JP2003177257A - 長周期グレーティング用光ファイバ、長周期グレーティング部品およびその製造方法 - Google Patents

長周期グレーティング用光ファイバ、長周期グレーティング部品およびその製造方法

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JP2003177257A JP2001379856A JP2001379856A JP2003177257A JP 2003177257 A JP2003177257 A JP 2003177257A JP 2001379856 A JP2001379856 A JP 2001379856A JP 2001379856 A JP2001379856 A JP 2001379856A JP 2003177257 A JP2003177257 A JP 2003177257A
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cladding layer
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Toshiaki Tsuda
寿昭 津田
Yasuo Uemura
康生 植村
Yukio Shinno
幸生 新野
Kazuhiko Nishiyama
和彦 西山
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長周期グレーティング部品の光透過損失の波
長依存特性を高く維持し、その部品信頼性の向上、部品
コストの低減および部品製造コストの低減をそれぞれ実
現する。 【解決手段】 下記の構成要素を備えたことを特徴とす
る長周期グレーティング用光ファイバ2であって、この
長周期グレーティング用光ファイバ2は、コア層10
と、このコア層10を被覆するクラッドモード伝播用の
第1のクラッド層12と、第1のクラッド層12を被覆
し、第1のクラッド層12を介して伝播されるクラッド
モードの光信号を第1のクラッド層12内に閉じ込める
第2のクラッド層13とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モードカプラ、光
フィルタ等として利用される長周期グレーティング用の
光ファイバ、長周期グレーティング部品およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】長周期グレーティングは、外部被覆が除
去されたシングルモード光ファイバのコアに対して紫外
レーザ光を照射することによりファイバ軸方向に形成さ
れた屈折率の長周期的変化である。この長周期グレーテ
ィングは、伝送される波長多重光信号の波長帯域よりも
非常に長波長である例えば100μm〜数100μmの
周期で形成される。
【0003】この長周期グレーティングの長周期特性か
ら、このグレーティングを介して特定の異なる伝播モー
ドの光信号を結合させることが可能になり、モードカプ
ラとして利用されている。
【0004】また、長周期グレーティングは、1次モー
ドからN次モード(Nは2以上の整数)の複数の互いに
波長間隔を介した光透過損失ピークを有する光透過特性
を有している。この光透過特性は、図7に示すように、
対応するシングルモード光ファイバ50のコア層51に
形成された長周期グレーティング(周期Λ)52を介し
て伝播される伝播モードの光信号とクラッド層53を介
して伝播される高次のクラッドモードの光信号54との
結合により生じている。
【0005】したがって、光ファイバの導波モードの光
信号パワーをクラッドモードの光信号54へ結合させる
ことができる。この結果、クラッドモードの光信号54
へ結合したパワーの大部分は、そのまま損失となるた
め、長周期グレーティングは、光透過損失ピーク波長を
有する無反射型フィルタとしても利用されている。
【0006】上記無反射型フィルタとして、例えば特開
平2001−124941号公報に開示されているよう
に、EDFA(Erbium-doped Fiber Amplifier;エルビ
ニウム添加光ファイバ増幅器)等の光増幅器の利得特性
等化器に利用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
長周期グレーティング52においては、図7に示すよう
に、被覆が除去されたクラッド層53の周囲は外部環境
に晒されている。このため、クラッド層53を介して伝
播されるクラッドモードの光信号54は、その外部環境
の影響を受ける。
【0008】例えば、外部環境の屈折率の違いに起因し
たクラッドモードの光信号の波長特性を図8に示す。
【0009】図8に示すように、例えば、約1580n
mに光透過損失ピーク波長を有するように設計された長
