JP2003188729A - Ad変換回路及び半導体集積回路 - Google Patents

Ad変換回路及び半導体集積回路

Info

Publication number
JP2003188729A
JP2003188729A JP2001388287A JP2001388287A JP2003188729A JP 2003188729 A JP2003188729 A JP 2003188729A JP 2001388287 A JP2001388287 A JP 2001388287A JP 2001388287 A JP2001388287 A JP 2001388287A JP 2003188729 A JP2003188729 A JP 2003188729A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
noise
frequency
output
chopper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001388287A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Fujishima
実 藤島
Masaki Yamashita
雅樹 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GURINIKUSU KK
Original Assignee
GURINIKUSU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GURINIKUSU KK filed Critical GURINIKUSU KK
Priority to JP2001388287A priority Critical patent/JP2003188729A/ja
Publication of JP2003188729A publication Critical patent/JP2003188729A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analogue/Digital Conversion (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で、1/f雑音を低下させること
が可能で、しかも低消費電力のAD変換回路を提供する 【解決手段】 初段の第1積分回路41と、この第1積
分回路41の出力側に接続された第2段の第2積分回路
42と、この第2積分回路42の出力側に接続された量
子化器(2値比較器)43と、この量子化器(2値比較
器)43の出力側に接続された遅延器45と、量子化器
(2値比較器)43の出力を第1積分回路41にフィー
ドバックするループに挿入された遅延器45から構成さ
れる。ここで、量子化器(2値比較器)43の出力は遅
延器を経ず、直接第2積分回路42にフィードバックさ
れ、遅延器45を経て、第1積分回路41にフィードバ
ックされる。第2積分回路42の出力を第1積分回路4
1にローカルフィードバックを施すことにより共振器を
実現し、ハイパス特性を実現している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低雑音で低消費電
力なAD変換回路及びこれを半導体基板の上に集積化し
た半導体集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】日本の医療費は年々増加の一途をたどっ
ているが、今後、少子化・高齢化が一層進む中で、人々
が豊かな暮らしを維持するためには医療費の抑制は重要
な課題である。医療費の抑制のためには、病気の治療も
さることながら、健康な体を維持するための努力が重要
である。このような病気予防には各種医療センサーが重
要な役割を果たす。各種医療センサーを普及させるため
には、被験者が装着を意識することなく日常生活を送る
中で、継続的な情報収集を可能とするマイクロセンサー
が待望される。そのためには、腕時計等に用いられる小
型バッテリーで動作可能な低消費電力システムが必要と
なる。医療以外の分野でも同様であり、携帯用エレクト
ロニクスではバッテリー駆動のための低電源電圧、低消
費電力回路が必要となる。
【0003】特に長時間動作可能とするための携帯用医
療機器では、低雑音且つ高精度な低消費電力の半導体集
積回路が要求される。人体からの信号は一般に微弱であ
り、それを低雑音で増幅する半導体集積回路に対する期
