JP2003199479A - 裾張りネット付き防獣用ネット - Google Patents

裾張りネット付き防獣用ネット

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JP2003199479A JP2002000726A JP2002000726A JP2003199479A JP 2003199479 A JP2003199479 A JP 2003199479A JP 2002000726 A JP2002000726 A JP 2002000726A JP 2002000726 A JP2002000726 A JP 2002000726A JP 2003199479 A JP2003199479 A JP 2003199479A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】農作物や造林木の若芽、樹皮などを、特にシカ
科動物の獣害から効果的に守ることができる防獣用ネッ
トを提供する。 【解決手段】金属線入り合成繊維撚り糸を編網してなる
網地から構成されたフェンス状主ネットと、金属線無混
入合成繊維撚り糸を編網してなる網地から構成された補
助ネットとの組合わせからなり、かつ該補助ネットが、
前記フェンス状主ネットの網目よりも小さい網目を有す
ると共に、該フェンス状主ネットの長手方向全長にわた
り、その高さ方向中間部から地面に向けて斜状に配設さ
れてなる裾張りネット付き防獣用ネットである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は裾張りネット付き防
獣用ネットに関する。さらに詳しくは、本発明は、農作
物や造林木の若芽、樹皮などを、野生の動物、特に日本
鹿やカモシカなどのシカ科動物の獣害から効果的に守る
ことができる裾張りネット付き防獣用ネットに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、農作物や、造林木の若芽、樹皮な
どを、野生の日本鹿、カモシカなどのシカ科動物、ある
いはウサギ、猿、猪などの獣害から守るために、一般に
防獣用ネットをフェンス状に張設し、前記動物の侵入を
防止することが行われてきた。そして該動物の侵入を効
果的に防止するために、これまで、防獣用ネットに関し
て、様々な提案がなされている。例えば、(1)防獣用
ネット本体を構成する一部の網脚を通電網脚で形成した
防獣用ネット(実開平6−19483号公報)、(2)
合成繊維に金属線を混入して構成した防獣ネットをフェ
ンス張りした状態で、上段領域を大目網、下段領域を小
目網に形成したフェンス張り式防獣ネット(実開平7−
14882号公報)、(3)合成繊維に直径0.3mm以
上の金属線を混入して構成した防獣ネット(実開平7−
34680号公報)、(4)金属線材のみで撚紐無結節
に編網したネット本体の組節部はきつめに、網脚部は弛
めに形成したフェンス状獣害防止ネット(実公平7−3
7506号公報)、(5)発光物質を合成繊維製網地に
混入、付着又は塗布した発光防獣ネット(特開平11−
56208号公報)などが提案されている。しかしなが
ら、これらの防獣用ネットは、いずれも動物の侵入防止
に関して、ある程度の効果を有するものの、実用的に
は、必ずしも十分に満足し得るものではなかった。例え
ば、前記(4)の金属線材のみからなるフェンス状獣害
防止ネットは、動物によって噛み切られて破網すること
はないものの、嵩張ったり、重量が大となって作業性が
悪い上、地形の起伏に沿うように展張しにくいなどの欠
点を有している。また、前記(3)の直径0.3mm以上
の金属線を混入した合成繊維からなる防獣ネットは、上
記(4)のフェンス状獣害防止ネットほどではないにし
ても、それと同じような欠点を有している。また、前記
の各防獣用ネットにおいては、いずれも、シカ科動物に
対しては侵入を十分に防止することができない、という
欠点がある。これは、シカ科動物は、角により、フェン
ス状に張設された防獣用ネットの下端部をもち上げ、く
ぐり抜けることができるからである。したがって、特に
シカ科動物の侵入を十分に防止し得ると共に、軽量で作
業性の良い防獣用ネットの開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、農作物や造林木の若芽、樹皮などを、野
生の動物、特に日本鹿やカモシカなどのシカ科動物の獣
害から効果的に守ることができ、かつ比較的軽量で、作
業性の良い防獣用ネットを提供することを目的としてな
されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の優れ
た機能を有する防獣用ネットを開発すべく鋭意研究を重
ねた結果、下記の知見を得た。フェンス状主ネットの長
さ方向全長にわたり、高さ方向中間部から地面に向け
て、補助ネットを斜状に配設することにより、シカ科動
物がフェンス状の主ネットに接近しようとすると、前脚
に該補助ネットがからみ、主ネットに接近しようとした
動物が嫌がり、主ネットに接近しなくなること、そして
補助ネットの網目を主ネットの網目(シカの角が引かか
ると死ぬ場合があるので、比較的網目を大きくし、角が
引かかりにくくしてある)よりも小さくし、かつ網地を
金属線無混入合成繊維撚り糸で編網した柔軟な補助ネッ
トが、シカ科動物の前脚に効果的にからみ、該動物の主
