JP2003200895A - 船外機、船外機操作装置、船舶、帰港警報装置、および帰港警報方法 - Google Patents
船外機、船外機操作装置、船舶、帰港警報装置、および帰港警報方法Info
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Abstract
機の操作が不能になりにくい船外機、船外機操作装置、
船舶を提供する。 【解決手段】 船外機を制御する制御信号と船舶の状態
を表す状態情報信号が互いに独立したケーブルで伝達さ
れる。このため、状態情報信号を伝達するケーブルある
いはこれに接続される機器等に異常が発生しても、船外
機を制御する制御信号の伝達に支障を来すことはない。
Description
作装置、船舶、帰港警報装置、および帰港警報方法に関
し、特に船舶側からの制御信号に基づき船外機を制御す
る船外機、船外機操作装置、船舶、帰港警報装置、およ
び帰港警報方法に関する。
機が用いられている。従来の船外機では船体側からワイ
ヤーによって力を伝達し、エンジンのスロットル等の制
御を行っていた。しかしながら、近年の情報技術の発達
に伴い、船体と船外機とをLAN(Local Area Networ
k)で接続して船体側から制御信号を送ることによって
船外機を操作する船内LAN方式が試みられている。船
内LANを用いることで、1本のケーブルへの多数の機
器の接続が可能となり、船体と船外機間の配線を簡略化
できる。
に接続された機器等の一部に故障が起きることも考えら
れる。このとき、船内LANの一部の異常によって船外
機の操作が困難になることは好ましくない。本発明はこ
のような課題を解決するためになされたもので、船内L
ANの一部に異常が発生しても、船外機の操作が不能に
なりにくい船外機、船外機操作装置、船舶を提供するこ
とを目的とする。
るために本発明に係る船外機は、船外機を制御する制御
信号を入力する制御信号入力部と、前記制御信号入力部
で入力された前記制御信号に基づいて、前記船外機を制
御する制御部と、船舶の状態を表す状態情報信号を入出
力する状態情報入出力部と、前記制御信号入力部に接続
された第1のケーブルと、前記状態情報入出力部に接続
され、かつ前記第1のケーブルと独立した第2のケーブ
ルと、を具備することを特徴とする。船外機を制御する
制御信号と船舶の状態を表す状態情報信号が互いに独立
したケーブルで伝達される。このため、状態情報信号を
伝達するケーブルあるいはこれに接続される機器等に異
常が発生しても、船外機を制御する制御信号の伝達に支
障を来すことはない。
御信号が、前記船外機のスロットル、シフト、またはス
テアリングの操作、若しくはエンジンの始動または停止
のいずれかを行うための信号を含むことができる。これ
らの信号は、船外機を制御するための制御信号として、
船外機に接続されたスロットルを操作するスロットル・
アクチュエータ等の制御に用いられる。
記状態情報信号が、そのまま又は何らかの演算後に表示
装置で表示するための信号を含むことができる。表示装
置で表示させるための信号は、状態情報信号として運転
者に船舶の状態を示すために用いられ、船外機の制御に
利用されないことから、船外機を制御する制御信号と区
分される。この状態情報信号は、表示装置で表示させる
ための信号そのものには限られず、何らかの演算後に表
示装置での表示に用いられる信号、例えば船舶の状態を
検知するセンサー等から出力される信号が含まれる。
または外径が互いに異なってもよい。ケーブルの色彩、
または外径を異ならせることで、制御信号、状態情報信
号それぞれを伝達するケーブルの識別が容易になり誤結
線が防止される。このとき、第1、第2のケーブルのそ
れぞれに対応するケーブルには、第1、第2のケーブル
と対応した色彩、外径(例えば、同一色、同一径)とす
ることで、誤結線の防止がより確実になされる。
に、対応するコネクタと結合する結合部の形状が互いに
異なるコネクタが接続されていてもよい。ケーブルに接
続するコネクタを異ならせることで、誤結線が防止され
る。即ち、第1、第2のケーブルのそれぞれに対応する
ケーブルには、第1、第2のケーブルそれぞれに接続さ
れたコネクタに対応するコネクタを接続することで、コ
ネクタの誤勘合を防止できる。
舶の状態を表示する表示部と、船外機を操作するための
操作情報を入力し、該操作情報に対応した制御信号を出
力する操作情報入力部と、前記操作情報入力部から出力
された前記制御信号を伝達する第1のケーブルと、前記
表示部に表示させるため、かつ前記船舶の状態を表す状
態情報信号を伝達し、かつ前記第1のケーブルと独立し
た第2のケーブルとを具備することを特徴とする。船外
