JP2003149348A - X線装置用スリット及びx線装置 - Google Patents

X線装置用スリット及びx線装置

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JP2003149348A
JP2003149348A JP2001351095A JP2001351095A JP2003149348A JP 2003149348 A JP2003149348 A JP 2003149348A JP 2001351095 A JP2001351095 A JP 2001351095A JP 2001351095 A JP2001351095 A JP 2001351095A JP 2003149348 A JP2003149348 A JP 2003149348A
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slit
rays
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JP2001351095A
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English (en)
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Akihide Doshiyou
明秀 土性
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Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料から離れた所に在る物質から発生する不
要なX線がX線検出器に取り込まれることを防止して、
X線測定精度を高く維持できるようにする。 【解決手段】 試料SとX線検出器3との間に設けられ
るX線装置用スリット4である。このスリット4は、縦
壁11及び横壁12によって互いに隙間無く隣接するよ
うに区画された複数の空間13を有し、これらの空間1
3は、試料Sに対向して入射用開口14を有し、X線検
出器3に対向して出射用開口16を有する。また、これ
らの空間13は、それぞれ、試料SからX線検出器3に
向かって試料Sを中心として放射状に広がっている。試
料Sから発生した回折X線は空間13を通ってX線検出
器3に到達する。試料S以外の物体から発生する不要な
X線は縦壁11又は横壁12によって遮蔽されてX線検
出器3には達しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線装置で用いら
れるスリット及びそのスリットを用いたX線装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】試料にX線を照射し、そのときに試料か
ら発生するX線、例えば試料で回折したX線をX線カウ
ンタ等といったX線検出手段によって検出するX線測定
を行うX線装置は従来から広く知られている。また、試
料を適宜のアタッチメントに収容した状態で上記のX線
測定を行うようにしたX線装置も知られている。
【0003】この種のX線装置では、X線検出手段は試
料から発生するX線を検出することが主な役割である
が、何等の措置も講じておかないと、試料を収容するア
タッチメントから発生する不要なX線もX線検出手段に
よって取り込まれてしまい、測定結果が不正確になるお
それがある。
【0004】この問題を解消するため、従来、図4に示
すように、試料SとX線検出器51との間にスリット5
2を配置した構造のX線装置が知られている。試料S
は、例えば、試料Sの温度を変化させるためのアタッチ
メントである温度調整装置53に収容されている。ま
た、スリット52は、横方向すなわち矢印A方向に互い
に平行に並べられた複数の壁54によって構成されてい
る。
【0005】X線検出器51は、1次元X線検出器とし
てのPSPC(Position SensitiveProportional Count
er:位置感応型比例計数管)によって構成されている。
このPSPC51は、周知の通り、線状のX線取込み口
56を有し、そのX線取込み口56のいずれかの位置に
X線が入ったときには、そのX線が入った位置すなわち
X線の回折角度に対応した信号及びそのX線の強度に対
応した信号を出力する。
【0006】図4に示す従来の装置では、X線源Fから
放射されたX線は発散規制スリット57によって規制さ
れて試料Sへ向けられる。そして、試料Sに入射するX
線が試料Sの結晶格子面に対してブラッグの回折条件を
満足する関係になるときに、試料Sから回折X線が発生
する。この回折X線はスリット52を構成する複数の壁
54の間に形成される空間を通ってX線取込み口56に
