JP2003171278A - 新規なアポトーシス誘導剤 - Google Patents

新規なアポトーシス誘導剤

Info

Publication number
JP2003171278A
JP2003171278A JP2001372050A JP2001372050A JP2003171278A JP 2003171278 A JP2003171278 A JP 2003171278A JP 2001372050 A JP2001372050 A JP 2001372050A JP 2001372050 A JP2001372050 A JP 2001372050A JP 2003171278 A JP2003171278 A JP 2003171278A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
compound
tert
represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001372050A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Ito
孝司 伊藤
Kozo Shishido
宏造 宍戸
Mitsuru Shindo
充 新藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Corp filed Critical Japan Science and Technology Corp
Priority to JP2001372050A priority Critical patent/JP2003171278A/ja
Publication of JP2003171278A publication Critical patent/JP2003171278A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、種々のガン細胞株に対し
て、より低濃度でアポトーシス誘導活性を示し、且つよ
り低濃度で細胞毒性を示す、新規で且つ合成しやすいア
ポトーシス誘導物質を提供することにある。 【解決手段】 本発明は、基本骨格として、下記一般式
[1] 【化1】 で示される2環性コア構造を有する、例えば、細胞接着
制御活性をもつ天然物の一種であるハリクロリンの合成
中間体等からなる、アポトーシス誘導物質に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なアポトーシ
ス誘導剤に関する。詳しくは、細胞接着制御活性をもつ
天然物の一種であるハリクロリンの合成中間体等からな
る、新規なアポトーシス誘導剤に関する。
【0002】
【従来の技術】アポトーシスとは、生物が発生の進行や
恒常性の維持のために、自ら積極的に細胞死を誘導し
て、不要な細胞を除去する生理機構である。アポトーシ
ス過程に異常が起こると、本来死ぬべき細胞(ガン化し
た細胞、免疫担当細胞或いはウイルス感染細胞等)が生
き残り、ガン、自己免疫疾患、ウイルス性疾患等を助長
する。一方神経細胞などの生理的細胞死が亢進すると神
経変性疾患などが引き起こされる。従ってアポトーシス
を誘導する物質は、抗がん剤、自己免疫疾患治療剤、抗
ウィルス剤などとしての応用が期待される。またアポト
ーシスの抑制物質は、神経変性疾患治療薬としての応用
が期待される。最近ではアポトーシスを誘導する細胞表
面受容体Fas抗原、アポトーシス誘導に必須のプロテ
アーゼ(カスパーゼ)、アポトーシスを阻害するガン遺
伝子bcl−2などが明らかにされている。
【0003】アポトーシス誘導能をもつ既知の低分子化
合物としては、例えばイリノテカン(irinotecan :cam
ptothecin-11)等のカンプトテシン(camptothecin)誘
導体がある。即ち、DNAトポイソメラーゼ I(DN
A topoisomerase I)は、DNAの複製過程で、一本
鎖DNAにニック(傷)をつけ、ねじれたDNA鎖をほ
どいた後、再結合させる活性をもつ酵素であるが、中国
原産の喜樹に含まれるカンプトテシン誘導体の一種であ
るイリノテカンは、このDNAトポイソメラーゼ Iに
結合してDNAとの複合体を安定化させることにより、
ニックの入ったDNA鎖の再結合を阻害することにより
その損傷を引き起こす。一方、p53は転写因子の一種
であり、放射線や紫外線照射、DNAの損傷などの要因
によりその分解が抑制され、細胞内に蓄積する。蓄積し
たp53は以下の3つの経路によりアポトーシスを誘導
する。 1)転写活性化因子(transactivation)として、アポ
トーシス誘導因子の遺伝子群の発現を促進する。 2)転写抑制因子(transrepression)として、アポト
ーシス抑制因子の遺伝子群の発現を抑制する。 3)p53が直接機能分子として他のタンパク質に作用
し、アポトーシスを誘導する。 イリノテカンは、このp53を介して、DNA複製が亢
進しているガン細胞にアポトーシスを誘導するため、乳
ガンや消化器がんに対して抗ガン作用を示すが、骨髄毒
性や下痢などの副作用も強いため臨床応用に制限がある
[Cancer Chemother. Pharmacol. (1993) 32, 103-11
2]。
【0004】また、イノスタマイシンは、放線菌Strept
omyces sp. MH816-AF15 からcytidine 5'-diphosphate
1,2-diacyl-sn-glycerol(CDP-DG)−inositol transfera
seの阻害剤として単離された抗生物質であるが、本物質
は種々のガン細胞株に対してアポトーシスを惹起する。
しかしながら、この物質はカスパーゼ3の活性化の引き
金になるミトコンドリアからのcytochrome c の放出を
誘導する。本物質に関しては、未だ前臨床段階にあり、
臨床応用のためには作用機構の解析が更に必要である
[Jpn J Antibiot. 2001 Mar;54(3):117-125;Jpn J Ca
ncerRes. 1998 Mar;89(3):315-322.]。
【0005】更に、サイトトリエニンAは、放線菌Stre
ptomyces sp. から単離された化合物で、急性前骨髄球
白血病細胞(HL-60)にアポトーシスを誘導する。その
作用機構としては、カスパーゼ3を介したp36−myel
in basic protein kinase活性化が必要であることが示