機を制御する制御信号と船舶の状態を表す状態情報信号
が互いに独立したケーブルで伝達される。このため、状
態情報信号を伝達するケーブルあるいはこれに接続され
る機器等に異常が発生しても、船外機を制御する制御信
号の伝達に支障を来すことはない。なお、操作情報入力
部の一例として、エンジンを始動、停止する始動/停止
スイッチ、ステアリングの角度を検出する操舵角度セン
サがある。
表示する表示部と、船外機を操作するための操作情報を
入力し、該操作情報に対応した制御信号を出力する操作
情報入力部と、前記操作情報入力部から出力された前記
制御信号を伝達する第1のケーブルと、前記表示部に表
示させるため、かつ前記船舶の状態を表す状態情報信号
を伝達し、かつ前記第1のケーブルと独立した第2のケ
ーブルと前記第1のケーブルに対応し、前記制御情報を
伝達する第3のケーブルと、前記第2のケーブルに対応
し、前記状態情報信号を伝達し、かつ前記第3のケーブ
ルと独立した第4のケーブルと、前記第3のケーブルで
伝達された前記制御信号に基づいて、前記船外機を制御
する制御部と、前記第4のケーブルに接続され、前記状
態情報信号を入出力する状態情報入出力部と、を具備す
ることを特徴とする。船外機と船体間で制御信号を伝達
するケーブルを制御信号と状態情報信号で区分すること
で、状態情報信号を伝達するケーブルあるいはこれに接
続される機器等に異常が発生しても、船外機を制御する
制御信号の伝達に支障を来すことはない。
の残存量と燃費に基づき、航続可能距離を算出する航続
可能距離算出部と、現在地から帰港地までの帰港距離を
算出する帰港距離算出部と、前記航続可能距離算出部で
算出された航続可能距離と前記帰港距離算出部で算出さ
れた帰港距離との比較に基づき、前記帰港地への帰港を
促す帰港警報を発するか否かを判断する帰港判断部と、
を具備することを特徴とする。燃料の残存量から航続可
能距離を算出し、帰港地への距離と比較することで、帰
港警報を発し、運転者の気づかないうちに残存燃料が少
なくなって(あるいは帰港地から離れすぎて)帰港が困
難となることを防止できる。
帰港予定時刻を記憶する帰港予定時刻記憶部と、前記帰
港距離算出部で算出された帰港距離に基づき、前記帰港
地への到達時刻を算出する到達時刻算出部と、前記到達
時刻算出部で算出された到達時刻と前記帰港予定時刻記
憶部に記憶された帰港予定時刻との比較に基づき、帰港
地への帰港を促す第2の帰港警報を発するか否かを判断
する第2の帰港判断部と、をさらに具備してもよい。運
転者の気づかないうちに、時間が経過し(あるいは帰港
地から離れすぎて)、帰港予定時刻に間に合わない事態
が生じることが防止される。
を参照して詳細に説明する。図1、図2はそれぞれ、本
発明の1実施形態に係る船舶10を表す斜視図、および
ブロック図である。図2に示すように船舶10は、船体
11、船外機12、および船体11と船外機12とを接
続する結線13、14から構成される。船体11には、
始動/停止スイッチ21、レバー角度センサ22、およ
びトリム/チルトスイッチ23を有するリモート・コン
トロール20、操舵角度センサ31を有するステアリン
グ30、船内表示装置41、GPS42、燃料レベル計
51、燃料流量計52、燃料タンク53が設置されてい
る。
ールユニット)61、エンジン62、伝達機構63、プ
ロペラ64を有し、ECU61にはスロットル開度セン
サ71、シフト位置センサ72、ステアリング角度セン
サ73、エンジン回転数センサ74等の各種センサと、
スロットル・アクチュエータ81、シフト・アクチュエ
ータ82、ステアリング・アクチュエータ83、トリム
制御装置84等のアクチュエータ類が接続されている。
結線13は、船体11側のケーブル131、互いに接続
されたコネクタ132、133、および船外機12側の
ケーブル134からなる。また、結線14は、船体11
側のケーブル141、互いに接続されたコネクタ14
2、143、および船外機12側のケーブル144から
なる。
始動/停止スイッチ21、レバー角度センサ22、トリ
ム/チルトスイッチ23、操舵角度センサ31(ひいて
は、リモート・コントロール20、およびステアリング
30)は、船外機12を制御するための制御信号入力部
および操作情報入力部として機能する。始動/停止スイ
ッチ21は、運転者の操作によりエンジン62の始動お
よび停止を行うための制御信号たる始動/停止信号を出
力するための開閉器である。レバー角度センサ22は、
リモート・コントロール20のリモコンレバー24の傾
き(角度)を検知してこのレバー角度信号をスロットル
・アクチュエータ81、シフト・アクチュエータ82を
制御する制御信号として出力する検出器である。即ち、
