JP2003179018A - Cmp装置及びcmp装置による研磨方法 - Google Patents

Cmp装置及びcmp装置による研磨方法

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JP2003179018A
JP2003179018A JP2001377790A JP2001377790A JP2003179018A JP 2003179018 A JP2003179018 A JP 2003179018A JP 2001377790 A JP2001377790 A JP 2001377790A JP 2001377790 A JP2001377790 A JP 2001377790A JP 2003179018 A JP2003179018 A JP 2003179018A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体ウェーハなどの薄板状被研磨物の表面
に凹凸段差があっても、高集積化及び高性能化に対応す
るレベルにまで表面を平坦化できるようにする。 【解決手段】 ウォータジェットノズルハウジング19
の下部端面と半導体ウェーハ3上の凸部(図示せず)と
の間の距離Xを、スタントオフ値15〜30または12
0〜150となるようにスライダ20によって設定す
る。この位置で、半導体ウェーハ3の凸部上におけるウ
ォータジェット44のキャビテーション現象が最も活発
となり、半導体ウェーハ3の凸部がウォータジェット4
4の最大噴射エネルギで研磨される。このようにして、
ウォータジェット44によって半導体ウェーハ3の表面
層をほぼ平坦化した後に、通常のCMP処理によって半
導体ウェーハ3の表面層を均一に研磨することによっ
て、半導体ウェーハ3に凸部があっても高平坦化が実現
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラリー状の研磨
剤をパッド表面に供給して薄板状被研磨物の表面を研磨
する化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Poli
sh)装置及びCMP装置による研磨方法に関するもので
あり、より詳細には、半導体ウェーハやLCD用ガラス
板などの薄板状被研磨物の表面凸部を集中的に研磨した
後に、被研磨面に化学機械的な研磨処理を施すCMP装
置及びCMP装置による研磨方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体ウェーハなどに表面研
磨を行うためにはCMP装置が広く利用されている。こ
のCMP装置は、KOH水溶液などのアルカリ性溶液に
シリカやアルミナやセリアなどを懸濁した研磨液(以
下、スラリー状研磨剤と云う)を研磨パッドの表面に滴
下して、半導体ウェーハを研磨パッドに押し付けながら
相対運動させて化学機械的に半導体ウェーハの研磨を行
うものである。図13は、従来のCMP装置における研
磨ユニットの概略構成を示す断面図である。同図におい
て、研磨ユニット11は、回転機構を有する定盤1の上
に研磨パッド2が両面粘着テープなどで固定されてい
る。さらに、研磨パッド2の上部には、被研磨物である
半導体ウェーハ3を保持・押圧するための研磨ヘッド5
が設置されている。また、研磨ヘッド5の下面には、半
導体ウェーハ3を吸着保持するため及び緩衝材として吸
着フイルム10が固着されている。さらに、研磨ヘッド
5と共に半導体ウェーハ3を回転させるときに半導体ウ
ェーハ3が研磨ヘッド5から飛び出さないようにするた
めに、研磨ヘッド5の外周部にはリテーナリング7が具
備されている。
【0003】半導体ウェーハ3の研磨時には、研磨ヘッ
ド5及び定盤1をそれぞれ独立して回転させながら、研
磨ヘッド5をシリンダ6によって降下させる。そして、
半導体ウェーハ3が研磨パッド2に接した後に、さらに
加圧して半導体ウェーハ3を研磨加工する。さらに、研
磨加工時には、研磨剤供給ホース8によりスラリー状研
磨剤9を研磨パッド2上に供給する。スラリー状研磨剤
9はシリカ(SIO2)などの砥粒が懸濁された研磨溶
液である。したがって、この研磨溶液の化学機械的な研
磨作用によって半導体ウェーハ3の研磨を行う。このた
め、研磨屑や研磨溶液中のシリカの塊などによって荒れ
た研磨パッド2の表面をならすために、パッドコンディ
ショナ4が具備されている。パッドコンディショナ4
は、半導体ウェーハ3の研磨時や単独動作時において、
シリンダ6’によって研磨パッド2上を加圧・回転させ
ながら、研磨パッド2の表面に付着した研磨屑やシリカ
の塊などを除去してコンディショニングを行う。
【0004】ところで、半導体ウェーハ3の高集積化及
び高性能化が進むにつれて、半導体ウェーハ3の製造加
工が微細化されて行く。例えば、半導体製造の露光工程
において、解像可能な最小線幅が細くなる程その焦点深
度が浅くなって解像がし難くなるので、その分、半導体
ウェーハ3の面粗度の高平坦化が要求される。そのた
め、近年のように、配線パターンの最小線幅が0.18
μm程度にまで細くなると、CMP処理によって半導体
ウェーハの下地膜を極めて高いレベルで平坦化して、露
光工程におけるパターンを高精度に解像する必要があ
る。したがって、CMPによる研磨によって所望の高平
坦化表面を得る方法として、CMP装置のパラメータで
ある研磨ヘッド5の荷重や回転数、あるいは定盤1の回
転数などの最適化を図ったり、スラリー溶液の最適化を
図ったりしている。
【0005】また、絶縁膜にRIE(Reactive Ion Etch
ing)を用いて溝を形成し、その上に金属膜を成膜して溝
以外の部分に成膜された金属膜を除去して溝配線を行う
工程においても、高精度なCMP処理を行う必要があ
る。さらに、浅い溝による素子分離(STI:Shallow
Trench Isolation)の形成や、層間配線接続用のタング
ステンプラグの形成などにおいても、高精度なCMP処
理による高平坦化が必要となる。そのため、前述と同様
な方法によって高精度なCMP処理を行う必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、現在の
半導体製造プロセスにおいて、CMP処理は必要不可欠
な工程となってきている。しかしながら、高集積化及び
高性能化された次世代の半導体デバイスへ適用するため
には、現在のCMP処理技術ではまだ能力不足である。
例えば、半導体ウェーハの表面の平坦化技術において、
通常のCMP装置は、図13に示すように、定盤1の上
に研磨パッド2を張り付け、半導体ウェーハ3と研磨パ
ッド2との間にスラリー状研磨剤9を流し込みながら半
導体ウェーハ3の表面を研磨パッド2に擦り付けながら
研磨を行っている。
【0007】しかし、このようなCMPによる研磨方法
では、半導体ウェーハ3で平坦化を行いたい部分のみな
らず、既に平坦化されている部分や平坦化が終了した部
分にも多少の押圧がかかるために研磨が進行してしま
う。そのため、幅広パターンの表面に形成されるディッ
シング部分に部分的に過研磨現象が発生したり、微細パ
ターンの表面に形成される凸部に部分的に研磨残りが発
生したりするおそれがある。したがって、CMPによる
研磨仕上げのみでは、半導体ウェーハ3の表面を高集積
化及び高性能化に対応するレベルに高平坦化することが
できない。
【0008】図14は、半導体ウェーハの表面にCuメ
ッキ膜を成膜した状態を示す断面図である。つまり、図
14に示すように、Cuメッキ膜78は、層間絶縁膜7
2のある周辺部分に比べて、配線溝73が狭い入り口部
分において膜厚が厚くなり、幅広配線溝73aの入り口
部分において膜厚が薄くなってしまう。なお、この図に
おいては、TaNからなるバリアメタル74の上面に形
