JP2003161840A - 光ファイバ及びその製造方法 - Google Patents

光ファイバ及びその製造方法

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JP2003161840A
JP2003161840A JP2001363266A JP2001363266A JP2003161840A JP 2003161840 A JP2003161840 A JP 2003161840A JP 2001363266 A JP2001363266 A JP 2001363266A JP 2001363266 A JP2001363266 A JP 2001363266A JP 2003161840 A JP2003161840 A JP 2003161840A
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optical fiber
coating
gold
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film
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JP2001363266A
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Hirotaka Tanaka
浩貴 田中
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Original Assignee
Kyocera Corp
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光ファイバの被覆除去部における引っ張り強度
が悪いという課題があった。 【解決手段】先端の被覆を除去した光ファイバであっ
て、残された被覆部の先端をテーパー状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、光通信等に使用さ
れる光ファイバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図12に示すように、光ファイバ
ピグテイル1は光パッケージ3の内部で発光源2と共に
組み込まれレーザダイオードモジュール(以降LDモジ
ュール)4として形成される。上記光ファイバピグテイ
ル1は光パッケージ3に組み込まれる際に、光軸合わせ
をしたのち半田5にて光パッケージ3に固定される。
【0003】光パッケージ3の内部は長期稼働中に空中
の酸素や湿度により内部の部品が酸化し、それによる通
信不良等の不具合を発生させないように、内部空間には
金属と反応しない窒素を封入し、酸素や湿度が流入しな
いように開口部を気密封止している。光ファイバピグテ
イル1と光パッケージ3を固定するために半田5を使用
するのは気密封止するための最適な方法であるからであ
る。
【0004】従来は、専用のストリッパ等で機械的に被
覆を除去することにより光ファイバピグテイル1を形成
するため、図15に示すように光ファイバにおける被覆
部6の先端部9は石英ガラス部7の表面に対してほぼ垂
直となっている。
【0005】また、この先端部9を加熱溶融することに
より平滑な面としコネクタとの接着時におけるマイクロ
ベンデイングの発生を防止することも提案されている
(特開平5−157938号公報参照)。
【0006】さらに、光ファイバピグテイル1と光パッ
ケージ3との接合部分としては、光ファイバの表面にク
ロム、クロム−金合金、金の順で薄膜が形成され、その
上にニッケル、金の厚膜を形成した構造になっており、
この厚膜部分を半田5で接合することを本出願人は提案
している(特開2001−42172号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光ファイバピグテイル1は、地上系で採用される場合問
題が生じなかったが、光ファイバの普及により海底ケー
ブルの中継器内で採用されることとなり、万一故障した
場合、引き上げ交換する経費が膨大に掛かるために、特
に厳しい信頼性を要求される様になった。
【0008】これにより、物理的に被覆を除去する場合
