JP2003146640A - 半導体シートの製造方法、半導体シート製造装置および太陽電池 - Google Patents

半導体シートの製造方法、半導体シート製造装置および太陽電池

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JP2003146640A
JP2003146640A JP2001344996A JP2001344996A JP2003146640A JP 2003146640 A JP2003146640 A JP 2003146640A JP 2001344996 A JP2001344996 A JP 2001344996A JP 2001344996 A JP2001344996 A JP 2001344996A JP 2003146640 A JP2003146640 A JP 2003146640A
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melt
semiconductor sheet
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sheet
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Yoshihiko Nagata
佳彦 永田
Yoshihiro Tsukuda
至弘 佃
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体融液中に冷却状態の基体を浸漬して表
面に半導体シートを凝固させる方法において、半導体シ
ート成長中にボイドが埋められる時点の前後を検知する
ことにより半導体シートを安定生産する方法を提供す
る。 【解決手段】 シリコン材料を加熱して溶融した融液に
基体を浸漬して、基体の表面にシート状のシリコンを凝
固させてシリコンシートを製造する方法であって、基体
表面を覆う融液層を含む範囲の電気抵抗を測定すること
により、基体表面での融液の凝固の進行を検知し、半導
体の凝固を停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体シートの製
造方法、半導体シート製造装置および太陽電池に関し、
より具体的にはシリコンを半導体材料とする半導体シー
トの製造方法、半導体シート製造装置および太陽電池に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在最も低コストで実用的な太陽電池
は、シリコンを素材にして、キャスト法でインゴットを
作製し、そのインゴットをスライスしたウェハをセル化
して製造している。ウェハの低コスト化を目指す技術と
してはシリコンウェブ(WEB)結晶成長法がある(特許第
2575838号公報)。このシリコンウェブ結晶成長
法では、厚さ150μmのシート状シリコンを、引出し
速度1.3〜1.4cm/分の速度で成長させることが
できる。
【0003】他の結晶成長法として、回転冷却体を溶融
シリコン中に浸漬し、回転冷却体の表面にシリコンを凝
固させ、低コストなシリコンリボンを得る方法が開示さ
れている(特開平10−29895号公報)。このシリ
コンリボン製造装置は、シリコンを加熱融解し保持する
るつぼ、シリコンをシート状に凝固させる回転冷却体か
ら構成される。耐熱材料で構成された回転冷却体の円筒
面の一部を、昇降可能なるつぼ内の溶融シリコン中に浸
漬し、シート状シリコンを連続的に取り出す。この方法
によれば、回転冷却体がシリコンを強制冷却するため
に、成長速度15m/分以上を得ることができる可能性
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開平10−2
9895号公報に開示されたシリコンリボンの製造方法
のように、回転冷却体を融液内に浸漬する方法では、熱
的条件を最適化しても、シート内に未成長の部分(以下
ボイドと記す)を生じやすい。このようなボイドがある
シートを用いて太陽電池を作製すると、ボイドの部分で
電気的短絡を発生するなどの弊害をもたらす。
【0005】本発明は、上記の問題を解決するためにな
されたものであり、シリコン融液中に冷却状態の基体を
浸漬して表面に半導体シートを凝固させる方法におい
て、半導体シート成長中にボイドが埋められる時点の前
後を検知することにより半導体シートを安定生産する方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体シートの
