JP2003196662A - カット検出装置およびそのプログラム - Google Patents
カット検出装置およびそのプログラムInfo
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Abstract
しいシーンの誤検出を減少させることができるカット検
出装置およびそのプログラムを提供する。 【解決手段】 ベクトル算出処理部19aは、フレーム
を所定数の区画に分割し、各区画においてフレーム間の
動きベクトルを算出する。分類区画数累計処理部19b
は、フレーム間において算出した区画毎の動きベクトル
を、所定数の方向に分類して、各方向に分類された動き
ベクトルと対応する区画の数を累計して方向別区画数を
算出する。絶対値差分量算出処理部19cは、フレーム
間の方向別区画数と、該フレーム間に対して前または後
のフレーム間の方向別区画数との方向別の差分を求め、
該差分の絶対値を基に絶対値差分量を算出する。カット
検出装置は、算出した絶対値差分量を基に、映像データ
よりカット部分を検出する。
Description
ムから成る映像データの時間変化の中よりカット部分を
検出するカット検出装置およびそのプログラムに関する
ものである。
ータにおいて、映像の内容把握を容易にするためには、
例えば本の目次のように何らかの形で映像データに対し
て構造化の処理を行う必要がある。その処理の基本とな
るのが、映像データを一台のカメラで連続的に撮影され
た映像区間として定義されるショットに切り分けるカッ
ト検出である。このカット検出方法として、カットが存
在する映像データのフレーム間では、カットが存在しな
い場合に比べて、画像の類似度が小さく、動きベクトル
量が大きいなどの特徴に注目してカット検出を行ってい
る。具体的には、フレーム間の輝度差や色差、動き補償
情報とその予測誤差などや、それらのデータを基に算出
した「色のヒストグラム」や「動きベクトルの長さ」な
どを、カット検出のための特徴量を抽出し、閾値判定す
ることによってカット検出を行っていた。
のカット検出で用いられてきたフレーム間の輝度差や色
差といった特徴量は、カットであるフレーム間や、動き
の激しいシーンでのフレーム間で高い値となる。そのた
め、この特徴量を閾値判定してカット検出を行うと、動
きの激しいシーンをカットとして誤検出する問題があっ
た。
れたもので、映像データのカット検出において、動きの
激しいシーンの誤検出を減少させることができるカット
検出装置およびそのプログラムを提供することを目的と
する。
題を解決すべくなされたもので、本発明によるカット検
出装置においては、連続するフレームから成る映像デー
タの時間変化の中よりカット部分を検出するカット検出
装置であって、フレームを所定数の区画に分割し、各区
画においてフレーム間の動きベクトルを算出するベクト
ル算出手段と、フレーム間において算出した区画毎の動
きベクトルを、所定数の方向に分類して、各方向に分類
された動きベクトルと対応する区画の数を累計して方向
別区画数を算出する分類区画数累計手段と、フレーム間
の方向別区画数と、該フレーム間に対して前または後の
フレーム間の方向別区画数との方向別の差分を求め、該
差分の絶対値を基に絶対値差分量を算出する絶対値差分
量算出手段と、算出した絶対値差分量を基に、映像デー
タよりカット部分を検出するカット部分検出手段とを具
備することを特徴とする。
の一部または全部を、例えばMPEG(Moving
Picture Experts Group)2など
の規格にて定められる動きベクトル算出のための、所定
数で、所定の大きさの区画に分割し、各区画においてフ
レーム間の動きベクトルを算出する。分類区画数累計手
段は、フレーム間において算出した区画毎の動きベクト
ルを、8〜数十の方向に分類して、各方向に分類された
区画の数を累計して方向別区画数(例えば方向別のヒス
トグラムが好適である)を算出する。
間の方向別区画数と、該フレーム間の一つまたは複数フ
レーム間前(または後)のフレーム間の方向別区画数と
の方向別の差分を求め、該差分の絶対値の和である絶対
値差分量を算出する。以上により、映像データのフレー
ム間より抽出した動きベクトルの方向別の方向別区画数
(ヒストグラム)の絶対値差分量を考慮したカット検出
を行うことができる。この特徴を入れることで、映像デ
ータより「動きの激しいシーン」を「カット部分」と誤
検出する確率を低減したカット検出を行うことができ
る。その理由は後述する。ここで、「動きの激しいシー
ン」とは、物体が高速で移動しているシーンや、カメラ
が高速でパンしているシーンなどである。
ては、上記ベクトル算出手段と、上記分類区画数累計手
段と、上記絶対値差分量算出手段とを備え、映像データ
より上記絶対値差分量を含む複数の特徴項目についての
特徴量である特徴情報を抽出する情報抽出手段を更に具
備し、上記カット部分検出手段は、特徴情報に含まれる
特徴量を識別関数へ代入計算する識別関数計算手段と、
識別関数計算手段の計算結果を基に、カット部分である
かどうかを識別するカット部分識別手段とを具備するこ
とを特徴とする。
別区画数(ヒストグラム)の絶対値差分量を特徴量とし
て映像データより抽出し、該特徴量を変数とする識別関
数を用いてカット部分であるか非カット部分であるかの
識別を行うことができる。また、映像データより抽出し
た複数の特徴項目に任意の重み付けを付与して処理でき
るので、各特徴項目の重み付けに応じて、全ての特徴項
目を考慮したカット検出を行うことができる。
ては、カット部分が既知の映像データを基に、映像デー
タより上記絶対値差分量を含む複数の特徴項目について
の特徴量である特徴情報を抽出し、カット部分および非
カット部分のどちらから抽出したかを識別する情報を特
徴情報に含める特徴情報抽出手段と、特徴情報を基に識
別関数の係数を求め、識別関数を生成する識別関数生成
手段とを更に具備することを特徴とする。
別区画数(ヒストグラム)の絶対値差分量を少なくとも
含む特徴項目を用いて、映像データのカット部分の特徴
量と、非カット部分の特徴量の違いを基に識別関数を生
成できる。
ては、上記識別関数生成手段の生成した識別関数の係数
が、有意なものか所定の計算式により検定する係数検定
手段を更に具備し、上記係数検定手段が、有意でないと
検定した係数がある場合に、上記識別関数生成手段は、
有意でないと検定された係数に対応する特徴情報を除い
