JP2003188782A - ワイヤレス通信システムにおけるtxダイバーシチ用の改善されたアンテナ・ホッピング・シーケンス - Google Patents

ワイヤレス通信システムにおけるtxダイバーシチ用の改善されたアンテナ・ホッピング・シーケンス

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JP2003188782A
JP2003188782A JP2002295536A JP2002295536A JP2003188782A JP 2003188782 A JP2003188782 A JP 2003188782A JP 2002295536 A JP2002295536 A JP 2002295536A JP 2002295536 A JP2002295536 A JP 2002295536A JP 2003188782 A JP2003188782 A JP 2003188782A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイヤレス通信システムにおけるTXダイバ
ーシチ用の改善型アンテナ・ホッピング・シーケンスを
提供すること。 【解決手段】 本発明はワイヤレス通信システムの総合
スペクトル効率に関する。本発明は、事前に定義された
論理チャネル(BCCH、FCCH、SCH)が事前に
定義されたサブフレーム中に繰り返し組み込まれた、複
数のサブフレームを有する少なくとも1つのマルチフレ
ーム信号を送信し、それぞれ1つのマルチフレームの送
信中に異なるアンテナおよび/または偏波で各論理チャ
ネル(BCCH、FCCH、SCH)が少なくとも2回
送信されるように、アンテナおよび/または偏波ホッピ
ング・シーケンスを使用する送信機ダイバーシチを適用
することによって、ワイヤレス通信システム、とりわけ
モバイル通信システムの総合スペクトル効率を改善する
ことを提案する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤレス通信シ
ステムの総合スペクトル効率を改善するための方法およ
び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】当業者に知られているように、GSM標
準(Global Systemsfor Mobil
e Communication)で稼働するシステム
のスペクトル効率を高めるために複数の技術が提案さ
れ、その一部が実施されている。とりわけ米国のGSM
オペレータにとっては、特にスペクトル・ライセンスに
制限があるためにキャパシティが限られていることがし
ばしば悩みの種になっており、そうしたオペレータは、
スペクトル効率を高めるための技術を特に必要としてい
る。たとえばシグナリング、ページング、および同期化
を含むオペレータのスペクトルの大部分をビーコンの目
的専用に使用する必要があるのは、他のモバイル標準と
比較してGSMに特有の事情である。
【0003】たとえそれぞれ1つの基地局(BTS)に
対してビーコン周波数が1つしかなくても、通常は15
から18セルという大きなクラスタ・サイズのためにス
ペクトルは広い。オペレータが5MHzのライセンスを
有している場合を想定すると、オペレータのスペクトル
のうち3から3.6MHzが単一の周波数に割り当てら
れることになり、これは全スペクトルの約60から72
%を占めることになる。これと比較して、トラフィック
周波数用の典型的なクラスタ・サイズはビーコン・クラ
スタ・サイズの約1/3、すなわち5から6セル程度で
ある。
【0004】全体のスペクトル効率を全般的に改善する
には、別の技術がいくつか知られており、これらを適用
することができる。
【0005】こうした既知の技術の1つとして、アダプ
ティブ・アレイの使用がある。しかし、こうしたアダプ
ティブ・アレイを組み込んだシステムは極めて複雑であ
る。そうしたシステムには、多大なDSP(デジタル信
号プロセッサ)の処理能力が必要となり、無線周波数の
処理に膨大な労力を要する。さらに、場合によってはマ
ルチキャリア増幅器が必要となり、これは、特にそのG
SM用の設計に関して高い線形性を必要とするために困
難である。要するにコストが極めて高く、こうしたシス
テムの管理および計画は難しい。しかもアダプティブ・
アレイは、オペレータのスペクトルのうちトラフィック
部分のスペクトル効率を高めるだけであり、スペクトル
のうちブロードキャスト・コントロール・チャネル(B
CCH)用に使用される部分のスペクトル効率は改善さ
れない。したがってアダプティブ・アレイを組み込んだ
システムを使用すると、依然として多くのスペクトルが
