JP2003207490A - 高分子物質の抽出方法及びパターン形成材料の製造方法 - Google Patents

高分子物質の抽出方法及びパターン形成材料の製造方法

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JP2003207490A JP2002006430A JP2002006430A JP2003207490A JP 2003207490 A JP2003207490 A JP 2003207490A JP 2002006430 A JP2002006430 A JP 2002006430A JP 2002006430 A JP2002006430 A JP 2002006430A JP 2003207490 A JP2003207490 A JP 2003207490A
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polymer
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forming material
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English (en)
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Kiyoyuki Morita
清之 森田
Masataka Endo
政孝 遠藤
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子量分布の小さい高性能な高分子物質の抽
出方法およびパターン形成材料の製造方法を提供する。 【解決手段】 固定相としてシリカゲルを充填した分離
カラム10を準備し,分離カラム10内に二酸化炭素を
導入して20MPaに加圧し,40℃に保持する。ポリ
パラ−t−ブトキシスチレン(PTBST)等の高分子
物質を超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素中に分散
させた移動相を分離カラム10内に流して,いわば超臨
界クロマトグラフィーにより,高分子物質を所望の分子
量(重合度)の範囲ごとに区分し,この区分ごとに取り
出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,分子量や重合度が
精密に制御された高分子物質の製造方法及び製造装置に
係り,特に,高分子物質のリソグラフィ用パターン形成
材料への応用に関する。
【0002】
【従来の技術】近年,ナノメートルサイズの素子を実現
するための技術である,いわゆるナノテクノロジーが注
目されている。ナノメートルサイズの素子を実現するた
めには,素子の各部の寸法的ばらつきをナノメートルオ
ーダーあるいはサブナノメートル以下に制御する必要が
ある。例えば,微細加工に用いられてきたリソグラフィ
技術においては,50nm以下の寸法の微細パターンを
形成するために露光光源の短波長化が進められている。
この分野においても,パターン寸法の微細化に伴い,パ
ターン形成材料,主としてフォトレジストの分子量(重
合度)の分散が問題になりつつあり,分子量(重合度)
の高精度制御が求められている。
【0003】従来,高分子化合物の分子量(重合度)の
高精度制御は,高分子化合物の合成段階で行われてい
た。高分子化合物の合成段階での分子量(重合度)の高
精度制御を実現するためには,反応自体を高精度に制御
する必要があるため,プロセスの高効率化や低価格化が
困難であった。さらに,このような手法を用いても,得
られた高分子化合物の分子量のばらつき,つまり分散度
(d=Mw/Mn)は大きく,1.7〜1.8前後の値
になっている。この値は,高分子化合物の重合度を高精
度に制御するという分子量が広範囲に分布していること
を示す。
【0004】一方,高分子化合物の合成後に分子量別に
高精度に分けて抽出する(分取する)方法として,ゲル
浸透クロマトグラフ(GPC)が挙げられる。GPC
は,液体クロマトグラフィーの一種で,固定相に微細な
細孔を有する充填剤(ゲル)を用い,被分離物質の分子
量(分子の大きさ)によって細孔へのトラップ時間が異
なることを利用して被分離物質を分子量毎に分取する方
法である。まず,高分子物質を適当な溶剤に溶解し,テ
トラヒドロフラン(THF)やクロロホルムなどの移動
相溶媒を用いて充填剤(ゲル)を充填したカラムに通
し,カラムを通過した溶液をUV法やRI法で分析し,
所望の成分を分取する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の通り,GPC法
を用いれば,物質をある程度分子量毎に分取することは
可能である。ところが,GPC法は細孔のサイズを利用
して分子量の分別を行っており,大きな分子量の物質を
1重合度毎に分取することができるほどの精度は有して
いない。せいぜい,重合度10程度が限界と考えられる
ので,これ以上大きな分子量のものは高精度の分取が困
難である。また,分取する物質は多量の移動相溶媒の溶
液としてしか得られない。単離のためには,別途,脱溶
媒工程が必要となる。また,充填剤(ゲル)は徐々に劣
化するので,定期的に交換する必要がある。これらの要
因により,GPC法はコストが高くなる。
【0006】本発明の目的は,分子量(重合度)などを
精密に制御された高分子物質を抽出する方法を提供する
こと,あるいは,それを用いてエネルギー線感応性高性
能リソグラフィ用パターン形成材料の製造を可能とする
パターン形成材料の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決する手段】本発明の高分子物質の抽出方法
は,高分子物質を超臨界状態又は亜臨界状態の流体中に
