JP2003172857A - 光学素子の支持手段、およびこれを用いた光学系、露光装置、デバイス製造方法、デバイス - Google Patents

光学素子の支持手段、およびこれを用いた光学系、露光装置、デバイス製造方法、デバイス

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JP2003172857A
JP2003172857A JP2001371743A JP2001371743A JP2003172857A JP 2003172857 A JP2003172857 A JP 2003172857A JP 2001371743 A JP2001371743 A JP 2001371743A JP 2001371743 A JP2001371743 A JP 2001371743A JP 2003172857 A JP2003172857 A JP 2003172857A
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Yoshinori Miwa
良則 三輪
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外形の一部のみ円弧形状部を有する光学素子で
あっても、良好に自重変形を補正することができ、高精
度な光学素子の支持が可能となる光学素子の支持手段、
およびこれを用いた光学系、露光装置、デバイス製造方
法、デバイスを提供する。 【解決手段】光学素子の支持手段であって、前記光学素
子が外形の一部に略曲線形状部を有しており、前記略曲
線形状部の近傍を支持する第1の支持手段と、前記略曲
線形状部以外の外形近傍を弾性部材を介して支持する第
2の支持手段とを備えた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学素子の支持手
段、およびこれを用いた光学系、露光装置、デバイス製
造方法、デバイスに関し、特に半導体集積回路の露光装
置等、高精度な光学装置における光学素子の支持手段の
改善を目指すものである。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の製造を目的とする投影
露光装置では、回路パターンを有する原版(レチクル)
を基板(シリコンウエハ)に転写する際、レチクルパタ
ーンを所定の倍率でウエハ上に結像する投影光学系が用
いられている。回路の集積度を高めるためには、投影光
学系は低収差で高い解像力が要求される。
【0003】低収差光学系を達成するためには、レンズ
やミラーなどの光学材料特性の均質性、光学素子単体の
高精度な加工技術、光学薄膜の均質性、複数の光学素子
を組合せ調整をする高度な製造技術が必須であるが、そ
れに加え光学素子単体精度を極力維持するような光学素
子の保持構造についても十分に注意を払う必要がある。
【0004】従来の半導体製造用露光装置の投影光学系
のレンズ保持構造においては、レンズ全周支持あるいは
レンズ周辺部の3点支持などが行われているが、さらに
高精度化を目的としたレンズやミラー等の支持構造に関
する提案も種々なされている。
【0005】例えば、特開平11−149029号公報
においては、レンズ周辺の3点を支持し、支持点間にレ
ンズを押し上げる支持部を配置してレンズ自重に起因す
るレンズ変形を補正するレンズ支持構造が開示されてい
る。また、特開平6−214142号公報においては、
半円状のレンズの円弧周辺部の両面に平行平面を形成
し、この平行平面の3箇所を挟み込む支持構造が開示さ
れている。さらに、特開平7−142345号公報にお
いては、円形から矩形状に切り出した形状のレンズを用
いたステップ・アンド・スキャン型露光装置の例が開示
されている。
【0006】一方、高解像力を達成するためには、露光
波長を短波長化する方法と、光学系の開口数(NA)を
大きくする方法が有効である。特に露光波長については
これまで248nm(KrFエキシマレーザー光)、1
93nm(ArFエキシマレーザー光)などを用いた露
光装置が順次実用化されてきており、次世代に向けて1
57nm(F2エキシマレーザー光)を用いた露光装置
の実用化が試みられている。露光波長が193nmや1
57nmといった波長帯域になると、光透過率の観点か