製造方法は、半導体材料を加熱して溶融した融液に基体
を浸漬して、基体の表面にシート状の半導体を凝固させ
て半導体シートを製造する方法である。この方法では、
基体表面を覆う融液層を含む範囲の電気抵抗を測定する
ことにより、基体表面での融液の凝固の進行を検知し、
前記半導体の凝固を停止させる(請求項1)。
【0007】この構成により、任意の凝固状態の半導体
を得ることができる。たとえば、ボイドが適度に分散し
たシートが好ましい用途には、そのようなボイドを内蔵
したシートを提供することができる。一方、太陽電池用
半導体シートのように、ボイドがなくかつ薄い半導体シ
ートが好ましい場合には、1)ボイドを内蔵する不完全
成長の状態から、2)ボイドがない最小厚さの状態を経
て、3)過大厚さ状態へと、短時間のうちに進行する凝
固過程において、上記2)の時点を的確にとらえること
ができる。この結果、経済性と品質とに優れた半導体シ
ートを得ることができる。
【0008】本発明の半導体シートの製造方法では、基
体表面を覆う融液層を含む融液と基体との間に印加した
電圧値およびその間に流れる電流値から電気抵抗を求め
ることができる(請求項2)。
【0009】この構成により、簡単な電気抵抗測定装置
を用いて目標とする部分の電気抵抗を含む領域の電気抵
抗を得ることができる。
【0010】本発明の半導体シートの製造方法では、融
液の容器である導電性るつぼと基体との間の電気抵抗を
測定することができる(請求項3)。
【0011】この構成では、導電性るつぼに一方の端子
を取り付けて、上記電気抵抗を測定することができる。
このため、電気抵抗の測定をさらに簡単な配線経路を用
いて行うことができる。
【0012】本発明の半導体シートの製造方法では、基
体表面での融液の凝固の進行が所定の度合いに達したこ
とを電気抵抗値により検知して、半導体シートが形成さ
れた基体の部分を融液から離脱することができる(請求
項4)。
【0013】この構成により、電気抵抗変化により、た
とえば太陽電池用半導体シートの凝固最適時点を検知し
て、凝固の進行を停止させることができる。
【0014】本発明の半導体シートの製造方法では、基
体表面が平面状であり、半導体シートがその平面状表面
に形成され、電気抵抗が所定値になったとき基体表面を
融液から離脱させることができる(請求項5)。
【0015】この方法により、簡単な離脱機構を用い
て、たとえば太陽電池用半導体シートを製造することが
できる。
【0016】本発明の半導体シートの製造方法では、基
体が円筒状回転体であり、融液中に部分的に浸漬した状
態の基体を円筒軸の周りに、電気抵抗が所定値になるよ
うに回転させ、浸漬している円筒面に半導体シートを凝
固させつつ融液から離脱させその半導体シートを円筒面
から剥離させることができる(請求項6)。
【0017】この方法により、たとえば、厚さが薄くボ
イドがない太陽電池用半導体シートを大量に高能率で製
造することができる。
【0018】本発明の第1の局面の半導体シート製造装
置は、半導体材料を加熱して溶融させる溶融炉と、溶融
された融液に基体を浸漬し、その基体表面に半導体シー
トを凝固させる基体浸漬装置と、基体表面を覆う融液層
を含む範囲の電気抵抗を測定する電気抵抗測定装置とを
備える(請求項7)。
【0019】上記の半導体シート製造装置を用いること
により、半導体シートの最適な凝固時点を知ることがで
きる。この結果、たとえば太陽電池用に、経済性に優れ
た厚さを備えボイドを内蔵しない半導体シートを得るこ
とができる。
【0020】本発明の第2の局面の半導体シート製造装
置は、半導体材料を加熱して溶融させる溶融炉と、溶融
された融液に浸漬され、その表面に半導体シートを凝固
させる回転体と、回転体表面を覆う融液層を含む範囲の
電気抵抗を測定する電気抵抗測定装置とを備える(請求
項8)。
【0021】この構成により、電気抵抗値より回転体の
最適な回転速度を検知することができ、たとえば太陽電
池用に、ボイドを内蔵せずしかも薄い半導体シートを得
ることができる。
【0022】上記の半導体シートの製造方法または第1
もしくは第2の局面の半導体シート製造装置では、半導
体材料としてシリコンを用いることができる(請求項
9、請求項10)。
【0023】この構成により、安価で性能に優れた半導
体シートを高能率で大量に製造することができる。
【0024】上記の半導体シートの製造方法または第1
もしくは第2の局面の半導体シート製造装置により製造
