JP2003143044A - 2線式電源多重通信システム、そのマスター装置及び2線式電源多重通信方法 - Google Patents

2線式電源多重通信システム、そのマスター装置及び2線式電源多重通信方法

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JP2003143044A
JP2003143044A JP2001334949A JP2001334949A JP2003143044A JP 2003143044 A JP2003143044 A JP 2003143044A JP 2001334949 A JP2001334949 A JP 2001334949A JP 2001334949 A JP2001334949 A JP 2001334949A JP 2003143044 A JP2003143044 A JP 2003143044A
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Ikuo Omura
郁夫 大村
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で信頼性が高く、小型の2線式電源多重
通信システムを提供する。 【解決手段】 本発明の2線式電源多重通信システムに
おいては、マスター装置は、スレーブ装置に直流電源を
供給し且つスレーブ装置との間でマスター・スレーブ方
式のデータ通信を行う第1の2線式電源多重通信部を有
し、データ通信においては通信データの後にエンドビッ
トを付加し、第1の2線式電源多重通信部は、少なくと
も一部のエンドビット期間において低出力インピーダン
スである第1の出力インピーダンスで電源電圧を出力
し、スレーブ装置が通信データを送信する送信期間にお
いては第1の出力インピーダンスよりも高い出力インピ
ーダンスである第2の出力インピーダンスで電圧を出力
する。2本の接続線で接続されたスレーブ装置は、マス
ター装置が第1の出力インピーダンスで電源電圧を出力
する時に、マスター装置から電力を供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2線式電源多重通信
システム、そのマスター装置、及び2線式電源多重通信
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2線式電源多重通信システムは、電源と
通信データを伝送する接続線とグラウンド線との2本線
のみで複数の機器を接続することにより、システムを構
成できる。2線式電源多重通信システムは、安価な接続
コストでシステムを構成できるという優れた特徴を有す
る故に、今日多くの分野で利用されている。図11は2
線式電源多重通信システムの一般的な概念図である。図
11の2線式電源多重通信システムは、マスター装置1
101及びスレーブ装置1104、1106、110
8、1110、1112、1114等を有し、マスター
装置及び全てスレーブ装置は2本の接続線1102、1
103で相互に接続されている。
【0003】全てのスレーブ装置は、マスター装置11
01から電源供給を受けて動作する。マスター装置11
01と全てのスレーブ装置とは、マスター・スレーブ方
式で通信を行う。各スレーブ装置は、その入力端子に接
続されたスイッチ等から信号を入力し、2本の接続線1
102、1103を通じてマスター装置及び他のスレー
ブ装置等に入力信号を伝送する。各スレーブ装置は、マ
スター装置及び他のスレーブ装置等からの信号を2本の
接続線1102、1103を通じて入力する。各スレー
ブ装置は任意の入力部又は負荷を有する。図11の概念
図において、スレーブ装置1104はランプ1105を
負荷として有し、スレーブ装置1106はブザー110
7を負荷として有し、スレーブ装置1108はモータ1
109を負荷として有し、スレーブ装置1110はスイ
ッチ1111を入力部として有し、スレーブ装置111
2は温度センサ1113を入力部として有し、スレーブ
装置1114はスイッチ1115を入力部として有し且
つランプ1116を負荷として有する。
【0004】図12を用いて、従来例1の2線式電源多
重通信システムを説明する。図12は従来例1の2線式
電源多重通信システムの構成を示すブロック図である。
図12に示す従来例1の2線式電源多重通信システム
は、マスター装置1201と、複数のスレーブ装置12
04、1205と、2本の接続線(電源供給・通信線1
202とグラウンド線1203)とを有する。マスター
装置1201は、直流定電圧を出力する電源1211、
直流成分を通過させて高周波成分を遮断する低域通過フ
