JP2003203246A - 画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置

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JP2003203246A
JP2003203246A JP2002374656A JP2002374656A JP2003203246A JP 2003203246 A JP2003203246 A JP 2003203246A JP 2002374656 A JP2002374656 A JP 2002374656A JP 2002374656 A JP2002374656 A JP 2002374656A JP 2003203246 A JP2003203246 A JP 2003203246A
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Application number
JP2002374656A
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English (en)
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Kazuhiro Fujisawa
和博 藤沢
Kota Makino
剛太 牧野
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Sanyo Bussan Co Ltd
Irem Software Engineering Inc
Original Assignee
Sanyo Bussan Co Ltd
Irem Software Engineering Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3次元の画像における背景をリアルに表示
することができる画像表示装置を提供する。 【解決手段】 キャラクタROMに記憶されている2次
元の背景画像データを読み出し、ビデオRAM内のフレ
ームメモリ内に背景画像を描画する(U1,U2)。キ
ャラクタROM内のモデルデータを読み出してワールド
座標系内にオブジェクトを配置し、そのオブジェクトを
スクリーン座標系に投影する(U3〜U6)。キャラク
タROM内のテクスチャデータを読み出し、投影された
オブジェクトの各ポリゴンに相当するフレームメモリ内
の位置にテクスチャを貼付けた視野画像を生成する(U
8)。割り込みの発生によって、背景画像上にオブジェ
クトが描画された視野画像を表示手段に表示する(U
9,U10)。その結果、背景画像の模様が縮小されて
潰れることなく表示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機、スロ
ットマシン、コイン遊技機あるいはビデオゲーム機など
の遊技機に搭載される画像表示装置に係り、特に、仮想
3次元空間におけるオジェクトを表示する視野画像内に
背景画像を合わせて表示する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、遊技機において遊技者が識別する
識別図柄が3次元の画像である場合には、識別図柄に相
当する複数のポリゴンで形成されたオブジェクトを仮想
3次元空間内に配置して、その仮想3次元空間内の様子
を所与の視点に基づく視野画像に変換して、その視野画
像を画像表示装置の画面に表示している。また、識別図
柄の背面に背景を表示する場合には、仮想3次元空間内
に配置されたオブジェクトの背面に背景画像を貼付ける
ためのオブジェクトを設定することで、視野画像におけ
る識別図柄の背面に背景が表示される。
【0003】具体的には、例えば図12に示すような多
数個のリングの描かれたテクスチャである背景画像HT
を背景として表示する場合について説明する。図13に
示すように、まず、視野画像における識別図柄に相当す
るオブジェクトB1,B2を仮想3次元空間であるワー
ルド座標系内に設定する。次に、ワールド座標系内の所
与の視点SPから離れた位置に設定されたオブジェクト
B2よりも、奥側に設定されたオブジェクトB1のさら
に奥側に、背景画像HTを貼付けるための背景オブジェ
クトOHを設定する。視点SPを基準とする2次元の投
影平面であるスクリーン座標系に投影範囲SCに含まれ
る各オブジェクトB1,B2,OHをそれぞれ透視投影
する。さらに、スクリーン座標系に投影された各オブジ
ェクトB1,B2,OHの各ポリゴンにテクスチャを貼
付けて視野画像を生成する。このとき、背景オブジェク
トOHには、背景オブジェクトOH上の投影範囲SC内
に相当する背景画像HTの部分の画像が貼付けられる。
その結果、図14に示すように、背景画像HTの一部の
画像上に、オブジェクトB1,B2に相当する画像であ
る識別図柄S1,S2が描かれた視野画像がモニタに表
示される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の遊技機の画像表示装置においては、次のような
問題がある。視野画像における背景は、識別図柄S1,
S2の背面側に表示する必要があるので、背景オブジェ
クトOHを仮想3次元空間に配置したオブジェクトB
1,B2よりも奥側に設定する必要がある。つまり、仮
想3次元空間の所与の視点から見て、各オブジェクトB
1,B2よりもさらに離れた位置に背景オブジェクトを
設定するので、スクリーン座標系に投影された背景オブ
ジェクトOHは各オブジェクトB1,B2より小さく投
影される。すなわち、その小さく投影された背景オブジ
ェクトOHに貼付けられる部分の背景画像HTの画像も
その大きさに合わせて縮小される。その結果、図14に
示したように、画面に表示される視野画像における背景
は、図12に示した背景画像HTの模様に比べて、その
模様が小さく表示されるという問題がある。この問題に
よって、例えば、背景画像が写真などの細かな模様を含
む画像である場合には、実際に画面に表示される際に、
その写真の細かな模様が潰れて見にくくなり、写真本来
のリアルな表示を実現することが困難になるという問題
が生じる。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、3次元の画像における背景をリアルに
表示することができる画像表示装置を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。 1.本発明の構成は、複数のポリゴンで形成されたオブ
ジェクトと、前記オブジェクトの各ポリゴンに貼付ける
模様が描かれたテクスチャとを少なくとも記憶する記憶
手段と、前記記憶手段に記憶されたオブジェクトを仮想
3次元空間内に設定するオブジェクト設定手段と、前記
仮想3次元空間内の所与の視点に基づく視線方向を前記
視点を中心に回転させる視線回転手段と、前記回転され
た視線方向を基準とする2次元の投影平面を設定し、そ
の投影平面に前記オブジェクトを投影する投影手段と、
前記投影平面に投影されたオブジェクトの各ポリゴンに
前記記憶手段に記憶されたテクスチャを貼付けた視野画
像を、前記投影平面に相当する画像生成領域内に生成す
る視野画像生成手段と、前記画像生成領域内の視野画像
を表示手段に出力して、前記視線方向の回転に伴う前記
仮想3次元空間内の様子を表示する表示出力手段とを備
えた画像表示装置において、前記記憶手段は、さらに、
前記視野画像におけるオブジェクトの背面側に表示され
る背景画像を記憶しており、前記視野画像を生成する前
の前記画像生成領域内に、前記記憶手段に記憶された背
景画像を設定する背景画像設定手段を備えたことを特徴
とするものである。
【0007】2.上記構成1に記載の画像表示装置にお
いて、前記装置は、さらに、前記記憶手段に記憶された
背景画像上の一部の領域を表示領域として設定する表示
領域設定手段を備え、前記背景画像設定手段は、前記視
野画像を生成する前の前記画像生成領域内に、前記表示
領域内に含まれる背景画像を設定するものである。この
構成によれば、表示領域設定手段は、記憶手段に記憶さ
れた背景画像上の一部の領域を表示領域として設定す
る。背景画像設定手段は、視野画像生成手段によって視
野画像が画像生成領域内に生成される前に、背景画像の
一部である表示領域内の背景画像を画像生成領域内に設
定する。視野画像生成手段は、投影されたオブジェクト
の各ポリゴンにテクスチャを貼付けた視野画像を、背景
画像が設定された画像生成領域に上書き生成する。表示
出力手段は、その画像生成領域内の視野画像を表示手段
に出力する。表示手段は、視線方向の回転に伴う仮想3
次元空間内の様子とともに背景画像を表示する。その結
果、仮想3次元空間内に配置したオブジェクトによって
背景を表示する場合に比べて、背景の模様をよりリアル
に表示することができる。また、仮想3次元空間内に背
景を表示するためのオブジェクトを設定しないので、画
像表示装置における処理を高速化することもできる。
【0008】3.上記構成2に記載の画像表示装置にお
いて、前記装置は、さらに、前記仮想3次元空間におけ
る視線方向の回転角度に基づいて、前記記憶手段に記憶
された背景画像上の表示領域を移動させるための移動量
を算出する移動量算出手段を備え、前記背景画像設定手
段は、前記視野画像を生成する前の前記画像生成領域内
に、前記移動量に基づいて移動させた表示領域内に含ま
れる背景画像を設定するものである。この構成によれ
ば、移動量算出手段は、視線回転手段によって回転され
た視線方向の回転角度に基づいて、背景画像上の表示領
域を移動させるための移動量を算出する。背景画像設定
手段は、移動量に応じて表示領域を移動させ、その移動
後の表示領域内に含まれる背景画像を、視野画像生成手
段によって視野画像が生成される前の画像生成領域内に
設定する。視野画像生成手段は、投影されたオブジェク
トの各ポリゴンにテクスチャを貼付けた視野画像を、背
景画像が設定された画像生成領域に上書き生成する。表
