JP2003193074A - 燃焼排ガス中の窒素酸化物の低減方法及び燃料組成物 - Google Patents

燃焼排ガス中の窒素酸化物の低減方法及び燃料組成物

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JP2003193074A
JP2003193074A JP2001341793A JP2001341793A JP2003193074A JP 2003193074 A JP2003193074 A JP 2003193074A JP 2001341793 A JP2001341793 A JP 2001341793A JP 2001341793 A JP2001341793 A JP 2001341793A JP 2003193074 A JP2003193074 A JP 2003193074A
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Yukio Tatsumi
Yoko Saito
陽子 斉藤
Takahiro Hayashi
崇弘 林
Kazuhiro Umehara
一浩 梅原
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Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、燃料油に添加剤を添加するという
簡便な方法により、燃料油の燃焼排ガス中のNOxを大
きく減少させることができ、燃料油の経時的な劣化、燃
料油貯槽等の腐食、デポジット等の増加等の悪影響のな
い、燃料油の燃焼排ガス中のNOxの低減方法、及びそ
の燃料組成物を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、燃料油及び油溶性モリブデン
化合物からなる燃料組成物を燃焼することを特徴とする
燃焼排ガス中の窒素酸化物の低減方法である。さらに、
本発明は、燃料油及び油溶性モリブデン化合物からな
り、油溶性モリブデン化合物の含有量がモリブデン原子
を基準にして0.2〜200質量ppmである燃料組成
物を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料油の燃焼排ガ
ス中の窒素酸化物の低減方法、及び燃料組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、オゾン層の破壊、地球温暖化、大
気汚染、酸性雨等の地球環境問題が注目されており、そ
の原因物質のひとつとして窒素酸化物(NOx)が挙げ
られている。NOxとは窒素の酸化物の総称であり、例
えば、一酸化二窒素(N2O)、一酸化窒素(NO)、
二酸化窒素(NO2)等が挙げられる。NOxは、燃焼
物中の窒素化合物が燃焼に際して酸化されることにより
生成するだけでなく、燃料の燃焼にともなう高温度によ
り空気中の窒素が酸化されることによっても生成するた
め、排出抑制のために燃焼技術の改良やNOx除去技術
の開発が行われている。このうち、燃料に添加剤を添加
する方法は、燃焼装置や燃焼方法に特別の改良を必要と
せず、従来の装置が使用可能であるため検討が盛んであ
る。
【0003】このような燃料油添加剤としては、例え
ば、メチル−t−ブチルエーテル(特開平5−1792
62号公報、特開平7−97582号公報等)、グリコ
ールエーテル若しくはグリコールエステル(特開平7−
18271号公報、特開平7−109472号公報
等)、ソルビタンエステル(特開平7−145390号
公報)、炭酸ジエステル(特開平7−173475号公
報)、硝酸2−エチルヘキシル(特開平4−22799
0号公報)、有機過酸化物(特開平5−214351号
公報等)、シクロペンタジエニルマンガントリカルボニ
ル(特開平4−226598号公報、特開平5−117
674号公報等)、微生物(特開昭57−167391
号公報)、金属化合物(特開昭62−167391号公
報、特開平4−13798号公報等)が挙げられる。
【0004】しかしながら、メチル−t−ブチルエーテ
ル、グリコールエーテル若しくはグリコールエステル、
ソルビタンエステル及び炭酸ジエステルは、比較的多量
に添加しないとNOx低減効果が発揮できないばかり
か、少量の添加では逆にNOxの発生を増加させる場合
がある。また、これらのうちメチル−t−ブチルエーテ
ルは発ガン性の疑いがあるため、近年燃料油への使用規
制の動きがおきている。硝酸2−エチルヘキシルは、加
水分解を受け易く、燃料油中の水分又は混入した水分に
より徐々にアルコールと硝酸に分解されて、貯槽等を腐
食させる恐れがあった。有機過酸化物は、爆発性がある
ため取り扱いが面倒であり、有機過酸化物が添加された
燃料油は保存中に沈殿物が発生し易く安定性に問題があ
った。また、シクロペンタジエニルマンガントリカルボ
ニルは内燃機関用燃料油として使用した場合、デポジッ
ト(燃焼室内の堆積物をいう)が多いという欠点があっ
た。窒素固定菌等の微生物を添加する方法では、燃料油
中の窒素に由来するNOxの低減には効果があるが、燃
焼中の高温により空気中の窒素が酸化されて発生するN
Oxの低減には何ら効果はみられず、ガソリンエンジン
等の場合にはキャブレターやプラグに微生物由来の付着
物が生成するという問題がある。
【0005】一方、燃料油に金属化合物を添加して、N
Oxを低減させる方法としては、特開昭62−1673
91号公報では、マグネシウム、カルシウム及び鉄の、
酸化物若しくは水酸化物からなる微細粒子を界面活性剤
で水に分散させた組成物について、また特開平4−13
798号公報では、アルミニウム、鉄、カルシウム、タ
ングステン、セリウム及びバリウムのアセチルアセトン
錯体について、それぞれ開示されているにすぎず、油溶
性モリブデン化合物を燃料油に添加した場合のNOx低
減効果については、未だ明らかにはされていない。ま
た、特開昭62−167391号公報及び特開平4−1
3798号公報で開示された燃料添加剤を添加した燃料
油は、酸化劣化を受けて沈殿等が発生しやすいという問
題があった。また、特開昭57−167391号公報で
は、窒素固定菌の繁殖スピードを促進させる目的でモリ
ブデンを添加することが好ましいとの記載があるが、モ
リブデンを入れることによるNOx低減作用については
開示されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、燃料油に添加剤を添加するという簡便な方法に
より、燃料油の燃焼排ガス中のNOxを大きく減少させ
ることができ、燃料油の経時的な劣化、燃料油貯槽等の
腐食、デポジット等の増加等の悪影響のない、燃料油の
燃焼排ガス中のNOxの低減方法、及びその燃料組成物