ブロードキャスト・チャネルなどのビーコンの目的に浪
費される。
【0006】別の既知の技術は、コンパクト・モード
(正式にはthe enhanceddata rat
e through GSM evolution(E
DGE)compact)を利用する。たとえコンパク
ト・モードの実行による改善と、それを実装する作業が
適切であっても、まったく新しいシグナリング・スキー
ムになってしまうことが、コンパクトにまつわる問題の
1つであり、既存の移動局はこうした新しいシグナリン
グ・スキームをデコードすることができない。したがっ
てこれは、確立されたネットワークや、外部ユーザ用の
ローミングを提供したい人にとって、好ましい解決策で
はない。
【0007】さらに別の既知の技術は、遅延ダイバーシ
チを介して送信機ダイバーシチ、すなわちTXダイバー
シチを使用し、アーバン・シナリオの場合のようにロー
・ディスパージョン・プロファイル用のみのパフォーマ
ンスを高めることを提案している。しかしレイト・エコ
ーを有するルーラル・アプリケーションの場合、結果と
してタイム・ディスパージョンが高くなり、パフォーマ
ンスが低下する。さらなる欠点は、人工的な遅延パスの
数に応じて複数のトランシーバが必要になることであ
り、このことによって、この解決策はコスト面で魅力の
ないものになっている。
【0008】さらに別の既知の技術は、単純で周期的な
アンテナ・ホッピング・シーケンスを用いたアンテナ・
ホッピングを介してTXダイバーシチを使用することか
ら構成される。アンテナ・ホッピングを使用するか、ま
たは同等の偏波ホッピングを使用するか、あるいはその
双方を組み合わせれば、これはベースバンドとシンセサ
イザー・ホッピングとの組合せ用のソフトウェアを追加
すれば実現できるため、ハードウェア面での労力が増え
るという問題に悩まされずにすむ。
【0009】またアンテナ・ホッピング・スキームは、
以下の説明および添付の特許請求の範囲に関して本発明
の基礎をなすものでもあるため、アンテナ・ホッピング
という用語は一般に偏波の同意語ともみなされている。
【0010】しかし周期的なアンテナ・ホッピング・シ
ーケンスにまつわる問題は、周波数および時間同期用の
同期チャネルではなくシグナリング・チャネルしか改善
されないことである。これはたとえば、ブロードキャス
ト・コントロール・チャネルを、部分的にFCCH(周
波数補正チャネル)やSCH(同期チャネル)のような
4つのバーストのブロックで編成されていない他の論理
チャネルと組み合わせるためである。したがって「A」
および「B」という2つのアンテナを有するABABA
BAB、または「A」、「B」、「C」、および「D」
という4つのアンテナを有するABCDABCDABC
DABCDのような単純で周期的なアンテナ・ホッピン
グ・シーケンスは、いずれも優れた解決策とは言えな
い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、既知の現況技術に関して、論理チャネルに必要な
クラスタ・サイズを縮小するための改善された新たな手
法を提供することによって、総合スペクトル効率を大幅
に高めることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の解決策は、請求
項1の特徴を組み込んだ方法、および請求項10の特徴
を組み込んだ装置によって達成される。
【0013】有利な実施形態または改善、および/ある
いは好ましい実施形態または改善は、それぞれの従属請
求項の主題である。
【0014】したがって本発明は、それぞれ1つのマル
チフレームの送信中に異なるアンテナおよび/または偏
波で各論理チャネルが少なくとも2回送信されるよう
に、アンテナおよび/または偏波ホッピング・シーケン
スを使用した送信機ダイバーシチを適用することによっ
て、事前に定義された論理チャネルを繰り返し組み込ん
だ複数の事前に定義されたサブフレームを有する少なく
とも1つのマルチフレーム信号を送信することを提案す
る。
【0015】したがって特に、FCCHおよびSCHの
ような、少なくとも部分的に4つのバーストのブロック
で編成されていない他の論理チャネル、とりわけ時間お
よび周波数同期チャネルと通常結合されるブロードキャ
スト・コントロール・チャネルに関して、いかなる種類
のワイヤレス通信にも必要な前提条件となるこれらのタ
イプのチャネルに対しても、優れたリンクが確保され
る。
【0016】したがって好ましい改善によると、本発明
の手法は、単一のバーストのブロックで編成されたそう
した論理チャネルの少なくとも1つを組み込んだマルチ
