JP2003184509A - タービン用高温部品への固有識別符号付与方法、その方法により固有識別符号が付与されたタービン用高温部品及びそのタービン用高温部品を備えたタービン - Google Patents

タービン用高温部品への固有識別符号付与方法、その方法により固有識別符号が付与されたタービン用高温部品及びそのタービン用高温部品を備えたタービン

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JP2003184509A JP2001378504A JP2001378504A JP2003184509A JP 2003184509 A JP2003184509 A JP 2003184509A JP 2001378504 A JP2001378504 A JP 2001378504A JP 2001378504 A JP2001378504 A JP 2001378504A JP 2003184509 A JP2003184509 A JP 2003184509A
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慶一 守屋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動読みとりが容易で耐熱性に優れた固有識
別符号をタービン用高温部品へ付与する方法、その方法
により固有識別符号が付与されたタービン用高温部品及
びそのタービン用高温部品を備えたタービンを提供する
ことを課題とする。 【解決手段】 ろう型模型10は、精密鋳造された後の
動翼と同一の外観形状を有している。プレート11はろ
う型模型10と同一のろう材からなり、その片面には、
バーコード12が凹凸形状をなして設けられ、ろう型模
型10のシャンク部13に接着剤により貼付される。プ
レート11が貼付されたろう型模型10に基づいて、雌
型が製作され、プレート11が貼付されたろう型模型1
0の外観形状が転写される。雌型を加熱するとろう型模
型10及びプレート11が溶けて脱ろうし、雌型の内部
には製品となる動翼の形状の空間が形成される。その
後、溶融金属が注入されバーコード12の凹凸形状を有
する動翼が成形される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガスタービンや
蒸気タービン等のタービンに用いられるタービン用高温
部品へのバーコード付与方法、その方法によりバーコー
ドが付与されたタービン用部品及びそのタービン用部品
を備えたタービンに関する。
【0002】
【従来の技術】高温下に曝されながら使用されるタービ
ン用高温部品において、部品管理を容易にするため、従
来から英数字の固有識別符号を付していた。図6に示さ
れるように、例えばガスタービン用の動翼1において、
そのシャンク部2の側面3の破線で示される範囲4に、
製造時期、製造メーカー、製品通し番号等の固有識別符
号5を刻印していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、タービ
ン用部品の管理のために、固有識別符号5を表す英数字
の刻印を作業者が読みとり記録するのでは誤読や書き間
違いが生じる。また、英数字は比較的形状が複雑なた
め、刻印が浅くなりがちで自動読み取り装置による読み
取りに適していない。一方、ガスタービンの動翼や静翼
等のタービン用高温部品は、ガスタービン使用中に高温
に曝されるだけでなく、製作時や使用途中の点検時にお
いても、1000℃以上の高温による熱処理が行われて
いるので、タービン用高温部品には耐熱性にすぐれた固
有識別符号が付与される必要がある。
【0004】この発明は、このような課題を解決するた
めになされたもので、自動読みとりが容易で耐熱性に優
れた固有識別符号をタービン用高温部品へ付与する方
法、その方法により固有識別符号が付与されたタービン
用高温部品及びそのタービン用高温部品を備えたタービ
ンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に記
載のタービン用高温部品への固有識別符号付与方法は、
タービン用高温部品が精密鋳造により製造される際に使
用される雄型に、固有識別符号としてのバーコードを表
す凹凸形状を有する第1の部材を取り付け、雄型に基づ
いて製作された雌型に溶融金属が注入されてタービン用
高温部品が形成される際に、第1の部材のバーコードを
表す凹凸形状がタービン用高温部品に転写されることを
特徴とするものである。この発明の請求項2に記載のタ
ービン用高温部品への固有識別符号付与方法は、タービ
ン用高温部品の表面に、放電加工により固有識別符号と
してのバーコードを表す凹凸形状が形成されることを特
