JP2003203194A - 風環境予測プログラム、このプラグラムを格納した媒体および風環境予測方法 - Google Patents

風環境予測プログラム、このプラグラムを格納した媒体および風環境予測方法

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JP2003203194A
JP2003203194A JP2002237404A JP2002237404A JP2003203194A JP 2003203194 A JP2003203194 A JP 2003203194A JP 2002237404 A JP2002237404 A JP 2002237404A JP 2002237404 A JP2002237404 A JP 2002237404A JP 2003203194 A JP2003203194 A JP 2003203194A
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Akihisa Kawaguchi
彰久 川口
Hiroto Kataoka
浩人 片岡
Tomoko Kinashi
智子 木梨
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パソコンレベルの演算処理能力で合理的なシ
ミュレーションを実行することができる風環境予測方法
を提供する。 【解決手段】 読み込んだ地図情報データから風環境予
測評価の対象となる範囲の建物および地形の平均高さを
求めこれに所定の値をかけた第1の計算領域高さを演算
実行し、読み込んだ地図情報データから風環境予測評価
の対象となる範囲の建物および地形の最高高さを求めこ
れに所定の値をかけた第2の計算領域高さを演算実行
し、第1の計算領域高さと第2の計算領域高さとを比較
して大きい値を選択し、3次元データでシミュレーショ
ン領域をモデル化するとともに、選択された計算領域高
さを計算高さとしてモデル化したシミュレーション領域
に対する流体計算用3次元データを生成し、風データの
入力を受け付け、流体計算用3次元データや当該風デー
タに流体計算を適用してシミュレーション領域に対する
風環境予測の演算を実行し、風環境予測の演算結果を提
示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パソコンレベルの
演算処理能力で合理的なシミュレーションを実行する機
能を実現させるための風環境予測プログラムおよびこの
プログラムの実行による風環境予測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市再開発に伴い、旧来の市街地
に高層建物が計画される例が増えている。計画建物によ
る周辺への影響のうち、建物周りのビル風による風環境
の変化を予測するには、主に机上検討と風洞実験の二通
りの方法が従来から用いられている。風洞実験は、予測
精度が高くそれゆえ信頼性も高いが、模型製作や実験に
かかるコスト、その準備に要する時間を勘案すると、コ
スト的・時間的に余裕のある物件でないと実施は困難で
あった。従って、例えば建築計画の初期段階で、複数の
計画案を短期間で比較検討するといった目的には、風洞
実験は向いていない。
【0003】一方の机上検討は、経験者が既往の単純な
形をした建物周りの気流の風洞実験結果から、案件に最
も建物形状が似た例を探し出して計画建物周りの風環境
を予測・類推する方法である。この場合、新たな実験を
行う必要がなく短期間に予測が可能でコストもかからな
いが、検討を行うにはそれなりの経験や知識が必要で、
また周辺の建物の影響を正確に評価できないという問題
点がある。また、流体計算によるビル風予測の場合、ス
ーパーコンピュータやエンジニアリングワークステーシ
ョンといった大型のコンピュータを利用しなければなら
ず、限られた専門家だけに委ねられていた。
【0004】他方、気流の数値シミュレーションを行う
アプリケーションソフトウエアは、市販の汎用パッケー
ジとして既に複数存在する。しかしこれらのソフトウエ
アで市街地風環境の予測を行う場合には、計画地並びに
周辺の建物形状のモデル化、気象条件の設定、計算結果
の後処理といった段階で、流体力学に関する経験と知
識、そして多くの労力が必要となる。またこのような数
値シミュレーションでは、現象を数値的なモデルに置き
換えて扱っているために、モデル化に伴う誤差が生じ
る。このため予測精度の面で風洞実験にどうしても劣
る。格子分解能や計算誤差精度を上げることでモデル化
に伴う誤差を少なくし、風洞実験結果により近い予測結
果を得ることは可能であるが、これは同時に計算時間や
必要とするパソコン上のディスクスペースの増大につな
がることになる。そこで、パソコンレベルの演算処理能
力で合理的なシミュレーションを実行することができる
風環境予測プログラムおよびこのプログラムの実行によ
る風環境予測方法が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
数値シミュレーションを用いた風環境予測では、対象と
なる市街地を中心として、有限の大きさの領域を計算の
対象領域、すなわち計算領域として扱っている。このう
ち水平方向の計算領域の大きさは、地図データから当該
領域を選択することで、その範囲を確認しながら設定す
ることが可能である。ところが、計算領域の高さ方向の
大きさを設定する際に目安とすることができる情報は、
個々の建物の高さしかなかった。
【0006】図52に示すように、計算領域の高さを小
さく設定した場合には、本来、建物10の上空を通過す
るべき気流Aが気流A1,A2のように建物10の側方
に回り込むようになり、その結果として地表20付近の
風速を過大に評価することになる。他方、高さ方向の計
算領域を大きく設定すればするほど、このような建物1
0の上空を通過するべき気流Aの地表20付近に与える
影響が小さくなることから、上述した課題を解決するた
めには、高さ方向の計算領域はできるだけ大きく設定す
ることが望ましい。
【0007】しかしながら、高さ方向の計算領域を大き
く設定すればするほど、数値シミュレーションにおける
演算量が増大し、上述した、パソコンレベルの演算処理
能力で合理的なシミュレーションを実行する要請に反す
る。本発明者らは、従来の風環境予測手法である風洞実
験では、図53に示すように、風洞30の断面積に対す
る、街区模型40を風上方向から見た見付け面積40A
の比である閉塞率が5%以下であれば、模型40による
測定結果への影響が無視できるとされていることに着目
した。
【0008】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て成されたもので、パソコンレベルの演算処理能力で合
理的なシミュレーションを実行することができ、しか
も、上記知見に基づいて、風環境予測プログラムの実行
による風環境予測の際、適切な計算領域の大きさ(領域
の高さ)を自動的に設定する方法を提供する風環境予測
プログラムおよびこのプログラムの実行による風環境予
測方法を提供することをその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の風環境予測プログラムは、読み込んだ地図
情報データを編集することが可能であって、3次元デー
タでシミュレーション領域をモデル化するとともに、モ
デル化したシミュレーション領域に対する流体計算用3
次元データを生成するモデル化機能と、風データの入力
を受け付け、流体計算用3次元データや当該風データに
流体計算を適用してシミュレーション領域に対する風環
境予測の演算を実行する演算実行機能と、風環境予測の
演算結果を提示する結果提示機能と、をコンピュータに
実現させるためのプログラムであることを前提としてい
る。
【0010】そして、請求項1に係る発明は、読み込ん
だ地図情報データから、風環境予測評価の対象となる範
囲の建物および地形の平均高さを求め、該平均高さに所
定の値をかけた第1の計算領域高さを演算実行する演算
実行機能と、この演算実行機能によって求められた第1
の計算領域高さを計算高さとして3次元データでシミュ
レーション領域をモデル化するとともに、モデル化した
シミュレーション領域に対する流体計算用3次元データ
を生成するモデル化機能と、風データの入力を受け付
け、流体計算用3次元データや当該風データに流体計算
を適用してシミュレーション領域に対する風環境予測の
演算を実行する演算実行機能と、風環境予測の演算結果
を提示する結果提示機能と、をコンピュータに実現させ
るためのものである。
【0011】また、請求項2に係る発明は、読み込んだ
地図情報データから、風環境予測評価の対象となる範囲
の建物および地形の最高高さを求め、該最高高さに所定
の値をかけた第2の計算領域高さを演算実行する演算実
行機能と、この演算実行機能によって求められた第2の
計算領域高さを計算高さとして3次元データでシミュレ
ーション領域をモデル化するとともに、モデル化したシ
ミュレーション領域に対する流体計算用3次元データを
生成するモデル化機能と、風データの入力を受け付け、
流体計算用3次元データや当該風データに流体計算を適
用してシミュレーション領域に対する風環境予測の演算
を実行する演算実行機能と、風環境予測の演算結果を提
示する結果提示機能と、をコンピュータに実現させるた
めのものである。
【0012】さらに、請求項3に係る発明は、読み込ん
だ地図情報データから、風環境予測評価の対象となる範
囲の建物および地形の平均高さを求め、該平均高さに所
定の値をかけた第1の計算領域高さを演算実行する演算
実行機能と、前記読み込んだ地図情報データから、風環
境予測評価の対象となる範囲の建物および地形の最高高
さを求め、該最高高さに所定の値をかけた第2の計算領
域高さを演算実行する演算実行機能と、これらの演算実
行機能によって求められた第1の計算領域高さと第2の
計算領域高さとを比較して大きい値を選択する選択機能
と、この選択機能によって選択された計算領域高さを計
算高さとして3次元データでシミュレーション領域をモ
デル化するとともに、モデル化したシミュレーション領
域に対する流体計算用3次元データを生成するモデル化
機能と、風データの入力を受け付け、流体計算用3次元
データや当該風データに流体計算を適用してシミュレー
ション領域に対する風環境予測の演算を実行する演算実
行機能と、風環境予測の演算結果を提示する結果提示機
能と、をコンピュータに実現させるためのものである。
【0013】これらのプログラムにおいては、1)読み
込まれる前記地図情報データは、汎用地図情報取得プロ
グラムが汎用地図情報データベースから取得して生成し
たファイルであること、2)前記モデル化機能と、前記
演算実行機能と、前記結果提示機能の各機能を起動する
統括機能を備えたこと、3)前記モデル化機能が、標高
データの受付機能を含んでいること、4)前記モデル化
機能が、前記流体計算用3次元データに含まれる建物デ
ータを追加、変更、削除する建物編集機能を含んでいる
こと、5)前記モデル化機能が、不完全な建物データを
完全な建物データに修正する建物修正機能を含んでいる
こと、6)前記モデル化機能が、前記流体計算用3次元
データに含まれる植栽データを追加、変更、削除する植
栽編集機能を含んでいること、7)前記モデル化機能
が、前記流体計算用3次元データを生成するために、前
記シミュレーション領域に任意の3次元のメッシュを生
成するメッシュ編集機能を含んでいること、8)前記メ
ッシュ編集機能が、外側の3次元メッシュ内に内側の3
次元メッシュを生成する多重格子生成機能を含んでいる
こと、9)前記流体計算用3次元データが、前記3次元
のメッシュ内における建物の体積占有率やメッシュ界面
の開口率、樹木占有率の計算結果データを含むこと、1
0)前記演算実行機能が、実行操作を受け付けると、前
記モデル化機能で生成された流体計算用3次元データを
読み込むとともに、流体計算の初期値や境界条件を受け
付けて自動演算処理する機能を含んでいること、11)前
記結果提示機能が、水平断面表示および標高に沿った断
面表示のいずれの表示も実行する機能を含んでいるこ
と、12)前記結果表示機能が、気象データの受付機能を
含んでいること、13)演算された前記風環境予測結果を
評価して提示する評価提示機能を含んでいること、14)
異なる風環境予測の前記演算結果の比較を実行する比較
機能を含んでいることが好ましい。
【0014】また、本発明は、上述した各風環境予測プ
ログラムのいずれかを格納した媒体としても特定される
(請求項4)。
【0015】他方、かかる目的を達成するために請求項
5に係る風環境予測方法は、入・出力装置、記憶装置、
並びに演算処理装置を用い、前記入力装置が読み込んで
前記記憶装置が記憶した地図情報データを、前記演算処
理装置が風環境予測を行なう風環境予測方法であって、
前記演算処理装置は、前記読み込んだ地図情報データか
ら、風環境予測評価の対象となる範囲の建物および地形
の平均高さを求め、該平均高さに所定の値をかけた第1
の計算領域高さを演算実行するステップと、3次元デー
タでシミュレーション領域をモデル化するとともに、前
記演算実行によって求められた第1の計算領域高さを計
算高さとしてモデル化したシミュレーション領域に対す
る流体計算用3次元データを生成するモデル化ステップ
と、前記入力装置からの風データの入力を受け付け、流
体計算用3次元データや当該風データに流体計算を適用
してシミュレーション領域に対する風環境予測の演算を
実行する演算実行ステップと、風環境予測の演算結果を
提示する結果提示ステップと備えたことを特徴とする。
【0016】また、請求項6に係る風環境予測方法は、
入・出力装置、記憶装置、並びに演算処理装置を用い、
前記入力装置が読み込んで前記記憶装置が記憶した地図
情報データを、前記演算処理装置が風環境予測を行なう
風環境予測方法であって、前記演算処理装置は、前記読
み込んだ地図情報データから、風環境予測評価の対象と
なる範囲の建物および地形の最高高さを求め、該平均高
さに所定の値をかけた第2の計算領域高さを演算実行す
るステップと、3次元データでシミュレーション領域を
モデル化するとともに、前記演算実行によって求められ
た第2の計算領域高さを計算高さとしてモデル化したシ
ミュレーション領域に対する流体計算用3次元データを
生成するモデル化ステップと、前記入力装置からの風デ
ータの入力を受け付け、流体計算用3次元データや当該
風データに流体計算を適用してシミュレーション領域に
対する風環境予測の演算を実行する演算実行ステップ
と、風環境予測の演算結果を提示する結果提示ステップ
と備えたことを特徴とする。
【0017】さらに、請求項7に係る風環境予測方法
は、入・出力装置、記憶装置、並びに演算処理装置を用
い、前記入力装置が読み込んで前記記憶装置が記憶した
地図情報データを、前記演算処理装置が風環境予測を行
なう風環境予測方法であって、前記演算処理装置は、前
記読み込んだ地図情報データから、風環境予測評価の対
象となる範囲の建物および地形の平均高さを求め、該平
均高さに所定の値をかけた第1の計算領域高さを演算実
行するステップと、前記読み込んだ地図情報データか
ら、風環境予測評価の対象となる範囲の建物および地形
の最高高さを求め、該最高高さに所定の値をかけた第2
の計算領域高さを演算実行するステップと、これらの演
算実行機能によって求められた第1の計算領域高さと第
2の計算領域高さとを比較して大きい値を選択するステ
ップと、3次元データでシミュレーション領域をモデル
化するとともに、前記選択された計算領域高さを計算高
さとしてモデル化したシミュレーション領域に対する流
体計算用3次元データを生成するステップと、前記入力
装置からの風データの入力を受け付け、流体計算用3次
元データや当該風データに流体計算を適用してシミュレ
ーション領域に対する風環境予測の演算を実行するステ
ップと、風環境予測の演算結果を提示するステップと備
えたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明にかかる風環境予
測プログラム、このプログラムを格納した媒体およびこ
のプログラムの実行による風環境予測方法の実施形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1には、本
実施形態にかかる風環境予測プログラムの基本機能およ
びこのプログラムによって実行される風環境予測方法の
基本的な手順の一例が概略的に示されている。
【0019】風環境予測プログラムは、地図情報のデー
タベースを扱う機能を備える地図情報取得プログラム
と、この地図情報取得プログラムで取得した地図情報デ
ータに対して、風環境を予測するに必要な編集を行った
り、風データの入力を受け付けたり、そしてその後、収
集したデータに対して風環境予測の演算を実行してその
結果を提供する、さらには演算された風環境結果に対し
て評価を加えるなどの各種の機能を備えるシミュレーシ
ョンプログラムとから主に構成される。
【0020】汎用地図情報データベースとしては、例え
ば「ゼンリン住宅地図」(商品名)を用いることができ
る。また汎用地図情報取得プログラムとしては、例えば
「MapInfo」(商品名)を利用することができる。また
編集機能において、一般に提供されている標高データを
取り込むようにしてもよく、この標高データのデータベ
ースとしては「国土地理院」発行のものを使用すること