フレーム信号、好ましくはいわゆる51−マルチフレー
ム信号を送信する傾向があり、そうした論理チャネルは
実際に周波数補正および/または同期データを含む。
【0017】本発明の方法は、適用された非周期的なホ
ッピング・シーケンスを利用することが好ましい。
【0018】単一のバーストのブロックで編成されてい
る論理チャネル用の類似したアンテナまたは偏波を適用
すれば、たとえば周波数補正チャネルが検出される場合
に、同期チャネルも類似したアンテナまたは偏波を介し
て検出できるため、移動局がネットワークに容易に同期
化できることがさらに確実になるとわかっている。
【0019】今日の標準によると、それぞれ連続した2
つのサブフレームを同一のアンテナおよび/または偏波
で送信することがさらに提案されている。これは、そう
した時間同期チャネルが周波数補正チャネルの直後に組
み込まれ、移動局によって連続して読み取られるためで
ある。実際には、少なくとも2つのアンテナを有する送
信機ユニットまたはトランシーバ装置が送信ステップ用
に提供される。
【0020】ネットワークに同期化するための移動局
は、一般に少なくとも3つのトライアルを使用すること
によって同期チャネルを見つけてデコードするため、極
めて好ましい実施形態では、少なくとも2つ以上のアン
テナを有する送信機ユニットを使用する。しかし、アン
テナの数はトライアルの数に合わせるべきである。
【0021】しかしホップされるアンテナの数をさらに
増やすと、この利点をさらに高めることができる。特
に、移動局が基地局コントローラ(BSC)に報告する
か、または移動局がセルを処理するか隣のセルを測定す
るかを選択するために使用する受信側(RX)レベルの
フェージングが減少するため、セルの選択が改善され
る。
【0022】トランシーバ装置は、10ラムダ間隔また
は任意のロケーションおよび偏波の複数のアンテナ・ブ
ランチを有する少なくとも2つの二重偏波アンテナを含
むことが好ましい。別法として、あるいはこれに付け加
えて、トランシーバ装置は少なくとも4つの垂直または
水平偏波アンテナを含む。
【0023】所与のアンテナまたは偏波および/または
ベースバンド・ホッピングの実施手段の間での切替えを
可能にするために、それぞれの切替手段が提供される。
【0024】さらに記載の方法は、トランシーバ装置の
内部で動作するソフトウェア製品として実装することが
できる。
【0025】有利なことに、本発明の方法および適合さ
れたトランシーバ装置は、GSMベースのシステムで動
作するように適合される。
【0026】続いて本発明について、特に好ましい改善
に基づき、かつ添付の図面を参照しながら、より詳細に
例示する。
【0027】
【発明の実施の形態】まず図1を参照すると、マルチフ
レーム信号用のホッピング・シーケンスが示されてお
り、各マルチフレームは、トラフィック・チャネル(T
CH)と関連していないコントロール・チャネルの送信
用の51−TDMA−サブフレームを含む。周知のよう
に、論理チャネルは特定の組合せでしか使用することが
できず、これについてはGSM標準が別のチャネル構成
を定義し、通常この構成は基地局(BTS)から実現お
よび提供される。
【0028】したがって特にBCCH−チャネルが、部
分的にFCCH(周波数補正チャネル)やSCH(同期
チャネル)のような4つのバーストのブロックで編成さ
れていない他の論理チャネルと結合される場合、本発明
はすべてのタイプのチャネル用に、特に周波数同期用の
FCCHおよび時間同期用のSCHのような同期チャネ
ル用に優れたリンクを確保するために、特別のイレギュ
ラーなアンテナ・ホッピング・スキームまたはシーケン
スを提案する。
【0029】これらのチャネル、すなわちFCCHおよ
びSCHは、共にいかなる種類のワイヤレス通信にも必
要な前提条件である。これは、移動局はネットワークへ
のログオンを開始すると、まずFCCHを検索し、つい
で次のタイム・フレームを有するSCHと、後続のBC
CHを読み取るためである。
【0030】この観点から、標準化されたチャネルの組
合せIVおよびVは、FCCHとSCHが同一の位置に
配置されているため、ホッピング・シーケンスを設計す
る上で極めて類似している。チャネルの組合せIVは、
BCCHと、周波数および時間用の同期チャネルFCC
HおよびSCHとの組合せ、ならびに共通のコントロー
ル・チャネルCCHとの組合せを組み込んでいる。チャ
ネルの組合せVは、さらに単独の専用コントロール・チ
ャネルSDCCHおよび速度の遅い関連したコントロー
ル・チャネルを組み込んでいる。それぞれが番号付きサ
ブフレーム0から50を有する51−マルチフレーム信
