JP2003154001A - セリシン含有複合体およびその製造方法 - Google Patents

セリシン含有複合体およびその製造方法

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JP2003154001A
JP2003154001A JP2001354653A JP2001354653A JP2003154001A JP 2003154001 A JP2003154001 A JP 2003154001A JP 2001354653 A JP2001354653 A JP 2001354653A JP 2001354653 A JP2001354653 A JP 2001354653A JP 2003154001 A JP2003154001 A JP 2003154001A
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calcium
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phosphate
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Masao Tanihara
正夫 谷原
Chikara Otsuki
主税 大槻
Hiroshi Mikami
博 三上
Hisao Kinoshita
久雄 木下
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SENTOMEDO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベースに対してヒドロキシアパタイトを沈着
させることにより、生体適合性又は生体活性の高い複合
体を提供する。 【解決手段】 セリシンを含有するベース(セリシンや
生糸で構成された繊維、織布、編物又は不織布など)
に、カルシウムイオンおよびリン酸イオンを含む水溶液
を接触させ、前記ベースにアパタイト類(特にヒドロキ
シアパタイト)を沈着させることにより複合体を得る。
水溶液は、リン酸カルシウムに対して過飽和量のカルシ
ウム及びリン酸イオンを含んでおり、温度36.5℃に
おいて、2.5mM以上のカルシウムイオンと1mM以
上のリン酸イオンを含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セリシンを含むベ
ースとアパタイト類との新規な複合体、特に、生体親和
性材料(人工骨、骨修復材料、骨充填材料などの生体埋
植材料など)、並びに抗菌材料、有害物質吸着材料など
の環境浄化用材料として有用な複合体およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生体活性ガラスとしてのBioglass
Rや結晶化ガラスA−W(CeraboneRA−W)などのある
種のセラミックスが生体内で骨と結合することが知られ
ていた。このセラミックスと骨との結合は、生体内又は
ヒトの体液に近いイオン濃度を有する水溶液中で、前記
セラミックス表面にヒドロキシアパタイト層を形成する
ことに起因している。その結合メカニズムは、先ず、前
記セラミックス表面に形成されたケイ酸イオンやシラノ
ール基が水溶液中のカルシウムとリン酸イオンと反応し
てヒドロキシアパタイトの核を形成し、この核をベース
に水溶液中の過飽和なカルシウムとリン酸イオンを取り
込んで成長すると考えられる。
【0003】特開平5−103829号公報には、板
状、棒状、線維状、粒状など各種の形状の金属、セラミ
ックスなどの基材に、液状のシリカヒドロゾル又はゲル
をコーティングし、乾燥し加熱処理してシリカゲルを基
材に結合させた後、ヒドロキシアパタイトに対して過飽
和となる量のカルシウムとリン酸イオンとを含む水溶液
(疑似体液)に浸漬することにより、基材表面にヒドロ
キシアパタイト層をコーティングする生体活性層のコー
ティング方法が提案されている。この文献には、アパタ
イト被覆材料は、人工骨、生体埋込材料、生体埋込医療
