JP2003146998A - 生理活性ペプチド - Google Patents

生理活性ペプチド

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JP2003146998A
JP2003146998A JP2001347339A JP2001347339A JP2003146998A JP 2003146998 A JP2003146998 A JP 2003146998A JP 2001347339 A JP2001347339 A JP 2001347339A JP 2001347339 A JP2001347339 A JP 2001347339A JP 2003146998 A JP2003146998 A JP 2003146998A
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epimorphin
thr
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エピモルフィンに結合してその活性を制御す
ることができる物質を提供すること。 【解決手段】 少なくともアミノ酸配列Leu-Leu-Thr-Se
r-Serを含み、エピモルフィン結合能を有し、20以下
のアミノ酸残基から成る、エピモルフィン活性制御オリ
ゴペプチド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生理活性ペプチドに
関する。より詳細には、本発明は、毛成長促進作用を有
するエピモルフィンに結合してその生理活性を制御する
ことができるオリゴペプチド、並びに該オリゴペプチド
を有効成分として含む医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】上皮組織の正常な形態形成は上皮組織の
周りに存在する間充織細胞由来の因子による制御を受け
ていることが示唆されており、また、上皮組織の形態形
成異常に起因する疾患の多くが間充織細胞の異常を原因
としていることから、間充織細胞が上皮組織の形態形成
を制御するメカニズムの解明に興味がもたれている。し
かしながら、上皮組織の形態形成の制御に関与する物質
群は複雑な系の中で時間的及び空間的な制御を受けて発
現されており、それらの物質を単離して機能を解析する
ことは極めて困難であること、また、上皮組織の形態形
成を単純化したモデル実験系の構築も難しいことなどの
理由から、この分野の研究には今日まで大きな進展が見
られていない。上皮組織の形態形成に起因する疾患の発
症機序の解明やそれらの疾患の治療方法の確立などのた
めに、上皮組織における形態形成の制御メカニズムの解
析が切望されていた。
【0003】このような状況下にあって、上皮組織の形
態形成の制御に関与するエピモルフィン (epimorphin)
が分離・精製された(特開平6-25295 号公報)。この物
質は277 ないし 289個のアミノ酸からなる蛋白質をコア
・蛋白質とする生理活性物質であり、主として間充織細
胞により生合成されていることが明らかにされた。ま
た、エピモルフィンは、上皮細胞に作用して上皮組織の
形態形成を促進する作用を有していること、並びにエピ
モルフィンが機能しない場合には正常な組織形成が行わ
れないことも明らかにされた。
【0004】エピモルフィンの構造については、エピモ
ルフィン分子が構造上大きく4個のフラグメントに分け
られることが見いだされている(欧州特許公開第069866
6 号)。すなわち、エピモルフィンの全長を構成するポ
リペプチドは、N末端側より、コイルドコイル領域
(1)、機能ドメイン(2)、コイルドコイル領域(3)、及び
C末端の疎水性領域に分けることができる。これらのフ
ラグメントのうち、機能ドメイン(ヒト・エピモルフィ
ンではN末端より104 番目から187 番目のアミノ酸によ
り特定される領域)については、この領域が細胞接着に
関与しており、エピモルフィンの生理活性の発現に密接
にかかわっていることが示唆されている(上掲欧州特許
公開)。
【0005】エピモルフィンが正常な形態形成を促進す
る作用を有することから、この物質は、形態形成の異常
に起因する疾患などの予防や治療のための医薬や、又は
育毛剤などの医薬の有効成分として有用であることが期
待される。しかしながら、哺乳類動物から得られた天然
型エピモルフィンは生理食塩水などの水性媒体に難溶で
あり、医薬として実用に供することが困難であった。こ
のため、天然型エピモルフィンの形態形成促進作用を実
質的に保持しつつ、溶解性に優れたエピモルフィン誘導
体を創製する試みがなされている。例えば、C末端部の
疎水性領域を除去した改変体(フラグメント123)など
が知られている(特開平6-25295 号公報)。エピモルフ
ィンの部分構造を有するポリペプチドが上皮細胞に作用
して上皮組織の形態形成を促進することが知られている
(国際公開WO98/22505号)。このポリペプチドは生理食
塩水などの水性媒体に溶解可能なポリペプチドであり、
上記刊行物には、該ポリペプチドが毛成長促進作用を有
することが教示されている。
【0006】上記したようにエピモルフィンについての
研究は種々行なわれているが、エピモルフィンに結合し
てその活性を制御する物質についてはこれまでの所、報
告されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、エピ
モルフィンに結合してその活性を制御することができる