分散させたものを移動相として生成するステップ(a)
と,上記移動相を,上記高分子物質と相互作用を行なう
特性を有する固定相の表面と接触させながら流動させ
て,上記高分子物質を上記固定相からの分離しやすさに
応じて区分するステップ(b)とを含んでいる。
【0008】例えば鎖状高分子では広い範囲で重合度が
異なるものの集合体であったり,タンパク質などの集合
体においては付加しているものが異なっていたりするこ
とがある。そのような場合,この方法により,いわゆる
クロマトグラフィーを利用して,固定相からの分離しや
すさに応じて移動相中に含まれる高分子物質が区分され
るので,これらの高分子物質から目的に応じたある特定
のものを抽出することが可能になる。
【0009】上記区分された高分子物質を,その区分ご
とに取り出すステップ(c)をさらに含むことにより,
高分子物質のうちある特定のものを利用することが可能
になる。
【0010】上記固定相は無機材料であることにより,
無機材料と高分子物質との相互作用を利用して,高分子
物質のうちの特定のものを抽出することが可能になる。
【0011】上記高分子物質が重合度が相異なる複数の
ものを含んでいる場合には,上記ステップ(b)では,
重合度によって上記高分子物質と上記固定相との相互作
用の強さが異なることを利用して,上記高分子物質を重
合度がほぼ均一なものごとに分離することができる。
【0012】上記高分子物質が複数の異性体を有してい
る場合には,上記ステップ(b)では,上記複数の異性
体の間で上記固定相との相互作用の強さが異なることを
利用して,上記高分子物質を各異性体ごとに分離するこ
とができる。
【0013】上記高分子物質がフェリチンである場合に
は,上記ステップ(b)では,上記フェリチンのうち内
側に金属を付着させているものと付着させていないもの
との間,あるいは付着されている金属の重量に応じて上
記固定相とフェリチンとの相互作用の強さが異なること
を利用して,上記フェリチンを区分することができる。
【0014】上記流体として二酸化炭素を用いることに
より,二酸化炭素が高分子物質を溶解する能力が高いこ
とを利用して,高分子物質のうち特定のものを比較的容
易に抽出することができる。
【0015】上記ステップ(a)では,上記流体の温度
及び上記流体の圧力のうちから選ばれる少なくとも1つ
のパラメータを時間と共に変化させることにより,抽出
精度を高めることができる。
【0016】上記ステップ(a)では,上記流体が少量
の有機溶剤を含んでいることにより,流体の高分子物質
を溶解する能力をさらに高めることができる。
【0017】上記有機溶剤として,メタノール,エタノ
ール,水,ジメチルホルムアルデヒド,アセトニトリ
ル,酢酸,アセトン,メチルエチルケトン,クロロホル
ム,THFのうちから選ばれる少なくとも1つの物質を
用いることができる。
【0018】上記ステップ(a)では,上記流体の温
度,上記流体の圧力及び上記有機溶剤の流量のうちから
選ばれる少なくとも1つのパラメータを時間と共に変化
させることにより,抽出精度を高めることができる。
【0019】上記ステップ(c)で取り出された高分子
物質を,再度超臨界状態又は亜臨界状態の流体中に分散
させたものを移動相として生成し,上記移動相を,上記
取り出された高分子物質と相互作用を行なう特性を有す
る固定相の表面と接触させながら流動させることによ
り,抽出しうる高分子の区分をより微細化することがで
き,例えば異性体の分離も可能になる。
【0020】上記ステップ(b)で取り出された高分子
物質の一部を原材料である高分子物質に添加することに
より,このように添加された物質は特定の重合度の物質
なので,超臨界クロマトグラフィーにおけるマーカとし
て,重合度の絶対値を知る目安にでき,作業効率の向上
が可能となる。
【0021】本発明のパターン形成材料の製造方法は,
高分子物質を超臨界状態又は亜臨界状態の流体中に分散
させたものを移動相として生成する工程(a)と,上記
移動相を,上記高分子物質と相互作用を行なう特性を有
する固定相の表面と接触させながら流動させて,上記高
分子物質を上記固定相からの分離しやすさに応じて区分
する工程(b)と,上記区分された高分子物質を,その
区分ごとに取り出す工程(c)と,上記区分ごとに取り
出された高分子物質を溶媒に溶解させて,パターン形成
用材料を生成する工程(d)とを含んでいる。
【0022】この方法により,いわゆるクロマトグラフ
ィーを利用して,固定相からの分離しやすさに応じて移
動相中に含まれる高分子物質が区分されるので,これら
の目的に応じて区分された高分子物質からパターン形成
材料を製造することが可能になる。そして,例えば重合
度がほぼ均一な高分子物質からなるパターン形成材料を
用いることにより,トランジスタの各要素のパターニン
グ精度の向上を図ることが可能になる。
【0023】上記工程(a)では,上記高分子物質とし
て酸脱離基を有するものを用い,上記工程(d)では,
上記酸脱離基を有する高分子物質と,光により酸を発生
する物質(酸発生剤)とを溶媒に溶解することができ
る。
【0024】上記工程(a)では,上記高分子物質とし
て,ポリパラ−t−ブトキシスチレン(PTBST),
ポリパラ−1−エトキシエチルオキシスチレン,ポリパ
ラ−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン,ポリヒド
ロキシスチレンのうちから選ばれる少なくとも1つの物
質を用いることができる。
【0025】上記工程(a)では,上記高分子物質とし
て酸脱離基を有しないものを用い,上記工程(d)で
は,上記酸脱離基を有しない高分子物質と,一部に酸脱
離基が付与された高分子物質と,光により酸を発生する
物質(酸発生剤)とを溶媒に溶解することもできる。
【0026】上記工程(a)では,上記高分子物質とし
て,ポリヒドロキシスチレンを用いることもできる。
