JP2003160732A - 改質アスファルト組成物、鉱油系軟化剤 - Google Patents

改質アスファルト組成物、鉱油系軟化剤

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JP2003160732A
JP2003160732A JP2001359124A JP2001359124A JP2003160732A JP 2003160732 A JP2003160732 A JP 2003160732A JP 2001359124 A JP2001359124 A JP 2001359124A JP 2001359124 A JP2001359124 A JP 2001359124A JP 2003160732 A JP2003160732 A JP 2003160732A
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thermoplastic polymer
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modified asphalt
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アスファルト中への熱可塑性ポリマーの分散
を容易なものとし、また熱可塑性ポリマー自体の添加量
を減らすことができ、さらに環境に対する負荷の低い鉱
油系軟化剤、及びその鉱油系軟化剤を使用した改質アス
ファルト組成物を提供する。 【解決手段】 原料アスファルト中に熱可塑性ポリマー
とともに混合されて、改質アスファルト組成物を製造す
るための鉱油系軟化剤において、150℃における動粘
度を7mm/s以上、200℃における動粘度を7m
/s以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水性アスファル
トやカラーアスファルトなどの改質アスファルト組成
物、及びその改質アスファルト組成物製造の際に原料と
して使用される鉱油系軟化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】都市部における集中豪雨による水害防
止、水資源の確保、及び市街地の美化などの観点から、
排水性アスファルトなど改質アスファルトの需要が急拡
大している。これら改質アスファルトを製造するには、
原料アスファルト中に多量の熱可塑性ポリマーを混合し
て、均一に分散させる必要がある。しかし、原料アスフ
ァルトと熱可塑性ポリマーとを直接混合しても、原料ア
スファルト中に熱可塑性ポリマーを均一な状態で安定し
て分散させることは困難である。このため通常は、あら
かじめ鉱油系軟化剤と熱可塑性ポリマーとを高温のもと
で混合し、この混合物をさらに高温のもとでアスファル
ト中に機械的に強制混合することにより、一様な分散を
確保しようとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような改
質アスファルトの原料として最も適しているといわれて
いるカフジ原油によるアスファルトの入手性が困難かつ
不透明なものとなりつつある。使用する原油の種類によ
っては、それから製造された原料アスファルト中への熱
可塑性ポリマーの分散性が悪く、従来の鉱油系軟化剤や
熱可塑性ポリマーを従来どおりの温度条件や攪拌方法に
て混合しても十分な分散が得られないという問題があっ
た。また、そのような場合に十分な分散を得るために
は、混合温度をさらに高くする必要があり、これにより
施工温度も高めなければならないという問題もあった。
また、原材料費低減上の観点から従来の性能を保持しつ
つ、他の原材料に比較して割高な熱可塑性ポリマーの添
加量を減らすことができないかという要求もあった。さ
らに、混合温度や施工温度を高めた場合には、アスファ
ルト、ポリマー、及び鉱油系軟化剤が熱劣化して、これ
らにより製造された改質アスファルトの質が悪化して、
路面の寿命が短くなるという問題もあった。また、混合
温度や施工温度を高めた場合には、製造現場、施工現場
