JP2003145087A - 土質遮水層とその施工方法及びそれに用いる遮水材 - Google Patents

土質遮水層とその施工方法及びそれに用いる遮水材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物処分場における遮水工構造もしくは裏
込めに対して、難透水性と靭性に優れると共に延性的な
変形性能を併せ持たせて、締固めや含水比管理を不要に
する土質遮水層を提供する。 【解決手段】 本発明による土質遮水層23は、敷設す
る遮水材として粗粒分21のみもしくは粗粒分21と細
粒分24とを混合することで成る土質に溶液型活性シリ
カ22を混合させて構成しており、難透水性と靭性に優
れ、繰返し載荷重等に対する脆性的な破壊を回避して延
性的な変形性能を併せ持って、混合材の密度や含水比の
変動によるリスクを回避・低減している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土質を主材にする
土質遮水層及びそれに用いる遮水材に関し、特に、難透
水性と靭性に優れると共に変形性能を併せ持ちながら、
従来のように混合土の密度や含水比の変動によるリスク
を回避・低減して、締固めや含水比管理を不要にする土
質遮水層及びそれに用いる遮水材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年における一般及び産業廃棄物の処分
問題は、最終処分場における安全な造成の促進と構築さ
れる処分場における遮水性能の確立及び周辺地域に対す
る環境問題の解消等に発展している。
【0003】従来の最終処分場における一般的な遮水工
構造は、図13に示すように構成されている。
【0004】最終処分場1の底面部遮水2は、土質遮水
層3を採用するのが主流であり、土質遮水層3の上部に
遮水・遮光シート7を敷設してから保護マット8と良質
土の保護材9から成る保護土層10を配置することで構
築している。
【0005】土質遮水層3は、セメント改良土層4を造
成した後に、ベントナイト改良土層5とセメント改良土
層6を配置することで安全を期している。各改良土層
は、その骨格が粗粒材(中礫4.75mm〜19mm程
度)と細粒材(細礫2mm〜4.75mm以下の粗砂、
中砂、細砂、シルト等)とで構成されており、粗粒材と
細粒材及びその間に充填されるベントナイトとの混合締
固め層やセメント等の水硬性材から成る混合硬化物層と
して構成されている。
【0006】同様に、法面部遮水工11も、吹付けモル
タル層12を形成した後に、土質遮水層13を形成し、
その上には、底面部遮水2と同様の遮水・遮光シート
7、保護材9から成る保護土層10を配置している。
【0007】土質遮水層13は、ベントナイト改良層5
とその上に形成されるセメント改良層6とで構成される
ものであり、処分廃棄物からの漏水を確実に防止しよう
としている。
【0008】即ち、土質遮水層は、一般に図15に示す
ような現地発生土等の土質14にベントナイトやセメン
ト等の水硬性材33を混合して締め固めながら施工する
のが最近の主流であり、土質14にセメント系の固化材
ばかりでなく礫や溶融スラグ等を混合することも試みら
れており、現地発生土の適用が困難な場合には、微粒砕
石粉を含んだ砕石砂をベントナイトと混合することで構
成することも検討されている。
【0009】しかるに、最近の最終処分場における遮水
工構造は、安全性や施工効率の面で多くの検討が為され
てきたが、採用されている土質遮水層に関して問題点の
提起も行われている。
【0010】ベントナイト混合土の締固め工法は、締固
め時の含水比や密度、ベントナイト量を巌密に管理する
必要がある。しかして、米国で実施された実際の処分場
を含む81筒所の調査結果では、その約25%が透水係
数の基準を満たしていないことが1998年に報告され
ている。この原因としては、施工時の締固めや含水比管
理の不適、保覆土による初期盛土の有効拘束庄不足等が
指摘されている。
【0011】又、国内で公表されている室内試験に関す
る文献調査結果では、締固め度の10%、含水比の5
%、或いはベントナイト量の5%が変動すると、透水係
数が一桁も変化してしまう危険性のあることを報告して
いる。
【0012】加えて、締固め度90%以上のベントナイ
ト混合土やセメント等で固化した混合土は、地震時の繰
返し載荷重等に対して脆性的な破壊が予想され、クラッ
クの発生によって遮水性能の低下・喪失のリスクが高い
ことも危惧されている。
【0013】しかして、処分場の建設と廃棄物の埋め立
て時における維持管理、さらには埋め立て終了後の長期
間に及ぶ維持・管理面での総合効率の低減は、全過程で
のリスク低減に大きく左右される。
【0014】又、一旦遮水性能の低下・喪失が生じた場
合には、膨大な補修費用が発生し、その社会的影響も図
り知れないものがある。併せて、セメント混合土にあっ
ては、六価クロムやpHに対する検討・対策が不可欠であ
り、透水係数以外の管理リスクも加わることになる。
【0015】一方、今後は、陸上の処分場に加え海面処
分場の要請が高まるとされている。海面部での埋立て護
岸方式では、図14に見られるように、良質の土砂、砂
利、採石等を裏込め被覆層15としてケ−ソン函16の