ができる。また編集機能においては、計画中などの建築
物の配置図や植栽の配置図などについて、各種形式のC
ADデータを取り込めるようになっている。さらに、風
データの入力受付機能において、実際に観測された風向
風速観測データや粗度区分を取り込むようにしてもよ
く、これら観測データ等のデータベースとしては「気象
庁」発行のものを用いることができる。その他の観測デ
ータ等を用いてもよいことはもちろんである。
【0021】風環境予測プログラムが備える機能を、風
環境予測方法の実行手順に従って説明すると、まず、地
図情報取得プログラムは、地図情報データベースから検
討対象となる地域の地図を読み込んでモニターなどに表
示し、マウスなどの入力手段で指定された範囲を受け付
けて、当該必要な範囲の地図データ、具体的には建物の
データと道路のデータとに分けてファイルに出力する機
能を備えていて、これを実行し、これらデータをシミュ
レーション用の地図情報データとする機能を備えてい
て、これを実行する。地図情報データベースでは一般
に、建物データはその位置を示す2次元の位置データと
その高さのデータとを一組として構成されている一方
で、道路データは2次元の平面的なデータ、すなわち平
面図として提供されている。
【0022】次に、シミュレーションプログラムは、各
種の編集機能を備え、入力手段からの編集入力を受け付
けて、読み込んだシミュレーション用の地図情報データ
に対して編集を実行する。主な編集機能としては、 標高データの追加を受け付けて、地形を作成する、 建物の高さデータの追加を受け付けて、建物を三次元
化する、 建物の平面外形輪郭データの修正値を受け付けて、建
物形状を修正する、 新規建物の新規データを受け付けて、建物を追加した
り、地図情報データに存在する建物に対するデータ削除
操作を受け付けて、建物を削除する、 樹木データの追加を受け付けて、樹木を作成する、 風環境予測の演算を行う際に用いる格子の解像度の設
定データを受け付ける、 がある。
【0023】次に、シミュレーションプログラムは、編
集操作によって地図情報データに書き加えられた計算格
子や、計算用建物、樹木などのシミュレーション用の編
集データをファイルに出力する機能を備え、これを実行
する。
【0024】次に、シミュレーションプログラムは、風
向風速分布の計算機能を備え、入力手段からの風向風速
に関するデータ入力を受け付けて、読み込んだシミュレ
ーション用編集データに対して演算を実行する。この演
算の実行結果は各風向における風速分布として取得さ
れ、モニターやプリンタ、またファイルなどに出力され
る。
【0025】次に、シミュレーションプログラムは、取
得された風速分布データに対する各種の評価機能を備
え、これを実行する。この評価プロセスは、必要に応じ
て実行される。主な評価機能としては、 風環境評価式を適用してそれに基づく評価を行う、 建物を新築する場合にその前後の風環境の変化を比較
したり、建物の外形形状を変更してその前後の風環境の
変化を比較したりする、がある。この比較機能の実行結
果は、風環境評価結果として、モニターやプリンタ、ま
たファイルなどに出力される。
【0026】出力の表示形態としては、水平断面およ
び鉛直断面による表示、アイソメトリック表示やパー
スペクティブ表示、風向別(2風向以上を解析したと
き)、計算格子別(多重格子を用いたとき)の表示、
風速ベクトル図での表示、風速/圧力および評価結果
のコンター図での表示、評価地点の設定の表示、評
価地点での評価結果の表示があり、またモデル図や各種
結果はEPSファイルとしてファイル出力することがで
きる。
【0027】以下に、本実施形態にかかる風環境予測プ
ログラムの具体例である「ソフトウエア・風環境シミュ
レータ(以下、「Zephyrus」という)」の詳細と、この
「Zephyrus」の実行による風環境予測方法の具体例につ
いて詳しく説明する。
【0028】<前提条件> (1)地図情報ソフトウエア、例えば「MapInfo」を使
用する。 (2)地図情報データベース、例えば「ゼンリン住宅地
図」を使用する。 (3)「Zephyrus」がインストールされているディレク
トリは、「C:\Program Files\Zephyrus」であるとす
る。以下、このディレクトリを「Zephyrusディレクト
リ」と呼ぶ。
【0029】<<1>>「MapInfo」で対象地域を切り
出す。 (1)「MapInfo」を起動する。 (2)マウスやキーボードなどの入力手段を使用して、
「MapInfo」のメニューの「ファイル(F)−テーブルを開
く(O)…」で、「ゼンリン住宅地図」から、風環境シミ
ュレーションを実行する対象地域の建物のテーブル(*ta
t.tab)を読み込んで、開く。対象地域の選び方として
は、例えば「東京都大田区下丸子付近」などのようにな
る。 (3)同様にメニューの「ファイル(F)−テーブルを開
く(O)…」で、「ゼンリン住宅地図」から、対象地域の
道路のテーブル(*dor.tab)を読み込んで、開く。
【0030】(4)モニターなどの表示手段の画面に
は、以下の操作で利用する「矩形選択ツール」、「拡大
ツール」、「縮小ツール」、「移動ツール」、「レイヤ
管理ツール」などが、図2に示すように表示されてい
る。 (5)必要に応じ、ツールBOXの「移動ツール」や「拡
大・縮小ツール」を使って、解析対象となる領域が一つ
の画面に表示されるよう、調整する。 (6)ツールBOXの「レイヤ管理ツール」にて、建物レ
イヤ(*.tat)を選択して、並べ替えの「上(U)」ボタンを
押すことにより、図3に示すようにレイヤの順番を並べ
替える。図示例では、建物レイヤは(Szt11.tat)となっ
ている。 (7)ツールをツールBOXの「矩形選択ツール」に切替
え、図4に示すように地図ウインドウ内をマウスでドラ
ッグすると、矩形領域内の建物が選択される。
【0031】(8)メニューの「テーブル(A)−エクス
ポート(E)」にて、図5に示すように選択領域を出力す
るためのダイアログを表示する。 (9)選択された矩形領域内の建物のデータである「Se
lection」の部分が反転されて選択されていることを確
認し、「エクスポート」ボタンを押す。すると、ファイ
ルのセーブ先を指定するダイアログが表示されるので、
適当な場所に適当な名前をつけてセーブする。このファ
イルは、汎用地図情報取得プログラムが汎用地図情報デ
ータベースから取得して生成されたものである。仮に、
「C:\Program Files\Zephyrus\user\map\練習建物.MI
F」にセーブするものとする。この地図情報データは、
「MIF」ファイルと「MID」ファイルとからなる。
【0032】「MIF」ファイルのデータは、ヘッダー情
報と地図内にある全ての図形オブジェクト情報の2部で
構成され、ヘッダー情報は「MapInfo」のVersion情報、
データ中で使用する文字セットの情報などであり、各オ
ブジェクト情報は、その図形を構成するのに必要な全て
の図形プリミティブによって構成される。個々の図形プ
リミティブ情報は、プリミティブの種類、座標(東経と
北緯)、文字列によって構成される。
【0033】「MID」ファイルのデータは、「MIF」ファ
イル1行が「MIF」ファイル中の1個のオブジェクトに関
する情報である。「MIF」ファイル中のオブジェクトの
順番と、「MID」ファイルのデータの並びが対応してい
る。1行に建物名称、階数等の複数の情報が定義されて
いる。
【0034】(10)ツールを、ツールBOXの「レイヤ
管理ツール」に切替えて、図3に示したダイアログを表
示し、道路レイヤ(*.dor)を選択して、並べ替えの「上
(U)」ボタンを押すことにより、レイヤの順番を並べ替
える。図示例では、道路レイヤは(Szt11.dor)となって
いる。 (11)ツールをツールBOXの「矩形選択ツール」に切
替え、(7)の場合と同様にして図4の地図ウインドウ
内をドラッグすると、矩形領域内の道路が選択される。 (12)メニューの「テーブル(A)−エクスポート(E)」
にて、(8)の場合と同様にして選択領域を出力するた
めのダイアログを表示する。
【0035】(13)(9)の場合と同様に、選択され
た矩形領域内の道路のデータである「Selection」が選
択されていることを確認し、「エクスポート」ボタンを
押す。すると、ファイルのセーブ先を指定するダイアロ
グが表示されるので、適当な場所に適当な名前をつけて
セーブする。仮に、「C:\Program Files\Zephyrus\user
\map\練習道路.MIF」にセーブするものとする。 (14)以上で、風環境シミュレーションを実行する対
象地域についての「ゼンリン住宅地図」からの、建物と
道路それぞれのデータの吸い上げが完了する。「MapInf
o」を終了する。
【0036】<<2>>「プロジェクト」を作成する。 「プロジェクト」とは、「解析モデルの作成から結果閲
覧、評価に至るまでの一連の作業のまとまり」をいう。
「Zephyrus」では、このプロジェクト単位で、複数ケー
スの風環境解析作業を管理する。 (1)「Zephyrus」の起動 モニター上のデスクトップの「Zephyrus」へのショート
カットをマウスでダブルクリックして、図6に示すよう
な「Zephyrusシェル」を起動する。この「Zephyrusシェ
ル」は、「Zephyrus」の各サブシステムを統合・統括
し、「Zephyrusシステム」をGUIで操作できるようにす
るツールである。
【0037】**A.Zephyrusシェル(startzep.exe)
について このツールは上記「プロジェクト」の実行を可能とす
る。「プロジェクト」では、解析モデルの生成に始まっ
て、数値シミュレーションによる解析を行い、その結果
を見る、という一連の作業が行われる。「プロジェク
ト」は、新たに解析モデルを作る時に新規作成される。
すでに作成された解析モデルを使って解析を行うとき、
あるいは、すでに解析が終わった「プロジェクト」で、
その解析結果を閲覧したいときは、該当する既存「プロ
ジェクト」を開き、作業を行う。「Zephyrusシェル」で
は、「プロジェクト管理」機能と、「プログラム実行」
機能とが分けて表示される。「プロジェクト管理」機能
には、これを実行するための各種のボタンが用意されて
いる。
【0038】・「新規プロジェクト」ボタン 新規に「プロジェクト」を生成する。このボタンを押す
と、図7に示すような「プロジェクト作成」ダイアログ
が開き、このダイアログに必要事項を記述して「作成」
ボタンを押すと、新たな「プロジェクト」が作成され
る。
【0039】以下、「プロジェクト作成」ダイアログに
ついて説明する。「プロジェクトディレクトリ」は、今
後この「プロジェクト」に関するすべてのファイルが格
納されるディレクトリである。「参照」ボタンを押す
と、ディレクトリ構成を参照しつつディレクトリを選択
できる。「プロジェクト名」は、この「プロジェクト」
を識別する名称である。「プロジェクト」は、上記「プ
ロジェクトディレクトリ」内プロジェクト.WPJというフ
ァイル名で保存される。同じ「プロジェクトディレクト
リ」内に同名の「プロジェクト」は存在できない。保存
した「プロジェクト」を開くには、「プロジェクトを開
くボタン」でこのファイルを指定するか、エクスプロー
ラ等でこのファイルをダブルクリックする。「概要」
は、この「プロジェクト」に関するコメント、覚え書き
等を書いておく欄である。何を書いてもよい。
【0040】「ワイブルパラメータファイル」は、対象
地域の「ワイブルパラメータ」のファイルを指定する。
「ワイブルパラメータファイル」は、気象官署で観測さ
れた日最大平均風速をもとにして、風向別にワイブルパ
ラメータを求めたものが書かれたファイルである。これ
と計算結果を元にして、対象となる領域内の風速出現頻
度を求め、風環境のランク評価を行う。ワイブルパラメ
ータのファイルは、表1に示すような書式のテキスト形
式ファイルである。
【0041】
【表1】
【0042】表1中の書式について説明すると、「;」
で始まる行はコメントとして無視される。ここには、気
象官署名、測定期間などのヘッダー情報が記載されてい
る。また、「A」は16風向の風向別出現頻度、「C」は
各風向毎のワイブルパラメータ、「K」は各風向毎のワ
イブルパラメータである。さらに、気象官署での地上か
らの観測高さ74.6(m)、気象官署のある場所での粗度
区分5が、各1行に順に記述されている。
【0043】本実施形態では、東京都大田区下丸子付近
の風環境解析を例にとっているので、「中原気象観測
所」の「ワイブルパラメータ」を使用する。この「ワイ
ブルパラメータ」は、「Zephyrus」内に、別途データベ
ースとして用意されている。「地形標高あり」は、対象
地域の「国土地理院」標高データがある場合、本チェッ
クBOXをチェックすると、地表面の標高差を加味した解
析モデルが作成される。「粗度区分」は、風の流れ具合
の指標をいい、ここでは対象地域の「粗度区分」であ
る。大田区下丸子付近は、「粗度区分=3」とする。
【0044】・「プロジェクトを開く」ボタン 既存の「プロジェクト」を読み込む。このボタンを押す
と、「ファイル選択」ダイアログが開き、このダイアロ
グで、適当な「プロジェクト」を選択すると、その「プ
ロジェクト」に関する作業が前回の続きから可能とな
る。 ・「プロジェクト編集」ボタン 現在開いている「プロジェクト」に関する設定を変更す
る。このボタンを押すと図7の「プロジェクト作成」ダ
イアログが開き、このダイアログに記述してある内容を
変更して「更新」ボタン(図示せず)を押すと、この
「プロジェクト」の設定が変更される。 ・「プロジェクトを閉じる」ボタン このボタンを押すと、現在開いている「プロジェクト」
を終了する。「プログラム実行」機能にも、これを実行
するための各種のボタンが用意されている。 ・「モデル生成」ボタン このボタンを押すと、モデル化機能を備える後述する
「B.Zephyrusモデラー(wind.exe)」が「新規作成モー
ド」で起動される。これは、「MapInfo」で切り取った
住宅地図を元に、風環境数値シミュレーションを行うた
めの3D解析モデルを作成するプログラムである。 ・「モデル修正」ボタン このボタンを押すと、「Zephyrusモデラー」が「修正モ
ード」で起動される。これは、以前作成した解析モデル
を単に参照したり、修正を加えるための機能である。こ
の「モデル修正」ボタンを押すと、現在開いている「プ
ロジェクト」がモデル生成済みの場合、以前生成された
モデルとグリッドブロック(格子)が表示される。この
状態で建物の追加・削除・形状変更を行なうと、それに
よって通常の解析が実行される。またそのプロジェクト
が他のプロジェクトの比較対象として生成されていた場
合には、プロジェクト同士の比較計算が実行される。 ・「解析実行」ボタン 風環境の解析を数値シミュレーションを使って行う。こ
のボタンを押すと、図8に示すような「風向設定」ダイ
アログが開き、ここで風向に関する計算条件を設定し、
「新規開始」ボタンを押すと、演算実行機能を備える後
述する「C.Zephyrusソルバー(zephyrus.exe)」およ
び「解析結果変換プログラム(windconv.exe)」が起動
される。 ・「結果閲覧」ボタン 解析結果の閲覧を行う。このボタンを押すと、結果提示
機能を備える後述する「D.Zephyrusブラウザー(wind
disp.exe)」が起動し、解析結果をグラフィックで閲覧
できる。 ・「環境設定」ボタン 「Zephyrus」に関する全般的な環境設定を行う。このボ
タンを押すと、図9に示すような「動作環境設定」ダイ
アログが開く。必要事項を記入、修正したら、「更新」
ボタンを押すと、環境設定が変更される。この変更は、
次回起動以降も有効である。
【0045】以下、「動作環境設定」ダイアログについ
て説明する。「デフォルト設定ファイル格納ディレクト
リ」は、「Zephyrus」の動作に関する様々な規定値を格
納し、また、ユーザーが自由に設定できるファイルが格
納されるディレクトリである。各ファイルはテキスト形
式である。このディレクトリに格納されたデフォルト値
を変更すると、次回から生成されるすべての「プロジェ
クト」に関する設定が変更される。既存の「プロジェク
ト」に関する設定変更をするときは、各「プロジェクト
ディレクトリ」以下にある同名のファイルを変更する。
【0046】「標高データディレクトリ」は、「国土地
理院」発行の「数値地図50mメッシュ(標高)」のデ
ータがあるディレクトリである。この「国土地理院」の
標高データは、2次メッシュコードと言われる、緯度・
経度から一意に導き出されるコードに従ったディレクト
リ名、ファイル名を持つテキストファイルである。コン
ピュータには、例えば表2のような形でインストールさ
れる。
【0047】
【表2】
【0048】「定常定数ファイル」は、風環境評価等に
使う定数を格納し、またユーザーが必要に応じ編集する
ファイルである。定常定数のファイルは、表3に示すよ
うな書式のテキスト形式ファイルである。
【0049】
【表3】
【0050】表3中の書式について説明すると、[rough
ness]のセクションは、粗度区分ごとに分類されるパラ
メータを格納するセクションである。ここで、「zg」
は、粗度に関わらず、風速が一定であると見なせる高度
である。「alpha」は鉛直方向の風速分布のべき指数で
ある。次に、[rank]のセクションは、風環境評価基準に
