JP2003192506A - 野生獣食害忌避剤 - Google Patents
野生獣食害忌避剤Info
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Landscapes
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】ニホンジカ、ノウサギ、カモシカ等の草食獣は
造林木や農作物に害を与えるため、これらの被害対策
上、有効な忌避剤が望まれている。従来の各種忌避剤
は、人間に対して刺激性、毒性を有していたり、また、
効果が弱かったり、さらには、その効果の持続性にも劣
るものであった。 【解決手段】本発明は、毒性の問題のない食品および食
品添加物の中から野生獣忌避作用のある物質を探索した
結果、鶏卵の乾燥卵黄にその効果を見出した。さらに、
乾燥卵黄単独では効果発現期間が短いものであったが、
ロジンを組み合わせることにより、長期にわたり忌避性
を持続することも見出し、本発明を完成した。
造林木や農作物に害を与えるため、これらの被害対策
上、有効な忌避剤が望まれている。従来の各種忌避剤
は、人間に対して刺激性、毒性を有していたり、また、
効果が弱かったり、さらには、その効果の持続性にも劣
るものであった。 【解決手段】本発明は、毒性の問題のない食品および食
品添加物の中から野生獣忌避作用のある物質を探索した
結果、鶏卵の乾燥卵黄にその効果を見出した。さらに、
乾燥卵黄単独では効果発現期間が短いものであったが、
ロジンを組み合わせることにより、長期にわたり忌避性
を持続することも見出し、本発明を完成した。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、造林木や農作物を
野生獣から守るための、野生獣食害忌避剤に関するもの
である。
野生獣から守るための、野生獣食害忌避剤に関するもの
である。
【０００２】
【従来の技術】ニホンジカ、ノウサギ、カモシカ等の草
食獣は造林木や農作物に害を与えるため、これらの被害
対策上、有効な忌避剤が望まれている。
食獣は造林木や農作物に害を与えるため、これらの被害
対策上、有効な忌避剤が望まれている。
【０００３】このような野生獣の忌避に関して、従来か
ら、哺乳動物用の忌避剤が使用されており、国内では、
ジラム水和剤（商品名：コニファー）、チウラム剤（商
品名：レント、アンレス）、石油アスファルト剤（商品
名：ブラマック）などが市販されている。
ら、哺乳動物用の忌避剤が使用されており、国内では、
ジラム水和剤（商品名：コニファー）、チウラム剤（商
品名：レント、アンレス）、石油アスファルト剤（商品
名：ブラマック）などが市販されている。
【０００４】また、海外では、腐敗卵剤（米国：商品
名：ディアアウェイ）、カプサイシン剤（米国：商品
名：ホットソース）、高級脂肪酸アンモニウム石鹸剤
（米国：商品名：ヒンダー）などが市販されている。ま
た、近年、ロジンにシカに対する忌避作用があることが
報告された。（第１１０回日本林学会大会学術講演集、
折橋ら１９９９年、Ｐ７０８〜７０９）
名：ディアアウェイ）、カプサイシン剤（米国：商品
名：ホットソース）、高級脂肪酸アンモニウム石鹸剤
（米国：商品名：ヒンダー）などが市販されている。ま
た、近年、ロジンにシカに対する忌避作用があることが
報告された。（第１１０回日本林学会大会学術講演集、
折橋ら１９９９年、Ｐ７０８〜７０９）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような各種忌避剤は、人間に対して悪臭、刺激性、毒性
を有していたり、また、効果が弱かったり、さらには、
その効果の持続性にも劣るものであった。
ような各種忌避剤は、人間に対して悪臭、刺激性、毒性
を有していたり、また、効果が弱かったり、さらには、
その効果の持続性にも劣るものであった。
【０００６】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、野生獣に対して忌避効果が高く、刺激性、毒性
も少なく、しかも、長期にわたって忌避効果を持続する
ことのできる野生獣食害忌避剤の提供をその目的とす
る。
もので、野生獣に対して忌避効果が高く、刺激性、毒性
も少なく、しかも、長期にわたって忌避効果を持続する
