JP2003186070A - 光検出装置およびこれを用いた光制御システム - Google Patents

光検出装置およびこれを用いた光制御システム

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JP2003186070A
JP2003186070A JP2001382733A JP2001382733A JP2003186070A JP 2003186070 A JP2003186070 A JP 2003186070A JP 2001382733 A JP2001382733 A JP 2001382733A JP 2001382733 A JP2001382733 A JP 2001382733A JP 2003186070 A JP2003186070 A JP 2003186070A
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light
photodetector
wavelength
crystal
polarization inversion
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English (en)
Inventor
Koichi Taniguchi
浩一 谷口
Masahiro Koto
雅弘 湖東
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない光学部品で機械的な安定性よく、小型
化かつ量産化可能であるとともに、光路を遮断すること
がない光検出装置およびこれを用いた光制御システムを
提供する。 【解決手段】 強誘電体結晶を通過する光の少なくとも
一部を波長変換し得るよう結晶に周期的分極反転構造4
が設けられた分極反転結晶9と、その波長変換された変
換光に対し感度を有する光検出器5とを設ける。光検出
器5は、分極反転結晶9から外界へ漏洩する変換光を検
出し得るように、分極反転結晶9に直接または間接的に
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定波長の光を検
出するための装置、およびこれをモニターとして用いた
光制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】光源からの光や光信号等に、特定の波長
の光が含まれているか否かを検出するために、光検出装
置が用いられている。従来、このような装置の構成は、
図21に示すように、筐体中に、入射光学系(ファイ
バ、レンズなど)51、分光部(グレーティングなど)
52、光検出部(フォトダイオードアレイなど)53、
信号処理部54を含んで構成される。外部光源から発射
された被検出光は、入射光学系51から分光部52へ入
射され、該分光部52で波長成分ごとに特定角度を持っ
て出射される。この出射光に対して空間的に配置された
光検出部53では、それぞれの位置で波長成分に応じた
光/電気変換(O/E変換)を行う。最後に信号処理部
54により位置情報と信号強度により、被検出光の波長
を算出して出力する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の光
検出装置には、光学部品が多数必要であり、機械的な安
定性確保が難しい。また、設置場所の環境変化に絶え得
るよう頑丈な筐体が必要であり、小型化も困難である。
さらに、光検出部は、光の末端に配置されるため、光フ
ァイバの中を伝播する光に対しては、本来の光の伝播経
路を遮断することになるので、該光を検出することがで
きないという不都合もある。
【0004】本発明の課題は、上記問題を解決すること
が可能な、新たな構成による光検出装置を提供し、さら
に該装置用いた光制御システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の特徴を有
するものである。 (1)強誘電体結晶を通過する光の少なくとも一部を波
長変換し得るよう該結晶に周期的分極反転構造が設けら
れてなる分極反転結晶と、前記波長変換された変換光に
対し感度を有する光検出器とを有し、前記光検出器が、
前記分極反転結晶から外界へ漏洩する変換光を検出し得
るように、分極反転結晶に直接または間接的に設けられ
ていることを特徴とする光検出装置。 (2)上記周期的分極反転構造の分極反転周期が、一定
周期であるか、またはチャープな周期である、上記
(1)記載の光検出装置。 (3)上記周期的分極反転構造において正負の分極反転
領域が交互に繰り返されていく方向と、入射光の光路の
方向とが、角度をなしている、上記(1)記載の光検出
装置。 (4)上記光検出器が、変換光を該光検出器へ導くため
の導波構造体を介して分極反転結晶に設けられている、
上記(1)記載の光検出装置。 (5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の光検出装
置が少なくとも用いられ、制御対象光に特定波長光が含
まれているかどうかを該光検出装置によって検出し、そ
の検出結果に応じて、制御対象光および/または特定波
長光を調節するよう調節部が設けられた構成を有するこ
とを特徴とする、光制御システム。 (6)当該光制御システムが、制御対象光に含まれる特
定波長光に対して波長変換を行うシステムであって、制
御対象光が、上記光検出装置を通過し、調節部を経て出
力される配置構成とされ、調節部は、制御対象光に含ま
れる特定波長光を波長変換するよう作動するものであ
り、該光検出装置から検出信号が発せられたときだけ、
該調節部が作動するように制御回路が構成されている、
上記(5)記載の光制御システム。 (7)上記光調節部が、該光調節部を通過する制御対象
光に調節用光を加え、周波数混合によって特定波長光を
所望の波長の光へと変換し出力するものであって、前記
調節用光を発する調節用光源を別途有し、該光検出装置
から発せられた検出信号によって、該調節用光源が調節
用光を発し、光調節部において周波数混合がなされるよ
うに構成されている、上記(6)記載の光制御システ
ム。 (8)当該光制御システムが、レーザ光源から発せられ
るレーザ光を制御対象光としてこれを制御するシステム
であって、レーザ光源から発せられたレーザ光が上記光
検出装置を通過して出力されるように配置され、レーザ
光源は、自体から出射されるレーザ光の主波長および/
または出力を調節し得る調節部を有し、光検出装置は、
所定の波長光を検出する第1検出部と、該所定の波長よ
り長い波長光を検出する第2検出部と、該所定の波長よ
り短い波長光を検出する第3検出部とを有し、第1検出