ィルタ(LPF)1212、マイクロコンピュータ12
13、スリーステート型出力増幅器1214、入力増幅
器1215、高域通過フィルタ(HPF)1216を有
する。スレーブ装置1204、1205は、LPF12
21、コンデンサ1222、マイクロコンピュータ12
23、スリーステート型出力増幅器1224、入力増幅
器1225、HPF1226を有する。複数のスレーブ
装置1204、1205は全て同じ内部構成を有してい
る。図12においては代表的に1つのスレーブ装置12
04についてのみ、その内部構成を図示している。
【0005】マスター装置1201は、2本の接続線1
202、1203を通じて、複数のスレーブ装置120
4、1205に電源を供給すると共に、マスター装置1
201と複数のスレーブ装置1204、1205との間
でマスター・スレーブ方式によるデータ通信を行う。
【0006】以下、図12の2線式電源多重通信システ
ムの動作を説明する。マスター装置1201の電源12
11は、マスター装置1201内部の回路に電源を供給
すると共に、LPF1212、接続線1202、LPF
1221を通じて、各スレーブ装置1204、1205
に電源を供給する。マスター装置1201のマイクロコ
ンピュータ1213は、任意のスレーブ装置1204、
1205に対してコマンドデータ(マスター装置からス
レーブ装置に伝送するデータ)を出力する。コマンドデ
ータは、スリーステート型出力増幅器1214、HPF
1216、接続線1202、HPF1226、入力増幅
器1225を通じて、各スレーブ装置1204、120
5のマイクロコンピュータ1223に入力される。コマ
ンドデータの送信時には、各スレーブ装置1204、1
205のスリーステート型出力増幅器1224は、ハイ
インピーダンス状態に設定されており、入力増幅器12
25がコマンドデータを入力するのを妨げない。
【0007】コマンドデータで指定されたスレーブ装置
1204のマイクロコンピュータ1223は、そのコマ
ンドデータに応じてレスポンスデータ(スレーブ装置か
らマスター装置又は他のスレーブ装置に伝送するデー
タ)を出力する。レスポンスデータは、スリーステート
型出力増幅器1224、HPF1226、接続線120
2、HPF1216、入力増幅器1215を通じてマス
ター装置のマイクロコンピュータ1213に入力され、
又はスリーステート型出力増幅器1224、HPF12
26、接続線1202、HPF1226、入力増幅器1
225を通じて他のスレーブ装置1205のマイクロコ
ンピュータ1223に入力される。レスポンスデータの
送信時には、マスター装置のスリーステート型出力増幅
器1214及び他のスレーブ装置1205のスリーステ
ート型出力増幅器1224はハイインピーダンス状態に
設定されており、入力増幅器1215又は入力増幅器1
225がレスポンスデータを入力するのを妨げない。
【0008】電源1211が出力する直流電圧はHPF
1216、1226に阻止される故に、電源が出力した
直流電圧がデータ通信の入出力部(例えばスリーステー
ト型出力増幅器1214、1224の出力端子)に流れ
込んで、データ通信を妨害することはない。又、スリー
ステート型出力増幅器1214又は1224が出力する
データは、LPF1212、1221に阻止される故
に、データ通信が接続線1202上で大幅に減衰してし
まうこともない。上記の構成により、マスター装置12
01は、2本の接続線1202、1203を通じて1つ
又は複数のスレーブ装置1204、1205に電源を供
給し、且つこれらのスレーブ装置との間でデータ通信を
行うことが出来る。
【0009】特開平06−244851号公報に、従来
例2の2線式電源多重通信システムが記載されている。
従来例2の2線式電源多重通信システムにおいては、時
間軸を通信期間と非通信期間(電源供給期間)とに分割
する。通信期間においては、小さい定電流を流す定電流
回路でCOMMライン(電源供給兼通信線)をプルアッ
プしてマスター装置とスレーブ装置との間でデータ通信
を実行する。非通信期間(電源供給期間)においては、
大きい定電流でCOMMライン(電源供給兼通信線)を
プルアップすることにより、スレーブ装置に電源を供給
する。
【0010】複数のスレーブ装置が接続された通信網で
のマスター装置とスレーブ装置との間の通信は、スレー
ブ装置の固有識別子(IDナンバー)を指定して行うの
が一般的である。複数の未知のIDナンバーを持つスレ
ーブ装置が接続された通信網の場合、マスター装置が最
初に行なう固有識別子送信要求(コマンドデータ)は通
信網に接続されている全てのスレーブ装置を対象とする
コマンドとなる。このコマンドに対し、複数のスレーブ
