets attached to the plain paper is insufficient, and a high image density cannot be obtained, or a large amount of ink needs to be applied to obtain the image density. Causes delays and malfunctions such as cockling. FIG. 2 shows the contact angle θ with respect to plain paper.0FIG. 4 is a diagram schematically illustrating an ink droplet whose angle is 40 ° or more. Since the pulp fibers are exposed on the plain paper surface, the ink absorbency is not uniform. As shown in FIG. 2, the ink droplets are deposited without spreading on the paper surface. Or microscopically concentrated in the weaker parts of the fibers. As a result, ink may partially penetrate the back surface of the plain paper, and the density of strike-through of an image may be increased, thereby deteriorating double-sided printability.
  FIG. 3 shows the contact angle θ.0FIG. 4 is a diagram schematically illustrating an ink droplet in which is smaller than 10 °. Contact angle θ0Is less than 10 °, the ink spreads more than necessary at the same time as it lands on the paper, and at this time, the colorant particles also move along the fibers of the plain paper, resulting in feathering. And the outline of the image is blurred. Further, since the ink penetrates into the paper, the image density is reduced, and the strike-through density is also increased, thereby deteriorating the double-sided printability.
      [0038]
  In addition, the present inventionInk for ink jetIs the contact angle θ for plain paper0Is 10 ° or more and less than 40 °, and the contact angle θ after 1 second of contact1And θ0Is θ1> (1/2) · θ0It is assumed that
  In Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-144028, a value obtained by dividing the amount of change in the dynamic contact angle from the start of measurement to 10 seconds by the measurement time (10 seconds) is defined as a time change rate, and the value is 0.5 to 3 Inks are disclosed that are 0.5 ° / sec.Ink for ink jetHas greatly improved the absorbency on plain paper to improve high-speed printing, and the change in contact angle over time after dropping ink on the paper is large. Not suitable. Therefore, in the present invention, the time when the ink droplet (about 5 μL) is gently dropped on plain paper from the needle is photographed with a high-speed camera, and the image of the ink droplet is analyzed along with the time change, so that the contact angle changes with time. Was measured.
  As described above, the contact angle θ one second after the contact1And θ0Is θ1> (1/2) · θ0When satisfying the conditions, the image density and the drying speed of the ink are appropriate, and there is little image strike-through and excellent double-sided printability.
  On the other hand, FIG.1Is (1/2) · θ0FIG. 4 is a diagram schematically illustrating an ink droplet that is smaller than the ink droplet. As shown in FIG. 4, the ink spreads excessively and causes bleeding, which not only reduces the image density, but also increases the strikethrough of the image, thereby deteriorating the double-sided printability.
  According to the experiment of the present inventor, it is impossible to accurately measure the contact angle due to the spread of the ink from the back surface (front surface) of the recording paper after about 2 seconds after the contact with the ink. Contact angle θ1Has been confirmed to accurately reflect the mutual physical properties of ink and recording paper.
      [0039]
  As described above, the absorption coefficient for plain paper is 3 ml / (mTwo・ (Msec)1/2) And the contact angle θ with plain paper0Is greater than or equal to 10 ° and less than 40 °, and the contact angle θ after 1 second of contact.1Is θ1> (1/2) · θ0At the same timeInk for ink jetThis is more preferable because a higher image density and a clear image without bleeding can be obtained, image strike-through is significantly reduced, and the double-sided printability is excellent.
      [0040]
  Of the present inventionInk for ink jetIt is preferable that the viscosity at 25 ° C. is 5 mPa · sec or more and 20 mPa · sec or less, and the surface tension is 40 dyne / cm or less. By using such an ink having a high viscosity and a low surface tension, the printing quality can be remarkably improved. In the case of low-viscosity ink of about 3 mPa · sec, which has been used in conventional inkjet printers, the ink has a strong tendency to flow and spread along the fibers of the plain paper when it lands on plain paper, so that the outline of the image has blurred. In contrast to the occurrence of a feathering phenomenon, the ink having a viscosity of 5 mPa · sec or more and 20 mPa · sec or less according to the present invention can suppress the phenomenon of ink flowing along the fibers of plain paper. More preferably, it is a high-viscosity ink of 8 mPa · sec or more, and since the spreading force is dominant due to affinity with the plain paper surface, feathering is almost eliminated. If the viscosity is higher than 20 mPa · sec, it is not preferable because the ink ejection from the nozzle becomes unstable or the permeability to plain paper decreases, and the fixing property of the image decreases.
  Further, by setting the surface tension of the ink at 25 ° C. to 40 dyne / cm or less, the wetting of the ink to the head member is improved. For example, the frequency response is improved even with a high-viscosity ink of 8 mPa · sec or more. Stability can be significantly improved.
      [0041]
  Has the above characteristicsInk for ink jetHas the following configuration. That is, a coloring agent for recording as a visible image, a water-soluble organic solvent as a wetting agent for preventing drying, an organic solvent for imparting appropriate viscosity and permeability to plain paper, and water are essential components. And, if necessary, additives such as a property controlling agent, a surfactant, a resin emulsion, a preservative, and a pH adjuster.
      [0042]
  Hereinafter, the present inventionInk for ink jetEach component will be described.
Colorant
  The coloring agent used in the present invention may be any of various dyes and pigments, but pigments are preferably used in terms of image fastness. Regarding pigments, inorganic pigments and organic pigments can be used without any particular limitation. As the inorganic pigment, in addition to titanium oxide and iron oxide, carbon black produced by a known method such as a contact method, a furnace method, and a thermal method can be used. Examples of organic pigments include azo pigments (including azo lakes, insoluble azo pigments, condensed azo pigments, chelated azo pigments, etc.) and polycyclic pigments (for example, phthalocyanine pigments, perylene pigments, perinone pigments, anthraquinone pigments, quinacridone pigments) , Dioxazine pigments, thioindigo pigments, isoindolinone pigments, quinoflurone pigments, etc., dye chelates (eg, basic dye type chelates, acidic dye type chelates, etc.), nitro pigments, nitroso pigments, aniline black and the like.
  Specific examples of the coloring agent preferably used in the invention include the following.
  Examples of black color include carbon black (CI Pigment Black 7) such as furnace black, lamp black, acetylene black, and channel black; metals such as copper, iron (CI Pigment Black 11) and titanium oxide; and aniline black (CI). And organic pigments such as CI Pigment Black 1).
  Further, for color, CI Pigment Yellow 1 (Fast Yellow G), 3, 12 (Disazo Yellow AAA), 13, 14, 17, 24, 34, 35, 37, 42 (yellow iron oxide), 53, 55 , 81, 83 (Disazo Yellow HR), 95, 97, 98, 100, 101, 104, 408, 109, 110, 117, 120, 138, 153, CI Pigment Orange 5, 13, 16, 17, 36, 43 , 51, CI Pigment Red 1, 2, 3, 5, 17, 22 (Brilliant Fast Scarlet), 23, 31, 38, 48: 2 (Permanent Red 2B (Ba)), 48: 2 (Permanent Red 2B ( Ca)), 48: 3 (permanent red 2B (Sr)), 48: 4 (permanent red 2B (Mn)), 49: 1, 52: 2, 53: 1, 57: (Brilliant Carmine 6B), 60: 1, 63: 1, 63: 2, 64: 1, 81 (Rhodamine 6G Lake), 83, 88, 101 (Bengara), 104, 105, 106, 108 (Cadmium Red), 112, 114, 122 (quinacridone magenta), 123, 146, 149, 166, 168, 170, 172, 177, 178, 179, 185, 190, 193, 209, 219, CI pigment violet 1 (rhodamine lake), 3 5: 1, 16, 19, 23, 38, CI Pigment Blue 1, 2, 15 (phthalocyanine blue R), 15: 1, 15: 2, 15: 3 (phthalocyanine blue E), 16, 17: 1, 56, 60, 63, CI Pigment Green 1, 4, 7, 8, 10, 17, 18, 36 and the like.