部から検出信号が発せられるようにレーザ光源の調節部
が制御される、上記(5)記載の光制御システム。
【0006】
【発明の実施の形態】先ず、本発明による光検出装置を
詳細に説明する。以下の説明では、結晶の態様として、
該結晶の表面部分に導波路を形成した例を用いて本発明
を説明するが、このような例には限定されず、導波路の
無い結晶を用いて、該結晶の任意の部分を光路とする態
様であってもよい。
【0007】図1は、本発明の実施の一形態による光検
出装置1の概略構成を示す断面図である。同図に示すよ
うに、当該光検出装置1は、分極反転結晶(以下、単に
「結晶」とも呼ぶ)9と光検出器5とを必須要素として
構成される。そして、光検出器5は、結晶9から外界へ
漏洩する変換光を検出し得るように、該結晶9に直接ま
たは間接的に設けられる。同図の例では、この基本的な
構成に加えて、結晶9に光を入射させるための入射光学
系2、結晶を通過した光を外界に好ましく導き利用する
ための出射光学系6などが付帯している。また、光検出
器5から出力された検出信号は、アンプなどを介して制
御系7に入力され、光検出がなされた事実をもとに、種
々の制御がなされる。
【0008】上記構成とすることによって、検出すべき
特定波長λ1を含んだ光が周期的分極反転構造(以下、
「分極反転構造」とも呼ぶ)4を通過すると、該特定波
長λ1の光の少なくとも一部は分極反転構造4によって
所定の波長λ2へと変換される。このとき、結晶中を伝
播する導波光の一部は、導波路8や光路から外部(即
ち、結晶表面や内部方向)に放射モードとして漏洩す
る。本発明ではこの点に着目し、変換された波長光λ2
を検出する光検出器5を結晶9に直接または間接的に配
置することで、結晶9に入射した光に特定波長λ1の光
が含まれていたこと(入射した光全体が特定波長λ1の
光であってもよい)を知ることが可能としている。
【0009】分極反転結晶9は、強誘電体結晶に分極反
転構造4が設けられたものであり、該分極反転構造4に
よる擬似位相整合によって、該結晶9を通過する光の少
なくとも一部を波長変換するよう機能する。
【0010】強誘電体結晶を通過する光の「少なくとも
一部」を波長変換するとは、変換対象とすべき特定波長
の光を、その光の一部または全部について、他の波長光
に変換することである。結晶9での波長変換は、光検
出器5で検出することだけを目的として、入射光(特定
波長光)の一部だけを変換し、該特定波長光の大部分を
そのまま出力して利用する態様であってもよいし、結
晶9に入射する特定波長光の大部分を波長変換し、波長
変換された光を出力して利用する態様であってもよい。
【0011】分極反転構造4は、図1に示すように、強
誘電体結晶中に、非反転領域(分極方向を反転しない、
もとの結晶のままの領域)4aと、反転領域(分極方向
を反転した領域)4bとを、所定の周期にて正負の分極
反転領域が交互の配置パターンとなるように形成した構
造である。波長変換すべき光は、入射光学系2から非反
転領域4aと反転領域4bとを交互に通過するように入
射され、擬似位相整合法に従って波長変換された光が発
生し、出射光学系6から出射される。なお、分極反転構
造については、文献(応用物理、第69巻、第5号、5
39頁〜542頁、2000)などに記載されている。
【0012】擬似位相整合法は、分極反転構造を用いて
行われる位相整合法であって、分極反転周期を変えるこ
とによって、変換結果として得るべき波長を容易に変え
ることが可能であり、設計の自由度が大きく、変換効率
が高く、さらに発生波長範囲も広いのが特長である。
【0013】強誘電体結晶としては、公知のものを用い
てよく、例えば、LN(LiNbO 3)、LT(LiT
aO3)、XATiOXB4(XA=K,Rb、Tl、C
s、X B=P、As)などの代表的なものや、これらに
Mgなどの種々の元素をドープしたものが挙げられる。
LNやLTは、コングルーエント組成であってもストイ
キオメトリック組成であってもよい。これらの結晶のな
かでも特に、耐光損傷性に優れている点で、MgOドー
プLiNbO3が好ましい。その結晶の長さを調節する
ことにより位相整合許容波長幅を調節することができ
る。従って被検出光の波長やスペクトル幅に応じて、必
要な反転周期や結晶長などを具備する分極反転構造4を
設定する。なお、図1では、分極反転構造4の分極反転
周期が、一定周期である例を示している。
【0014】結晶を用いて行う波長変換は、光パラメト
リック発振、第2高調波発生(SHG:Second Harmoni
c Generation)、和周波発生(SFG:Sun-Frequency
Generation)、差周波発生(DFG:Different-Freque
ncy Generation)など、擬似位相整合法可能なものであ
ればよい。例えば、差周波発生の場合、被検出光と特定
のポンプ光(単一スペクトル、複数のスペクトル、自然
放出光の様な広いスペクトル、或いはこれらを組み合わ
せたものなど)を結晶に入射することにより、差周波光
が発生し、これを検出することで、被検出光の存在を知
る。分極反転周期は、前記SHG、DFG、SFG変換
方式に応じて、被検出光、ポンプ光、発生光の波長、結
晶の材料などにより決定される。
【0015】光検出器5は、分極反転構造4によって波
長変換された変換光に対して感度を有する関係にあれば
よい。また、結晶9に対する光検出器5の配置の仕方
は、結晶9から漏洩する変換光が、該光検出器5に到達
できるように、結晶9への直接的な配置、または導波構
造を介した間接的な配置であってよい。
【0016】光検出器5としては、フォトダイオード、
フォトダイオードアレイ、光電子増倍管など、従来公知
の光検出器を用いることができる。光検出器5は、分極
反転構造において波長変換される光の波長を考慮して選
択してもよいし、光検出器5が検出し得るように、分極
反転構造を設計してもよい。例えば、被検出光を1.5
μm帯とし、結晶9においてSHG光(0.7μm帯)
を発生させ、これを光検出器5により検出する場合、光
検出器5としては、波長1.5μm帯に感度がなく、
0.7μm帯に感度を有するものが好ましい。そのよう
なものとしては、Si系フォトダイオードが挙げられ
る。Si系フォトダイオードは、半導体材料である単結
晶Siに不純物(B、P)を拡散したり、不純物添加さ
れた半導体層をエピタキシャル成長させることで、半導
体pn接合やショットキー接合を形成し、本接合部に入
射した光により発生電流を発生させ外部に出力するもの
である。
【0017】同様に、SFG変換により、1.5μm帯
の被検出光と0.8μm帯のポンプ光を入射して、0.