ら使用可能なレンズ材料が石英や蛍石などごく限られた
ものに限定されてしまう。これらのガラス材料を用いて
全て屈折レンズで投影光学系を構成した場合、例えば1
93nmに対しては色収差を十分補正するのは設計上極
めて困難であり、157nmに至っては使用可能なガラ
ス材料が蛍石のみに限定されるため、色消しレンズその
ものが構成できなくなってしまう。
【0007】このようなことから、光路中にミラーと屈
折レンズを使用して色補正を可能にした反射屈折光学系
の提案がなされている。例えば、特開平10−1446
02号公報においては、反射屈折光学系内のミラー保持
構造について開示されており、ミラー裏面に密閉室を形
成し、密閉室内部の気圧を制御することでミラー面の形
状を補正する方法が示されている。また、物体の中間像
を形成するための第1結像光学系と、中間像を像面に投
影するための第2結像光学系を備え、第1結像光学系と
第2結像光学系とは共通の一直線上に配置され、第1結
像光学系にミラーを含んだ構成の反射屈折光学系等が、
本出願人によって提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、第1結像光
学系にミラーを含んだ反射屈折光学系を構成する場合等
においては、光学系に配したミラーが物体面側からの光
線の通過の妨げとならないようにするため、ミラーの外
形形状としては、光学有効領域を含む一部のみ円弧を有
する形状にすることが必要となる。さらに、レンズにお
いても、光線がレンズ外周部の一部しか通過しないもの
に関しては、外形形状が通常のレンズのごとく円形であ
る必要性はなく、レンズコストおよび光学系重量軽減の
観点からは、光学有効領域を含む一部のみ円弧を有する
形状にするのが望ましい。
【0009】しかしながら、従来の光学素子支持構造に
おいては、上記のような光学有効領域を含み一部のみ円
弧を有する外形形状の光学素子を支持するうえで、つぎ
のような問題があった。光軸が垂直方向になる状態で半
円状のミラーあるいはレンズを支持する場合、光学素子
の円弧部を支持すると外形直線の辺付近の自重変形が大
きくなり光学性能の性能低下を起こすため、この種の高
精度な光学系には不向きである。また、円弧部の支持の
他に外形直線の辺付近も支持しようとすると、光学素子
面が曲面の場合、円弧部支持部の高さと辺の支持部の高
さが異なるため、支持部の高さの差を極めて高精度に構
成する必要があり、そのようなことはきわめて現実性に
乏しいことである。
【0010】これらを、前記従来例についてみると、特
開平11−149029号公報の開示例においては、円
形のレンズの支持構造のみに適用できるものであり、上
記のごとく半円状のような部分的に円弧を有する支持に
は適用できない。また、特開平6−214142号公報
の開示例においては、半円状のレンズの支持構造につい
ては述べられているものの、円弧部近傍のみ3点支持す
るもので、光軸を垂直方向に配置する場合、非円弧部の
自重変形が起ってしまうことへの対策は、何ら示されて
いない。
【0011】また、特開平7−142345号公報にお
いては、矩形状のレンズを支持する金枠について記載さ
れているものの、レンズ自重変形に対する配慮は全く述
べられていない。さらに、特開平10−144602号
公報の開示例においては、レンズなどの透過光学素子に
は適用できないこと、半円状などの非円形ミラーにおい
ては気密室のシール確保が困難であること、そして気圧
制御手段を必要とするため、光学系システムが複雑化、
あるいは大型化し、またコストアップなどの点が課題と
なる。
【0012】そこで、本発明は、上記課題を解決し、外
形の一部のみ円弧形状部を有する光学素子であっても、
良好に自重変形を補正することができ、高精度な光学素
子の支持が可能となる光学素子の支持手段、およびこれ
を用いた光学系、露光装置、デバイス製造方法、デバイ
スを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、次の(1)〜(20)のように構成した
光学素子の支持手段、およびこれを用いた光学系、露光
装置、デバイス製造方法、デバイスを提供するものであ
る。 (1)光学素子の支持手段であって、前記光学素子が外
形の一部に略曲線形状部を有しており、前記略曲線形状
部の近傍を支持する第1の支持手段と、前記略曲線形状
