JP2003201947A - 小規模発電設備 - Google Patents

小規模発電設備

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JP2003201947A
JP2003201947A JP2001400498A JP2001400498A JP2003201947A JP 2003201947 A JP2003201947 A JP 2003201947A JP 2001400498 A JP2001400498 A JP 2001400498A JP 2001400498 A JP2001400498 A JP 2001400498A JP 2003201947 A JP2003201947 A JP 2003201947A
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Nobuhiro Tsuchiya
伸弘 土屋
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Toshiba Engineering Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既設の施設を利用または改造して、低コスト
で電力エネルギーを蓄積・保持し、需要が発生したとき
に直ちに電気エネルギーに変換・供給する小規模揚水発
電設備を提供すること。 【解決手段】 高低差のある2ケ所以上の池110と、
前記2ケ所以上の池110の相互を接続する導水管12
0と、から成るゴルフ場101の池施設であって、前記
導水管120にマイクロ揚水発電機130を備えたこと
を特徴とする小規模発電設備。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、深夜の余剰電力を
利用した小規模の揚水発電設備に関する。
【0002】
【従来の技術】電気エネルギーの需要量は年々増加して
おり、電力の自由化も推進され、既設電力会社以外の発
電事業家や自家用発電設備等からの電力供給が行われて
いる。また、グリーン電力事業の促進で、太陽光発電、
風力発電、潮力発電などの自然エネルギーを利用する発
電・電力供給も行われ、電力需給の多様化が促進されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自然エネル
ギーを利用する発電では、その発電量が日によりあるい
は時間により変化し、需要に関係なく発電されるので、
需給のバランスがとれず、発電された電気エネルギーの
有効利用が困難となっている。他方、大半の需要電力を
供給する電力会社の火力・水力・原子力発電による電力
においても、昼間と夜間での需要差が激しく、夜間では
余剰送電となって、エネルギーを有効に使用できないこ
とが大きな問題となっている。
【0004】余剰電力は、深夜電力として一般電力料金
と比較して約1/3の料金で提供されている。しかし、
余剰電力を有効に利用するには、電気エネルギーの蓄積
が必要であるが、この蓄積に要するコストが多大であ
る。
【0005】たとえば、夜間電力を利用する揚水発電が
余剰電力の蓄積手段として利用されているが、ダムの建
設費用が莫大でコスト的には採算が取れず、ピーク電力
消費時に対するサービス向上の目的に利用されているに
過ぎない。
【0006】この発明は上記問題点を鑑みてなされたも
ので、既設の施設を利用または改造して、低コストで電
力エネルギーを蓄積・保持し、需要が発生したときに直
ちに電気エネルギーに変換・供給する小規模揚水発電設
備を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、ゴルフ場内に設置された高低差の
ある複数個の池と、前記複数個の池を相互に接続する導
水管と、この導水管に設置されたマイクロ揚水発電機と
を備えたことを特徴とする小規模発電設備を提供する。
【0008】さらに、本発明のゴルフ場内に設けた小規
模発電設備は、前記導水管の流入端部に、開閉ゲートが
設けられていることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の小規模発電設備は、ビルの
