JP2003200002A - 晶析装置の制御システムおよびコンピュータ読みとり可能な記録媒体 - Google Patents

晶析装置の制御システムおよびコンピュータ読みとり可能な記録媒体

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JP2003200002A
JP2003200002A JP2001401928A JP2001401928A JP2003200002A JP 2003200002 A JP2003200002 A JP 2003200002A JP 2001401928 A JP2001401928 A JP 2001401928A JP 2001401928 A JP2001401928 A JP 2001401928A JP 2003200002 A JP2003200002 A JP 2003200002A
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control
factor
crystallizer
crystallization
crystallization characteristic
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Yasuo Yamazaki
康夫 山崎
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 どのような物理化学的要因が装置内に作用し
ていても、晶析装置を的確に制御し、目標とする結晶生
産を行うことができる。 【解決手段】 多数の晶析特性因子と、過去の実績デー
タとを格納した制御因子格納データベース9と、晶析装
置6を制御するとともに、晶析装置6の運転状態を測定
する分散制御装置10と、分散制御装置10から読み込
んだ現在の晶析装置6の晶析特性因子と、制御因子格納
データベース9から読み込んだ過去の実績データ及び晶
析特性因子とを比較して、晶析装置6の制御条件を設定
し、分散制御装置10へ指令する制御コンピュータ8を
備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体から粉体、粒
子状の固体を析出させ、粒子状製品を製造する工業晶析
装置を、どのような物理化学的要因が装置内に作用して
いても、晶析装置を的確に制御し、目標とする結晶生産
を行うことができる晶析装置の制御システムおよびこれ
を実行するためのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工業晶析装置(以下、晶析装置という)
は、燐酸塩、バリウム塩、クロム塩などの工業薬品の製
造に加え、蔗糖、食塩(塩化ナトリウム)やアミノ酸など
の食品添加物、抗生剤の成分など医薬用物質を製造する
装置として、広く採用されており、製品としての結晶に
限らず、液体と固体の相変化を利用する分離の方法とし
ても利用されている。晶析装置の設計手法は、1980年頃
には、既に現在の方式のものが考案されており、化学工
業を始めとして、その設計手法は化学製品の製造条件の
決定方法として、広く工業的に応用されている。また、
その設計手法を応用した様々な結晶の生成方法もよく知
られている。しかしながら、その多くは、晶析装置の設
計と制御を別個に考慮したものである。その理由は、晶
析特性因子と制御因子に相関が見られないからである。
確かに、限定された条件下では、例えば、過飽和度を示
す因子である飽和溶解度と、濃度の差又は線成長速度d
l/dθと相関がみられ、過飽和度の1乗(拡散律速の
場合)ないし2乗(反応律速の場合)のべき関数で表さ
れることがある。ところが、実際の晶析装置では、局部
的に大きな過飽和状態が発生する場合があり、核発生速
度が極端に大きくなって、微粒子が大量に発生し、見か
け上の成長速度が低下することもある。その反対に、局
部的に未飽和状態になり、主として微小結晶を選択的に
溶解して結晶の平均粒径を大きくし、全体として結晶成
長しているといったような晶析装置もある。
【0003】晶析装置は、その運転方法として連続方式
と回分方式に分類され、装置内分布の程度によって分級
層型と完全混合槽型に分類される。実際の晶析装置は、
原料が連続的に供給され、成長する結晶は回分方式で取
り出される方式(半回分方式とよぶ)のように、運転方
法は多くのバリエーションがある。また、晶析装置内の
構造により完全混合槽型の装置の下に粗大結晶のみを取
り出すための分級脚を取り付けたような中間的なものも
知られている。このように、種々の晶析装置が古くから
開発され、多くの技術研究がなされ、我が国の晶析技術
を顧みれば、海水からの食塩の晶析のみならず、硝塩
(硝酸カリウム)の晶析などのように、400年以上前
から多くの独自技術がみられ、現在も世界的に高いレベ
ルにある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、その晶
析装置の制御に関しては、連続型晶析装置について装置
内を完全混合しているものとしてモデル化し、例えばフ
ィードバック制御またはフィードフォワード制御する方
法や過飽和度、攪拌状態または滞留時間を、経験的にわ
かっている適正値になるように制御するものがよく知ら
れているが、上記したように、実際の晶析装置は、完全