た特徴情報を基に、識別関数の係数を求め、識別関数を
生成することを特徴とする。
有意なものであるか統計的に判別を行う所定の計算式を
用いて計算することで、係数の有意について検定するこ
とができる。また、種々の特徴項目よりカット検出に有
効でない特徴項目を削除して、有効な特徴項目のみに絞
り込んだ識別関数を生成することができる。更には、映
像データの内容に合わせて、より精度よくカット検出を
行うように、映像データの内容別に、特徴項目の違う識
別関数を生成することができる。
ては、上記識別関数として判別関数を用いることを特徴
とする。これにより、識別に貢献する特徴量のみを用い
た判別関数でカット部分の検出しを行うことができる。
るフレームから成る映像データの時間変化の中よりカッ
ト部分を検出するカット検出方法のプログラムであっ
て、フレームを所定数の区画に分割し、各区画において
フレーム間の動きベクトルを算出するステップと、フレ
ーム間において算出した区画毎の動きベクトルを、所定
数の方向に分類して、各方向に分類された区画の数を累
計して方向別区画数を算出するステップと、フレーム間
の方向別区画数と、該フレーム間の前または後のフレー
ム間の方向別区画数との方向別の差分を求め、該差分の
絶対値の和である絶対値差分量を算出するステップと、
算出した絶対値差分量を基に、映像データよりカット部
分を検出するステップとをコンピュータへ実行させるた
めのプログラムである。
本発明を説明する。ただし、以下の実施の形態は特許請
求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、ま
た実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの
すべてが発明の解決手段に必要であるとは限らない。ま
ず、本発明の第一の実施形態として、識別関数として判
別関数を用いたカット検出装置の概略構成について図を
用いて説明する。
別関数として判別関数を用いたカット検出装置の概略構
成を示すブロック図である。この図において符号10
は、識別関数として判別関数を用いて、映像データより
カット部分を検出するカット検出装置である。11は、
カット検出装置10内のデータの制御を行う制御部であ
る。12は、カット検出処理用の映像データを格納する
映像データベース12aと、判別関数の学習処理を行う
為のカット部分が既知の映像データである学習情報を格
納する学習情報データベース12bである。13は、カ
ット検出を行う為の種々の処理プログラムを具備する処
理プログラム部である。
対象となる映像データを取得する場合に、上述したよう
に映像データベース12aより読み出す方法に限らな
い。即ち、映像データベース12aは、必ずしもカット
検出装置10が具備する必要はない。他の方法として
は、カット検出装置10は、処理する映像データを、通
信ネットワーク経由で取得したり、CD−ROM等の記
録媒体より読み取ったりして好適である。
例について図を用いて説明する。図6は、本発明の第一
の実施形態における学習情報データベース12bの構成
例を示す図である。図に示すように、カット部分が既知
である映像データに関連付けて種々の情報を格納する。
“映像データ”は、判別関数の学習用の映像データであ
る。“フレーム間情報”は、各フレーム間において、カ
ット部分であるかを示す“カット情報”や、該フレーム
間より抽出した“特徴項目”毎の“特徴量”を含む“特
徴情報”など、フレーム間に関する情報を格納する。
“係数情報”は、各“映像データ”の“フレーム間情
報”を基に求めた判別関数の係数に関する係数情報を格
納する。
を説明する。処理プログラム部13には、学習情報デー
タベース12bに格納されるカット部分、非カット部分
が既知の“映像データ”を基に、判別関数の係数を生成
する為の学習処理を行う学習処理部14と、映像データ
ベース12aに格納されるカット部分、非カット部分が
未知の映像データを基に、カット部分を検出する検出処
理部15から成る。尚、本実施形態の判別関数とは、判
別分析に用いられる関数であって、一つもしくは複数の
観測値(本実施形態では特徴量)を変数とする線形式で
ある線形判別関数である。また、上述した判別分析の方
法の限りではなく、他の判別分析の方法を用いてもよ
い。
明する。対象となるサンプル(映像データにおけるフレ
ーム間)のサンプル数をiとし、サンプルについてのp
種類の特徴項目について特徴量xi1〜xipとした場合、
図7に示すように、フレーム51の時間変化における、
フレーム間の特徴量xi1〜xipが抽出される。この時、
判別関数の定数項をa0とし、各特徴量に対する係数を
a1〜apとすると、サンプルiにおける判別関数値fi
は、以下の判別関数(式1)で表される fi=a0+a1xi1+a2xi2+…+apxip …(式1)
量xi1〜xipを代入することでfiの値を求め、その値
を基に映像データのi番目のフレーム間がカット部分で
あるか非カット部分であるかを判別する。また、係数a
1〜apの有意性を検定する方法は、まず、判別分析によ
って得られた結果から所定の計算式によりp個の特徴量
からj番目の特徴量を除いた場合に、マハラノビスの汎
距離がどのように変化するかを表す尺度であり、係数の
貢献度の判定に用いる値“Fp,j”を以下の(式2)に
より求める。
汎距離 D2 (p-1):p個の特徴量から特徴量jを除いた場合のマ
ハラノビスの汎距離である。次に、検定統計量がF分布
に従っているとして所定の有意水準(%)のF分布値を
求める。次に、貢献度の判定値“Fp,j”とF分布値の
大小を比較して、j番目の特徴量がカット部分の識別に
どの程度、貢献しているかを求める。
タのフレーム間より、“動き方向ヒストグラムの絶対値
差分和(絶対値差分量)”を含む、以下に示す4つの特
徴項目について特徴量xi1〜xi4を抽出する。 ・輝度の絶対値差分の平均値(xi1) ・輝度ヒストグラムの絶対値差分値(xi2) ・画面全体の平均動きベクトル長(xi3) ・動き方向ヒストグラムの絶対値差分和(xi4) 以上の場合に、(式1)に示した判別関数値fiは fi=a0+a1xi1+a2xi2+a3xi3+a4xi4 … (式3) となる。以下(式3)を用いてカット検出装置10の説
明を行う。
隣接フレーム間で同じ位置にあるブロック(フレームを
所定数の区画に分割した際の1区画)の輝度の絶対値差