屋上に設置された上部貯水槽と、前記ビルの地下に設置
された地下貯水槽と、前記上部貯水槽及び前記地下貯水
槽とを接続する導水管と、この導水管に設置されたマイ
クロ揚水発電機とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0010】また、本発明の小規模発電設備は、河川沿
岸に設けられた取水口と、この取水口より下方に設けら
れた洪水予防用貯水設備と、前記取水口及び前記洪水予
防用貯水設備とを接続する導水管と、この導水管に設置
されたマイクロ揚水発電機とを備えたことを特徴とする
ものである。
【0011】また、本発明の小規模発電設備は、海の沿
岸に設けられた陸上の海水貯水槽と、この海水貯水槽に
接続され、その下他端が海中に延長敷設された導水管
と、この導水管に設置されたマイクロ揚水発電機を備え
たことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
より詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の小規模発電設備の第1の
実施形態を示す模式図で、ゴルフ場の既設の池を利用す
る場合が示してある。
【0014】ゴルフ場には、山岳コースのようにコース
に高低差があり、そのコースに高低差のある池が設けら
れる場合がある。このようなゴルフコース内の池は、通
常、給排水と清浄化のためにお互いが導水管で接続され
ている。図1は、ゴルフコース内に上池110a、下池
110b及び最下位の池140の3つの池が設けられ
て、それぞれが導水管で接続されている場合を示す。
【0015】一般的な高低差のあるゴルフ場101の既
設の池等の施設には、最上部に配置された上池110a
の池底に開閉ゲート150aを備えた排水口160aが
設けられている。この排水口160aと下位にある下池
110bの池底に設けられた取水口180aと間に導水
管120aが接続され、上池110aの水が下池110
bへこの導水管120aを流れる。同じく下位の下池1
10bの池底にも開閉ゲート150bを備えた排水口1
60bが設けら、この排水口160bと最下位の池14
0の底面付近に設けられた取水口148とに導水管12
0bが接続され、下池110bの水が最下位の池140
へこの導水管120bを流れる。最下位の池140に
は、その底面に開閉ゲート146を備えた排水口145
が設けられ、これに河川105などに放流するための排
水路170が接続されている。
【0016】本発明による小規模発電設備の第1の実施
形態では、上述の既設のゴルフ場内池施設の導水管12
0a、120bの中間部にマイクロ揚水発電機130
a、130bの水車部を挿入設置して構成する。なお、
敷設されるこれ等のマイクロ揚水発電機は、水車方式に
よりプロペラ型、フランシス型等があり、図5に1例と
してプロペラ型のマイクロ揚水発電機の模式図を示す。
いずれの形式のマイクロ揚水発電機でも、同図(a)に
示した発電モードでは、導水管51で水車52へ供給さ
れる水流56により、水車52が駆動され,その回転ト
ルクが伝達されて、マイクロ揚水発電機本体53が発電
機として作動する。また、同図(b)に示した揚水モー
ドでは、切換スイッチ55bが受電側に切り替えられ電
力供給されて、マイクロ揚水発電機本体53は電動機と
して作動し、水車52が導水管51に水流57を流す汲
み揚げポンプとして動作する。
【0017】以下に、上述の構成による本発明の第1の
実施形態の動作・機能を詳細に説明する。
【0018】ゴルフ場101内の各池110a、110
bには、ゴルフ競技の面から極端な水位に成らないよう
に、最高水位、最低水位が予め既定されて維持管理され
ているのが一般的であり、以下の説明においてもこれ等
が既定されていることを前提とする。
【0019】電力の供給要求がある昼間に、上池110
a及び下池110bの各開閉ゲート150a、161b
を開けると、各池の水は下方へ流出する。すなわち、上
池110aの水は導水管120aを通って下池に流れ、
下池110bの水は導水管120bを通って池140へ
流れる。このとき、各導水管120a、120bの中間