5μm帯の変換光を検出する際にも、Si系の光検出器
が好ましい。DFG変換により、1.5μm帯の被検出
光と0.8μm帯のポンプ光を入射して、1.5μm帯
の変換光を検出する際には、InGaAs系フォトダイ
オードなどを用いることができる。このように光検出器
5の感度を工夫すれば、被検出光の影響をなくして、結
晶9から外界へ漏洩する変換光Aのみを選択的に検出す
ることができる。
【0018】図2〜図9は、図1における光検出器5の
種々の配置例を示す図である。これらの図では、図1と
同様の構成については同じ符号で示している。これらの
図に例示するように、光検出器5は、結晶9に対して種
々の位置、種々の態様にて配置できる。
【0019】図2は、図1における光検出器5および結
晶9付近の拡大図であり、結晶9の上側表面に光検出器
5のセンサ面を接触させた例である。図3は、図2と同
様に結晶9の上面側ではあるが、結晶9の表面より少し
結晶9の内部に光検出器5のセンサ面を埋め込んだ例で
ある。このとき、光検出器5は光路を伝搬する光の妨げ
にならない範囲で結晶9の内部に埋め込むことが必要で
ある。このように、光検出器5を埋め込んで設置するこ
とにより、検出感度を上げることができる。
【0020】光検出器5を、図2のように結晶9の上側
表面に接触させる態様や、図3のように結晶9の上面側
で内部に埋め込む態様では、光検出器5がクラッドとし
て機能する場合があり、その材質の屈折率によっては、
導波路中の光の伝搬に影響することがある。したがっ
て、図2や図3の構成を採用する場合には、光検出器5
の材質は、被検出光と変換光との波長関係だけでなく、
光路を通過する光の伝搬に影響しないものを選択するこ
とが好ましい。
【0021】図4は、図1と同様に構成される結晶9の
上側表面から光検出器5のセンサ面を僅かに離して設置
した例である。光検出器5を図4に示すように設置すれ
ば、図2や図3の構成を採る場合のように結晶を通過す
る光の伝搬に影響することがない。
【0022】図5は、結晶9の下側表面に光検出器5の
センサ面を接触させた例である。結晶9の下側表面に光
検出器5を配置する場合、上側表面に配置した図3およ
び図4の場合と同様に、光検出器5を、結晶9の下面側
で内部に埋め込むようにしてもよいし、結晶9の下側表
面から僅かに離すようにしてもよい。
【0023】図6は、結晶9における光の出射側となる
端面に光検出器5のセンサ面を接触させた例である。こ
れに準じて、光検出器5を、光路に平行する結晶9の側
面や、光の入射側となる結晶9の端面に取り付けても、
漏洩する変換光を検出することが可能である。
【0024】図7は、結晶9に対して、光路の真上では
なく、光路に沿った近傍の位置に光検出器5を設置した
例である。この場合でも、上記説明と同様に、光検出器
5は、結晶9の表面に接触させても、埋め込んでも、僅
かに離してもよい。
【0025】図8は、結晶9の下側表面にくぼみを形成
し、該くぼみ内に光検出器5を配置した例である。同図
に示すように、くぼみには、光検出器5の配置面となる
斜面を付与することが好ましい。図9は、結晶9の上側
表面に、光検出器5の配置面となる傾面を有する導波構
造体(プリズムカプラなど)11を配置し、該導波構造
体の斜面に光検出器5を配置した例である。
【0026】このように、光検出器5の位置は、分極反
転構造4の直上または直下にある必要はなく、左右にず
れた位置にあってもよい。光検出器5は、結晶9からな
る導波路型波長変換素子3を通過する光の伝搬を妨げる
ことなく、良好な感度で変換光を検出可能な範囲で、位
置や方向を適宜設定して検出することができる。したが
って、光検出装置1では、光検出器5の位置や方向の制
限が少ないので、光検出装置1を容易にコンパクトに設
計することが可能である。
【0027】前述のような結晶9および光検出器5の構
成のため、結晶9を通過する光の伝搬方向によることな
く、結晶9から外界へ漏洩する光を光検出器5で検出す
ることができる。よって、本発明の光検出装置1は、光
の入射方向を制限することなく双方向(双方向からの同
時入射を含む)で使用することが可能である。
【0028】入射光学系2および出射光学系6として
は、いずれも光ファイバ、レンズなど、従来の光検出装
置において使用されていた従来公知の光学系を用いるこ
とが可能である。制御系7としては、用途に応じた電子
回路の構成が考えられるが、光通信用途で用いる際には
広帯域の高周波増幅部を有する集積回路や演算回路が考
えられ、必要に応じて演算回路の結果をもとに半導体レ
ーザ等の光源を高速に制御することも可能である。
【0029】図1に示した光検出装置1において、結晶
9および光検出器5の構成を上記構成例から選択し、特
定の波長の被検出光が変換された変換光を検出する場合
の例として、結晶9の分極反転構造4にSHG変換方
式、DFG変換方式、SFG変換方式を採用する例を挙
げる。
【0030】SHG変換方式の例としては、図1に示し
た光検出装置1において、結晶9として、分極反転周期
を17.4μmとした導波路型MgO添加PPLN(Pe
riodically Poled Litium Niobate)を用い、結晶9の
表面に光検出器5としてSiフォトダイオードを配置す
る。波長1554nmの被検出光を入射すると、変換波
長777nmを検出できる。
【0031】DFG変換方式の例としては、図1に示し
た光検出装置1において、結晶9として、分極反転周期
を17.4μmとした導波路型MgO添加PPLNを用
