JP2003201400A - オルガノポリシロキサン樹脂組成物及びポリカーボネート樹脂積層板 - Google Patents

オルガノポリシロキサン樹脂組成物及びポリカーボネート樹脂積層板

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JP2003201400A
JP2003201400A JP2002003272A JP2002003272A JP2003201400A JP 2003201400 A JP2003201400 A JP 2003201400A JP 2002003272 A JP2002003272 A JP 2002003272A JP 2002003272 A JP2002003272 A JP 2002003272A JP 2003201400 A JP2003201400 A JP 2003201400A
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organopolysiloxane
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colloidal silica
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JP2002003272A
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Koichi Higuchi
浩一 樋口
Masaaki Yamatani
正明 山谷
Masahiro Kurokawa
正弘 黒川
Yasumitsu Higuchi
泰光 樋口
Toshikazu Hirota
俊積 広田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 R1 mSi(OR24-mで表されるオルガ
ノシランの加水分解縮合物及びコロイダルシリカを必須
成分とし、(i)GPC分析において前記加水分解縮合
物の数平均分子量が800以上、この加水分解縮合物中
の[R1 mSi(OX)n(4-m-n)/2zで表され、zが
1〜3である成分のピーク面積%の合計が5面積%以
下、又は(ii)29Si−NMR分析において前記加水
分解縮合物のR1Si(OX)p(3-p)/2で表される単
位中のR1Si(OX)O2/2が30〜80モル%、R1
Si(OX)3、R1Si(OX)21/2の合計が10モ
ル%以下であるオルガノポリシロキサン樹脂組成物。 【効果】 本発明のオルガノポリシロキサン樹脂組成物
は、硬度が高く、耐擦傷性、耐候性に優れ、しかもクラ
ックの生じ難い硬化被膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
樹脂その他のプラスチックなどの樹脂基材表面にコート
し、加熱硬化することにより、硬度が高く、耐擦傷性、
耐候性に優れた塗膜を形成し得るオルガノポリシロキサ
ン樹脂組成物及びこの硬化被膜を被覆したポリカーボネ
ート樹脂積層板に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
プラスチックなどの樹脂基材の表面に、高硬度、耐擦傷
性の付与を目的とした表面保護塗膜を形成するコーティ
ング剤として、加水分解性オルガノシランを加水分解も
しくは部分加水分解して得られる組成物からなるコーテ
ィング剤、あるいは該組成物にコロイダルシリカを混合
したコーティング剤が知られている。
【0003】例えば、特開昭51−2736号、特開昭
53−130732号、特開昭63−168470号公
報には、オルガノアルコキシシラン、該オルガノアルコ
キシシランの加水分解物及び/又はその部分縮合物及び
コロイダルシリカからなり、過剰の水でアルコキシ基を
シラノールに変換してなるコーティング剤が提案されて
いる。しかし、これらのコーティング剤から得られる塗
膜は、硬度が高く、耐候性もよく、基材保護用として優
れているが、靱性に乏しく、10μm以上の膜厚の塗膜
においては、加熱硬化中、硬化加熱炉から取り出す際、
屋外で使用中、急激な温度変化が起こったときに、容易
にクラックが発生する。更に、これらのコーティング用
組成物はアルコキシシランの加水分解により得られるシ
ラノールの反応性が高く、常温でも徐々にそれらの縮合
反応が起こり、高分子量化し、得られる塗膜の硬度が低
下する。更にはゲル化する場合もあり、コーティング剤
として使用できなくなるという、安定性に関わる問題が
あった。
【0004】このような欠点を解決する目的で、特開昭
63−268772号公報には、ケイ素アルコキシドを
主体としたプレポリマーと硬化触媒及び水からなるコー
ティング剤が提案されている。しかし、このコーティン
グ剤により得られる塗膜は、靱性は向上するものの、硬
度が低いという欠点があった。また、塗装性、硬化性が
悪く、コーティング剤の硬化性が湿度に影響され易い問
題もあった。
【0005】以上をまとめると、オルガノアルコキシシ
ラン、あるいはオルガノアルコキシシランの加水分解物
を主成分とする、低分子量成分を多く含むコーティング
剤は、高硬度で傷がつきにくく、耐候性の高い塗膜が得
られる。しかし、靱性が乏しいために塗装工程で、ある
いは使用時にクラックが入り易い。また、塗料液の反応
性が高く、塗料貯蔵性に劣ることが欠点である。