機器、器具などへ利用できることも記載されている。
【0004】しかし、これらの方法では、ケイ酸イオン
を含まない素材やシリカヒドロゾル又はゲルを被覆する
ことが困難な素材を、ヒドロキシアパタイトで被覆でき
ない。
【0005】一方、カイコの繭から得られる生糸は、通
常、絹フィブロイン線維を包むセリシンをアルカリ水溶
液などで除去(精練)して、絹糸または絹織物として利
用されてきた。また、絹糸は衣料用だけでなく、手術用
縫合糸としても古くから使用されてきた。さらに、従来
除去されていたセリシンに、抗チロシナーゼ活性や保湿
効果などが見出され、セリシンを化粧品や医薬品などに
利用する試みが行なわれている。
【0006】例えば、絹からセリシン成分を分離する方
法に関し、特開2001−039999号公報には、切
繭に対して高温水を循環させ、切繭からセリシンを抽出
する方法、及びセリシン抽出液を凍結乾燥などにより粉
末状セリシンを得ることが提案されている。特開平11
−131318号公報には、絹繊維から純度よくセリシ
ンを分離回収する方法が提案されている。さらに、特開
平10−029909号公報には、イオン水を用いて繭
糸からセリシンペプチド溶液を得る方法が提案されてい
る。
【0007】セリシンの利用に関し、特開平11−07
0160号公報には、絹フィブロイン及び絹セリシンを
主成分とする結晶化度10%未満の非結晶性フィルムで
構成された創傷被覆材並びにその製造方法が提案されて
いる。特開平10−226626号公報には、セリシン
又はその加水分解物を表面に被覆したセリシン被覆粉体
及びこれを配合した化粧品が提案されている。
【0008】特開平06−166850号公報には、蚕
絹を酸で溶解し、ゲル化したゲル状物質を固化して成型
し、固化した成型物を水で洗浄するカイコ絹可溶化成型
方法が開示されている。この文献には、薄膜化を含めて
種々の形状に成形し、人工器官、医療用素子に利用する
ことも記載されている。
【0009】さらに、絹織物を200mMの塩化カルシ
ウムを含むトリス緩衝溶液(pH7.4)に浸漬し、次
に120mMのリン酸水素二ナトリウム(Na2HP
4)を含む水溶液に各1時間ずつ浸漬する工程を交互
に30回繰り返すことにより、絹織物表面にヒドロキシ
アパタイトを析出させる方法が知られている(J. Biome
d.Mater. Res., 50, 344-352, 2000)。この文献には、
ナイロン繊維の織物よりも絹織物の方が、ヒドロキシア
パタイトの沈着速度が大きく、絹フィブロインの親水性
極性基(ヒドロキシル基、カルボキシル基)がヒドロキ
シアパタイトの生成に関与していることも記載されてい
る。
【0010】しかし、この方法では、カルシウムを含む
溶液とリン酸イオンを含む溶液に交互に絹織物を浸漬し
てヒドロキシアパタイトを析出させる必要があるため、
操作が煩雑であるだけでなく、ヒドロキシアパタイトの
生成効率が低い。そのため、織物をヒドロキシアパタイ
トで被覆するためには、長時間を必要とする。しかも基
材と析出したヒドロキシアパタイトとの密着度が小さい
ため、基材からヒドロキシアパタイトが脱落する可能性
がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、基材に対してヒドロキシアパタイトが高い密着力で
結合した複合体と、このような複合体を簡便かつ効率よ
く製造できる方法を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、基材に対してヒドロ
キシアパタイトを短時間内に効率よく沈着でき、複合体
の生産性を向上できる方法を提供することにある。
【0013】本発明のさらに他の目的は、生体適合性又
は生体活性が高く、生体に適用しても修復性及び安全性
の高い複合体及びその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、繭や生糸に含まれ、
かつ生体親和性又は適合性に優れるセリシンが、基材と
ヒドロキシアパタイトとの密着力の向上に大きく関与し