部以外の外形近傍を弾性部材を介して支持する第2の支
持手段とを備えることを特徴とする光学素子の支持手
段。 (2)前記略曲線形状部は曲線形状であることを特徴と
する上記(1)に記載の光学素子の支持手段。 (3)前記略曲線形状部は略円弧形状であることを特徴
とする上記(1)に記載の光学素子の支持手段。 (4)前記略曲線形状は円弧形状であることを特徴とす
る上記(1)乃至(3)いずれかに記載の光学素子の支
持手段。 (5)前記略曲線形状部が円弧形状で、前記略曲線形状
部以外は直線形状であることを特徴とする上記(1)乃
至(4)いずれかに記載の光学素子の支持手段。 (6)前記外形が略半円形状であることを特徴とする上
記(1)乃至(5)いずれかに記載の光学素子の支持手
段。 (7)前記第1の支持手段は前記略曲線形状部の両端近
傍と中央部近傍の3箇所で前記光学素子を支持し、前記
第2の支持手段は前記略曲線形状部以外の中央部近傍で
前記光学素子を支持していることを特徴とする光学素子
の支持手段。 (8)外形の一部に円弧形状部を有する光学素子を支持
する光学素子の支持手段において、前記円弧形状部の近
傍を支持する第一の支持手段と、前記円弧形状部以外の
外形部近傍を弾性部材を介して支持する第二の支持手段
と、を有することを特徴とする光学素子の支持手段。 (9)前記光学素子は略半円状の外形形状を有し、前記
第二の支持手段は前記円弧形状部における2つの円弧端
を結ぶ直線の少なくとも中央部近傍を反重力方向に支持
するように構成されていることを特徴とする上記(1)
に記載の光学素子の支持手段。 (10)前記弾性部材の弾性力を調整する弾性力調整手
段を備えることを特徴とする上記(1)または上記
(9)に記載の光学素子の支持手段。 (11)前記弾性部材として、コイルバネもしくは板バ
ネが用いられていることを特徴とする上記(1)乃至
(10)いずれかに記載の光学素子の支持手段。 (12)前記コイルバネは、前記略曲線形状部以外又は
前記円弧形状部以外の外形部近傍を弾性支持する方向に
弾性ガイドによって案内されることを特徴とする上記
(11)に記載の光学素子の支持手段。 (13)前記板バネに設けた突起部または該板バネの湾
曲部によって、前記略曲線形状部以外又は前記円弧形状
部以外の外形部近傍を弾性支持することを特徴とする上
記(11)に記載の光学素子の支持手段。 (14)前記第一の支持手段は、前記略曲線形状部又は
前記円弧形状部の近傍を重力方向に3箇所で支持するよ
うに構成されていることを特徴とする上記(1)乃至
(13)いずれかに記載の光学素子の支持手段。 (15)前記第一の支持手段によって前記第二の支持手
段を保持する構成としたことを特徴とする上記(1)乃
至(14)のいずれかに記載の光学素子の支持手段。 (16)前記第一の支持手段により前記光学素子を複数
箇所で支持し、この複数箇所の支持部の間に配置され、
前記略曲線形状部又は円弧形状部の近傍を弾性部材を介
して支持する第三の支持手段を有することを特徴とする
上記(1)乃至(15)いずれかに記載の光学素子の支
持手段。 (17)上記(1)乃至(16)いずれかに記載の光学
素子の支持手段によって支持される光学素子を少なくと
も1つ有することを特徴とする光学系。 (18)上記(17)に記載の光学系を有することを特
徴とする露光装置。 (19)上記(18)に記載の露光装置を用いてデバイ
スを製造することを特徴とするデバイス製造方法。 (20)上記(19)に記載のデバイス製造方法によっ
て製造されたことを特徴とするデバイス。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態においては、
上記構成を適用することによって、非円弧部の辺、例え
ば半円状光学素子の場合ならば直線辺部を弾性支持して
自重変形を補正することが可能になる。弾性部材を用い
て弾性力をコントロールすると、弾性力に応じた光学素
子面の変形が起こることになる。従って高精度な変位制
御を弾性力制御に変換することで容易に実現可能とな
る。さらに、弾性部材としてコイルバネや板バネを用い
ることで、バネ定数が任意に選択でき、かつ省スペー
ス、低コストで実現できる。また、前述した第一の支持
手段は前記部分円形光学素子を重力方向に3箇所で支持
するように構成することで、円弧支持部の保持面精度を
容易に向上させることが可能となる。また、第一の支持
