JP2003175624A - インクカートリッジ - Google Patents
インクカートリッジInfo
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- JP2003175624A JP2003175624A JP2002370249A JP2002370249A JP2003175624A JP 2003175624 A JP2003175624 A JP 2003175624A JP 2002370249 A JP2002370249 A JP 2002370249A JP 2002370249 A JP2002370249 A JP 2002370249A JP 2003175624 A JP2003175624 A JP 2003175624A
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Abstract
クが漏出し難い構成とすることで、外部へ漏出したり、
大気連通孔を閉塞することのないインクカートリッジを
提供する。 【解決手段】 インクカートリッジ1は、ケース2内
に、インクを吸収した多孔質材8が収納される第1の室
9を形成するとともに、第1の室9を通路16を介して
ケース2外の大気に開口する大気連通孔18に連通し、
第1の室9の内壁面のエッジが、通路16および大気連
通孔18に面状部を介在して繋がっていて、エッジだけ
で繋がっていないので、第1の室9内のインクが仕切壁
6をつたって大気連通路11に浸入することを防止する
ことができる。
Description
ける記録ヘッドに供給するインクを収容するインクカー
トリッジに関するものである。
の画像形成装置は、キャリッジ上に搭載された記録ヘッ
ドのノズルからインク滴を噴出させ、記録媒体上に画像
を記録するものであり、インク滴の噴出は、記録ヘッド
に配設された電気機械変換素子または電気熱変換素子等
のアクチュエータを駆動して圧力波を発生させることに
より行われる。インクは、記録ヘッドに交換自在に搭載
されるインクカートリッジから供給されるが、インクカ
ートリッジから供給されるインク液中に気泡が混入して
いると、記録ヘッドのノズルからのインク噴射に悪影響
を及ぼすことが知られている。
ンクを供給するインク供給口や、インクの消費による減
少に対応して空気が流入するように大気と連通する大気
連通孔を有する。そこで、インクカートリッジの製造工
程でインクを充填した後は、これらの開口はいずれも封
止部材により封止状態とされる。また、出荷時に、未使
用状態でのインク漏れやケース内への空気侵入防止のた
め、インクを収容したインクカートリッジを包装袋内に
減圧状態で密閉収容する(いわゆる真空パック)ことが
行われている(例えば、特開平7−132611号公報
参照)。そして、ユーザでの使用時に、包装袋からイン
クカートリッジを取り出し、封止部材を剥がして、大気
連通孔を開口するとともに、インク供給口を記録ヘッド
に連通させる。
ンクカートリッジにおいては、インクを収容するインク
室の内壁面をつたって大気連通孔側へインクが侵入する
ことがある。インクが外部に漏出したり、仮に漏出しな
くてもケースが透明または半透明である場合には見苦し
いものとなったり、大気連通孔を塞いで、記録ヘッドへ
のインク供給に支障をきたすことになる。特に、インク
室と大気連通路との間がエッジ(稜線)部分で繋がって
いると、毛細管現象でインクがインク室から大気連通孔
へ浸入し易いものとなる。例えば、図11に示す構成
は、発明の実施の形態において説明するインクカートリ
ッジを用いて、上記問題点を説明するために作成したも
のである。インクカートリッジのケース2内には、仕切
壁6によって、インク吸収材8を収容する吸収材室9
と、大気連通路11とを形成している。ケース2の上端
開口面を覆う上蓋部材3に設けた連通路16bにより、
吸収材室9と大気連通路11とを相互に連通させてい
る。連通路16bの上面はシール材により覆う。このよ
うな構成において、仕切壁6とケース側壁2dのなすエ
ッジ(稜線)E1、及び仕切壁6と上蓋部材3のなすエ
ッジ(稜線)E2に、毛細管現象によりインクが集まり
易い。しかも上記エッジE1,E2は、連通路16bの
内面と仕切壁6とのなすエッジE3と連続しているか