混合でもなければ、均一系な訳でもない。最近では、ニ
ューラルネットワークやファジー制御などの高度な制御
手法を駆使して所望の運転条件を達成することが試みら
れ、かなり精度のよい制御ができることが報告されてい
るが、高度な手法ほど適用範囲が限定され、プログラム
された制御情報を他の装置や物質に応用することは難し
いといった問題点があった。また、工業晶析装置の中、
水溶液から溶解成分を過飽和状態にして成分を固体とし
て析出させる場合、固体が成長して粗大粒径になる線成
長現象と核発生によって粒子の数が増加する現象は、過
飽和度が大きいほど顕著になる性質がある。そのため、
同一過飽和度を達成しても、線成長現象が増大するのか
核発生現象が増加するのかは、装置内の状態に依存する
ので、晶析装置を制御することが難しいと言った問題点
もあった。そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされ
たもので、どのような物理化学的要因が装置内に作用し
ていても、晶析装置を的確に制御し、目標とする結晶生
産を行うことができる晶析装置の制御システム及びこれ
を実行するための手段を記憶したコンピュータ読みとり
可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
過去の実績データと晶析特性因子とを格納した制御因子
格納データベースと、晶析装置の運転状態を測定するセ
ンサと、前記センサから読み込んだ現在の晶析装置の運
転状態の晶析特性因子の測定値と、前記制御因子格納デ
ータベースから読み込んだ過去の実績データ及び晶析特
性因子とを比較して、目標とする結晶生産を行うための
晶析装置の制御条件を設定し、晶析装置を制御する制御
コンピュータとを備える。
【0006】また、本発明の第2の発明は、過去の実績
データと晶析特性因子とを格納した制御因子格納データ
ベースと、晶析装置を制御し、晶析装置の運転状態の晶
析特性因子を測定する分散制御装置と、前記分散制御装
置から読み込んだ現在の晶析装置の運転状態の晶析特性
因子の測定値と、前記制御因子格納データベースから読
み込んだ過去の実績データ及び晶析特性因子とを比較し
て、目標とする結晶生産を行うための晶析装置の制御条
件を設定し、前記分散制御装置へ設定した晶析装置の制
御条件を指令し、晶析装置を制御する制御コンピュータ
とを備える。
【0007】また、本発明の第3の発明は、前記制御コ
ンピュータは、予め入力し記憶された晶析特性因子のう
ち、所望の晶析特性因子を入力する晶析特性因子入力手
段と、目標とする結晶生産を行うための晶析特性因子を
設定する制御目標設定手段と、前記で入力された所望の
晶析特性因子に対応する現在の測定値を前記分散制御装
置から読込み記憶する手段と、前記読み込んだ現在の晶
析装置の運転状態の晶析特性因子の測定値と、前記設定
された晶析特性因子とが、晶析特性因子間の相関関係を
決定する関係式を満足するように、前記設定された晶析
特性因子間の相関関係を導き、その相関関係と、該設定
された晶析特性因子を変動させる制御因子に基づいて目
標とする結晶生産を行うための制御因子を決定する制御
因子設定手段とを備える。
【0008】また、本発明の第4の発明は、前記制御因
子設定手段は、前記晶析特性因子入力手段から入力され
た少なくとも3つの晶析特性因子に対応する前記分散制
御装置から読み込んだ現在の晶析装置の運転状態の晶析
特性因子の少なくとも3つの測定値と、前記で入力した
以外の設定された2つの晶析特性因子とが、晶析特性因
子間の相関関係を決定する関係式を満足するように、前
記設定された2つの晶析特性因子間の相関関係を導き、
その相関関係と、該設定された2つの晶析特性因子を変
動させる制御因子に基づいて目標とする結晶生産を行う
ための制御因子を設定する。
【0009】かかる第4の発明において、前記晶析装置
の制御を行う手段は、前記で設定された目標とする結晶
生産を行うための制御因子中、該制御因子を変動させる
パラメータにより晶析装置の制御を行うことが望まし
い。また、前記晶析特性因子は、晶析装置の設計に用い
られる晶析特性因子であることが望ましく、前記晶析特
性因子は、粒度特性数、粒径分布、装置内空間率、核発
生速度、結晶生産速度、線成長速度から選ばれるもので
あることが望ましい。また、前記過去の実績データは、
晶析特性因子を変動させる制御因子であることが望まし
く、前記制御因子は、攪拌状態を変化させる制御因子、
過飽和度を変化させる制御因子、母液又は固体(結晶)
の滞留時間を変化させる制御因子から選ばれるものであ
ることが望ましい。また、前記制御因子を変動させるパ
ラメータは、攪拌装置の回転速度、攪拌部材の角度、晶
析装置内の温度、圧力、蒸発速度、冷却速度、懸濁母液
の濃度、懸濁母液流量、原料液流量から選ばれるもので
あることが望ましく、また、晶析特性因子間の相関関係
を決定する関係式は、下記式(1)〜(2)
【数2】 (式中、 L*;粒度特性数、n;粒度分布、1−ε;装置内空間
率、Fv’;核発生速度、P/ρcV’、;結晶生産速
度、d1/dθ、;線成長速度を示す。)で表される式
を用いて導かれるものであることが望ましい。また、本
発明の第5の発明は、前記第1〜第4の発明の晶析装置
の制御システムを実行するための手段を記憶したコンピ
ュータ読みとり可能な記憶媒体である。
【0010】
【発明の効果】したがって、第1の発明は、過去の実績
