JP2003147812A - 金属摩耗部の補強構造および補強方法 - Google Patents

金属摩耗部の補強構造および補強方法

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JP2003147812A
JP2003147812A JP2001346534A JP2001346534A JP2003147812A JP 2003147812 A JP2003147812 A JP 2003147812A JP 2001346534 A JP2001346534 A JP 2001346534A JP 2001346534 A JP2001346534 A JP 2001346534A JP 2003147812 A JP2003147812 A JP 2003147812A
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metal
reinforcing
wear
reinforcing material
metal surface
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Haruto Nishi
治人 西
Noboru Takano
昇 高野
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KYUKEN SERVICE KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バケットなど摩耗の激しい面を別の機能や摩
擦の対象物を損なわないように、かつ簡単で経済的に補
強できるようにした技術を提供する。 【解決手段】 被処理物または硬質物へ接触することに
より金属面の摩耗が集中的に発生する部位に、金属面よ
り硬質な補強材を金属面と表面を略同一にして埋め込み
一体化した構成とし、バケットの切り刃2の刃部3に沿
って溝9を設け、溝9を溶接によって埋め戻す際、溶融
金属10と共にタングステンカーバイド粒8を切り刃2
の表面6と略同一面となるまで充填して硬化させること
により切り刃2の表面6と同一面の補強材4を設けても
よい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属摩耗部の補強
構造および補強方法に関し、特に法面バケットの法面形
成など複数有する機能面でも損なわないように摩耗部が
補強できる補強構造および補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バケットの切り刃や爪は常時砂や
岩石、コンクリート等と摩擦して摩耗する状態にある。
摩耗が激しくなると切り取り効率が悪くなったり、破損
する危険性があるから、部品であれば取り換えたり着脱
の利かない部分は切断してその部分を再製することが行
なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の方法では、摩耗の都度部品を取り換えると部品代や
工賃が嵩み不経済であるし、着脱の利かない部分を切断
して再製するものでは大変な手間が係り仕上がりも悪く
なる場合があるなどの問題があった。また、法面バケッ
トなどでは土壌の切り取りと法面を奇麗に仕上げるとい
う二つの機能を有しており、切り取りで摩耗する面を補
強することによって別の機能、つまり法面を奇麗に仕上
げるという機能を妨げてはならない。また、同様のこと
であるが、生コン製造工場などではヤードに貯留した細
骨材をバケットですくい取って搬送する際にバケットの
切り刃がコンクリートの床と摩擦して摩耗するが、この
摩擦面に突状に肉盛りしたり摩擦面にそのまま補強材を
あてがうと、この補強材によって逆にコンクリートの床
がえぐり取られるという別の問題が生じてくる。
【0004】本発明は、上述のような従来の問題点を解
決するために成されたものであって、その目的とすると
ころは、バケットなど摩耗の激しい面を別の機能や摩擦
の対象物を損なわないように、かつ簡単で経済的に補強
できるようにした金属摩耗部の補強構造および補強方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明請求項1記載の金属摩耗部の補強構造にあ
っては、被処理物または硬質物へ接触することにより金
属面の摩耗が集中的に発生する部位に、該金属面より硬
質な補強材を該金属面と表面を略同一にして埋め込み一
体化したことを特徴とする。
【0006】請求項2記載の金属摩耗部の補強構造にあ
っては、請求項1に記載の金属摩耗部の補強構造におい
て、被処理物または硬質物への接触により摩耗を受ける
金属面がバケットの切り刃または爪の先端部分であるこ
とを特徴とする。
【0007】請求項3記載の金属摩耗部の補強構造にあ
っては、請求項1または請求項2に記載の金属摩耗部の
補強構造において、補強材が摩耗の発生する金属面より
硬質なタングステン合金からなる金属粒と、該金属粒を
多数含有し前記金属面の形成材と一体に固着されている
固着用金属からなることを特徴とする。
【0008】請求項4記載の金属摩耗部の補強方法にあ
っては、被処理物または硬質物へ接触することにより金
属面の摩耗が集中的に発生する部位に凹部を設け、該凹
部を溶接によって埋め戻し、その埋め戻しの際、溶融金
属と共に硬質金属粒を前記金属面と略同一面となるまで
充填して硬化させることにより金属面と同一面の補強部