い、光検出器5として、1550nm以下の波長をカッ
トする光学フィルタを着けたInGaAsフォトダイオ
ードを用いる。ポンプ波長777nm、波長1540n
mの被検出光を同時に入射すると、変換波長1568n
mを検出できる。
【0032】SFG変換方式の例としては、図1に示し
た光検出装置1において、結晶9として、分極反転周期
を5.5μmとした導波路型MgO添加PPLNを用
い、結晶9の表面に光検出器5としてSiフォトダイオ
ードを配置する。波長810nmのポンプ光および波長
1550nmの被検出光を同時に入射すると、変換波長
531nmを検出できる。
【0033】図1に示した構成に加えて、光検出器5で
検出する変換光の感度を上げてノイズを減らすために、
結晶9と光検出器5との間に、図10〜13に示すよう
な、変換光を光検出器5へ導くための導波構造体を設け
るようにしてもよい。導波構造体は、以下の例に限るも
のではなく、変換光の感度を上げてノイズを減らして検
出可能なように変換光を光検出器5へ導くことができれ
ば、空間などであってもよい。
【0034】図10は、変換光の感度を上げてノイズを
減らすために変換光を光検出器5へ導くための導波構造
体として、結晶9と光検出部5との間に屈折率整合層1
2を設けた例である。該屈折率整合層12は、変換光が
結晶9から外界へ漏洩しやすい屈折率を有する。したが
って屈折率整合層12の屈折率は、結晶9の屈折率との
関係で設定されることになる。
【0035】該屈折率整合層12の材質としては、有機
薄膜、誘電体薄膜、さらにこれらの多層膜等を挙げるこ
とができる。また、屈折率整合層12の厚みは、概ね1
〜500μmの範囲から選択して設定することができ
る。
【0036】光検出器5は感度に影響しない範囲で屈折
率整合層12と空間を有して設けてもよい。なお、屈折
率整合層12は、図5や図6に示したように光検出器5
を結晶9の下側表面や端面に配置する場合にも、図10
と同様に光検出器5と結晶9との間に設置することがで
きる。
【0037】図9,11,12は、上記導波構造体とし
て、結晶9と光検出部5との間に取り出し機構を設けた
例であり、該取り出し機構として、図9にはプリズムカ
プラ11、図11にはグレーティングカプラ13、図1
2には光ファイバ14を、それぞれ設けた例を示した。
プリズムカプラ11およびグレーティングカプラ13を
設けることにより、結晶9から外界へ漏洩した光の放射
光損失を少なくし、光検出器5で変換光を確実に検出す
ることができる。光ファイバ14を設ける場合には、結
晶9から外界へ漏洩した変換光を光検出器5に導光する
ことにより、光検出器5で感度よく変換光を検出するこ
とができる。上記グレーティングカプラは、その材質と
してSiO2やSi、レジストなどの有機材料、基板自
身(ニオブ酸リチウム)の表面を加工したものを用い、
グレーティング周期は波長に応じて設計する。プリズム
カプラの材質としては、ルチル、GaP、Siなどが挙
げられる。光ファイバとしては、特に限定するものでは
なく、従来公知のものを使用することができるが、通常
の同心円状のものに加え、断面が矩形の導光路(導波
路)なども使用できる。
【0038】また、結晶9の分極反転構造は、分極反転
周期が、前述のような一定周期の周期構造に限らず、図
13に示すように一定ではない非周期構造や、図14に
示すように分極反転構造が、その正負の分極反転領域が
交互に繰り返されていく方向と、入射光の光路の方向と
が角度をなすように形成される構造であってもよい。図
13は、分極反転周期がΛ1〜Λnまで順次変化するチャ
ープ周期とした非周期構造の例である。このような非周
期構造とすることにより、被検出光の波長が複数の周期
に対して位相整合して変換される新たな波長が増え、変
換される波長範囲を広くすることができる。図14は、
分極反転構造16が正負の分極反転領域が交互に繰り返
されていく方向と入射光の光路の方向とが角度θをなす
ように構成されている例である。このように配置するこ
とにより、図7に示したように分極反転構造16を正負
の分極反転領域が交互に繰り返されていく方向と光路方
向を同方向に場合には構造上作製不可能な分極反転周期
であっても、設定することが可能である。
【0039】これらの分極反転構造4、15、16は、
前述のように、光検出装置1において1つに限るもので
はなく、図15〜17に示すように複数設け、各分極反
転構造上に光検出器5を配置し、複数の検出箇所を設け
てもよい。図15は、1枚の結晶9の基板において、複
数の分極反転構造4を1本の光路上に直列に配置した例
である。複数の分極反転構造4の分極反転周期をΛ1
Λnのn種類設定することにより、n種類の複数の波長
を検出することが可能である。図16は、結晶9に並列
する複数本の光路における各光路上に分極反転構造4を
1つずつ配置(並列配置)した例である。なお、図16
および後に示す図17では、分極反転構造上の光検出器
5のみを示し、分極反転構造を省略している。図16に
おいても図15と同様、複数の分極反転構造の分極反転
周期をそれぞれ異なる周期に設定することにより、複数
の波長を検出することが可能である。
【0040】図17は、図15と図16の構成を組み合
わせて結晶9に分極反転構造を直列×並列でマトリック
ス配置した例である。複数の分極反転構造4を、入射側
において一本の光路が複数本に分岐して光が出射される
ように設けられた各光路に直列に複数配置し、1枚の結
晶9の基板においてマトリクス状に分極反転構造4を配
置している。このような分極反転構造4のマトリクス配