手段を上記のように構成するとともに、第一の支持手段
によって第二の支持手段を保持する構成とすることで、
これらを一体構造とすることができ、省スペース化、製
造容易化が達成される。
【0015】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。 [実施例1]図1に、本発明の実施例1における光学素
子の支持手段の概念図を示す。図1(a)は鳥瞰図、図
1(b)は断面図、図1(c)は図1(a)の下方から
見た平面図である。また、図1の(a)〜(c)におい
て同じ符号を付けたものは同一要素である。
【0016】図1において、1は凹面ミラーで、図1
(a)における下方が反射面である。外形形状としては
略半円状となっている。2は凹面ミラー1を保持する円
筒部材で、金属もしくはセラミックスなどの材料が用い
られ、図1(b)のごとく凹面ミラー1の円弧部近傍を
支持点3で支持している。支持点の配置については図1
(c)の3a、3b、3cのごとく凹面レンズ1の円弧
部近傍に3箇所、Z軸周りで略90度ピッチに配置され
ている。
【0017】さらに、凹面ミラー1の円弧部を円筒部材
2に対して固定するための固着部4を備えている。尚、
固着部4として具体的には接着剤、あるいは低融点合金
からなるハンダなどが使用されている。図1(a)にお
けるAは弾性支持手段であり、その内部構造は図1
(b)に示すようにプッシュロ ッドA1、シリンダー
A2、コイルバネA3、ネジA4とからなっている。シ
リンダーA2は円筒部材2に固定されている。またプッ
シュロッドA1は凹面ミラーと接する先端部が球状もし
くは鋭利な形状となっており、さらにシリンダーA2内
をZ軸方向に自在に移動できる。プッシュロッドA1は
コイルバネA3によって所定の弾性力で押し上げられ、
弾性力の調整はシリンダーA2に螺合されたネジA4を
Z軸周りに回すことで、任意に設定できる。
【0018】プッシュロッドA1と凹面ミラー1の接触
部の位置は、図1(c)の接触部7のように凹面ミラー
1の円弧端1aおよび1bを結ぶ直線の中間点付近に配
置されている。円筒部材2は、開口部5および6を備
え、特に開口部5については凹面ミラー1の有効領域で
あるドットパターン部Dに入射および反射する光束と干
渉しない形状となっている。一方、開口部6を備えるか
否かは、本実施例の使用目的に応じて適宜決定するのが
望ましい。
【0019】[実施例2]本発明の実施例2について、
図2を用いて説明する。本実施例は実施例1と弾性支持
手段Aを異なるように構成したものである。図2はその
部分拡大図であり、図1と同じ要素については同じ符号
を付けるとともに、説明は省略する。図2において、1
1は凹面ミラー1と接触する接触部材で、上端は本図の
ごとく球面形状でもよいし、鋭利な先端形状でもよい。
接触部材11は弾性ガイド12を挟むようにして取付け
部材13と結合している。尚、弾性ガイド12としては
本実施例においては円盤状の板バネを用いているが、矩
形状など他の形状でもよい。また、接触部材11と取付
け部材13との結合は、例えばカシメでもよいし、接着
あるいは溶接などでもよい。
【0020】弾性ガイド12の外周部はシリンダー14
と結合されており、この弾性ガイド12により接触部材
11はZ軸方向にのみ上下移動可能で、これと直交する
面方向については拘束されるように構成されている。1
5はコイルバネで上端は取付け部材13を押し上げるよ
うに接触している。さらにネジ16はシリンダー14に
螺合しており、スペーサー17を挟んで締結されてい
る。凹面ミラー1に所望の弾性力を与える際、その弾性
力に見合った厚さのスペーサー17を用いて挟み込むよ
うにする。
【0021】尚、本実施例においてはスペーサー17を
用いた場合について説明したが、スペーサー17を用い
ることなく、スペーサー17部相当の隙間をあけること
でも、所望の弾性力を得ることが可能である。また、コ
イルバネ15で発生する弾性力の内、弾性ガイド12に
よって吸収されることで凹面ミラー1に伝わらない弾性
力ロス分を実質的に無視しうる程度におさえるようにし
て、弾性ガイド12を設計するのが望ましい。
【0022】[実施例3]本発明の実施例3について、
図3を用いて説明する。本実施例は実施例1と弾性支持
手段Aを異なるように構成したものである。図3はその