入ってPSPC51に取り込まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図4に示すX線装置で
は、試料Sから発生する回折X線が測定対象となるX線
であるが、測定の最中にはそのX線以外に不要なX線が
発生してPSPC51へ向うことがある。例えば、試料
Sへ入射するX線R0が温度調整装置53のケーシング
58の一部に形成したX線通過窓59を通過するとき、
そのX線通過窓59から散乱X線が発生してPSPC5
1へ向うことがある。この場合、この不要なX線はスリ
ット52の壁54によってその進行を阻止されて、PS
PC51に取り込まれることが防止され、これにより、
正確なX線測定が行われるようになっている。
【0008】しかしながら、上記従来のX線装置では、
スリット52を構成する複数の壁54がPSPC51の
X線取込み口56の延在方向、すなわち図4の水平方向
に沿って互いに平行に並べられていたので、水平方向に
分散する不要なX線はそれらの壁54によって進行を阻
止できるものの、各スリットすなわち各空間の延在方
向、すなわち図4の上下方向にはX線の進行を阻止でき
る部材は設けられておらず、従って、上下方向に分散す
る不要なX線の進行方向は阻止できなかった。
【0009】以上の結果、上下方向に分散する不要なX
線は壁54によって阻止されること無くPSPC51に
取り込まれてしまい、それ故、試料S以外からの回折X
線が検出されてしまったり、測定結果におけるバックグ
ラウンドが上がって測定結果の信頼性が低下する等とい
った不都合が発生するおそれがあった。
【0010】また、図4に示すようにX線検出手段とし
てPSPC51のような1次元X線検出器を用いる場合
や、X線検出手段としてPC(Proportional Counter:
比例計数管)やSC(Scintillation Counter:シンチ
レーションカウンタ)等といった0次元X線検出器を用
いる場合には、特に問題がないものの、X線検出手段と
して2次元X線検出器、すなわちX線を平面的に検出で
きる構造のX線検出器、例えば蓄積性蛍光体を用いたX
線検出器を用いる場合には、図4のスリット52の壁5
4と平行に進行する不要なX線が2次元X線検出器によ
って検出されてしまい、それ故,測定の信頼性が低下す
るという問題もあった。
【0011】本発明は、上記の問題点に鑑みて成された
ものであって、試料から離れた所に在る物質から発生す
る不要なX線がX線検出器に取り込まれることを防止し
て、X線測定精度を高く維持できるようにすることを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】(1) 上記の目的を達
成するため、本発明に係るX線装置用スリットは、試料
とX線検出手段との間に設けられるX線装置用スリット
において、前記試料に対向して入射用開口を有し前記X
線検出手段に対向して出射用開口を有するように前記試
料と前記X線検出手段との間で上下左右を壁によって区
画された複数の空間を有し、該複数の空間は互いに隙間
無く隣接して配置され、該複数の空間の個々は前記試料
から前記X線検出手段に向かって前記試料を中心として
放射状に広がることを特徴とする。
【0013】この構成のX線装置用スリットによれば、
試料から発生した測定対象であるX線は上記の空間を通
ってX線検出手段に到達してカウントされる。一方、試
料以外の物質から発生した不要なX線は上記の壁によっ
て遮蔽されてX線検出手段に到達することを阻止され
る。このとき、壁は上下左右の全周にわたって設けられ
るので、不要なX線はそれが上下方向に分散するもので
あっても、あるいは左右方向に分散するものであって
も、全て壁によって遮蔽できる。それ故、X線検出手段
が不要なX線を取り込んでしまうことを確実に防止で
き、この結果、精度の高いX線測定結果を得ることがで
きる。
【0014】(2) 次に、本発明に係る他のX線装置
用スリットは、試料とX線検出器との間に設けられるX
線装置用スリットにおいて、前記試料を中心として放射
状に配置された複数の縦壁と、該複数の縦壁に交差する
と共に前記試料を中心として放射状に配置された複数の
横壁とを有することを特徴とする。
【0015】この構成のX線装置用スリットによれば、
試料から発生した測定対象であるX線は上記縦壁と上記
横壁とによって囲まれる空間を通ってX線検出手段に到
達してカウントされる。一方、試料以外の物質から発生
した不要なX線は上記縦壁又は上記横壁によって遮蔽さ
れてX線検出手段に到達することを阻止される。このと
き、縦壁及び横壁はX線通路の上下左右の全周にわたっ
て設けられるので、不要なX線はそれが上下方向に分散
するものであっても、あるいは左右方向に分散するもの
であっても、全て縦壁又は横壁によって遮蔽できる。そ