ていること、この知見に基づいて、カルシウムイオンと
リン酸イオンとを含む水溶液中(又は疑似体液)に、セ
リシンを含有する基材を浸漬すると、ヒドロキシアパタ
イトが基材に対して高い密着力で効率よく沈着すること
を見いだし、本発明を完成した。
【0015】すなわち、本発明の方法では、セリシンを
含有するベース(セリシン含有物)に、カルシウムイオ
ンおよびリン酸イオンを含む水溶液を接触させ、前記ベ
ースにアパタイト類(リン酸カルシウム系化合物又はリ
ン酸カルシウム系セラミックス)を沈着させることによ
り複合体(有機−無機ハイブリッド体)を製造する。前
記アパタイト類は、通常、ヒドロキシアパタイトであ
る。ベースとしては、セリシンを含有する一次元的、二
次元的、又は三次元的構造体などが使用でき、例えば、
セリシン及び生糸から選択された少なくとも一種の成分
で構成された繊維、この繊維で構成された織布、編物、
不織布などが例示できる。前記水溶液としては、リン酸
カルシウムに対して過飽和量のカルシウム及びリン酸イ
オンを含む水溶液、すなわち、リン酸カルシウムの溶解
度(約0.0025g/100g)を越える濃度でカル
シウム及びリン酸イオンを含む水溶液を使用するのが有
利である。前記カルシウムイオン及びリン酸イオンの濃
度は、例えば、温度36.5℃において、カルシウムイ
オン2.5mM以上(例えば、2.5〜30mM)、リ
ン酸イオン1mM以上(例えば、1〜30mM)であ
る。
【0016】本発明は、前記製造方法によって得られる
セリシン含有複合体も包含する。この複合体において、
ベースに対するアパタイト類の沈着量は、例えば、1〜
1000g/m2程度であってもよい。
【0017】なお、本明細書において、「不織布」と
は、繊維が絡み合ったウェブ構造を有する不織布のみな
らずや、ウェブ構造や抄紙構造を有する紙類も含む意味
に用いる。また、「アパタイト類」とは、ヒドロキシア
パタイトの他、ヒドロキシアパタイトを構成するOHが
ハロゲン元素などで置換されたアパタイト、例えば、塩
化アパタイト、フッ化アパタイトなども含む意味に用い
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の複合体(有機−無機ハイ
ブリッド体)は、セリシンを含有するベース(セリシン
含有物)と、このベース表面に沈着したアパタイト類
(リン酸カルシウム系化合物又はリン酸カルシウム系セ
ラミックス)とで構成されている。本発明では、カルシ
ウムイオンを含有する水溶液とリン酸イオンを含有する
水溶液とに交互に繰り返し浸漬することなく、前記ベー
スをカルシウムイオンとリン酸イオンとを含有する水溶
液に接触させるため、アパタイト類は均質な結晶状であ
る。また、ベースがセリシンを含有するため、アパタイ
ト類の沈着又は成長速度が速く、しかも前記ベースに対
してアパタイト類が強固に密着又は結合している。
【0019】前記セリシンを含有するベースは少なくと
も表面にセリシンが存在すればよく、ベースの形状や構
造は特に制限されない。例えば、ベースは、粉粒体や顆
粒、ペレット、無定形粉粒体などの形態の他、繊維、線
状又は棒状体(ロッド)などの一次元的構造体、フィル
ム、シートや布、円板などのプレートなどの二次元的構
造体、筒体、多角体、ブロック、ネジなどの三次元的構
造体であってもよく、ベースは非多孔質体であってもよ
く多孔体やゲル状物であってもよい。好ましいベースと
しては、通常、一次元的又は二次元的構造体、例えば、
繊維、この繊維で構成された生地(織布、編物または不
織布や紙類)、フィルム、シートなどが例示できる。
【0020】前記セリシンを含有するベースは、セリシ
ンを含有する限り、絹糸を構成するタンパク質であるセ
リシン及びセリシン含有成分(絹や生糸など)から選択
された少なくとも一種の成分で構成されていればよい。
すなわち、前記ベースは、セリシンやセリシン含有成分
(絹や生糸など)単独で形成してもよく、セリシン又は
セリシン含有成分を含む組成物で形成してもよく、表面
を、セリシン又はセリシン含有成分若しくはそれらを含