リモコンレバー24がニュートラル(中立)から所定の
角度以上船首側に倒されると船舶10が前進し、船尾側
に倒されると船舶10が後進するようにプロペラ64の
回転方向が変化する。そして、この所定の角度を超えて
船首、または船尾側にリモコンレバー24が倒されると
エンジン62のスロットルが徐々に開かれ、プロペラ6
4の回転速度(最終的には船速)が大きくなる。
操作により、トリム制御装置84を制御して船外機12
の傾き(トリム、チルト)を変化させるための制御信号
たるトリム/チルト信号を出力するための開閉器であ
る。後述するようにトリム/チルトスイッチ23をアッ
プ方向、ダウン方向にセットすることで、航行中におけ
る船舶10の船首の上げ下げを行い、最も効率(燃費)
および操船の安定性のバランスがとれた状態を選択でき
る。操舵角度センサ31は、ステアリング30の角度を
検知して、この操舵角度信号をステアリング・アクチュ
エータ83を制御する制御信号として出力する。即ち、
ステアリング30を回転することで、船外機12の向き
(船舶10の進行方向)が変化する。
PS42、燃料レベル計51、燃料流量計52は、船舶
10の状態を表す状態情報信号を入出力する状態情報入
出力部として機能する。船内表示装置41は、例えばC
RT(陰極線管)、LCD(液晶表示装置)であり、運
転者等に後述する各種情報を提供する表示装置である。
GPS(Global Positioning System)42は、衛星か
らの電波に基づき船舶10の位置を検出し、位置情報と
して出力する。燃料レベル計51は、燃料タンク53に
残存する燃料の量を検出する検出器であり、燃料残存量
情報を出力する。燃料流量計52は、燃料タンク53か
らエンジン62に流出する燃料の流量(単位時間当たり
に燃料タンク53から流出する燃料の量)を検出する検
出器であり、燃料流量(燃料消費量)情報を出力する。
燃料タンク53はエンジン62に燃料を供給する。
外機12の制御全般を行うものであり(船外機12を制
御する制御部として機能)、CPU(中央演算装置)、
記憶装置(RAM、ROM等)、補助記憶装置(不揮発
性のRAM、ハードディスク、CD−ROM、光磁気デ
ィスク等)、クロック等から構成される。
ロペラ64を回転させ、船舶10に推進力を与える。エ
ンジン62は、始動/停止スイッチ21からの始動/停
止信号に基づいて、停止状態からの始動、稼働状態から
の停止を行う。エンジンはその燃焼室内に供給する混合
気(燃料ガスと空気の混合ガス)の供給量を制御するス
ロットル(図示せず)を備える。伝達機構63は、エン
ジン62とプロペラ64の動力伝達状態を変化させるシ
フター(図示せず)を備えている。シフターの操作によ
って、プロペラ64を無回転としたり(ニュートラ
ル)、回転方向(順回転:船舶10の前進、逆回転:船
舶の後進)を変化させたりすることができる。
2のスロットルの開閉状態を検知する検出器であり、検
出したスロットル開度情報を出力する。シフト位置セン
サ72は、伝達機構63のシフターの状態(位置:ニュ
ートラル、前進、後進)を検出する検出器であり、検出
したシフト位置情報を出力する。ステアリング角度セン
サ73は、船外機12の船体11に対する向き(角度)
を検知する検出器であり、検出したステアリング角度情
報を出力する。エンジン回転数センサ74は、エンジン
62の単位時間当たり回転数を検出する検出器であり、
検出したエンジン回転数情報を出力する。
ー角度センサ22からのレバー角度信号に基づき、エン
ジン62のスロットルを作動する作動装置である。即
ち、リモコンレバー24を倒す角度(中立からみた角度
の大きさ)に対応して、エンジン62の回転数が増減す
る。シフト・アクチュエータ82は、レバー角度センサ
22からのレバー角度信号に基づき、伝達機構63のシ
フターを作動する作動装置である。即ち、リモコンレバ
ー24を倒す方向(中立、船首側、船尾側)に対応し
て、プロペラ64が無回転、順回転、逆回転する。ステ
アリング・アクチュエータ83は、操舵角度センサ31
からの操舵角度信号に基づき、船外機12の向きを変化
させる作動装置である。即ち、運転者がステアリング3
0を回転することで、船舶10の進行方向が変化する。
イッチ23からのトリム/チルト信号に基づき、船外機
12の傾き(トリム角)を変化させる。即ち、運転者が
トリム/チルトスイッチ23をアップ方向にセットする
と船外機12はチルト域方向へと傾きが大きくなり、ダ
ウン方向にセットすると船外機12はトリム域方向へと
傾きが小さくなる。船外機12の傾きをチルト域方向と
すると(トリム/チルトスイッチ23をアップ方向とす
る)船舶10の航行中に船首が上がり、船外機12の傾