示出力手段は、その画像生成領域内の視野画像を表示手
段に出力する。表示手段は、視線方向の回転に伴う仮想
3次元空間内の様子とともに、視野方向の回転とともに
移動する背景画像を表示する。その結果、視線方向の回
転に伴って視線画像内で移動するオブジェクトと同様に
背景を移動させることができるので、自然な表示を実現
することができる。また、仮想3次元空間内に背景を表
示するためのオブジェクトを設定しないので、画像表示
装置における処理を高速化することもできる。
【0009】4.上記構成3に記載の画像表示装置にお
いて、前記移動量算出手段は、前記視線方向に垂直に交
わる第1軸の回転角度に基づいて、前記視線方向および
第1軸にそれぞれ垂直に交わる第2軸の方向に前記表示
領域を移動させるための移動量を算出するとともに、前
記2軸の回転角度に基づいて、前記第1軸の方向に前記
表示領域を移動させるための移動量を算出するものであ
る。この構成によれば、移動算出手段は、視線方向が第
2軸を中心に回転する場合には仮想3次元空間内におけ
るその視線方向に基づく視界が第1軸方向に移動するの
で、その第1軸方向に背景画像上の表示領域を移動させ
るための移動量を算出する一方、視線方向が第1軸を中
心に回転する場合には仮想3次元空間内におけるその視
線方向に基づく視界が第2軸方向に移動するので、その
第2軸方向に背景画像上の表示領域を移動させるための
移動量を算出する。その結果、仮想3次元空間内の視線
方向の回転に応じて、視線画像内の背景をより正確に移
動させることができるので、より自然な表示を実現する
ことができる。
【0010】5.上記構成1ないし構成4のいずれかに
記載の画像表示装置において、前記記憶手段に記憶され
た背景画像は、その左右両端の模様が連続して円筒状に
なるように構成された画像である。この構成によれば、
記憶手段に記憶された背景画像は、円筒状になるように
その左右両端の模様が連続しているので、その背景画像
の横幅が視野方向の一回転分に相当する。その結果、視
線画像内において、横方向の回転において切れ目の無い
背景を表示することができる。
【0011】6.上記構成1ないし構成4のいずれかに
記載の画像表示装置において、前記記憶手段に記憶され
た背景画像は、その上下両端の模様が連続するととも
に、その左右両端の模様が連続して球状になるように構
成された画像である。この構成によれば、記憶手段に記
憶された背景画像は、球状になるようにその上下両端お
よび左右両端の模様がそれぞれ連続しているので、その
背景画像の縦幅および横幅が視野方向の一回転分に相当
する。その結果、視線画像内において、縦横方向の回転
において切れ目の無い背景を表示することができる。
【0012】7.上記構成1ないし構成6のいずれかに
記載の画像表示装置を備える遊技機である。この遊技機
によれば、上記構成1ないし構成6のいずれかに記載の
画像表示装置によって、視線方向の回転に伴う仮想3次
元空間内の様子を背景とともに表示する。その結果、遊
技者はリアルな表示態様を見ることができるので、遊技
者の面白味を永続させることができる。
【0013】8.上記構成7において、前記遊技機はパ
チンコ機である。中でも、パチンコ機の基本構成として
は、操作ハンドルを備えておりそのハンドル操作に応じ
て遊技球を所定の遊技領域に発射させ、遊技球が遊技領
域内の所定の位置に配置された作動口に入賞することを
必要条件として遊技機用表示装置における図柄画像の変
動が開始することが挙げられる。また、特定遊技状態発
生中には遊技領域内の所定の位置に配置された入賞口が
所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能として、その
入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カ
ードへの書き込む等も含む)が付与されることが挙げら
れる。その結果、遊技者の面白味を永続させることがで
きる。
【0014】9.複数のポリゴンで形成されたオブジェ
クトを仮想3次元空間内に設定する過程と、前記仮想3
次元空間内の所与の視点に基づく視線方向を前記視点を
中心に回転させる過程と、前記回転された視線方向を基
準とする2次元の投影平面を設定し、その投影平面に前
記オブジェクトを投影する過程と、前記投影平面に投影
されたオブジェクトの各ポリゴンにテクスチャを貼付け
た視野画像を、前記投影平面に相当する画像生成領域内
に生成する過程と、前記画像生成領域内の視野画像を表
示手段に出力して、前記視線方向の回転に伴う前記仮想
3次元空間内の様子を表示する過程とを備えた画像表示
方法において、前記視野画像におけるオブジェクトの背
面側に表示される背景画像上の一部の領域を表示領域と
して設定する過程と、前記仮想3次元空間における視線
方向の回転角度に基づいて、前記背景画像上の表示領域
を移動させるための移動量を算出する過程と、前記視野
画像を生成する前の前記画像生成領域内に、前記移動量
に基づいて移動させた表示領域内に含まれる背景画像を
設定する過程とを備えたことを特徴とするものである。
この方法によれば、仮想3次元空間内に複数のポリゴン
で形成されたオブジェクトを設定する。その仮想3次元
空間内の所与の視点を中心として回転する視線方向に基
づく2次元の投影平面を設定する。その2次元の投影平
面にオブジェクトを投影する。そのオブジェクトの背面
側に表示される背景画像の一部の領域を表示領域として
設定する。視線方向の回転角度に基づいて移動量を算出
する。その移動量に基づいて表示領域を移動させて、そ
の移動後の表示領域内の背景画像を、投影平面に相当す
る画像生成領域内に設定する。その背景画像が設定され
た画像生成領域内に、投影平面に投影されたオブジェク
トを書き込み、そのオブジェクトの各ポリゴンにテクス
チャを貼付けた視野画像を生成する。その視野画像を表
示手段に表示出力する。その結果、視線方向の回転に伴
って視線画像内で移動するオブジェクトと同様に背景を
移動させることができるので、自然な表示を実現するこ
とができる。また、仮想3次元空間内に背景を表示する
ためのオブジェクトを設定しないので、画像表示処理を
高速化することもできる。
【0015】10.複数のポリゴンで形成されたオブジ
ェクトを仮想3次元空間内に設定するステップと、前記
仮想3次元空間内の所与の視点に基づく視線方向を前記
視点を中心に回転させるステップと、前記回転された視
線方向を基準とする2次元の投影平面を設定し、その投
影平面に前記オブジェクトを投影するステップと、前記
投影平面に投影されたオブジェクトの各ポリゴンにテク
スチャを貼付けた視野画像を、前記投影平面に相当する
画像生成領域内に生成するステップと、前記画像生成領
域内の視野画像を表示手段に出力して、前記視線方向の
回転に伴う前記仮想3次元空間内の様子を表示するステ
ップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを
記憶した記憶媒体において、前記視野画像におけるオブ
ジェクトの背面側に表示される背景画像上の一部の領域
を表示領域として設定するステップと、前記仮想3次元
空間における視線方向の回転角度に基づいて、前記背景
画像上の表示領域を移動させるための移動量を算出する
ステップと、前記視野画像を生成する前の前記画像生成
領域内に、前記移動量に基づいて移動させた表示領域内
に含まれる背景画像を設定するステップとをコンピュー
タに実行させるためのプログラムを記憶したものであ
る。この構成によれば、記憶媒体に記憶させたプログラ
ムをコンピュータに読み込ませることにより、このコン
ピュータが上記構成8の方法発明を実行する。その結
果、上記構成8に記載の方法発明をコンピュータに実行
させることができる。
【0016】
【作用】本発明の作用は次のとおりである。記憶手段
は、複数のポリゴンで形成されたオブジェクトと、その
オブジェクトの各ポリゴンに貼付けるテクスチャと、背
景画像とを少なくとも記憶する。オブジェクト設定手段
は、仮想3次元空間内に記憶手段に記憶されたオブジェ
クトを設定する。視線回転手段は、仮想3次元空間内の
所与の視点を中心として、その視点に基づく視線方向を
回転させる。投影手段は、回転された視線方向を基準と
する2次元の投影平面を設定し、その投影平面にオブジ
ェクトを投影する。背景画像設定手段は、投影平面に相
当する画像生成領域内に記憶手段に記憶された背景画像
を設定する。視野画像生成手段は、画像生成領域に設定
された背景画像上に、投影平面に投影されたオブジェク
トの各ポリゴンにテクスチャを貼付けた視野画像を生成
する。表示出力手段は、背景画像を含む視野画像を表示
手段に出力する。表示手段は、視線方向の回転に伴う仮
想3次元空間内の様子を背景とともに表示する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施例を説明する。3次元の画像を表示する画像表示装
置を備えた遊技機として、パチンコ機を例に採って説明
する。なお、本発明に係る遊技機は、パチンコ機に限定
されるものではなく、例えば、スロットマシン、コイン
遊技機あるいはビデオゲーム機などにも適用することが
できる。
【0018】図1は本実施例に係るパチンコ機の概略構
成を示す正面図であり、図2はパチンコ機に備える制御
基盤および画像表示装置の概略構成を示すブロック図で
ある。
【0019】本実施例のパチンコ機は、パチンコ機の全
体を制御する制御基盤1(図2参照)を備える遊技盤7
と、遊技盤7が取り付けられた枠体3と、遊技盤7の下
側に設けられた上受け皿4と、上受け皿4に貯留したパ
チンコ球を遊技盤7の盤面に発射する図示しない発射装
置が連結された回転式ハンドル5と、上受け皿4の下側
に設けられた下受け皿6と、遊技者が遊技状態を識別す
る識別図柄を表示する液晶モニタ4の画面4aが遊技盤
7の盤面のほぼ中央に配置されるように搭載された画像
表示装置2とを備えている。なお、画面4aには、3次
元の画像である複数個の識別図柄の変位(移動,回転.
