JP2003184870A - ころ軸受 - Google Patents

ころ軸受

Info

Publication number
JP2003184870A
JP2003184870A JP2001387828A JP2001387828A JP2003184870A JP 2003184870 A JP2003184870 A JP 2003184870A JP 2001387828 A JP2001387828 A JP 2001387828A JP 2001387828 A JP2001387828 A JP 2001387828A JP 2003184870 A JP2003184870 A JP 2003184870A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hardened layer
raceway
roller bearing
rolling
raceway surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001387828A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromichi Takemura
浩道 武村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2001387828A priority Critical patent/JP2003184870A/ja
Publication of JP2003184870A publication Critical patent/JP2003184870A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内外輪の各軌道面及び各転動体の転動面にお
ける最適な硬化層分布を規定し、硬化層形成による早期
はくり防止効果を低コストで得る。 【解決手段】 本発明の円すいころ軸受10は、内外輪
11,12における軌道面13,14にはそれぞれ、浸
炭処理が施されてビッカース硬さが650以上である硬
化層16が形成されており、硬化層16の深さZ0 は、
転動体平均外径Daの2〜4%とされるとともに、硬化
層16の硬さ分布は、各軌道面形状に沿った形状とされ
る。また、軌道面13,14の硬化層16の表面ビッカ
ース硬さは700〜850とされるとともに、硬化層1
6表面の残留オーステナイト量は、20〜50%とされ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車のM
/T,A/T用デファレンシャルギア機構や、トランス
ミッション等で用いられるころ軸受に関し、詳しくは異
物混入条件下における表面起点はくりの発生を抑制し、
長寿命化を図るための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、円すいころ軸受においては、適
用されるシャフト又はハウジングが傾いている場合、内
外輪の軌道面又はころの転動面に、クラウニング加工が
施されている。クラウニング加工とは、内外輪の軌道面
又はころの転動面をなす母線に、極僅かのテーパ又は曲
率を持たせる加工である。クラウニング加工により、こ
ろの軸方向端部に大きな端荷重が生じることを回避する
ことができ、ころ軸受が早期にフレーキングすることを
防止することができる。
【0003】例えば自動車のM/T,A/T用のトラン
スアクスルのデフサイドに用いられる円すいころ軸受で
は、内外輪の軌道輪の端部又はころの端部にエッジロー
ドが発生し、短寿命となる場合がある。原因としては、
出力軸からのギア反力に起因する過大荷重や、ハウジン
グ剛性の低下に伴うミスアライメント(内外輪の軸線が
互いに交差している状態)の影響である。
【0004】このような不具合を回避するための円すい
ころ軸受の構造としては、内外輪の各軌道面及び各ころ
の転動面のうちのいずれか又は双方に、フルクラウニン
グ又はパーシャルクラウニングと呼ばれるクラウニング
加工を施したものがある。これらのクラウニング加工
は、内外輪の各軌道面を形成する母線、又は各ころの転
動面を形成する母線の全域若しくは所定域が凸状の曲線
となるよう加工するものである。
【0005】更に、特開2000−74705号公報を
参照すると、図3(a),(b)に示すように、内外輪
21,22にそれぞれ形成された凹状軌道面21a,2
2a間に、複数の略円柱形状のころ23を配置されてな
り、内外輪21,22間に生じる大きな軸線ずれ角度に
も、小さな軸線ずれ角度にも対応可能なころ軸受20が
記載されている。
【0006】すなわち各ころ23は、転動面23aの中
央部23bを、内外輪21,22の凹状軌道面21a,
22aに対応した凸状の第1母線により形成されるとと
もに、転動面23aの両端部23cをそれぞれ、第1母
線よりも小さな曲率半径の第2母線により形成される。
これにより、内外輪21,22間に生じる大きな軸線ず
れ角度に対応できるとともに、内外輪21,22の軸線
ずれ角度が小さい場合でも、内外輪21,22の各凹状
軌道面21a,22aと各ころ23の転動面23aとの
間に生じる面圧を緩和することができ、エッジロードの
発生を抑制することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の円すいころ軸受では、大きな軸線ずれ角度にお
いて、内外輪の各軌道面と各ころの転動面との間に、エ
ッジロードが発生しないようにするため、クラウニング
の曲率半径を小さくする必要がある。
【0008】クラウニングの曲率半径を小さくすると、
軸線ずれ角度が小さい場合、又は軸線ずれがない場合に
は、クラウニングを施さない場合、又はクラウニングの
曲率半径が小さい場合と比較して、各軌道面と各ころの
転動面との接触部の中央部分における面圧が高くなると
いう問題があった。
【0009】また、潤滑油中にギア磨耗粉等の異物が混
入する潤滑環境下、具体的には自動車のトランスミッシ
ョンのような潤滑環境下では、軌道面の中央部に異物圧
痕が形成されやすい。そのため、圧痕に対応可能なよう
に内外輪の各軌道面表面に硬さとともに粘り強さを持た
せることが必要となる。従って、内外輪の各軌道面表面
における残留オーステナイト量、表面硬さ、最大せん断
応力発生位置での硬さのそれぞれ適正な値を得るために
は、各軌道面の深さ方向に十分に浸炭又は浸炭窒化し、
硬化層を形成させる必要があった。硬化層の深さは、各
軌道面の凹凸分を考慮し、凹状部分に合わせて余裕を持
たせる必要があり、コスト高を招くという問題があっ
た。
【0010】このことは、図3(a),(b)に示す従
来のころ軸受20についても同様であり、硬化層形成に
よる効果と、コストとの兼合いを図る必要があった。
【0011】本発明は、内外輪の各軌道面及び各転動体
の転動面における最適な硬化層分布を規定することがで
き、これにより硬化層形成による早期はくり防止効果を