ら、上記エッジE1,E2に集まったインクは、矢印R
で示すように毛細管現象によりエッジE3に流れ、さら
に大気連通路11内のエッジE4に沿って流れ出る。吸
収材室から大気連通路の方にインクが浸入すると、ケー
スが透明または半透明である場合は、見苦しいものとな
り、さらには、ケース外部に漏出したり、大気連通路を
塞いでしまうと不具合である。
になされたものであり、大気連通孔へのインクの侵入を
防止し、インクが漏出し難い構成とすることで、外部へ
漏出したり、大気連通孔を閉塞することのないインクカ
ートリッジを提供することを目的とする。
的を達成するために請求項1の発明は、記録ヘッドに供
給するインクを収容するインクカートリッジにおいて、
該カートリッジを構成するケース内に、インクを吸収し
た多孔質材が収納される第1の室を形成するとともに、
前記第1の室を通路を介して前記ケース外の大気に開口
する大気連通孔に連通し、前記第1の室の内壁面のエッ
ジが、前記通路および大気連通孔に面状部を介在して繋
がっていることを特徴とするインクカートリッジにあ
る。
ッジが、通路および大気連通孔に面状部を介在して繋が
っていて、エッジだけで繋がっていないので、第1の室
内のインクが仕切壁をつたって大気連通路に浸入するこ
とを防止することができる。
カートリッジにおいて、前記ケース内に仕切壁により、
前記第1の室と、前記通路と前記大気連通孔とを連通す
る大気連通路を形成し、かつその第1の室と大気連通路
との開口部を蓋部材によって覆い、前記蓋部材には、前
記仕切壁から離れた位置に、前記第1の室の内面よりも
第1の室側に張り出した壁を形成するとともに、前記仕
切壁とは反対側の蓋部材の面に、前記第1の室と大気連
通路とを連通する前記通路を備えている。
との開口部を蓋部材によって覆い、蓋部材に、第1の室
側に張り出す壁と、仕切壁とは反対側の面に通路とを形
成するので、上記壁を、ケースの成形においてアンダー
カットにならずに設けることができ、容易に製作するこ
とができる。そして、このような壁があることで、通路
を仕切壁との間にエッジができないように離して形成で
き、請求項1の発明の作用効果が確実に得られる。
カートリッジにおいて、さらに、前記第1の室を覆い、
該第1の室とは反対側の面に前記通路を備える蓋部材を
有し、該蓋部材には、前記第1の室の内面から離れた位
置に、前記蓋部材と前記ケースとの接合面よりも第1の
室の内側に張り出した壁を形成し、かつ前記第1の室の
内面から離れた位置に前記通路を前記第1の室に連通す
るための開口を形成し、前記第1の室には、前記多孔質
材を前記蓋部材の前記壁で押圧した状態で収容してい
る。この構成によれば、蓋部材で多孔質材を押圧する
と、多孔質材内のインクがにじみ出てくるが、そのイン
クが第1の室のエッジをつたって大気連通孔に漏出する
ことを防止することができる。
形態を図面を参照して説明する。
ジを記録ヘッドに接続した状態を示すもので、記録媒体
に沿って走査移動されるキャリッジ52に、記録ヘッド
72を支持したヘッドホルダ50が搭載され、そのヘッ
ドホルダ50にインクカートリッジ1が着脱可能に装着
される。インクカートリッジ1は、その下面に設けたイ
ンク供給口17をヘッドホルダ50側のジョイント部材
74に嵌合し、マニホールド部材73をとおして記録ヘ
ッド72の多数のインク噴出チャンネルにインクを分配
する。記録ヘッド72は、公知のように圧電素子あるい
は発熱素子からなるアクチュエータを駆動することによ
って、各インク噴出チャンネルからインクを噴出するも
のである。
は、透明もしくは半透明な樹脂材料により矩形状につく
られたケース2と、上下の蓋部材3,4とから成る。ケ
ース2は、対向する一対の第1の側壁2a,2bと、そ
の一対の側壁間を連結する一対の第2の側壁2c,2d
とからなり、上下両端面を開放した矩形の筒状をなして
いる。上下の蓋部材3,4は、ケース2の上下両開放面
を覆うように熱溶着されている。さらに、ケース2は、
第1の側壁(図3において左右の壁)2a,2bとほぼ
平行に延びる仕切壁5,6、その両仕切壁下端と接続し
底部開放面とほぼ平行に延びる底部仕切壁7、およびそ
の底部仕切壁7から底部開放面に向け垂直に延びる仕切
壁7a,7b,7cによって内部が区画形成されてい
る。仕切壁5,6、底部仕切壁7、および仕切壁7a,