変形等)の様子や、識別図柄以外の図柄の変位の様子
が、遊技機における遊技状態に応じて表示される。識別
図柄とは、遊技機の遊技状態を遊技者に認識させるため
の画像である。例えば、変位している3個の識別図柄が
同じ種類で停止すれば特定の遊技状態が発生したことを
遊技者に認識させる一方、3個の識別図柄が異なる種類
で停止すれば通常の遊技状態が維持されることを遊技者
に認識させる。後の説明で明らかになるように、識別図
柄は、仮想3次元空間に配置された3次元のオブジェク
トを2次元で表示した画像であり、画像表示装置2にお
いてそのオブジェクトを仮想3次元空間内で変位させる
ことにより、画面4a上で識別図柄を変位させて表示す
るものである。また、特定の遊技状態とは、多数個のパ
チンコ球を取得できる遊技者に有利な状態であり、通常
の遊技状態とは、パチンコ球を消費する遊技者に不利な
状態をいう。
【0020】遊技盤7には、回転式ハンドル5によって
発射されたパチンコ球を盤面に案内するレール7aと、
パチンコ球を不特定箇所に誘導する複数本の図示しない
クギと、クギによって誘導されてきたパチンコ球が入賞
する複数個の入賞口7bと、遊技盤7のほぼ中央付近に
誘導されてきたパチンコ球が入賞する始動口7cと、特
定の遊技状態において比較的多数のパチンコ球を同時に
入賞させることができる大入賞口7dとが設けられてい
る。各入賞口7b、始動口7cおよび大入賞口7d内に
は、パチンコ球の入球を検出する入賞検出センサ11
(図2参照)がそれぞれ設けられている。入賞検出セン
サ11がパチンコ球の入球を検出すると、遊技盤7に備
える制御基盤1によって所定個数のパチンコ球が上受け
皿4に供給される。また、始動口7c内には、始動開始
センサ12(図2参照)が設けられている。さらに、大
入賞口7dには、開閉式ソレノイド13(図2参照)が
設けられており、この開閉式ソレノイド13の動作によ
って、大入賞口7dが開閉自在に構成されている。な
お、上述したものの他に始動口7cに入球したパチンコ
球の個数を記憶する例えば保留ランプ等を備えるが、こ
の実施例ではその説明を省略する。
【0021】上受け皿4は、受け皿形状になっており、
パチンコ球が供給される球供給口4aから供給されたパ
チンコ球を貯留する。また、球供給口4aが配置された
上受け皿4の反対側には、パチンコ球をレール7aに向
けて発射する発射装置に連通する図示しない球送り口が
設けられている。さらに、上受け皿4の上部には、貯留
したパチンコ球を下受け皿6に移すための球抜きボタン
4bが設けられており、この球抜きボタン4bを押すこ
とで、上受け皿4に貯留したパチンコ球を下受け皿6に
移すことができる。下受け皿6は、受け皿形状になって
おり、上受け皿4から移されてきたパチンコ球を受け止
める。なお、下受け皿6には、その中に貯留したパチン
コ球を抜く図示しない球抜きレバーが設けられている。
【0022】回転式ハンドル5には、パチンコ球をレー
ル7aに向けて発射する発射装置が連結されている。回
転式ハンドル5を回転させることにより、発射装置はそ
の回転量に応じた強さでパチンコ球を発射する。なお、
このときパチンコ球は所定の間隔ごとに一個ずつ発射さ
れる。
【0023】遊技盤7に備える制御基盤1は、上述した
入賞口7bや始動口7cの球検出センサの検出に基づい
て所定量のパチンコ玉を供給したり、図示しないランプ
やスピーカを作動させたりする各種のイベントを実行す
るものである。また、この制御基盤1は、画像表示装置
2に情報流通可能に接続されており、画像表示装置2に
備える画面4aに遊技状態を示す識別図柄を表示するた
めのコマンド等を画像表示装置2に送信するものであ
る。
【0024】画像表示装置2は、画面4aを備える液晶
モニタ4と、液晶モニタ4に識別図柄を表示するCPU
22等を備えて構成されている。
【0025】以下、図2に示す制御基盤1のブロック図
と、制御基盤1で行なわれる処理の概要を図3に示すフ
ローチャートとを参照しながら説明する。
【0026】図2に示すように、制御基盤1は、メモリ
およびCPU等で構成されるマイクロコンピュータであ
る主制御部16と、遊技機における遊技状態を決定する
値を出力するカウンタ14と、始動口7c(図1参照)
でパチンコ球の入球を検出する始動開始センサ12と、
入賞口7b等(図1参照)でパチンコ球の入球を検出す
る入賞検出センサ11と、大入賞口7d(図1参照)を
開閉する開閉式ソレノイド13と、画像表示装置2のイ
ンターフェイス21に情報流通可能に接続されるインタ
ーフェイス15などを備えて構成されている。
【0027】以下、制御基盤1の各ブロックで行なわれ
る処理を図3のフローチャートを参照しながら詳細に説
明する。 ステップS1(入球を検出) 遊技者は、回転式ハンドル5によってパチンコ球を遊技
盤7内に打ち込み、パチンコ遊技を開始する。遊技盤7
内に打ち込まれた一部のパチンコ球は盤面の中央付近ま
で導かれ、始動口7cに入球する。パチンコ球が始動口
7cに入球すると、始動口7c内に入球した球を検出す
る始動開始センサ12は、始動開始信号を主制御部16
に送るとともに、始動口7c内に設けられた入賞検出セ
ンサ11は、入賞信号を主制御部16に送る。なお、こ
の実施例では、始動開始センサ12と入賞検出センサ1
1とは、同一のセンサによって併用される。また、入賞
口7bにパチンコ球が入球した場合にも、各入賞口7b
の入賞検出センサ11は、入賞信号を主制御部16に送
る。
【0028】ステップS2(パチンコ球を供給) 主制御部16は、入賞検出センサ11からの入賞信号を
検出すると、図示しないパチンコ球供給機構を稼働させ
て、所定数量のパチンコ球を球供給口4aを通じて上受
け皿4に供給する。
【0029】ステップS3(大当たり抽選) 主制御部16は、始動開始センサ12からの始動開始信
号を検出すると、この時のカウンタ14の出力値を読取
り、大当たり抽選を行う。大当たり抽選では、カウンタ
14の出力値が所定値であれば、「大当たり」すなわち
特定の遊技状態を発生させる。一方、カウンタ14の出
力値が所定値以外であれば、「はずれ」すなわち通常の
遊技状態を継続する。
【0030】ステップS4(コマンドを送信) 主制御部16は、通常の遊技状態または特定の遊技状態
に応じたコマンドをインターフェイス15を介して画像
表示装置2に送信する。コマンドは、画像表示装置2に
所定の表示プログラムを実行させる命令である。例え
ば、大当たりの場合には、主制御部16は、所定のリー
チの開始を指示するコマンドを送信し、所定時間経過後
に、そのリーチの最終段階で停止させる大当たりの識別
図柄の種類を指示するコマンドを送信する。これによ
り、画像表示装置2は、コマンドで指示された種類のリ
ーチを表示した後に、さらにコマンドで指示された種類
の大当たりの識別図柄で停止するように表示する。主制
御部16は、画像表示装置2で大当たりの識別図柄の停
止が表示された後、開閉式ソレノイド13に開放信号を
与えて大入賞口7dを開放して、遊技者が多数個のパチ
ンコ球を取得できる状態にする。さらに、この遊技状態
において、制御基盤1は例えば約10個の球が大入賞口
7dに入賞したのを1ラウンドとして、そのラウンドが
終了するたびにそのラウンドの終了または次のラウンド
の開始を指示するコマンドを画像表示装置2に送信す
る。これにより、画像表示装置2は、ラウンドごとに異
なるパターンの表示態様を表示する。一方、ハズレの場
合には、識別図柄の通常の変動またはリーチ表示の最終
段階で停止させるハズレの識別図柄の種類を指示するコ
マンドを画像表示装置2に送信する。これにより、画像
表示装置2は、リーチを表示した後に、ハズレの識別図
柄で停止するように表示させる。
【0031】ステップS5(新たな入球検出?) 主制御部16は、始動開始センサ12からの新たな始動
開始信号の有無(新たな入球)を検出するまで待機す
る。なお、識別図柄の変動(リーチ、通常の変動等)中
にパチンコ球の入球を始動開始センサ12が検出し、そ
