JP2003200377A - ロボット,ロボットによる測距方法 - Google Patents

ロボット,ロボットによる測距方法

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JP2003200377A
JP2003200377A JP2001395279A JP2001395279A JP2003200377A JP 2003200377 A JP2003200377 A JP 2003200377A JP 2001395279 A JP2001395279 A JP 2001395279A JP 2001395279 A JP2001395279 A JP 2001395279A JP 2003200377 A JP2003200377 A JP 2003200377A
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玄 遠藤
Takeshi Igarashi
健 五十嵐
Takeshi Ohashi
武史 大橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 視線間ラインと略平行な測距対象の測距が高
精度で可能なロボットを提供すること。 【解決手段】 頭部に撮像装置を搭載したロボットであ
って,胴部から繋がる首部と,外界を撮像する左撮像装
置と右撮像装置と,両撮像装置が設置される撮像装置基
台と,首部に対して撮像装置基台を傾斜させる傾斜装置
と,両撮像装置から得られる画像情報を処理し,撮像さ
れた測距対象から両撮像装置までの距離を計算する画像
処理部と,を具備し,両撮像装置の視線の中心とを結ん
だ直線を視線間ラインとすると,画像処理部で測距対象
が視線間ラインと略平行であると判定した際には,傾斜
装置を動作させて撮像装置基台を傾斜させ,再度撮像
し,再度撮像された画像情報に基づいて測距対象から両
撮像装置までの距離を計算することを特徴とする,ロボ
ットが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,ロボットおよびロ
ボットによる測距方法にかかり,特に,撮像装置を頭部
に搭載したロボットおよび当該ロボットによる測距方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,撮像装置であるカメラを頭部に搭
載し,撮像した画像情報を処理して,周辺環境を視覚的
に認識可能なロボットが提案されている。さらに,2つ
のカメラにより測距対象を撮像し,いわゆるステレオビ
ューによって,ロボットから測距対象までの距離計測
(測距)を行うロボットも提案されている。
【0003】このステレオビューとは,例えば2つのカ
メラを有するステレオカメラで撮像した一対の画像の相
関を求めて,測距対象の対応点を特定し,両カメラにお
いて撮像された画像の座標のずれ(以下では,視差とい
う)から,三角測量を応用して測距対象までの距離を算
出する手法である。
【0004】かかるステレオビューでは,両カメラで撮
像した測距対象が,それぞれのカメラの撮像範囲にその
全長が含まれるものであれば測距可能であるが,撮像し
た測距対象が,例えば棒状体であったり,大きな台であ
ったりした場合に,測距に支障が生ずることがある。即
ち,両カメラにより撮像した画像上で,測距対象が,例
えば単なる直線となっていて切れ目がなく,さらに両カ
メラの視線間ラインと略平行に伸びるものである場合に
は,視差を演算するための基礎情報を得られず,結果と
して測距不能となる。
【0005】従って,上記ロボットでは,かかる測距不
能となる測距対象に対応するため,カメラごとに視線を
移動可能にする機構が具備されているものもあった。即
ち,各カメラは,ロボット本体に対して回動自在に取り
付けられるとともに,アクチュエータによりそれぞれ回
動可能に構成されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記従
来のロボットでは,各カメラがアクチュエータにより移
動されるため,安定性に欠けるので,測距精度の向上が
図れないという問題があった。また,撮像された画像上
で視線間ラインと略平行となる測距対象を測距するため
には,両カメラの視線間ラインをずらす必要があるが,
この際にもアクチュエータを用いてカメラを移動させな
ければならないので,精度向上が図れない。また,単に
両カメラの視線を固定しても,双方をともに傾斜させる
には,大きな駆動機構が必要となるという問題があっ
た。
【0007】本発明は,従来のロボットが有する上記問
題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,視
線間ラインと略平行な測距対象の測距が可能であり,撮
像装置が搭載された頭部の傾斜動作をより迅速かつ精確
に行い,測距精度を向上することの可能な,新規かつ改
良されたロボットを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め,本発明の第1の観点によれば,頭部に撮像装置を搭
載したロボットであって,胴部から繋がる首部と,外界
を撮像する左撮像装置と右撮像装置と,左撮像装置と右
撮像装置が設置される撮像装置基台と,首部に対して撮
像装置基台を傾斜させる傾斜装置と,左撮像装置と右撮
像装置から得られる画像情報を処理し,撮像された測距
対象から左撮像装置および右撮像装置までの距離を計算
する画像処理部と,を具備し,左撮像装置の視線と右撮
像装置の視線とを結んだ直線を視線間ラインとすると,
画像処理部が,左撮像装置および右撮像装置により撮像
された画像上において測距対象は視線間ラインと略平行
であると判定した際には,傾斜装置を動作させて撮像装
置基台を傾斜させ,再度撮像し,再度撮像された画像情
報に基づいて測距対象から左撮像装置および右撮像装置
までの距離を計算することを特徴とする,ロボットが提
供される。
【0009】ここで,頭部は,動物・人間の頭のごとき
意匠を施した部分であって,操作者等がそのロボットと
のコミュニケーションをとるにあたって,注意をする部
分としての違和感がなくなるよう作用する。また,胴部
は,動物・人間の胴のごとき意匠を施した部分であっ
て,前記頭部を設置する基台となるように作用する。さ
らに,左および右撮像装置は,外部環境にかかり画像認
識,測距演算等の処理がされる画像情報を取得するよう
作用し,それぞれ動物・人間の目に該当する位置に配さ
れる部分である。また,撮像装置基台は,首部にリンク
され上記左および右撮像装置を共に固定する基台として
作用する。さらに,傾斜装置は,上記撮像装置基台に設
置された左および右撮像装置を共に傾斜させるよう作用
する。このため,測距対象が例えば棒状体や大きな台等
であって視線間ラインと略平行である場合でも,頭部の
撮像装置基台を傾斜させることにより,撮像された画像
上において測距対象を視線間ラインと非平行にできる。
【0010】また,上記傾斜装置は,撮像装置基台と首
部とをリンクして,ロール軸方向に回動する第1の回動
軸を中心に撮像装置基台を回動させる第1のリンク機構
である,如く構成すれば,第1のリンク機構を動作させ
て撮像装置基台を回動させることにより,容易かつ円滑
に頭部を傾斜できる。また,撮像装置基台はロール軸方
向に回動できるので,頭部を正面に対して左右に傾ける
ことができる。さらに,かかる第1のリンク機構により
首部の関節を構成することも可能である。
【0011】なお,撮像装置の視線とは,撮像装置の入
像口(例えばカメラのレンズ)の略中心から撮像方向に
延びる直線であり,例えば,撮像装置がレンズを備えた
カメラである場合には,視線はカメラの光軸となる。
【0012】さらに,上記第1のリンク機構は,首部に
その基底部分を取り付けたモータと,モータの基底部分
の他端から出された駆動軸に連接され,入力軸と出力軸
が対向して設けられた減速機とを具備し,撮像装置基台
は,減速機の出力軸に固設されるとともに,首部に回動
可能に軸支される,如く構成すれば,第1のリンク機構
を,カメラ基台の略直下に配置でき,頭部の回動を高精
度で制御できる。また,かかる第1のリンク機構は,比
較的簡単な構造であり,設置スペースも小さくて済む。
【0013】さらに,上記左撮像装置および右撮像装置
は,双方の視線の中点が,第1の回動軸の略中心または
その近傍にあるように配される,如く構成すれば,両撮
像装置の視線の中点は,頭部を回動させて元の位置から