に生じる石英ガラス表面のキズを防止する必要性がある
とともに、特開平5−157938号の様に被覆部の先
端部を加熱溶融した場合、特にその部位で破断しやすく
なるという問題があった。
【0009】また、半田接合時により強い引っ張り強度
の信頼性を満足させるためには、被覆を除去した石英ガ
ラス部7から被覆の先端部9までに均一な厚みのメタラ
イズを蒸着しなければならない。
【0010】しかし、クロム、クロム−金合金、金の薄
膜を蒸着する時、図16の斜め方向から飛来した粒子1
0は、被覆部6の端面が遮蔽物となり端面境界付近にメ
タライズ部8が形成されない。そのため、メッキ加工後
も先端部9付近にはメッキが形成されず、石英ガラス部
7と被腹部6の境界付近にて応力が発生するため、引っ
張り強度が更に低下するという課題があった。
【0011】光ファイバをなす石英ガラスの熱膨張係数
が0.5×10-6/℃であるのに対して、クロムの熱膨
張係数が45×10-6/℃、ニッケルの熱膨張係数が1
3〜14×10-6/℃と大きいことから石英ガラス表面
のマイクロクラックが増長したものと推測できる。
【0012】また、上記のようにメタライズをしない場
合でも、図15の光ファイバの被覆部6に引っ張り方向
の負荷がかかったとき、石英ガラス部7と被覆部6の境
界付近にて応力が発生するため、引っ張り強度が低下す
るという課題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、先端の
被覆を除去した光ファイバであって、残された被覆部の
先端をテーパー状としたことを特徴とする。
【0014】また、上記被覆部の先端のテーパー角度が
20〜60°であることを特徴とする。
【0015】更に、上記光ファイバの被覆除去部から被
覆部まで連続してメタライズが施されていることを特徴
とする。
【0016】また、光ファイバを薬液に浸漬して被覆を
化学的に除去し、薬液の液面を制御することにより被覆
部の先端をテーパー状にすることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を説明す
る。
【0018】図1は本発明の第一実施形態を示す光ファ
イバの側面図である。
【0019】被覆が除去されて石英ガラス部7が形成さ
れるが、残された被覆部6の先端部9が角度Rのテーパ
ー状となっている。
【0020】このようなテーパー状とするためには、図
6に示すように薬液21に光ファイバ23を浸漬して、
被覆部6を化学的に除去し石英ガラス部7を露出させる
が、このとき薬液の液面の高さが均一な速度に減少する
ように制御することにより、被覆部6の先端部9をテー
パー状にすることができる。
【0021】薬液21に含まれる水分が蒸発していくこ
とにより、被覆部6が薬液21と接触している時間が短
いと被覆が厚く残り、時間が長いと被覆は薄くなる。薬
液21の液面の高さを均一な速度で減少するように制御
するには、薬液21の温度を80℃付近に固定されるよ
うにサーモスタット等の温度調節器で制御する。
【0022】テーパー角度Rの定義は、石英ガラス部7
と被覆部6との境界から被覆部6の外径が最大になる部
分までを結んだ直線と、上記境界における垂線とのなす
角度となる。ここで、角度Rが20°より小さいと、先
端部9で曲げ方向からの負荷に弱く、組み立て後の引っ
張り強度が劣化する要因となる。また、角度Rが60°
より大きいと先端部9で被覆が剥離しやすくなり組み立
て後の光パッケージ内の汚染の要因となる。
【0023】図2は本発明の第二実施形態を示す光ファ
イバの側面図であり、被覆部6の先端部9が凸面状のテ
ーパーになっている。これは薬液21の液面の高さが加
速度的に遅く減少するように制御することにより、被覆
部6の先端部9を凸面状にすることができる。薬液21
の液面の高さが加速度的に遅く減少するように制御する
には、薬液21の温度を80℃から70℃に下降させて
いき、水分の蒸発量を減らしていくようにサーモスタッ
ト等の温度調節器で制御する。
【0024】図3は本発明の第三実施形態を示す光ファ
イバの側面図であり、テーパー状の先端部9が凹面状に
なっている。これは薬液の液面の高さが加速度的に早く
減少するように制御することにより、被覆部6の先端部