部分拡大図であり、図1と同じ要素については同じ符号
を付けるとともに、説明は省略する。なお、図3(a)
は鳥瞰図、図3(b)は断面図、図3(c)は図3
(a)の下方から見た平面図である。また、図3の
(a)〜(c)において同じ符号を付けたものは同一要
素である。
【0023】図3において、Eは弾性支持手段であり、
以下の構成からなるものである。E1は板バネで、その
両端を板E2および複数のボルトE3で挟持している。
尚、図3においては片方の板バネ端挟持手段のみ示され
ており、他端は不図示であるが同様の構造である。E4
はネジであり、先端が球面もしくは鋭利な形状で、凹面
ミラー1に接触している。ネジE4はシリンダーE5に
螺合しており、Z軸周りに回すことで板バネE1の弾性
力を調整することができる。
【0024】E6は取付け部材であり、板バネE1をシ
リンダーE5との間で挟持している。板バネE1はY軸
付近に矩形状に配置されているため、開口部5および6
が形成され、特に開口部5については凹面ミラー1の有
効領域であるドットパターン部Dに入射および反射する
光束と干渉しない形状となっている。本実施例において
は、板バネE1を一枚使用した場合について説明した
が、複数の板バネをZ軸方向に平行配置して使用しても
よい。
【0025】[実施例4]本発明の実施例4について、
図4を用いて説明する。本実施例は実施例1と弾性支持
手段Aを異なるように構成したものである。図4はその
部分拡大図であり、図1と同じ要素については同じ符号
を付けるとともに、説明は省略する。なお、図4(a)
は鳥瞰図、図4(b)は断面図、図4(c)は図4
(a)の下方から見た平面図である。また、図4の
(a)〜(c)において同じ符号を付けたものは同一要
素である。
【0026】図4において、Fは弾性支持手段であり、
以下の構成からなるものである。F1は板バネの突起部
F2で凹面ミラー1に接触している。突起部F2は板バ
ネF1自体を湾曲させることによって突出させてもよい
し、別部材を突起物として固着させてもよい。板バネF
1はその両端をプッシュロッドF3に支持されている。
具体的な支持構造としては、プッシュロッドF3に溝F
4を備え、ここに板バネ端を入れることで板バネ端が図
4(b)における紙面垂直方向の軸周りで自在に回転で
きる支持形態である。
【0027】プッシュロッドは円筒部材2の穴に取付け
られ、Y軸方向に押し引きでき、さらに回転防止として
のキーF5を備えている。キーF5はキー溝20に沿っ
て図4(b)における横方向にスライドする。F6はネ
ジであり、これを回転させることでプッシュロッドF3
の位置を決め、結果的に突起F2による凹面ミラー1を
押し上げる弾性力を調整することができる。板バネF1
はY軸付近に矩形状に配置されているため、開口部5お
よび6が形成され、特に開口部5については凹面ミラー
1の有効領域であるドットパターン部Dに入射および反
射する光束と干渉しない形状となっている。
【0028】[実施例5]本発明の実施例5について図
5を用いて説明する。図5は図1に示した実施例1に、
さらに凹面ミラー円弧部付近に弾性支持手段を備えたも
のである。図1と同じ要素については同じ符号を付け、
説明は省略する。なお、図5(a)は図1の上から見た
平面図であり、図5(b)は(a)のG−G’、H−
H’における部分断面図である。
【0029】図5において、51はレバーであり、回転
軸52を支点とした回転運動ができる。レバー51は凹
面ミラー1と接触点50にて接触し、他端は引っ張りコ
イルバネ53に連結されている。尚、回転軸52は図5
(b)において紙面垂直方向に双方に出っ張っており、
その両端を円筒部材2の軸保持部2’に接触している。
さらにコイルバネ53は引きネジ54およびナット55
によって所定量引っ張られることで、接触点50におい
て所望の弾性力に調整することが可能である。接触点5
0の位置は図5(a)で示すと、点50a、50bのよ
うに円筒部材2の支持点3a、3b、3cの略中間の角
度に配置されている。
【0030】このように弾性支持による接触点50a、
50bを配置することで、支持点3aと3b、および3
bと3cの間の自重変形を効果的に補正することが可能
となる。従って、図1の実施例で述べた接触部7と合せ
て、計6点で半円状のミラー(凹面ミラー1)を支持す