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、燃
料油の排ガス中のNOxの低減方法について鋭意検討
し、油溶性モリブデン化合物を添加剤として用いた場合
に、少量の添加で、排ガス中のNOxが低減できるとと
もに、保存安定性が向上し、燃焼室内のデポジットが減
少し、排ガス中の粒子状浮遊物(PM)及び未燃炭化水
素が減少することを見出し本発明に至った。即ち、本発
明は、燃料油及び油溶性モリブデン化合物からなる、即
ち、燃料油に油溶性モリブデン化合物を含有する燃料組
成物を燃焼することを特徴とする燃料排気ガス中の窒素
酸化物の低減方法である。さらに、本発明は、燃料油及
び油溶性モリブデン化合物からなり、油溶性モリブデン
化合物の含有量がモリブデン原子を基準にして0.2〜
200質量ppmである燃料組成物を包含する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、燃料油に、油溶性モリ
ブデン化合物を添加するという、簡便な方法により、燃
料油が燃焼して発生する排ガス中のNOxの低減方法で
ある。本発明において、油溶性モリブデン化合物とは、
2,2,4−トリメチルペンタン(イソオクタン)に対
して、25℃で、モリブデン原子を基準にして少なくと
も200質量ppm溶解するモリブデン化合物を言う。
このような油溶性モリブデン化合物としては、(A)リ
ンを含有するモリブデン化合物、(B)硫黄を含有し、
リンを含有しないモリブデン化合物、(C)窒素を含有
し、リン及び硫黄含有しないモリブデン化合物、(D)
リン、硫黄及び窒素を含有しないモリブデン化合物が挙
げられる。
【0009】(A)リンを含有するモリブデン化合物と
しては、例えば、硫化オキシモリブデンジチオフォスフ
ェート、硫化オキシモリブデンジチオフォスフィネー
ト、モノ(又はジ)アルキル(又はアルケニル)フォス
フェートのモリブデン塩等が挙げられる。硫化オキシモ
リブデンジチオフォスフェートは、下記の一般式(A−
1)で表わされる。
【化1】 一般式(A−1)において、Rはそれぞれ独立して、炭
素数1〜36のアルキル基又はアルケニル基を表わし、
Xはそれぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子を表わ
す。一般式(A−1)のRとしては、燃料油に対する溶
解性の点から炭素数3〜22のアルキル基又はアルケニ
ル基が好ましく、炭素数4〜18のアルキル基又はアル
ケニル基が更に好ましく、炭素数6〜13のアルキル基
が最も好ましい。
【0010】硫化オキシモリブデンジチオフォスフィネ
ートは、下記の一般式(A−2)で表わされる。
【化2】 一般式(A−2)において、Rはそれぞれ独立して、炭
素数1〜36のアルキル基又はアルケニル基を表わし、
Xはそれぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子を表わ
す。一般式(A−2)のRとしては、燃料油に対する溶
解性の点から炭素数3〜22のアルキル基又はアルケニ
ル基が好ましく、炭素数4〜18のアルキル基又はアル
ケニル基が更に好ましく、炭素数6〜13のアルキル基
が最も好ましい。
【0011】(B)硫黄を含有し、リンを含有しないモ
リブデン化合物としては、例えば、硫化オキシモリブデ
ンジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンキサンテ
ート、下記の一般式(B−1)
【化3】 (式中、Xはそれぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子
を表わす。但し、4つのXのうち、少なくとも1つは硫
黄原子である。)で表わされるモリブデンイオンを中心
イオンとする錯体、下記の一般式(B−2)で表わされ
るモリブデンイオンの含硫黄配位子の錯体等が挙げられ
る。
【化4】
【0012】硫化オキシモリブデンジチオカーバメート
は、下記の一般式(B−3)で表わされる。
【化5】 一般式(B−3)において、Rはそれぞれ独立して、炭
素数1〜36のアルキル基又はアルケニル基を表わし、
Xはそれぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子を表わ
す。一般式(B−3)のR及びR’としては、燃料油に
対する溶解性の点から炭素数4〜22のアルキル基又は
アルケニル基が好ましく、炭素数6〜18のアルキル基
又はアルケニル基が更に好ましく、炭素数8〜13のア
ルキル基が最も好ましい。
【0013】硫化オキシモリブデンジチオキサンテート
は、下記の一般式(B−4)で表わされる。
【化6】 一般式(B−4)において、Rはそれぞれ独立して、炭
素数1〜36のアルキル基又はアルケニル基を表わし、
Xはそれぞれ独立して、酸素原子又は硫黄原子を表わ
す。一般式(B−4)のRとしては、燃料油に対する溶
解性の点から炭素数3〜22のアルキル基又はアルケニ
ル基が好ましく、炭素数4〜18のアルキル基又はアル
ケニル基が更に好ましく、炭素数6〜13のアルキル基
が最も好ましい。
【0014】一般式(B−1)で表わされるモリブデン
イオンを中心イオンとする錯体としては、ジベンジルス
ルフィド、2−{2−(ジメチルアミノ)エチルチオ}
エタノール、メチオニン、システイン、シスチン、ピリ
ジン−2−チオール、チオ尿素、ジチオシュウ酸等の含
硫黄配位子;アラニン、β−アラニン、アスパラギン
酸、アスパラギン酸ジ酢酸、グリシン、グリシルグリシ
ン、トリグリシン、3−グリシルアミノ−1−プロパノ
ール、サルコシン、グルタミン酸ジ酢酸、ヒスチジン、
プロリン等の硫黄を含有しないアミノ酸系配位子;N−
ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N−ヒドロキシプ
ロピルエチレンジアミン、N,N−ジエチル−N’−ヒ
ドロキシエチルエチレンジアミン、N−ヒドロキシエチ
ルエチレンジアミントリ酢酸、エチレンジアミンテトラ
酢酸、トリメチレンジアミンテトラ酢酸等のエチレンジ
アミン系配位子;2,2’−ビピペリジン、2,2’−
ビピリジン、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジ
ン、2−ヒドロキシ−6−メチル−ピリジン、1,2−
シクロヘキサンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2
−シクロヘキサンジアミン、1,2−ジメチルイミダゾ
ール等の環構造を有するアミン系配位子;α−アミノ−
α−メチルマロン酸、1,5−ジアミノ−3−ペンタノ
ール、モノエタノールアミン、メチルイミノジ酢酸、ヒ
ドロキシエチルイミノジ酢酸、ニトリロ三酢酸等のその
他のアミン系配位子;アセチルアセトン、アセト酢酸エ