分を求めて平均した値である。“輝度ヒストグラムの絶
対値差分値”とは、隣接フレームでそれぞれの輝度ヒス
トグラムを求め、各段階(例えば16段階に分ける)毎
に絶対値差分を求め合計した値である。
隣接するフレーム間で、動きベクトルの長さを本数で平
均した値である。ここで、動きベクトルを算出する方法
の一例を以下に示す。まず、フレーム内の16pixe
l×16pixelの各ブロックに対して、該フレーム
に隣接するフレームの同位置に同様のブロックおよび該
ブロックの周囲にある32pixel×32pixel
のブロックに対して、近似的な画像を含むブロックを探
索するためブロック間のRGB値の絶対値誤差を求める
ブロックマッチングを行う。次に、求めた絶対値誤差が
最小となるブロックを動きベクトルの到達ブロックとす
ることで、動きベクトルを算出する。
とは、隣接するフレーム間で求めた動きベクトルを8方
向に分類して32段階のヒストグラムを作成し、一つ前
のフレーム間のヒストグラムと各段階において絶対値差
分を求め合計した値である。尚、ヒストグラムの各段階
で絶対値差分を求めるのは、上述した一つ前のフレーム
間に限らず、任意の数だけ前または後のフレーム間のヒ
ストグラムと格段階で絶対値差分を求め合計して好適で
ある。尚、動きベクトルを分類する方向や、ヒストグラ
ムの段階の数は、上述した限りではなく、計算精度と計
算量のバランスを考慮して任意の数を用いればよい。
定されず、種々のカット検出する為の特徴項目の特徴量
を用いて好適である。例えば、以下に示す特徴項目があ
る。 ・“ブロックRGB値の絶対値差分の合計の平均値”
は、隣接したフレーム間で、同位置にある16pixe
l×16pixelのブロックを単位として、R、G、
Bそれぞれの値について平均値の絶対値誤差を求めて合
計し、その結果をフレーム全体で平均した値である。 ・“ブロックRGB値の絶対値差分の合計の分散値”
は、上記ブロック単位にR、G、Bそれぞれの平均値の
絶対値差分について、フレーム全体における分散を求め
た値である。
和”は、フレーム内で16pixel×16pixel
のブロックを単位としたR、G、Bそれぞれの平均値の
絶対値差分について、色ごとに64段階のヒストグラム
を作成し、隣接フレーム間でヒストグラムの各段階にお
ける絶対値差分を求め、3色全てについて合計した値で
ある。 ・“動きベクトルの長さの分散”は、隣接したフレーム
間で求められた動きベクトルの長さについて、フレーム
全体における分散を求めた値である。
と、判別関数の変数となる特徴量として、種々の特徴項
目の具体例を示して説明した。しかし、特徴項目の内
容、数、組み合わせは上述した限りでなく、映像データ
よりカット検出するための特徴項目を種々の組み合わせ
で用いて好適である。また、特徴項目の効果的な組み合
わせについては後述する。
特徴情報抽出処理部16は、上記4つの特徴項目につい
て、学習情報データベース12bより読み出したカット
部分、非カット部分が既知の“映像データ”より特徴量
(xi1、xi2、xi3、xi4)を抽出する。判別関数生成
処理部17は、情報抽出処理部16が抽出したカット部
分、非カット部分における特徴量を基に、係数(a1〜
a4)を求めて判別関数(式3)を生成する。
部17が、生成した判別関数の係数の各々について、カ
ット検出の判別に有意なものであるか検定する。具体的
には、係数検定処理部18は、判別分析によって得られ
た結果から所定の計算式によりj番目の特徴量の判別へ
の貢献度の判定値“Fp,j”を求める。次に、係数検定
処理部18は、検定統計量がF分布に従っているとして
所定の有意水準(%)のF分布値を求める。次に、係数
検定処理部18は、貢献度の判定値“Fp,j”とF分布
値の大小を比較することで該特徴量の有意性を検定す
る。
していない(有意性が無い)と検定した場合、新たにj
番目の特徴量を除いたp−1個の特徴量による判別関数
(式3)を求め、上述したように係数を求めて、該係数
を用いた特徴量の検定を行う。このように、係数の学習
と貢献度の検定を繰り返すことで、特徴量の選択を行う
ことができる。また、どの特徴量が有効であるかを調べ
ることができる。以上に示したように、学習処理部14
は、カット部分、非カット部分が既知の映像データを基
に、より正確なカット検出を行う判別関数を生成する為
の学習処理を行う。
明する。情報抽出処理部19は、映像データベース12
aより参照する映像データより、判別関数生成処理部1
7が生成した判別関数(式3)に代入する特徴量
(xi1、xi2、xi3、xi4)についての特徴情報を抽出
する。判別関数計算処理部20は、特徴情報に含まれる
特徴量を判別関数(式3)へ代入し計算する。カット部
分識別処理部21は、判別関数計算処理部20の計算結
果を基に、カット部分であるか非カット部分であるかを
識別する。以上により、検出処理部15は、判別関数
(式3)を用いて映像データベース12aより参照する
映像データの各フレーム間に対してカット部分、非カッ
ト部分を識別してカット検出を行う。
抽出する情報抽出処理部19の内部の概略構成について
図を用いて説明する。図2は、本発明の第一の実施形態
における情報抽出処理部19の内部の概略構成を示すブ
ロック図である。図に示すように、19aは、映像デー
タのフレームを所定数のブロック(区画)に分割し、各
ブロックにおいてフレーム間の動きベクトルを算出する
ベクトル算出処理部である。19bは、フレーム間にお
いて算出したブロック毎の動きベクトルを、8方向に分
類して、各方向に分類されたブロックの数を累計した、
方向別のブロック数のヒストグラムである“動き方向ヒ
ストグラム”(方向別区画数)を算出する分類区画数累
計処理部である。
グラム”と、該フレーム間に対して一つ前のフレーム間
の“動き方向ヒストグラム”との方向別の差分を求め、
該差分の絶対値の和である絶対値差分和を算出する絶対
値差分量算出処理部である。以上のベクトル算出処理部
19aおよび分類区画数累計処理部19bおよび絶対値
差分量算出処理部19cの処理により、情報抽出部19
は、特徴項目“動き方向ヒストグラムの絶対値差分和”
の特徴量xi4を映像データより抽出する。
の絶対値差分和”の特徴量を判別関数の変数とすること
が、映像データにおける「カット部分」と「動きの激し
いシーン」とを精度よく判別するのに有効であることを
以下に説明する。図8は本発明の第一の実施形態におけ