成されたシードPVD層のCu膜は、Cuメッキ膜78
と区別していないので表示されていない。また、図14
のように、配線溝73の入り口部分でCuメッキ膜78
の膜厚現象が生じたり、幅広配線溝73aの入り口部分
で膜厚が薄くなる現象が生じることは、例えば、Robert
D. Mikkola et.al. Proc. IEEE IITC p117, 2000など
の文献に報告されている。
【0009】通常、Cuメッキ膜78の埋め込み配線プ
ロセスにおいては、メッキ処理後に生じた余剰なCuメ
ッキ膜78をCMP処理によって除去している。図15
は、CMP処理によって余剰なCuメッキ膜を除去した
ときの半導体ウェーハの断面図であり、(a)はCMP
処理後に膜厚の厚い部分に研磨残が生じた状態を示し、
(b)はCMP処理後に膜厚の薄い部分にディッシング
現象が生じた状態を示ししている。つまり、図14に示
すような余剰のCuメッキ膜78をCMP処理によって
除去する場合、配線溝73が狭い部分の上部において研
磨前のCuメッキ膜78の膜厚が厚いと、図15(a)
に示すように、Cuメッキ膜78の膜厚の厚かった部分
はCMP処理を行ってもCu研磨残78aが発生するこ
とがある。また、図14の幅広配線溝73aの上部のよ
うに、Cuメッキ膜78の膜厚が薄い部分は、CMP処
理によるオーバーポリシュの時間が長くなるために、図
15(b)に示すように、幅広配線溝73aの部分が過
度に削り取られるディッシング(dishing)現象が発生
することがある。このようなディッシング現象が生じる
と配線抵抗が高くなってしまうなど、信頼性に不具合が
生じる。
【0010】つまり、CMPによる研磨仕上げのみで
は、半導体ウェーハの表面を高集積化及び高性能化に対
応するレベルにまで高平坦化することはできない。した
がって、半導体ウェーハの製造歩留りが低下し、次世代
半導体の開発を遅らせる要因ともなる。さらに、高平坦
化を実現するために、従来の研磨方法では、被研磨膜の
凸部をステッパで露光してドライエッチングなどによっ
て凸部領域をえぐり貫いた後にCMP処理を行ったり、
凹部にダミーパターンを形成して凹凸段差を強制的に緩
和してからCMP処理を行ったりしている。しかし、こ
のような研磨方法では、半導体製造の処理工程が増えて
製造コストが高くなったり、半導体装置の開発コストを
高騰させる結果ともなる。
【0011】本発明は、上述の課題に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、半導体ウェーハなどの
薄板状被研磨物の表面に凹凸段差があっても、表面膜を
高集積化及び高性能化に対応するレベルにまで高平坦化
することができるCMP装置及びCMP装置による研磨
方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のCMP装置は、薄板状被研磨物が研磨パッ
ドに対して相対移動するように載置され、スラリー状研
磨剤を研磨パッドの表面に供給して薄板状被研磨物の表
面を化学機械的な処理により研磨するCMP装置におい
て、洗浄水を高圧化してウォータジェットを発生させ、
そのウォータジェットを薄板状被研磨物の表面に噴射さ
せるウォータジェット噴射手段を備え、このウォータジ
ェット噴射手段が、薄板状被研磨物の化学機械的な研磨
に先立って、ウォータジェット中のキャビテーション現
象によって発生した気泡を薄板状被研磨物の表面凸部に
吐出し、その表面凸部を集中的に研磨することを特徴と
する。
【0013】また、本発明のCMP装置は、薄板状被研
磨物の表面凸部は、ウォータジェットの連続流領域と液
塊領域の境界付近、または液塊領域と液滴領域の境界付
近の吐出流によって研磨されることを特徴とする。
【0014】また、本発明のCMP装置は、ウォータジ
ェット噴射手段はウォータジェットを噴射するためのノ
ズルを備え、ノズルのウォータジェット吐出口から所定
の位置までの距離Xをノズルのウォータジェット吐出口
の直径dで除したスタンドオフ値(Vx=X/d)が、
15以上30以下の範囲、または120以上150以下
の範囲に入るように、薄板状被研磨物の表面凸部が配置
されていることを特徴とする。
【0015】また、本発明のCMP装置は、ノズルのウ
ォータジェット吐出口の直径dは0.5mm以上2.5m
m以下の範囲にあることを特徴とする。
【0016】また、本発明のCMP装置は、ノズルのウ
ォータジェット吐出口の吐出圧力は0.5MPa以上2
00MPa以下の範囲であることを特徴とする。
【0017】また、本発明のCMP装置は、薄板状被研
磨物は半導体ウェーハであることを特徴とする。
【0018】また、本発明のCMP装置は、薄板状被研
磨物は半導体ウェーハであり、半導体ウェーハの表面膜
が金属膜で形成されているときは、スタンドオフ値は1
5以上30以下の範囲に設定され、半導体ウェーハの表
面膜がシリコン酸化膜で形成されているときは、スタン
ドオフ値は120以上150以下の範囲に設定されるこ
とを特徴とする。
【0019】また、本発明のCMP装置は、半導体ウェ
ーハの表面膜には保護膜が塗布されており、この保護膜
は、半導体ウェーハの表面凸部を除く部分の表面膜をウ
ォータジェットの吐出流による研磨から保護することを
特徴とする。
【0020】また、本発明のCMP装置は、保護膜は界
面活性剤であることを特徴とする。
【0021】また、本発明のCMP装置は、薄板状被研
磨物の表面凸部は、光学式膜厚測定器で薄板状被研磨物
の膜厚を測定した後にAFM測定装置によって測定され
ることを特徴とする。
【0022】また、本発明のCMP装置による研磨方法
は、薄板状被研磨物が研磨パッドに対して相対移動する
ように載置され、スラリー状研磨剤を研磨パッドの表面
に供給して、薄板状被研磨物の表面を化学機械的な処理
により研磨するCMP装置による研磨方法において、薄
板状被研磨物の表面膜の凹凸段差を測定する工程と、測
定された凹凸段差に応じてウォータジェットパラメータ
を決定する工程と、決定されたウォータジェットパラメ
ータに基づいて、洗浄水を高圧化したウォータジェット
を薄板状被研磨物の表面に噴射し、そのウォータジェッ
ト中のキャビテーション現象によって発生した気泡によ
って薄板状被研磨物の表面凸部を集中的に研磨する工程
と、研磨パッドの表面に薄板状被研磨物を押圧する工程
と、研磨パッドと薄板状被研磨物を相対移動させて、薄
板状被研磨物をCMP処理により研磨する工程とを含む
ことを特徴とする。
【0023】また、本発明のCMP装置による研磨方法
においては、薄板状被研磨物の表面凸部は、ウォータジ
ェットの連続流領域と液塊領域の境界付近、または液塊
領域と液滴領域の境界付近の吐出流によって研磨される
ことを特徴とする。
【0024】また、本発明のCMP装置による研磨方法
においては、ウォータジェットパラメータは、ウォータ
ジェットの吐出口から所定の位置までの距離Xをウォー
タジェット吐出口のノズルの直径dで除したスタンドオ
フ値(Vx=X/d)であり、このスタンドオフ値が、
15以上30以下の範囲、または120以上150以下
の範囲に入るように、薄板状被研磨物の表面凸部が配置
されていることを特徴とする。
【0025】また、本発明のCMP装置による研磨方法
は、ノズルのウォータジェット吐出口の直径dは0.5
mm以上2.5mm以下の範囲にあることを特徴とす
る。
【0026】また、本発明のCMP装置による研磨方法
は、ノズルのウォータジェット吐出口の吐出圧力は、
0.5MPa以上200MPa以下の範囲であることを
特徴とする。
【0027】また、本発明のCMP装置による研磨方法
においては、薄板状被研磨物は半導体ウェーハであるこ
とを特徴とする。
【0028】また、本発明のCMP装置による研磨方法