の入球したパチンコ球の個数を記憶する上述で説明を省
略した保留ランプが点灯している場合には、その保留ラ
ンプの点灯を新たな始動開始信号として検出する。新た
な始動開始信号があれば、ステップT2〜T4を繰り返
し行なう。新たな始動開始信号がなければ、この処理を
終了して新たな始動開始信号が検出されるまで待機す
る。なお、上述したステップS1〜S5を実行する制御
基盤1は、遊技機の遊技状態における表示態様を指示す
るいわば表示態様指示手段である。
【0032】以下、図2および図4に示すブロック図を
参照しながら画像表示装置2について説明する。図4
は、VDP27の概略内部構成を示すブロック図であ
る。図2に示すように、画像表示装置2は、CPU22
と、CPU22に接続された第1データバス23と、C
PU22によって実行されるプログラムを記憶し、第1
データバス23を介してCPU22に接続されたプログ
ラムROM24と、CPU22がプログラムを実行して
得られた各種のデータを記憶するワークRAM25と、
CPU22の指示によってワークRAM25に記憶され
たデータをVDP27に転送するDMA26と、DMA
26によって第1データバス23を介して転送されてき
たデータに基づく視野画像を生成するVDP27と、V
DP27に接続された第2データバス28と、VDP2
7で利用されるモデルデータ、テクスチャデータおよび
背景画像データを記憶したキャラクタROM29と、V
DP27で生成された視野画像を一時的に記憶するビデ
オRAM30と、そのビデオRAM30内の視野画像を
表示する液晶モニタ4とを備えている。なお、キャラク
タROM29は、本発明における記憶手段に相当し、そ
のキャラクタROM29に記憶されたモデルデータは本
発明におけるオブジェクトに、テクスチャデータは本発
明におけるテクスチャに、背景画像データは本発明にお
ける背景画像に相当する。また、CPU22は、オブジ
ェクト設定手段、視線回転手段、背景画像設定手段、表
示領域設定手段および移動量算出手段に相当し、VDP
27は、投影手段、視野画像生成手段および表示出力手
段に相当し、液晶モニタ4は、表示手段に相当する。
【0033】CPU22は、プログラムROM24に記
憶された制御プログラムによって画像表示装置2の全体
を管理・制御する中央演算処理装置であり、特に、VD
P27に対してオブジェクト単位の変位を指示したり、
液晶モニタ4の画面4aに表示されるオブジェクトであ
る識別図柄の背面に表示される背景画像等を指示するも
のである。具体的には、CPU22は、インターフェイ
ス21によって受信したコマンドの種類に応じて、その
コマンドに対応する表示を行うための表示プログラムを
実行し、表示プログラムの実行結果をワークRAM25
に順次書き込み、所定の割り込み間隔(例えば1/6
0)ごとに、VDP27への実行結果を転送をDMA2
6に指示するものである。所定割り込み間隔内の実行結
果は、オブジェクト単位で指示したオブジェクトを配置
したワールド座標系内の構成や、識別図柄の背面に表示
する背景画像などであり、VDP27によって1画面分
の視野画像を生成させるためのデータである。例えば、
その実行結果には、ワールド座標系内にオブジェクトを
配置するための3次元の配置座標データや、オブジェク
トを回転させるための姿勢回転データや、オブジェクト
を複数のポリゴンで形成するためのモデルデータおよび
各ポリゴンに貼付けるための模様が描かれたテクスチャ
のテクスチャデータが記憶されたキャラクタROM29
の格納アドレスや、ワールド座標系内のオブジェクトを
2次元の視線画像に変換するための視点座標データおよ
び視線回転データや、視野画像における最背面に表示さ
れる背景画像が記憶されたキャラクタROM29内の格
納アドレスなどのデータが含まれている。なお、ワール
ド座標系とは、複数個のオブジェクトを配置するための
仮想3次元空間に対応した座標系である。ローカル座標
系とは、オブジェクト固有の独立した座標系である。ポ
リゴンとは、本発明における仮想3次元空間に相当する
いわゆるワールド座標系に配置される複数個の3次元の
座標の頂点で定義される多角形平面をいう。オブジェク
トとは、複数のポリゴンによって形成された仮想物体を
いう。モデルデータとは、ローカル座標系において複数
のポリゴンによってオブジェクトを形成するためのデー
タ、すなわち複数個の3次元の座標データ群である。ま
た、テクスチャデータとは、視線座標系に基づく2次元
のスクリーン面に投影されたポリゴンに貼付けられる各
種の模様が描かれた2次元の画像データである。視線座
標系とは、ワールド座標系内の所与の視点を基準にする
座標系である。
【0034】プログラムROM24は、遊技機に電源が
投入された際にCPU22によって最初に実行される制
御プログラムや、制御基盤1から送られてくるコマンド
の種類に応じた表示を行うための複数種類の表示プログ
ラムなどを記憶したものである。表示プログラムは、例
えば予め用意されたテーブルを参照したり、参照したデ
ータに演算処理を施すことで、コマンドに応じた表示態
様を実現するための各種のデータや、視野画像の最背面
に表示する背景画像の格納アドレス等を導出するもので
ある。表示プログラムには、単独で実行されるプログラ
ムだけでなく、例えば複数個のタスクを組み合わせるこ
とで、コマンドの種類に応じた表示を行うためのタスク
を生成するようなものも含まれる。なお、表示プログラ
ムを記憶したプログラムROM24は、本発明における
記憶媒体に相当する。
【0035】ワークRAM25は、第1データバス23
を介して接続されたCPU22によって得られた実行結
果である配置座標データ、姿勢回転データ、モデルデー
タおよびテクスチャデータ並びに背景画像データが記憶
されたキャラクタROM26内の格納アドレスなどの各
種のデータを一時的に記憶するものである。
【0036】DMA26は、CPU22で処理を介さず
メモリ内のデータを転送することができる、いわゆるダ
イレクトメモリアクセスコントローラである。つまり、
DMA26は、CPU22からの転送開始の指示に基づ
いて、ワークRAM25に記憶されたデータを一括して
VDP27に転送する。
【0037】VDP27は、いわゆるジオメトリ演算処
理およびレンダリング処理機能を備えた画像データプロ
セッサであり、特に、複数個の3次元の座標データ群で
あるモデルデータをCPU22および第1データバス2
3を介さずに読み出し、それら座標データに対してそれ
ぞれジオメトリ演算処理およびレンダリング処理を施す
機能、およびオブジェクトの各ポリゴンにテクスチャを
貼付ける前に、後述するビデオRAM30に設けられた
フレームメモリ内に背景画像を生成する機能を備えてい
る。
【0038】図4に示すように、VDP27は、DMA
26によって第1データバス23を介して送られてきた
データを受信するインターフェイス27aを備えてい
る。インターフェイス27aは、キャラクタROM29
に記憶されたモデルデータの格納アドレスや、オブジェ
クトをワールド座標系に配置するためのデータや、ワー
ルド座標系を視線座標系に変換するためのデータなどを
ジオメトリ演算処理部27cに与え、キャラクタROM
29に記憶されたテクスチャデータおよび背景画像デー
タの格納アドレス等をレンダリング処理部27dに与え
る。さらに、インターフェイス27aは、CPU22側
から送られてくる各種のデータに含まれているテクスチ
ャデータの色情報を指定するカラーパレットデータをパ
レット処理部27bに与える。
【0039】ジオメトリ演算処理部27cは、与えられ
た格納アドレスから複数のポリゴンでオブジェクトを形
成するためのモデルデータを読み出し、そのモデルデー
タに含まれる各ポリゴンに対して、姿勢回転データおよ
び配置座標データ等に基づくジオメトリ演算を施すもの
である。すなわち、ジオメトリ演算処理部27cは、姿
勢回転データに基づいて、基準の姿勢であるローカル座