【0027】上記工程(b)では,重合度によって上記
高分子物質と上記固定相との相互作用の強さが異なるこ
とを利用して,上記高分子物質を重合度がほぼ均一なも
のごとに分離することができる。
【0028】上記工程(a)では,上記超臨界状態の流
体として,二酸化炭素を用いることが好ましい。
【0029】上記工程(a)では,上記流体の温度及び
上記流体の圧力のうちから選ばれる少なくとも1つのパ
ラメータを時間と共に変化させることが好ましい。
【0030】上記工程(a)では,上記流体が少量の有
機溶剤を含んでいることが好ましい。
【0031】上記有機溶剤として,メタノール,エタノ
ール,水,ジメチルホルムアルデヒド,アセトニトリ
ル,酢酸,アセトン,メチルエチルケトン,クロロホル
ム,THFのうちから選ばれる少なくとも1つの物質を
用いることが好ましい。
【0032】上記工程(a)では,上記流体の温度,上
記流体の圧力,上記有機溶剤の流量のうちから選ばれる
少なくとも1つのパラメータを時間と共に変化させるこ
とが好ましい。
【0033】上記工程(c)で取り出された高分子物質
を,再度超臨界状態又は亜臨界状態の流体中に分散させ
たものを移動相として生成し,上記移動相を,上記取り
出された高分子物質と相互作用を行なう特性を有する固
定相の表面と接触させながら流動させることができる。
【0034】上記工程(b)で取り出された高分子物質
の一部を原材料である高分子物質に添加することもでき
る。
【0035】
【発明の実施の形態】本実施形態においては,超臨界流
体(本発明の実施形態においては,超臨界状態にある流
動体を意味する)を利用して高分子物質(高分子化合
物)の分子量を高精度に制御し,高性能のパターン形成
材料を製造するための装置及び方法について説明する。
【0036】図11は,二酸化炭素や水等の流動体(流
体)の状態図を示す図である。同図において,横軸は温
度を表し縦軸は圧力を表している。温度が臨界温度Tc
で圧力が臨界圧力Pcの点(Tc,Pc)が臨界点であ
る。温度が臨界温度Tc以上で圧力が臨界圧力Pc以上
の範囲が超臨界領域Rcpである。温度が臨界温度Tc以
上で圧力が臨界圧力Pcよりもやや低い範囲及び圧力が
臨界圧力Pc以上で温度が臨界温度Tcよりもやや低い
範囲が狭義の亜臨界領域Rpcp である。この超臨界領域
Rcpにおいては,二酸化炭素や水等が気体,液体,固体
とは異なる相である超臨界状態(超臨界流動体)となっ
ており,気体,液体,固体などとは異なる性質を示すこ
とが知られている。また,上記狭義の亜臨界領域Rpcp
には含まれない領域であっても,比較的高温,高圧の領
域(図5に示す点線と超臨界領域Rcp及び狭義の亜臨界
領域Rpcp との間の中間領域)も亜臨界領域と呼ばれる
ことがあり,本明細書においては,この中間領域と狭義
の亜臨界領域とを合わせて「広義の亜臨界領域」と呼ぶ
ことにする。
【0037】ここで,例えば,流動体としての水の臨界
温度Tcは約374.3℃であり,水の臨界圧力Pcは
約22.1MPa(約217.6atm )である。また,
流動体としての炭酸ガスの臨界温度Tcは約31.2℃
であり,二酸化炭素の臨界圧力Pcは約7.37MPa
(約72.8atm )である。
【0038】超臨界流体は液体と気体の中間的な物性を
連続的に取ることが知られており,液体状態よりも小さ
な密度,小さな粘度,小さな表面張力を有し,かつ物質
を溶かし込む液体のような性質を併せ持っている。
【0039】また,上述のような密度や粘度,表面張力
等の物性のほかに,物質を溶かし込む溶解能力のみが極
度に変化することもある。例えば,水を超臨界状態の水
(超臨界水)にすると,通常状態の水では全く溶かし込
むことのできないステンレス鋼を容易に溶かし込むよう
になる。
【0040】また,二酸化炭素を超臨界状態の二酸化炭
素にした場合,溶解度は極端には変わらないが,ほぼ常
温に近い温度で超臨界状態の溶媒として使用することが
できる。従って熱に弱い食品や生理科学物質などの抽出
などに用いることが可能である。また,その圧力を下げ
さえすれば,溶媒であった二酸化炭素を気化して抽出物
質のみを分離することができるので,分離のための新た
な工程を設ける必要がなく非常に簡便である。
【0041】そして,狭義,広義の亜臨界状態の流動体
も超臨界状態の流動体に準じた性質を持っている。
【0042】図1は,本実施形態で用いた高速液体クロ
マトグラフィー装置(以下,HPLC(High Performan
ce Liquid Chromatography)システムという)の構成を
概略的に示すブロック図である。
【0043】同図に示すように,本実施形態のHPLC
システムは,クロマトグラフィーを行なうための分離カ
ラム10と,分離カラム10に移動相溶媒(超臨界又は
亜臨界状態にするための流体)を供給するための容器1
1(例えばCO2 の液体ボンベ)と,移動相溶媒をカラ
ム10に強制的に送るためのポンプを内蔵する送液装置
12と,クロマトグラフィーによって分析される試料を
注入するためのインジェクター13と,分離カラム10
で分離されて送られる試料のスペクトルを検出するため
の検出器15と,検出結果を解析するためのデータ処理
機16と,排液を貯留するための排液ビン17とを備え
ている。
【0044】図2(a),(b)は,本実施形態で利用
するクロマトグラフィーの原理を示す図である。図2
(a)に示すように,カラム10内には試料中の成分と
相互作用する特性を有するシリカ等の充填剤が配置され
ている。そして,図2(b)に示すように,試料中の成
分によって充填剤との相互作用が異なることで,試料中
の成分によってカラム10内を進む速度が異なる。図2
(b)には,例えば成分A,B,C,D,Eの順に進行
速度が速い場合のある時間における各成分A〜Eの位置
が示されている。
【0045】そこで,本実施形態では,まず,ある分子