7bは、第2の側壁2c,2d間を橋渡す方向に延びて
いる。
側壁2c,2dに囲まれたところには、上面をケース2
の上端において開放した第1の室9が形成され、インク
を吸収したポリウレタンフォーム等の多孔質材8を収容
している。第1の側壁の一方2a、仕切壁5および第2
の側壁2c,2dに囲まれたところには、第2の室10
が形成され、第1の側壁の他方2b、仕切壁6および第
2の側壁2c,2dに囲まれたところには、大気連通路
11が形成されている。第2の室10と大気連通路11
は、それぞれ上端をケース2の上面において開放し、か
つ下端を底部仕切壁7の下面に沿って曲げ、その下端を
ケース2の下面において開放している。
および大気連通路11の上端をそれぞれ覆って、側壁2
a,2b,2c,2dおよび仕切壁5,6の上端に熱溶
着によって固着され、各室9,10および通路11を独
立させている。下蓋部材4は、第2の室10および大気
連通路11の下端をそれぞれ覆って、側壁2a,2b,
2c,2dおよび仕切壁7a,7bの下端に熱溶着によ
って固着され、第2の室10および通路11を独立させ
ている。その結果、第2の室10および大気連通路11
は、側壁2a,2bに沿う垂直部分10aと、第1の室
9の下側に位置する水平部分10b,11bとからほぼ
L字形をなす。なお、大気連通路11の垂直部分と11
aと水平部分11bとは、仕切壁7bに設けた連通口3
0を介して連通している。
10を接続する連通孔15が形成されている。第1の室
9と第2の室10とにはそれぞれインクが収容され、両
室でインク室を形成している。第2の室10は、後述す
るようにインク充填時の通路となるとともに、第1の室
9から記録ヘッド72へインクを供給する際の中継室と
なる。第1の室9は第2の室10に比して十分に大きく
形成されている。大気連通路11は、第1の室9のイン
クが消費された際に第1の室9に大気を補給するもので
ある。第2の室10と大気連通路11との間は、底部仕
切壁7の下面の仕切壁7aによって分離されている。上
記のように、ケース2の両側部に、仕切壁5,6が側壁
2a,2Bとほぼ平行に設けられ、側部をほぼ二重壁構
造として、ケース強度を増大している。また、このよう
な形状のケース2は、上下に分離する金型によって容易
に樹脂成形することができる。
面に対応してインク充填口13が形成され、また、第1
の室9の上端開放面に対向して、インク充填時にケース
内を減圧するための減圧口14が形成されている。第2
の室10と第1の室9とを相互に連通する上記連通孔1
5は、インク充填口13、減圧口14が配設されている
側から遠い端すなわち同側とは反対側に配置され、後述
するようにインクの充填効率を上げ、かつインクの消費
効率を上げるようにしている。
上蓋部材3に、仕切壁6の上端を跨ぐようにして形成さ
れた通路16により連通されている。つまり、通路16
は、上蓋部材13の上面に凹状に形成され、その一端は
減圧口14を介して第1の室9に連通され、他端は貫通
口16aを介して大気連通路11に連通されている。上
蓋部材13は、第1の室9内に突出し多孔質材8の上面
に当接する壁27を有している。つまり、上蓋部材3
は、第1の室9と対応する部分において、厚く形成さ
れ、インク吸収材8を少し圧縮している。壁27は、後
述するように第1の室9の内面と間隔をあけ、かつ減圧
口14はその壁27の外周よりも第1の室9の内側に位
置している。
面に対応して、第2の室10のインクを記録ヘッドに供
給するためのインク供給口17が形成され、大気連通路
11の下端開放面に対応して、大気連通孔18がそれぞ
れ形成されている。図6に示すように、連通孔15とイ
ンク供給口17とは平面からみて相互にずれて位置して
おり、第2の室10には、連通孔15とインク供給口1
7とを結ぶ最短路上に、リブ状の障壁31が形成されて
いる。この障壁31はケース2の仕切壁7から一体に突
設させ、下蓋部材4の内壁面と接合させることで形成す
ることが好ましいが、下蓋部材4から一体に突設させる
ようにしても差し支えない。底部仕切壁7の下面7d
(図3)は、連通孔15の下端から第2の室10の垂直
部分に向かって上昇するように傾斜面となっている。上
記障壁31の一方の端は、連通孔15の側部に位置し、
他端は第2の室10の垂直部分に近いところまで延びて