裏側に入れ、土圧を軽減させると同時に、その両面に不
織布と遮水シートから成る不透水層17を配置して遮水
工を構成している。
【0016】従来の裏込めは難透水性ではなく、不透水
層を別途に敷設することが必須であるために、不織布、
遮水シート等の材料代とその施工コストを要しており、
結果的にコスト高になっていた。
【0017】又、遮水シート等の破損を想定した、より
安全で信頼性の高い遮水構造も望まれている。この場合
には、上記のような埋立て護岸方式の構造から、採用し
ている裏込め15を難透水性にすることによって処分廃
棄物からの漏水を低減・防止が図られる必要があるが、
従来の裏込め構造では、難透水性を確立できる対策を講
じることが出来ないという決定的な問題点を抱えてい
た。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の状況
に鑑みて提案するものであり、廃棄物処分場における遮
水工構造もしくは裏込めに対して、難透水性と靭性に優
れると共に繰返し載荷重等に対する脆性的な破壊を回避
することで延性的な変形性能を併せ持たせながら、混合
材の密度や含水比の変動によるリスクを回避・低減して
締固めや含水比管理を不要にする土質遮水層を提供して
いる。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
ある土質遮水層は、土質にベントナイトや水硬性材を混
合することで構成される土質遮水層において、土質にベ
ントナイトや水硬性材に替えて溶液型活性シリカを混合
して成る遮水材を敷設することを特徴としており、難透
水性と靭性に優れ、繰返し載荷重等に対する脆性的な破
壊を回避して延性的な変形性能を併せ持っており、混合
材の密度や含水比の変動によるリスクを回避・低減して
締固めや含水比管理を不要にしている。
【0020】請求項2に記載の発明である土質遮水層
は、請求項1に記載の土質遮水層において、土質を所定
粒径の粒分から成る骨格のみで構成することを特徴とし
ており、上記機能に加えて、土質の骨格が形成している
間隙をゲル化した溶液型活性シリカで充填することによ
って、所望の強度と遮水性能及び変形性能を確保してい
る。
【0021】請求項3に記載の発明である土質遮水層
は、請求項1又は2に記載の土質遮水層において、遮水
材を骨格にゲル化時間の異なる溶液型活性シリカを混合
させた複数層に構築することを特徴としており、上記機
能に加えて、要求される土質遮水層の特質に対処させて
任意の土質遮水層を構成することができる。
【0022】請求項4に記載の発明である土質遮水層
は、請求項1乃至3のいずれかに記載の土質遮水層にお
いて、土質遮水層を処分場遮水工の遮水層として構成す
ることを特徴としており、上記機能に加えて、最終処分
場の遮水性能と総合効率を向上させて所望の最終処分場
を構築可能にしている。
【0023】請求項5に記載の発明である土質遮水層
は、請求項1乃至3のいずれかに記載の土質遮水層にお
いて、土質遮水層を裏込めとして構成することを特徴と
しており、上記機能に加えて、裏込めにおける所望の遮
水性能を確保してコストの低減を図っている。
【0024】請求項6に記載の発明である土質遮水層の
施工方法は、請求項1乃至5のいずれかに記載の土質遮
水層を構成する施工方法であって、骨格と溶液型活性シ
リカとを混合した遮水材を構成し、しかる後に遮水材を
土質遮水層が構築される範囲に敷設して成り、所望の土
質遮水層を容易かつ低コストで施工している。
【0025】請求項7に記載の発明である土質遮水層の
施工方法は、請求項6に記載の土質遮水層の施工方法に
おいて、骨格と混合する溶液型活性シリカがゲル化時間
を調整できることを特徴としており、上記機能に加え
て、要求される土質遮水層の特質に対処させている。
【0026】請求項8に記載の発明である土質遮水層の
施工方法は、請求項6又は7に記載の土質遮水層の施工
方法において、土質の骨格を現地発生土から構成するこ
とを特徴としており、上記機能に加えて、施工コストを
さらに低減させている。
【0027】請求項9に記載の発明である土質遮水層の
施工方法は、請求項6乃至8のいずれかに記載の土質遮
水層の施工方法において、土質の骨格を現地発生土に所
定粒径の石分を混合させて構成することを特徴としてお
り、上記機能に加えて、土質の骨格を調整することで要
求される土質遮水層の特質に対処させている。
【0028】請求項10に記載の発明である遮水材は、
請求項1乃至3のいずれかに記載の土質遮水層に用いる
遮水材であって、骨格を粗粒分のみの土質に溶液型活性
シリカを混合することで構成しており、簡素な骨格によ
って土質遮水層に要望される強度と遮水性能及び変形性
能を確保している。
【0029】請求項11に記載の発明である遮水材は、
請求項1乃至3のいずれかに記載の土質遮水層に用いる
遮水材であって、骨格を所定の粒度分布の粗粒分と細粒
分から成る土質に溶液型活性シリカを混合することで構
成しており、調整された骨格によって土質遮水層に要望
される強度と遮水性能及び変形性能を確保している。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明による土質遮水層は、基本
的に、土質に溶液型活性シリカを混合して成る遮水材を