周期グレーティング52においては、その外部環境の屈
折率の違い(屈折率n=1、n=1.47、n=1.5
0)に起因して光透過損失の波長依存特性が大幅に異な
る。この結果、所望のフィルタリング特性を得ることが
困難であった。
【0010】ここで、図8に示すように、屈折率n=
1、すなわち、長周期グレーティング52形成部位の外
部環境が空気であれば、光透過損失の波長依存特性を維
持できるのが分かる。
【0011】そこで、従来の長周期グレーティングにお
いては、長周期グレーティング形成部位の周囲を空気層
とし、その空気層を介在させた状態でパッケージ保護部
材により長周期グレーティング形成部位を保護してい
る。そして、このパッケージ保護部材により保護された
長周期グレーティング形成部位を例えばSUSパイプ等
によりパッケージ(2次パッケージ)して部品化してい
る。
【0012】図9は、従来の長周期グレーティング形成
部位の保護部材による保護構造を示す図である。
【0013】図9に示すように、パッケージ保護部材6
0は、円柱形状に開口部61を有している。このパッケ
ージ保護部材60の開口部61内に、空気層62を介在
させた状態で長周期グレーティング形成部位63が配置
されている。さらに、パッケージ保護部材60の両端側
および長周期グレーティング形成部位63の両端側が接
着剤64で固定されている。
【0014】しかしながら、上述した従来の長周期グレ
ーティング形成部位の部品化では、常に長周期グレーテ
ィング形成部位を保護するパッケージ保護部材およびこ
のパッケージ保護部材と長周期グレーティング形成部位
とを接続する接着剤が必要になる。
【0015】したがって、長周期グレーティング形成部
位がパッケージ化された最終的な長周期グレーティング
部品のコストを上昇させている。また、接着剤の経時劣
化に伴う光透過損失の波長依存特性の変化を招く恐れも
生じていた。
【0016】さらに、長周期グレーティング部品を製造
する上でも、上述した長周期グレーティング形成部位の
パッケージ保護部材による保護工程、接着剤を用いた接
着工程、接着剤アニール工程および2次パッケージ工程
がそれぞれ必要になる。このため、製造工程数を増加さ
せて製造コストを上昇させていた。
【0017】本発明は上述した事情に鑑みてなされたも
ので、長周期グレーティング形成部位の外部環境に影響
を受けることなく、長周期グレーティング部品の光透過
損失の波長依存特性を高く維持し、その部品信頼性の向
上、部品コストの低減および部品製造コストの低減をそ
れぞれ実現することをその目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様は、
下記の構成要素を備えたことを特徴とする長周期グレー
ティング用光ファイバである。 (a)コア層と、(b)このコア層を被覆するクラッド
モード伝播用の第1のクラッド層と、(c)前記第1の
クラッド層を被覆し、前記第1のクラッド層を介して伝
播されるクラッドモードの光信号を当該第1のクラッド
層内に閉じ込める第2のクラッド層。
【0019】本発明の第1の態様に係わる長周期グレー
ティング用光ファイバであって、前記第1のクラッド層
の屈折率が前記第2のクラッド層の屈折率よりも高い。
【0020】また、本発明の第1の態様に係わる長周期
グレーティング用光ファイバであって、前記第1のクラ
ッド層は、シリコン(Si)材料から成るシリコン層で
あり、前記第2のクラッド層は、フッ素(F)、ボロン
(B)等の材料から成るクラッド層である。
【0021】本発明の第2の態様は、下記の構成要素を
備えたことを特徴とする長周期グレーティング部品であ
る。 (a)コア層と、このコア層を被覆するクラッドモード
伝播用の第1のクラッド層と、この第1のクラッド層を
被覆し、当該第1のクラッド層を介して伝播されるクラ
ッドモードの光信号を当該第1のクラッド層内に閉じ込
める第2のクラッド層とを有した長周期グレーティング
用光ファイバと、(b)この長周期グレーティング用光
ファイバのコア層および第1のクラッド層に形成された
長周期グレーティングと、(c)前記長周期グレーティ
ング用光ファイバにおける長周期グレーティング形成部
位を被覆して当該長周期グレーティング形成部位を補強
する被覆補強手段。
【0022】本発明の第2の態様に係わる長周期グレー
ティング部品であって、前記被覆補強手段は、前記長周
期グレーティング形成部位を被覆した状態で熱収縮して
当該長周期グレーティング形成部位に融着する管状熱収
縮部材である。
【0023】本発明の第3の態様は、下記のステップを
備えたことを特徴とする長周期グレーティング部品の製
造方法である。 (a)コア層と、このコア層を被覆するクラッドモード
伝播用の第1のクラッド層と、この第1のクラッド層を
被覆し、当該第1のクラッド層を介して伝播されるクラ