置により、より多くの波長を検出可能な光検出装置を構
成することができる。
【0041】また、光検出装置1には、結晶9のための
温度制御素子を備えることにより、被検出光、ポンプ
光、変換光の位相整合条件を安定化させることが可能と
なり、信頼性の高い光検出ができる。
【0042】以上のように光検出装置を構成することに
よって、光検出器が入射光(被検出光)の通過を妨げる
ことがない。また、従来の光検出装置のように、分光部
や複雑な構造の光検出器を必要としないので、機械的な
安定性がよく、頑丈な筐体も必要なく、少ない光学部品
で小型化が容易で、製造も容易となり量産化が可能であ
る。さらに、分極反転構造により、充分な強度の波長変
換光を出力可能なため、被検出光として入射されるレー
ザ光が微弱であっても安定して目的の波長を検出するこ
とができる。
【0043】次に、本発明の光検出装置をモニターとし
て用いた光制御システムについて説明する。図18は、
本発明の光検出装置を用いた光制御システムの概略構成
を示す図である。光制御システムは、上述の光検出装置
1と、該光検出装置1によって検出された光を調節する
調節部18とを含んで構成される。この光を調節すると
は、光の波長、強度、方向、偏光方向、スペクトル数
(波長数)、時間波形に、目的に応じた変化を与えるこ
とである。
【0044】光制御システムは制御目的とする光(制御
対象光)の波長や出力などを制御するシステムである。
光制御システムにおいて、光検出装置1は、制御対象光
に特定波長光が含まれているかどうかを検出し、その検
出結果に応じて、調節部18が制御対象光や特定波長光
を調節する。ここで、制御対象光に特定波長光が含まれ
ているかどうかを検出するということには、制御対象光
自体が特定波長光であるかどうかを検出することを含
む。
【0045】調節部18は、図18(a)に示すよう
に、光の進行方向に向かって光検出装置1の前方に配置
される場合や、図18(b)に示すように、光の進行方
向に向かって光検出装置1の後方に配置される場合に分
けられる。
【0046】図18(a)の場合、調節部18は、光検
出装置1で制御対象光に特定波長光が含まれているかど
うかが検出され、検出された制御対象光と、その検出結
果とを受けて、例えば制御対象光に特定波長光が含まれ
ていれば特定波長光をそのまま出射し、含まれていなけ
れば受けた制御対象光を調節して特定波長光として出射
する。
【0047】図18(b)の場合、調節部18で発生し
た光(制御対象光)、または調節部18を通過した光
(制御対象光)が、光検出装置1に入射され、光検出装
置1で入射された制御対象光に特定波長光が含まれてい
るかどうかが検出され、例えば制御対象光に特定波長光
が含まれていなければ光検出装置1は調節部18に検出
結果を通知し、調節部18は検出結果に応じて制御対象
光を調節して特定波長光として光検出装置1に入射す
る。その入射光に特定波長光が含まれていれば特定波長
光をそのまま出射し、光検出装置1は調節部18に検出
結果を通知しない。
【0048】次に、光制御システムの具体例として、光
通信用波長制御回路およびレーザ光源の波長制御回路を
示す。図19は、本発明の光検出装置を用いた光通信用
波長制御回路の概略構成を示す図である。同図に示すよ
うに、当該光通信用波長制御回路は、制御対象光の波長
をモニターする光検出装置22と調節部27とが同一結
晶上に配置されて構成される。同図の例では、制御対象
光が通過する導波路21、調節用光用導波路25、制御
対象光に調節用光を合波させる合波部26などが付帯し
ている。光検出装置22では、図15に示したように1
本の光路上に複数の検出箇所が直列に配置され、複数の
波長を検出できるように構成されている。
【0049】このように構成される光通信用波長制御回
路は、制御対象光に含まれる特定波長光に対して波長変
換を行う回路であって、制御対象光が、光検出装置22
を通過し、調節部27を経て出力されるように配置構成
されている。
【0050】調節部27は、制御対象光に含まれる特定
波長光を波長変換するように作動する。その調節部27
が光検出装置から検出信号が発せられたときだけ作動す
るように、制御回路23が設けられている。調節部27
は、当該調節部27を通過する制御対象光に調節用光が
加えられ、周波数混合によって特定波長光を所望の波長
の光へと変換して出力する。
【0051】調節用光源24は、上記調節用光を発する
光源であり、図示しない制御対象光を発する光源とは別
に設けられており、連続光でもパルス光でもよい。調節
用光源24は、光検出装置22から発せられた検出信号
によって、調節用光を発する。調節用光源24として
は、特に限定されるものではないが、波長可変光源や同
時多出力の光源を使用すれば多くの入射信号に対して目
的に応じた波長の調節用光を出力することや、目的の入
射信号に対して同時に多くの調節用光を出力できるの
で、広い範囲や同時多出力の波長変換が可能である。ま
た調節用光源24として、制御対象光とは異なる時間波
形のパルス光を用いることで出力される信号(変換光)
の時間波形をも制御することが可能である。制御部27
として光パラメトリック増幅素子を用いる場合には、調
節用光源24はポンプ光として動作することとなる。
【0052】合波部26は、調節用光を調節部27に送
ることができれば特に限定されるものではなく、従来公
知の構成を採用することができる。同一基板上に形成で
きる手段としては方向性結合器によるものが可能であ
る。