ことのできる野生獣食害忌避剤の提供をその目的とす
る。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、毒性の問題のない食品および食品添加物
の中から野生獣忌避作用のある物質を探索した結果、鶏
卵の乾燥卵黄にその効果を見出した。腐敗卵を有効成分
とする忌避剤はすでにあるものの、腐敗していない乾燥
卵黄に忌避作用があることはこれまで知られていなかっ
た。
め、本発明は、毒性の問題のない食品および食品添加物
の中から野生獣忌避作用のある物質を探索した結果、鶏
卵の乾燥卵黄にその効果を見出した。腐敗卵を有効成分
とする忌避剤はすでにあるものの、腐敗していない乾燥
卵黄に忌避作用があることはこれまで知られていなかっ
た。
【０００８】さらに、乾燥卵黄単独では効果発現期間が
短いものであったが、ロジンを組み合わせることによ
り、長期にわたり忌避性を持続することも見出した。ロ
ジンに忌避効果があることは報告されているが、ロジン
のみの場合は効果が不安定であった。なお、本発明の野
生獣食害忌避剤において対象とする野生獣とは、有用植
物に食害をもたらすニホンジカ，ノウサギ，カモシカ、
イノシシ、ネズミ類等の動物をいう。
短いものであったが、ロジンを組み合わせることによ
り、長期にわたり忌避性を持続することも見出した。ロ
ジンに忌避効果があることは報告されているが、ロジン
のみの場合は効果が不安定であった。なお、本発明の野
生獣食害忌避剤において対象とする野生獣とは、有用植
物に食害をもたらすニホンジカ，ノウサギ，カモシカ、
イノシシ、ネズミ類等の動物をいう。
【０００９】
【発明の実施の形態】乾燥卵黄は水に懸濁して食害対象
植物に散布または塗布することによって効果を発現させ
ることができる。散布液の卵黄濃度としては、乾燥卵黄
換算で、０．３％以上で効果が認められるが、望ましく
は１％〜３０％で十分な効果が期待できる。
植物に散布または塗布することによって効果を発現させ
ることができる。散布液の卵黄濃度としては、乾燥卵黄
換算で、０．３％以上で効果が認められるが、望ましく
は１％〜３０％で十分な効果が期待できる。
【００１０】ロジンと組み合わせる場合には、まずロジ
ンをアルコール類などの有機溶剤に溶解し、卵黄、水を
加え、必要に応じ乳化剤を添加し、乳化分散液として散
布または塗布することができる。散布液のロジン濃度は
１〜３０％、望ましくは３〜１０％がよく、濃度が低す
ぎると持続性が低下し、高すぎると固化して散布できな
くなる。
ンをアルコール類などの有機溶剤に溶解し、卵黄、水を
加え、必要に応じ乳化剤を添加し、乳化分散液として散
布または塗布することができる。散布液のロジン濃度は
１〜３０％、望ましくは３〜１０％がよく、濃度が低す
ぎると持続性が低下し、高すぎると固化して散布できな
くなる。
【００１１】
【実施例】以下、実施例および試験例で本発明の効果を
説明する。
説明する。
【００１２】［実施例１］乾燥卵黄にシリカを２％添加
し充分混合しておき、迅速に水に懸濁できるようにし
た。これを水に懸濁し、乾燥卵黄濃度（ｗ／ｗ）として
１％、３％、９％の各濃度液を調整した。［使用乾燥卵
黄：キューピー株式会社：乾燥卵黄Ｎｏ．２１−Ｆ］
し充分混合しておき、迅速に水に懸濁できるようにし
た。これを水に懸濁し、乾燥卵黄濃度（ｗ／ｗ）として
１％、３％、９％の各濃度液を調整した。［使用乾燥卵
黄：キューピー株式会社：乾燥卵黄Ｎｏ．２１−Ｆ］
【００１３】［実施例２］実施例１のシリカ添加乾燥卵
黄を用い、その２０％水懸濁液に、ロジンをｎ−プロピ
ルアルコールに１：１（ｗ／ｗ）の割合で溶解した液を
攪拌しながら添加し、最後に水を加えて調整し、乾燥卵
黄濃度３％、ロジン濃度５％となる液、および乾燥卵黄
３％、ロジン濃度１０％となる液を作成した。
黄を用い、その２０％水懸濁液に、ロジンをｎ−プロピ
ルアルコールに１：１（ｗ／ｗ）の割合で溶解した液を
攪拌しながら添加し、最後に水を加えて調整し、乾燥卵
黄濃度３％、ロジン濃度５％となる液、および乾燥卵黄
３％、ロジン濃度１０％となる液を作成した。
【００１４】［試験例１］栃木県の９月に新植したヒノ
キ造林地で、１０月にヒノキ葉に実施例１の散布液およ
び比較としてロジン１０％／エチルアルコール溶液、ジ
ラム水和剤５倍希釈液を散布した。試験は１区２５本で
４連とし、各処理区計１００本とした。処理後２ヶ月お