量分散(分子量のばらつき)を有する,ある高分子化合
物(被分析物)を適当な有機溶媒に溶解させる。この有
機溶媒は,この高分子化合物を溶解する機能を有してい
る。高分子化合物としては,ポリパラ−t−ブトキシス
チレン(PTBST)(Mw=12800)等を用いて
いる。
【0046】図3は,PTBSTの分子構造を示す図で
ある。本実施形態で用いられているPTBSTの分散度
(d=Mw/Mn)は,約1.77である。この有機溶
媒としては,被分析物であるPTBSTを溶解し,か
つ,後に行なわれる超臨界クロマトグラフィーで不具合
が生じないものを用いることができる。ここでは,有機
溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いて,P
TBSTの濃度を2%(W/V)に調製する。
【0047】次に,本実施形態では,例えば内径4.6
mm,長さ250mmの分離カラム10を用い,分離カ
ラム10内に固定相としてシリカゲルを充填しておく。
そして,分離カラム10内に超臨界状態又は亜臨界状態
にするための流体である二酸化炭素を導入して20MP
aに加圧し,40℃に保持する。このとき,分離カラム
10内には,二酸化炭素を3ml/分の速度で流す。同
時に,送液装置12からモディファイアとしてメタノー
ルを0.1ml/分の速度で送液し,送液装置12内に
配置されている混合器を用いてメタノールと二酸化炭素
とを混合した後,この混合物を分離カラム10内へ流
し,分離カラム12内の液体の状態を安定化させる。
【0048】ここで,モディファイアとしては,移動相
溶媒である二酸化炭素の分極が小さいため,反対に分極
の大きなものを使用するのが一般的であり,メタノール
のほか,エタノール,水,ジメチルホルムアルデヒド,
アセトニトリル,酢酸,アセトン,メチルエチルケト
ン,クロロホルム,THFなどが用いられる。
【0049】また,二酸化炭素の臨界温度Tcは31.
0℃であり,二酸化炭素の臨界圧力Pcは7.4MPa
である。よって,分離カラム10内における二酸化炭素
の圧力を20MPa,温度を40℃にすることにより,
分離カラム10内の二酸化炭素は,ほぼ完全に超臨界状
態となっている。
【0050】次に,分離カラム10内の二酸化炭素がほ
ぼ完全に超臨界状態になっている状態で,PTBSTの
THF溶液20μlを分離カラム10内に導入する。導
入後,モディファイアであるメタノールの量を時間の経
過と共に増量する。本実施形態においては,180分後
に1.5ml/分となるよう,徐々に増量する。モディ
ファイア流量が微量のときは,重合度の小さい高分子だ
けが分離カラム10から出てくる。この時,重合度の大
きい高分子は分離カラム10内の固定相に保持されてお
り,分離カラム10からは出てこない。これは,重合度
が大きい高分子ほど分離カラム10内の充填剤との相互
作用が強いからである。その理由について説明する。
【0051】図8は,本実施形態において用いたシリカ
C18充填剤の表面部の分子構造を示す模式図である。
また,図9は,シリカと高分子化合物との間の疎水性相
互作用を説明するための模式図である。同図に示すよう
に,高分子化合物である被分析物(本実施形態において
は,PTBST)の重合度が大きいほど疎水性相互作用
が大きくなり,分離カラムを通過しにくくなることがわ
かる。
【0052】図4は,被分析物である溶質と充填剤(固
定相)との相互作用と,分離カラム10内における溶質
A,B,C(A,B,Cの順に相互作用が大きい)の流
れとの関係を示す図である。同図に示すように,充填剤
との相互作用が大きい溶質Aは分離カラム10内を流れ
にくいが,充填剤との相互作用が小さい溶質Cは分離カ
ラム10内を容易に流れる。また、固定相である充填剤
との相互作用が同じでも,高分子物質(試料成分)であ
る溶質の重量が異なれば,溶質の充填剤からの分離のし
やすさが異なる(重量が大であるほど分離しにくい)の
で,溶質の流れ易さが異なることになる。
【0053】一方,モディファイアの流量が多くなる
と,重合度の大きい(つまり充填剤との相互作用が大き
い)高分子も,固定相から移動相に移り,分離カラム1
0から容易に出てくる。このように,モディファイア量
を時間と共に変化させると,モディファイア量に応じて
分離カラム10内から出てくる高分子の分子量(重合
度)を変化させ,高分子を分子量(重合度)毎に分取す
ることが可能となる。そして,分離カラム10から出て
きた流体に高圧状態のまま紫外・可視光線を照射して吸
収強度を測定するUV法により,分取物の分析をインラ
インで行う。
【0054】図5は,UV法により,波長223nmの
紫外光に対するPTBSTの吸光度の時間変化を測定し
た結果を示す図である。流体中のPTBSTの濃度が上
昇すると,PTBSTの吸光度が大きくなる。吸光度が
時間に対して振動しているように見えるのは,PTBS
Tが重合度別に分離されて出てきているためである。本
実施形態においては,PTBSTのうち分子量の小さい
ものから順に分離カラム10から出てきている。
【0055】よって,ある成分を有する高分子のうち所
望の重合度の高分子(本実施形態では,PTBST)の
みを分取したい場合は,吸光度の時間的変化特性におけ
るある特定のピーク吸光度を示す部分のみを分取すれば
よいことになる。これが,本発明の基本的な考えであ
る。つまり,図5に示すように,PTBSTが重合度に
応じて,言い換えると固定相からの分離のしやすさに応
じて,区分されたことになる。そして,超臨界状態の二
酸化炭素は,粘性が液体よりも1桁以上小さいため,溶
質分子の拡散係数が大きくなる。よって,超臨界状態又
は亜臨界状態の二酸化炭素を移動相の溶媒として用いる
ことにより,大きな分子量の物質でも高精度の分離が可
能となる。
【0056】そこで,図5に示すように,10,20,
