JP2003167254A - 液晶ディスプレイ - Google Patents

液晶ディスプレイ

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JP2003167254A
JP2003167254A JP2002231282A JP2002231282A JP2003167254A JP 2003167254 A JP2003167254 A JP 2003167254A JP 2002231282 A JP2002231282 A JP 2002231282A JP 2002231282 A JP2002231282 A JP 2002231282A JP 2003167254 A JP2003167254 A JP 2003167254A
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JP2002231282A
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Tatsuo Uchida
龍男 内田
Takahiro Ishinabe
隆宏 石鍋
Tetsuya Miyashita
哲哉 宮下
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Tohoku Techno Brains Corp
Original Assignee
Tohoku Techno Brains Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶層および/または補償フィルムを最適化
することにより簡素な構成とした、広い視角範囲に亘り
階調反転のない、および/または、黒表示での光漏れが
極めて小さい液晶ディスプレイを提供する 【解決手段】 液晶層2の平均的なティルト角αavを設
計最大入射角Θi での屈折角θo に対しθo <αav<90
−θo の範囲とすることで諧調反転をなくし、また、補
償フィルム5(N枚の第j枚目)を、これに対応させる
液晶層2の仮想分割要素(均一な配向を有する微小液晶
層7(N分割の第j層))とのリタデーションの和がほ
ぼゼロとなるような、屈折率A、B(常光、異常光)、
厚さDj 、ティルト角βj 、方位Φj をもつものとする
ことで黒表示での光漏れをほとんどなくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
(LCD)に関し、とくに、広い視角範囲に亘り階調反
転のない、および/または、黒表示での光漏れが極めて
小さい液晶ディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、IPS(文献1参照)、MVA
(文献2参照)、OCB(文献3参照)など広視野角L
CDが提案されている(文献1:M.Ohta et al, Procee
ding ofthe 15th International Display Research Cnf
erence p.707(1995) 、文献2:A.Takeda et al, SID D
igest of technical Papers Vol.XXIX p.1077(1998)、
文献3:Y.Yamaguchi et al, SID Digest of technical
Papers Vol.XXIV p.277(1993))。これらは視角を変化
させても黒輝度がほとんど上昇せず、広い視角範囲で高
いコントラストを有している。しかし、階調反転を抑え
るために配向分割などの工夫が必要であり、開口率が落
ちたり、工程が増えたりするといった問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題を解決し、液晶層および/または補償フ
ィルムを最適化することにより簡素な構成とした、広い
視角範囲に亘り階調反転のない、および/または、黒表
示での光漏れが極めて小さい液晶ディスプレイを提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために、平行配向液晶セルを用いたECBモ
ードについて次のような理論的検討を行った。平行配向
液晶セルでは通常、電圧Vを印加すると図2(a)に示