された半導体シートを用いた太陽電池(請求項11、請
求項12)では、半導体シートにボイドがなく厚さも最
小限に薄いため、短絡を生じずに安価な太陽電池を形成
することが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、図面を用いて本発明の実施
の形態について説明する。
【0026】(本発明における電気抵抗測定)半導体シ
ートの成長において、半導体材料が加熱溶融された融液
中に基体を浸漬し、この表面に薄い半導体シートを一様
に凝固成長させる際、成長初期段階には、成長点が多数
発生する。その後、この成長点から成長した結晶同士が
会合し連なりながら一定の厚さとなって、遂には半導体
シートが得られる。この成長過程は高速成長過程である
ために、部分的には、この成長点から成長した結晶の間
が完全に埋まらずボイドが残存する状態で成長を終える
事態が発生する。
【0027】本発明は、上記冷却体表面での凝固進行状
態を、電気抵抗をモニタリングすることにより検知し、
ボイドがなく厚さの制御された半導体シートを得ること
を可能にするものである。すなわち、半導体材料が、融
液状態と凝固状態とで、電気伝導率が著しく異なること
を利用し、基体を半導体の融液に浸漬する際に、基体−
融液−るつぼ間での電気抵抗の変化を測定することによ
り、基体表面での半導体の融液の凝固進行を検知するも
のである。
【0028】半導体としてシリコンを例にとると、融液
シリコンの自由電子密度は、2.16×10E+23/
cm3であり、融液金属なみの自由電子密度を有する。
このため、比抵抗は7×10E−5Ω・cm程度と比較
的低い値となる。これに対し、固体シリコンは半導体と
なるため、ドーパントの種類や量により異なるが、太陽
電池の基板として用いるものでは、通常、比抵抗は常温
で10E0〜10E+1Ω・cm、また300℃で10
E−1Ω・cm程度となる。
【0029】基体を半導体の融液に浸漬した直後では、
基体表面は融液に直接接しているため、基体−融液−る
つぼ間での電気抵抗は比較的低い値となる。さらに浸漬
を続けていると、融液の持っている熱量が基体へ移動す
ることにより、基体表面で融液の凝固が開始し、基体表
面は凝固した半導体に覆われることになる。この状態で
は、上記の基体−融液−るつぼ間での電気抵抗を測定す
る回路において、基体−融液間に凝固した固体の半導体
が直列に挿入されることとなる。上記の例のように、シ
リコンでは溶融状態と固体状態とで、比抵抗は10E+
4Ω・cm程度の違いがある。このため、基体表面での
凝固が完全に進むと、上記の基体−融液−るつぼ間での
電気抵抗測定において、抵抗値が著しく増加することに
なる。実際には、基体表面での凝固は徐々に進行し、上
記のような抵抗の変化は連続的に起る。
【0030】次に、凝固の進行度合と、測定される電気
抵抗との関係を図1に基づき詳細に説明する。図1
(a)は、基体は融液中に浸漬されていない状態を示
す。このときの抵抗値は事実上無限大の値として測定さ
れる。図1(b)は、浸漬直後の凝固が未だ開始してい
ない状態を示す。このときの抵抗値を、R0=Rp+(ρm
・d/S)、のように便宜上2項に分けて表わす。Sは
冷却体が融液に浸漬されている部分の表面積、dは最終
的に凝固したときのシートの厚さ、ρmは融液の比抵抗
である。Rpは基板表面での凝固部分以外の抵抗であ
り、冷却体形状、材質、るつぼ形状、るつぼ材質、測定
器に接続する配線抵抗などによって決まるものである。
第2項の変化を捉えるために、このRpができるだけ小
さな値となるように装置を構成することが望ましい。さ
らに、浸漬し続けると、基板表面の凹凸や温度不均一な
どによって、特定の点を起点とし核生成が起り、基板表
面において部分的に凝固が成長し、図1(c)に示すよ
うに、部分的に固体の半導体に覆われた状態となる。こ
のとき、基体表面で凝固した半導体結晶に被覆されてい
る部分の割合をk(0<k<1)、固体の比抵抗をρsと
すると、測定される抵抗値はR1=Rp+[(d・ρm・
ρs)/{k・S・ρm+(1−k)・S・ρs}]とな
る。さらに浸漬を続けると、図1(d)に示すように冷
却体表面がすべて凝固相で覆われ、ボイドの存在しない
半導体シートで覆われる。このときの抵抗値は、R2=
Rp+(ρs・d/S)となる。上記の3状態での抵抗値R
0(図1(b)),R1(図1(c))およびR2(図1
(d))は、R0≪{ρs・d/(k・S)}、またρm
≪ρsであることから、R0>R1>R2となる。さらに浸
漬を続けると、シート厚は時間の経過tに伴い増加し、