きをトリム域方向とすると(トリム/チルトスイッチ2
3をダウン方向とする)船舶10の航行中に船首が下が
る。
増加による性能や燃費の低下を招く。一方、船首が下が
ると停止状態からの発進加速が良くなるが、高速走行時
における船首での水の抵抗増加による船舶10の安定性
低下、操船困難を招くおそれがある。一般的には、船首
がキールラインと水面のなす角にして数度程度上がって
いるのが効率および安定性が良いとされている。船首の
上がり下がりは、トリム角のみによるものではなく、船
速、積載重量(乗員の数等)等に依存して変化する。従
って、船速や積載重量等を考慮して、最適なトリム角を
選択することで、燃費および安定性が良好な状態とする
ことができる。
の詳細)ケーブル131は、始動/停止スイッチ21、
レバー角度センサ22、トリム/チルトスイッチ23、
操舵角度センサ31に接続され、これらから出力される
船外機12を制御するための制御信号を伝達する。これ
らの制御信号はコネクタ132、133、ケーブル13
4を介してECU61に伝達され、船外機12の制御に
利用される。ケーブル141は、船内表示装置41、G
PS42、燃料レベル計51、燃料流量計52に接続さ
れ、コネクタ142、143、ケーブル144を介して
ECU61に接続される。ECU61は、GPS42、
燃料レベル計51等から出力される位置情報等に基づき
後述する種々の演算を行い、この演算結果を船内表示装
置41によって運転者に示す。
131、134)は船外機12を制御するための制御信
号の伝達経路であり、結線14(ケーブル141、14
4)は運転者に示すための(換言すれば船外機12の制
御には用いられない)表示情報用信号の伝達経路であ
る。このように制御系の配線(制御信号等船外機12の
制御に係る信号を伝達)と情報系の配線(表示情報用信
号等船外機12の制御には拘わらない信号を伝達)に互
いに異なるケーブル131、141等を用いることから
(制御系と情報系のケーブルの相互独立化)以下のよう
な利点がもたらされる。
れる。具体的には、情報系の配線やその接続ノード(船
内表示装置41、GPS42等情報系の信号の入出力機
器)に異常が起きた場合であっても、船外機12を制御
する制御系の配線やその接続ノード(始動/停止スイッ
チ21等制御系の信号の入出力機器)に影響を与えにく
くなる。例えば、結線14が切断やショートしたとして
も、運転者が結線13を用いて船外機12を操作するこ
とで、船舶10の航行が可能である。
船体11への取り付けは船体の製作者(ボードビルダ
ー)や船体の販売者(ディーラー)で行われるのが通例
であり、一般に船外機12の製作者によっては行われな
い。ボードビルダーやディーラーは、船外機12に関す
る深い技術的知識を有するとは限らないので、船外機1
2と船体11間の電気的接続を誤る可能性がある。一本
のケーブルに種々の配線を含むと誤結線が生じやすくな
る。ケーブルを制御系、情報系に区分することで、ボー
ドビルダー等による誤結線の可能性が低減する。以下
〜のようにすることで、より確実な誤配線の防止が可
能となる。
2、143を互いに異ならせる。この結果、コネクタ1
32とコネクタ143、コネクタ133とコネクタ14
2が誤って接続されることを防止できる。即ち、互いに
勘合できないコネクタを用いることで、コネクタの結合
(接続)ミスによる誤配線を防止できる。このときのコ
ネクタ132、133等の外径は、船体11側での取り
扱いを考慮し、ある程度(例えば、直径40mm)以内
に制限することが望ましい。船体11側でのケーブル1
31、141等の配線は所定のパイプ(船内配管)を通
して行われるのが通例なので、この船内配管の内径より
もコネクタの外径をある程度小さくしないとケーブル1
31、141等の配線が行い難くなる。
1、144の被覆の色を互いに異ならせる。接続作業中
にケーブル131とケーブル141、ケーブル134と
ケーブル144の色彩を確認することで、ケーブル13
1、134等の接続ミスによる誤配線を防止できる。こ
のとき、ケーブル131とケーブル134を同一色(一
例として赤)とすることがより好ましい。同様に、ケー
ブル141とケーブル144も同一色(一例として白)
とすることが好ましい。
1、144の太さを互いに異ならせる。接続作業中にケ
ーブル131等の太さを確認することで、ケーブル13
1、134等の接続ミスによる誤配線を防止できる。こ
のとき、ケーブル131とケーブル134、ケーブル1
41とケーブル144を互いに同一外径とすることが好
ましい。
内表示装置41は以下A〜Hに示す情報を表示できる。 A. 船速Sの表示 船速S(単位:km/hour、ノット=海里/時間)は、