されている。この化合物についても未だ基礎研究段階に
ある[J Antibiot (Tokyo). 1997 Apr;50(4):370-37
2.]。
【0006】一方、海綿(Halichondria okadai Kadot
a)から単離されたアルカロイドであるハリクロリン(H
alichlorine)は、細胞間の接着に関わる分子の一種で
あるVascular cell adhesion molecule (VCAM−
1)のヒト血管内皮細胞における発現を阻害するという
薬理作用を有している。このVCAM−1は、白血球な
どの血球細胞やある種のガン細胞との接着を介して、炎
症、動脈硬化又はガン細胞の転移の進行に深く関わって
いる。従って、ハリクロリンは抗炎症剤、抗動脈硬化薬
及びがん転移抑制薬の候補物質として期待されている。
しかしながら、ハリクロリンは天然には微量しか存在し
ないため、化学合成による大量調製が望まれており、様
々な有機合成法の開発が進められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、種々
のガン細胞株に対して、より低濃度でアポトーシス誘導
活性を示し、且つより低濃度で細胞毒性を示す、新規で
且つ合成しやすいアポトーシス誘導剤を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、抗炎症
剤、抗動脈硬化薬及びがん転移抑制薬等の候補物質とし
て期待されているハリクロリンの作用機構を解明するた
めに、生理活性を担うと予想されるコア部分構造をもつ
合成中間体の薬理活性について鋭意研究の途上、ハリク
ロリンのコア部分構造をもつ各種合成中間体の中からア
ポトーシス誘導能を持つ新規化合物を見出し本発明を完
成するに到った。
【0009】即ち、本発明は、基本骨格として、下記一
般式[1]
【化13】 で示される2環性コア構造を有する化合物を含んでなる
アポトーシス誘導剤に関する。
【0010】また、本発明は、一般式[2']
【化14】 [式中、R は、水素原子又はCHORを表し
(但し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、
アラルキル基又は置換シリル基を表す。)、Rは、水
素原子、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリイ
ソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル
基、トリエチルシリル基、トリメチルシリル基、アルキ
ル基、アリール基又はアラルキル基を表し、XはO又は
H,Hを表す。]で示される化合物に関する。
【0011】更に、本発明は、抗炎症剤、抗ガン剤、自
己免疫疾患治療剤又は抗ウィルス剤である、基本骨格と
して上記一般式[1]で示される2環性コア構造を有す
る化合物を含んでなるアポトーシス誘導剤に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のアポトーシス誘導剤に係
る、基本骨格として、上記一般式[1]で示される2環
性コア構造を有する化合物としては、例えば、細胞接着
制御活性をもつ天然物の一種であるハリクロリンの合成
中間体等が挙げられ、中でも、ハリクロリンの化学構造
式の14位に相当する位置に水酸基又は保護された水酸
基を有する化合物が好ましく、保護された水酸基を有す
る化合物がより好ましい。
【0013】本発明のアポトーシス誘導剤に係る、基本
骨格として、一般式[1]で示される2環性コア構造を
有する化合物としては、例えば下記一般式[2]
【化15】 [式中、Rは、水素原子、CHOR又はCO
を表し(但し、Rは、水素原子、アルキル基、アリ
ール基、アラルキル基又は置換シリル基を表す。)、R
は、水素原子、tert−ブチルジフェニルシリル
基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメ
チルシリル基、トリエチルシリル基、トリメチルシリル
基、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、
XはO又はH,Hを表す。]で示される化合物が挙げら
れる。
【0014】同じく、基本骨格として、一般式[1]で
示される2環性コア構造を有する化合物としては、例え
ば下記一般式[3]
【化16】 [式中、Rは、水素原子、tert−ブチルジフェニ
ルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブ
チルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリメチ
ルシリル基、アルキル基、アリール基又はアラルキル基
を表し、Rは、COOH、CO14(但し、R
14は、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表
す。)又はCNを表す。]で示される化合物が挙げられ
る。
【0015】同じく、基本骨格として、一般式[1]で
示される2環性コア構造を有する化合物としては、例え
ば下記一般式[4]
【化17】 [式中、Rは、水素原子、tert−ブチルジフェニ
ルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブ
チルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリメチ
ルシリル基、アルキル基、アリール基又はアラルキル基
を表し、Rは、CHOH又はCO15(但し、
15は、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を
表す。)を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アリ
ール基、アラルキル基又はRCO−を表す(但し、R
は、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキ
ル基を表す。)。また、RとRとが一緒になって−
O−C(=O)−となっていてもよい。]で示される化合
物が挙げられる。
【0016】上記一般式[2]で示される化合物の内、
が、水素原子又はCHORで表される化合物、
即ち、下記一般式[2']
【化18】 [式中、R は、水素原子又はCHORを表し
(但し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、