物質を提供することにある。また、本発明の別の課題
は、エピモルフィンに結合してその活性を制御する物質
を有効成分として含む医薬を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決すべく鋭意努力した結果、少なくともアミノ酸配列
Leu-Leu-Thr-Ser-Serを含むオリゴペプチドがエピモル
フィンと結合して、その生理活性を制御できることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明によれば、少なくともアミ
ノ酸配列Leu-Leu-Thr-Ser-Serを含み、エピモルフィン
結合能を有し、20以下のアミノ酸残基から成る、エピ
モルフィン活性制御オリゴペプチドが提供される。本発
明の好ましい態様によれば、下記(1)から(3)の何
れかのアミノ酸配列から成るエピモルフィン活性制御オ
リゴペプチドが提供される。 Leu-Leu-Thr-Ser-Ser-Lys-Ala (1) Leu-Leu-Thr-Ser-Ser-Lys (2) Leu-Leu-Thr-Ser-Ser (3) 本発明の別の側面によれば、上記した本発明のオリゴペ
プチド又は生理学的に許容されるそれらの塩を有効成分
として含む医薬が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明のオリゴペプチドは、少なく
ともアミノ酸配列Leu-Leu-Thr-Ser-Serを含み、エピモ
ルフィン結合能を有し、20以下のアミノ酸残基から成
るものである。アミノ酸残基の数は、エピモルフィン結
合能を有する限り、5から20の範囲内の任意の数とす
ることができる。アミノ酸残基の数は好ましくは5から
15であり、より好ましくは5から12であり、さらに
好ましくは5から10であり、特に好ましくは5、6ま
たは7である。
【0011】6以上のアミノ酸残基を有するオリゴペプ
チドの場合、アミノ酸配列Leu-Leu-Thr-Ser-SerのN末
端側および/またはC末端側に、合計のアミノ酸残基数
が6から20の範囲内になるように、1〜14個のアミ
ノ酸残基から成るアミノ酸配列が付加される。付加され
るアミノ酸配列は、得られるオリゴペプチドがエピモル
フィン結合能を有する限りは特に限定されず、任意のア
ミノ酸配列を選択することができる。
【0012】本発明の特に好ましい態様によれば、以下
の(1)から(3)の何れかのアミノ酸配列から成るエ
ピモルフィン活性制御オリゴペプチドが提供される。 Leu-Leu-Thr-Ser-Ser-Lys-Ala (1)(配列番号1) Leu-Leu-Thr-Ser-Ser-Lys (2)(配列番号2) Leu-Leu-Thr-Ser-Ser (3)(配列番号3)
【0013】上記した本発明のオリゴペプチドが、エピ
モルフィンと結合能を有することは、本明細書の実施例
に詳細かつ具体的に記載した試験方法によって、又は上
記試験方法に適宜の改変や修飾を加えることにより、当
業者が容易に確認可能である。具体的には、エピモルフ
ィンまたはその断片と本発明のオリゴペプチドとを好適
な条件下で接触させることにより両者を結合させ、次い
で、結合により生成した複合体を検出することにより両
者の結合の程度を確認することができる。検出のために
は、エピモルフィンまたはその断片、あるいは本発明の
オリゴペプチドの何れかを標識しておくことが好まし
い。エピモルフィンまたはその断片と本発明のオリゴペ
プチドとの結合反応後に、非特異的に結合した成分を除
去し、結合体に存在する該標識を検出することにより、
結合の程度を測定することができる。
【0014】また、上記したオリゴペプチドが、エピモ
ルフィンと結合してその生理活性を制御することができ
ることも、本明細書の実施例に詳細かつ具体的に記載し
た試験方法によって、又は上記試験方法に適宜の改変や
修飾を加えることにより、当業者が容易に確認可能であ
る。なお、本明細書において、生理活性を制御すると言
う場合、それは、生理活性を抑制する場合と増大する場
合の何れをも包含する意味を有する。このような方法の
具体例としては、以下の方法が挙げられるがこれらに限
定されるものではない。
【0015】(1)C3HやC57BL/6マウスは生後45日から
95日前後まで約50日間休止期が続くことが知られてい
る。また、休止期ではピンク、成長期ではグレー又はク
ロと皮膚の色が変化するため、毛周期の判定が容易であ
る。このマウスを使用し、被験物質の投与により、成長
期への移行が促進されるか否か評価することにより、育
毛活性を評価することが可能である。
【0016】(2)上皮性の新生毛包に存在する抗原
(例えば、約220kDaの抗原が挙げられる)を特異
的に認識するモノクローナル抗体(例えば、受託番号F
ERMP−18578を有するハイブリドーマが産生す
るモノクローナル抗体)またはその断片を用いて育毛活
性を評価することができる。より具体的には、生体由来
の皮膚組織を被験物質の存在下で培養し、該皮膚組織片
を回収し、上記のモノクローナル抗体またはその断片と
反応させ、皮膚組織片と反応した該モノクローナル抗体
またはその断片を検出または測定することにより、上皮
性の新生毛包に存在する抗原の発現量を測定し、育毛活
性を評価することができる。
【0017】本発明のオリゴペプチドは、各種の官能基
で修飾された修飾オリゴペプチドでもよい。修飾オリゴ
ペプチドにおける「修飾」という用語は、化学的修飾及
び生物学的修飾を含めて最も広義に解釈しなければなら