ほとんど移動しない。このため,両撮像装置をオフセッ
トがないように回動させて測距対象を撮像できるため,
画像処理と測距演算が容易となり,迅速かつ正確な測距
が可能となる。
【0014】また,上記第1の回動軸は,頭部の質量中
心またはその近傍を通るように配される,如く構成すれ
ば,第1の回動軸を中心として頭部を回動する際に,頭
部のイナーシャ(慣性モーメント)を低く保ち,かかる
回動に要する駆動力(負荷)を低減できる。このため,
頭部の傾斜動作をより迅速・俊敏に行うことができる。
【0015】また,上記首部は,撮像装置基台が第1の
回動軸を中心に所定角度以上回動することを制限するス
トッパを具備する,如く構成すれば,頭部が所定角度回
動した状態で頭部を安定的に固定しやすい。これによ
り,測距のために頭部を傾斜させて撮像する際に,撮像
精度が向上する。
【0016】さらに,上記ストッパは,撮像装置基台の
回動が所定角度に達したことを検出するリミッタスイッ
チを具備する,如く構成すれば,撮像装置基台の回動が
所定角度に達した場合に,傾斜装置の動作を停止させる
ことができる。
【0017】また,上記撮像装置基台は,左撮像装置お
よび右撮像装置の設置位置を調整するアジャスタ装置を
備える,如く構成すれば,傾斜装置等の組み立て寸法誤
差による測距に対する影響を校正することができる。こ
のため,ソフトウエア上での校正によって測距精度が向
上しない場合でも,測距精度の向上を図ることができ
る。
【0018】また,上記撮像装置基台には,画像処理部
を具備する頭部電子基板が設置される,如く構成すれ
ば,撮像装置の近傍で画像情報処理等を行うことができ
るので,データ量が低減するとともに,迅速な画像認識
や測距が可能になる。また,画像情報データ伝達用の配
線等の各種装置を簡素化できる。
【0019】また,首部は,第1の回動軸の下方に,ピ
ッチ軸方向に回動する第2の回動軸と,ヨー軸方向に回
動する第3の回動軸と,ピッチ軸方向に回動する第4の
回動軸と,を具備する,如く構成すれば,首部の関節は
4自由度を有するので,頭部を胴部に対して多様に駆動
させることができる。これにより,ロボットの表現力が
高まるとともに,撮像装置による撮像可能範囲も拡大す
る。
【0020】さらに,上記第2〜4の回動軸は,頭部か
ら胴部にかけて,第2の回動軸,第3の回動軸,第4の
回動軸の順に配される,如く構成すれば,各回動軸が効
率的に配されて無駄なスペースを削減できるとともに,
首部の関節の機能性が高まり,ロボットの表現力が豊か
になる。
【0021】また,上記左撮像装置および右撮像装置
は,ステレオカメラを構成する,如く構成すれば,ステ
レオビューにより測距が容易に可能になる。
【0022】また,上記課題を解決するため,本発明の
別の観点によれば,頭部に左撮像装置と右撮像装置を搭
載したロボットによる測距方法であって,左撮像装置と
右撮像装置により測距対象を撮像する,第1の撮像工程
と,左撮像装置の視線の中心と右撮像装置の視線の中心
とを結んだ直線を視線間ラインとすると,左撮像装置お
よび右撮像装置により撮像された画像上において測距対
象が視線間ラインと略平行であるか否かを判定する,判
定工程と,判定工程において,測距対象が視線間ライン
と略平行であると判定された場合には,頭部を傾斜させ
る,頭部傾斜工程と,測距対象を再度撮像する,第2の
撮像工程と,再度撮像された画像情報に基づいて測距対
象から左撮像装置および右撮像装置までの距離を演算す
る,演算工程と,を含むことを特徴とする,ロボットに
よる測距方法が提供される。
【0023】さらに,上記頭部傾斜工程は,左撮像装置
と右撮像装置が設置された撮像装置基台を,撮像装置基
台にリンクされロール軸方向に回動する第1の回動軸を
中心に,回動させる,如く構成してもよい。
【0024】また,上記左撮像装置および右撮像装置
は,双方の視線の中点が,第1の回動軸の略中心または
その近傍にあるように配される,如く構成してもよい。
【0025】また,上記第1の回動軸は,頭部の質量中
心またはその近傍を通るように配される,如く構成して
もよい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照しながら,
本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。な
お,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構
成を有する構成要素については,同一の符号を付するこ
とにより重複説明を省略する。
【0027】(第1の実施の形態)まず,本発明にかか
る第1の実施の形態について説明する。なお,以下で
は,本実施形態にかかるロボットとして,ヒューマノイ
ド・ロボットの例を挙げ,また,本実施形態にかかる撮
像装置として,カメラの例を挙げて説明するが,本発明
はかかる例に限定されない。
【0028】まず,図1に基づいて,本実施形態にかか
るロボットの概要について説明する。なお,図1は,本
実施形態にかかるロボット1の全体構成を示す斜視図で
ある。
【0029】図1に示すように,ロボット1は,2足歩
行が可能なヒューマノイド・ロボット(人間型脚式移動
ロボット)であり,全長が例えば50〜60cmであ
る。かかるロボット1は,上端に配される頭部10と,
全身の略中央部に位置する胴部20と,頭部10を胴部
20とを連結する首部30と,胴部10の左右両側に設
けられた左腕部40および右腕部50と,胴部20から
下方に延設され脚式移動を行う左脚部60および右脚部
70とを具備する。
【0030】頭部10は,首部30の関節により胴部2
0に対して回動可能に連結される。かかる頭部10は,
頭部外装12に覆われた内部には,外界を撮像するカメ
ラ14,外部からの音声等を収音するマイク16が搭載
されており,首部30との間に電子音声等を発音するス
ピーカ18を具備する。
【0031】胴部20は,胸部21と,腰部22と,胸
部21と腰部22を連結する胴関節23とから構成され
る。かかる胴部20は,内部に比較的大きな容積を確保
することができるので,電源部や後述する中央制御装置
(図示せず)などが配置される。電源部は,後述するア
クチュエータ,制御装置およびカメラ14などの各部が
消費する電力を供給するバッテリであり,例えばニッケ
ル水素電池などである。さらに,胴部20には,ロボッ
ト1の姿勢を制御するための姿勢制御用センサ(図示せ
ず)が設けられる。この姿勢制御用センサは,ロボット
1の加速度や回転運動の角速度を検出することができ,
例えばジャイロセンサなどである。なお,かかる姿勢制
御用センサは,頭部10など胴部20以外の箇所に設置
することも可能である。
【0032】左腕部40および右腕部50は,肩関節4
1,51と,上腕42,52と,肘関節43,53と,
下腕44,54と,手首関節45,55と,手先部4
6,56とから構成され,肩関節41,51によって胴
部20の上部の両側に連結されている。
【0033】左脚部60および右脚部70は,股関節6
1,71と,大腿部62,72と,膝関節63,73
と,脛部64,74と,足首関節65,75と,足平部
66,76とから構成され,股関節61,71によって
胴部20の下部に連結されている。さらに,両脚部6
0,70の足平部66,76には,地面の状態やそこか
ら受ける圧力を検出するセンサとして例えば圧力センサ
(図示せず)が設けられている。また,かかる圧力セン
サを手先部46,56などのロボット1が外部と接触し
うる箇所に設けて,各部における接触状態を検出できる
ようにしてもよい。
【0034】以上のように,ロボット1は,各部に複数
の関節(リンク機構)を有しており,回動軸を中心に各
関節を好適な角度だけ回動させることで,2足歩行や各
種の動作が可能である。かかる各関節は,1または2以
上のアクチュエータから構成されている。アクチュエー
タは,例えば減速機を備えたサーボモータなどからな
り,中央制御装置からの指示信号に基づいて,関節を所
定の回動速度で回動させ,所定の回動角度で維持するこ
とができる。サーボモータは,例えば小型のACサーボ
モータまたはDCサーボモータなどであり,モータの駆
動を的確にフィードバック制御することができる。さら
に,かかるサーボモータには,その回転角度,角速度,
角加速度などを検出するためのセンサとして,例えばロ
ータリエンコーダが設けられている。また,減速機は,
サーボモータから大きなトルクを取り出すための機構で
あり,例えばハーモニック減速機等が用いられる。