敷設しており、具体的には、土質を所定粒径の粒分から
成る骨格のみで構成したり、遮水材を骨格にゲル化時間
の異なる溶液型活性シリカを混合させた複数層に構築す
ることを特徴としている。
【0031】これによって、遮水層の敷設位置に、土質
に溶液型活性シリカを混合して成る遮水材を打設した直
後は、所定粒径の粒分から成る土質が、軌道の路床に敷
設されるバラスのように土質遮水層の骨格を形成しなが
ら、溶液型活性シリカは、ゾル状態を形成していること
で溶液型活性シリカが骨格の間隙を自由に流通出来る状
態にある。しかして、溶液型活性シリカは、ゲル化剤の
作用によってゲル化を開始し、骨格の間隙を密に充填し
た状態を形成する。
【0032】以下に、本発明を処分場遮水工の遮水層に
適用した実施の形態を例示しながら、その遮水特性、変
形・強度特性を証明する実験結果を示して、本発明によ
る土質遮水層の機能を明らかにする。
【0033】図1は、本発明による土質遮水層に敷設す
る遮水材の実施の形態を示している。
【0034】図において、20は土質遮水層、21は土
質遮水層に敷設する遮水材の粗粒分等の石分であり、本
実施の形態では、土質遮水層20に敷設する遮水材の骨
格を粗粒分等の石分21のみで構成しながら、粗粒分等
の石分21の表面間は、混合されてゲル化している溶液
型活性シリカ22によって充填されている。
【0035】しかして、土質遮水層20に敷設する遮水
材は、上載荷重や外力に対する支持力や剪断抵抗力を粗
粒分等の石分21で分担させており、難透水性能は、ゲ
ル化した溶液型活性シリカ22によって担保されてい
る。
【0036】本実施の形態に使用している粗粒分等の石
分21は、一般的な粗粒材であって特別に限定されるも
のでないが、粒径0.075mmを越える細砂から75
mm程度の粗礫等の粗粒材や骨格が75mmを超える粗
石と300mmを超える巨石の範囲にある石分が望まし
く、これによって、要望される強度と遮水性能及び変形
性能を確実に担うことができる。
【0037】この際に、土質遮水層20に敷設する遮水
材の粗粒分等の石分21は、鉄道軌道を支えている粗粒
材から成るバラスがそうであるように、一軸庄縮強度を
必須にしておらず、その強さは小さくてもよいばかり
か、ほとんど無くても良いものである。
【0038】そして、本発明による土質遮水層及びそれ
に用いる遮水材において用いる溶液型活性シリカ22
は、ゲル化物質であって、その遮水メカニズムは、セメ
ントのように土の粒子の接触点部分を固結させるもので
なく、粗粒分等の石分21の粒子間に存在する間隙を溶
液型活性シリカ22のゲル化物質によって充填するもの
であり、このゲル化物質が粗粒分等の石分21において
その全表面を覆い、これらを相互に繋ぎ止めるものと推
考されている。
【0039】ゲル化開始前の溶液型活性シリカ22は、
その粘度が水と同等であることから、骨格を形成する粗
粒分等の石分21の間に形成されている間隙に、これを
飽和させる間隙流体として土質遮水層20に敷設する遮
水材中に存在している。しかるに、溶液型活性シリカ2
2のゲル化が進展するに伴って、この間隙流体は、粗粒
分等の石分21の間に形成されている間隙を充填する硬
化体に変化して骨格と一体化して行くが、土質遮水層2
0に敷設する遮水材の伝達力は直接接触している粗粒分
等の石分21が担っている。
【0040】本発明で使用される溶液型活性シリカ22
は、シリカゾルと水ガラスからナトリウムイオンを電気
透析法、イオン交換法等の製造方法によって低減させる
ように特殊加工した特殊シリカであって、粒径10-4
10-6mmであるコロイド溶液を主材にして、これにシ
リカ粒子を架橋させるゲル化剤を配合させることでゲル
化出来るように構成されている。
【0041】又、ゲル化後の溶液型活性シリカ22は、
所望の液状化強度を発生させると共に、シリカ粒子濃度
やサンドゲル状態に到るゲル化時間を調整可能に構成さ
れている。
【0042】本実施の形態では、主材として、3ナノメ
ートル乃至6ナノメートルの活性シリカ粒子を0.28
重量%乃至2.25重量%の範囲で水に分散することで
粒子濃度4.5(%)以下のコロイド溶液を採用してい
るが、その実施例としては、ASFシリカー4(旭電化
工業(株)製、商品名)を用いている。
【0043】又、これに配合させるゲル化剤の実施形態
としては、0.1重量%乃至5.0重量%濃度の酸性塩
と0.1重量%乃至10.0重量%濃度の中性塩から構
成されるものであり、酸性塩としては、クエン酸塩、燐
酸塩等の弱酸性塩も使用可能であり、本実施例では、A
SFアクターM(旭電化工業(株)製、商品名)を用いて
いる。そして、中性塩としては、塩化ナトリュウム、塩
化カリュウム又は塩化アルミニュウム等が使用可能であ
り、本実施例では、ASFアクターNS(旭電化工業
(株)製、商品名)を用いている。
【0044】溶液型活性シリカは、従来から液状化を防
止するために地盤改良する注入グラウトとして用いられ
る実績がある。しかしながら、その使用形態は、図2に
示すように地盤の間隙内に浸透注入するものであり、溶
液型活性シリカは、地盤18の中に球形のサンドゲル化
硬化物19を形成しており、これによって地盤の液状化
を防止するものである。
【0045】従って、従来の実績は、本発明のように土