すようにセル厚(液晶層の厚み)dに対して液晶分子1
のティルト角αは一定とならずセル厚方向位置zの関数
となる。ここでは計算を単純化するため図2(b)に示
すようにティルト角αをセル厚方向位置zによらず一定
とした。このとき液晶セルの透過率Tは、クロスニコル
下で、次式(1) のように表すことができる。
【0005】 T=sin2〔{d・Δn(α)/λ}・π〕 (1) ここで、d・Δn(α)はリタデーション、dはセル
厚、α(>0)はティルト角、λは波長、Δn(α)は
液晶のティルト角αのときの複屈折率である。リタデー
ションは、図3に示すように、視角(:入射角度θi
を変えると変化してしまう。さらに、ティルト角αによ
って変化の割合が異なるため、正面での各階調のリタデ
ーションの大小が、視角を変化させたときに逆転する。
つまり、階調反転が生じることになる。
【0006】そこで、このような階調反転が生じる条件
を求めるために、図4に示すようにECBモードの液晶
層を斜めから観察したとき、リタデーションが見かけ上
どのように振舞うかを鋭意検討し、見かけのリタデーシ
ョン RetLCが次式でよく表現できることを見出した。 RetLC=〔±√{( 1−p2 /b2 )・(b2 /q2 −1)}・sin θi +( p/q)√(q2 −sin 2 θi )−√(a2 −sin 2 θi )〕・d (2) ここに、a:常光屈折率(光軸に垂直な方向の屈折
率)、b:異常光屈折率(光軸方向の屈折率)、α:テ
ィルト角、d:セル厚、φ:方位(入射光方位)、p=
a・b/m、q=b・m/n、m2 =a2 cos2α+b2
sin2α、n2 =b2cos2φ+m2 sin2φ、であり、第1
項の符号は−90°<φ≦90°のとき負、90°<φ≦270
°のとき正となる。
【0007】階調反転しないためには、正面で観察した
ときのリタデーションの大小関係が、視角を変化させた
ときにも同じ関係になればよい。正面のリタデーション
の大小関係は、ティルト角αが大きくなるとリタデーシ
ョンが小さくなっていくことから、 RetLCをαで微分し
た式はα:0〜90°の範囲で常に負の値をとる。すなわ
ち、d RetLC/dα(;θi =0)<0、である。した
がって、視角を変化させた場合についても同様に、d R
etLC/dα(;θi ≠0)<0、が常に成り立てばよ
い。かかる条件を満たすティルト角αの範囲を計算し、
該範囲が次式で表せることがわかった。
【0008】 θo <α<90−θo (度) (3) ここに、θo は入射角度θi に対する屈折角であり、θ
o =arcsin{(ni /nLC)sin θi }で表される。こ
こに、ni :空気の屈折率、nLC:液晶層の屈折率(=
(n1 +n2 )/2、n1 :液晶分子長軸方向の屈折
率、n2 :液晶分子短軸方向の屈折率)である。
【0009】つぎに、立ち上がり角を式(3) の範囲で変
化させてリタデーションの視角特性を計算し、図5に示
すような結果が得られた。図示のように、視角を振って
もリタデーションの大小関係は逆転しない。すなわち階
調反転は起こらない。しかしながら、視角に対するリタ
デーションの変化が大きいので、このままディスプレイ
とした場合、明るさの変化が非常に大きく、画質が非常
に悪いことがわかる。とくに黒輝度の変化は画質に最も
大きく影響するので、黒輝度の光学補償が必要である。
【0010】そこで、次に、視角補償するための補償フ
ィルムの条件を検討した。この条件とは、 RetLCと補償
フィルムのリタデーション RetFILMとが全てのθi とφ
において RetLC+ RetFILM=0を満足すること、すなわ
ち、液晶層と補償フィルムのリタデーションの符号が逆
で、かつ、液晶層と補償フィルムの光軸が平行であるこ
とである。このことから、補償フィルムとして以下の属
性を有するものを用いればよいことが導き出された。
【0011】 常光屈折率(光軸に垂直な方向の屈折率):A 異常光屈折率(光軸方向の屈折率):B(ただしA>
B) 厚さ:D=a×(b−g)/g/(A−P)×d 光軸のティルト角:β=arccos√{A2 ×(B2
2 )/P2 /(B2 −A 2 )} 光軸の方位:Φ=φ ただし、g2 =a2 ×cos2α+b2 ×sin2α P:次式で表される方程式の解 (A+B)×(B2 −P2 )/(A−P)=A2 ×B2