データと多数の晶析特性因子と、現在の晶析装置の運転
状態とを比較して制御条件を決定するようにしたため、
晶析装置内部の状態、例えば、晶析特性因子の状態が不
明であっても、的確に制御を行うことができ、全く新た
な晶析操作を行う場合であっても、目標とする結晶生産
を行うことが可能となり、晶析装置の制御精度を高める
のに加え、過去に蓄積したデータに基づいて制御因子を
決定するため、特定の物質だけではなく、類似する特性
を持つ結晶であれば、幅広く適用することが可能となっ
て、晶析装置制御システムの汎用性を向上させることが
できる。
【0011】また、第2の発明は、分散制御装置によっ
て制御される晶析装置においても、過去の実績データと
多数の晶析特性因子と、現在の晶析装置の運転状態とを
比較して制御条件を決定するようにしたため、晶析装置
内部の状態、例えば、晶析特性因子の状態が不明であっ
ても、的確に制御を行うことができ、全く新たな晶析操
作を行う場合であっても、目標とする結晶生産を行うこ
とが可能となり、晶析装置の制御精度を高めるのに加
え、過去に蓄積したデータに基づいて制御因子を決定す
るため、特定の物質だけではなく、類似する特性を持つ
結晶であれば、幅広く適用することが可能となって、晶
析装置制御システムの汎用性を向上させることができ
る。
【0012】また、第3の発明は、現在の晶析装置の運
転状態から、多数の晶析特性因子を求めることができる
が、これら多数の晶析特性因子のうち、所定の数の晶析
特性因子を入力しておき、また、多数の晶析特性因子の
間には相関関係を決定する関係式があることが知られて
いるから、所定数の晶析特性因子と過去の実績データ及
び晶析特性因子が関係式を満足する制御条件を求め、こ
の制御条件に基づいて晶析装置の運転状態を変更するこ
とで、所望の制御を的確に行うことができ、特に、晶析
装置内の全ての晶析特性因子が分からなくとも、過去の
実績データ及び晶析特性因子を用いることで、目標とす
る結晶生産を的確に行うことが可能となる。
【0013】また、第4の発明は、晶析装置から測定す
る晶析特性因子は、少なくとも3つの晶析特性因子を測
定するだけで良く、過去の実績データ及び晶析特性因子
により変化させる晶析特性因子を2つとしたため、例え
ば、晶析特性因子の関係式が6自由度を持つとすると、
6−3−2=1となって、一つの自由度が残り、この一
つの自由度が関係式を満足するように過去の実績データ
から制御条件を求めることで、晶析装置内の晶析特性因
子のうち、少なくとも3つが分かれば、目標とする結晶
生産を的確に行うことが可能となり、さらに、晶析装置
には全ての晶析特性因子を検出するために各種センサを
装備する必要がなくなって、装置の製造コストを抑制で
きるのに加え、検出する晶析特性因子を低減すること
で、既存の晶析装置へ幅広く適用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。図1は、本発明を適用可能な
晶析装置の制御システムを示す。晶析装置6としては、
回分式の攪拌槽型を採用した一例を示しており、この晶
析装置6は、分散制御装置10、通信手段20を介して
接続された制御コンピュータ8からの指令に基づいて制
御される。なお、通信手段20は、例えば、LAN、W
ANあるいはインターネットなどを示す。
【0015】制御コンピュータ8上では、晶析装置6を
制御するための晶析装置制御システム30(図2参照)
が稼働しており、分散制御装置10上では、晶析装置6
の運転状態を制御する駆動システム50(図2参照)が
稼働しており、これら、晶析装置制御システム30と駆
動システム50は、データリンクシステム40(図2参
照)を介してデータの送受を行う。
【0016】そして、制御コンピュータ8は、データリ
ンクシステム40を介して駆動システム50に記憶され
た晶析装置6の運転状態を示すデータ読み込み、後述す
るような晶析特性因子の相関式と、制御因子格納データ
ベース9から読み込んだ制御因子と過去の晶析特性因子
に基づいて、所望の晶析特性因子が得られる運転状態と
なるような制御因子を決定し、データリンクシステム4
0を介して分散制御装置10の駆動システム50へ指令
する。なお、上記データリンクシステム40としては、
例えば、米国OSI SOFTWARE社が開発したP
I DATALINKなどのソフトウェアを適用すれば
よい。
【0017】次に、攪拌槽型の晶析装置6は、図1のよ
うに、インペラなどの攪拌部材61を駆動するモータ6
0と、晶析装置6内の温度を任意に設定可能な温度管理
装置62と、原料液の流量を制御するバルブ63と、装
置から取り出す懸濁母液の流量を制御するバルブ64
と、この懸濁母液から結晶などの製品を分離する遠心分
離器7を主体に構成され、これらモータ60、温度管理
装置62、バルブ63、64は、分散制御装置10によ
って制御される。なお、温度管理装置62は、クーラや
ヒータなどで構成され、晶析装置6の冷却速度や蒸発速
度などの制御を行う。そして、晶析装置6には、運転状
態を検出するセンサが次のように配置され、各センサは
検出結果を分散制御装置10に送出する。
【0018】結晶生産量測定装置1:遠心分離器7で分
離された結晶(または固体)の量を検出(なお、検出す
る量は、例えば、体積や質量などである。) 母液濃度計2:遠心分離器7で結晶を分離した母液の濃