よるランク分けに使用するパラメータを格納するセクシ
ョンである。ここで、「V」は日最大瞬間風速、「rank
X」は、そのランクが許容できる上記「V」を超過する頻
度である。
【0051】「実行ファイル格納ディレクトリ」は、
「Zephyrus」による一連の作業の各局面で内部的に起動
される実行形式モジュールが集められているディレクト
リである。「階数規定値」は、「ゼンリンの住宅地図」
に階数情報が入っていない建物に関して、一律何階とみ
なすか、という情報を設定する。住宅地図で階数情報が
入っていない建物は、一般の民家であることが多いた
め、都市部では一律2階建てと見なすように設定してい
る。「階あたり高さ」は、すべての建物の1階あたりの
高さを何mとみなすか、という値を設定する。「GF」
は、風環境評価時に使用する「ガストファクター(突風
率)」を設定する。
【0052】・「プロジェクト比較」ボタン 現在の「プロジェクト」の建物形状の一部を変更した場
合、どのように風環境が変化するかを比較する比較機能
を有する。このボタンを押すと、図10に示すような
「プロジェクト比較」ダイアログが開く。 ・「終了」ボタン このボタンを押すと、「Zephyrusシェル」が終了する。
【0053】さらに、その他のディレクトリ構成・ファ
イル構成として、主に次のものがある。「\Zephyrus\et
c\」は、リソース、その他のファイルを格納するディレ
クトリである。「\Zephyrus\user\」は、ユーザーが作
成するモデル、解析結果等を格納するディレクトリであ
る。「\Zephyrus\user\map\」は、ユーザーが「MapInf
o」で切り取った地図を格納するディレクトリである。
「\Zephyrus\weibul\」は、ワイブルパラメータを格納
するディレクトリで、例えば「13nakahara91-95.dat」
(中原測定所:1991年〜1995年ワイブルパラメータ)、
「13東京94-98.dat」(東京管区気象台No.662:1994年
〜1998年ワイブルパラメータ)などの気象データが格納
される。
【0054】(2)「新規プロジェクト」ボタンを押す
と、上述した図7のダイアログが画面に表示される。 (3)当該ダイアログに必要事項を入力したならば、
「作成」ボタンを押す。これにより新たな「プロジェク
ト」が作成され、図6の「Zephyrusシェル」のTop画面
に戻る。 (4)「プロジェクト」が正常に作成されると、「Zeph
yrusシェル」のTop画面で、新たに、「プロジェクト編
集」、「プロジェクトを閉じる」、「モデル生成」の各
ボタンを押すことが可能になる。
【0055】<<3>>解析モデルの作成 「Zephyrusモデラー」というツールを利用し、<<1>
>の手順で「MapInfo」など、他のGISソフトから切
り出した地図情報に必要な情報を補足して、風環境の解
析を行うための3次元(3D)解析モデルを作成する。
【0056】**B.Zephyrusモデラー(wind.exe)につ
いて このサブシステムは、「MapInfo」で切り取った「ゼン
リン住宅地図」による建物形状や以前「Zephyrusモデラ
ー」で作成した建物形状を元に、風環境数値シミュレー
ションで使えるような3次元解析モデルを生成するもの
である。「Zephyrusモデラー」での主要な操作は、画面
上でマウス右クリックによって表示されるポップアップ
メニューで行う。以下に、このメニューごとの機能を説
明する。「比較モード」時は、*印の操作は行えない。
【0057】まず、図11を参照して、「File」メニュ
ーについて説明する。 *[Import Map]は、「MapInfo」で切り取った住宅地図
を読み込む。 [Export Model]は、作成した解析モデルを、数値シミュ
レーションが利用できる形式に変換して出力する。[Loa
d file]は、保存した「モデル形状」ファイルを読み込
む。[Save file]は、現在編集している内容を「モデル
形状」ファイルとして保存する。[Load Texture]は、
「建物追加モード」時、参照のために重ねて表示する画
像ファイルを読み込む。 *[Import other Map]は、「MapInfo」で切り取ったそ
の他の地図(道路図等)を読み込む。 *[Reread Z Mesh]は、高さ方向のメッシュ分割方法
を、現在の「プロジェクトディレクトリ」内の(wind.in
i)の記述に合わせる。
【0058】次に、図12を参照して、「Edit」メニュ
ーについて説明する。 *[Change mesh]は、平面方向のメッシュ分割方法を設
定する、「メッシュ分割編集ツール」を起動する。 *[Set Base Altitude]は、基準平面の高度と、Z方向
の解析モデル空間の高さを設定する、「高さ方向メッシ
ュ設定ツール」を起動する。 [Allot floor height]は、階数情報が無い建物に対し、
一律規定の階数を割り当てる。
【0059】[mode XX−>]は、「編集モード」の変更を
実行する(現在XXのモードから、下記〜のモードへ
切り替える)。 [normal]は、「通常モード」へ切り替える。通常の閲
覧、表示はこのモードで行う。この「通常モード」で表
示されるポップアップメニューによって、以下に列挙す
る操作を実行することができる。 「モデルの回転;モデルの拡大縮小;モデルの平行移
動;建物の選択;選択した建物/植栽の高さを増加;選
択した建物/植栽の高さを減少;選択した建物/植栽の
詳細情報を表示;選択した建物/植栽を削除;選択した
植栽の幅を増加;選択した植栽の幅を減少;モデル縮
小;モデル拡大;モデル平行移動;お気に入りの視点を
登録;登録されたお気に入りの視点にジャンプ;モデル
を原点位置に戻す」 また、「通常モード」で「高さ方向メッシュ設定ツー
ル」が表示されているときには、そこで表示されるポッ
プアップメニューによって、以下に列挙する操作を実行
することができる。 「モデルの回転;モデルの拡大縮小;モデルの平行移
動;建物の選択;基準平面の高度を0.1m 増加;基準平
面の高度を0.1m 減少;選択した建物の詳細情報を表
示;モデル縮小;モデル拡大;モデル平行移動」
【0060】*[direction]は、「地図方角変更モー
ド」へ切り替える。このモードでは、マウスドラッグの
始点から終点の方向が、画面の下から上の方向になるよ
う、地図全体を回転させる。この「地図方角変更モー
ド」で表示されるポップアップメニューによって、以下
に列挙する操作を実行することができる。 「地図の方向変換;モデルの拡大縮小;モデルの平行移
動;モデル縮小;モデル拡大;モデル平行移動」
【0061】[pline]は、「折れ線形状編集モード」
へ切り替える。このモードでは、地図内の折れ線形状の
建物が他の建物と区別して異なる色で表示され、目的と
する折れ線形状を選択し、続いて、それと組み合わせる
線分を指定することで、折れ線形状の建物から閉じた形
状の建物を生成する。この「折れ線形状編集モード」で
表示されるポップアップメニューによって、以下に列挙
する操作を実行することができる。 「折れ線の選択;選択した折れ線の確定;確定した折れ
線のキャンセル;閉じた図形を建物として新規登録;モ
デルの拡大縮小;モデルの平行移動;モデル縮小;モデ
ル拡大;モデル平行移動」
【0062】[addBuilding]は、「建物追加モード」
へ切り替える。このモードでは、マウスで入力した新し
い形状が、新規の建物として追加される。また、入力を
補助するため、建物の平面図等、任意の画像ファイルを
読み込み、半透明の状態で、地図と重ねて表示できる。
この「建物追加モード」で表示されるポップアップメニ
ューによって、以下に列挙する操作を実行することがで
きる。 「追加建物の頂点を指定;指定した頂点のキャンセル;
垂直モード/通常モード切替え;モデルの拡大縮小;モ
デルの平行移動;モデル縮小;モデル拡大;画像拡大縮
小;画像平行移動;画像回転」
【0063】*[trimming]は、「トリミングモード」
へ切り替える。このモードでは、マウスで囲んだ矩形領
域以外の部分を切り捨てることができる。この「トリミ
ングモード」で表示されるポップアップメニューによっ
て、以下に列挙する操作を実行することができる。 「切り取る領域の選択;モデルの拡大縮小;モデルの平
行移動;モデル縮小;モデル拡大;モデル平行移動」
【0064】[addPlanting]は、「植栽追加モード」
へ切り替える。このモードでは、マウスで指定した点
に、新たに植栽が追加される。また、入力を補助するた
め、建築物の平面図等、任意の画像ファイルを読み込
み、半透明の状態で、地図と重ねて表示できる。
【0065】[Color edit]は、表示する各オブジェクト
の色を編集する「色編集ツール(Color Editor)」を起
動する。「色編集ツール」は、図13に示されている。
「Zephyrus」のほとんどグラフィックの表示色は、カラ
ーパレットを使っている。このツールは、そのパレット
色を変更することで、表示色の変更を行うものである。
まず、右上のパレット番号に、変更したいパレット番号
を入れ、左側の4本のスライダを使い、好みの色合い、
透明度を設定する。その色は、右側のBOXおよびメイン
の画面のそのパレットを使っているグラフィックにリア
ルタイムに反映する。SAVEボタンを押すと、その設定が
保存され、次回起動以降もその設定が有効となる。SAVE
ボタンを押さない場合は、その設定は、今回の起動に限
り有効で、アプリケーション終了と同時に設定は元に戻
る。
【0066】[View edit]は、表示する各オブジェクト
の視点を編集する「視点編集ツール(View Editor)」
を起動する。「視点編集ツール」は、図14に示されて
いる。「Zephyrus」で表示される各物体は、それぞれ固
有の視点を持っている。このツールは、この視点を編集
することで、3D物体が見える方向や位置を調節するも
のである。このツールを使って行う3D操作は、そのほ
とんどが、ツールを使わなくても、マウスやキーボード
を使って行えるものであるが、本ツールを使うと、より
細かく、高度な操作が可能になる。まず、左上「モデル
番号」により、操作対象となる解析モデルを選択する。
その後各スライダを自由に操作すると、それに従って、
メインウィンドウの物体が動く。スライダは、中心部が
動き「=0」で、そこから離れれば離れるほど、物体が
大きく運動する。「Rotate(回転)スライダ」は、物体
の回転を制御する。「Auto Spin」ボタンをOnにしてお
くと、設定した回転が維持され、スライダを放しても、
物体が一定方向に回りつづける。また、「Auto Spin」
ボタンをOnの状態で、メインウィンドウを左ドラッグに
て回転させても同様の効果が得られる。「Transrate
(平行移動)スライダ」は、物体の平行移動を制御す
る。「Size(寸法)スライダ」は、物体の拡大縮小を制
御する。「Keep Aspect」ボタンがOnのときは、XYZのス
ライダが同時に動くため、物体の縦横比が維持される
が、「Keep Aspect」ボタンをOffにすると、XYZのスラ
イダが独立に動けるようになり、縦横比の維持が保証さ
れなくなる。「Fovy(視角)スライダ」は、視角を制御
する。視角が広いほど遠近感が強調される。射影モード
選択により、まず、「perspective(遠近感がある表
現:遠いものほど小さく表示する)」か、「orthograph
ic(遠近に関わらず、物体の大きさに比例した大きさで
表示する)」か選べる。「perspective」の場合、さら
に「inspect(物体を手にとって見る感覚:回転の中心
が物体の中心)」か、「walkthrough(自分が物体の中
に入って歩き回る感覚:回転の中心が自分の視点の中
心)」かを選択できる。上記すべての設定は、ツール上
部の「Crear This」ボタンを押すと、初期状態に戻る。
あるいは、右下の「All Clear」ボタンを押すと、この
解析モデルだけでなく、すべての解析モデルが、初期状
態に戻る。逆に設定を保存したいときは、後述する「視
点保存ツール」を使う。「Close」ボタンを押すと、こ
のツールを終了する。
【0067】[Light edit]は、表示する各オブジェクト
に当たる照明とその光の反射方法等を編集する「照明ツ
ール(Light Editor)」を起動する。「照明ツール」
は、図15に示されている。「照明ツール」は、3Dの
物体を照らす照明のコントロールをするツールである。
本「Zephyrus」では、単一の照明しか使っていないの
で、照明番号は常に1とする。「Ambientスライダ」
は、物体の影の部分に存在する光の色や強さを制御す
る。「Difuseスライダ」は、物体に直接光が当たってい
る部分の光の色や強さを制御する。「Specularスライ
ダ」は、物体の光が反射して観察者に届いているような
部分の光の色と強さを制御する。「Positionスライダ」
は、光源の位置を制御する。上部「Kind」メニューで、
光源の種類を「Spotlight」を選んだ場合、「Spotlight
スライダ」で、スポットライトの属性を制御する。「At
tenuationスライダ」は、光の減衰率を制御する。これ
らのすべての設定は、上部「File」メニューの「Save」
にて保存でき、「Load」にて、過去に保存したものを呼
び出すことができる。また、「File」メニューの「Clos
e」にて、「照明ツール」を終了できる。
【0068】[Save/Load View]は、現在の視点を保存し
たり、以前保存したファイルを読み込むための「視点保
存ツール」を起動する。「視点保存ツール」は、図16
に示されている。マウス+キーボードもしくは、図14
の「視点編集ツール」を用いて設定した視点は、本ツー
ルを用いて保存できる。保存するには、「SAVE」ボタン
を押して、任意の名前をつけて保存するが、「Zephyrus
モデラー」起動中または「Zephyrusブラウザー」起動中
に上書き保存すると、この視点が初期位置となり、次回
の起動からは、この視点で起動されるようになる。「JU
MP」ボタンは、保存した視点を読み込み、その視点に飛
ぶ為のボタンである。
【0069】[Plant Edit]は、植栽の高さ、葉部の幅の
規定値を設定する。[Delete Building]は、選択した建
物を、地図から削除する。[Delete Planting]は、選択
した植栽を、地図から削除する。[Enable Mesh Update]
は、「Zephyrusモデラー」が、「モデル修正」ボタンで
起動されたときは、メッシュの分割方法に変更を加える
ような操作は行えないように保護しているが、この保護
を解除して、「Zephyrusモデラー」のすべての操作を可
能にする。
【0070】次に、図17を参照して、「Disp」メニュ
ーについて説明する。[mode 3D−>2D]は、表示モードの
2D、3Dを切り替える。[model ON−>OFF]は、解析モ
デル(建物)の表示有無を切り替える。[Zmesh ON−>OF
F]は、高さ方向のグリッドブロックの表示有無を切り替
える。[Other map ON−>OFF]は、道路形状その他の表示
の有無を切り替える。[Terrain ON−>OFF]は、「国土地
理院」の標高データを読み込んだ場合、地形表示の有無
を切り替える。すなわち、「Zephyrusモデラー」は標高
データの受付機能を有する。[wall ON−>OFF]は、建物
の壁部分の表示有無を切り替える。[azimuth ON−>OFF]
は、「編集モード」が「地図方角変更モード」の場合、
方位を表す図形の表示有無を切り替える。[pline ON−>
OFF]は、折れ線形状の物体の表示有無を切り替える。
【0071】[mode XX−>]は、「表示モード」の切替え
を実行する(現在XXの表示モードから、下記〜のモ
ードへ切り替える)。 [normal]は、表示モードを「通常モード」へ切り替え
る。通常の表示はこの状態で行う。 [mesh]は、表示モードを「メッシュモード」へ切り替
える。「メッシュモード」では、現在のメッシュ分割
で、そのメッシュに建物があれば、そのメッシュを塗り
つぶすという方法で地図全体を表示する。実際の数値シ
ミュレーション計算は、このイメージで表現されたデー
タを使う。
【0072】[volume]は、表示モードを「ボリューム
モード」へ切り替える。「ボリュームモード」では、各
グリッドブロック内の空間を、建物がどの程度占有する
かを、色分けして表示する。 [aperture]は、表示モードを「開口率モード」へ切り
替える。「開口率モード」では、各グリッドブロック間
の開口率を、線の濃い薄いで表現する。 [error]は、表示モードを「エラー形状表示モード」
へ切り替える。「エラー形状」とは、たとえば、2つの
建物が重なりあって一部が干渉してしまっているような
場合で、「Import Map」機能で切り取った地図情報を取
り込む際に、こうしたエラーのチェックを行う。「エラ
ー形状表示モード」では、このエラーチェックで異常と
された形状のみを表示するモードである。エラーが無い
場合は何も表示されない。
【0073】[mesh line−>dot]は、グリッドブロック
の表示を、直線で表現するか、点で表現するかを切り替
える。最後に、図11に示されている「Quit」を操作す
ると、「Zephyrusモデラー」が終了し、「Zephyrusシェ
ル」に戻る。
【0074】さらに、上記「Zephyrusモデラー」の動作