ることになる。尚、図5に述べた実施例5の構成は、図
1に示した実施例1の構成例のみに適用されるものでは
なく、図2から図4に示した実施例2〜実施例4のどれ
と組み合わせても、同様の効果が得られる。
【0031】以上、実施例1から実施例5について説明
してきたが、本発明は前述の凹面ミラーに限定するもの
ではなく、凸面ミラー、凹面レンズ、凸面レンズなど、
他の光学素子であってもよく、外形形状が略半円状のも
のであればどれでも同様の効果が得られる。さらに、凹
面ミラー、凸面ミラーの場合は、前述の実施例において
は下方が反射面の場合について述べたが、当然のことな
がら上面側が反射面であっても同様の効果が得られる。
【0032】さらに、実施例1から実施例5において
は、凹面ミラー1の外形形状として半円状の場合につい
て説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、
外形形状が半円状では無いが外形形状が直線と円弧から
成る場合、また半円状の直線部分が複数の直線からなる
場合、あるいは外形形状が曲率半径が異なる複数の曲線
からなる場合にも適用できるし、それらを含めて、外形
が1つの円弧のみから成る場合を除くあらゆる光学素子
に対して適用可能であると考えている。また、外形の一
部に、円弧を複数の直線で近似したものを含む略円弧形
状部を有する光学素子にも本発明は適用可能である。こ
こで、略円弧形状とは円弧も含む。また、実施例1から
5において、円弧と記載しているものに関して、円弧で
は無い曲線であっても、本実施例1から5と同様の効果
をもたらすことが可能である。また、曲線を複数の直線
で近似した形状は略曲線形状と称し、この略曲線形状は
曲線そのものも含む。
【0033】次に、実施例1から実施例5に関する光学
素子の支持手順について図8を用いて説明する。ste
p201では弾性支持手段の条件を決定する。これは、
対象とする光学素子の形状および物性値などから弾性支
持手段の弾性力の設定値を決めるもので、具体的には、
光学素子の変形量が所望の値以下になるように弾性力を
決定する。決定に際しては、事前に準備した弾性力と光
学素子変計量との関係を示す実験データやシミュレーシ
ョンデータなどに基づくのが望ましい。次にstep2
02では円筒部材2に対して光学素子を搭載する。光学
素子は円筒部材2の3箇所の支持部3a〜3cと接触部
7および50a、50bが所定の位置で接するように搭
載する。
【0034】次にstep203にて光学素子の円弧部
周辺を接着剤やハンダで接合する。step204で
は、接合した光学素子の光学測定を行う。例えば光学素
子の面形状測定、あるいは光学的な波面測定などが行わ
れ、測定結果が所望の値であれば終了となるが、所望の
値を満たしていない場合は測定結果に基づいて弾性支持
手段を調整するstep206へと進む。さらに調整後
step204に進み、上述の測定結果を判断(ste
p205)して所望の値なら終了する。
【0035】上記手順において、step201の弾性
支持条件決定をstep203の光学素子接合の工程の
後に行っても良いが、図8に示した手順のほうが弾性支
持手段の弾性力が作用した状態で光学素子接合を行うた
め、より精度よく光学素子変形を補正可能で望ましいも
のである。
【0036】[実施例6]本発明の実施例6について、
図6を用いて説明する。図6は、前述の実施例1から実
施例5の光学素子の支持手段を適用した光学系の概念図
(断面図)である。図6において、61は物体面、62
から71はレンズ、72と73はミラー、74は像面、
75から84はレンズ62から71それぞれのレンズ支
持装置、85と86はミラー72と73それぞれのミラ
ー支持装置、87は上記レンズ、ミラーおよび支持装置
を収納する鏡筒である。
【0037】本実施例においては、上記構成要素の内レ
ンズ62、63、65、ミラー73が外形形状が略半円
状の光学素子であり、それぞれに対応した支持装置7
5、76、78および86に前述の実施例1から5のい
ずれかを適用した光学系である。本実施例の光学系は、
光学系組立て後に所定の光学性能評価手段によって性能
測定をした後、前記実施例1から実施例5の弾性支持手
段A、E、Fを調整して、光学性能が所望の状態になる
よう調整してもよい。この場合は弾性手段A、E、Fが