30,40,50番目の各ピークP 10,P20,P30,P
40,P50の部分を分取することができる。例えば,10
番目のピークP10の部分を分取するときは,時間t1か
ら時間t2までの間に吸光度が測定された溶液部分を分
取する。つまり,クロマトグラフィーによって区分され
た高分子物質を,その区分ごと(本実施形態では固定相
との相互作用の強さの範囲ごと)に取り出すのである。
ただし,後述するように,固定相の強さが同じでも,重
量などに応じて固定相からの分離しやすさが異なる(一
般に,重量が大であるほど分離しにくい)場合があり,
かかる場合は,高分子物質を重量の範囲ごとに区分し
て,その重量の区分ごとに分取することになる。
【0057】図6は,上述の手順により分取した溶液部
分について,再度同条件で超臨界クロマトグラフィーに
よる分析を行なったときの吸光度の時間変化を示す図で
ある。同図に示すように,各分取物の再超臨界クロマト
グラフィー分析データは,いずれも1つ又は2つのピー
クのみで構成されており,ほぼ単一の重合度のもの(P
TBST)だけが分取されていることがわかる。同図に
おいて,2つのピークが現れているのものは分子量が同
一なPTBSTに異性体が存在するためと考えられ,さ
らに注意深く分取することにより,高分子とその異性体
とを分離して抽出することも可能であることがわかる。
その場合には,高分子物質に異性体がある場合には,互
いに分極などが異なるために,高分子物質と重合度が同
じ異性体と当該高分子物質とは固定相に対する相互作用
の強弱が異なるためと考えられる。そして,その結果,
固定相からの分離しやすさが異なるために,複数の異性
体のうち1つの異性体のみを分取することができる。
【0058】また,各PTBSTの分散度(d=Mw/
Mn)は1.02前後の値となっており,単分散に非常
に近い分子量分布であることがわかった。
【0059】次に,分取した試料中のモディファイアを
乾燥等により除去し数倍量の,適当な有機溶媒に溶解す
る。ここでは,プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート(PGMEA)を用いたが,この他に,プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME),
乳酸エチル(EL),ジグライム,エチルセロソルブア
セテート,メトキシプロパノール等の,通常,パターン
形成材料の溶媒として使用されるものを用いることがで
きる。尚,これらの有機溶媒は,1種類を単独で使用し
てもよいし,2種類以上を組み合わせてもよい。
【0060】次に,分取した試料を有機溶媒に溶解させ
た溶液に酸発生剤を添加する。酸発生剤としては,ジア
リールヨードニウム塩を用いることができるが,その他
にも,放射線により酸を発生する物質であれば広範囲に
使用することが可能である。図7は,PTBSTを溶解
させた溶液に添加するのに適した各種酸発生剤の分子式
を示す図である。
【0061】また,露光による酸発生に伴う脱離反応に
より生成したイソブテン等と露光部高分子との逆反応を
抑制するための脱離助剤として,アルコール性水酸基を
有する化合物を添加することもできる。さらに,溶解阻
害剤や界面活性剤を配合するほうが好ましい場合があ
る。このようにして,リソグラフィ用パターン形成材料
が製造される。
【0062】次に,リソグラフィ用パターン形成材料を
用いて実際にパターン形成を行う方法を説明する。図5
に示すPTBSTの40番目のピークP40を示す分取物
(Mw約7200)1gとトリフェニルスルフォニウム
トリフレート0.03gとをPGMEA4gに溶解す
る。そして,この溶液をシリコンウエハ上に滴下し,ス
ピンコータを用いて適当な回転数で成膜し,加熱(プリ
ベーク)した後,厚さ約0.2μmのレジスト膜を形成
する。次に,ArFエキシマ露光装置により所望のマス
クを介して露光を行った後,110℃,90秒の条件で
加熱(PEB)を行う。次に,2〜3wt%のアルカリ
現像液によって60秒間の現像と,純水によるリンスと
を行う。このとき,酸発生剤であるトリフェニルスルフ
ォニウムトリフレートは,露光により分解して酸を発生
する。そして,加熱により,PTBSTのt−ブトキシ
基は,生成された酸によって脱離反応を生じ,極性を有
する基が生じ,この部分がアルカリ現像液に溶解してパ
ターンを形成する。
【0063】このリソグラフィ用パターン形成材料を用
いてレジストパターンを形成したところ,同じ条件で通
常のPTBSTを用いるのに比べて,レジストパターン
幅のばらつきが1/5に抑制された。これは,本実施形
態の超臨界状態(又は亜臨界状態)の流体を用いたクロ
マトグラフィー(超臨界クロマトグラフィー)によって
抽出されたPTBSTの分子量分布が非常に均一である
ためである。
【0064】本実施形態においては,図2(a),
(b)に示す分離カラム10の大きさを,内径4.6m
m,長さ250mmとしたが,さらに単位時間当たりの
分取量を増大させたい場合は,分離カラムの内径を大き
くし,断面積あたりの流量が同等になるように二酸化炭
素やモディファイアの流量,サンプルの打ち込み量を増
大させるとよい。
【0065】また,分取物の一部を原材料に溶解させる
ことで超臨界クロマトグラフィーにおけるマーカとして
用いることも可能である。このようなマーカを添加する
と,重合度の決定がしやすくなるという利点がある。
【0066】本実施形態においては,モディファイア量
を時間と共に変化させて高分子を分子量(重合度)毎に
分取したが,分離カラム内での滞留時間が分子量の大き
さによって異なるようにできれば,他の方法を用いるこ
ともできる。例えば圧力もしくは温度を変化させると,
分子量によって固定相から移動相に移動する割合が異な
るため,温度や圧力を時間的にゆっくりと変化させるこ
とにより,高分子を分子量(重合度)毎に分取すること
