JP2003169645A - 生鮮食品の冷凍保存のための前処理方法及びその装置並びに冷凍保存方法 - Google Patents

生鮮食品の冷凍保存のための前処理方法及びその装置並びに冷凍保存方法

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JP2003169645A JP2001375660A JP2001375660A JP2003169645A JP 2003169645 A JP2003169645 A JP 2003169645A JP 2001375660 A JP2001375660 A JP 2001375660A JP 2001375660 A JP2001375660 A JP 2001375660A JP 2003169645 A JP2003169645 A JP 2003169645A
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Society for Techno Innovation of Agriculture Forestry and Fisheries
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変質し易い魚介類であっても、オゾンを用い
て効果的に変質を防止すると共に、生鮮食品中の水分を
維持しつつ、長期保存を可能とする。 【解決手段】 本発明の生鮮食品冷凍保存のための前処
理方法は、生鮮食品(1)をオゾン水の氷結温度以下に
冷凍する生鮮食品冷凍工程(3)と、得られた冷凍生鮮
食品(1a)をオゾン水中に浸漬して該冷凍生鮮食品の
表面にオゾン氷被覆層(17)を形成するオゾン氷被覆
層形成工程(4)と、を有するものであり、前記生鮮食
品を、事前にオゾン水や電解式オゾン水製造装置の陰極
側に生成するアルカリ水で洗浄するものもある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚介類や獣肉類或
いは野菜,果物等の生鮮食品の冷凍保存技術に関するも
ので、特に生鮮食品を冷凍保存するための前処理方法と
その装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生鮮食品においては、収穫時から消費さ
れる迄の間の鮮度維持と細菌汚染の防止は、極めて重要
な課題であり、所定の低温条件下に保持して貯蔵及び搬
送を行うコールドチェーンが代表的な方法であるが、現
実的には、流通コスト面及び低温保持装置の設備コスト
面から必ずしも充分な設備が普及しているとは言えない
のが現状である。
【0003】一方、最近では、環境負荷の小さな殺菌手
段としてオゾンの利用が広まりつつある。オゾンは、強
力な酸化力を有しており、洗浄・殺菌,脱臭,脱色,鮮
度保持等に広く利用でき、残留する事もないので安全性
も高いが、保存できない欠点がある。オゾンを氷の状
態、即ちオゾン氷となす事により、ある程度のオゾンの
保存性を確保する技術も開発され、幾つか提案されてい
る。
【0004】例えば、特開平6−165637号公報に
は、オゾンガスを溶解した冷水を凍らせてオゾン氷を製
造し、これを青果物容器に青果物と共に収容して流通さ
せる方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】先ず、従来の一般的な
冷凍方法においては、魚介類等の生鮮食品を冷凍庫で事
前冷凍するものであるので、魚介類等の表面に付着して
いる『ぬめり』や細菌類もそのまま凍結される結果、細
菌による活動を停止又は抑制できても、解凍と共に賦活
され、特に解凍過程で生じるドリップの変色と臭気の発
生は避けられず、同時に、鮮度低下は避けられなかっ
た。又、冷凍保存中の生鮮食品からの水分の放出によ
り、生鮮食品中の含有水分の低下に起因する或る程度の
変質は避けられなかった。
【0006】一方、魚介類や青果物等の容器内にオゾン
氷を収容して係る生鮮食品を輸送する方法においては、
オゾン氷の融解により生成するオゾン水によって、殺菌
と脱臭や脱色が行われるので、鮮度維持は比較的良好で
あるが、その期間が極めて短く、少なくとも、週単位或
いは月単位での保存は不可能であった。
【0007】特に、体の表面に強固な『ぬめり』を有す
る魚介類や、エラの部分に多くの雑菌を有し、腐敗し易
い魚類については、長期間に亘り、鮮度と品質の保持を
行う事のできる効果的な保存手段が存在しないと言って
も過言ではない。
【0008】本発明は、係る現状に鑑み、変質し易い魚
介類であっても、オゾンを用いて効果的に変質を防止す
ると共に、生鮮食品中の水分を維持しつつ、長期保存を
可能とする生鮮食品の冷凍保存のための前処理方法及び
その装置並びに冷凍保存方法を提供する事を目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、係る観点に立
ってなされたもので、その特徴とする処は、生鮮食品を
冷凍保存するための処理方法であって、該生鮮食品をオ
ゾン水の氷結温度以下に冷凍する生鮮食品冷凍工程と、
得られた冷凍生鮮食品をオゾン水中に浸漬してその表面
にオゾン氷被覆層を形成するオゾン氷被覆層形成工程と
を有するものであり、これによって、生鮮食品の隅々ま
でもオゾンと接触し易くなすと同時に瞬間的にオゾン氷
の被覆層を形成する事により、生鮮食品の鮮度維持と細
菌汚染を防止する様にしたものである。
【0010】使用するオゾン水としては、水の電気分解
法によって陽極側にオゾン水を生成する電解式オゾン水
製造装置によって製造されたオゾン水が好ましい。これ
により、オゾン水濃度を高濃度に保ち且つその濃度や流
量の制御が極めて容易となるので、工業的なオゾン水の
使用が容易となる。