集辺への環境問題が発生する恐れもあった。
【0004】そこで、本発明は、アスファルト中への熱
可塑性ポリマーの分散を容易なものとし、また熱可塑性
ポリマー自体の添加量を減らすことができ、さらに環境
に対する負荷の低い鉱油系軟化剤、及びその鉱油系軟化
剤を使用した改質アスファルト組成物を提供することを
課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】以下、本発明について説
明する。一般に、改質アスファルト組成物を製造すると
いうことは、原料アスファルトに第三成分を添加して、
原料アスファルトの粘度を高めることである。そのため
に、原料アスファルト中に熱可塑性ポリマーを多量に混
合する必要がある。また使用する熱可塑性ポリマーの分
子量が高いほど粘度を高める効果は大である。しかし、
原料アスファルト中へ多量の熱可塑性ポリマーを混合す
ること、及び高分子量の熱可塑性ポリマーを混合するこ
と、のいずれの場合も原料アスファルト中への分散に、
技術的な困難性が伴うものである。この技術的困難性に
対処するための方法として、 1.混合温度を高める。 2.機械により強制的に分散させる。 3.軟化剤を使用する。 などの方法が実際に行われている。
【0006】混合温度を高める方法をとると、熱可塑性
ポリマーや原料アスファルトが混合中の高温度によって
熱劣化して、舗装材料等として使用された場合の寿命に
悪影響を与える。また機械により強制的に分散させる方
法の場合、分散の程度に限界があり、一旦均一に分散さ
せても経時変化により再び不均一になる傾向が強く、ま
た機械そのもののコストも高くつく。またいずれの方法
による場合でも、消費されるエネルギー量が多大なもの
となる。
【0007】また軟化剤を使用する場合、従来の軟化剤
では、使用できる熱可塑性ポリマーの分子量として24
万が上限であり、これ以上の分子量を持つ熱可塑性ポリ
マーは使用できなかった。そのため、所定粘度の改質ア
スファルトを製造するためには、どうしても原料アスフ
ァルトの重量100に対して、10前後の熱可塑性ポリ
マーを添加しなければならなかった。
【0008】本願発明者は、熱可塑性ポリマーを分散さ
せる鉱油系軟化剤として、所定の性状を有するものを使
用すれば、高分子量の熱可塑性ポリマーを原料アスファ
ルト中に容易に分散させることができることのみなら
ず、前記した本願発明の課題をすべて解決することがで
きることを見出した。
【0009】この鉱油系軟化剤は、石油精製工程におい
て、減圧蒸留残渣油を原料として、これからアスファル
ト分及びワックス分を除き、さらに溶剤抽出して得た高
沸点溜出物である。この鉱油系軟化剤は、原油の種類を
選ばず、また溶剤抽出工程の溶剤の種類を限定するもの
でもない。このような鉱油系軟化剤として、市中では例
えばエクソンモービルマーケティング有限会社のモービ
ルゾール30T、及び22などが入手可能である。
【0010】上記課題解決のため、本発明の第一態様
は、原料アスファルト中に熱可塑性ポリマーとともに混
合されて、改質アスファルト組成物を製造するための鉱
油系軟化剤であって、150℃における動粘度が7mm
/s以上、200℃における動粘度が7mm/s以
下であることを特徴とする。ここに、原料アスファルト
は、例えば通称石油アスファルト(JIS K2207
に規定されるアスファルト)、その他原油の減圧残渣油
が使用可能である。熱可塑性ポリマーとは例えば、ポリ
エチレン(以下「PE」と略す。)、ポリプロピレン
(以下「PP」と略す。)等のオレフィン系ポリマー、
ポリスチレン(以下「PS」と略す。)等のスチレン系
ポリマー、石油樹脂(C5;炭素数5の重合物、又はC
9;炭素数9の重合物)、アマニ油松脂等の天然樹脂、
酢酸ビニル(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、オ
レフィン系熱可塑性エラストマー(TPO;サーマルプ
ラスチックスオレフィン;樹脂部としてPP、PE等、
ゴム部としてEPDM(エチレンプロピレンジエンポリ
マーゴム)、EPT(エチレンプロピレンターポリマー