る“動き方向ヒストグラムの絶対値差分和”の有効性を
示す図である。図において、飛行機は右方向へ飛行して
おり、上の3フレームは「カット部分」のある3フレー
ムであり、下の3フレームは「動きの激しいシーン」の
3フレームである。
タにおいてn番目(nは任意の自然数)のフレームであ
るnフレームである。同様に、82、83は、n+1フ
レーム、n+2フレームである。84は、nフレーム8
1とn+1フレーム82より、抽出した各ブロックの動
きベクトルを、方向別にしてブロック数を累計したヒス
トグラムである。同様に、85は、n+1フレーム82
とn+2フレーム83より、抽出した各ブロックの動き
ベクトルを、方向別にしてブロック数を累計したヒスト
グラムである。86は、ヒストグラム84とヒストグラ
ム85の絶対値差分を方向別に求めたヒストグラムであ
る。
ーム83は、全く異なる映像であり、このフレーム間は
カット部分である。この時、図に示すように、ヒストグ
ラム85は、全方向に不規則な動きベクトルが生じたこ
とを表すものとなる。そのため、ヒストグラム86は、
図に示すようなヒストグラムとなる。すなわち、ヒスト
グラム86の全方向の合計(絶対値差分和)が大きな値
となる。
1、m+2番目(mは任意の自然数)のフレームであ
る。94は、mフレーム91とm+1フレーム92より
抽出した各ブロックの動きベクトルを基に算出したヒス
トグラムである。95は、m+1フレーム92とm+2
フレーム93より抽出した各ブロックの動きベクトルを
基に算出したヒストグラムである。96は、ヒストグラ
ム94とヒストグラム95の絶対値差分を方向別に求め
たヒストグラムである。
ーム93は、連続する映像であり、このフレーム間は非
カット部分である。この時、図に示すように、ヒストグ
ラム94とヒストグラム95は、右方向に大きな動きベ
クトルが生じたことを表すものとなる。そのため、ヒス
トグラム96は、図に示すようなヒストグラムとなる。
すなわち、ヒストグラム96の全方向の合計(絶対値差
分和)が小さな値となる。
ラムの絶対値差分和”は、映像データにおける「カット
部分」の場合は大きな値になり、「動きの激しいシー
ン」の場合は小さな値となる。これにより、“動き方向
ヒストグラムの絶対値差分和”の特徴量を判別関数の変
数とすることで、映像データにおける「カット部分」と
「動きの激しいシーン」とを精度よく判別することがで
きる。
平均値”の特徴量xi1を映像データより抽出する輝度絶
対値差分算出処理部である。19eは、特徴項目“輝度
ヒストグラムの絶対値差分値”の特徴量xi2を映像デー
タより抽出する輝度ヒストグラム差分算出処理部であ
る。19fは、特徴項目“画面全体の平均動きベクトル
長”の特徴量xi3を映像データより抽出する動きベクト
ル長算出処理部である。以上、情報抽出処理部19の概
略構成を説明したが、この限りではなく、上述した種々
の特徴項目の特徴量を抽出する処理部を具備して好適で
ある。また、特徴情報抽出処理部16においては、同様
の特徴量を抽出する処理部を具備してもよく、共用可能
であれば情報抽出処理部19と処理部を共用してもよ
い。
について図を用いて説明する。まず、学習処理部14の
動作についての説明を以下に示す。図3は、本発明の第
一の実施形態におけるカット検出装置10の学習動作を
示すフロー図である。まず、学習情報データベース12
bよりカット部分が既知の映像データを読み出し、特徴
情報抽出処理部16は、設定した四つの特徴項目につい
て、特徴量(x i1、xi2、xi3、xi4)の抽出を行う
(ステップS20)。次に、判別関数生成処理部17
は、該特徴量(xi1、xi2、xi3、xi4)とカット部分
か非カット部分かの情報を含む特徴情報を基に、係数
(a1〜a4)を求めて判別関数(式3)を生成する(ス
テップS21)。
成処理部17が生成した判別関数の各係数(a1〜a4)
に対応する特徴量のF分布値および貢献度“Fp,j”を
算出し比較することで、カット検出への貢献度(有意な
係数であるか)を検定する(ステップS22)。ここ
で、全ての係数が有意と判断されなかった場合(ステッ
プS22のNO)、最も有意でなかった係数に対応する
特徴項目を削除する(ステップS23)。次に、判別関
数生成処理部17が、残りの特徴項目に対応する特徴量
を基に係数を求めるステップS21へ戻る。また、全て
の係数(a1〜a4)が有意と判断された場合(ステップ
S22のYES)、学習処理部14は、該係数を含む判
別関数(式3)を、検出処理部15におけるカット部分
の検出処理に用いる判別関数と決定する(ステップS2
4)。
向ヒストグラムの絶対値差分和”の特徴量を変数として
含み、カット部分の識別に貢献している特徴量のみを用
いた判別関数を生成することができる。尚、係数の有意
性の検定は、上記の限りではなく、カット検出の判別
に、各々の特徴量が貢献しているかどうかを検定する種
々の方法を用いて好適である。また、上記では判別関数
の決定の方法として、変数減少法を用いたがこの限りで
はない。
する。図4は、本発明の第一の実施形態におけるカット
検出装置10のカット検出動作を示すフロー図である。
まず、映像データベース12aよりカット部分、非カッ
ト部分が未知の映像データを読み出し、最初のフレーム
間(サンプル1)について情報抽出処理部19は、学習
処理部14が決定した判別関数(式3)に代入すべき特
徴量(x11、x12、x 13、x14)を抽出する(ステップ
S30)。この時、輝度絶対値差分算出処理部19d
が、“輝度の絶対値差分の平均値”の特徴量x11を算出
する。また、輝度ヒストグラム差分算出処理部19e
が、“輝度ヒストグラムの絶対値差分値”の特徴量x12
を算出する。また、動きベクトル長算出処理部19f
が、“画面全体の平均動きベクトル長”の特徴量x13を
算出する。
分和”の特徴量xi4の抽出方法について図を用いて説明
する。図5は、本発明の第一の実施形態におけるカット
検出装置10の“動き方向ヒストグラムの絶対値差分
和”の特徴量xi4の抽出動作を示すフロー図である。ま
ず、ベクトル算出処理部19aが、映像データのフレー
ムを所定数のブロック(区画)に分割し、各ブロックに
おいてフレーム間の動きベクトルを算出する(ステップ
S30a)。次に、分類区画数累計処理部19bは、フ
レーム間において算出したブロック毎の動きベクトル
を、8方向に分類して、各方向に分類されたブロックの