【0006】一方、ケイ素アルコキシドプレポリマーな
どの比較的高分子量成分を主成分とするコーティング剤
は、その貯蔵安定性は優れ、靱性はあるものの、硬度が
低く、傷がつき易い塗膜を与える。
【0007】従って、本発明の目的は、高硬度で耐擦傷
性に優れ、かつ靱性も高く、急激な温度変化があっても
クラックが発生しない塗膜を形成することができるオル
ガノポリシロキサン樹脂組成物及びこの硬化被膜を被覆
したポリカーボネート樹脂積層板を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、本発明に到達したもので、本発明は、下記のオル
ガノポリシロキサン樹脂組成物を提供する。下記一般式
(I) R1 mSi(OR24-m (I) (式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜10の置換も
しくは非置換の1価炭化水素基、R2は同一又は異種の
炭素数1〜3の置換もしくは非置換の1価炭化水素基を
示し、mは0〜3の整数である。)で表される加水分解
性オルガノシランの加水分解縮合物及びコロイダルシリ
カを必須成分とし、かつ(i)ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)分析において、前記加水分
解縮合物の数平均分子量が800以上であり、かつこの
加水分解縮合物中の [R1 mSi(OX)n(4-m-n)/2z (但し、Xは水素原子又はR2を示し、nは0〜4の整
数であり、R1、R2、mは前記と同じであるが、m+n
≦4である。)で表され、zが1〜3である各成分のピ
ーク面積%の合計が5面積%以下であること、及び/又
は、(ii)ケイ素核磁気共鳴スペクトル(29Si−N
MR)分析において、前記加水分解縮合物の R1Si(OX)p(3-p)/2 (但し、Xは水素原子又はR2を示し、R1、R2は前記
と同じであり、pは0〜3の整数である。)で表される
単位中のR1Si(OX)O2/2(R1、Xは前記と同
じ)で示される単位が30〜80モル%であり、かつR
1Si(OX)3及びR1Si(OX)2 1/2(R1、Xは
前記と同じ)で示される単位の合計が10モル%以下で
あることを特徴とするオルガノポリシロキサン樹脂組成
物。この場合、前記加水分解縮合物は、上記(i)及び
(ii)の要件を同時に兼備したものであることが好ま
しい。
【0009】上記オルガノポリシロキサン樹脂組成物
は、コーティング剤として使用されて、高硬度で耐擦傷
性に優れ、しかも靱性も高く、急激な温度変化を被って
もクラックの発生し難い塗膜を形成する。
【0010】特に、ポリカーボネート樹脂基材の少なく
とも一方の面にアクリル樹脂層を1〜80μm設けた積
層基材において、このアクリル樹脂層表面に上記オルガ
ノポリシロキサン樹脂組成物の硬化被膜を被覆したポリ
カーボネート樹脂積層板は、高硬度で、耐擦傷性、耐候
性、耐クラック性を有したものである。
【0011】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のオルガノポリシロキサン樹脂組成物は、上述し
た通り、下記一般式(I) R1 mSi(OR24-m (I) (式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜10の置換も
しくは非置換の1価炭化水素基、R2は同一又は異種の
炭素数1〜3の置換もしくは非置換の1価炭化水素基を
示し、mは0〜3の整数である。)で表される加水分解
性オルガノシランの加水分解縮合物及びコロイダルシリ
カを必須成分とする。
【0012】ここで、上記式(I)において、R1の炭
素数1〜10の置換もしくは非置換の1価炭化水素基と
しては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基などのシクロアルキル基;ビニル基、アリル基の
ようなアルケニル基;フェニル基などのアリール基;ク
ロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−ト
リフルオロプロピル基のようなハロゲン置換炭化水素
基;γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシ
プロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル
基、γ−メルカプトプロピル、γ−アミノプロピル基な
どの置換炭化水素基などを例示することができる。これ
らの中でも、特に耐擦傷性や耐候性が要求される用途に
使用する場合にはアルキル基が好ましく、靱性や染色性
が要求される場合はエポキシ置換炭化水素基が好まし
い。
【0013】また、R2の炭素数1〜3の置換もしくは
非置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基などのアルキル基;ビニル基、ア
リル基のようなアルケニル基;クロロメチル基、γ−ク
ロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基
のようなハロゲン置換炭化水素基などを例示することが
できる。これらの中でも、オルガノポリシロキサン樹脂
組成物を調製し易いことからアルキル基が好ましい。
【0014】このような加水分解性オルガノシランとし