ない。修飾の例としては、例えば、アルキル化、エステ
ル化、ハロゲン化、又はアミノ化などの官能基導入、酸
化、還元、付加、又は脱離などによる官能基変換、糖化
合物(単糖、二糖、オリゴ糖、若しくは多糖)又は脂質
化合物などの導入、リン酸化、あるいはビオチン化など
を挙げることができるが、これらに限定されることはな
い。
【0018】好ましい修飾オリゴペプチドとしては、ビ
オチン化されたオリゴペプチドを挙げることができ、よ
り好ましくは修飾オリゴペプチドとして、スペーサーを
介して又はスペーサーを介さずにビオチンがN-末端に結
合したオリゴペプチドを挙げることができる。上記の修
飾オリゴペプチドにおいて、ビオチンには所望の生理活
性を損なわない限りにおいて適宜の化学的修飾が施され
ていてもよい。適宜の長さのスペーサーを介してビオチ
ンをオリゴペプチドのN-末端に導入するためには、例え
ば、NHS-Biotin又はNHS-LC-Biotin(いずれピアース社か
ら入手できる)などを用いることができる。
【0019】また、別の修飾オリゴペプチドとしては、
オリゴペプチド中のシステイン残基のスルフヒドリル基
により二量化したオリゴペプチドを挙げることができ
る。二量化したオリゴペプチドとしては、同一のオリゴ
ペプチドを架橋することにより得られるホモ二量体オリ
ゴペプチドでもよいし、異なる2種類のオリゴペプチド
を架橋することにより得られるヘテロ二量体オリゴペプ
チドでもよい。ホモ二量体又はヘテロ二量体オリゴペプ
チドは、上記した本発明の何れかのオリゴペプチドを架
橋剤を用いて架橋することにより得ることができる。
【0020】本発明で用いる架橋剤として好ましくは、
オリゴペプチド中のシステイン残基のスルフヒドリル基
を活性化して、他のオリゴペプチド中のシステイン残基
のスルフヒドリル基と共有結合を形成することができ
る、二官能性架橋剤を挙げることができる。
【0021】本発明で用いることができる二官能性架橋
剤の具体例としては、ビスマレイミド化合物が挙げら
れ、例えば、水酸基などの置換基を有していてもよい低
級アルキル基(例えば、炭素数1から10、より好まし
くは炭素数1から8のアルキル基)の両末端にマレイミ
ド基のN原子が結合している化合物を挙げることができ
る。ビスマレイミド化合物の具体例としては、1,4−
ビスマレイミジル−2,3−ジヒドロキシブタン、1,
6−ビスマレイミドヘキサン、ビスマレイミドエタン、
及び1,4−ビスマレイミドブタンなどが挙げられる。
【0022】さらに、上記した本発明の何れかのオリゴ
ペプチド(改変オリゴペプチドや修飾オリゴペプチドを
含む)中のシステイン残基に架橋剤が結合している、単
量体オリゴペプチドも本発明の範囲内である。
【0023】さらに、上記オリゴペプチドの二量体のみ
ならず、三量体以上の多量体も本発明の範囲に包含され
る。例えば、S-S結合により二量化したオリゴペプチド
がさらに別のオリゴペプチドとS-S結合などにより架橋
することにより形成した三量体以上の多量体も本発明の
範囲に包含される。
【0024】上記した各種のオリゴペプチドは遊離形態
であってもよいが、酸付加塩又は塩基付加塩として提供
されてもよい。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫
酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの鉱酸塩;又は、p-トルエ
ンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、クエン酸塩、蓚
酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩などの有機酸塩を挙げる
ことができる。塩基付加塩としては、例えば、ナトリウ
ム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩など
の金属塩;アンモニウム塩;メチルアンモニウム塩、ト
リエチルアンモニウム塩などの有機アンモニウム塩を挙
げることができる。グリシンなどのアミノ酸と塩を形成
する場合もあり、また、分子内で対イオンを形成するこ
ともある。
【0025】さらに、これらのオリゴペプチド又はその
塩は、水和物又は溶媒和物として存在する場合がある。
上記オリゴペプチドは複数の不斉炭素を有している。各
不斉炭素の立体は特に限定されないが、アミノ酸残基は
L-アミノ酸であることが望ましい。これらの不斉炭素に
基づく光学活性体、ジアステレオ異性体などの立体異性
体、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などはいずれ
も本発明の範囲に包含される。
【0026】本発明のオリゴペプチドは、ペプチド合成
に通常用いられる固相法および液相法などの化学的手法
により合成することができる。ペプチド合成におけるア
ミノ基等の保護基および縮合反応の縮合剤については種
々の成書があり、それらを参照することができる。固相
法では市販の各種ペプチド合成装置を利用することがで
きる。必要に応じて、官能基の保護及び脱保護を行うこ
とにより効率的に合成を行うことができる。保護基の導
入及び脱離方法については、例えば、プロテクティブ・
グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protec
tive Groups inOrganic Synthesis)、グリーン(T. W.
Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・イ
ンコーポレイテッド(John Wiley & Sons, Inc.)(198
1年)などを参照することができる。
【0027】また、通常の遺伝子発現操作等の生物学的
手法に従って、上記オリゴペプチドをコードするDNA 配
列を含む組み換えベクターを製造した後、該ベクターに
より形質転換された微生物(形質転換体)を調製し、該
形質転換体を培養した培養物から所望のオリゴペプチド
を分離・精製することができる。もっとも、上記オリゴ
ペプチドの製造方法はこれらの化学的方法及び生物学的
方法に限定されることはない。また、化学的修飾又は生
物学的修飾などを含めて修飾オリゴペプチドの製造方法
は当業者に周知されており、いかなる方法を用いてもよ
い。
【0028】本発明のオリゴペプチドは、エピモルフィ
ンの機能解明の実験系においてエピモルフィンの活性を
制御するための試薬として用いることができる。さら
に、本発明のオリゴペプチドは、医薬の有効成分として
有用である。本明細書における医薬という用語は、ヒト
を含む哺乳類の病気の予防又は治療のほか、医薬部外品
として分類される場合がある毛成長促進剤などを含めて
最も広義に用いる。
【0029】本発明のオリゴペプチドは特に、発毛制御
剤として使用することができ、より具体的には、毛成長
促進剤または毛成長抑制剤として使用することができ
る。本明細書において用いられる「毛成長促進剤」とい
う用語は、育毛促進、発毛促進、及び脱毛予防などを含
めて最も広義に解釈すべきであり、いかなる意味におい
ても限定的に解釈してはならない。本明細書において用
いられる「毛成長抑制剤」という用語は、育毛抑制、発
毛抑制、及び脱毛促進などを含めて最も広義に解釈すべ
きであり、いかなる意味においても限定的に解釈しては
ならない。
【0030】本発明の医薬の投与対象、薬効、並びに本
発明の医薬による治療の対象疾患のその他の具体例を以
下に列挙する。 (1)本発明のオリゴペプチドは、血管再生作用、再生
促進作用、心臓血管再生作用、血管内皮細胞誘導作用な
どを示し、慢性閉塞性動脈硬化症、バージャー病、重症
狭心症、動脈硬化症などの治療及び予防に有用である
(Exp Cell Res 1996 Jan 10, 222(1):189-98) (2)本発明のオリゴペプチドは、膵臓上皮の形態形成
に関与し、糖尿病などの治療および予防に有用である
(J Cell Biol 2001, Mar 5;152(5):911-22)。 (3)本発明のオリゴペプチドは、肝臓の形成(再生)
に関与し、肝代謝障害の治療および予防に有用である
(Biochem Biophys Res Commun 1998 Sep 18; 250(2):4
86-90)。 (4)本発明のオリゴペプチドは、骨や歯の形成に関与
し、歯周病、骨折、骨腫瘍、骨欠損、骨粗しょう症の治
療および予防に有用である(Arch Oral Biol 1995 Feb;
40(2):161-4)。 (5)本発明のオリゴペプチドは、肺分岐の形態形成や
肺線維症に関与し、肺疾患の治療および予防に有用であ
る(Biochem Biophys Res Commun 1997 May 19;234(2):
522-5;及びAm J Respir Cell Mol Biol 2000 Aug;23
(2):168-74)。 (6)本発明のオリゴペプチドは、腸ひだの形成に関与
し、腸疾患の治療および予防に有用である(Am J Physi
ol 1998 Jul; 275(1 Pt1):G114-24)。 (7)本発明のオリゴペプチドは、筋肉の構造に維持に
関与し、例えば、筋ジストロフィー症の治療および予防
に有用である(Histochem J 1998 Dec;30(12):903-
8)。 (8)本発明のオリゴペプチドは、胆嚢上皮の形成に関
与し、胆嚢疾患の治療および予防に有用である(Cell T
issue Res 2000 May; 300(2):331-44) (9)本発明のオリゴペプチドは、乳上皮の形態形成に
関与し、乳疾患の治療および予防に有用である(J Cell
Biol 2001 May 14; 153(4):785-94)
【0031】本発明の医薬としては、上記のオリゴペプ
チド又は生理学的に許容されるその塩から選ばれる1又
は2種以上の物質をそのまま用いてもよいが、通常は、
製剤学的に許容しうる1又は2種以上の製剤用添加物を
用いて上記物質の1又は2種以上を有効成分として含む
医薬組成物を製造して投与することが好ましい。上記の
オリゴペプチドの1種又は2種以上を有効成分として含
む毛成長促進剤または毛成長抑制剤は、クリーム剤、噴