号に基づくこれら2つの標準化されたチャネルの組合せ
IVおよびVの概略が、図1の列CIVおよびCに示
されている。この図からわかるように、FCCHはサブ
フレーム0、10、20、30、および40内に配置さ
れており、SCHはサブフレーム1、11、21、3
1、および41内に配置されている。
【0031】最も重大な制約は、それぞれが4つのバー
ストのブロックを介して構成される標準化された組合せ
によって組み込まれる他の論理チャネル、すなわち共
通、専用、および/または関連のコントロール・チャネ
ル、CCH、SDCCH、またはSACCHと比較し
て、これらの周波数補正および時間同期チャネルがそれ
ぞれ単一のバーストだけで構成されていることである。
したがって周波数補正チャネルFCCHおよび時間同期
チャネルSCHは、1つのブロックにわたる広いインタ
ーリービングによる冗長度から恩恵を享受することがで
きない。
【0032】さらに、FCCHが移動局によって良好に
受信される場合に、間違いなく時間同期チャネルSCH
も良好に受信されるようにするために、双方のチャネル
は同一のアンテナを使用することが好ましい。
【0033】図1の列CIVおよびCによるチャネル
の組合せIVおよびVに基づくと、SCHは、FCCH
に続く連続したそれぞれのタイムスロットと共に送信さ
れるため、移動局はFCCHの直後にSCHを読み取
る。このオブジェクトをカバーするホッピング・シーケ
ンスは図1に示されており、本発明のホッピング・シー
ケンスの提案は、4つのアンテナABCDに基づいて列
b)およびc)に示され、2つのアンテナABに基づい
て列e)に示されている。
【0034】本発明のホッピング・シーケンスの好まし
い構造は、非周期的なホッピング・スキーム、および/
または2つの異なる連続した論理チャネルがそれぞれ同
一のアンテナによって確実に送信されるようにするホッ
ピング・スキームを含む。したがって、こうした好まし
いシーケンスによって、移動局はFCCHを検出した場
合に確実にネットワークを同期化することができる。し
かし一般に、移動局がネットワークに同期化するために
使用する方法は、10のバーストのブロックを見つける
ために、FCCH、SCH、および2つのコントロール
・チャネルから始まる少なくとも3回のトライアルが行
われることを含む。したがって、通常は1つのマルチフ
レームの長さの中で移動局の3回のトライアルの内に、
3つの異なるアンテナが同期チャネルを送信する。この
観点からは、1つのマルチフレームを送信する間に、F
CCHおよびSCHの定義された位置用に少なくとも2
回または3回アンテナを替えるか、または偏波を替える
だけで十分である。本発明に基づけば、十分なチャネル
の逆相関が提供されるため、それぞれのアンテナの再利
用を実施する前に十分な時間が経過すると仮定すること
ができる。
【0035】しかしホップされるアンテナの数を増やす
と、移動局が基地局コントローラに報告するか、または
セルを処理することを選択するために使用する受信機レ
ベルのフェージングが減少するため、セルの選択がさら
に改善される。
【0036】図1を詳細に見ると、BCCHのアンテナ
・ホッピング・シーケンス用に本発明の様々な提案が示
されている。列a)、b)、およびc)は4つのアンテ
ナABCDのホッピング・シーケンスを指し、列d)お
よびe)は2つのアンテナのホッピング・シーケンスを
指している。
【0037】また、これらの列が既に本質的な差異を示
している複数のさらに可能なホッピング・シーケンスが
ある。
【0038】前記のようにBCCH上のマルチフレーム
の長さが51であること、すなわちアンテナ、偏波、お
よび/または組合せの数である4、3、または2で割り
切れない数字であることが問題の1つである。したがっ
てホッピング・スキームは、継続的に実行されると、常
にマルチフレームごとに異なることになる。たとえ場合
によってはこれが妥当であっても、周波数補正チャネ
ル、すなわちFCCHがすべてのアンテナから送信さ
れ、1つのマルチフレーム内ではどのアンテナにも偏ら
ないようにすべきである。
【0039】まず列a)に示すように、そうした既知の
単純で周期的なホッピングに関しては、そうしたホッピ
ング・スキームが1つのマルチフレーム内で継続的に実
行される場合、4つのアンテナのうちAとCの2つのア
ンテナだけがFCCH用に使用され、他の2つのアンテ
ナBとDがSCH用に使用されることは、当業者には明
らかである。
【0040】図1の列b)およびc)によるスキームで
は、A、B、C、およびDの4つのアンテナすべてが1
つのマルチフレーム内で一組の周波数補正および時間同
期チャネルFCCHまたはSCH用に使用され、これに