ステル類、カテコール、シュウ酸、サリチル酸、サリチ
ルアルデヒド等の硫黄及び窒素を含有しない配位子等が
挙げられる。一般式(B−2)で表わされるモリブデン
イオンの含硫黄配位子としては、前記含硫黄配位子が挙
げられる。
【0015】(C)窒素を含有し、リン及び硫黄含有し
ないモリブデン化合物としては、例えば、モリブデンの
N−アルキルジエタノールアミン錯体、モリブデンのカ
ルボン酸ジエタノールアミド錯体、モリブデンとアルキ
ル(又はアルケニル)コハク酸ポリアミンアミドとの反
応物、モリブデンとベンジルアミン(マンニッヒ反応
物)との反応物、モリブデンのモノ(又はジ)アルキル
アミン塩等が挙げられる。モリブデンのN−アルキルジ
エタノールアミン錯体は、一般式(C−1)で表わされ
る。
【化7】 一般式(C−1)において、Rは炭素数1〜36のアル
キル基又はアルケニル基を表わし、燃料油に対する溶解
性の点から炭素数7〜24のアルキル基又はアルケニル
基が好ましく、炭素数8〜22のアルキル基又はアルケ
ニル基が更に好ましく、炭素数9〜18のアルキル基又
はアルケニル基が最も好ましい。
【0016】モリブデンのカルボン酸ジエタノールアミ
ド錯体は、一般式(C−2)で表わされる。
【化8】 一般式(C−2)において、Rは炭素数1〜36のアル
キル基又はアルケニル基を表わし、燃料油に対する溶解
性の点から炭素数7〜24のアルキル基又はアルケニル
基が好ましく、炭素数7〜23のアルキル基又はアルケ
ニル基が更に好ましく、炭素数8〜17のアルキル基又
はアルケニル基が最も好ましい。
【0017】モリブデンとアルキル(又はアルケニル)
コハク酸ポリアミンアミドの反応物における、アルキル
(又はアルケニル)コハク酸ポリアミンアミドとして
は、例えば、下記の一般式(C−3)又は一般式(C−
4)で表わされるアルキル(又はアルケニル)コハク酸
ポリアミンアミドを挙げることができる。
【化9】
【化10】 一般式(C−3)において、Rはアルキル基又はアルケ
ニル基を表わし、nは1〜10の数を表わす。一般式
(C−3)のRの炭素数は、燃料油に対する溶解性の点
から、12〜200が好ましく、15〜150が更に好
ましく、18〜100が最も好ましい。又、nは好まし
くは2〜5である。モリブデンとアルキル(又はアルケ
ニル)コハク酸ポリアミンアミドの反応物は、例えば、
三酸化モリブデン等のモリブデン化合物と一般式(C−
3)若しくは又は一般式(C−4)で表わされるアルキ
ル(又はアルケニル)コハク酸ポリアミンアミドを公知
の方法により反応させることにより得ることができる。
【0018】一般式(C−4)において、Rはそれぞれ
独立してアルキル基又はアルケニル基を表わし、nは1
〜10の数を表わす。一般式(C−4)のRの炭素数
は、燃料油に対する溶解性の点から、12〜200が好
ましく、15〜150が更に好ましく、18〜100が
最も好ましい。又、nは好ましくは2〜5である。モリ
ブデンとアルキル(又はアルケニル)コハク酸ポリアミ
ンアミドの反応物は、例えば、三酸化モリブデン等のモ
リブデン化合物と一般式(C−3)若しくは又は一般式
(C−4)で表わされるアルキル(又はアルケニル)コ
ハク酸ポリアミンアミドを公知の方法により反応させる
ことにより得ることができる。
【0019】モリブデンとベンジルアミン(マンニッヒ
反応物)の反応物における、ベンジルアミン(マンニッ
ヒ反応物)としては、例えば、下記の一般式(C−5)
で表わされるベンジルアミン(マンニッヒ反応物)が挙
げられる。
【化11】 一般式(C−5)において、Rはアルキル基又はアルケ
ニル基を表わし、nは1〜10の数を表わす。一般式
(C−5)のRの炭素数は、燃料油に対する溶解性の点
から、9〜200が好ましく、12〜150が更に好ま
しく、18〜100が最も好ましい。又、nは好ましく
は2〜5である。モリブデンとベンジルアミン(マンニ
ッヒ反応物)との反応物は、例えば、三酸化モリブデン
等のモリブデン化合物と一般式(C−5)で表わされる
ベンジルアミン(マンニッヒ反応物)を公知の方法によ
り反応させることにより得ることができる。
【0020】(D)リン、硫黄及び窒素を含有しないモ
リブデン化合物としては、例えば、モリブデンのβ−ケ
トカルボン酸エステル錯体、モリブデンのグリセリンモ
ノカルボン酸エステル錯体、モリブデンのグリセリンモ
ノアルキル(又はアルケニル)エーテル錯体、モリブデ
ンの1,2−ジオール錯体、2,2−メチレンビスフェ
ノールのモリブデン錯体、モリブデンのモノカルボン酸
石鹸、モリブデンのアルキル(又はアルケニル)コハク
酸塩、シクロペンタジエンモリブデントリカルボニル、
モリブデンヘキサカルボニル等が挙げられる.モリブデ
ンのβ−ケトカルボン酸エステル錯体は、一般式(D−
1)で表わされる。
【化12】 一般式(D−1)において、Rはそれぞれ独立して、炭
化水素基を表わす。一般式(D−1)のRとしては、燃
料油に対する溶解性の点から、炭素数2〜18のアルキ
ル基が好ましく、Rの炭素数の合計が4〜24程度とな
るアルキル基が更に好ましい。
【0021】モリブデンのグリセリンモノカルボン酸エ
ステル錯体は、一般式(D−2)で表わされる。
【化13】 一般式(D−2)において、Rは炭素数1〜36のアル
キル基又はアルケニル基を表わし、燃料油に対する溶解
性の点から、炭素数7〜23のアルキル基又はアルケニ
ル基が好ましく、炭素数8〜17のアルキル基又はアル
ケニル基がさらに好ましい。
【0022】モリブデンのグリセリンモノアルキル(又
はアルケニル)エーテル錯体は、一般式(D−3)で表
わされる。
【化14】 一般式(D−3)において、Rは炭素数1〜36のアル
キル基又はアルケニル基を表わし、燃料油に対する溶解
性の点から、炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニ
ル基が好ましく、炭素数9〜20のアルキル基又はアル
ケニル基がさらに好ましい。
【0023】モリブデンの1,2−ジオール錯体は、一
般式(D−4)で表わされる。
【化15】 一般式(D−4)において、Rは炭素数4〜18のアル
キル基を表わし、燃料油に対する溶解性の点から、炭素
数6〜16のアルキル基が好ましく、炭素数8〜14の
アルキル基がさらに好ましい。炭化水素基を表わす。)
【0024】2,2−メチレンビスフェノールのモリブ
デン錯体は、一般式(D−5)で表わされる。
【化16】 一般式(D−5)中、Rはそれぞれ独立して、水素、炭
素数1〜24のアルキル基、炭素数5〜6のシクロアル
キル基、炭素数6〜12のアリール基を表わす。
【0025】モリブデンのモノカルボン酸石鹸のモノカ
ルボン酸としては、例えば、炭素数1〜24程度の直鎖
若しくは分岐鎖の脂肪酸の他に、ナフテン酸、アビエチ