む組成物で被覆することにより形成してもよい。また、
繊維、布や多孔体などの多孔質ベースには、セリシンを
含浸させてもよい。
【0021】より具体的には、ベースとしては、カイコ
から得られる繭、生糸(又は絹糸)、生糸から得られる
生地(織物、編み物、不織布や紙類など)などが利用で
きる。なお、繭や生糸を精練処理した練絹やその編成体
(絹織物)では、セリシンが除去されているため、アパ
タイト類の沈着又は成長速度を向上させるのが困難であ
る。
【0022】前記ベースのセリシン含有量を調整するこ
とにより、柔軟性などの物性やヒドロキシアパタイトに
よる被覆の程度を制御することができる。繭や生糸での
セリシンの含有量の調整は、慣用の方法、例えば、セリ
シン含有物をアルカリ水溶液や熱水で処理することによ
り、セリシンの一部を可溶化して除去することにより達
成される。なお、セリシンの可溶化については、特開2
001−39999号公報、特開平11−131318
号公報、特開平10−029909号公報などを参照で
きる。このような可溶化技術(精練)を利用して繭又は
絹からセリシンを除去することにより、フィブロインで
構成された練絹が得られ、絹織物を作製できる。しか
し、セリシンを除去すると、アパタイトの沈着又は成長
速度を向上できず、アパタイトとの密着性も低下しやす
い。
【0023】セリシンの可溶化技術、遺伝子操作などを
利用して得られるセリシンとその溶液は、セリシン含有
ベースを調製するために用いてもよい。すなわち、前記
可溶化処理により得られるセリシン溶液から得られる成
形体をベースとして用いてもよい。例えば、セリシン溶
液を用いて調製したフィルム、シート、セリシン含有ゲ
ルの成形体などとして用いてもよい。セリシン含有フィ
ルムやシートは、セリシン溶液を剥離性支持体(テフロ
ン(登録商標)製支持体など)などにシート状に流延又
は展延し、風乾などにより乾燥することにより得ること
ができる。なお、セリシン含有フィルム又はシートの製
造には、特開平11−070160号公報を参照でき
る。また、セリシン含有ゲルは、セリシン含有溶液(例
えば、濃度0.5%以上のセリシン溶液)を冷却した
り、グルタルアルデヒドなどの架橋剤で架橋することに
よって得られる。
【0024】また、本発明のセリシン含有ベースは、セ
リシン又はセリシン含有成分を混入した基材やセリシン
含有被膜で被覆した基材であってもよい。セリシン又は
セリシン含有成分の混入は、慣用の方法、例えば、他の
部材との複合化(例えば、混紡、混合、含浸などによる
複合化)により行うことができ、複合化した組成物を必
要により成形してもよい。
【0025】例えば、繊維や生地は、セリシン含有繊維
との混紡繊維や混紡生地であってもよい。セリシン含有
繊維と混紡可能な繊維としては、種々の繊維、例えば、
有機繊維[天然繊維(綿、羊毛、麻、パルプ(木材パル
プ、リンターパルプなど)など)、再生繊維(レーヨン
繊維、蛋白繊維、コラーゲン繊維など)、半合成繊維
(アセテート繊維など)、合成繊維(ポリビニルアルコ
ール繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル
繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロ
ピレン繊維など)など]、無機繊維(ガラス繊維、炭素
繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、ステンレス鋼繊
維など)などが例示できる。これらの繊維は、単独で又
は二種以上含む混紡繊維として、セリシン含有繊維と組
み合わせてもよい。
【0026】ベースは、セリシン又はセリシン含有成分
と高分子化合物との混合組成物であってもよく、この組
成物は必要により成形してもよい。高分子化合物として
は、例えば、水溶性高分子[ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、セルロースエーテル類(メチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース又はその塩など)、ア