ネットへの接近の防止に極めて有効であること、さら
に、フェンス状主ネットは、強度の点から、金属線入り
合成繊維撚り糸で編網された網地からなるものが良いこ
とを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成し
たものである。すなわち、本発明は、(1)金属線入り
合成繊維撚り糸を編網してなる網地から構成されたフェ
ンス状主ネットと、金属線無混入合成繊維撚り糸を編網
してなる網地から構成された補助ネットとの組合わせか
らなり、かつ該補助ネットが、前記フェンス状主ネット
の網目よりも小さい網目を有すると共に、該フェンス状
主ネットの長手方向全長にわたり、その高さ方向中間部
から地面に向けて斜状に配設されていることを特徴とす
る裾張りネット付き防獣用ネット、(2)主ネットと補
助ネットとが、防獣用ネットを張設する前に、予め連結
され、一体化されてなる第1項記載の裾張りネット付き
防獣用ネット、(3)金属線入り合成繊維撚り糸が、直
径0.15〜0.3mmのステンレス鋼線入りポリエチレン
繊維撚り糸であり、かつ金属線無混入合成繊維撚り糸
が、ポリエチレン繊維撚り糸である第1項又は第2項記
載の裾張りネット付き防獣用ネット、(4)主ネット及
び補助ネットの網目形状がそれぞれ菱形であって、主ネ
ットの網目の大きさが一辺80〜200mmであり、かつ
補助ネットの網目の大きさが一辺40〜100mmである
第1項、第2項又は第3項記載の裾張りネット付き防獣
用ネット、及び、(5)フェンス状主ネットの高さが
1.2〜2.5mであって、該主ネットにおける補助ネッ
トの取付け位置の高さが0.6〜1.3mであり、かつ補
助ネットの地面上先端部とフェンス状主ネットの下端部
との距離が0.5〜1.5mである第1項ないし第4項の
いずれかに記載の裾張りネット付き防獣用ネット、を提
供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の裾張りネット付き防獣用
ネットは、フェンス状主ネットの長手方向全長にわた
り、その高さ方向中間部から地面に向けて、補助ネット
が斜状に配設された構造を有しており、特に日本鹿やカ
モシカなどのシカ科動物の侵入を防止するために好適に
用いられる。前記本発明の防獣用ネットは、現地で主ネ
ットに補助ネットを取付けるのは作業性の点から不便で
あるので、該防獣用ネットを張設する前に、予め主ネッ
トと補助ネットとを連結し、一体化しておくことが好ま
しい。この連結方法については、後で説明する。本発明
の防獣用ネットにおいて、フェンス状に張設される主ネ
ットは、金属線入り合成繊維撚り糸を編網してなる網地
から構成されている。前記金属線入り合成繊維撚り糸に
おける金属線としては、強度、防錆性、耐食性などの点
から、ステンレス鋼線が好ましく、またその線径は、強
度及び網地重量などの点から、0.15〜0.3mmの範囲
が好適である。一方、合成繊維としては、特に制限はな
く、様々なものを用いることができるが、野外におい
て、長期間にわたり、日光や風雨に曝されることから、
寿命の点でポリエチレン繊維が好適である。ナイロン繊
維は、初期強度が高いものの、野外での劣化の進行が速
く、好ましくない。当該、金属線入り合成繊維撚り糸に
おいては、前記ステンレス鋼線は1本以上混入されてい
ればよいが、強度などの点から3〜10本程度混入され
ているのが有利である。このような撚り糸は、適当な繊
度を有するポリエチレン繊維数10本と、前記ステンレ
ス鋼線3〜10本を用い、公知の方法で撚ることにより
作製することができる。なお、前記ポリエチレン繊維を
構成するポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン
(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状
低密度ポリエチレン(LLDPE)など、いずれも用い
ることができるが、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤などを配合し、耐候処理を施したものが好適である。
また、ポリエチレン繊維は、強度の点から延伸処理を施
したものが好ましい。当該金属線入り合成繊維撚り糸の
色調については特に制限はなく、従来防獣用ネットにお
いて用いられている色調を採用することができる。この
ような色調としては、例えば黒色やオレンジ色などを挙
げることができる。
【0006】本発明の防獣用ネットにおける主ネットに
おいては、前記の金属線入り合成繊維撚り糸を用い、網
目形状が菱形で、かつ一辺が80〜200mmになるよう
に編網し、網地を作製することが好ましい。網目が菱形
である場合、防獣用ネットを張設する場所の地形が起伏
を有していても、該ネットの張設が容易となる。また、
前記菱形の一辺が80mm未満ではシカ科動物の角が引か
かりやすく、該動物が死亡するケースが多くなり、動物
愛護の面から好ましくない。一方、一辺が200mmを超
えると、獣害を与える小動物が侵入しやすくなる。編網
方法としては、特に制限はなく、従来防獣用ネットの網
地の作製において慣用されている方法の中から、任意の
方法を選択して用いることができる。例えば本目網、蛙
股網、綟網、無結節網などの編網方法を挙げることがで
きるが、固くてずれないなどの点から蛙股網方法が好適
である。この主ネットの幅(高さ)は、通常1.2〜2.