ン酸等を挙げることができる。これらのモノカルボン酸
の中でも、燃料油に対する溶解性の点から、特に好まし
いのは、炭素数7〜24の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪
酸、ナフテン酸及びアビエチン酸である。
【0026】モリブデンのアルキル(又はアルケニル)
コハク酸塩は下記の一般式(D−6)で表わされる。
【化17】 一般式(D−6)において、Rはアルキル基又はアルケ
ニル基を表わし、燃料油に対する溶解性の点から、9〜
200が好ましく、12〜150が更に好ましく、18
〜100が最も好ましい。
【0027】これらの油溶性モリブデンの中でも、
(C)窒素を含有し、リン及び硫黄含有しないモリブデ
ン化合物及び(D)リン、硫黄及び窒素を含有しないモ
リブデン化合物は、油溶性モリブデン由来の、リンや硫
黄による排気ガス浄化触媒の被毒やSOxの恐れがない
ことから好ましい。また、(C)及び(D)の油溶性モ
リブデンの中でも、特に、モリブデンのN−アルキルジ
エタノールアミン錯体、モリブデンのカルボン酸ジエタ
ノールアミド錯体、モリブデンのモノ(又はジ)アルキ
ルアミン塩、モリブデンのグリセリンモノカルボン酸エ
ステル錯体、モリブデンの1,2−ジオール錯体、モリ
ブデンのモノカルボン酸石鹸及びモリブデンコハク酸塩
は、NOx低減効果に優れ、デポジット等の生成も少な
いことから好ましい。
【0028】燃料組成物中の油溶性モリブデン化合物の
含有量は、燃料油中のモリブデン原子の質量を基準にし
て、0.2〜200質量ppmであれば良い。含有量が
あまりに少ないとNOxの低減効果が十分でなく、含有
量があまりに多いと含有量に見合う増量効果は得られ
ず、更にデポジット等の原因になる場合がある。含有量
は、0.5〜150質量ppmが好ましく、1〜120
質量ppmが更に好ましく、3〜100質量ppmが最
も好ましい。
【0029】本発明のNOx低減方法は、油溶性モリブ
デン化合物を溶解できる全ての燃料油に用いることがで
きる。このような燃料油としては、原油から分離、蒸
留、精製、改質等を行うことにより得られる石油系燃
料;石油の蒸留残渣、アスファルト、オイルサンド、ビ
チューメン等の重質油を水に乳化又は分散させた重質油
エマルジョン燃料;アルコール燃料、油脂燃料等が挙げ
られる。石油系燃料としては、例えば、天然ガス、合成
天然ガス、液化石油ガス、自動車ガソリン、航空ガソリ
ン、航空タービン燃料油、灯油、軽油、重油等が挙げら
れる。アルコール燃料としては、例えば、メタノール、
エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノ
ール、イソブタノール、2級ブタノール、ターシャリブ
タノール等の低級アルコール、又はこれら低級アルコー
ルにベンゼン、トルエン、キシレン、ガソリン、灯油、
軽油等を添加したものが挙げられる。油脂燃料として
は、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、コーン油、ナ
タネ油、パーム油、パーム核油、ひまし油、ひまわり
油、綿実油、ヤシ油、牛脂、豚脂、魚油等の天然油脂、
これらを低級アルコールでエステル交換して得られるモ
ノエステル類等が挙げられる。
【0030】また、本発明のNOx低減方法に用いられ
る油溶性モリブデン化合物は、低硫黄含量の軽油におけ
る潤滑性向上剤としても有用である。ディーゼルエンジ
ンの排ガスによる硫黄酸化物(SOx)や粒子状浮遊物
(PM)等の大気汚染物質の問題から、我が国では、デ
ィーゼル燃料用軽油中の硫黄含量が、2004年には5
0質量ppm以下に規制が強化される見とおしである。
しかしながら、このような低硫黄含量の軽油は、軽油基
材の水素化深度脱硫により製造されるために、水素化の
過程で軽油中の潤滑性物質が一緒に除去され、潤滑性能
が低下する事が知られている。このような潤滑性能の低
下により、燃料である軽油で潤滑を行っているディーゼ
ルエンジンの燃料噴射部分の摩耗が増大し、この結果、
エンジンの回転不良、運転性悪化等の不都合が生じるこ
とが懸念されている。このような、硫黄含量が50質量
ppm以下であるという低硫黄含量の軽油の潤滑性向上
剤として油溶性モリブデン化合物は有用であり、ディー
ゼルエンジンの燃料噴射部分、特にインジェクションノ
ズル及びインジェクションポンプの摩耗防止に役立つ。
【0031】本発明のNOx低減方法においては、燃料
油に油溶性モリブデン化合物を添加するだけでも良い
が、NOx低減効果を大きくするには、更に非イオン性
界面活性剤を添加することが好ましい。非イオン性界面
活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキ
ル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシアルキレン
アリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンブロック共重合物、グリセリン脂肪酸エステル又
はそのアルキレンオキサイド付加物、ソルビタン脂肪酸
エステル又はそのアルキレンオキサイド付加物、アルキ
ルポリグルコシド、脂肪酸モノアルカノールアミド又は
そのアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸ジアルカノー
ルアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖
脂肪酸エステル、アルキル(ポリ)グリセリンエーテ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリアルキレング
リコール脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコールモ
ノメチルエーテルの脂肪酸エステル、N−アルキル(又
はアルケニル)アミンのアルキレンオキサイド付加物等
が挙げられる。これらの非イオン性界面活性剤のオキシ
アルキレン基としては、例えば、オキシエチレン基、オ
キシプロピレン基、オキシブチレン基等が挙げられる。
また、これらの非イオン性界面活性剤に用いられるアル
キレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テト
ラヒドロフラン(1,4−ブチレンオキサイド)等が挙
げられる。これらの非イオン性界面活性剤の中でも、特
に、炭素数8〜36程度の炭化水素基を有する非イオン
性界面活性剤が好ましく、且つFedorsの方法(Po
lymer Engineering and Science 147 '74)により求め
た溶解度パラメーターの値(SP値)が8〜12である
非イオン性界面活性剤が更に好ましく、9.5〜11.