アラルキル基又は置換シリル基を表す。)、Rは、水
素原子、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリイ
ソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル
基、トリエチルシリル基、トリメチルシリル基、アルキ
ル基、アリール基又はアラルキル基を表し、XはO又は
H,Hを表す。]で示される化合物は新規物質である。
【0017】上記一般式[2]、[2']、[3]及び
[4]において、R及びR の定義の中のR、R
、Rの定義の中のR14、Rの定義の中の
15、R 、Rの定義の中のRで示されるアルキ
ル基としては、例えば、炭素数が1〜20、好ましくは
1〜10、より好ましくは1〜6の直鎖状、分枝状又は
環状の低級アルキル基が挙げられ、より具体的には、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、第二級ブチル基、第三級
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ
る。同じく、アリール基としては、例えば、炭素数6〜
30、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14の
単環、多環又は縮合環式の芳香族炭化水素基が挙げら
れ、より具体的には、例えば、フェニル基、トリル基、
キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリ
ル基、フェナントリル基、ビフェニル基等が挙げられ
る。また、アラルキル基としては、例えば、炭素数7〜
30、好ましくは7〜20、より好ましくは7〜15の
単環、多環又は縮合環式のアラルキル基が挙げられ、よ
り具体的には、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナ
フチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
【0018】一般式[2]及び[2']において、R
及びR の定義の中のRで示される置換シリル基と
しては、シリル基の水素原子の1〜3個がアルキル基、
アリール基等に置き換わったものが挙げられ、中でもト
リ置換体が好ましく、より具体的には、トリメチルシリ
ル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル
基、トリフェニルシリル基等が挙げられる。
【0019】上記一般式[2]又は[2']で示される
化合物の具体例としては、例えば下式[5]、[6]及
び[7]で示される化合物が挙げられる。
【化19】 (式中、TBDPSは、tert−ブチルジフェニルシ
リル基を表す。)
【化20】 (式中、TBDPSは、tert−ブチルジフェニルシ
リル基を表す。)
【化21】 (式中、TBDPSは、tert−ブチルジフェニルシ
リル基を表す。)
【0020】また、上記一般式[3]で示される化合物
の具体例としては、例えば下式[8]で示される化合物
が挙げられる。
【化22】 (式中、TBDPSは、tert−ブチルジフェニルシ
リル基を表す。)
【0021】更に、上記一般式[4]で示される化合物
の具体例としては、例えば下式[9]、[10]及び
[11]で示される化合物が挙げられる。
【化23】 (式中、TBDPSは、tert−ブチルジフェニルシ
リル基を表す。)
【化24】 (式中、TBDPSは、tert−ブチルジフェニルシ
リル基を表す。)
【化25】 (式中、TBDPSは、tert−ブチルジフェニルシ
リル基を表す。)
【0022】本発明に係る化合物の中の代表的なものに
ついて、その合成法を以下に反応スキームで示す。な
お、下記反応スキーム中の略語は以下の通りである。 HMPA:ヘキサメチルホスホルアミド NCS:N−クロロスクシンイミド DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウ
ンデセン TBDPSCl:tert−ブチルジフェニルシリルク
ロライド 4−DMAP:4−ジメチルアミノピリジン MsCl:メタンスルホニルクロライド LDA:リチウム ジイソプロピルアミド MCPBA:m−クロロ過安息香酸
【0023】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【0024】その他の本発明に係る化合物の合成法に関
しては、例えば、TETRAHEDRON LETTERS 41(2000)929-93
2等の文献に記載されているので、これらの文献に記載
されている合成法に準じて所望の化合物を適宜合成すれ
ばよい。
【0025】アポトーシス誘導剤は、他にも知られてい
るが、本発明に係る化合物群は、それ自体にアポトーシ
ス誘導活性と細胞接着制御活性の二重機能を持ちうるも
のであり、抗炎症剤、抗癌剤、自己免疫性疾患治療薬、
抗ウィルス剤等の医薬品素材として、非常に興味あるも
のである。また、本発明に係る化合物群は、これまでの
アポトーシス誘導剤とは違った骨格構造であり、合成し
易く、低濃度で効果があるなどの可能性を有している。
【0026】本発明に係る化合物群の薬理作用の評価に
ついては、例えば下記の方法により測定を行うことが出
来る(なお、詳細については後述する実施例の記載参
照。)。 1.細胞毒性 細胞の生存を、培養細胞が示す乳酸脱水素酵素(Lactat
e dehydrogenase; LDH)活性を定量する(XTT
法)ことにより評価(低下しているほど死細胞が多
い)。 2.アポトーシス誘導活性 アポトーシスで特異的に起こるクロマチン凝集を、DN
A結合蛍光試薬(ヘキスト33258)を用いた細胞染
色により評価 (アポトーシスを起こした細胞内ではクロマチン凝集に
伴う顆粒状の蛍光が特異的に観察される)。 3.VCAM−1発現誘導阻害活性 予め合成中間体存在下でヒトアストロサイトーマ株(C
CF−STTG1)を前処理しておき、その後TNF−
αを添加した際に起こるVCAM−1 mRNAの発現
誘導に対する効果をRT−PCR法・ゲル電気泳動法に
より解析する。VCAM−1 mRNAに特異的なcD
NAフラグメントの増幅を、コントロールとしてのβ−
アクチンに対する割合で評価する。
【0027】
【実施例】以下、合成例、実施例により本発明をより具
体的に説明するが、本発明はこれら合成例、実施例によ