霧剤、塗布用の溶液剤、又は貼付剤などとして外用剤と
して適用できるが、注射剤として患部に直接投与しても
よく、毛成長促進剤または毛成長抑制剤としての使用目
的に好適な形態の製剤として提供することが可能であ
る。
【0032】例えば、シャンプーやリンスに有効成分で
ある上記のオリゴペプチドを配合してもよく、上記のオ
リゴペプチドをリポソームなどに封入して製剤を調製し
てもよい。このような形態の組成物も本発明の医薬に包
含される。皮膚のケラチン層を通して有効成分であるオ
リゴペプチドを効率的に経皮吸収させるために、適宜の
界面活性剤や脂溶性物質などをクリーム剤などに配合す
ることも好適である。上記の毛成長促進剤の投与量は使
用目的、製剤形態、有効成分の種類などに応じて適宜選
択可能であるが、例えば、成人一日当たり有効成分の投
与量としては、1μg/kg/日〜10mg/kg/
日、好ましくは10μg/kg/日〜1mg/kg/日
程度の範囲内である。以下、本発明を実施例によりさら
に具体的に説明するが、本発明の範囲は以下の実施例に
限定されることはない。
【0033】
【実施例】実施例1:ファージディスプレイライブラリ
ーのスクリーニング ファージディスプレイライブラリー(Ph.O.−C7
TM(ニューイングランド・バイオラボ社))から可溶
性で活性をもつエピモルフィン(フラグメントH12)
(Hirai et al, 2001, J.Cell.Biol., 153, 785-794)
に結合するものをスクリーニングした。スクリーニング
操作はライブラリーに添付のマニュアルに従って行い、
組み換えエピモルフィンH12に結合するペプチドをパ
ニング法により取得した。
【0034】(1)パニング(panning)操作 (一日目)100μg/mlの組み換えエピモルフィン
H12(Hirai et al, 2001, J.Cell.Biol., 153, 785-
794)を含むPBS溶液を調製した。この溶液1.5m
lを24ウエルプレートに添加し、表面が完全に湿潤す
るまで繰り返し回転した。湿潤容器内で穏やかに攪拌し
ながら4℃で一晩インキュベートした。
【0035】(二日目)10mlのLB培地に大腸菌E
R2738を接種した。溶出したファージが同日に増幅
する場合は、250mlの三角フラスコ中の20mlの
LBにER2738を接種した。両方の培養物を激しく
振とうしながら37℃でインキュベートした。各プレー
トからコーティング溶液を除去し、きれいなペーパータ
オル上にたたいて、残りの溶液を除去した。
【0036】各プレートにブロッキング緩衝液を満た
し、4℃で1時間以上インキュベートした。ブロッキン
グ溶液を捨て、各プレートをTBST(TBS+0.1
%(v/v)Tween20)で6回洗浄した。プレートの底
と側面を回転させてコートし、溶液を捨て、きれいなペ
ーパータオル上にたたいた。
【0037】2×1011ファージ(ライブラリー原液1
0μl)を1mlのTBSTで希釈し、コートしたプレ
ート上にピペットで載せ、室温で60分間穏やかに振と
うした。未結合のファージを捨て、プレートをきれいな
ペーパータオル上にたたいた。プレートを上記と同様に
TBSTで10回洗浄した。1mg/mlの組み換えエ
ピモルフィンH12を含むPBS溶液1mlを用いて結
合したファージを溶出した。プレートを室温で10〜6
0分間穏やかに振とうした。溶出液をマイクロ遠心チュ
ーブにピペットで入れた。
【0038】20mlのER2738培養液(対数初
期)に溶出液を添加し、激しく振とうしながら4.5時
間37℃でインキュベートした。培養液を遠心チューブ
に移し、4℃で10,000rpmで10分間遠心し、
上清を新しいチューブに移し、再度遠心した。上清の上
部80%を新しいチューブにピペットで移し、1/6量
のPEG/NaClを添加した。ファージを4℃で一晩
かけて沈殿させた。
【0039】(三日目)PEG沈殿物を4℃で10,0
00rpmで15分間遠心した。上清を捨て、再度簡潔
に遠心し、残った上清をピペットで除去した。ペレット
を1mlのTBSに懸濁し、上清をマイクロ遠心チュー
ブに移し、4℃で5分間遠心し、残りの細胞をペレット
にした。上清を新しいマイクロ遠心チューブに移し、1
/6量のPEG/NaClで再度沈殿させ、氷上で60
分間インキュベートした。4℃で10分間遠心した。上
清を捨て、再度簡潔に遠心し、マイクロピペットで残り
の上清を除去した。
【0040】ペレットを0.02%のNaN3を含むT
BS(200μl)に懸濁し、1分間遠心して、残りの
不溶物をペレットにした。上清(即ち、増幅した溶出
物)を新しいチューブに移した。増幅した溶出物の力価
をLB/IPTG/Xgal上で測定し、4℃で保存し