5である非イオン性界面活性剤が最も好ましい。なお、
このような非イオン性界面活性剤の中には、潤滑性向上
効果、清浄分散効果、防錆効果等を有するものもある。
【0032】非イオン性界面活性剤の含有量は特に限定
されないが、燃料油組成物中に0.5〜500質量pp
m含有することが好ましく、5〜300質量ppmがさ
らに好ましい。また、油溶性モリブデン化合物に対する
非イオン性界面活性剤の含有量は、燃料油中のモリブデ
ン原子の質量を基準したモリブデン濃度に対する非イオ
ン性界面活性剤の濃度比が0.1〜100になるように
添加することが好ましい。
【0033】また、本発明で用いられる燃料油には、油
溶性モリブデン化合物及び非イオン性界面活性剤以外に
無灰型洗浄分散剤を含有しても良い。無灰型清浄分散剤
は、内燃機関の燃焼室内のスラッジやデポジット等を分
散させることにより、燃焼室内の清浄性を保つ目的で用
いられる添加剤である。無灰型清浄分散剤としては、例
えば、前記一般式(C−3)又は一般式(C−4)で表
わされるアルキル(又はアルケニル)コハク酸ポリアミ
ンアミド、前記一般式(C−5)で表わされるベンジル
アミン(マンニッヒ反応物)、ポリオキシアルキレン基
を有する含窒素化合物、ポリアミン化合物、アルキルア
クリレート/アミノアクリレート共重合物等が挙げられ
る。
【0034】無灰型清浄分散剤として用いられるポリオ
キシアルキレン基を有する含窒素化合物としては、例え
ば、下記の一般式(E−1)、一般式(E−2)、一般
式(E−3)又は一般式(E−4)で表わされる化合物
が挙げられる。
【化18】 (式中、Rは炭化水素基を表わし、好ましくはアリール
基を表わす。R’はアルキレン基を表わし、好ましくは
エチレン基又はプロピレン基を表わす。AOはオキシア
ルキレン基を表わし、好ましくはオキシプロピレン基又
はオキシブチレン基を表わす。nは1以上の数を表わ
し、好ましくは5〜50の数を表わす。)
【化19】 (式中、Rは炭化水素基を表わし、好ましくはアリール
基を表わす。R’はアルキレン基を表わし、好ましくは
エチレン基又はプロピレン基を表わす。AOはオキシア
ルキレン基を表わし、好ましくはオキシプロピレン基又
はオキシブチレン基を表わす。nは1以上の数を表わ
し、好ましくは1〜3の数を表わす。mは1以上の数を
表わし、好ましくは5〜50の数を表わす。)
【化20】 (式中、Rは脂肪族炭化水素基を表わし、好ましくは炭
素数8〜24のアルキル基若しくはアルケニル基を表わ
す。AOはオキシアルキレン基を表わし、好ましくはオ
キシエチレン基又はオキシプロピレン基を表わす。Xは
水素原子又は−(AO)n―Hで表わされる基を表わ
す。nは1以上の数を表わし、好ましくは1〜20の数
を表わす。)
【化21】 (式中、Rは炭化水素基を表わし、好ましくは炭素数8
〜24の炭化水素基を表わす。R’はアルキレン基を表
わし、好ましくはエチレン基又はプロピレン基を表わ
す。AOはオキシアルキレン基を表わし、好ましくはオ
キシエチレン基又はオキシプロピレン基を表わす。nは
1以上の数を表わし、好ましくは1〜20の数を表わ
す。aは0又は1〜5の数を表わし、好ましくは0又は
1の数を表わす。)
【0035】無灰型清浄分散剤として用いられるポリア
ミン化合物としては、例えば、下記の一般式(E−5)
で表わされる化合物等が挙げられる。
【化22】 (式中、Rは炭化水素基を表わし、好ましくは分子量5
00〜5,000程度のオレフィンオリゴマー基、より
好ましくはポリイソブテニル基を表わす。R’はアルキ
レン基を表わし、好ましくはエチレン基又はプロピレン
基を表わす。nは1以上の数を表わし、好ましくは1〜
3の数を表わす。)
【0036】無灰型清浄分散剤は、燃料油に通常10〜
500質量ppm添加され、内燃機関の燃焼室内の清浄
性向上に大きな効果があるが、燃焼排ガス中のNOx発
生量をやや増加させるという欠点があった。本発明の燃
焼排ガス中のNOxの低減方法は、このような無灰型清
浄分散剤が添加された燃料油においても、大きなNOx
低減効果が得られる。
【0037】本発明のNOx低減方法は、油溶性モリブ
デン化合物を添加することにより、上記のような効果が
得られるが、燃料油が重油等の硫黄含量が高い燃料油で
ある場合には、大気汚染物質であるSOxが増加してし
まう場合がある。即ち、燃料油中の硫黄分は、燃焼して
SOxとなるだけでなく、デポジットや粒子状浮遊物に
も取り込まれていたが、油溶性モリブデン化合物を添加
することによりデポジットや粒子状浮遊物が減少し、従
来、これらに取込まれていた硫黄分がSOxとなったも
のと考えられる。このような硫黄含量が高い燃料油に、
本発明のNOx低減方法を適用する場合には、SOxの
発生を低減するために油溶性又は油分散性のアルカリ土
類金属化合物を併用することが好ましい。このような油
溶性又は油分散性のアルカリ土類金属化合物としては、
例えば、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類
金属フェネート、アルカリ土類金属サリシレート、アル
カリ土類金属ホスホネート、アルカリ土類金属カルボキ
シレート等が挙げられる。アルカリ土類金属スルホネー
トとしては、例えば、(モノ又はジ)アルキルベンゼン
スルホン酸、(モノ又はジ)アルキルナフタレンスルホ
ン酸、石油スルホン酸等のアルカリ土類金属塩等が挙げ
られる。アルカリ土類金属フェネートとしては、例え
ば、(モノ又はジ)アルキルフェノール、チオビス
{(モノ又はジ)アルキルフェノール}、メチレンビス
{(モノ又はジ)アルキルフェノール}等のアルカリ土
類金属塩等が挙げられる。アルカリ土類金属サリシレー
トとしては、例えば、(モノ又はジ)アルキルサリチル
酸、チオビス{(モノ又はジ)アルキルサリチル酸}、
メチレンビス{(モノ又はジ)アルキルサリチル酸}等
のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。アルカリ土類金
属カルボキシレートとしては、例えば、オクチル酸、2
−エチルヘキサン酸、ノナン酸、イソノナン酸、デカン
酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オ
クタデカン酸、エイコサン酸、オレイン酸、12−ヒド
ロキシステアリン酸、リシノール酸、ヤシ油脂肪酸、牛
脂脂肪酸、大豆油脂肪酸、ナフテン酸、アビエチン酸、
ラノリン脂肪酸、アルキル(又はアルケニル)コハク酸
等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。これらの中で
も、特に、金属原子がカルシウム又はマグネシウムであ
る塩基性若しくは過塩基性の金属スルホネート又は金属
サリシレートが好ましい。また、油溶性又は油分散性の
アルカリ土類金属化合物の添加量は、燃料油中の硫黄含