5m程度であり、また、長さは、防獣用ネットを張設す
る場所の地形により、異なるが、一般には10〜100
m、好ましくは30〜70m程度である。一方、本発明
の防獣用ネットに用いられる補助ネットは、金属線無混
入合成繊維撚り糸を編網してなる網地から構成されてい
る。上記の金属線無混入合成繊維撚り糸としては、前述
で説明した、主ネットを構成する網地の作製に用いられ
る金属線入り合成繊維撚り糸から、金属線を除いた撚り
糸と同じものを挙げることができる。また、その色調
は、主ネットの網地と同じ色調であることが好ましい。
本発明の防獣用ネットにおける補助ネットは、前記の金
属線無混入撚り糸を用い、網目形状が菱形で、かつ一辺
が40〜100mmになるように編網し、網地を作製する
ことが好ましい。この菱形の一辺が40mm未満では雪が
降った場合積雪しやすくなり、好ましくないし、100
mmを超えるとシカ科動物がフェンス状主ネットに接近し
た場合、前脚に補助ネットがからまりにくくなり、好ま
しくない。
【0007】編網方法としては、前述の主ネットの網地
において説明した方法と同じ方法を挙げることができ
る。本発明の防獣用ネットにおいては、当該ネットを張
設した場合、前記補助ネットは、フェンス状主ネットの
長手方向全長にわたり、その高さ方向中間部から、地面
に向けて斜状に配設された状態となる。フェンス状主ネ
ットにおける該補助ネットの取付け位置の高さは0.6
〜1.3mの範囲が好ましい。また、該補助ネットの地
面上先端部とフェンス状主ネットの下端部との距離は、
0.5〜1.5mの範囲が好ましい。この距離が0.5m
未満では補助ネットを設けた効果が十分に発揮されにく
いし、1.5mを超えると補助ネットの幅が大きくなり
経済的に不利となる。また、この補助ネットは主ネット
の高さ方向中間部から地面に向けて、弛みをもたせて斜
状に配設されることが好ましい。弛みがなく展張した場
合、雪が降った際に、積雪によりトラブルが発生するお
それが生じる。該補助ネットの幅は、主ネットにおける
補助ネットの取付け位置、補助ネットの地面上先端部と
主ネットの下端部との距離及び斜状に配設された補助ネ
ットの弛み程度を、それぞれ選択することにより、自動
的に決まるが、通常1〜2mの範囲で選ばれる。
【0008】本発明の防獣用ネットにおいては、前述し
たように、防獣用ネットを張設する前に、予め主ネット
と補助ネットとを連結し、一体化しておくことが、防獣
用ネットを設置する際の作業性の点で好ましい。主ネッ
トと補助ネットとの連結方法としては、両者を連結し得
る方法であればよく、特に制限はないが、例えば以下に
示す方法を好ましく用いることができる。まず、主ネッ
トの幅方向中間部における長手方向にロープを通し、こ
のロープを介して、補助ネットの幅方向上端部を主ネッ
トに、結束用ロープで括り付けることにより、両ネット
を連結することができる。図1は、フェンス状主ネット
に補助ネットを連結してなる本発明の裾張りネット付き
防獣用ネットを説明するための1例の斜視図であって、
裾張りネット付き防獣用ネット1は、幅1.8m(高
さ)、長さ50mのフェンス状主ネット(網目形状:菱
形、一辺150mm)2の長手方向全長にわたり、高さ方
向中央部(主ネットの下端部から0.9mの距離の位
置)から地面に向けて、幅1.6m、長さ50mの補助
ネット(網目形状:菱形、一辺75mm)3が斜状に配設
された構造を有している。そして、主ネット2と補助ネ
ット3の上端部は、主ネット2の長手方向に通されたロ
ープ4を介して、結束用ロープで結束することにより、
連結されている。この図1においては、補助ロープ3
は、地面に向けて斜状に展張されているが、実際は弛み
をもって配置される。したがって、図のように展張され
た場合は、補助ネット3の地面上の先端部5と主ネット
2の下端部6との距離が約1.3mとなるが、実際は、
補助ネット3は弛んでいるので、該距離は1.3mより
も短くなる。次に、本発明の裾張りネット付き防獣用ネ
ットの配置方法における好ましい態様について説明す
る。
【0009】まず、防獣用ネットが束ねられた状態のま
ま、主ネットの上端部に径8〜12mm程度の張りロープ