れ故、X線検出手段が不要なX線を取り込んでしまうこ
とを確実に防止でき、この結果、精度の高いX線測定結
果を得ることができる。
【0016】(3) 縦壁及び横壁を用いる上記構成の
X線装置用スリットにおいて、前記複数の縦壁と前記複
数の横壁は互いに隙間無く隣接して配置された複数の空
間を形成し、これらの空間の個々は、前記試料から前記
X線検出手段に向かって前記試料を中心として放射状に
広がることを特徴とする。この構成のX線装置用スリッ
トによれば、試料から発生したX線を縦壁及び横壁に衝
突させること無く確実にX線検出手段に到達させること
ができる。
【0017】(4) 上記構成のX線装置用スリットに
おいて、X線の進行方向に対して直角方向の前記空間の
断面は矩形状とすることができる。この構成によれば、
測定対象であるX線を通過させると共に不要なX線は遮
蔽する作用を奏する前記複数の空間を縦方向及び横方向
の2方向へ隙間無く隣接して配置させることに関して好
都合である。
【0018】(5) 上記構成のX線装置用スリットに
おいて、前記試料に対向して複数の入射用開口が互いに
隙間無くマトリクス状に配列され、前記X線検出器に対
向して複数の出射用開口が互いに隙間無くマトリクス状
に配列され、さらに、前記出射用開口の面積は前記入射
用開口の面積よりも大きく設定することができる。この
構成によれば、測定対象であるX線を確実に通過させ、
一方、不要なX線は確実に遮蔽することができる。
【0019】(6) 次に、本発明に関するX線装置
は、試料に照射するX線を発生するX線源と、前記から
発生するX線を検出するX線検出手段と、前記試料と前
記X線検出手段との間に配置されるスリットとを有し、
該スリットは、以上に記載した構成のX線装置用スリッ
トによって構成されることを特徴とする。
【0020】このX線装置によれば、試料から発生した
測定対象であるX線は前記スリット内に設けられた前記
複数の空間を通ってX線検出手段に到達してカウントさ
れる。一方、試料以外の物質から発生した不要なX線は
前記複数の空間を区画する壁によって遮蔽されてX線検
出手段に到達することを阻止される。このとき、壁は上
下左右の全周にわたって設けられるので、不要なX線は
それが上下方向に分散するものであっても、あるいは左
右方向に分散するものであっても、全て壁によって遮蔽
できる。それ故、X線検出手段が不要なX線を取り込ん
でしまうことを確実に防止でき、この結果、精度の高い
X線測定結果を得ることができる。
【0021】(7) 上記構成のX線装置において、前
記X線検出手段は2次元X線検出器によって構成でき
る。この2次元X線検出器は、X線を平面的、すなわち
2次元的に検出できる構造のX線検出器であり、例え
ば、X線乾板、X線フィルム、面状蓄積性蛍光体を備え
たX線検出器、面状CCD(Charge Coupled Device)
センサを備えたX線検出器等を用いることができる。
【0022】X線乾板は、比較的硬質で適宜の面積を有
するベース基板の片側表面又は両側表面にハロゲン化銀
を主成分とする乳剤を膜状に設けて成る平面状のX線検
出要素である。X線を露光したX線乾板を現像すること
により、そのX線乾板の表面に2次元的な、すなわち平
面的なX線分布を求めることができる。
【0023】X線フィルムは、プラスチックフィルム、
例えば厚さの薄い可撓性を有するプラスチックフィルム
の片側又は両側表面にハロゲン化銀を主成分とする乳剤
を膜状に設けて成る平面状のX線検出要素である。この
X線フィルムにおいても、X線を露光したX線フィルム
を現像することにより、そのX線フィルムの表面に2次
元的な、すなわち平面的なX線分布を求めることができ
る。
【0024】面状蓄積性蛍光体を備えたX線検出器は、
X線の受光面に面状の蓄積性蛍光体を設けて成る、エネ
ルギ蓄積型の放射線検出要素である。この蓄積性蛍光体
は、蓄積性蛍光体物質、例えばBaFBr:Er2+
微結晶を可撓性フィルム、平板状フィルム、その他の部
材の表面に塗布等によって成膜したものである。この蓄
積性蛍光体は、X線等をエネルギの形で蓄積することが
でき、さらにレーザ光等といった輝尽励起光の照射によ
りそのエネルギを外部に光として放出できる性質を有す
る物体である。
【0025】つまり、蓄積性蛍光体にX線等を照射する
と、その照射された部分に対応する蓄積性蛍光体の内部
にエネルギが潜像として蓄積され、さらにその蓄積性蛍
光体にレーザ光等といった輝尽励起光を照射すると上記
潜像エネルギが光となって外部へ放出される。この放出
された光を光電管等によって検出することにより、潜像
の形成に寄与したX線の回折角度及び強度を測定でき
る。この蓄積性蛍光体は従来のX線フィルムに対して1
0〜60倍程度の感度を有し、さらに10〜10
度に及ぶ広いダイナミックレンジを有する。