徴とするものである。この発明の請求項3に記載のター
ビン用高温部品への固有識別符号付与方法は、タービン
用高温部品に、固有識別符号としてのバーコードを表す
凹凸形状を有する第2の部材を、タービン用高温部品製
造の際の熱処理時に、取り付けることを特徴とするもの
である。この発明の請求項4に記載のタービン用高温部
品への固有識別符号付与方法は、粉末金属とバインダー
とを含む第3の部材をタービン用高温部品上に配置し、
第3の部材をレーザーにより、固有識別符号としてのバ
ーコードを表す凹凸形状を有するように溶融してタービ
ン用高温部品に定着させ、第3の部材のうちレーザーに
より溶融しない非溶融部を溶剤により除去することによ
り、バーコードを表す凹凸形状が形成されることを特徴
とするものである。この発明の請求項5に記載のタービ
ン用高温部品は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の
方法によりバーコードが付与されたものである。この発
明の請求項6に記載のタービンは、請求項5に記載のタ
ービン用高温部品を備えたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態を
図面に基づいて説明する。 実施の形態1.この実施の形態に係るタービン用高温部
品への固有識別符号付与方法は、精密鋳造されるタービ
ン用高温部品に適用されるもので、精密鋳造される工程
中において固有識別符号を付与するものである。図1に
は、タービン用高温部品の一つであるガスタービン用動
翼がロストワックス法により精密鋳造される工程におい
て使用される雄型であるろう型模型10及びプレート1
1が示されている。ろう型模型10は、精密鋳造された
後の動翼と同一の外観形状を有している。プレート11
は平板状であって、その片面には、固有識別符号とし
て、製造時期、製造メーカー、製品通し番号を示すバー
コード12が凹凸形状をなして形成されている。すなわ
ち、プレート11は、固有識別符号としてのバーコード
12を表す凹凸形状を有する第1の部材を構成してい
る。また、プレート11は、ろう型模型10と同一のろ
う材からなり、ろう型模型10のシャンク部13の側面
14の図中破線で示す部分15に接着剤により貼付され
る。
【0007】プレート11が貼付されたろう型模型10
に基づいて、耐火物から構成される雌型が製作される。
この雌型は、内部に、プレート11が貼付されたろう型
模型10の外観形状が転写されている。続いて、雌型を
加熱すると、ろう型模型10及びプレート11が共に溶
けて脱ろうし、雌型の内部には製品となる動翼の形状の
空間が形成される。この雌型に動翼の材料となる金属を
溶融させた状態で注入し、凝固させると、シャンク部1
3にバーコード12の凹凸形状を有する動翼が成形され
る。
【0008】このように、バーコード12が動翼に付与
されるので自動読みとりが容易となり部品管理が効率化
される。また、バーコード12の形状は動翼と同じ材料
で製造されるため、高温下での使用及び製造中の熱処理
過程においても、優れた耐熱性を有することになる。さ
らに、精密鋳造工程で動翼と同時に形成されるので、部
品管理のための刻印を別工程で行う必要がない。
【0009】実施の形態2.この実施の形態に係るター
ビン用高温部品への固有識別符号付与方法は、鋳造され
たタービン用動翼の鋳肌面に、すなわち動翼の非機械加
工面に、放電加工によりバーコードを付与するものであ
る。図2に示されるように、鋳造後の動翼20のシャン
ク部21の側面22には、電極24が配置され、電源2
3の正極に接続されている。また、電源23の負極は動
翼20に接続されている。電極24は、図示しない放電
加工装置本体により制御されている。
【0010】電極24は、図3に詳細に示されるよう
に、厚みが異なるそれぞれ2種類の導電板25a,25
b及びスペーサ26a,26bを備えている。導電板2
5a,25bは、ともに平板状であって導電材料から構
成されると共に、導電板25aの厚みt1が導電板25
bの厚みt2に比べ大きく、t1>t2の関係を有して
いる。一方、スペーサ26a,26bは、ともに平板状
であって絶縁材料から構成されると共に、スペーサ26
aの厚みt3はスペーサ26bの厚みt4に比べ小さ
く、t3<t4の関係を有している。導電板25aの厚
みt1とスペーサ26bの厚みt4との和は、導電板2
5bの厚みt2とスペーサ26aの厚みt3との和に一
致し、t1+t4=t2+t3の関係を有している。電
極24は、導電板25a及びスペーサ26b、導電板2
5b及びスペーサ26aがそれぞれ対になって積層され
ている。
【0011】また、導電板25a,25bのそれぞれの
底面27a,27bは、シャンク部21の側面22に対