【0011】尚、前記生鮮食品冷凍工程の前に、該生鮮
食品をオゾン水で洗浄するオゾン水洗浄工程、或いは、
前記前記電解式オゾン水製造装置の陰極側に生成するア
ルカリ水によって洗浄するアルカリ水洗浄工程のいずれ
か一方又は双方を設ける事により、生鮮食品の表面洗浄
と共に殺菌や魚介類の場合には表面の強固なヌメリを除
去し、これにより生鮮食品の変質要因を予め除去した後
に、前記生鮮食品冷凍工程に移行するのが好ましい方策
である。尚、オゾン水洗浄工程とアルカリ水洗浄工程の
両方を用いる場合には、アルカリ水洗浄工程を先行させ
るのが好ましい方法である。
【0012】又、前記生鮮食品冷凍工程における生鮮食
品の冷凍温度は、オゾン水の氷点である0℃から充分に
低い温度、即ち−10℃以下を選定するのが良い。好ま
しくは−20℃以下,更に好ましくは−40℃以下を選
定するのが良い。一方、オゾン氷被覆層を形成するオゾ
ン水の温度は、その氷点近傍まで冷却しているのが好ま
しいが、未氷結状態に保たれている必要がある。尚、こ
のオゾン水の濃度としては、オゾン氷の被覆層を形成し
た後も、安定したオゾンの効果を発揮させるには、5p
pm以上である事が好ましい。
【0013】更に、上記前処理した生鮮食品を、冷凍庫
で保存する生鮮食品の冷凍保存方法も本発明であり、こ
れにより長期に亘って鮮度を維持する事が可能となる。
【0014】次に、本発明に係る生鮮食品を冷凍保存す
るための前処理装置は、水の電気分解によって陽極側に
オゾン水を生成する電解式オゾン水製造装置と、該電解
式オゾン水製造装置で生成したオゾン水を貯蔵するオゾ
ン水槽と、該オゾン水槽内のオゾン水を該オゾン水の氷
点近傍で且つ未氷結状態に冷却維持するオゾン水冷却機
と、前記生鮮食品を前記オゾン水の氷点以下に冷凍する
生鮮食品冷凍装置と、該生鮮食品冷凍装置で冷凍された
冷凍生鮮食品を前記オゾン水槽内に浸漬して該冷凍生鮮
食品の表面にオゾン氷被覆層を形成する冷凍生鮮食品浸
漬装置とを備えてなる事を特徴とするものである。
【0015】この装置の応用例としては、前記生鮮食品
を、前記生鮮食品冷凍装置で冷凍する前に前記電解式オ
ゾン水製造装置の陰極側に生成するアルカリ水によって
洗浄するアルカリ水洗浄装置を設けたもの、或いは、オ
ゾン水によって洗浄するオゾン水洗浄装置を設けたも
の、及びアルカリ水洗浄装置とオゾン水洗浄装置とを、
この順で直列に設けたものがある。これにより、生鮮食
品にオゾン氷被覆層を形成する前に該生鮮食品の洗浄と
殺菌を行って保存中の変質要因を除去する様にしてい
る。
【0016】更に、前記オゾン水洗浄装置には、前記電
解式オゾン水製造装置から送出されるオゾン水の一部が
供給される様に配管されているもの、或いは、前記オゾ
ン水槽のオゾン水の一部が供給される様に配管されてい
るものがある。
【0017】更に又、前記オゾン水槽のオゾン水の一部
を、前記電解式オゾン水製造装置の原料水入口側に還流
させて再使用する事により、使用水量の低減とオゾン水
濃度の向上を図ったものもある。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を用い
て詳細に説明する。先ず、本発明で使用するオゾン水自
体は、基本的には、オゾンガスを水に溶解してオゾン水
を生成するガス溶解方式と、水の電気分解によって陽極
側にオゾン水を生成する電解式オゾン水製造方式に大別
され、本発明の生鮮食品の保存処理方法においては、基
本的にはいずれの方式で生成されたオゾン水でも良い
が、高濃度オゾン水が瞬時にして得られ且つその濃度制
御も容易であり、加えて殺菌作用を有するアルカリ水を
も併産する電解式オゾン水製造装置が最適であるので、
以下に、この電解式オゾン水製造装置について説明す
る。
【0019】図6は、この電解式オゾン水生成装置の主
要部を示す要部断面図であり、同図において、耐オゾン
性のフッ素系イオン交換膜等の固体高分子電解質膜30
(以下単に「電解質膜」と記載する場合がある)の一方
の面に、オゾン発生触媒機能を有する貴金属製の金網か
らなる陽極電極31を該電解質膜30に重ね合わせる様
にして配置し、他方の面には、同様に陰極電極32を該
電解質膜30に重ね合わせる様にして配置している。両
電極31,32の外側面には、夫々ステンレス鋼等の耐
蝕性を有する金属製のラス網33,34が全長に亘って
配置され、両電極間31,32に直流電圧を印加できる
様に各電極は前記直流電源(図示せず)に接続されてい
る。又、各電極31,32とラス網33,34とを内包
する様に外側に陽極側ジャケット35と陰極側ジャケッ
ト36が夫々配置されている。各ジャケットには、配管
L3から分岐した陽極側給水管L3bに接続された陽極
側軟水供給口37、前記配管L3から分岐した陰極側給
水管L3aに接続された陰極側軟水供給口38及びオゾ
ン水配管L5に接続されたオゾン水送出口39、アルカ
リ水配管L4に接続されたアルカリ水送出口40が夫々
形成されている。
【0020】係る装置において、両電極31,32間に
直流電圧を印加すると共に前記陽極側軟水供給口37及
び陰極側軟水供給口38から夫々軟水を供給しつつ電解
を行うと、陽極31側には水の電解により生成したOH
イオン(OH− )が集まり、このOHイオンは、陽極
31のオゾン発生触媒の作用によってオゾンになると共
に直ちに水中に溶解してオゾン水が生成する。このオゾ
ン水は、オゾン水送出口39からオゾン水配管L5に送
出される。ここで、陽極電極31の外面近傍には千鳥状
に金網が互いに接合されているラス網33によって複雑
に入り組んだ流路が形成されているので陽極電極外面に
は多数の小さな渦流が生じ、この結果、電極面で発生し
たオゾンは渦流に巻き込まれて速やかに水中に溶解する
ので、オゾンガスとして水流と共に流出するオゾン量は