を設定するために、「設定ファイル(wind.ini)」があ
る。以下に、この「設定ファイル(wind.ini)」の制御パ
ラメータについて説明する。[mesh]セクションとは、メ
ッシュ分割に関する設定を行うセクションである。ここ
で、「meshmode」は、XY平面方向の、初期状態のメッシ
ュ分割の方法を定義する。「meshmode=1」のときは、計
算領域全体を、下記「mesh N」で定義した分割数で分割
する。「meshmode=2」のときは、計算領域全体を、下記
「mesh D」で定義したサイズのメッシュで分割する。
「mesh N」は、メッシュの数である。X方向の数、Y方向
の数の順で記述する。「mesh D」は、1メッシュのサイ
ズである。X方向サイズ、Y方向のサイズの順で記述す
る。単位はmである。「mesh Area」は、計算領域全体
のサイズである。単位はmである。X方向サイズ、Y方向
サイズ、Z方向のサイズの順で記述する。「-1」にする
と、自動設定となり、読み込まれた住宅地図が入るのに
十分かつ最小の値が自動設定される。「ndz,dz1,dz2,
…,dzn」には、Z方向(高さ方向)のメッシュサイズを
定義する。Z方向のメッシュサイズは、基準平面からの
距離により可変となるが、ここでは、基準平面から何m
以上の場合、メッシュサイズは何mという具合に記述す
る。表4にZ方向メッシュサイズの定義の一例を示す。
【0075】
【表4】
【0076】この場合、ndz=4で、可変となるメッシュ
サイズは4区間あると定義する。4区間ある場合は、以
下に、dz1〜dz4までの4つのエントリが必要となる。dz
1=0.0/1.0,dz2=4.0/2.0なので、基準平面からの距離が
0m〜4mまでの区間では、メッシュサイズは1mとな
る。以下同様に4m〜10mではメッシュサイズ2m、
10m〜100mではメッシュサイズ5m、100m〜
無限大までメッシュサイズ10mとなり、表5のように
なる。
【0077】
【表5】
【0078】[map]セクションとは、地図情報に関する
定義を行うセクションである。「def_floor_c,def_floo
r_h,dem,dem_dir」のエントリでは、順にデフォルトの
階数、1階あたりの高さ、「国土地理院」標高データの
有無、「国土地理院」標高データのディレクトリ名を定
義するが、これらを変更したい場合は、すべて「Zephyr
usシェル」のGUIを使うことが好ましい。他方、「ゼン
リンの住宅地図」には、同じ場所に同じ形状の建物が重
なっている場合がある。この場合、両者の建物の各頂点
の距離がすべて一定値以下の場合、同一建物とみなし、
解析モデルから自動削除される。「equate_limit」のエ
ントリでは、この頂点距離何m以下で同一点とみなすか
を定義する。「autocorrect」は、「autocorrect=1」の
場合、入力された住宅地図の建物どうしの干渉チェック
を行い、干渉を起こしている建物は自動的に削除され
る。上記[error]に関連する。
【0079】<3−1>地図情報の読込み まず、対象地域の地図情報データを読み込む。 (1)図6の「Zephyrusシェル」のTop画面で、「モデル生
成」ボタンを押すと、「Zephyrusモデラー」が起動す
る。起動時には、画面には何も表示されない。 (2)<<1>>の手順で作成した地図情報を読み込む。
「Zephyrusモデラー」上で、マウスの右ボタンを押す
と、図11のメニューが表示される。このメニューから
「File−Import Map」を選択する。 (3)「ファイル読込み」のダイアログが表示されるの
で、読み込む「建物形状のファイル(C:\Program Files
\Zephyrus\user\map\練習建物.MIF)」を指定し、「開
く」ボタンを押す。読み込み時、同一建物に対して複数
の建物形状を定義していないかの検証を行う。その際、
最も階数の高い建物の形状データのみを残す。 (4)建物の形状データ以外に、道路等の形状データも読
み込む。マウスの右ボタンで、図11の「File−Import
other Map」を選択する。 (5)「ファイル読込み」のダイアログが表示されるの
で、読み込む「道路形状のファイル(C:\Program Files
\Zephyrus\user\map\練習道路.MIF)」を指定し、「開
く」ボタンを押す。 (6)画面上に、異なる色で建物形状と道路形状が表示さ
れる。この画面を、マウスの左ボタンを押しながらドラ
ッグすると、その方向に地図が回転する。また、Shift
キーを押しながら上下方向にドラッグすると地図を拡大
縮小でき、Ctrlキーを押しながらドラッグすると、地図
を平行移動させることができる。
【0080】<3−2>階数の調整 次に建物の階数を調整する。例えば「ゼンリンの住宅地
図」では、主要な建物の階数は入っているが、そうでな
い建物(主に一般住宅)に関しては階数情報がなく、そ
のため階数を指定する必要がある。 (1)まず、階数が視覚的にわかるように、地図を3D表
示に切り替える。これには、マウスの右クリックで図1
7のメニューを呼び出し、「Disp−mode2D−>3D」を選
択する。 (2)図18に示したように、画面上、住宅地図に階数情
報がある建物と階数情報がない建物とが異なる色で表示
されている。 (3)階数情報が無い建物に対し、とりあえず一律規定値
の階数を与える。図12のメニューの「Edit−Allot fl
oor hight」を選択する。階数情報のない建物すべて
が、あらかじめ指定した階数になる。 (4)また、(3)のように一律規定値の階数を指定する
のでなく、特定の建物を選択し、個別に階数を変更する
こともできる。すなわち、3D表示状態で、Altキーを
押しながら、変更したい建物をマウスで左クリックする
と、その建物だけが特定の色で表示される。この状態
で、キーボードの「+」キーを押すと1階分、高さが増
加し、「−」キーを押すと1階分、高さが減少する。ま
た、建物の実際の高さを入力することもできる。特定の
建物を選択した状態でリターンキーを押すと、図19に
示すような「建物プロパティ」ダイアログBOXが表示さ
れるので、ここで直接「建物高さ」欄に任意にその建物
の高さ(単位m)を入力して、「設定」ボタンを押せば
よい。なお、このダイアログBOXでは、「建物名称」も
変更できる。
【0081】<3−3>建物の削除と追加(建物編集機
能) 風環境予測では例えば、計画中の建物周辺の建築後の風
環境を予測することなどが行われる。このような計画中
の建物の形状は、当然ながら地図情報データベース、例
えば「ゼンリン住宅地図」には載っていない。そこで、
このような建物の形状については入力作業を行う。以下
では、そのようなケースを想定し、まず既存の建物を削
除し、その跡地に新規に建物を追加する場合の手順を説
明する。
【0082】(1)建築予定地の建物を削除する。削除し
たい建物を、Altキーを押しながら左クリックすること
で、選択する。選択された建物だけ異なる色で表示され
る。この状態で、キーボードのDelキーを押すか、図1
2のメニューの「Edit−DeleteBulding」にて、選択し
た建物を削除する。 (2)建築予定地に計画建物を追加する。図12のメニュ
ーの「Edit−mode normal−>addBulding」にて、「編集
モード」を、「通常モード」から、「建物追加モード」
へ切り替える。 (3)この状態のとき、マウスクリックによって線を引く
ことで任意の形状を入力できる。また、計画建物の図面
等の画像ファイル(Windows (登録商標)BM
P形式)がある場合には、この画像を地図と重ねて表示
し、その上をマウスでなぞることにより、より簡単・正
確に計画建物の形状が入力できる。この場合まず、図1
1のメニューの「File−Load Texture」にて、重ねて表
示したい画像ファイルを読み込む。
【0083】(4)読み込んだ画像が、半透明で、地図の
中央に表示される。この画像は、Alt+Shiftを押しなが
らマウスを上下方向にドラッグすると拡大縮小、Alt+Ct
rlを押しながらマウスをドラッグすると平行移動させる
ことができる。また、矢印キーの左右で、左回転、右回
転させることができる。画像を含めて、地図全体を動か
したいときは、Altキーを押さずに、Shiftキーもしくは
Ctrlキーを押しながらマウスをドラッグする。これらの
操作により、読み込んだ画像ファイルが、地図上の計画
地と重なるように調整する。
【0084】(5)上記(4)の操作で微妙な調整が難し
い場合、微調整用のツールを利用することもできる。そ
の場合は、図12のメニューの「Edit−View edit」に
て、図14の「View Editorツール」を呼び出す。 (6)「View Editorツール」は、スライダコントロールを
使って、画像配置の微調整を行うものである。また、
「Clear This」ボタンを押すことで、最初に画像を読み
込んだ直後の状態に戻ることができる。
【0085】(7)まず、「Edit対象のオブジェクト」の
指定のために最上段のBOXに、「4−Texture」と入力す
る。その後、マウスで、各種スライダコントロールを動
かすと、読み込んだ画像ファイルが、動く。「Rotete」
のZスライダで回転、「Transrate」スライダ群で平行移
動、「Size」スライダ群で拡大縮小ができる。 (8)建設予定地に、計画建物の画像を配置したら、マウ
スで、計画建物の輪郭の頂点を順にクリックする。この
時、スペースバーを一回押すと、「垂線モード」にな
る。「垂線モード」とは、直前に引いた直線に対し垂直
な線しか引けないモードをいう。もう一度スペースバー
を押すと、「通常モード」に戻る。また、Escキーを押
すと、すべての頂点指定をキャンセルし、最初の状態に
戻ることができる。 (9)計画建物の頂点を順にクリックし、1周回って最初
の頂点に戻ると、計画建物の内側だけが異なる色で塗り
つぶされた状態の表示になる。この時、マウスで、最初
の頂点をクリックすると、新規の建物が追加される。 (10)新規に建物が追加されると、図19の「建物プロパ
ティ」ダイアログBOXが表示される。このダイアログBOX
で、この建物の高さを入力して、「設定」ボタンを押
す。「建物名称」欄には、必要に応じて建物名称を記入
する。このように「建物プロパティ」のダイアログは、
建物を新規に追加する操作を行なった時も自動的に表示
されて建物の新規追加に際して同時に階数もしくは建物
高さの入力を実行することができ、入力のし忘れを防止
することができる。 (11)計画建物の追加作業を終えたら、図12のメニュー
の「Edit−mode addBulding−>nomal」にて、「編集モ
ード」を「通常モード」に戻す。
【0086】<3−4>折れ線形状建物(不完全な建物
形状)の修正(建物修正機能) 風環境の数値シミュレーションでは、建物形状の情報
は、解析空間内のどの部分が流体(建物の外側)で、ど
の部分が非流体(建物の内側)かを判別する目的で利用
される。建物の内側/外側の判別をするためには、建物
の形状は閉じた図形でなければならない。ところが、
「ゼンリン住宅地図」においては、必ずしもすべての建
物がこのような閉じた図形で表現されているわけではな
く、中には、折れ線形状の開いた図形で、建物が表現さ
れている場合がある。図20は、折れ線形状の建物の一
例である。この図において、実線で表した建物は、すべ
て閉じた図形で表現されている。他方、中央のコの字型
の破線は、折れ線形状の開いた図形となっている。以下
の説明は、こういったケースにおいて、ユーザーが折れ
線形状のどの部分が建物の内側になるかを指定する手順
である。
【0087】(1)まず、図12のメニューの「Edit−mod
e normal−>pline」により、「編集モード」を、「通常
モード」から「折れ線形状編集モード」に切り替える。 (2)すると、地図内で折れ線形状の物体がすべて、他の
線とは異なる色、例えば赤色の線で表示される。修正し
たい折れ線形状が大きく表示されるよう、地図を拡大・
移動する。 (3)この状態で、修正したい折れ線をマウスでクリック
すると、クリックされた折れ線が他の色の線、例えば白
色の線に表示が変わる。 (4)もし、この白色で表示されている折れ線が、目的と
しているものと違う時は、違う折れ線をクリックすれば
目的の折れ線を切り替えることができる。その折れ線で
正しい場合は、スペースバーを押すと、線の色が白色か
ら他の色、例えば水色に変わり、ひとつの折れ線が確定
する。 (5)後は、目的とする建物が、閉じた形状になるよう、
建物を囲む順番に、辺のクリックによる選択と、スペー
スバーによる確定を繰り返して行く。 (6)目的とする建物のすべての辺を確定すると、閉じた
水色の線が描かれることになる。 (7)この状態でリターンキーを押すと、線の色が水色か
ら他の色、例えば緑色に変わり、閉じた形状の建物とし
て、目的とする建物が解析モデルに追加される。なお、
折れ線が緑色になる前の状態であれば、Escキーによ
り、最初の折れ線をクリックする前の状態に戻ることが
できる。 (8)新規に建物が追加されると、図19の「建物プロパ
ティ」ダイアログBOXが表示される。このダイアログBOX
で、「建物高さ」などを入力して、「設定」ボタンを押
す。 (9)すべての折れ線形状建物の修正が終了したら、図1
2のメニューの「Edit−mode pline−>normal」にて、
「編集モード」を「通常モード」に戻す。
【0088】<3−5>植栽の追加と修正(植栽編集機
能) 建物の周りに、防風の目的で植栽を配置することは、実
際によく行われているが、「Zephyrus」でも、解析モデ
ル上の任意の場所に植栽を配置し、植栽の影響・効果を
加味した風環境の計算を実行することができる。以下で
は、解析モデル上に植栽を配置する方法や、すでに配置
してある植栽の形状の変更、削除の方法を説明する。
【0089】(1)図12のメニューの「Edit−mode norm
al−>addPlanting」にて、「編集モード」を「植栽追加
モード」に切り替える。 (2)建物を追加するとき(addBuildingモード)と同様、
植栽の配置図等の画像ファイル(BMP形式)がある場合
は、図11の「File−Load Texture」メニューから、そ
のファイルを読み込み、重ねて表示できる。このときの
操作は、建物を追加するときと同様である。 (3)図12のメニューの「Edit−Plant edit」を選択す
ると、図21に示すように今から配置する「植栽のプロ
パティ」が表示される。 (4)この「植栽のプロパティ」で、植栽の初期値とし
て、植栽の高さ(「全高」)や、「葉部の直径」を設定
して、「設定」ボタンを押す。この時、「以降、この値
を規定値とする」のチェックをはずさないようにする。 (5)マウスで、地図上の植栽を植えたい場所をクリック
する。すると、その場所にマーク、例えば水色のマーク
が表示される。このマークの位置に植栽が植えられる。
別の場所の方がよければ別の場所をクリックする。その
場所に、水色のマークが移動する。それでよければ、リ
ターンキーを押す。その場所が確定して、マークが異な
る色、例えば黄色の表示に変わる。また、確定せずにや
めたい時はEscキーを押す。 (6)一つの植栽が確定すれば、次の植栽を入力できる。
このようにして、次々に、植栽の場所を指定する。 (7)すべての植栽の入力が終わったら図12のメニュー
の「Edit−mode addPlanting−>normal」にて「編集モ
ード」を「通常モード」に戻す。この状態で、図17の
メニューの「Disp−mode 2D−>3D」にて、表示を3Dモ
ードにすると、図22に示すように植栽の様子が3次元
グラフィックで確認できる。 (8)ここで、ひとつの植栽を指定して、その高さや葉部
の幅を変更するには、建物を選択する時と同様、Altキ
ーを押しながら対象となる植栽をクリックする。する
と、選択された植栽の色が、例えば赤色に変わって表示
される。この状態で、キーボードの「+」キーと「−」
キーの操作で植栽の高さが、「*」キーと「/」キーの
操作で幅が調節でき、図23のように表示される。ま
た、リターンキーを押すと、図21の「植栽のプロパテ
ィ」が開き、直接数値で指定できる。 (9)特定の植栽を編集する目的で選択している状態で、
図12のメニューの「Edit−Delete Planting」を選択
するか、Delキーを押すと、その植栽を削除できる。
【0090】<3−6>メッシュ条件の入力(メッシュ
編集機能) 「Zephyrus」による風環境数値シミュレーションでは、
対象となる空間を格子状のメッシュに分割する(格子解
像度の設定)。メッシュが細かい(分割数が多い)ほ
ど、計算結果の信頼性は増すが、計算時間、メモリ消費
量、ディスク消費量は増える。 (1)図12のメニューの「Edit−Change mesh」にて、図
24に示すような平面方向の「メッシュ分割編集ツール
(Mesh Edit)」を起動する。 ここで、「メッシュ分割編集ツール」について説明す
る。「メッシュ分割編集ツール」は、平面方向(XY平
面)のメッシュ分割方法を、設定・変更するツールであ
る。指定できるパラメータは、「領域全体のサイズ(XY
方向)」、「メッシュの分割数(XY方向)」、「メッシ
ュ1つあたりのサイズ(XY方向)」だが、これらパラメ
ータは、お互いに関連しているため、ある1つのパラメ
ータを指定すると、他の値が自動的に変更される。すな
わち、
【0091】「領域全体のサイズ」を変更すると、