た。
【0041】上記の「一日目」に記載した操作に従い、
2回目のパニング(panning)のためにプレートをコー
トした。
【0042】(四日目及び五日目)青色のプラークを計
数し、ファージ力価を測定した。この値を使用して、2
×1011pfuに対応する投入値を計算した。投入ファ
ージとして2×1011pfuの最初に増幅した溶出物を
使用し、洗浄工程におけるTween濃度を0.5%(v/
v)に増大して、上記の二日目及び三日目に記載した操
作に従って2回目のパニングを行った。二回目の増幅溶
出物の力価をLB/IPTG/Xgalプレート上で測
定した。上記の「一日目」に記載した操作に従い、3回
目のパニング(panning)のためにプレートをコートし
た。
【0043】(六日目)投入ファージとして2×1011
pfuの2回目に増幅した溶出物を使用し、洗浄工程に
おいて0.5%Tweenを使用して、上記の二日目及び三
日目に記載した操作に従って3回目のパニングを行っ
た。未増幅の3回目の溶出物の力価をLB/IPTG/
Xgalプレート上で測定した。3回目の溶出物の増幅
は不要である。この力価測定から得たプラークを用いて
配列決定した。
【0044】(2)結合クローンの同定 ER2738を一晩培養した培養物をLB中に1:10
0に希釈した。1mlの希釈培養物を培養チューブに分
配した。滅菌した木製の棒又はピペットチップを使用し
て、青色のプラークを刺し、希釈した培養物を含むチュ
ーブに移した。各プラークのDNA配列を決定した結
果、全てLeu-Leu-Thr-Ser-Ser-Lys-Alaであった。上記
の結果から、組み換えエピモルフィンH12に結合する
ペプチドに結合するペプチドとして、Leu-Leu-Thr-Ser-
Ser-Lys-Alaが同定された。
【0045】実施例2:エピモルフィン配列中における
Leu-Leu-Thr-Ser-Ser-Lys-Alaの結合領域の同定 N末端をビオチン化したLeu-Leu-Thr-Ser-Ser-Lys-Ala
を合成し(合成は株式会社ベックスに委託)、1mg/
mlのビオチン化ペプチドを含むPBS溶液を調製し
た。
【0046】エピモルフィンのアミノ酸配列1−36
(配列番号4)、37−70(配列番号5)、71−9
6(配列番号6)および97−113(配列番号7)を
有するペプチドを合成し、各ペプチドを100μg/m
lの濃度で含むPBS溶液(即ち、全部で4種の溶液)
を調製した。
【0047】96ウエルのELISA用プレート(イム
ノプレートマキシソープ;Nunc社製)に上記のエピモル
フィンの部分ペプチドの溶液を50μlずつ注入し、一
晩室温にてインキュベートし、吸着させた。各ウエルを
TBSで十分に洗浄後、5%スキムミルクを含むTBS
にて1時間ブロッキングした。
【0048】N末端をビオチン化したLeu-Leu-Thr-Ser-
Ser-Lys-AlaのPBS溶液をSTBSを用いて1/10
0に希釈し、50μlをブロッキング済みのウエルに注
入し、1時間インキュベートした。ウエルをTBSで十
分に洗浄後、HRP(ホールラディッシュ・ペルオキシ
ダーゼ)標識ストレプトアビジン(アマシャム製)をS
TBSで1/500に希釈したものを添加し、1時間イ
ンキュベートした。TBSで十分に洗浄後、HRPの活
性を常法により検出した。その結果、ペプチドLeu-Leu-
Thr-Ser-Ser-Lys-Alaは、エピモルフィンのアミノ酸配
列1−36に結合することが判明した。
【0049】また、同様にして、このペプチドのC末端
のアミノ酸1個または2個を欠失させたLeu-Leu-Thr-Se
r-Ser-LysおよびLeu-Leu-Thr-Ser-Serも、エピモルフィ
ンのアミノ酸配列1−36に結合することを確認した。
【0050】実施例3:アミノ酸配列Leu-Leu-Thr-Ser-
Serを含むオリゴペプチドの発毛への影響 (1)新生毛包に特異的なモノクローナル抗体の作製 B57BLマウスの成長期(48から50日目)の皮膚
から毛を切り取り、8M尿素、2%SDS、100mM
のDTTを含むPBS中で37℃で一晩インキュベート
し、タンパク質を抽出した。また、B57BLマウスの
ヒゲの毛包(毛球部に色素がついているもの;成長期)
を実体顕微鏡で採取し、PBS中にホモジナイズした。
上記2種類の試料(タンパク質量として0.5mg)を
混合し、等量のコンプリートアジュバンドと混合してミ
セルを作製した。
【0051】上記で得たミセル(0.2mg)をラット
(Wister)の皮下(3箇所)に分けて投与して免疫し
た。初回免疫の1ヵ月後に上記と同様に追加免疫を行な
った。さらに2週間後に上記と同様に2回目の追加免疫