部に設置されたマイクロ揚水発電機130a、130b
の水車が水流により駆動されて発電モードで運転され、
発電が行われる。発電された電力は、図示していない電
力系統によって需要施設に給配電される。
【0020】発電モードの運転が継続されて、各池の水
位が下がり、各池に設定されている最低水位になれば、
当該の開閉ゲート150を閉じる。その閉じられた当該
の開閉ゲート150に接続された当該の導水管120の
水流が止まり、当該のマイクロ揚水発電機130は発電
モードを終了し、発電を完了する。
【0021】なお、電力需要施設側で給配電の必要がな
くなった場合には、開閉ゲート150a、150bを閉
じて、水流を止める操作を行えば、マイクロ揚水発電機
130a、130bは池の水位に関わらず発電モードを
停止し、発電を中断する。なお、電力需要施設側の要求
に応じて、各池110の当該の開閉ゲート150を個別
に開閉したり、各池110の水位の監視およびこの水位
と連動する開閉ゲート150a、150bの操作等を、
図示していない統合制御手段で行うことは当業者により
通常の技術手段により行われる。
【0022】次に、ゴルフ競技が終了した後で、深夜料
金で電力が供給される時間帯になれば、池110a、1
10bの開閉ゲート150a、150bを開き、各導水
管120a、120bの中間部に設置されている各マイ
クロ揚水発電機130a、130bを前記深夜料金で提
供される電力系統線に接続し、深夜電力を受電して揚水
モードによる運転を行う。
【0023】揚水モードで運転されるマイクロ揚水発電
機130a、130bは、それそれの導水管120a、
120bの下方に位置する池110bの池底に設けられ
た取水口180a及び最下位の池140に設けられた取
水口148から、貯留している水をそれぞれの上位の池
に汲み上げる。この揚水モードの運転は、当該のマイク
ロ揚水発電機130が接続されている導水管の上方の当
該の池110の水位が最高水位なるまで行われる。
【0024】水位が最高水位になった池110では、当
該のマイクロ揚水発電機130が前記深夜料金の電力系
統から切離されて、当該の開閉ゲート150も閉じられ
る。最高水位になって開閉ゲート150が閉じられると
当該の池110の揚水モードは終了する。全ての池11
0に関して揚水モードが終了すれば、全てのマイクロ揚
水発電機130が深夜料金電力系統から完全に切離され
て、全部の池の揚水が完了する。
【0025】なお、ゴルフ場に3ケ所以上の池110を
有する場合は、それぞれの池がマイクロ揚水発電機13
0a〜130mを設けた導水管120a〜120mで接
続され、最下位に設けられた池140が最終端となる導
水管120nの接続をして、発電モード及び揚水モード
の運転が行われる。
【0026】第1の実施形態の構成にあって、従来のゴ
ルフ場の既設設備に含まれず、本実施形態を実施するあ
たり新たに設備するものは、マイクロ揚水発電機130
のみで、その他の構成設備は既設のまま、或いは部分的
な改造により使用することができる。
【0027】本実施形態では、一般料金に比較して約1
/3の深夜電力料金で供給される電気エネルギーを水の
位置エネルギーに変換して、ゴルフ場内の上方の池に蓄
積し、昼間の電力需要が高くなったときに蓄積した池の
水を下方の池に放流し、再発電して電気エネルギーとし
て需要施設に供給することができ、昼間の一般電力料金
と比較して、安いコストで電力を提供できる。
【0028】また、ゴルフ場内の各池の水は、一昼夜毎
に上下の池を循環移動する流水となるので、溶存酸素の
増加等により池の水の活性化が図れる利点もある。
【0029】図2は、本発明の小規模発電設備の第2の
実施形態を示す模式図で、ビルに設置される雨水貯水槽
施設を利用する場合が図示してある。
【0030】最近のビルには、水資源確保のために、散
水やトイレ水洗用などの中水に使用する目的で雨水集積
設備が設けられている。この雨水集積施設は、図2に示
すように、通常、ビル201の屋上に屋上雨水集中溝設
備203を設けて、降雨時に屋上に降った雨水を溝等で
1ケ所に集め、さらに、上部貯水槽210に集積され
る。この集積された雨水は、上部貯水槽210の取水口
28に接続された導水管202を下ってビル201の地