×(g+b)×(g2−a2 )/a2 /g2 /(g−
b) 本発明は、これらの知見に基づいてなされたものであ
り、その要旨は以下のとおりである。
【0012】(1) 液晶層を支持体で挟んでなる液晶
パネルを有する液晶ディスプレイにおいて、前記液晶層
の平均的なティルト角αavを下記式で表される同液晶層
の屈折角θo (単位:deg.)に対し、θo <αav<90−
θo の範囲としてなることを特徴とする液晶ディスプレ
イ。 記 θo =arcsin{(ni /nLC)×sin Θi } ni :空気の屈折率、nLC:液晶層の屈折率(=(n1
+n2 )/2、n1 :液晶分子長軸方向の屈折率、
2 :液晶分子短軸方向の屈折率)、Θi :設計最大入
射角 (2) 液晶層を支持体で挟んでなる液晶パネルの片側
または両側に補償フィルムが配置されその外側に偏光板
を有する液晶ディスプレイにおいて、前記液晶層が均一
に配向した層数N(N≧1)の微小液晶層の積層で表さ
れ、該積層内の第j層が、液晶分子長軸方向の屈折率
(n1 =)a、液晶分子短軸方向の屈折率(n2 =)
b、厚さdj 、ティルト角αj 、方位φj を有すると
き、前記補償フィルムをN枚用い、その第j枚目が下記
条件を満足し、前記片側配置では、前記液晶層の第1層
側に補償フィルムの第1枚目を配置しあるいはさらにそ
の上に第2〜第N枚目を同順に積層し、前記両側配置で
はN≧2であって、前記液晶層の第1層側に補償フィル
ムの第1枚目を配置しあるいはさらにその上に第2〜第
M枚目(1<M<N)を昇順に積層し、かつ前記液晶層
の第N層側に補償フィルムの第N枚目を配置しあるいは
さらにその上に第N−1〜第M+1枚目を降順に積層し
てなることを特徴とする液晶ディスプレイ。
【0013】記 常光屈折率(光軸に垂直な方向の屈折率):A 異常光屈折率(光軸方向の屈折率):B(ただしA>
B) 厚さ:Dj =式(#1)の値の±K1 %以内の範囲 式(#1):a×(b−g)/g/(A−P)×dj 光軸のティルト角:βj =式(#2)の値の±K2 %以内の
範囲 式(#2):arccos√{A2 ×(B2 −P2 )/P2 /(B
2 −A2 )} 光軸の方位:Φj =φj の±K3 %以内の範囲 ただし、g2 =a2 ×cos2αj +b2 ×sin2αj P:次式で表される方程式の解 (A+B)×(B2 −P2 )/(A−P)=A2 ×B2
×(g+b)×(g2−a2 )/a2 /g2 /(g−
b) K1 =20、K2 =20、K3 =20 (3) 前記液晶層の平均的なティルト角αavを下記式
で表される同液晶層の屈折角θo (単位:deg.)に対
し、θo <αav<90−θo の範囲としてなることを特徴
とする(2)記載の液晶ディスプレイ。
【0014】記 θo =arcsin{(ni /nLC)×sin Θi } ni :空気の屈折率、nLC:液晶層の屈折率(=(n1
+n2 )/2、n1 :液晶分子長軸方向の屈折率、
2 :液晶分子短軸方向の屈折率)、Θi :設計最大入
射角
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、液晶層の支持体
は、透過型LCDの場合、液晶層の両側に設けられ、I
TO等の導電膜及び配向処理を施した配向膜を有したガ
ラス基板、高分子材料基板等で構成され、偏光板は液晶
パネルの両側に配置される。また、反射型LCDの場
合、液晶層の片面側(反観察者側)の支持体がミラー機
能を有したガラス基板、高分子材料基板等で構成され、
偏光板は観察者側に配置される。
【0016】また、本発明において、液晶層の平均的な
ティルト角αavは、電圧Vとセル厚方向位置zの両方に
依存するティルト角α(V,z)を有する実際の液晶セ
ル(図2(a))の正面からのリタデーションを、電圧
Vのみに依存するティルト角α(V)を有する仮想的な
液晶セル(図2(b))の正面からのリタデーションと
等値したときの、該仮想的な液晶セルのティルト角とし
て導出される。
【0017】本発明(1)では、液晶層の平均的なティ
ルト角αavを、θo <αav<90−θ o (単位:deg.)の
範囲とする。θo は液晶層の屈折角であり、式:θo