ては、m=0の場合、テトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシランなどが例示でき、m=1の場合、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチル
トリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポ
キシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルト
リエトキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3,3,
3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,
3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシランなど
が例示できる。
【0015】また、m=2の場合、ジメチルジメトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルエチルジメ
トキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジ
エトキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メ
チルプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルメチルジエトキシシランなどが例示でき、m=3
の場合、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキ
シシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルイ
ソプロポキシシラン、エチルジメチルメトキシシラン、
クロロメチルジメトキシシラン、3,3,3−トリフル
オロプロピルジメチルメトキシシラン、アリルジメチル
メトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、ビニルジ
メチルメトキシシランなどが例示できる。
【0016】これらの一般式(I)で表される加水分解
性オルガノシランの内、50モル%以上がm=1で表さ
れる3官能性シランであることが好ましく、より好まし
くは60モル%以上である。m=1の3官能性シランの
量が式(I)のシラン全体の50モル%未満では十分な
塗膜硬度が得られないと共に、乾燥硬化性が劣ることが
ある。従って、m=0の4官能性、m=2の2官能性、
及びm=3の1官能性成分の合計が50モル%未満であ
れば、任意の割合でこれらを用いることもできる。
【0017】コロイダルシリカは、本発明のオルガノポ
リシロキサン樹脂組成物を用いた塗膜の硬度を高くする
ために必要である。このようなコロイダルシリカは水分
散性及び/又は有機溶媒分散性コロイダルシリカが使用
できる。一般にこのようなコロイダルシリカは、固形分
としてのシリカを20〜50重量%含有している。ま
た、水分散性コロイダルシリカを使用する場合には、固
形分以外の成分として存在する水は、前記加水分解性オ
ルガノシランの加水分解に用いることができる。これら
は通常水ガラスからつくられるが、このようなコロイダ
ルシリカは市販品を容易に入手することができる。
【0018】また、有機溶媒分散性コロイダルシリカは
前記水分散性コロイダルシリカの水を有機溶媒と置換す
ることで容易に調製することができる。このような有機
溶媒分散性コロイダルシリカも水分散性コロイダルシリ
カと同様に市販品を入手することができる。コロイダル
シリカが分散している有機溶媒の種類は、例えば、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチ
レングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエ
チレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレング
リコール誘導体;及びジアセトンアルコール等を挙げる
ことができ、これらからなる群より選ばれる1種もしく
は2種以上の混合物を使用することができる。
【0019】本発明のオルガノポリシロキサン樹脂組成
物において、前記コロイダルシリカのシリカ分は、前記
加水分解性オルガノシランの加水分解縮合物(シリコー
ン樹脂)とコロイダルシリカとのみからなる組成物にお
ける全固形分(以下、ベース固形分という)中、好まし
くは5〜80重量%、より好ましくは10〜75重量%
の範囲で含有される。含有量が5重量%未満であると所
望の塗膜硬度が得られず、また80重量%を超えると塗
膜クラックが発生し易くなり、またシリカの均一分散が
難しくなり、オルガノポリシロキサン樹脂組成物がゲル
化することがある。
【0020】本発明のオルガノポリシロキサン樹脂組成
物は、前記一般式(I)で表される加水分解性オルガノ
シランを加水分解縮合した後、コロイダルシリカを添加
混合し、得ることができる。また別法として、前記一般
式(I)で表される加水分解性オルガノシランを水分散
性コロイダルシリカ及び/又は有機溶媒分散性コロイダ
ルシリカ中で加水分解縮合して得ることもできる。
【0021】加水分解性オルガノシランに対する水の添
加量は、加水分解性基(OR2)1当量に対して水0.