数を累計した、方向別のブロック数のヒストグラムであ
る“動き方向ヒストグラム”を算出する(ステップS3
0b)。
分類区画数累計処理部19bの算出したフレーム間の
“動き方向ヒストグラム”と、該フレーム間に対して一
つ前のフレーム間の“動き方向ヒストグラム”との方向
別の差分を求め、該差分の絶対値の和である絶対値差分
和を算出する(ステップS30c)。以上により、情報
抽出処理部19は、“動き方向ヒストグラムの絶対値差
分和”の特徴量xi4を映像データより抽出する。
た判別関数(式3)へ抽出した特徴量を代入しf1を計
算する(ステップS31)。次に、カット部分識別処理
部21は、判別関数計算処理部20の計算結果f1を基
に、カット部分である(f1がプラス値)か、非カット
部分である(f1がマイナス値)かを識別する(ステッ
プS32)。次に、上記の処理がカット検出中の映像デ
ータにおける最後のフレーム間についての処理でない場
合(ステップS33のNO)、次のフレーム間(サンプ
ル2)を処理する為、ステップS30へ戻る。
すことにより、大量のフレーム数となる映像データのカ
ット検出を行う。また、上記の処理がカット検出中の映
像データにおける最後のフレーム間についての処理であ
った場合(ステップS33のYES)、カット検出の処
理を終了する。以上により、検出処理部15は、“動き
方向ヒストグラムの絶対値差分和”を変数とする判別関
数を用いて映像データよりカット検出を行うことができ
る。
特徴項目である“動き方向ヒストグラムの絶対値差分
和”と合わせて判別関数に用いて効果的な特徴項目につ
いて説明する。“動き方向ヒストグラムの絶対値差分
和”と合わせて判別関数の特徴量として抽出して効果的
な特徴項目は“画面全体の平均動きベクトルの長”であ
る。この“画面全体の平均動きベクトルの長”のみを特
徴項目として判別関数に用いると、カット部分を見逃す
ことは少ないが、「動きの激しいシーン」をカット部分
として誤検出する場合が多い。そこで、「動きの激しい
シーン」の誤検出を防ぐための特徴項目“動き方向ヒス
トグラムの絶対値差分和”を加えた判別関数を用いるこ
とで飛躍的に誤検出を減らすことができる。
像データの約1500個のカット部分を検出する実験例
を以下に示す。“画面全体の平均動きベクトルの長”の
みが特徴項目の判別関数を用いてカット検出を行うと、
約3000個をカット部分として検出した。すなわち、
3000個のうち1500個は誤検出である。ここで上
述した“動き方向ヒストグラムの絶対値差分和”を加え
た2つを特徴項目とする判別関数を用いると、約155
0個程度をカット部分として検出した。つまり、誤検出
は50個程度であり、“動き方向ヒストグラムの絶対値
差分和”を加える前に比べて飛躍的に誤検出を減らす効
果が得られる。
トルの長”、“動き方向ヒストグラムの絶対値差分和”
に、“ブロック色ヒストグラムの絶対値差分和”を特徴
項目として加えると、更に高精度に判別関数によるカッ
ト検出を行うことができる。なぜなら、“画面全体の平
均動きベクトルの長”、“動き方向ヒストグラムの絶対
値差分和”の特徴項目による判別関数では、薄暗いシー
ンでのカット部分の見逃してしまう場合があるが、“ブ
ロック色ヒストグラムの絶対値差分和”を特徴項目とし
て加えることで、フレーム全体の色の変化を特徴量とし
て抽出できるため、薄暗いシーンのため動きベクトル検
出の精度が悪くなっても、色を比較することでカット部
分の見逃しを減らすことができる。
価項目として、“ブロックRGB値の絶対値差分の合計
の平均値”、“ブロックRGB値の絶対値差分の合計の
分散値”、“ブロック色ヒストグラムの絶対値差分
和”、“画面全体の平均動きベクトル長”、“動き方向
ヒストグラムの絶対値差分和”、“動きベクトルの長さ
の分散”を用いて、映像データ(ニュース番組)を処理
した結果、適合率=(検出した正解カット数/検出した
全カット数)×100が86.7%である。また、上述
した特徴項目より“動き方向ヒストグラムの絶対値差分
和”を削除した判別関数の場合は適合率が57.4%で
あった。すなわち、“動き方向ヒストグラムの絶対値差
分和”を変数に含む判別関数を用いることで、カット検
出の精度の良さを示す適合率が約29%向上する成果が
得られた。
VM(Support Vector Machin
e)という識別手法の識別関数を用いたカット検出装置
の概略構成について図を用いて説明する。図9は、本発
明の第二の実施形態として、SVMという識別手法の識
別関数を用いたカット検出装置の概略構成を示すブロッ
ク図である。この図において符号60は、SVMという
識別手法の識別関数を用いて、映像データよりカット部
分を検出するカット検出装置である。尚、カット検出装
置60のデータベース12は上述した図1に示したデー
タベース12と同様の構成であり、説明を省略する。
対象となる映像データを取得する場合に、映像データベ
ース12aより読み出す方法に限らない。即ち、映像デ
ータベース12aは、必ずしもカット検出装置60が具
備する必要はない。他の方法として、カット検出装置6
0は、処理する映像データを、通信ネットワーク経由で
取得しても、CD−ROM等の記録媒体より読み取って
も好適である。61は、カット検出装置60内のデータ
を制御する制御部である。
を説明する。処理プログラム部62には、学習情報デー
タベース12bに格納されるカット部分、非カット部分
が既知の“映像データ”を基に、識別関数を決定する為
の学習処理を行う学習処理部63と、映像データベース
12aに格納されるカット部分、非カット部分が未知の
映像データを基に、カット部分を検出する検出処理部6
4から成る。尚、本実施形態の識別関数とは、非線形S
VMという識別手法に用いられる関数である。また、本
発明の識別関数は、上述した識別関数に限定されるもの
ではなく、多変量解析やパターン認識に用いる種々の識
別関数を用いて好適である。
れる識別関数について一例を示して更に説明する。対象
となるサンプルより抽出した特徴量(xi1、xi2、
xi3、x i4)から、特徴ベクトルxi(以下、Xiとす
る)が求まる。この時に、Xiを変数とする識別関数f
(Xi)は、以下の(式4)で表される
トル(dは次元数) j:サポートベクトルの数(1〜n) サポートベクトルxj=(x1j、x2j、x3j、…xdj)
:サポートベクトル yj:サポートベクトルxjがカット部分の時=1、非カ