待が大きい。
【0004】具体的に、医療機器への応用として、心電
計を考えてみる。プリアンプを使用しない場合、波形の
観測を8ビット精度で行うとすると、心電計に要求され
る分解能は1mV/28即ち、約4μVとなる。一方、
心電波形の周波数帯域はおよそ0.1Hz〜100Hz
であることから、アナログ・ディジタル変換(AnalogDi
gital Conversion:ADC)はこの周波数帯域をカバー
する必要がある。プリアンプやADCに用いられるOT
Aでは、半導体と酸化膜との界面の不完全さにより生じ
る電子や正孔のトラップ現象により1/f雑音が生じ
る。例えば、OTAの構成要素であるMOSFETの、
単位周波数当たりの1/f雑音密度の自乗平均<dν
1/f 2>は、 <dν1/f 2>=K(tox 2/W・L)(df/f) ・・・・・ (1) により与えられる。但し、toxはゲート酸化膜厚、Wは
ゲート幅、Lはゲート長、fは周波数である。又、Kは
プロセス定数で、pMOSFETでは1×10
-7[V]、nMOSFETでは4×10-6[V]で
あり、nMOSFETが40倍大きく、OTAの1/f
雑音はnMOSFETにより決定される。0.35μm
プロセスを想定し、初段に用いられるnMOSFETの
ゲート酸化膜厚tox=7.8nm、ゲート長L=1m
m、ゲート幅W=40mmでは、f=0.1Hzにおい
て1個のnMOSFET当たり8μV/(Hz)1/2
1/f雑音が生じる。この値は、サンプリングキャパシ
タを12pFとした場合の熱雑音0.16μV/(H
z)1/2と比較し極めて大きな値である。したがって、
f=1Hz以下の低周波信号を低雑音で増幅するために
は1/f雑音の抑制が必要である。このような背景か
ら、連続信号ではチョッパー増幅回路が、離散信号では
オートゼロ回路が用いられている。
【0005】チョッパー増幅回路では、図2に示すよう
に、入力側のチョッパー52を用い、入力信号の極性を
クロック信号により交互に反転を行うことにより変調
し、入力の信号帯域をクロック周波数帯域に変換してい
る。プレアンプ(増幅回路)53を通して増幅された信
号は、出力側のチョッパー55で再度クロック信号によ
り極性を交互に反転することにより本来の入力の信号帯
域に復調される。プレアンプ(増幅回路)53で発生す
る1/f雑音は、出力側のチョッパー55での復調によ
りクロック周波数帯域に移動し、入力信号の帯域と分離
されるため、バンドパスフィルター54を通すことによ
り低雑音の信号が得られる。入力側のチョッパー52に
は、MOSFETが用いられるが、MOSFETのゲー
ト容量を通じてのクロックフィードスルーにより入力信
号に雑音が重畳される。この雑音成分の内、対称成分
は、チョッパー55における復調過程でベースバンドに
折り返されるため、プレアンプ53全体のオフセット電
圧あるいは低周波雑音となる。このような入力側のチョ
ッパー52に伴う対称成分の雑音を除去するため、図2
に示すように、Qの高いバンドパスフィルター54が設
けられ、変調信号が選択的に増幅されるような工夫がな
されている。Q値の高いバンドパスフィルター54で
は、カットオフ周波数とクロック周波数とのわずかなず
れにより増幅率が大きく変化するため、周波数同期用の
PLL(Phase Locked Loop)などが用いられる。しか
しながら、一般的にバンドパスフィルター54やPLL
モジュールでは消費電力が大きく、図2に示すチョッパ
ー増幅回路を用いて低消費電力を行うことは困難であ
る。図3は、図2に示すチョッパー増幅回路に更にエイ
リアス・フィルター56及びA/D変換器57を付加し
た回路であり、更に余計な電力を消費する。
【0006】一方、オートゼロ回路では、OTAの非ア
クティブ期間に入力オフセット電圧を検出し、アクティ
ブ時にその値をキャンセルすることによりオフセットと
低周波の雑音をキャンセルしている。そのため、チョッ
パー増幅回路と異なりOTA以外にフィルターは必要と
しない。しかしながら、オフセット電圧をサンプリング
キャパシタに加算するため、入力換算雑音が倍になる上
に、オフセット電圧を非アクティブ期間にサンプリング
するために、OTAが常時作動している必要があり、ス
イッチドOTAを適用することが出来ないという問題が
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにマイクロ
センサーには、小型バッテリーで長時間動作可能な低消
費電力システムが要求されている。マイクロセンサーに