1〜20モルが望ましい。その割合が0.1モル未満で
あると十分な加水分解物が得られず、20モルを超える
とオルガノポリシロキサン樹脂組成物とした際の塗装
性、乾燥性が低下するおそれがある。
【0022】加水分解する方法は特に限定されず、加水
分解性オルガノシランと必要量の水とを混合する、又は
加水分解性オルガノシランとコロイダルシリカとを混合
して、コロイダルシリカ中の水あるいは必要量の水を別
途添加すればよい。また、加水分解反応は常温で進行す
るが、分子量を制御する目的で冷却しながら行うのが好
ましい。更に加水分解反応を促進させる目的で、塩酸、
酢酸、ハロゲン化シラン、クロロ酢酸、クエン酸、安息
香酸、ジメチルマロン酸、ギ酸、プロピオン酸、グルタ
ール酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、トルエ
ンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸及び無機酸、もし
くは表面にカルボン酸基やスルホン酸基を有する陽イオ
ン交換樹脂などの固体酸触媒を触媒に用いてもよい。
【0023】本発明のオルガノポリシロキサン樹脂組成
物を得るには、前記の加水分解性オルガノシランの加水
分解に続いて、縮合させることが必要である。縮合は、
加水分解に続いて連続的に行ってもよく、また加水分解
後、溶剤、硬化触媒などの任意成分を添加した後に行っ
てもよい。
【0024】縮合は、通常、常温又は80℃以下の加熱
下で行われる。80℃を超える温度ではコロイダルシリ
カが凝集、ゲル化したりすることがある。常温であれば
24時間以上、80℃であれば4時間以上縮合させるこ
とにより、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)分析における該加水分解縮合物(シリコーン
樹脂)のポリスチレン換算数平均分子量が800以上と
なり、かつ一般式[R1 mSi(OX)n(4-m-n)/2z
(X:水素原子又はR2(C1〜3の置換もしくは非置換
の1価炭化水素基)、m:0〜3の整数、n:0〜4の
整数、m+n≦4)で表され、zが1〜3である各成分
のピーク面積%の合計が5面積%以下とすることができ
る。
【0025】ここで、前記加水分解縮合物(シリコーン
樹脂)のポリスチレン換算数平均分子量は800〜5,
000であることが好ましい。分子量がこの範囲より低
いと、塗膜の靱性が低く、クラックが発生し易くなる傾
向があり、一方、分子量が上記範囲より高いと、塗膜中
の樹脂が相分離し白化する傾向がある。
【0026】また、前記加水分解縮合物は、前記一般式
[R1 mSi(OX)n(4-m-n)/2 zで表され、zが1
〜3である、即ちSi原子として1〜3量体の成分を含
み得るが、これらzが1〜3の成分(Si原子として1
〜3量体の成分)は、その構造から一分子当たりの加水
分解又は縮合可能なOX基の数が比較的大きいため、硬
化時の収縮が大きくなり、クラックの起点となり易い。
そのためz=1〜3の成分のGPCピーク面積%の合計
は5面積%以下であることが必要であり、好ましくは3
面積%以下、特に好ましくは2面積%以下である。
【0027】また、前記条件での縮合を行うことによ
り、ケイ素核磁気共鳴スペクトル(29Si−NMR)分
析において、R1Si(OX)p(3-p)/2(X:水素原
子又はR2(C1〜3の置換もしくは非置換の1価炭化水
素基)、p:0〜3の整数)で表される単位中の、p=
1であるR1Si(OX)O2/2で表される単位を30〜
80モル%とし、かつp=3であるR1Si(OX)3
びp=2であるR1Si(OX)21/2で表される単位
の合計を10モル%以下とすることができる。なお、上
記式中のO(3-p)/2(但し、p=0,1又は2)におけ
るO(酸素原子)は、隣接するSi原子とシロキサン結
合(Si−O−Si)を形成し、隣接するSi原子と酸
素原子を共有するものである。
【0028】R1Si(OX)p(3-p)/2単位の具体例
としては、下記式で表されるものを挙げることができ
る。 p=3の場合:R1Si(OX)3 p=2の場合:R1Si(OX)21/2 p=1の場合:R1Si(OX)O2/2 p=0の場合:R1SiO3/2
【0029】上述したように、R1Si(OX)p
(3-p)/2で表される単位中の、R1Si(OX)O2/2
表される単位は30〜80モル%、好ましくは35〜7
5モル%であることが必要である。この単位の含有量が
30モル%未満では塗膜の硬度が不十分となり、80モ
ル%を超えると塗膜の靱性が低く、クラックが発生し易
くなる傾向がある。
【0030】また、R1Si(OX)3及びR1Si(O
X)21/2で表される単位の合計が10モル%以下、好
ましくは8モル%以下であることが必要である。これら
単位の合計含有量が10モル%を超えると塗膜の靱性が
低く、クラックが発生し易くなる。
【0031】なお、本発明において、GPC及びNMR
の値は、上述した方法で得られた加水分解縮合物を含む
反応液を濾過したものについて測定した値である。
【0032】本発明のオルガノポリシロキサン樹脂組成
物には、必要に応じて、希釈剤、硬化触媒、pH調整
剤、レベリング剤、増粘剤、顔料、染料、金属酸化物微
粒子、金属粉、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定
剤等を本発明の効果に悪影響を与えない範囲内で添加す
ることができる。
【0033】本発明のオルガノポリシロキサン樹脂組成
物は、希釈剤によりその固形分濃度を1〜30重量%に
調整することが好ましい。この範囲外では該組成物を塗
布、硬化した被膜に不具合が生じることがある。即ち、