  According to a preferred embodiment of the present invention, among the above colorants, those having good affinity for water are preferably used.
      [0043]
  The weight average particle diameter of the colorant is preferably 50 nm or more and 500 nm or less, more preferably 200 nm or less. If the weight average particle size exceeds 500 nm, the image fixing property will be poor. If the weight average particle size is less than 50 nm, the viscosity of the ink becomes high, and nozzle clogging is likely to occur. When the weight average particle diameter of the colorant is in the above range, an image having high image density and excellent fixability can be obtained.
  Further, the content of the colorant is preferably 6 wt% or more and 20 wt% or less, more preferably 8 wt% or more. As described above, in order to prevent the image density from extremely lowering even when the ink permeates the plain paper, the content is set to 6 wt% or more, but by setting the content to 8 wt% or more, a sufficient image density is ensured. Can be obtained. On the other hand, if the content of the coloring agent is increased, the viscosity of the ink is increased, and nozzle clogging is likely to occur.
      [0044]
  The colorant is a self-dispersion type in which a hydrophilic group is directly introduced into the colorant to improve dispersibility in water and a water-soluble organic solvent, and a dispersion in which a polymer or a surfactant is adsorbed on the surface as a dispersant. It is used in the form of an agent dispersion type or a microcapsule type in which a colorant is embedded in a resin.
      [0045]
  As the self-dispersing type, a coloring agent having an ionic hydrophilic group is preferable, and an anionic charging agent and a cationic charging agent are preferable.
  Examples of the hydrophilic group bonded to the anionic charged colorant surface include, for example, -COOM, -SOThreeM, -POThreeHM, -POThreeMTwo, -SOTwoNHTwo, -SOTwoNHCOR (where M represents a hydrogen atom, an alkali metal, ammonium or organic ammonium, and R represents an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, a phenyl group which may have a substituent or a substituent A naphthyl group which may be represented by the same formula). Among these, in particular, -COOM, -SOThreeIt is preferable that M is bonded to the surface of the colorant.
  Examples of the alkali metal contained in "M" in the hydrophilic group include lithium, sodium, potassium, and the like, and examples of the organic ammonium include mono to trimethyl ammonium, mono to triethyl ammonium, and mono to trimethanol. Ammonium.
  As a method of obtaining an anionically charged colorant, for example, a method of oxidizing the colorant with sodium hypochlorite, a method of sulfonation, a method of reacting a diazonium salt, and the like can be used. The present invention is not limited to these.
      [0046]
  As the hydrophilic group bonded to the surface of the cationically charged colorant, for example, a quaternary ammonium group is preferable, and a quaternary ammonium group having the following structure is more preferable. In this case, those having any of these bonded to the surface of the colorant are preferably used.
      [0047]
Embedded image
Figure 2003213179
      [0048]
  As a method for obtaining a cationic self-dispersible colorant having a hydrophilic group bonded thereto as described above, for example,
Embedded image
Figure 2003213179
Examples of a method for bonding the N-ethylpyridyl group having the structure described above include a method of treating the colorant with 3-amino-N-ethylpyridium bromide, but the present invention is not limited thereto.
      [0049]
  In the present invention, the above-mentioned hydrophilic groups may be bonded to the surface of the colorant via another atomic group. Examples of the other atomic group include an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, a phenyl group which may have a substituent, and a naphthyl group which may have a substituent. Specific examples of the case where the above-described hydrophilic group is bonded to the surface of the colorant via another atomic group include, for example, -CTwoHFourCOOM, -PhSOThreeM, -CFiveHTenNHThree +Etc., but of course, the present invention is not limited to these.
      [0050]
  Next, examples of the dispersion for producing the dispersant-dispersed colorant include the following. Polyacrylic acid, polymethacrylic acid, acrylic acid-acrylonitrile copolymer, vinyl acetate-acrylic acid ester copolymer, acrylic acid-acrylic acid alkyl ester copolymer, styrene-acrylic acid copolymer, styrene-methacrylic acid copolymer Polymer, styrene-acrylic acid-alkyl acrylate copolymer, styrene-methacrylic acid-alkyl acrylate copolymer, styrene-α-methylstyrene-acrylic acid copolymer, styrene-α-methylstyrene-acryl Acid copolymer-alkyl acrylate copolymer, styrene-maleic acid copolymer, vinylnaphthalene-maleic acid copolymer, vinyl acetate-ethylene copolymer, vinyl acetate-fatty acid vinyl ethylene copolymer, vinyl acetate -Maleic acid ester copolymer, vinyl acetate- Crotonic acid copolymer, vinyl acetate-acrylic acid copolymer and the like.
  According to a preferred embodiment of the present invention, these copolymers preferably have a weight average molecular weight of 3,000 to 50,000, more preferably 5,000 to 30,000, and most preferably 7,000 to 50,000. 15,000. The amount of the dispersant added is set so that the colorant is stably dispersed and other effects of the present invention are not lost, and the ratio of the colorant to the dispersant is in the range of 1: 0.06 to 1: 3. And more preferably in the range of 1: 0.125 to 1: 3.
      [0051]
  As another method of dispersing the colorant, a method in which the colorant is included in resin particles as microcapsules so as to be dispersible in water may be used. The encapsulation can be performed by a known microencapsulation method such as a coacervation method and a phase separation method. For example, JP-A-1-170672, JP-A-5-3944, and JP-A-6-313141 A method described in a gazette or the like can be used.
      [0052]
Water-soluble organic solvent
  Of the present inventionInk for ink jetUses water as a liquid medium, but contains a water-soluble organic solvent as an essential component as a wetting agent for preventing drying of the ink. The use of the water-soluble organic solvent also has the purpose of making the ink have desired physical properties and improving the dissolution stability of the colorant. In addition, in the present invention, the selection of a water-soluble organic solvent is particularly important in terms of exerting a function of controlling the contact angle and the permeability to plain paper.
  Specific examples of the water-soluble organic solvent as the wetting agent include the following. It is desirable to use a plurality of these water-soluble organic solvents as appropriate. Ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, propylene glycol, dipropylene glycol, tripropylene glycol, tetraethylene glycol, hexylene glycol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, glycerin, Polyhydric alcohols such as 1,2,6-hexanetriol, 1,2,4-butanetriol, 1,2,3-butanetriol and petriol; ethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol monobutyl ether, diethylene glycol monomethyl ether , Diethylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol monobutyl ether, tetraethylene glycol monomethyl ether, Polyhydric alcohol alkyl ethers such as propylene glycol monoethyl ether; polyhydric alcohol aryl ethers such as ethylene glycol monophenyl ether and ethylene glycol monobenzyl ether; 2-pyrrolidone, N-methyl-2-pyrrolidone, N-hydroxyethyl Nitrogen-containing heterocyclic compounds such as -2-pyrrolidone, 1,3-dimethylimidazolidinone, ε-caprolactam, γ-butyrolactone; amides such as formamide, N-methylformamide, N, N-dimethylformamide; monoethanol Amines such as amine, diethanolamine, triethanolamine, monoethylamine, diethylamine, triethylamine; sulfur-containing compounds such as dimethyl sulfoxide, sulfolane, thiodiethanol; propylene carbonate DOO, an ethylene carbonate.