搭載される高い増幅率のアンプはドリフトなどの低周波
雑音が大きい問題を有している。特にCMOSは低周波
雑音が大きい。更に、AD変換回路の精度を向上させる
場合には、初段の回路の低周波雑音が問題となる。
【0008】又、これらの問題を解決するために提案さ
れているチョッパーアンプ、オートゼロ回路などは、回
路が複雑で消費電力が大きい問題点を有している。例え
ば、図2に示すチョッパー増幅回路でバンドパスフィル
ター54を用いる場合には、クロック周波数とフィルタ
ーのカットオフ周波数あるいは中心周波数とのずれが問
題となる。クロック周波数とフィルターの周波数を同期
させるため、VCOを用いたフィルターの補正等が用い
られるが、このような補正は消費電力の増大を招く。し
たがって、従来の回路では、フィルター回路とクロック
周波数のマッチングを取るためのPLL等の回路が余分
な電力を消費することになり、低消費電力システムの実
現は、困難である。
【0009】上記問題点を鑑み、本発明は、簡単な構造
で、1/f雑音を低下させることが可能で、低消費電力
のAD変換回路及びこのAD変換回路を集積化した半導
体集積回路を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の特徴は、(イ)チョッピングと初段
のサンプリングを同時に行う入力側チョッパーと、
(ロ)この入力側チョッパーの出力に接続された量子化
雑音の分布を形成するノイズシェーピング(noiseshapi
ng)回路と、(ハ)このノイズシェーピング回路の出力
に接続され、入力側チョッパーと同一周波数でチョッピ
ングする入力側チョッパーとを備えるAD変換回路であ
ることを要旨とする。「ノイズシェーピング回路」と
は、通常一様に分布している量子化雑音に分布を与え、
出力信号とは異なる周波数帯域に量子化雑音を追いやる
ように、ディジタル領域で負帰還を行う回路である。
【0011】本発明の第1の特徴に係るAD変換回路に
おいては、低消費電力で低周波雑音を取り除くため、入
力側チョッパーを用いて、入力の符号を交互に入れ替
え、高周波に変調し、その周波数帯域で雑音が最小とな
るようにノイズシェーピングを行うので、AD変換回路
の初段の低周波雑音は、信号帯域と異なる周波数帯域と
なる。したがって、ノイズシェーピングの出力で、出力
側チョッパーを用い、再度符号を交互に入れ替え、高周
波に変調されていた信号を復調すると、低周波雑音の影
響を受けないディジタル信号を得ることが出来る。即
ち、チョッピングと初段のサンプリングを同時に行い、
チョッピング周波数で量子化雑音が最小となるようにノ
イズシェーピングを行い、1/f雑音や低周波雑音をノ
イズシェーピングした量子化雑音に含ませるので、簡単
な回路で、低雑音化が可能である。この本発明の第1の
特徴に係るAD変換回路によれば、入力信号の離散化を
行うサンプリング回路とチョッピング回路が同一のた
め、余分な雑音が付け加わることはない。又、ノイズシ
ェーピング回路で生じる低周波雑音やオフセット電圧の
影響を受けないため、ノイズシェーピング回路に特別な
回路を用意する必要もない。その結果、低消費電力を維
持しながら、高精度のAD変換回路を実現することが出
来る。
【0012】本発明の第1の特徴に係るAD変換回路に
おいては、チョッピングの周波数は、ノイズシェーピン
グ回路のサンプリング周波数の1/2であるようにする
ことが好ましい。離散時間型のノイズシェーピング回路
の場合、プリチャージ期間であるクロックの半サイクル
では信号の伝達は行われない。そこで、入力側チョッパ
ーの後段に2倍のクロック周波数で動作するノイズシェ
ーピング回路を動作させることを考える。入力側チョッ
パーの入力でのクロックフィードスルーによる雑音がク
ロック前半で終了するよう設計を行うと、入力フィード
スルーに伴う雑音の影響を受けず、クロックフィードス
ルー除去用のフィルターは不要となる。更に、フィルタ
ーを設けない場合、入力信号がチョッピング信号に比べ
十分に低い場合、フィルターを通過させることによる新
たな高調波成分の発生も生じない。したがって、出力側
チョッパーに対して、図2に示すようなQの高いバンド
パスフィルター54も不要となる。
【0013】例えば、ノイズシェーピング回路は、加算
器と、この加算器の出力に接続された積分回路と、この
積分回路の出力に接続され、その出力を加算器の一方の
入力にフィードバックする量子化器とを備えるハイパス
シグマデルタ変調器とすれば良い。ハイパスシグマデル
タ変調器では、アナログディジタル変調の入力に入力側