低コストで得ることができるころ軸受を提供することを
目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の請求項1に係るころ軸受は、内外輪における
各軌道面の中央部が、一定曲率半径を有する第一母線に
より凹状に形成されるとともに、前記内外輪における各
軌道面の両端部が、一定曲率半径を有する第二母線によ
り凸状に形成されており、更に各転動体における転動面
が、一定曲率半径を有する第三母線形状により単一円弧
の凸状に形成されたころ軸受において、前記内外輪にお
ける軌道面、及び前記各転動体における転動面に、浸炭
処理又は浸炭窒化処理が施されてビッカース硬さが65
0以上である硬化層が形成されており、前記軌道面にお
ける硬化層の深さが、前記転動体の平均外径の2〜4%
であるとともに、該硬化層の硬さ分布が、前記軌道面形
状に沿った形状であることを特徴とする。
【0013】また、上記目的を達成するための本発明の
請求項2に係るころ軸受は、請求項1記載のころ軸受で
あって、前記軌道面の硬化層表面のビッカース硬さが7
00〜850であるとともに、該硬化層表面の残留オー
ステナイト量が20〜50%であることを特徴とする。
【0014】本発明の請求項1に係るころ軸受において
は、内外輪における軌道面、及び各転動体における転動
面にビッカース硬さが650以上である硬化層が形成さ
れ、軌道面における硬化層の深さが転動体の平均外径の
2〜4%であるとともに、該硬化層の硬さ分布が軌道面
形状に沿った形状であるので、軌道面及び転動面にそれ
ぞれ一様の硬さを持たせることができる。したがって、
適用されるシャフト又はハウジングの傾きが5/100
0ラジアン以上で、異物が混入する条件下においても異
物圧痕の発生が抑制される。これにより、ころ軸受の長
寿命化が図られる。
【0015】本発明の請求項2に係るころ軸受において
は、異物圧痕が発生した場合でも、軌道面の硬化層表面
のビッカース硬さが700〜850とされるとともに残
留オーステナイト量が20〜50%とされることによっ
て、軌道面表面に異物圧痕まわりの盛り上り形状がシャ
ープにならず、シビアに圧痕が付きにくくなる。したが
って、圧痕による軸受性能の低下が緩和されるととも
に、微小亀裂の伝播が抑制される。これにより、ころ軸
受の長寿命化が図られる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るころ軸受の一
実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。図1は、
本発明の一実施形態である円すいころ軸受の内外輪及び
ころをそれぞれ示す要部断面図であり、図2は、図1の
円すいころ軸受の内外輪の各軌道面における硬化層分布
を示す拡大断面図である。
【0017】図1及び図2に示すように、円すいころ軸
受10は、内外輪11,12における各軌道面13,1
4の中央部13a,14aが一定曲率半径を有する第一
母線により凹状に形成されるとともに、内外輪11,1
2における軌道面13,14の両端部13b,14bが
それぞれ、一定曲率半径を有する第二母線により凸状に
形成される。また、各転動体15における転動面15a
がそれぞれ、一定曲率半径を有する第三母線形状により
単一円弧の凸状に形成される。
【0018】内外輪11,12における軌道面13,1
4にはそれぞれ、浸炭処理が施されて硬化層16が形成
される。ここで、硬化層16は、ビッカース硬さが65
0以上である部分を指す。硬化層16の深さZ0 は、転
動体15の平均径Daの2〜4%となるように設定され
るとともに、硬化層16の硬さ分布は、内外輪11,1
2の各軌道面形状に沿った形状とされる。軌道面13,
14の表面は、ビッカース硬さ(Hv)が700〜85
0とされ、残留オーステナイト量(γR)が20〜50
%とされる。
【0019】また、各転動体15における転動面15a
にはそれぞれ、浸炭窒化処理が施されており、内外輪1
1,12の硬化層16より強化された硬化層が形成され
る。
【0020】次に、本実施形態の円すいころ軸受10の
作用を説明する。円すいころ軸受10は、内外輪11,
12について、硬化層16の深さZ0 が転動体15の平
均径Daの2〜4%とされるとともに、硬化層16の硬
さ分布が軌道面形状に沿った形状とされることによっ
て、軌道面及び転動面にそれぞれ一様の硬さを持たせる
ことができる。
【0021】また、内外輪11,12の硬化層16のビ
ッカース硬さが700〜850とされるとともに、当該
硬化層16表面の残留オーステナイト量が20〜50%
とされることによって、軌道面表面を強靭化させるとと
もに引張り強さや伸び特性を向上させることができる。
【0022】なお、上記実施形態では、内外輪11,1
2の軌道面13,14にそれぞれ浸炭処理を施すととも
に、各転動体15の転動面15aに浸炭窒化処理を施し
たが、内外輪11,12の軌道面13,14及び各転動
体15の転動面15aの全てに浸炭窒化処理を施すこと
が好ましい。また、円すいころ軸受10を適用するユニ
ット自体が、5〜10μm程度のフィルタを有する比較
的クリーンな環境下で使用される場合には、各転動体1
5を軸受鋼の通常焼入れにより形成させることにより、
低コスト化を図ることができる。
【0023】以上のように上記実施形態によれば、内外
輪11,12における軌道面13,14にはそれぞれ、
浸炭処理が施されて硬化層16が形成されており、該硬
化層16の深さZ0 は、転動体15の平均径Daの2〜
4%とされるとともに、硬化層16の硬さ分布は、各軌
道面形状に沿った形状とされる。
【0024】したがって、例えば軌道面13,14の表
面に異物圧痕が発生し易い環境下においても、100μ
mを超える異物圧痕の発生を確実に抑制することができ
る。これにより、円すいころ軸受10の長寿命化を図る
ことができ、硬化層16形成による早期はくり防止効果
を低コストで得ることができる。
【0025】また、軌道面13,14の硬化層16表面
のビッカース硬さは、700〜850とされるととも
に、硬化層16表面の残留オーステナイト量は、20〜
50%とされる。したがって、100μmを超える異物
圧痕が発生した場合であっても、圧痕による軸受性能の
低下を緩和することができるとともに、微小亀裂の伝播
を抑制することができる。これにより、円すいころ軸受
10の更なる長寿命化を図ることができる。
【0026】
【実施例】次に、円すいころ軸受用の耐久試験機を用い
て、実施例1〜7及び比較例1〜3の円すいころ軸受に
ついて、耐久試験を行った結果を示す。本試験の目的
は、コストを考慮した必要浸炭深さ及び、浸炭深さ分布
を求めることである。
【0027】耐久試験に使用した円すいころ軸受は、単
列円錐ころ軸受HR32208J(日本精工株式会社
製)で、外径80mm、内径40mm、ころ平均径Da
=10mm、基本動定格荷重C=77000N、基本静
定格荷重C0 =90500Nである。使用材料はSCr
420で、通常浸炭熱処理を施した。ころ材料はSUJ