ット部分の時=−1 λj:正の乗数 K:カーネル関数 b*:識別関数の定数項
出したXi(特徴ベクトルxi)を入力することで識別関
数f(Xi)の値を求める。f(Xi)≧1なら、映像デ
ータのi番目のフレーム間はカット部分である。f(X
i)≦−1なら、映像データのi番目のフレーム間は非
カット部分である。以上のように、(式4)に示した識
別関数f(Xi)を用いてカット部分を識別する。ま
た、(式4)の識別関数に入力する特徴量は上述した限
りではなく、(式1)において説明した種々の特徴項目
を用いてよい。また、特徴項目の内容、数、組み合わせ
も、精度よく映像データよりカット検出するために適時
変更して好適である。
特徴情報抽出処理部65は、上述した特徴情報抽出処理
部16と同様に4つの特徴項目について、学習情報デー
タベース12bより読み出したカット部分、非カット部
分が既知の“映像データ”より特徴量(xi1、xi2、x
i3、xi4)を含む特徴情報抽出する。尚、特徴情報抽出
処理部65は、上述したベクトル算出処理部19a、分
類区画数累計処理部19b、絶対値差分量算出処理部1
9c、輝度絶対値差分算出処理部19d、輝度ヒストグ
ラム差分算出処理部19e、動きベクトル長算出処理部
19fを具備する。次に、特徴情報抽出処理部65は、
抽出したカット部分、非カット部分における特徴情報を
基に、特徴ベクトルであるXiを算出する。
出処理部65が算出したXiの中より識別関数すなわち
識別境界を決めるサポートベクトルxj(以下、Xjとす
る)を抽出し、λj、b*の値を決定する。以上により、
識別関数決定処理部66は、(式4)に示す識別関数を
決定する。
明する。情報抽出処理部67は、上述した情報抽出処理
部19の動作と同様に映像データベース12aより参照
する映像データより、特徴量(xi1、xi2、xi3、
xi4)を含む特徴情報を抽出する。すなわち、情報抽出
処理部67は、上述したベクトル算出処理部19a、分
類区画数累計処理部19b、絶対値差分量算出処理部1
9c、輝度絶対値差分算出処理部19d、輝度ヒストグ
ラム差分算出処理部19e、動きベクトル長算出処理部
19fを具備する。次に、情報抽出処理部67は、抽出
した特徴情報を基に識別関数決定処理部66が生成した
識別関数(式4)に代入する特徴ベクトルX iを算出す
る。
部67が算出した特徴ベクトルXiを識別関数(式4)
へ代入し計算する。カット部分識別処理部69は、識別
関数計算処理部68の計算結果を基に、カット部分であ
るか非カット部分であるかを識別する。以上により、検
出処理部64は、識別関数(式4)を用いて映像データ
ベース12aより参照する映像データの各フレーム間に
対してカット部分、非カット部分を識別してカット検出
を行う。
用のハードウェアにより実現されるものであってもよ
く、また、各処理部はメモリおよびCPU(中央演算装
置)により構成され、各処理部の機能を実現する為のプ
ログラムをメモリにロードして実行することによりその
機能を実現させるものであってもよい。また、上記メモ
リは、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラ
ッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、CD−ROM等
の読み出しのみが可能な記録媒体、RAM(Rando
m Access Memory)のような揮発性のメ
モリ、あるいはこれらの組み合わせによるコンピュータ
読み取り、書き込み可能な記録媒体より構成されるもの
とする。
について図を用いて説明する。まず、学習処理部63の
動作についての説明を以下に示す。図10は、本発明の
第二の実施形態におけるカット検出装置60の学習動作
を示すフロー図である。まず、学習情報データベース1
2bよりカット部分が既知の映像データを読み出し、特
徴情報抽出処理部65は、設定した四つの特徴項目につ
いて、特徴量(xi1、xi2、xi3、xi4)を含む特徴情
報の抽出を行う(ステップS60)。特徴情報抽出処理
部65は、抽出した特徴情報を基に、特徴ベクトルXi
を算出する(ステップS61)。次に、識別関数決定処
理部66は、情報抽出処理部65が算出したXiの中よ
りサポートベクトルXjを抽出し(式4)のλj、b*の
値を決定することで、識別関数(式4)を生成する。
(ステップS62)。
向ヒストグラムの絶対値差分和”の特徴量を変数として
含む特徴量を用いた、カット部分を識別するための識別
関数を、学習処理により生成することができる。
する。図11は、本発明の第二の実施形態におけるカッ
ト検出装置60のカット検出動作を示すフロー図であ
る。まず、映像データベース12aよりカット部分、非
カット部分が未知の映像データを読み出し、最初のフレ
ーム間(サンプル1)について情報抽出処理部67は、
特徴量(x11、x12、x13、x14)を含む特徴情報の抽
出を行う(ステップS70)。この時、輝度絶対値差分
算出処理部19dが、“輝度の絶対値差分の平均値”の
特徴量x11を算出する。また、輝度ヒストグラム差分算
出処理部19eが、“輝度ヒストグラムの絶対値差分
値”の特徴量x12を算出する。また、動きベクトル長算
出処理部19fが、“画面全体の平均動きベクトル長”
の特徴量x13を算出する。また、ベクトル算出処理部1
9aおよび分類区画数累計処理部19bおよび絶対値差
分量算出処理部19cが“動き方向ヒストグラムの絶対
値差分和”の特徴量xi4を算出する。
63が生成した識別関数(式4)に代入するために、抽
出した特徴情報を基にサンプル1の特徴ベクトルである
X1を算出する(ステップS71)。次に、識別関数計
算処理部68は、情報抽出処理部67が算出した特徴ベ
クトルX1を識別関数(式4)へ代入しf(X1)を計算
する(ステップS72)。次に、カット部分識別処理部
69は、識別関数計算処理部68の計算結果f(X1)
を基に、サンプル1がカット部分(f(Xi)≧1)で
あるか、非カット部分(f(Xi)≦−1)であるかを
識別する(ステップS73)。次に、上記の処理がカッ
ト検出中の映像データにおける最後のフレーム間につい
ての処理でない場合(ステップS74のNO)、次のフ
レーム間(サンプル2)を処理する為、ステップS70
へ戻る。
すことにより、大量のフレーム数となる映像データのカ
ット検出を行う。また、上記の処理がカット検出中の映