9を凹面状にすることができる。薬液21の液面の高さ
が加速度的に早く減少するように制御するには、薬液2
1の温度を80℃から90℃に上昇させていき、水分の
蒸発量を増やしていくようにサーモスタット等の温度調
節器で制御する。
【0025】また、図4は本発明の第四実施形態を示す
光ファイバの側面図であり、先端部9に段部9aを備え
たものである。この場合、段部9aの大きさaが20μ
m以下であれば、段部9aが遮蔽物となりメタライズ部
の形成を妨げることはない。
【0026】次に光ファイバの先端面の形とさまざまな
例を説明する。図5(a),(b)は光ファイバ径と同
等もしくはそれ以上の径にした球面形状、(c)〜
(f)は光ファイバ外周に対し直角の平面もしくは斜面
またはそれにR形状をつけた斜め球面形状のもの、
(g)はクサビ形状である。この様な様々な先端面11
の形状とすることで、レンズ作用や反射防止作用を持た
せることができ、使用用途に合わせ用いることが出来
る。
【0027】前述したように図6のように構成される薬
液槽の薬液21に光ファイバ23を浸漬して、被覆部6
を除去する。このとき薬液21の液面高さの管理幅と薬
液21の温度条件で図1〜4の様に先端部9のテーパー
形状は制御でき、曲げ方向からの負荷に対する先端部9
での石英ガラス部7への応力集中を緩和することができ
る。
【0028】薬液21には濃硫酸などを使用するのが一
般的であるが、石英ガラス部7に損傷を与えずに被覆部
6の被覆を除去できる薬液であればよい。
【0029】本発明に係わる光ファイバは、被覆部6の
一部を除去した石英ガラス部7から被覆部6までメタラ
イズ部8を形成することができる。このとき、先端部9
をテーパー状としてあることことにより、図16に示す
従来例のような不都合が生じることなく、連続したメタ
ライズ部8を形成できる。このメタライズ部8は、図8
に示すようにクロム12、クロム−金合金13、金14
の薄膜を形成し、その上に金15、ニッケル16、金1
7の順で厚膜を形成したものである。
【0030】メタライズ部8として、石英ガラス部7の
表面から順にクロム12、クロム−金合金13、金14
としたのは、石英ガラス部7の熱膨張係数が0.5×1
-6/℃と小さいために、石英ガラスと濡れ性が良くし
かも熱膨張係数が23×10 -6/℃と低熱膨張係数のク
ロム12を石英ガラス部7に直付けする金属として採用
した。又、厚膜が酸化されないように、最外周に耐食
性、耐熱性に優れ特に空気中及び水中では永久に酸化し
ない金14を用いる必要がある。そのため、熱膨張係数
が118×10-6/℃の金と低熱膨張係数のクロムとの
中間的な熱膨張係数でしかも金、クロムともに濡れ性が
良い、両金属を溶け合わせたクロム−金合金13を採用
した。
【0031】被覆部6までを均一な膜厚で蒸着するに
は、蒸着膜を形成する粒子の付着を遮蔽するものがない
ように、被覆部6の先端部9を約2mm程露出させてお
く必要がある。
【0032】その結果、図7のように被覆部6及び先端
部9にメタライズされた領域の幅bが1〜3mmのメタ
ライズ部8を形成することが好ましい。幅bの寸法が3
mmより大きくなるとき、被覆部6と蒸着膜の密着性が
悪いため剥離する部分が多くなり、1mmより小さくな
るとき、境界部9までを均一な膜厚で蒸着することがで
きなくなる。
【0033】上記薄膜上に厚膜を形成した理由は、光フ
ァイバピグテイル1を光パッケージ3に半田固定すると
きに、薄膜だけであると光ファイバピグテイル1の石英
ガラス部7に形成された薄膜が半田に吸い取られる「半
田食われ現象」が生じ、石英ガラス部7と薄膜との密着
性がなくなり、気密がとれなくなる。その為に、上記薄
膜上に厚膜を形成する必要が生じる。
【0034】又、上記厚膜を金15、ニッケル16、金
17としたのは、厚膜を金だけで形成すると、貴金属で
高価な金を豊富に使うと光ファイバピグテイル1のコス
トが高くなってしまうからである。その為に、比較的安
価でしかも厚膜を形成しやすいニッケル16を形成し、
最外周には上記薄膜同様、耐食性、耐熱性に優れ特に空
気中及び水中では永久に酸化しない金17を用いる必要
がある。
【0035】また、金15は石英ガラス部7とニッケル
16の熱膨張率差により発生する応力をその延性によっ