質と溶液型活性シリカとを積極的に攪拌混合することに
よって、土質と溶液型活性シリカとを均質に混合した土
質遮水層を形成するものでない。
【0046】本実施の形態における土質遮水層20に敷
設する遮水材では、以上のように構成することによっ
て、粗粒分等の石分21と溶液型活性シリカ22とが、
それぞれの特長にしている工学的性質を有効に活用され
ており、これによって、所望の遮水特性、変形・強度特
性を満たす複合的機能を充分に発揮している。
【0047】図3は、本発明による土質遮水層における
他の実施の形態を示している。本実施の形態では、土質
遮水層23に敷設する遮水材の骨格を粗粒分等の石分2
1のみでなく、細粒分24が混在されており、粗粒分等
の石分21の間隙を細粒分24によって補充されてい
る。粗粒分等の石分21と細粒分24との間隙には、上
記実施の形態と同様に、溶液型活性シリカ22が混合さ
れており、溶液型活性シリカ22はゲル化していること
で粗粒分等の石分21と細粒分24とを相互に繋ぎ止め
ている。この際の細粒分24は、粗粒分等の石分21間
の間隙を埋めて溶液型活性シリカ22の染み出しを防止
すると同時に溶液型活性シリカ22の使用量を低減させ
てコスト面を有利にしている。
【0048】本実施の形態に使用している細粒分24
は、一般的な細粒材であって特別に限定されるものでな
いが、粗粒分等の石分21との関連において粒径0.0
75mm以下のシルトから0.005mm以下の粘土で
構成することが望ましく、特に、粗粒材21の範囲とし
て粒径0.075mmを越える細砂から75mm程度の
粗礫や石分にしている場合には、土質を構成している粒
子の粒度分布の面から有効である。
【0049】以上の構成によって、本実施の形態におけ
る土質遮水層23に敷設する遮水材では、粗粒分等の石
分21、細粒分24及び溶液型活性シリカ22が、それ
ぞれの特長にしている工学的性質を生かすことで、所定
の強度を確立しながら所望の遮水特性、変形特性を満た
すと共に施工コストの低減を図っている。
【0050】本発明による土質遮水層は、廃棄物処分場
における遮水工構造もしくは裏込めを低コストに施工す
るために、土質を現地発生土から構成することでも、所
望の遮水特性、変形・強度特性を発揮させることができ
る。
【0051】図4には、土質遮水層に敷設する遮水材の
土質として各種の現地発生土を用いた場合の粒度分布を
示している。
【0052】透水性の実験は、粗粒材21のみの土質と
して、渡嘉敷砂、冨津砂及び豊浦砂を用いており、粗粒
分等の石分21と細粒分24との混合体から成る土質と
しては、砕石分砕石、サンゴ礫土及び甲賀破砕土を用い
ている。
【0053】実験は、これらの土質と溶液型活性シリカ
22とを混合して遮水材を作製した後にその透水性を確
認したが、粗粒材21のみの土質である渡嘉敷砂、冨津
砂及び豊浦砂の場合は、透水係数1×10-7(cm/
s)といずれも難透水性を示し、粗粒分等の石分21と
細粒分24との混合体から成る砕石分砕石の場合は、透
水係数2×10-7(cm/s)、サンゴ礫土の場合は、
3×10-7(cm/s)、そして甲賀破砕土の場合は、
桁を1段変えて1×10-6(cm/s)になるが、難透
水性を示していた。
【0054】以上のように、本発明による土質遮水層に
敷設する遮水材は、土質を現地発生土で構成しても上記
のように10-6〜10-7(cm/s)台の難透水性を確
立することで、遮水層としての所期の目的を達成できる
ものである。
【0055】しかるに、上記の実験状況から判断する
と、現地発生土の状況に対処させてその粒度分布を適宜
に調整することも随意であり、現地発生土に所定の粗粒
分、細粒分もしくは粗粒分と細粒分とを追加的に混合さ
せる組成にすることでも、所望の遮水特性、変形・強度
特性を満たすことができることが明らかである。
【0056】一方、本発明による土質遮水層に敷設する
遮水材は、溶液型活性シリカの濃度を調整することによ
っても、その透水係数を適宜に制御できるものであり、
図5に示すデータは、前述の粗粒材に相当する豊浦砂に
対して、種々の濃度の溶液型活性シリカを適用させた場
合の実験結果である。
【0057】即ち、溶液型活性シリカの濃度が零の場合
には、2×10-2(cm/s)程度に確保されていた透
水性が、溶液型活性シリカを1%混合させると1×10
-4(cm/s)〜1×10-5(cm/s)に低下してお
り、溶液型活性シリカの濃度を増加させるにつれて難透
水性が強化され、2.5%程度にすると1×10-6(cm
/s)に変化し、溶液型活性シリカの濃度を4.5%程
度にした場合には、1×10-7(cm/s)程度の難透
水性が確保できることを示している。
【0058】従って、本発明による土質遮水層に敷設す
る遮水材が要求される透水係数は、混入する溶液型活性
シリカの濃度の調整によって随意に実現できるものであ
る。
【0059】次に、本発明による土質遮水層が、靭性に
優れ、繰返し載荷重等に対する脆性的な破壊を回避し
て、延性的な変形特性を有していることを土質遮水層に
敷設する遮水材における各種の確認実験によって実証す
る。
【0060】図6は、図4の砕石粉砕石を用いた土質遮
水層に敷設する遮水材の一軸圧縮試験結果を示してい
る。土質遮水層の一軸圧縮強さquは、最大で23(k