り何ら限定されるものではない。
【0028】合成例1 (4RS,7RS,9aSR,
2'RS)−2'−[[(tert−ブチルジフェニルシ
リル)オキシ]メチル]−7−ヒドロキシメチル−6−
オキソ−1,2,3,6,7,8,9,9a−オクタヒ
ドロ−4H−キノリジン−4−スピロ−1'−シクロペ
ンタン(化合物[5])の合成
【化30】 窒素気流下、化合物[15](473.6mg,0.88
7mmol)のEt O(9.5mL)溶液にMeOH
(0.063mL)とLiBH(33.8mg,155
mmol)を加え、30分間還流した後、MeOHをゆ
っくり滴下した。溶媒を留去した後、AcOEtを加
え、これを蒸留水及び飽和NaCl水溶液で洗浄した
後、無水MgSOで乾燥した。溶媒を留去し、得られ
た油状物をカラムクロマトグラフィー(SiO,30
v/v%AcOEt−ヘキサン)に付すと化合物[5]3
84.4mgが無色油状物として得られた(収率86
%)。 H−NMR(300MHz, CDC1) δ:1.03 (s, 4.5H, -Si
Bu), 1.04 (s, 4.5H,-SiBu),1.11-2.20 (m,18.5
H), 2.82 (m, 0.5H, -OCHCH-), 3.38-3.62 (m,5H, HO
CH ,-SiOCH −,-NCH), 735-7.41(m, 6H, ArH), 7.60
-7.68 (m, 4H, ArH)。 IR(neat): 3421, 3070, 2938, 2857, 1741 cm−1。 MS(EI): m/z505(M)。 HRMS(EI): m/z calcd for C3143NS
i:505.3012;found:505.2987。
【0029】合成例2 (4RS,7RS,9aSR,
2'RS)−2'−[[(tert−ブチルジフェニルシ
リル)オキシ]メチル]−7−ヒドロキシメチル−1,
2,3,6,7,8,9,9a−デカヒドロキノリジン
−4−スピロ−1'−シクロペンタン(化合物[6])
の合成
【化31】 アルゴン気流下、化合物[5](297.5mg,0.5
88mmol)の無水THF(8mL)溶液にボラン−
THF錯体(1.8mL,1.76mmol)を加え室温
で4時間撹拌した。反応混合物にMeOHをゆっくり加
えしばらく撹拌した後、溶媒を留去し、得られた油状物
にMeOHを加え再びこれを留去した。この操作を3回
繰り返して得られた油状物をカラムクロマトグラフィー
(Al,2v/v%AcOEt−ヘキサン)に付す
と化合物[6]130.0mgが無色油状物として得ら
れた(収率45%)。 H−NMR(300MHz, CDC1) δ:1.06 (s, 9H, -Si
Bu), 1.18-2.17 (m, 19H), 2.26(d, 1H, J=11.2Hz), 2.
59(d, 1H, J=11.0Hz),3.47 (m, 1H, -NCH), 3.54-4.23
(m, 4H, CH-), 7.36-7.43(m, 6H, ArH), 7.60-7.71
(m, 4H, ArH)。IR(neat): 3419, 3070, 3047,2929,
2857, 2857cm−1。 MS(EI): m/z491(M)。 HRMS(EI): m/z calcd for C3143NS
i:491.3220; found:491.3237。
【0030】合成例3 (4RS,9aSR,2'R
S)−2'−[[(tert−ブチルジフェニルシリ
ル)オキシ]メチル]−6−オキソ−1,2,3,6,
7,8,9,9a−オクタヒドロ−4H−キノリジン−
4−スピロ−1'−シクロペンタン(化合物[7])の
合成
【化32】 アルゴン気流下、ジイソプロピルアミン(0.55m
L,3.92mmol)の無水THF(30mL)溶液
に0℃でn−BuLi(3.74mmol)のヘキサン
溶液(1.55M,2.4mL)を加えて、同温にて15
分間撹拌した後、ヨウ素体(1.13g,1.87mmo
l)の無水THF(20mL)溶液を−78℃で加え
た。これを同温にて15分間撹拌した後、飽和NH
l水溶液で洗浄し、無水MgSOで乾燥した。溶媒を
留去して得られた油状物をカラムクロマトグラフィー
(SiO,10v/v%AcOEt−ヘキサン)に付す
と化合物[7]0.85gが無色油状物として得られた
(収率96%)。 H−NMR(400MHz, CDC1) δ:1.04 (s, 9H, -Si
Bu), 1.90-1.24 (m, 15H),2.06-2.22 (m, 4H, -CH
-), 3.55-3.58 (m, 3H, -SiOCH-, -NCH, 7.33-7.4
1 (m,6H, ArH), 7.66-7.68 (m, 4H, ArH)。13 C−NMR(75MHz, DMS0, 80℃) δ:17.1(t), 18.0
(t), 18.4 (S), 20.7(t),26.3 (q), 28.4 (t),29.5
(t), 30.2 (t), 33.1 (t), 33.8 (t), 35.0 (t), 50.6
(d), 53.0 (d), 64.6 (t), 67.2 (s), 127.2 (d),129.1
(d), 134.6 (d), 170.5 (s)。 IR(neat): 3070, 3047, 2951, 2857, 1742 cm−1。 MS(El): m/z475(M)。 HRMS(El): m/z calcd for C3041N0
i:475.2907; found:475.2926。
【0031】合成例4 (4RS,9aSR,2’R
S)−2’−[[(tert−ブチルジフェニルシリル)オ
キシ]メチル]−7−メトキシカルボニル−6−オキソ
−1,2,3,6,7,8,9,9a−オクタヒドロ−
4H−キノリジン−4−スピロ−1’−シクロペンタン
(化合物[15])の合成
【化33】 (1)アセトアミド体の合成 アルゴン気流下、化合物[10](2.15g,4.50
mmol)の無水Et O(40mL)溶液に−78℃
でBF・OEt(0.63mL,5.00mmol)
を加え、同温にて反応混合物を30分間撹拌した後、M
eLi(22.1mL,22.5mmol)を加え更に1
時間撹拌した。反応混合物に飽和NH Cl水溶液を加
えAcOEtで抽出した。有機層を飽和NaHCO
溶液と飽和NaCl水溶液で洗浄した後、無水MgSO
で乾燥し、溶媒を留去して得られた油状物をカラムク
ロマトグラフィー(SiO,30v/v%AcOEt−