装置から一斉にIDナンバーが送信されると、マスター
装置は正しい信号を受信出来ない。この通信を達成する
方法として従来は以下の様な方法がある。
【0011】従来例3の2線式電源多重通信方法におい
ては、マスター装置に接続されるスレーブ装置の全ID
ナンバーを登録しておく。マスター装置は、既に接続が
確認されているスレーブ装置を除いて、残るIDナンバ
ーに対し順次通信を試みる。レスポンスデータを送り返
してきたIDナンバーのスレーブ装置がそのシステムに
接続されていることが分かる。IDナンバーの桁数が小
さい場合には、マスター装置は、上記の方法に従って全
てのIDナンバーを順次指定したコマンドデータを送信
することにより、新たに接続されたIDナンバー(スレ
ーブ装置)を知ることが出来る。
【0012】又、特許第2881381号公報には、固
有のIDコードを与えられている複数のタグと検査装置
との間で通信を行って、検査装置がタグのIDコードを
検出する方法が記載されている(従来例4)。従来例4
においては、検査装置(マスター装置)よりIDコード
が未知の複数のタグ(スレーブ装置)に対し、IDコー
ドの上位ビット又は下位ビットから順次、1ビットづつ
Highの確認コマンドを送信し、スレーブ装置からの返信
を確認する。そのビットがHighであるスレーブ装置のみ
が返信を送る。Highの確認コマンドに対し全てのスレー
ブからの返信がない場合はそのビットについてLowの確
認コマンドを送り、各タグ(スレーブ装置)からの返信
を入力し、そのビットがLowであることを確認する。1
回でもあるビットについて返信を送らなかったタグ(ス
レーブ装置)は、そのシーケンスについて以降の確認コ
マンドに返信を送らない。これにより、マスター装置は
複数のタグの中から、最後まで返信を送り続けた1台の
タグのIDコードを知ることが出来る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし2線式電源多重
通信システムは、単一の接続線を用いて電源の供給と通
信データの伝送との2つの機能を果たさなければならな
い故に、接続機器が複雑な構成の入出力部を有する必要
があるという問題があった。図12に示す従来例の2線
式電源多重通信システムにおいては、接続線1202か
ら直流電源1211(マスター装置)及び電源平滑用コ
ンデンサ1222(スレーブ装置)にデータが漏れてそ
の振幅が減衰しないように、一般に高いインダクタンス
のコイル(LPF1212、1221)を必要とする。
これらのコイルは大型でコストも高く、マスター装置及
びスレーブ装置の小型化、低価格化を困難にする。本発
明は、安価で信頼性が高く、小型の2線式電源多重通信
システムを提供することを目的とする。
【0014】一般に個々のスレーブ装置に固有の識別子
を付与し、マスター装置が個々のスレーブ装置をその固
有識別子を用いてコントロールする。2線式電源多重通
信システムに新たなスレーブ装置を接続したり、接続し
ているスレーブ装置をシステムから切り離したりする場
合がある。2線式電源多重通信システムに接続可能なス
レーブ装置の種類が極めて多い場合、スレーブ装置の固
有識別子は多数のビットで構成される。しかし構成上の
制約により(例えばスレーブ装置を装着する収納ラック
のスロット数が決まっていること等)、2線式電源多重
通信システムに同時に接続可能なスレーブ装置の数は一
定数以下に制限される。
【0015】同時に接続可能なスレーブ装置の数が、接
続可能なスレーブ装置の種類(固有識別子の論理空間)
に比べてはるかに少ない場合、データ通信において個々
のスレーブ装置の固有識別子をそのまま使用するとすれ
ば、例えば接続されているスレーブ装置の特定に多くの
伝送量を費やす必要があり、データ通信の処理速度の低
下を招く。最悪の場合、単一の接続線を用いて電源の供
給と通信データの伝送との2つの機能を果たすという2
線式電源多重通信システムが成り立たなくなる。従来
は、同時に接続可能なスレーブ装置の数は一定数以下で
あるが、接続可能なスレーブ装置の種類が極めて多く、
任意の新たなスレーブ装置を2線式電源多重通信システ
ムに接続したり、接続しているスレーブ装置をシステム
から切り離したりすることが出来る適切な2線式電源多
重通信システムがなかった。
【0016】本発明は、同時に接続可能なスレーブ装置
の数は一定数以下であるが、接続可能なスレーブ装置の
種類が極めて多く、任意のスレーブ装置を2線式電源多
重通信システムに新たに接続したり、システムから切り
離したりすることが出来る、安価で信頼性が高く、デー
タ通信の処理速度が速い小型の2線式電源多重通信シス
テムを提供することを目的とする。本発明は、新たに接