度C1を検出 懸濁母液流量計3:槽内から排出される懸濁母液の流量
Q1を検出 温度計4:槽内の温度T1を検出 原料液流量計5:槽内へ流入する原料液の流量Q2を検
出 運転状態検出装置11:モータ60の回転速度および動
力を検出 レーザ粒度測定装置12:レーザビームにより結晶の粒
度特性数L*(∝粒径)、粒径分布nを検出 密度計13:装置内空間率(1−ε)を検出し、例えば、
振動共鳴型密度計など圧力計14:装置内圧力P1を検
出 以上のような、各種センサの測定値と、制御コンピュー
タ8からの指令に応じて、分散制御装置10は晶析装置
6の運転状態を変化させる。一方、制御コンピュータ8
は、CPU、HDD、メモリ、入力手段(キーボードな
ど)、通信インターフェース(等図示せず)と、表示装
置81から構成される。制御コンピュータ8で実行され
る晶析装置制御システム30は、分散制御装置10に記
憶された晶析装置6の運転状態を示す上記測定値を、デ
ータリンクシステム40を介して晶析特性因子の測定値
として読み込む。晶析装置制御システム30は、後述す
る晶析特性因子の関係式と、選択した晶析特性因子の測
定値から、目標とする結晶生産速度(P/ρcV’)
t、粒度特性数(L*)tを得るため、予め設定した晶
析特性因子のうちの2つについて相関関係を演算する。
そして、制御因子格納データベース9から、過去の制御
因子と晶析特性因子を読み込み、この2つの相関関係
が、後述の晶析特性因子の関係式を満足する制御因子を
演算する。この制御因子の演算結果が、データリンクシ
ステム40を介して分散制御装置10の駆動システム5
0に指令されて、晶析装置6を所望の運転状態に制御す
るのである。
【0019】ここで、晶析特性因子と制御因子について
それぞれ説明する。本発明では、晶析特性因子として、
晶析装置6の設計の際に用いられる晶析特性因子が用い
られ、かかる晶析装置6の設計の際に用いられる晶析特
性因子とは、通常、晶析装置6の所望の粒径分布の製品
結晶を所望の生産速度で得るための晶析装置の容積、原
料調整装置や固液分離装置、晶析装置の攪拌機の規模を
設計するために用いられる晶析特性因子である。
【0020】晶析装置の設計に用いられる晶析特性因子
は、次の6因子である。 (1)粒度特性数L* 結晶の粒径は、篩分けなどで測定した、粒径に対する累
積質量分率をRosin−Rammler分布で相関し
たときの粒度特性数、(累積質量分率が自然対数の底e
≒0.36となる粒径のこと)として表すこととする。
多くの工業晶析装置の製品結晶は、誤差の大小はあるが
Rosin−Rammler式で相関されることがわか
っている。 (2)粒径分布n 工業晶析装置の製品結晶粒径には分布があり、この分布
の広さは、Rosin−Rammler式の傾きnで示
す。 (3)装置内空間率(1−ε) 装置内に懸濁している結晶粒子の総体積と懸濁母液の体
積の比率である。 (4)核発生速度Fv’ 単位時間当たり単位体積当たりに発生・生産された結晶
の個数をいう。 (5)結晶生産速度P/ρcV’ 単位晶析槽体積当たりの結晶体積生産量である。 (6)線成長速度d1/dθ 晶析装置内で結晶が成長し、単位時間当たり製品結晶の
粒径の変化である。
【0021】上記6つの各晶析特性因子については、次
のような関係式(以下、連立式という)が存在すること
が知られている。
【数3】 なお、上記(1)、(2)式は、例えば、「化学工学論
文集 Vol.10(1984) No.4」(社団法人 化学工
学会刊)第469頁などに開示されるもので、上記
(1)式のI1、(2)式のI2は、粒径分布nの関数
で、 i1=f1(n) i2=f2(n) である。ここで、上記(1)式は、生産される結晶の個
数収支を示し、例えば、結晶生産速度P/ρcV’が懸
濁母液の蒸発速度や冷却速度などの操作方法により決ま
る因子とすると、Fv’×I1の項は、過飽和度や攪拌
状態の操作方法によって変更される核発生速度による因
子を示し、粒度特性数L*は、これら2つの操作方法に
よって決定されることを示す。上記(2)式において、
装置内空間率(1−ε)は、冷却式や反応式の晶析装置
では、原料液濃度や運転条件によって決定され、蒸発式
の晶析装置では、蒸発及びスラリー抜き出し速度によっ
て決定される。また、線成長速度d1/dθは、装置内
の粒径分布nや懸濁母液の過飽和度などによって決定さ
れる因子である。
【0022】次に、上記晶析特性因子を変化させる晶析
装置6の制御因子は、次の3因子に大別され、各制御因
子の一例は、次のとおりである。 (A)攪拌状態を変化させる制御因子 モータ60の回転速度制御や攪拌部材61の角度 (B)過飽和度を変化させる制御因子 装置内の温度T1、圧力P1、蒸発速度、冷却速度、懸
濁母液の濃度 C1=温度管理装置62による温度制御あるいはバルブ
63、64による流量制御 (C)母液または固体(結晶)の滞留時間を変化させる
制御因子 懸濁母液流量Q1、原料液流量Q2 =バルブ63、64による流量制御 ここで、晶析装置6の制御因子と、晶析装置6の設計に
用いる晶析特性因子との相関関係は、前記課題でも述べ
たように特定するのは難しく、それ故、フィードバック
制御やフィードフォワード制御によって、汎用性のある
制御手法を確立するのが難しかったのである。
【0023】そこで、本願発明では、図2に示すよう
に、上記分散制御装置10の駆動システム50が、各種
センサの検出結果から、晶析装置6の設計に用いる6つ