下に設けられた地下貯水槽204に、ビル201内の中
水として貯留され、使用される。
【0031】本発明による小規模発電設備の第2の実施
形態では、上述のビルに既設の雨水貯水槽施設の導水管
202の中間部にマイクロ揚水発電機23の水車部を挿
入設置して、ビルに設備された雨水集積施設に併設され
る小規模発電設備である。
【0032】なお、図2に示す本発明の第2の実施形態
では、発電容量(蓄積エネルギー容量)を増大するため
に、前述の雨水集積用上部貯水槽210に替えて貯水容
量が大きい上部貯水槽21を設置する場合がある。ま
た、この大きい上部貯水槽21の底部に設けられた取水
口28に、取水の制御を行う開閉バルブ26を設け、こ
れに導水管202を接続する。さらにこの導水管202
は、その他端が、ビル201の地下階に設置された前記
雨水集積設備の地下貯水槽204の内部に導入され、そ
の端部が地下貯水槽204の底面付近まで達するように
延長された排水口27として敷設される導水管22とす
る。また、この導水管22の中間部に挿入接続されるマ
イクロ揚水発電機23は、水車への水流により発電モー
ドとなって発電機として作動し、通電により揚水モード
となって水車が汲み揚げポンプとして作動するものであ
る。
【0033】以下に、上述の構成による本発明の第2の
実施形態の動作・機能を詳細に説明する。
【0034】先ず、深夜料金が適用される時間帯に、マ
イクロ揚水発電機23を深夜電力送電系統に接続して揚
水モードで運転する。揚水モードでは、地下貯水槽20
4に貯留されている中水が、マイクロ揚水発電機23に
より屋上の上部貯水槽21に汲み揚げられる。上部貯水
槽21が満水になれば、揚水モードは終了し、上部貯水
槽21の取水口28に取り付けられている開閉バルブ2
6が閉められて、マイクロ揚水発電機23は深夜電力送
電系統から切放される。
【0035】次に、昼間の電力需要が増加し、電力供給
を要する時に、開閉バルブ26を開き、上部貯水槽21
に貯留されている水を、導水管22を通して地下貯水槽
204に放流する。この放流水が、導水管22の中間部
に設置されているマイクロ揚水発電機23の水車を駆
動、回転させる。マイクロ揚水発電機23は発電モード
の運転となり、発電機として作動して、発電された電力
がビル201内の需要設備等に供給され利用される。
【0036】また、降雨時には、屋上の降雨水を屋上雨
水集中溝設備203で収集し、上部貯水槽21に導水・
貯留して、前記地下貯水槽204から汲み揚げられた中
水と共に導水管22に流される。したがって、降雨のあ
る日の発電電力量は増加する。
【0037】発電モードの運転が成されて、上部貯水槽
21に貯留されている水が無くなった時、または深夜電
力供給時間帯になった時には、発電モードの運転を終了
する。
【0038】次に、再び、深夜料金が適用される時間帯
になると、マイクロ揚水発電機23を揚水モードで運転
して、上部貯水槽21を再び満水にする。その後、発電
モードと揚水モードを1昼夜毎に繰り返す。
【0039】本発明の第2の実施形態によれば、ビルに
設備されている雨水貯水槽施設の地下貯水槽204、導
水管22、上部貯水槽21を利用し、導水管22の中間
部に設置したマイクロ揚水発電機23によって、使用料
金の安い深夜電力料金で、電力エネルギーを上部貯水槽
21に水の位置エネルギーとして蓄積保有する。その
後、昼間に電力需要が増加し、蓄積保有した位置エネル
ギーをマイクロ揚水発電機23によって発電して再び電
力として供給するので、電力料金が一般料金となる時間
帯に、深夜電力料並みのコストが安い電力供給ができ
る。また、本実施形態では、降雨とは関係無く、1日の
周期で発電モードと揚水モードが、毎日繰り返し運転さ
れ、汲み揚げた水量に対応した電力量が確実に、安定し
て供給できるという電力供給の重要な使命も達成できる
という利点もある。なお、上述の動作の稼動中に、中水
供給も地下貯水槽204及び上部貯水槽21のいずれか
の貯水槽から、図示していない別の系統を構成して同時
に行われる。また、中水としてビル内の用途に供し排出
された水量は、雨水で補給される他に、図示していない
給水施設より前記の貯水槽に補充されることは言うまで