ゴム)などを含むもの)、スチレン系熱可塑性エラスト
マー(TPS;サーマルプラスチックススチレン;樹脂
部としてPS、ゴム部としてイソブチレンゴム(I
R)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴ
ム(SBR)などを含むもの)、及び、スチレン・イソ
プレン・スチレン(SIS)、スチレン・ブタジエン・
スチレン(SBS)等をいうが、本発明はこれらに限定
されるものではなく、分子量5万以上の高分子熱可塑性
ポリマーで、100℃以上の温度で軟化するものであれ
ばよい。動粘度は、JIS K2283に規定される測
定法により得られる動粘度をいう(以下同じ。)。
【0011】この第一態様の鉱油系軟化剤によれば、分
子量50万程度の熱可塑性ポリマーであっても、その軟
化点温度150℃における鉱油系軟化剤の粘度が7mm
/s以上に保たれるので、この粘度による機械的効果
(スクラッチング効果、及びピーリング効果)によっ
て、200℃以上の高温にすることなく鉱油系軟化剤と
熱可塑性ポリマーとを均一に混合することができる。分
子量80万以下の熱可塑性ポリマーは軟化温度が180
℃以下であるので、これらの熱可塑性ポリマーに対して
も、第一態様の鉱油系軟化剤による粘度による機械的効
果(スクラッチング効果、及びピーリング効果)を得る
ことができる。かかる温度における第一態様の鉱油系軟
化剤の粘度は7mm/s以上となるからである。した
がって、第一態様の鉱油系軟化剤によれば、200℃以
上の高温にすることなく分子量80万までの熱可塑性ポ
リマーを分散させることが可能である。このような高分
子量のポリマーまで使用可能なので、原料アスファルト
に対する熱可塑性ポリマーの添加量を減らすことができ
る。ちなみに、分子量50万の熱可塑性ポリマーを使用
した場合、分子量24万の熱可塑性ポリマーを使用する
場合の半量の添加で同様の粘度増加を得ることができ
る。これにより原材料費の節減を図ることができる。ま
た混合時のブレンダーの動力を低減することができ、ま
た混合時間も短いもので足りる。したがってトータルの
製造コストを削減し、製造時間を大幅に短縮することが
できる。
【0012】また、鉱油系軟化剤の200℃における動
粘度が7mm/s以下であるので、上記機械的効果
(スクラッチング効果、及びピーリング効果)によりブ
ロック状の熱可塑性ポリマーからひきはがされたポリマ
ー分子に、鉱油系軟化剤を素早く浸透させることができ
る。
【0013】上記態様の鉱油系軟化剤において、流動点
は、+25℃以上であることとしてもよい。ここに流動
点はJIS K2269の規定に定められた測定方法に
より得られる流動点をいう(以下同じ。)。
【0014】このようにすれば、鉱油系軟化剤は常温に
おいて固体又は半固体の状態を保つので、アスファルト
中に混合されて、舗装材料等に使用された場合にも、表
面ににじみ出ること(ブリーディング)がない。また消
防法上の取扱いも容易なものとなる。さらに、液状の形
で皮膚に触れることがないので、安全上の観点からも有
利である。
【0015】また上記態様の鉱油系軟化剤において、引
火点を、260℃以上であることとしてもよい。ここに
引火点はJIS K2265の規定に定められた測定方
法により得られる引火点をいう(以下同じ。)。
【0016】このようにすれば、鉱油系軟化剤中の低分
子量成分が除かれるので、ブレンド時、合材混合時、養
生時、及び施工時など、高温にさらされる場合などで
も、オイルヒューム、ミストの発生が少なく、環境に与
える影響が軽微である。
【0017】本発明の第二の態様は、原料アスファルト
中に、熱可塑性ポリマー及び鉱油系軟化剤を混合してな
る改質アスファルト組成物であって、熱可塑性ポリマー
の平均分子量をMx10としたとき、M≦80のすべ
てのMについて、鉱油系軟化剤の温度(100+M)℃
における動粘度が7mm/s以上であることを特徴と
する。
【0018】この第二態様の改質アスファルト組成物に
よれば、80万以下の分子量を持つ全ての熱可塑性ポリ
マーに対して、その軟化温度における鉱油系軟化剤の粘
度が7mm/s以上であるので、鉱油系軟化剤による