ッドモードの光信号を当該第1のクラッド層内に閉じ込
める第2のクラッド層とを有した光ファイバを用意する
ステップと、(b)前記光ファイバの所定部位に、形成
したい長周期グレーティング形状に対応する所定間隔ピ
ッチの複数のスリットを有するマスクを介してレーザ光
を照射して前記所定部位に長周期グレーティングを形成
するステップと、(c)前記長周期グレーティング形成
部位を被覆して当該長周期グレーティング形成部位を補
強するステップ。
【0024】本発明の第3の態様に係わる長周期グレー
ティング部品の製造方法であって、前記長周期グレーテ
ィング形成部位を補強するステップは、少なくとも前記
長周期グレーティング形成部位のファイバ軸方向に沿っ
た長さよりも長く、当該光ファイバよりも断面積が大き
く且つ熱収縮性を有する材質から成る管状熱収縮部材を
用意するステップと、前記長周期グレーティングが形成
された光ファイバの長周期グレーティング形成部位を前
記管状熱収縮部材内に配置するステップと、前記長周期
グレーティング形成部位が前記管状部材内に配置された
状態で熱処理を施して前記管状熱収縮部材を熱収縮さ
せ、当該管状熱収縮部材を当該長周期グレーティング形
成部位に融着させるステップとを備えている。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形
態に係わる長周期グレーティング用光ファイバがパッケ
ージ化された長周期グレーティング部品1の概略構成を
示す斜視図である。
【0026】図1に示すように、長周期グレーティング
部品1は、長周期グレーティングが形成された長周期グ
レーティング用光ファイバ2と、この長周期グレーティ
ング用光ファイバ2と並行に配置された長周期グレーテ
ィング用ファイバ2補強用のSUS304等の金属棒3
とを備えている。
【0027】また、長周期グレーティング部品1は、長
周期グレーティング用光ファイバ2および金属棒3に融
着してその長周期グレーティング用光ファイバ2および
金属棒3を被覆する管状熱収縮部材としての融着補強ス
リーブ4を備えている。この融着補強スリーブ4は、例
えばEVA(Ethylene Vinyl Acetate copolymer;エチ
レン酢ビコポリマー等から製造されている。
【0028】図2は、図1に示す長周期グレーティング
部品1のII−II矢視断面図であり、図3は、長周期グレ
ーティング用光ファイバ2の外形寸法および屈折率分布
のプロファイル(破線で示す)を概略的に示す図であ
る。
【0029】図2および図3に示すように、長周期グレ
ーティング用光ファイバ2は、ゲルマニア(GeO2)が石
英ガラスにドープされて形成されたコア層10を備えて
いる。そして、このコア層10には、ファイバ長手方向
に沿ってその屈折率を周期的に変化させた長周期グレー
ティング11(周期変化約440μm、グレーティング
長約22mm)が形成されている。
【0030】また、長周期グレーティング用光ファイバ
2は、コア層10を被覆するクラッドモード伝播用の第
1のクラッド層12と、この第1のクラッド層12をさ
らに被覆し、上記長周期グレーティング11の機能によ
り第1のクラッド層12を介して伝播されるクラッドモ
ードの光信号を第1のクラッド層12内に閉じ込める機
能を有する第2のクラッド層13とを備えている。
【0031】コア層10は、約10μmのコア径d1お
よび例えば約1.467の屈折率をそれぞれ有してお
り、第1のクラッド層12は、約119μmのクラッド
径d2を有している。第1のクラッド層12の材料とし
ては、伝播モードの光信号をコア層10内において伝播
させるために、コア層10の屈折率よりも僅かに小さい
ものが用いられている。
【0032】例えば、本実施形態では、第1のクラッド
層12の材料として、屈折率が約1.46のシリコン
(Si;具体的には、屈折率nが約1.47のシリコン
オイル;SM−Oil等)が用いられている。
【0033】また、第2のクラッド層13は、約125
μmのクラッド径d3を有している。第2のクラッド層
13の材料としては、第1のクラッド層12の屈折率よ
りも僅かに小さい屈折率を有するフッ素(F)、ボロン
(B)等が用いられている。
【0034】すなわち、長周期グレーティング用光ファ
イバ2は、図3に破線で示したように、コア層10の屈
折率、第1のクラッド層12の屈折率および第2のクラ
ッド層13の屈折率がそれぞれ階段状(ステップ状)に
変化する、いわゆるステップインデックス型光ファイバ
であり、コア層10および第1のクラッド層12の比屈
折率差△1は、使用波長でのパルスの分散を抑制するた
めに、例えば約0.35%に設定されている。また、第
1のクラッド層12および第2のクラッド層13の比屈
折率差△2は、後述するクラッドモードの光信号を第1
のクラッド層12内に閉じ込めるために、例えば約0.