上記範囲より少ないと、被膜にヨリ、マダラが発生した
り、所望の硬度、耐擦傷性が得られない場合がある。ま
た、上記範囲より多いと、被膜のブラッシング、白化、
クラックが生じ易くなる場合がある。
【0034】希釈剤としては、水、及び有機溶剤があ
り、有機溶剤としてはメタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、ジアセ
トンアルコール等の脂肪族アルコール類;エチレングリ
コール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロ
ピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等
のグリコール誘導体類;アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチ
ル、酢酸イソブチル等のエステル類などを挙げることが
でき、これらからなる群より選ばれる1種もしくは2種
以上の混合物を使用することができる。
【0035】本発明のオルガノポリシロキサン樹脂組成
物は、塗膜化する際、硬化を促進させるために硬化触媒
を添加することが好ましい。硬化触媒としては、例え
ば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメ
トキシド、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、プロピオ
ン酸カリウム、アンモニア、トリエチルアミン、n−ヘ
キシルアミン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチ
ルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアン
モニウムヒドロキシドなどの塩基性化合物類;テトライ
ソプロピルチタネート、テトタブチルチタネート、アル
ミニウムトリイソブトキシド、アルミニウムアセチルア
セトナート、亜鉛オクチレート、亜鉛アセチルアセトナ
ート、鉄アセチルアセトナート、スズアセチルアセトナ
ート、ジブチルスズラウリレートなどの含金属化合物
類;塩酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸などの酸性化
合物類などが挙げられる。硬化触媒の量は、特に限定さ
れるものではないが、前記ベース固形分に対し0.01
〜30重量%が好ましい。
【0036】本発明のオルガノポリシロキサン樹脂組成
物は、貯蔵安定性を得るために、液のpHを好ましくは
2〜7、より好ましくは3〜6にするとよい。pHがこ
の範囲外であると、貯蔵性が著しく悪くなることがある
ため、pH調整剤を添加し、上記範囲に調整することも
できる。オルガノポリシロキサン樹脂組成物のpHが上
記範囲外にあるときは、この範囲より酸性側であれば、
アンモニア、エチレンジアミン等の塩基性化合物を添加
してpHを調整すればよく、塩基性側であれば、塩酸、
硝酸、酢酸等の酸性化合物を用いてpHを調整すればよ
い。しかし、その調整方法は特に限定されるものではな
い。
【0037】本発明のオルガノポリシロキサン樹脂組成
物を塗工して得られる硬化被膜の硬度や耐擦傷性の向
上、高屈折率化、紫外線カット性などの機能を更に付与
したりする目的で、金属酸化物微粒子を添加することも
できる。
【0038】金属酸化物微粒子としては、その粒子形、
粒子の粒径は特に問わないが、塗膜化する際には透明性
を高めるために、粒子の粒径は小さい方が好ましい。金
属酸化物微粒子の具体例としては、シリカ、アルミナ、
酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズ、酸化ジルコニウ
ム、酸化アンチモン、酸化鉄、酸化鉄及び/又は酸化ジ
ルコニウムをドープした酸化チタン、希土類酸化物、あ
るいはこれらの混合物、複合酸化物等が挙げられるが、
特に限定されるものではない。これら金属酸化物微粒子
は分散液となっているものを使用してもよいし、粉末状
のものをオルガノポリシロキサン樹脂組成物に分散させ
てもよい。これら金属酸化物微粒子の添加量は、前記ベ
ース固形分に対し0.1〜300重量%であることが好
ましい。
【0039】本発明のオルガノポリシロキサン樹脂組成
物を塗工して得られる硬化被膜に紫外線吸収性の機能を
付与する目的で紫外線吸収剤、紫外線安定剤等を添加す
ることもできる。硬化被膜に紫外線吸収性を付与するこ
とで、基材として使用される有機樹脂の耐候劣化を防止
し、被覆物品としての耐候性を向上させることができ
る。
【0040】紫外線吸収剤の具体例としては、ベンゾト
リアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸フェニル
エステル系、トリアジン系の紫外線吸収剤が挙げられ
る。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−
(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α
ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス
[4−(1,1,3,3−テトラメチレンブチル)−6
−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノー
ル]等を例示することができ、ベンゾフェノン系紫外線
吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベン
ゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−クロルベンゾフェ
ノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキ
シベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロ
キシベンゾフェノン等を例示することができる。また、
サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤としては、
p−t−ブチルフェニルサリチル酸フェニルエステル等
を例示することができ、トリアジン系紫外線吸収剤とし
ては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4
−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,
4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシ
フェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェ
ニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−
1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−
ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−ト
リアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ
−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキ
シルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,
4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチル
オキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−
ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキ
シフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフ
ェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフ
ェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニ
ル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシエトキシ)−
1,3,5−トリアジン等を例示することができるが、
これらに限定されるものではなく、一般的に入手可能な
紫外線吸収剤、紫外線安定剤などが含まれる。中でも本
発明のオルガノポリシロキサン樹脂組成物への溶解性や
硬化被膜の透明性の観点から、ベンゾフェノン系紫外線
吸収剤が好ましい。これらの紫外線吸収剤の添加量は、
前記ベース固形分に対し、0.1〜30重量%であるこ
とが好ましい。
【0041】本発明のオルガノポリシロキサン樹脂組成
物は、コーティング剤として使用され、各種プラスチッ
ク、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、更
にはガラス、セラミックなどの表面に塗布し、硬化し
て、硬化被膜を形成することができる。とりわけ、ポリ
カーボネート樹脂基材表面にアクリル樹脂層を設けた積
層板のアクリル樹脂層側に被覆硬化した場合には、従来
のオルガノポリシロキサンでクラックが発生するため達
成されなかった135℃の硬化温度や100℃以上の高
温環境下での使用が可能となる。
【0042】塗布方法としては、通常の方法でコーティ
ングすることで行うことができる。例えば、刷毛塗り、
スプレー、浸漬、フロー、ロール、カーテン、ナイフコ
ート等の各種塗布方法を選択することができる。
【0043】塗布後の硬化は、空気中に放置して風乾さ
せてもよいし、加熱してもよい。硬化温度、硬化時間は
限定されるものではないが、基材の耐熱温度以下で30
分〜2時間加熱するのが好ましい。具体的には120〜
135℃で1〜2時間加熱するのがより好ましい。
【0044】塗膜の厚みは特に制限はなく、0.1〜5
0μmであればよいが、塗膜の硬さ、耐擦傷性、長期的
に安定な密着性、及びクラックが発生しないことを満た
すためには、1〜20μmが好ましい。
【0045】
【発明の効果】本発明のオルガノポリシロキサン樹脂組
成物は、硬度が高く、耐擦傷性、耐候性に優れ、しかも
クラックの生じ難い硬化被膜を形成する。
【0046】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、下記例で%は重量%を示す。
【0047】試験方法を以下に示す。 (1)初期密着性:JIS K5400に準拠し、サン
プルをカミソリの刃で25mm間隔に6本ずつ切れ目を
入れて25個の碁盤目をつくり、市販のセロテープ(登
録商標)をよく密着させた後、90°手前方向に急激に
剥がした時、塗膜が剥離せずに残存したマス目数XをX
/25で表示した。 (2)耐煮沸性:評価サンプルを100℃の沸騰水に2
時間浸漬した後の外観変化、密着性を評価した。 (3)耐熱性:評価サンプルを130℃の熱風循環乾燥
機中に1時間放置した後の外観変化、密着性を評価し
た。
【0048】[実施例1、比較例1]2Lのフラスコ