ヘキサン)に付すとアセトアミド体1.13gが白色固
体として得られた(収率51%)。
【0032】(2)ヨウ素体の合成 窒素気流下、(1)で得られたアセトアミド体(600
mg,1.22mmol)の無水ベンゼン(20mL)
溶液にイミダゾール(208mg,3.05mmo
l),トリフェニルホスフィン(637mg,243m
mol)及びヨウ素(617mg,2.43mmol)
を室温にて順次加えた。同温にて反応混合物を30分間
撹拌した後、飽和Na水溶液を加え更に30
分間撹拌し、AcOEtで抽出した。有機層を飽和Na
Cl水溶液で洗浄した後、無水MgSO で乾燥し、溶
媒を留去して得られた油状物をカラムクロマトグラフィ
ー(SiO,10−50v/v%AcOEt−ヘキサ
ン)に付すとヨウ素体699mgが無色油状物として得
られた(収率95%)。
【0033】(3)化合物[15]の合成 アルゴン気流下、LDAの0.5M THF溶液(0.62
mL,0.310mmol)に−78℃で、(2)で得
られたヨウ素体(37.6mg,0.062mmol)の
THF(1ml)溶液を滴下し、混合物を同温にて30
分間撹拌した後、クロロギ酸メチル(7.2μL,0.0
93mmol)を加え更に30分間撹拌した。反応混合
物に飽和NHCl水溶液を加えAcOEtで抽出し
た。有機層を飽和NaHCO水溶液と飽和NaCl水
溶液で洗浄した後、無水MgSOで乾燥し、溶媒を留
去して得られた油状物をプレパラテイブTLC(SiO
,30v/v%AcOEt−ヘキサン)に付すと化合物
[15]23.7mgが無色油状物として得られた(収
率71%)。
【0034】合成例5 (4RS,9aSR,2’R
S)−7−シアノ−2’−ヒドロキシメチル−6−オキ
ソ−1,2,3,6,9,9a−ヘキサヒドロ−4H−
キノリジン−4−スピロ−1’−シクロペンタン(化合
物[14])の合成
【化34】 窒素気流下、TETRAHEDRON LETTERS 41(2000)929-932に
記載の方法により合成した上記シリルエーテル体(17
9mg,0.036mmol)のTHF(1mL)溶液
に、室温にてHF・ピリジン(60−70%,3滴)を
加え、混合物を同温にて3日間撹拌した。反応混合物に
CHClと飽和NaHCO水溶液を加え10分間
撹拌した後、有機層を無水MgSOで乾燥した。溶媒
を留去して得られた油状物をプレパラテイブTLC(S
iO,AcOEt)に付すと化合物[14]5.9m
gが無色油状物として得られた(収率63%)。
【0035】合成例6 (3aRS,7SR,10aR
S)−7−(2−ヒドロキシエチル)−オクタヒドロ−
5−オキサ−6a−アザシクロペンタ[d]ナフタレン
−6−オン(化合物[16])の合成
【化35】 窒素気流下、化合物[10](350mg,0.73mm
ol)のTHF(l0mL)溶液に室温にてフッ化テト
ラ−n−ブチルアンモニウムの1.0M THF溶液
(1.10mL,1.10mmol)を加え、混合物を5
0℃で一晩撹拌した。溶媒を減圧留去した後、残さに蒸
留水を加えAcOEtで抽出した。有機層を飽和NaC
l水溶液で洗浄した後、無水MgSOで乾燥し、溶媒
を留去して得られた油状物をカラムクロマトグラフィー
(SiO,50v/v%AcOEt−ヘキサン)に付す
と化合物[16]133mgが無色油状物として得られ
た(収率76%)。
【0036】実施例1 細胞毒性試験(XTT法) 96ウェルマイクロプレートに、1ウェル当たり5×1
個/200μlの培地密度で播いたヒト急性単球型
白血病細胞株(THP−1)に、各化合物(5〜100
μM)を添加して4時間処理した後、テトラゾリウム塩
XTTと電子架橋試薬を加えて更に4時間インキュベー
トした。この間にXTTから生細胞により変換されて生
じる水溶性フォルマザン色素の発色度を分光光度計(O
D550nm/OD690nm)で測定することによ
り、細胞の生存率を評価した。結果を表1及び表2に示
す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表1及び表2から明らかなように、本発明
に係る化合物のうち、化合物[5]、[6]、[7]、
[8]、[9]、[10]及び[11]が、ヒト急性単
球型白血病細胞株(THP−1)に対して顕著に細胞毒
性を示した。その薬理効果は[8]>[9]>[11]
>[10]=[6]>[5]>[7]の順で高く、50
%の細胞に対して毒性を発現させるのに必要な用量(E
D50%)は、各々5、9、25、32、32、63及
び73μMであった。その他の化合物のED50%は>
100μMであった。
【0040】実施例2 クロマチン凝集に基づくアポト
ーシス誘導試験(ヘキスト染色法) THP−1、ヒトがん細胞株(HeLa)、初代培養ヒ
ト皮膚線維芽細胞株を、予め各化合物(5〜100μ
M)で4時間処理した後、DNA結合蛍光試薬であるヘ
キスト33258(0.1μg/ml)で更に2時間培
養して、蛍光顕微鏡でクロマチン凝集を起こし、核内に
強い蛍光を発する細胞の割合を調べ、アポトーシスの誘
導を定性的に評価した。結果を表1、表2、図1、図2
及び図3に示す。
【0041】表1、表2及び図1、図2から明らかなよ
うに、アポトーシスで特異的に起こるクロマチン凝集を
顕著に誘導した化合物は、[5]、[6]、[8]、
[9]、[10]及び[11]であり、更に50μMで
[7]、[12]、[13]、[14]、[15]及び
[16]が一部の細胞に対してクロマチン凝集を誘導し
た。また、このうち化合物[8]及び[9]は、5μM
の濃度で付着性のヒトがん細胞株(HeLa)に対して
顕著にクロマチン凝集を誘導したが、初代培養ヒト皮膚
線維芽細胞株に対してはほとんど惹起しなかった(図
3)。このことから、これら本発明に係る化合物は、比
較的低濃度では正常細胞よりもがん細胞に対して強いア
ポトーシス誘導能を有することが明らかになった。本発
明に係る化合物のうち、細胞毒性あるいはアポトーシス
誘導能を有する化合物は保護基(TBDPS基)をもつ
ものが多く、またこれらの脱保護誘導体では薬理活性が
低下又は消失していた(表1、表2及び図1、図2)。
【0042】実施例3 細胞接着分子(VCAM−1)
の遺伝子発現の解析 ヒトアストロサイトーマ株(CCF−STTG1)(1
X10個)を予め本発明に係る化合物(1μM)で4
時間処理した後、TNF−α(200U/ml)を更に
作用させた。4時間後に細胞から全RNAを抽出し、ま
ずオリゴdTを用いた逆転写反応によりcDNAを合成
