JP2003182388A - 紐付きキャップ - Google Patents

紐付きキャップ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体の静電気を衝撃を感じずに車両側に放電
し、かつ2次火花放電を防止できる紐付きキャップを提
供する。 【解決手段】 キャップ21のキャップ本体21aに環
状溝21dが形成される。長尺状の連結部材23は、一
体形成されるリング部23aを有し、リング部23aが
環状溝21dに嵌合されることによってキャップ21に
連結される。キャップ21と連結部材23は導電性樹脂
により形成されるとともに、キャップから車両にいたる
までの表面抵抗を1×1012Ω以上、かつ5.30×
1012Ω以下とすることで、キャップに接触したと
き、人体の静電気がキャップ車両側に放電されるととも
に、人体に衝撃を与えない。また残留帯電量も2次火花
放電を引き起こすことなく低下する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長尺状の連結部材
の一端をキャップに連結してなる紐付きキャップに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の燃料タンクでは、給油
時におけるキャップの紛失を防止するために、キャップ
を長尺状の連結部材により車両に連結することが行われ
ており、従来このような紐付きキャップとして、例え
ば、特開平3−295723号公報、特開昭62−17
3321号公報等に開示されるものが知られている。図
21は、特開平3−295723号公報に開示される紐
付きキャップを示すもので、この紐付きキャップでは、
固定部材1により、連結部材3の一端が、キャップ5の
ハンドル部5aに連結されている。
【0003】しかしながら、このような従来の紐付きキ
ャップでは、連結部材3をキャップのハンドル部5aに
連結しているため、部品点数が増大し、固定部材の構成
によっては組立に多大な工数が必要になるという問題が
あった。このような問題を解決するため開発されたの
が、米国特許5720409開示の紐付きキャップであ
る。
【0004】図22は、この紐付きキャップを示すもの
で、この紐付きキャップは、連結部材13を可撓性を有
する樹脂により形成するとともに、一端にリング部13
aを一体形成し、リング部13aの内周に一体形成され
る嵌合部13bを、キャップ11の外周に形成される環
状溝11dに回動自在に嵌合して構成されている。この
紐付きキャップでは、キャップ11に形成される環状溝
11dに連結部材13のリング部13aを嵌挿するよう
にしたので、ハンドル部11bを摘んでキャップ11を
回動するときに連結部材13が邪魔になることがなくな
る。また、連結部材13のリング部13aにキャップ1
1を挿入すると、リング部13aの内周の嵌合部13b
が弾性的に変形される。この状態でキャップ11を環状
溝11dまで押し込むと、嵌合部13bが元の状態に復
元し、環状溝11dに嵌合されるため、組立工数を従来
より大幅に低減することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の紐付きキャップでは、静電気対策が施されてい
ないため、燃料タンクからキャップをはずす際、人体に
帯電した静電気がキャップに接触した手等より放電され
ることにより、火花放電が生じるおそれがある。この火
花放電を解決するために、例えば紐付きキャップを導電
性材料で構成し、静電気を車両側に放電することが考え
られる。導電性材料は、例えば導電性樹脂で構成するこ
とができるが、これに混合する導電性材料の配合で、以
下のような問題が生じる恐れがある。
【0006】すなわち、導電性材料の配合が極端に少な
いと、通電がしにくくなり、静電気の放電が完全に行わ
れず、残りの静電気で2次火花放電を引き起こすことが
ある一方、配合が極端に多いと通電がしやすくなるが、
キャップに接触した瞬間に大きな衝撃を受けることが生
じる。本発明は、かかる従来の問題点を解決するために
なされたもので、人体に衝撃を与えることなく静電気の
放電が行え、かつ2次火花放電の発生を確実に防止する
紐付きキャップを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
第一の導電性樹脂より形成されるキャッピング部材と、
第二の導電性樹脂により形成され、可撓性を有する長尺
状の連結部材と、第三の導電性樹脂より形成され、前記
連結部材の一端を前記キャッピング部材に締結するため
の締結部材とからなり、前記キャッピング部材の他端を
車両に連結して使用される紐付きキャップにおいて、前
記第一の導電性樹脂、前記第二の導電性樹脂および前記
第三の導電性樹脂は、前記キャッピング部材から前記車
両に至るまでの表面抵抗が1×1012Ω以上、5.3
0×1012Ω以下になるように構成されているものと
した。
【0008】請求項2記載の発明は、第一の導電性樹脂
より形成されるキャッピング部材と、該キャッピング部
材の外周に嵌合されるリング部材と、第二の導電性樹脂
により形成され、可撓性を有する長尺状の連結部材と、
第三の導電性樹脂より形成され、前記連結部材の一端を
前記リング部材に締結するための締結部材とからなり、
前記リング部材は第四の導電性樹脂より形成され、前記
連結部材の他端を車両に連結して使用される紐付きキャ
ップにおいて、前記第一の導電性樹脂、前記第二の導電
性樹脂、前記第三の導電性樹脂および前記第四の導電性
樹脂は、前記キャッピング部材から前記車両に至るまで
の表面抵抗が1×1012Ω以上、5.30×1012
Ω以下になるように構成されているものとした。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の発明において、すべての導電性樹脂が絶縁性ポリ