熱可塑性ポリマーに対する機械的効果(スクラッチング
効果、及びピーリング効果)を得ることができる。これ
により、アスファルト中にポリマーを均一に分散させる
ことができる。
【0019】本発明のこのような作用及び利得は、次に
説明する実施の形態から明らかにされる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示す実施形態
に基づき説明する。まず図1を参照しつつ改質アスファ
ルトの製造工程と、その改質アスファルトを使用して行
われる舗装工事等の流れの概要について説明する。改質
アスファルトの製造工程はプレミックスと呼ばれ、原料
アスファルトに熱可塑性ポリマー及び鉱油系軟化剤を混
合する工程である。この工程により原料アスファルトの
粘度が高められ、また所定の機能が付与される。プレミ
ックスを行う装置は、機械的攪拌装置(例えばプロペ
ラ)と、昇温装置を備えた釜である。具体的にはニーダ
ー、バンバリーミキサー、ホモジナイザなどに加温装置
を加えて構成される。まずこの釜に鉱油系軟化剤とパウ
ダー状又はペレット状の熱可塑性ポリマーとがほぼ等量
ずつ投入される。そしてこれらを攪拌しつつ120〜2
80℃に昇温する。次いで上記混合物に対して、その5
倍量の60/80ストレートアスファルトを釜に投入
し、200〜240の温度に昇温して、よく攪拌する。
この混合物を所定温度に所定時間保持(養生)して、改
質アスファルトが製造される。
【0021】この改質アスファルトは、道路工事業者等
に引き取られて、引き続き下流工程に供される。下流工
程ではまず、改質アスファルトがアスファルトプラント
において、骨材等と所定温度(例えば180〜240
℃)のもとに混合され、いわゆる合材が製造される。必
要に応じてここでも所定温度(例えば180〜240
℃)での保持(養生)が行われる。そして、合材は工事
現場に搬送され、舗装工事等に供される。
【0022】本発明は、図1の上段に示される改質アス
ファルト、及び鉱油系軟化剤に関するものである。これ
ら改質アスファルト、鉱油系軟化剤の性状、性能が下流
工程のアスファルトプラント、建設現場などにおける作
業条件、作業環境、及び製品たる舗装路面等の性能に大
きな影響を与える。
【0023】表1は、本発明にかかる鉱油系軟化剤の性
状の一例を従来の軟化剤と比較して示すものである。表
1において、Aは本発明にかかる鉱油系軟化剤、Bは従
来の軟化剤の性状を示している。以下に本発明を理解す
るにあたり重要な性状を、A及びBを比較しつつ説明す
る。
【表1】
【0024】(動粘度)図2は、表1におけるA及びB
の動粘度と温度との関係をグラフ化して示す図である。
縦軸は動粘度(mm/s)を、横軸は温度(℃)を表
している。図2からも明らかなとおり、各温度において
Aの動粘度はBの動粘度より高い。また、100〜15
0℃の温度範囲において、Aの動粘度は10mm/s
以上である。これは以下に示す理由により、高分子量の
熱可塑性ポリマーを原料アスファルト中に安定して分散
させるにあたり重要な性状である。
【0025】図3は、熱可塑性ポリマーの平均分子量と
その軟化温度との関係を示している。縦軸はその熱可塑
性ポリマーの軟化温度(℃)、横軸は平均分子量を1万
単位で示している。図3からも明らかなように、熱可塑
性ポリマーの平均分子量が大となるほどその軟化温度は
高くなる。熱可塑性ポリマーの平均分子量を Mx10 としたとき、その軟化温度T(℃)は概略 T=100+M で表される。図1における説明でも述べたとおり、熱可
塑性ポリマーと鉱油系軟化剤とは、加温しつつ混合され
る。したがって、この軟化温度において、鉱油系軟化剤
の粘度が所定以上でないと、熱可塑性ポリマーブロック
表面の軟化した分子が、攪拌による機械的はぎとり(ス
クラッチング、ピーリング)効果を受けることができな
い。本願発明者の知見によれば、上記した機械的はぎと
り(スクラッチング、ピーリング)効果を発生させるた
めに、鉱油系軟化剤の動粘度は熱可塑性ポリマー軟化点
の温度において、少なくとも7mm/s以上であるこ
とが必要とされる。この動粘度はさらに10mm/s