Pa)を提示しており、破壊ひずみεaは7%であり、
靭性に優れていることを明示している。
【0061】従って、本発明による土質遮水層は、延性
的な変形特性を有していることが確認されており、最終
処分場の遮水工や裏込めに求められる充分な特性を確保
している。
【0062】図7は、土質遮水層に敷設する遮水材にお
ける非排水繰返し単純剪断試験結果であり、ひずみ振幅
漸増方式で実験している。
【0063】本実験では、剪断ひずみ振幅として、γ=
±1×10-4から開始して1.5倍ずつ漸増させている
が、剪断応力は、各剪断ひずみ振幅のピーク時において
増加傾向を継続していることが示すように、繰返し載荷
によっても脆性的な破壊が発生しないことを明らかにし
ている。
【0064】図8は、図7に示した1回目の非排水繰返
し単純剪断試験における繰返し載荷試験が終了した後に
実施した靭性劣化の有無と延性的な変形性能の保持を確
認する継続実験である。
【0065】図8(a)は、1回目の非排水繰返し単純
剪断試験で蓄積した過剰間隙水圧を消散させた後に実施
した、2回目の実験時における剪断応力〜剪断ひずみ関
係であり、同様に図8(b)は、3回目の実験時におけ
る剪断応力〜剪断ひずみ関係である。
【0066】いずれの実験においても、各剪断ひずみ振
幅のピーク時における剪断応力は、増加傾向を継続して
いることが示すように、繰返し載荷によっても脆性的な
破壊を生じていない。
【0067】従って、本発明による土質遮水層に敷設す
る遮水材は、通常の地盤材料では破壌に相当する大きな
ひずみ履歴を繰返し作用させても、その靭性は劣化する
ものでなく延性的な変形性能を継続して保持できること
を確認することができる。
【0068】図9は、図5の実験例である土質遮水層に
敷設する遮水材に対して実施したひずみ振幅漸増方式の
非排水繰返し単純剪断実験結果を示している。
【0069】図9(a)は、図5におけるシリカ濃度ゼ
ロの未改良例であり、図9(b)は、図5におけるシリ
カ濃度4.5%の改良例、図9(c)は、図5における
シリカ濃度2.5%の改良例であり、図9(d)は、図
5におけるシリカ濃度1.1%の改良例に対する非排水
繰返し単純剪断の実験結果である。
【0070】図9(a)の未改良の土質遮水層では、剪
断ひずみの振幅を増加させて行くと、剪断応力が減少傾
向に転じ、ほぼ零になり破壊を生じている。
【0071】しかるに、図9(b)〜(d)の各例で
は、いずれも各剪断ひずみ振幅のピーク時における剪断
応力も増加傾向を継続しており、繰返し載荷による破壊
を生じていないことを明示している。
【0072】従って、本実験結果は、図5で示した豊浦
砂が溶液型活性シリカの濃度を種々に変更した場合にお
いても、充分な難透水性を発揮させると同時にその靭性
を確保して、繰返し載荷によっても脆性的な破壊をせ
ず、延性的な変形性能を備えていることを確認させるに
充分な状態を示している。
【0073】さらに、図10に示す実験データは、図5
で示した豊浦砂に濃度2.5%の溶液型活性シリカを混
合させた土質遮水層について、図9(c)に示す非排水
繰返し単純剪断実験を終了させた後に実施した、靭性の
劣化と延性的な変形性能を確認する継続実験の結果であ
り、図10(a)は2回目、図10(b)は3回目の剪
断応力−剪断ひずみの関係図である。
【0074】これら、いずれの場合も、剪断ひずみ振幅
のピーク時において、その剪断応力は増加傾向を継続し
ていることが示すように、繰返し載荷によっても脆性的
な破壊を生じておらず、本発明による土質遮水層は、通
常の地盤材料では破壌に相当する大きなひずみ履歴を繰
返し作用させても、その靭性は劣化するものでなく延性
的な変形性能を継続して保持できることを確認すること
ができる。
【0075】以上のように、本発明による土質遮水層
は、その実施の形態及び土質遮水層に敷設する遮水材の
確認実験が明らかにしたように、難透水性と靭性に優れ
ると共に繰返し載荷重等に対する脆性的な破壊を回避し
て延性的な変形性能を併せ持っており、混合材の密度や
含水比の変動によるリスクを回避・低減することで締固
めや含水比管理を不要にしている。
【0076】又、本発明による施工方法では、骨格と溶
液型活性シリカとを混合させ溶液型活性シリカのゲル化
時間を調整して遮水材を構成し、この遮水材を土質遮水
層が構築される範囲に敷設することで、所望の土質遮水
層を容易に施工できるものであり、土質の骨格として現
地発生土を採用すると共に、必要に応じて所定粒径の石
分を混合させることによって、要求される土質遮水層の
特質に対処させながら低コストの施工を可能にしてい
る。
【0077】上記において詳細に説明してきた本発明に
よる土質遮水層とその施工方法は、遮水を必要とする各
種の分野に適用可能であるが、以下に、その適用例につ
いて具体的に説明する。
【0078】図11は、本発明による土質遮水層とその
施工方法を適用した最終処分場における遮水工の概要側
断面図である。
【0079】最終処分場25の底面部遮水26は、土質
遮水層27を採用しており、土質遮水層27の上部に
は、従来と同様に遮水・遮光シート7を敷設してから保
護マット8と良質土の保護材9から成る保護土層10を
配置している。
【0080】土質遮水層27は、ベントナイト改良土層