鏡筒87の外から調整可能なように、適宜鏡筒87に調
整用の穴等を備えるのが望ましい。
【0038】[実施例7]本発明の実施例7について、
図7を用いて説明する。図7は前述の実施例1から実施
例5の光学素子の支持手段を少なくとも1つ適用した光
学系を用いた露光装置の全体概念図である。図7におい
て、露光装置91は少なくとも以下の構成要素を内包し
ている。92は光源であり、本実施例においてはエキシ
マレーザー(KrFもしくはArFもしくはF2)を用
いている。光源92からの光は照明光学系93によりレ
チクル94に照射される。レチクル94のパターン(不
図示)は投影光学系95によりウエハー96に投影され
る。投影光学系95は、前述の実施例1から実施例5の
支持手段を少なくとも1つ用いた光学系である。レチク
ル94はレチクルステージ97に載置され、ウエハー9
6はウエハーステージ98に載置され、レチクル94と
ウエハー96は所望の位置合せを行いながら露光され
る。99は投影光学系95を支持する支持構造である。
【0039】ウエハー96に投影したレチクル94の投
影パターンや、不図示の投影光学系性能計測手段により
測定した結果に応じて、投影光学系95に搭載された弾
性支持手段(図1から図5)を調整してもよい。また、
本実施例においては光源としてエキシマレーザーを用い
た場合について述べたが、光源としてEUV(波長13
nm付近)を用いたときの反射光学系のミラー保持に本
発明を適用しても良い。
【0040】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、外形の一部のみ円弧形状部を有する光学素子であっ
ても、良好に自重変形を補正することができ、高精度な
光学素子の支持が可能となる。したがって、低収差で高
解像力の光学系を構成することができ、この光学系を用
いた露光装置においては、微細パターンの投影露光が可
能となり、高集積度の半導体デバイスの製造を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における光学素子の支持手段
の概念図。
【図2】本発明の実施例2における光学素子の支持手段
の概念図。
【図3】本発明の実施例3における光学素子の支持手段
の概念図。
【図4】本発明の実施例4における光学素子の支持手段
の概念図。
【図5】本発明の実施例5における光学素子の支持手段
の概念図。
【図6】本発明の実施例1から実施例5の構成を用いた
光学系の概念図。
【図7】本発明の実施例1から実施例5の構成を用いた
露光装置の概念図。
【図8】本発明の実施例1から実施例5の光学素子の支
持手段の組立て手順を説明する図。
【符号の説明】
1:凹面ミラー 2:円筒部材 3、3a〜3c:支持点 4:固着部 5、6:開口部 7:接触部 11:接触部材 12:弾性ガイド 13:取付け部材 14:シリンダー 15:コイルバネ 16:ネジ 17:スペーサー 20:キー溝 50、50a〜50c:接触点 51:レバー 52:回転軸 53:コイルバネ 54:引きネジ 55:ナット 61:物体面 62〜71:レンズ 72、73:ミラー 74:像面 75〜84:レンズ支持装置 85、86:ミラー支持装置 91:露光装置 92:光源 93:照明光学系 94:レチクル 95:投影光学系 96:ウエハー 97:レチクルステージ 98:ウエハーステージ 99:支持構造 A、E、F:弾性支持手段 A1:プッシュロッド A2:シリンダー A3:コイルバネ A4:ネジ D:有効領域 E1:板バネ E2:板 E3:ボルト E4:ネジ E5:シリンダー E6:取付け部材 F1:板バネ F2:突起部 F3:プッシュロッド F4:溝 F5:キー F6:ネジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/30 516A

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学素子の支持手段であって、前記光学素
    子が外形の一部に略曲線形状部を有しており、前記略曲
    線形状部の近傍を支持する第1の支持手段と、前記略曲
    線形状部以外の外形近傍を弾性部材を介して支持する第
    2の支持手段とを備えることを特徴とする光学素子の支
    持手段。
  2. 【請求項2】前記略曲線形状部は曲線形状であることを