標系に配置されたオブジェクトの各ポリゴンを回転させ
る。また、その回転後の各ポリゴンで形成されたオブジ
ェクトを配置座標データに基づいてワールド座標系に配
置した際の各ポリゴンの座標データを算出する。さら
に、カメラデータに基づくワールド座標系内の所与の視
点に基づく視線方向を基準にした2次元の投影平面へそ
のオブジェクトを投影した際の各ポリゴンの2次元の座
標データを算出する。そして、ジオメトリ演算処理部2
7cは、算出した2次元の座標データをレンダリング処
理部27dに与える。
【0040】パレット処理部27bは、CPU22によ
って例えば初期化時に予め書き込まれた複数種類の色情
報であるカラーパレットを保持する図示しないパレット
RAMを備えており、インターフェイス27aから与え
られたカラーパレットデータに応じたカラーパレットを
レンダリング処理部27dに与えるものである。なお、
色情報は、赤色(R),緑色(G),青色(B)の組合
せによって決定されるものである。カラーパレットを与
えるとは、例えばパレットRAMに記憶されたカラーパ
レットの格納アドレスをレンダリング処理部27dに与
えることをいい、レンダリング処理部27dは、視野画
像を生成する際にその格納アドレスに記憶された色情報
を参照する。
【0041】レンダリング処理部27dは、まず、背景
画像データの格納アドレスに基づいて、キャラクタRO
M29内の格納アドレスに記憶された背景画像データを
読み出し、その背景画像データに基づく背景画像を生成
する。さらに、テクスチャデータの格納アドレスに基づ
いて、キャラクタROM29内の格納アドレスに記憶さ
れたテクスチャデータを読み出し、そのテクスチャデー
タとジオメトリ演算処理部27cから与えられた各ポリ
ゴンの2次元座標データとカラーパレット等に基づい
て、投影平面に投影された各ポリゴンにテクスチャを貼
付けた画像を背景画像上に上書きした視野画像を生成す
るものである。このとき、レンダリング処理部27d
は、セレクタ部27eによって交互に選択されるRAM
29内の第1フレームメモリ30aまたは第2フレーム
メモリ30bに、背景画像およびテクスチャを貼付けた
画像を書き込む。セレクタ部27eは、書き込みが行わ
れていないフレーム側から視野画像を読み出し、その視
野画像をビデオ出力部27fに送る。ビデオ出力部27
fは、その視野画像を液晶モニタ4に出力する。なお、
ジオメトリ演算処理部27cおよびレンダリング処理部
27dでは、画面に表示する部分を決定するクリッピン
グ処理、ポリゴンの前後関係によって見える部分と見え
ない部分とを判定する隠面処理、光源からの光の当たり
具合や反射の様子を演算するシェーディング計算処理な
どの処理も行われる。
【0042】キャラクタROM29は、ローカル座標系
におけるオブジェクトを複数のポリゴンによって形成す
るモデルデータや、そのモデルデータに含まれる各ポリ
ゴンに貼付ける模様であるテクスチャデータや、視野画
像における背景画像である2次元の背景画像データを記
憶するものであり、第2データバス28を介してVDP
27に接続されている。なお、図11に示すように、背
景画像Bは、その左右両端の模様が連続するように描か
れており、その左右両端が繋がれると円筒形(図10の
2点鎖線で示す)を構成するような画像である。
【0043】ビデオRAM30は、VDP27のレンダ
リング処理部27dによって生成される視野画像を順次
記憶するものであり、上述したように一画面分の視野画
像をそれぞれ記憶する記憶領域である第1フレームメモ
リ30aと第2フレームメモリ30bとが設けられたい
わゆるダブルバッファを構成している。なお、ビデオR
AM30に設けられたフレームメモリは、本発明におけ
る画像生成領域に相当する。
【0044】液晶モニタ4は、VDP27から出力され
た視野画像を表示する画面4aを備えており、その画面
4aが遊技盤7の盤面に露出するように取り付けられて
いる。液晶モニタ4は、本発明における表示手段に相当
する。
【0045】制御基盤1側から送られてきたコマンドに
基づいて、画像表示装置2で行なわれる処理を図5〜図
8に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明す
る。図5〜図7は主にCPU22での処理を示すフロー
チャートであり、図8は主にVDP27での処理を示す
フローチャートである。また、本実施例では、制御基盤
1から送られてきたコマンドに基づいて、例えば図9に
示すような表示態様を実現する場合について説明する。
この表示態様は、図9(a)に示すように、液晶モニタ
4の画面4aの左側部分に左識別図柄A1が、画面4a
の中央部分に中識別図柄A2が、画面4aの右側部分に
右識別図柄A3がそれぞれ背景Ba上に表示されてお
り、これら各識別図柄A1〜A3とともに背景Baが、
図9(b)に示すように、画面4a内を右方向に移動し
たように表示されるものである。
【0046】まず、図5を参照しながら、CPU22側
での処理について説明する。 ステップT1(CPU,RAM等の初期化) 遊技機の電源投入によって、画像表示装置2では初期化
が行われる。具体的には、CPU22がプログラムRO
M24に記憶された制御プログラムを実行することによ
って、バス幅、割り込み処理などの初期設定や、ワーク
RAM25に「0」のデータを書き込む初期化が行われ
る。
【0047】ステップT2(受信したコマンドに応じた
表示プログラムを選択) インターフェイス21は、制御基盤1から送られてくる
コマンドを順次受信して、そのコマンドをCPU22に
順次渡す。CPU22は、受け取ったコマンドを例えば
ワークRAM25に設けたコマンドバッファ内に記憶す
る。さらに、CPU22は、コマンドバッファ内に記憶
されたコマンドの種類を把握し、そのコマンドに応じた
表示プログラムをプログラムROM24内から選択し、
その表示プログラムを実行する。その表示プログラムの
実行によって、CPU22では、以下のステップが実行
され、図9に示したような表示態様を実現する。
【0048】ステップT3(オブジェクトの設定) CPU22は、左識別図柄A1に対応するオブジェクト
OA1と、中識別図柄A2に対応するオブジェクトOA
2と、右識別図柄A3に対応するオブジェクトOA3と
をワールド座標系にそれぞれ設定するための各種のデー
タをワークRAM25内に書き込む。以下、ステップT
3で行われる処理について、図6に示すフローチャート
を参照しながら説明する。
【0049】ステップT31(オブジェクトを配置) CPU22は、図10(a)に示すように、左識別図柄
A1に対応するオブジェクトOA1と、中識別図柄A2
に対応するオブジェクトOA2と、右識別図柄A3に対
応するオブジェクトOA3とをワールド座標系内のそれ
ぞれの配置位置に配置するために、その配置位置の配置
座標データを導出する。この配置座標データは、表示プ
ログラム内に予め用意された例えばテーブルを参照する
ことで導出される。配置座標データは、ワールド座標系
における座標(X,Y,Z)形式のデータである。ま
た、CPU22は、各オブジェクトの姿勢を決定するた
めの回転角度データを配置座標データと同様に導出す
る。この回転角度データは、ローカル座標系における各
オブジェクトを、x,y,zの各軸周りにそれぞれ回転
させるための回転角度のデータである。例えば、回転角
度データが、オブジェクトOA1をy軸周りに45°、
x軸周りに45°、z軸周りに30°回転させるための
データである場合には、基準の姿勢であるローカル座標
系のオブジェクトOA1が、そのy軸周りに45°回転
され、次に、そのx軸周りに45°回転され、さらに、
そのz軸周りに30°回転される。その結果、ローカル
座標系において、y軸周りに45°、x軸周りに45
°、z軸周りに30°に傾いた姿勢のオブジェクトOA
1が、上述した配置座標データで指示されたワールド座
標系内の座標に配置される。なお、ステップT31は、