以上であることが好ましい。
【0026】一方本願発明者の他の知見によれば、この
動粘度は高いほどよいというものでもない。この動粘度
が高すぎる場合には、鉱油系軟化剤がはぎとられた熱可
塑性ポリマーの隙間に浸透する力に欠けるため、再度熱
可塑性ポリマー同士のブロッキングが発生して、均一な
分散状態となることが阻害されるためである。このよう
な観点から、鉱油系軟化剤の動粘度は、200℃におい
て7mm/s以下であることが好ましい。図4は鉱油
系軟化剤Aと、100/200ストレートアスファルト
C、及び60/80ストレートアスファルトDの動粘度
を比較して示すものである。ここに、60/80ストレ
ートアスファルトDは、前記したように改質アスファル
トの原料アスファルトとして使用されるものである。ま
た、100/200ストレートアスファルトCは、上記
アスファルトDより針入度大、すなわちDよりやわらか
く、平均分子量が小であるアスファルトである。本願発
明者は、アスファルトCを軟化剤として試用した。しか
し、図4からも明らかなようにアスファルトCの200
℃における動粘度は7mm/sよりはるかに大であ
り、150℃における動粘度が10mm/s以上であ
るにもかかわらず、熱可塑性ポリマーの良好な分散を得
ることはできなかった。これは前記したように、アスフ
ァルトCの動粘度が高すぎるため、はぎとられた熱可塑
性ポリマーの隙間に浸透する力に欠け、再度熱可塑性ポ
リマー同士のブロッキングが発生して、均一な分散状態
となることが阻害されたためであると考えられている。
【0027】(引火点)表1に戻り、Aの引火点は31
1℃、Bの引火点は220℃である。Aの引火点はBよ
り約90℃高い。このように引火点の高い鉱油系軟化剤
は、軽質溜分を含まないため、プレミックス工程、アス
ファルトプラントにおける混合工程、及び施工現場にお
いて加温される場合にヒュームやミストの発生量を少な
くすることがき、作業環境の改善、労働安全性の向上を
図ることができる。また消防法上の規制による取扱いの
制限に関しても有利である。
【0028】(流動点)Aの流動点は30℃、Bの流動
点は5℃である。このように本願発明にかかる鉱油系軟
化剤は流動点が高いので、いわゆるブリード現象(オイ
ル分のしみ出し)が起こりにくい。したがって、合材と
して混合された後も安定した性状を保ち、舗装面に施工
された後も轍(わだち)掘れの傾向や、骨材の剥離現象
が少なく、長寿命の舗装面を形成することができる。
【0029】図5は、プレミックス段階におけるアスフ
ァルト、ポリマー及び軟化剤の均一な混合物と、不均一
な混合物とを比較して示すモデル図である。(a)は不
均一な混合物を示すモデル、(b)は均一な混合物を示
すモデルを表している。また、図6は、図5(a)、
(b)の均一な混合物により得られる合材と、不均一な
混合物により得られる合材とを比較して示すモデル図で
ある。ここでも(a)は不均一な混合物により得られる
合材を示すモデル、(b)は均一な混合物により得られ
る合材を示すモデルを表している。これらのモデル図か
らも推定されるとおり、不均一なアスファルト混合物に
よる合材は、立体構造が不均一で、遊離した軟化剤がア
スファルトと結びつき、轍掘れの原因となったり、ブリ
ードによる汚染を引き起こす原因となる。さらにブリー
ドが発生すると、合材は柔軟性のない立体構造となり、
衝撃荷重に対して脆くなり、立体構造の破壊が進行す
る。その結果、排水性合材としての空隙率を維持するこ
とができなくなり、その機能を短期間のうちに失うこと
になる。
【0030】一方、均一なアスファルト混合物による合
材は、モデル図のごとく、立体構造を堅固に維持してい
る。また、アスファルト/軟化剤/ポリマーの三者が一
体となっており、長期にわたりその機能を発揮すること
ができる。さらにブリードによる環境汚染の恐れもな
い。
【0031】図7は、軟化剤粘度の差による減衰性の差
を示す図である。図5及び6のモデル図からも推定され
るように、熱可塑性ポリマーに加えて鉱油系軟化剤も路
面に加えられる衝撃の吸収にあずかるものと考えられ