arcsin{(ni /nLC)×sin Θi }で表される。ここ
で、ni :空気の屈折率、n LC:液晶層の屈折率(=
(n1 +n2 )/2、n1 :液晶分子長軸方向の屈折
率、n2 :液晶分子短軸方向の屈折率)、Θi :設計最
大入射角である。設計最大入射角Θi は、階調反転を起
こさせたくない視野角範囲の上限値であり、設計者によ
り適宜決定される。例えば、Θi =60°、nLC=1.7 の
場合、θo ≒30°となるから、LCDは、動作時に液晶
層のαavが30°<αav<60°の範囲から外れないように
設計される。こうすることにより、前記したように、d
RetLC/dα(;θi ≠0)<0が、θi ≦Θi の範囲
において満足され、図5に示したように、広い視角範囲
で階調反転のないLCDとすることができる。したがっ
て、階調反転を起こさせたくない視野角範囲において、
望み通り階調反転が起こらなくなる。しかも、製造に際
して配向分割などの措置は必要なく、開口率の低下や工
程増などの憂いは解消される。
【0018】次に、本発明(2)では、例えば図10
(a)に示すような、液晶層2を支持体3、3で挟んで
なる液晶パネル4の片側(例えば観察者側)に補償フィ
ルム5が配置されその外側に偏光板6を有する液晶ディ
スプレイ(補償フィルムが配置されない側の外側にもう
1つの偏光板6を有するものも含まれる)、または、例
えば図10(b)に示すような、液晶層2を支持体3、3
で挟んでなる液晶パネル4の両側(観察者側および反観
察者側)に補償フィルム5、5が配置されその外側に偏
光板6、6を有する液晶ディスプレイにおいて、補償フ
ィルムを液晶層の光学特性に応じて最適化したLCDが
提供される。
【0019】本発明(2)では、液晶層が、液晶分子長
軸方向の屈折率a、液晶分子短軸方向の屈折率bを有
し、かつ、図7に示すように、仮想的にN(N≧1)層
に分割され、その第j層が、厚さdj 、ティルト角
αj 、方位φj を有する、均一に配向した微小液晶層7
からなるもので近似される(すなわち、液晶層2が均一
に配向した層数N(N≧1)の微小液晶層7の積層で近
似的に表され、該積層内の第j層が、液晶分子長軸方向
の屈折率a、液晶分子短軸方向の屈折率b、厚さdj
ティルト角αj 、方位φj を有する)ものとする。ここ
で、「均一に配向した」とは、各微小液晶層(第j層;
j=1,‥‥N)内でのティルト角αj 、方位φj の分
布がそれぞれ、平均値±15%以内の範囲に収まっている
ことを意味する。
【0020】このとき、前記補償フィルムをN枚用い、
その第j枚目には前記補償フィルム条件を満足せしめる
ものとする。なお、この補償フィルム条件で用いるパラ
メータA,B,Dj ,βj , Φj の定義を図8に示す。
そして、N枚の補償フィルムを液晶パネルの片側に配置
する場合は、図9 (a) に示すように、液晶層2の第1
層側に補償フィルム5の第1枚目を配置し、あるいはさ
らにその上に補償フィルム5の第2〜第N枚目を同順に
積層する。なお、補償フィルムを配置した側を観察者側
とする。
【0021】また、N枚の補償フィルムを液晶パネルの
片側に配置する場合はN≧2であって、図9 (b) に示
すように、液晶層2の第1層側に補償フィルム5の第1
枚目を配置し、あるいはさらにその上に補償フィルム5
の第2〜第M枚目(1<M<N)を昇順に積層し、かつ
液晶層2の第N層側に補償フィルム5の第N枚目を配置
し、あるいはさらにその上に補償フィルム5の第N−1
〜第M+1枚目を降順に積層する。
【0022】これにより、各微小液晶層(第j層)のリ
タデーション RetLCj とそれに符合する補償フィルム
(第j枚目)のリタデーション RetFILMj とが、 | RetLCj + RetFILMj |≦Z×| RetLCj | (Zは、十分な黒輝度補償が得られる閾値で、0.03以下
の定数である。)なる関係を満足し、液晶層と補償フィ
ルム全体のリタデーションがほぼ RetLC+RetFILM=0
を満たすものとなって、広い視野角範囲で光漏れが小さ
いLCDとすることができる。
【0023】なお、補償フィルム条件におけるDj ,β
j , Φj の製造上の許容誤差範囲をそれぞれ表す
(K1 、K2 、K3 )の値は、所望の黒輝度補償効果を
確保するために上記のように(20、20、20)とする必要
