JP2003193616A - 建物の天井構造 - Google Patents
建物の天井構造Info
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Abstract
経年変化による歪の極小化、現場作業の省力化、輸送費
削減、施工効率性向上を図った屋根直下の天井構造を提
供することを目的とする。 【解決手段】建物架構の上部に所定の間隔をおいて平行
に配設された屋根トラスの下弦材5の側面5aに、上フ
ランジ18aを下フランジ18bよりも幅広に設けたラ
ンナー18を取付け、ランナー溝部18dに角形鋼又は
角材からなる天井根太17の端部を嵌合して支持させ
る。
Description
壁工法による木造住宅等や、スチールハウスの建物の天
井構造に係り、特に、単体枠材としての天井根太やパネ
ル化した天井根太を屋根トラスと組み合わせると共に、
その配置手段を改良した建物の天井構造に関する。
根太等の天井部枠材も木製枠材で構成される。スチール
ハウス(板厚1mm前後の薄板軽量形鋼による枠材と構
造用面材による鉄鋼系パネル構造の建物をスチールハウ
スと定義する)においては、天井部枠材をはじめ、建物
全体の架構が薄鋼板製の溝形鋼で構成されることが多
く、そのメリットとしては、軽量、耐火性、高強度、施
工性などがある。なお、スチールハウスにおいて木製の
天井部枠材を組み合わせることもある。
屋根トラスおよび天井部枠材の構成を説明する。スチー
ルハウスと木造住宅の天井部枠材の構造は共通するの
で、図5では木造住宅において、木製の天井部枠材(=
天井根太)の例で説明する。
造住宅における切り妻屋根の概要図(特開平5−287
833)を示す。この木造住宅の骨組構造体1は、壁の
上端には頭つなぎ2が平面矩形に設けられており、頭つ
なぎ2の上に屋根トラス4における下弦材5が取付けら
れる。
下弦材5を用いて3角形に組み付け、上弦材8と下弦材
5の間をラチス材13で結合して構成されると共に、こ
うして組まれた屋根トラス4が、所定間隔をあけて複数
平行に配設されていて、隣合う屋根トラス4の間は、母
屋6と棟木7とで結合され、上弦材8には屋根版11が
固着される。
隔をあけて配設される屋根トラス4の間隔は1820m
m程度であり、左右の頭つなぎ2の間隔(トラススパ
ン)、つまり下弦材5の全長は数メートルに及ぶ。前記
の屋根トラス4は、地上で完成させたうえ最上階の天井
面まで持ち上げて、下弦材5の両端部を頭つなぎ2に載
せて仮保持したうえ、棟木7で隣合う屋根トラス4の頂
部間を結合すると共に、下弦材5の両端部を頭つなぎ2
に固定することで、多数の屋根トラス4で屋根枠組を構
築し、その後、上弦材8の上に屋根版11を載せタッピ
ンねじ等のファスナー20で取付けている。
離れている屋根トラス4の間において、最上階の天井部
枠材として複数の木製の天井根太14を添え天井根太1
5で結合してなる天井枠パネル16を、その天井根太1
4が屋根トラス4と同方向(つまりトラススパン方向)
に流れるように配置し、天井枠パネル16の両端部を頭
つなぎ2に載せて固定する。天井根太14の間隔は45
5mm程度である。さらに、天井枠パネル16の下面
に、石膏ボード等の天井板をファスナーで止め付ける
(図示省略)。
設けられる天井部枠材を構成する、単体枠材からなる天
井根太や、天井枠パネルを構成する天井根太は、屋根ト
ラスと同方向に配置されている。しかし、屋根トラスの
間隔は、前述のとおり間隔1820mm程度と短いのに
対し、屋根トラスの下弦材の長さ(トラススパン)は、
建物の幅に対応して数メートルになり、屋根トラスと平
行に配置される各天井根太の長さも数メートルの長尺で
ある。
天井枠パネルを構成する天井根太の長さが長くなるた
め、各1本の天井根太が支持する天井重量(天井板など
の重量)が大となる。そのため、天井根太に高剛性およ
び高耐力が要求され、天井根太を構成する枠材断面が過
大となり、結果として、天井部枠材が重くなり、取扱い
に大きな力を必要とし、施工効率が悪く、コストが高く
なっていた。
ネルの長辺が最低数メートル必要になり、必然的に天井
枠パネル自体が大きくなる(大型パネル化)ため、運搬
効率が悪く、現場での取り回しも、クレーンが必要にな
る等、取扱いが極めて面倒、輸送効率が悪いなどの問題
があった。
昨今良質の木材が減少していると共に、重量大のため、
パネル化、工場生産化に際しての取り回しが面倒、経年
変化による歪み、たわみなどの変形が大、クリープ増大
などの問題があった。
建物の天井部枠材の高精度化、軽量化、低コスト化、経
年変化による歪の極小化、現場作業の省力化、輸送費削