【0026】面状CCDセンサを備えたX線検出器は、
CCD、すなわち電荷結合素子をX線受光面に平面的に
配置して成るX線検出器である。CCDは、例えばシリ
コン基板上に複数の電極を絶縁膜を挟んで直線状又は面
状に並べることによって形成された電極アレイを有し、
この電極アレイをX線取込み口に対応して配置したもの
がCCD検出器である。
【0027】電極アレイを構成する個々の電極に対応す
る位置にX線が当たると、当該電極の下に電荷が蓄積さ
れ、さらに電極と基板との間に電圧を次々に与えること
により、蓄積された電荷を転送して外部へ出力するもの
である。
【0028】2次元X線検出器を用いた本発明の構成に
おいては、平面的に分散するX線の全てがその2次元X
線検出器によって同時に検出される。それ故、不要なX
線を検出してしまう可能性も高くなる。従って、この2
次元X線検出器に対して本発明に係るスリット、すなわ
ち上下左右の全方向が壁によって囲まれた複数の空間を
互いに隣接させて形成したスリットを用いれば、2次元
X線検出器が不要なX線で露光されることを確実に防止
できる。
【0029】(8) 上記構成のX線装置は、前記試料
を収容するアタッチメントを有することができ、さら
に、このアタッチメントは前記試料を包囲するカバーを
有することができる。
【0030】(9) 前記アタッチメントとしては、前
記試料の温度を変化させる温度制御用アタッチメント、
前記試料のまわりの湿度を変化させる湿度制御用アタッ
チメント又は前記試料のまわりのガスを大気とは異なる
ガスとする雰囲気調整用アタッチメント等が考えられ
る。
【0031】試料の周囲にアタッチメントを設ける場合
には、そのアタッチメントの外壁にX線が当たって不要
なX線が発生する可能性が高い。よって、何等の措置も
講じなければ、X線検出手段がその不要なX線を取り込
んでしまい、その結果、測定結果の信頼性が低下するお
それがある。これに対し、本発明に係るスリット、すな
わち上下左右の全方向が壁によって囲まれた複数の空間
を互いに隣接させて形成したスリットを用いれば、2次
元X線検出器が不要なX線で露光されることを確実に防
止できる。
【0032】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るX線装置及
び本発明に係るスリットの一実施形態を示している。こ
こに示すX線装置1は、X線を発生するX線源Fと、試
料Sを収容したアタッチメントとしての試料高温装置2
と、蓄積性蛍光体を備えた2次元X線検出器3と、試料
高温装置2とX線検出器3との間に配設されたスリット
4とを有する。
【0033】X線源Fは、例えば、加熱されることによ
って熱電子を放出するフィラメント(図示せず)及びそ
れに対向して配置されたターゲット(図示せず)によっ
て構成できる。また、試料高温装置2は、本体ケーシン
グ6と、その本体ケーシング6に着脱可能に取り付けら
れたカバー7とを有する。カバー7は、例えば、視覚的
に透明であり且つX線を透過できるプラスチックによっ
て形成されている。
【0034】本体ケーシング6の上端には試料板8が設
けられ、この試料板8の上に試料Sが載置される。ま
た、本体ケーシング6の内部には棒状ヒータ9が設けら
れ、この棒状ヒータ9が発熱した場合には試料板8が加
熱され、これにより試料Sの温度が高温に設定される。
【0035】図2は、図1におけるII−II線に従っ
て液晶装置1の側面断面構造を示している。また、図3
は、図1におけるIII−III線に従って液晶装置1
の平面断面構造を示している。スリット4は、図1及び
図3に示すように複数の縦壁11を有し、さらに図1及
び図2に示すように複数の横壁12を有する。これらの
縦壁11及び横壁12は互いに交差するように設けら
れ、これにより、縦壁11と横壁12とによって囲まれ
る複数の空間13が形成される。縦壁11及び横壁12
は、X線を透過させない物質、例えばステンレス等によ
って形成できる。
【0036】上記複数の空間13は、縦方向Z及び横方
向Xの両方向に隣接して配置されており、その結果、ス
リット4の試料Sに対向する面には縦横に隙間無くマト
リクス状に配列された複数の入射用開口14が形成さ
れ、さらに、スリット4のX線検出器3に対向する面に
は同じく隙間無くマトリクス状に配列された複数の出射
用開口16が形成される。
【0037】個々の空間13は、試料S側に面積の小さ
い入射用開口14を有し、X線検出器3側に面積の大き
い出射用開口16を有する。そして、空間13を形成す
る縦壁11及び横壁12は試料Sを中心として放射状に
広がるように配置され、この結果、個々の空間13自体
が試料Sを中心としてX線検出器3に向かって放射状に
広がっている。
【0038】試料SからX線が発生する場合には、その
X線は個々の空間13の中心線に沿って該空間13内を