量によっても異なるが、通常50〜5000重量ppm
である。また、上記の化合物は一般に中性塩であるが、
これらの中性塩に二酸化炭素を吹き込みながら金属酸化
物又は金属水酸化物等で塩基化処理した塩基性又は過塩
基性のものが好ましく使用される。過塩基化生成物は、
通常炭酸塩の形で含有されている。これらの塩基性又は
過塩基性の金属系清浄剤の全塩基価(TBN)は、一般
に200〜500mgKOH/g程度である。
【0038】また、本発明で用いられる燃料油には、従
来公知の燃料油添加剤を含有しても良い。このような燃
料油添加剤としては、オクタン価向上剤、セタン価向上
剤、水抜き剤、防錆剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、
潤滑性向上剤、流動性向上剤、消泡剤、着色剤等が挙げ
られる。
【0039】オクタン価向上剤は、ガソリンのアンチノ
ッキング性を向上させるための添加剤である。オクタン
価向上剤としては、例えば、メチルターシャリーブチル
エーテル、メチルイソブチルエーテル、メチルイソプロ
ピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジターシャリ
ーブチルエーテル、メチルアミルエーテル等のエーテル
化合物;ペンタカルボニル鉄、シクロペンタジエニルマ
ンガントリカルボニル、マンガンペンタカルボニル、シ
クロペンタジエニルマグネシウム等の金属カルボニル等
が挙げられる。
【0040】セタン価向上剤は、ディーゼル燃料の着火
性を向上させるための添加剤である。セタン価向上剤と
しては、例えば、硝酸ヘキシル,硝酸オクチル等のアル
キル硝酸エステル;ニトロメタン、2,2’−ジニトロ
プロパン等のニトロ化合物;ブチルパーオキサイド、カ
プロイルパーオキサイド、トリアセトンパーオキサイ
ド、アセチルベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化
物が挙げられる。
【0041】水抜き剤は、燃料油中の水分が燃料油から
分離して、燃料タンクや燃料系統のパイプを腐食させる
のを防ぐ目的で、主にガソリンで用いられる添加剤であ
る。水抜き剤としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等が挙げられる。
【0042】防錆剤は、燃料タンク錆止め性を与える目
的で用いられる添加剤である。防錆剤としては、例え
ば、アルキル(又はアルケニル)コハク酸、ナフテン
酸、アビエチン酸、ラノリン脂肪酸等のカルボン酸又は
その塩;アシル化サルコシン等のアミノ酸誘導体;石油
スルホン酸塩、ジノニルナフタレンスルホン酸塩等のス
ルホン酸塩;シクロヘキシルアミン、モルホリン、アミ
ノアルコール、N−アルキル(又はシクロアルキル)ジ
エタノールアミン等のアミン等が挙げられる。
【0043】酸化防止剤は、保存中又は使用中の燃料油
の酸化劣化を防止する目的で用いられる添加剤である。
酸化防止剤としては、例えば、2,6―ジターシャリ―
ブチルフェノール(以下、ターシャリブチルをt−ブチ
ルと略記する。)、2,6―ジ―t−ブチル−p―クレ
ゾール、2,6―ジ―t―ブチル―4―メチルフェノー
ル、2,6―ジ―t―ブチル―4―エチルフェノール、
2,4―ジメチル―6―t−ブチルフェノール、4,
4’―メチレンビス(2,6―ジ―t−ブチルフェノー
ル)、4,4’―ビス(2,6―ジ―t―ブチルフェノ
ール)、4,4’―ビス(2―メチル―6―t−ブチル
フェノール)、2,2’―メチレンビス(4―メチル―
6―t−ブチルフェノール)、2,2’―メチレンビス
(4―エチル―6―t−ブチルフェノール)、4,4’
―ブチリデンビス(3―メチル―6―t―ブチルフェノ
ール)、4,4’―イソプロピリデンビス(2,6―ジ
―t―ブチルフェノール)、2,2’―メチレンビス
(4―メチル―6―シクロヘキシルフェノール)、2,
2’―メチレンビス(4―メチル―6―ノニルフェノー
ル)、2,2’―イソブチリデンビス(4,6―ジメチ
ルフェノール)、2,6―ビス(2’―ヒドロキシ―
3’―t―ブチル―5’―メチルベンジル)―4―メチ
ルフェノール、3―t−ブチル−4―ヒドロキシアニソ
ール、2―t―ブチル―4―ヒドロキシアニソール等の
フェノール系酸化防止剤;フェニル―1―ナフチルアミ
ン、フェニル―2―ナフチルアミン、N,N’―ジイソ
プロピル―p―フェニレンジアミン、N,N’―ジセカ
ンダリーブチル―p―フェニレンジアミン、ジフェニル
アミン、p,p’―ジ―n―ブチルジフェニルアミン、
p,p’―ジ―t―ブチルジフェニルアミン、p,p’
―ジ―t―ペンチルジフェニルアミン、p,p’―ジオ
クチルジフェニルアミン、p,p’―ジノニルジフェニ
ルアミン等のアミン系酸化防止剤等が挙げられる。
【0044】金属不活性化剤は、銅等の金属化合物が燃
料油中で酸化触媒として作用するのを抑制する目的で用
いられる添加剤である。金属不活性化剤としては、例え
ば、N,N’−ジサリチリデン−1,2−エチレンジア
ミン、N,N’−ジサリチリデン−1,2−プロパンジ
アミン、N,N’−ジサリチリデン−1,2−シクロヘ
キサンジアミン、N,N”−ジサリチリデン−N’−メ
チル−ジプロピレントリアミン等が挙げられる。
【0045】潤滑性向上剤とは、燃料油の摩擦係数を低
下させるための添加剤である。潤滑性向上剤としては、
例えばパルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ヤシ
油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の高級脂肪酸又はそのアミン
塩;オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高
級アルコール;オレイルアミン、ステアリルアミン、ヤ
シ油由来アルキルアミン、牛脂由来アルキルアミン等の
長鎖アルキルアミン;ステアリン酸アミド,オレイン酸
アミド等の高級脂肪酸アミド;ラウリル酸メチルエステ
ル,ステアリン酸メチルエステル,ステアリン酸ブチル
エステル等のエステル;トリメチルホスフェート、トリ
クレジルホスフェート、アルキルアミノホスフェート等
のリン酸エステル等が挙げられる。これらの潤滑性向上
剤の中には、防錆効果、スラッジ等の分散効果を有する
ものもある。
【0046】流動性向上剤とは、燃料油の流動点を低下
させることにより低温における流動性を向上させるため
の添加剤である。流動性向上剤としては、例えば、エチ
レン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−アルキルアク
リレート系共重合体、ポリアルキルアクリレート等が挙
げられる。
【0047】本発明のNOx低減方法は、燃料油に油溶