減少し、即ち、溶解オゾン量が増加して20〜30pp
m程度の高濃度オゾン水が生成される事が確認されてい
る。
【0021】同様に、水の電解によって生成した水素イ
オン(H+)は、陰極電極32側の電極面に集まって水
素ガスとなり、水中から放出されるが、陰極面には、軟
水器1でイオン交換して水中に微量に含まれているナト
リウムイオン(Na+)が集まって濃縮され、陰極側の
水をアルカリ水となし、前述の水素ガスと共にアルカリ
水排出口40からアルカリ水配管L4に送出される事に
なる。この様に、陰極側には、水素ガスと共に水中に微
量に含まれているアルカリ金属イオンも濃縮される結
果、陰極側の水はpH9〜11或いはそれ以上のアルカ
リ水が生成される事が確認されている。
【0022】係る電解式オゾン水生成装置2を用いて、
オゾン水を製造する場合には、前記オゾン水配管L5に
設置されたオゾン水濃度計(図示せず)にて生成オゾン
水濃度を常時測定し、その濃度信号に基づいて前記DC
電源から電解式オゾン水発生装置への供給直流値を変化
させる事により、オゾン水濃度を一定に保持する様に制
御する構成となっている。これにより、数ppmから3
0ppmまでの任意の濃度のオゾン水を安定して発生さ
せる事ができる様になっている。
【0023】次に、上記電解式オゾン水製造装置を用い
た本発明の生鮮食品の保存処理方法について説明する。
図1は、本発明に係る生鮮食品の保存処理工程図であ
り、収穫された生鮮食品1は、先ず洗浄工程に送られ
る。この洗浄工程には、単に水で洗浄する水洗工程2a
と、前記電解式オゾン水製造装置の陽極側に生成したア
ルカリ水で洗浄するアルカリ水洗浄工程2bと、前記電
解式オゾン水製造装置の陽極側に生成するオゾン水で洗
浄するオゾン水洗浄工程2cとの3種類の工程がある。
対象とする生鮮食品1が、野菜や果物等の場合には、水
洗工程2aにより付着しているゴミを洗い流す程度でも
よいが、アルカリ水洗浄工程2bにおいてアルカリ水で
洗浄する事により、前記ゴミの除去と共にアルカリ水に
よる殺菌洗浄を施す事も可能である。因みに、電解式オ
ゾン水製造装置で生成するアルカリ水は、所謂電解によ
るアルカリ水イオン水に相当するもので、このアルカリ
水が殺菌作用を有する事は良く知られている通りである
から、電解式オゾン水製造装置で副生するアルカリ水を
生鮮食品の事前洗浄に利用するのは有効な方策である。
更に、オゾン水洗浄工程2cによって、より強力に殺菌
洗浄を行う事も可能である。これらの各洗浄工程2a〜
2cは、これらの1つの工程のみを選択する事も可能で
あるが、組み合わせて洗浄する事も可能である。但し、
オゾン水洗浄は、極めて強力な殺菌機能を有しているの
で、複数の洗浄工程を採用する場合には、最終洗浄工程
に採用するのが好ましい。
【0024】生鮮食品1が、魚貝類等の海産物の場合に
は、水洗工程2aは真水による洗浄ではなく海水により
洗浄が行われる事は言うまでもない。又、魚の場合に
は、表面に強固なヌメリが存在し、多少の水洗程度では
完全に除去する事は困難であるので、この場合には、前
記アルカリ水洗浄やオゾン水洗浄又はこの両方による洗
浄を行って、予めこのヌメリを完全に除去しておくのが
好ましく、このヌメリの完全除去には、オゾン水洗浄が
有効である。又、魚のエラの部分には雑菌が溜まり易
く、この部分から変質が進行するので、アルカリ水洗浄
やオゾン水洗浄によって、このエラの部分の洗浄も行っ
ておくのが好ましい。
【0025】上述の要領で洗浄された生鮮食品は、次の
生鮮食品冷凍工程3に送られ、ここでオゾン水の氷結温
度(略0℃)よりも低い温度に冷凍される。この冷凍工
程の目的は、次工程のオゾン水浸漬工程4において生鮮
食品に付着したオゾン水を瞬時に凍らせるためのオゾン
水氷結能力を付与するためのものであるので、オゾン水
氷結温度よりも充分に低い温度にまで冷却して冷凍状態
となす必要がある。この冷凍温度としては、−10℃以
下が好ましく、特に、後述するオゾン氷被覆層中のオゾ
ン濃度を長期間に亘って高く保持するには、−20℃以
下が好ましく、更に、−40℃以下に冷却冷凍できれば
好適である。
【0026】次に、得られた冷凍生鮮食品は、次工程の
オゾン氷被覆層形成工程4に送られる。ここでは、オゾ
ン水の氷点以下の低温に冷却されて冷凍状態にある前記
冷凍生鮮食品がオゾン水中に浸漬される事により、該冷
凍生鮮食品の周りのオゾン水を瞬時に凍らせて、冷凍生
鮮食品の外周面にオゾン氷被覆層を形成するものであ
る。従って、オゾン水は、氷点以上の温度で液体状態に
保たれている事が必須であるが、可及的に氷点に近い温
度、即ち、0℃以上で0℃近傍の温度に保たれているの
が好ましい。この様に0℃近傍の温度に保たれたオゾン
水中に前記冷凍生鮮食品を浸漬すると、該冷凍生鮮食品
の表面は、その冷凍状態が保持されたまま瞬時に表面に
オゾン氷被覆層が形成される事になる。尚、魚類の場合
には、エラの部分に雑菌が溜まり易く、この部分から変
質が進行する事になるが、生鮮食品をオゾン水に浸漬す
る事により、開いているエラの部分や口の中までオゾン
水が侵入して凍結するので、解凍時には、この部分でも
オゾン氷がオゾン水となり、変質を確実に防止する事が
可能となる。
【0027】次に、上述の要領で外面をオゾン氷で被覆
された冷凍生鮮食品は、冷凍保存工程5に移る。尚、本
発明に言う冷凍保存工程5とは、冷凍倉庫に入れられて
冷凍状態のままで貯蔵されたり、輸送用の冷凍コンテナ
或いは保冷容器内に入れられて冷凍状態を保持したまま
消費地に移送する工程を意味している。この様に生鮮食
品は、その表面をオゾン氷で被覆された状態で冷凍保持
される事になるので、冷凍による鮮度維持効果と前記オ
ゾン氷被覆層による生鮮食品中の水分保持効果及びオゾ
ンによる殺菌効果と相まって、生鮮食品は長期間に亘っ