して、放電加工装置本体の制御により一定の放電間隙が
維持されるように構成されている。放電加工装置本体の
制御により放電加工が開始されると、導電板25a,2
5bの底面27a,27bとこれらに対向するシャンク
部21の側面22との間で火花放電が起こり、側面22
には、導電板25a,25bの底面27a,27bの大
きさに対応した範囲で凹部が形成される。これにより、
シャンク部21の側面22には固有識別符号を表すバー
コードの形状が形成される。
【0012】このように、実施の形態1と同様に、バー
コードが動翼に付与されるので自動読みとりが容易とな
り部品管理が効率化される。放電加工を用いてバーコー
ドを形成するので、硬い材料のタービン用高温部品でも
容易にバーコードを付与することができる。
【0013】実施の形態3.この実施の形態に係るター
ビン用高温部品への固有識別符号付与方法は、タービン
用動翼の製造工程において行われる溶体化熱処理時に、
固有識別符号を表すバーコードの形状を有するプレート
を動翼の表面に焼き付けるものである。図4に示される
ように、平板状のプレート31の片面には、固有識別符
号を表すバーコード32を表す凹凸形状が形成されてい
る。すなわち、プレート31は固有識別符号としてのバ
ーコードを表す凹凸形状を有する第2の部材を構成す
る。また、プレート31は、動翼30と同一の材料から
なる。動翼30に対する溶体化熱処理が行われる前に、
動翼30のシャンク部33の側面34の図中破線で示す
部分35に、プレート31をろう付けにより固定する。
その後、溶体化熱処理が行われると、プレート31が動
翼30に焼き付けられる。
【0014】このように、実施の形態1と同様に、バー
コードが動翼に付与されるので自動読みとりが容易とな
り部品管理が効率化される。また、プレート31が動翼
30と同じ材料で製造されるため、高温下での使用及び
製造中の熱処理過程においても、優れた耐熱性を有す
る。さらに、動翼30を製造する際の熱処理時に、動翼
30と同時に形成されるので、部品管理のための刻印を
別工程で行う必要がない。
【0015】なお、上述した実施の形態では溶体化熱処
理を行う際に同時にプレート31が動翼30に焼き付け
られるが、動翼30を製造する際に行われる熱処理であ
れば、溶体化熱処理に限定されるわけではなく、例え
ば、HIP法(熱間等静圧圧縮成形法)による熱処理が
行われるのであれば、その際に同時にプレート31を動
翼30に焼き付けてもよい。
【0016】実施の形態4.この実施の形態に係るター
ビン用高温部品への固有識別符号付与方法は、例えば、
タービン用動翼に、粉末合金及びバインダを含むシート
をレーザーにより加工してバーコードを付与するもので
ある。図5に示されるように、動翼40のシャンク部4
1の側面42には、例えば動翼40と同一材料からなる
粉末合金とバインダーとを含む混合物からなる平板状で
あって、第3の部材を構成するシート43を置く。レー
ザー44によりシート43にレーザー光が照射され、バ
ーコードの凹凸形状を形成するように、粉末合金を溶融
させ定着させる。次に、シート43に溶剤をかけると、
溶融させなかった粉末合金の部分が溶剤により除去さ
れ、定着した粉末合金の部分が凸部を形成したバーコー
ドの凹凸形状が現れる。
【0017】このように、実施の形態1と同様に、バー
コードが動翼に付与されるので自動読みとりが容易とな
り部品管理が効率化される。
【0018】タービン用高温部品への固有識別符号付与
方法について、上述した実施の形態では、ガスタービン
用動翼を例に説明したが、高温下に曝されながら使用さ
れるタービン用高温部品であれば、ガスタービン用部品
に限定されるものではなく、蒸気タービン用高温部品で
もよい。また、タービン用動翼以外に適用できるタービ
ン用高温部品としては、例えば、タービン用静翼、燃焼
器及び分割環等がある。タービン用静翼の場合、上述し
た方法を用いて、例えばシュラウド外面にバーコードを
付与することができる。また、上述した実施の形態にお
いて、固有識別符号を表す英数字を上述した方法を用い
てバーコードと併記してもよい。
【0019】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1に記載
の発明によれば、精密鋳造により製造される際に使用さ
れる雄型に、固有識別符号としてのバーコードを表す凹
凸形状を有する部材を取り付けることにより、耐熱性に
優れたバーコードがタービン用高温部品に付与されるの
で自動読みとりが容易となる共に、バーコードが精密鋳
造工程でタービン用高温部品と同時に形成されるので、
部品管理のための刻印を別工程で行う必要がない。請求
項2に記載の発明によれば、放電加工により、固有識別