2で、浸炭窒化処理を施し、内外輪の軌道面表面より硬
度が高くなるよう強化した。
【0028】また、回転数は3000rpm、潤滑油は
ギヤオイル75W−90(ペトロルブインターナショナ
ル株式会社製)とし、ラジアル荷重をFr=20000
N、アキシャル荷重をFa=15000Nで、動等価荷
重P=32000Nを作用させた。軸の傾きは0.00
3ラジアン(5分)とした。混入させた異物のビッカー
ス硬さは700、大きさは50〜150μmで、オイル
中の異物濃度を500ppmとした。また、上記試験条
件における標準的な計算寿命はおよそ100時間であ
る。
【0029】実施例1〜7の円すいころ軸受は、上記実
施形態の軸受であり、それぞれ内外輪の浸炭の度合が異
なる。浸炭による硬化層の深さの分布は、図2に示すよ
うに軌道面形状に沿った形状(浸炭パターン:A)とな
っている。比較例1は、通常のクラウニング加工を施し
た軌道面を有する円すいころ軸受である。浸炭による硬
化層の深さの分布は、通常のクラウニング形状に沿った
形状 (浸炭パターン:通常)となっている。比較例2
及び3は、軌道面形状は上記実施形態と同様であるが、
浸炭による硬化層の深さが上記実施形態と比較して浅く
設けられている。比較例4は、軌道面形状は上記実施形
態と同様であるが、浸炭による硬化層の深さの分布が、
比較例1のように軌道面が通常のクラウニング形状であ
る状態に沿った形状(浸炭パターン:B)となってい
る。すなわち、仮想軌道面と平行な浸炭層分布となって
いる。
【0030】試験条件、軸受諸元及び結果を表1に示
す。試験数は、各実施例及び各比較例にて10個の軸受
について行った。発生する振動が初期振動の5倍となっ
た時点を軸受の寿命とみなして試験を中断し、はくりの
有無を確認した。
【0031】
【表1】
【0032】表1において、外輪Z0 /Da及び内輪Z
0 /Daは、転動体の平均径Daに対する軌道面表面下
のビッカース硬さ650となるまでの深さZ0 の割合で
ある。Z0 /Daが低いということは、浸炭が不足して
いることを意味し、かつ、Z 0 /Daが高いということ
は、浸炭時間が長くなるために高コストとなることを意
味する。
【0033】試験の結果、実施例3,4,5,7に関し
ては、試験時間が200時間に至っても10個中10個
ともはくりは発生せず、良好な状態であった。軌道面表
面のビッカース硬さ(Hv)が750〜850で、か
つ、残留オーステナイト量(γR)が25〜50%であ
ったことによると考えられる。
【0034】また、実施例1,2に関しては、表面硬さ
及び残留オーステナイト量が、上記実施例3,4,5,
7に比較して低く設定されているため、軌道面中央部の
接触面圧位置に100μmを超える圧痕が発生し、実施
例1においては10個中5個の内外輪に表面起点はくり
が発生し、実施例2においては10個中3個の内輪に表
面起点はくりが発生した。しかし、試験時間は実施例1
において115時間であり、実施例2において148時
間であって計算寿命より長寿命であった。
【0035】実施例6に関しては、残留オーステナイト
量が上記実施例3,4,5,7に比較して低く設定され
ているため、10個中8個は外輪に表面起点はくりが発
生した。しかし、試験時間は155時間であり計算寿命
より長寿命であった。
【0036】他方、比較例1に関しては、10個中10
個において、表面起点はくり及びエッジロード起点はく
りが内外輪とも同様な比率で発生した。試験時間は、2
8時間であり計算寿命の約1/4であった。
【0037】比較例2,3に関しては、試験時間はそれ
ぞれ40時間,57時間であり計算寿命の約1/2程度
であった。比較例2,3共に浸炭パターンはAであり実
施例1〜7と同様であったが、硬化層深さZ0 /Daが
1.5%と低いため、軌道面中央部での面圧が高くな
り、10個中10個において、100μmを超える圧痕
や内部起点はくりが混在していた。
【0038】比較例4に関しては、試験時間は61時間
と計算寿命の約1/2程度であった。比較例4の硬化層
深さZ0 /Daは2%と十分であったが、浸炭分布が通
常のクラウニング形状である状態に沿った形状(浸炭パ
ターン:B)になっているため、軌道面表面のビッカー
ス硬さは700であるものの、外輪の軌道面中央部では
凹状のために硬化層が薄くなっていた。そのため硬さが
低下する傾向にあるものが10個中3個あり、それらに
表面起点はくりが生じた。
【0039】以上に示した耐久試験結果により、実施例
1〜7の軸受が耐久性良好であることが判別できた。こ
れにより、軌道面に設けられる硬化層の必要深さが転動
体の平均外径の2〜4%であるとともに、最適な硬化層
の硬さ分布が軌道面形状に沿った形状であることが確認
できた。さらに、軌道面の硬化層表面のビッカース硬さ
を700〜850とするとともに、該硬化層表面の残留
オーステナイト量を20〜50%とすることが好適であ
ることが確認できた。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
記載のころ軸受によれば、内外輪における軌道面、及び
各転動体における転動面に、浸炭処理又は浸炭窒化処理
が施されてビッカース硬さが650以上である硬化層が
形成されており、軌道面における硬化層の深さが、転動
体の平均外径の2〜4%であるとともに、該硬化層の硬
さ分布が、軌道面形状に沿った形状である。したがっ
て、軌道面の表面に異物圧痕が発生し易い環境下におい
ても、100μmを超える異物圧痕の発生を確実に抑制
することができる。これにより、ころ軸受の長寿命化を
図ることができ、硬化層形成による早期はくり防止効果
を低コストで得ることができる。
【0041】また、本発明の請求項2に記載のころ軸受
によれば、軌道面の硬化層表面のビッカース硬さが70
0〜850であるとともに、該硬化層表面の残留オース
テナイト量が20〜50%である。したがって、100
μmを超える異物圧痕が発生した場合であっても、圧痕
による軸受性能の低下を緩和することができるととも
に、微小亀裂の伝播を抑制することができる。これによ
り、ころ軸受の更なる長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である円すいころ軸受の内
外輪及びころをそれぞれ示す要部断面図である。
【図2】図1の円すいころ軸受の内外輪の各軌道面にお
ける硬化層分布を示す拡大断面図である。
【図3】従来のころ軸受を示し、(a)は内外輪及びこ
ろを組み付けた状態を示す縦断面図、(b)はころの外
径形状を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
10 円すいころ軸受 11 内輪 12 外輪 13 軌道面(内輪) 13a 軌道面中央部(内輪) 13b 軌道面両端部(内輪) 14 軌道面(外輪) 14a 軌道面中央部(外輪) 14b 軌道面両端部(外輪) 15 転動体 15a 転動面 16 硬化層 Z0 硬化層の深さ Da 転動体平均外径