続されたスレーブ装置の固有識別子を従来例と比較して
極めて効率良く検出することが出来る2線式電源多重通
信システムを提供することを目的とする。
【0017】従来例2のスレーブ装置においては、電源
供給期間から次の電源供給期間までの期間、スレーブ装
置は内蔵するコンデンサ等に蓄積された電荷を利用し
て、スレーブ装置を継続動作させる必要がある。従っ
て、電源供給期間から次の電源供給期間までの期間が長
いほど、大容量のコンデンサに電荷を蓄積する必要があ
った。従来例2の2線式電源多重通信システムにおいて
は、通信するデータ量が増大するほど電源供給期間から
次の電源供給期間までの期間が長くなる故、コンデンサ
の容量により通信するデータ量が制限されるという問題
があった。本発明は、多量のデータ通信を可能とし、且
つ小さな容量のコンデンサに蓄積した電荷を用いて、ス
レーブ装置が電源供給期間から次の電源供給期間までの
期間安定して継続動作可能な2線式電源多重通信システ
ムを提供することを目的とする。
【0018】従来の2線式電源多重通信システムにおい
ては、1つのレスポンスデータ(スレーブ装置からマス
ター装置への1パケットのデータ通信)は、1つのスレ
ーブ装置の情報しか含んでいなかった。しかし、多くの
スレーブ装置からの情報を伝送する必要があり、且つ1
つのスレーブ装置当たりの情報量が小さな(例えばその
スレーブ装置が存在しているか否かの情報等は1ビット
のデータである。)通信システムにおいては、1つのス
レーブ装置毎に1つのレスポンスデータを送信したので
は、通信効率が極めて悪くなる。本発明は、1つのレス
ポンスデータで複数のスレーブ装置の情報を伝送する高
効率の伝送システムを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題を
解決するため、下記の構成を有する。第1の発明は、1
つ又は複数のスレーブ装置に直流電源を供給し且つ前記
スレーブ装置との間でマスター・スレーブ方式のデータ
通信を行う第1の2線式電源多重通信部を、有し、前記
データ通信においては、通信データの前にスタートビッ
トを付加し又は後にエンドビットを付加し、前記第1の
2線式電源多重通信部は、少なくとも一部のスタートビ
ット期間又はエンドビット期間において低出力インピー
ダンスである第1の出力インピーダンスで電源電圧を出
力し、前記スレーブ装置が通信データを送信する送信期
間においては第1の出力インピーダンスよりも高い出力
インピーダンスである第2の出力インピーダンスで例え
ばハイレベルの電圧を出力する、ことを特徴とするマス
ター装置である。
【0020】第2の発明は、第1の発明のマスター装置
と、前記マスター装置と2本の接続線を通じてデータ通
信を行う第2の2線式電源多重通信部を有する1つ又は
複数のスレーブ装置と、を有し、前記スレーブ装置は、
前記マスター装置が第1の出力インピーダンスで電源電
圧を出力する時に、前記マスター装置から電力を供給さ
れる、ことを特徴とする2線式電源多重通信システムで
ある。
【0021】第12の発明は、マスター装置から1つ又
は複数のスレーブ装置に直流電源を供給し且つ前記マス
ター装置及び前記スレーブ装置の間でマスター・スレー
ブ方式のデータ通信を行う2線式電源多重通信方法であ
って、前記マスター装置が接続線に電圧を出力し、前記
マスター装置又は前記スレーブ装置がその接続線を通じ
て通信データを送信する通信データ送信ステップと、前
記送信ステップの前にスタートビットを送信し又は後に
エンドビットを送信し、少なくとも一部のスタートビッ
ト期間又はエンドビット期間において前記マスター装置
が電源電圧を低出力インピーダンスで出力する電源電圧
伝送ステップと、を有し、前記電源電圧伝送ステップに
おいて前記マスター装置が電源電圧を出力する出力イン
ピーダンスが、前記スレーブ装置が通信データを送信す
る前記通信データ送信ステップにおいて前記マスター装
置が例えばハイレベルの電圧を出力する出力インピーダ
ンスよりも低く、前記電源電圧伝送ステップにおいて、
前記マスター装置が前記スレーブ装置に電力を供給す
る、ことを特徴とする2線式電源多重通信方法である。
【0022】従来例2の電源多重通信システムにおいて
は、通信期間と給電期間を分けており、スレーブ装置は
給電期間しか充電できない故に、パケットの通信データ
量が大きくて通信期間の長い通信は困難であり、又スレ
ーブ装置の電源回路の定数を長く設定する必要がある。
電源回路の定数を長くする為には電源回路のコンデンサ
ー容量を大きく、消費電流を小さくしなければならな
い。この問題を解決する方法として通信速度を速くする
方法もあるが、通信ラインの特性インピーダンスから通