した。次に細胞接着分子であるVCAM−1、また対照
として恒常発現を示すβ−アクチンのそれぞれに対する
特異的なプライマーセットを用いたPCR法を行った。
増幅された各DNAフラグメントの相対量を、アガロー
ス電気泳動により分離後、蛍光強度を測定することによ
り、TNF−α処理により合成が促進される(誘導され
る)VCAM−1の細胞内mRNAの相対量を比較し
た。本発明に係る化合物処理によりVCAM−1/β−
アクチン比の変動を調べ、VCAM−1の遺伝子発現に
及ぼす化合物の影響を評価した。結果を図4に示す。
【0043】但し、図4において、レーン1〜6は以下
の通りである。 1:化合物未処理、TNF−α未処理 2:化合物未処理、TNF−α処理(200U/ml) 3:化合物[8]前処理(1μM)、TNF−α未処理 4:化合物[8]前処理(1μM)、TNF−α処理
(200U/ml) 5:化合物[15]前処理(1μM)、TNF−α未処
理 6:化合物[15]前処理(1μM)、TNF−α処理
(200U/ml)
【0044】1)この細胞株、即ちヒトアストロサイト
ーマ株(CCF−STTG1)ではもともとVCAM−
1のmRNAが発現していることが判る。(レーン1の
上:531bpのVCAM−1のバンドが検出されてい
る。) 2)この細胞を化合物[8]で処理すると、VCAM−
1のバンド強度の若干の減少が観察された(レーン3の
上)。 3)更に同様のVCAM−1のバンド強度の減少が、化
合物[8](1μM)で処理後、TNF−α(200U
/ml)を作用させた場合にも顕著に検出された(レー
ン4の上)。 4)化合物[15](1μM)で処理した場合は、VC
AM−1のバンド強度の変動は認められなかった(レー
ン5の上)。 5)化合物[15](1μM)で処理後、TNF−α
(200U/ml)を作用させた場合には、VCAM−
1のバンド強度のわずかな減少が観察された。 6)β−アクチンのバンド強度については、レーン6の
下のバンド強度のわずかな減少を除き、どの条件におい
ても基本的に変動は認められなかった(レーン1,2,
3,4,5の下)。これらの結果から、少なくとも化合
物[8](1μM)はVCAM−1の発現を選択的に抑
制していることが判り、TNF−α処理により細胞内で
促進されるVCAM−1の発現も阻害していることが判
る。即ち、サイカインの一種であるTNF−αがヒトア
ストロサイトーマ株(CCF−STTG1)に作用した
際に、細胞接着分子であるVCAM−1遺伝子の発現が
誘導されるが、図4から明らかなように、化合物[8]
は、更に低濃度(1μM)で、VCAM−1遺伝子の発
現誘導を抑制した。
【0045】
【発明の効果】(1)基本骨格として、上記一般式
[1]で示される2環性コア構造をもつ本発明に係る化
合物群は、それ自体に下記の二重機能(Dual function
s)をもつ可能性があり、医薬品素材として非常に興味
深い化合物である。 標的細胞に対しアポトーシス誘導活性をもつ。 標的細胞における細胞接着分子の発現抑制を介した接
着・浸潤阻害活性をもつ。 (2)本発明に係る化合物群が有する作用としては、例
えば、以下の如きものが挙げられる。 機能亢進している免疫担当細胞を、細胞死誘導により
除去するとともに、免疫担当細胞の浸潤能を抑制する。 がん細胞に対し直接アポトーシスを誘導するととも
に、がん細胞の浸潤転移能を間接的に抑制する(がん細
胞の接着相手に対する作用)。 アポトーシス誘導によりウイルス感染細胞を除去する
とともに、感染細胞の体内移行を抑制する。 (3)本発明に係る化合物群の具体的な用途としては、
例えば、上記二重作用を利用して、抗炎症剤、免疫抑制
剤、抗がん剤あるいは抗ウィルス剤としてより有効性の
高い医薬品を開発できる可能性が期待される。また仮に
化合物が二重機能を示さなくても、既知のアポトーシス
誘導機構の異なる薬物や細胞接着阻害物質との併用によ
り、疾患の治療効果を高められる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る化合物によりTHP−1
株において誘導されるクロマチン凝集の状態を示してい
る。
【図2】図2は、図1と同様に、本発明に係る化合物に
よりTHP−1株において誘導されるクロマチン凝集の
状態を示している(図1の続き)。
【図3】図3は、本発明に係る化合物により初代培養ヒ
ト皮膚線維芽細胞株及びヒトがん細胞株(HeLa)に
おいて誘導されるクロマチン凝集の状態を示している。
【図4】図4は、本発明に係る化合物の、細胞接着分子
(VCAM−1)の発現に対する影響をアガロース電気
泳動により調べた結果を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/02 A61P 37/02 43/00 105 43/00 105 C07F 7/18 C07F 7/18 A // C07D 455/00 C07D 455/00 498/04 498/04 112T Fターム(参考) 4C064 AA11 CC01 DD08 EE04 FF01 GG01 4C072 AA01 AA06 BB02 BB06 CC01 CC11 EE06 FF07 GG01 4C086 AA01 AA02 CB09 CB22 DA44 MA04 NA14 ZB07 ZB11 ZB21 ZB26 ZB33 4H049 VN01 VP01 VQ59 VQ60 VQ67 VR23 VR41 VU06 VU07 VU08 VW01

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基本骨格として、下記一般式[1] 【化1】 で示される2環性コア構造を有する化合物を含んでなる
    アポトーシス誘導剤。
  2. 【請求項2】 ハリクロリンの合成中間体である請求項
    1に記載のアポトーシス誘導剤。
  3. 【請求項3】 ハリクロリンの化学構造式の14位に相
    当する位置に水酸基又は保護された水酸基を有する請求
    項1又は2に記載のアポトーシス誘導剤。
  4. 【請求項4】 ハリクロリンの化学構造式の14位に相
    当する位置に保護された水酸基を有する請求項1又は2
    に記載のアポトーシス誘導剤。
  5. 【請求項5】 水酸基の保護基がt−ブチルジフェニル
    シリル基(TBDPS基)である請求項4に記載のアポ
    トーシス誘導剤。
  6. 【請求項6】 基本骨格として、一般式[1]で示され