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内外輪における各軌道面の中央部が、一
    定曲率半径を有する第一母線により凹状に形成されると
    ともに、前記内外輪における各軌道面の両端部が、一定
    曲率半径を有する第二母線により凸状に形成されてお
    り、更に各転動体における転動面が、一定曲率半径を有
    する第三母線形状により単一円弧の凸状に形成されたこ
    ろ軸受において、 前記内外輪における軌道面、及び前記各転動体における
    転動面に、浸炭処理又は浸炭窒化処理が施されてビッカ
    ース硬さが650以上である硬化層が形成されており、
    前記軌道面における硬化層の深さが、前記転動体の平均
    外径の2〜4%であるとともに、該硬化層の硬さ分布
    が、前記軌道面形状に沿った形状であることを特徴とす
    るころ軸受。
  2. 【請求項2】 前記軌道面の硬化層表面のビッカース硬
    さが700〜850であるとともに、該硬化層表面の残
    留オーステナイト量が20〜50%であることを特徴と
    する請求項1記載のころ軸受。
JP2001387828A 2001-12-20 2001-12-20 ころ軸受 Pending JP2003184870A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001387828A JP2003184870A (ja) 2001-12-20 2001-12-20 ころ軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001387828A JP2003184870A (ja) 2001-12-20 2001-12-20 ころ軸受