マーと、炭素粉末、炭素繊維または金属繊維のうちの一
つとの混合から構成されるものとした。請求項4記載の
発明は、請求項3記載の発明において、連結部材を構成
する第二の導電性樹脂中の絶縁性ポリマーを、ハードセ
グメントとソフトセグメントのブロック共重合体からな
る構成とし、ソフトセグメントはポリエーテル成分を含
有するものとした。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項3または4
記載の発明において、前記キャッピング部材を構成する
第一の導電性樹脂と前記連結部材を構成する第二の導電
性樹脂は、絶縁性ポリマーと炭素粉末の混合体で構成さ
れ、炭素粉末の含有量は、前記第一の導電性樹脂では重
量比として4%から9%、前記第二の導電性樹脂では重
量比として3%から5%の範囲内とし、かつ前記第一の
導電性樹脂の含有量が9%、前記第二の導電性樹脂の含
有量が5%の組み合わせおよび、前記第一の導電性樹脂
の含有量が4から5%、前記第二の導電性樹脂の含有量
が3%から4%の範囲内の組み合わせを含まないように
したものとした。
【0011】請求項6記載の発明は、第一の導電性樹脂
より形成されるキャッピング部材と、第二の導電性樹脂
により形成され、可撓性を有する長尺状の連結部材と、
第三の導電性樹脂より形成され、前記連結部材の一端を
前記キャッピング部材に締結するための締結部材とから
なり、前記第一の導電性樹脂、第二の導電性樹脂、第三
の導電性樹脂は、絶縁性ポリマーおよび、炭素粉末、炭
素繊維または金属繊維のうちの一つとの混合から構成さ
れ、前記第二の導電性樹脂の絶縁性ポリマーは、ハード
セグメントとソフトセグメントのブロック共重合体の絶
縁性ポリマーで構成され、該ソフトセグメントはポリエ
ーテル成分を含有するものとした。
【0012】請求項7記載の発明は、第一の導電性樹脂
より形成されるキャッピング部材と、該キャッピング部
材の外周に嵌合されるリング部材と、第二の導電性樹脂
により形成され、可撓性を有する長尺状の連結部材と、
第三の導電性樹脂より形成され、前記連結部材の一端を
前記リング部材に締結するための締結部材とからなり、
前記リング部材は第四の導電性樹脂より形成され、前記
第一の導電性樹脂、第二の導電性樹脂、第三の導電性樹
脂および前記第四の導電性樹脂は、絶縁性ポリマーおよ
び、炭素粉末、炭素繊維または金属繊維のうちの一つと
の混合から構成され、前記第二の導電性樹脂の絶縁性ポ
リマーは、ハードセグメントとソフトセグメントのブロ
ック共重合体の絶縁性ポリマーで構成され、該ソフトセ
グメントはポリエーテル成分を含有するものとした。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明では、キャッピング部材と
長尺状の連結部材を締結部材で連結し、それぞれ第一の
導電性樹脂、第二の導電性樹脂及び第三の導電性樹脂に
より形成されるから、紐付きキャップを車体と同電位に
保つことができる。第一の導電性樹脂と第二の導電性樹
脂は、キャッピング部材から車両に至るまでの表面抵抗
が1×1012Ω以上、5.30×1012Ω以下にな
るように構成されているから、キャッピング部材に接触
し、人体に帯電した静電気が車両側に放電されるとき、
手や指などに放電の衝撃を与えることが生じない。また
放電後の残留帯電量は火花放電の限界値以下になるの
で、2次火花放電も生じなくなる。また、キャッピング
部材を開閉するとき、キャッピング部材と連結部材が連
結するところで相対運動をするから、連結部材の変形を
小さく抑え、キャッピング部材の開閉を円滑に行える効
果も得られる。
【0014】請求項2記載の発明では、キャッピング部
材の外周にリング部材が嵌合され、リング部材と長尺状
の連結部材とは締結部材によって連結され、各部材がそ
れぞれ第一の導電性樹脂、第二の導電性樹脂、第三の導
電性樹脂および第四の導電性樹脂で形成されるから、紐
付きキャップを車体と同電位に保つことができる。第一
の導電性樹脂、第二の導電性樹脂、第三の導電性樹脂お
よび第四の導電性樹脂は、キャッピング部材から車両に
至るまでの表面抵抗が1×1012Ω以上、5.30×
1012Ω以下になるように構成されているから、上記
発明と同じように静電気放電するとき、人体に衝撃を与
えないとともに、残留帯電量による2次火花放電を引き
起こさない効果が得られる。また、リング部材に対して
キャッピング部材を自在に回動できるから、キャッピン
グ部材を開閉するとき、連結部材の変形を小さく抑え、
開閉を円滑に行える効果が得られる。
【0015】請求項3記載の発明では、導電性樹脂とし
て、絶縁性のポリマーに炭素粉末、炭素繊維または金属
繊維を混入して形成するようにしたので、所定の表面抵
抗を得つつ、連結部材の強度を増大することができる。
請求項4記載の発明では、連結部材を形成する絶縁性ポ
リマーとして、ポリエーテル成分を含有するソフトセグ
メントとハードセグメントのブロック共重合体からなる
ものを用いることによって、所定の表面抵抗を得つつ、
低温時にも高屈曲性が得られ、キャッピング部材の開閉
に伴って繰り返しの変形による疲労損傷が生じない効果
が得られる。
【0016】請求項5記載の発明では、第一の導電性樹
脂と第二の導電性樹脂における炭素粉末の含有量をそれ
ぞれ第一の導電性樹脂では重量比として4%から9%、
第二の導電性樹脂では重量比として3%から5%の範囲
内とし、かつ第一の導電性樹脂の含有量が9%、第二の
導電性樹脂の含有量が5%の組み合わせおよび、第一の
導電性樹脂の含有量が4から5%、第二の導電性樹脂の
含有量が3%から4%の範囲内の組み合わせを含まない
ようにしたから、キャッピング部材から車両に至るまで
の表面抵抗を1×1012Ω以上、5.30×1012
Ω以下にすることができる。
【0017】請求項6記載の発明では、各部材を構成す