チョッパーを付加することにより、初段の増幅回路で発
生するオフセットや低周波雑音の影響を除去している。
入力側チョッパーはAD変換回路で用いられるサンプリ
ングクロックに同期し、1周期毎に入力信号の正負を入
れ替える。すると、サンプリング周波数の1/2の周波
数に入力信号は変調されることになる。この周波数はA
DCの変換することが出来る最高周波数(ナイキスト周
波数)に等しい。ADCの変換することの可能な最高周
波数に入力信号を変調し、この周波数帯域の雑音を最小
化するように帰還をかけることから、「ハイパスシグマ
デルタ」と呼ぶ。ハイパスシグマデルタ変調によりディ
ジタル信号に変換された信号は、出力側チョッパーで、
クロック1周期毎にディジタル信号により正負を入れ替
えることにより元の周波数に復元することが出来る。従
来のチョッパー増幅回路ではチョッピングを行う際に混
入するクロック雑音を取り除くための回路を付加する必
要があったが、本発明の第1の特徴に係るAD変換回路
では、入力信号の離散化を行うサンプリング回路とチョ
ッピング回路が同一のため、余分な雑音が付け加わるこ
とはない。又、シグマデルタ変調回路に用いられる初段
の積分回路で生じる低周波雑音やオフセット電圧の影響
を受けないため、初段に特別な回路を用意する必要もな
い。その結果、低消費電力を維持しながら、高精度のア
ナログ・ディジタル変換を実現することが出来るという
メリットがある。又、ノイズシェーピング回路は、第1
加算器と、この第1加算器の出力に接続された第1積分
回路と、この第1積分回路の出力に接続された第2加算
器と、この第2加算器の出力に接続された第2積分回路
と、この第2積分回路の出力に接続され、その出力を第
1及び第2加算器のそれぞれの一方の入力にフィードバ
ックする量子化器とを備える多段の構成のハイパスシグ
マデルタ変調器にしても良い。
【0014】本発明の第2の特徴は、(イ)半導体基板
と、(ロ)この半導体基板の表面に形成されたチョッピ
ングと初段のサンプリングを同時に行う入力側チョッパ
ーと、(ハ)半導体基板の表面に形成された、入力側チ
ョッパーの出力に接続された量子化雑音の分布を形成す
るノイズシェーピング回路と、(ニ)半導体基板の表面
に形成された、ノイズシェーピング回路の出力に接続さ
れ、入力側チョッパーと同一周波数でチョッピングする
入力側チョッパーとを備える半導体集積回路であること
を要旨とする。
【0015】本発明の第2の特徴に係る半導体集積回路
においては、低消費電力で低周波雑音を取り除くため、
入力側チョッパーを用いて、入力の符号を交互に入れ替
え、高周波に変調し、その周波数帯域で雑音が最小とな
るようにノイズシェーピングを行うAD変換回路を集積
化しているので、AD変換回路の初段の低周波雑音は、
信号帯域と異なる周波数帯域となる。したがって、ノイ
ズシェーピングの出力で、出力側チョッパーを用い、再
度符号を交互に入れ替え、高周波に変調されていた信号
を復調すると、低周波雑音の影響を受けないディジタル
信号を得ることが出来る。即ち、チョッピングと初段の
サンプリングを同時に行い、チョッピング周波数で量子
化雑音が最小となるようにノイズシェーピングを行い、
1/f雑音や低周波雑音をノイズシェーピングした量子
化雑音に含ませるので、簡単な回路で、低雑音化が可能
である。この本発明の第2の特徴に係るAD変換回路を
搭載した半導体集積回路によれば、入力信号の離散化を
行うサンプリング回路とチョッピング回路が同一のた
め、余分な雑音が付け加わることはない。又、ノイズシ
ェーピング回路で生じる低周波雑音やオフセット電圧の
影響を受けないため、ノイズシェーピング回路に特別な
回路を用意する必要もない。その結果、低消費電力を維
持しながら、高精度のAD変換回路を搭載した半導体集
積回路を実現することが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同
一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付してい
る。
【0017】アナログ信号をディジタル信号に変換する
際には、連続的な値をディジタル信号に丸めるのに伴う
量子化雑音が発生する。変調回路を用いずに、直接アナ
ログ信号をディジタル信号に変換すると、平坦な周波数
スペクトラムを持つ量子化雑音(白色雑音)が発生す
る。シグマデルタ変調器では、アナログ信号をディジタ
ル信号に変換する際に発生する量子化雑音の周波数スペ
クトラムを変調することが出来、特定の周波数の雑音レ