シート厚をd(t)とすると、そのときの抵抗値はR
2’=Rp+ρs・d(t)/Sで表わされる。基体温度
が一定に保たれるように基体を冷却したとするとd
(t)=√tとなるので、このとき、R2’の時間に対
する変化は次第に緩やかなものとなる。図2に以上の各
状態と、測定される抵抗値の関係を示す。
【0031】上記図1(a)〜図1(d)および図2よ
り、測定される抵抗値の変化から、基体表面の凝固状態
の変化がモニタリングされることが分かる。すなわち、
図1(b)の状態では抵抗値は比較的低いが、凝固が開
始し、図1(c)の状態になると抵抗値は急激に増加す
る。そして、基板表面が凝固相の固体に覆われた状態
(図1(d))では、抵抗値の増加は次第に緩やかにな
る。
【0032】本発明においては、上記図1(d)の状態
を検知することによりボイドのない均一な厚さの半導体
シートを得ることができる。これは、上記の図1(c)
の状態から図1(d)の状態に変化した直後の凝固状態
において浸漬を終了することにより実現される。上記状
態変化を、図1(a)〜図1(d)および図2の抵抗値
変化に対応させると、抵抗値の上昇率が急激に低下する
時点に相当する。浸漬後の各時点で浸漬を終了したサン
プルの性状を予め評価し、浸漬終了時の抵抗値と対応を
とっておくことにより、最も望ましい半導体シートを得
るには、どの時点で浸漬を終了すべきか決定することが
できる。
【0033】図2(a)および図2(b)は、その基準
を判断するための図である。浸漬終了時の基準として
は、次のものがある。 (A) 図2(a)において、抵抗値が急上昇の後、緩
やかな上昇に変化した後、所定の短時間経過後。 (B) 図2(b)において、抵抗値の時間微分の値が
ピークを経た後、低下して一定の値に達したとき。
【0034】(本発明の実施の形態)図3は、本発明の
実施の形態における半導体シート製造装置を示す断面図
である。本実施の形態における半導体シート製造装置
は、シリコンを溶融するるつぼ1、そのるつぼを加熱す
るヒータ5を有する。さらに、シリコン融液中に浸漬し
表面に半導体シートを凝固させる冷却体(基体)2、冷
却体を支持し、半導体シートの凝固に伴い発生する熱を
冷却する冷却体支持部3を備える。また、上記るつぼと
冷却体間の電気抵抗を測定する電気抵抗測定器9、これ
らを収容し、内部の雰囲気ガスを外部から遮るチャンバ
などを備える。
【0035】上記半導体シート製造装置では、冷却体2
を回転軸4から分岐した冷却体支持部3の先端に配置
し、回転軸4を回転することにより冷却体2をシリコン
融液S1中に浸漬することができる。しかしながら、本
発明においては、冷却体の移動軌跡は回転運動に限定さ
れるものではなく、直線、曲線を問わず、どのような形
態の軌跡であってもよい。冷却体の中は中空構造となっ
ており、内部に気体や液体を循環させることにより、冷
却体の温度を調節し、浸漬時に発生する凝固潜熱を奪う
ことができる。冷却体に用いる材料としては、溶融シリ
コン中に浸漬することから、十分な耐熱性を持った材料
であることが必要である。また、るつぼ1と冷却体2と
の間の電気抵抗変化を測定することから、ある程度の導
電性を持つことも必要である。このような性質を持つ材
料として、グラファイト、炭化珪素等のセラミックスや
タングステン等の高融点金属を挙げることができる。ま
た冷却水、ガス等で冷却するため、十分な熱伝導性があ
れば、シリコンより融点の低い銅なども用いることが可
能である。
【0036】るつぼ1は周囲に設置されたヒータ5によ
り加熱され、るつぼ1内に充填された原料シリコンを融
解し、シリコン融液S1を保持する。また、るつぼ下部
に昇降器7を設け、るつぼ1を上下させることにより冷
却体2とるつぼ1の相対位置を調節する。この相対位置
の調整により、冷却体2がシリコン溶液S1中に浸漬す
る深さを決定することができる。
【0037】冷却体2は上記のように導電性を持った材
料で構成されている。そして裏面に電極を設置し、冷却
体支持部3および回転軸4に沿った配線を介し、抵抗測
定器9の一方の極に電気的に接続される。冷却体表面で
の電気抵抗変化を正確に捉えるため、この配線抵抗はで
きるだけ低くなることが望ましい。そのため、材質には
銅などの比抵抗が低いものを用い、冷却体の冷却水配管
に沿うように配線を敷設し、温度上昇による抵抗率の変
化の影響を受けにくくする。また、回転軸受12では、
この配線がチャンバに短絡しないよう絶縁される。るつ
ぼ1は、その全体、またはその一部が、グラファイトの