「メッシュの分割数」はそのままで、「メッシュ1つあ
たりのサイズ」が自動計算されて、変更される。 「メッシュの分割数」を変更すると、「領域全体のサ
イズ」はそのままで、「メッシュ1つあたりのサイズ」
が自動計算されて、変更される。 「メッシュ1つあたりのサイズ」を変更すると、ま
ず、そのサイズで現状の領域全体を覆うための最小の
「メッシュの分割数」が計算され、この分割数と、設定
した「メッシュ1つあたりのサイズ」で、「領域全体の
サイズ」が再計算される。この自動計算は、「入力」BO
Xに数値を入力して、リターンキーを押すと行われる。
但し、この時点では、まだ設定、計算された数値は、解
析モデルには反映されない。実際にこれらの数値を反映
させるには、自動計算された数値を確認したあと、「Cr
eate」ボタンを押す必要がある。「Create」ボタンを押
さない限り入力値は無効になる。また、「Reset」ボタ
ンで初期状態に戻る。「Close」ボタンにより、「メッ
シュ分割編集ツール」は終了する。
【0092】(2)図24の「メッシュ分割編集ツール」
の各数値を変更して、分割数の設定をする。 (3)図12のメニューの「Edit−Set Base Altitude」に
て、図25に示すような「高さ方向のメッシュ編集ツー
ル」(Mesh Edit(Z))を起動する。
【0093】「Zephyrus」のメッシュは、平面方向は、
等間隔に分割されるが、高さ方向のメッシュは、不等間
隔に分割できる。高さ方向のメッシュ分割方法は、通常
基準平面を基準として、この平面から離れれば離れるほ
どメッシュが大きく(分割数が粗く)なるように設定さ
れている。必要であれば、この分割方法のテーブル自体
を変更できる。ここで、「高さ方向メッシュ設定ツー
ル」について説明する。「高さ方向のメッシュ設定ツー
ル」は、Z方向のメッシュ分割に関連する各種パラメー
タを設定・変更するツールである。指定できるパラメー
タは、「地表面の標高の最小最大値」、「Z方向のメッ
シュ数」、「基準平面の高度」である。解析空間(計算
領域)の高さは、後述するように、自動的に設定される
が、ユーザーは、この自動的に設定された解析空間高さ
を任意に変更することもできる。Z方向のメッシュ間隔
は、基準平面からの距離による可変長だが、この値に関
しては、上記「設定ファイル(wind.ini)」にて設定す
る。本ツールでは、「基準平面の高度」を設定する。こ
のように設定された「基準平面の高度」と、自動的に設
定され若しくはユーザーが任意に設定した解析空間の高
さより、「Z方向のメッシュ数」が自動計算される。こ
れらの数値は、「Set」ボタンを押した時点で、実際に
反映される。
【0094】(4)高さ方向のメッシュ分割の状態を視覚
的に確認するために、図17のメニューの「Disp−Zmes
hOFF−>ON」にて、高さ方向のメッシュの表示を行う。
またもし、現在表示が2次元表示モードである場合は、
メニューの「Disp−mode 2D−>3D」にて、表示モードを
3次元表示に切り替える。
【0095】(5)3D表示の画面では、図26に示すよ
うに「基準平面」がこれを識別可能な色で表示される。
初期状態では、この平面の高度は、対象空間内の最も標
高が低い地点に合わされているが、必要に応じ、この高
度を任意に設定できる。高度を上げるには、「基準平
面」が表示されている状態で、キーボードの「+」キー
を押し、高度を下げるには、「−」キーを押す。それぞ
れキーを1回押すごとに、基準平面は10cm 移動す
る。基準平面の現在高度は、グラフィック表示および図
25の「高さ方向のメッシュ編集ツール」内の「Base A
ltitude」の数値で確認できる。あるいは、逆にこの「B
ase Altitude」の数値を直接書きかえることにより、任
意の高さを指定することもできる。高さ方向のメッシュ
の分割方法は、上方向も下方向も、この基準平面を基準
にした距離に従って設定される。
【0096】(6)図25の「高さ方向のメッシュ編集ツ
ール」内の「Model Size」欄は、解析モデル空間の高さ
を表している。初期状態でこの値は、解析モデル空間内
の建物のうち最も高いものに合わせられているが、実際
の解析では、その建物の上空の流れを解く必要があるの
で、十分に余裕を見て、大きめの値を設定することもで
きるが、「Zephyrus」では、まず、次のように、建物お
よび地形から、自動的に設定される。自動的に設定され
た解析空間の高さはモニター等に表示され、ユーザー
は、これを確認し、Setボタンを操作することにより
自動的に設定された解析空間高さを固定するか、解析空
間高さを直接任意の値に変更する。
【0097】解析空間高さの自動設定は、次のような手
順でなされる。まず、個々の建物について、地図情報か
ら得られる建物外形をもとに底面積を求め、それに建物
高さをかけて、建物体積を求める。そして、この建物体
積について、計算領域内における総和を求める。次に、
計算領域内の地形は、もととなるメッシュ標高データか
ら、個々の水平方向メッシュの面積に、当該地点の標高
から計算領域内の最低標高の値を引いた値をかけて、個
々のメッシュにおける体積とする。そして、この体積に
ついて計算領域内における総和を求める。上記の建物体
積の総和と地形体積の総和を加え、これを計算領域の水
平方向の大きさ(領域全面積)で割り、建物と地形を加
えた平均高さを求める。最後に、上で求めた平均高さに
所定の値をかけて、第1の計算領域高さとする。例え
ば、所定の値として20を用いることにより、建物と地
形の計算領域に対する閉塞率を5%に設定することがで
きるる。この閉塞率5%は、上述したように、従来の風
環境予測手法である風洞実験において、街区模型40に
よる測定結果への影響が無視できるとされている閉塞率
5%(例えば、財団法人日本建築センター発行が平成6
年6月1日にの「実務者のための建築物風洞実験ガイド
ブック」の第93頁を参照)と一致させることができ
る。
【0098】ところで、以上の手順では、必ずしも適切
な高さが設定されない場合がある。すなわち、平坦な地
形に単一の高層建物がある場合、計算領域の大きさによ
っては上記設定された高さが、当該高層建物の高さより
も低くなる可能性がある。そこで、上述した第1の計算
領域高さに代えて、次のようにして求められる第2の計
算領域高さを採用することもできる。すなわち、個々の
建物において建物高さに、当該建物が建った地点の標高
を加えて、建物頂部標高を求め、計算領域内の全建物中
で最も高い建物頂部標高を決定し、次に、計算領域中の
地形最高標高を求める。上記二者のうちより高い方を選
択し、ここから計算領域内の最低標高を引く。最後に、
この高さに、所定の値としての1.5から2の範囲の値
をかけて計算領域の高さとする。すなわち値に1.5を
用いた場合には、最高高さの1.5倍の範囲が計算領域
の高さとして設定される。
【0099】さらに、本風環境予測プログラムでは、閉
塞率をもとにした第1の計算領域高さと、最高高さをも
とにして求めた第2の計算領域高さとを比較し、いずれ
か大きい方の値を最終的な計算領域の高さとして設定
し、デフォルトの計算領域の高さとして用いることをコ
ンピュータに実現させることが好ましい。ユーザーはこ
の値を参考として、必要に応じて、高さの変更を行い、
数値計算用の三次元モデルを作成することもできる。
【0100】(7)図25の「高さ方向のメッシュ編集ツ
ール」内の「Set」ボタンを押すと、図27に示したよ
うに設定した値が実際に反映される。「Reset」ボタン
を押すと、すべての値が初期の規定値に戻る。設定が終
了したら、「Close」ボタンを押して「高さ方向のメッ
シュ編集ツール」を終了する。
【0101】<3−7>解析モデルファイルの出力 以上で、一通りの解析モデルの設定が終了する。これ
を、数値解析プログラム「Zephyrusソルバー」で解析す
るために、ハードディスクなどの記憶手段に保存する。
流体解析を行う「Zephyrusソルバー」では、直交格子
(メッシュ)を使い、メッシュで囲まれた個々の要素中で
空気の占める割合(体積占有率)を計算し、この値の大小
で建物形状を判断する。すなわち体積占有率が0ならば
その要素全体が建物内部に、1ならば要素全体が空気中
に、そして0より大きく1未満の値である場合には要素
の一部が建物の内部に位置していると判断する。また、
個々の要素の界面における開口率(0以上1以下の値)か
ら、建物壁面の位置を判断する。さらに樹木に関して
は、個々の要素中で樹冠が占める割合から樹木の位置を
判断する。そこで、これら体積占有率、開口率、樹木占
有率の計算を行い、指定されたファイルに出力する。こ
のとき同時に「Zephyrusブラウザー」で表示する際に必
要な「shapeファイル」も出力する。操作方法として
は、図11のメニューの「File−Export Model」を選択
すると、自動的に体積占有率、開口率の計算、樹木占有
率の計算が実行されて、現在の状態の「モデルファイ
ル」と「shapeファイル」が生成される。処理が正常に
終了すると、「1 Grid Block(s) normallyexported」と
表示された操作確認のダイアログBOXが表示されるの
で、「OK」ボタンを押す。
【0102】「モデルファイル」は、「Zephyrusモデラ
ー」により生成されるファイルで、「Zephyrusソルバ
ー」による解析に使われる。「モデルファイル」は生成
されたグリッドブロック毎に作られ、当該グリッドブロ
ック内の以下の情報を保持する。 「格子分割数;最初のグリッドブロックの原点を基準と
したときの当該グリッドブロックの原点座標;Y軸正方
向が北方向に対してなす角度;X, Y, Z各方向の格子点
座標;各要素における体積占有率;各要素のX方向、Y方
向、Z方向の界面の開口率;各要素における樹木占有
率」
【0103】また、「shapeファイル」は、「Zephyrus
モデラー」により生成された建物や樹木、道路などの形
状が定義されたファイルで、「Zephyrusブラウザー」に
よる結果閲覧の際に使われる。ファイルは生成されたグ
リッドブロック毎に作られ、当該グリッドブロック内の
以下の情報を保持する。 「当該グリッドブロックの格子の始点座標(グリッドブ
ロックの中心が原点)、格子間隔、格子点数;最も外側
のグリッドブロックの座標系でみた、当該格子の始点位
置;格子原点の緯度、経度;Y軸プラス方向が北向きと
なす角度;グリッドブロック番号;親となるグリッドブ
ロックの情報;建物の数;建物の1階あたりの高さ;全
ての建物形状と名前;折れ線オブジェクト(形状が不完
全な建物)の個数;全ての折れ線オブジェクト形状と名
前;その他オブジェクト(道路や敷地境界線)の個数;全
てのその他オブジェクト形状;樹木の個数;樹木の幅と
高さの既定値;全ての樹木の形状と位置;各格子点位置
における標高;地表面の最高標高、最小標高」
【0104】<3−8>多重格子の生成(多重格子生成
機能) 本「Zephyrus」では、多重格子を用いることにより、特
に詳細な解析結果を得たい領域がある場合に、その領域
をもとの地図中から切り出し新たにメッシュ条件を設定
することで、より精度の高い解析をすることも可能であ
る。この多重格子を用いる場合は、ある「モデルファイ
ル」を出力してしまってから、その解析モデルの内側に
完全に含まれる領域を切り出し、その領域に対し、<3
−6>以降の手順を繰り返し、別名で「モデルファイ
ル」を出力する。以下で、その具体的な手順を説明す
る。
【0105】(1)まず、図28に示すように、多重格子
の内側のグリッドブロックにしたい領域が、外側のグリ
ッドブロックに対して、方向がずれているので、地図全
体を回転させることにより内側のグリッドブロックを切
り出しやすくするために、以下の手順を実行する。 (2)図12のメニューの「Edit−mode normal−>directi
on」にて、「編集モード」を「方向修正モード」に変更
する。 (3)このモードでは、画面上をマウスの左ボタンをおし
たままドラッグすると、図29に示すように、ドラッグ
開始点から、現在のマウスポインタまで、画面上に識別
可能な色の線、例えば赤色の線が描かれる。この状態
で、左ボタンを離すと、図30に示すように、その線の
開始点から終了点の方向が画面の下から上の方向になる
ように、地図が回転する。これにより、内側のグリッド
ブロックにしたい領域が正しく上下方向を向いた地図に
なる。 (4)図12のメニューの「Edit−mode direction−>trim
ing」にて、「編集モード」を「トリミングモード」に
切り替える。 (5)地図上でマウスをななめ方向にドラッグすると、図
31に示すように矩形領域を作ることができる。この矩
形領域が新しいグリッドブロックを生成すべき領域とな
る。異なる色で表示された建物は、この領域に含まれる
建物である。
【0106】(6)この状態で、図12のメニューの「Edi
t−>Trim map」を選択すると、図32に示すように、選
択した領域が切り取られる。このトリミング操作にあっ
ては、その操作性を向上させるために、次のような処理
がなされるようになっている。すなわち、「Zephyrusモ
デラー」のトリミングにて切り出される領域は、トリミ
ング後の1メッシュあたりの大きさの整数倍になる必要
がある。この際、トリミング後の初期メッシュサイズと
して、トリミング前のサイズを使用すると、特に比較的
小さな領域を切り出した場合、ユーザーが実際に指定し
た矩形領域よりかなり大き目の領域が切り出されること
がある。そこで、トリミング後の初期メッシュサイズ
が、トリミング前後でメッシュ分割数が一致するよう、
メッシュサイズを可変にするようになっている。これに
より、切り取られる領域が小さいほど、より精度高く領
域の指定を行うことができることになる。また他方、ト
リミングに際して建物が部分的に切り出されてしまう場
合、建物の形状を、領域の形で切り出す処理を行うよう
になっている。 (7)切り出した地図に対しても、<3−6>と同様にメ
ッシュのサイズの調整を行う。
【0107】(8)<3−7>と同様に、図11のメニュ
ーの「Export Model」を選択し、「モデルファイル」と
「shapeファイル」を出力する。その際、図33に示す
ように、何番目のグリッドブロックとして出力するかを
聞いてくる。今は、2番目のグリッドブロックを作成し
ているので、「2」を指定して、「OK」ボタンを押す。
この多重格子の操作については、その操作が初回以外で
あれば、何番目のグリッドブロックとして出力するかを
指定できるようになっていて、グリッドブロックの順番
を自在に修正することができる。 (9)必要であれば、このグリッドブロックの一部をさら
に切り出す作業を繰り返し、3番目、4番目のグリッド
ブロックを作ることも可能である。但し、内側のグリッ
ドブロックのすべての部分が、外側のグリッドブロック
に含まれるようにする。
【0108】このような多重格子の生成にあっては、内
側のグリッドブロックのはみ出しチェックが実行される
ようになっている。多重格子で計算する場合、内側のグ
リッドブロックが一部分でも、外側のグリッドブロック
の外にはみ出してはならないという制限があり、これを
モニター上などで目視で確認するのは煩雑かつ正確さに
かけることを考慮し、現在の編集中のグリッドブロック
が外側のグリッドブロックからはみ出している場合に、
新たなグリッドブロックとして、「Export Model」でき
ないようになっている。
【0109】(10)すべての解析モデルの生成作業が終了
したら、図11のメニューの「Quit」にて、解析モデル
生成作業を終了する。
【0110】<<4>>解析実行 <<3>>で1つ以上の「モデルファイル」を作成すると、
図6の「Zephyrusシェル」の「解析実行」ボタンが押せ
るようになる。この「解析実行」ボタンを押すと、図8
の「風向設定」ダイアログが表示される。
【0111】「風環境評価のランク」を出したい場合
は、16風向すべての解析が必要なので、「風向選択」
のラジオボタンで、「全風向」を選択する。そうでない
場合で、ある特定の風向のみの風速比評価でよい場合
は、「任意」を選び、「風向数」に解析をしたい風向の
数を入力し、その個数分、「基準風向の値」を記入す
る。風向は、北を0 °とし、時計周りがプラスとなる
方向で、単位はdegreeである。すべての記入が終わった
ら、「新規開始」ボタンを押す。これにより、「Zephyr
usソルバー」が起動され、風環境の数値シミュレーショ
ンが開始される。
【0112】以下、「風向設定」ダイアログについて説
明すると、「[風向]の入力設定選択ラジオボタン」は、
全風向を入力すると、16風向が自動設定される。任意
を選択すると、各項目に任意の値を入力できるようにな
る。「風向数」は、数値シミュレーションを行いたい基
準風向の数である。「風向x」は、基準風向の角度であ
る。真北から吹く風を0°とし、時計周りをプラス方向
で表現する。「新規開始」ボタンは、これを押すと、上
記の条件で、新たに計算を開始する。「中途再開始」ボ
タンは、一旦計算を始めたものの、何らかの理由で計算
を中断した場合、このボタンを押すと前回の続きから計
算を行う。「バッチ出力」ボタンは、計算コマンドのバ
ッチファイル出力機能である。例えば、ある風向の計算
のみやり直しをしたり、別のマシンで実行させたりした
い場合、このボタンを操作することで、「新規開始」ボ
タンを押すと実行するコマンドを、実際に実行せずに、
「Windows」(登録商標)の「BATコマンド」として、任