【0053】調節部27としては、被検出光と調節用光
の周波数混合を行うものとして、差周波発生波長変換素
子、和周波発生波長変換素子、パラメトリック増幅素子
などを用いることができる。パラメトリック増幅素子の
場合には検出された特定の光を増幅するように調節用光
(ポンプ光)を調節用光源24から導くことができる。
【0054】次に、光通信用波長制御回路における動作
について説明する。該光通信用波長制御回路に、制御対
象光(信号A)が入射されると、その光が光検出装置2
2の光検出器で読み取られ、制御対象光に特定波長光波
長(λA)が含まれる場合には、光検出装置22から検
出信号が制御回路23へ送信される。制御回路23で
は、送信された検出信号に基づいて調節部27を作動さ
せるとともに、特定波長光を新たな波長(λB)に変換
するため、調節用光源24に調節用光(λp)を発射さ
せる。発射された調節用光(λp)は、合波部26を通
して調節部27に送られる。調節部27では、信号A
(λA)と調節用光(λp)の周波数混合により、新た
な波長(λB)を持つ信号A*が発生する。一方、制御
対象光に特定波長光が含まれない場合には、光検出装置
22から検出信号が発せられないので、制御回路23は
調節部27を作動させず、調節用光源24に調節用光を
発射させることもない。制御対象光は元の信号Aのまま
調節部27を通過して本光通信用波長制御回路から出力
される。
【0055】以上のように構成される光通信用波長制御
回路は、前述の光検出装置を用いることにより、分極反
転結晶から外界へ漏洩した変換光から被検出光の波長を
知ることができるので、入射光(被検出光)の伝搬を妨
げることなく、安定して波長を検出して、所望の変換光
を得ることができる。また、前述のような光検出装置の
利点をそのまま光通信用波長制御回路で奏することがで
き、特に、小型化された光検出装置を用いて光通信用波
長制御回路をコンパクトに構成することができる。
【0056】図19では、同一結晶上に各構成部が形成
されている例を示したが、光検出装置22、調節部2
7、調節用光源24を別結晶上に構成してもよい。ま
た、光検出装置22と調節部27との間にディレイライ
ンなどの光学要素を挿入してもよい。ディレイラインを
挿入すれば、制御対象光と調節用光の周波数混合のため
のタイミングを正確にとることができる。
【0057】図20は、本発明の光検出装置をレーザ光
源の波長制御回路として用いる場合の概略構成を示す図
である。該波長制御回路は、光制御システムのその他の
例であり、レーザ光源から発せられるレーザ光を制御対
象光として制御する回路である。図20において、光検
出装置は、分極反転構造上の光検出器からなる検出部分
のみを示し、分極反転構造を省略している。本波長制御
回路では、レーザ光源28から発射されるレーザ光を所
望の波長に制御するため、分極反転構造にSHG変換方
式を用いている。
【0058】レーザ光源28から発せられたレーザ光が
結晶9に構成される光検出装置を通過して出力されるよ
うに配置されている。レーザ光源28は、自体から出射
されるレーザ光の主波長や出力を調節し得る調節部を有
し、その出力部に、SHG位相整合波長が僅かに異なる
3つの検出部(第1検出部B、第2検出部A、第3検出
部C)を有する光検出装置が接続されている。
【0059】光検出装置は、所定の波長光を検出する第
1検出部Bと、該所定の波長より長い波長光を検出する
第2検出部Aと、該所定の波長より短い波長光を検出す
る第3検出部Cとを有する。この第1検出部Bから検出
信号が発せられるようにレーザ光源28の調節部が制御
される。
【0060】具体的には、第1検出部Bの分極反転構造
は、上記所定の波長光の波長であるλBでSHG変換出
力が最大となるように設計されている。第2検出部Aの
分極反転構造は、λBより2nm短い波長λAで、第3検
出部Cの分極反転構造は、λ Bより2nm長い波長λ
Cで、それぞれSHG変換出力が最大となるように設計
されている。より厳密に制御したい場合には、λAは、
λBより0.5nm短く、λ Cは、λBより0.5nm長
く設定することが好ましい。
【0061】このような構成において、制御対象光であ
るレーザ光を常に波長λBで、出力一定となるように制
御するには、第2検出部Aおよび第3検出部Cの信号が
最小、第1検出部Bの信号が最大となるように、レーザ
の温度や共振器間隔を調整することによって、出力波長
をλBで安定とすることができる。また、最大となって
いる第1検出部Bの出力が常に一定になるように、レー
ザへの供給パワーを制御することによって出力を一定に
保つことができる。特に、当該波長検出装置によって検
出するSHG出力は、レーザ出力の2乗に比例した信号
となるため、感度よく、レーザの波長と出力を制御する
ことが可能である。
【0062】以上のように構成されるレーザ光の波長制
御回路は、前述の光検出装置を用いることにより、分極
反転結晶から外界へ漏洩した変換光からレーザ光の波長
を知ることができるので、レーザ光の伝搬を妨げること
なく、安定してレーザ光の波長を検出して、レーザ光の
波長を制御することができる。また、分極反転構造にS
HG変換方式を採用することによって、レーザ出力の2
乗に比例した信号を感度よくモニターして出力を制御す
ることができる。さらに、前述のような光検出装置の利
点をそのまま波長制御回路で奏することができ、特に、
小型化された光検出装置を用いて波長制御回路をコンパ
クトに構成することができる。
【0063】なお、レーザ光の波長制御回路として用い