る導電性樹脂は、絶縁性ポリマーに炭素粉末、炭素繊維
または金属繊維を混入して形成するようにしたので、部
材の強度を増大することができる。とくに連結部材を形
成する第二の導電性樹脂に、絶縁性ポリマーとして、ポ
リエーテル成分を含有するソフトセグメントとハードセ
グメントのブロック共重合体からなるものを用いること
によって、可撓性を有し、低温時にも高屈曲性を保ち、
キャッピング部材の開閉に伴って繰り返しの変形による
疲労損傷が生じない連結部材が得られる。
【0018】請求項7記載の発明では、請求項6と同じ
ように、各部材を構成する導電性樹脂は、絶縁性ポリマ
ーに炭素粉末、炭素繊維または金属繊維を混入して形成
するようにしたので、部材の強度を増大することができ
る。連結部材を構成する第二の導電性樹脂に、ハードセ
グメントとポリエーテル成分を含有するソフトセグメン
トのブロック共重合体の絶縁性ポリマーが用いられるか
ら、可撓性を有し、低温時にも十分な耐屈曲性を保ち、
キャッピング部材の開閉に伴って繰り返しての変形によ
る疲労損傷が生じない連結部材が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明の紐付
きキャップの第1の実施形態を示す。図1は側面図、図
2は上面図である。図において符号21は、自動車の燃
料タンク用のキャップを示している。このキャップ21
は、導電性樹脂からなり、キャップ本体21aの一側に
ハンドル部21bが、他側に螺子部21cが形成されて
いる。キャップ本体21aの外周には、環状溝21dが
形成されている。
【0020】符号23は、可撓性を有する導電性樹脂か
らなる長尺状の連結部材を示している。この連結部材2
3の一端には、円環状のリング部23aが一体形成され
ている。このリング部23aは、図3に示すように、そ
の横断面形状が逆V状とされ、内周側が嵌合部23bと
なっている。この嵌合部23bは、キャップ本体21a
の外周に形成される環状溝21dに回動自在に嵌合され
ている。なお、連結部材23の他端には、取付部23c
が一体形成され、この取付部23cには、車両への取り
付けを行う取付部材23dが形成されている。
【0021】上述した紐付きキャップでは、連結部材2
3のリング部23aにキャップ本体21aを挿入する
と、リング部23aの内周の嵌合部23bが弾性的に拡
径変形される。この拡径変形した状態でさらにキャップ
本体21aを環状溝21dまで押し込むと、嵌合部23
bが元の状態に復元し、環状溝21dに嵌合される。こ
のようにして構成された紐付きキャップは、例えば図4
に示すように、自動車25の車体27に、連結部材23
の他端に形成される取付部23cを、ピン29により回
動自在に固定して使用される。
【0022】この実施形態では、キャップ21および連
結部材23を形成する導電性樹脂は、可撓性を有する絶
縁性のポリマーに炭素粉末(カーボンブラック)を混入
して形成されている。混入する炭素粉末の含有量は、静
電気を帯電した人体がハンドル部21bに接触したと
き、手や指に衝撃を与えず、かつ残留帯電量として2次
火花放電を起こさないように決定される。この含有量を
決定するため、キャップ21および連結部材23のそれ
ぞれの含有量を変えて幾つの組み合わせで官能評価を実
施し、残留帯電量の測定を行った。
【0023】図5は連結部材23とキャップ21の炭素
粉末の含有量を変えて測定した表面抵抗と官能評価の結
果を示す図である。曲線a、b、c、dは、それぞれ連
結部材23の含有量(重量比)を3%、4%、5%、6
%とするときに、キャップ21の含有量を4%から9%
まで変えて測定した表面抵抗値である。官能評価は衝撃
を感じないA、小さく感じるB、強く感じるCの3レベ
ルで、含有量の各組み合わせについて実施した。その結
果、図5に示すように表面抵抗が10Ω以下の領域で
は、Cレベル(×)の強い衝撃を感じる。また、10
から1012Ωまでの領域では、Bレベル(Δ)にな
る。1012Ωより大きい領域だけは、衝撃を感じない
Aレベル(○)になる。したがって、衝撃を感じないた
めには、表面抵抗を1012Ωより大きくする必要があ
る。
【0024】一方表面抵抗が大きいと、静電気放電がし
難くなり放電後にも静電気が残る。この残留帯電量が大
きいと、2次火花放電の恐れが生じる。そこで、キャッ
プ21の含有量を4%、連結部材23の含有量を3%に
した組み合わせ1、キャップ21の含有量を5%、連結
部材23の含有量を4%にした組み合わせ2、キャップ
21の含有量を9%、連結部材23の含有量を6%にし
た組み合わせ3で放電の実験を行った。放電の条件は、
9.0kvの静電気を帯電させた人体がハンドル21b
に2秒間を接触することである。図6は、残留帯電量の
時間的変化を示す図である。曲線eは組み合わせ1、曲
線fは組み合わせ2、曲線gは組み合わせ3のそれぞれ
の残留帯電量を示す放電曲線である。
【0025】図6によれば、組み合わせ1、組み合わせ
2では、接触した0.4秒後、曲線e、fのように残留
帯電量が2.5kv、2.0kvで安定する。組み合わ
せ3は、曲線gのように、0.16秒後に残留帯電量が
0となっている。空気中で火花放電の限界電圧が2kv
であるため、2.0kvで安定する組み合わせ2の表面
抵抗以下にすれば、残留帯電量が2.0kv以下にな
り、2次火花放電が発生しなくなる。この組み合わせ2
の表面抵抗は5.30×1012Ωである。
【0026】図7は、炭素含有量と表面抵抗、残留帯電
量および官能評価をまとめて示す図である。キャップ2
1の炭素粉末の含有量が4%から5%、連結部材23の
炭素粉末の含有量が3%から4%の範囲内の組み合わせ
では、残留帯電量が2.0kv以上になるため、2次火
花放電の恐れがあり、含有量の組み合わせから除外す
る。一方連結部材23の含有量が6%、キャップ21の
含有量が4%から9%までの各組み合わせと、連結部材