の晶析特性因子のうちの3つについて実測し、この結果
をデータリンクシステム40を介して制御コンピュータ
8へ読み込む。次に、制御コンピュータ8の晶析装置制
御システム30では、以下のような処理を行う。
【0024】まず、目標とする結晶生産速度P/ρc
V’と、目標とする粒度特性数L*を決め、上記連立式
(1)、(2)式より、後述するように、予め設定した
晶析特性因子のうちの2つの関係について演算する。な
お、以下、目標とする結晶生産速度を(P/ρcV’)
tとし、目標とする粒度特性数を(L*)tとする。そ
して、上記晶析装置6の過去の制御因子と晶析特性因子
を制御因子格納データベース9から読み込んで、上記目
標結晶生産速度(P/ρcV’)tと目標粒度特性(L
*)tを達成するために、2つの晶析特性因子を選択し
て、上記連立式(1)、(2)式を満足するような、制
御因子を決定する。この制御因子に基づいて分散制御装
置10の駆動システム50へ指令を送り、晶析装置6を
所望の運転状態に制御するのである。ここで、晶析装置
6の制御因子が影響を与える晶析特性因子は、晶析する
物質、装置、操作方法、操作条件によって異なるし、晶
析装置6の直前の状態によっても異なる。このため、制
御因子格納データベース9には、過去に処理した晶析操
作について、物質、装置、操作方法の違いに応じた多数
の実績データ(=制御因子)と晶析特性因子が格納され
ており、晶析装置制御システム30では、上記連立式
(1)、(2)を満足するように、制御因子格納データ
ベース9から読み込んだ制御因子を、過去の晶析特性因
子からずれないように変化させて、最適な制御因子を決
定するのである。
【0025】次に、制御コンピュータ8の晶析装置制御
システム30で行われる処理の一例を、図3のフローチ
ャートに基づいて説明する。
【0026】まず、ステップS1では、上記(1)〜
(6)の6つの晶析特性因子のうち、3つの晶析特性因
子を選択する。
【0027】次に、ステップS2では、分散制御装置1
0の駆動システム50が測定した晶析装置6の晶析特性
因子の現在値のうち、ステップS1で選択した3つの晶
析特性因子について、データリンクシステム40を介し
て制御コンピュータ8へ読み込み、記憶する。
【0028】また、ステップS3では、目標結晶生産速
度(P/ρcV’)tと目標粒度特性(L*)tを読み
込む。なお、これら目標値(P/ρcV’)t、(L
*)tは、制御コンピュータ8のキーボードなどの図示
しない入力手段や、予め設定した値である。
【0029】ステップS4では、上記ステップS2で読
み込んだ、晶析装置6の晶析特性因子の3つの現在値
と、装置内空間率(1−ε)、核発生速度Fv’、線成
長速度d1/dθの3つの晶析特性因子の中から、上記
目標結晶生産速度(P/ρcV’)tと目標粒度特性
(L*)tを達成するための2つの晶析特性因子を選ん
でこの2つの相関関係を上記連立式(1)、(2)式よ
り演算する。ここで、連立式(1)、(2)式は、上記
の6つの晶析特性因子から構成されて、自由度=6であ
る。この6自由度の連立式に、晶析特性因子の3つの現
在値を代入することで、自由度=3となり、さらに、制
御目標である2つの目標値、目標結晶生産速度(P/ρ
cV’)tと目標粒度特性(L*)tを達成するための
2つの晶析特性因子を連立式へ代入することで、連立式
は自由度=1となる。この、自由度=1となった連立式
に対して、ステップS5、S6では、制御因子格納デー
タベース9から、過去の制御因子と、この制御因子に対
応した晶析特性因子を読み込む。そして、制御因子を変
化させて、ステップS4で選択した2つの晶析特性因子
が連立式を満足するような制御因子の値を演算する。
【0030】ステップS7では、ステップS6で求め
た、制御因子をデータリンクシステム40から分散制御
装置10へ送り、駆動システム50は、この制御因子に
応じて晶析装置6を所望の運転状態、換言すれば、目標
結晶生産速度(P/ρcV’)tと目標粒度特性(L
*)tを得ることが可能な運転状態へ向けて制御を行う
のである。ここで、実際の処理の一例を示すと、例え
ば、晶析装置6から測定する晶析特性因子を、結晶生産
速度P/ρcV’、粒度特性数L*、核発生速度Fv’
と設定する。なお、結晶生産速度P/ρcV’は、上記
図1に示した、結晶生産量測定装置1が検出した結晶の
量を単位時間当たりで換算したものである。また、粒度
特性数L*(粒径)は、同じくレーザ粒度測定装置12
の検出値で、核発生速度Fv’は、母液濃度計2が検出
した濃度C1から演算した過飽和度などに基づいて測定
したものである。
【0031】晶析装置制御システム30は、晶析装置6
を設計に用いる6つの晶析特性因子のうち、上記結晶生
産速度P/ρcV’、粒度特性数L*、核発生速度F
v’について、現在の測定値を分散制御装置10から読
み込んで記憶する。次に、上記目標結晶生産速度(P/
ρcV’)tと目標粒度特性(L*)tを達成するため
の晶析特性因子として、装置内空間率(1−ε)、核発
生速度Fv’、線成長速度d1/dθの3つの晶析特性
因子の中から、装置内空間率(1−ε)と線成長速度d
1/dθの2つの因子を選択する。
【0032】そして、装置内空間率(1−ε)と線成長
速度dl/dθについて、上記連立式を満足するように
演算を行うと、図4に示すような傾きの関係式が求ま