いる。これにより、記録ヘッド72からのインク噴出に
より生じた負圧により第2の室10からインクを引き込
む時に、第1の室9から連通孔15を出たインク流は矢
印32のように障壁31を迂回して、第2の室10の垂
直部分10aを通って再び第2の室10の水平部分10
bに入ってインク供給口17に至る。
圧口14は、インク充填後に、上蓋部材3の外面に熱溶
着等により貼付された第1のシール材21,22にて閉
塞される。シール材22は通路16を確保してその上面
を覆っている。インク供給口17と大気連通孔18は、
熱溶着等により剥離可能に貼付される第2のシール材2
3にて閉塞される。インク充填口13とインク供給口1
7とが別であるから、第2のシール材23は、インクの
充填前にあらかじめインク供給口17に貼付される。こ
のため、インク供給口17がインク充填口13を兼ねる
従来のもののように、インク供給口17のまわりが充填
時のインクで濡れているということがないから、インク
供給口が変形しない程度の弱い熱溶着であっても、十分
なシール効果を得ることができる。シール材21,22
は、剥離する必要がないから上蓋部材3に多少変形が生
じる程度に強固に熱溶着してもよい。各シール材21,
22,23は、空気不透過性の樹脂または金属箔あるい
はそれらの積層材料でつくられる。
は、ステンレス製の網状のフィルタ24が取り付けられ
る。このフィルタ24は、第2の室10内のインクが表
面張力により自然状態では漏出しない程度の目の大きさ
をもっている。
部分11aの途中には、その大気連通路11を上下に仕
切る仕切壁29が形成されている。その仕切壁29は、
大気連通路11の上下方向に高低差をもって延びてお
り、その高い部分には貫通穴28が形成され、その貫通
穴28の上端面よりも低い位置にインク溜29aとなる
凹部が形成されている。仕切壁29は、ケース2を樹脂
成形する際、上下に分離する金型の分離部分で成形で
き、特別な加工を必要としない。
18aを筒状に上方に突設することによっても、その周
囲にインク溜4aを形成している。これにより、インク
カートリッジが転倒する等して第1の室9から通路16
をとおって漏れたインクが、インク溜29aに溜まる。
また、インク溜29a内のインクが、インクカートリッ
ジを傾ける等によって貫通穴28に入ることがあって
も、その下方のインク溜め4aに溜まる。したがって、
大気連通路11や大気連通孔18を塞いでしまったり、
インクが外部に漏れたりすることはない。
は、第2の室10および大気連通路11の水平部分10
b,11bに隣接して空間33が形成されている。空間
33は、仕切壁7a,7b間に橋渡した仕切壁7cによ
って区画され、下面を下蓋部材4で覆われて、第2の室
10や第1の室9、大気連通路11とは連通しておら
ず、下蓋部材4に設けた開孔34によりケース外部と連
通している。インクを充填したインクカートリッジ1
は、出荷に際して、図19に示すように、包装袋81内
に減圧状態で密閉収容した状態とされる。包装袋81
は、筒状部材の内部にインクカートリッジ1を収納し
て、内部を負圧吸引するとともに両開口端を溶着82し
たものである。包装袋81は、空気不透過性の樹脂また
は金属箔あるいはそれらの積層材料でつくられる。図1
9で示したインクカートリッジ1の断面は、図9のC−
C線断面に相当する。開孔34は第2のシ−ル材23で
は覆われない。上記空間33は、包装袋81内を減圧状
態としたときに、空間33内も同様に減圧状態とし、そ
の容積により密閉包装袋81内を長期間にわたり減圧状
態に維持するように作用するものである。これにより、
未使用状態でケース内のインクへの空気侵入を防止す
る。
細に示すものである。
の室9側に張り出す上記の壁27の外周は、第1の室9
の内面と間隔Kをおいている。減圧口14は、円筒形、
丸みをもった矩形等であって、内面にエッジを持たない
形状をなし、壁27の仕切壁6から離れた端部に位置し
ている。この構成により、仕切壁6の第1の室9側の内
側エッジが、通路16および大気連通路11に、2平面
のなす内側エッジだけで繋がっていない。つまり、壁2
7の下面、壁27の外周、および減圧口14の内面は、
2平面のなす内側エッジを持たない形状であり、仕切壁
6の第1の室9側の内側エッジはこれらの面部を介して
大気連通路11に繋がっていることになる。したがっ