23の含有量が5%、キャップ21の含有量が9%の組
み合わせでは、表面抵抗が1012Ω以下のため、ハン
ドル部21bに接触したとき、衝撃を与えるから、それ
らの組み合わせも用いない。
【0027】連結部材23の炭素粉末の含有量が3%か
ら4%、キャップ21の含有量が6%から9%、または
連結部材23の含有量が5%、キャップ21の炭素粉末
の含有量が4%から8%範囲内の各組み合わせは、静電
気放電時に人体に衝撃を与えず、また残留帯電量が2次
火花放電を引き起こさないから、これらを本実施形態の
キャップ21および連結部材23の炭素粉末の含有量の
範囲とする。
【0028】また炭素粉末と混合する絶縁性ポリマーと
しては、ナイロン66等のポリアミド、ポリアミドエラ
ストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー等
を用いることができる。とりわけ、連結部材23の形成
材料は高い耐屈曲性を有するものとしている。この耐屈
曲性を満たすポリマーの一例として、以下の構造をそれ
ぞれ有する、ハードセグメントとソフトセグメントとの
ブロック共重合体からなるポリエステルエラストマーが
望ましい(商品名「ハイトレル」、東レ・デュポン社
製)。本ブロック共重合体で注目すべき点はソフトセグ
メントがポリエーテル成分を含むことである。
【化1】
【0029】上記ハードセグメント及びソフトセグメン
トの基本構成として、エステル結合が用いられている
が、これに限らずアミド結合をハード、ソフト両セグメ
ントの基本構成として採用することができる。この場合
も、ソフトセグメントはポリエーテル成分を含むことが
望ましい。一般的に、炭素粉末を混入することにより、
可撓性ポリマーは硬くかつ脆くなる傾向があり、連結部
材にとっては好ましくないが、上記樹脂を採用すること
により、たとえ炭素粉末を混入しても、十分な耐屈曲性
を得ることができる。また、キャップ21および連結部
材23を形成する導電性樹脂は、同種のものであっても
良いし、異種のものを採用しても良い。
【0030】以上のように構成された紐付きキャップで
は、キャップ21および連結部材23を可撓性を有する
導電性樹脂により形成したので、キャップ21および連
結部材23に発生した静電気が連結部材23を通り車体
側に徐々に逃がされ、これによりキャップ21および連
結部材23に静電気が帯電することを容易、確実に防止
することができる。また、静電気を帯電した人体が、給
油時にキャップ21に触れることで、衝撃を感じずにキ
ャップを開く前に静電気を車体側へ逃がすことができ
る。また開けたキャップに再び接触しても2次火花放電
が生じない。
【0031】上述した紐付きキャップでは、キャップ本
体21aに形成される環状溝21dに連結部材23のリ
ング部23aを嵌挿して連結するようにしたので、ハン
ドル部21bを摘んで、キャップ21を回動する時に、
連結部材が邪魔にならず、またリング部23aに対して
キャップ21が自在に回動することができ、連結部材2
3が邪魔になることがない。連結部材は高い耐屈曲性を
有するから、キャップが何度開閉されても連結部材23
が疲労損傷することが生じない。
【0032】さらに、連結部材23のリング部23aに
キャップ本体21aを挿入すると、リング部23a内周
の嵌合部23bが弾性的に変形され、この状態でキャッ
プ本体21aを環状溝21dまで押し込むだけで、嵌合
部23bが元の状態に復元し、環状溝21dに嵌合され
るため、組立工数を従来より大幅に低減することができ
る。
【0033】また、上述した紐付きキャップでは、リン
グ部23aの断面をV字状にし、内周を嵌合部23bと
したので、連結部材をキャップに取り付ける際に嵌合部
23bの弾性変形を容易、確実に行わせることができ
る。本実施形態において、キャップ21はキャッピング
部材を構成し、キャップ21を形成する導電性樹脂は第
一の導電性樹脂を構成する。連結部材23を形成する導
電性樹脂は第二の導電性樹脂を構成する。
【0034】次に、第2の実施形態を説明する。この実
施形態は、連結部材を異なる構成としたものである。図
8は連結部材を示す上面図、図9は連結部材のリング部
を示す横断面図である。この実施形態では、連結部材3
1は、図8のように嵌合部がリング部31aから内方に
向けて所定角度を置いて突出する複数の突出部31bに
より形成されている。この連結部材31は第1の実施形
態の連結部材23と同じ含有量の炭素粉末が含まれる導
電性樹脂で形成される。
【0035】嵌合部としての突出部31bは、リング部
31aにキャップ本体21a(図1参照)を挿入する
と、挿入側と反対の方向に弾性変形され、このままでキ
ャップ本体21aを環状溝21dまで押し込むと、突出
部31bが元の状態に復元し、環状溝21dに嵌合され
る。キャップなど導電性樹脂の組成および炭素含有量を
含み、その他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0036】このようにキャップ21と連結部材の間の
表面抵抗は第1の実施例と同じようになるため、第1の
実施例と同じ効果が得られる。またこの実施形態では、
嵌合部をリング部31aから内方に向けて所定角度を置
いて突出する複数の突出部31bとしたので、第1の実
施形態と同様に嵌合部の弾性変形を容易、確実に行わせ
ることができる。連結部材31を形成する導電性樹脂は
第二の導電性樹脂を構成する。
【0037】次に、第3の実施形態を説明するこの実施
形態は、連結部材をさらに異なる構成としたものであ
る。図10は、第3の実施形態の側面図、図11は連結
部材のリング部の構成を示す横断面図である。連結部材
41のリング部41aに、キャップ21のキャップ本体
21aの外周の環状溝21dの近傍に突出する環状突部
41bが一体形成されている。環状突部41bと嵌合部
41cとは反対側に向けて突出して形成されている。嵌