    る2環性コア構造を有する化合物が下記一般式[2] 【化2】 [式中、Rは、水素原子、CHOR又はCO
    を表し(但し、Rは、水素原子、アルキル基、アリ
    ール基、アラルキル基又は置換シリル基を表す。)、R
    は、水素原子、tert−ブチルジフェニルシリル
    基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメ
    チルシリル基、トリエチルシリル基、トリメチルシリル
    基、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、
    XはO又はH,Hを表す。]で示される化合物である請
    求項1に記載のアポトーシス誘導剤。
  7. 【請求項7】 基本骨格として、一般式[1]で示され
    る2環性コア構造を有する化合物が下記一般式[3] 【化3】 [式中、Rは、水素原子、tert−ブチルジフェニ
    ルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブ
    チルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリメチ
    ルシリル基、アルキル基、アリール基又はアラルキル基
    を表し、Rは、COOH、CO14(但し、R
    14は、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表
    す。)又はCNを表す。]で示される化合物である請求
    項1に記載のアポトーシス誘導剤。
  8. 【請求項8】 基本骨格として、一般式[1]で示され
    る2環性コア構造を有する化合物が下記一般式[4] 【化4】 [式中、Rは、水素原子、tert−ブチルジフェニ
    ルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブ
    チルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリメチ
    ルシリル基、アルキル基、アリール基又はアラルキル基
    を表し、Rは、CHOH又はCO15(但し、
    15は、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を
    表す。)を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アリ
    ール基、アラルキル基又はRCO−を表す(但し、R
    は、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキ
    ル基を表す。)。また、RとRとが一緒になって−
    O−C(=O)−となっていてもよい。]で示される化合
    物である請求項1に記載のアポトーシス誘導剤。
  9. 【請求項9】 一般式[2]で示される化合物が下式
    [5] 【化5】 (式中、TBDPSは、tert−ブチルジフェニルシ
    リル基を表す。)で示される化合物である請求項6に記
    載のアポトーシス誘導剤。
  10. 【請求項10】 一般式[2]で示される化合物が下式
    [6] 【化6】 (式中、TBDPSは、tert−ブチルジフェニルシ
    リル基を表す。)で示される化合物である請求項6に記
    載のアポトーシス誘導剤。
  11. 【請求項11】 一般式[2]で示される化合物が下式
    [7] 【化7】 (式中、TBDPSは、tert−ブチルジフェニルシ
    リル基を表す。)で示される化合物である請求項6に記
    載のアポトーシス誘導剤。
  12. 【請求項12】 一般式[3]で示される化合物が下式
    [8] 【化8】 (式中、TBDPSは、tert−ブチルジフェニルシ
    リル基を表す。)で示される化合物である請求項7に記
    載のアポトーシス誘導剤。
  13. 【請求項13】 一般式[4]で示される化合物が下式
    [9] 【化9】 (式中、TBDPSは、tert−ブチルジフェニルシ
    リル基を表す。)で示される化合物である請求項8に記
    載のアポトーシス誘導剤。
  14. 【請求項14】 一般式[4]で示される化合物が下式
    [10] 【化10】 (式中、TBDPSは、tert−ブチルジフェニルシ
    リル基を表す。)で示される化合物である請求項8に記
    載のアポトーシス誘導剤。
  15. 【請求項15】 一般式[4]で示される化合物が下式
    [11] 【化11】 (式中、TBDPSは、tert−ブチルジフェニルシ
    リル基を表す。)で示される化合物である請求項8に記
    載のアポトーシス誘導剤。
  16. 【請求項16】 一般式[2'] 【化12】 [式中、R は、水素原子又はCHORを表し
    (但し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、
    アラルキル基又は置換シリル基を表す。)、Rは、水
    素原子、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリイ
    ソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル
    基、トリエチルシリル基、トリメチルシリル基、アルキ
    ル基、アリール基又はアラルキル基を表し、XはO又は
    H,Hを表す。]で示される化合物。
  17. 【請求項17】 アポトーシス誘導剤が抗炎症剤である
    請求項1〜15の何れかに記載のアポトーシス誘導剤。
  18. 【請求項18】 アポトーシス誘導剤が抗ガン剤である
    請求項1〜15の何れかに記載のアポトーシス誘導剤。
  19. 【請求項19】 アポトーシス誘導剤が自己免疫疾患治
    療剤である請求項1〜15の何れかに記載のアポトーシ
    ス誘導剤。
  20. 【請求項20】 アポトーシス誘導剤が抗ウィルス剤で
    ある請求項1〜15の何れかに記載のアポトーシス誘導
    剤。