は、薄板状被研磨物は半導体ウェーハであり、この半導
体ウェーハの表面膜が金属膜で形成されているときは、
スタンドオフ値は15以上30以下の範囲に設定され、
半導体ウェーハの表面膜がシリコン酸化膜で形成されて
いるときは、スタンドオフ値は120以上150以下の
範囲に設定されることを特徴とする。
【0029】また、本発明のCMP装置による研磨方法
は、半導体ウェーハの表面膜には保護膜が塗布され、こ
の保護膜は、半導体ウェーハの表面凸部を除く部分の表
面膜をウォータジェットの吐出流による研磨から保護す
ることを特徴とする。
【0030】また、本発明のCMP装置による研磨方法
は、保護膜は界面活性剤であることを特徴とする。
【0031】また、本発明のCMP装置による研磨方法
においては、薄板状被研磨物の表面膜の凹凸段差は、光
学式膜厚測定器で薄板状被研磨物の膜厚を測定した後に
AFM測定装置によって測定されることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明にお
けるCMP装置の実施の形態を詳細に説明する。本発明
におけるCMP装置の特徴は、予め、噴射圧力が最大と
なる位置で半導体ウェーハの凸部にウォータジェットを
噴射して、半導体ウェーハの表面層をほぼ平坦化し、そ
の後に、通常のCMP処理による研磨により、高集積化
及び高性能化に対応するレベルにまで半導体ウェーハの
表面層を高平坦化することを特徴としている。なお、最
大エネルギのウォータジェットによって半導体ウェーハ
の表面層を研磨する技術は、例えば、特開平10−11
6808号公報などに報告されている。しかし、この技
術は、半導体ウェーハの表面全体をウォータジェットに
よって均一に研磨するものであって、半導体ウェーハの
凸部のみを集中的に研磨した後に、CMP研磨によって
高平坦化を行う技術を示唆するものではない。
【0033】図1は、本発明に関わるCMP装置の全体
構成を示す概念図である。図1において、CMP装置を
大きく分類すると、実際に研磨処理を行う研磨ユニット
11と、研磨ユニット11で研磨時に使用するスラリー
状研磨剤(液状)を供給する研磨剤供給ユニット12
と、研磨後に半導体ウェーハ等の被研磨物(以降は、半
導体ウェーハとする)を洗浄して乾燥させる洗浄ユニッ
ト13と、洗浄ユニット13で使用するHFまたはNH
3等の洗浄薬液を供給する薬液供給ユニット14と、未
研磨の半導体ウェーハ(図示せず)をカセット16から
研磨ユニット11へ搬送し、さらに、研磨後の半導体ウ
ェーハを研磨ユニット11から洗浄ユニット13を経て
カセット16へ搬送する搬送ユニット15と、洗浄水に
よってウォータジェット用の高圧水を発生させる高圧水
発生機18とによって構成されている。なお、研磨ユニ
ット11内の構成は図13に示す従来技術とほぼ同じで
あるが、ウォータジェット噴射手段17が付設されてい
る点のみが従来技術と異なっている。
【0034】図1に示すCMP装置において、ウォータ
ジェット噴射手段17を除く動作は周知の技術であるの
で簡単に説明する。予め、研磨パッド2とパッドコンデ
ィショナ4を相互に回転させて、研磨パッド2の表面を
コンディショニングする。次に、搬送ユニット15が、
カセット16にある研磨前の半導体ウェーハ3を研磨パ
ッド2上に搬送して載置する。なお、この図では、研磨
パッド2上には半導体ウェーハ3は図示されていない。
そして、研磨ヘッド5が半導体ウェーハ3を研磨パッド
2に押圧して、研磨パッド2と研磨ヘッド5を相互に回
転する。このとき、研磨剤供給ユニット12より、研磨
剤供給ホース8を介して、研磨パッド2の表面へスラリ
ー状研磨剤を供給し、半導体ウェーハ3の表面に対して
CMP研磨処理を行う。CMP研磨処理後の半導体ウェ
ーハ3は、搬送ユニット15によって洗浄ユニット13
に搬送され、薬液供給ユニット14から供給された薬液
によって洗浄される。そして、洗浄された半導体ウェー
ハ3は、搬送ユニット15によってカセット16に搬送
される。
【0035】ここで、研磨ユニット11に設置されてい
るウォータジェット噴射手段17について説明する。ウ
ォータジェット噴射手段17は、半導体ウェーハが研磨
パッド2でCMP研磨される前に、半導体ウェーハを研
磨パッド2の上に載置し、その半導体ウェーハの表面へ
洗浄水を高圧で噴射し、いわゆるウォータジェットを噴
射して、半導体ウェーハの表面膜の凸部を集中的に研磨
する。ウォータジェットを噴射するためのウォータジェ
ット噴射手段17は、詳細は後述するが、高圧水発生機
18から供給された高圧水をウォータジェットにして半
導体ウェーハ上に噴射するウォータジェットノズルハウ
ジング19と、このウォータジェットノズルハウジング
19を半導体ウェーハの表面に対して上下移動させるス
ライダ20とによって構成されている。
【0036】図2は、本発明のCMP装置における高圧
水発生機の動作概念を示す模式図である。図2におい
て、高圧水発生機18は、洗浄水を貯蔵するための水源
タンク21と、この水源タンク21から洗浄水を汲み上
げる給水ポンプ22と、洗浄水を所定の経路で流す給水
配管23a,23bと、給水配管23a,23bの各所
に設けられていて洗浄水の逆流を防止する複数のチェッ
ク弁24と、高圧油を生成する油圧生成部25と、高圧
油の流路を切り替える切替弁26と、高圧油の流路とな
る給油配管27a,27bと、高圧油の油圧によって洗
浄水を高圧化する増圧機28と、高圧の洗浄水の水圧脈
動を緩和するアキュムレータ29と、洗浄水の逆流を防
止する逆止弁30とによって構成されている。
【0037】また、油圧生成部25は、油を貯蔵する油
貯蔵タンク31と、油貯蔵タンク31内の油を汲み上げ
て高圧油を生成する油圧ポンプ32と、油圧生成部25
で生成された高圧油を切替弁26側へ供給する供給油路
33と、増圧機28で作動した後の油を切替弁26側か
ら油貯蔵タンク31へ排出する排出油路34とによって
構成されている。一方、増圧機28は、シリンダ35内
に組み込まれたピストン36と、ピストン36から両側
に延びるピストンロッド37a,37bとによって構成
されており、油圧生成部25から供給された高圧油の油
圧によって水源タンク21から供給された洗浄水を高圧
化する。
【0038】次に、図2に示す高圧水発生機18の動作
について説明する。水源タンク21から給水ポンプ22
によって汲み上げられた洗浄水は、給水配管23a,2
3bによって増圧機28のポートA,ポートBに供給さ
れる。一方、油圧生成部25には油貯蔵タンク31と油
圧ポンプ32とが設けられており、油貯蔵タンク31に
貯蔵された油は、油圧ポンプ32のポンピング作用によ
って高圧油となって増圧機28へ供給される。このと
き、油圧生成部25で生成された高圧油の流路は、油圧
生成部25と増圧機28との間の給油配管27a,27
bの途中に設けられた切替弁26によって流路が切換制
御される。つまり、切替弁26の交互切換制御によっ
て、高圧油は、交互に、給油配管27aからポートA’
に供給されたり、給油配管27bからポートB’に供給
されたりする。
【0039】つまり、増圧機28は、給水ポンプ22か
ら供給された所定水圧の洗浄水を、油圧生成部25から
供給された高圧油の油圧を利用して高圧水に変換するも
のである。例えば、供給油路33から切替弁26側に供
給された高圧油は、切替弁26によって給油配管27a
に供給されると、シリンダ35内のポートA’が高圧油
で充填される。一方、シリンダ35内のポートB’に充
填されていた作用済みの油は、給油配管27bから切替
弁26を通って排出油路34から油貯蔵タンク31に排
出される。したがって、ポートA’に充填された高圧油
の油圧作用によってピストン36が図の右方に移動する
ので、ピストンロッド37bの押圧によってポートB内