減、施工効率性向上を図った屋根直下の天井構造を提供
することを目的とする。
め、本発明は次のように構成する。
て、屋根架構を構成すべく建物架構の上部に所定の間隔
をおいて平行に配設した隣合う屋根トラス間に、鋼製枠
(又は木製枠)からなる天井根太を掛け渡し支持させて
なることを特徴とする。
天井根太の屋根トラスへの支持手段として、前記屋根ト
ラスの下弦材の側部に溝部を有する鋼製ランナーを取付
け、該ランナー溝部に前記天井根太の端部を嵌合させた
構成を特徴とする。
いて、前記天井根太は角形鋼又は角材からなることを特
徴とする。
において、前記ランナーは、上フランジを下フランジよ
りも幅広に構成することにより、下から持ち上げる前記
天井根太の端部を上フランジに押し当て、ランナー溝部
に入れ込み可能に設けると共に、ランナー溝部で移動可
能構成したことを特徴とする。
において、前記天井根太は、単体枠として構成され、ま
たは天井枠パネルとして構成されていることを特徴とす
る。
において、前記天井根太には、下側から石膏ボード等の
天井板をファスナーで取付けることを特徴とする。
枠材を構成する天井根太のスパン方向を従来の屋根トラ
スに沿う方向から90度回転し、隣合う屋根トラスによ
って天井根太を支持させるように設けた。つまり、屋根
トラスのスパン(下弦材の両端間の長さ)より短い間隔
で設けられる、隣合う屋根トラス間に天井根太を支持さ
せるように配設したことにより天井根太の短尺化が可能
となる。それにより枠材等に要求される剛性および耐力
は低いものでよく、それに伴う天井根太の断面の縮小化
が可能となり、結果として、天井根太は軽くて、施工効
率がよく、コストも低減できるようになった。さらに、
天井根太の占める容積が3分の1程度になり、この容積
縮小により、天井根太の輸送効率が向上し、1つの建物
において、トラック1台分輸送量を削減できた。
パネル単体を小さく軽くできるため、現場での取り回し
も、クレーンが必要でなくなるなど極めて簡単なものと
なった。
により鋼製化したことにより、高精度化、軽量化、低コ
スト化、経年変化なしが実現された。又、天井根太を角
材とする場合には、集成材を用いることにより高精度が
実現された。さらに、現場での位置合わせの簡略化、つ
まり、天井根太とランナーの嵌合による組み付けの簡略
化、角形鋼又は角材のスライド自由性による適正配置の
容易化等が実現された。
簡略化するため、天井部枠材の断面形状に工夫を加え、
溝部を有する端部ランナーの上フランジを下フランジよ
り幅広く設けることにより、現場にて下から天井を見上
げて作業する際、角形鋼または角材からなる天井根太の
端部をランナーの上フランジに押し当て、天井根太をラ
ンナー溝部に入れ込むことができる。また、石膏ボード
からなる天井板の取付までは、天井根太を自由に移動で
きるようになっているので、この点でも天井根太の屋根
トラスへの取付け施工が簡易、迅速に行えるようになっ
た。
説明する。なお、従来と共通の要素には共通の符号を付
して説明する。
根トラス4と、屋根トラス4によって支持される最上階
の角形鋼又は角材製の天井根太17の取付け態様を示す
斜視図である。屋根トラス4が設けられる建物は、スチ
ールハウス、木造住宅いずれの場合もある。
井根太17が隣合う屋根トラス4の間に支持された態様
を示す平面図、図2(B)は、屋根トラス4の下弦材5
に設けたランナー18に天井根太17の両端を取付ける
手順を示す斜視図である。図3(A)、(B)、
(C)、(D)は、前記ランナー18に天井根太17を
取付け、さらに、天井根太17に石膏ボード製の天井板
19を取付ける手順を示す工程説明図である。
弦材8と1つの下弦材5を3角形に組み付け、さらに、
上弦材8と下弦材5の間をラチス材13で結合して構成
される。この屋根トラス4は、所定の間隔(1820m
m程度)をあけて複数平行に配置され、隣合う屋根トラ
ス4間は、母屋6と棟木7で結合されている。
るが、その取付け構造は図5に示した従来例と同様であ
り、屋根トラス4の下弦材5は、図5に示す建物の骨組
構造体1を構成する壁の上端に取付けられた平面矩形の
頭つなぎ2に所定間隔をあけて設けられる。
うえ天井面まで持ち上げて、下弦材5の両端部を頭つな
ぎ2に載せて仮保持したうえ、棟木7および母屋6で隣
合う屋根トラス4の間を結合すると共に、下弦材5の両
端部を頭つなぎ2に固定することで、多数の屋根トラス
4で屋根枠組を構築し、その後、上限材8の上に屋根版
11を載せ、ファスナー20を用いて取付ける(この説
明は、図5を援用する)。
は、ランナー18が取付けられている。ランナー18は
C形鋼製であって、図2(B)に示すように上部フラン