信速度の制限があり、又通信速度が速くなるに従い電磁
波の輻射が増加する等の不具合もある。
【0023】本発明は、安価で信頼性が高く小型の2線
式電源多重通信システム及び2線式電源多重通信方法並
びにそのシステムを構成可能なマスター装置を実現出来
るという作用を有する。特に、スレーブ装置が低消費電
力である(間欠的に充電することにより、安定動作可能
である)2線式電源多重通信システムにおいて有用であ
る。スタートビット又はエンドビットをデータ通信のタ
イミング制御(同期制御)と、一定間隔での充電とに利
用することにより、伝送効率が高く(電源供給のための
特別の期間を必要としない。)、信頼性の高い(スレー
ブ装置は、通信中にも一定間隔で又は少なくとも一定時
間以内に1回、確実に充電できる。)2線式電源多重通
信システムを実現出来る。電源供給期間から次の電源供
給期間までのインターバルが非常に短いので、スレーブ
装置の電荷蓄積用コンデンサの容量を小さくすることが
出来る。又、通信データのデータ量が増大しても、スレ
ーブ装置が電力不足で動作停止する恐れがない。
【0024】「高い出力インピーダンスで電圧を出力す
る」ことは、例えば定電流を出力すること(出力インピ
ーダンスは非常に高い。)を含む。第1の出力インピー
ダンス、第2の出力インピーダンスはそれぞれ一定値で
なくても良く、例えばハイレベルでの出力インピーダン
スとロウレベルでの出力インピーダンスとが異なってい
ても良い。「電圧を出力する」ことは、定電圧を所定の
出力インピーダンスで出力することの他、例えば定電流
を所定のインピーダンスで出力することを含む。両者は
相互に等価変換可能だからである。「スタートビット」
はデータビットの前に付加される一定のデータを意味
し、「エンドビット」はデータビットの後に付加される
一定のデータを意味する。本発明は、通信期間にマスタ
ー装置が複数のスタートビット又はエンドビットを送信
する場合に、特に効果がある。
【0025】第3の発明は、前記通信データの送信期間
において、前記第2の2線式電源多重通信部がロウレベ
ルの通信データを出力する出力インピーダンスは第2の
出力インピーダンスよりも低く、又は前記第2の2線式
電源多重通信部がロウレベルの通信データを出力する電
流駆動能力は前記マスター装置が例えばハイレベルの電
圧を出力する電流駆動能力よりも大きく、且つ、前記前
記第2の2線式電源多重通信部の電流駆動能力が、前記
マスター装置が第1の出力インピーダンスで電源電圧を
出力している時に前記前記第2の2線式電源多重通信部
がロウレベルの出力信号を出力したとしても、その非破
壊限界以下である、ことを特徴とする第2の発明の2線
式電源多重通信システムである。
【0026】これにより、スレーブ装置が出力する通信
データを他の装置(マスター装置又は他のスレーブ装
置)が容易に読み取ることが出来る。スレーブ装置が通
信データの出力タイミングを誤った場合にも、スレーブ
装置の第2の2線式電源多重通信部が破壊される恐れが
なく、信頼性の高い電源多重通信システムを実現出来
る。従来の電源多重通信システムにおいては、素子の破
壊を防止するため、データ送信期間と電源供給期間の間
に空白期間を設けていたが、電源供給期間のインターバ
ルを短くするほど、そのような空白期間を設けることに
よるデータ通信速度の低下が問題となる。本発明の電源
多重通信システムにおいてはそのような空白期間を必要
とせず、高い送信速度を実現出来る。
【0027】第4の発明は、1つ又は複数のスレーブ装
置に直流電源を供給し且つ前記スレーブ装置との間でマ
スター・スレーブ方式のデータ通信を行うマスター装置
と、前記マスター装置と2本の接続線で接続してデータ
通信を行う第2の2線式電源多重通信部を有する1つ又
は複数のスレーブ装置と、を有し、前記第2の2線式電
源多重通信部は、前記接続線と出力端子との間に接続さ
れ且つ直列に接続されたダイオード及び抵抗を有する第
1の分枝と、前記ダイオードのカソードと通信データ入
力端子との間に接続された第2の分枝と、を有し、前記
第2の2線式電源多重通信部は、前記出力端子をロウレ
ベルにして前記通信データ入力端子が通信データを読み
込む場合と、前記出力端子をハイレベルにして前記ダイ
オードをカットオフ状態にする場合と、を有する、こと
を特徴とする2線式電源多重通信システムである。
【0028】スレーブ装置がデータを出力する時に、当
該データを入力する必要があるスレーブ装置のみを接続
線に接続させることにより(それ以外のスレーブ装置を
接続線からカットオフ状態にすることにより)、接続線
に接続されるスレーブ装置の数が多すぎて接続線上のハ
イレベルの電位が低下して通信データの検出ミスを発生