3%に設定されている。
【0035】そして、図3に示すように、第2のクラッ
ド層13は、第1のクラッド層12に対して同心円状に
配置されてその第1のクラッド層12を被覆している。
第2のクラッド層13の径方向における厚みd4は、後
述するクラッドモードの光信号の伝搬特性を高く維持す
るために必要な長さに設定されている。例えば、第1の
クラッド層12のクラッド径d2が119μm、第2の
クラッド層13のクラッド径d3が125μmの場合に
は、第2のクラッド層13の厚みd4が最低2μm以
上、好適には約3μmに設定されている。
【0036】次に、本実施形態に係わる長周期グレーテ
ィング用光ファイバ2の作用について説明する。
【0037】図4に示すように、長周期グレーティング
用光ファイバ2のコア層10に形成された長周期グレー
ティング11により、特定の波長帯を有する伝搬モード
の光信号を、コア層10から第1のクラッド層12へ放
出され第1のクラッド層12を介して伝搬されるクラッ
ドモードの光信号S1、S2へ結合させることができ
る。この結果、クラッドモードの光信号S1、S2へ結
合した所定の波長帯の光信号を損失としてカットオフす
ることができる。
【0038】このとき、本実施形態では、第1のクラッ
ド層12の周囲が、そのクラッド層12の屈折率よりも
小さい屈折率を有する第2のクラッド層13により被覆
されている。このため、図4に示すように、クラッドモ
ードの光信号S1、S2は、第2のクラッド層12に対
する境界面において全反射して第1のクラッド層12内
を伝搬する。
【0039】この結果、第1のクラッド層12の外部環
境に関係なく、第1のクラッド層12を伝搬するクラッ
ドモードの光信号S1、S2を、その第1のクラッド層
12内に閉じ込めることができる。
【0040】ここで、従来の第2のクラッド層13が未
形成の長周期グレーティング用光ファイバを屈折率n=
1の空気層で覆った場合の光損失の波長依存特性と本実
施形態の長周期グレーティング用光ファイバ2における
光損失の波長依存特性とを比較した結果を図5に示す。
【0041】すなわち、図5に示すように、本実施形態
の長周期グレーティング用光ファイバ2によれば、その
ファイバ2の長周期グレーティング形成部位における第
1のクラッド層12の周囲に空気層を介在させることな
く、空気層を介在させた場合と略同等の光損失の波長依
存特性を得ることができる。
【0042】したがって、図1および図2に示したよう
に、長周期グレーティング用光ファイバ2の長周期グレ
ーティング形成部位の周囲に融着補強スリーブ4を密着
させてその長周期グレーティング形成部位を補強するこ
とができる。
【0043】この結果、長周期グレーティング形成部位
を保護するパッケージ保護部材およびこのパッケージ保
護部材と長周期グレーティング形成部位とを接続する接
着剤を用いることなく、長周期グレーティング用光ファ
イバ2を部品化(融着補強スリーブ4によるパッケージ
化)することができる。この結果、長周期グレーティン
グ部品1のコストを低減させることができる。
【0044】また、接着剤を使用することなく融着補強
スリーブ4により長周期グレーティング形成部位を補強
することができるため、接着剤の経時劣化に伴う光透過
損失の波長依存特性変化への影響を回避することができ
る。この結果、長周期グレーティング部品1の信頼性を
高く維持することができる。
【0045】次に、本実施系形態の長周期グレーティン
グ部品1の製造工程について、図6を参照して説明す
る。
【0046】最初に、図6(a)に示すように、本実施
形態に係わる長周期グレーティング用光ファイバ2を用
意し、この長周期グレーティング用光ファイバ2の外部
被覆(中間被覆)を除去する(ステップS1)。次い
で、この中間被覆が除去された長周期グレーティング用
光ファイバ2に対して、例えば15MPaで約3週間高
圧水素処理を行い、光ファイバ2のレーザ光に対する感
度を実用的レベルまで上昇させる(ステップS2)。
【0047】次いで、高圧水素処理終了後の光ファイバ