の洗浄水が高圧化されて、給水配管23bより高圧の洗
浄水がアキュムレータ29へ供給される。
【0040】また、切替弁26によって高圧油の流路が
切り替えられると、前述と反対の流路(供給配管27
b)によってポートB’が高圧油で充填されるので、ピ
ストン36が図の左方に移動し、ピストンロッド37a
の押圧によってポートA内の洗浄水が高圧化される。よ
って、給水配管23aより高圧の洗浄水がアキュムレー
タ29へ供給される。もちろん、この油圧作用のとき、
ポートA’に充填されていた作用済みの油は、給油配管
27aから切替弁26を通って排出油路34から油貯蔵
タンク31に排出される。つまり、切替弁26による高
圧油の流路の交互切替作用よって、増圧機28がシリン
ダ35内に組み込まれたピストンロッド37a,37b
を双方向に移動させることにより、高圧の洗浄水を発生
させてアキュムレータ29に供給する仕組みになってい
る。
【0041】また、増圧機28の両端に接続された給水
配管23a,23bにはチェック弁24が設けられてお
り、このチェックバルブ24によって高圧の洗浄水が逆
流するのを阻止している。さらに、前述のように、油圧
ポンプ32によって油貯蔵タンク31から汲み上げられ
た高圧油は、切替弁26の流路切替動作に従って、増圧
機28のシリンダ35のA’ポートとB’ポートに交互
に供給されるので、AポートとBポートから交互に排出
される高圧の洗浄水は、脈動した高圧水となってアキュ
ムレータ29に供給される。このため、増圧機28によ
ってパルス状に増圧させた高圧水は、アキュムレータ2
9に取り込まれて高圧水の脈動が緩和された後、所定の
圧力に調整されて、ウォータジェットノズルハウジング
に送り込まれる。
【0042】図3は、本発明のCMP装置におけるウォ
ータジェットノズルハウジングの外観図であり、(a)
は底面図であり、(b)は(a)の側面図である。図3
において、ウォータジェットノズルハウジング19は、
たとえば、ホルダ42内にノズル43が千鳥足状に10
個配置された構成となっている。この10個のノズル4
3の各ウォータジェット吐出口43aから、高圧の洗浄
水であるウォータジェットが、図1に示す研磨パッド2
の表面に載置された半導体ウェーハ上に噴射し、半導体
ウェーハの凸部を集中的に研磨する。
【0043】次に、洗浄水のウォータジェットのメカニ
ズムについて詳細に説明する。図4は、ノズル43のウ
ォータジェット吐出口43aから噴射するウォータジェ
ットの模式図である。つまり、この図は、ノズル43の
ウォータジェット吐出口43aから噴射するウォータジ
ェットの噴射位置による液滴形状の変化を示している。
ウォータジェット吐出口43aのノズル径dとウォータ
ジェット吐出口43aから所定の位置までの距離Xとの
比(つまり、Vx=X/d)をスタンドオフ値と云い、
このスタンドオフ値によってウォータジェットは3つの
領域に分類される。
【0044】すなわち、ウォータジェット吐出口43a
からV0点のスタンドオフ値が10〜20までの領域を
連続流領域、スタンドオフ値が10〜20(V0点)か
ら120(W0点)までの領域を液塊領域、スタンドオ
フ値が120(W0点)以上の領域を液滴領域といい、
連続流領域と液塊領域の境界V0、および液塊領域と液
滴領域の境界W0で液滴の形状が変化する。ここで、2
つの境界V0とW0のそれぞれの少し射出側付近の
0’、W0’において、ウォータジェットによって気泡
が発生するキャビテーション現象が最も活発となる。
【0045】つまり、各領域境界V0、W0においてキャ
ビテーション現象が活発となる理由は、ウォータジェッ
トの各領域境界V0,W0では、例えば、連続流から液塊
へ遷移し、または液塊から液滴へ遷移するときに、気泡
が砕けて破壊エネルギが発生するからである。この破壊
エネルギがキャビテーション現象として最大となるの
が、各領域の境界V0,W0よりやや射出側のV0’、
0’の位置である。なお、これらの位置でのスタンド
オフ値は、理想的には、それぞれ30、150である。
したがって、これらの位置(V0’、W0’)が半導体ウ
ェーハ3の表面となるようにすれば、ウォータジェット
による最大の研磨効果が得られる。しかし、温度や湿度
などの環境条件やウォータジェット噴射手段の機構部分
のばらつきなどによって破壊エネルギが最大となるスタ
ンドオフ値が変動するので、キャビテーション現象によ
る破壊エネルギが最大となるスタンドオフ値は、15〜
30の範囲に選び、120〜150の範囲に選ぶことが
望ましい。
【0046】なお、実験結果として、アルミニウム(A
l)によって成膜された表面膜の凸部をウォータジェッ
トにより研磨したところ、スタンドオフ値が15〜30
の付近で最大のウォータジェット噴射エネルギが発生し
て最適な研磨効果が得られた。また、シリコン酸化膜
(SiO2)膜の凸部をウォータジェットにより研磨し
たところ、スタンドオフ値が120〜150の付近で最
大のウォータジェット噴射エネルギが発生して最適な研
磨効果が得られた。これらの実験結果から、被研磨対象
物の種類によって、スタンドオフ値は、15〜30の範
囲および120〜150の範囲に選ベばよいという理論
結果が裏付けられた。
【0047】また、ウォータジェットの吐出圧力があま
り高いと、半導体ウェーハ3に僅かな傷がある場合に
は、半導体ウェーハ3の傷部分がウォータジェットの圧
力によって割れるおそれがあるので、ウォータジェット
の吐出圧力は200MPa以下にすることが望ましい。
したがって、実用的には、ウォータジェットの吐出圧力
は0.5〜200MPaの範囲とすることが好ましい。
【0048】図5は、本発明のCMP装置において、ウ
ォータジェット噴射手段を配置した研磨ユニット部の詳
細構成図であり、(a)は上面図、(b)は側面図であ
る。図5において、研磨ユニット部の定盤1の近傍に
は、高圧水発生器18とスライダ20とウォータジェッ
トノズルハウジング19とからなるウォータジェット噴
射手段17が設置されている。そして、このウォータジ
ェットノズルハウジング19は、ノズル孔を半導体ウェ
ーハ3に向けて、研磨パッド2の上方に配置されてい
る。これによって、研磨パッド2が回転することによ
り、ウォータジェット44を半導体ウェーハ3の全面に
射出することができる。
【0049】前述のように各スタントオフ値が15〜3
0または120〜150となるように、図5(b)に示
すウォータジェットノズルハウジング19の下部端面に
あるウォータジェット吐出口から半導体ウェーハ3の最
大凸部の表面までの距離Xをスライダ20によって調整
する。
【0050】図6は、図5(b)におけるウォータジェ
ットノズルハウジングのウォータジェット吐出口から半
導体ウェーハまでの距離を示す拡大図である。つまり、
ウォータジェットノズルハウジング19の下部端面と半
導体ウェーハ3の凸部3aの表面との間の距離Xが、ス
タンドオフ値で15〜30または120〜150となる
ようにすれば、半導体ウェーハ3の凸部3aにおけるウ
ォータジェット44のキャビテーション現象が最も活発
となり、半導体ウェーハ3の凸部3aがウォータジェッ
トの最大エネルギで研磨される。一方、半導体ウェーハ
3の平坦部3bや凹部3cにおいては、ウォータジェッ
トノズルハウジング19の下部端面と半導体ウェーハ3
の表面との間の距離が最大エネルギのスタンドオフ値を
外れているので、ウォータジェットの噴射エネルギは小
さくて表面は殆ど研磨されない。つまり、凸部3aの部
分において被研磨膜の除去効率が最大となり、ウォータ
ジェットによって凸部3aが集中的に研磨される。
【0051】なお、スタンドオフ値が15〜30のとき
方が、120〜150のときよりもキャビテーション能
力が高く噴射エネルギは大きい。したがって、研磨対象