て応力緩和させるために設けられている。金14の上に
さらに金15を設けるのは、金14の成膜速度が遅いた
めであり、金15をメッキ等で仕上げることによって成
膜速度を速くできる。また、金15がイオンプレーティ
ングもしくはスパッタリングで形成される場合、内部応
力が高くなり強度を低下させるため、金14は金15と
密着性を良くする程度に薄く形成し、大部分は内部応力
の少ない電気メッキで金15を形成すればよい。
【0036】本発明において、薄膜とは膜厚0.1μm
程度未満の膜をいい、スパッタもしくはイオンプレーテ
ィングで膜を形成し、光ファイバピグテイル1において
は石英ガラス部7の表面とメタライズ部8との気密特性
及び密着性を維持する効果を奏する。
【0037】又、厚膜とは膜厚0.1μm程度以上の膜
をいい、電気メッキなどにより薄膜上に厚膜を付け、こ
れを光パッケージ3へ半田付けする等の高温作用時にお
いても、石英ガラス−金属膜間の膜剥離を生じさせな
い。
【0038】尚、薄膜と厚膜とは膜厚0.1μmを境に
区別するものではなく、膜形成方法をも含めて分類して
いる。上記膜厚の測定方法は、膜を形成した石英ガラス
部7をレーザー切断して端面を仕上げ、TEM分析して
EDS解析した時に、各元素別に分離されて表される
が、金薄膜14と金厚膜15の界面は膜密度の差から明
暗が生じて、容易に判別することが可能である。
【0039】次に、薄膜形成方法について説明する。
【0040】石英ガラス部7への金属薄膜形成方法は蒸
着、気相成長、スパッタ、イオンプレーティングの4方
法が考えられる。
【0041】蒸着は、るつぼとそれを加熱するヒータ、
蒸発した蒸気を付着させる基板があり、基板とるつぼの
間にシャッタをおいて蒸発の初期に出てくる不純物を基
板の方へ行かないようにし、ついでシャッタを開けて目
的の薄膜を基板につける方法であるが、形成される膜は
ヒータに近いところが厚くなり、基板に均一の膜厚とな
らないために高温作用時に熱応力の不均一から膜剥離が
生じて好ましくない。
【0042】又、気相成長は、膜とする元素を含んだ蒸
発しやすい気体を高温に加熱した基板表面に送り、分
解、酸化、還元、置換などの化学反応により薄膜を形成
する方法であるが、酸化物、窒化物、炭化物などの安定
した化合物の薄膜生成に用いられ、石英ガラス部7にお
ける金属単体の薄膜には好ましくない。
【0043】次に本発明に適用できる薄膜形成方法を図
9,図10を用いて説明する。
【0044】図9はスパッタを示す概要図である。スパ
ッタは、プラズマ中のARイオン31がターゲット32
の表面にある粒子33をはねとばし、はねとばされた粒
子33がターゲット32の近くにおかれた基板34の上
に均一なスパッタ膜35を形成する方法で、ターゲット
の温度を上げる必要がないことが特徴であり、樹脂製被
覆をもつ石英ガラス部7の金属薄膜形成方法として適し
ている。
【0045】図10はイオンプレーティングを示す概要
図である。イオンプレーティングは、るつぼ41から蒸
発させながら、スパッタにおけるターゲット32を基板
42として蒸着膜43を付ける方法であり、蒸着とスパ
ッタの中間的な方法である。この方法では、基板42は
スパッタのターゲットと同様にイオンによって表面がス
パッタされ清浄化されるのと同時に高温になるので、付
着強度が大きくなり、石英ガラス部7には最も適した方
法である。以上より、本発明の光ファイバピグテイル1
を形成する方法としてはスパッタ又はイオンプレーティ
ングを用いることが出来、いずれの方法においても半田
付けする等の高温作用時においても石英ガラス部7と金
属膜間の剥離は生じない。
【0046】スパッタ及びイオンプレーテイングいずれ
の成膜方法でも、クロム薄膜12、クロム−金合金薄膜
13、金薄膜14のそれぞれの最適な膜厚範囲0.01
〜0.09μm程度に形成することができる。
【0047】次に、厚膜形成方法について説明する。
【0048】光ファイバピグテイル1の薄膜形成後の厚
膜形成方法は電気メッキ、置換メッキ、化学還元メッキ
の3方法が考えられる。
【0049】置換メッキは、電解質溶液中の異種金属間
の電位差を利用したものであるが、被メッキ品表面上を
置換した金属で被覆されると反応は停止するために、析
出膜厚は薄く、しかも素材との密着性も悪いので光ファ