      [0053]
  Among these water-soluble organic solvents, glycerin, 1,3-butanediol, triethylene glycol, 1,6-hexanediol, propylene glycol, 1,5-pentanediol, diethylene glycol, dipropylene glycol, trimethylolpropane, Trimethylolethane is preferred. These are particularly excellent in the dissolution stability of the coloring agent, and also exhibit excellent effects in preventing the ejection characteristics from being poor due to evaporation of water.
      [0054]
  The content of the wetting agent is preferably 10 wt% or more and 50 wt% or less. When the content of the wetting agent is less than 10 wt%, drying of the ink cannot be sufficiently prevented. Also, if the content of the wetting agent exceeds 50% by weight, the optimum viscosity of the ink cannot be obtained.
  Further, the preferable range of the content of the colorant is 6 wt% or more and 20 wt% or less as described above. For example, if the content of the wetting agent is not sufficient with respect to the content of the colorant, the coloring on the nozzle plate is performed. The drying of the agent proceeds, resulting in ejection failure. That is, the ratio of the content of the coloring agent to the content of the wetting agent greatly affects the stability of ink ejection from the head, and therefore, it is necessary to consider the ratio between the two. Therefore, the content of the wetting agent is preferably 2.0 or more and 6.0 or less, more preferably 3.0 or more and 5.0 or less in terms of weight ratio to the colorant. Inks in this range have very good drying, storage and reliability tests.
      [0055]
Permeability-imparting agent
  Of the present inventionInk for ink jetIs characterized by containing, in addition to the wetting agent, a polyhydric alcohol or glycol ether having 8 to 11 carbon atoms as an organic solvent for imparting permeability to plain paper.
  These organic solventsInk for ink jetIt was found that the addition of 0.1 to 10.0 wt% with respect to the total weight significantly reduced the contact angle of the ink with plain paper, and was found to be an important material in the present invention. Furthermore, it was found that by adding a small amount of this to the ink, the wettability to the liquid chamber and the thermal element of the ink ejection head was remarkably improved, and the ejection stability and frequency stability were obtained.
  The polyhydric alcohol or glycol ether having 8 to 11 carbon atoms is preferably a partially water-soluble polyhydric alcohol or glycol ether having a solubility of 0.1 wt% or more and less than 4.5 wt% in water at 25 ° C. Particularly preferred organic solvents include 2-ethyl-1,3-hexanediol (solubility at 20 ° C .: 4.2 wt%) and 2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol (solubility at 25 ° C .: 2 0.0 wt%). Since these organic solvents have extremely high permeability to plain paper,Ink for ink jetIt is a suitable material for controlling the absorption coefficient or the contact angle with respect to plain paper.
  The low solubility in water can be compensated for by its combination with other organic solvents and surfactants. By combining such materials, high permeabilityInk for ink jetCan be manufactured.
      [0056]
water
  Of the present inventionInk for ink jetThe water used is preferably one having a small amount of impurities, particularly ionic substances, in the sense of preventing precipitation of particles or having an appropriate electrical insulation property, and is preferably pure water, ultrapure water, distilled water, or ion-exchanged water. Etc. can be used.
      [0057]
Property control agent
  Of the present inventionInk for ink jetPreferably contains a urea or a saccharide as a property control agent. Urine or sugar has a strong affinity for water, and thus has an effect of preventing evaporation of water contained in ink. Of the present inventionInk for ink jetSince the content of the colorant is as high as 6% by weight or more, by adding urea or saccharide, drying of the ink is suppressed, and clogging of the nozzle is effectively prevented.
  Preferred compounds as ureas are urea, thiourea and 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone. These compounds are particularly effective in preventing nozzle clogging.
  Examples of saccharides include monosaccharides, disaccharides, oligosaccharides (including trisaccharides and tetrasaccharides), and polysaccharides. These saccharides may use derivatives. Derivatives include reducing sugars (for example, sugar alcohols (general formula: HOCH)Two(CHOH)nCHTwoOH However, n represents the integer of 2-5. )), Oxidized sugars (eg, aldonic acid, uronic acid, etc.), amino acids, thioacids and the like.
  Preferred compounds of the saccharide include maltose, sorbitol, gluconolactone and maltose. These compounds are particularly effective in preventing nozzle clogging.
      [0058]
Surfactant
  Of the present inventionInk for ink jetBy adding a surfactant, the wettability to plain paper can be further improved. In particular, anionic or nonionic surfactants are suitable for improving the ink properties for plain paper. The compounds represented by the general formulas (I) and (II) shown above are preferred examples as anionic surfactants, and the compounds represented by the general formulas (III) to (VI) are nonionic surfactants It is a suitable example as an agent. These compounds can be used alone or in combination.
  The polyoxyethylene alkyl ether acetate represented by the general formula (I) or the dialkyl sulfosuccinic acid having a branched alkyl chain having 5 to 7 carbon atoms represented by the general formula (II) is used as an ink for plain paper. In addition to improving the characteristics, the dissolution / dispersion stability of the colorant is further improved. Further, when M in the general formulas (I) and (II) is lithium ion, quaternary ammonium, or quaternary phosphonium, excellent dissolution stability can be obtained.
  Also, polyoxyethylene alkyl phenyl ether represented by the general formula (III), polyoxyethylene alkyl ether represented by the general formula (IV), polyoxyethylene-polyoxypropylene alkyl represented by the general formula (V) By using ether, polyoxypropylene-polyoxyethylene alkyl ether, or an acetylene glycol-based compound represented by the general formula (VI), it is possible to synergistically improve the permeability of the ink, thereby blurring the color boundary. Is reduced, and ink with less blur of characters can be obtained.
  The addition amount of the surfactants represented by the general formulas (I) to (VI) shown above is preferably 0.05 wt% or more and 10 wt% or less, more preferably 0.1 wt% or more and 5 wt%. With the above range, it is possible to give desired permeability to the ink characteristics required by the printer system. If the amount of the surfactant added is less than 0.05 wt%, bleeding occurs at the boundary between the two-color overlapping portions in any case, and if it exceeds 10 wt%, the surfactant itself tends to precipitate at a low temperature. It causes lack of reliability.
      [0059]
Resin emulsion
  The resin emulsion means an emulsion in which the continuous phase is water and the dispersed phase is the following resin component. Examples of the resin component of the dispersed phase include acrylic resins, vinyl acetate resins, styrene-butadiene resins, vinyl chloride resins, acryl-styrene resins, butadiene resins, and styrene resins.
  According to a preferred embodiment of the present invention, the resin component is preferably a polymer having both a hydrophilic part and a hydrophobic part. The particle size of these resin components is not particularly limited as long as an emulsion is formed, but is preferably about 150 nm or less, more preferably about 5 to 100 nm.