進行してX線検出器3に到達して該X線検出器3を露光
する。本実施形態では、縦壁11及び横壁12が互いに
略直角に交差しており、その結果、個々の空間13の断
面は矩形状、すなわち長方形状又は正方形状に形成され
ている。但し、空間13の断面形状はその他の四角形、
円形、三角形、その他任意の形状に形成することもでき
る。なお、当然のことながら、空間13の断面形状がど
のように設定されたとしても、1つの空間13とそれに
隣接する空間13との間はX線が透過できないように設
定される。
【0039】本実施形態に係るX線装置1は上記のよう
に構成されているので、図2において、X線源Fから放
射されたX線R0は発散規制スリット17によってその
進行方向が規制されて、試料高温装置2のカバー7を通
過して試料Sへ入射する。X線R0の試料Sへの入射角
度θは、試料Sをω軸線を中心として回転させることに
よって変化させることができる。
【0040】試料Sは、棒状ヒータ9によって加熱され
て所定の高温に設定されている。試料Sの結晶格子面と
それに入射するX線R0の入射角度θとの間でブラッグ
の回折条件が満足されると、試料Sから回折X線R1が
発生する。回折X線R1を希望する方向に取り出したい
場合には、試料Sをφ軸線を中心として適宜の角度だけ
回転させることにより、それを達成できる。
【0041】試料Sから発生した回折X線R1は、試料
Sに固有の回折角度2θの所に発生するが、この回折X
線R1は試料Sを中心として放射状に延びる空間13の
中を通って蓄積性蛍光体型の2次元X線検出器3に到達
してそれを露光し、その露光点にエネルギ潜像が形成さ
れる。試料SにX線R0が入射するとき、その入射X線
R0は試料高温装置2のカバー7を通過し、その通過時
にカバー7から散乱X線が発生する。
【0042】この散乱X線は、試料Sから発生する測定
対象としてのX線ではない、不要なX線であるが、何も
しなければX線検出器3の所まで進行してそのX線検出
器3を露光してデータとして蓄積されてしまう。こうな
ると、試料Sとは無関係なデータが採取されたり、バッ
クグラウンドが高くなったりして、測定結果の信頼性が
低下する。
【0043】このことに対し、本実施形態では、試料S
とX線検出器3との間に縦壁11及び横壁12を配置し
たので、不要なX線はそれらの壁によってその進行が阻
止され、その結果、試料Sからの回折X線以外の不要な
X線がX線検出器3に到達してそれを露光することを防
止できる。この結果、X線検出器3には、試料Sからの
回折線情報だけが鮮明に記録される。
【0044】特に本実施形態では、測定対象である回折
X線が通過する空間13の上下及び左右の全周方向が縦
壁11及び横壁12によって囲まれるので、カバー7あ
るいはその他の試料以外の物体から発生する不要なX線
は、それが縦方向に分散するものであっても、あるいは
横方向に分散するものであっても、必ず、縦壁11又は
横壁12によって遮蔽される。これにより、試料Sから
のX線だけを明確に検出することができる。
【0045】以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を
説明したが、本発明はその実施形態に限定されるもので
なく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変
できる。
【0046】例えば、図1において、試料Sの周りに配
置される試料高温装置2は、図1に示した構造以外の構
造とすることができる。また、試料Sの周りに配設され
るアタッチメントとしては、試料高温装置に限られず、
試料Sを室温よりも低温に維持する試料低温装置や、試
料Sの温度を所定のプログラムに従って変化させる温度
制御装置や、試料Sのまわりの湿度を変化させる湿度制
御装置や、試料Sのまわりのガスを大気とは異なるガス
とする雰囲気調整装置等とすることができる。とにか
く、試料Sを包囲するカバーが用いられる場合には、本
発明を適用することにより、測定結果の信頼性を高める
ことができる。
【0047】また、空間13のX線進行方向と直角方向
の断面形状は、図1に示したような矩形状に限られず、
その他の四角形、円形、三角形、その他任意の形状に形
成することもできる。
【0048】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係るス
リット及びX線装置によれば、試料から発生した測定対
象であるX線は空間を通ってX線検出手段に到達してカ
ウントされる。一方、試料以外の物質から発生した不要
なX線は、上記の空間を形成する壁によって遮蔽されて
X線検出手段に到達することを阻止される。このとき、
壁は上下左右の全周にわたって設けられるので、不要な
X線はそれが上下方向に分散するものであっても、ある