ベルを減らしたり増やしたりすることが出来る。
【0018】図1(a)に示すように、本発明の実施の
形態に係るAD変換回路は、ノイズシェーピング回路と
して2次のシグマデルタ変調器を用いている。即ち、実
施の形態に係るノイズシェーピング回路は、初段の第1
積分回路41と、この第1積分回路41の出力側に接続
された第2段の第2積分回路42と、この第2積分回路
42の出力側に接続された量子化器(2値比較器)43
と、この量子化器(2値比較器)43の出力側に接続さ
れた遅延器45と、量子化器(2値比較器)43の出力
を第1積分回路41にフィードバックするループに挿入
された遅延器45から構成されている。ここで、量子化
器(2値比較器)43の出力は遅延器を経ず、直接第2
積分回路42にフィードバックされ、遅延器45を経
て、第1積分回路41にフィードバックされる。第2積
分回路42の出力を第1積分回路41にローカルフィー
ドバックを施すことにより共振器を実現し、ハイパス特
性を実現している。第1積分回路41は、伝達関数 H1(z) =z-1/2/(1+z-1) ・・・・・(2) を有する。第1積分回路41の入力には、第1積分回路
41に足し合わせる入力係数(フィードバック係数)−
r,a0,b0を示した。第2積分回路42は、伝達関数 H2(z) =z-1/2/(1+z-1) ・・・・・(3) を有する。第2積分回路42の入力には、第2積分回路
42に足し合わせる入力係数(フィードバック係数)
a1,b1を示した。入力係数(フィードバック係数)a 0,
a1,b0,b1,rを変化させることにより、雑音スペクトラム
を変化させることが出来る。遅延器45はなくても動作
に支障はないが、入力が与えられるフェーズと同期して
出力を出すためのものである。
【0019】図1(b)に示す表に記載されたローパス
では、低い周波数の雑音成分を減らし、高い周波数の雑
音成分を増やす場合の係数を表す。シグマデルタ変調器
をAD変換回路に用いる場合には、この係数が用いられ
る。必要な入力の周波数帯域よりも遥かに高いサンプリ
ング周波数fsを用い、量子化雑音を入力の周波数帯域
よりも高い周波数に移動させることにより、必要な帯域
の雑音を減らす。図1(b)に示す表の下に書かれてい
る雑音伝達関数(NTF)は、複素平面状でどのように
なるかを模式的に表す図である。離散信号では、周波数
0つまりDC信号は(1,0)となり、周波数が増加す
るにつれ、単位円を時計と反対向きに回り、サンプリン
グ周波数fsの1/2で(−1,0)の点に至る。更に
周波数を上げると円の下側を時計と反対向きに回り、サ
ンプリング周波数fsで(1,0)の点に戻って来る。
ローパス変調回路では、(1,0)つまりDC信号で雑
音がゼロとなるような関数となるが、NTFの図では
(1,0)に○印が付けられている。同様にバンドパス
の場合、サンプリング周波数fsの1/4の周波数で雑
音がゼロとなり、ハイパスではサンプリング周波数fs
の1/2で雑音がゼロとなるような関数となっている。
バンドパス変調回路は、高周波回路において、キャリア
周波数に入力信号が変調されている場合に用いられる場
合がある。ここで、ローパス変調回路とバンドパス変調
回路は既知の技術である。本発明の実施の形態に係るハ
イパス変調回路は(−1,0)に、NTFでゼロとなる
ような関数を用いるタイプである。これは、入力信号を
サンプリング周波数fsで交互に正負を変換することに
より容易にサンプリング周波数fsの1/2で変調する
ことが出来る。出力のディジタル信号を再度サンプリン
グ周波数fsの1/2で正負を交互に変換することによ
り元の周波数でのAD変換回路と同等の結果を得ること
が出来るわけである。
【0020】図1(a)に示した第1積分回路41及び
第2積分回路42は、実際にはそれぞれ、自身が雑音を
発生する。非常に低い周波数成分が重要になる場合、1
/f雑音が非常に問題になる。ローパスで変調する場合
には、DC近くの入力信号と1/f雑音が完全に重なっ
てしまうため、出力のディジタル信号にはシグマデルタ
変調器で発生する1/f雑音が加わった出力が現れてし
まう。これを避けるために、従来は、図2に示すよう
に、変調回路で発生する雑音が無視できるように、入力
信号をあらかじめ大きくするためのプレアンプ53が必
要であった。ハイパス変調回路の場合、信号成分はサン
プリング周波数fsの1/2の周波数にあらかじめ変調
されるために、1/f雑音は信号成分と重ならなくな
る。出力で、再度正負を交互に変換する際に変調回路で
発生する1/f雑音が高い周波数へ変調され、量子化雑