  These resin emulsions can be obtained by mixing resin particles with water, if necessary, together with a surfactant, or by a known polymerization method such as an emulsion polymerization method. For example, an emulsion of an acrylic resin or a styrene-acrylic resin is prepared by mixing styrene and a (meth) acrylic acid ester with water together with a water-soluble radical polymerization initiator such as potassium persulfate, and optionally adding a surfactant. In addition, it can be obtained by polymerization under an inert gas atmosphere.
  Further, the amount of the resin emulsion to be added is preferably 0.1 to 20% by weight, more preferably 1 to 10% by weight of the resin component.
  The resin emulsion has a property of thickening and coagulating in a drying process after adhering to recording paper, and has an effect of suppressing penetration of a coloring agent and further promoting fixation to recording paper. Further, depending on the type of the resin emulsion, a film is formed on the recording paper, which has the effect of improving the abrasion resistance of the printed matter.
      [0060]
Preservative
  As a preservative, sodium dehydroacetate, sodium sorbate, sodium 2-pyridinethiol-1-oxide, sodium benzoate, sodium pentachlorophenol and the like can be used.
      [0061]
pH adjuster
  As the pH adjuster, any substance can be used as long as it can adjust the pH to 7 or more without adversely affecting the ink characteristics.
  Examples thereof include amines such as diethanolamine and triethanolamine, hydroxides of alkali metal elements such as lithium hydroxide, sodium hydroxide and potassium hydroxide, ammonium hydroxide, quaternary ammonium hydroxide, and quaternary phosphonium. Examples include hydroxides, carbonates of alkali metals such as lithium carbonate, sodium carbonate, and potassium carbonate.
      [0062]
Other additives
  Other additives include, for example, rust preventives such as acidic sulfites, sodium thiosulfate, ammonium thiodiglycolate, diisopropylammonium nitrite, pentaerythritol tetranitrate, dicyclohexylammonium nitrite, and the like.
  Further, a water-soluble ultraviolet absorber, a water-soluble infrared absorber or the like can be added according to the purpose.
      [0063]
  Next, the inkjet recording method of the present invention has water, a colorant, and a water-soluble organic solvent as essential components.Ink for ink jetEnergy to the microporesInk for ink jetAn ink jet recording method for performing recording by dischargingInk for ink jetIs 3 ml / (mTwo・ (Msec)1/2) And the contact angle θ at this time0Is 10 ° or more and less than 40 °. As described above, the absorption coefficient is measured by a dynamic scanning liquid suction device, and this value is 3 ml / (mTwo・ (Msec)1/2If it is above, high-speed printing can be achieved even on plain paper. Also, the contact angle θ of the ink droplet with respect to plain paper0Is set to 10 ° or more and less than 40 °, the dot size of the image formed by the ink droplet is about 1.5 to 5 times the diameter of the ink droplet, and a relatively close circle shape can be obtained. A concentration is obtained. In addition, there is no image strikethrough, and excellent double-sided printability is obtained. On the other hand, the contact angle θ0Is 40 ° or more, the spread of ink droplets attached to plain paper is not sufficient, and a high image density cannot be obtained. Further, since the ink absorptivity becomes non-uniform, the ink may partially penetrate the back surface of the plain paper, so that the density of strike-through of the image is increased and the printability on both sides is reduced. Contact angle θ0Is less than 10 °, the ink spreads more than necessary at the same time as it lands on the paper, so that the colorant particles also move along the fibers of the plain paper, causing feathering and blurring of the outline of the image. Occurs. Further, since the ink penetrates into the paper, the image density is reduced, and the strike-through density is also increased, thereby deteriorating the double-sided printability.
      [0064]
  Also,Ink for ink jetAngle θ when ejected onto plain paper0Is set to 10 ° or more and less than 40 °, and the contact angle θ after 1 second of contact1And contact angle θ0Relationship to θ1> (1/2) · θ0  The same effect as described above can be obtained by using the relationship represented by. Contact angle θ one second after contact1Can be measured by photographing the state of an ink drop gently dropped on plain paper with a high-speed camera and analyzing the image of the ink drop with time as described above. θ1Is (1/2) · θ0If it is smaller, the ink spreads excessively and causes bleeding, and not only the image density is reduced, but also the strike-through of the image is increased, and the printability on both sides is reduced.
      [0065]
  The inkjet recording method of the present invention is a method that can achieve high-speed printability on plain paper, high image density, and good double-sided printability as described above, and is generally used in offices for electrophotographic copying machines. Basis weight used 50 g / mTwo100g / m or moreTwoThe following PPC papers can be used. That is, since a good image can be obtained with low-priced recording paper without using dedicated paper for ink-jet recording, it is possible to widen the use of the ink-jet recording apparatus in offices and the like.
      [0066]
  Further, as a method of performing higher-speed printing, there is one-pass printing in which the number of scans of the recording head is only one. In this case, a large amount of ink is ejected at a time, and the drying speed of the recorded image decreases.In order to prevent the drying speed from decreasing, increasing the ink permeability increases the image bleeding. And the image density is reduced. Therefore, the present inventionInk for ink jetBy using this, it is possible to cope with such high-speed printing, without image bleeding, with high image density, and with proper permeability of ink to the recording paper, the drying speed of the recorded image is fast, and a good image is provided. be able to. As one-pass printing conditions, it is particularly preferable that the volume (Mj) of one ink droplet is 2 pl or more and 35 pl or less, the frequency is 1 kHz or more, and the resolution is 300 dpi or more. Under such conditions, a high-quality image can be obtained.
      [0067]
  Incidentally, it is suitably used in the ink jet recording method of the present invention.Ink for ink jetIs as described above, and the description is omitted here.
      [0068]
  Next, the present inventionInk for ink jetAnd an example in which the inkjet recording method is used for an ink cartridge and an inkjet recording apparatus. The following is only one of the configuration examples, and does not limit the present invention in any way.
  FIG.Ink for ink jetFIG. 3 is a schematic front view of a mechanism of a serial type ink jet recording apparatus equipped with an ink cartridge provided with a recording liquid storage section in which a recording liquid is stored. The mechanism of the ink jet recording apparatus is configured such that a main support guide rod 3 and a sub support guide rod 4 are laterally suspended between side plates 1 and 2 on both sides in a substantially horizontal positional relationship. The carriage unit 5 is slidably supported in the main scanning direction by the rod 4. The carriage unit 5 has four heads 6 that respectively eject yellow (Y) ink, magenta (M) ink, cyan (C) ink, and black (Bk) ink, and has ejection surfaces (nozzle surfaces) 6a. Four ink cartridges 7y, 7m, 7c, and 7k, each of which is an ink supply unit for supplying ink to each of the four heads 6, are mounted on the head 6 of the carriage unit 5 downward. Is replaceably mounted.
      [0069]
  The carriage unit 5 is connected to a timing belt 11 stretched between a driving pulley (drive timing pulley) 9 rotated by a main scanning motor 8 and a driven pulley (idler pulley) 10 to drive and control the main scanning motor 8. Thus, the carriage 5, that is, the four heads 6, is moved in the main scanning direction.