意の名前のファイルに出力できるようになっている。
【0113】**C.Zephyrusソルバー(zephyrus.ex
e)について 「Zephyrusソルバー」は、気流解析を行ういわば「Zeph
yrus」の中核となるプログラムである。解析に必要なフ
ァイル類は「Zephyrusシェル」から自動的に引き渡され
るため、ユーザーにとって「Zephyrusソルバー」実行に
必要な操作は「解析実行」ボタンを押すだけである。
「Zephyrusソルバー」は、「モデルファイル」の読み込
みと初期値・境界条件の設定を実行するもので、これら
データを受け付けて自動演算処理する機能を有する。
【0114】まず、「モデルファイル」より格子分割
数、原点座標、格子回転角度、格子点座標、体積占有
率、開口率、樹木占有率を読み込む。次に、グリッドブ
ロックが複数の場合、全グリッドブロックの全要素に対
して重なり合う他のグリッドブロックの要素がないか検
索する。重なりあうグリッドブロックが存在する場合、
相手のグリッドブロック番号と、相手の格子座標を保持
する。次に、粗度、風向、グリッドブロックの回転角度
から、計算領域全体の初期気流分布と境界条件を設定す
る。このとき上空の風速を代表値とした無次元の値で設
定する。
【0115】ここで、「Par」ファイルについて説明す
る。「Par」ファイルは、解析を制御する「コントロー
ルパラメータ」が記述されたファイルである。ファイル
の中身をユーザーが修正することによって、収束計算の
「最大繰り返し回数」や、「計算の安定性」を制御する
パラメータを変えることができる。「Zephyrusディレク
トリ」内の「binディレクトリ」に「Par」というファイ
ルがあり、それをメモ帳などのテキストエディタで開く
と、表6に示すような記述が見られる。
【0116】
【表6】
【0117】表6中では、「[FORTRAN]の入出力FORMA
T」が「(4C,4I),(4C,4F),(2C,2F)や、(1C,1F)」とし
て、「変数名(属性:キャラクタ)」が「'nitot'や'bet
a'」として、また「パラメータ(属性:整数/実数)」が10
00や(1.e-3)」などとして記述されている。
【0118】以下に主なパラメータについて説明する。
「nitot」は、最大繰り返し回数を設定する。流れ場が
定常状態に達するまでに最大で何回の繰り返し回数を行
うかの設定。この回数以内で定常判定条件を満たすよう
に「nitot」を設定するのが望ましい。解が定常に至ら
ず、かつ繰り返し回数が「nitot」に達した場合にはそ
の時点での流れ場を解として出力する。「beta」は、擬
似圧縮性係数である。流れ場の連続の条件と圧力場を関
連付けるパラメータ。この値を小さくすることで、見か
け上計算の進行具合を早めることができるが、一方で計
算が不安定になり易い。「cfl」は、クーラン数であ
る。上記の「beta」同様、見かけ上計算の進行具合をコ
ントロールすることができるが、一方で計算が不安定に
なり易い。こちらの場合には、「cfl」を大きくするこ
とで見かけ上の進行具合を早めることができるが、同時
に不安定になりやすい。「cpumax」には、最大cpu time
を設定する。一風向あたりの計算に要する、最大cpu ti
me(秒)。解が定常に至らず、かつcpu timeが「cpumax」
を超えた場合には、その時点での解を出力する。通常は
非常に大きな値をここに設定し、「nitot」で計算時間
を制御するのが望ましい。「cc1」は、形状誤差精度で
ある。個々のグリッドブロックの中に建物など空気以外
の要素が入っている場合、空気の部分がここで示される
値以下の場合には、グリッドブロック全体が建物の中に
あるものとみなす。これを大きくすると計算は安定にな
るが、その分建物形状を現実とは異なった形で認識する
こととなるので、精度は落ちる。「cc2」は、定常判定
条件である。すべての変数の変化量がここに示した値以
下に達した場合、定常とみなして計算を終了する。「cc
2」により小さな値を設定することで解析精度が向上す
るが、同時に計算時間は長くなる。「krough」は、粗度
区分である。デフォルトの「粗度区分」が設定されてい
る。「Zephyrusシェル」から引き渡される変数が優先す
る。「windd」は、風向きである。デフォルトの「風向
き」が設定されている。「Zephyrusシェル」から引き渡
される変数が優先する。
【0119】「Zephyrusソルバー」での解析の概要につ
いて説明する。流れ場の基礎式は、定常等温の擬似圧縮
性基礎式を用いている。乱流に関してはk-ε二方程式乱
流モデルを使用している。FAVOR法で離散化し、SOR法に
よる収束計算と半陰解法による時間進行法によって定常
解を求める。建物表面と地表面は、対数則分布による壁
面摩擦力の評価による。樹木は葉の密度を仮定し、樹木
占有率と要素体積から総葉面積を求め、これに比例した
空気抵抗と乱れの発生を求める。全てのグリッドブロッ
クに関して同時に解析を実行する。複数のグリッドブロ
ックが重なる地点では、最も格子番号の大きなグリッド
ブロックの値を優先する。他のグリッドブロックでは自
身の解析結果よりも、優先グリッドブロックの値を補間
したものを保持する。
【0120】「Zephyrusソルバー」による計算結果の出
力について説明する。定常解が得られると、全グリッド
ブロック、全要素に関して、圧力、速度成分、乱流パラ
メータを「計算結果ファイル」として出力する。所定の
風向数に達していない場合には、「Zephyrusシェル」か
ら次に解析を行う風向とそれに対応する計算結果ファイ
ル名を受け取る。所定の風向数だけ計算が終了すると、
計算結果ファイルから「Zephyrusブラウザー」が用いる
「出力ファイル」に自動的に変換する。16風向の計算を
行っている場合には、あらかじめ指定されたワイブルパ
ラメータ、風環境評価式から、個々のグリッドブロック
要素における風環境のランクを求める。
【0121】「計算結果ファイル」は、「Zephyrusソル
バー」によって出力されるファイルである。以下の結果
が、各風向毎にグリッドブロック単位で出力される。 「格子分割数;解を得るのに要した繰り返し計算回数;
各要素における圧力P;各要素における東西方向速度成
分U;各要素における南北方向速度成分V;各要素におけ
る上下方向速度成分W;各要素における乱流エネルギーT
K;各要素における乱流エネルギーTKの散逸率TE」
【0122】「出力ファイル」は、「計算結果ファイ
ル」を「Zephyrusブラウザー」が読み込める形式に変換
したファイルである。1個のファイルで次のような、全
てのグリッドブロック、全ての風向の解析結果を保持す
る。 「格子ブロック数;解析を行った風向数;各グリッドブ
ロックのX方向、Y方向、Z方向の格子分割数;全要素に
おける圧力P,東西方向速度成分U,南北方向速度成分V,上
下方向速度成分Wの値(これを風向数×グリッドブロック
数の繰り返し);全要素における風環境評価結果のラン
ク(グリッドブロック数の繰り返し)」
【0123】<<5>>結果閲覧 解析計算が終了すると、「Zephyrusブラウザー」という
ツールを使用することが可能となる。このツールでは、
数値シミュレーションで求めた、「風速比の分布」、
「圧力の分布」、「風環境評価ランクの分布」を、3D
グラフィックで閲覧したり、マウスクリックにより選択
したポイントの詳細なデータを数値で確認したりするこ
とができる。また、ユーザーが報告書等を作成すること
を支援するために、各種表示をポストスクリプト形式の
ファイルとして、ファイルに保存することができる。
【0124】**D.Zephyrusブラウザー(winddisp.e
xe)について このプログラムは、「Zephyrusソルバー」で計算した数
値シミュレーションの結果を、対象となる領域全体の風
速や風環境評価結果の表示など様々な形で表示する評価
提示機能を有するとともに、また、報告書等の作成を支
援すべく、任意の評価点での基準風向別風速比の出力な
ど様々なドキュメントを出力するものである。「Zephyr
usソルバー」での主要な操作は、画面上でマウス右クリ
ックによって表示されるポップアップメニューで行う。
以下に、このメニューごとの機能を説明する。
【0125】まず、図34を参照して、「File」メニュ
ーについて説明する。[Read data]は、別の解析結果を
読み込む。[Save choice points]は、選択した測定点の
位置情報をファイルに保存する。[Load choice points]
は、ファイルに保存した測定点の位置情報を読み込む。
[Out point's data]は、選択した測定点すべての詳細な
風速情報をCSV形式でファイルに出力する。[Output Pos
tScriptサブメニュー]は、解析モデルの形状をEPS形式
でファイルに出力する[Model]と、解析モデルの形状と
測定点の位置情報をEPS形式でファイルに出力する[Mode
l+Pno]と、測定点の風速のレーダーチャートをEPS形式
でファイルに出力する[Radar Chart]と、測定点のラン
クをEPS形式でファイルに出力する[Rank]と、現在の表
示中のコンター図をEPS形式でファイルに出力する[Curr
ent]と、画像ファイルを読み込み、半透明にしてコンタ
ー図と重ねて表示する(風洞実験結果と数値シミュレー
ションの比較などのために利用する)[Load texture]と
から構成されている。
【0126】次に、図35を参照して、「Tool」メニュ
ーについて説明する。[Color edit]は、表示する各オブ
ジェクトの色を編集する上記「色編集ツール」を起動す
る。[View edit]は、表示する各オブジェクトの視点を
編集する上記「視点編集ツール」を起動する。[Light e
dit]は、表示する各オブジェクトに当たる照明とその光
の反射方法等を編集する上記「照明ツール」を起動す
る。[Save/Load View]は、現在の視点を保存したり、以
前保存したファイルを読み込むための上記「視点保存ツ
ール」を起動する。[Detail Viewer]は、図36に示し
た測定点の詳細データ閲覧する「詳細データ閲覧ツール
(Detail Data)」を起動する。
【0127】[Contour property]は、図37に示した
「コンター図設定ツール(Contour property)」を起動
する。「コンター図設定ツール」は、圧力と風速のコン
ターに関して、どのように表現するかを設定するツール
である。まず、「圧力コンター(Pressure)」に関する
設定か、「風速コンター(Velocity)」に対する設定か
を「対象データ選択ラジオボタン」で選択した後、デー
タBOXに任意の値を設定する。「Max(等高線の最大
値)」のBOXには、そのコンターで描く等高線のうち、
最大のものの値を記入する。図示例であれば、風速比の
値が1.25より上のとき、最大値を超えたことを表す色、
例えば赤色で塗りつぶされることとなる。また「Min
(等高線の最小値)」のBOXには、等高線の最小値を記
述する。図示例であれば、風速比0.20より下の領域は、
最小値を下回ったことを表す色、例えば青色で塗りつぶ
される。「Divide」欄には、等高線の本数(コンターを
何色で塗り分けるか)を指定する。図示例であれば、等
高線の数が8本すなわち、9種類の色で塗り分けること
となる。「Vecスライダ」はベクター基準長さ変更スラ
イダであって、コンター表示が風速比(Velocity)で、か
つベクトル表示ありのとき、ベクトル表示の基準長さの
増減をするスライダである。スライダを右にすると、ベ
クトルの長さが伸びはじめ、左にすると、短くなり始め
る。より右端、左端に近づけるほど、長くなったり短く
なるスピードが速くなる。スライダを放すと、中央に戻
り、ベクトルの長さの増減が止まる。どのような設定を
しても、「Reset」ボタンを押すと、初期状態に戻る。
一方、「Save」ボタンを押すことで、現在の設定が初期
規定値となり、次回の起動以降もこの設定で表示される
ようになる。このツール自体を終わるときは「Close」
ボタンを押す。[Bench mark ON−>OFF]は、本プログラ
ムの表示速度を計測するベンチマークテストを行う。
【0128】[Mode texture−>nomal]は、「操作モー
ド」を、「通常モード」か「テクスチャモード」に切り
替える。また、キーボード、マウスによる操作は、現在
の「操作モード」が、「通常モード」か「テクスチャモ
ード」かで異なる。「通常モード」で表示されるポップ
アップメニューによって、以下に列挙する操作を実行す
ることができる。 「モデルの回転;モデルの拡大縮小;モデルの平行移
動;測定点の選択;コンター表示断面を1メッシュ分プ
ラス;コンター表示断面を1メッシュ分マイナス;モデ
ル縮小;モデル拡大;モデル平行移動;基準風向変更
(反時計周り);基準風向変更(時計周り);グリッド
ブロック変更(外側へ);グリッドブロック変更(内側
へ);「比較モード」時、建物形状の切り替え;モデル
Z軸中心に回転(反時計周り);モデルZ軸中心に回転
(時計周り);お気に入りの視点を登録;登録されたお
気に入りの視点にジャンプ;モデルを原点に」
【0129】また、「テクスチャモード」で表示される
ポップアップメニューによって、以下に列挙する操作を
実行することができる。 「モデルの回転;モデルの拡大縮小;モデルの平行移
動;画像の拡大縮小;画像の平行移動;画像の回転;コ
ンター表示断面を1メッシュ分プラス;コンター表示断
面を1メッシュ分マイナス;モデル縮小;モデル拡大;
モデル平行移動;基準風向変更(反時計周り);基準風
向変更(時計周り);グリッドブロック変更(外側
へ);グリッドブロック変更(内側へ);モデルZ軸中
心に回転(反時計周り);モデルZ軸中心に回転(時計
周り);プログラム終了」
【0130】次に、図38を参照して、「Disp」メニュ
ーについて説明する。[Section X−>]は、コンターを表
示する断面をXから下記〜に切り替える。 [XY]は、XY断面(地表面と平行な断面)で表示であ
る。 [XZ]は、XZ断面で表示である。 [YZ]は、YZ断面で表示である。 [contour X−>]は、コンターを表示する種別をXから下
記〜に切り替える。 [Pressure]は、圧力データ(「比較モード」時、圧力
の増加率)のコンター図を表示する。 [Velocity]は、風速比データ(「比較モード」時、風
速の増加率)のコンター図を表示する。 [Rank]は、各メッシュの「ランク」(「比較モード」
時、「ランク」の差)を色分けして表示する。
【0131】[contour normal−>along]XY断面のコンタ
ー表示を、水平断面にするか、標高の凹凸に沿った断
面、すなわち基準平面からの地上高が一定の断面にする
かを切り替える。これは、「プロジェクト」作成時に
「地形標高あり」指定で、対象地域周辺の地形の影響を
加味したシミュレーション計算を行ない、結果表示を行
う際の機能である。XY平面を指定してコンター図、ラン
ク図等を描くと、「通常モード」の場合には単純に図3
9に示したように、海抜何mといった平面で切った断面
を表示することとなるため、同じ表示面内でも場所によ
って、実地表面からの高さはまちまちとなってしまう。
この点を考慮し、「alongモード」(地面に沿って表示
するという意味)では、地表からの高さが指定された値
となる位置のデータでコンター図やランク表示を行うこ
とができるようになっている。更にコンター図の表示で
は、地下部分を隠すようになっている。「地形標高あ
り」で計算した結果を、水平断面のコンターで表示する
と、表示面の一部が地面の下へ潜ってしまうケースが起
こり得ることを考慮し、この場合、地面の下は風速ゼロ
ということにして処理することも可能であるが、それで
は実際に風が弱いのか、単に表示面が地下に潜っている
だけなのか見分けがつかないため、地面の下の部分は、
コンター表示を行っても色で塗りつぶさないで、背景の
色がそのまま見えるようにしている。
【0132】[contour ON−>OFF]は、コンター表示の有
無を切り替える。[vector ON−>OFF]は、風速表示の場
合、風速の強さと方向をベクター表示するか否かを切り
替える。[model ON−>OFF]は、解析モデルの標示有無を
切り替える。[other ON−>OFF]は、道路等、その他のオ
ブジェクトの表示有無を切り替える。[plant ON−>OFF]
は、植栽の表示有無を切り替える。[mesh ON−>OFF]
は、メッシュ表示有無を切り替える。[sel Point ON−>
OFF]は、測定点の表示有無を切り替える。
【0133】[infoサブメニュー]は、文字情報(hight,
direction等)の表示有無を切り替える[text ON−>OFF]
と、コンター図の色の凡例(カラースケール)の表示有
無を切り替える[scale ON−>OFF]と、コンターと重ねて
表示する画像の表示有無を切り替える[texture ON−>OF
F]と、「比較モード」時、一方の解析モデルでは建物内
だったが、もう一方では建物外になった場所を特別の色
で表示するか否かを切り替える[alt model ON−>OFF]と
から構成されている。最後に、図34に示されている
「Quit」を操作すると、「Zephyrusブラウザー」が終了
する。
【0134】<5−1>風速比分布・圧力分布・ランク
分布の表示 「風速比」とは、「ワイブルパラメータファイル」で指