クリル酸系重合体、カルボキシビニルポリマー、ポリビ
ニルエーテルなど]、生分解性高分子[例えば、ポリ乳
酸、ポリグリコール酸、ポリリンゴ酸、ポリヒドロキシ
酪酸、多糖類(セルロース、キチン、キトサン、ポリガ
ラクトサミン、カードラン、プルラン、キサンタン、デ
キストラン、アルギン酸など)、ポリアミノ酸又はタン
パク質(ポリグルタミン酸など)、セルロースエステル
類(セルロースアセテート、セルロースアセテートブチ
レートなど)、ポリカプロラクトン、ポリエチレンアジ
ペートなどのポリエステルなど]、オレフィン系樹脂
(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体など)、(メタ)アクリル系樹脂(ポリメタ
クリル酸メチルなど)、スチレン系樹脂(ポリスチレ
ン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体など)、ポ
リエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレートなど)、ポリアミド系樹脂(ナ
イロン6,ナイロン66,ナイロン610など)、ポリ
ウレタン系樹脂(ポリエステル型ポリウレタン、ポリエ
ーテル型ポリウレタンなど)、ポリカーボネート系樹脂
などが例示できる。これらの高分子化合物は単独で又は
二種以上組み合わせて使用できる。なお、高分子化合物
は熱可塑性であってもよく熱硬化性であってもよい。セ
リシン又はセリシン含有成分と高分子化合物とを含む組
成物は、慣用の成形法、例えば、必要により溶媒を用い
る流延又はキャスティング法などにより成形してもよ
い。
【0027】セリシン又はセリシン含有成分は、前記繊
維(混紡繊維を含む)、前記高分子化合物、無機物(ア
ルミナ、リン酸カルシウム又はリン酸カルシウム系生体
活性セメント、ジルコニア、ガラス、炭素などの生体活
性又は親和性物質など)、金属(チタンやチタン合金
(Ti−6 Al−4 V合金など)、コバルトクロム合
金、ステンレススチールなどの生体活性又は親和性金属
など)を素材とする成形体(前記粉粒体、プレート、ネ
ジ、ロッド、多孔体など)に含浸又は被覆してもよい。
なお、生体適合性又は親和性を有する前記無機物や金属
(アルミナ、リン酸カルシウム、チタン又はチタン合金
など)は、繊維状強化剤(Fe−Cr合金繊維、ステン
レス鋼、ガラス繊維など)や粒状強化剤(ジルコニア、
チタニア、金属チタン粒子など)を含有する繊維強化複
合材料であってもよい。
【0028】セリシンで被覆する方法としては、成形体
をセリシン溶液で被覆する方法、セリシン粉末を塗布す
る方法、セリシン粉末を成形時に添加する方法などが挙
げられる。
【0029】ベース中のセリシン含有量は、セリシンの
存在形態により大きく変動し、例えば、セリシン又はセ
リシン含有成分(生糸など)でベースを構成する場合、
セリシン含有量は1〜100重量%、好ましくは5〜1
00重量%、さらに好ましくは10〜100重量%程度
である。なお、絹や生糸中にセリシン含有量は、通常、
20〜30重量%程度である。上記セリシン含有量の組
成物で基材を被覆する場合、被覆量は、例えば、1〜5
0g/m2、好ましくは1〜30g/m2、さらに好まし
くは1〜10g/m2程度である。
【0030】ベースの形態は用途に応じて選択できる。
例えば、手術用縫合糸などのように複合体を糸として用
いる場合には、繊維(特に、生糸)が好ましく用いられ
る。また、骨折部位の被覆材や骨補修材として用いる場
合には、生地などの二次元的構造体、例えば、生糸の織
物、編み物、不織布が好ましく用いられる。
【0031】前記ベースは、予め前処理してカルシウム
イオンおよびリン酸イオンを含む水溶液に接触させても
よい。例えば、前記ベースを、カルシウムイオンを含有
する水溶液(前処理液)で処理すると、アパタイト類の
沈着速度及び密着力を向上できる。カルシウムイオンを
含む前処理液は、通常、カルシウムイオンを0.1M以
上(例えば、0.1〜10M、好ましくは0.5〜7.