ジ18aと下部フランジ18bとウェブ18cからな
り、取付け時には、ランナー18のウェブ18cを下弦
材5の側面5aに当てがい、ランナー溝部18d側から
ファスナー20を打設して止めつける。本発明におい
て、ランナー18の特徴的な構成は、上部フランジ18
aが下部フランジ18bよりも幅広に設けられているこ
とである。また、上部フランジ18aと下部フランジ1
8bの間隔(ランナー溝部18d)は、角形鋼又は角材
製の天井根太14を丁度挟める寸法に設けてある。
下弦材5の両側面に設けてある。したがって、隣合う屋
根トラス4において、ランナー溝部18dが向かい合う
ように配置され、天井根太17の両端部がこのランナー
溝部18dに嵌合されて下弦材5に支持される。
付け手順を説明する。
屋根トラス4間において、天井根太17の両端部を上下
方向に少し傾けて持ち上げ、根太両端部を左右のランナ
ー18における下部フランジ18bに仮支持させる。こ
の天井根太17を持ち上げ作業するとき、ランナー18
の上部フランジ18aが長く(幅広)、下部フランジ1
8bが短い(幅狭)ので、図3(B)に示すように、天
井根太17の端部を、ランナー18の下部フランジ18
bに当たらないで持ち上げることができ、かつ、上部フ
ランジ18aに当てて止まるように持ち上げ作業でき
る。
天井根太17をランナー18に取付け作業するに際し、
手元に注意を集中しなくとも、天井根太17の端部がラ
ンナー18の上部フランジ18aにぶつかった手応えを
感じてランナー溝部18dへの適正位置を確認でき、こ
うして天井根太17のランナー18への仮載せ作業を容
易、迅速に行うことができる。
載せ作業がおわたならば、図2に示すように、天井根太
17をランナー溝部18d内で移動させ、各天井根太1
7が所定間隔で平行配置されるように位置合せを行う。
の天井根太17の下側から石膏ボード等の天井板19を
当てがい、複数のファスナー20を用いて該天井根太1
7に固定する。図3(D)において、天井板19の端縁
部は屋根トラス4の下弦材5の下面にファスナー20を
用いて固定している。
材5にランナー18を介して両端が支持される天井根太
17は、屋根トラス4のトラススパンに対して直角方向
に配置され、従来のように屋根トラス4のトラススパン
と平行に配置されないので、各天井根太17の長さ寸法
を従来の天井根太に比べて大幅に短寸化でき、また、各
天井根太17の各1本が負担する天井板19などの天井
荷重を軽くできる。
る。実施形態2では、所定間隔で平行に配設された角形
鋼又は角材の複数の天井根太17の両端が予めランナー
18で結合されてなる矩形の天井枠パネル22として構
成された例を示している。他の構成は実施形態1と同じ
である。
太17とランナー18を結合して天井枠パネル22を構
成し、その天井枠パネル22を図4のように持ち上げ、
屋根トラス4にファスナー20で固定する。
の配置角度を従来に比して90度回転し、トラススパン
に対し直角配置したこと、および天井根太を鋼製又は木
製とした点にあり、この2点を生かして細部構成を設計
変更することは、本発明に含まれる。
天井部枠材を構成する天井根太のスパン方向を従来の屋
根トラスに沿う方向から90度回転し、屋根トラス間方
向へ流し、かつ隣合う屋根トラスによって天井根太を支
持させるように設けた。つまり、屋根トラスのスパン
(下弦材の両端間の長さ)より短い間隔で設けられる隣
合う屋根トラス間で天井根太を支持するように配設した
ことにより、天井根太の短尺化が可能となり、それに伴
って、天井部枠材等に要求される剛性および耐力は低い
ものでよい。これによって、天井根太の断面の縮小化が
可能となり、その結果として、天井根太の軽量化、施工
効率の向上、コストの低減が可能になった。
程度になり、この容積縮小により、天井根太の輸送効率
が向上し、1つの建物において、トラック1台分輸送量
を削減できた。
パネル単体を小さく軽くできるため、現場での取り回し
にもクレーンが必要でなくなるなど極めて簡単なものと
なった。
により鋼製化したことにより、高精度化、軽量化、低コ
スト化、経年変化なしが実現された。又、天井根太を角
材とする場合には、集成材を用いることにより高精度が
実現された。さらに、現場での位置合わせの簡略化、つ
まり、天井根太とランナーとの嵌合による組み付けの簡
略化、角形鋼又は角材のスライド自由性による天井根太
の適正配置の容易化等が実現された。
簡略化するため、天井部枠材の断面形状に工夫を加え、
端部ランナーの上フランジを下フランジより幅広く設け
ることにより、現場にて下から天井を見上げて作業する
際、角形鋼又は角材からなる天井根太の端部をランナー