て鮮度と品質が安定して保持される事になる。
【0028】次に、上記本発明に係る生鮮食品の冷凍保
存のための前処理方法を実施する装置の構成について説
明する。図2は、本発明に係る生鮮食品の前処理装置の
第1実施例を示すフロー図であり、同図において、オゾ
ン水製造の原水となる常温の水道水等の上水は、配管L
1から冷却器10に供給され、付設の冷却装置(図示せ
ず)によって10℃以下、好ましくは3〜6℃程度に冷
却されて配管L2を経て軟水器11に供給される。該軟
水器11では、上水中に含有されているカルシウムイオ
ンやマグネシウムイオン等の硬水成分がナトリウムイオ
ンに置換されて軟水化され、配管L3を経て2分されて
一方は配管L3aから電解式オゾン水製造装置12の陰
極側流路12aに、他方は配管L3bから電解式オゾン
水製造装置12の陽極側流路12bに夫々供給される。
該電解式オゾン水生成装置12内の陽極側流路12bで
は、前述の通りオゾン濃度が10〜30ppm程度の高
濃度のオゾン水が生成し、配管L5からオゾン水となっ
て送出され、その一部は、配管L6を経てオゾン水槽1
3に供給され、残部は、配管L7を経て生鮮食品1のオ
ゾン水洗浄装置20に供給される。又、陰極側流路12
aでは、前述の通りアルカリ水が生成し、配管L4から
アルカリ水として送出される。
【0029】一方、生鮮食品1は、オゾン水洗浄装置2
0に送られて配管L7から散布されるオゾン水によって
洗浄され、該生鮮食品1が魚類の場合には、その表面に
存在するヌメリもオゾン水によって分解除去される。
尚、このオゾン水洗浄装置20を散布型ではなく浸漬型
となす事も可能であり、この場合には、該オゾン水洗浄
装置20は洗浄槽となり、生鮮食品1を該洗浄槽内に浸
漬して殺菌洗浄する事になる。従って、生鮮食品が魚類
の場合には、散布方式では充分にオゾン水の浸透が図れ
ないエラや腔内部にもオゾン水が接触して、外部の殺菌
洗浄を充分に行う事が可能となる。尚、洗浄後のオゾン
水は、配管L8から系外に排出される。
【0030】オゾン水による洗浄殺菌を受けた生鮮食品
1は、次に生鮮食品冷凍装置21に送られ、付設の冷凍
機22によってオゾン水の氷点(約0℃)よりも低い温
度で冷凍されて冷凍生鮮食品1aとなる。この時の冷凍
温度は、後工程のオゾン氷被覆層形成時において、オゾ
ン氷被覆層が瞬時に形成される程度に充分に冷却されて
いる事が必要であるので、通常は−10℃以下、好まし
くは−20℃以下、更に好ましくは−40℃以下の低温
で冷凍されている。
【0031】この冷凍生鮮食品1aは、前記オゾン水槽
13に供給されて浸漬される。該オゾン水槽13内のオ
ゾン水14は、付設の冷却機18によって該オゾン水1
4の氷点(約0℃)近傍で且つ氷結しない程度の温度に
まで冷却されているのが好ましい。このオゾン水14内
に前記冷凍生鮮食品1aが浸漬されると、該冷凍生鮮食
品1aに接触したオゾン水14は直ちに凍結して該冷凍
生鮮食品1aの表面にオゾン氷の被覆層17を形成す
る。この被覆層17の厚さは、該冷凍生鮮食品1aのオ
ゾン水中への浸漬時間によって変わるが、少なくとも
0.5mm程度、好ましくは1〜3mm程度のオゾン氷
被覆層17が形成される様に浸漬時間を調整するのが望
ましい。係るオゾン氷被覆層17が形成された冷凍生鮮
食品1aは、その状態が保持される環境下、即ち、該冷
凍生鮮食品1aの冷凍温度以下の温度に調整された冷凍
室内で保持される事になる。
【0032】尚、前記オゾン水槽13には、配管L5か
ら継続して新鮮な高濃度のオゾン水が供給され、冷凍生
鮮食品1aの表面でオゾン氷となって搬出されるが、一
般的にはオゾン水供給量の方が多いので、過剰のオゾン
水は、排出部15から槽外に排出される事になる。
【0033】次に、図3は、本発明に係る生鮮食品の前
処理装置の第2実施例を示すフロー図であり、前記第1
実施例と異なる点は、第1実施例では、生鮮食品1を生
鮮食品冷凍装置21に送給刷る前にオゾン水で洗浄して
いたが、本例では、アルカリ水で洗浄している点であ
る。即ち、本例では、電解式オゾン水製造装置12の陰
極側流路12aから配管L4を経て送出されるアルカリ
水を、アルカリ水洗浄装置24に供給し、ここで生鮮食
品1をアルカリ水洗浄する様に構成している。洗浄に使
用したアルカリ水は、配管L15から、適宜排出され
る。尚、その他の構成は前記図2の第1実施例と同一で
あるので、同一構成は同一符号を付して重複説明を省略
する。
【0034】電解式オゾン水製造装置12で生成したア
ルカリ水は、所謂電解アルカリ水イオン水に相当するも
のであり、殺菌機能と油性分の分解機能を有しているの
で、成果物、特に柑橘類の冷凍保存の様な場合には、表
面に付着したゴミや汚れ及び油脂類を除去する程度で良
いのでアルカリ水洗浄で充分である。
【0035】次に、図4は、本発明に係る生鮮食品の前
処理装置の第3実施例を示すフロー図であり、前記第1
実施例とは次の2点で異なっている。第1の相違点は、
前記第1実施例では、電解式オゾン水製造装置12から
送出されるオゾン水の一部をオゾン水槽13に供給し、
残部を生鮮食品1のオゾン水洗浄装置20に供給してい
るが、本例では、電解式オゾン水製造装置12から送出
されるオゾン水の全量をオゾン水槽13に供給し、該オ
ゾン水槽13から配管L9を経てオゾン水を抜き出し、
ポンプP1、配管L10を経てこれを2分して一部を配
管L12を通して前記オゾン水洗浄装置20に供給する
と共に、残部は配管L11を経て電解式オゾン水製造装
置12のオゾン水生成流路である陽極側流路12bに配
管L3bを通して還流させる様に構成している点であ
る。又、第2の相違点は、前記第1実施例では、上水を
冷却器10によって、予め冷却して前記電解式オゾン水
製造装置12に供給する様にしているが、本例では、係