2に対して、予め所望の長周期グレーティング形状(周
期変化約440μm、グレーティング長約22mm)に
対応するピッチのスリットを有するフェイズマスクを介
して紫外線アルゴンレーザを照射する。このレーザ光照
射により、光ファイバ2に対して上記グレーティング形
状(周期変化約440μm、グレーティング長約22m
m)を有する長周期グレーティング11を形成する(ス
テップS3)。
【0048】続いて、長周期グレーティング11が形成
された光ファイバ2に対して、例えば80℃〜120℃
の熱条件に基づいて水素抜きアニール処理を施す(ステ
ップS4)。次いで、水素抜きアニール処理後、上記グ
レーティング形状・特性の経時劣化量に基づく局所加熱
処理(熱劣化アニール処理)を施してグレーティング形状
・特性を安定化させる(ステップS5)。
【0049】このとき、本実施形態では、長周期グレー
ティング11が形成された光ファイバ2の周囲に空気層
を介在させる必要がない。そこで、従来の保護部材の代
わりに、長周期グレーティング11の形成部位のファイ
バ軸方向に沿った長さよりも長く、光ファイバ2よりも
断面積が大きく且つ熱収縮性を有する材質(EVA)か
ら成る融着補強スリーブ4を用意する。そして、局所加
熱処理後の光ファイバ2の長周期グレーティング11形
成部位を用意した融着補強スリーブ4内に配置する。
【0050】この状態で、例えば150℃〜160℃の
熱条件で熱処理を例えば20〜30sec施すことによ
り融着補強スリーブ4を熱収縮させる。この結果、融着
補強スリーブ4を長周期グレーティング11形成部位に
融着させて(ステップS6)長周期グレーティング11
が形成された光ファイバ2をパッケージ化(部品化)す
る。このパッケージにより、長周期グレーティング部品
1を製造する。
【0051】このようにして製造された長周期グレーテ
ィング部品1の諸特性を測定してその諸特性のチェック
を行い、良好な結果を有する部品のみを長周期グレーテ
ィング部品1とする(ステップS7)。
【0052】ここで、図6(b)に、従来の長周期グレ
ーティング部品製造工程(ステップS1〜S5、S10
〜S12、S7)を示す。
【0053】図6から明らかなように、本実施形態の長
周期グレーティング部品1の製造工程(ステップS1〜
ステップS7)では、長周期グレーティング11形成後
の光ファイバ2に対するパッケージ工程は、光ファイバ
2に対する融着補強スリーブ4の融着補強工程の1工程
のみである。
【0054】これに対し、従来の長周期グレーティング
部品製造工程(ステップS1〜S5、S10〜S12、
S7)では、従来例において記載したように、光ファイ
バの長周期ファイバグレーティング形成部位に対するパ
ッケージ保護部材接着工程(ステップS10)、その後
の接着剤アニール工程(ステップS11)および接着剤
アニール工程終了後のパッケージ保護部材を2次パッケ
ージである例えばSUS製の金属パイプに収容してパッ
ケージ化する工程(ステップS12)がそれぞれ必要に
なる。
【0055】したがって、本実施形態の長周期グレーテ
ィング部品1の製造方法によれば、その製造工程数を大
幅に減らすことができ、長周期グレーティング部品1の
製造コストを大幅に短縮することができる。
【0056】また、上記製造工程に基づいて実際に製造
された本実施形態に係わる長周期グレーティング部品1
は、上述したように長周期グレーティング形成部位の周
囲に空気層が不要である。したがって、長周期グレーテ
ィング形成部位に直接融着補強スリーブ4を密着させる
ことができるため、その部品全体の大きさをコンパクト
にすることができる。
【0057】例えば、前掲図8に示した従来の長周期グ
レーティング部品では、空気層およびパッケージ保護部
材が必要なことから、その部品全体の径が約3.5φと
なっている。
【0058】しかしながら、本実施系形態の長周期グレ
ーティング部品1によれば、図2に示すように、その部
品全体の径が約2.0φとなり、大幅なコンパクト化を
図ることができる。