イバピグテイルに採用することは好ましくない。
【0050】又、化学還元メッキは一般的には無電解メ
ッキといい、金属塩を含む溶液は可溶性の還元剤、ph
調整剤、メッキ液の安定剤等からなり、上記溶液中に被
メッキ品を浸漬すると、還元剤の酸化によって放たれる
電子が金属イオンに転移し、金属皮膜が得られるもので
ある。しかし、無電解金メッキは膜厚が1.5μm以下
ではピンホール数が極端に多く、半田付け時に高温加熱
することにより下地のニッケルが酸化し褐色に呈色す
る。又、金は貴金属のため高価なので膜厚を1.5μm
以上にすることはコスト上昇につながり、現実的なもの
とならない。
【0051】そこで、本発明に適用できうる厚膜形成方
法を図11を用いて説明する。
【0052】図11は電気メッキを示す概要図である。
電気メッキはメッキ液51、陽極52、直流電源53と
からなり、被メッキ品54を陰極にし外部からの電気エ
ネルギーを用いて被メッキ品54に所望の金属を析出さ
せるものである。同時に金属源が陽極52から溶解して
補給されるため、一度建浴すると経時変化するものが少
なく、液組成分中不足分を補給するだけで半永久的に使
用できる。
【0053】その為に、密着性、経済性ともに3方法の
中で最も優れており、本発明の光ファイバピグテイル1
の厚膜形成方法として最も適している。
【0054】厚膜の厚みは半田の上記半田食われ現象に
鑑みたとき、ニッケル厚膜16は1.5〜3μm、金厚
膜17は0.5〜1.5μmが適当である。
【0055】金厚膜15はニッケル厚膜16で保護され
るため半田食われ現象の影響を受けないが、応力緩和の
効果が顕著に得られる膜厚範囲は、0.1μm〜1.5
μmの範囲である。金厚膜15が0.1μm未満では引
っ張り強度特性が急速に劣化し、また、1.5μmを超
えると引っ張り強度特性への効果が鈍くなり、金消費量
を増加させるだけになる以上のようにして得られた本発
明の光ファイバピグテイル1は、図12のような光ファ
イバモジュールにて、メタライズ部8を半田で固定する
ことによって、好適に用いることができる。
【0056】
【実施例】ここで、以下に示す方法で実験を行った。
【0057】被覆除去方法として本発明の実施例は図6
に示すケミカルストリップを行い、比較例はメカニカル
ストリップで実施した。ケミカルストリップは60℃の
熱濃硫酸60℃に20分間浸漬しながら、補充する硫酸
の滴下量を調節ることにより、液面の高さが一定の速度
で変化する様にしたり、あるいは、変速的に変化する様
にすることで図1〜4のような形状とした。
【0058】たとえば、図4の場合では、前半の10分
間を一定の速度で液面が下がる様に調節して、後半の1
0分間を同一の液面高さで固定して被覆除去した場合で
ある。メカニカルストリップは100℃に加熱したブレ
ードで被覆部を狭みこんで被覆を除去するタイプのスト
リッパを使用した。
【0059】本発明の実施例1(図1)の形状に40
本、本発明の実施例2(図2)の形状に20本、本発明
の実施例3(図3)の形状に20本、本発明の実施例4
(図4)の形状に20本それぞれ20mmストリップ
し、それぞれの角度Rは40°とした。図1の40本の
内から20本を本発明の実施例5(図7)のようにクロ
ム、クロム−金合金、金の順に薄膜をイオンプレーティ
ングでそれぞれ0.1μm以下の膜厚で形成し、薄膜の
上に金、ニッケル、金の順に厚膜を電気メッキでそれぞ
れ2μmの膜厚で形成した。
【0060】比較例として、光ファイバをメカニカルス
トリップで比較例1(図15)の形状に40本作成し
た。その内の20本に比較例2(図16)の形状にクロ
ム、クロム−金合金、金の順に薄膜をイオンプレーティ
ングでそれぞれ0.1μm以下の膜厚で形成し、薄膜の
上に金、ニッケル、金の順に厚膜を電気メッキでそれぞ
れ2μmの膜厚で形成した。
【0061】それぞれ図13示すように、光ファイバの
石英ガラス部63を固定冶具64で固定し、被覆部62
をプッシュプルゲージ65に固定して、引っ張り方向6
1に引くことで引っ張り強度を測定した。
【0062】ベルコア規格に準拠した−40°〜+85
°の液相における熱衝撃試験を行った後、上記引っ張り
強度を測定した結果を図14に示す。
【0063】繰り返し回数21回において、本発明の実