【0035】各関節は,例えば設置されるアクチュエー
タおよび回動軸等の数に応じて所定の自由度を有してお
り,例えば,図1に示したロボット1では,肩関節4
1,51および股関節61,71が3自由度,足首関節
65,75および胴関節23が2自由度,手首関節4
5,55,肘関節43,53および膝関節63,73が
1自由度を有する。
【0036】次に,図2に基づいて,本実施形態の特徴
である頭部と首部をリンクする第1のリンク機構の構成
について説明する。なお,図2は,本実施形態にかかる
第1のリンク機構80の周辺各部を分解して示した分解
組立図である。
【0037】図2に示すように,第1のリンク機構80
は,首部30の上端で,頭部10のカメラ基台100と
首部30の首上ハウジング320をリンクして,第1の
回動軸31を中心にカメラ基台100を回動させる関節
である。なお,第1の回動軸31とは,減速器321,
第1のサーボモータM1および第2のベアリング322
の各駆動軸若しくは回動軸31a〜31dから構成さ
れ,これら各部材の配列方向によりロール軸方向に回動
することができる。以下に,第1のリンク機構80を構
成する各部材について,それぞれ説明する。
【0038】首上ハウジング320は,首部30の上部
に配された例えば略直方体形状を有するハウジングであ
る。
【0039】カメラ基台100は,本実施形態にかかる
撮像装置基台であり,頭部10の例えば略中央部に配さ
れて各種装置が設置される例えば板状部材であって,ロ
ボット1の進行方向前方および後方にそれぞれ基台前面
部材100aと基台後面部材100bを具備する。
【0040】減速機321は,例えばハーモニックドラ
イブなどの減速機構であって,入力軸31bの回動が減
速されて,出力軸31aの回動を招くような構造を有す
る。この減速機321の入力軸31bは,第1のサーボ
モータM1の駆動軸31cに軸着されており,出力軸3
1aは,カメラ基台100の基台後面部材100bに固
着されている。また,減速機321は,入力軸31bと
出力軸31aが同一軸方向に延長形成されている。かか
る構成により,減速機321として例えば遊星ギアなど
を用いることができ,より耐久性に優れた構造を実現で
きる。加えて,かかる遊星ギアなどの機構は,入手容易
かつ安価であるので,生産コストの低減を図ることもで
きる。
【0041】第1のサーボモータM1は,上記のように
駆動軸31cが減速機321の入力軸31bに軸着され
ているので,その駆動力によって減速機321の出力軸
31aの回動を招くような構成である。また,第1のサ
ーボモータM1の基底部分M1aは,首上ハウジング3
20の例えば後面に固着されている。従って,第1のサ
ーボモータM1を駆動させることにより,減速機321
の出力軸31aを,首上ハウジング320を基準として
ロール軸方向に回動させることができる。
【0042】第2のベアリング322は,ベアリング軸
受部322aと,ベアリング軸受部322aに対し回動
自在に付設されたベアリング軸31dとを備えた軸受で
ある。このベアリング軸31dは,上記減速機321の
出力軸31aと同一軸線(即ち,第1の回動軸31)上
となるように配設されており,その一側端が首上ハウジ
ング320の前面に固着される。また,ベアリング軸受
部322aは,カメラ基台100の基台前面部材100
aに固着されている。かかる構成により,第2のベアリ
ング322は,カメラ基台100を首上ハウジング32
0に対しロール軸方向に回動自在に支持することができ
る。
【0043】以上のような構成により,第1のリンク機
構80は,カメラ基台100を第1の回動軸31を介し
て首上ハウジング320にリンクさせることができる。
また,第1のサーボモータM1を駆動することにより,
カメラ基台100を第1の回動軸31を中心にロール軸
方向に回動させ,首上ハウジング320に対して所定角
度傾けることができる。
【0044】また,首上ハウジング320は,例えば両
側面の上端にメカニカルストッパ323a,323b
(以下,メカニカルストッパ323という場合もあ
る。)が付設されている。かかるメカニカルストッパ3
23は,首上ハウジング320とカメラ基台100との
なす角度(即ち,カメラ基台100の回動角度)が所定
範囲内に収まるように,カメラ基台100の回動を物理
的に制限するストッパとしての機能を有する。さらに,
このメカニカルストッパ323は,カメラ基台100の
接触の有無を検出するリミッタスイッチを兼ねているこ
とが好ましい。かかる構成により,カメラ基台100が
メカニカルストッパ323a,323bのいずれか一方
と接触した際に,カメラ基台100の回動角度が限界角
度に達したことを中央制御装置(図示せず)に対し通知
できる。
【0045】次に,図3に基づいて,本実施形態の特徴
であるカメラを搭載した頭部の構成について説明する。
なお,図3は,本実施形態にかかる頭部10を分解して
示した分解組立図である。
【0046】図3に示すように,頭部10は,主に,上
記のカメラ基台100と,外界を撮像するカメラ14
と,カメラ固定部104と,頭部外装12とを有する。
【0047】カメラ基台100は,上記のように第1の
回動軸31を介して首上ハウジング320に回動可能に
リンクされる板状部材である。このカメラ基台100に
は,頭部10を構成する各種装置が設置されており,カ
メラ基台100がロール軸方向に回動することにより頭
部10全体を左右に傾けることができる。また,カメラ
基台100を回動させる第1のリンク機構80は,カメ
ラ基台100の下方に配されているので,カメラ基台1
00上のスペースを広く活用することができる。このた
め,本実施形態では,カメラ基台100の例えば上面に
は,電子回路を形成する頭部電子基板430が搭載され
ている。
【0048】カメラ14は,例えばステレオカメラであ
り,ロボット1の左目に相当する左カメラ14aと,右
目に相当する右カメラ14bの2つを有する。この左カ
メラ14aおよび右カメラ14bは,例えばCCDカメ
ラであり,外界を撮像して得た画像情報データを,頭部
電子基板430に送信する。また,かかる両カメラ14
a,14bが撮像した測距対象の画像情報データに基づ
いて,ロボット1は,本実施形態の特徴である測距を行
うことができるが,詳細については後述する。
【0049】カメラ固定部104は,左カメラ14aお
よび右カメラ14bを固定的に支持する例えば平板状の
部材であり,両カメラ14a,14bを設置する位置に
開口部104a,104bがそれぞれ設けられている。
かかる構成により,一枚板であるカメラ固定部104に
より,両カメラ14a,14bの視線を略同一の方向
(例えば前方)に合わせて安定的に固定できる。従っ
て,両カメラ14a,14bの視線を共に安定させるこ
とができ,予め両カメラ14a,14bの配置位置のず
れをキャリブレーションしておくことにより,撮像精度
ひいては測距精度が向上する。
【0050】また,カメラ固定部104は,カメラ固定
部取付板106を介して,カメラ基台100に例えばね
じ止めして固定される。かかる構成により,カメラ固定
部取付板106の大きさや形状を変更するだけで,カメ
ラ基台100に対するカメラ14の位置を容易に調整す
ることができる。このように,カメラ固定部取付板10
6は,両カメラ14a,14bの設置位置を調整するア
ジャスタ装置として機能する。
【0051】また,かかるカメラ固定部取付板106の
アジャスタ機能により,第1のリンク機構80の組み立
て寸法誤差によるステレオ測距に対する影響を校正する
ことが可能である。よって,カメラ14の画素が少なく
単にソフトウエア上で校正しても精度向上を図れない場
合であっても,その測距精度の向上を図ることができ
る。
【0052】なお,上記カメラ固定部取付板106は,
必ずしも具備されなくともよく,例えば,図4に示すよ
うに,カメラ基台100とカメラ固定部104を一体形
成してもよい。
【0053】また,頭部外装12は,例えばプラスチッ
ク等で形成され,上記のような頭部10の各装置を覆う
ようにして配設される。この頭部外装12は,例えば前
側には,左右のカメラ14a,14bに対応する位置に
カメラ孔12a12bが形成されており,また,例えば
両側には,マイク16a,16bが設置される。かかる
頭部外装12は,カメラ基台100に装着されており,
カメラ基台100とともに例えば前後,左右等に回動す
ることができる。
【0054】次に,図5に基づいて,本実施形態にかか
る第1の回動軸を中心として頭部を回動させるために要