することを防止することが出来る。即ち、一定以下の電
流駆動能力を有するマスター装置及びスレーブ装置を用
いて、多くのスレーブ装置が接続されてそれらが適切に
コントロールされる、低消費電力の2線式電源多重通信
システムを実現出来る。
【0029】第5の発明は、1つ又は複数のスレーブ装
置に直流電源を供給し且つ前記スレーブ装置との間でマ
スター・スレーブ方式のデータ通信を行うマスター装置
と、第1の固有識別子を記憶する不揮発性の記憶部を有
し且つ前記マスター装置と2本の接続線で接続してデー
タ通信を行い又はその接続を外すことが出来る1つ又は
複数のスレーブ装置と、を有し、前記マスター装置は、
新たに接続されたスレーブ装置にその第1の固有識別子
の出力を指令する固有識別子出力指令を送信し、前記第
1の固有識別子を入力すると、そのスレーブ装置に固有
の値であって、その第1の固有識別子よりも情報量が少
ない第2の固有識別子をその第1の固有識別子に対応付
けて記憶し、且つそのスレーブ装置に前記第2の固有識
別子を送信し、そのスレーブ装置は、送信された前記第
2の固有識別子を記憶部に記憶し、その後、前記マスタ
ー装置とそのスレーブ装置とは、前記第2の固有識別子
をそのスレーブ装置の識別情報として用いて通信を行
う、ことを特徴とする2線式電源多重通信システムであ
る。
【0030】第13の発明は、第1の固有識別子を記憶
する不揮発性の記憶部を有し且つマスター装置と2本の
接続線で接続してデータ通信を行い又はその接続を外す
ことが出来る1つ又は複数のスレーブ装置に前記マスタ
ー装置から直流電源を供給し、且つ前記マスター装置及
び前記スレーブ装置の間でマスター・スレーブ方式のデ
ータ通信を行う2線式電源多重通信方法であって、前記
マスター装置が、前記スレーブ装置に第1の固有識別子
の出力を指令する固有識別子出力指令を送信する固有識
別子出力指令送信ステップと、前記スレーブ装置が第1
の固有識別子を出力する第1の固有識別子出力ステップ
と、前記マスター装置が、前記スレーブ装置から前記第
1の固有識別子を入力すると、そのスレーブ装置に固有
の値であって、その第1の固有識別子よりも情報量が少
ない第2の固有識別子をその第1の固有識別子に対応付
けて記憶し、且つそのスレーブ装置に前記第2の固有識
別子を送信する第2の固有識別子割当てステップと、そ
のスレーブ装置が、送信された前記第2の固有識別子を
記憶部に記憶する第2の固有識別子記憶ステップと、そ
の後前記マスター装置が、前記第2の固有識別子を用い
てそのスレーブ装置を指定した指令である通信データを
送信する指令送信ステップと、そのスレーブ装置が、そ
の指令に応じて応答する応答ステップと、を有すること
を特徴とする2線式電源多重通信方法である。
【0031】本発明は、同時に接続可能なスレーブ装置
の数は一定数以下であるが、接続可能なスレーブ装置の
種類が極めて多く、任意の新たなスレーブ装置を2線式
電源多重通信システムに接続したり、接続しているスレ
ーブ装置をシステムから切り離したりすることが出来
る、安価で信頼性が高く、高効率のデータ通信を行う小
型の2線式電源多重通信システムを実現出来るという作
用を有する。「不揮発性の記憶部」とは、例えばRO
M、EEPROM、nビット(nは2以上の任意の整
数)のビットスイッチである。マスター装置及びスレー
ブ装置は、第2の固有識別子を揮発性の記憶部(例えば
RAM)に記憶しても良く、不揮発性の記憶部に記憶し
ても良い。
【0032】第6の発明は、前記スレーブ装置は、前記
固有識別子出力指令に応じてその第1の固有識別子を含
む通信データを出力する時に、その通信データの出力レ
ベルを入力し、その通信データの入力レベルが出力レベ
ルと一致する場合はその第1の固有識別子を含む通信デ
ータの出力を継続し、その第1の固有識別子の出力を正
しく完了したならばその後の固有識別子出力指令に応答
せず、その通信データの入力レベルが出力レベルと一致
しない場合は出力を中止し、次に送信された固有識別子
出力指令に応じて再びその第1の固有識別子を出力す
る、ことを特徴とする第5の発明の2線式電源多重通信
システムである。
【0033】第9の発明は、前記スレーブ装置は、電源
多重通信システムに接続されて電源を供給されると、新
たに接続されたスレーブ装置に固有の識別子である特定
の値の前記第2の固有識別子又はその一部を初期値とし
て自己設定し、前記マスター装置は、特定の値の前記第
2の固有識別子又はその一部を有する前記スレーブ装置
が存在するか否かを問い合わせる保管検索指令を送信
し、特定の値の前記第2の固有識別子又はその一部を有
する前記スレーブ装置は、前記マスター装置にその存在