【0059】なお、本実施形態においては、第1のクラ
ッド層12および第2のクラッド層13を、それぞれシ
リコンから成るシリコン層およびフッ素から成るフッ素
層としたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0060】例えば、第1のクラッド層がコア層の屈折
率よりも僅かに小さい屈折率を有し、第2のクラッド層
が第1のクラッド層の屈折率よりも僅かに小さい屈折率
を有していれば、他の材料で形成することが可能であ
る。
【0061】また、本実施形態においては、長周期グレ
ーティング用光ファイバにおける長周期グレーティング
形成部位を被覆して当該長周期グレーティング形成部位
を補強する手段として、管状熱収縮部材である融着補強
スリーブを用いたが、本発明はこれに限定されるもので
はない。
【0062】例えば、空気層非介在および保護部材不要
のメリットを生かせる被覆補強部材であれば、いずれの
部材を用いることも可能である。
【0063】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係わる長周
期グレーティング用光ファイバ、長周期グレーティング
部品およびその製造方法によれば、クラッドモード伝搬
用の第1のクラッド層を被覆して第1のクラッド層を介
して伝播されるクラッドモードの光信号を第1のクラッ
ド層内に閉じ込める第2のクラッド層を設けたため、第
1のクラッド層の周囲に空気層を介在させる必要がなく
なる。
【0064】したがって、この長周期グレーティング用
光ファイバを部品化する際に、上記空気層を介在させる
ためのパッケージ保護部材およびこのパッケージ保護部
材と長周期グレーティング形成部位とを接続する接着剤
を用いることなく長周期グレーティング部品を製造する
ことができる。
【0065】この結果、長周期グレーティング部品のコ
ストを低減することができる。また、接着剤の経時劣化
に伴う光透過損失の波長依存特性変化への影響を回避し
て長周期グレーティング部品の信頼性を高く維持するこ
とができる。さらに、長周期グレーティング部品コスト
を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる長周期グレーティ
ング用光ファイバがパッケージ化された長周期グレーテ
ィング部品の概略構成を示す斜視図。
【図2】図1に示す長周期グレーティング部品のII−II
矢視断面図。
【図3】長周期グレーティング用光ファイバの外形寸法
および屈折率分布のプロファイルを概略的に示す図。
【図4】長周期グレーティング用光ファイバの内部を概
略的に示す図。
【図5】従来の第2のクラッド層13が未形成の長周期
グレーティング用光ファイバを屈折率n=1の空気層で
覆った場合の光損失の波長依存特性と本実施形態の長周
期グレーティング用光ファイバ2における光損失の波長
依存特性とを比較した結果を示す図。
【図6】(a)は、本実施系形態の長周期グレーティン
グ部品の製造工程を示す図であり、(b)は、従来の長
周期グレーティング部品の製造工程を示す図。
【図7】従来の長周期グレーティング用光ファイバ内の
構成およびクラッド層内のクラッドモードの伝播状態を
概略的に示す図。
【図8】外部環境の屈折率の違いに起因したクラッドモ
ードの光信号の波長特性を示す図。
【図9】従来の長周期グレーティング形成部位の保護部
材による保護構造を示す図。
【符号の説明】
1:長周期グレーティング部品 2:長周期グレーティング用光ファイバ 3:金属棒 4:融着補強スリーブ 10:コア層 11:長周期グレーティング 12:第1のクラッド層 13:第2のクラッド層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新野 幸生 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 西山 和彦 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 2H050 AA01 AC84 AD00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の構成要素を備えたことを特徴とす