する負荷について説明する。なお,図5は,本実施形態
にかかるカメラ基台100の周辺各部を示す側面図であ
る。なお,図5では,頭部外装12等は図示を省略して
ある。
【0055】図5に示すように,第1のリンク機構80
を構成する第2のベアリング322,第1のサーボモー
タMおよび減速機321は,カメラ基台10の例えば内
部に,第1の回動軸31上に一列となって配置されてい
る。従って,第1の回動軸31をカメラ基台100の近
傍に配置することができる。
【0056】また,上記のように,カメラ基台100は
頭部10全体の略中心部に配置されているとともに,頭
部10の各装置は全て当該カメラ基台100に連接され
ている。このため,頭部10全体の質量中心(重心)
は,例えばカメラ基台100の略近傍にあることとな
る。
【0057】以上のことから,本実施形態においては,
第1の回動軸31を,頭部10の質量中心に近い位置に
配置することができる。このため,第1の回動軸31を
中心として頭部10を回動する際には,頭部10のイナ
ーシャ(慣性モーメント)が比較的小さくて済み,また
頭部を大きく振ることもないので,かかる回動に要する
駆動力を低減することができる。従って,第1のサーボ
モータM1は,迅速かつ低負荷でカメラ基台100を回
動させることができるとともに,第1のサーボモータM
1として小型のモータを用いることも可能になる。
【0058】次に,図6に基づいて,左カメラおよび右
カメラの設置位置についてより詳細に説明する。なお,
図6は,本実施形態にかかる左カメラ14aおよび右カ
メラ14bの周辺各部を示す正面図である。なお,図6
では,頭部外装12等は図示を省略してある。
【0059】図6(a)に示すように,左カメラ14a
と右カメラ14bは,カメラ基台100の例えば前方
に,左カメラ14aの視線と右カメラ14bの視線の中
点Cが,第1の回動軸31の略中心となるように配され
る。このため,図6(b)に示すように,第1の回動軸
31を中心にカメラ基台100を回動させた場合にも,
当該両視線の中点Cは,第1の回動軸31の略中心にあ
り,元の位置と比較してほとんどずれることがない。
【0060】かかる構成により,後述するカメラ14に
よる測距を行う際に,両カメラ14a,14bをオフセ
ットがないように回動させて測距対象を再撮像できるた
め,演算が容易となり,迅速かつ正確な測距が可能とな
る。また,ロボット1の頭部10が両目(即ち両カメラ
14a,14b)の中点を略中心として左右に回動する
ので,ロボット1の首を傾げる様相が,これを見る人間
にとってより自然に感じられ,親近感を抱かせることも
できる。
【0061】なお,左カメラ14aと右カメラ14bが
上記のような配置となるように,カメラ固定部104を
支持するカメラ固定部取付板106の形状や大きさが調
整される。
【0062】次に,図7に基づいて,本実施形態にかか
る首部30の関節自由度について説明する。なお,図7
は,本実施形態にかかる首部30の回動軸の構成を模式
的に示す斜視図である。
【0063】図7に示すように,本実施形態にかかる首
部30の関節は,4つの回動軸を有しているので,首部
30全体として4自由度を有する。具体的には,第1の
回動軸31は,上記のように第1のリンク機構80を構
成し,ロール軸方向に回動する。また,第2の回動軸3
2は,第1の回動軸31の例えば直下に配置され,ピッ
チ軸方向に回動する。さらに,第3の回動軸33は,第
2の回動軸32の下方に配置され,ヨー軸方向に回動す
る。加えて,第4の回動軸34は,第3の回動軸33の
下方で首部30の下部(即ち,胴部20側)に配置さ
れ,ピッチ軸方向に回動する。このように,首部30の
関節は,ピッチ軸方向に2自由度,ロール軸方向および
ヨー方向にそれぞれ1自由度という合計4自由度を有す
る。
【0064】かかる構成により,首部30の関節は,頭
部10を胴部20に対して3方向に駆動させることが可
能である。具体的には,首部30の関節は,第1の回動
軸31を用いて頭部10を左右に傾けること(首を傾げ
る動作)ができる。また,第2の回動軸32および第4
の回動軸34を用いて,頭部10を前後に傾けること
(頷く動作)ができる。さらに,第3の回動軸33を用
いて,頭部10を回動させること(首を横に振る動作)
ができる。また,首部30の関節は,このような3方向
の駆動を複合的に組み合わせることにより,頭部30に
多様な運動をさせることもできる。
【0065】次に,図8に基づいて,以上のような4自
由度を有する関節を実現するための首部30のリンク機
構について説明する。なお,図8(a)および図8
(b)は,本実施形態にかかる首部30の側面図および
正面図である。なお,図3では,首部30と隣接する胴
部20の胴部基台200と,上記のカメラ基台100も
示し,簡単のためスピーカボックスの図示は省略する。
【0066】以下に,首部30の主な構成要素と首部3
0が有する4つの回動軸の位置について説明する。図8
(a)および図8(b)に示すように,首部30は,主
に,首下ハウジング300と,首中ハウジング310
と,首上ハウジング320とから構成されている。また
首部30は,下端で胴部20の胴部基台200と,上端
で頭部10のカメラ基台100と接続されている。
【0067】まず,第1の回動軸31は,上記のよう
に,首部30の略上端でロー軸(X軸)方向に延長され
た回動軸である。
【0068】また,第2の回動軸32は,ピッチ軸(Y
軸)方向に延長された回動軸であり,首上ハウジング3
20と首中ハウジング310をリンクしている。かかる
第2の回動軸32は,第2のサーボモータM2の駆動に
より,首上ハウジング320から上部を首中ハウジング
310に対しピッチ軸方向に回動させることができる
(第2のリンク機構)。
【0069】さらに,第3の回動軸33は,ヨー軸(Z
軸)方向に延長された回動軸であり,首中ハウジング3
10と首下ハウジング300をリンクしている。かかる
第3の回動軸33は,第3のサーボモータM3の駆動に
より,首中ハウジング310から上部を首下ハウジング
300に対しヨー軸方向に回動させることができる(第
3のリンク機構)。
【0070】また,第4の回動軸34は,ピッチ軸(Y
軸)方向に延長された回動軸であり,首下ハウジング3
00と胴部基台200をリンクしている。かかる第4の
回動軸34は,第4のサーボモータM4の駆動により,
首下ハウジング300から上部(即ち,首部30および
頭部10)を胴部基台200に対しピッチ軸方向に回動
させることができる(第4のリンク機構)。
【0071】次に,上記のような首部30の構成要素と
それらを相互に連結させる態様について,図9に基づい
て,より詳細に説明する。図9は,本実施形態にかかる
首部30を分解して示した分解組立図である。なお,第
1のリンク機構80については,上記図2で説明したの
で,ここではその説明を省略する。
【0072】図9に示すように,首下ハウジング300
は,首部30の下端に配されるハウジングであり,例え
ば,その中部から上部にかけては略中空円筒形状を有
し,下部が略半球面形状を有する。この首下ハウジング
300の両側には,ピッチ軸方向に回動する第4の回動
軸34が軸止され,その一側の先端には首プーリ301
が設けられる。かかる首下ハウジング300は,胴部2
0の略上端に位置する胴部基台200の上方に配置さ
れ,第4の回動軸34を胴部基台200にリンクさせる
ことにより,首部30を胴部20に対し回動可能に連結
する機能を有する。
【0073】また,上記の胴部基台200の内部には,
第4のサーボモータM4が設置されている。この第4の
サーボモータM4は,その駆動軸に胴プーリ201を備
えており,胴プーリ201を回動させる駆動力を発生す
る。さらに,この胴プーリ201と上記の首プーリ30
1との間にはベルト302が懸架されており,第4のサ
ーボモータM4の駆動力を第4の回動軸34に伝達する
ことができる。このため,第4のサーボモータM4を駆
動させると,第4の回動軸34がピッチ軸方向に回動す
るので,首下ハウジング300を第4の回動軸34を中
心に回動させて前後に傾けることができる。この際,首
下ハウジング300は,その下部が略半球面形状を有す
るので,胴部20に干渉されることなく円滑に回動でき
る。なお,上記第4のサーボモータM4を例えば胴部基
台200の上面に配設し,その駆動軸と第4の回動軸3
4を一体に形成して,首下ハウジング300に駆動力を
直接伝達できるように構成してもよい。
【0074】また,首下ハウジング300の内部には第