5M、さらに好ましくは1〜5M程度)の濃度で含んで
いる。なお、ベースの前処理は、浸漬、含浸、塗布など
の慣用の方法で行うことができる。
【0032】本発明では、前記ベースをカルシウムイオ
ンおよびリン酸イオンを含む水溶液(又は疑似体液)を
接触させることによりアパタイト類をベースに対して沈
着させる。
【0033】カルシウムイオンは、種々のカルシウム化
合物を用いることにより水溶液に導入できる。カルシウ
ム化合物としては、例えば、ハロゲン化カルシウム(塩
化カルシウムなど)、水酸化カルシウム、酸化カルシウ
ム、無機酸塩(硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸
カルシウム、炭酸水素カルシウムなど)、有機酸塩(酢
酸カルシウムなど)などが例示できる。これらのカルシ
ウム化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用でき
る。
【0034】リン酸イオンも、種々のリン酸成分を用い
ることにより水溶液に導入できる。例えば、オルトリン
酸又はその塩(リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなど
のリン酸アルカリ金属塩、リン酸アンモニウム、リン酸
水素ナトリウム、リン酸水素カリウムなどのリン酸水素
アルカリ金属塩、リン酸水素アンモニウム、リン酸水素
カルシウムなど)などが例示できる。これらの化合物も
単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0035】前記水溶液において、カルシウムイオン及
びリン酸イオンの濃度はアパタイト類の沈着効率が低下
しない限り特に制限されないが、本発明ではカルシウム
イオン及びリン酸イオンの濃度が低くてもアパタイト類
を効率よく沈着できる。前記水溶液は、リン酸カルシウ
ムに対して過飽和量のカルシウム及びリン酸イオンを含
むことが好ましい。すなわち、リン酸カルシウムの溶解
度を越える濃度でカルシウム及びリン酸イオンを含むこ
とが好ましい。なお、水溶液ではリン酸カルシウムが析
出しないことが好ましいが、水相が過飽和である限り、
リン酸カルシウムが析出していてもよい。
【0036】例えば、温度36.5℃において、前記水
溶液中のカルシウムイオン濃度は、2〜50mM程度の
範囲から選択でき、通常、2.5mM以上(2.5〜3
0mM、好ましくは2.5〜20mM、特に3〜10m
M程度)であり、リン酸イオンの濃度は、0.5〜50
mM程度の範囲から選択でき、通常、1mM以上(1〜
30mM、好ましくは1〜20mM、特に1.2〜10
mM程度)である。
【0037】なお、水溶液は、他のイオン種、例えば、
金属イオン[アルカリ金属イオン(ナトリウム、カリウ
ムイオンなど)、アルカリ土類金属イオン(マグネシウ
ムイオンなど)、チタンイオン、ジルコニウムイオン、
コバルトイオン、ケイ素イオンなど]、ハロゲンイオン
(臭素アニオン、塩素アニオン、フッ素アニオンな
ど)、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硫酸イオンなどを
含んでいてもよい。これらのイオン種は、リン酸カルシ
ウム系化合物の組成や結晶構造に対応させて、単独で又
は二種以上組み合わせて選択可能である。
【0038】カルシウムイオン及びリン酸イオンを含む
水溶液は、緩衝剤によりpH調整してもよい。緩衝剤と
しては、Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノ
メタン)緩衝剤、リン酸系緩衝剤、ホウ酸系緩衝剤、炭
酸系緩衝剤、クエン酸系緩衝剤、酢酸系緩衝剤などが利
用できる。水溶液のpHは、通常、6〜8程度である。
【0039】代表的な水溶液としては、以下の組成を有
する溶液が例示できる: (1)Na+ 142mM、K+ 5mM、Ca2+ 2.
5mM、Mg2+ 1.5mM、C1- 148.8m
M、HCO3 - 4.2mM、HPO4 2- 1mM、SO4
2- 0.5mMを含み、トリス緩衝剤でpHを7.4に
調整した水溶液、(2)Na+ 213mM、K+ 7.