きに調査を行った。結果を表１に示す。
キ造林地で、１０月にヒノキ葉に実施例１の散布液およ
び比較としてロジン１０％／エチルアルコール溶液、ジ
ラム水和剤５倍希釈液を散布した。試験は１区２５本で
４連とし、各処理区計１００本とした。処理後２ヶ月お
きに調査を行った。結果を表１に示す。
【００１５】
【表１】
【００１５】［試験例２］岩手県の５月に新植したスギ
造林地で、１１月にヒノキ葉に実施例１の散布液および
比較としてロジン１０％／エチルアルコール溶液、ジラ
ム水和剤５倍希釈液を散布した。試験は１区２５本で４
連とし、各処理区計１００本とした。処理後２ヶ月おき
に調査を行った。結果を表２に示す。
造林地で、１１月にヒノキ葉に実施例１の散布液および
比較としてロジン１０％／エチルアルコール溶液、ジラ
ム水和剤５倍希釈液を散布した。試験は１区２５本で４
連とし、各処理区計１００本とした。処理後２ヶ月おき
に調査を行った。結果を表２に示す。
【００１６】
【表２】
【００１７】本２試験結果から、乾燥卵黄の忌避効果お
よびロジンとの混合による持続効果の延長が顕著になさ
れていることが解る。
よびロジンとの混合による持続効果の延長が顕著になさ
れていることが解る。
【発明の効果】以上のように、本発明は、乾燥卵黄が有
用植物の野生獣の食害を抑制することを明らかにしたと
ともに、ロジンを組み合わせることによりその効果を長
期に持続させることを見出したもので、これによってシ
カやノウサギなどの被害地においてその防除に使える技
術となった。
用植物の野生獣の食害を抑制することを明らかにしたと
ともに、ロジンを組み合わせることによりその効果を長
期に持続させることを見出したもので、これによってシ
カやノウサギなどの被害地においてその防除に使える技
術となった。
Claims (4)
- 【請求項１】乾燥卵黄を含有することを特徴とする野生
獣食害忌避剤。 - 【請求項２】乾燥卵黄およびロジンを含有することを特
徴とする野生獣食害忌避剤。 - 【請求項３】散布液の卵黄濃度が０．３〜３０％である
請求項１または請求項２記載の野生獣食害忌避剤。 - 【請求項４】散布液のロジン濃度が１〜３０％である請
求項２記載の野生獣食害忌避剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001403035A JP4179781B2 (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | 野生獣食害忌避剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001403035A JP4179781B2 (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | 野生獣食害忌避剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003192506A true JP2003192506A (ja) | 2003-07-09 |
| JP4179781B2 JP4179781B2 (ja) | 2008-11-12 |
Family
ID=27605824
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001403035A Expired - Fee Related JP4179781B2 (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | 野生獣食害忌避剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4179781B2 (ja) |
-
2001
- 2001-12-27 JP JP2001403035A patent/JP4179781B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP4179781B2 (ja) | 2008-11-12 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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