があるが、好ましくは(10、10、10)、より好ましくは
(5、5、5)、より一層好ましくは(1、1、1)で
ある。
【0024】次に、本発明(3)は、本発明(2)に係
る液晶層として本発明(1)に係る液晶層を用いたもの
であり、これにより、単純な構造でありながら、広い視
野角範囲で、階調反転がなくかつ光漏れが小さいLCD
とすることができる。図1は、本発明(3)に係るLC
Dの1例を示す模式図である。この例は、平行配向液晶
セルで、N=1とした例である。なお、この例は透過型
の場合で、液晶層2の両側の支持体3はITO等の導電
膜及び配向処理を施した配向膜を有したガラス基板で構
成した。なお、反射型にする場合は、反観察者側の支持
体をミラー機能を有したガラス基板で構成し、同側の偏
光板を省略すればよい。
【0025】液晶層のティルト角αは、平均的なティル
ト角αavがθo <αav<90−θo (単位:deg.)の範囲
を外れないように、電圧を印加することによって制御さ
れる。補償フィルムは、前記補償フィルム条件を満たす
ように設計されている。なお、本発明(1)〜(3)
は、平行配向液晶セルのみならず、垂直配向液晶セル、
ねじれ配向液晶セル、ハイブリッド配向液晶セルなど全
ての液晶セルに適用することができる。
【0026】
【実施例】図1に示した構造の本発明例と比較例(平行
配向液晶セル)とで透過率の視角依存性を計算で求め、
両者を比較した。なお、本発明例において液晶層と補償
フィルムの条件設定に用いたパラメータの値は次のとお
りである(N=1としているので、添字「j 」は省
略)。
【0027】〔液晶層:〕 ni =1、n1 =a=1.4
9、n2 =b=1.58、Θi =60°、(θo =35°)、d
=8μm 、α=αav=35°(暗状態時)、φ=0° 〔補償フィルム:〕 A=1.6 、B=1.5 、D=7.46μ
m 、β=38°、Φ=0° また、比較例では、液晶層は、上記〔液晶層:〕の設定
値においてα=αav=90°(暗状態時)、およびd=3
μm と変えた以外は本発明例と同じにし、補償フィルム
は無しとした。
【0028】その結果を図6に示す。この図は、ラビン
グ方向に対するものである。(b)の比較例では視角20
°付近で階調反転が生じているのに対し、(a)の本発
明例では、階調反転は生じておらず、また、黒輝度(:
階調レベル<1> に対応) の変化もほとんどないことがわ
かる。なお、ここでは傾斜均一配向状態として計算した
が、電圧印加状態とした場合でも同様の結果が得られる
ことを確認している。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、理論的検討結果に基づ
いて液晶層、補償フィルムのいずれか一方または両方を
最適化したので、非常に簡素な構造でありながら、階調
反転を起こさない広視野角特性、黒表示での光漏れが極
めて小さい広視野角特性のいずれか一方または両方を確
保しうる液晶ディスプレイが実現するという優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のLCDの構造の1例を示す模式図であ
る。
【図2】平行配向セルの構造を示す模式図(a:実際
的、b:簡略化)である。
【図3】平行配向セルのリタデーションの視角特性を示
すグラフである。
【図4】液晶層の斜め観察状態を示す模式図である。
【図5】階調反転のないリタデーションの視角特性の例
(光学補償なしの場合)を示すグラフである。
【図6】本発明例(a)と比較例(b)とでLCDの透
過率の視角依存性を比較して示すグラフである。
【図7】均一に配向した微小液相層の積層で液晶層を近
似する概念を示す説明図である。
【図8】補償フィルムのA,B,Dj ,βj , Φj の定
義を示す説明図である。
【図9】本発明に係る補償フィルム配置状態を示す説明
図である。
【図10】本発明が適用されるLCDの例を示す説明図
で、(a)は液晶パネルの片側に補償フィルムを配置し
た例、(b)は液晶パネルの両側に補償フィルムを配置
した例である。
【符号の説明】