像データにおける最後のフレーム間についての処理であ
った場合(ステップS74のYES)、カット検出の処
理を終了する。以上により、検出処理部64は、“動き
方向ヒストグラムの絶対値差分和”を特徴量として含む
特徴ベクトルXiを変数とする識別関数(式4)を用い
て映像データよりカット検出を行うことができる。
数決定処理部66は、映像データの内容(以下、カテゴ
リとする)別(各種のスポーツ中継、ニュース、ドラマ
など)に判別関数または識別関数を生成して好適であ
る。これにより、カテゴリ別の映像データに特徴的なシ
ーンをカット部分または非カット部分として検出するの
に有効な特徴項目を変数とする判別関数または識別関数
を生成できる。また、検出処理部15または検出処理部
64においては、まず、映像データのカテゴリを判別
し、該カテゴリ用の判別関数または識別関数を用いて該
映像データのカット検出を行う。これにより、より精度
のよいカット検出を行うことができる。
行う処理部の機能を実現する為のプログラムをコンピュ
ータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体
に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み
込ませ、実行することにより各処理を行っても良い。な
お、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや
周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、
「コンピュータシステム」とは、WWWシステムを利用
している場合であれば、ホームページ提供環境(あるい
は表示環境)も含むものとする。
媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、
ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシス
テムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことを
いう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」
とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の
通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバ
やクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発
メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持
しているものも含むものとする。
を記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝
送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により
他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここ
で、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネ
ット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回
線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体
のことをいう。
一部を実現する為のものであっても良い。さらに、前述
した機能をコンピュータシステムに既に記録されている
プログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる
差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。以
上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述し
てきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も
含まれる。
ット検出装置においては、連続するフレームから成る映
像データの時間変化の中よりカット部分を検出するカッ
ト検出装置であって、フレームを所定数の区画に分割
し、各区画においてフレーム間の動きベクトルを算出す
るベクトル算出手段と、フレーム間において算出した区
画毎の動きベクトルを、所定数の方向に分類して、各方
向に分類された動きベクトルと対応する区画の数を累計
して方向別区画数を算出する分類区画数累計手段と、フ
レーム間の方向別区画数と、該フレーム間に対して前ま
たは後のフレーム間の方向別区画数との方向別の差分を
求め、該差分の絶対値を基に絶対値差分量を算出する絶
対値差分量算出手段と、算出した絶対値差分量を基に、
映像データよりカット部分を検出するカット部分検出手
段とを具備するので、映像データのフレーム間より抽出
した動きベクトルの方向別の方向別区画数(ヒストグラ
ム)の絶対値差分量を考慮したカット検出を行うことが
できる。
いシーン」を「カット部分」と誤検出する確率を低減し
たカット検出を行うことができる。また、映像データよ
りカット部分を自動で検出できることは、表示手段によ
りカット部分の画像の一覧を表示できるので、映像デー
タに含まれている多数のシーンの全体像を簡便に把握す
ることができる。さらには、ネットワーク上で映像デー
タを配信する際に、該映像データの内容を、シーン単位
で検索し、シーン単位で配信するシステムを簡便に構築
することも可能となる。
ては、上記ベクトル算出手段と、上記分類区画数累計手
段と、上記絶対値差分量算出手段とを備え、映像データ
より上記絶対値差分量を含む複数の特徴項目についての
特徴量である特徴情報を抽出する情報抽出手段を更に具
備し、上記カット部分検出手段は、特徴情報に含まれる
特徴量を識別関数へ代入計算する識別関数計算手段と、
識別関数計算手段の計算結果を基に、カット部分である
かどうかを識別するカット部分識別手段とを具備するの
で、動きベクトルの方向別の方向別区画数(ヒストグラ
ム)の絶対値差分量を特徴量として映像データより抽出
し、該特徴量を変数とする識別関数を用いてカット部分
であるか非カット部分であるかの識別を行うことができ