膜の硬度やヤング率(伸び弾性率)などによって、何れ
のスタンドオフ値を選ぶかを決定することが望ましい。
具体的には、銅(Cu)やアルミニウム(Al)やタン
グステン(W)などの金属膜のように、ヤング率(伸び
弾性率)の大きい材料で成膜された表面凸部を研磨する
ときは、スタンドオフ値が15〜30となるようにウォ
ータジェット吐出口から半導体ウェーハ3の最大凸部の
表面までの距離Xを決定する。また、酸化シリコン(S
iO2)などのように、ヤング率(伸び弾性率)が小さ
くて硬い脆性材料の酸化膜で成膜された表面凸部を研磨
するときは、スタンドオフ値が120〜150となるよ
うにウォータジェット吐出口から半導体ウェーハの最大
凸部の表面までの距離Xを決定する。
【0052】また、CMP装置においては、ウォータジ
ェット吐出口のノズル径dは0.5mm〜2.5mmの範
囲のものが種々用意されていて、ウォータジェット吐出
口は必要に応じたノズル径のものに簡単に取り換えられ
るようになっている。つまり、ノズル径はd=0.5m
m〜2.5mmの範囲で選べるので、前述のスタンドオ
フ値を15〜30とした場合は、ウォータジェットノズ
ルハウジング19の下部端面と半導体ウェーハ3の間の
距離Xは、10mm〜75mmの範囲に設定される。ま
た、スタンドオフ値を120〜150とした場合は、ウ
ォータジェットノズルハウジング19の下部端面と半導
体ウェーハ3の間の距離Xは、60mm〜375mmの
範囲に設定される。
【0053】図5(b)および図6において、上述のよ
うなスタンドオフ値に対応させて、ウォータジェットノ
ズルハウジング19の下部端面と半導体ウェーハ3の凸
部3aの間の距離Xをスライダ20によって設定した
後、研磨パッド2が貼り付けられている定盤1を低速で
回転しながら、半導体ウェーハ3にウォータジェット4
4を噴射する。このようにして、予め図6に示すような
半導体ウェーハ3の凸部3aをウォータジェット44に
よって集中的に研磨し、被研磨膜の表面がほぼ平坦化さ
れたら、次に、通常のCMP研磨を行って表面を高平坦
化する。
【0054】ここで、図6におけるウォータジェットノ
ズルハウジング19の下部端面と半導体ウェーハ3の凸
部3aとの間の距離Xを決めるための、半導体ウェーハ
3の表面の凹凸段差の測定方法について説明する。ま
ず、光学式膜厚測定器により、半導体ウェーハ3上の膜
厚を裏面基準によって複数箇所に亘り測定する。さら
に、AFM(Atomic Force Microscope:原子間力顕微
鏡)測定装置によって、半導体ウェーハ3の被研磨膜の
凹凸段差を表面基準で測定し、表面の凹凸形状を面情報
として取得する。これらの2つの測定データによって、
半導体ウェーハ3の被研磨膜の凹凸段差量を裏面基準で
取得することができる。つまり、半導体ウェーハ3の裏
面を基準として、最も凸量の大きい凸部3aの高さを測
定することができる。したがって、特定された凸部3a
の高さに基づいて、図5(b)におけるスライダ20に
よってウォータジェットノズルハウジング19をスライ
ドして最大エネルギのスタンドオフ値に対応する距離X
になるようにする。なお、光学式膜厚測定器は一般に利
用されている測定装置であるので、その説明は省略す
る。
【0055】ここで、AFM測定装置による半導体ウェ
ーハ表面の凹凸段差の測定方法について説明する。図7
は、半導体ウェーハの凹凸測定原理を説明するためのA
FM測定装置の模式図である。このAFM測定装置51
は、半導体ウェーハ3を載置してXY方向に広範囲で移
動できるXYステージチャック52と、半導体ウェーハ
3の表面の凹凸部分をなぞるようにして接触する探針5
4と、探針54に常に一定の力を加えると共にミラー5
5’を備えているカンチレバー55と、光学顕微鏡56
と、レーザ光線を発光して光学顕微鏡56を通してカン
チレバー55のミラー55’へ照射するレーザ発振器5
7と、カンチレバー55のミラー55’から反射したレ
ーザ光線を受光して半導体ウェーハ3の凹凸量を検出す
る受光器58と、凹凸量に基づいてZ軸方向の移動量情
報(以下、Z情報という)を出力するZ制御器59と、
XY軸方向の移動量情報(以下、X情報及びY情報とい
う)を出力するXY制御器60と、XYZ軸方向の移動
量情報(つまり、X情報、Y情報、Z情報)に基づいて
XYZ軸の相対的位置を演算するコンピュータ61と、
コンピュータ61からのデータに基づいて半導体ウェー
ハ3上の凹凸部分の画像を画面に表示する表示画面62
と、XY制御器60からのX情報及びY情報に基づいて
探針54をXY軸方向へ微動させるXY微動機構63
と、Z制御器59からのZ情報に基づいて探針54の押
圧が常に一定になるようにカンチレバーのテンションを
制御するZ微動機構64とによって構成されている。
【0056】なお、XYステージチャック52は、XY
制御器60からのX情報及びY情報に基づいて、例え
ば、直径8インチの半導体ウェーハ3の全面積を探針5
4がスキャンできるように、30mm程度の広い範囲を
X軸方向及びY軸方向に移動できるようなワイドモード
機構になっている。また、XY微動機構63は、XY制
御器60からのX情報及びY情報に基づいて、例えば、
探針5を半導体ウェーハ3のチップ上で10μm程度の
狭い範囲のX軸方向及びY軸方向を移動できるような微
動機構になっている。さらに、Z微動機構64は、探針
54が半導体ウェーハ3の凸部に乗ったときも凹部に落
ち込んだときも、常に、数nNの一定の力が半導体ウェ
ーハ3の表面に加わるように、Z制御器59からのZ情
報に基づいてZ軸方向を制御してカンチレバー55のテ
ンションを調整している。
【0057】次に、図7に示すAFM測定装置51の動
作について説明する。先ず、X軸方向及びY軸方向へワ
イドに移動できるXYステージチャック52上に、測定
用試料として半導体ウェーハ3を設置する。通常、半導
体ウェーハ3の凹凸段差測定可能なエリアは、1チップ
内の0.1μm角程度から半導体ウェーハ3の全面積の
30mm角程度である。したがって、この範囲内におい
てXY微動機構63及びXYステージチャック52をX
軸方向とY軸方向に移動させながら、半導体ウェーハ3
の表面を探針54がスキヤンし、半導体ウェーハ3の表
面の凹凸段差を測定する。
【0058】つまり、半導体ウェーハ3の表面に対して
探針54に数nNの接触力を加え、この接触力を一定に
して探針54をX軸方向にスキャンさせる。そして、X
軸方向の1スキャンが終了したら、XYステージチャッ
ク52をY軸方向へ1ラインずらして、次のラインのX
軸上をスキャンさせる。このようなスキャンを半導体ウ
ェーハ3の全表面の測定が終了するまで行うことによっ
て、半導体ウェーハ3の全表面の凹凸段差を測定する。
【0059】探針54をX軸方向にスキャンさせると
き、半導体ウェーハ3の表面上の凹凸量に応じて探針5
4がZ軸方向へ移動するので、探針54のZ軸方向への
移動量に応じた力がカンチレバー55に加わってカンチ
レバー55を変位させる。したがって、カンチレバー5
5に取り付けられたミラー55’の傾きが変わる。一
方、レーザ発振器57から、光学顕微鏡56を介して、
カンチレバー55のミラー55’に対してレーザを照射
し、受光器58に反射させている。よって、カンチレバ
ー55が変位してミラー55’の傾きが変わると、受光
器58がレーザ光線を受光する位置が変わる。つまり、
受光器58は、半導体ウェーハ3の表面上の凹凸の変化
に応じて、受光するレーザ光線の受光位置を追尾するの
で、受光器58は半導体ウェーハ3の表面の凹凸量を検
出することができる。このようにして、受光器58は、
半導体ウェーハ3の所定面からの相対的な高さを凹凸量
として検出している。
【0060】したがって、受光器58が受光したレーザ
光線の軌跡によって検出された半導体ウェーハ3の表面