て、壁27が多孔質材8を圧縮する等してにじみ出たイ
ンクや、第1の室9側の内側エッジに集まったインク
が、毛細管現象により通路16や大気連通路11側へ流
出することが防止される。また、多孔質材8に接する減
圧口14の内面にも、内側エッジがなく、しかも上蓋部
材3の厚肉部に減圧口14が位置し減圧口14の高さが
十分にあるから、多孔質材8内のインクが、減圧口14
の内面をつたって通路16に侵入することも防止され
る。仮に、壁27の外周と仕切壁6との間の隙間が小さ
く、その隙間を、インクが毛細管現象により上昇するこ
とがあっても、仕切壁6の上端は蓋部材3に溶着されて
いるから、インクが大気連通路11に侵入することはな
い。
状とした場合、通路16の内面を、半円筒形または丸み
をもった矩形等、エッジのない断面形状としても、同様
の効果が得られる。
を示すもので、図12では減圧口14は、壁27を貫通
していたが、壁27の外周と仕切壁6の間に壁27に接
することなく設けられている。つまり、減圧口14の内
面が、多孔質材8に直接接触することなく、空間をおい
ているから、多孔質材8内のインクが減圧口14の内面
をつたって漏出することが、一層防止される。
ジ52には、インク残量検出センサ60が設けられてい
る。すなわち、インクカートリッジ1の未使用状態で
は、第1の室9内の多孔質材8と第2の室10内に空間
を残すことなくインクが充満されているが、記録動作に
よりインクが消費されて、第1の室9内のインクがなく
なると、記録ヘッド72がインクを吸引する圧力によ
り、第1の室9から空気が第2の室10に侵入し、第2
の室10の上方に空隙部分が生じてインク液面が下がっ
てくる。インク残量検出センサ60は、この第2の室1
0の内側壁面でのインクの有無による光の反射の変化か
らインク残量の有無を検出する。
ように、発光素子61がケース2の第2の室10に臨む
側壁2aの所定の高さ位置に設定された検出部位αに光
を出射し、その検出部位αにおける側壁内面からの反射
光を受光素子62(図5)が受光することができるよう
に、発光素子61および受光素子62が、検出部位αを
挟んで第2の室10の水平方向に所定の間隔を開けて配
設されている。この目的のために、ケース2は、少なく
とも検出部位α部分が透光性を確保するために透明また
は半透明であればよい。
に、インクカートリッジ1の第2室10内において、側
壁2aの内面とそれに隣接する側壁2dの内面とが交差
することによって形成される上下方向に延びる稜線部分
(コーナ部分)に設定されている。このように、検出部
位αを第2の室10の稜線部分(コーナ部分)に設定し
ておくと、後述するように、第2の室10内のインクの
液面の高さがレベルh1からレベルh2まで急激に下が
った場合に、図14に示すように、側壁2a内面に付着
していたインクLが側壁2aの中央部においてはレベル
h1付近に保持されたとしても、側壁2a内面のコーナ
部付近に付着していたインクLは、コーナ部分のもつ毛
細管作用によって、インク液面の高さと同じレベルh2
近傍まで即座に移動するので、検出部位αにおける第2
の室10内のインクの有無を精度よく検出することがで
きる。このように、液面が急激に下がるのは、キャリッ
ジの走査移動に伴ってインク液面h2がh1まで揺れた
り、記録ヘッド72の噴射機能回復のために、公知の吸
引手段を記録ヘッド72に接続して多量のインクを吸引
することで、インク液面が急激に下がった場合である。
突出して第2の室10の高さ方向に延びるリブを設け、
このリブと側壁2a内面とによって形成される稜線部分
に検出部位αを設定することも可能であるが、上述した
ように、通常のインクカートリッジにおいて存在するコ
ーナ部分に検出部位αを設定しておくことにより、イン
クカートリッジ1の構造を複雑にすることなく、インク
残量センサ60による検出精度を高めることができる。
クをほぼ消費した後、インクの液面変動が最後に現れる
第2の室10のインク残量をインク残量センサ60によ
って検出することで、インクカートリッジ1を交換すべ
き時点のインク残量を極力小さくすることができ、イン
クカートリッジ1を交換する際に発生するインクの無駄
を最小限に止めることができる。
定されている第2の室10に臨む側壁2aの内面には、
発光素子61および受光素子62と検出部位αとを含む