の上フランジに押し当てて、天井根太をランナー溝部に
入れ込むようにしている。また、石膏ボード等からなる
天井板の取付までは、天井根太を自由に移動できるよう
になっているので、この点でも天井根太の屋根トラスへ
の取付け施工が簡易、迅速に行えるようになった。
天井根太の取付け態様を示す説明斜視図である。
スの間に支持された態様を示す平面図、(B)は、屋根
トラスの下弦材に設けたランナーに天井根太を取付ける
手順を示す斜視図である。
に天井根太を取付け、天井根太に天井板を取付ける手順
を示す工程説明図である。
取付け態様を示す説明斜視図である。
概要斜視図である。
ルの取付け態様を示す説明斜視図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 建物の天井部構造であって、屋根架構を
構成すべく建物架構の上部に所定の間隔をおいて平行に
配設した隣合う屋根トラス間に、鋼製枠又は木製枠から
なる天井根太を掛け渡し支持させてなる建物の天井構
造。 - 【請求項2】 前記天井根太の屋根トラスへの支持手段
として、前記屋根トラスの下弦材の側部に溝部を有する
鋼製ランナーを取付け、該ランナー溝部に前記天井根太
の端部を嵌合させた構成を特徴とする請求項1記載の建
物の天井構造。 - 【請求項3】 前記天井根太は角形鋼又は角材からなる
ことを特徴とする請求項1または2記載の建物の天井構
造。 - 【請求項4】 前記ランナーは、上フランジを下フラン
ジよりも幅広に構成することにより、下から持ち上げる
前記天井根太の端部を上フランジに押し当て、ランナー
溝部に入れ込み可能に設けると共に、ランナー溝部で移
動可能に構成したことを特徴とする請求項1〜3の何れ
か1項記載の建物の天井構造。 - 【請求項5】 前記天井根太は、単体枠として構成さ
れ、または天井枠パネルとして構成されていることを特
徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の建物の天井構
造。 - 【請求項6】 前記天井根太には、下側から石膏ボード
等の天井板をファスナーで取付けることを特徴とする請
求項1〜5の何れか1項記載の建物の天井構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001395646A JP3749863B2 (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | 建物の天井構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001395646A JP3749863B2 (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | 建物の天井構造 |
Publications (2)
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JP3749863B2 JP3749863B2 (ja) | 2006-03-01 |
Family
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---|---|---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105780999A (zh) * | 2016-04-28 | 2016-07-20 | 苏州金螳螂建筑装饰股份有限公司 | 线形型材吊顶安装结构 |
JP2018035624A (ja) * | 2016-09-01 | 2018-03-08 | 株式会社 ランバーテック | 木造建築構造 |
KR102044858B1 (ko) * | 2019-01-18 | 2019-11-14 | 휴센 주식회사 | 목조건물의 기초 구조물 조립시스템 |
KR102089484B1 (ko) * | 2019-01-18 | 2020-03-17 | 휴센 주식회사 | 목조건물의 지붕모듈을 포함하는 구조물 조립시스템 |
-
2001
- 2001-12-27 JP JP2001395646A patent/JP3749863B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR102089484B1 (ko) * | 2019-01-18 | 2020-03-17 | 휴센 주식회사 | 목조건물의 지붕모듈을 포함하는 구조물 조립시스템 |
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