を設けることを特徴とする。
【0009】
【発明の作用および効果】本発明請求項1記載の金属摩
耗部の補強構造では、上述のように、金属面摩耗が集中
的に発生する部位に補強材を埋め込み一体化しその表面
を金属面と略同一としていることにより、金属面と略同
一となって露出した補強材の表面が、その金属面と一体
となって摩擦相手先に面合し合う。従って、本発明の金
属摩耗部の補強構造にあっては、上記構成としたため、
金属面と同一面に設けられた補強材の表面が摩擦に対し
て抵抗し金属面を保護することができる。補強材は金属
面より内部に埋め込まれていることから、被処理物や床
に衝突することによる表面と平行方向の激しい衝撃力や
表面方向から受ける衝撃力に対しては金属面形成材側が
受けて補強材を保護していくことにより、金属摩耗部の
耐久性を伸ばすことができるなどの効果が得られる。ま
た、補強材が金属面から突出するのではないから、各部
の寸法を変更することなく使用することができるという
効果も得られる。
【0010】請求項2記載の金属摩耗部の補強構造で
は、上述のように、摩耗を受ける金属面がバケットの切
り刃または爪の先端部分であり、補強材は切り刃または
爪の先端部分にその表面を同一にしながら埋設されてい
る。バケットの使用状態において、バケットの切り刃
は、例えば生コン製造工場ではコンクリートの床面と、
バケットの爪は砕石場の原石や砕石と、特にその先端部
分が激しく摩擦するが、切り刃や爪の表面と同一面に設
けられた補強材の表面が摩擦に対して抵抗し切り刃や爪
の表面を保護する。従って、本発明の金属摩耗部の補強
構造にあっては、上記構成としたため、切り刃や爪の表
面と同一面に設けられた補強材の表面が摩擦に対して抵
抗し切り刃や爪が摩耗していくのを防止することができ
る。補強材は切り刃や爪の表面より内部に埋め込まれて
いることから、コンクリート床面上での使用では、コン
クリートを切削したり破損させるのを防止することがで
きる。法面バケットの場合では、補強材に泥が積層せず
良好な法面形成を行なうことができる。コンクリートや
砕石などに衝突することによる激しい衝撃力は切り刃や
爪自体が受け、また、補強材の表面に対向する側から受
ける衝撃力に対しては切り刃表面または爪表面側が広く
受けて補強材を保護することにより、バケットの切り刃
または爪の耐久性、即ちバケットの耐久性を伸ばすこと
ができるなどの効果が得られる。
【0011】請求項3記載の金属摩耗部の補強構造で
は、上述のように、補強材は金属面の形成材と一体に固
着された固着用金属にタングステン合金からなる金属粒
を多数含有した状態に形成されていることにより、補強
材表面にはタングステン合金の粒子を多数露出させた状
態となっている。従って、本発明の金属摩耗部の補強構
造にあっては、上記構成としたため、金属摩耗部表面と
同一面で露出したタングステン合金の粒子が摩擦力に対
抗し金属摩耗部表面を摩耗から強力に保護することがで
きるという効果が得られる。
【0012】請求項4記載の金属摩耗部の補強方法で
は、上述のように、金属面に凹部を設けて溶接金属によ
って埋め戻し、その溶接を行なう際に、溶融金属に硬質
金属粒を供給して金属面と略同一面となるまで充填して
埋め戻すことにより、表面に硬質金属粒が表出した補強
部を設ける。従って、本発明の金属摩耗部の補強方法に
あっては、上記方法としたため、金属面の摩耗を防止す
る補強部を必要個所に極めて容易に設けることができ
る。金属摩耗部を有する対象物の大きさ、稼働率、衝撃
力の大きさ、使用形態など諸条件にマッチした深さ、
幅、長さなどを有した補強部を容易に形成することがで
きるなどの効果が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳述する。図1は本実施の形態のバケットを
示しており、(イ)はバケットを示す側面図、(ロ)は
切り刃の一部を示す拡大側面図、図2(イ)は切り刃を
示す背面図、(ロ)は同平面図であり、図中1はバケッ
ト本体である。前記バケット本体1は、生コン製造工場
などのタイヤショベル(図示せず)で細骨材などの運搬
を行なうもので、開口部下部に板状の切り刃2を取付け
て使用される。
【0014】前記切り刃2は、バケット本体1にボルト
締結して着脱自在に固定される構造とし、高張力鋼板で
矩形状に形成され先端部には刃部3が設けられている。
4は摩耗防止用の補強材であり、刃部3の上面に1条、
刃部3の下面に2条設けられている。前記摩耗防止用の
補強材4は刃部3の全長に渡って設けられ、詳細には表
面5を切り刃2の補強部分における表面6と略同一面内
とし、かつ端縁においては母材縁部7を設けて5mm程
度埋め込み状態にして形成されている。この補強材4は
刃部3より硬質なタングステンカーバイドの粒子8を金
属で固着したものである。
【0015】次に、バケット用切り刃の摩耗に対する補
強方法を説明する。図3は切り刃2の補強方法を示す説
明図であり、予め、切り刃2の刃部3において、端縁に
母材縁部7(図1、2参照)を設けて幅bが略25m
m、深さhが略5mmの溝9を上面に1条、下面に2条
設けておく。次に、自動または半自動溶接機により前記
溝9内を溶融金属10で埋め戻していく。図中11は溶
接機のノズルである。前記ノズル11の直後には送給管
12を同調して走らせ、この送給管12からタングステ
ンカーバイドの粒8を溶融金属10に適当量づつ供給し
ていく。この溶融金属10とタングステンカーバイドの