GPS42からの位置情報に基づき船舶10の移動距離
を求めて、これを移動時間で割り算することで導出でき
る。
(単位:リットル/km、リットル/海里等)を表示す
る。燃費Eは、船速Sから次の式(1)に基づき算出で
きる。 E=F/S …… 式(1) ここで、F:単位時間当たりの消費燃料量(燃料消費速
度、単位:リットル/時間)である。燃料消費速度Fは
燃料流量計52からの燃料流量情報に基づき求められ
る。なお、燃費Eは船速Sに依存し、船速Sを大きくす
ると一般に低下する。
等)は燃料レベル計51からの燃料残存量情報によって
知ることができる他、以下の式(2)によって求めるこ
ともできる。 ΔV=V0−V1 …… 式(2) ここで、V0:燃料タンク53に収容可能な燃料の容量
(燃料容量、単位:リットル) V1:エンジン62で消費された燃料消費量(単位:リ
ットル) であり、燃料消費量V1は燃料流量計52からの燃料流
量情報に基づき、燃料流量を積算することで算出でき
る。
り、燃料の残存量ΔVおよび燃費Eから以下の式(3)
によって算出できる。 L=ΔV×E …… 式(3) 式(3)によって算出される航続可能距離Lは、燃費E
が船速Sによって変化することから、船速Sに依存す
る。即ち、航続可能距離Lは船舶10が現在の船速を維
持したときの到達距離を示す。
あり、航続可能距離Lおよび船速Sから以下の式(4)
により算出できる。 T=L/S …… 式(4)
警報であり、帰港距離警報(航続可能距離Lが現在地か
ら帰港地までの距離に近づいたときに発せられる)と帰
港限界警報(現在地から帰港地へと到達する時刻が設定
した帰港時刻に近づいたときに発せられる)の2通りが
ある。運転者が運転や釣り等に熱中し、燃料の残量が少
ないのに気づかなかったり、帰港の開始が遅れたりする
場合があることを配慮したものである。この帰港警報
は、船内表示装置41による画像のみではなく、音声等
他の方法も併用して行われるのが好ましい。
ざかると帰港に必要な燃料が不足する危険性が生じるこ
とを警告するものである。帰港距離警報の必要の有無
は、航続可能距離Lから以下の式(5)が成立すること
を条件に判断できる。 L ≦ L0×k …… 式(5) ここで、L0:現在地から帰港地までの距離(帰港距
離、単位:海里) k:安全係数 である。帰港距離L0は、帰港地の位置とGPS42か
らの位置情報に基づき算出できる。安全係数kは航続可
能距離Lの誤差等を考慮して、安全を見込んだものであ
り、例えば1.2、1.3等の数値が適宜に採用され
る。
ざかると帰港予定時刻までに帰港地にたどり着けない危
険性が生じることを警告するものである。例えば帰港地
によっては入港時刻の制限があり、帰港地に到達しても
入港ができない場合もあるからである。即ち、帰港時刻
警報には、帰港地への到達時刻t1が考慮に入れられ
る。この帰港時刻警報は帰港距離、船速Sから次の式
(6)が成立するときに発せられる。 t2−t0 ≦(t1−t0)×k1 =(L0/S)×k1 ……式(6) ここで、t0:現在時刻 t2:帰港予定時刻 k1:安全係数 である。安全係数k1は船速Sの誤差等を考慮し一定の
安全を見込んだものであり、例えば1.2、1.3等の
数値が適宜に採用される。
下、本図に基づき説明する。 帰港地を入力する(ステップS101)。帰港地の位
置(座標)を設定するためである。設定された帰港地の
座標はECU61の記憶装置、補助記憶装置等に記憶さ
れる。このとき、帰港地の座標自体、または帰港地の名
称等帰港地を識別する帰港地識別情報のいずれかが入力
されればよい。帰港地の名称等が入力された場合にはE
CU61の補助記憶装置に予め記憶した帰港地識別情報
と帰港地の座標の対応関係が表された対応テーブルを用
いて、帰港地の座標を設定する。
S102)。この入力は帰港地に入港制限がある場合等
帰港地に到達する時刻を設定しておきたい場合に行われ
る。 航続可能距離Lが導出される(ステップS103)。
航続可能距離Lは、D.で述べたように、燃料残存量Δ
V、燃費Eに基づき算出できる。ここで、燃料残存量Δ
Vの導出はC.で述べたように、燃料流量計52からの
情報に基づく燃料流量の積算、もしくは燃料レベル計5
1からの情報に基づき行われる。燃費Eの導出はB.で
述べたように、燃料消費速度Fと船速Sに基づき行われ
る。
L0)が導出される(ステップS104)。帰港距離L
0は、(1)で述べたように、帰港地の座標とGPS4
2からの位置情報に基づき算出できる。 航続可能距離Lが帰港距離L0に比べて充分大きいか
否かが判断される(ステップS105)。即ち、航続可
能距離Lと帰港距離L0が比較される。具体的には、式
(5)を用いてこの比較を行える。この判断がNoな