定された気象官署での風速を1.0とした時の相対的な風
速をいう。本風速比表示は、XY・XZ・YZいずれかの断面
における風速比の分布がコンター図及びベクトル表示で
表される。すなわち、「Zephyrusブラウザー」は別途格
納されている上記気象データを読み込む受付機能を備え
ている。
【0135】(1)図6の「Zephyrusシェル」の「結果閲
覧」ボタンを押すと、「Zephyrusブラウザー」が起動す
る。「Zephyrusブラウザー」は、起動直後(初期状態)
で、風速比の表示を行う。もし、起動後、他の表示モー
ドにした場合は、図38のメニューの「Disp−contour
X−>Velocity」にて、「表示モード」を「風速比表示」
に切り替える。 (2)初期状態では、図40に示すようにXY平面(地面と
平行な平面)でスライスした風速比分布が表示される。
その基準平面の高度は、右上の「hight」の数値で表示
される。また、基準風向は、「direction」の数値にな
る。「Zephyrusモデラー」と同様、マウスのドラッグ操
作により、任意の角度、位置で見ることができる。 (3)スライスする平面の高度を変更したい時は、「+」
キーと「−」キーを用いる。また、複数の基準風向で解
析を行った場合、「Aキー/Sキー」で基準風向を、それ
ぞれ、反時計周り/時計周りに変更できる。また、多重
格子を用いたときは、「Qキー/Wキー」で、それぞれ、
外側のグリッドブロック/内側のグリッドブロックに移
動できる。図41には、内側グリッドブロックに移動し
た状態が示されている。このほか、地図の拡大・縮小、
視点位置の移動操作も行える。 (4)スライスする平面を変更するときは、図38のメニ
ューの「Disp−Section−XZ」もしくは、「Disp−Secti
on−YZ」を選択する。それぞれ図42および図43に示
したように、XZ平面に平行な平面、YZ平面に平行な平面
でスライスした分布図を表示できる。平面の移動は、XY
平面の時と同様、「+」キーと「−」キーを用いる。 (5)図38のメニューの「Disp−Vector OFF−>ON」にて
風速比の「ベクター表示」の有無を切り替えることがで
きる。 (6)図38のメニューの「Disp−contor−Pressure」に
て、「圧力分布表示」へ、「Disp−contor−Rank」に
て、図44に示すような「風環境評価のランク表示」へ
切り替わる。
【0136】<5−2>詳細データの表示 (1)任意の表示状態で、画面上を、Altキーを押しながら
左クリックして指定すると、図35に示すように、その
地点に識別可能な色のマーカー、例えば紫色のマーカー
が表示され、その地点の詳細な数値データを表示する図
36の「詳細データ閲覧ツール」のウインドウが表示さ
れる。「詳細データ閲覧ツール」は、「通常モード」の
画面上のコンター図を、Altキー+左クリックすること
により、その地点の詳細なデータを表示するものであ
る。このウインドウは、「Close」ボタンで閉じること
ができる。また、図35のメニューの「Tool−Detail V
iewer」で再表示できる。 (2)この状態で、また別の点をAltキー+左クリックする
と、別の地点の情報が見られる。指定したマーカーに対
して「詳細データ閲覧ツール」に表示される「Add」ボ
タンを押すと、そのポイントが測定点として登録され
る。登録した測定点の情報は、後でまた見たり、レーダ
ーチャートや、CSV形式で出力したりできる。このよう
に、Altキー+左クリックと「Add」ボタンを押す操作を
繰り返すことで、測定点を何個でも増やすことができ
る。3D画面上では、登録された既存の測定点は上記紫
色のマーカーと区別して、例えば黄色のマーカーで表示
される。 (3)既存の測定点のデータを見るには、見たい点の「黄
色のマーカー」をAltキー+左クリックするか、「詳細
データ閲覧ツール」の上部の「測定点番号(Measuremen
t Point)」入力BOXに見たい測定点の番号を入力する。
また、すでに登録された測定点を閲覧すると、「Add」
ボタンの代わりに「Delete」ボタンが表示されるので、
この「Delete」ボタンを押すことにより、登録した測定
点を削除できる。 (4)登録した測定点の位置を保存するには、図34のメ
ニューの「File−Save choice points」にてファイルに
保存する。また以前保存した測定点の位置情報を読み込
むには、同図のメニューの「File−Load Choice point
s」を選択する。
【0137】<5−3>報告書の作成支援 「Zepyrusブラウザー」では、解析結果を画面に表示す
るのみでなく、解析結果等を報告書等にまとめる際に便
利なように、解析結果をEPS形式やCSV形式のファイルと
して出力できる。EPS形式のファイルは、ポストスクリ
プト対応プリンタでそのまま印刷したり、「Adobe Illu
strator」(商品名)等のドロー系グラフィックツール
に取り込んで加工できる。CSV形式のファイルは、「Mic
rosoft Excel」(登録商標)等の表計算アプリケーショ
ンで読み込んで利用する。
【0138】(1)図34のメニューの「File−Output Po
stscript−Model」にて、解析モデルの形状をEPS形式で
ファイルに出力する。出力したファイルは、様々なアプ
リケーションで読み込めるが、図45では、「GSView
(http://www.cs.wisc.edu/~ghost/)」(フリーウェ
ア)を用いて、ファイルを閲覧した画面を示している。 (2)図34のメニューの「File−Output Postscript−Mo
del+Pno」にて、図46に示すような解析モデルの形状
と測定点の場所の対応図がEPS形式でファイルに出力さ
れる。 (3)図34のメニューの「File−Output Postscript−Ra
der Chart」にて、図47に示すような測定点の基準風
向別の風速がレーダーチャートで出力される。チャート
は、1ファイルにつき15個所づつ掲載され、複数ファ
イルにも対応できるよう、ファイル名には枝番がつくよ
うになっている。 (4)図34のメニューの「File−Output Postscript−Ra
nk」にて、図48に示すように測定点の個所が、ランク
ごとに色別されて、EPS形式のファイルに出力される。 (5)図34のメニューの「File−Output Postscript−Cu
rrent」にて、図49に示すように現在の表示状態(表
示種別、平面高さ等)でのコンター図がEPS形式のファ
イルで出力される。 (6)図34のメニューの「File−Out point's data」に
て、図50に示すように全測定点の基準風向別の風速
が、CSV形式のファイルで出力される。このファイル
は、「Excel」等の表計算ソフトに読み込んで、閲覧、
加工、分析等に使用することができる。データの1行目
は、「測定点の点数」で、下の例では、105点となっ
ている。2行目以降は、各測定点ごとの、「基準風向別
の風速」で、1列目には「測定点番号」、2列目以降に
「風速」が表示される。
【0139】<<6>>プロジェクト比較 「プロジェクト比較」とは、同一地域の異なる2つのモ
デルに関する解析結果を比較して、両者の風速比の増減
率や、ランク評価の上下を検討することである。例え
ば、計画建物の建設前と建設後で、風環境がどのように
変化するかを調べる。これにより、例えば、建設計画の
前後の風環境の変化の検討がより容易になる。そこで、
比較元(例えば建築前)と比較先(例えば建築後)の2
つのプロジェクトに関して、それぞれ解析を行った上
で、両者の比較を行い、その結果を表示する。図6の
「Zephyrusシェル」の「プロジェクト比較」のボタンを
押すと、図10の「プロジェクト比較」のダイアログが
開かれる。以下、「プロジェクト比較」ダイアログにつ
いて説明する。「比較元プロジェクト」の表示は、現在
プロジェクト(比較先プロジェクト)の元となるプロジ
ェクト(比較元プロジェクト)が表示される。「詳細」
ボタンを押すと、この「プロジェクト」の詳細が参照で
きる。
【0140】・「プロジェクト作成」ボタン 新たに「比較先のプロジェクト」を作成する。このボタ
ンを押すと、図7の「プロジェクト作成」ダイアログが
開く。「ワイブルパラメーターファイル」、「地形標高
あり」、「粗度区分」に関しては、比較元と同じでなけ
ればならないため、変更はできない。このダイアログで
必要事項を記入後、「作成」ボタンを押すと、比較先の
計算を行うための新たな「プロジェクト」が生成され
る。 ・「プロジェクトを開く」ボタン 以前、比較先プロジェクトとして生成した「プロジェク
ト」を読み込む。 ・「モデル生成」ボタン 現在の「プロジェクト」の数値解析をするための解析モ
デルを生成する。このボタンを押すと、「Zephyrusモデ
ラー」が「比較モード」で起動する。「比較モード」と
は、比較対照の解析モデルをあらかじめ読み込んだ状態
でモデラーが起動し、読み込んだファイルに対しては、
建物の削除、追加、階数の変更しか行えないモードであ
る。後で、比較計算を行う場合は、解析モデルをこのモ
ードで作成しておかなければならない。
【0141】この「プロジェクト比較」では、モデルの
修正に関し、あるプロジェクトが、他のプロジェクトの
比較対象として生成される場合には、一度グリッドブロ
ックのサイズや位置、方向等の修正を加えると、両者の
グリッドブロックが不一致となり、比較演算は実行され
ないようになっている。そしてまたこの点を考慮して、
モデル修正作業中に間違ってこのような操作をしないよ
う、初期状態では、グリッドブロックを変更する可能性
のあるコマンドは全て、使用できないようになってい
る。この制限をはずすには、図12の「Edit」メニュー
の「Enable MeshUpdate」を選択する。この操作によ
り、モデラーのすべてのコマンドが使用可能になるが、
この状態で図11の「Export Model」を行うと、以降、
そのプロジェクトと既存のプロジェクトとの比較計算は
実行できなくなる。
【0142】・「解析実行」ボタン 作成済みの解析モデルを「Zephyrusソルバー」に渡し、
解析を実行する。解析条件(風向設定)等は、比較元の
設定をそのまま使うため、特に図8の「風向設定」ダイ
アログは開かない。 ・「結果閲覧」ボタン 「Zephyrusブラウザー」で解析計算の結果を閲覧する。 ・「比較実行」ボタン 「比較元のプロジェクト」と「比較先のプロジェクト」
を実際に比較する計算を行う。このボタンを押すと、図
51の「比較実行」ダイアログが開く。このダイアログ
で、比較結果を格納するための「プロジェクト」を新規
作成し、続いて実際に比較演算をスタートする。
【0143】次に、「比較実行」ダイアログについて説
明する。「比較元プロジェクト」には、今回の比較計算
の元になる「プロジェクト」が表示される。変更はでき
ない。「詳細」ボタンを押すと、「プロジェクト」の詳
細が表示される。「比較先プロジェクト」には、今回の
比較計算の比較対象になる「プロジェクト」が表示され
る。変更はできない。「詳細」ボタンを押すと、「プロ
ジェクト」の詳細が表示される。「比較結果を格納する
プロジェクト」には、今回の比較計算自体の「プロジェ
クト」を新規作成する。後日比較結果を閲覧するには、
この「プロジェクト」を読み込む必要がある。「プロジ
ェクトディレクトリ」には、比較結果を格納する「プロ
ジェクト」が作られるディレクトリを指定する。「参
照」ボタンで「ディレクトリツリー参照」ダイアログが
表示される。「プロジェクト名」には、比較結果を格納
する「プロジェクト」の名称を記入する。ファイル名
は、「プロジェクトの名称.WPJ」となる。「概要」は、
覚え書き等に利用する。何を書いてもよい。
【0144】・「比較実行」ボタン このボタンを押すと、指定した「プロジェクト」が新規
作成され、その後比較演算が行われる。これにより、同
一地点、同一風向における風速比の増減率やランク評価
の変化が求められる。 ・「キャンセル」ボタン 「比較結果格納プロジェクト」の新規作成および、比較
演算を行わずに、このダイアログを終了する。 ・「結果閲覧」ボタン 比較計算直後に比較結果を確認したい場合に利用する。
このボタンを押すと、「Zephyrusブラウザー」が「比較
結果閲覧モード」で起動される。また、比較結果を後日
あらためて閲覧するような場合は、通常の「結果閲覧」
と同様に、図6の「Zephyrusシェル」の「プロジェクト
を開く」ボタンにて、「プロジェクト」を読込み、「結
果閲覧」ボタンでブラウズする。 ・「戻る」ボタン 「プロジェクト比較」を終了して、「Zephyrusシェル」
に戻る。そして最後に、「Zephyrusシェル」を閉じるこ
とで、本「Zephyrus」の一連の操作を終了する。
【0145】さらに、その他の機能について説明する。 視点のワンタッチ復帰機能 「Zephyrusモデラー」、「Zephyrusブラウザー」とも、
3D表示等で、中途半端に斜め方向からの視点になって
しまった場合、元の真上からの視点に戻ることは面倒で
ある。そこで、どのような視点からでも、Escキーを押
すことにより、ワンタッチで真上からの視点に戻ること
が可能になっている。
【0146】グリッドブロック切替え時の表示機能 「Zephyrusブラウザー」で、表示するグリッドブロック
を切り替える際に、両者でグリッドブロックの方角が異
なっている場合、グリッドブロックの方向が一致するよ
うに、モデル全体を回転させることもあるが、本実施形
態ではモデル全体の方向が一致するように、グリッドブ
ロックが回転するようになっている。
【0147】モデルのZ軸(高さ方向)中心の回転機
能 「Zephyrusブラウザー」の通常状態で、マウスドラッグ
等によりモデルを回転させる場合は、常に、画面の座標
系(CRTの横方向をX軸、縦方向をY軸、CRTの奥側から手
前側の方向をZ軸とする)で回転させることが考えられ
るが、この回転方法だと、例えばモデルを斜め上から見
下ろした状態で、そのまま横方向に回転すると、モデル
の裏側が見えるような動きになってしまう。そこで、モ
デルのZ軸(表示されているモデルの地面から上空方
向)中心の回転を、キーボードのPキーとOキーに割り
付けるようにしていて、これによりモデルを斜め上から
見下ろした状態で、自然な横方向の回転ができるように
なっている。
【0148】「Fキー」ジャンプ機能 「Zephyrusモデラー」、「Zephyrusブラウザー」で、
「お気に入りの視点」を登録しておくと、ワンタッチで
その視点にジャンプできる。「Zephyrusモデラー」、
「Zephyrusブラウザー」上で、好きな視点を表示してい
る状態で、SHIFTキーを押しながら、F1〜F8のいずれか
のキーを押すと、押したファンクションキーに現在の視
点が登録される。以降は、任意の状態で、SHIFTキーを
押さずに、視点が登録してあるファンクションキーを押
すと、その視点にジャンプする。この視点は、システム
を終了してもプロジェクトごとに保存される。
【0149】以上説明したように、本実施形態にかかる
風環境予測プログラムおよびこのプログラムによる風環
境予測方法、すなわちアプリケーションソフトウエア
「Zephyrus」とそれによる予測方法にあっては、主に
「Zephyrusシェル」、「Zephyrusモデラー」、「Zephyr
usソルバー」、並びに「Zephyrusブラウザー」の各プロ
グラムから成り立っていて、電子地図情報を利用し、か
つ流体計算を実行して、市街地の建物周りのビル風など
の風環境をパソコン上で予測することができる。
【0150】「Zephyrus」による風環境の予測は、ちょ
うど机上検討と風洞実験の両者の中間に位置するもので
あって、パソコン上で計画建物や周辺の建物の形状を再
現し、同所での気流を数値シミュレーションで求めるこ
とができ、机上検討よりも予測精度が高く、かつ風洞実
験よりも短期間・低コストで風環境の予測を実行するこ
とができる。
【0151】また「Zephyrus」では、計画建物や周辺建
物のモデル化から流体計算、風環境の評価まで、一部の
専門家だけでなく、一般の設計者でもパソコン上で一貫
して作業することができる。
【0152】「Zephyrus」では、解析の対象を市街地風
環境に特化することで、流体力学に関する知識がない作
業者でも風環境の予測と評価を行うことができる。ま
た、電子地図情報を利用するようにしていて、周辺建物
データの入力などの煩雑な作業を大幅に軽減できる。気
象データに関しても、主な気象官署のデータを解析に利
用することができる。このことから建築計画案作成の初
期段階に、設計者自身の手で自由かつ任意に風環境を評
価することが可能となる。
【0153】より詳細には、ビル風の予測を行う場合、
計画建物だけでなく、近隣街区内の建物も取り込んでモ
デル化を行う必要があるが、「Zephyrus」は、市販の電
子化された住宅地図データを使用し三次元のモデル化を
行えるので、街区内の風環境の予測が可能であるととも
に、その作業を簡略化できる。必要に応じて建物を削除
したり、あるいは建物の形状や高さを修正することもで
きる。
【0154】さらに、「Zephyrus」では、読み込んだ地
図情報データから、風環境予測の対象となる範囲の建物
および地形の平均高さから求められる第1の計算領域高
さと、最も高い建物もしくは地形高さから求められる第
2の計算領域高さのいずれか、またはいずれか大きな値