新たなコマンドが受信された場合にだけ実行され、新た
なコマンドが受信されることなく、ステップT3が繰り
返し実行される場合には、後述するステップT32〜T
35が繰り返し実行される。
【0050】ステップT32(オブジェクトの配置位置
を更新) CPU22は、ワールド座標系における各オブジェクト
の配置位置を更新する。具体的には、CPU22は、表
示プログラム内に予め用意された例えばテーブルを参照
したり、演算式を演算処理することによって、各オブジ
ェクトOA1〜OA3の新たな配置位置の配置座標デー
タを導出する。演算式を利用する場合には、現在の配置
位置の配置座標データに所定値を加算又は減算するよう
にして、新たな配置位置の配置座標データを順次算出す
る。このようにして、配置位置の配置座標データを順次
更新することにより、ワールド座標系において、各オブ
ジェクトOA1〜OA3を移動させることができる。な
お、本実施例では、説明の便宜のために、各オブジェク
トOA1〜OA3の配置座標データを同一の値に維持し
て、各オブジェクトOA1〜OA3をワールド座標系内
で停止させた状態とする。
【0051】ステップT33(オブジェクトの回転角度
を更新) CPU22は、ローカル座標系における各オブジェクト
の回転角度を更新する。具体的には、CPU22は、表
示プログラム内に予め用意された例えばテーブルを参照
したり、演算式を演算処理することによって、各オブジ
ェクトOA1〜OA3の回転角度データを導出する。演
算式を利用する場合には、現在の回転角度データに含ま
れる各軸周りの回転角度に所定値を加算または減算する
ことにより、回転角度データを順次算出する。このよう
にして、回転角度データを順次更新し、その回転角度デ
ータに応じた姿勢の各オブジェクトOA1〜OA3を順
次配置することで、オブジェクトOA1〜OA3を自在
に回転させることができる。なお、本実施例では、説明
の便宜のために、各オブジェクトOA1〜OA3の回転
角度データを同一の値に維持して、各オブジェクトOA
1〜OA3をワールド座標系内で停止させた状態とす
る。
【0052】ステップT34(姿勢回転データを生成) CPU22は、ステップT34で導出された回転角度デ
ータに基づいて、オブジェクトを回転させるためにVD
P27に与える姿勢回転データを生成する。なお、回転
角度データは、ローカル座標系の各軸ごとの回転角度を
示す単なる角度のデータであるので、これらのデータ単
体では3次元の座標データを回転させることができな
い。そこで、回転角度データに基づいて、3次元の座標
データを回転可能にする行列形式の姿勢回転データを生
成する。
【0053】ここで、回転角度データには、オブジェク
トをy軸周りにθy °、x軸周りにθx °、z軸周りに
θz °回転させるための回転角度であるので、各軸周り
の回転角度ごとに回転行列が求められる。そこで、行列
(1)にy軸周りの回転を示すy軸回転行列を、行列
(2)にx軸周りの回転を示すx軸回転行列を、行列
(3)にz軸周りの回転を示すz軸回転行列をそれぞれ
示す。
【0054】
【数1】
【0055】
【数2】
【0056】
【数3】
【0057】各回転行列(1)〜(3)を乗算すること
で、全回転行列を求める。この全回転行列を行列(4)
に示す。
【0058】
【数4】
【0059】CPU22は、回転角度データに含まれる
各軸周りの回転角度(θx ,θy ,θz )を、全回転行
例の各角度要素(Cosθx 等)に代入して、3×3の
回転行列形式の姿勢回転データを生成する。
【0060】ステップT35(データをワークRAMに
書き込む) CPU22は、ワールド座標系に配置する各オブジェク
トのモデルデータが記憶されたキャラクタROM29内
の格納アドレスと、各モデルデータに含まれる各ポリゴ
ンに貼付けるテクスチャデータが記憶されたキャラクタ
ROM29内の格納アドレスと、ワールド座標系におけ
る各オブジェクトの配置位置の配置座標データおよび姿
勢回転データとをワークRAM25に書き込む。
【0061】ステップT4(背景を設定) CPU22は、ワールド座標系内における視点ととも
に、その視点に基づく視線方向を設定し、その視点を中
心として視線方向を回転させる。このときの視線方向の
回転角度に基づいて、画面4aに表示される背景Baが
移動するように表示するためのデータをワークRAM2
5内に書き込む。以下、ステップT4で行われる処理に
ついて、図7に示すフローチャートを参照しながら説明
する。
【0062】ステップT41(視点および視線方向の設
定) CPU22は、図10(a)に示すように、ワールド座
標系内に視点SPを設定し、その視点SPから各オブジ
ェクトOA1〜OA3へ向いた例えばz軸を視線方向と
する視線座標系を設定する。具体的には、CPU22
は、表示プログラムを実行することで、ワールド座標系
における視点SPを設定するための座標である視点座標
データを導出する。この視点座標データは、ワールド座
標系における座標(X,Y,Z)形式のデータである。
また、CPU22は、視点SPを中心とするz軸を視線
方向とする視線座標系を設定し、その視線方向を各オブ
ジェクトOA1〜OA3へ向けるための回転角度データ
を導出する。この視線方向の回転角度データは、視線座
標系におけるz軸である視線方向を、その視線座標系の
x,y,z軸の各軸周りにそれぞれ回転させるための回
転角度のデータである。
【0063】ステップT42(背景画像上に表示領域を
設定) CPU22は、画面4aに相当する領域である表示領域
を、キャラクタROM29に記憶された背景画像上に設
定する。具体的には、図11(a)に示すように、CP
U22は、表示プログラムの実行によって、2次元の背
景画像データである背景画像B上の2次元の表示基準点
P1の座標(Δx,Δy)を導出し、その表示基準点P
1を頂点として含む矩形の表示領域BFを設定する。
(Δx,Δy)は、背景画像Bの左上角を原点とした場
合の表示基準点P1の初期の座標データである。なお、
ステップT41,42は、新たなコマンドが受信された
場合に実行され、新たなコマンドを受信されることな
く、ステップT4が繰り返し実行される場合には、後述
するステップT43〜T47が繰り返し実行される。
【0064】ステップT43(視線方向の回転角度を更
新) CPU22は、視線方向の回転角度を更新する。具体的
には、CPU22は、表示プログラム内に予め用意され
た例えばテーブルを参照したり、演算式を演算処理する
ことによって、視線方向の回転角度データを導出する。
演算式を利用する場合には、最新の回転角度データに含
まれる各軸周りの回転角度に所定値を加算または減算す
ることにより、視線方向の回転角度データを順次算出す
る。
【0065】ステップT44(視線回転データを生成) CPU22は、ステップT43で導出された視線方向の
回転角度データに基づいて、視線座標系を回転させるた
めにVDP27に与える視線回転データを生成する。な
お、視線方向の回転角度データは、視線座標系における
各軸ごとの単なる角度のデータであるので、これらのデ
ータ単体では視線座標系を回転させることができない。
そこで、視線座標系の視線方向であるz軸の単位ベクト
ル(0,0,1)に作用させるための行列形式の視線回
転データを、視線方向の回転角度データに基づいて生成
する。視線回転データは、上述したステップT34で求
められた全回転行列(4)に含まれる各角度要素(Co
sθx 等)に、視線方向の回転角度データに含まれる各
軸周りの回転角度(θx ,θy , θz )を代入すること
により生成する。
【0066】上述した全回転行列(4)を視線座標系に
おけるz軸の単位ベクトルに乗じることで、視線方向を
自在に回転させることができる。例えば、視線座標系の
y軸周りにθy 度だけ回転させるための視線回転データ
を、視線座標系におけるz軸の単位ベクトルに乗じるこ
とで、図10(b)に示すように、視線方向をy軸周り
にθy 度だけ回転させることができる。また、視線方向