もない。
【0040】図3は本発明の小規模発電設備の第3の実
施形態を示す模式図で、河川に設置される洪水防止水槽
施設を利用する場合が図示してある。
【0041】河川には、大雨等の降雨による増水時に、
河川の洪水を予防するための洪水予防施設が設けられて
いる場合がある。この洪水予防施設は、図3に示すよう
に、河川の堤防等に開閉制御できる開閉バルブ36また
は水門を設けた取水口38に、導水管32が接続され、
地下または下層の位置に設けられた洪水予防貯水槽34
または遊水池などの洪水予防貯水設備へ、増水時に河川
水を引き込み、一時的に貯留する。その後、河川31の
増水が収まれば、元の河川31に汲み揚げるか、さらに
他の河川に放流される。
【0042】本発明の小規模発電設備の第3の実施形態
では、図3に示すように、上述の河川に設けられている
洪水予防施設の導水管32の中間部に、マイクロ揚水発
電機33を挿入設置して構成される。なお、このマイク
ロ揚水発電機33も、水車への水流により発電モードと
なって発電機として作動し、通電により揚水モードとな
って水車が汲み揚げポンプとして作動するものである。
【0043】上述の構成による本発明の第3の実施形態
の動作・機能を詳細に説明する。
【0044】通常、洪水予防施設の設置目的に合致する
運用が行われる当該施設では、洪水防止水槽34は貯水
量が「無し」の状態で待機している。
【0045】待機中に、多量の降雨により河川31が増
水し、既定の水位を超える流量になれば、取水口38の
開閉バルブ36が開かれて、増水した河川水の一部が導
水管32を流れて洪水予防水槽34に流入し、河川31
の下流域への流水量が軽減される。この時、導水管32
を流れる河川水により、この導水管32の中間部に設け
られたマイクロ揚水発電機33の水車が駆動されて、発
電モード運転となり、発電が行われる。この発電された
電力は、適宜、電力需要者に供給される。
【0046】次に、洪水予防水槽34が満水、または河
川31の増水が収まれば、開閉バルブ36を閉じて発電
モードを終了し、電力供給も終了する。
【0047】さらに、河川31が平常の水量になった夜
間に、マイクロ揚水発電機33を深夜電力系統に接続
し、開閉バルブ36を開いて揚水モードで運転する。揚
水モードでは、マイクロ揚水発電機33が洪水予防水槽
34内に貯留した水を河川31に汲み揚げて排水をす
る。洪水予防水槽34の貯水量が「無し」の状態になれ
ば、揚水モードを終了して、再び待機状態となる。
【0048】一方、洪水予防水槽34の貯水量が「無
し」の待機状態の昼間で、さらに、河川が平常の水位
で、当面、河川31が増水しないことが予想される場合
に限って、洪水予防水槽34の積極的活用として、開閉
バルブ36を開いて、河川水を導水管32を通して洪水
予防水槽34に放流する。この放流により、平常時の河
川水が導管32に接続されているマイクロ揚水発電機3
3を駆動して、発電モードの運転となり、発電が行われ
る。発電された電力は、先と同様に、適宜、電力需要者
に供給される。
【0049】次に、後述する一夜の深夜電力時間帯の間
に揚水モードで汲み揚げできる水量が洪水予防水槽34
に貯水されるか、または深夜電力の供給開始時になる
と、発電モードを終了する。
【0050】次に、夜間となり深夜電力の供給が開始さ
れると、マイクロ揚水発電機33は深夜電力系統に接続
されて、揚水モードで運転される。洪水予防水槽34内
に貯留した全部の水を揚水モードで汲み揚げて、河川3
1に放流する。放流を続けて、洪水予防水槽34の貯水
量が「無し」の状態になれば揚水モードを終了し、待機
状態にはいる。
【0051】その後、河川の状況により、待機を継続す
るか、施設の積極的活用をするかが施設管理者により判
断される。積極的活用をする場合は、発電モードと揚水
モードが繰り返される。
【0052】本発明の第3の実施形態によれば、河川の
洪水予防に設けられた洪水予防施設の導水管32に、マ
イクロ揚水発電機33を追加設備することにより、洪水
予防施設の本来の目的を実施している河川の増水時に、
本来の洪水予防を行いながら、同時に発電を行い電力が
供給できる。さらに、これ等の洪水予防施設は常時洪水