ように十分な耐熱性と導電性とを持った材料から構成さ
れる。グラファイト部の少なくとも一部分はシリコン融
液に接し、他のグラファイトの端の部分には電極を設置
できる構造となっている。また、るつぼに導電性がない
酸化珪素などの材料を用いる場合でも、融液中に導電性
を持った電極を挿入することで、融液と電気的に接触す
ることが可能である。るつぼ1は、アルミナ耐火物など
の絶縁物からなる設置台6上に設置されることにより、
チャンバに対して電気的に絶縁される。
【0038】上記構成により、(冷却体2−配線8a−
電気抵抗測定器9−配線8b−るつぼ1−シリコン融液
S1)の閉回路を形成する。また、回転軸受12、るつ
ぼ設置台6を絶縁するので、並列する短絡回路は存在し
ない。上記閉回路の抵抗値を測定することにより、融液
−冷却体間の抵抗変化を含む電気抵抗測定をすることが
可能となる。したがって、上記の抵抗変化をモニタリン
グすることにより、凝固終了時点を判断することができ
る。電気抵抗の測定方法としては、上記閉回路間に電圧
を印加して流れる電流値との関係から抵抗値を算出する
方法や、ポテンショメータを用いる方法を用いることが
できる。
【0039】(実施例1)本発明の実施例1として、図
3に示す半導体シート製造装置を用いて半導体シートを
作製した。図3を参照しながら、半導体材料にシリコン
を用いたシリコンシートを製造した実施例について説明
する。シリコン原料5kg(純度11nine)に、ド
ーパントとして濃度が2ppmとなるような硼素を混合
し、高純度黒鉛製のるつぼに充填した。チャンバを密閉
し、10Pa以下まで減圧した後、チャンバ内にアルゴ
ンを導入して常圧に戻し、引き続きアルゴンを流量20
(l/分)でフローした。次にシリコン融解用ヒータに
より、るつぼを1550℃になるまで加熱し、るつぼ内
のシリコンを完全に融解した。この状態でさらに粒状シ
リコンを1kg追加投入し、湯面位置がるつぼの所定の
位置となるように調整した。その後、シリコン融液温度
を1430℃に設定し、温度が安定するまで30分間保
持した。
【0040】次に、高純度黒鉛製の冷却体に冷却用窒素
ガスを500(l/分)流し、温度が安定するまで保持
し、冷却体温度が1000℃となるように、さらに流量
を微調整した。同時にるつぼを上昇させ、回転冷却体の
円軌道の最下点が湯面位置から5mmの位置となるよう
にるつぼ高さを設定した。この間、冷却体の位置は円軌
道の最下点から90°回転した位置で保持しており、る
つぼを上昇させても冷却体は融液に浸漬されない。
【0041】上述の設定が完了した後、冷却体を円軌道
の最下点の位置となるよう90°回転させ、冷却体をシ
リコン融液に浸漬した。このとき、融液−冷却体間の抵
抗値を測定し、その測定値を市販のソフトウェアを用い
てパーソナルコンピュータ上でリアルタイムにグラフ化
することにより、抵抗値の変化を観察した。そして、上
記のような抵抗値変化の各段階で、冷却体をさらに90
°回転させ融液から引上げることにより浸漬を終了させ
た。このとき各サンプルの浸漬時の抵抗値グラフと得ら
れるサンプルの概要を表1に示す。また、各サンプルの
製造時の抵抗値と浸漬時間の関係を図4に示す。なお太
陽電池として評価するため、各サンプルを図5に示す作
製プロセスを用いて太陽電池を作製し評価を行なった。
結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】サンプル1は、凝固が完全に進行しておら
ず、ボイドが発生していた。このため、ボイド部でリー
クが発生し、太陽電池として十分な特性を得ることがで
きていない。サンプル3は、太陽電池として十分な特性
が得られているが、シート厚が700μmと大きく、本
発明の対象とする目的である低コスト化に障害となる。
サンプル2では、シート厚さならびに太陽電池としての
特性も共に望ましいものであった。
【0044】以上より、冷却体−融液間の抵抗値をサン
プル2の条件で浸漬を終了することにより、太陽電池基
板として最も適したシート厚の半導体シートを得ること
ができることが確認できた。
【0045】(実施例2)図6に、本発明の実施例2の
半導体シート製造装置を示す。上記の実施例1では、冷
却部が1つの平面からなる冷却体を有する構成を示し
た。しかし本実施例では、冷却部が周面を構成する円筒
状冷却体21を有する実施例を示す。このような半導体
シート製造装置は、結晶シートの大量生産により適した
ものである。図6に示す円筒状冷却体21は、上記実施