における凹凸量の検出データは、受信器58からZ制御
器59へ送信されてZ軸移動量データ(つまり、Z情
報)に変換されてコンピュータ61に入力される。一
方、X軸方向にスキャンさせたときのX軸移動量データ
(つまり、X情報)は、XY制御機60よりコンピュー
タ61へ入力される。すなわち、コンピュータ61は、
探針54をスキャンしたX軸方向の1ラインについての
Z軸移動量データ(Z情報)を取り込み、X軸方向の1
ライン分の凹凸量として表示画面62に画像aのような
凹凸分布を表示させる。
【0061】このようにして、半導体ウェーハ3のX軸
方向の1ライン分の凹凸量を測定して表示画面62への
表示が終了したら、XY制御器60の指令情報によって
XYステージチャック52をY軸方向に1ライン移動し
て、前述と同様にX軸方向の1ライン分の凹凸量を測定
してコンピュータ61に取り込み、表示画面62にX軸
方向の次の1ライン分の凹凸量データを画像bのように
表示させる。以下、同様にして、半導体ウェーハ3上の
凹凸段差の測定値を所望のY軸ラインの数だけ測定し、
半導体ウェーハ3の所望の範囲における表面の凹凸状態
を、表示画面62に示すa,b,c,d画像の凹凸分布
のように表示させる。さらに、コンピュータ61は、半
導体ウェーハ3の測定エリア内における凹凸段差量の最
大値を表示画面62に表示させる。つまり、表示画面6
2に示すa,b,c,d画像の凹凸段差における凸部と
凹部の最大差を画面に表示させることができる。
【0062】図8は、従来技術と本発明におけるCMP
処理の比較を示すフローチャートであり、(a)は従来
のフロー、(b)は本発明のフローを示す。つまり、従
来の研磨方法で高平坦化を実現するためには、図8
(a)のフローに示すように、まず被研磨膜の表面をス
テッパによって露光し(ステップS1)、表面に凸部が
ある場合は、ドライエッチングなどによって凸部領域を
えぐり貫く(ステップS2)。一方、表面に凹部がある
場合は、その凹部にダミーパターンを形成して凹凸段差
を強制的に緩和する(ステップS3)。このようにし
て、予め被研磨膜の表面段差を緩和してから、通常のC
MP処理を行って表面を高平坦化する(ステップS
4)。しかし、このような研磨方法では、半導体製造の
処理工程が複雑になって製造コストが高くなったり、半
導体装置の開発コストを高騰させる結果ともなる。
【0063】一方、本発明の研磨方法は、図8(b)の
フローに示すように、まず、光学式膜厚測定器およびA
FMによって被研磨膜の凹凸段差を測定し、最大凸部の
位置を特定すると共に半導体ウェーハの裏面から最大凸
部までの高さ情報を取得する(ステップS11)。次
に、凹凸段差に応じて(つまり、最大凸部の高さに応じ
て)、ウォータジェットパラメータを決定する。すなわ
ち、ウォータジェットのノズル口から最大凸部の表面ま
での距離が最適なスタンドオフ値となるように、ウォー
タジェットノズルハウジングの位置を決定する(ステッ
プS12)。
【0064】さらに、被研磨膜の表面全体に界面活性剤
を塗布する。つまり、被研磨膜の凸部も平坦部分も凹部
も均一に界面活性剤を塗布する(ステップS13)。こ
のようにすることによって、ウォータジェットの噴射エ
ネルギが最大値となる凸部の部分においては、界面活性
剤がはじき飛ばされて凸部が研磨されるが、平坦部分や
凹部においてはウォータジェットの噴射エネルギが小さ
いので、界面活性剤が保護膜となってウォータジェット
による研磨防止を一層向上させる。つまり、ウォータジ
ェットパラメータに基づいて凸部のみが集中的にウォー
タジェットで研磨される(ステップS14)。
【0065】なお、ステップS13における界面活性剤
の塗布を行わないで、ウォータジェットパラメータを決
定した後に、ステップS14において被研磨膜の表面に
直接ウォータジェットを噴射しても、凸部のみを集中的
に研磨することはできる。しかし、界面活性剤によって
平坦部分や凹部を保護することにより、凸部のみの集中
的な研磨効果は一層向上する。このようにして、凸部の
みをウォータジェットによって予備研磨して被研磨膜を
ほぼ平坦化した後、通常のCMP処理によって高平坦化
を行う(ステップS15)。つまり、ウォータジェット
によって凸部のみを研磨してから、通常のCMP処理に
よって高平坦化を行えば、比較的簡単な工程で次世代対
応の半導体デバイスに対応できるレベルにまで高平坦化
を実現することができる。
【0066】図9は、Cu電解メッキ処理を施した後の
成膜状態を示す半導体ウェーハの初期形状の断面図であ
る。同図に示すように、電解メッキ処理によってCuメ
ッキ膜78を成膜すると、配線溝73が狭い部分の上部
はCuメッキ膜78の膜厚が厚くなり、幅広配線溝73
aの上部はオーバーポリシュの時間が長くなるためにデ
ィッシング(dishing)現象が発生する。つまり、電解
メッキ処理工程において、微細な配線溝73にボイドや
シームの生じない状態で完全にCuメッキを埋め込みが
できるように、メッキ液に硫酸銅の添加剤を加えている
ため、メッキ処理後のCuメッキ膜78の膜厚は配線溝
73の密集した部分で厚くなり、配線溝73のない部分
や幅広配線溝73aの部分では薄くなっている。
【0067】図10は、図9に示す半導体ウェーハの凸
部に対して集中的にウォータジェット研磨処理を施した
状態を示す断面図である。つまり、図9のようなCuメ
ッキ膜78において、ウォータジェットの射出エネルギ
が凸部で最大となるようにしてウォータジェットを噴射
すれば、図10に示すように、Cuメッキ膜78の凸部
のみが集中的に研磨され、Cuメッキ膜78はほぼ平坦
化される。
【0068】図11は、図10のウォータジェット研磨
処理後に通常のCMP処理を施した状態を示す半導体ウ
ェーハの最終形状図である。つまり、図10のようにウ
ォータジェット研磨処理を施した後にCMP処理を行う
と、Cuメッキ膜78の膜厚段差を減らした状態でCM
P処理を行うことができるため、図11のCMP処理後
の最終形状図に示すように、半導体ウェーハ表面のCu
メッキ膜78を完全に除去して表面を高平坦化すること
ができる。つまり、間隔が密な配線溝73の部分も幅広
配線溝3aの部分も、共に、Cuメッキ膜78の残膜は
完全になくなって表面が高平坦化され、配線溝73や幅
広配線溝73aの内部に均一な金属配線76が形成され
る。
【0069】また、DRAM混載ロジックLSIの製造
工程において、浅い溝による素子分離(STI:Shallo
w Trench Isolation)が形成されている半導体装置のC
MP処理工程の場合も、前述のCuメッキ膜の場合と同
様に、パターン依存によるチップ内の膜厚段差をウォー
タジェット研磨によってほぼ平坦化した後、CMP処理
を施して高平坦化を行うことができる。
【0070】図12は、DRAM混載ロジックLSIの
製造において表面処理を行う工程図であり、(a)は溝
加工工程、(b)はSiO2埋込工程、(c)はウォー
タジェット処理工程、(d)はCMPによる平坦化工程
を示している。DRAM混載ロジックLSIの表面平坦
化処理を行う場合、先ず、図12(a)の溝加工工程に
示すように、溝加工を施したSi基板81の表面にSi
N83を形成した後に、エッチングによってSi基板8
1に配線溝73を加工する。そして、同図(b)のSi
2埋込工程に示すように、HDP(High Density Plas
ma)の成膜装置によって表面及び配線溝73の部分にS
iO2膜84を成膜する。さらに、同図(c)のウォー
タジェット処理工程に示すように、SiO2膜34の凸
部のみを集中的にウォータジェットにより研磨除去す
る。そして、同図(d)のCMPによる平坦化工程に示
すように、通常のCMP処理によってSiO2膜84の
残膜を研磨して表面の高平坦化を行う。すなわち、図1