から、適切な計算領域の高さを与えて、流体計算用の三
次元データを作成する機能を備えるので、図54に示す
ように、計算領域の高さを小さく設定した場合のよう
に、建物10の上空を通過するべき気流が建物10の側
方に回り込むことがなく、従って、地表20付近の風速
を過大に評価することがなく、しかも、数値シミュレー
ションにおける演算量が増大せず、パソコンレベルの演
算処理能力で合理的なシミュレーションを実行すること
ができる。
【0155】次に、流体計算では、上記の三次元モデル
をもとにしてグリッドブロック(計算格子)を作る必要
があり、この格子生成は専用のソフトウエアを使っても
手間のかかる作業であるが、「Zephyrus」では、碁盤の
目状の直交格子を利用して、FAVOR法によりグリッ
ドブロック生成を自動化できるようにしている。このと
き、異なる格子解像度を持った複数のグリッドブロック
を重ね合わせることで解析精度を高めることができるよ
うにしていて、解析領域全体を一つのグリッドブロック
で覆う場合に比べ、必要な箇所だけ細かなグリッドブロ
ックを用いることができるので、全体の計算時間を減ら
すことができる。換言すれば、必要とされる予測精度や
パソコンの性能に応じたグリッドブロック生成を行っ
て、解析することができる。
【0156】特に、各グリッドブロックにおける建物占
有率あるいは空間開口率を用いてモデルを定量化してい
るとともに、これを画面に視覚的に表示するようにして
いるので、格子解像度の評価も容易に行うことができ
る。
【0157】さらに、流体計算では、気流が建物から受
ける摩擦力や風上から流入してくる風速の分布といった
境界条件を入力する必要があり、「Zephyrus」ではそれ
らの境界条件を自動的に設定するようにしているので、
作業者は、検討したい風向のみ、また必要に応じて粗度
区分を指定するだけで流体計算をすることができる。
【0158】そして、例えば、村上慶応大学教授提案の
手法である風環境評価を行おうとする場合、市販されて
いる汎用の流体解析ソフトを利用するのでは、計算結果
から必要なデータを取り出す作業、評価式に必要な気象
データの取得、評価式による計算といった、流体計算以
外の作業やプログラムが必要になるが、「Zephyrus」に
は、風環境の予測や評価に必要な全国の気象データや評
価式が既に組み込まれているので、通常の風速分布図や
ベクトル表示が行えるだけでなく、上記の風環境評価を
実施し、「生活のしやすさ」などの結果(ランク値)ま
で表示することができる。また、計画建物建設前後の計
算結果をもとに、風速やランクの変化を表示することも
できる。さらに、植栽による防風対策の効果が確認でき
るように、任意の高さ、直径を持った樹木を置いての計
算も実行することができる。
【0159】本発明にかかる風環境予測プログラムおよ
び風環境予測方法は、CD−ROM等各種の頒布媒体に
よる配布や通信網を介した配布によって入手して単独の
パソコン上で実行できることはもちろんのこと、ネット
ワーク上のいずれかのパソコンに格納し、他のパソコン
から実行することもできる。
【0160】
【発明の効果】以上要するに、本発明にかかる風環境予
測プログラム、このプログラムを格納した媒体および風
環境予測方法は、風環境予測プログラムの実行による風
環境予測の際、適切な計算領域の大きさ(領域の高さ)
を自動的に設定することにより、ちょうど机上検討と風
洞実験の両者の中間に位置するものであって、パソコン
レベルの演算処理能力で計画建物や周辺の建物の形状を
再現し、同所での気流を数値シミュレーションで求める
ことができ、机上検討よりも予測精度が高く、かつ風洞
実験よりも短期間・低コストで風環境の予測を実行する
ことができ、風環境予測に関して合理的なシミュレーシ
ョンを実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる風環境予測プログラム、このプ
ログラムを格納した媒体および風環境予測方法の好適な
一実施形態を示す説明図である。
【図2】本発明にかかる風環境予測プログラム、このプ
ログラムを格納した媒体および風環境予測方法の実施形
態に適用される「MapInfo」の操作用ツールBOXを示す図
である。
【図3】「MapInfo」のレイヤ管理ダイアログを示す図
である。
【図4】「MapInfo」によって表示された地図情報デー
タ上で地域を選択した状態を示す図である。
【図5】「MapInfo」のファイルエクスポートダイアロ
グを示す図である。
【図6】本発明にかかる風環境予測プログラム、このプ
ログラムを格納した媒体およびこのプログラムによる風
環境予測方法の好適な一実施形態を示すソフトウエア・
風環境シミュレータ「Zephyrus」の「Zephyrusシェル」
ダイアログを示す図である。
【図7】「Zephyrus」のプロジェクト作成ダイアログを
示す図である。
【図8】「Zephyrus」の風向設定ダイアログを示す図で
ある。
【図9】「Zephyrus」の動作環境設定ダイアログを示す
図である。
【図10】「Zephyrus」のプロジェクト比較ダイアログ
を示す図である。
【図11】「Zephyrusモデラー」のファイルメニューを
示す図である。
【図12】「Zephyrusモデラー」の編集メニューを示す
図である。
【図13】「Zephyrus」の色編集ツールを示す図であ
る。
【図14】「Zephyrus」の視点編集ツールを示す図であ
る。
【図15】「Zephyrus」の照明ツールを示す図である。
【図16】「Zephyrus」の視点保存ツールを示す図であ
る。
【図17】「Zephyrusモデラー」の表示メニューを示す
図である。
【図18】「Zephyrusモデラー」による地図情報データ
の3次元表示を示す図である。
【図19】「Zephyrusモデラー」の建物プロパティダイ
アログを示す図である。
【図20】「Zephyrusモデラー」による不完全な建物デ
ータの場合の表示例を示す図である。
【図21】「Zephyrusモデラー」の植栽のプロパティダ
イアログを示す図である。
【図22】「Zephyrusモデラー」による植栽データの3
次元表示を示す図である。
【図23】図22の植栽データを変更した場合の例を示
す図である。
【図24】「Zephyrusモデラー」のメッシュ分割編集ツ
ールを示す図である。
【図25】「Zephyrusモデラー」の高さ方向のメッシュ
編集ツールを示す図である。
【図26】「Zephyrusモデラー」によるメッシュ生成時
の3次元表示を示す図である。
【図27】図26における高さ方向のメッシュ分割を変
更した場合の例を示す図である。
【図28】「Zephyrusモデラー」による多重格子生成時
の第1手順を示す図である。
【図29】「Zephyrusモデラー」による多重格子生成時
の第2手順を示す図である。
【図30】「Zephyrusモデラー」による多重格子生成時
の第3手順を示す図である。
【図31】「Zephyrusモデラー」による多重格子生成時
の第4手順を示す図である。
【図32】「Zephyrusモデラー」による多重格子生成時
の第5手順を示す図である。
【図33】「Zephyrusモデラー」の格子ブロックの出力
ダイアログを示す図である。
【図34】「Zephyrusブラウザー」のファイルメニュー
を示す図である。
【図35】「Zephyrusブラウザー」のツールメニューを
示す図である。
【図36】「Zephyrusブラウザー」の詳細データ閲覧ツ
ールを示す図である。
【図37】「Zephyrusブラウザー」のコンター図設定ツ
ールを示す図である。
【図38】「Zephyrusブラウザー」の表示メニューを示
す図である。
【図39】「Zephyrusブラウザー」におけるコンター図
の表示機能の説明図である。
【図40】「Zephyrusブラウザー」によるXY平面と平行
な面での風速比分布の表示状態を示す図である。
【図41】「Zephyrusブラウザー」による多重格子の内
側グリッドブロック内における風速比分布の表示状態を
示す図である。
【図42】「Zephyrusブラウザー」によるXZ平面と平行
な面での風速比分布の表示状態を示す図である。
【図43】「Zephyrusブラウザー」によるYZ平面と平行
な面での風速比分布の表示状態を示す図である。
【図44】「Zephyrusブラウザー」による風環境評価の
ランク表示の表示状態を示す図である。
【図45】「Zephyrusブラウザー」のファイルメニュー
から出力したファイルを「GSView(http://www.cs.wis
c.edu/~ghost/)」で閲覧した画面を示す図である。
【図46】「Zephyrusブラウザー」のファイルメニュー
にて出力した解析モデルの形状と測定点の場所の対応図
を示す図である。
【図47】「Zephyrusブラウザー」のファイルメニュー
にて出力したレーダーチャートを示す図である。
【図48】「Zephyrusブラウザー」のファイルメニュー
にて出力した測定点の個所をランクごとに色別した表示
を示す図である。
【図49】「Zephyrusブラウザー」のファイルメニュー
にて出力した現在の表示状態(表示種別、平面高さ等)
でのコンター図を示す図である。
【図50】「Zephyrusブラウザー」のファイルメニュー
にて出力した全測定点の基準風向別の風速の表示を示す
図である。
【図51】「Zephyrus」の比較実行ダイアログを示す図
である。
【図52】従来の計算領域高さが気流に与える影響を説
明する図である。
【図53】(a),(b)は、風洞実験における閉塞率
を説明するための図である。
【図54】「Zephyrus」による計算領域高さが気流に与
える影響を説明する図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09B 29/00 G09B 29/00 F (72)発明者 木梨 智子 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株式 会社大林組技術研究所内 Fターム(参考) 2C032 HB03 HB05 HC22 HC23 HC27 5B046 AA03 DA01 JA04 5B050 AA06 AA07 BA08 BA09 BA17 CA07 EA27 EA28 FA02 FA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 読み込んだ地図情報データから、風環境
    予測評価の対象となる範囲の建物および地形の平均高さ
    を求め、該平均高さに所定の値をかけた第1の計算領域
    高さを演算する演算実行機能と、 この演算実行機能によって求められた第1の計算領域高
    さを計算高さとして3次元データでシミュレーション領
    域をモデル化するとともに、モデル化したシミュレーシ
    ョン領域に対する流体計算用3次元データを生成するモ
    デル化機能と、 風データの入力を受け付け、流体計算用3次元データや
    当該風データに流体計算を適用してシミュレーション領
    域に対する風環境予測の演算を実行する演算実行機能
    と、 風環境予測の演算結果を提示する結果提示機能と、をコ
    ンピュータに実現させるための風環境予測プログラム。
  2. 【請求項2】 読み込んだ地図情報データから、風環境
    予測評価の対象となる範囲の建物および地形の最高高さ
    を求め、該最高高さに所定の値をかけた第2の計算領域
    高さを演算する演算実行機能と、 この演算実行機能によって求められた第2の計算領域高
    さを計算高さとして3次元データでシミュレーション領
    域をモデル化するとともに、モデル化したシミュレーシ
    ョン領域に対する流体計算用3次元データを生成するモ
    デル化機能と、 風データの入力を受け付け、流体計算用3次元データや
    当該風データに流体計算を適用してシミュレーション領
    域に対する風環境予測の演算を実行する演算実行機能
    と、 風環境予測の演算結果を提示する結果提示機能と、をコ
    ンピュータに実現させるための風環境予測プログラム。
  3. 【請求項3】 読み込んだ地図情報データから、風環境
    予測評価の対象となる範囲の建物および地形の平均高さ
    を求め、該平均高さに所定の値をかけた第1の計算領域
    高さを演算する演算実行機能と、 前記読み込んだ地図情報データから、風環境予測評価の
    対象となる範囲の建物および地形の最高高さを求め、該
    最高高さに所定の値をかけた第2の計算領域高さを演算
    実行する演算機能と、 これらの演算実行機能によって求められた第1の計算領
    域高さと第2の計算領域高さとを比較して大きい値を選
    択する選択機能と、 この選択機能によって選択された計算領域高さを計算高
    さとして3次元データでシミュレーション領域をモデル
    化するとともに、モデル化したシミュレーション領域に
    対する流体計算用3次元データを生成するモデル化機能
    と、 風データの入力を受け付け、流体計算用3次元データや
    当該風データに流体計算を適用してシミュレーション領
    域に対する風環境予測の演算を実行する演算実行機能
    と、 風環境予測の演算結果を提示する結果提示機能と、をコ
    ンピュータに実現させるための風環境予測プログラム。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の風環
    境予測プログラムを格納した媒体。
  5. 【請求項5】 入・出力装置、記憶装置、並びに演算処
    理装置を用い、前記入力装置が読み込んで前記記憶装置
    が記憶した地図情報データを、前記演算処理装置が風環
    境予測を行なう風環境予測方法であって、 前記演算処理装置は、 前記読み込んだ地図情報データから、風環境予測評価の
    対象となる範囲の建物および地形の平均高さを求め、該
    平均高さに所定の値をかけた第1の計算領域高さを演算
    実行するステップと、 3次元データでシミュレーション領域をモデル化すると
    ともに、前記演算実行によって求められた第1の計算領
    域高さを計算高さとしてモデル化したシミュレーション
    領域に対する流体計算用3次元データを生成するモデル
    化ステップと、 前記入力装置からの風データの入力を受け付け、流体計
    算用3次元データや当該風データに流体計算を適用して
    シミュレーション領域に対する風環境予測の演算を実行
    する演算実行ステップと、 風環境予測の演算結果を提示する結果提示ステップと備
    えたことを特徴とする風環境予測方法。
  6. 【請求項6】 入・出力装置、記憶装置、並びに演算処
    理装置を用い、前記入力装置が読み込んで前記記憶装置
    が記憶した地図情報データを、前記演算処理装置が風環
    境予測を行なう風環境予測方法であって、 前記演算処理装置は、 前記読み込んだ地図情報データから、風環境予測評価の
    対象となる範囲の建物および地形の最高高さを求め、該
    平均高さに所定の値をかけた第2の計算領域高さを演算
    実行するステップと、 3次元データでシミュレーション領域をモデル化すると
    ともに、前記演算実行によって求められた第2の計算領
    域高さを計算高さとしてモデル化したシミュレーション
    領域に対する流体計算用3次元データを生成するモデル
    化ステップと、 前記入力装置からの風データの入力を受け付け、流体計
    算用3次元データや当該風データに流体計算を適用して
    シミュレーション領域に対する風環境予測の演算を実行
    する演算実行ステップと、 風環境予測の演算結果を提示する結果提示ステップと備
    えたことを特徴とする風環境予測方法。
  7. 【請求項7】 入・出力装置、記憶装置、並びに演算処
    理装置を用い、前記入力装置が読み込んで前記記憶装置
    が記憶した地図情報データを、前記演算処理装置が風環
    境予測を行なう風環境予測方法であって、 前記演算処理装置は、 前記読み込んだ地図情報データから、風環境予測評価の
    対象となる範囲の建物および地形の平均高さを求め、該
    平均高さに所定の値をかけた第1の計算領域高さを演算
    実行するステップと、 前記読み込んだ地図情報データから、風環境予測評価の
    対象となる範囲の建物および地形の最高高さを求め、該
    最高高さに所定の値をかけた第2の計算領域高さを演算
    実行するステップと、 これらの演算実行機能によって求められた第1の計算領
    域高さと第2の計算領域高さとを比較して大きい値を選
    択するステップと、 3次元データでシミュレーション領域をモデル化すると
    ともに、前記選択された計算領域高さを計算高さとして
    モデル化したシミュレーション領域に対する流体計算用
    3次元データを生成するステップと、 前記入力装置からの風データの入力を受け付け、流体計
    算用3次元データや当該風データに流体計算を適用して
    シミュレーション領域に対する風環境予測の演算を実行
    するステップと、 風環境予測の演算結果を提示するステップと備えたこと
    を特徴とする風環境予測方法。
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