例1における冷却体と同様の材質を用いることができ
る。また、構造においても同様に内部を中空として気体
または液体を循環させることにより冷却体の温度を調節
し、浸漬時に発生する凝固潜熱を奪うことができる。
【0046】浸漬の開始と終了とは、るつぼの昇降によ
って制御する。また、浸漬時にるつぼの上端に回転軸が
干渉しないよう、円筒状冷却体の半径は、回転軸の半径
に比べ十分に大きいものとする。本実施例では、円筒状
冷却体を1度浸漬し、ある浸漬深さで固定した後、冷却
体を回転させることにより連続して結晶シートを製造す
ることができる。凝固した結晶シートは、結晶シート引
き出しローラ22により連続して半導体シート製造装置
の外に引き出される。このため、円筒冷却体は常に融液
中に浸漬されており、凝固状態の制御が、円筒状冷却体
の回転速度を調整することによって行なう。
【0047】円筒状冷却体−融液間の電気抵抗値の変化
は浸漬を開始した直後に起るが、円筒状冷却体を回転さ
せているため、冷却体表面で凝固が定常状態に安定する
とほぼ一定の値となる。この電気抵抗値がある一定の値
となるとき、ボイドのない所望のシート厚の結晶シート
を得ることができる。本実施例では浸漬時の冷却体−融
液間の電気抵抗値を測定し、常に一定の値となるように
冷却体の回転速度をフィードバック制御することにより
ボイドがなく安定した厚さの結晶シートを高能率で得る
ことができる。
【0048】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。(a)本発明では、最も広くは、電気抵抗を測定
して、凝固進行を検知して、半導体シートを製造する製
造方法であれば、どのような製造方法であってもよい。
半導体シートは太陽電池用半導体シートに限定されず、
たとえばボイドを適度に分散させた半導体シートが好ま
しい用途には、そのようなボイドを分散させた半導体シ
ートを提供することができる。要は、最も広くは、半導
体シートの凝固終了時点を電気抵抗値で判断する方法で
あれば、どのような半導体シートを製造してもよい。
(b)また、基体(冷却体)の表面は平面や円筒面に限
られない。本発明の範囲は上記した説明の範囲に限定さ
れず,特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲
と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる
ことが意図される。
【0049】
【発明の効果】本発明の半導体シート製造方法および半
導体シート製造装置を用いることにより、たとえば、均
一なシート厚さでボイドのないシート状シリコンを歩留
まりよく安定的に製造することができる。このため、低
コストで高品質の太陽電池用半導体シートを供給するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体シートの製造方法を説明する
図である。(a)は基板を融液に浸漬する前、(b)は
基体を融液に浸漬した直後、(c)は基体に半導体シー
トの凝固が開始した時点、(d)は所定の厚さに半導体
シートが成長した状態を示す図である。
【図2】 冷却体浸漬後の時間と融液−冷却体間の電気
抵抗の相関を示す図である。(a)は電気抵抗の時間推
移を示す図であり、(b)は電気抵抗の時間微分の推移
を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態における半導体シート製
造装置を示す図である。
【図4】 本発明の実施例1におけるサンプルの凝固終
了時間を示す図である。(a)はサンプル1、(b)は
サンプル2、(c)はサンプル3を示す図である。
【図5】 太陽電池製造プロセスを示すフローチャート
である。
【図6】 本発明の実施例2における半導体シート製造
装置を示す図である。
【符号の説明】
1 るつぼ、2 冷却体、3 冷却体支持部、4 回転
軸、5 ヒータ、6るつぼ設置体、7 るつぼ昇降器、
8a,8b 配線、9 抵抗測定器、10電極、12
回転軸受、21 円筒形冷却体、22 結晶シート引出
しローラ、23 抵抗測定器、S1 シリコン融液、S
2 結晶シート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G072 AA01 BB09 BB12 GG01 GG03 HH01 MM38 NN01 NN21 UU01 5F051 AA02 AA16 BA11 CB02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体材料を加熱して溶融した融液に基