ら、航続可能距離が帰港距離に接近していている旨の帰
港距離警報が発せられる(ステップS107)。
には、帰港予定時刻t2が入力されているか(記憶され
ているか)が判断される(ステップS107)。ステッ
プS107での判断がYesの場合に、帰港地への到達
時刻t1が導出され(ステップS108)、さらに到達
時刻t1が帰港予定時刻t2に比べて充分早いか否かが
判断される(ステップS109)。即ち、到達時刻t1
と帰港予定時刻t2が比較される。具体的には、式
(6)を用いてこの比較を行える。
到達時刻t1が帰港予定時刻t2に接近していている旨
の帰港時刻警報が発せられる(ステップS110)。 ステップS106、S110での帰港警報、ステップ
S107、S109での判断がYesだった場合には、
ステップS103に戻り手続が繰り返される。この結
果、船内表示装置41に表示される帰港警報の内容は適
宜に更新される。
と深い関係にある。そこで、船舶10の船速等に対応し
て最適なトリム角を表示することで運転者への便宜を図
ることができる。運転者は、トリム/チルトスイッチ2
3を操作して、この最適トリム角に対応するように船外
機12のトリム角を設定できる。船速S、積載重量等と
最適トリム角の関係を表した換算テーブルをECU61
の補助記憶装置内に備えておき、船速S等の測定可能な
パラメータを用いてこの換算テーブルを参照することで
最適トリム角を導出できる。船舶10で自動的な測定が
できないパラメータがあればこのパラメータは運転者が
入力するか、最適トリム角を場合分けして表示すればよ
い。場合分け表示は例えば、積載重量とこれにに対応す
る最適トリム角の関係を表す表、グラフ等を用いて行え
る。なお、船速等に対応した最適トリム角は、ボードビ
ルダー、運転者等がトリム角、船速、積載重量等を変化
させて船舶10を航行させ、燃費、安定性等を測定する
ことで求められる。
表示 エンジン回転数センサ74からのエンジン回転数情報、
燃料流量計52からの燃料流量情報、冷却水の温度等エ
ンジン62等の一般的な状態を表示する。 このとき船外機12が複数あるときには、1つの船内
表示装置41上に複数のエンジン62の状態を集約して
表示できる。 また、エンジン62に故障が発生したときに、故障の
発生、このときの点検箇所、修理方法等を表示すること
もできる。エンジン62の状態を表すパラメータ(エン
ジン回転数、エンジン温度等)が正常範囲から逸脱した
ことで、エンジン62の故障の発生を検知できる。ま
た、要点検箇所、修理方法は、ECU61の補助記憶装
置内に記憶された、異常となったパラメータと要点検箇
所、修理方法との対応関係を表す対応テーブルを参照す
ることで表示できる。例えば、冷却水の温度の上昇は、
冷却水の吸水口が塞がっており、吸水口から海草等を除
去することで解消される可能性がある。以上A〜Hの表
示は文字情報のみに限る必要はなく、例えばエンジン6
2をグラフィックで表示することで、運転者にとって判
り易い表示とすることができる。また、船舶の状態は視
覚的な表示に限らず、音声によって表示することもでき
る。
上記実施形態には限られず拡張、変更できる。拡張、変
更された実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。例
えば、帰港警報(帰港距離警報、帰港時刻警報)は、帰
港の困難性に応じて複数の段階に設定することができ
る。このようにすると燃料の残存量の減少等に対応し
て、危険性が高くなっていることを運転者にしめすこと
ができる。この段階は、式(5)、(6)の安全係数に
複数の数値を用いることで、設定できる。また、制御信
号は、始動/停止スイッチ21、レバー角度センサ2
2、トリム/チルトスイッチ23、操舵角度センサ31
のいずれかから出力される信号には限られない。他の信
号であっても、船外機12の制御に不可欠な信号であれ
ば制御信号に含まれる。例えば、GPS42からの位置
情報に基づき船舶10の自動運転が可能な場合には、G
PS42からの信号は船外機12の制御に間接的に利用
されることになる。このように船外機12の制御に間接
的に用いられる信号も制御信号に含まれる。
内LANの一部に異常が発生しても、船外機の操作が不
能になりにくい船外機、船外機操作装置、船舶を提供す
ることができる。
斜視図である。
表すブロック図である。
14…結線、 131、134、141、144…ケー
ブル、 132、133、142、143…コネクタ、
20…リモート・コントロール、 21…始動/停止
スイッチ、 22…レバー角度センサ、 23…トリム
/チルトスイッチ、 24…リモコンレバー、 30…
ステアリング、 31…操舵角度センサ、 41…船内