28を造成した後に、本発明による土質遮水層29を配
置することで遮水性能を確保している。
【0081】土質遮水層29は、現地発生土に溶液型活
性シリカを混合させることで構成しており、上述した作
用によって確実な難透水性を確立している。
【0082】尚、本実施の形態のように、ベントナイト
改良土層28に土質遮水層29を直接、接合させて造成
する場合は、現地発生土に混合した溶液型活性シリカが
骨格を構成している粗粒分から染み出して、ベントナイ
ト改良土層28に浸透し、ベントナイトを膨潤させない
ように考慮した施工を実施している。
【0083】即ち、土質遮水層29に採用する現地発生
土の細粒分が、不足している場合には、現地発生土に細
粒分を追加混合させるようにしており、細粒分が備えて
いる間隙流体の保持効果を発揮させることで、材料分離
及び溶液型活性シリカが粗粒分から染み出すことを阻止
している。
【0084】しかして、土質遮水層29は、上述の各実
施の形態で説明したように、難透水性と靭性に優れると
共に、繰返し載荷荷重に対しても延性的な変形性能を発
揮して脆性的な破壊を回避しており、最終処分場は、結
果的に底面部遮水工の密度や含水比の変動によるリスク
を回避・低減することで、締固めや含水比管理を不要に
している。
【0085】同様に、法面部遮水工30も、土質遮水層
31を形成した後に、土質遮水層32を形成しており、
その上には、底面部遮水26と同様の遮水・遮光シート
7、保護マット8及び保護材9から成る保護土層10を
配置している。
【0086】尚、本実施の形態では、保護土層10を構
成している保護材9に良質土を使用し、土質遮水層27
の一部をベントナイト改良土層28で構成しているが、
最終処分場の遮水工は、この実施の形態に何ら限定され
るものでなく、良質土やベントナイト改良土に替えて土
質に溶液型活性シリカを混合して成る本発明の遮水材を
採用することも可能である。
【0087】しかして、本発明に用いる溶液型活性シリ
カは、上述したように、主材のコロイド溶液に、酸性塩
と中性塩等から構成されているゲル化剤を適宜に配合さ
せることで、所望の液状化強度を発生させると共にサン
ドゲル状態に到るゲル化時間を調整可能に構成してい
る。
【0088】本実施の形態の場合には、このことを活用
しているもので、土質遮水層31は、土質遮水層が法面
の傾斜に対して溶液型活性シリカの骨格からの染み出し
や材料分離が生じないようにゲル化時間を早く設定して
おり、溶液型活性シリカが増粘を開始しゲル化開始直前
に施工するようにしている。又、土質遮水層32は、土
質遮水層31のゲル化時間を勘案しながらそのゲル化時
間を調整しており、土質遮水層31の施工後にゲル化前
の状態で積層させながら施工している。
【0089】そして、土質遮水層31、32は、いずれ
も底面部遮水工の土質遮水層29と同様の特性を備えて
いることで、締固めや含水比管理を不要にしている。
【0090】以上のように、本発明による土質遮水層に
敷設する遮水材は、骨格にゲル化時間の異なる溶液型活
性シリカを混合させて複数層に構築することによって、
土質遮水層の要求される特質に確実に対処させている。
【0091】最終処分場では、底面部遮水工や法面の土
質遮水層の他に、処分廃棄物を埋め立てる場合にも遮水
層の処置が必要になっている。
【0092】即ち、処分廃棄物を埋め立てる場合には、
最終処分場に搬入されてきた廃棄物を数m処分した後に
数十cm程度の中間覆土を配置するというセル方式の埋
め立てを採用している場合があり、この場合には、埋め
立てを完了した時に最上層を数mの最終覆土で最終的に
覆土する方式を採用している。
【0093】しかして、本発明による土質遮水層とその
施工方法は、上記のような処分廃棄物を埋め立てる場合
にも有効に活用することが出来るものである。
【0094】覆土の形態としては、廃棄物の飛散や臭気
の発散及びはえ等の害虫の発生を防止するために、一日
の埋め立て作業が終了した時点で廃棄物が露出しないよ
うに実施する即日覆土、埋め立ての進行と共に、廃棄物
搬入車の道路地盤を確保するために廃棄物層の上に実施
する中間覆土があり、中間覆土の厚さは締め固めた後で
数十cm程度である。
【0095】又、最終覆土は、埋め立てが完了した時点
で厚さ数m程度に実施されるものであり、最終仕上げ面
は、雨水が埋め立て地外にすみやかに導かれるように配
慮して構成されている。
【0096】しかるに、本発明による土質遮水層は、上
述のように難透水性と靭性に優れると共に、繰返し載荷
荷重に対しても延性的な変形性能を発揮して脆性的な破
壊を回避していることから、ゲル化時間の調整や層厚の
選択によって、難透水性と繰返し載荷荷重に対する延性
的な変形性能による脆性的な破壊を回避することで即日
覆土や中間覆土に柔軟に対応できるものであり、最終覆
土としても、所望の難透水性と靭性に優れた強度を確保
させることができる。
【0097】尚、上記の即日覆土と中間覆土の場合に
は、その要求性能に対処して、遮水材を溶液型活性シリ
カの直接散布で構成することも可能であり、作業の容易
性とコストの低減を図ることが出来る。
【0098】又、図12は、本発明による土質遮水層を
裏込めに適用した実施の形態の概要側断面図である。
【0099】本実施の形態における裏込め35は、上述