施例1〜4では、比較例1の3倍以上の引っ張り強度を
維持している。これは被覆部6の先端をテーパー状にし
た事により、図13のように被覆部62に引っ張り方向
61の負荷がかかったとき、石英ガラス部63と被覆部
62の境界付近にて発生する応力を緩和することができ
るためである。
【0064】これは、従来例1では、破断する箇所が、
石英ガラス部63と被覆部62の境界付近に集中してい
ることに対して、本発明の実施例1〜4では、石英ガラ
ス部63の全域において不特定な位置で破断しているこ
とから推測される。
【0065】また、実施例1をメタライズした本発明の
実施例5は、比較例1をメタライズした比較例2の2倍
以上の引っ張り強度を維持している。
【0066】この結果より、従来の光ファイバは引っ張
り強度が弱く良好でない結果となった。これに対し、本
発明の実施例は、引っ張り強度が強く良好な光ファイバ
ピグテイルが得られた。
【0067】従って、本発明の実施例である光ファイバ
の先端の被覆を薬液にて化学的に除去してなる光ファイ
バにおいて、薬液の液面を制御して、被覆部の先端を2
0〜60°のテーパー状に形成することにより、引っ張
り強度性に優れた効果があらわれた。
【0068】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、先端の
被覆を除去した光ファイバであって、残された被覆部の
先端をテーパー状とすることにより、被覆部先端での光
ファイバの引っ張り強度を向上させることができる。
【0069】また、該光ファイバを薬液に浸漬して被覆
を化学的に除去し、該薬液の液面を制御することにより
被覆部の先端をテーパー状にすることを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバの実施形態を示す側面図で
ある。
【図2】本発明の光ファイバの実施形態を示す側面図で
ある。
【図3】本発明の光ファイバの実施形態を示す側面図で
ある。
【図4】本発明の光ファイバの実施形態を示す側面図で
ある。
【図5】本発明の光ファイバの先端形状を説明する図で
ある。
【図6】本発明の光ファイバ被覆除去方法を説明する図
である。
【図7】本発明の光ファイバの実施形態を示す側面図で
ある。
【図8】本発明の光ファイバにおけるメタライズ部の膜
構成断面を説明する断面図である。
【図9】光ファイバへのスパッタリング方法を説明する
図である。
【図10】光ファイバへの蒸着方法を説明する図であ
る。
【図11】光ファイバへのメッキ方法を説明する図であ
る。
【図12】光ファイバをレーザーモジュールにアッセン
ブルした概要図である。
【図13】光ファイバの引っ張り強度測定方法を示す図
である。
【図14】光ファイバの引っ張り強度測定結果を示す図
である。
【図15】従来例の光ファイバを示す図である。
【図16】従来例の光ファイバを示す図である。
【符号の説明】
1:光ファイバピグテイル 2:発光源 3:光パッケージ 4:LDモジュール 5:半田 6:被覆部 7:石英ガラス部 8:メタライズ部 9:先端部 10:粒子 11:先端面 12:クロム 13:クロムー金合金 14:金 15:金 16:ニッケル 17:金 21:薬液

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端の被覆を除去した光ファイバであっ
    て、残された被覆部の先端をテーパー状としたことを特
    徴とする光ファイバ。
  2. 【請求項2】上記被覆部の先端のテーパー角度が20〜
    60°であることを特徴とする請求項1記載の光ファイ
    バ。
  3. 【請求項3】上記光ファイバの被覆除去部から被覆部ま
    で連続してメタライズが施されていることを特徴とする
    請求項2記載の光ファイバ。
  4. 【請求項4】光ファイバを薬液に浸漬して被覆を化学的
    に除去し、薬液の液面を制御することにより被覆部の先
    端をテーパー状にすることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の光ファイバの製造方法。
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