る冷却器10を省略している点である。その他の構成は
同一であるので、同一符号を付して重複説明は省略す
る。
【0036】先ず、第1の相違点について説明する。前
記オゾン水槽13内のオゾン水は、洗浄された冷凍生鮮
食品1aが浸漬されて、その表面にオゾン氷を生成させ
るものであるので、生鮮食品から溶出する成分は殆どな
く、新鮮な状態のオゾン水の状態が保たれており、しか
も氷点近傍の温度に冷却されている低温オゾン水であ
る。従って、この新鮮な低温オゾン水を電解式オゾン水
製造装置12のオゾン水生成流路である陽極側流路12
bに供給すれば、該流路内の水温も低くなり、該流路で
生成したオゾンの溶解度も高まり、高濃度オゾン水が得
やすくなる。しかも、陽極側流路12bに供給される原
料水自体もオゾン水であるから、更に高濃度のオゾン水
が生成すると共に、配管L1から供給される原料水の供
給量の節減にも繋がり、省資源化の効果もある。
【0037】又、前記第2の相違点について説明する
と、前記オゾン水洗浄装置20に供給されるオゾン水を
前記オゾン水槽13内の冷却オゾン水となす事により、
この冷却オゾン水と接触する生鮮食品1も洗浄殺菌と同
時に冷却され、その結果、次工程の生鮮食品冷凍装置2
1での冷凍時間が短縮される効果がある。
【0038】次に、図5は、本発明に係る生鮮食品の前
処理装置の第4実施例を示すフロー図であり、前記第1
実施例とは次の2点で異なっている。第1の点は、前記
第1実施例ではアルカリ水の使用を考慮していないが、
本例では、配管L4からのアルカリ水を、一旦アルカリ
水タンク23に貯蔵し、該アルカリ水タンク23内のア
ルカリ水を配管L13,ポンプP2及び配管L14を経
てアルカリ水洗浄装置24に供給する様にしている点で
ある。又、第2の相違点は、前記第1実施例では、生鮮
食品1は、生鮮食品冷凍装置21に供給される前に、オ
ゾン水洗浄装置20のみで洗浄される様になっている
が、本例では、先ずアルカリ水洗浄装置24でアルカリ
水洗浄を行い、続いてオゾン水洗浄装置20でオゾン水
洗浄を行う様にしている点である。
【0039】先ず、第1の相違点について説明する。電
解式オゾン水製造装置12の陰極側から送出されるアル
カリ水には、経時的変質は殆どなく、長期保存が可能で
あるが、オゾン水は保存困難である。そこで、保存性の
低いオゾン水は使用される量に見合う量の生産が必要で
あるが、保存性の高いアルカリ水は使用しない時は貯蔵
できる事になるので、これを貯蔵してアルカリ水洗浄装
置24において使用する様にしている。又、第2の相違
点であるアルカリ水洗浄とオゾン水洗浄とを併用する事
により、洗浄に使用するオゾン水量を削減し、その削減
分をアルカリ水で補う様にすれば、電解式オゾン水製造
装置12におけるオゾン水生成負荷の軽減が図られ、運
転コストの低減が可能となる。更に、オゾン水の生産量
を一定にしておくと共に、通常はアルカリ水洗浄装置2
4は停止又は低負荷運転としてアルカリ水をアルカリ水
タンク23に貯蔵しておき、オゾン水槽13内への冷凍
生鮮食品1aの投入量が増大してオゾン氷被覆層17と
してオゾン水が該オゾン水層13から持ち出される量が
増大すると、配管L6から該オゾン水槽13へのオゾン
水供給量は増大するので、オゾン水洗浄装置20へのオ
ゾン水供給量は低下する事になるが、この時点で、アル
カリ水タンク23に貯蔵しているアルカリ水によって、
アルカリ水洗浄装置24を稼働又は高負荷運転にしてア
ルカリ水洗浄を強化し、オゾン水洗浄の負荷を軽減させ
る様な運転も可能となる。
【0040】以上に本発明の装置の構成について説明し
たが、本発明の装置は、上記実施例に限定されるもので
はなく、種々の変形例が存在する。例えば、図2又は図
3或いは図5に示した装置において、オゾン水水槽13
内のオゾン水を図4に示した如く電解式オゾン水製造装
置12の陽極側流路12bに還流させる事により、オゾ
ン水濃度の更なる高濃度化と使用水量の低減を図る事も
可能である。又、生鮮食品1を生鮮食品冷凍装置21で
充分に冷却しておけば、オゾン水槽13内に浸漬される
冷凍生鮮食品1aによってオゾン水も冷却されるので、
該オゾン水槽13のオゾン水冷却機18を省略して機器
点数の削減とメンテナンスの容易化を図る事も可能であ
る。同様に、図2,図3及び図5に示した上水の冷却器
10を省略する事も可能である。又、図5に示したアル
カリ水タンク23を、図2〜4の装置にも設置する事も
可能であり、更に、このアルカリ水を他の用途に使用す
る事も可能である。その他、特許請求の範囲に記載した
発明思想を逸脱しない範囲で、種々の変形例が存在し得
る事は言うまでもない。
【0041】次に、本発明方法の実証試験について説明
する。先ず、オゾン氷中にどの程度の期間オゾンが保存
されるかを確認するため、次の要領でオゾン保持確認試
験を行った。
【0042】〔オゾン氷の製造〕オゾン濃度10pp
m,15ppm,20ppmの3種類のオゾン水を、図
6に示した電解式オゾン水製造装置で製造し、これらの
各オゾン水を厚さ75μmのナイロン・ポリエチレン製
の袋に夫々封入して夫々オゾン濃度の異なるオゾン水を
封入した密閉袋を形成した。次に、これらのオゾン水密
閉袋を、−40℃に冷却された59%エタノール水中に
浸漬して凍結させ、オゾン濃度の異なるオゾン氷を製造
した。
【0043】〔オゾン保持試験〕これらオゾン氷を封入
した密閉袋を破って、中からオゾン氷のみを取り出し、
各オゾン氷を−20℃と−40℃にて保存し、定期的に
サンプリングして残留オゾン量を測定した。
【0044】〔試験結果〕この残留オゾン濃度の経時変
化を図7に示す。同図から明らかな様に、−20℃で保
存した場合の180日(約半年間)経過後の残留オゾン
濃度は、初期濃度10ppmのオゾン氷で約0.8pp