予防の稼動しているのではないので、通常の平水時で河
川の増水がないと予想される待機時に、本実施形態によ
れば、積極的活用として、電力を定期的に供給でき、か
つ、その電力の発電コストが、一般電力料金より格安の
深夜電力料金並で提供できるという利点もある。
【0053】図4は本発明の小規模発電設備の第4の実
施形態を示す模式図で、海の沿岸に設けられた防波堤ま
たは突堤に設置される大型海水貯水槽施設を利用する場
合が図示してある。
【0054】漁港等には、捕獲した魚類の生け簀用水や
食品加工の洗浄用水として多量の海水を使用するため大
型の海水貯水槽が設備されている場合がある。この海水
貯水槽は、比較的外海に近くて、海水が清浄な場所から
取水するために、防波堤や突堤などの上部に1次貯水槽
として設けられ、清浄な海水を汲み揚げて貯留してい
る。貯留した海水は、その用途上、毎日更新する必要が
あり、組み揚げと排送水のサイクルが毎日行われる場合
が多い。
【0055】本発明の小規模発電設備の第4の実施形態
では、図4に示すように、海44の防波堤等の施設に設
置されている海水貯水槽41と、この海水貯水槽41に
接続されて大潮干潮時の最低潮位以下の海中の位置に取
水口48を有して敷設されている導水管42と、この導
水管42の海水貯水槽41側の端部に開閉バルブ46
と、さらに、この導水管42の中間部に揚水モード運転
と発電モード運転が行えるマイクロ揚水発電機43を挿
入設置されてなる構成で行われる。
【0056】上述の構成による本発明の第4の本実施形
態の動作・機能を次に詳細に説明する。
【0057】先ず、夜間の深夜電量系統から深夜電力が
供給される時間帯に、マイクロ揚水発電機43が深夜電
力系統に接続されて、揚水モードで運転される。この揚
水モードでは、マイクロ揚水発電機43が海水貯水槽4
1内に海水を汲み揚げて、この海水貯水槽41が満水に
なるか、深夜電力の供給時間が終了になれば、揚水モー
ドを終了する。揚水モードが終了すると、開閉バルブ4
6を閉じて、マイクロ揚水発電機43の深夜電力系統へ
の接続を開放する。
【0058】次に、昼間となり、電力需要が増大した
り、電力需要施設からの送電の要求が発生したときに、
開閉バルブ46を開いて、海水貯水槽41に貯留してい
る海水を導水管42から海44に放水する。この放水に
より、導水管42に接続されたマイクロ揚水発電機43
の水車が駆動されて発電モードで作動する。発電モード
の作動により得られた電力は、電力需要のある系統に補
給され、海水貯水槽41に貯留した海水が排出し尽くさ
れるか、深夜電力の時間帯が始まると、この発電モード
を終了する。
【0059】同日の深夜電力の供給時間帯になれば、マ
イクロ揚水発電機43は深夜電量系統から深夜電力が供
給され、再び揚水モードで運転されて、海水貯水槽41
に海水が満たされる。揚水モードと発電モードのサイク
ルを毎日繰り返す。
【0060】なお、発電モードでの導水管42による海
水貯水槽41の海水の排出先は、通常は海中にされる
が、生け簀設備または食品加工設備などの海水需要施設
からの海水使用要求がある場合には、マイクロ揚水発電
機43より海側の導水管42に設けた分岐バルブ45を
操作して、マイクロ揚水発電機43を通過後の海水の全
部または一部を、前記海水需要施設等に供給する。この
海水需要施設等に供給している時も、発電モードにて運
転が継続されて、同じくマイクロ揚水発電機43から電
力が供給できる。
【0061】本発明の第4の実施形態によれば、海の沿
岸に設けられた海水貯水槽設備の汲み揚げポンプをマイ
クロ揚水発電機に替えて設置することにより、海水貯水
槽設備の目的である海水供給も完遂でき、なおかつ、そ
の海水供給中、及び貯留海水の放流時に、一般電力料金
より格安の深夜電力料金並で、昼間に電力が供給できる
利点を有する小規模電力供給源を提供することができ
る。
【0062】
【発明の効果】以上、説明したように本発明による小規
模発電設備よれば、既設の施設を利用または改造して、
発電コストに関わる設備建設費用を押えたエネルギー蓄
積・保持が可能になる。また、深夜電力料金で供給され
る電力によりエネルギー蓄積を行うので、昼間の電力需
要が発生したときに直ちに電気エネルギーに変換・供給