も可能である。
【0067】本実施形態においては,固定相としてシリ
カゲルを充填した分離カラムを用いたが,液体クロマト
グラフィーと同様に,ODS(Octadecyl 基)処理やT
MS(Tertial Methyl Silanol)処理した逆相タイプの
シリカゲルを用いることもできる。
【0068】なお,本実施形態においては,温度及び圧
力が各々臨界点における臨界温度Tc,臨界圧力Pc以
上である超臨界領域の二酸化炭素を用いたが,高分子の
種類,分解温度などに応じて,二酸化炭素の温度,圧力
に制約がある場合は,温度あるいは圧力のどちらか一方
のみが臨界温度又は臨界圧力を超えた亜臨界領域を用い
てもよい。この場合,重合度分離能力は低下する場合が
あるが,流体の密度が大きいため,より高速で分離する
ことが可能となるメリットを有する。
【0069】(他の実施形態)本発明の高分子物質の抽
出方法は,レジスト材料だけでなく,種々の高分子物質
(生物関連物質を含む)に適用することができる。
【0070】図10は,本発明の高分子物質の抽出方法
の他の実施形態に用いられるフェリチン20の構造を表
す図である。天然に存在するフェリチン20の大部分
は,金属粒子21(金属酸化物も含む)とタンパク質分
子22とからなり,金属粒子21を内部に保持するよう
に,金属粒子21の周囲をタンパク質分子22で囲む構
造を有している。金属粒子21は,例えば鉄酸化物など
である。フェリチン20の中には,金属粒子22を有し
ていないもの(アポフェリチンと呼ばれる)もある。例
えば,馬および牛等の動物の脾臓および肝臓等の臓器か
ら抽出されたフェリチンからアポフェリチンが得られ
る。また,1つのフェリチン20が包含している金属粒
子22の量は必ずしも一定ではなく,分布を持っている
ことが多い。そして,フェリチンを工業的に利用する場
合には,金粒子,Si粒子など種々の無機微粒子(金
属,半導体,絶縁体の微粒子)の集合体をタンパク質に
よって囲んだものあるいはアポフェリチンを生成するこ
とがある。
【0071】ここで,本発明の高分子物質の抽出方法の
他の実施形態においては,天然に存在するフェリチン又
は工業的に製造したフェリチンの中から,所望の量の微
粒子を含むフェリチン,又はアポフェリチンを分取す
る。すなわち,図1に示すHPLCシステムにおいて,
インジェクター13からフェリチンを移動相溶媒中に注
入すると,フェリチンが包含する金属粒子の量に応じ
て,図5に示すと同様に,フェリチンがそれが包含する
微粒子量のある範囲ごとに(又は微粒子を包含するもの
と包含しないものとに)区分される。その理由は,フェ
リチンのタンパク質の構造がほぼ均一で,各フェリチン
と固定相との相互作用がほぼ均一であったとしても,フ
ェリチン全体の重量により,固定相に付着したフェリチ
ンの固定相からの分離のしやすさが異なるからである。
【0072】したがって,この原理を利用して,包含す
る微粒子量に分布を持っているフェリチンから,ある範
囲の微粒子量を包含するフェリチンを分取することがで
きる。また,微粒子を包含しているものと,包含してい
ないものとが混在するフェリチンから,微粒子を包含す
るフェリチン又はアポフェリチンを分取することができ
る。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば,超臨界クロマトグラフ
ィー(SFC)法の高精度分離能力に着目し,SFC法
を用いた分取により分子量(重合度)を精密に制御され
た高分子化合物を製造し,それを用いてエネルギー線感
応性高性能リソグラフィ用パターン形成材料の製造を可
能とするパターン形成材料の製造が可能となり,形成す
るレジストパターン幅のばらつきを抑制することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態で用いたHPLCシステムの
構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】(a),(b)は,本発明の実施形態で利用す
るクロマトグラフィーの原理を示す図である。
【図3】本発明の実施形態で用いた被分析物であるPT
BSTの分子構造を示す図である。
【図4】被分析物である溶質と充填剤との相互作用と,
分離カラム内における溶質の流れとの関係を示す図であ
る。
【図5】UV法により,波長223nmの紫外光に対す
るPTBSTの吸光度の時間変化を測定した結果を示す
図である。
【図6】分取した溶液部分について,再度同条件で超臨
界クロマトグラフィーによる分析を行なったときの吸光
度の時間変化を示す図である。
【図7】PTBSTを溶解させた溶液に添加するのに適
した酸発生剤の分子式を示す図である。
【図8】本発明の施形態において用いたシリカC18充
填剤の表面部の分子構造を示す模式図である。
【図9】シリカと高分子化合物との間の疎水性相互作用
を説明するための模式図である。
【図10】本発明の高分子物質の抽出方法の他の実施形
態に用いられるフェリチンの構造を表す図である。
【図11】二酸化炭素や水等の流動体(流体)の状態図
を示す図である。
【符号の説明】
10 分離カラム 11 容器 12 送液装置 13 インジェクター 15 検出器 16 データ処理機 17 排液ビン 20 フェリチン 21 金属粒子 22 タンパク質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 30/28 G01N 30/28 30/88 30/88 J P G03F 7/033 G03F 7/033 7/039 601 7/039 601 // G01N 30/48 G01N 30/48 K Fターム(参考) 2H025 AA02 AB16 AC08 AD03 BE00 BE10 BG00 CB56 4D017 AA03 BA07 CA01 CA06 CB01 CB10 DA01 DA03 DB03 DB10 EA01 EB02 EB07 EB10 4D056 AB20 AC24 AC27 BA11 BA16 CA05 CA21 CA22 CA28 CA39 DA01 DA02 DA04