音中に完全に隠れてしまい、信号成分には影響しない。
したがって、プレアンプ53が不要となり、低消費電力
とすることが出来るというわけである。更に、図2に示
す従来のチョッパー増幅回路には、内部にバンドパスフ
ィルター54などの回路が含まれており、消費電力増加
の原因となっていた。本発明の実施の形態に係るAD変
換回路の場合、フィルターを本来の変調回路で代用させ
ることが出来るため、1/f雑音を低下させるために必
要となる回路は信号の正負を入れ替えるためのスイッチ
だけであり、従来のシグマデルタ変調器の消費電力だけ
で、低雑音プレアンプ付のAD変換回路と同等のAD変
換性能を得ることが出来、結果的に低消費電力になる。
【0021】第1の実施の形態に係るAD変換回路の雑
音特性をシミュレーションした結果を図4に示す。図4
の縦軸は雑音のパワースペクトル密度で、横軸はサンプ
リング周波数fs(=クロック周波数fs)で規格化した
周波数(f/fs)である。図5は、図4と比較するた
めに、チョッパーを挿入しない場合のAD変換回路で生
じる雑音特性をシミュレーションした結果を示す図であ
る。図5も、図4と同様に、縦軸は雑音のパワースペク
トル密度で、横軸はサンプリング周波数fsで規格化し
た周波数(f/fs)である。チョッパーを挿入するこ
とにより、雑音特性が改善されていることが分かる。
【0022】本発明の実施の形態に係るノイズシェーピ
ング回路は、第1積分回路41で発生する1/f雑音を
抑制しつつ低消費電力を実現するオーバーオール・チョ
ッパースタビライズド・ハイパスシグマデルタ変調器で
ある。このチョッパースタビライズド・ハイパスシグマ
デルタ変調器では、1/f雑音の抑制を、消費電力の増
大につながる第1積分回路41で行わず、図1に示すオ
ーバーオールのシグマデルタ変調ループによりキャンセ
ルする。図1では、チョッパーの図示を省略している
が、本発明の実施の形態に係るAD変換回路では、入力
信号は入力側チョッパーで、サンプリングを行うと同時
にクロック毎に極性を変え、サンプリング周波数fs
1/2の周波数に変調する。その後、(1/2)fs
て雑音が極小となるようノイズシェーピングを行い、ア
ナログ信号をビットストリームに変換する。得られるビ
ットストリームはクロック毎に極性を入れ替えることに
より、目的の周波数帯域で入力信号と同様のスペクトラ
ムを有するビットストリームとなる。第1積分回路41
の1/f雑音はノイズシェーピングにより増大する量子
化雑音に埋もれ、復調過程で高周波に変調されるため、
ディジタルフィルターにより除去可能となる。第1積分
回路41にチョッパー増幅回路を用いる場合と異なり、
チョッピングと同時にサンプリングにより信号の離散化
が行われるため、3次以上の高調波の除去を行うための
フィルターや、周波数マッチング回路は不要となる。
又、オートゼロ回路と異なり、オフセットキャンセラー
を用いないため、スイッチドOTAを用いることも可能
である。この変調回路での伝達関数は y=(a0a1x・z-2+(1+(a1r-2)z-1+z-2)e)/(1+(a1r-b1-2)z-1+(b1-a1b0+1)z-2)・・・・・ (4) で与えられるため、a1r=4,b1=2,a1b0=3のと
き、 y=a0a1x・z-2+(1+z-1)2e ・・・・・(5) となり、z-1=−1即ちω=π、即ちf=fs/2におい
て量子化雑音は極小となる。又、第1積分回路41及び
第2積分回路42の出力をy1,y2とすると、a1=4/
r,b1=8b0/3rより y1=(a0(1-z-1)z-1x-b0(z-1+5/3)z-1y)/(1+z-1)2 ・・・・・(6) y2=(4(a0/r)z-1x+(b0/r)(8/3+(4/3)z-1)y)/(1+z-1)2 ・・・・・(7) となる。したがって、第2積分回路42より第1積分回
路41にフィードバックされる係数rは第2積分回路4
2の出力の大きさに影響を及ぼすが第1積分回路41の
出力の大きさには影響を及ぼさない。シグマデルタ変調
器内部のダイナミックレンジを最大にするためには、各
積分器の最大出力以下で信号出力を最大にする必要があ
る。
【0023】第1積分回路41と第2積分回路42の出
力範囲をそろえ、出力マージンを等しくするためにはフ
ィードバック係数を1.575とすれば良いことが分か
る。本発明の実施の形態では、マッチング誤差を最小と
するためキャパシタ比を簡略化し、1.6とした。この
とき、第2積分回路42の係数は2.5となる。即ち、
フィードバック係数は、例えばr=1.6,b0,=1.