3のサーボモータM3が固設される。この第3のサーボ
モータM3の駆動軸が第3の回動軸33であり,かかる
第3の回動軸33は,首中ハウジング310の下面に接
続されている。従って,第3のサーボモータM3は,首
中ハウジング310を首下ハウジング300に対しヨー
軸方向に回動させるように,駆動力を発生させる。
【0075】また,首中ハウジング310は,例えば略
中空円筒形状を有し,その下面は第3の回動軸33に接
続されている。また,上部には,前後2箇所に例えば略
方形のスピーカボックス用切込311が形成されてお
り,後述するスピーカボックス330が,このスピーカ
ボックス用切込311に収まるようになっている。
【0076】また,首上ハウジング320は,上記のよ
うに第1のリンク機構80によりカメラ基台100とリ
ンクされており,頭部10を搭載する部材として機能す
る。この首上ハウジング320は,例えば左右側面から
突出して配された第2の回動軸32により,首中ハウジ
ング310に回動可能に軸着される。この第2の回動軸
32は,一側端32aが第1のベアリング324を介し
て首中ハウジング310に回動自在に連結され,他側端
32bが首中ハウジング310に固着される。さらに,
首上ハウジング320の内部には第2のサーボモータM
2が固設されており,この第2のサーボモータM2の駆
動軸は上記第2の回動軸32の他側端32bと一体形成
されている。このため,首上ハウジング320は,第2
のサーボモータM2の駆動によって,首中ハウジング3
10に対しピッチ軸方向に回動できるようになってい
る。
【0077】また,首上ハウジング320の下部には,
内部にスピーカ18を備えるスピーカボックス330が
首中ハウジング310との間に挟まるようにして設置さ
れる。このスピーカボックス330は,例えば下面が略
曲面となるような例えば略半円筒形状を有しており,首
上ハウジング320の回動に伴いピッチ軸方向に円滑に
回動できる。
【0078】次に,図10に基づいて,本実施形態にか
かるロボットの制御システムについて説明する。なお,
図10は,本実施形態にかかるロボット1の制御システ
ム400の全体構成を示すブロック図である。
【0079】図7に示すように,制御システム400
は,ロボット1全体を統括的に制御する中央制御装置4
10と,各関節のサーボモータMに対応してそれぞれ設
けられた複数の関節制御回路420と,カメラ基台10
0上に設けられ画像情報などを処理する頭部電子基板4
30と,各種のセンサ(姿勢制御用センサ,圧力セン
サ,メカニカルストッパ323のリミッタスイッチな
ど)440とから構成される。
【0080】中央制御装置410は,各関節の動作状況
(即ち,関節の回動角度等)や,カメラ14により撮像
された画像情報等の外部情報データ,各センサ440の
検出信号,外部からのロボット動作の指令情報等に基づ
いて,ロボット1に歩行などの所定の動作を起こさせる
べく,各関節のサーボモータMの駆動を指示するなど,
ロボット1全体を統括的に制御する機能を有し,例えば
胴部20に設けられる。
【0081】かかる中央制御装置410は,図11に示
すように,上記のような各種の入力情報に基づいて演算
処理を行い,各関節の回動角度や回動速度を指示する信
号等の制御信号を作成する制御演算部411と,各種セ
ンサ440や関節制御回路420および頭部電子基板4
30との間で各種のデータを送受信する内部入出力部4
13と,有線または無線により接続したコントローラそ
の他の外部装置(図示せず)との間で通信処理を行う外
部通信部415と,頭部電子基板430から入力された
画像情報データの解析処理を行い,測距演算を行う画像
処理部417と,頭部電子基板430から入力された音
声情報データの解析処理を行う音声処理部419から構
成される。また,上記以外にも,中央制御装置410
は,例えば予め設定されたロボット1の動作パターン等
を格納しているハードディスクドライブなどの記憶装置
からなる記憶部(図示せず)を具備していてもよい。
【0082】また,関節制御回路420は,ロボット1
の各関節が具備する複数のサーボモータMに対応してそ
れぞれ配設されており,中央制御装置410から受信し
た指示信号に基づいて,サーボモータMの回動角度や回
動速度を制御する機能を有する。サーボモータMには,
上述のようにロータリエンコーダ421が設けられてお
り,サーボモータMの実際の回動角度や回動速度を検出
できる。従って,関節制御回路420は,ロータリエン
コーダ421の検出値に基づいて,サーボモータMをフ
ィードバック制御するとともに,かかる検出値を中央制
御装置410に送信することができる。
【0083】また,頭部電子基板430は,上記のよう
にカメラ基台100上に配される電子回路であり,例え
ばカメラ14からの画像信号や,マイク16からの音声
情報を入力するコネクタなどの各種電子部品も搭載され
ている。かかる頭部電子基板430は,例えばマイクロ
コンピュータなどからなる演算処理装置を具備してお
り,カメラ14やマイク16などにより得た外部情報デ
ータを一次的に処理して,データ量を減少させた上で,
中央制御装置410に送信することができる。また,頭
部電子基板430は,中央制御装置410からの制御信
号に基づいて,例えば音声系アンプにより増幅された所
定の音声信号などをスピーカ18から発音するように制
御することもできる。
【0084】以上のような構成の制御システム400に
より,ロボット1の動作を好適に制御できる。例えば,
ロボット1が,障害物のある空間を歩行する場合を例に
あげて説明する。ロボット1の歩行中に,頭部10に搭
載したカメラ14が,進路上にある障害物を撮像する
と,撮像された障害物を含む画像情報は,頭部電子基板
430で一時的に処理された後,中央制御装置410の
画像処理部417に入力され,その障害物の大きさや距
離などが解析処理される。かかる障害物の解析データに
基づいて,制御演算部413はロボット1が障害物を回
避して歩行するように,各関節の回動角度の指示信号を
作成して,各関節制御回路420に送信する。かかる制
御信号に基づいて,各関節制御回路420が各サーボモ
ータMを所定角度回動させることにより,ロボット1が
障害物を回避するように進路を変えて歩行する。以上の
ような工程を定期的に繰り返すことにより,ロボット1
は障害物に衝突することなく,歩行を続けることができ
る。
【0085】次に,本実施形態の大きな特徴であるロボ
ット1による測距方法について説明する。
【0086】ロボット1は,頭部10搭載された左カメ
ラ14a及び右カメラ14bを用いて,一般的な測距方
法であるステレオビュー(ステレオ視またはステレオ法
ともいう)による測距を行うことができる。
【0087】このステレオビューでは,撮像した一対の
画像において測距対象の対応点を特定し,その視差か
ら,三角測量を応用して測距対象までの距離を算出す
る。しかし,測距対象が,例えば棒状体や大きな台など
の場合には,撮像した画像上において,測距対象は,例
えば単なる直線となっていて切れ目がなく,かつ視線間
ラインと略平行となってしまう(いわゆるベースライン
となる)ことがあるので,視差を演算する対応点を特定
できず,結果として測距不能となる。
【0088】そこで,本実施形態にかかるロボット1
は,かかる測距不能な測距対象に対処すべく,これらの
測距対象を撮像した場合には,頭部10を回動させた上
で再撮像するという特徴を有する。以下に,図12に基
づいて,本実施形態にかかるロボット1による測距方法
について詳細に説明する。図12は,本実施形態にかか
るロボット1の測距動作フローを示すフローチャートで
ある。
【0089】なお,以下では,上記のような測距不能な
測距対象としては,略直線状の物体の例を挙げ,カメラ
14からかかる直線物体までの距離を測定する場合にお
ける,頭部10の動作やそのアルゴリズムについて,主
に説明することとする。また,簡単のため,両カメラ1
4a,14bの視線は,それぞれロボット1の歩行面と
略平行の状態になっており,かつ両カメラ14a,14
b間の基線(中心視線間ベクトル)も同じく歩行面と略
平行の状態(即ち,ロボット1がまっすぐ正面を見てお
り,頭部が傾斜していない状態)になっているものとす
る。
【0090】まず,ステップS2では,両カメラ14
a,14bにより,測距対象を撮像する(ステップS
2:第1の撮像工程)。かかる撮像により,当該測距対
象に関して,左カメラ14aによる左画像と,右カメラ
14bによる右画像を得ることができる。左カメラ14