を、主ネットの下端部に径6〜10mm程度の押えロープ
を、さらに、補助ネットの下端部に径6〜10mm程度の
押えロープを通す。次に、防獣用ネット設置場所の地面
に、3〜5m程度の間隔を開けて、径30〜40mm程度
の樹脂コーティング鋼管などのポールを打ち込み、ポー
ルを立てたのち、主ネットの張りロープ及び押えロープ
を該ポールに取付け、主ネットを張設する。主ネットの
押えロープは、プラスチック製杭又は切り株などによ
り、約1〜1.5m間隔で固定する。一方、補助ネット
は、その地面上の先端部が、前記フェンス状主ネットの
下端部から0.5〜1.5m程度離れた位置に、かつ弛ん
だ状態で配設されるように、その押えロープを約1〜
1.5m間隔で、プラスチック製杭又は切り株などによ
り固定する。また、各ポールにネットを固定するため
に、針金などにより、各ポール毎に2〜3個所程度固定
するのがよい。なお、該ポールは、強度を高めるため
に、針金やロープなどにより支線を張ることが好まし
い。また人が出入りできるように、数個所程度カーテン
式のような出入り口を取付けることができる。前記ロー
プ類は、耐候性などの点から、ポリエチレン製のものが
好適である。図2は、本発明の裾張りネット付き防獣用
ネットの主ネットを張設し、ポールに固定した状態の1
例を示す説明図である。なお、この図2においては、フ
ェンス状主ネットのみを示し、補助ネットは図示してい
ない。高さ1.2〜2.5mのフェンス状主ネット2の上
端部に通された張りロープ9は、間隔3〜5mのポール
7、7'に11で示すように取付けられると共に、主ネ
ット2の下端部に通された押えロープ10は、ポール
7、7'に12で示されるように取付けられ、かつプラ
スチック製杭8(切り株利用も可)によって固定されて
いる。ネットは、針金などにより、13で示されるよう
にポール7、7'に固定されており、またこのポール
7、7'は、0.5m程度地面へ打ち込まれている。
【0010】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。 実施例1 (1)主ネット、補助ネットの作製及びそれらの連結 繊度400デニールの黒色ポリエチレン糸60本と、径
0.2mmのステンレス鋼線8本を用いて得られたステン
レス鋼線入りポリエチレン撚り糸を使用し、蛙股網方法
により編網し、幅1.8m、長さ50mの網地からなる
主ネットを作製した。この網地の網目形状は、一辺15
0mmの菱形であった。一方、繊度400デニールの黒色
ポリエチレン糸60本を用いて得られたポリエチレン撚
り糸を使用し、蛙股網方法により編網し、幅1.6m、
長さ50mの網地からなる補助ネットを作製した。この
網地の網目形状は、一辺75mmの菱形であった。次に、
前記主ネットの幅方向中央部において長手方向に、径
2.8mmのポリエチレンロープを通し、このロープを介
して、補助ネットの幅方向上端部と主ネットとを結束用
ポリエチレンロープで結束し、主ネットと補助ネットを
連結して一体化させ、裾張りネット付き防獣用ネットを
作製した。 (2)防獣用ネットの設置 福井県三方町田井野地区の梅園ぎわに、2000年12
月上旬、以下のようにして、前記(1)で得られた裾張
りネット付き防獣用ネットを設置した。まず、前記防獣
用ネットを束ねた状態で、その主ネットの上端部に径1
0mmの黒色ポリエチレン張りロープを、主ネットの下端
部に径8mmの黒色ポリエチレン押えロープを通すと共
に、補助ネットの下端部に径8mmの黒色ポリエチレン押
えロープを通した。
【0011】一方、防獣用ネット配置場所の地面に、径
33mm、長さ240cmの樹脂コーティング鋼管からなる
ポール又は径38mm、長さ240cmのグラスファイバー
ポールを、約5m間隔で50cm程度打ち込み、ポールを
立てた。次いで、前記の束ねられた防獣用ネットを少し
ずつ広げながら、主ネットの張りロープ及び押えロープ
をポールに固定すると共に、主ネットの押えロープを、
約1m間隔で、長さ43cmのポリプロピレン製杭又は切
り株で固定し、さらにネットを各ポールに2個所ずつ針
金で固定することにより、主ネットをフェンス状に設置