性モリブデン化合物を添加するという、非常に簡素な方
法により、燃料油の燃焼排ガス、即ち、ガソリンエンジ
ン、ディーゼルエンジン等の内燃機関;ボイラー、ガス
タービン、航空タービンエンジン、灯火、暖房等の排ガ
ス中のNOx低減方法として有用である。またこの場
合、燃焼室や燃焼方法の変更を必要としない、若しく
は、空気量の調整等の極めて軽微な変更でよい。更に、
油溶性モリブデン化合物及び非イオン性界面活性剤を添
加する方法においては、特に、噴射された燃料油を燃焼
させるもの、例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエ
ンジン等の内燃機関や航空タービンエンジン等のNOx
低減方法として有用である。また、本発明のNOx低減
方法では、燃料油を劣化させる成分を添加しないので、
燃料油の保存安定性が向上し、燃焼室内のデポジットが
減少し、排ガス中の粒子状浮遊物及び未燃炭化水素が減
少するという効果もある。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。尚、以下の実施例中、%は特に記載が無い限り
質量基準である。
【0049】<油溶性モリブデン化合物> (化合物a−1) ナフテン酸モリブデン石鹸 (モリブデン含量 6%) (化合物a−2) 2−エチルヘキサン酸モリブデン石鹸 (モリブデン含
量 20%) (化合物a−3) モリブデンのグリセリンモノオレート錯体 (モリブデ
ン含量 16%) (化合物a−4) モリブデンのヤシ油脂肪酸ジエタノールアマイド錯体
(モリブデン含量 19%) なお、化合物a1〜a4は、いずれも2,2,4−トリ
メチルペンタンに対して、25℃で、モリブデン原子を
基準にして200ppm以上溶解した。
【0050】<非イオン性界面活性剤> (化合物b−1) ソルビタンモノラウレート(SP値:10.3) (化合物b−2) グリセリンモノオレート(SP値:10.9) (化合物b−3) N−ドデシルアミンのエチレンオキサイド4モル付加物
(SP値:10.1) (化合物b−4) ノニルフェノールエトキシレート(2)(SP値:1
0.3)
【0051】<無灰型清浄分散剤> (化合物c−1)一般式(C−4)において、Rが分子
量約1000のポリイソブテニル基であり、nが3であ
る、ポリアルケニルコハク酸イミド (化合物c−2)一般式(E−1)において、Rがノニ
ルフェニル基、R’がプロピレン基、AOがオキシブチ
レン基、nが17であるポリオキシアルキレン基を有す
る含窒素化合物 (化合物c−3)一般式(E−4)において、RがN−
牛脂由来アルキル基、R’がプロピレン基を表わし、A
Oがオキシエチレン基、nが2、aが1であるポリオキ
シアルキレン基を有する含窒素化合物
【0052】<潤滑性向上剤> (化合物d−1) オレイン酸アミド (化合物d−2) ステアリン酸ブチルエステル (化合物d−3) オレイルアルコール (化合物d−4) ステアリン酸のN−シクロヘキシルジエタノールアミン
【0053】<油溶性又は油分散性アルカリ土類金属化
合物> (化合物e−1) マグネシウムスルホネート TBN:400mgKOH
/g (化合物e−2) カルシウムスルホネート TBN:300mgKOH/
g (化合物e−3) カルシウムサリシレート TBN:160mgKOH/
g (化合物e−4) オレイン酸バリウム (化合物e−5) ナフテン酸マグネシウム
【0054】<従来の燃料油添加剤> (化合物f−1) メチルジグリコール(ジエチレングリコールモノメチル
エーテル) (化合物f−2) 硝酸2−エチルヘキシル (化合物f−3) メチルシクロペンタジエニルマンガントリカルボニル
(マンガン含量 25%) (化合物f−4) トリス(アセチルアセトナト)鉄 (鉄含量 13%) (化合物f−5) 水酸化第二鉄の界面活性剤分散液 (鉄含量 16%)
(特開昭62−167391号公報の製造例2に準拠し
て製造した)
【0055】<ガソリンエンジン用燃料油での評価>市
販レギュラーガソリンに、下記の表1に示す含有量で実
施例1〜12及び比較例1〜20のガソリン組成物を得
た。また、燃料油添加剤を含有しない市販レギュラーガ
ソリンを比較例21とした。これらについて、燃焼試験
を行ない、燃焼排ガス中のNOx及び未燃炭化水素(未
燃HC)の各発生量を以下の方法で試験した。これらの
結果を表1に示す。 (I)燃焼試験条件 試験エンジン :1500ccガソリンエンジン(日産
製、車種サニーに搭載) 測定条件 :無負荷、定置試験、ただし排気系統に
付属している排気ガス処理触媒を取り外して測定した。 エンジン回転数:1750rpm (II)NOx量:化学発光法窒素酸化物測定装置(島
津製作所製、型式NOA 7000)を用いて排ガス中
のNOx量を測定し、一酸化窒素の量に換算して表わし
た。 (III)未燃HC量:ガスクロマトグラフ分析計を用
いて排ガス中の未燃HC量を測定し、メタンの量に換算
して表わした。
【表1】 *含有量の欄の( )内は、各金属の含量(質量pp
m)である。
【0056】上記の結果から明らかなように、油溶性モ
リブデン化合物(化合物a−1〜a−4)を添加した燃
料油(実施例1〜4)は、ガソリンエンジンに使用した
場合に、従来の燃料油添加剤(化合物f−1〜f−5)
又は界面活性剤(化合物b−1〜b−4)を使用したも
の(比較例1〜12)及び無添加のもの(比較例21)
に比べて、NOx及び未燃HCの発生量が少ないことが
分かる。また、油溶性モリブデン化合物及び界面活性剤
を添加した燃料油(実施例5〜8)では、油溶性モリブ
デン化合物を添加した場合よりも、更にNOxの発生量
が少なくなっている。無灰型清浄分散剤(化合物c−1
〜c−3)のみを含有した燃料油(比較例13〜15)
では、無添加のもの(比較例22)に比べてNOxが増
加する。無灰型清浄分散剤によるNOx増加に対して、
従来の燃料油添加剤及び界面活性剤は効果がない(比較
例16〜20)が、油溶性モリブデン化合物は、このよ
うな場合でもNOx低減効果が大きく、更にデポジット
の発生量も低減できる(実施例9〜12)。
【0057】<ディーゼルエンジン用燃料油での評価>
硫黄含量軽油(硫黄含量34質量ppmの深度脱硫軽
油)に、下記の表2に示す含有量で実施例13〜23及
び比較例22〜37の軽油組成物を得た。また、燃料油
添加剤を含有しない軽油を比較例38とした。これらに
ついて、保存安定性、潤滑性、燃焼排ガス中のNOx量
の発生量及びデポジットの発生量を以下の方法で試験し
た。これらの結果を表2に示す。 (I)保存安定性試験:100mLの透明ガラス製ネジ
口容器に、これらの軽油を80ml入れ、日光のあたる
ビルの屋上に30日間放置した後、外観を観察し、以下
の基準にて評価した。 ○:濁り又は沈殿の発生がない。 △:濁り又は沈殿がやや見られる。 ×:濁り又は沈殿が明らかに見られる。 (II)潤滑性試験:SRV試験機を用いて、下記の条