の回転に伴って、視界範囲TMが左に移動する。
【0067】ステップT45(回転角度に基づいて表示
領域の移動量を算出) CPU22は、視線方向の回転角度データに含まれる各
軸周りの回転角度に基づいて、表示領域BFの移動量を
算出する。本実施例では、移動量として、表示基準点P
1の移動後の座標を算出する場合について説明する。例
えば、視線方向(z軸)を、x軸を回転軸として反時計
周り(または時計周り)にθx 度、y軸を回転軸として
反時計周り(または時計周り)にθy 度だけ回転する場
合には、移動後の表示基準点P1の座標は、以下の式で
算出される。ここで、背景画像Bは、横幅がDドット、
縦幅がHドットで構成されている。すなわち、(0,
0)〜(D,H)の範囲の2次元の座標系に背景画像が
展開されている。
【0068】 Bx=a×D×θy ÷360+Δx ・・・(1) By=b×Sinθx +Δy ・・・(2) Bx:表示基準点P1の移動後の背景画像B上のx座標 By:表示基準点P1の移動後の背景画像B上のy座標 Δx,Δy:移動前の表示基準点P1の座標 a,b:任意の定数
【0069】CPU22は、上述した式(1)および
(2)に、回転角度θx ,θy を代入することで、背景
画像B上を移動後の表示基準点P1の座標を算出する。
なお、任意の定数a,bの値を変化させると、表示領域
BKの移動量が変化する。したがって、任意の定数a,
bを大きくすると、画面4aにおける背景Baの移動量
が大きくなる(速く移動する)一方、任意の定数a,b
を小さくすると、背景Baの移動が小さくなる(遅く移
動する)ので、任意の定数a,bの値を変化させること
によって、より臨場感のある表示態様を実現することが
できる。
【0070】ステップT46(表示領域を移動) CPU22は、移動後の表示基準点P1を頂点として含
む矩形の表示領域BFを再度設定する。これにより、図
11(b)に示すように、表示領域BFが背景画像B上
を移動する。
【0071】ステップT47(データをワークRAMに
書き込む) CPU22は、視点SPの視点座標データおよび視線回
転データと、背景画像B上における表示基準位置P1の
座標に相当するキャラクタROM29内の格納アドレス
とをワークRAM25に書き込む。したがって、液晶モ
ニタ4の画面4aに表示される背景Baの模様が表示領
域BFの移動方向とは逆方向に移動するように表示され
る。
【0072】ステップT5(割り込み発生?) CPU22は、例えば液晶モニタ4の垂直走査信号(例
えば1/60秒)ごとに行われる割り込みを待ち、割り
込みが発生するとステップT6に移行する。なお、ステ
ップT5では、垂直走査信号(例えば1/60秒)ごと
の割り込みによりステップT6に移行するようにした
が、3次元の画像を比較的低速なCPUで扱う場合に
は、例えば、垂直走査信号が2回発生するごと(例えば
1/30秒)ごとにステップT6に移行するように構成
することが好ましい。
【0073】ステップT6(データをDMA転送) CPU22は、DMA26にワークRAM25内に記憶
されたデータの転送を指示する。DMA26は、その指
示によってワークRAM25内のデータをVDP27に
一括して送信する。具体的には、ワークRAM25から
転送されるデータには、上述したワールド座標系に配置
する各オブジェクトのモデルデータが記憶されたキャラ
クタROM29内の格納アドレスと、各モデルデータに
含まれる各ポリゴンに貼付けるテクスチャデータが記憶
されたキャラクタROM29内の格納アドレスと、ワー
ルド座標系における各オブジェクトの配置位置の配置座
標データおよび姿勢回転データと、視点SPの視点座標
データおよび視線回転データと、背景画像B上における
表示基準位置P1の座標に相当するキャラクタROM2
9内の格納アドレスとが含まれる。
【0074】ステップT7(新たなコマンドを受信?) CPU22は、ワークRAM25内のコマンドバッファ
を把握して、新たなコマンドを受信していれば、ステッ
プT2に移行する一方、新たなコマンドを受信していな
ければ、ステップT3に移行する。
【0075】次に、図8を参照しながら、VDP27側
での処理について説明する。 ステップU1(データを受信?) VDP27は、ワークRAM25内のデータの受信を待
ち、データの受信があると、ステップU2に移行する。
【0076】ステップU2(表示領域内の背景画像デー
タの読み出し) VDP27は、表示基準点P1の座標に相当するキャラ
クタROM29内の格納アドレスのデータに基づいて、
背景画像B上の表示領域BF内に含まれる背景画像デー
タだけをキャラクタROM29内から読み出す。
【0077】ステップU3(フレームメモリに背景を描
画) VDP27は、キャラクタROM29内から読み出した
背景画像データに基づいて、ビデオRAM30の第1フ
レームメモリ30aまたは第2フレームメモリ30b内
に背景画像を描画する。したがって、ワールド座標系に
配置したオブジェクトに背景画像のテクスチャを貼付け
る場合に比べて、キャラクタROM29内に記憶された
背景画像Bの模様が縮小されることなく略同等の大きさ
で描画される。
【0078】ステップU4(モデルデータの読み出し
?) VDP27は、受信したキャラクタRAM29内のモデ
ルデータの格納アドレスに基づいて、ワールド座標系に
配置するオブジェクトのモデルデータを読み出す。
【0079】ステップU5(各ポリゴンを回転させて、
ワールド座標系にオブジェクトを配置) VDP27は、モデルデータに含まれる各ポリゴンの頂
点の座標データに受信した姿勢回転データを乗じて、回
転後の各頂点の座標データを算出する。具体的には、回
転後の座標(X’,Y’,Z’)は、回転前の座標
(X’,Y’,Z’)×(上述した3×3の回転行列形
式の姿勢回転データ)で求められ、この式を用いた演算
をモデルデータに含まれる全ポリゴンの頂点に対して行
う。これにより、オブジェクトが回転した状態のモデル
データが得られる。VDP27は、オブジェクトの配置
位置の配置座標データと、回転後のモデルデータとに基
づいて、そのオブジェクトをワールド座標系に配置す
る。つまり、オブジェクトのモデルデータに含まれる各
ポリゴンのローカル座標系の座標データをワールド座標
系の座標データに変換する。なお、本実施例では、各オ
ブジェクトを回転させていなので、各オブジェクトが回
転することなく、ローカル座標系のオブジェクトの座標
データがワールド座標系の座標データに単に変換され
る。
【0080】ステップU6(スクリーン座標系に投影) VDP27は、図10に示すように、ワールド座標系の
各オブジェクトを視点SPを基準とした視線座標系に変
換する。ここでは、ワールド座標系における各オブジェ
クトのモデルデータに含まれる各ポリゴンの座標データ
を視線座標系の座標データに変換する。さらに、その視
線座標系における各オブジェクトを、視線座標系の視線
方向(z軸)に垂直に設定されたスクリーン座標系であ
る投影平面SCに透視投影する。投影平面SCは、画面
4aに表示するための座標系であり、視界範囲TM内に
含まれる各オブジェクトが投影される。ここでは、視線
座標系の各オブジェクトの各ポリゴンの座標データを、
スクリーン座標系の2次元の座標データに変換する。
【0081】ステップU7(テクスチャデータの読み出
し) VDP27は、受信したキャラクタRAM29内の格納
アドレスに基づいて、各オブジェクトのモデルデータに
含まれるポリゴンに貼付けるテクスチャデータを読み出
す。
【0082】ステップU8(テクスチャデータの貼付
け) VDP27は、投影平面SC上に投影されたオブジェク
トのポリゴンの形状に合わせて、テクスチャデータを変
形させた後に、そのテクスチャデータをポリゴンに貼付
ける。すなわち、VDP27は、投影平面SCに相当す
る背景画像が描画されたフレームメモリに対して、テク
スチャの描画を行う。その結果、第1フレームメモリ3
0aまたは第2フレームメモリ30b内には、背景画像