  Further, sub-frames 13 and 14 are erected on the bottom plate 12 connecting the side plates 1 and 2, and a transport roller 15 for feeding the paper 16 in the sub-scanning direction orthogonal to the main scanning direction is provided between the sub-frames 13 and 14. It is held rotatably. A sub-scanning motor 17 is provided on the side of the sub-frame 14, and a gear 18 fixed to a rotation shaft of the sub-scanning motor 17 and a conveying roller 15 are provided to transmit the rotation of the sub-scanning motor 17 to the conveying roller 15. And a gear 19 fixed to the shaft.
      [0070]
  Further, a reliability maintenance / recovery mechanism (hereinafter, referred to as a “subsystem”) 21 of the head 6 is disposed between the side plate 1 and the subframe 13. The subsystem 21 holds four cap means 22 for capping the ejection surface of each head 6 with a holder 23, and holds the holder 23 with a link member 24 so as to swing. When the carriage unit 5 comes into contact with the engaging portion 25 provided on the holder 23 by the movement of the carriage unit 5 in the main scanning direction, the holder 23 is lifted up in accordance with the operation, and the cap unit 22 causes the ejection surface 6a of the inkjet head 6 to move. Capping. In addition, when the carriage unit 5 moves to the printing area side, the holder 23 is lifted down in accordance with the operation, and the cap unit 22 is separated from the ejection surface 6a of the inkjet head 6.
  The cap means 22 is connected to a suction pump 27 via a suction tube 26, forms an air opening port, and communicates with the atmosphere via an air opening tube and an air opening valve. The suction pump 27 discharges the sucked waste liquid to a waste liquid storage tank (not shown) via a drain tube or the like.
  Further, on the side of the holder 23, a wiper blade 28, which is a wiping means composed of an elastic member such as a fiber member, a foam member or rubber, for wiping the ejection surface 6a of the ink jet head 6, is attached to a blade arm 29. Numeral 29 is pivotally supported so as to be pivoted by rotation of a cam which is rotated by driving means (not shown).
      [0071]
  Next, the ink cartridge will be described. FIG. 6 is an external perspective view of the ink cartridge, and FIG. 7 is a front sectional view of the ink cartridge. As shown in FIG. 7, the ink cartridge 7 includes an ink absorber 42 in which ink of a required color is absorbed in a cartridge main body 41. The cartridge body 41 is formed by bonding or welding an upper lid member 44 to an upper opening of a case 43 having a wide opening at an upper portion, and is made of, for example, a resin molded product. The ink absorber 42 is made of a porous material such as a urethane foam body, and absorbs ink after being compressed and inserted into the cartridge main body 41.
  An ink supply port 45 for supplying ink to the recording head 6 is formed at the bottom of the case 43 of the cartridge body 41, and a seal ring 46 is fitted on the inner peripheral surface of the ink supply port 45. The upper lid member 44 has an air opening 47.
  Then, in the cartridge main body 41, before the loading, the case 43 is compressed and deformed by the pressure applied to the wide side wall due to the closing of the ink supply port 45 and the handling of the cartridge during loading or transportation, or during vacuum packaging. A cap member 50 is mounted to prevent the ink inside from leaking.
  As shown in FIG. 6, the atmosphere opening port 47 has an oxygen permeability of 100 ml / m 2.TwoThe above film-like sealing member 55 is adhered to the upper lid member 44 for sealing. The seal member 55 is sized to seal not only the air opening 47 but also a plurality of grooves 48 formed therearound. In this way, the atmosphere opening port 47 has an oxygen transmission rate of 100 ml / m.TwoBy sealing with the above-described seal member 55, the ink cartridge 7 is wrapped under reduced pressure using a wrapping member such as an air-permeable aluminum laminate film, so that the ink cartridge 7 is filled with ink or between the ink absorber 42 and the cartridge body 41. When the gas is dissolved in the ink due to the atmosphere in the space A (see FIG. 7) generated in the ink, the air in the ink is separated from the packaging member outside the cartridge body 41 with a high degree of vacuum through the seal member 55. Is discharged into the space, and the degree of degassing of the ink is improved.
      [0072]
  FIG. 8 is a schematic diagram of the present invention.Ink for ink jetFIG. 4 is a diagram illustrating a configuration example of a recording unit including a recording liquid storage unit that stores the ink droplets and a head unit that ejects ink droplets. The recording unit 30 is of a serial type, and its main parts are composed of an ink jet head 6, an ink tank 41 for storing ink supplied to the ink jet head 6, and a lid member 44 for sealing the inside of the ink tank 41. Be composed. The inkjet head 6 has a large number of nozzles 32 for discharging ink. The ink is guided from the ink tank 41 to a common liquid chamber (not shown) via an ink supply pipe (not shown), and is ejected from the nozzle 32 in accordance with an electric signal from the ink jet recording apparatus main body inputted from the electrode 31. You.
  Such a recording unit has a structure suitable for a head that can be manufactured at a low cost due to its configuration, that is, a so-called thermal type or bubble type head that uses thermal energy as a driving power source. Of the present inventionInk for ink jetIs very suitable for recording methods such as a thermal method and a bubble method, in which ejection stability and frequency stability can be obtained and safety is high.
      [0073]
  Here, the serial type ink jet recording apparatus as described above has been described.Ink for ink jetThe recording method is an ink jet having a so-called line head in which the nozzles are arranged in an arbitrary arrangement such as a staggered pattern at a density equal to or a fraction of the resolution of the target image and arranged at a width equal to or greater than the width of the recording paper. It is also possible to apply to a recording device.
  Further, the ink jet recording apparatus referred to here may be not only an output printer for a personal computer or a digital camera, but also an apparatus having a complex function combined with a facsimile, a scanner, a telephone, and the like.
      [0074]
  In addition, the present inventionInk for ink jetThe ink-jet recorded matter produced by the above-described recording method is a very good image free from image bleeding and color boundary bleeding, and excellent in water resistance and light resistance. In particular, even when plain paper is used as the recording paper, a recorded matter having high image quality as described above can be obtained.
      [0075]
【Example】
  Hereinafter, examples embodying the present invention will be described.
  First, a specific example of a surface treatment for obtaining a self-dispersing colorant will be described.
<Preparation of self-dispersion type carbon black dispersion a>
  130m surface areaTwo100 g of carbon black having a DBP oil absorption of 70 ml / 100 g and 34 g of p-amino-N-benzoic acid were mixed and dispersed in 750 g of water, and 16 g of nitric acid was added dropwise thereto, followed by stirring at 70 ° C. Five minutes later, a solution of 11 g of sodium nitrite dissolved in 50 g of water was added, and the mixture was further stirred for 1 hour. The obtained slurry was diluted 10-fold, coarse particles were removed by centrifugation, the pH was adjusted to pH 8-9 with diethanolamine, and the mixture was desalted and concentrated with an ultrafiltration membrane to disperse carbon black with a colorant concentration of 15 wt%. Liquid. This was filtered with a polypropylene filter having a pore size of 0.5 μm to obtain a carbon black dispersion a. The average particle size was 99 nm
      [0076]
<Preparation of self-dispersion type phthalocyanine pigment b (cyan)>
  20 g of phthalocyanine blue (Pigment Blue 15: 3) were mixed with 4.0 g of sulfanilic acid. This mixture was placed in a beaker in a 70 ° C. water bath. A solution consisting of 1.68 g of sodium nitrite dissolved in 74.32 g of distilled water was added to the beaker with rapid mixing to form a slurry. Hydrochloric acid was added to this solution and the pH of the slurry was adjusted to 2. The slurry was mixed rapidly at 70 ° C. for 1 hour using a magnetic stirrer and then dried in an oven at 70 ° C. The resulting material is dried, -C6HFourSOThree Na+A modified colorant having groups.