平面と直交する方向、即ち、インクカートリッジ1の上
下方向に延びる微細な凹凸条63が多数形成されてお
り、検出部位αが設定されている側壁2aの外面には、
発光素子61および受光素子62と検出部位αとを含む
平面と平行方向、すなわち、インクカートリッジ1の前
後方向に延びる微細な凹凸条64が多数形成されてい
る。
クが存在する状態では、発光素子61から出射された光
は、側壁2aとインクとの屈折率からインク内に進み
(矢印B)、受光素子62側にはほとんど進まない。そ
して、検出部位αにおいてインクがない状態では、光は
側壁2aの内面で反射し受光素子62に向かって進む。
この際、ケース本体11の側壁2aの内面に上下方向に
延びる微細な凹凸条63が多数形成されていると、図1
5に実線で示すように、発光素子61から出射された光
が、ケース本体11の側壁2aの内面で反射する際、こ
の凹凸条63によってほぼ水平方向(発光素子61およ
び受光素子62と検出部位αとを含む平面と平行な方
向)に散乱し、センサ60の発光素子61および受光素
子62と前記ケース2の検出部位αとを含む平面内で広
がりながら受光素子62側に進んでいく。側壁2aの内
面に凹凸条63が形成されていない場合の反射光を同図
に二点鎖線で示す。したがって図16に実線および二点
鎖線で示すように、センサ60と検出部位αとの間の距
離が微妙に変化した場合でも、受光素子62が反射光を
確実に受光することができる。つまり、インクジェット
プリンタの製造段階でセンサ60のキャリッジ52に対
する取付位置がばらついていたり、ユーザによるインク
カートリッジ1の交換の際にインクカートリッジ1の装
着位置が微妙にずれた場合でも、確実にインク残量の検
出を行うことができる。なお、図では、説明の便宜上、
光が発光素子61から平行状態に出射される状態で図示
したが、広がるように出射されるものでも、同様の効果
を達成することができる。
に、前後方向に延びる微細な凹凸条64が多数形成され
ていると、図17に示すように、ケース2の側壁2aの
外面で反射する光が、その凹凸条64によって上下方向
に散乱し、側壁2aの外面での反射光がセンサ60の発
光素子61および受光素子62と検出部位αとを含む平
面の外側に広がりながら受光素子62側に進んでいくの
で、受光素子62がインク残量の検出に寄与しない側壁
2aの外面での反射光を受光しにくくなる。したがっ
て、受光素子62が受光する反射光のうち、インク残量
の検出に寄与する側壁2aの内面での反射光成分の比率
が高くなり、インク残量の検出精度が向上する。仮に、
側壁2aの内面の凹凸条が水平方向に延びるものである
場合、光が上下方向に散乱するため、図16に示すよう
に、センサ60と検出部位αとの距離が変化したとき
に、受光素子62が反射光を受光できる許容位置が、上
記実施形態に比して著しく制限される。
によって成形されるが、使用される金型は、検出部位α
が設定されている側壁2aの内面に対応する金型面が、
発光素子61および受光素子62と検出部位αとを含む
平面に直交する方向に磨かれているとともに、検出部位
αが設定されている側壁2aの外面に対応する金型面
が、発光素子61および受光素子62と検出部位αとを
含む平面に対して平行方向に磨かれており、金型面にこ
のような磨きをかけることによって、それぞれの金型面
に所定方向に延びる微細な凹凸条が多数形成される。し
たがって、このような金型を用いることにより、上述し
たように、検出部位αが設定されている側壁2aの内面
と外面にそれぞれ所定方向に延びる多数の凹凸条63,
64が形成されたインクカートリッジ1を簡単に製造す
ることができる。
と受光素子62とを水平方向に配置しているが、これに
限定されるものではなく、発光素子61および受光素子
62をインクカートリッジ1の上下方向に配置すること
も可能である。但し、その場合、側壁2aの内外面にそ
れぞれ形成される凹凸条63、64の向きを逆にしなけ
ればならない。
説明すると、まず、ケース2を樹脂成形し、そのケース
2を洗浄し、乾燥する。このとき、ケース2は上下両端
面が開放されているから、上下に分離する金型で容易に
成形することができる。ケースはインクの物性が変わら
ないように、よく洗浄しておく必要があるが、このケー
スの形状では、洗浄液が内部に届きやすく、容易に洗浄