1 液晶分子 2 液晶層 3 支持体 4 液晶パネル 5 補償フィルム 6 偏光板 7 微小液晶層 20 液晶層ダイレクタ方向 21 微小液相層ダイレクタ方向 22 光軸 23 屈折率楕円体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮下 哲哉 宮城県仙台市太白区八木山南1−9−23 松屋南八木山207 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BA42 BB03 BC22 2H090 HD11 KA04 LA06 MA01 MA02 MA03 MA11 MB01 2H091 FA11X FA11Z FD06 FD15 GA06 HA06 LA17 LA19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶層を支持体で挟んでなる液晶パネル
    を有する液晶ディスプレイにおいて、前記液晶層の平均
    的なティルト角αavを下記式で表される同液晶層の屈折
    角θo (単位:deg.)に対し、θo <αav<90−θo
    範囲としてなることを特徴とする液晶ディスプレイ。 記 θo =arcsin{(ni /nLC)×sin Θi } ni :空気の屈折率、nLC:液晶層の屈折率(=(n1
    +n2 )/2、n1 :液晶分子長軸方向の屈折率、
    2 :液晶分子短軸方向の屈折率)、Θi :設計最大入
    射角
  2. 【請求項2】 液晶層を支持体で挟んでなる液晶パネル
    の片側または両側に補償フィルムが配置されその外側に
    偏光板を有する液晶ディスプレイにおいて、前記液晶層
    が均一に配向した層数N(N≧1)の微小液晶層の積層
    で表され、該積層内の第j層が、液晶分子長軸方向の屈
    折率a、液晶分子短軸方向の屈折率b、厚さdj 、ティ
    ルト角αj 、方位φj を有するとき、前記補償フィルム
    をN枚用い、その第j枚目が下記条件を満足し、前記片
    側配置では、前記液晶層の第1層側に補償フィルムの第
    1枚目を配置しあるいはさらにその上に第2〜第N枚目
    を同順に積層し、前記両側配置ではN≧2であって、前
    記液晶層の第1層側に補償フィルムの第1枚目を配置し
    あるいはさらにその上に第2〜第M枚目(1<M<N)
    を昇順に積層し、かつ前記液晶層の第N層側に補償フィ
    ルムの第N枚目を配置しあるいはさらにその上に第N−
    1〜第M+1枚目を降順に積層してなることを特徴とす
    る液晶ディスプレイ。 記 常光屈折率(光軸に垂直な方向の屈折率):A 異常光屈折率(光軸方向の屈折率):B(ただしA>
    B) 厚さ:Dj =式(#1)の値の±K1 %以内の範囲 式(#1):a×(b−g)/g/(A−P)×dj 光軸のティルト角:βj =式(#2)の値の±K2 %以内の
    範囲 式(#2):arccos√{A2 ×(B2 −P2 )/P2 /(B
    2 −A2 )} 光軸の方位:Φj =φj の±K3 %以内の範囲 ただし、g2 =a2 ×cos2αj +b2 ×sin2αj P:次式で表される方程式の解 (A+B)×(B2 −P2 )/(A−P)=A2 ×B2
    ×(g+b)×(g2−a2 )/a2 /g2 /(g−
    b) K1 =20、K2 =20、K3 =20
  3. 【請求項3】 前記液晶層の平均的なティルト角αav
    下記式で表される同液晶層の屈折角θo (単位:deg.)
    に対し、θo <αav<90−θo の範囲としてなることを
    特徴とする請求項2記載の液晶ディスプレイ。 記 θo =arcsin{(ni /nLC)×sin Θi } ni :空気の屈折率、nLC:液晶層の屈折率(=(n1
    +n2 )/2、n1 :液晶分子長軸方向の屈折率、
    2 :液晶分子短軸方向の屈折率)、Θi :設計最大入
    射角
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100915487B1 (ko) * 2007-03-14 2009-09-03 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 액정 표시 장치

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