いは左右方向に分散するものであっても、全て壁によっ
て遮蔽できる。それ故、X線検出手段が不要なX線を取
り込んでしまうことを確実に防止でき、この結果、精度
の高いX線測定結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスリット及びX線装置の一実施形
態を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線に従ってX線装置の側面断
面構造を示す図である。
【図3】図1のIII−III線に従ってX線装置の平
面断面構造を示す図である。
【図4】従来のX線装置の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 X線装置 2 試料高温装置(アタッチメント) 3 X線検出器 4 スリット 6 本体ケーシング 7 カバー 8 試料板 9 棒状ヒータ 11 縦壁 12 横壁 13 空間 14 入射用開口 16 出射用開口 17 発散規制スリット F X線源 R0 入射X線 R1 回折X線 S 試料 θ X線入射角度 2θ X線回折角度

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料とX線検出手段との間に設けられる
    X線装置用スリットにおいて、 前記試料に対向して入射用開口を有し前記X線検出手段
    に対向して出射用開口を有するように前記試料と前記X
    線検出手段との間で上下左右を壁によって区画された複
    数の空間を有し、 該複数の空間は互いに隙間無く隣接して配置され、 該複数の空間の個々は、前記試料から前記X線検出手段
    に向かって前記試料を中心として放射状に広がることを
    特徴とするX線装置用スリット。
  2. 【請求項2】 試料とX線検出器との間に設けられるX
    線装置用スリットにおいて、 前記試料を中心として放射状に配置された複数の縦壁
    と、 該複数の縦壁に交差すると共に前記試料を中心として放
    射状に配置された複数の横壁とを有することを特徴とす
    るX線装置用スリット。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記複数の縦壁と前
    記複数の横壁は互いに隙間無く隣接して配置された複数
    の空間を形成し、 これらの空間の個々は、前記試料から前記X線検出手段
    に向かって前記試料を中心として放射状に広がることを
    特徴とするX線装置用スリット。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3の少なくともいず
    れか1つにおいて、X線の進行方向に対して直角方向の
    前記空間の断面は矩形状であることを特徴とするX線装
    置用スリット。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4の少なくともいず
    れか1つにおいて、前記試料に対向して複数の入射用開
    口が互いに隙間無くマトリクス状に配列され、前記X線
    検出器に対向して複数の出射用開口が互いに隙間無くマ
    トリクス状に配列され、さらに、前記出射用開口の面積
    は前記入射用開口の面積よりも大きいことを特徴とする
    X線装置用スリット。
  6. 【請求項6】 試料に照射するX線を発生するX線源
    と、前記から発生するX線を検出するX線検出手段と、
    前記試料と前記X線検出手段との間に配置されるスリッ
    トとを有し、 該スリットは、請求項1から請求項5に記載したスリッ
    トによって構成されることを特徴とするX線装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記X線検出手段は
    2次元X線検出器を有することを特徴とするX線装置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は請求項7において、前記試
    料を収容するアタッチメントを有し、該アタッチメント
    は前記試料を包囲するカバーを有することを特徴とする
    X線装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記アタッチメント
    は、前記試料の温度を変化させる温度制御用アタッチメ
    ント、前記試料のまわりの湿度を変化させる湿度制御用
    アタッチメント又は前記試料のまわりのガスを大気とは
    異なるガスとする雰囲気調整用アタッチメントであるこ
    とを特徴とするX線装置。
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