することができる。また、乾燥も、洗浄液を残すことな
く行うことができる。
側開放端から第1の室9に多孔質材8を挿入し、この多
孔質材8を上蓋部材3で押圧することで圧縮状態にして
収容する。上蓋部材3はケース2の上端開口部周縁およ
び仕切壁5,6の上端に熱溶着される。また、下蓋部材
4はケース2の下端開口周縁および仕切壁7a,7b,
7cの下端に熱溶着して固定される。下蓋部材4のイン
ク供給口17と大気連通孔18部分には、これらを覆う
ようにシール材23を剥離可能に貼付する。このよう
に、ケース2の上下がほぼ開放状に形成され、これに上
下から蓋部材3,4を装着することで、上記のような各
種の室を形成することができ、これらの組み付けは容易
である。また、インク供給口17と大気連通孔18がカ
ートリッジの一面に並んでいるから、それらを覆うシー
ル材23を、従来のようにカートリッジの外周に沿って
引き回す必要がなく、容易に貼付することができる。
ク充填作業を説明すると、図18に示すように、下蓋部
材4のインク供給口17と大気連通孔18を前述のよう
にシールした状態で、上蓋部材3のインク充填口13に
インク充填装置101を、減圧口14に減圧装置102
を密着させ、各装置を動作させることにより行う。イン
ク充填口13と減圧口14とがカートリッジの一面に並
んでいるから、各装置はともにインクカートリッジ1の
一方側から近付けばよい。第1の室9内の空気は、イン
ク充填に先立って、減圧口14から吸引される。それに
よって、第1および第2の室9,10は減圧され、イン
クは、インク充填口13から第2の室10を通って、連
通孔15から第1の室9内の多孔質材8に充填される。
このとき、第2の室10はインク充填路となり、インク
は第2の室10に一端から入り、それと最も離れた連通
孔15を通り、第1の室9に入った後、その連通孔15
と最も離れた減圧口14に至るので、第2の室10自体
にもインクはフルに充填されるとともに、第1の両室9
にも効率良くインクを充填することができる。また、上
記のように、ケース2の側部は二重の壁構造となって補
強されているから、減圧の際にケース2が変形すること
が少なく、この意味でも両室9,10に効率良くインク
を充填することができる。なお、大気連通路11内も第
1の室9と同時に減圧され、シール材を貼付後も減圧状
態に維持される。
に溶存する気泡や空気を極力除去したもの(いわゆる脱
気したインク)が使用される。これは、気泡や空気が記
録ヘッド72に侵入してインクの噴射不良を生じるのを
回避するためである。また前述のようにインクカートリ
ッジ1を包装袋8で減圧密封するのは、脱気したインク
に気泡や空気が再び溶け込むのを防止するためである。
14にシール材21,22が貼付される。シール材2
1,22は、一本のシール材を貼付した後、それぞれ必
要な部分のみ残すようにすればよい。このように、製造
段階で、充填装置101と減圧装置102をケース2に
対して一方から近付け、また、ケース2に対して一方か
らシールすればよいので、作業性が良い。
は、前述のように、包装袋81内に減圧状態で密閉収容
した状態で出荷される。
には、ユーザは、インクカートリッジ1のインク供給口
17と大気連通孔18に貼付されているシール材23を
剥がし、インク供給口17を記録ヘッド72のマニホー
ルド73にジョイント部材74を介して結合させる。そ
して、公知のように、記録ヘッド72に吸引手段が接続
され、インクカートリッジ1から記録ヘッド72にイン
クが充填される。
の吸収力、すなわち毛細管現象により、第2の室10か
ら記録ヘッド72に供給するインクに対し負の圧力を作
用させている。記録ヘッド72のアクチュエータは、イ
ンク噴出動作をすることで、噴出方向に負圧を発生さ
せ、インクカートリッジ1からインクを吸引する。イン
ク供給口17から第2の室10内のインクが流出する
と、第1の室9内の多孔質材8から第2の室10内にイ
ンクが補給され、第1の室9内のインクの消費にともな
い、大気連通孔18から大気連通路11を経て第1の室
9に大気が導入される。第2の室10の上端はシール材
21によって封止されているので、第2の室10にイン
クがフル充填されている状態では、第2の室10のイン
クに大気圧が働かないから、第1の室9内のインクがほ
ぼ消費された後に、第2の室10内のインクが消費され