    特徴とする請求項1記載の光学素子の支持手段。
  3. 【請求項3】前記略曲線形状部は略円弧形状であること
    を特徴とする請求項1記載の光学素子の支持手段。
  4. 【請求項4】前記略曲線形状は円弧形状であることを特
    徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の光学素子の
    支持手段。
  5. 【請求項5】前記略曲線形状部が円弧形状で、前記略曲
    線形状部以外は直線形状であることを特徴とする請求項
    1乃至4いずれか1項記載の光学素子の支持手段。
  6. 【請求項6】前記外形が略半円形状であることを特徴と
    する請求項1乃至5いずれか1項記載の光学素子の支持
    手段。
  7. 【請求項7】前記第1の支持手段は前記略曲線形状部の
    両端近傍と中央部近傍の3箇所で前記光学素子を支持
    し、前記第2の支持手段は前記略曲線形状部以外の中央
    部近傍で前記光学素子を支持していることを特徴とする
    光学素子の支持手段。
  8. 【請求項8】外形の一部に円弧形状部を有する光学素子
    を支持する光学素子の支持手段において、 前記円弧形状部の近傍を支持する第一の支持手段と、前
    記円弧形状部以外の外形部近傍を弾性部材を介して支持
    する第二の支持手段と、を有することを特徴とする光学
    素子の支持手段。
  9. 【請求項9】前記光学素子は略半円状の外形形状を有
    し、前記第二の支持手段は前記円弧形状部における2つ
    の円弧端を結ぶ直線の少なくとも中央部近傍を反重力方
    向に支持するように構成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の光学素子の支持手段。
  10. 【請求項10】前記弾性部材の弾性力を調整する弾性力
    調整手段を備えることを特徴とする請求項1または請求
    項9に記載の光学素子の支持手段。
  11. 【請求項11】前記弾性部材として、コイルバネもしく
    は板バネが用いられていることを特徴とする請求項1乃
    至10いずれか1項に記載の光学素子の支持手段。
  12. 【請求項12】前記コイルバネは、前記略曲線形状部以
    外又は前記円弧形状部以外の外形部近傍を弾性支持する
    方向に弾性ガイドによって案内されることを特徴とする
    請求項11に記載の光学素子の支持手段。
  13. 【請求項13】前記板バネに設けた突起部または該板バ
    ネの湾曲部によって、前記略曲線形状部以外又は前記円
    弧形状部以外の外形部近傍を弾性支持することを特徴と
    する請求項11に記載の光学素子の支持手段。
  14. 【請求項14】前記第一の支持手段は、前記略曲線形状
    部又は前記円弧形状部の近傍を重力方向に3箇所で支持
    するように構成されていることを特徴とする請求項1乃
    至13いずれか1項に記載の光学素子の支持手段。
  15. 【請求項15】前記第一の支持手段によって前記第二の
    支持手段を保持する構成としたことを特徴とする請求項
    1乃至14いずれか1項に記載の光学素子の支持手段。
  16. 【請求項16】前記第一の支持手段により前記光学素子
    を複数箇所で支持し、この複数箇所の支持部の間に配置
    され、前記略曲線形状部又は円弧形状部の近傍を弾性部
    材を介して支持する第三の支持手段を有することを特徴
    とする請求項1乃至15いずれか1項に記載の光学素子
    の支持手段。
  17. 【請求項17】請求項1乃至16いずれか1項に記載の
    光学素子の支持手段によって支持される光学素子を少な
    くとも1つ有することを特徴とする光学系。
  18. 【請求項18】請求項17に記載の光学系を有すること
    を特徴とする露光装置。
  19. 【請求項19】請求項18に記載の露光装置を用いてデ
    バイスを製造することを特徴とするデバイス製造方法。
  20. 【請求項20】請求項19に記載のデバイス製造方法に
    よって製造されたことを特徴とするデバイス。
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