することができ、その発電コストは一般電力料金より安
く提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の小規模発電設備の第1の実施形態を示
す模式図で、ゴルフ場の既設の池を利用する場合を示
す。
【図2】本発明の小規模発電設備の第2の実施形態を示
す模式図で、ビルに設置される雨水貯水槽施設を利用す
る場合を示す。
【図3】本発明の小規模発電設備の第3の実施形態を示
す模式図で、河川に設置される洪水防止水槽施設を利用
する場合を示す。
【図4】本発明の小規模発電設備の第4の実施形態を示
す模式図で、海の沿岸に設けられた防波堤または突堤に
設置される大型水槽施設を利用する場合を示す。
【図5】本発明の小規模発電設備の実施形態に使用され
るマイクロ揚水発電機の1例を示す模式図。
【符号の説明】
101・・・ゴルフ場、 105・・・河川、 102a〜102n・・・ゴルフコース、 110a・・・ゴルフコース内の上池、 110b・・・ゴルフコース内の下池、 120a,120b,202,32,42,51・・・
導水管、 130a,130b,23,33,43・・・マイクロ
揚水発電機、 140・・・最下位の池、 145・・・最下位の池の排水口、 146・・・最下位の池の排水口の開閉ゲート、 148・・・最下位の池の取水口、 150a,150b・・・排水口に設けられた開閉ゲー
ト、 160a,160b・・・排水口、 170・・・排水路、 180b・・・上位置の池への取水口、 21・・・大きい上部貯水槽、 27、37・・・排水口、 26,36,46・・・開閉バルブ、 28,38,48・・・取水口、 203・・・屋上雨水集中溝設備、 204・・・地下貯水槽、 31・・・河川、 34・・・洪水予防水槽、 41・・・海水貯水槽、 44・・・海、 45・・・分岐バルブ、 52・・・プロペラ型水車、 53・・・マイクロ揚水発電機本体、 54・・・回転トルク伝達装置、 55a,55b・・・切換スイッチ、 56・・・落下水流、 57・・・汲み揚げ水流。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴルフ場内に設置された高低差のある複
    数個の池と、前記複数個の池を相互に接続する導水管
    と、この導水管に設置されたマイクロ揚水発電機とを備
    えたことを特徴とする小規模発電設備。
  2. 【請求項2】 前記導水管の流入端部に、開閉ゲートが
    設けられていることを特徴とする請求項1に記載の小規
    模発電設備。
  3. 【請求項3】 ビルの屋上に設置された上部貯水槽と、
    前記ビルの地下に設置された地下貯水槽と、前記上部貯
    水槽及び前記地下貯水槽とを接続する導水管と、この導
    水管に設置されたマイクロ揚水発電機とを備えたことを
    特徴とする小規模発電設備。
  4. 【請求項4】 河川沿岸に設けられた取水口と、この取
    水口より下方に設けられた洪水予防用貯水設備と、前記
    取水口及び前記洪水予防用貯水設備とを接続する導水管
    と、この導水管に設置されたマイクロ揚水発電機とを備
    えたことを特徴とする小規模発電設備。
  5. 【請求項5】 海の沿岸に設けられた陸上の海水貯水槽
    と、この海水貯水槽に接続され、その下他端が海中に延
    長敷設された導水管と、この導水管に設置されたマイク
    ロ揚水発電機を備えたことを特徴とする小規模発電設
    備。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101072367B1 (ko) * 2009-11-18 2011-10-11 (주)정토지오텍 골프장용 계단식 소수력 발전장치 및 발전방법
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JP2014125875A (ja) * 2012-12-25 2014-07-07 Satoshi Ogata 雨水発電における水位応動自動開閉弁
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