    体を浸漬して、前記基体の表面にシート状の半導体を凝
    固させて半導体シートを製造する方法において、 前記基体表面を覆う融液層を含む範囲の電気抵抗を測定
    することにより、前記基体表面での前記融液の凝固の進
    行を検知し、前記半導体の凝固を停止させる、半導体シ
    ートの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記基体表面を覆う融液層を含む前記融
    液と前記基体との間に印加した電圧値およびその間に流
    れる電流値から前記電気抵抗を求める、請求項1に記載
    の半導体シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記融液の容器である導電性るつぼと前
    記基体との間の電気抵抗を測定する、請求項1または2
    に記載の半導体シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記基体表面での前記融液の凝固の進行
    が所定の度合いに達したことを前記電気抵抗値により検
    知して、前記半導体シートが形成された前記基体の部分
    を前記融液から離脱する、請求項1〜3のいずれかに記
    載の半導体シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記基体表面が平面状であり、前記半導
    体シートがその平面状表面に形成され、電気抵抗が所定
    値になったとき前記基体表面を前記融液から離脱させ
    る、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体シートの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記基体が円筒状回転体であり、前記融
    液中に部分的に浸漬した状態の基体を円筒軸の周りに、
    前記電気抵抗が所定値になるように回転させ、前記浸漬
    している円筒面に前記半導体シートを凝固させつつ前記
    融液から離脱させその半導体シートを前記円筒面から剥
    離させる、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体シー
    トの製造方法。
  7. 【請求項7】 半導体材料を加熱して溶融させる溶融炉
    と、 前記溶融された融液に基体を浸漬し、その基体表面に半
    導体シートを凝固させる基体浸漬装置と、 前記基体表面を覆う融液層を含む範囲の電気抵抗を測定
    する電気抵抗測定装置とを備える、半導体シート製造装
    置。
  8. 【請求項8】 半導体材料を加熱して溶融させる溶融炉
    と、 前記溶融された融液に浸漬され、その表面に半導体シー
    トを凝固させる回転体と、 前記回転体表面を覆う融液層を含む範囲の電気抵抗を測
    定する電気抵抗測定装置とを備える、半導体シート製造
    装置。
  9. 【請求項9】 前記半導体材料がシリコンである、請求
    項1〜6のいずれかに記載の半導体シートの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記半導体材料がシリコンである、請
    求項7または8に記載の半導体シート製造装置。
  11. 【請求項11】 前記請求項1〜6、9のいずれかに記
    載の半導体シート製造方法によって製造された半導体シ
    ートを用いた太陽電池。
  12. 【請求項12】 前記請求項7、8、10のいずれかに
    記載の半導体シート製造装置によって製造された半導体
    シートを用いた太陽電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012519650A (ja) * 2009-03-09 2012-08-30 1366 テクノロジーズ インク. 薄い半導体本体を溶融物質から作成するための方法及び装置
JP2013032236A (ja) * 2011-08-01 2013-02-14 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 多結晶シリコンの製造方法

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