合部41cを含む環状溝に対応する部分の横断面は矩形
(コ字形)となっている。
【0038】特に図示しないが、連結部材41の他端に
は第1の実施形態における連結部材23と同様に取付部
(23c)と取付部材(23d)が設けられている。連
結部材41は第1の実施形態の連結部材23と同じ含有
量の炭素粉末が含まれる導電性樹脂で形成される。キャ
ップなど導電性樹脂の組成および炭素含有量を含み、そ
の他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0039】この実施形態によっても、第1の実施形態
と同じように、衝撃を感じず静電気放電ができ、かつ放
電後に2次火花放電が生じない効果が得られる。また、
この紐付きキャップでは、キャップ21と連結部材41
との間に力が作用すると、環状突部41bがキャップ2
1の外周に当接し環状突部41bにより前記力が緩和さ
れ、嵌合部41cに作用する力が小さくなる。この結
果、嵌合部41cの弾性変形が小さくなり、嵌合部41
cの環状溝21dからの抜けが防止される。さらに、キ
ャップ21と連結部材41との間に作用する力が、環状
突部41bと嵌合部41cに分散されるため、キャップ
21の回転が滑らかになる効果が得られる。
【0040】なお、上述した第1の実施形態では、連結
部材23のリング部23aの横断面を略V字状にした例
について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定さ
れるものではなく、例えば、図12の(a)に示すよう
に、略U字状にしても良い。また、上述した第3の実施
形態では、連結部材41のリング部41aの断面を矩形
にした例について説明したが、本発明はかかる実施形態
に限定されるものではなく、例えば、図12の(b)に
示すように、嵌合部41cを含む環状溝に対応する部分
の横断面を略U字状にしても良い。連結部材41を形成
する導電性樹脂は第二の導電性樹脂を構成する。
【0041】次に、第4の実施形態を説明する。図13
は、第4の実施形態の構成を示す斜視図である。この実
施形態では、キャップ51のハンドル部51aに、連結
部材53の一端が、締結部材55を介して連結される。
キャップ51、連結部材53は第1の実施形態のキャッ
プ21および連結部材23と同じ含有量の炭素粉末が含
まれる導電性樹脂で形成され、締結部材55はキャップ
51と同じ導電性樹脂で形成される。
【0042】図14は、連結部材がハンドル部に締結さ
れている状態を示す断面図である。キャップ51のハン
ドル部51aには、締結部材55の先端に形成される係
止部55aを挿入するための取付穴51bが形成され、
段部51cを介して係止穴51dが形成されている。そ
して、締結部材55の係止部55aを連結部材53の一
端に形成される貫通穴53aに挿入した状態で、係止部
55aをハンドル部51aの取付穴51bに挿入するこ
とにより、連結部材53がハンドル部51aに締結され
る。その他の構成は第1の実施形態と同様である。連結
部材53の他端の構成も第1の実施形態と同じである。
【0043】本実施形態によっても、上記実施形態と同
じように、衝撃を感じずに静電気放電ができる。また、
残留帯電量による2次火花放電も生じない効果が得られ
る。また、この実施形態においてキャップ51がキャッ
ピング部材を構成し、キャップ51を形成する導電性樹
脂は第一の導電性樹脂を構成する。連結部材53を形成
する導電性樹脂は第二の導電性樹脂を構成する。締結部
材55を形成する導電性樹脂は第三の導電性樹脂を構成
する。
【0044】次に、第5の実施形態を説明する。図15
は、第5の実施形態の構成を示す斜視図である。この実
施形態では、第4の実施形態に対してキャップ51のハ
ンドル部51aに、締結部材51eが一体形成されてい
る点で異なる。このキャップ51は第1の実施形態のキ
ャップ21と同じ含有量の炭素粉末が含まれる導電性樹
脂で形成される。この実施形態では、締結部材51e
に、連結部材53の一端に形成される貫通穴53aを被
嵌した状態で、図16に示すように、締結部材51eの
先端を熱あるいは超音波により拡径し、カシメ部51f
を形成することにより、連結部材53がハンドル部51
aに締結される。
【0045】この実施形態では、第4の実施形態と同様
に、人体に衝撃を与えずに静電気放電ができるととも
に、2次火花放電を防止することができる。この実施形
態において、キャップ51はキャッピング部材を構成
し、キャップ51を形成する導電性樹脂は第一の導電性
樹脂を構成する。締結部材51eを形成する導電性樹脂
は第三の導電性樹脂を構成する。
【0046】次に、第6の実施形態を説明する。図17
は、第6の実施形態の構成を示す斜視図である。この実
施形態では、キャップ57のキャップ本体57aの外周
に、リング部材59が回動自在に嵌合されている。リン
グ部材59には、外方に突出する突出部59aが形成さ
れ、この突出部59aに取付穴59bが形成されてい
る。キャップ57は第1の実施形態のキャップ21と同
じ含有量の炭素粉末が含まれる導電性樹脂で形成され
る。リング部材59と締結部材61はキャップ57と同
じ導電性樹脂で形成される。
【0047】連結部材53とリング部材59の連結で
は、リベット状の締結部材61の先端部を、連結部材5
3の一端に形成される貫通穴53aに挿入した状態で、
締結部材61の先端部を、リング部材59の取付穴59
bに挿入し、図18に示すように締結部材61の先端部
を熱あるいは超音波により拡径し、カシメ部61aを形
成することにより、連結部材53がリング部材59に締
結される。その他の構成は第1の実施形態と同様であ
る。
【0048】この実施形態の紐付きキャップでは、上記
各実施形態と同じように、連結部材53、締結部材61
およびリング部材59は所定含有量の炭素粉末が含まれ
る導電性樹脂により形成されたので、人体に衝撃を与え