符号として耐熱性に優れたバーコードがタービン用高温
部品に付与されるので自動読みとりが容易となる共に、
硬い材料のタービン用高温部品でも容易にバーコードを
付与することができる。請求項3に記載の発明によれ
ば、タービン用高温部品製造の際の熱処理により、固有
識別符号として耐熱性に優れたバーコードがタービン用
高温部品に付与されるので自動読みとりが容易となる共
に、部品管理のための刻印を別工程で行う必要がない。
請求項4に記載の発明によれば、タービン用高温部品上
に配置された粉末金属とバインダーとを含む部材をレー
ザーにより溶融し、定着させ、非溶融部を溶剤により除
去して、耐熱性に優れたバーコードがタービン用高温部
品に付与されるので自動読みとりが容易となる。請求項
5に記載の発明によれば、バーコードがタービン用高温
部品に付与されるので、部品管理が効率化される。請求
項6に記載の発明によれば、タービンの構成部品にバー
コードが付与されているので、タービンの定期的な部品
交換作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るタービン用高
温部品への固有識別符号付与方法に用いられる動翼のろ
う型模型及びプレートの斜視図である。
【図2】 この発明の実施の形態2に係るタービン用高
温部品への固有識別符号付与方法に用いられる放電加工
を説明するための概念図である。
【図3】 図2に示される電極の斜視図である。
【図4】 この発明の実施の形態3に係るタービン用高
温部品への固有識別符号付与方法に用いられる動翼及び
プレートの斜視図である。
【図5】 この発明の実施の形態4に係るタービン用高
温部品への固有識別符号付与方法に用いられるレーザー
加工を説明するための概念図である。
【図6】 従来の固有識別符号が付与されたタービン用
高温部品の斜視図である。
【符号の説明】
10…雄型としてのろう型模型、20,30,40…動
翼、11…第1の部材としてのプレート、31…第2の
部材としてのプレート、43…第3の部材としてのシー
ト、44…レーザー。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02C 7/00 F02C 7/00 A D

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タービン用高温部品に固有識別符号を付
    与する方法であって、 タービン用高温部品が精密鋳造により製造される際に使
    用される雄型に、固有識別符号としてのバーコードを表
    す凹凸形状を有する第1の部材を取り付け、 前記雄型に基づいて製作された雌型に溶融金属が注入さ
    れて前記タービン用高温部品が形成される際に、前記第
    1の部材の前記バーコードを表す前記凹凸形状が前記タ
    ービン用高温部品に転写されることを特徴とするタービ
    ン用高温部品への固有識別符号付与方法。
  2. 【請求項2】 タービン用高温部品に固有識別符号を付
    与する方法であって、 タービン用高温部品の表面に、放電加工により固有識別
    符号としてのバーコードを表す凹凸形状が形成されるこ
    とを特徴とするタービン用高温部品への固有識別符号付
    与方法。
  3. 【請求項3】 タービン用高温部品に固有識別符号を付
    与する方法であって、 タービン用高温部品に、固有識別符号としてのバーコー
    ドを表す凹凸形状を有する第2の部材を、タービン用高
    温部品製造の際の熱処理時に、取り付けることを特徴と
    するタービン用高温部品への固有識別符号付与方法。
  4. 【請求項4】 タービン用高温部品に固有識別符号を付
    与する方法であって、 粉末金属とバインダーとを含む第3の部材をタービン用
    高温部品上に配置し、 前記第3の部材をレーザーにより、固有識別符号として
    のバーコードを表す凹凸形状を有するように溶融して前
    記タービン用高温部品に定着させ、 前記第3の部材のうち前記レーザーにより溶融しない非
    溶融部を溶剤により除去することにより、前記バーコー
    ドを表す前記凹凸形状が形成されることを特徴とするタ
    ービン用高温部品への固有識別符号付与方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の方
    法により前記バーコードが付与されたタービン用高温部
    品。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のタービン用高温部品を
    備えたタービン。
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