    る長周期グレーティング用光ファイバ。 (a)コア層と、(b)このコア層を被覆するクラッド
    モード伝播用の第1のクラッド層と、(c)前記第1の
    クラッド層を被覆し、前記第1のクラッド層を介して伝
    播されるクラッドモードの光信号を当該第1のクラッド
    層内に閉じ込める第2のクラッド層。
  2. 【請求項2】 前記第1のクラッド層の屈折率が前記第
    2のクラッド層の屈折率よりも高いことを特徴とする請
    求項1記載の長周期グレーティング用光ファイバ。
  3. 【請求項3】 前記第1のクラッド層は、シリコン(S
    i)材料から成るシリコン層であり、前記第2のクラッ
    ド層は、フッ素(F)、ボロン(B)等の材料から成る
    クラッド層であることを特徴とする請求項2記載の長周
    期グレーティング用光ファイバ。
  4. 【請求項4】 下記の構成要素を備えたことを特徴とす
    る長周期グレーティング部品。 (a)コア層と、このコア層を被覆するクラッドモード
    伝播用の第1のクラッド層と、この第1のクラッド層を
    被覆し、当該第1のクラッド層を介して伝播されるクラ
    ッドモードの光信号を当該第1のクラッド層内に閉じ込
    める第2のクラッド層とを有した長周期グレーティング
    用光ファイバと、(b)この長周期グレーティング用光
    ファイバのコア層に形成された長周期グレーティング
    と、(c)前記長周期グレーティング用光ファイバにお
    ける長周期グレーティング形成部位を被覆して当該長周
    期グレーティング形成部位を補強する被覆補強手段。
  5. 【請求項5】 前記被覆補強手段は、前記長周期グレー
    ティング形成部位を被覆した状態で熱収縮して当該長周
    期グレーティング形成部位に融着する管状熱収縮部材で
    あることを特徴とする請求項4記載の長周期グレーティ
    ング部材。
  6. 【請求項6】 下記のステップを備えたことを特徴とす
    る長周期グレーティング部品の製造方法。 (a)コア層と、このコア層を被覆するクラッドモード
    伝播用の第1のクラッド層と、この第1のクラッド層を
    被覆し、当該第1のクラッド層を介して伝播されるクラ
    ッドモードの光信号を当該第1のクラッド層内に閉じ込
    める第2のクラッド層とを有した光ファイバを用意する
    ステップと、(b)前記光ファイバの所定部位に、形成
    したい長周期グレーティング形状に対応する所定間隔ピ
    ッチの複数のスリットを有するマスクを介してレーザ光
    を照射して前記所定部位に長周期グレーティングを形成
    するステップと、(c)前記長周期グレーティング形成
    部位を被覆して当該長周期グレーティング形成部位を補
    強するステップ。
  7. 【請求項7】 前記長周期グレーティング形成部位を補
    強するステップは、少なくとも前記長周期グレーティン
    グ形成部位のファイバ軸方向に沿った長さよりも長く、
    当該光ファイバよりも断面積が大きく且つ熱収縮性を有
    する材質から成る管状熱収縮部材を用意するステップ
    と、 前記長周期グレーティングが形成された光ファイバの長
    周期グレーティング形成部位を前記管状熱収縮部材内に
    配置するステップと、 前記長周期グレーティング形成部位が前記管状部材内に
    配置された状態で熱処理を施して前記管状熱収縮部材を
    熱収縮させ、当該管状熱収縮部材を当該長周期グレーテ
    ィング形成部位に融着させるステップとを備えたことを
    特徴とする請求項6記載の長周期グレーティング部品製
    造方法。
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