るようになる。つまり、第1の室9内のインクがなくな
ると、記録ヘッド72がインクを吸引する圧力により、
第2の室10のインクが消費されるとともに、第1の室
9から空気が第2の室10に侵入し、第2の室10の垂
直部分10の上部から空隙が生じ、インク液面が下がっ
てくる。
5とは遠い側から大気が導入されるから、第1の室9の
インクは有効に利用されるとともに、第2の室10のイ
ンクも含めて全体のインクが有効に利用される。また、
第2の室10は、インク充填路として当初からフルに充
填されているから、ここのインクの充填不足から残量検
出において誤検出することがない。さらにシール材23
を剥がす作業も、カートリッジの一面のみであるから容
易である。
供給口17との間に障壁31があることによって、記録
ヘッド72がインクを吸引する圧力により、インクが第
1の室9から連通孔15を通って第2の室10に引き込
まれる際、そのインク中に気泡が混入していたり、ある
いは上記のように第1の室9のインクが消費されて空気
が第2の室10に引き込まれるようになったとき、その
気泡、空気が記録ヘッド72に流入するのを阻止するこ
とができる。つまり、図6に矢印32で示すように、イ
ンク流が障壁31を迂回するとき、第2の室10の垂直
部分10aに対応するところで、気泡や空気は、浮力に
よりその垂直部分10aの上方へ逃げ、インク供給口1
7には達しない。第2の室の水平部分10bの天井面す
なわち底部仕切壁7の下面7dが、連通孔15の下端か
ら第2の室10の垂直部分10aに向かって上昇するよ
うに傾斜していることで、気泡や空気は底部仕切壁7の
下面にとどまることなく、垂直部分10aの上方へ流れ
る。したがって、記録ヘッド72に気泡や空気が侵入し
てインク噴出不良になることを防止することができる。
ジを記録ヘッドに搭載した状態の断面図。
の下面図。
の上面図。
の上面図。
分の構成を拡大して示す斜視図。
示す斜視図。
大して示す斜視図。
概念的に示す水平断面図。
概念的に示す水平断面図。
概念的に示す垂直断面図。
説明図。
の断面図。
Claims (3)
- 【請求項1】 記録ヘッドに供給するインクを収容する
インクカートリッジにおいて、 該カートリッジを構成するケース内に、 インクを吸収した多孔質材が収納される第1の室を形成
するとともに、 前記第1の室を通路を介して前記ケース外の大気に開口
する大気連通孔に連通し、 前記第1の室の内壁面のエッジが、前記通路および大気
連通孔に面状部を介在して繋がっていることを特徴とす
るインクカートリッジ。 - 【請求項2】 請求項1記載のインクカートリッジにお
いて、 前記ケース内に仕切壁により、前記第1の室と、前記通
路と前記大気連通孔とを連通する大気連通路を形成し、 かつその第1の室と大気連通路との開口部を蓋部材によ
って覆い、 前記蓋部材には、前記仕切壁から離れた位置に、前記第
1の室の内面よりも第1の室側に張り出した壁を形成す
るとともに、 前記仕切壁とは反対側の蓋部材の面に、前記第1の室と
大気連通路とを連通する前記通路を備えていることを特
徴とするインクカートリッジ。 - 【請求項3】 請求項1記載のインクカートリッジにお
いて、 さらに、前記第1の室を覆い、該第1の室とは反対側の
面に前記通路を備える蓋部材を有し、 該蓋部材には、前記第1の室の内面から離れた位置に、
前記蓋部材と前記ケースとの接合面よりも第1の室の内
側に張り出した壁を形成し、 かつ前記第1の室の内面から離れた位置に前記通路を前
記第1の室に連通するための開口を形成し、 前記第1の室には、前記多孔質材を前記蓋部材の前記壁
で押圧した状態で収容していることを特徴とするインク
カートリッジ。
Priority Applications (1)
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JP10-146993 | 1998-05-28 | ||
JP10-166920 | 1998-06-15 | ||
JP16692098 | 1998-06-15 | ||
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2002
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