aと右カメラ14bは所定の基線長だけ離れて配設され
ているので,当該右画像と左画像とでは,撮像された測
距対象の画像上の位置(座標)が所定距離ずれているこ
ととなる。かかる左画像および右画像の画像情報データ
は,頭部電子基板430を介して,中央制御装置410
の画像処理部419に入力される。
【0091】次いで,ステップS4では,左画像と右画
像における測距対象の特徴をそれぞれ抽出する(ステッ
プS4)。画像処理部419では,左画像および右画像
に表れている測距対象の特徴をそれぞれ探索して抽出す
る処理が行われる。かかる抽出は,例えば,左右画像上
の水平走査線ごと,分割された複数の領域ごとまたは画
素ごとなどに行われる。
【0092】さらに,ステップS6では,左画像と右画
像における対応点を特定できるか否かが判定される(ス
テップS6:判定工程)。ステップS4で抽出された左
画像と右画像の測距対象の特徴を互いに対照し,両画像
の特徴が一致する両画像上の位置(座標)である対応点
の特定を試みる。
【0093】両画像上で視線間ラインと測距対象が非平
行であると判定された場合,即ち,対応点が特定できた
場合には,ステップS8に進み,両画像の対応点の視差
から,三角測量を応用した所定のアルゴリズムにより,
当該測距対象の位置を算出する通常の測距演算を行う。
【0094】一方,両画像上で視線間ラインと測距対象
が非平行であると判定された場合,即ち,両画像の特徴
が全て略同一となってしまう等の原因で対応点が特定で
きない場合には,ステップS10に進む。
【0095】次いで,ステップS10では,ロボット1
の頭部10を傾ける(ステップS10:頭部傾斜工
程)。図13に示すように,第1の回動軸31を中心と
して頭部10を例えば左方向(若しくは右方向)に所定
角度βだけ回動させる。これにより,カメラ基台100
に設置されている左カメラ14aおよび右カメラ14b
も,第1の回動軸31を中心として所定角度βだけ回動
する。この際,上記のように,両カメラ14a,14b
の視線の中点Cが第1の回動軸31の中心にあるので,
両カメラ14a,14bの中心を結ぶ基線14cは,回
動後も第1の回動軸31の略中心を通ることとなる。
【0096】また,カメラ基台100が上記メカニカル
ストッパ323に接触してその回動を制限される角度ま
で回動させることが好ましい。これにより,測距のため
に頭部10を傾ける場合には,常に略同一の傾斜角度が
得られ,演算が容易になるとともに,頭部10が当該傾
斜角度を安定的に維持できるので,測距精度が向上す
る。
【0097】さらに,ステップS12では,頭部10を
傾けた状態で,左カメラ14aおよび右カメラ14bに
より,測距対象を再度撮像する(ステップS12:第2
の撮像工程)。これにより,実際の空間では略水平であ
る測距対象は,再撮像された画像上において,例えば,
両カメラ14a,14b間の基線に対して所定角度βを
有する斜線となって表れる。即ち,両画像上の測距対象
は,視線間ラインと略平行とはならない。
【0098】ところで,ステレオピューで撮像した直線
が視線間ラインと非平行である場合に,カメラ14から
当該直線までの距離を演算するには,様々なアルゴリズ
ムが提案されているが,本実施形態では幾何学的に簡単
に求めるアルゴリズムを採用し,以下のステップでその
詳細について説明する。
【0099】その後,ステップS14では,再撮像され
た左画像と右画像における測距対象の特徴点をそれぞれ
抽出する(ステップS14)。既に,上記ステップS1
2で再撮像した測距対象が直線であることが判明してお
り,本ステップでは,この直線の特徴点を抽出すること
となる。そこで,本実施形態にかかる距離算出のための
アルゴリズムでは,例えば,各カメラ14a,14bの
視線中心からの最短点を当該再撮像された測距対象の特
徴点として,それぞれ抽出する。なお,視線中心とは,
撮像された画像上におけるカメラ14の視線の位置を表
す点であり,左画像および右画像にそれぞれの視線中心
が存在する。また,視線中心からの最短点とは,左画像
および右画像において,視線中心を通る直線と当該再撮
像された直線とが直交する点をいうものとする。
【0100】ここで,かかる特徴点の例について,図1
4に基づいて,より詳細に説明する。なお,図14
(a)は左画像を示し,図14(b)右画像を示す。な
お,両画像において,視線中心Oa,Obを中心とする
直径Pfとなる円の内側にのみ撮像された画像情報が表
れているものとする。
【0101】まず,図14(a)に示すように,左画像
においては,撮像された直線90が,左カメラ14aの
視線中心Oaの上方に右下がりの斜線となって撮像され
ている。また,特徴点として抽出された最短点Taは,
視線中心Oaを通る直線と直線90とが直交する点であ
り,視線中心Oaを中心とする直交座標系(以下では,
左カメラ座標系という。)において,最短点Taの座標
は(Px,Py)である。
【0102】また,図14(b)に示すように,右画像
においては,撮像された直線90が,右カメラ14bの
視線中心Oaの下方に右下がりの斜線となって撮像され
ている。また,上記と同様にして,最短点Tbが特徴点
として抽出され,右カメラ座標系におけるその座標は
(Px,Py)である。
【0103】その後,ステップS16では,本実施形態
にかかるアルゴリズムに従い数式演算して,測距対象ま
での距離を算出する(ステップS16:演算工程)。本
ステップでは,画像処理部417で,ステップS14で
抽出された両特徴点の座標(左または右カメラ座標系に
おける各座標)に基づいて,数式演算を行う。なお,以
下では,図14に示したように,左画像では,最短点T
aが第1象現に撮像され,右画像では,最短点Tbが第
3象現に撮像された場合について説明するが,かかる例
に限定されない。なお,当該直線の最短点がその他の象
現で撮像されたとしても,本アルゴリズムの一部の正負
が相違する程度であり,本アルゴリズムから容易に想到
しうる。また,説明簡単のため,撮像される直線までの
距離とは,両カメラ14a,14bの視線が法線となる
平面上に当該直線があるものとして,カメラ14からそ
の面までの距離をいうものとする。
【0104】このような条件付けにより,実空間におけ
る両カメラ14a,14bと測距対象である直線90の
関係は,図15に示すようになる。図15において,L
は測定すべき距離,Fは両カメラ14a,14bからの
距離Lで撮像できる最大の視野位置と視線中心との距
離,αは両カメラ14a,14bの視野角,dは左カメ
ラ14aと右カメラ14bの間の基線長を示す。なお,
平面Bは直線90を含む平面であり,91a,91bは
両カメラ14a,14bの視線である。
【0105】このようにすると, F/L=tanα <式1> の関係が成り立つ。
【0106】さらに,距離L離れた実際の直線90にお
ける上記の特徴点の座標は,平面Bにおける視点中心か
らの座標系において, (Px・F/Pf,Py・F/Pf) <式2> となる。ここで,Pfは距離Lにおいて最大視野距離F
に相当するカメラ座標系での値,(Px,Py)はカメ
ラ座標系での最短点の座標である。なお,視点中心と
は,平面Bと視線91a,91bとの交点である。
【0107】このため,式2は,式1を用いて書き換え
ると, (Px・Ltanα/Pf,Py・Ltanα/Pf) <式3> と求めることができる。従って,例えば図14に示した
ような,左および右カメラ座標系における最短点Ta,
Tbの座標(Px,Py),(Px,Py )を
用いて,図16に示すような平面Bにおける左または右
視点中心からの座標系における,特徴点の座標C(x
,y),C(x,y)を, (Px・Ltanα/Pf,Py・Ltanα/Pf) <式4> (Px・Ltanα/Pf,Py・Ltanα/Pf) <式5> と表すことができる。ここで,L以外の数値は,全て既
知である。
【0108】一方,平面Bにおいて,(a)左カメラ1
4aでの特徴点C,直線90と視線間ラインHとの交
点K,左カメラ14aの視線中心点Oとで形成される
三角形と,(b)右カメラ14bでの特徴点C,直線
90と視線間ラインHとの交点K,右カメラ14bの視
線中心点Oとで形成される三角形と,について,両三
角形の斜辺長の合計は,基線長dとなっていることか
ら, SQRT(x +y )/sinβ十SQRT(x +y )/s inβ=d <式6> の関係が保たれる。
【0109】従って,式4および式5を,式6に代入す
ると,Lの値を求めることができる。なお,上記計算式