ずに静電気放電ができる。また、放電後に残留帯電量に
よる2次火花放電が生じない。本実施形態において、キ
ャップ57はキャッピング部材を構成し、キャップ57
を形成する導電性樹脂は第一の導電性樹脂を構成する。
連結部材53を形成する導電性樹脂は第二の導電性樹脂
を構成する。締結部材61を形成する導電性樹脂は第三
の導電性樹脂を構成する。リング部材を形成する導電性
樹脂は第四の導電性樹脂を構成する。
【0049】次に、第7の実施形態を説明する。図19
は、第7の実施形態の構成を示す斜視図である。この実
施形態では、第6の実施形態に対してリング部材59の
突出部59aに、締結部材59cが一体形成されている
点で異なる。このリング部材59はキャップ57と同じ
導電性樹脂で形成される。この実施形態では、締結部材
59cに、連結部材53の一端に形成される貫通穴53
aを被嵌した状態で、図20に示すように締結部材59
cの先端を熱あるいは超音波により拡径し、カシメ部5
9dを形成することにより、連結部材53がリング部材
59に締結される。
【0050】導電性樹脂の組成を含み、その他の構成は
第6の実施形態と同様である。この実施形態の紐付きキ
ャップにおいても、第6の実施形態と同様の効果を得る
ことができる。本実施形態において、締結部材59cを
形成する導電性樹脂は第三の導電性樹脂を構成する。リ
ング部材59を形成する導電性樹脂は第四の導電性樹脂
を構成する。
【0051】なお、上述した実施形態では、導電性樹脂
を絶縁性のポリマーに炭素粉末を混入して形成した例に
ついて説明したが、本発明はかかる実施形態に限定され
るものではなく、例えば、ステンレス繊維、銅繊維等の
金属繊椎、あるいは金属粉、炭素繊維等を混入して形成
しても良い。上記各実施形態では、本願の好ましい態様
について述べたが、本願の要旨を逸脱しない範囲で変
形、応用はもちろん可能である。
【0052】
【効果】以上述べたように、本発明の紐付きキャップで
は、キャッピング部材から車両に至るまでの表面抵抗
を、1×1012Ω以上、5.30×1012Ω以下の
範囲に設定するようにしたので、キャッピング部材を車
体と同電位に保つことができるとともに、キャッピング
部材に触れたとき、衝撃を感じずに人体に帯電した静電
気が連結部材を通り車体側に逃がされる。また残留帯電
量による2次火花放電の発生も防止することができる。
【0053】また、紐付きキャップの各部材を構成する
導電性樹脂は、絶縁性ポリマーに炭素粉末、炭素繊維ま
たは金属繊維を混入して形成したので、部材の強度を増
大することができる。特に連結部材を形成する第二導電
性樹脂に、絶縁性ポリマーとしてポリエーテル成分を含
有するソフトセグメントとハードセグメントのブロック
共重合体からなるものを用いることによって、連結部材
は可撓性を有し低温時にも高屈曲性を保ち、キャッピン
グ部材の開閉に伴って繰り返して変形しても疲労損傷が
生じないから、耐用年数の長いものになる。
【0054】また、キャッピング部材と連結部材の連結
は、キャッピング部材に環状溝を形成し、環状溝に連結
部材のリング部を嵌挿するように構成した場合は、キャ
ッビング部材の回動時に連結部材が邪魔になることがな
くなる。連結部材をキャッピング部材に装着する組立工
程では、連結部材のリング部にキャッピング部材を挿入
すれば、リング部の内周の嵌合部が弾性的に変形される
から、そのまま押し込めば、嵌合部が元の状態に復元し
環状溝に嵌合されるため、組立工数を従来より大幅に低
減することができる。
【0055】また、第一の導電性樹脂と第二の導電性樹
脂における炭素粉末の含有量をそれぞれ第一の導電性樹
脂では重量比として4%から9%、第二の導電性樹脂で
は重量比として3%から5%の範囲内とし、かつ第一の
導電性樹脂の含有量が9%、第二の導電性樹脂の含有量
が5%の組み合わせおよび、第一の導電性樹脂の含有量
が4から5%、第二の導電性樹脂の含有量が3%から4
%の範囲内の組み合わせを含まないようにしたことで、
キャッピング部材から車両に至るまでの表面抵抗を1×
1012Ω以上、5.30×1012Ω以下にすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の構成を示す側面図である。
【図2】第1の実施形態の構成を示す上面図である。
【図3】リング部の構成を示す横断面図である。
【図4】紐付きキャップを車体に配置した状態を示す斜
視図である。
【図5】連結部材とキャップの炭素粉末の含有量を変え
て測定した表面抵抗と官能評価の結果を示す図である。
【図6】残留帯電量の時間的変化を示す図である。
【図7】炭素含有量と表面抵抗、残留帯電量および官能
評価をまとめて示す図である。
【図8】第2の実施形態の構成を示す連結部材の上面図
である。
【図9】連結部材のリング部の構成を示す横断面図であ
る。
【図10】第3の実施形態の構成を示す側面図である。
【図11】連結部材のリング部の構成を示す横断面図で
ある。
【図12】環状溝に対応する部分の横断面の構成の他の
例を示す図である
【図13】第4の実施形態を示す斜視図である。
【図14】連結部材がハンドル部に締結されている状態
を示す断面図である。
【図15】第5の実施形態を示す斜視図である。
【図16】連結部材がハンドル部に締結されている状態
を示す断面図である。
【図17】第6の実施形態を示す斜視図である。
【図18】連結部材がリング部材に締結されている状態
を示す断面図である。
【図19】第7の実施形態を示す斜視図である。
【図20】連結部材がリング部材に締結されている状態
を示す断面図である。
【図21】従来の紐付きキャップを示す斜視図である。
【図22】他の従来の紐付きキャップを示す側面図であ
る。
【符号の説明】