してきた粗粒分等の石分21で骨格を構成しながら溶液
型活性シリカ22を混合した土質遮水層20であり、従
来はその両面に配置していた不織布と遮水シートから成
る不透水層17を省略した状態で水圧を減じている。
【0100】裏込め35は、壁16への土圧を軽減する
ために所定の粒度分布に構成された粗粒分や細粒分で土
質を構成しながら、これに溶液型活性シリカを混合して
おり、これによって最小層厚50cm以上で透水係数1
×10-6(cm/s)以下の遮水層を形成している。
【0101】以上のように、裏込めに本発明による土質
遮水層とその施工方法を適用した場合には、従来の遮水
シート等の不透水層を設置する方式で想定されていた不
透水層の破損を回避できる。しかして、裏込めに溶液型
活性シリカを混合することで難透水性にすることでより
安全で信頼性の高い遮水構造に対処することを可能にし
ており、処分廃棄物からの漏水の低減・防止を確実に達
成している。
【0102】上記の遮水性能を有する裏込めは、不透水
層を別途に敷設することを省略することで不織布、遮水
シート等の材料代とその施工コストを不要にしており、
これによってコストの低減と工期の短縮を可能にしてい
る。
【0103】又、よりいっそうの安全性を求められる場
合には、従来と同様な不織布、遮水シート等から成る不
透水層を併用することによって、遮水性能をさらに高め
ることが出来る。
【0104】以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細
に説明してきたが、本発明による土質遮水層とその施工
方法及びそれに用いる遮水材は、上記実施の形態に何ら
限定されるものでなく、土質遮水層の適用分野や土質、
粗粒分、細粒分及び溶液型活性シリカの種類等に関し
て、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、出願時に
おいて既に公知のものを適用することによる種々の変更
が可能であることは、当然のことである。
【0105】
【発明の効果】請求項1に記載の土質遮水層は、土質に
溶液型活性シリカを混合して成る遮水材を敷設すること
を特徴としているので、難透水性と靭性に優れ、繰返し
載荷重等に対する脆性的な破壊を回避して延性的な変形
性能を併せ持っており、混合材の密度や含水比の変動に
よるリスクを回避・低減して締固めや含水比管理を不要
にする効果を発揮している。
【0106】請求項2に記載の土質遮水層は、請求項1
に記載の土質遮水層において、土質を所定粒径の粒分か
ら成る骨格のみで構成することを特徴としているので、
上記効果に加えて、土質の骨格が形成している間隙をゲ
ル化した溶液型活性シリカで充填することによって、所
望の強度と遮水性能及び変形性能を確保する効果を発揮
している。
【0107】請求項3に記載の土質遮水層は、請求項1
又は2に記載の土質遮水層において、遮水材を骨格にゲ
ル化時間の異なる溶液型活性シリカを混合させた複数層
に構築することを特徴としているので、上記効果に加え
て、要求される土質遮水層の特質に対処させて任意の土
質遮水層を構成できる効果を発揮している。
【0108】請求項4に記載の土質遮水層は、請求項1
乃至3のいずれかに記載の土質遮水層において、土質遮
水層を処分場遮水工の遮水層として構成することを特徴
としているので、上記効果に加えて、最終処分場の遮水
性能と総合効率を向上させて所望の最終処分場を構築可
能にする効果を発揮している。
【0109】請求項5に記載の土質遮水層は、請求項1
乃至3のいずれかに記載の土質遮水層において、土質遮
水層を裏込めとして構成することを特徴としているの
で、上記効果に加えて、裏込めにおける所望の遮水性能
を確保して別途に構成した遮水層を省略することでコス
トを低減する効果を発揮している。
【0110】請求項6に記載の土質遮水層の施工方法
は、請求項1乃至5のいずれかに記載の土質遮水層を構
成する施工方法であって、骨格と溶液型活性シリカとを
混合した遮水材を構成し、しかる後に遮水材を土質遮水
層が構築される範囲に敷設して成り、所望の土質遮水層
を容易かつ低コストで施工できる効果を発揮している。
【0111】請求項7に記載の土質遮水層の施工方法
は、請求項6に記載の土質遮水層の施工方法において、
骨格と混合する溶液型活性シリカがゲル化時間を調整で
きることを特徴としているので、上記効果に加えて、要
求される土質遮水層の特質に対処できる効果を発揮して
いる。
【0112】請求項8に記載の土質遮水層の施工方法
は、請求項6又は7に記載の土質遮水層の施工方法にお
いて、土質の骨格を現地発生土から構成することを特徴
としているので、上記効果に加えて、施工コストをさら
に低減させる効果を発揮している。
【0113】請求項9に記載の土質遮水層の施工方法
は、請求項6乃至8のいずれかに記載の土質遮水層の施
工方法において、土質の骨格を現地発生土に所定粒径の
石分を混合させて構成することを特徴としているので、
上記効果に加えて、土質の骨格を調整することで要求さ
れる土質遮水層の特質に対処する効果を発揮している。
【0114】請求項10に記載の遮水材は、請求項1乃
至3のいずれかに記載の土質遮水層に用いる遮水材であ
って、骨格を粗粒分のみの土質に溶液型活性シリカを混