のうちβについては,傾けた頭部10の回動角度に対応
するので,固定値としてもよいが,撮像した直線90か
ら求めたものであってもよい。
【0110】従って,上記のようなアルゴリズムに基づ
いて,両カメラ14a,14bから測距対象である直線
90までの距離を算出することができる。
【0111】以上のように,本実施形態にかかるロボッ
ト1は,左および右カメラ14a,14bで撮像した測
距対象が,画像上で視線間ラインHと略平行な場合であ
っても,頭部10を傾げて再撮像することにより,その
測距対象までの距離を測定することができる。
【0112】以上,添付図面を参照しながら本発明の好
適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に
限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載
された技術的思想の範疇内において各種の変更例または
修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについ
ても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解され
る。
【0113】例えば,上記実施形態では,ロボット1と
して二足歩行型ロボットの例を挙げて説明したが,本発
明はかかる例に限定されず,例えば,4足歩行型ロボッ
ト,多足(例えば6足)歩行型ロボットなど,任意の脚
数を有する脚式移動ロボットであってもよい。また,ロ
ボット1の移動態様としては,脚式移動に限定されず,
例えば,クローラ式,タイヤ式の移動機構などを設けて
もよい。さらに,移動を行わない固定型のロボットであ
ってもよい。
【0114】また,上記実施形態では,撮像装置として
カメラ,特にステレオカメラの例を挙げて説明したが,
本発明はかかる例に限定されるものではない。
【0115】また,上記実施形態では,傾斜装置として
第1のリンク機構80の例をあげて説明したが,本発明
はかかる例に限定されず,撮像装置基台を傾斜可能なも
のであれば,例えば,油圧シリンダなどを用いて撮像装
置基台を持ち上げるような装置などであってもよい。
【0116】また,本発明にかかる撮像装置基台傾斜と
は,上記実施形態に示したような,撮像装置基台を略水
平状態から傾斜状態にすることに限定されず,傾斜状態
から略水平状態にすることも含むものとする。
【0117】また,上記実施形態では,撮像装置基台と
して略板状部材のカメラ基台100の例を挙げて説明し
たが,本発明はかかる例に限定されず,傾斜装置の構造
などに応じて,撮像装置基台の設置位置や形状などを変
更してもよい。
【0118】また,上記実施形態では,中央制御装置4
10は,胴部20の内部に設置されていたが,かかる例
に限定されず,例えば,胴部20の背面に露出して配設
されたり,胴部20以外の頭部10などに設置されても
よい。また,中央制御装置410をロボット1の外部に
設けて,有線または無線でロボット1と接続可能に構成
してもよい。この際,ロボット1には,外部と各種情報
を伝達するために,例えばケーブル接続用のインターフ
ェースや通信アンテナといった通信装置などを設けるこ
ともできる。また,電源部(バッテリ)も外部に設け
て,外部から例えばケーブル等でロボット1に電力を供
給してもよい。
【0119】また,中央制御装置410は,外部通信部
415,音声処理部419を必ずしも具備しなくともよ
く,また,上記実施形態以外にも,ロボット1の動作や
センサから入力される情報に応じて各種の処理を行う装
置を有してもよい。また,画像処理部417を頭部電子
基板430に設けて,全ての画像情報処理や測距演算等
を頭部電子基板430で行ってもよい。
【0120】また,上記実施形態では,頭部100に頭
部電子基板430を設けて,所定の画像情報処理等を行
ったが,かかる例に限定されず,頭部電子基板430を
設けなくてもよく,また,頭部電子基板430に相当す
る電子回路を頭部10以外の任意の場所に設けてもよ
い。
【0121】また,上記実施形態では,ロボット1の関
節を駆動させるアクチュエータとしてサーボモータMを
用いたが,かかる例に限定されず,通常のモータ,油圧
・空圧シリンダ,形状記憶合金等を用いてもよい。ま
た,アクチュエータの駆動力を各関節に伝達する機構
は,上記実施形態の例に限定されず,例えばギヤ,ベル
ト,ワイヤ,チェーン等を介すなど,多様な態様でアク
チュエータの駆動力を伝達してもよい。
【0122】また,上記実施形態では,ロボット1は,
マイク16,スピーカ18や,各種センサ440を具備
していたが,これらを必ずしも具備する必要はない。ま
た,圧力センサの代わりに,足裏の設置状況を検出する
オン/オフ式センサや,脚部が地面から受ける圧力状態
を詳細に検出する6軸力センサを設けてもよい。
【0123】また,上記実施形態では,ロボット1は,
頭部10,胴部20,両腕部40,50,両脚部60,
70の各所に複数の関節を有しており,また,各関節が
1〜3の自由度を有していたが,本発明はかかる例に限
定されない。例えば,上記実施形態で示した場所以外に
も関節を設けてもよく,また,各関節の自由度は,ロボ
ット1の用途や設計条件などに応じて増減可能である。
【0124】また,本実施形態にかかるロボット1は,
首部30の関節が4自由度を有していたが,かかる例に
限定されず,1〜3または5以上の任意の自由度を有し
てもよい。即ち,第2〜4の回動軸32〜34は,必ず
しも具備されなくともよく,また,首部30に5以上の
回動軸を設けてもよい。
【0125】また,各回動軸の回動方向は上記実施形態
の例に限定されない。例えば,第1の回動軸をピッチ軸
方向に回動させてもよく,この場合には,左カメラおよ
び右カメラ14a,14bを側頭部に設けることが好ま
しい。かかる構成により,ロボット1の左右側にある測
距対象を撮像し,さらには測距することもできる。
【0126】また,首部30を構成する3つのハウジン
グ310,320,330の形状および配置は,上記実
施形態に示す例に限定されず,ロボット1やアクチュエ
ータの種類,回動軸の配置などに応じて,ハウジングの
形状や配置を適宜変更したり,新たなハウジングを追加
したりしてもよい。
【0127】また,上記実施形態では,左カメラ14a
と右カメラ14bは,双方の視線の中点が第1の回動軸
31の略中心となるよう配されたが,かかる例に限定さ
れず,頭部10の任意の位置に配置されてもよい。例え
ば,双方の視線の中点が第1の回動軸31の略中心以外
となるように,両カメラ14a,14bを配置すること
により,頭部10を左右に傾げて両カメラ14a,14
bを回動させる際に,オフセットが生じる。これによ
り,例えば正面からは,障害物等の後ろに隠れて当初は
撮像できなかった物体が,頭部10の回動により両カメ
ラ14a,14bの視野範囲に現れて,撮像することが
できるようになる場合もある。
【0128】また,左カメラ14aおよび右カメラ14
bの設置位置を調整するアジャスタ装置は,上記のカメ
ラ固定部取付板106には限定されない。
【0129】また,測距時に数式演算するアルゴリズム
としては,上記の例に限定されることはない。また,測
距対象としても上記実施形態における直線90に限定さ
れず,例えば,平面B上にない直線や,略棒状の物体,
大きな台等といったカメラ14の視野に測距対象の全体
を納めることができないような物体などであってもよ
い。また,通常のステレオビューにより測距可能な測距
対象(即ち,撮像時にベースライン状とならない物体)
であってもよいことは勿論である。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
ロボットの頭部に搭載された撮像装置を用いて,視線間
ラインと略平行である測距対象であっても測距すること
ができる。また,撮像装置を安定的に固定できるととも
に,頭部の傾斜に要する負荷を低減することができるの
で,頭部の傾斜動作を迅速にし,撮像精度および測距精
度向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は,第1の実施形態にかかるロボットの全
体構成を示す斜視図である。
【図2】図2は,第1の実施形態にかかる第1のリンク
機構の周辺各部を分解して示した分解組立図である。
【図3】図3は,第1の実施形態にかかる頭部を分解し
て示した分解組立図である。
【図4】図4は,カメラ基台の別の態様を示す斜視図で
ある。