  6 g of the surface-modified colorant was extracted with methanol in a Sockley extractor for 10 hours to remove any reaction by-products and dried again. The obtained phthalocyanine pigment b was easily dispersed in the aqueous medium during stirring.
      [0077]
<Preparation of self-dispersion type quinacridone pigment c (magenta)>
  A modified quinacridone pigment c was obtained by the same procedure as in the self-dispersion phthalocyanine blue pigment described above, except that Hosta Palm Pink E pigment (Pigment Red 122) was used instead of phthalocyanine blue. The obtained quinacridone pigment c was easily dispersed in the aqueous medium upon stirring.
      [0078]
<Preparation of self-dispersion yellow pigment d>
  A modified yellow pigment d was obtained by the same procedure as in the self-dispersion type phthalocyanine blue pigment except that Pigment Yellow 74 was used instead of phthalocyanine blue. The resulting yellow pigment d was easily dispersed during stirring in an aqueous medium.
      [0079]
  Below, of the present inventionInk for ink jetExamples will be shown for the preparation of and the various tests using the same, but the present invention is not limited thereto. The amounts (%) of the components described in the examples are on a weight basis, and the amounts of commercially available colorant dispersions and resin emulsions represent the amount of the active ingredient (solid content).
      [0080]
(Example 1)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with a 10% aqueous solution of lithium hydroxide. Then, filtration with a membrane filter having an average pore size of 0.8 μm,Ink for ink jetGot.
  Self-dispersion type carbon black dispersion a 10.0wt%
  Dipropylene glycol 20.0wt%
  Glycerin 10.0 wt%
  N-hydroxyethyl-2-pyrrolidone 5.0 wt%
  Surfactant (R in general formula (I)1= C12, m = 3) 2.0 wt%
  2-ethyl-1,3-hexanediol 2.0 wt%
  Microgel E-1002 (Nippon Paint Co., Ltd.) 3.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0081]
(Example 2)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with sodium hydroxide.Ink for ink jetGot.
  Self-dispersion type phthalocyanine pigment b 8.0 wt%
  Triethylene glycol 22.5wt%
  Glycerin 7.5 wt%
  2-pyrrolidone 5.0 wt%
  Surfactant (R in general formula (I)1= C12, m = 4) 2.0 wt%
  2-ethyl-1,3-hexanediol 2.0 wt%
  Styrene-butyl methacrylate resin emulsion 3.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0082]
(Example 3)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with lithium hydroxide in the same manner as in Example 1.Ink for ink jetGot.
  Self-dispersion type quinacridone pigment c 13.0 wt%
  Propylene glycol 30.0wt%
  Glycerin 10.0 wt%
  N-methyl-2-pyrrolidone 2.0 wt%
  Surfactant (R in general formula (I)1= C12, m = 5) 2.0 wt%
  2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol 2.0 wt%
  Styrene-octyl methacrylate resin emulsion 3.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0083]
(Example 4)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with lithium hydroxide in the same manner as in Example 1.Ink for ink jetGot.
  Self-dispersion yellow pigment d 10.0 wt%
  1,3-butanediol 22.5wt%
  Glyceroline 7.5 wt%
  2-pyrrolidone 5.0 wt%
  Surfactant (R in general formula (I)1= C12, m = 6) 2.0 wt%
  2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol 2.0 wt%
  Methyl methacrylate resin emulsion 3.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0084]
(Example 5)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with lithium hydroxide in the same manner as in Example 1.Ink for ink jetGot.
  Carbon black (CAB-O-JET300; manufactured by Cabot Corporation) 12.0 wt%
  2,3-butanediol 22.5wt%
  Glycerin 7.5 wt%
  N-methyl-2-pyrrolidone 3.0 wt%
  Surfactant (R in general formula (II)2= C6) 2.0 wt%
  2-ethyl-1,3-hexanediol 2.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0085]
(Example 6)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with lithium hydroxide in the same manner as in Example 1.Ink for ink jetGot.
  Cyan pigment (IJX253C; manufactured by Cabot Corporation) 10.0 wt%
  Dipropylene glycol 15.0wt%
  Glycerin 15.0wt%
  N-hydroxyethyl-2-pyrrolidone 5.0 wt%
  Surfactant (R in general formula (II)2= C6) 2.0 wt%
  2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol 2.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0086]
(Example 7)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with lithium hydroxide in the same manner as in Example 1.Ink for ink jetGot.
  Magenta pigment (IJX266D; manufactured by Cabot Corporation) 10.0 wt%
  1,3-propanediol 22.5wt%
  Glycerin 7.5 wt%
  2-pyrrolidone 5.0 wt%
  Surfactant (R in general formula (II)2= C6) 2.0 wt%
  2-ethyl-1,3-hexanediol 2.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0087]
(Example 8)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with lithium hydroxide in the same manner as in Example 1.Ink for ink jetGot.
  Yellow pigment (IJX273B; manufactured by Cabot Corporation) 10.0 wt%
  1,4-butanediol 22.5wt%
  Glycerin 7.5 wt%
  N-methyl-2-pyrrolidone 2.0 wt%
  Surfactant (R in general formula (II)2= C6) 2.0 wt%
  2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol 2.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0088]
(Example 9)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with lithium hydroxide in the same manner as in Example 1.Ink for ink jetGot.
  Resin-dispersed carbon black (manufactured by Dainichi Seika) 10.0 wt%
  1,5-pentanediol 15.0 wt%
  Glycerin 15.0wt%
  N-hydroxyethyl-2-pyrrolidone 2.0 wt%
  Nonionic surfactant (Dispanol TOC; manufactured by NOF Corporation)
                                                        2.0wt%
  2-ethyl-1,3-hexanediol 2.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0089]
(Example 10)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with lithium hydroxide in the same manner as in Example 1.Ink for ink jetGot.
  Cyan pigment (Li0 Jet Cyan; manufactured by Toyo Ink) 11.0wt%
  1,6-hexanediol 22.5wt%
  Glycerin 7.5 wt%
  3.0% by weight of 2-pyrrolidone
  Nonionic surfactant (Dispanol TOC; manufactured by NOF Corporation)
                                                        2.0wt%
  2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol 2.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0090]
(Example 11)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with sodium hydroxide.Ink for ink jetGot.
  Magenta pigment (Li0 Jet Magenta; manufactured by Toyo Ink Co., Ltd.) 14.0 wt%
  2-methyl-2,4-pentanediol 22.5wt%
  Glycerin 7.5 wt%
  N-methyl-2-pyrrolidone 5.0 wt%
  Surfactant (R = C6 in general formula (III), k = 5) 2.0 wt%
  2-ethyl-1,3-hexanediol 2.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0091]
(Example 12)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with sodium hydroxide.Ink for ink jetGot.