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003184870A true JP2003184870A (ja) 2003-07-03

Family

ID=27596540

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001387828A Pending JP2003184870A (ja) 2001-12-20 2001-12-20 ころ軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003184870A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009037959A1 (ja) * 2007-09-18 2009-03-26 Ntn Corporation 円すいころ軸受

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009037959A1 (ja) * 2007-09-18 2009-03-26 Ntn Corporation 円すいころ軸受
US8439574B2 (en) 2007-09-18 2013-05-14 Ntn Corporation Tapered roller bearing

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7090405B2 (en) Tapered roller bearings and gear shaft support devices
US8322931B2 (en) Rotation support apparatus
US9593718B2 (en) Multipoint contact ball bearing
WO2018151209A1 (ja) 円すいころ軸受
US7841773B2 (en) Tapered roller bearing
CN111919040A (zh) 锥形滚柱轴承
EP1249623B1 (en) Tapered roller bearing
KR20180091021A (ko) 베어링용 축 및 베어링
JP5612912B2 (ja) 深みぞ玉軸受
JP2023155324A (ja) 円すいころ軸受
WO2019065753A1 (ja) 円錐ころ軸受
JP2019066040A (ja) 円錐ころ軸受
JP2003184870A (ja) ころ軸受
JP7449059B2 (ja) 円すいころ軸受
WO2004092603A1 (ja) ベルト式無段変速機用ころ軸受
JP2006342904A (ja) ピニオンシャフト及びプラネタリギヤ装置
WO2018181174A1 (ja) 円錐ころ軸受
JP2006112559A (ja) 円すいころ軸受
JP7394939B2 (ja) 円すいころ軸受
JP2002323049A (ja) 転がり軸受
JPH1089350A (ja) スラスト玉軸受
JP2003343577A (ja) 転がり軸受、これを用いたベルト式無段変速機
JP2009174691A (ja) トランスミッション用玉軸受
JP4269583B2 (ja) 転がり軸受、これを用いたベルト式無段変速機
JP2003097568A (ja) 回転部材用支持軸