m,初期濃度15ppm及び20ppmのオゾン氷で約
1.2〜1.4ppmであり、オゾンによる必要な殺菌
効果が期待できる0.3ppm以上の値を保持してい
た。この事実から、通常の殺菌効果が期待できる0.3
ppm程度のオゾン濃度を、少なくとも半年間程度は維
持させるには、初期オゾン水は、5ppm程度が要求さ
れる事が分かる。一方、−40℃で保存した場合の18
0日経過後の残留オゾン濃度は、初期濃度10ppmの
オゾン氷で約5.8ppm,初期濃度15ppmのオゾ
ン氷で約6.8ppm,初期濃度20ppmのオゾン氷
で約7.7ppmであり、−20℃で保存した場合に比
して遙かに高い残留オゾン値を示している。この事実か
ら、生鮮食品をオゾン氷で被覆した状態で保存しておけ
ば、少なくとも半年程度はオゾンによる殺菌効果を持続
させつつ保存が可能である事が分かる。又、保存温度の
低い方がオゾン濃度が高い値に保持されるので一層の長
期保存に適している事が分かる。
【0045】次に、実際の生鮮食品として、市販の無頭
生エビを用いた本発明方法による冷凍保存方法と従来の
冷凍保存方法との比較試験を行ったので、その内容につ
いて以下に説明する。
【0046】〔実施例1〕 (1)オゾン水洗浄工程 電解式オゾン水製造装置で生成した10ppmのオゾン
水5リットルと、同オゾン水を凍らせて製造したオゾン
氷1kgとをバケツに入れてオゾン氷を含む冷却オゾン
水を調整し、この冷却オゾン水中に生エビ15匹を投入
して1分間攪拌し、オゾン水による生エビの予備洗浄を
行って、オゾン水洗浄エビを調整した。尚、オゾン水洗
浄前の生エビ(ブランク)とオゾン水洗浄後の生エビ各
1匹の生菌数を測定した。 (2)冷凍工程 前記オゾン水洗浄エビを、カゴに10匹並べて−40℃
の冷凍庫に入れ、3時間後に、完全に冷凍されて冷凍エ
ビとなっている事を確認して取り出した。 (3)オゾン氷被覆層形成工程 前記10ppmのオゾン水(常温)をトレーに溜め、こ
のオゾン水中に、上記冷凍庫から取り出した冷凍エビを
5秒間浸漬して、該冷凍エビの表面にオゾン氷被覆層の
形成を行った。 (4)冷凍保存工程 上記オゾン氷被覆層の形成された冷凍エビを、−40℃
の冷凍庫に入れて冷凍保存した。 (5)解凍工程 上記冷凍庫に装入後、3時間が経過した時点でオゾン氷
被覆層の形成された冷凍エビを冷凍庫から取り出し、3
5℃のウオーターバスに入れて解凍した。解凍後の生エ
ビ表面の生菌数及びドリップ中の生菌数を測定した。
【0047】〔比較例1〕 (1)真水洗浄工程 水道水5リットルと、同水道水を凍らせて製造した真水
氷1kgとをバケツに入れて冷却水を調整し、この冷却
水中に生エビ15匹を投入して1分間攪拌し、水による
生エビの予備洗浄を行って、真水洗浄エビを調整した。
この真水洗浄後の生エビ1匹の生菌数を測定した。 (2)冷凍工程 前記真水洗浄エビを、カゴに10匹並べて−40℃の冷
凍庫に入れ、3時間後に、完全に冷凍されて冷凍エビと
なっている事を確認して取り出した。 (3)真水被覆層形成工程 水道水(常温)をトレーに溜め、この水道水中に上記冷
凍庫から取り出した冷凍エビを5秒間浸漬して、該冷凍
エビの表面に真水氷被覆層の形成を行った。 (4)冷凍保存工程 上記真水氷被覆層の形成された冷凍エビを、−40℃の
冷凍庫に入れて冷凍保存した。 (5)解凍工程 上記冷凍庫に装入後、3時間が経過した時点で真水氷被
覆層の形成された冷凍エビを冷凍庫から取り出し、35
℃のウオーターバスに入れて解凍した。解凍後の生エビ
表面の生菌数及びドリップ中の生菌数を測定した。
【0048】〔対 比〕上記本発明のにおけるオゾン水
洗浄後の生エビ(試料A1)と、比較例1における真水
洗浄後の生エビ(試料B1)と、未洗浄のブランク材
(試料C0)の各生菌数の測定値の結果は、表−1に示
す通りである。尚、生菌数の測定は、各試料をストマッ
カーにて破砕後、標準寒天培地(3%塩分)に塗布して
37.5℃のインキュベーター内で48時間培養した後
の菌数測定により行った。又、相対比率は、試料A1の
生菌数を100としたときに値である。
【0049】
【表1】
【0050】又、上記本発明方法の解凍後の生エビ(試
料A5)とそのドリップ(試料A5D)と、比較例にお
ける解凍後の生エビ(試料B5)とそのドリップ(試料
B5D)の各生菌数の測定値の結果は、表−2及び表−
3の通りである。尚、生菌数の測定は、前述の通りであ
る。
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】上記表−1から明らかな様に、本発明にお
けるオゾン水洗浄試料(試料A)の生菌数は、無洗浄の
ブランク材(試料C)に比して、約1/6に低下してお
り、又、比較例として上げた真水(水道水)洗浄試料
(試料B)と比べても約1/3に低下している。この事
から、オゾン水洗浄処理を施す事は、その後の保存工程
に有効である事が理解される。特に、この試験は、比較
例においても細菌の繁殖の抑制される冷凍保存されたも
のであり、従来の冷凍保存物に比しても、細菌の繁殖が
著しく抑制されている事が窺える。
【0054】又、上記表−2から明らかな様に、本発明
方法により処理された試料(試料A5)の解凍後の生菌
数は、真水洗浄と真水氷の被覆層を形成された比較試料
(試料B5)の解凍後の生菌数に比して約1/4弱に低
下している。同様に、そのドリップも、本発明方法によ
るもの(試料A5D)の生菌数は比較例のもの(試料B
5D)に比して約1/2に低下している。尚、上記試験
は、短期間(3時間)で且つ細菌の繁殖が抑制される冷
凍保存における試験であるが、長期保存の場合や冷蔵保
存の場合には、その差異は一層顕著になるものと推定さ
れる。
【0055】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明によると、オ