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子物質を超臨界状態又は亜臨界状態
    の流体中に分散させたものを移動相として生成するステ
    ップ(a)と,上記移動相を,上記高分子物質と相互作
    用を行なう特性を有する固定相の表面と接触させながら
    流動させて,上記高分子物質を上記固定相からの分離し
    やすさに応じて区分するステップ(b)とを含む高分子
    物質の抽出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高分子物質の抽出方法に
    おいて,上記区分された高分子物質を,その区分ごとに
    取り出すステップ(c)をさらに含むことを特徴とする
    高分子物質の抽出方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の高分子物質の抽出
    方法において,上記固定相は無機材料であることを特徴
    とする高分子物質の抽出方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載
    の高分子物質の抽出方法において,上記高分子物質は,
    重合度が相異なる複数のものを含んでおり,上記ステッ
    プ(b)では,重合度によって上記高分子物質と上記固
    定相との相互作用の強さが異なることを利用して,上記
    高分子物質を重合度がほぼ均一なものごとに分離するこ
    とを特徴とする高分子物質の抽出方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載
    の高分子物質の抽出方法において,上記高分子物質は,
    複数の異性体を有しており,上記ステップ(b)では,
    上記複数の異性体の間で上記固定相との相互作用の強さ
    が異なることを利用して,上記高分子物質を各異性体ご
    とに分離することを特徴とする高分子物質の抽出方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載
    の高分子物質の抽出方法において,上記高分子物質は,
    フェリチンであり,上記ステップ(b)では,上記フェ
    リチンのうち内側に金属を付着させているものと付着さ
    せていないものとの間,あるいは付着されている金属の
    重量に応じて上記固定相とフェリチンとの相互作用の強
    さが異なることを利用して,上記フェリチンを区分する
    ことを特徴とする高分子物質の抽出方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のうちいずれか1つに記載
    の高分子物質の抽出方法において,上記流体として二酸
    化炭素を用いることを特徴とする高分子物質の抽出方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のうちいずれか1つに記載
    の高分子の抽出方法において,上記ステップ(a)で
    は,上記流体の温度及び上記流体の圧力のうちから選ば
    れる少なくとも1つのパラメータを時間と共に変化させ
    ることを特徴とする高分子物質の抽出方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のうちいずれか1つに記載
    の高分子物質の抽出方法において,上記ステップ(a)
    では,上記流体が少量の有機溶剤を含んでいることを特
    徴とする高分子物質の抽出方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の高分子物質の抽出方法
    において,上記有機溶剤として,メタノール,エタノー
    ル,水,ジメチルホルムアルデヒド,アセトニトリル,
    酢酸,アセトン,メチルエチルケトン,クロロホルム,
    THFのうちから選ばれる少なくとも1つの物質を用い
    ることを特徴とする高分子物質の抽出方法。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10記載の高分子の抽出
    方法において,上記ステップ(a)では,上記流体の温
    度,上記流体の圧力及び上記有機溶剤の流量のうちから
    選ばれる少なくとも1つのパラメータを時間と共に変化
    させることを特徴とする高分子物質の抽出方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のうちいずれか1つに
    記載の高分子の抽出方法において,上記ステップ(c)
    で取り出された高分子物質を,再度超臨界状態又は亜臨
    界状態の流体中に分散させたものを移動相として生成
    し,上記移動相を,上記取り出された高分子物質と相互
    作用を行なう特性を有する固定相の表面と接触させなが
    ら流動させることを特徴とする高分子の抽出方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のうちいずれか1つに
    記載の高分子の抽出方法において,上記ステップ(c)
    で取り出された高分子物質の一部を原材料である高分子
    物質に添加することを特徴とする高分子物質の抽出方
    法。
  14. 【請求項14】 高分子物質を超臨界状態又は亜臨界状
    態の流体中に分散させたものを移動相として生成する工