した。一方、補助ネットは、その地面上の先端部が、上
記フェンス状主ネットの下端部から、約120cm離れた
位置に、かつ弛んだ状態で配設されるように、その押え
ロープを約1m間隔で長さ43cmのポリプロピレン製杭
又は切り株で固定した。また、各ポールは、針金で支線
を張り、動物の衝撃に対する強度を高めた。さらに、こ
の防獣用ネットの適当な2個所に、カーテン式の人出入
口を設けた。このような長さ50mの裾張りネット付き
防獣用ネットを、延長約11kmにわたり設置した。 (3)評価 2001年5月上旬(防獣用ネットを設置してから半年
後)に、鹿の侵入の有無を検査したところ、林道沿い
で、数個所鹿の通った跡があったが、梅園への鹿の侵入
は全く認められなかった。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、農作物や造林木の若
芽、樹皮などを、野生の動物、特に日本鹿やカモシカな
どのシカ科動物の獣害から効果的に守ることができ、か
つ比較的軽量で、作業性の良い裾張りネット付き防獣用
ネットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、フェンス状主ネットに補助ネットを連
結してなる本発明の裾張りネット付き防獣用ネットを説
明するための1例の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の裾張りネット付き防獣用ネッ
トの主ネットを張設し、ポールに固定した状態の1例を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 裾張りネット付き防獣用ネット 2 フェンス状主ネット 3 補助ネット 4 ロープ 5 補助ネットの地面上先端部 6 フェンス状主ネットの下端部 7、7' ポール 8 プラスチック製杭 9 張りロープ 10 押えロープ
フロントページの続き (72)発明者 越智 和彦 兵庫県西宮市津門西口町10−10 Fターム(参考) 2B024 AA10 DB04 GA10 2B121 AA01 AA02 BB27 BB32 EA21 EA26 FA12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属線入り合成繊維撚り糸を編網してなる
    網地から構成されたフェンス状主ネットと、金属線無混
    入合成繊維撚り糸を編網してなる網地から構成された補
    助ネットとの組合わせからなり、かつ該補助ネットが、
    前記フェンス状主ネットの網目よりも小さい網目を有す
    ると共に、該フェンス状主ネットの長手方向全長にわた
    り、その高さ方向中間部から地面に向けて斜状に配設さ
    れていることを特徴とする裾張りネット付き防獣用ネッ
    ト。
  2. 【請求項2】主ネットと補助ネットとが、防獣用ネット
    を張設する前に、予め連結され、一体化されてなる請求
    項1記載の裾張りネット付き防獣用ネット。
  3. 【請求項3】金属線入り合成繊維撚り糸が、直径0.1
    5〜0.3mmのステンレス鋼線入りポリエチレン繊維撚
    り糸であり、かつ金属線無混入合成繊維撚り糸が、ポリ
    エチレン繊維撚り糸である請求項1又は2記載の裾張り
    ネット付き防獣用ネット。
  4. 【請求項4】主ネット及び補助ネットの網目形状がそれ
    ぞれ菱形であって、主ネットの網目の大きさが一辺80
    〜200mmであり、かつ補助ネットの網目の大きさが一
    辺40〜100mmである請求項1、2又は3記載の裾張
    りネット付き防獣用ネット。
  5. 【請求項5】フェンス状主ネットの高さが1.2〜2.5
    mであって、該主ネットにおける補助ネットの取付け位
    置の高さが0.6〜1.3mであり、かつ補助ネットの地
    面上先端部とフェンス状主ネットの下端部との距離が
    0.5〜1.5mである請求項1ないし4のいずれかに記
    載の裾張りネット付き防獣用ネット。
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