る。しかし、装置内空間率(1−ε)と、線成長速度d
l/dθの値は、測定しておらず、未知の値であるか
ら、これら2つの晶析特性因子の関係は、例えば、傾き
として得られるだけで、グラフとしては、図4のa、
b、cなどが複数存在する。ただし、図4は、横軸の晶
析特性因子1=装置内空間率(1−ε)、縦軸の晶析特
性因子2=線成長速度dl/dθ、パラメータとなる制
御因子として過飽和度を用いた場合を示す。ここで、晶
析特性因子を制御する制御因子Xとして、過飽和度を用
いるとすると、制御因子格納データベース9に格納され
た過去の制御因子に基づいて、この制御因子Xを変化さ
せることで、現在の晶析装置6の運転状態を制御するこ
とができる。いま、晶析装置6内では、物質αの晶析を
行っているとすると、制御因子格納データベース9から
は、この物質αと結晶構造が類似する物質a、b、cの
データを読み込んで、制御コンピュータ8の表示装置8
1上に表示させると、図4に示すようになる。
【0033】これら、過去のデータは、図4において、 物質a:過飽和度Saのときの(1−ε)とdl/dθ
の関係を示すデータで、図中一点鎖線 物質b:過飽和度Sbのときの(1−ε)とdl/dθ
の関係を示すデータで、図中実線 物質c:過飽和度Scのときの(1−ε)とdl/dθ
の関係を示すデータで、図中破線 である。晶析装置6の通常の操作領域においては、2つ
の晶析特性因子の関係はほぼ直線となり、そして、類似
する結晶構造であれば、2つの晶析特性因子の関係は、
ほぼ平行移動した関係となる。いま、物質αの晶析を行
っている晶析装置6の晶析特性因子で既知のものは、上
記したように、結晶生産速度P/ρcV’、粒度特性数
L*、核発生速度Fv’であり、(1−ε)とdl/d
θの2つの晶析特性因子を決定する過飽和度は、核発生
速度Fv’から類推できる。例えば、核発生速度Fv’
を測定する懸濁母液の濃度C1より現在の過飽和度を類
推すればよい。したがって、類推した現在の過飽和度
が、物質bの過飽和度Sbに近ければ、過飽和度Sbを
制御因子として選択する。そして、晶析装置制御システ
ム30は、この過飽和度Sbを現在の制御因子として、
データリンクシステム40から分散制御装置10の駆動
システム50へ指令し、晶析装置6の過飽和度を変更す
るように制御が行われ、目標とする結晶生産速度を(P
/ρcV’)tと、目標とする粒度特性数を(L*)t
を得ることができるのである。なお、分散制御装置10
への指令は、過飽和度でもよいし、また、過飽和度を代
表するパラメータ(例えば、温度)としても良い。ま
た、制御因子格納データベース9から読み込んだデータ
は、制御因子として過飽和度を用いたが、過飽和度を代
表するパラメータ(例えば、温度)を用いても良い。
【0034】以上のように、本発明によれば、現在の晶
析装置6から、晶析装置の設計に用いる6つの晶析特性
因子のうち、少なくとも3つの晶析特性因子を測定し、
晶析の目標値である目標結晶生産速度(P/ρcV’)
t、目標粒度特性数(L*)tを達成するように、選択
した2つの晶析特性因子の関係が、上記連立式を満足す
るときの制御因子を用いるようにしたため、晶析装置6
の状態が、少なくとも3つの晶析特性因子について測定
すれば、その他の晶析特性因子が不明であっても容易か
つ正確に制御することが可能となるのである。
【0035】そして、目標値を達成する2つの晶析特性
因子の関係は、上記連立式を満足する範囲で、制御因子
格納データベース9に格納された過去のデータに基づい
て決定することができるため、全く新たな晶析操作を行
う場合であっても、目標とする結晶生産速度と粒度特性
数を得ることが可能となり、晶析装置6の制御精度を高
めるのに加え、過去に蓄積したデータに基づいて制御因
子を決定するため、特定の物質だけではなく、類似する
特性を持つ結晶であれば、幅広く適用することが可能と
なって、晶析装置制御システム30の汎用性を向上させ
ることができるのである。さらに、晶析装置6から測定
する晶析特性因子は、3つの晶析特性因子を測定するだ
けで良いため、晶析装置6には、全ての晶析特性因子を
検出するために各種センサを装備する必要がなくなっ
て、装置の製造コストを抑制できるのに加え、検出する
晶析特性因子を低減することで、既存の晶析装置へ幅広
く適用できるという利点を持つのである。
【0036】なお、図4において、制御因子Xを決定す
る際には、過去のデータと同一の点だけではなく、過去
のデータから得られるグラフの中間などに設定してもよ
い。あるいは、制御コンピュータ8の操作者が、マウス
やキーボードなどの入力手段によって、制御因子Xを決
定してもよく、この場合、操作者は表示装置81で、過
去のデータに基づく2つの晶析特性因子の関係を視認し
た上で、制御因子Xを所望の値に設定することができ、
どのような物理化学的要因が装置内に作用していても、
晶析装置を的確に制御し、目標とする結晶生産を行うこ
とができるのである。
【0037】また、上記実施形態において、制御因子と
して過飽和度を用いた一例を示したが、攪拌状態や滞留
時間に関する制御因子を用いた場合も同様である。ま
た、上記実施形態においては、制御コンピュータ8と分
散制御装置10が通信手段20を介して接続される一例
を示したが、制御コンピュータ8と分散制御装置10が
同一のコンピュータで実現されていても良い。
【0038】また、上記実施形態においては、各センサ