上に各オブジェクトが描画された視野画像が生成され
る。
【0083】ステップU9(割り込み発生?) VDP27は、例えば液晶モニタ4の垂直走査信号(例
えば1/60秒)ごとに行われる割り込みを待ち、割り
込みが発生すると、ビデオRAM30内のフレームメモ
リ内に記憶した視野画像を液晶モニタ4に出力する。
【0084】ステップU10(表示) 液晶モニタ4は、VDP27から出力される視野画像を
順次表示することで、図9に示したように、オブジェク
トの画像である識別図柄とともに背景Baが、画面4a
内を左方向へ移動する様子を表示する。
【0085】上述した遊技機の画像表示装置2によれ
ば、仮想3次元空間(ワールド座標系)に配置したオブ
ジェクトを利用することなく、キャラクタROM29に
記憶された背景画像に基づいた背景を画面4aに表示し
ているので、背景の模様をそのままの大きさで表示でき
るとともに、いわゆるジオメトリ演算処理を減らすこと
ができる。その結果、表示プログラムをプログラムした
者のイメージ通りに背景を表示させることができ、さら
に、画像表示装置2全体として処理を高速化させること
ができる。また、視線方向の回転角度に基づいて画面4
aにおける背景を移動させるので、よりリアルな表示を
実現できる。さらに、画面4aにおける背景の移動量を
変化させることもできるので、臨場感のある表示態様を
実現することができる。その結果、この画像表示装置を
備えた遊技機を遊技する遊技者は、よりリアルな表示態
様を見ることができるので、遊技者の面白味を永続させ
ることができる。
【0086】なお、上記実施例では、キャラクタROM
29に記憶された背景画像Bは、その左右両側の模様が
連続するように描かれた円筒状の画像であったが、例え
ば、背景画像Bは、その上下両側および左右両側の模様
が連続するように描かれた球状の画像としてもよい。そ
の場合には、表示領域BFの表示基準点P1の移動後の
座標を以下の演算式によって求める。
【0087】 Bx=a×D×θy ÷360+Δx ・・・(1) By=b×H×θx ÷360+Δy ・・・(3)
【0088】式(1),(3)によって、球状になるよ
うに構成された背景画像B上の表示領域BFの移動量表
示基準点P1の移動後の座標を算出することができる。
このように構成すれば、画面4aにおいて、上下左右に
切れ目の無い背景を表示させることができる。
【0089】また、遊技機としてパチンコ機について説
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例
えばアケードゲーム機、家庭用ビデオゲーム機、メダル
遊技機などの各種の遊技機に変形実施することができ
る。この場合には、制御基盤1からのコマンドを、例え
ばコントローラからの入力信号に置き換えて、その入力
信号に応じた表示を行う表示プログラムを実行するよう
にすればよい。
【0090】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、仮想3次元空間内に設定されたオブジェクト
を利用することなく背景を表示することができるので、
仮想3次元空間内に配置したオブジェクトによって背景
を表示する場合に比べて、背景画像をよりリアルに表示
することができるとともに、画像表示装置における処理
を高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るパチンコ機の概略構成を示す外観
図である。
【図2】実施例に係るパチンコ機のブロック図である。
【図3】パチンコ機の制御基盤の処理を示すフローチャ
ートである。
【図4】画像表示装置におけるVDPの機能ブロック図
である。
【図5】画像表示装置のCPUで行われる処理を示すフ
ローチャートである。
【図6】ステップT3での処理を示すフローチャートで
ある。
【図7】ステップT4での処理を示すフローチャートで
ある。
【図8】画像表示装置のVDPで行われる処理を示すフ
ローチャートである。
【図9】画像表示装置に表示される画面の様子を示す図
である。
【図10】ワールド座標系にオブジェクトを配置した様
子を示す図である。
【図11】背景画像上に表示領域を設定した様子を示す
図である。
【図12】従来例の背景画像を示す図である。
【図13】従来例のワールド座標系にオブジェクトを配
置した様子を示す図である。
【図14】従来例の画面の様子を示す図である。
【符号の説明】
1 … 制御基盤 2 … 画像表示装置 4 … 液晶モニタ 4a… 画面 22 … CPU 24 … プログラムROM 25 … ワークRAM 26 … DMA 27 … VDP 29 … キャラクタROM 30 … ビデオRAM
フロントページの続き (72)発明者 牧野 剛太 石川県松任市福留町655番地 アイレムソ フトウェアエンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 5B080 AA13 BA01 BA02 CA01 GA22

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のポリゴンで形成されたオブジェク
    トと、前記オブジェクトの各ポリゴンに貼付ける模様が
    描かれたテクスチャとを少なくとも記憶する記憶手段
    と、前記記憶手段に記憶されたオブジェクトを仮想3次
    元空間内に設定するオブジェクト設定手段と、前記仮想
    3次元空間内の所与の視点に基づく視線方向を前記視点
    を中心に回転させる視線回転手段と、前記回転された視
    線方向を基準とする2次元の投影平面を設定し、その投
    影平面に前記オブジェクトを投影する投影手段と、前記
    投影平面に投影されたオブジェクトの各ポリゴンに前記
    記憶手段に記憶されたテクスチャを貼付けた視野画像
    を、前記投影平面に相当する画像生成領域内に生成する
    視野画像生成手段と、前記画像生成領域内の視野画像を
    表示手段に出力して、前記視線方向の回転に伴う前記仮
    想3次元空間内の様子を表示する表示出力手段とを備え
    た画像表示装置において、 前記記憶手段は、さらに、前記視野画像におけるオブジ
    ェクトの背面側に表示される背景画像を記憶しており、 前記視野画像を生成する前の前記画像生成領域内に、前
    記記憶手段に記憶された背景画像を設定する背景画像設
    定手段を備えたことを特徴とする画像表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像表示装置におい
    て、 前記装置は、さらに、前記記憶手段に記憶された背景画
    像上の一部の領域を表示領域として設定する表示領域設
    定手段を備え、 前記背景画像設定手段は、前記視野画像を生成する前の
    前記画像生成領域内に、前記表示領域内に含まれる背景
    画像を設定するものであることを特徴とする画像表示装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008108198A (ja) * 2006-10-27 2008-05-08 Samii Kk 二次元動画像生成装置、遊技機、及び画像生成プログラム
JP2011212270A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Namco Bandai Games Inc プログラム、情報記憶媒体及び画像生成システム

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JP2008108198A (ja) * 2006-10-27 2008-05-08 Samii Kk 二次元動画像生成装置、遊技機、及び画像生成プログラム
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