2,a1=2.5,b1=2とすれば良い。
【0024】(その他の実施の形態)上記のように、本
発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示
の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するもので
あると理解すべきではない。この開示から当業者には様
々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとな
ろう。
【0025】例えば、上記の実施の形態においては、A
D変換回路として、ハイパスシグマデルタ変調器を例に
説明したが、ハイパスシグマデルタ変調器の代わりに、
バンドパスシグマデルタ変調器を用いても良い。「バン
ドパスシグマデルタ変調器」は、必要となる信号帯域が
ある特定の周波数に限られる場合、その周波数成分の雑
音だけを除去し、直流を含む他の信号帯域に雑音を移動
させるシグマデルタ変調器である。
【0026】又、上記の実施の形態に係るAD変換回路
においては、サンプリング周波数の1/2の周波数など
でチョッパーを動作させる場合について説明したが、サ
ンプリング周波数の1/4の周波数等で入力側チョッパ
ーを動作させ、バンドパスADCを構成し出力側チョッ
パーで入力側チョッパーと同じ周波数で再チョッピング
しても、同様に、1/f雑音を低下させることが可能で
ある。
【0027】本発明の本質は、上記の実施の形態で説明
したチョッパーとハイパスシグマデルタ変調器にあるの
ではなく、チョッピングと初段のサンプリングを同時に
行い、チョッピング周波数で雑音が最小となるようにノ
イズシェーピングを行う点にある。ハイパスシグマデル
タ変調器やバンドパスシグマデルタ変調器は、チョッピ
ング周波数で雑音が最小となるようにするための手段の
例であり、上記の実施の形態のように、必ずしも、ハイ
パスシグマデルタ変調器を用いなくても良い。
【0028】このように、本発明はここでは記載してい
ない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。した
がって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特
許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められ
るものである。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な構造で、1/f
雑音を低下させることが可能で、しかも低消費電力のA
D変換回路及び半導体集積回路を提供することが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の実施の形態に係るAD
変換回路に用いる2次のシグマデルタ変調器を示す回路
ブロック図で、図1(b)は、ローパス、バンドパス、
ハイパスの場合の、それぞれの入力係数(フィードバッ
ク係数)を説明する表である。
【図2】従来のチョッパー増幅回路を示す回路ブロック
図である。
【図3】従来のチョッパー増幅回路を示す回路ブロック
図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るAD変換回路に
おいて、初段積分回路の1/f雑音を考慮した場合の、
出力スペクトラムのシミュレーション結果を示す図であ
る。
【図5】チョッパーを用いない場合の、ハイパスシグマ
デルタ変調器において、初段積分回路の1/f雑音を考
慮した場合の、出力スペクトラムのシミュレーション結
果を示す図である。
【符号の説明】
1 初段積分回路 2 2段目積分回路 3 ハイパスシグマデルタ変調器(ノイズシェーピング
回路) 11,14,22,25 減算器 12,15,21,24 加算器 13,16,45,46 遅延器 17,43 量子化器(2値比較器) 31,52 入力側チョッパー(直交混合器) 32 加算器 33,55 出力側チョッパー(直交混合器) 41 第1積分回路 42 第2積分回路 51 プレフィルター 53 プレアンプ(増幅回路 54 バンドパスフィルター 56 アンチエイリアス・フィルター 57 A/D変換器 71 チョッパー回路 72,73 積分回路
フロントページの続き Fターム(参考) 5J022 AA12 BA02 BA06 CA07 CA10 CB06 CE04 5J064 AA04 BA03 BB07 BC08 BC10 BC11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チョッピングと初段のサンプリングを同
    時に行う入力側チョッパーと、 該入力側チョッパーの出力に接続された量子化雑音の分
    布を形成するノイズシェーピング回路と、 該ノイズシェーピング回路の出力に接続され、前記入力
    側チョッパーと同一周波数でチョッピングする入力側チ
    ョッパーとを備えることを特徴とするAD変換回路。
  2. 【請求項2】 前記チョッピングの周波数は、前記ノイ
    ズシェーピング回路のサンプリング周波数の1/2であ
    ることを特徴とする請求項1記載のAD変換回路。
  3. 【請求項3】 前記ノイズシェーピング回路は、 加算器と、 該加算器の出力に接続された積分回路と、 該積分回路の出力に接続され、その出力を前記加算器の
    一方の入力にフィードバックする量子化器とを備えるハ
    イパスシグマデルタ変調器であることを特徴とする請求
    項1又は2記載のAD変換回路。
  4. 【請求項4】 前記ノイズシェーピング回路は、 第1加算器と、 該第1加算器の出力に接続された第1積分回路と、 該第1積分回路の出力に接続された第2加算器と、 該第2加算器の出力に接続された第2積分回路と、 該第2積分回路の出力に接続され、その出力を前記第1
    及び第2加算器のそれぞれの一方の入力にフィードバッ
    クする量子化器とを備えるハイパスシグマデルタ変調器
    であることを特徴とする請求項1又は2記載のAD変換
    回路。
  5. 【請求項5】 半導体基板と、 該半導体基板の表面に形成されたチョッピングと初段の
    サンプリングを同時に行う入力側チョッパーと、 前記半導体基板の表面に形成された、前記入力側チョッ
    パーの出力に接続された量子化雑音の分布を形成するノ
    イズシェーピング回路と、 前記半導体基板の表面に形成された、前記ノイズシェー
    ピング回路の出力に接続され、前記入力側チョッパーと
    同一周波数でチョッピングする入力側チョッパーとを備
    えることを特徴とする半導体集積回路。
JP2001388287A 2001-12-20 2001-12-20 Ad変換回路及び半導体集積回路 Pending JP2003188729A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001388287A JP2003188729A (ja) 2001-12-20 2001-12-20 Ad変換回路及び半導体集積回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001388287A JP2003188729A (ja) 2001-12-20 2001-12-20 Ad変換回路及び半導体集積回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003188729A true JP2003188729A (ja) 2003-07-04