に、メチルトリエトキシシラン411g、イソブタノー
ル115g、酢酸0.3gを仕込み、10℃以下に冷却
後、水分散シリカゾル「スノーテックスO」(日産化学
製)302g、及びイソブタノール分散シリカゾル「I
BA−ST−20」(日産化学製)85gを加え、加水
分解を行った。10℃以下で3時間、次いで、室温にて
16時間撹拌し、加水分解を完結させた。
【0049】その後、希釈剤としてエタノール51g、
イソブタノール36g、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル73gを、レベリング剤としてKP−341
(信越化学工業製)0.5gを、硬化触媒としてギ酸ナ
トリウム0.4g、酢酸130gを添加し、固形分濃度
20.8%で無色半透明液体のポリオルガノシロキサン
樹脂組成物Aを得た。
【0050】更に、このポリオルガノシロキサン樹脂組
成物Aを40℃で3日間撹拌し、固形分濃度21.3%
で無色半透明液体のポリオルガノシロキサン樹脂組成物
Bを得た。
【0051】[実施例2]2Lのフラスコに、メチルト
リエトキシシラン600g、γ−グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシシラン32g、イソブタノール17
7g、酢酸0.5gを仕込み、10℃以下に冷却後、水
分散シリカゾル「スノーテックスO−40」248g、
及び水248gを加え、10℃以下で3時間撹拌を行っ
た。次いでメタノール分散シリカゾル「メタノールシリ
カゾル」(日産化学製)26gを加え、室温にて16時
間撹拌し、加水分解を完結させた。引き続き、80℃に
て8時間加熱を行った。
【0052】その後、希釈剤としてイソプロパノール7
9g、イソブタノール56g、ジアセトンアルコール1
12gを、レベリング剤としてKP−341(信越化学
工業製)0.8gを、硬化触媒としてアルミニウムアセ
チルアセトン0.8gを添加し、固形分濃度20.1%
で淡黄色半透明液体のポリオルガノシロキサン樹脂組成
物Cを得た。
【0053】[実施例3]実施例1と同様に加水分解工
程を行い、完結させた後、引き続き、60℃にて10時
間加熱を行った。希釈剤としてイソプロパノール65
g、エタノール40g、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル175gを、レベリング剤としてKP−34
1(信越化学工業製)0.5gを、硬化触媒としてベン
ジルトリメチルアンモニウムヒドキシド0.6g、酢酸
ナトリウム0.05g、酢酸0.1gを添加し、固形分
濃度19.5%で無色半透明液体のポリオルガノシロキ
サン樹脂組成物Dを得た。
【0054】得られたポリオルガノシロキサン樹脂組成
物に関して、組成物を濾過して得られたオルガノポリシ
ロキサン樹脂(加水分解縮合物)のゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)分析及びケイ素核磁気
共鳴スペクトル(29Si−NMR)分析を行った結果に
ついて表1、表2に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】[製造例1](ポリカーボネート樹脂/ア
クリル樹脂積層板の製造方法) ポリカーボネート樹脂を押し出す押出機として、バレル
直径90mm、スクリューのL/D34、シリンダー温
度275℃とした。また、被覆層を形成するアクリル樹
脂を押し出す押出機は、バレル直径50mm、スクリュ
ーのL/D34、シリンダー温度260℃に設定した。
2種類の樹脂を同時に溶融押出し、積層する際にはフィ
ードブロックTダイス(幅1,300mm)を使用し、
ポリカーボネート樹脂の片面にアクリル樹脂を積層し
た。ダイヘッド内温度は280℃とし、ダイ内で積層一
体化された樹脂は、鏡面仕上げされた3本のポリッシン
グロールに導かれ、1番ロール温度130℃、2番ロー
ル温度150℃、3番ロール温度180℃に設定した。
最初に流入するロール間隔にて、バンクを形成した後、
2番、3番ロールを通過させた。引き取り速度は6.2
m/分、引き取り用ピンチロール速度6.5m/分とし
た。得られたシート厚さ0.5mm、アクリル樹脂の被
覆層は20μmであった。
【0058】ここで使用したポリカーボネート樹脂は、
三菱瓦斯化学社製S−1000(粘度平均分子量2.5
万)を、アクリル樹脂は連続溶液(トルエン)重合法に
て製造されたアトフィナ製アトグラスV020(重量平
均分子量10.4万、熱変形温度93℃)を使用した。
紫外線吸収剤としてチヌビン1577(チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ社製)2.5%と、酸化防止剤とし
てスミライザーBHT(住友化学工業社製)0.1%及
びアデガスタブPEP−36(旭電化工業社製)0.0
5%を添加した樹脂を用いた。
【0059】製造例1で得られたポリカーボネート樹脂
/アクリル樹脂積層板に実施例1〜3で得られたオルガ
ノポリシロキサン樹脂組成物B、C及びDを流し塗り法
により塗布し、130℃で1時間硬化させた。得られた
塗膜はクラック等は全く見られず、優れた外観を有して
いた(表3)。これに対し、製造例1で得られたポリカ
ーボネート樹脂/アクリル樹脂積層板に比較例1で得ら
れたオルガノポリシロキサン樹脂組成物Aを流し塗り法
により塗布し、130℃で1時間硬化させた場合は、得
られた塗膜に多くのクラックが発生し、外観不良をきた
した(表3)。