2のDRAM混載ロジックLSIのSIT工程の場合
も、CMP処理を行う前にSiO2膜34の凸部をウォ
ータジェットによって除去することにより表面の高平坦
化を行うことができる。
【0071】以上述べた実施の形態は本発明を説明する
ための一例であり、本発明は、上記の実施の形態に限定
されるものではなく、発明の要旨の範囲で種々の変形が
可能である。例えば、上記の実施の形態では半導体ウェ
ーハのCMP処理について説明したが、これに限定され
るものではない。例えば、LCDやその他の半導体薄膜
を載置するガラス板などの薄板状被研磨物の表面を化学
機械研磨する場合についても、本発明のCMP装置を適
用して、ウォータジェットによって凸部を予備研磨すれ
ば、CMP研磨処理によって高平坦化を行うことができ
るのはいうまでもない。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のCMP装
置によれば、通常のCMP処理では高平坦化が不可能な
程度の凹凸段差がある被研磨膜の凸部を、予め、ウォー
タジェットによって集中的に研磨して概ね平坦化してお
く。これによって、被研磨膜の体積が表面全域に亘って
ほぼ均等になり、基板内のパターン密度の違いによる表
面膜の凹凸段差が緩和される。このようにして、表面膜
の凹凸段差が緩和された状態で、表面に残った部分の残
膜を通常のCMPによって研磨すれば、半導体装置の表
面層を高いレベルで平坦化することができる。よって、
配線溝に成膜されたCuメッキ膜などの金属配線を最適
状態に形成することができる。
【0073】つまり、本発明のCMP装置によれば、半
導体基板に形成されたパターン密度の相違によって生じ
るCuメッキ膜の膜厚段差を、ウォータジェットによる
選択的な研磨によって解消することができる。これによ
って、Cuメッキにより配線溝や接続孔の埋め込みを行
う際に、パターンの依存性を排除して表面のCuメッキ
膜をCMP処理によって高平坦化することができ、配線
溝に成膜されたCuメッキ膜のばらつきを低減し、信頼
性の高い金属配線を形成することができる。また、半導
体基板におけるCuメッキ膜の膜厚のばらつきを低減す
ることにより、半導体基板の配線溝へ埋め込み配線を形
成するときのCMP処理工程におけるプロセスマージン
を広くすることができる。もって、製造歩留りが向上し
て半導体装置の生産性の向上に大いに貢献することがで
きる。
【0074】つまり、本発明のCMP装置によれば、C
MP処理の前工程でウォータジェットの噴射によって発
生するキャビテーション現象によって発生された高エネ
ルギ気泡を半導体ウェーハの表面に噴射するだけで、C
MP処理によって表面膜を極めて高いレベルで平坦化す
ることができる。例えば、ウォータジェット吐出口から
所定の位置までの距離Xをウォータジェット吐出口のノ
ズル径dで除した値であるスタンドオフ値を約15〜3
0、または約120〜150に設定して、ウォータジェ
ットの衝突エネルギが最大値となるように、ウォータジ
ェット吐出口と半導体ウェーハとの間の距離を設定すれ
ば、半導体ウェーハの表面でのウォータジェットの衝突
エネルギは最大となり、ウォータジェットによって凸部
のみを集中的に研磨し、CMP処理によって容易に表面
の高平坦化を行うことができる。なお、半導体ウェーハ
の表面全体に界面活性剤を塗布しておけば、ウォータジ
ェットによって凹部が削りとられない効果を一層向上さ
せることができる。
【0075】以上のように、本発明のCMP装置によれ
ば、次世代の半導体開発の微細化に対応した高平坦化を
実現することができ、半導体開発の促進に大いに貢献す
ることができる。また、従来に比べて高平坦化を実現す
るための工程を削減することができるので、半導体装置
の低コスト化や生産時間の短縮化を図ることができ、半
導体の生産性が一段と向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関わるCMP装置の全体構成を示す
概念図である。
【図2】 本発明のCMP装置における高圧水発生機の
動作概念を示す模式図である。
【図3】 本発明のCMP装置におけるウォータジェッ
トノズルハウジングの外観図であり、(a)は底面図で
あり、(b)は(a)の側面図である。
【図4】 ノズルから噴射するウォータジェットの模式
図である。
【図5】 本発明のCMP装置において、ウォータジェ
ット噴射手段を配置した研磨ユニット部の構成図であ
り、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図6】 図5(b)におけるウォータジェットノズル
ハウジングのウォータジェット吐出口から半導体ウェー
ハまでの距離を示す拡大図である。
【図7】 半導体ウェーハの凹凸測定原理を説明するた
めのAFM測定装置の模式図である。
【図8】 従来技術と本発明におけるCMP処理の比較
を示すフローチャートであり、(a)は従来のフロー、
(b)は本発明のフローを示す。
【図9】 Cu電解メッキ処理を施した後の成膜状態を
示す半導体ウェーハの初期形状の断面図である。
【図10】 図9に示す半導体ウェーハの凸部に対して
集中的にウォータジェット研磨処理を施した状態を示す
断面図である。
【図11】 図10のウォータジェット研磨処理後に通
常のCMP処理を施した状態を示す半導体ウェーハの最
終形状図である。
【図12】 DRAM混載ロジックLSIの製造におい
て表面処理を行う工程図であり、(a)は溝加工工程、
(b)はSiO2埋込工程、(c)はウォータジェット
処理工程、(d)はCMPによる平坦化工程を示す。
【図13】 従来のCMP装置における研磨ユニットの
概略構成を示す断面図である。
【図14】 半導体ウェーハの表面にCuメッキ膜を成
膜した状態を示す断面図である。
【図15】CMP処理によって余剰なCuメッキ膜を除
去したときの半導体ウェーハの断面図であり、(a)は
CMP処理後に膜厚の厚い部分に研磨残が生じた状態を
示し、(b)はCMP処理後に膜厚の薄い部分にディッ
シング現象が生じた状態を示す。
【符号の説明】
1…定盤、2…研磨パッド、3…半導体ウェーハ、3a
…凸部、3b…平坦部、3c…凹部、4…パッドコンデ
ィショナ、5…研磨ヘッド、6,6’…シリンダ、7…
リテーナリング、8…研磨剤供給ホース、9…スラリー
状研磨剤、10…吸着フィルム、11…研磨ユニット、
12…研磨剤供給ユニット、13…洗浄ユニット、14
…薬液供給ユニット、15…搬送ユニット、16…カセ
ット、17…ウォータジェット噴射手段、18…高圧水
発生機、19…ウォータジェットノズルハウジング、2
0…スライダ、21…水源タンク、22…給水ポンプ、
23a,23b…給水配管、24…チェック弁、25…
油圧生成部、26…切替弁、27a,27b…給油配
管、28…増圧機、29…アキュムレータ、30…逆止
弁、31…油貯蔵タンク、32…油圧ポンプ、33…供
給油路、34…排出油路、35…シリンダ、36…ピス
トン、37a,37b…ピストンロッド、42…ホル
ダ、43…ノズル、43a…ウォータジェット吐出口、
44…ウォータジェット、51…AFM測定装置、52
…XYステージチャック、54…探針、55…カンチレ
バー、55’…ミラー、56…光学顕微鏡、57…レー
ザ発振器、58…受光器、59…Z制御器、60…XY
制御機、61…コンピュータ、62…表示画面、63…
XY微動機構、64…Z微動機構、72…層間絶縁膜、
73…配線溝、73a…幅広配線溝、74…バリアメタ
ル、76…金属配線、78…Cuメッキ膜、78a…C
u研磨残、81…Si基板、83…SiN、84…Si
2

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄板状被研磨物が研磨パッドに対して相