た光検出装置の構成は、レーザ光の制御のみならず、レ
ーザ光発生器の換わりに光増幅器を接続して光増幅器の
増幅率制御等にも応用することが可能である。光増幅器
に用いる場合は増幅光の波長のSHG成分をモニターす
ることで、感度良く増幅率の変動を検知する事ができ
る。
【0064】
【実施例】実施例1 本実施例では、図1に示す導波路型の光検出装置を実際
に作製し、分極反転結晶による変換光が光検出器で検出
されることを観察した。強誘電体結晶としては、5mo
l%添加LiNbOを用いた。該結晶からなる基板に、
分極反転周期が17.4μmの分極反転構造を形成し
て、基板の表層に導波路を有する導波路型の波長変換素
子を作製した。この分極反転構造では、波長1.5μm
帯のレーザ光が入力され、SHG光が発生する。光検出
器としては、Si系フォトダイオードを用い、これを導
波路(分極反転構造)上に接触させて設置した。
【0065】本実施例の光検出装置において、導波路端
面に偏波面保存光ファイバを用いて、波長1.558μ
mのレーザ光を結合させたところ、SHG光(波長0.
779μm)が発生し、光検出器を介して電気信号とし
て検出することができた。
【0066】実施例2 本実施例では、図19に示すように、当該光検出装置を
一体的に含んだ光通信用波長制御回路を作製し、特定波
長光の波長が調節用光によって制御されることを観察し
た。強誘電体結晶として5mol%添加LiNbOを用
いた。該結晶からなる基板に対して、同一導波路上に、
光検出装置を構成するための分極反転構造と、調節部を
構成するための分極反転構造とを直列的に形成した。光
検出器の仕様は、実施例1と同様とした。光検出装置部
分の分極反転周期は、16.8μmとした。この分極反
転構造では、擬似位相整合法によってSHG光を発生す
る。調節部の分極反転周期は、17.4μmとした。こ
の分極反転構造では、調節用光を用いて擬似位相整合法
によってDFG光を発生する。合波部には、制御対象光
に調節用光を合波させるため、導波路型方向性結合器を
設けた。
【0067】本実施例の光通信用波長制御回路におい
て、光検出装置側(入力側)の導波路端面に偏波面保存
光ファイバを用いて、特定波長1.540μmのレーザ
光を結合させたところ、光検出装置の部分でSHG光
(波長0.770μm)が発生した。該SHG光は光検
出器を介して電気信号として検出された。この検出信号
をもとに調節用光源(波長1.558μm)を発光さ
せ、その光を調節部に導いたところ、調節部における差
周波発生動作により、新たにDFG光(波長1.576
μm)が発生した。また、波長選択性の確認のため、上
記と同様にして光ファイバを用い、特定波長ではない波
長1.550μmのレーザ光を結合させたところ、SH
G光の発生はなく調節用光源が動作せず、調節部におい
て新たな変換光は発生しなかった。
【0068】実施例3 本実施例では、図20に示すように、当該光検出装置を
一体的に含んだレーザ光源の波長制御回路を作製し、レ
ーザ光が制御対象光として制御されることを観察した。
強誘電体結晶として5mol%添加LiNbOを用い
た。該結晶からなる基板表層に形成した導波路に対し
て、3つの分極反転構造の領域を同一導波路上に直列的
に形成した。各分極反転周期は、入射側から順に、1
7.45μm、17.40μm、17.35μmであ
る。それぞれの領域に光検出器を配置して、導波路型光
検出装置の部分を構成した。これらの分極反転構造で
は、いずれも擬似位相整合法によってSHG光を発生す
る。光検出器としてはSi系フォトダイオードを用い、
上記導波路(分極反転構造)上にそれぞれ接触させて並
列に設置した。レーザ光源としては、半導体レーザを用
いた。
【0069】本実施例のレーザ光源の波長制御回路にお
いて、導波路端面に偏波面保存光ファイバを用いて半導
体レーザ光を結合し、半導体レーザの波長を温度制御し
たところ、中心波長1.558μmにおいて、分極反転
周期17.40μmの領域でSHG光が最大となった。
そこで3つのフォトダイオードの電気信号をモニターし
ながら、分極反転周期が17.40μmの領域でSHG
光が最大となるように半導体レーザの素子温度を制御し
たところ、長時間に渡って安定して波長を制御すること
ができた。
【0070】
【発明の効果】以上のことから、誘電体結晶を通過する
光を波長変換し得るように分極反転構造が設けられた結
晶から外界へ漏洩する変換光を検出するように、光検出
器が結晶に直接または間接的に設けられた構成により、
少ない光学部品で機械的な安定性よく、小型化かつ量産
化可能であるとともに、光路を遮断することがなく、さ
らに光の入射方向が制限されない光検出装置およびこれ
をモニターとして用いた光制御システムが得られるよう
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態による光検出装置の概略
構成を示す断面図である。
【図2】結晶9の上側表面に光検出器5のセンサ面を接
触させた例である。
【図3】結晶9の表面より少し結晶内部に光検出器5の
センサ面を埋め込んだ例である。
【図4】結晶9の上側表面から光検出器5のセンサ面を
僅かに離して設置した例である。
【図5】結晶9の下側表面に光検出器5のセンサ面を接
触させた例である。
【図6】光の出射側の結晶端面に光検出器5のセンサ面
を接触させた例である。
【図7】結晶9に対して、光路の真上ではなく、光路に
沿った近傍の位置に光検出器5を設置した例である。