【図5】図5は,第1の実施形態にかかるカメラ基台の
周辺各部を示す側面図である。
【図6】図6は,第1の実施形態にかかる左カメラおよ
び右カメラの周辺各部を示す正面図である。
【図7】図7は,第1の実施形態にかかる首部の回動軸
の構成を模式的に示す斜視図である。
【図8】図8(a)は,第1の実施形態にかかる首部の
側面図である。図8(b)は,第1の実施形態にかかる
首部の正面図である。
【図9】図9は,第1の実施形態にかかる首部30を分
解して示した分解組立図である。
【図10】図10は,第1の実施形態にかかるロボット
の制御システムの全体構成を示すブロック図である。
【図11】図11は,第1の実施形態にかかる中央制御
装置の構成を示すブロック図である。
【図12】図12は,第1の実施形態にかかるロボット
の測距動作フローを示すフローチャートである。
【図13】図13は,第1の実施形態にかかるロボット
による測距方法の頭部傾斜工程を説明するための頭部の
正面図である。
【図14】図14は,第1の実施形態にかかる左および
右カメラによって撮像された左画像および右画像を示す
説明図である。
【図15】図15は,第1の実施形態にかかる左および
右カメラと測距対象である直線との関係を示す説明図で
ある。
【図16】図11は,測距対象である直線を含む平面に
おける特徴点の座標を示す説明図である。
【符号の説明】
1 : ロボット 10 : 頭部 14 : カメラ 14a: 左カメラ 14b: 右カメラ 20 : 胴部 30 : 首部 31 : 第1の回動軸 32 : 第2の回動軸 33 : 第3の回動軸 34 : 第4の回動軸 80 : 第1のリンク機構 100 : カメラ基台 104 : カメラ固定部 106 : カメラ固定部取付板 300 : 首下ハウジング 310 : 首中ハウジング 320 : 首上ハウジング 400 : 制御システム 410 : 中央制御装置 420 : 関節制御回路 430 : 頭部電子基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大橋 武史 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2F065 AA06 CC00 DD06 FF05 FF09 FF63 FF64 FF65 JJ03 JJ05 JJ26 NN20 PP05 PP25 QQ24 QQ26 QQ27 QQ29 QQ31 2F112 AC06 BA03 BA05 CA04 DA28 FA19 FA35 FA45 3C007 AS36 CS08 HS27 KS03 KS36 KT03 KT04 KT11 MS10 MT04 WA03 WA13 WC25

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頭部に撮像装置を搭載したロボットであ
    って,胴部から繋がる首部と,外界を撮像する左撮像装
    置と右撮像装置と,前記左撮像装置と右撮像装置が設置
    される撮像装置基台と,前記首部に対して前記撮像装置
    基台を傾斜させる傾斜装置と,前記左撮像装置と右撮像
    装置から得られる画像情報を処理し,撮像された測距対
    象から前記左撮像装置および右撮像装置までの距離を計
    算する画像処理部と,を具備し,前記左撮像装置の視線
    と前記右撮像装置の視線とを結んだ直線を視線間ライン
    とすると,前記画像処理部が,前記左撮像装置および右
    撮像装置により撮像された画像上において前記測距対象
    は前記視線間ラインと略平行であると判定した際には,
    前記傾斜装置を動作させて前記撮像装置基台を傾斜さ
    せ,再度撮像し,再度撮像された画像情報に基づいて前
    記測距対象から前記左撮像装置および右撮像装置までの
    距離を計算することを特徴とする,ロボット。
  2. 【請求項2】 前記傾斜装置は,前記撮像装置基台と前
    記首部とをリンクして,ロール軸方向に回動する第1の
    回動軸を中心に前記撮像装置基台を回動させる第1のリ
    ンク機構であることを特徴とする,請求項1に記載のロ
    ボット。
  3. 【請求項3】 前記第1のリンク機構は,前記首部にそ
    の基底部分を取り付けたモータと,前記モータの基底部
    分の他端から出された駆動軸に連接され,入力軸と出力
    軸が対向して設けられた減速機とを具備し,前記撮像装
    置基台は,前記減速機の出力軸に固設されるとともに,
    前記首部に回動可能に軸支されることを特徴とする,請
    求項2に記載のロボット。
  4. 【請求項4】 前記左撮像装置および右撮像装置は,双
    方の視線の中点が,前記第1の回動軸の略中心またはそ
    の近傍にあるように配されることを特徴とする,請求項
    2に記載のロボット。
  5. 【請求項5】 前記第1の回動軸は,前記頭部の質量中
    心またはその近傍を通るように配されることを特徴とす
    る,請求項2に記載のロボット。
  6. 【請求項6】 前記首部は,前記撮像装置基台が前記第
    1の回動軸を中心に所定角度以上回動することを制限す
    るストッパを具備することを特徴とする,請求項2に記
    載のロボット。
  7. 【請求項7】 前記ストッパは,前記撮像装置基台の回
    動が所定角度に達したことを検出するリミッタスイッチ
    を具備する,ことを特徴とする,請求項7に記載のロボ
    ット。
  8. 【請求項8】 前記撮像装置基台は,前記左撮像装置お
    よび右撮像装置の設置位置を調整するアジャスタ装置を
    備えることを特徴とする,請求項1に記載のロボット。
  9. 【請求項9】 前記撮像装置基台には,前記画像処理部
    を具備する頭部電子基板が設置されることを特徴とす
    る,請求項1に記載のロボット。
  10. 【請求項10】 前記首部は,前記第1の回動軸の下方
    に,ピッチ軸方向に回動する第2の回動軸と,ヨー軸方
    向に回動する第3の回動軸と,ピッチ軸方向に回動する
    第4の回動軸と,を具備することを特徴とする,請求項
    2に記載のロボット。
  11. 【請求項11】 前記第2〜4の回動軸は,前記頭部か
    ら前記胴部にかけて,前記第2の回動軸,前記第3の回
    動軸,前記第4の回動軸の順に配されることを特徴とす
    る,請求項10に記載のロボット。
  12. 【請求項12】 前記左撮像装置および右撮像装置は,
    ステレオカメラを構成することを特徴とする,請求項1
    に記載のロボット。
  13. 【請求項13】 頭部に左撮像装置と右撮像装置を搭載
    したロボットによる測距方法であって,前記左撮像装置
    と右撮像装置により測距対象を撮像する,第1の撮像工
    程と,前記左撮像装置の視線と前記右撮像装置の視線と
    を結んだ直線を視線間ラインとすると,前記左撮像装置
    および右撮像装置により撮像された画像上において前記
    測距対象が前記視線間ラインと略平行であるか否かを判
    定する,判定工程と,前記判定工程において,前記測距
    対象が前記視線間ラインと略平行であると判定された場
    合には,前記頭部を傾斜させる,頭部傾斜工程と,前記
    測距対象を再度撮像する,第2の撮像工程と,前記第2
    の撮像工程で撮像された画像情報に基づいて前記測距対
    象から前記左撮像装置および右撮像装置までの距離を演
    算する,演算工程と,を含むことを特徴とする,ロボッ
    トによる測距方法。
  14. 【請求項14】 前記頭部傾斜工程は,前記左撮像装置
    と右撮像装置が設置された撮像装置基台を,前記撮像装
    置基台にリンクされロール軸方向に回動する第1の回動
    軸を中心に,回動させることを特徴とする,請求項13
    に記載のロボットによる測距方法。
  15. 【請求項15】 前記左撮像装置および右撮像装置は,
    双方の視線の中点が,前記第1の回動軸の略中心となる
    ように配されることを特徴とする,請求項2に記載のロ
    ボットによる測距方法。
  16. 【請求項16】 前記第1の回動軸は,前記頭部の質量
    中心またはその近傍を通るように配されることを特徴と
    する,請求項13に記載のロボットによる測距方法。
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