る。上記したように本願発明の改質アスファルトは高粘
度の鉱油系軟化剤を使用しているので、衝撃をより多く
吸収することができる。
【0032】なお、上記においては改質アスファルトと
して主に排水性アスファルトについて説明したが、本願
発明はこれに限定されるものではなく、工業用アスファ
ルト例えばルーフィング用アスファルトなどへの適用も
可能である。
【0033】また、原料アスファルトとして60/80
ストレートアスファルトを使用する場合について説明し
たが、40/60ストレートアスファルト、100/2
00ストレートアスファルトなどを使用してもよい。
【0034】鉱油系軟化剤の炭化水素組成は特に限定さ
れるものではないが、原料アスファルトとの相溶性、可
塑剤的効果などの観点から芳香族分を30質量%以上含
むことが好ましい。
【0035】以上、現時点において、最も、実践的であ
り、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発
明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された
実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明
細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しな
い範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う改
質アスファルト組成物、鉱油系軟化剤もまた本発明の技
術的範囲に包含されるものとして理解されなければなら
ない。
【0036】
【発明の効果】以上に説明したように、原料アスファル
ト中に熱可塑性ポリマーとともに混合されて、改質アス
ファルト組成物を製造するための鉱油系軟化剤であっ
て、150℃における動粘度が7mm/s以上、20
0℃における動粘度が7mm/s以下であることを特
徴とする鉱油系軟化剤によれば、分子量50万程度の熱
可塑性ポリマーであっても、その軟化点温度150℃に
おける鉱油系軟化剤の粘度が所定以上に保たれるので、
この粘度による機械的効果(スクラッチング効果、及び
ピーリング効果)によって、200℃以上の高温にする
ことなく鉱油系軟化剤と熱可塑性ポリマーとを均一に混
合することができる。分子量80万以下の熱可塑性ポリ
マーは軟化温度が180℃以下であるので、これらの熱
可塑性ポリマーに対しても当然に、第一態様の鉱油系軟
化剤による粘度による機械的効果(スクラッチング効
果、及びピーリング効果)を得ることができる。かかる
温度における第一態様の鉱油系軟化剤の粘度は7mm
/s以上となるからである。したがって、第一態様の鉱
油系軟化剤によれば、200℃以上の高温にすることな
く分子量50万までの熱可塑性ポリマーを分散させるこ
とが可能である。このような高分子量のポリマーまで使
用可能なので、原料アスファルトに対する熱可塑性ポリ
マーの添加量を減らすことができる。これにより材料費
の節減を図ることができる。また混合時のブレンダーの
動力を低減することができ、また混合時間も短いもので
足りる。
【0037】また、鉱油系軟化剤の200℃における動
粘度が7mm/s以下であるので、上記機械的効果
(スクラッチング効果、及びピーリング効果)によりブ
ロック状の熱可塑性ポリマーからひきはがされたポリマ
ー分子に、鉱油系軟化剤を素早く浸透させることができ
る。
【0038】上記態様の鉱油系軟化剤において、流動点
は、+25℃以上であることとすれば、常温において固
体又は半固体の状態を保つので、舗装材等に使用された
場合にも、表面ににじみ出ること(ブリーディング)が
ない。また消防法上の取扱いも容易なものとなる。さら
に、液状の形で皮膚に触れることがないので、安全上の
観点からも有利である。
【0039】また上記態様の鉱油系軟化剤において、引
火点を、260℃以上であることとすれば、低分子量成
分が除かれるので、ブレンド時、合材混合時、及び施工
時など高温にさらされる場合などでも、オイルヒュー
ム、ミストの発生が少なく、環境に与える影響が軽微で
ある。