Family

ID=27596854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001388287A Pending JP2003188729A (ja) 2001-12-20 2001-12-20 Ad変換回路及び半導体集積回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003188729A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006153492A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Asahi Kasei Corp 信号処理回路
JP2018074581A (ja) * 2016-10-25 2018-05-10 アナログ ディヴァイスィズ インク 容量性差動回路およびデジタルシグマデルタ帰還回路を備えるadc

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006153492A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Asahi Kasei Corp 信号処理回路
JP2018074581A (ja) * 2016-10-25 2018-05-10 アナログ ディヴァイスィズ インク 容量性差動回路およびデジタルシグマデルタ帰還回路を備えるadc

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Van Helleputte et al. A 345 µW multi-sensor biomedical SoC with bio-impedance, 3-channel ECG, motion artifact reduction, and integrated DSP
Gerfers et al. A 1.5-V 12-bit power-efficient continuous-time third-order ΣΔ modulator
US10925503B2 (en) Saturation-tolerant electrophysical recording interface
Leene et al. Time domain processing techniques using ring oscillator-based filter structures
Pochet et al. 28.4 A 400mV pp 92.3 dB-SNDR 1kHz-BW 2 nd-Order VCO-Based ExG-to-Digital Front-End Using a Multiphase Gated-Inverted Ring-Oscillator Quantizer
US20130083951A1 (en) Low distortion switched-capacitor event-driven analog to digital converter
Yazicioglu et al. Low-power low-noise 8-channel EEG front-end ASIC for ambulatory acquisition systems
JP2003188729A (ja) Ad変換回路及び半導体集積回路
Singh et al. A 14 bit dual channel incremental continuous-time delta sigma modulator for multiplexed data acquisition
Buaban et al. A low-power high-input-impedance ECG readout system employing a very high-gain amplification and a signal-folding technique for dry-electrode recording
US11588495B2 (en) Analog front-end circuit capable of use in a sensor system
Atac et al. A 1.7 mW quadrature bandpass ΔΣ ADC with 1MHz BW and 60dB DR at 1MHz IF
Tonietto et al. A 3.3 V CMOS 10.7 MHz 6th-order bandpass Σ Δ modulator with 78dB dynamic range
Panchal et al. Design and implementation of low noise amplifier and variable gain amplifier for ECG systems
Chung et al. Analog front-end for EMG acquisition system
Zhao et al. A chopper-stabilized high-pass Delta–Sigma Modulator with reduced chopper charge injection
Wu et al. A sigma-delta modulator with residual offset suppression
Atzeni et al. An Impedance-Boosted Transformer-First Discrete-Time Analog Front-End Achieving 0.34 NEF and 389-M $\Omega $ Input Impedance
Gan et al. A 7-Channel Bio-Signal Analog Front End Employing Single-End Chopping Amplifier Achieving 1.48 NEF
Chiou et al. Low-power and wide-dynamic-range sigma-delta modulator for an ECG acquisition system
Chen et al. A 0.4-V 6.6-µW 75-dB SNDR delta-sigma modulator employing gate-body-driven amplifier with local CMFB loop and robust clock generator for implantable biomedical devices
TW201325072A (zh) D類放大器
Zhou et al. A 100-mV pp Input Range 10-kHz BW VCO-based CT-DSM Neuro-Recording IC in 40-nm CMOS
Duan et al. A 1.2 V 83 dB DR single‐ended input SC ΔΣ modulator including a large‐swing analog buffer for portable ECG applications
Pochet et al. VCO-Based ADCs for Direct Digitization of ExG Signals