表示装置、 42…GPS、 51…燃料レベル計、
52…燃料流量計、 53…燃料タンク、 61…EC
U(エンジンコントロールユニット)、 62…エンジ
ン、 63…伝達機構、 64…プロペラ、 71…ス
ロットル開度センサ、 72…シフト位置センサ、 7
3…ステアリング角度センサ、 74…エンジン回転数
センサ、 81…スロットル・アクチュエータ、 82
…シフト・アクチュエータ、 83…ステアリング・ア
クチュエータ、 84…トリム制御装置
Claims (20)
- 【請求項1】 船外機を制御する制御信号を入力する制
御信号入力部と、 前記制御信号入力部で入力された前記制御信号に基づい
て、前記船外機を制御する制御部と、 船舶の状態を表す状態情報信号を入出力する状態情報入
出力部と、 前記制御信号入力部に接続された第1のケーブルと、 前記状態情報入出力部に接続され、かつ前記第1のケー
ブルと独立した第2のケーブルと、を具備することを特
徴とする船外機。 - 【請求項2】 前記制御信号入力部で入力される前記制
御信号が、前記船外機のスロットル、シフト、またはス
テアリングの操作、若しくはエンジンの始動または停止
のいずれかを行うための信号を含むことを特徴とする請
求項1記載の船外機。 - 【請求項3】 前記状態情報入出力部で入出力される前
記状態情報信号が、そのまま又は何らかの演算後に表示
装置で表示するための信号を含むことを特徴とする請求
項1記載の船外機。 - 【請求項4】 前記第1および第2のケーブルの色彩、
または外径が互いに異なることを特徴とする請求項1記
載の船外機。 - 【請求項5】 前記第1および第2のケーブルそれぞれ
に、対応するコネクタと結合する結合部の形状が互いに
異なるコネクタが接続されていることを特徴とする請求
項1記載の船外機。 - 【請求項6】 船舶の状態を表示する表示部と、 船外機を操作するための操作情報を入力し、該操作情報
に対応した制御信号を出力する操作情報入力部と、 前記操作情報入力部から出力された前記制御信号を伝達
する第1のケーブルと、 前記表示部に表示させるため、かつ前記船舶の状態を表
す状態情報信号を伝達し、かつ前記第1のケーブルと独
立した第2のケーブルとを具備することを特徴とする船
外機操作装置。 - 【請求項7】 船舶の状態を表示する表示部と、 船外機を操作するための操作情報を入力し、該操作情報
に対応した制御信号を出力する操作情報入力部と、 前記操作情報入力部から出力された前記制御信号を伝達
する第1のケーブルと、 前記表示部に表示させるため、かつ前記船舶の状態を表
す状態情報信号を伝達し、かつ前記第1のケーブルと独
立した第2のケーブルと前記第1のケーブルに対応し、
前記制御情報を伝達する第3のケーブルと、 前記第2のケーブルに対応し、前記状態情報信号を伝達
し、かつ前記第3のケーブルと独立した第4のケーブル
と、 前記第3のケーブルで伝達された前記制御信号に基づい
て、前記船外機を制御する制御部と、 前記第4のケーブルに接続され、前記状態情報信号を入
出力する状態情報入出力部と、を具備することを特徴と
する船舶。 - 【請求項8】 燃料の残存量と燃費に基づき、航続可能
距離を算出する航続可能距離算出部と、 現在地から帰港地までの帰港距離を算出する帰港距離算
出部と、 前記航続可能距離算出部で算出された航続可能距離と前
記帰港距離算出部で算出された帰港距離との比較に基づ
き、前記帰港地への帰港を促す帰港警報を発するか否か
を判断する帰港判断部と、を具備することを特徴とする
帰港警報装置。 - 【請求項9】 前記帰港地への帰港予定時刻を記憶する
帰港予定時刻記憶部と、 前記帰港距離算出部で算出された帰港距離に基づき、前
記帰港地への到達時刻を算出する到達時刻算出部と、 前記到達時刻算出部で算出された到達時刻と帰港予定時
刻との比較に基づき、帰港地への帰港を促す第2の帰港
警報を発するか否かを判断する第2の帰港判断部と、を
さらに具備することを特徴とする請求項8記載の帰港警
報装置。 - 【請求項10】 燃料の残存量と燃費に基づき、航続可
能距離を算出する航続可能距離算出ステップと、 現在地から帰港地までの帰港距離を算出する帰港距離算
出ステップと、 前記航続可能距離算出ステップで算出された航続可能距
離と前記帰港距離算出ステップで算出された帰港距離と
の比較に基づき、前記帰港地への帰港を促す帰港警報を
発するか否かを判断する帰港判断ステップと、を具備す
ることを特徴とする帰港警報方法。 - 【請求項11】 前記帰港距離算出ステップで算出され
た帰港距離に基づき、前記帰港地への到達時刻を算出す
る到達時刻算出ステップと、 前記到達時刻算出ステップで算出された到達時刻と帰港