から読み込んだ検出値に基づいて、分散制御装置10が
晶析特性因子を測定する場合について述べたが、制御コ
ンピュータ8が分散制御装置10を介して各センサの検
出値を読み込み、晶析特性因子を測定しても良く、さら
に、晶析装置6として回分式のものを開示したが、連続
式の晶析装置に適用しても、同様の作用、効果を得るこ
とができる。また、本発明の晶析装置の制御システム
は、過去に蓄積したデータに基づいて制御因子を決定す
るため、特定の物質だけではなく、類似する特性を持つ
結晶であれば、幅広く適用することが可能となって、晶
析装置制御システムの汎用性を向上させることができ
る。また、本発明の晶析装置の制御システムにおいて、
上記した各実施形態を実行するための各手段をコンピュ
ータ読みとり可能な記録媒体に記憶することができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が本発明は、これらに限定されるものではない。 実施例1 臭化リチウム(KBr)の晶析操作を本発明の晶析装置
の制御システムを用いた場合について、図3を参照しな
がら説明する。なお、目標結晶生産速度(P/ρc
V’)tは0.01[hr-1]、目標粒度特性数(L*)
tは2[mm]である。 ステップS1 制御コンピュータ8に結晶成長速度、粒度特性数、核発
生速度の3つの晶析特性因子を選択し、入力する。
【0040】ステップS2 前記で入力した結晶成長速度、粒度特性数、核発生速度
に対応する測定値を分散制御装置10の駆動システム5
0が測定した値、結晶成長速度=0.02[mm/h
r]、粒度特性数=1.4[mm]、核発生速度=8×1
6[m-3hr-1]を制御コンピュータに読込み、記憶す
る。
【0041】ステップS3 目標結晶生産速度(P/ρcV’)t=0.01[hr
-1]、目標粒度特性数(L*)t=2[mm]を読込む。
【0042】ステップS4 ステップS2で読込み記憶した結晶成長速度=0.02
[mm/hr]、粒度特性数=1.4[mm]、核発生速度
=8×106[m-3hr-1]と、ステップ1で入力した以
外の3つの晶析特性因子、装置内空間率、線成長速度、
核発生速度の中から、メスシリンダー法で実測が容易
で、当該成長条件では大きな変化がないと言う理由で装
置内空間率、線成長速度の2つの晶析特性因子を選択
し、上記連立式(1)、(2)に選択された晶析因子演
算することにより、装置内空間率、線成長速度の関係式
が下記数式(3)として導かれた。
【数4】
【0043】ステップS5・S6・S7 制御因子格納データベース9から、装置内空間率、線成
長速度との関係式を変動させる制御因子となる過去の実
績データとして、装置内空間率は数式(4)、線成長速
度は数式(5)で表される過飽和度の関数として表され
ため、過飽和度を選択した。
【数5】 次いで、上記(4)、(5)の関係式に、過去の過飽和
度のデータをプロットし、式(5)の関係をプロットす
ると図5のものが得られた。この図5より過飽和度を
0.3wt%とすることにより目標とする結晶生産が行
えることが分かる。次いで、この過飽和度を変化させる
制御因子として、晶析装置6内の温度を選択し、過去の
実績データより、過飽和度が0.3wt%の場合、温度
が70℃であることが分かっているので、分散制御装置
10へ、この温度70℃で晶析を行うように指令し、晶
析装置6を制御して、目標とする結晶生産である目標結
晶生産速度(P/ρcV’)t 0.012[hr-1]、
目標粒度特性数(L*)t2.01[mm]の結晶生産を
行うことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す晶析装置制御システ
ムの概略構成図。
【図2】同じく制御システムのソフトウェアに関する概
略図。
【図3】制御コンピュータで実行される晶析装置制御シ
ステムの一例を示すフローチャート。
【図4】2つの晶析特性因子と制御因子の関係を示すグ
ラフ。
【図5】実施例1から導きだされた装置内空間率と線成
長速度の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 結晶生産量測定装置 2 母液濃度計 3 懸濁母液流量計 4 温度計 5 原料液流量計 6 晶析装置 7 遠心分離器 8 コンピュータ 9 制御因子格納データベース 10 分散制御装置 11 運転状態検出装置 13 密度計 14 圧力計 30 晶析装置制御システム 40 データリンクシステム 50 駆動システム 60 モータ 62 温度管理装置 63 バルブ 64 バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G05B 13/02 G05B 13/02 K G06F 17/30 170 G06F 17/30 170Z

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過去の実績データと晶析特性因子とを格
    納した制御因子格納データベースと、 晶析装置の運転状態を測定するセンサと、 前記センサから読み込んだ現在の晶析装置の運転状態の
    晶析特性因子の測定値と、前記制御因子格納データベー
    スから読み込んだ過去の実績データ及び晶析特性因子と
    を比較して、目標とする結晶生産を行うための晶析装置
    の制御条件を設定し、晶析装置を制御する制御コンピュ