を行なった。2回目の追加免疫の3日後に、免疫ラット
から脾臓を取り出し、メッシュにて血球成分を回収し
た。この血球成分の中には抗体産生細胞が含まれてい
る。上記で回収した血球成分(全量)とマウスミエロー
マP3U1(ダルベッコ/ハムF12混合培地)とをポ
リエチレングリコール1500を用いて混合し、ダルベ
ッコ/ハムF12混合培地中に懸濁し(107細胞/m
l)、96ウエルプレートに各ウエル100μlずつ播
いた。翌日、等量(100μl)のHAT培地(シグマ
社)を各ウエルに添加した。2日後に各ウエルから15
0μlずつを吸引廃棄し、150μlの新培地を各ウエ
ルに添加した。96ウエルプレートを37℃のCO2
ンキュベーター内に静置した。
【0052】成長期のB57BLマウスのヒゲの毛包を
8M尿素中に超音波粉砕機を用いて溶解した。この溶液
にニトロセルロースメンブレンを5分間浸し、PBSで
十分に洗浄したものをBioradドットブロッターに装着し
たものを用いて、上記の96ウエルプレートの各ウエル
から回収したハイブリドーマ上清を一次スクリーニング
した。先ず、上記で作製したBioradドットブロッターに
装着したニトロセルロースメンブレンを、5%スキムミ
ルクを溶解したトリスバッファー(TBST)でブロッ
キングした後、96ウエルの各ウエルにハイブリドーマ
上清を100μlを添加した。1時間インキュベートし
た後、トリスバッファーで洗浄し、二次抗体であるホー
スラディッシュパーオキシダーゼ標識抗ラットIgG
(TBSTに1μg/mlで溶解したもの)を添加し
た。発色基質であるECL試薬(アマシャムファルマシ
ア)を添加して、発色の有無により成長期のヒゲの毛包
と反応する抗体(全部で50種類)を選出した(一次ス
クリーニング)。
【0053】上記の一次スクリーニングで選出した抗体
(50種類)について、成長期ヒゲ毛包の凍結切片(1
0μm)を用いて特異的に反応にするものを選出した
(二次スクリーニング)。具体的には、スライドガラス
上に成長期ヒゲ毛包の凍結切片を置き、一次スクリーニ
ングで選出されたハイブリドーマ上清を添加し、二次抗
体で発色させた。具体的には、クライオスダト(ブライ
ト社)で作成した成長期ヒゲ毛包の凍結切片を−20℃
メタノールで処理し、TBSTで1時間ブロッキングを
行った後、ハイブリドーマ上清を1時間反応させた。ト
リスバッファーで洗浄後、FITC標識抗ラットIgG
(TBSTに100μg/mlで溶解したもの)を反応
させた。トリスバッファーで洗浄後、カバーガラスをか
けて、蛍光顕微鏡にて観察を行った。
【0054】二次スクリーニングの結果、全部で8種類
の抗体を選出した。これらの抗体は表皮とは反応せず、
毛包に特異的に反応するものであった。これら8種類の
抗体を限界希釈法でクローニングした。
【0055】これら8種類の抗体について、成長期ヒゲ
毛包又は休止期ヒゲ毛包をサンプルとしたウエスタンブ
ロットで反応性を調べ、さらに毛包が形成されている1
4日齢マウス胎児皮膚の切片試料を用いて反応性を調べ
た。その結果、成長期ヒゲ毛包及び形成途中毛包(新生
毛包)と特異的に反応し、休止期ヒゲ毛包とは反応しな
いモノクローナル抗体としてmAb27を取得した。モ
ノクローナル抗体mAb27を産生するハイブリドーマ
は、受託番号FERM P−18578として平成13
年11月2日付けで独立行政法人産業技術総合研究所
特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東一丁目
1番地1 中央第6)に寄託されている。
【0056】(2)エピモルフィン結合性オリゴぺプチ
ドの毛成長促進作用の評価 12日目のICRマウス胎児の上アゴ皮膚組織を実体顕
微鏡で採取し、左と右に分けて5頭分を回収した。回収
した5頭分の皮膚を左(コントロール用)と右(被験オ
リゴペプチド用)を別々に5個ずつ一枚のヌクレポアメ
ンブレン(孔径8μm、直径13mm)の上に載せ、実
体顕微鏡で観察して外側が上になるようにした。1%B
SAを含むダルベッコMEM/ハムF12培地500μ
lを24ウエルディッシュの2ウエルに添加し、片方に
は被験オリゴペプチド溶液(溶媒はPBS)を最終濃度
20μMとなるように添加し、他方には溶媒(PBS)
を対照として同量入れた。被験オリゴペプチドとして
は、Leu-Leu-Thr-Ser-Ser-Lys-Ala、Leu-Leu-Thr-Ser-S
er-Lys、及びLeu-Leu-Thr-Ser-Serを使用した。
【0057】皮膚組織を載せたメンブレン1枚ずつを上
記のウエル中の溶液に浮かべ、37℃で6日間培養し
た。メンブレンから5個の組織片をSDSサンプルバッ
ファ(SDS 0.02g/ml、グリセロール 0.