【図8】結晶9の下側表面に形成されたくぼみ内に光検
出器5を配置した例である。
【図9】結晶9の上側表面に、光検出器5の配置面とな
る傾面を有する導波構造体(プリズムカプラなど)11
を配置し、該導波構造体の斜面に光検出器5を配置した
例である。
【図10】結晶9と光検出部5との間に屈折率整合層1
2を設けた例である。
【図11】結晶と光検出部との間にグレーティングカプ
ラ13を設けた例である。
【図12】導波路と光検出部との間に光ファイバ14を
設けた例である。
【図13】分極反転周期をチャープ周期の非周期構造と
した例を示す図である。
【図14】分極反転構造を、その正負の分極反転領域が
交互に繰り返されていく方向と、光路の方向とが角度を
なすように配置した例を示す図である。
【図15】複数の分極反転構造を1本の光路上に直列に
配置した例を示す図である。
【図16】並列する複数本の光路における各光路上に分
極反転構造を1つずつ配置(並列配置)した例を示す図
である。
【図17】分極反転構造を直列×並列でマトリックス配
置した例を示す図である。
【図18】本発明の光検出装置を用いた光制御システム
の概略構成を示す図である。
【図19】本発明の光検出装置を用いた光通信用波長制
御回路の概略構成を示す図である。
【図20】本発明の光検出装置をレーザ光源の波長制御
回路として用いる場合の概略構成を示す図である。
【図21】従来の光検出装置の構成を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 光検出装置 2 入射光学系 3 導波路型波長変換素子 4 周期的分極反転構造 5 光検出器 6 出射光学系 7 制御系 8 導波路 9 結晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G065 AA04 AB09 BA09 BB28 CA08 DA13 2K002 AA04 AB12 CA03 DA06 EB15 FA27 GA04 HA20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電体結晶を通過する光の少なくとも
    一部を波長変換し得るよう該結晶に周期的分極反転構造
    が設けられてなる分極反転結晶と、前記波長変換された
    変換光に対し感度を有する光検出器とを有し、 前記光検出器が、前記分極反転結晶から外界へ漏洩する
    変換光を検出し得るように、分極反転結晶に直接または
    間接的に設けられていることを特徴とする、光検出装
    置。
  2. 【請求項2】 上記周期的分極反転構造の分極反転周期
    が、一定周期であるか、またはチャープな周期である、
    請求項1記載の光検出装置。
  3. 【請求項3】 上記周期的分極反転構造において正負の
    分極反転領域が交互に繰り返されていく方向と、入射光
    の光路の方向とが、角度をなしている、請求項1記載の
    光検出装置。
  4. 【請求項4】 上記光検出器が、変換光を該光検出器へ
    導くための導波構造体を介して分極反転結晶に設けられ
    ている、請求項1記載の光検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の光検出
    装置が少なくとも用いられ、 制御対象光に特定波長光が含まれているかどうかを該光
    検出装置によって検出し、その検出結果に応じて、制御
    対象光および/または特定波長光を調節するよう調節部
    が設けられた構成を有することを特徴とする、光制御シ
    ステム。
  6. 【請求項6】 当該光制御システムが、制御対象光に含
    まれる特定波長光に対して波長変換を行うシステムであ
    って、制御対象光が、上記光検出装置を通過し、調節部
    を経て出力される配置構成とされ、 調節部は、制御対象光に含まれる特定波長光を波長変換
    するよう作動するものであり、該光検出装置から検出信
    号が発せられたときだけ、該調節部が作動するように制
    御回路が構成されている、請求項5記載の光制御システ
    ム。
  7. 【請求項7】 上記光調節部が、該光調節部を通過する
    制御対象光に調節用光を加え、周波数混合によって特定
    波長光を所望の波長の光へと変換し出力するものであっ
    て、 前記調節用光を発する調節用光源を別途有し、該光検出
    装置から発せられた検出信号によって、該調節用光源が
    調節用光を発し、光調節部において周波数混合がなされ
    るように構成されている、請求項6記載の光制御システ
    ム。
  8. 【請求項8】 当該光制御システムが、レーザ光源から
    発せられるレーザ光を制御対象光としてこれを制御する
    システムであって、 レーザ光源から発せられたレーザ光が上記光検出装置を
    通過して出力されるように配置され、 レーザ光源は、自体から出射されるレーザ光の主波長お
    よび/または出力を調節し得る調節部を有し、 光検出装置は、所定の波長光を検出する第1検出部と、
    該所定の波長より長い波長光を検出する第2検出部と、
    該所定の波長より短い波長光を検出する第3検出部とを
    有し、 第1検出部から検出信号が発せられるようにレーザ光源
    の調節部が制御される、請求項5記載の光制御システ
    ム。
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