  Yellow pigment (Li0 Jet Yellow; manufactured by Toyo Ink Co., Ltd.) 12.0 wt%
  1,2,6-hexanetriol 30.0wt%
  Glycerin 10.0 wt%
  N-hydroxyethyl-2-pyrrolidone 5.0 wt%
  Surfactant (R = C6 in Formula (IV), n = 5) 2.0 wt%
  2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol 2.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0092]
(Example 13)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with sodium hydroxide.Ink for ink jetGot.
  Microcapsule type black pigment (Dainippon Ink) 12.0wt%
  Trimethylolpropane 20.0wt%
  Glycerin 20.0wt%
  2-pyrrolidone 4.0 wt%
  Surfactant (R = C6, n = 2, M = 3 in the general formula (V))
                                                          2.0wt%
  2-ethyl-1,3-hexanediol 2.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0093]
(Example 14)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with lithium hydroxide in the same manner as in Example 1.Ink for ink jetGot.
  Microcapsule type cyan pigment (Dainippon Ink) 8.0 wt%
  Trimethylolethane 22.5wt%
  Glycerin 7.5 wt%
  N-methyl-2-pyrrolidone 2.0 wt%
  Surfactant (mixture of p + q = 15 and p + q = 0 in general formula (VI))
                                                          2.0wt%
  2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol 2.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0094]
(Example 15)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with lithium hydroxide in the same manner as in Example 1.Ink for ink jetGot.
  Microcapsule type magenta pigment (Dainippon Ink) 10.0wt%
  Urea 22.5wt%
  Glycerin 7.5 wt%
  N-hydroxyethyl-2-pyrrolidone 5.0 wt%
  Anionic surfactant (ECTD-3NEX; Nikko Chemicals) 2.0wt%
  2-ethyl-1,3-hexanediol 2.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0095]
(Example 16)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with lithium hydroxide in the same manner as in Example 1.Ink for ink jetGot.
  Microcapsule type yellow pigment (Dainippon Ink) 8.0 wt%
  1,3-dimethylimidazolidinone 15.0 wt%
  Glycerin 15.0wt%
  2-pyrrolidone 5.0 wt%
  Anionic surfactant (ECTD-6NEX; Nikko Chemicals) 2.0wt%
  2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol 2.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0096]
(Comparative Example 1)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with sodium hydroxide.Ink for ink jetGot.
  Self-dispersion type carbon black dispersion a 5.0 wt%
  Diethylene glycol 15.0wt%
  Glycerin 5.0 wt%
  N-methyl-2-pyrrolidone 2.0 wt%
  Anionic surfactant (ECTD-6NEX; Nikko Chemicals) 1.0wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0097]
(Comparative Example 2)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with a 10% aqueous solution of lithium hydroxide. Thereafter, the solution was filtered through a membrane filter having an average pore size of 0.8 μm,Ink for ink jetGot.
  Self-dispersion type phthalocyanine pigment b 3.0 wt%
  Ethylene glycol 15.0wt%
  2-pyrrolidone 2.0wt%
  Anionic surfactant (ECTD-3NEX; Nikko Chemicals) 1.0wt%
  Sodium dodecylbenzenesulfonate 0.5wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0098]
(Comparative Example 3)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with lithium hydroxide.Ink for ink jetGot.
  Self-dispersion type magenta pigment c 6.0 wt%
  Diethylene glycol 10.0 wt%
  Glycerin 5.0 wt%
  N-methyl-2-pyrrolidone 2.0 wt%
  Anionic surfactant (ECTD-6NEX; Nikko Chemicals) 1.0wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0099]
(Comparative Example 4)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with lithium hydroxide.Ink for ink jetGot.
  Self-dispersion type yellow pigment d 3.0 wt%
  Triethylene glycol 15.0wt%
  Glycerin 5.0 wt%
  N-hydroxyethyl-2-pyrrolidone 2.0 wt%
  Nonionic surfactant (Dispanol TOC; manufactured by NOF Corporation)
                                                          1.0wt%
  2-ethyl-1,3-hexanediol 2.0 wt%
  Emulsion 3.0wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0100]
(Comparative Example 5)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with sodium hydroxide.Ink for ink jetGot.
  Self-dispersion type carbon black dispersion a 5.0 wt%
  Diethylene glycol 22.5wt%
  Glycerin 7.5 wt%
  N-methyl-2-pyrrolidone 2.0 wt%
  Anionic surfactant (ECTD-6NEX; Nikko Chemicals) 1.0wt%
  Nonionic surfactant (Dispanol TOC; manufactured by NOF Corporation)
                                                          1.0wt%
  2-ethyl-1,3-hexanediol 2.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0101]
(Comparative Example 6)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with lithium hydroxide in the same manner as in Example 1.Ink for ink jetGot.
  Self-dispersion type phthalocyanine pigment b 3.0 wt%
  Diethylene glycol 15.0wt%
  Glycerin 5.0 wt%
  2-pyrrolidone 2.0wt%
  Anionic surfactant (ECTD-6NEX; Nikko Chemicals) 1.0wt%
  Nonionic surfactant (Dispanol TOC; manufactured by NOF Corporation)
                                                          2.0wt%
  Sodium dodecylbenzenesulfonate 0.5wt%
  2-ethyl-1,3-hexanediol 2.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0102]
(Comparative Example 7)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with lithium hydroxide in the same manner as in Example 1.Ink for ink jetGot.
  Self-dispersion type magenta pigment c 6.0 wt%
  Diethylene glycol 10.0 wt%
  Glycerin 5.0 wt%
  N-methyl-2-pyrrolidone 2.0 wt%
  Nonionic surfactant (Dispanol TOC; manufactured by NOF Corporation)
                                                          3.0wt%
  2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol 2.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0103]
(Comparative Example 8)
  An ink composition having the following formulation was prepared, and the pH was adjusted to 9 with lithium hydroxide in the same manner as in Example 1.Ink for ink jetGot.
  Self-dispersion yellow pigment d 6.0 wt%
  Diethylene glycol 10.0 wt%
  Glycerin 5.0 wt%
  N-methyl-2-pyrrolidone 2.0 wt%
  Anionic surfactant (ECTD-6NEX; Nikko Chemicals) 1.0 wt%
  Nonionic surfactant (Dispanol TOC; manufactured by NOF Corporation)
                                                          1.0wt%
  2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol 2.0 wt%
  Proxel LV (preservative) 0.2 wt%
  Deionized water remaining
      [0104]
  The surface tension, the viscosity at 25 ° C., and the contact angle with the recording paper were measured for each of the ink jet recording inks prepared above. The following four types of PPC paper were used for recording paper, and the contact angle0And contact angle θ after 1 second1Was measured.
<Used recording paper>
1) My Paper (NBS Ricoh Co., Ltd.)
2) PB paper (manufactured by Canon Inc.)
3) Yamayuri paper (recycled paper manufactured by Honshu Paper Co., Ltd.)
4) Xerox4024 paper (manufactured by Fuji Xerox Office Supply Co., Ltd.)
      [0105]
  The results of the physical property measurements are shown in Table 1 together with the type of colorant and the content of the wetting agent in each ink.