5mM、Ca2+ 3.8mM、Mg2+2.3mM、Cl
- 223.3mM、HCO3 - 6.3mM、HPO4 2-
1.5mM、SO4 2- 0.75mMを含み、トリス
緩衝剤でpHを7.4に調整した水溶液。
【0040】セリシン含有ベースと前記水溶液とを接触
させる方法は、セリシン含有ベースの表面にアパタイト
類(リン酸カルシウム系化合物)を被覆できる方法であ
ればよく、噴霧、含浸、塗布などであってもよいが、水
溶液へ浸漬する方法が簡便である。セリシン含有ベース
と水溶液との接触温度(例えば、浸漬温度)は、被覆す
るアパタイト類(リン酸カルシウム系化合物)に応じ
て、10〜100℃の範囲から適宜選択でき、通常、1
0〜60℃、好ましくは20〜50℃、さらに好ましく
は30〜45℃(例えば、35〜39℃)程度である。
接触時間(例えば、浸漬時間)はアパタイト類の種類に
応じて選択でき、通常、10日以内(特に7日以内)で
ある。なお、水溶液にベースを浸漬する場合、通常、静
置してアパタイトを沈着させるものの、必要であれば撹
拌してもよい。
【0041】ベースに対するアパタイト類の沈着量は、
例えば、1〜1000g/m2、好ましくは5〜750
g/m2、さらに好ましくは10〜500g/m2程度で
あってもよい。
【0042】前記アパタイト類の代表的な化合物はヒド
ロキシアパタイト(Ca10(PO46(OH)2)であ
るが、前記アパタイト類は、リン酸カルシウム系化合
物、例えば、リン酸水素カルシウム(CaHPO4)、
リン酸カルシウム(Ca3(PO 42)なども包含す
る。
【0043】なお、必要であれば、複合体を焼成して焼
結アパタイト類(焼結ヒドロキシアパタイトなど)を生
成させてもよい。
【0044】前記複合体(有機−無機ハイブリッド体)
は、そのまま目的とする用途に用いることができるが、
医療用途に用いる場合には、殺菌又は滅菌して用いるこ
とが好ましい。殺菌、滅菌方法として、湿熱蒸気滅菌、
ガンマ線滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、薬剤殺
菌、紫外線殺菌などが用いられる。これらの方法のう
ち、湿熱蒸気滅菌、ガンマ線滅菌、エチレンオキサイド
ガス滅菌が滅菌効率と材料に与える影響が少なく好まし
い。
【0045】本発明の複合体(有機−無機ハイブリッド
体)は、生体親和性又は生体適合性に優れており、人工
骨、人工歯根、骨修復剤、骨充填剤などの生体埋植材料
として利用できる。また、抗菌活性や吸着能を有するた
め、抗菌材料、有害物質吸着材料などの環境浄化用材料
としても有用である。
【0046】
【発明の効果】本発明では、ベースがセリシンを含有す
るため、ベースに対してヒドロキシアパタイトを効率よ
く沈着でき、ヒドロキシアパタイトが高い密着力で結合
した複合体を得ることができる。また、過飽和濃度の水
溶液を用いると、ベースに対してヒドロキシアパタイト
をさらに単時間内に効率よく沈着でき、複合体の生産性
を向上できる。さらに、複合体は、生体適合性又は生体
活性が高く、生体に適用しても修復性及び安全性が高
い。
【0047】
【実施例】以下に、実施例により本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例により限定されるもの
ではない。
【0048】(実施例1)家蚕の繭から得られた生糸の
織物、および精練工程(120℃、1時間の熱水処理)
によりセリシンを除去した絹織物を、Na+ 213m
M、K+ 7.5mM、Ca2+ 3.8mM、Mg2+
2.3mM、Cl- 223.3mM、HCO3 - 6.