予定時刻記憶部に記憶された帰港予定時刻との比較に基
づき、帰港地への帰港を促す第2の帰港警報を発するか
否かを判断する第2の帰港判断ステップと、をさらに具
備することを特徴とする請求項10記載の帰港警報方
法。 - 【請求項12】 前記船舶の位置の時間的変化に基づい
て、該船舶の船速を算出する船速算出部をさらに具備
し、 前記表示部が、前記船速算出部で算出された船速を表示
することを特徴とする請求項6記載の船外機操作装置。 - 【請求項13】 前記船舶の船速と、前記船外機による
燃料消費量の時間的変化とに基づいて、該船舶の燃費を
算出する燃費算出部とをさらに具備し、 前記表示部が、前記燃費算出部で算出された燃費を表示
することを特徴とする請求項6記載の船外機操作装置。 - 【請求項14】 前記船外機の燃料消費量に基づいて、
前記船舶の燃料の残存量を算出する燃料残存量算出部を
さらに具備し、 前記表示部が、前記燃料残存量算出部で算出された燃料
の残存量を表示することを特徴とする請求項6記載の船
外機操作装置。 - 【請求項15】 前記船舶の燃費と燃料の残存量とに基
づいて、該船舶の航続可能距離を算出する航続可能距離
算出部をさらに具備し、 前記表示部が、前記航続可能距離算出部で算出された航
続可能距離を表示することを特徴とする請求項6記載の
船外機操作装置。 - 【請求項16】 前記船舶の船速と航続可能距離とに基
づいて、該船舶の航続可能時間を算出する航続可能時間
算出部をさらに具備し、 前記表示部が、前記航続可能時間算出部で算出された航
続可能時間を表示することを特徴とする請求項6記載の
船外機操作装置。 - 【請求項17】 前記船舶の船速と前記船外機の最適ト
リム角度との関係を表したテーブルをさらに具備し、 前記表示部が、前記テーブルに基づき、最適トリム角度
を表示することを特徴とする請求項6記載の船外機操作
装置。 - 【請求項18】 前記表示部が、前記船外機の状態を検
出する検出部による検出結果に基づき、該船外機の状態
を表示することを特徴とする請求項6記載の船外機操作
装置。 - 【請求項19】 前記船舶が船外機を複数有し、 前記表示部が、前記複数の船外機の状態を併せて表示す
ることを特徴とする請求項18記載の船外機操作装置。 - 【請求項20】 前記船外機の状態が正常範囲内か否か
を判断する判断部をさらに具備し、 前記判断部が前記船外機の状態が正常範囲でないと判断
したときに、前記表示装置が正常範囲にない該船外機の
部位を識別する情報を表示することを特徴とする請求項
18記載の船外機操作装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002307374A JP2003200895A (ja) | 2001-10-30 | 2002-10-22 | 船外機、船外機操作装置、船舶、帰港警報装置、および帰港警報方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001333207 | 2001-10-30 | ||
JP2001-333207 | 2001-10-30 | ||
JP2002307374A JP2003200895A (ja) | 2001-10-30 | 2002-10-22 | 船外機、船外機操作装置、船舶、帰港警報装置、および帰港警報方法 |
Publications (1)
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---|---|
JP2003200895A true JP2003200895A (ja) | 2003-07-15 |
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ID=27666678
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002307374A Ceased JP2003200895A (ja) | 2001-10-30 | 2002-10-22 | 船外機、船外機操作装置、船舶、帰港警報装置、および帰港警報方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2003200895A (ja) |
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-
2002
- 2002-10-22 JP JP2002307374A patent/JP2003200895A/ja not_active Ceased
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