[Table 1]
Figure 2003213179
      [0106]
  Next, the above Examples 1 to 16 and Comparative Examples 1 to 8Ink for ink jetAnd printing was performed with an ink jet printer, and the following items were evaluated. Using EM-900 (manufactured by Seiko Epson), DeskJet970Cxi (manufactured by HP), and IPSiO Jet 300 (manufactured by Ricoh) as ink jet printers, changing the drive voltage, pulse width, and drive frequency of the head The ejection amount (Mj) was adjusted to 35 pl, the recording density was set to 360 dpi, and an image was formed by one-pass printing.
The print pattern includes a one-dot image, one-dot line, a character image, and a solid image (100% duty), and is printed by appropriately combining black, yellow, magenta, and cyan color inks. The recording paper used was the above-described paper. The same printing was continuously performed on 1,000 sheets, and the stability of the image (the presence or absence of a non-ejection nozzle) was evaluated.
<Evaluation items>
1) Image quality
・ Pixel diameter
  Using a dot analyzer (DA5000; manufactured by Oji Scientific Instruments), a 1-dot image was used to calculate the circle-equivalent diameter from the dot area, which was used as the pixel diameter.
・ Solid image density
  It was measured using a reflection type color spectrophotometer (X-Rite938; manufactured by X-Rite).
・ Duplex printing
  The image density was measured from the back side of the recording paper of the solid image, and the density of the unprinted background portion was subtracted to obtain the strike-through density. A value of 0.03 or less was evaluated as good, and a value exceeding 0.03 was evaluated as x. Was evaluated. The value of 0.03 was determined by visual evaluation as to whether or not the image on the back side was worrisome and the character image on the front side was difficult to read.
・ Image blur
  The characters and line images are visually observed, and those with sharp and sharp edges are formed as ○, those with partial whisker-like bleeding but not practically problematic, and those with rough edges A character that was crushed and felt unclear in practice was marked as x.
2) Dryness of image
  The filter paper was pressed against the printed image under certain conditions, and the time until the ink stopped transferring to the filter paper was measured. When all the recording papers were dried within 10 seconds, it was judged as "good".
3) Reliability in continuous printing
  When 1000 test images were continuously printed, the case where no non-ejection nozzle was generated was evaluated as ○, and the case where a non-ejection nozzle was generated and an image was defective was evaluated as x.
4) Evaluation of dry clogging
  The evaluation ink was put into an inkjet printer IPSiOJET300 (manufactured by Ricoh) using a piezo type head, and after confirming the ink ejection, the ink was left at room temperature for 30 days without capping the nozzle surface. Thereafter, an image was printed, and ink was ejected from all the nozzles, and a sample that could be printed normally was evaluated as ○. When there was a nozzle where ink was not ejected and the printed image was disturbed, it was evaluated as x.
      [0107]
  Table 2 shows the above evaluation results. The values of the pixel diameter and the image density are represented by values printed on my paper paper using EM900C (manufactured by Seiko Epson Corporation). The other evaluation items were the same as the evaluation results for each printer and each recording paper.
[Table 2]
Figure 2003213179
      [0108]
  As shown in Table 1, in Examples 1 to 16, the absorption coefficient of the ink to plain paper was 3 ml / (mTwo・ (Msec)1/2) And the contact angle θ to the recording paper0Was 10 ° or more and less than 40 °. As a result of printing using these inks, as shown in Table 2, a high image density of 1.10 to 1.50 was obtained, excellent in both-side printability, no image blur, and a sharp image was obtained. Obtained. In addition, since the drying property of the image was good, a remarkable effect that quick fixing was possible was obtained. Furthermore, the reliability during continuous printing was high, and there was no clogging due to drying, indicating that high reliability was obtained over time.
  On the other hand, as shown in Comparative Examples 1 to 4, the absorption coefficient was 3 ml / (mTwo・ (Msec)1/2) Or the contact angle θ0Was 40 ° or more, the image density was low and the drying speed of the image was low. Further, as shown in Comparative Examples 5 to 8, the absorption coefficient was 3 ml / (mTwo・ (Msec)1/2) And the contact angle θ to the recording paper0Is 10 ° or more and less than 40 °, the colorant content and the viscosity are low, and the contact angle θ after 1 second of contact.1Is θ1<(1/2) * θ0When, the drying speed was sufficient, but it was found that both-side printability and image bleeding were inferior.
      [0109]
    【The invention's effect】
  As described above, water, a colorant, and a water-soluble organic solvent are essential components, the content of the colorant is 6% by weight or more, and the absorption coefficient for plain paper is 3 ml / (mTwo・ (Msec)1/2) And the contact angle θ0Of the present invention is 10 ° or more and less than 40 °Ink for ink jetIs excellent in high-speed printability, excellent in ejection stability and storage stability, and has good color tone, high image density, high sharpness image with no feathering in the periphery of characters and images, boundaries between different colors An image without bleeding (color bleed) and an image with few strikethroughs that can withstand double-sided printing can be provided.
  The above effect is obtained by the contact angle θ with plain paper.0Is 10 ° or more and less than 40 °, and the contact angle θ after 1 second of contact1Is θ1> (1/2) * θ0Of the present inventionInk for ink jetCan be obtained similarly.
      [0110]
  Also has the above physical propertiesInk for ink jetHowever, by containing a specific wetting agent and a specific polyhydric alcohol that imparts ink permeability, the viscosity at 25 ° C. is as high as 5 mPa · sec or more, but the high absorption coefficient and low contact as described above are obtained. It is possible to achieve both corners. As a result, the ink dot image is greatly spread, feathering is reduced, and the coloring agent is agglomerated on the paper surface, so that strikethrough is significantly reduced as compared with the related art, and double-sided printing can be performed. In addition, the wettability to the head member is improved, and the high-speed printing property and the ink discharge stability are remarkably improved by the improvement of the ink composition bubble discharge property and the improvement of the frequency response.
  Thus, the present inventionInk for ink jetAccordingly, even on plain paper that has not been subjected to special surface treatment, print quality comparable to that of coated paper dedicated to inkjet can be obtained.
[Brief description of the drawings]
    FIG.
  Of the present inventionInk for ink jetFIG. 4 is a diagram schematically illustrating ink droplets when is dropped on plain paper.
    FIG. 2
  Contact angle θ for plain paper0FIG. 4 is a diagram schematically illustrating an ink droplet whose angle is 40 ° or more.
    FIG. 3
  Contact angle θ for plain paper0FIG. 4 is a diagram schematically illustrating an ink droplet in which is smaller than 10 °.
    FIG. 4
  θ1Is (1/2) · θ0FIG. 4 is a diagram schematically illustrating an ink droplet that is smaller than the ink droplet.
    FIG. 5
  FIG. 2 is a schematic front view of a mechanism section of the serial type inkjet recording apparatus.
    FIG. 6
  FIG. 2 is an external perspective view of the ink cartridge.
    FIG. 7
  FIG. 3 is a front sectional view of the ink cartridge.
    FIG. 8
  FIG. 3 is a diagram illustrating a configuration example of a recording unit including a recording liquid storage unit and a head unit for discharging ink droplets.
[Explanation of symbols]
5 Carriage unit
6 heads
7 Ink cartridge
8 Main scanning motor
9 Drive pulley
10 driven pulley
11 Timing belt
15 Transport rollers
16 paper
17 Sub-scanning motor
18, 19 gear
21 Reliability maintenance and recovery mechanism (subsystem)
30 Recording unit
31 electrodes
32 nozzles
42 Ink absorber
45 Ink supply port

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