1 固定部材 3 連結部材 5 キャップ 5a、11b ハンドル部 11d 環状溝 13 連結部材 13a リング部 13b 嵌合部 21、51、57 キャップ 21a、57a キャップ本体 21b ハンドル部 21c 螺子部 21d 環状溝 23、31、41、53 連結部材 23a、31a、41a リング部 23b、41c 嵌合部 23c 取付部 23d 取付部材 25 自動車 27 車体 29 ピン 31b 突出部 41b 環状突部 51a ハンドル部 51b 取付穴 51c 段部 51d 係止穴 51e 締結部材 51f カシメ部 53a 貫通穴 55 締結部材 55a 係止部 59 リング部材 59a 突出部 59b 取付穴 59c 締結部材 59d カシメ部 61 締結部材 61a カシメ部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年10月11日(2002.10.
11)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】 特開平3−295723号公報
【特許文献2】 特開昭62−173321号公報 一般に、自動車の燃料タンクでは、給油時におけるキャ
ップの紛失を防止するために、キャップを長尺状の連結
部材により車両に連結することが行われており、従来こ
のような紐付きキャップとして、例えば、特開平3−2
95723号公報、特開昭62−173321号公報等
に開示されるものが知られている。特開平3−2957
23号公報に開示される紐付きキャップでは、固定部材
により、連結部材の一端が、キャップのハンドル部に連
結されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】しかしながら、このような従来の紐付きキ
ャップでは、連結部材をキャップのハンドル部に連結し
ているため、部品点数が増大し、固定部材の構成によっ
ては組立に多大な工数が必要になるという問題があっ
た。このような問題を解決するため開発されたのが、米
国特許5720409開示の紐付きキャップである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】この紐付きキャップは、連結部材を可撓性
を有する樹脂により形成するとともに、一端にリング部
を一体形成し、リング部の内周に一体形成される嵌合部
を、キャップの外周に形成される環状溝に回動自在に嵌
合して構成されている。この紐付きキャップでは、キャ
ップに形成される環状溝に連結部材のリング部を嵌挿す
るようにしたので、ハンドル部を摘んでキャップを回動
するときに連結部材が邪魔になることがなくなる。ま
た、連結部材のリング部にキャップを挿入すると、リン
グ部の内周の嵌合部が弾性的に変形される。この状態で
キャップを環状溝まで押し込むと、嵌合部が元の状態に
復元し、環状溝に嵌合されるため、組立工数を従来より
大幅に低減することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】次に、第7の実施形態を説明する。図19
は、第7の実施形態の構成を示す斜視図である。この実
施形態では、第6の実施形態に対してリング部材59の
突出部59aに、締結部材59cが一体形成されている
点で異なる。このリング部材59はキャップ57と同じ
導電性樹脂で形成される。この実施形態では、締結部材
59cに、連結部材53の一端に形成される貫通穴53
aを被嵌した状態で、締結部材59cの先端を熱あるい
は超音波により拡径し、カシメ部とすることにより、連
結部材53がリング部材59に締結される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の構成を示す側面図である。
【図2】第1の実施形態の構成を示す上面図である。
【図3】リング部の構成を示す横断面図である。
【図4】紐付きキャップを車体に配置した状態を示す斜
視図である。
【図5】連結部材とキャップの炭素粉末の含有量を変え
て測定した表面抵抗と官能評価の結果を示す図である。
【図6】残留帯電量の時間的変化を示す図である。
【図7】炭素含有量と表面抵抗、残留帯電量および官能
評価をまとめて示す図である。
【図8】第2の実施形態の構成を示す連結部材の上面図
である。
【図9】連結部材のリング部の構成を示す横断面図であ
る。
【図10】第3の実施形態の構成を示す側面図である。
【図11】連結部材のリング部の構成を示す横断面図で
ある。
【図12】環状溝に対応する部分の横断面の構成の他の
例を示す図である。
【図13】第4の実施形態を示す斜視図である。
【図14】連結部材がハンドル部に締結されている状態
を示す断面図である。
【図15】第5の実施形態を示す斜視図である。
【図16】連結部材がハンドル部に締結されている状態
を示す断面図である。
【図17】第6の実施形態を示す斜視図である。
【図18】連結部材がリング部材に締結されている状態
を示す断面図である。
【図19】第7の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】 21、51、57 キャップ 21a、57a キャップ本体 21b ハンドル部 21c 螺子部 21d 環状溝 23、31、41、53 連結部材 23a、31a、41a リング部 23b、41c 嵌合部 23c 取付部 23d 取付部材 25 自動車 27 車体 29 ピン 31b 突出部 41b 環状突部 51a ハンドル部 51b 取付穴 51c 段部 51d 係止穴 51e 締結部材 51f カシメ部 53a 貫通穴 55 締結部材 55a 係止部 59 リング部材 59a 突出部 59b 取付穴 59c 締結部材 61 締結部材 61a カシメ部
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図20
【補正方法】削除
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図21