を知らせ、前記マスター装置は、特定の値の前記第2の
固有識別子又はその一部を有する前記スレーブ装置が存
在する時に、前記固有識別子出力指令を送信する、こと
を特徴とする第5の発明又は第6の発明の2線式電源多
重通信システムである。
【0034】第14の発明は、前記第1の固有識別子出
力ステップにおいて、前記スレーブ装置が、前記固有識
別子出力指令に応じてその第1の固有識別子をを含む通
信データを出力する時に、その通信データの出力レベル
を入力し、その通信データの入力レベルが出力レベルと
一致する場合はその第1の固有識別子を含む通信データ
の出力を継続し、その通信データの入力レベルが出力レ
ベルと一致しない場合は出力を中止し、その第1の固有
識別子の出力を中止した場合にのみ、次に送信された固
有識別子出力指令に応じて、前記スレーブ装置が再びそ
の第1の固有識別子を出力する第1の固有識別子再送ス
テップを更に有する、ことを特徴とする第13の発明の
2線式電源多重通信方法である。
【0035】第17の発明は、新たに接続されて電源を
供給された前記スレーブ装置が、新たに接続されたスレ
ーブ装置に固有の識別子である特定の値の前記第2の固
有識別子又はその一部を初期値として自己設定する第2
の固有識別子自己設定ステップと、前記マスター装置
が、特定の値の前記第2の固有識別子又はその一部を有
する前記スレーブ装置が存在するか否かを問い合わせる
保管検索指令を送信する保管検索指令送信ステップと、
特定の値の前記第2の固有識別子又はその一部を有する
前記スレーブ装置が、前記マスター装置にその存在を知
らせる保管検索指令応答ステップと、を更に有し、前記
マスター装置は、特定の値の前記第2の固有識別子又は
その一部を有する前記スレーブ装置が存在する時に、前
記固有識別子出力指令送信ステップを実行する、ことを
特徴とする第13の発明又は第14の発明の2線式電源
多重通信方法である。
【0036】本発明は、保管検索指令により新たに接続
されたスレーブ装置と、接続を外されたスレーブ装置と
を同時に検出し、新たに接続された場合にのみ固有識別
子出力指令を送信する。これにより、新たに接続された
スレーブ装置の第1の固有識別子を効率的に検出する2
線式電源多重通信システムを実現出来るという作用を有
する。
【0037】第7の発明は、前記スレーブ装置は、固有
識別子出力指令に応じて第1の固有識別子の出力を正し
く完了したならば通信データの最後に、0のビットと1
のビットとを含み且つ正しく第1の固有識別子を出力し
たことを示す検証信号を出力する、ことをを特徴とする
第6の発明の2線式電源多重通信システムである。
【0038】第15の発明は、前記第1の固有識別子出
力ステップにおいて、前記スレーブ装置は、固有識別子
出力指令に応じて第1の固有識別子の出力を正しく完了
したならば通信データの最後に、0のビットと1のビッ
トとを含み且つ正しく第1の固有識別子を出力したこと
を示す検証信号を出力する、ことをを特徴とする第14
の発明の2線式電源多重通信方法である。これにより、
第1の固有識別子の伝送ミスを確実に防止することが出
来る。
【0039】第8の発明は、前記マスター装置が、前記
第1の固有識別子若しくは前記第2の固有識別子の一部
を含み且つ前記スレーブ装置に通信データの送信を要求
する送信要求指令を送信した場合は、送信を要求された
前記スレーブ装置が前記送信要求指令に応じて通信デー
タを送信し、前記スレーブ装置の中で前記送信要求指令
に含まれる前記第1の固有識別子若しくは前記第2の固
有識別子の一部により特定される前記スレーブ装置のみ
が、前記送信要求指令に応じて前記スレーブ装置が出力
する通信データを入力する、ことを特徴とする第5の発
明の2線式電源多重通信システムである。
【0040】第16の発明は、前記マスター装置が、前
記第1の固有識別子若しくは前記第2の固有識別子の一
部を含み且つ前記スレーブ装置に通信データの送信を要
求する送信要求指令を送信するスレーブ装置送信要求ス
テップと、送信を要求された前記スレーブ装置が前記送
信要求指令に応じて通信データを送信し、前記スレーブ
装置の中で前記送信要求指令に含まれる前記第1の固有
識別子若しくは前記第2の固有識別子の一部により特定
される前記スレーブ装置のみが、前記送信要求指令に応
じて前記スレーブ装置が出力する通信データを入力する
スレーブ装置送信ステップと、を有することを特徴とす
る第13の発明の2線式電源多重通信方法である。
【0041】スレーブ装置がデータを出力する時に、当
該データを入力する必要があるスレーブ装置のみを接続
線に接続させることにより(それ以外のスレーブ装置を
実質的に接続線からカットオフ状態にすることによ