    ータとを備えたことを特徴とする晶析装置の制御システ
    ム。
  2. 【請求項2】 過去の実績データと晶析特性因子とを格
    納した制御因子格納データベースと、 晶析装置を制御し、晶析装置の運転状態の晶析特性因子
    を測定する分散制御装置と、 前記分散制御装置から読み込んだ現在の晶析装置の運転
    状態の晶析特性因子の測定値と、前記制御因子格納デー
    タベースから読み込んだ過去の実績データ及び晶析特性
    因子とを比較して、目標とする結晶生産を行うための晶
    析装置の制御条件を設定し、前記分散制御装置へ設定し
    た晶析装置の制御条件を指令し、晶析装置を制御する制
    御コンピュータとを備えたことを特徴とする晶析装置の
    制御システム。
  3. 【請求項3】 前記制御コンピュータは、予め入力し記
    憶された晶析特性因子のうち、所望の晶析特性因子を入
    力する晶析特性因子入力手段と、 目標とする結晶生産を行うための晶析特性因子を設定す
    る制御目標設定手段と、 前記で入力された所望の晶析特性因子に対応する現在の
    測定値を前記分散制御装置から読込み記憶する手段と、 前記読み込んだ現在の晶析装置の運転状態の晶析特性因
    子の測定値と、前記設定された晶析特性因子とが、晶析
    特性因子間の相関関係を決定する関係式を満足するよう
    に、前記設定された晶析特性因子間の相関関係を導き、
    その相関関係と、該設定された晶析特性因子を変動させ
    る制御因子に基づいて目標とする結晶生産を行うための
    制御因子を決定する制御因子設定手段とを備えたことを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の晶析装置の制
    御システム。
  4. 【請求項4】 前記制御因子設定手段は、前記晶析特性
    因子入力手段から入力された少なくとも3つの晶析特性
    因子に対応する前記分散制御装置から読み込んだ現在の
    晶析装置の運転状態の晶析特性因子の少なくとも3つの
    測定値と、前記で入力した以外の設定された2つの晶析
    特性因子とが、晶析特性因子間の相関関係を決定する関
    係式を満足するように、前記設定された2つの晶析特性
    因子間の相関関係を導き、その相関関係と、該設定され
    た2つの晶析特性因子を変動させる制御因子に基づいて
    目標とする結晶生産を行うための制御因子を設定するこ
    とを特徴とする請求項3に記載の晶析装置の制御システ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記晶析装置の制御を行う手段は、前記
    で設定された目標とする結晶生産を行うための制御因子
    中、該制御因子を変動させるパラメータにより晶析装置
    の制御を行うものである請求項3又は4記載の晶析装置
    の制御システム。
  6. 【請求項6】 前記晶析特性因子は、晶析装置の設計に
    用いられる晶析特性因子である請求項3乃至5記載の晶
    析装置の制御システム。
  7. 【請求項7】 前記晶析特性因子は、粒度特性数、粒径
    分布、装置内空間率、核発生速度、結晶生産速度、線成
    長速度から選ばれるものである請求項3乃至6記載の晶
    析装置の制御システム。
  8. 【請求項8】 前記過去の実績データは、晶析特性因子
    を変動させる制御因子である請求項3乃至7記載の晶析
    装置の制御システム。
  9. 【請求項9】 前記制御因子は、攪拌状態を変化させる
    制御因子、過飽和度を変化させる制御因子、母液又は固
    体(結晶)の滞留時間を変化させる制御因子から選ばれ
    るものである請求項3乃至8記載の晶析装置の制御シス
    テム。
  10. 【請求項10】 前記制御因子を変動させるパラメータ
    は、攪拌装置の回転速度、攪拌部材の角度、晶析装置内
    の温度、圧力、蒸発速度、冷却速度、懸濁母液の濃度、
    懸濁母液流量、原料液流量から選ばれるものである請求
    項3乃至9記載の晶析装置の制御システム。
  11. 【請求項11】 晶析特性因子間の相関関係を決定する
    関係式は、下記数式(1)〜(2) 【数1】 (式中、 L*;粒度特性数、n;粒度分布、1−ε;装置内空間
    率、Fv’;核発生速度、P/ρcV’、;結晶生産速
    度、d1/dθ、d1/dθ;線成長速度を示す。)で
    表される式を用いて導かれるものである請求項3乃至8
    記載の晶析装置の制御システム。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11記載のいずれか一項に
    記載の晶析装置の制御システムを実行するための手段を
    記憶したことを特徴とするコンピュータ読みとり可能な
    記憶媒体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114669079A (zh) * 2022-04-28 2022-06-28 稀美资源(广东)有限公司 一种氟钽酸钾的动态结晶设备
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