3mM、HPO4 2- 1.5mM、SO4 2- 0.75m
Mを含み、トリス緩衝剤でpHを7.4に調節した水溶
液に、36.5℃で7日間浸漬した。浸漬した後、超純
水で洗浄、風乾した。浸漬後の表面を走査型電子顕微鏡
で観察したところ、生糸の織物表面には、ヒドロキシア
パタイトの結晶に特徴的な針状微結晶の集合体からなる
球状の結晶が多数存在していた。この結晶を薄膜X線回
折に付したところ、ヒドロキシアパタイトの結晶に特有
のX線回折パターンが認められ、ヒドロキシアパタイト
であることが確認された。
【0049】なお、セリシンを除去した絹織物でもわず
かなヒドロキシアパタイトの結晶の析出が認められた。
この原因は、精練工程で除去されなかった残存セリシン
によるものと考えられる。
【0050】(実施例2)実施例1の精練工程で得られ
たセリシン水溶液(セリシン濃度約0.3%)の適量を
ポリスチレンシート上に展延して、室温で風乾すること
によりセリシンのフィルムを得た。得られたフィルム
を、Na+ 213mM、K+ 7.5mM、Ca2+
3.8mM、Mg2+ 2.3mM、Cl- 223.3
mM、HCO3 -6.3mM、HPO4 2- 1.5mM、
SO4 2- 0.75mMを含み、トリス緩衝剤でpHを
7.4に調節した水溶液に、36.5℃で7日間浸漬し
た。浸漬後、超純水で洗浄、風乾した。浸漬後の表面を
走査型電子顕微鏡で観察したところ、図1に示すよう
に、セリシンフィルム全面にヒドロキシアパタイトの被
覆が確認された。なお、セリシンで被覆しなかったポリ
スチレン表面には、ヒドロキシアパタイトは全く存在し
なかった。
【0051】(実施例3)実施例1で用いた生糸の織物
を、先ず0.01M〜5Mの濃度の塩化カルシウム水溶
液に一晩浸漬した。次いで、超純水で洗浄した後、Na
+ 213mM、K+ 7.5mM、Ca2+ 3.8m
M、Mg2+ 2.3mM、C1- 223.3mM、H
CO3 - 6.3mM、HPO4 2- 1.5mM、SO4 2-
0.75mMを含み、トリス緩衝剤でpHを7.4に
調節した水溶液に、36.5℃で1〜7日間浸漬した。
浸漬後、超純水で洗浄、風乾した。浸漬後の表面を走査
型電子顕微鏡と薄膜X線回折で解析した。
【0052】0.1Mの塩化カルシウム水溶液で前処理
した生糸の織物では、浸漬3日目以降、1Mおよび5M
の塩化カルシウム水溶液では1日目以降にヒドロキシア
パタイトの被覆が認められた。一方、0.01Mの塩化
カルシウム水溶液に一晩浸漬した生糸織物では、7日目
にヒドロキシアパタイトの被覆が認められたが、その程
度は、実施例1に記載した生糸織物と比較して少なかっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例2で形成されたヒドロキシアパタ
イト被膜を示す走査型電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三上 博 愛知県春日井市藤山台9−9−11 (72)発明者 木下 久雄 奈良県生駒市小平尾町42−10 Fターム(参考) 4C081 AB03 AB04 BA12 BA14 BB08 CD33 CF031 DA01 DC04 EA04 4G066 AA17A AA36A AA50A AA50B AC03D BA03 BA16 FA12 FA33

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セリシンを含有するベースに、カルシウ
    ムイオンおよびリン酸イオンを含む水溶液を接触させ、
    前記ベースにアパタイト類を沈着させる複合体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 アパタイト類がヒドロキシアパタイトで
    ある請求項1記載の複合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 ベースが、セリシンを含有する一次元
    的、二次元的又は三次元的構造体である請求項1又は2
    記載の複合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 ベースが、セリシン及び生糸から選択さ
    れた少なくとも一種の成分で構成された繊維、この繊維
    で構成された織布、編物または不織布である請求項1又
    は2記載の複合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 水溶液が、リン酸カルシウムに対して過
    飽和量のカルシウム及びリン酸イオンを含む請求項1〜
    4のいずれかの項に記載の複合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 水溶液が、温度36.5℃において、
    2.5mM以上のカルシウムイオンと1mM以上のリン
    酸イオンを含む水溶液である請求項1〜4のいずれかの
    項に記載の複合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 水溶液が、温度36.5℃において、
    2.5〜30mMのカルシウムイオン及び1〜30mM
    のリン酸イオンを含む請求項1〜4のいずれかの項に記
    載の複合体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方
    法によって得られるセリシン含有複合体。
  9. 【請求項9】 ベースに対するアパタイト類の沈着量が
    1〜1000g/m 2である請求項8記載の複合体。
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