【補正方法】削除
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図22
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 朝倉 英一 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニックカンセイ株式会社内 Fターム(参考) 3D038 CB01 CC15 4J002 CF101 CL031 CL071 DA016 DA036 DA066 FA046 FD116 GN00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の導電性樹脂より形成されるキャッ
    ピング部材と、第二の導電性樹脂により形成され、可撓
    性を有する長尺状の連結部材と、第三の導電性樹脂より
    形成され、前記連結部材の一端を前記キャッピング部材
    に締結するための締結部材とからなり、前記連結部材の
    他端を車両に連結して使用される紐付きキャップにおい
    て、前記第一の導電性樹脂、前記第二の導電性樹脂およ
    び前記第三の導電性樹脂は、前記キャッピング部材から
    前記車両に至るまでの表面抵抗が1×1012Ω以上、
    5.30×1012Ω以下になるように構成されている
    ことを特徴とする紐付きキャップ。
  2. 【請求項2】 第一の導電性樹脂より形成されるキャッ
    ピング部材と、該キャッピング部材の外周に嵌合される
    リング部材と、第二の導電性樹脂により形成され、可撓
    性を有する長尺状の連結部材と、第三の導電性樹脂より
    形成され、前記連結部材の一端を前記リング部材に締結
    するための締結部材とからなり、前記リング部材は第四
    の導電性樹脂より形成され、前記連結部材の他端を車両
    に連結して使用される紐付きキャップにおいて、前記第
    一の導電性樹脂、前記第二の導電性樹脂、前記第三の導
    電性樹脂および前記第四の導電性樹脂は、前記キャッピ
    ング部材から前記車両に至るまでの表面抵抗が1×10
    12Ω以上、5.30×1012Ω以下になるように構
    成されていることを特徴とする紐付きキャップ。
  3. 【請求項3】 前記すべての導電性樹脂は、絶縁性のポ
    リマーと、炭素粉末、炭素繊維または金属繊維のうちの
    一つとの混合から構成されることを特徴とする請求項1
    または2記載の紐付きキャップ。
  4. 【請求項4】 前記連結部材を形成する前記第二の導電
    性樹脂は、その絶縁成分がハードセグメントとソフトセ
    グメントのブロック共重合体の絶縁性ポリマーで構成さ
    れ、該ソフトセグメントはポリエーテル成分を含有する
    ことを特徴とする請求項3記載の紐付きキャップ。
  5. 【請求項5】 前記キャッピング部材を構成する第一の
    導電性樹脂と前記連結部材を構成する第二の導電性樹脂
    は、絶縁性ポリマーと炭素粉末の混合体で構成され、炭
    素粉末の含有量は、前記第一の導電性樹脂では重量比と
    して4%から9%、前記第二の導電性樹脂では重量比と
    して3%から5%の範囲内とし、かつ前記第一の導電性
    樹脂の含有量が9%、前記第二の導電性樹脂の含有量が
    5%の組み合わせおよび、前記第一の導電性樹脂の含有
    量が4から5%、前記第二の導電性樹脂の含有量が3%
    から4%の範囲内の組み合わせを含まないようにした請
    求項3または4記載の紐付きキャップ。
  6. 【請求項6】 第一の導電性樹脂より形成されるキャッ
    ピング部材と、第二の導電性樹脂により形成され、可撓
    性を有する長尺状の連結部材と、第三の導電性樹脂より
    形成され、前記連結部材の一端を前記キャッピング部材
    に締結するための締結部材とからなり、前記第一の導電
    性樹脂、第二の導電性樹脂、第三の導電性樹脂は、絶縁
    性ポリマーおよび、炭素粉末、炭素繊維または金属繊維
    のうちの一つとの混合から構成され、前記第二の導電性
    樹脂の絶縁性ポリマーは、ハードセグメントとソフトセ
    グメントのブロック共重合体の絶縁性ポリマーで構成さ
    れ、該ソフトセグメントはポリエーテル成分を含有する
    ことを特徴とする紐付きキャップ。
  7. 【請求項7】 第一の導電性樹脂より形成されるキャッ
    ピング部材と、該キャッピング部材の外周に嵌合される
    リング部材と、第二の導電性樹脂により形成され、可撓
    性を有する長尺状の連結部材と、第三の導電性樹脂より
    形成され、前記連結部材の一端を前記リング部材に締結
    するための締結部材とからなり、前記リング部材は第四
    の導電性樹脂より形成され、前記第一の導電性樹脂、第
    二の導電性樹脂、第三の導電性樹脂および前記第四の導
    電性樹脂は、絶縁性ポリマーおよび、炭素粉末、炭素繊
    維または金属繊維のうちの一つとの混合から構成され、
    前記第二の導電性樹脂の絶縁性ポリマーは、ハードセグ
    メントとソフトセグメントのブロック共重合体の絶縁性
    ポリマーで構成され、該ソフトセグメントはポリエーテ
    ル成分を含有することを特徴とする紐付きキャップ。
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JP2008037221A (ja) * 2006-08-04 2008-02-21 Takehiko Oki ステアリングホイール

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