粒8により埋め戻し部分の表面5が母材の表面6と同一
となるように設けることにより、刃部3上面に補強材4
を1条、下部に補強材4を2条設けることができる。
【0016】次に、本実施の形態の作用・効果を説明す
る。本実施の形態のバケットは、上述のように切り刃2
の刃部3において、タングステンカーバイドの粒子13
を含有する補強材4が上面に1条、下面に2条設けられ
ている。このバケットを生コン製造工場で使用する場
合、細骨材をすくい取る時、切り刃2の表面(底面)6
がコンクリート床に接触しても、補強材4は表面6から
突出していないので、補強材4がこのコンクリート床を
削る事がなく、コンクリート床を保護することができ
る。
【0017】また、細骨材をすくい取る時、切り刃2の
表面6がコンクリート床と摩擦するが、補強材4の表面
5がこの表面6と同一面となっていることから、補強材
4が摩擦力に対抗し、切り刃2の表面6が摩耗するのを
防止することができる。作業中バケット操作により切り
刃2における刃部3をコンクリート床に衝突させた場
合、コンクリート床面には縁部7が衝突して衝撃力は切
り刃2自体が受けるから、補強材4を衝撃力から保護す
ることができる。
【0018】本実施の形態の金属摩耗部の補強方法で
は、摩耗部に予め設けた溝9を溶接にて埋め戻し、その
埋め戻しの際に溶融金属10にタングステンカーバイド
の粒子を供給して固着させるだけであるから、高度の溶
接技術があれば誰でも簡単な手順で設けることができ
る。また、補強材4は必要個所に極めて容易に設けるこ
とができる。特定のバケットの大きさ、稼働率、衝撃力
の大きさ、使用形態など諸条件にマッチした深さ、幅、
長さなどを有した過不足のない補強材4を設け耐用期間
の長いバケットを簡単に経済的に得ることができる。
【0019】以上、本発明の実施の形態を図面により説
明したが、具体的な構成は前記実施の形態に限定される
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更
などがあっても本発明に含まれる。例えば、図4は爪1
5に補強材4を設けた場合を示しており、この場合も先
端部に母材縁部7を設けてその表面6と同一面内に補強
材4の表面5を配置させている。この補強材4も溝9に
溶融金属とタングステンカーバイドの粒子を充填して設
けたものである。補強材は法面バケットの切り刃にも設
けることができる。この場合は、補強材が切り刃に埋め
込み状態となっているから、切り刃の摩耗に対して補強
すると共に、法面形成時に底面に突出部がないことと補
強材に泥が積層しないことから、誰でも奇麗な法面を形
成することができる。摩耗に対する補強はバケットに限
らず、ジョークラッシャの刃、土木機械の各種ブレード
などに採用することができる。補強材の形状、形成方法
は任意である。金属粒はタングステンカーバイドに限定
されず、母材より固いものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態のバケットを示し、(イ)は
側面図、(ロ)はバケットの切り刃の一部を示す拡大図
である。
【図2】(イ)は実施の形態の切り刃を示す背面図、
(ロ)は同平面図である。
【図3】実施の形態の切り刃の補強方法を示す説明図で
ある。
【図4】他の実施の形態の摩耗部を補強した爪を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 バケット本体 2 切り刃(金属摩耗部) 3 刃部(金属摩耗部) 4 補強材 5 補強材の表面 6 切り刃の表面 7 母材縁部 8 タングステンカーバイド(タングステン合金) 9 溝 10 溶融金属 11 ノズル(溶接) 12 送給管(金属粒の充填)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物または硬質物へ接触することに
    より金属面の摩耗が集中的に発生する部位に、該金属面
    より硬質な補強材を該金属面と表面を略同一にして埋め
    込み一体化したことを特徴とする金属摩耗部の補強構
    造。
  2. 【請求項2】 被処理物または硬質物への接触により摩
    耗を受ける金属面がバケットの切り刃または爪の先端部
    分であることを特徴とする請求項1に記載の金属摩耗部
    の補強構造。
  3. 【請求項3】 補強材が摩耗の発生する金属面より硬質
    なタングステン合金からなる金属粒と、該金属粒を多数
    含有し前記金属面の形成材と一体に固着されている固着
    用金属からなることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の金属摩耗部の補強構造。
  4. 【請求項4】 被処理物または硬質物へ接触することに
    より金属面の摩耗が集中的に発生する部位に凹部を設
    け、該凹部を溶接によって埋め戻し、その埋め戻しの
    際、溶融金属と共に硬質金属粒を前記金属面と略同一面
    となるまで充填して硬化させることにより金属面と同一
    面の補強部を設けることを特徴とする金属摩耗部の補強
    方法。
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Cited By (1)

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