件にて線接触状態で試験を行ない、上部試験片の摩擦痕
を測定することにより潤滑性を評価した。 上部試験片:材質がSUJ−2の球状試験片(直径10
mm) 下部試験片:材質がSUJ−2の円盤状試験片(直径2
2mm、高さ6.9mm) 試験荷重 :2N 試験温度 :60℃ 試験時間 :75分 振幅 :1mm 周波数 :50Hz (III)NOx量:下記の試験用エンジンを用い、下
記の測定条件でエンジン試験を行ない、前記ガソリンエ
ンジン用燃料油での評価の場合と同様の方法にてNOx
量を測定した。 試験エンジン :4570ccデイーゼルエンジン(日
産製、車種アトラスに搭載) 測定条件 :無負荷、定置試験 エンジン回転数:1750rpm及び3100rpm (IV)デポジット量:下記の試験用エンジンを用い、
下記の測定条件でエンジン試験を行ない、試験後のエン
ジンを分解し、ピストンリングに付着するデポジットの
量を観察し、下記の基準にて評価した。 ○:デポジットの発生が見られない。 △:デポジットの発生がやや見られる。 ×:デポジットの発生が明らかに見られる。 試験エンジン :4570ccデイーゼルエンジン(日
産製、車種アトラスに搭載) 測定条件 :無負荷、定置試験 エンジン回転数:750rpm 試験時間 :12時間
【表2】 *含有量の欄の( )内は、各金属の含量(質量pp
m)である。
【0058】表2の結果から明らかなように、油溶性モ
リブデン化合物を添加した燃料油(実施例13〜18)
は、ディーゼルエンジンに使用した場合に、従来の燃料
油添加剤又は界面活性剤を使用したもの(比較例22〜
33)及び無添加のもの(比較例38)に比べて、NO
xの発生量が少なく、保存安定性が良好で、デポジット
の生成も少ないことが分かる。また、油溶性モリブデン
化合物及び界面活性剤を添加した燃料油(実施例19〜
23)では、油溶性モリブデン化合物のみを添加した場
合よりも、更にNOxの発生量が少なくなっている。ま
た、従来の燃料油添加剤、界面活性剤又は従来の摩擦向
上剤を添加した燃料油(比較例22〜37)は、無添加
のもの(比較例38)と同程度の摩耗痕径であり、潤滑
性の向上効果は見られないが、油溶性モリブデン化合物
を添加したもの(実施例13〜23)は、摩耗痕径が小
さく、優れた潤滑性向上効果を示している。
【0059】<ボイラー用燃料油での評価>特A重油
(硫黄含量0.38%)に、下記の表3に示す含有量で
実施例24〜34及び比較品39〜49の燃料油組成物
を得た。また、燃料油添加剤を含有しない特A重油を比
較例50とした。これらについて、燃焼排ガス中のNO
x、SOx及び粒子状浮遊物の発生量を以下の方法で測
定した。これらの結果を表3に示す。 (I)測定条件 荏原製作所製ボイラー(型式STEE2000K−D)
を使用してボイラーの燃焼運転を行ない、燃焼能力が最
大になってから30分経過した時点での燃焼排ガスにつ
いて、NOx量、SOx量及び粒子状浮遊物量を測定し
た。 (II)NOx量 前記ディーゼルエンジン用燃料油での評価と同様にして
NOx量を測定した。 (III)SOx量 JIS K0103(排ガス中の硫黄酸化物分析方法)
に準拠し、SOx量を測定した。 (IV)粒子状浮遊物(PM)量 JIS Z8808(排ガス中のダスト濃度の測定方
法)に準拠し、PM量を測定した。
【表3】 *含有量の欄の( )内は、各金属の含量(ppm)で
ある。
【0060】表3の結果から、油溶性モリブデン化合物
を添加した燃料油(実施例24〜34)は、従来の添加
剤を使用したもの(比較例39〜49)及び無添加のも
の(比較例50)に比べて、NOx及びPMの発生量が
少なくなることがわかる。油溶性モリブデン化合物を添
加した燃料油(実施例24〜28)では、SOx発生量
の増加が見られるが、油溶性又は油分散性アルカリ土類
金属化合物(化合物e−1〜e−5)を添加することに
よりSOx発生量が抑えられる(実施例29〜34)。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、油溶性モリブデン化合
物を燃料油に添加することにより、燃焼排気ガス中のN
Oxを低減させ、燃料油の保存安定性が向上し、エンジ
ン中のデポジット発生量、粒子状浮遊物及び未燃炭化水
素が減少できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 崇弘 東京都中央区日本橋室町2丁目3番14号 旭電化工業株式会社内 (72)発明者 梅原 一浩 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 4H013 CJ06 CJ17

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料油及び油溶性モリブデン化合物から
    なる燃料組成物を燃焼することを特徴とする燃焼排ガス
    中の窒素酸化物の低減方法。
  2. 【請求項2】 燃料油が、内燃機関用燃料油である請求
    項1に記載の燃焼排ガス中の窒素酸化物の低減方法。
  3. 【請求項3】 燃料組成物中の油溶性モリブデン化合物
    の含有量が、モリブデン原子を基準にして0.2〜20
    0質量ppmである請求項1又は2に記載の燃焼排ガス
    中の窒素酸化物の低減方法。
  4. 【請求項4】 燃料組成物が、更に、無灰型清浄分散剤
    を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の燃焼排ガス中の窒素酸化物の低減方法。
  5. 【請求項5】 燃料組成物が、更に、非イオン性界面活
    性剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の燃焼排ガス中の窒素酸化物の低減方法。
  6. 【請求項6】 燃料油及び油溶性モリブデン化合物から
    なり、油溶性モリブデン化合物の含有量がモリブデン原
    子を基準にして0.2〜200質量ppmである燃料組
    成物。
  7. 【請求項7】更に、無灰型清浄分散剤を含有することを
    特徴とする請求項6に記載の燃料組成物。
  8. 【請求項8】 更に、非イオン性界面活性剤を含有す
    ることを特徴とする請求項6又は7に記載の燃料組成
    物。
  9. 【請求項9】 更に、油溶性又は油分散性アルカリ土類
    金属化合物を含有することを特徴とする請求項6〜8に
    記載の燃料組成物。
  10. 【請求項10】 燃料油が、硫黄含量50質量ppm以
    下の軽油である請求項6〜8に記載の燃料組成物。
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