【0060】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 183/04 C09D 183/04 (72)発明者 山谷 正明 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 黒川 正弘 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 (72)発明者 樋口 泰光 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 (72)発明者 広田 俊積 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 Fターム(参考) 4F100 AK25B AK45A AK79C BA03 BA07 BA10C EH46C EJ08C JK09 JL09 4J002 CP021 CP031 CP081 CP091 CP101 CP121 CP141 CP161 DJ017 FD017 GF00 4J038 DL031 HA446 MA14 PC08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) R1 mSi(OR24-m (I) (式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜10の置換も
    しくは非置換の1価炭化水素基、R2は同一又は異種の
    炭素数1〜3の置換もしくは非置換の1価炭化水素基を
    示し、mは0〜3の整数である。)で表される加水分解
    性オルガノシランの加水分解縮合物及びコロイダルシリ
    カを必須成分とし、かつ(i)ゲルパーミエーションク
    ロマトグラフィー(GPC)分析において、前記加水分
    解縮合物の数平均分子量が800以上であり、かつこの
    加水分解縮合物中の [R1 mSi(OX)n(4-m-n)/2z (但し、Xは水素原子又はR2を示し、nは0〜4の整
    数であり、R1、R2、mは前記と同じであるが、m+n
    ≦4である。)で表され、zが1〜3である各成分のピ
    ーク面積%の合計が5面積%以下であること、及び/又
    は、(ii)ケイ素核磁気共鳴スペクトル(29Si−N
    MR)分析において、前記加水分解縮合物の R1Si(OX)p(3-p)/2 (但し、Xは水素原子又はR2を示し、R1、R2は前記
    と同じであり、pは0〜3の整数である。)で表される
    単位中のR1Si(OX)O2/2(R1、Xは前記と同
    じ)で示される単位が30〜80モル%であり、かつR
    1Si(OX)3及びR1Si(OX)2 1/2(R1、Xは
    前記と同じ)で示される単位の合計が10モル%以下で
    あることを特徴とするオルガノポリシロキサン樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記加水分解縮合物が、前記(i)及び
    (ii)の要件を同時に具備したものである請求項1記
    載のオルガノポリシロキサン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記オルガノポリシロキサン樹脂組成物
    が、下記一般式(I) R1 mSi(OR24-m (I) (式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜10の置換も
    しくは非置換の1価炭化水素基、R2は同一又は異種の
    炭素数1〜3の置換もしくは非置換の1価炭化水素基を
    示し、mは0〜3の整数である。)で表される加水分解
    性オルガノシランを、水及び/又は有機溶剤に分散され
    たコロイダルシリカ中で加水分解縮合してなる成分を含
    む請求項1又は2記載のオルガノポリシロキサン樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 コロイダルシリカ中のシリカ分を前記加
    水分解縮合物とコロイダルシリカとの組成物における全
    固形分中5〜80重量%含有する請求項1乃至3のいず
    れか1項記載のオルガノポリシロキサン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネート樹脂基材の少なくとも
    一方の面に1〜80μmのアクリル樹脂層を設けた積層
    基材の該アクリル樹脂層表面に請求項1乃至4のいずれ
    か1項記載のオルガノポリシロキサン樹脂組成物の硬化
    被膜を被覆してなるポリカーボネート樹脂積層板。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005314616A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンコーティング組成物及び被覆物品
JP2008508370A (ja) * 2004-07-29 2008-03-21 エボニック デグサ ゲーエムベーハー 水性シランナノ複合材料
JP2009256562A (ja) * 2008-03-26 2009-11-05 Arakawa Chem Ind Co Ltd 表面被覆シリカオルガノゾルの製造方法、および表面被覆シリカ粒子含有エポキシ樹脂組成物の製造方法
EP2364844A2 (en) 2010-03-11 2011-09-14 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Polycarbonate resin laminates

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