【0040】さらに、原料アスファルト中に、熱可塑性
ポリマー及び鉱油系軟化剤を混合してなる改質アスファ
ルト組成物であって、熱可塑性ポリマーの平均分子量を
Mx10としたとき、M≦80のすべてのMについ
て、軟化剤の温度(100+M)℃における動粘度が7
mm/s以上であることを特徴とする改質アスファル
ト組成物によれば、80万以下の分子量を持つ全ての熱
可塑性ポリマーに対して、その軟化温度における鉱油系
軟化剤の粘度が7mm/s以上であるので、鉱油系軟
化剤による熱可塑性ポリマーに対する機械的効果(スク
ラッチング効果、及びピーリング効果)を得ることがで
きる。これにより、アスファルト中に熱可塑性ポリマー
を均一に分散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】改質アスファルトの製造工程と、その改質アス
ファルトを使用して行われる舗装工事等の流れの概要を
示す図である。
【図2】鉱油系軟化剤の粘度と温度との関係を示す図で
ある。
【図3】ポリマーの平均分子量と軟化温度との関係を示
す図である。
【図4】鉱油系軟化剤とストレートアスファルトの粘度
と温度の関係を示す図である。
【図5】プレミックス段階における均一な分散と、不均
一な分散とを比較して示すモデル図である。
【図6】均一な混合物による合材と、不均一な混合物に
よる合材を比較して示すモデル図である。
【図7】軟化剤粘度の差による減衰性の差を示す図であ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料アスファルト中に熱可塑性ポリマー
    とともに混合されて、改質アスファルト組成物を製造す
    るための鉱油系軟化剤であって、150℃における動粘
    度が7mm/s以上、200℃における動粘度が7m
    /s以下であることを特徴とする鉱油系軟化剤。
  2. 【請求項2】 流動点が、+25℃以上であることを特
    徴とする請求項1に記載の鉱油系軟化剤。
  3. 【請求項3】 引火点が、260℃以上であることを特
    徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の鉱油系
    軟化剤。
  4. 【請求項4】 原料アスファルト中に、熱可塑性ポリマ
    ー及び鉱油系軟化剤を混合してなる改質アスファルト組
    成物であって、前記熱可塑性ポリマーの平均分子量をM
    x10としたとき、M≦80のすべてのMについて、
    前記鉱油系軟化剤の温度(100+M)℃における動粘
    度が7mm/s以上であることを特徴とする改質アス
    ファルト組成物。
  5. 【請求項5】 前記鉱油系軟化剤の200℃における動
    粘度は、7mm/s以下であることを特徴とする請求
    項4に記載の改質アスファルト組成物。
  6. 【請求項6】 前記鉱油系軟化剤の流動点が、+25℃
    以上であることを特徴とする請求項4又は5のいずれか
    1項に記載の改質アスファルト組成物。
  7. 【請求項7】 前記鉱油系軟化剤の引火点が、260℃
    以上であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1
    項に記載の改質アスファルト組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006002124A (ja) * 2004-06-21 2006-01-05 Tokyo Erutekku Kk 樹脂系廃棄物リサイクル方法
JP2014122258A (ja) * 2012-12-20 2014-07-03 Japan Polypropylene Corp アスファルト用改質材及び道路舗装用アスファルト組成物
CN115011129A (zh) * 2022-04-19 2022-09-06 中油路之星新材料有限公司 一种usp多功能复合再生改性沥青混合料及其制备方法

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