    程(a)と,上記移動相を,上記高分子物質と相互作用
    を行なう特性を有する固定相の表面と接触させながら流
    動させて,上記高分子物質を上記固定相からの分離しや
    すさに応じて区分する工程(b)と,上記区分された高
    分子物質を,その区分ごとに取り出す工程(c)と,上
    記区分ごとに取り出された高分子物質を溶媒に溶解させ
    て,パターン形成用材料を生成する工程(d)とを含む
    パターン形成用材料の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載のパターン形成用材料
    の製造方法において,上記工程(a)では,上記高分子
    物質として酸脱離基を有するものを用い,上記工程
    (d)では,上記酸脱離基を有する高分子物質と,光に
    より酸を発生する物質(酸発生剤)とを溶媒に溶解する
    ことを特徴とするパターン形成材料の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項15記載のパターン形成材料の
    製造方法において,上記工程(a)では,上記高分子物
    質として,ポリパラ−t−ブトキシスチレン(PTBS
    T),ポリパラ−1−エトキシエチルオキシスチレン,
    ポリパラ−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン,ポ
    リヒドロキシスチレンのうちから選ばれる少なくとも1
    つの物質を用いることを特徴とするパターン形成材料の
    製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項14記載のパターン形成用材料
    の製造方法において,上記工程(a)では,上記高分子
    物質として酸脱離基を有しないものを用い,上記工程
    (d)では,上記酸脱離基を有しない高分子物質と,一
    部に酸脱離基が付与された高分子物質と,光により酸を
    発生する物質(酸発生剤)とを溶媒に溶解することを特
    徴とするパターン形成材料の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項17記載のパターン形成材料の
    製造方法において,上記工程(a)では,上記高分子物
    質として,ポリヒドロキシスチレンを用いることを特徴
    とするパターン形成材料の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項14〜18のうちいずれか1つ
    に記載のパターン形成材料の製造方法において,上記工
    程(b)では,重合度によって上記高分子物質と上記固
    定相との相互作用の強さが異なることを利用して,上記
    高分子物質を重合度がほぼ均一なものごとに分離するこ
    とを特徴とする高分子物質の抽出方法。
  20. 【請求項20】 請求項14〜19のうちいずれか1つ
    に記載のパターン形成材料の製造方法において,上記工
    程(a)では,上記超臨界状態の流体として,二酸化炭
    素を用いることを特徴とするパターン形成材料の製造方
    法。
  21. 【請求項21】 請求項14〜20のうちいずれか1つ
    に記載のパターン形成用材料の製造方法において,上記
    工程(a)では,上記流体の温度及び上記流体の圧力の
    うちから選ばれる少なくとも1つのパラメータを時間と
    共に変化させることを特徴とする高分子の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項14〜20のうちいずれか1つ
    に記載のパターン形成材料の製造方法において,上記工
    程(a)では,上記流体が少量の有機溶剤を含んでいる
    ことを特徴とするパターン形成材料の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項22記載のパターン形成材料の
    製造方法において,上記有機溶剤として,メタノール,
    エタノール,水,ジメチルホルムアルデヒド,アセトニ
    トリル,酢酸,アセトン,メチルエチルケトン,クロロ
    ホルム,THFのうちから選ばれる少なくとも1つの物
    質を用いることを特徴とするパターン形成材料の製造方
    法。
  24. 【請求項24】 請求項22又は23記載のパターン形
    成材料の製造方法において,上記工程(a)では,上記
    流体の温度,上記流体の圧力,上記有機溶剤の流量のう
    ちから選ばれる少なくとも1つのパラメータを時間と共
    に変化させることを特徴とするパターン形成材料の製造
    方法。
  25. 【請求項25】 請求項14〜24のうちいずれか1つ
    に記載のパターン形成材料の製造方法において,上記工
    程(c)で取り出された高分子物質を,再度超臨界状態
    又は亜臨界状態の流体中に分散させたものを移動相とし
    て生成し,上記移動相を,上記取り出された高分子物質
    と相互作用を行なう特性を有する固定相の表面と接触さ
    せながら流動させることを特徴とするパターン形成材料
    の製造方法。
  26. 【請求項26】 請求項14〜24のうちいずれか1つ
    に記載のパターン形成材料の製造方法において,上記工
    程(b)で取り出された高分子物質の一部を原材料であ
    る高分子物質に添加することを特徴とするパターン形成
    材料の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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