    対移動するように載置され、スラリー状研磨剤を前記研
    磨パッドの表面に供給して、前記薄板状被研磨物の表面
    を化学機械的な処理により研磨するCMP装置におい
    て、 洗浄水を高圧化してウォータジェットを発生させ、その
    ウォータジェットを前記薄板状被研磨物の表面に噴射さ
    せるウォータジェット噴射手段を備え、 前記ウォータジェット噴射手段が、前記薄板状被研磨物
    の化学機械的な研磨に先立ち、ウォータジェット中のキ
    ャビテーション現象によって発生した気泡を該薄板状被
    研磨物の表面凸部に吐出し、その表面凸部を集中的に研
    磨することを特徴とするCMP装置。
  2. 【請求項2】 前記薄板状被研磨物の表面凸部は、前記
    ウォータジェットの連続流領域と液塊領域の境界付近、
    または前記液塊領域と液滴領域の境界付近の吐出流によ
    って研磨されることを特徴とする請求項1に記載のCM
    P装置。
  3. 【請求項3】 前記ウォータジェット噴射手段はウォー
    タジェットを噴射するためのノズルを備え、 前記ノズルのウォータジェット吐出口から所定の位置ま
    での距離Xを前記ノズルのウォータジェット吐出口の直
    径dで除したスタンドオフ値(Vx=X/d)が、15
    以上30以下の範囲、または120以上150以下の範
    囲にはいるように、前記薄板状被研磨物の表面凸部が配
    置されていることを特徴とする請求項2に記載のCMP
    装置。
  4. 【請求項4】 前記ノズルのウォータジェット吐出口の
    直径dは0.5mm以上2.5mm以下の範囲にあること
    を特徴とする請求項3に記載のCMP装置。
  5. 【請求項5】 前記ノズルのウォータジェット吐出口の
    吐出圧力は、0.5MPa以上200MPa以下の範囲
    であることを特徴とする請求項4に記載のCMP装置。
  6. 【請求項6】 前記薄板状被研磨物は半導体ウェーハで
    あることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに
    記載のCMP装置。
  7. 【請求項7】 前記薄板状被研磨物は半導体ウェーハで
    あり、 前記半導体ウェーハの表面膜が金属膜で形成されている
    ときは、前記スタンドオフ値は15以上30以下の範囲
    に設定され、 前記半導体ウェーハの表面膜がシリコン酸化膜で形成さ
    れているときは、前記スタンドオフ値は120以上15
    0以下の範囲に設定されることを特徴とする請求項3乃
    至請求項5の何れかに記載のCMP装置。
  8. 【請求項8】 前記半導体ウェーハの表面膜には保護膜
    が塗布され、 前記保護膜は、前記半導体ウェーハの表面凸部を除く部
    分の表面膜を前記ウォータジェットの吐出流による研磨
    から保護することを特徴とする請求項7に記載のCMP
    装置。
  9. 【請求項9】 前記保護膜は界面活性剤であることを特
    徴とする請求項8に記載のCMP装置。
  10. 【請求項10】 前記薄板状被研磨物の表面凸部は、光
    学式膜厚測定器で該薄板状被研磨物の膜厚を測定した後
    にAFM測定装置によって測定されることを特徴とする
    請求項1乃至請求項9の何れかに記載のCMP装置。
  11. 【請求項11】 薄板状被研磨物が研磨パッドに対して
    相対移動するように載置され、スラリー状研磨剤を前記
    研磨パッドの表面に供給して、前記薄板状被研磨物の表
    面を化学機械的な処理により研磨するCMP装置による
    研磨方法において、 前記薄板状被研磨物の表面膜の凹凸段差を測定する工程
    と、 測定された凹凸段差に応じてウォータジェットパラメー
    タを決定する工程と、 決定されたウォータジェットパラメータに基づいて、洗
    浄水を高圧化したウォータジェットを前記薄板状被研磨
    物の表面に噴射し、そのウォータジェット中のキャビテ
    ーション現象によって発生した気泡により該薄板状被研
    磨物の表面凸部を集中的に研磨する工程と、 前記研磨パッドの表面に前記薄板状被研磨物を押圧する
    工程と、 前記研磨パッドと前記薄板状被研磨物を相対移動させ
    て、該薄板状被研磨物をCMP処理により研磨する工程
    とを含むことを特徴とするCMP装置による研磨方法。
  12. 【請求項12】 前記薄板状被研磨物の表面凸部は、前
    記ウォータジェットの連続流領域と液塊領域の境界付
    近、または前記液塊領域と液滴領域の境界付近の吐出流
    によって研磨されることを特徴とする請求項11に記載
    のCMP装置による研磨方法。
  13. 【請求項13】 前記ウォータジェットパラメータは、
    前記ウォータジェットの吐出口から所定の位置までの距
    離Xを前記ウォータジェット吐出口のノズルの直径dで
    除したスタンドオフ値(Vx=X/d)であり、 前記スタンドオフ値が、15以上30以下の範囲、また
    は120以上150以下の範囲にはいるように、前記薄
    板状被研磨物の表面凸部が配置されていることを特徴と
    する請求項12に記載のCMP装置による研磨方法。
  14. 【請求項14】 前記ノズルのウォータジェット吐出口
    の直径dは0.5mm以上2.5mm以下の範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項13に記載のCMP装置による研
    磨方法。
  15. 【請求項15】 前記ノズルのウォータジェット吐出口
    の吐出圧力は、0.5MPa以上200MPa以下の範
    囲であることを特徴とする請求項14に記載のCMP装
    置による研磨方法。
  16. 【請求項16】 前記薄板状被研磨物は半導体ウェーハ
    であることを特徴とする請求項11乃至請求項15の何
    れかに記載のCMP装置による研磨方法。
  17. 【請求項17】 前記薄板状被研磨物は半導体ウェーハ
    であり、 前記半導体ウェーハの表面膜が金属膜で形成されている
    ときは、前記スタンドオフ値は15以上30以下の範囲
    に設定され、 前記半導体ウェーハの表面膜がシリコン酸化膜で形成さ
    れているときは、前記スタンドオフ値は120以上15
    0以下の範囲に設定されることを特徴とする請求項13
    乃至請求項15の何れかに記載のCMP装置による研磨
    方法。
  18. 【請求項18】 前記半導体ウェーハの表面膜には保護
    膜が塗布され、 前記保護膜は、前記半導体ウェーハの表面凸部を除く部
    分の表面膜を前記ウォータジェットの吐出流による研磨
    から保護することを特徴とする請求項17に記載のCM
    P装置による研磨方法。
  19. 【請求項19】 前記保護膜は界面活性剤であることを
    特徴とする請求項18に記載のCMP装置による研磨方
    法。
  20. 【請求項20】 前記薄板状被研磨物の表面膜の凹凸段
    差は、光学式膜厚測定器で該薄板状被研磨物の膜厚を測
    定した後にAFM測定装置によって測定されることを特
    徴とする請求項11乃至請求項19の何れかに記載のC
    MP装置による研磨方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023228579A1 (ja) * 2022-05-26 2023-11-30 不二越機械工業株式会社 研磨装置及び研磨方法

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