JP2001372050A 2001-12-05 2001-12-05 新規なアポトーシス誘導剤 Pending JP2003171278A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001372050A JP2003171278A (ja) 2001-12-05 2001-12-05 新規なアポトーシス誘導剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001372050A JP2003171278A (ja) 2001-12-05 2001-12-05 新規なアポトーシス誘導剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003171278A true JP2003171278A (ja) 2003-06-17

Family

ID=19181002

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001372050A Pending JP2003171278A (ja) 2001-12-05 2001-12-05 新規なアポトーシス誘導剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003171278A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zurwerra et al. Total synthesis of (−)‐zampanolide and structure–activity relationship studies on (−)‐dactylolide derivatives
JP4024003B2 (ja) 6−アルケニル−,6−アルキニル−及び6−エポキシ−エポチロン誘導体類、それらの生成方法、及び医薬製剤へのそれらの使用
RU2245335C2 (ru) Макроциклическое соединение и способ идентификации агента на его основе
EP1005465B1 (de) Neue epothilon-derivate, verfahren zu deren herstellung und ihre pharmazeutische verwendung
Ogilvie et al. Synthesis of oligoribonucleotides
JP4036490B2 (ja) ビタミンd化合物及びこれらの化合物の製造法
HRP20010677A2 (en) 16-halogen-epothilone derivatives, method for prod
JPH07504664A (ja) ハリコンドリン類およびその関連化合物
AU3270699A (en) Novel cephalotaxane derivatives and process for their preparation
Paterson et al. Total synthesis of (−)-dictyostatin, a microtubule-stabilising anticancer macrolide of marine sponge origin
HUT62251A (en) Process for producing cytotoxic bicyclo/7.3.1/tridec-4-ene-2,6-diine derivatives and pharmaceutical compositions comprising such compounds
Hu et al. Alkyl and alkoxycarbonyl derivatives of ginkgolide B: synthesis and biological evaluation of PAF inhibitory activity
Paños et al. Synthesis and biological evaluation of truncated α-tubulin-binding pironetin analogues lacking alkyl pendants in the side chain or the dihydropyrone ring
JPH04506669A (ja) アルテミシニンの抗マラリア性同族体
JPH05509327A (ja) 抗炎症および抗ウイルス活性を有する蛋白質キナーゼcモジュレーター
Song et al. Total synthesis of mycolactones A and B
Ihara et al. Ring Contraction of Cyclobutanes and a Novel Cascade Reaction: Application to Synthesis of (.+-.)-Anthoplalone and (.+-.)-Lepidozene
Das et al. Total synthesis of marine natural products separacenes A and B
Yadav et al. Stereoselective total synthesis of stagonolide C
JP2003171278A (ja) 新規なアポトーシス誘導剤
Vannada et al. A total synthesis of the epoxyquinone natural product cytosporin D
Das et al. Ti (III)-Mediated Radical-Induced Approach to a Bicyclic δ-Lactone with a Bridgehead β-Hydroxy Group
Wender et al. Lead diversification through a Prins-Driven macrocyclization strategy: application to C13-diversified Bryostatin analogues
WO2016164565A1 (en) Trans-cycloheptenes and hetero-trans-cycloheptenes for bioorthogonal coupling
JP2003508533A (ja) 炭素環式ヌクレオシドとその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20031031

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20040129