2g/ml、pH6.8)100μl中に回収し、超音
波粉砕器により溶解した。対照も同様に処理した。上記
処理で得た溶液をSDS−PAGE(アクリルアミド4
〜20%)にて電気泳動後(35mA、1.5時間)、
PVDF膜にトランスファーし、5%スキムミルクを含
むトリス緩衝液(TBST)中で1時間インキュベート
した。上記で取得したmAb27(TBST中10μg
/ml)と1時間反応後、TBSにて十分に洗浄し、ペ
ルオキシダーゼ標識抗ラットIgG(アマシャム社)を
TBSTで1/1000に希釈したものを二次抗体とし
て反応させ、十分に洗浄後、ECLキット(アマシャム
社)を用いてmAb27の反応の強さを調べた。
【0058】得られた結果を図1および図2に示す。図
1における各レーンの被験オリゴペプチドは以下の通り
である。 左:Leu-Leu-Thr-Ser-Ser-Lys-Ala 右:対照
【0059】図1の結果から分かるように、左のレーン
のバンドは右のレーンのバンドより弱い。この結果は、
被験したオリゴペプチドLeu-Leu-Thr-Ser-Ser-Lys-Ala
は、内在性のエピモルフィンの活性を抑制することによ
り、mAb27の抗原の発現を阻害し、発毛を阻害する
活性を有することを示す。
【0060】図2における各レーンの被験オリゴペプチ
ドは以下の通りである。 左から1番目:Leu-Leu-Thr-Ser-Ser-Lys 左から2番目:対照 左から3番目:Leu-Leu-Thr-Ser-Ser 左から4番目:対照
【0061】図2の結果から分かるように、オリゴペプ
チドLeu-Leu-Thr-Ser-Ser-LysおよびLeu-Leu-Thr-Ser-S
erを用いたレーンのバンドはそれぞれ対照のレーンのバ
ンドより強い。これらの結果は、被験したオリゴペプチ
ドLeu-Leu-Thr-Ser-Ser-LysおよびLeu-Leu-Thr-Ser-Ser
は、内在性のエピモルフィンの活性を増大することによ
り、mAb27の抗原の発現を誘発させ、発毛を促進す
る活性を有することを示す。
【0062】
【発明の効果】本発明のオリゴペプチドは、エピモルフ
ィン結合能を有し、エピモルフィンの活性を制御するこ
とができる。即ち、本発明のオリゴペプチドは、エピモ
ルフィンの機能解明の実験系においてエピモルフィンの
活性を制御するための試薬として用いることができる。
さらに、本発明のオリゴペプチドは、毛成長促進剤や除
毛剤などの医薬の有効成分としても有用である。
【0063】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Sumitomo Electric Industries,Ltd. <120> A physiologically active peptide <130> A11474MA <160> 7
【0064】 <210> 1 <211> 7 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic peptide <400> 1 Leu Leu Thr Ser Ser Lys Ala 1 5
【0065】 <210> 2 <211> 6 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic peptide <400> 2 Leu Leu Thr Ser Ser Lys 1 5
【0066】 <210> 3 <211> 5 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic peptide <400> 3 Leu Leu Thr Ser Ser 1 5
【0067】 <210> 4 <211> 36 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic peptide <400> 4 Met Arg Asp Arg Leu Pro Asp Leu Thr Ala Cys Arg Lys Asn Asp Asp 5 10 15 Gly Asp Thr Thr Val Val Val Glu Lys Asp His Phe Met Asp Asp Phe 20 25 30 Phe His Gln Val 35
【0068】 <210> 5 <211> 34 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic peptide <400> 5 Glu Glu Ile Arg Asn Ser Ile Ala Lys Ile Ala Gln Tyr Val Glu Glu 1 5 10 15 Val Lys Lys Asn His Ser Ile Ile Leu Ser Ala Pro Asn Pro Glu Gly 20 25 30 Lys Ile
【0069】 <210> 6 <211> 26 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic peptide <400> 6 Lys Glu Glu Leu Glu Asp Leu Asn Lys Glu Ile Lys Lys Thr Ala Asn 1 5 10 15 Lys Ile Arg Thr Lys Leu Lys Ser Ile Glu 20 25
【0070】 <210> 7 <211> 17 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic peptide <400> 7 Gln Ser Phe Asp Gln Asp Glu Gly Gly Asn Arg Thr Ser Val Glu Leu 1 5 10 15 Arg
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、オリゴペプチドLeu-Leu-Thr-Ser-Ser-
Lys-Alaを用いた発毛活性検定の結果を示す。
【図2】図2は、オリゴペプチドLeu-Leu-Thr-Ser-Ser-
LysおよびLeu-Leu-Thr-Ser-Serを用いた発毛活性検定の
結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/10 A61P 9/00 9/00 9/10 101 9/10 101 11/00 11/00 17/14 17/14 19/08 19/08 21/04 21/04 35/00 35/00 A61K 37/02 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA07 BA16 BA17 BA23 NA14 ZA36 ZA44 ZA45 ZA59 ZA66 ZA67 ZA75 ZA89 ZA92 ZA94 ZA96 ZA97 ZB26 ZC35 ZC80 4H045 AA10 AA30 BA13 BA14 EA20 EA34 FA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともアミノ酸配列Leu-Leu-Thr-Se
    r-Serを含み、エピモルフィン結合能を有し、20以下
    のアミノ酸残基から成る、エピモルフィン活性制御オリ
    ゴペプチド。
  2. 【請求項2】 下記(1)から(3)の何れかのアミノ
    酸配列から成るエピモルフィン活性制御オリゴペプチ
    ド。 Leu-Leu-Thr-Ser-Ser-Lys-Ala (1) Leu-Leu-Thr-Ser-Ser-Lys (2) Leu-Leu-Thr-Ser-Ser (3)
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のオリゴペプチ
    ド又は生理学的に許容されるそれらの塩を有効成分とし
    て含む医薬。
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