合することで構成しているので、簡素な骨格によって土
質遮水層に要望される強度と遮水性能及び変形性能を確
保する効果を発揮している。
【0115】請求項11に記載の遮水材は、請求項1乃
至3のいずれかに記載の土質遮水層に用いる遮水材であ
って、骨格を所定の粒度分布の粗粒分と細粒分から成る
土質に溶液型活性シリカを混合することで構成している
ので、調整された骨格によって土質遮水層に要望される
強度と遮水性能及び変形性能を確保する効果を発揮して
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による土質遮水層における実施の形態図
【 図2】本発明に用いる溶液型活性シリカの従来の使
用状態図
【 図3】本発明による土質遮水層における他の実施の
形態図
【 図4】現地発生土の粒土分布図
【 図5】粗粒分を骨格にする土質遮水層におけるシリ
カ濃度と透水係数の相関図
【 図6】本発明による土質遮水層の軸ひずみ−一軸圧
縮強さ図
【 図7】本発明による土質遮水層の剪断ひずみ−剪断
応力図
【 図8】本発明による土質遮水層の継続させた剪断ひ
ずみ−剪断応力図
【 図9】土質遮水層のシリカ濃度に対する剪断ひずみ
−剪断応力図
【 図10】土質遮水層のシリカ濃度に対する継続させ
た剪断ひずみ−剪断応力図図
【 図11】本発明による土質遮水層を適用した最終処
分場の概要側断面図
【 図12】本発明による土質遮水層を適用した裏込め
の概要側断面図
【 図13】従来の最終処分場における遮水工の概要側
断面図
【 図14】従来における裏込めの概要側断面図
【 図15】従来における土質遮水層の概要図
【符号の説明】
1、25 最終処分場、 2、26 底面部遮水、
3、27 土質遮水層、4、6セメント改良土層、
5、28 ベントナイト改良土層、7 遮水・遮光シー
ト、 8 保護マット、 9 保護材、10 保護土
層、 11、30 法面部遮水工、 12 吹付けモル
タル層、13 土質遮水層、 14 土質、 15、3
5 裏込め、 16 壁、17 不透水層、 20、2
3 土質遮水層、 21 粗粒分等の石分、22 溶液
型活性シリカ、 24 細粒分、 29、32 土質遮
水層、31 土質遮水層、 33 水硬性材、

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土質にベントナイトや水硬性材を混合す
    ることで構成される土質遮水層であって、土質にベント
    ナイトや水硬性材に替えて溶液型活性シリカを混合して
    成る遮水材を敷設することを特徴とする土質遮水層。
  2. 【請求項2】 土質が、所定粒径の粒分から成る骨格の
    みで構成されることを特徴とする請求項1に記載の土質
    遮水層。
  3. 【請求項3】 遮水材が、骨格にゲル化時間の異なる溶
    液型活性シリカを混合させた複数層に構築されることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の土質遮水層。
  4. 【請求項4】 土質遮水層が、処分場遮水工の遮水層と
    して構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載の土質遮水層。
  5. 【請求項5】 土質遮水層が、裏込めとして構成される
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の土
    質遮水層。
  6. 【請求項6】 骨格と溶液型活性シリカとを混合した遮
    水材を構成し、しかる後に該遮水材を土質遮水層が構築
    される範囲に敷設して成る請求項1乃至5いずれかに記
    載の土質遮水層を構成する土質遮水層の施工方法。
  7. 【請求項7】 骨格と混合する溶液型活性シリカが、ゲ
    ル化時間を調整できることを特徴とする請求項6に記載
    の土質遮水層の施工方法。
  8. 【請求項8】 土質の骨格が、現地発生土から構成され
    ることを特徴とする請求項6又は7に記載の土質遮水層
    の施工方法。
  9. 【請求項9】 土質の骨格が、現地発生土に所定粒径の
    石分を混合させて構成されることを特徴とする請求項6
    乃至8のいずれかに記載の土質遮水層の施工方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至3のいずれかに記載の土
    質遮水層に用いる遮水材であって、骨格が粗粒分のみの
    土質に溶液型活性シリカを混合して成る遮水材。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至3のいずれかに記載の土
    質遮水層に用いる遮水材であって、骨格が所定の粒度分
    布の粗粒分と細粒分から成る土質に溶液型活性シリカを
    混合して成る遮水材。
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JP2017193907A (ja) * 2016-04-22 2017-10-26 大成建設株式会社 可塑性充填材の配合設定方法

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