よって最短の時間で4つのアンテナがすべて使用される
ため、移動局による受信の質が大幅に向上する。たとえ
ばETSI標準GSM05.08によると、同期化する
のに0.5秒の時間しか許容されない。この観点から、
同期化するまでの時間を短縮するのに役立つ技術ならど
んな技術でも有益であることは明らかである。
【0041】さらに双方のホッピング・シーケンスで
は、それぞれのアンテナを再利用することによって十分
な時間が経過するようにする。列b)のシーケンス「A
ABCDABCDABBCDABCD...」による
と、常にSCHはFCCHと同一のアンテナによって送
信されるため、列c)によるスキーム「AABCDAB
CDABBCDABCD...」は、たとえばタイムス
ロット40および41の間などでそれぞれのSCHおよ
びFCCHが常に同一のアンテナによって送信されると
は限らないという点で、列b)とわずかに異なる。さら
に列c)によると、同期チャネル用のアンテナAの優先
順位付けは回避されている。
【0042】2つのアンテナAおよびBのホッピングの
ケースに基づくシーケンスでは、図1の列d)および
e)によって識別される2つの提案が示されている。
【0043】列d)によるシーケンスは既知の単純で周
期的なホッピングを反映し、これには、1つのマルチフ
レーム内でFCCH用には1つのアンテナしか使用せ
ず、他のアンテナはSCH用に使用するという欠点があ
る。したがって、たとえば移動局がアンテナBに関して
フェージング・ホールにある場合は、移動局は周波数に
関しては同期化できるが、時間に関しては同期化できな
いであろう。次のマルチフレームでは逆になるであろ
う。
【0044】図1の列e)によるシーケンス「AABA
BABABABBA...」では、1つのマルチフレー
ム内でアンテナAおよびBの双方が、それぞれ連続した
周波数補正チャネルおよび時間同期チャネル用に交互に
使用される。アンテナAおよびBが共に双方のチャネル
用に使用され、各アンテナがそれぞれ一組のFCCHま
たはSCH用に使用されるため、移動局による受信の質
は大幅に向上する。したがって、たとえば移動局がアン
テナBに関してフェージング・ホールにある場合は、や
はり周波数および時間に関して同期化できるであろう。
【0045】図1の最終行は、マルチフレームごとにア
ンテナが使用される時間に関するカウンタを含む。前記
のように、確実にセルの選択を改善するには、この時間
はほぼ等しい分布になるべきである。
【0046】これまでは、BCCH−サポート・チャネ
ル用のクラスタ・サイズを大幅に削減すること、すなわ
ち同一の周波数を使用してセルへの再利用距離を削減す
ることに対する極めて強力な制約は、移動局とネットワ
ークの同期が失われることであった。場合によっては5
MHzのスペクトルと共に12セルという積極的なクラ
スタ・サイズを使用する米国における実際の経験による
と、BSIC(Base Station Ident
ity Code)のデコードの問題によって、しばし
ばドロップ・コールが生じたり、ハンドオーバーに失敗
したりすることが報告されている。
【0047】したがって本発明は、移動局が移動せずに
フェージング・ホールにとどまっているという最悪の場
合でさえ同期化できるように工夫している。これはSC
Hも、NCC(Network Colour Cod
e)およびBCC(BaseStation Colo
ur Code)から構成されるBSIC(Base
Station Identity Code)を含む
ためである。したがって本発明は、まず基地局が正しい
ネットワークに属しているかどうか、次にハンドオーバ
ー決定用に基地局コントローラへ報告する基地局の名前
は何か、という決定を支援する際に確実に移動局がこの
BSICをデコードできるようにする。
【0048】したがって本発明を使用すると、ネットワ
ーク・プランナーは、BCCHの再利用パターン用に割
り当てる周波数を少なくすることができ、トラフィック
・チャネルTCH用に追加のスペクトルを確保すること
ができる。トラフィック用にスペクトルを追加した結
果、追加のキャパシティを得ることができる所与のスペ
クトル用に追加の電波を基地局(BTS)にプラグする
ことができる。
【0049】図2は、特に米国で典型的なケースとみな
すことができる5MHzのオペレータ・スペクトルに基
づいて、このスペクトル効率のゲインの概略を示してい
る。
【0050】図2によると、BCCHチャネルとトラフ
ィック・チャネルの間のスペクトル・パーティショニン
グの4つの例a)、b)、c)、およびd)が示されて
おり、それぞれの例は5MHzのトータル・スペクトル
に基づいている。