ゾン水の氷点以下の低温下で冷凍された冷凍生鮮食品を
オゾン水中に浸漬する事により、該冷凍生鮮食品の表面
にオゾン氷を生成させてオゾン氷被覆層を形成する様に
しており、しかも、このオゾン氷は、冷凍下では、保存
温度と初期濃度にもよるが、少なくとも数ケ月、長けれ
ば1年以上も有効なオゾン濃度を保持する事が可能とな
るので、生鮮食品の品質を維持しつつ長期保存が可能と
なる。
【0056】又、前記生鮮食品を冷凍する前に、殺菌作
用を有するオゾン水洗浄しておく事により、事前殺菌が
なされるので、生鮮食品の変質防止に一層の効果が期待
できる。特にオゾン水製造装置として電解式オゾン水製
造装置を用いると、陰極側にアルカリ水が生成し、この
アルカリ水自体も殺菌作用を有するものであるから、こ
のアルカリ水を用いて生鮮食品の事前洗浄を行う事も可
能であり、この場合には、オゾン水生成量の低減化と設
備費及び運転コストの低減を図る事が可能となる。又、
事前洗浄を、オゾン水とアルカリ水とを併用可能とする
事により、オゾン氷被覆層形成に多量のオゾン水が消費
される場合にはアルカリ水による事前洗浄を強化してオ
ゾン水による洗浄負荷を軽減する等の設備の運転負荷に
自由度を持たせる事も可能となる。
【0057】更に、オゾン氷被覆形成用のオゾン水槽内
のオゾン水を電解式オゾン水製造装置の陽極側流路に還
流させる事により、オゾン水濃度を一層高める事も可能
となると共に、水資源の有効利用にも寄与する事にな
る。
【0058】又、本発明の設備は、極めて簡便な構造の
ものであるから、遠洋漁業の漁船に搭載しておけば、収
穫した魚類に、その場でオゾン氷被覆層を形成して冷凍
保存する事が可能となるので、出漁期間が長期にわたる
場合でも、魚類の新鮮さを失う事なく持ち帰る事が可能
となるので、大型漁船による長期間の遠洋漁業を可能に
する等の、漁業自体に与える効果も大なるものが期待さ
せる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る生鮮食品の保存処理工程図であ
る。
【図2】本発明に係る生鮮食品の保存処理装置の第1実
施例を示すフロー図である。
【図3】本発明に係る生鮮食品の保存処理装置の第2実
施例を示すフロー図である。
【図4】本発明に係る生鮮食品の保存処理装置の第3実
施例を示すフロー図である。
【図5】本発明に係る生鮮食品の保存処理装置の第4実
施例を示すフロー図である。
【図6】本発明で使用する電解式オゾン水生成装置の要
部構造を示す断面図である。
【図7】オゾン氷の残留オゾン濃度の経時変化を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 生鮮食品 1a 冷凍生鮮食品 2a 水洗工程 2b アルカリ水洗浄工程 2c オゾン水洗浄工程 3 生鮮食品冷凍工程 4 オゾン氷被覆層形成工程 5 冷凍保存工程 10 冷却器 11 軟水器 12 電解式オゾン水製造装置 12a 陰極側流路 12b 陽極側流路 13 オゾン水槽 14 オゾン水 15 オゾン水排水 17 オゾン氷被覆層 20 オゾン水洗浄装置 21 生鮮食品冷凍装置 24 アルカリ水洗浄装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮尾 茂雄 東京都杉並区阿佐谷北3−24−14 (72)発明者 西村 喜之 兵庫県神戸市灘区岩屋北町4丁目5番22号 神鋼プラント建設株式会社内 Fターム(参考) 4B022 LA04 LF05 LJ03 LT01

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生鮮食品を冷凍保存するための前処理方
    法であって、 生鮮食品(1)をオゾン水の氷結温度以下に冷凍する生
    鮮食品冷凍工程(3)と、 得られた冷凍生鮮食品(1a)をオゾン水中に浸漬して
    該冷凍生鮮食品の表面にオゾン氷被覆層(17)を形成
    するオゾン氷被覆層形成工程(4)とを有する事を特徴
    とする生鮮食品の冷凍保存のための前処理方法。
  2. 【請求項2】 前記オゾン水が、水の電気分解法によっ
    て陽極側にオゾン水を生成する電解式オゾン水製造装置
    によって製造されたオゾン水である請求項1に記載の生
    鮮食品の冷凍保存のための前処理方法。
  3. 【請求項3】 前記生鮮食品冷凍工程(3)の前に、前
    記生鮮食品(1)をオゾン水で洗浄するオゾン水洗浄工
    程(2c)が設けられている請求項1又は2に記載の生
    鮮食品の冷凍保存のための前処理方法。
  4. 【請求項4】 前記生鮮食品冷凍工程(3)の前に、前
    記前記電解式オゾン水製造装置の陰極側に生成するアル
    カリ水によって前記生鮮食品(1)を洗浄するアルカリ
    水洗浄工程(2b)が設けられている請求項2に記載の
    生鮮食品の冷凍保存のための前処理方法。
  5. 【請求項5】 前記生鮮食品冷凍工程(3)の前に、前
    記前記電解式オゾン水製造装置の陰極側に生成するアル
    カリ水によって前記生鮮食品(1)を洗浄するアルカリ
    水洗浄工程(2b)と、該アルカリ水洗浄工程(2b)
    に引き続いてオゾン水で洗浄するオゾン水洗浄工程(2
    c)とが設けられている請求項2に記載の生鮮食品の冷
    凍保存のための前処理方法。
  6. 【請求項6】 前記冷凍生鮮食品(1a)は、前記生鮮
    食品冷凍工程(3)において−10℃以下に冷凍された
    ものであり、前記オゾン氷被覆層形成工程(4)におけ
    るオゾン水は、その氷点近傍の未氷結温度に保たれてい
    る請求項1乃至5のいずれかに記載の生鮮食品の冷凍保