る。
の特徴項目に任意の重み付けを付与して処理できるの
で、各特徴項目の重み付けに応じて、全ての特徴項目を
考慮したカット検出を行うことができる。
ては、カット部分が既知の映像データを基に、映像デー
タより上記絶対値差分量を含む複数の特徴項目について
の特徴量である特徴情報を抽出し、カット部分および非
カット部分のどちらから抽出したかを識別する情報を特
徴情報に含める特徴情報抽出手段と、特徴情報を基に識
別関数の係数を求め、識別関数を生成する識別関数生成
手段とを更に具備するので、動きベクトルの方向別の方
向別区画数(ヒストグラム)の絶対値差分量を少なくと
も含む特徴項目を用いて、映像データのカット部分の特
徴量と、非カット部分の特徴量の違いを基に識別関数を
生成できる。
変数とする識別関数を生成することができる。以上によ
り、簡便に精度のよいカット検出を行うことができる。
ては、識別関数生成手段の生成した識別関数の係数が、
有意なものか所定の計算式により検定する係数検定手段
を更に具備し、上記係数検定手段が、有意でないと検定
した係数がある場合、識別関数生成手段は、有意でない
と検定された係数に対応する特徴情報を除いた特徴情報
を基に、識別関数の係数を求め、識別関数を生成するの
で、生成した識別関数の係数が、有意なものであるか統
計的に判別を行う所定の計算式を用いて計算すること
で、係数の有意について検定することができる。また、
種々の特徴項目よりカット検出に有効でない特徴項目を
削除して、有効な特徴項目のみに絞り込んだ識別関数を
生成することができる。これにより、映像データの内容
に合わせて、より精度よくカット検出を行うように、映
像データの内容別に、特徴項目の違う識別関数を生成す
ることができる。
ては、上記識別関数として判別関数を用いるので、識別
に貢献する特徴量のみを用いた判別関数でカット部分の
検出しを行うことができる。これにより、簡便に高精度
な判別が期待できる判別器である線形判別分析を用い
て、カット部分および非カット部分の検出を行うことが
できる。
て判別関数を用いたカット検出装置の概略構成を示すブ
ロック図である。
理部19の内部の概略構成を示すブロック図である。
装置10の学習動作を示すフロー図である。
装置10のカット検出動作を示すフロー図である。
装置10の“動き方向ヒストグラムの絶対値差分和”の
特徴量xi4の抽出動作を示すフロー図である。
ータベース12bの構成例を示す図である。
置10が映像データより抽出する特徴量を示す図であ
る。
ヒストグラムの絶対値差分和”の有効性を示す図であ
る。
識別手法の識別関数を用いたカット検出装置の概略構成
を示すブロック図である。
出装置60の学習動作を示すフロー図である。
出装置60のカット検出動作を示すフロー図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 連続するフレームから成る映像データの
時間変化の中よりカット部分を検出するカット検出装置
であって、 前記フレームを所定数の区画に分割し、各区画において
前記フレーム間の動きベクトルを算出するベクトル算出
手段と、 前記フレーム間において算出した前記区画毎の動きベク
トルを、所定数の方向に分類して、各方向に分類された
前記動きベクトルと対応する前記区画の数を累計して方
向別区画数を算出する分類区画数累計手段と、 前記フレーム間の前記方向別区画数と、該フレーム間に
対して前または後のフレーム間の前記方向別区画数との
方向別の差分を求め、該差分の絶対値を基に絶対値差分
量を算出する絶対値差分量算出手段と、 算出した前記絶対値差分量を基に、前記映像データより
前記カット部分を検出するカット部分検出手段とを具備
することを特徴とするカット検出装置。 - 【請求項2】 前記ベクトル算出手段と、前記分類区画
数累計手段と、前記絶対値差分量算出手段とを備え、前
記映像データより前記絶対値差分量を含む複数の特徴項
目についての特徴量である特徴情報を抽出する情報抽出
手段を更に具備し、 前記カット部分検出手段は、 前記特徴情報に含まれる特徴量を識別関数へ代入計算す
る識別関数計算手段と、 前記識別関数計算手段の計算結果を基に、前記カット部
分であるかどうかを識別するカット部分識別手段とを具
備することを特徴とする請求項1に記載のカット検出装
置。 - 【請求項3】 カット部分が既知の映像データを基に、
前記映像データより前記絶対値差分量を含む複数の特徴
項目についての特徴量である特徴情報を抽出し、カット
部分および非カット部分のどちらから抽出したか識別す
る情報を前記特徴情報に含める特徴情報抽出手段と、 前記特徴情報を基に前記識別関数の係数を求め、前記識
別関数を生成する識別関数生成手段とを更に具備するこ
とを特徴とする請求項2に記載のカット検出装置。 - 【請求項4】 前記識別関数生成手段の生成した前記識
別関数の係数が、有意なものか所定の計算式により検定
する係数検定手段を更に具備し、 前記係数検定手段が、有意でないと検定した係数がある
場合に、前記識別関数生成手段は、有意でないと検定さ
れた係数に対応する特徴情報を除いた特徴情報を基に、
前記識別関数の係数を求め、前記識別関数を生成するこ
とを特徴とする請求項2または請求項3に記載のカット
検出装置。 - 【請求項5】 前記識別関数として判別関数を用いるこ
とを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載
のカット検出装置。 - 【請求項6】 連続するフレームから成る映像データの
時間変化の中よりカット部分を検出するカット検出方法
のプログラムであって、 前記フレームを所定数の区画に分割し、各区画において
前記フレーム間の動きベクトルを算出するステップと、 前記フレーム間において算出した前記区画毎の動きベク
トルを、所定数の方向に分類して、各方向に分類された
前記区画の数を累計して方向別区画数を算出するステッ
プと、 前記フレーム間の前記方向別区画数と、該フレーム間の
前または後のフレーム間の前記方向別区画数との方向別
の差分を求め、該差分の絶対値の和である絶対値差分量
を算出するステップと、 算出した前記絶対値差分量を基に、前記映像データより
前記カット部分を検出するステップとをコンピュータへ
実行させるためのプログラム。
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