【0051】現行の標準を表す例a)に関しては、3つ
の搬送波がサポートされており、BCCH搬送波は15
セルのクラスタおよび2つのトラフィック・チャネルを
カバーし、そのそれぞれは5のクラスタ・サイズに適合
されている。したがってBCCH用に確保されたスペク
トルは3MHzであり、トラフィック・チャネルのそれ
ぞれに確保されたスペクトルは1MHzである。
【0052】2つのアンテナを有するトランシーバ・ダ
イバーシチを表す例b)によると、BCCH用のクラス
タ・サイズは9とし、BCCH用に区切られたスペクト
ルが1.8MHzを含むようにしなければならない。ト
ラフィック・チャネルに関しては、3つの搬送波を提供
することができ、そのうちの1つは6のクラスタ・サイ
ズをカバーし、そのうちの2つは5セルのクラスタ・サ
イズをカバーする。したがって、それぞれ1.2MHz
または1MHzのスペクトルを有することになる。
【0053】4つのアンテナに基づくトランシーバ・ダ
イバーシチを表す例c)によると、5つの搬送波をサポ
ートすることができ、そのうちの1つはBCCH用であ
り、その他はトラフィック用である。さらにBCCHの
クラスタ・サイズは5を含むだけであり、したがって1
MHzのスペクトルを表している。一方、トラフィック
・チャネル用のクラスタ・サイズはそれぞれ5であり、
各TCH搬送波は1MHzを有している。
【0054】最後に図2の例d)によるアダプティブ・
アレイに関しては、BCCHのクラスタ・サイズは1
5、すなわち3MHzでなければならず、3つのトラフ
ィック・チャネル用のクラスタ・サイズは4、3、3で
あり、0.8MHz、0.6MHz、0.6MHzのス
ペクトルをそれぞれカバーする。
【0055】次の表はスペクトル効率の計算を詳細に示
しており、図2に関して説明したようにBCCHについ
て5のクラスタ・サイズを許容するために最適化された
アンテナ・ホッピング・シーケンスに基づく4つのアン
テナ・ホッピングが推定されている。
【表1】
【0056】この推定に基づくと、アダプティブ・アレ
イの47%と比較して約96%のスペクトル効率のゲイ
ンを得ることができる。別の結果としては、アダプティ
ブ・アレイと比較して2つのアンテナ・ホッピングはほ
ぼ同じパフォーマンスを示すことがわかる。
【0057】したがって本発明は周波数および時間同期
チャネルを改善し、それによってBSICのデコードを
改善する。これは、BCCH上でクラスタ・サイズを小
さくするための必要条件であるため、総合スペクトル効
率が改善され、結果として大幅に向上する。
【0058】実装に関して言及しておくべきこととし
て、本発明のアンテナ・ホッピング・シーケンスは、ア
ンテナまたは偏波間で切り替えるように適合された簡単
な切替装置を使用して実装することができる。しかしこ
れは、結果としてさらなる出力の損失につながる可能性
があり、通常そうした切替装置を有するトランシーバ・
ユニットには、より不安定な性質がある。しかし、線形
性およびパワー散逸の問題によって高出力RF信号の切
換えが困難であることにも言及しておかねばならない。
したがって、望ましいホッピング・シーケンスによって
それぞれのトランシーバ・ユニットを交換すること、す
なわち適切な方法でBCCH用のトランシーバとTCH
用のトランシーバをそれぞれ交換し、これらのユニット
をそれぞれ別のアンテナに接続することが好ましい。し
たがって本発明のアンテナまたは偏波ホッピング・シー
ケンスは、ベースバンドとシンセサイザー・ホッピング
との組合せを介して、とりわけ適切な実装ソフトウェア
によって実装することが好ましい。
【0059】たとえば典型的なBTSは、それぞれ利用
可能なアンテナ・コネクタという観点から4つのアンテ
ナ・ブランチで3つのセクタをサポートすることができ
る。したがって、2つのTX帯域を含む新たなユニット
が必要になる。これに伴う労力およびコストは多大では
ないと考えられる。
【0060】さらにアンテナ構成に関しては、本発明の
4つのアンテナに基づくホッピング・シーケンスの実装
は、そうしたホッピング・スキームを可能にするために
個々の垂直偏波アンテナおよびワイド・スペース・アン
テナ用にセットアップする必要はない。あるいは、たと
えば1900PCSおよび他のGSM帯域に関して、1
0ラムダ間隔を有する2つの二重偏波アンテナを選択す
ることもできる。
【0061】しかし垂直以外の偏波が禁止されている場
合、たとえばセルラ850MHz帯域におけるFCCに
よる場合などは、この帯域に対して可能な唯一のセット
アップは、それぞれ10ラムダ間隔を有する4つの個々
の垂直偏波アンテナを選択することである。