    存のための前処理方法。
  7. 【請求項7】 前記冷凍生鮮食品(1a)は、前記生鮮
    食品冷凍工程(3)において−20℃以下に冷凍される
    ものである請求項6に記載の生鮮食品の冷凍保存のため
    の前処理方法。
  8. 【請求項8】 前記冷凍生鮮食品(1a)は、前記生鮮
    食品冷凍工程(3)において−40℃以下に冷凍される
    ものである請求項6に記載の生鮮食品の冷凍保存のため
    の前処理方法。
  9. 【請求項9】 前記オゾン水被覆層形成工程(4)にお
    けるオゾン水濃度が5ppm以上である請求項1乃至8
    のいずれかに記載の生鮮食品の冷凍保存のための前処理
    方法。
  10. 【請求項10】 生鮮食品の冷凍保存方法であって、生
    鮮食品(1)をオゾン水の氷結温度以下に冷凍して冷凍
    生鮮食品(1a)となし、これをオゾン水中に浸漬し
    て、該冷凍生鮮食品(1a)の表面にオゾン氷被覆層
    (17)を形成し、このオゾン氷被覆層を有する冷凍生
    鮮食品(1a)を冷凍保存する事を特徴とする生鮮食品
    の冷凍保存方法。
  11. 【請求項11】 前記オゾン水が、水の電気分解法によ
    って陽極側にオゾン水を生成する電解式オゾン水製造装
    置によって製造されたオゾン水である請求項10に記載
    の生鮮食品の冷凍保存方法。
  12. 【請求項12】 前記生鮮食品(1)を、予めオゾン水
    で洗浄した後に冷凍し、しかる後に、前記オゾン水に浸
    漬して、その表面にオゾン氷被覆層(17)を形成する
    請求項10に記載の生鮮食品の冷凍保存方法。
  13. 【請求項13】 前記生鮮食品(1)を、前記前記電解
    式オゾン水製造装置(12)の陰極側に生成するアルカ
    リ水によって洗浄し、しかる後に、前記オゾン水に浸漬
    してその表面にオゾン氷被覆層(17)を形成する請求
    項11に記載の生鮮食品の冷凍保存方法。
  14. 【請求項14】 前記生鮮食品(1)を、前記前記電解
    式オゾン水製造装置(12)の陰極側に生成するアルカ
    リ水によって洗浄し、続いてオゾン水で洗浄し、しかる
    後に、前記オゾン水に浸漬してその表面にオゾン氷被覆
    層(17)を形成する請求項11に記載の生鮮食品の冷
    凍保存方法。
  15. 【請求項15】 前記生鮮食品(1)を−20℃以下に
    冷凍し、これを前記オゾン水に浸漬する請求項10乃至
    14のいずれかに記載の生鮮食品の冷凍保存方法。
  16. 【請求項16】 前記冷凍生鮮食品(1a)を浸漬する
    オゾン水のオゾン濃度を、5ppm以上に調整してなる
    請求項10乃至15のいずれかに記載の生鮮食品の冷凍
    保存方法。
  17. 【請求項17】 生鮮食品を冷凍保存するための前処理
    装置であって、水の電気分解によって陽極側にオゾン水
    を生成する電解式オゾン水製造装置(12)と、 該電解式オゾン水製造装置(12)で生成したオゾン水
    を貯蔵するオゾン水槽(13)と、 該オゾン水槽(13)内のオゾン水を、該オゾン水の氷
    点近傍で且つ未氷結状態に冷却維持するオゾン水冷却機
    (18)と、 前記生鮮食品(1)を、前記オゾン水の氷点以下に冷凍
    する生鮮食品冷凍装置(21)と、 該生鮮食品冷凍装置(21)で冷凍された冷凍生鮮食品
    (1a)を、前記オゾン水槽(13)内に浸漬して、該
    冷凍生鮮食品(1a)の表面にオゾン氷被覆層(17)
    を形成する冷凍生鮮食品浸漬装置とを備えてなる事を特
    徴とする生鮮食品の冷凍保存のための前処理装置。
  18. 【請求項18】 前記生鮮食品(1)を、前記生鮮食品
    冷凍装置(21)で冷凍する前に、前記電解式オゾン水
    製造装置(12)の陰極側に生成するアルカリ水によっ
    て洗浄するアルカリ水洗浄装置(24)が設けられてい
    る請求項17に記載の生鮮食品の冷凍保存のための前処
    理装置。
  19. 【請求項19】 前記生鮮食品(1)を、前記生鮮食品
    冷凍装置(21)で冷凍する前に、オゾン水によって洗
    浄するオゾン水洗浄装置(20)が設けられている請求
    項17に記載の生鮮食品の冷凍保存のための前処理装
    置。
  20. 【請求項20】 前記生鮮食品(1)を、前記生鮮食品
    冷凍装置(21)で冷凍する前に、前記電解式オゾン水
    製造装置(12)の陰極側に生成するアルカリ水によっ
    て洗浄するアルカリ水洗浄装置(24)と、これに続い
    てオゾン水によって洗浄するオゾン水洗浄装置(20)
    が設けられている請求項17に記載の生鮮食品の冷凍保
    存のための前処理装置。
  21. 【請求項21】 前記オゾン水洗浄装置(20)には、
    前記電解式オゾン水製造装置(12)から送出されるオ
    ゾン水の一部が供給される様に配管されている請求項1
    9又は20に記載の生鮮食品の冷凍保存のための前処理
    装置。
  22. 【請求項22】 前記オゾン水洗浄装置(20)には、
    前記オゾン水槽(13)のオゾン水の一部が供給される
    様に配管されている請求項19又は20に記載の生鮮食
    品の冷凍保存のための前処理装置。
  23. 【請求項23】 前記オゾン水槽(13)のオゾン水の
    一部を、前記電解式オゾン水製造装置(12)の原料水
    入口側に還流させてなる請求項17乃至22のいずれか
    に記載の生鮮食品の冷凍保存のための前処理装置。
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