【0062】本発明はGSM標準に基づいて記載されて
いるが、UMTS、GPRS、EDGE(enhanc
ed data rate through GSM
evolution)など、他のワイヤレス通信標準に
準拠するようにわずかに修正された実施形態を本発明が
さらにカバーしていることは、当業者には明らかなはず
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブロードキャスト・コントロール・チャネルに
おけるアンテナ・ホッピング・シーケンス用の別の提案
を示す概略図である。
【図2】米国の典型的な5MHzのスペクトル・ライセ
ンスに基づくブロードキャスト・コントロール・チャネ
ルとトラフィック・チャネルの間のスペクトル・パーテ
ィショニングを4つの異なる技術と比較して示す図であ
る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤレス通信システム、とりわけモバ
    イル通信システムの総合スペクトル効率を改善するため
    の方法であって、 事前に定義された論理チャネル(BCCH、FCCH、
    SCH)が事前に定義されたサブフレーム中に繰り返し
    組み込まれた、複数のサブフレームを有する少なくとも
    1つのマルチフレーム信号を送信するステップを含み、 前記送信ステップが、 それぞれ1つのマルチフレームの送信中に異なるアンテ
    ナおよび/または偏波で各論理チャネル(BCCH、F
    CCH、SCH)が少なくとも2回送信されるように、
    アンテナおよび/または偏波ホッピング・シーケンスを
    使用して送信ダイバーシチを適用するステップによって
    実行される方法。
  2. 【請求項2】 前記論理チャネル(FCCH、SCH)
    の少なくとも1つが単一のバーストのブロックで編成さ
    れる、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 事前に定義されたサブフレームに繰り返
    し組み込まれた定義可能な数の論理チャネル(BCC
    H、FCCH、SCH)が周波数補正および/または同
    期データを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 非周期的なホッピング・シーケンスを適
    用する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 周波数補正チャネル(FCCH)および
    /または同期チャネル(SCH)用の類似したアンテナ
    または偏波を適用する、請求項1乃至4のいずれか1項
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】 それぞれ連続した2つのサブフレームを
    同一のアンテナおよび/または偏波で送信する、請求項
    1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記送信ステップ用に少なくとも2つの
    アンテナおよび/または偏波を提供する、請求項1乃至
    6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 ベースバンドとシンセサイザー・ホッピ
    ングとの組合せを介してホッピング・シーケンスを実行
    する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも1つの51−マルチフレーム
    信号を送信する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 事前に定義された論理チャネル(BC
    CH、FCCH、SCH)が事前に定義されたサブフレ
    ーム中に繰り返し組み込まれた、複数のサブフレームを
    有する少なくとも1つのマルチフレーム信号を送信する
    ための手段と、 それぞれ1つのマルチフレームの送信中に異なるアンテ
    ナおよび/または偏波で各論理チャネル(BCCH、F
    CCH、SCH)が少なくとも2回送信されるように、
    アンテナおよび/または偏波ホッピング・シーケンスを
    使用して送信ダイバーシチを適用するための手段とを有
    する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法を実
    行するように適合されたトランシーバ装置。
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