り)、接続線に接続されるスレーブ装置の数が多すぎて
接続線上のハイレベルの電位が低下して通信データの検
出ミスを発生することを防止することが出来る。即ち、
一定以下の電流駆動能力を有するマスター装置及びスレ
ーブ装置を用いて、システムに接続された多くのスレー
ブ装置を適切にコントロールする2線式電源多重通信シ
ステムを実現出来る。
【0042】第10の発明は、前記マスター装置が新た
に接続された前記スレーブ装置からその第1の固有識別
子を入力すると、前記マスター装置又は新たに接続され
た前記スレーブ装置が視覚又は聴覚により認識可能な表
示を行うことを特徴とする第5の発明の2線式電源多重
通信システムである。第18の発明は、前記マスター装
置が新たに接続された前記スレーブ装置からその第1の
固有識別子を入力すると、前記マスター装置又は新たに
接続された前記スレーブ装置が視覚又は聴覚により認識
可能な表示を出力する表示ステップを更に有することを
特徴とする第13の発明の2線式電源多重通信方法であ
る。これによりユーザは、新たなスレーブ装置を2線式
電源多重通信システムに接続した場合、そのスレーブ装
置が正しく装着されたことを知ることが出来る。
【0043】第11の発明は、1つ又は複数のスレーブ
装置に直流電源を供給し且つ前記スレーブ装置との間で
マスター・スレーブ方式のデータ通信を行うマスター装
置と、グループの固有識別子とそのグループ内でのスレ
ーブ装置の固有識別子とを含む第1の固有識別子を有し
且つ前記マスター装置と2本の接続線で接続してデータ
通信を行う1つ又は複数のスレーブ装置と、を有し、前
記マスター装置は、グループの固有識別子を含むコマン
ドデータを送信し、そのコマンドデータに応じて、その
グループに属するスレーブ装置がそれぞれに割り当てら
れた少なくとも1ビットのビットデータを出力すること
により、1つのレスポンスデータを生成して出力する、
ことを特徴とする2線式電源多重通信システムである。
【0044】第19の発明は、グループの固有識別子と
そのグループ内でのスレーブ装置の固有識別子とを含む
第1の固有識別子を有し且つマスター装置と2本の接続
線で接続してデータ通信を行う1つ又は複数のスレーブ
装置に前記マスター装置から直流電源を供給し、且つ前
記マスター装置及び前記スレーブ装置の間でマスター・
スレーブ方式のデータ通信を行う2線式電源多重通信方
法であって、前記マスター装置が、グループの固有識別
子を含むコマンドデータを送信するコマンドデータ送信
ステップと、そのコマンドデータに応じて、そのグルー
プに属するスレーブ装置がそれぞれに割り当てられた少
なくとも1ビットのビットデータを出力することによ
り、1つのレスポンスデータを生成して出力するレスポ
ンスデータ送信ステップと、を有することを特徴とする
2線式電源多重通信方法である。
【0045】本発明は、1つのレスポンスデータで複数
のスレーブ装置の情報を伝送する高効率の伝送システム
及び伝送方法を実現できるという作用を有する。「1つ
のレスポンスデータ」とは、少なくともマスター装置が
出力するコマンドデータを間に挟まないデータのまとま
りを言う。通常は、スタートビット、データビット及び
エンドビット以外のデータを間に挟まないデータであ
る。
【0046】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施をするための最
良の形態を具体的に示した実施例について、図面ととも
に記載する。
【0047】《実施例1》図1〜7を用いて、実施例1
の2線式電源多重通信システムを説明する。実施例1の
2線式電源多重通信システムは、種々の用途に適用可能
である。例えば、自動車等の移動体内部に設置する表示
器及び駆動装置の制御及び電力供給、並びに各種センサ
ーとの通信及び電力供給を行う通信電力供給配線に応用
が可能である。又、屋内においても各種の防犯・警報・
火災等の検出装置の通信電力供給網の主配線又は副配線
に有効である。2線の配線により数多くの負荷の制御及
び検出器の状態を一ヶ所において集中制御が可能であ
り、配線数が少なくなり、全体として軽量になる利点が
ある。
【0048】図1は実施例1の2線式電源多重通信シス
テムの構成を示すブロック図である。実施例1の2線式
電源多重通信システムは、マスター装置101と、複数
のスレーブ装置104〜106と、2本の接続線(電源
供給・通信線(通信ライン)102とグラウンド線10
3)とを有する。実施例1の2線式電源多重通信システ
ムは任意の機能を有するスレーブ装置を有する。本発明
は、消費電力が比較的小さいスレーブ装置を有する2線
式電源多重通信システム(図1には3つのスレーブ装置
104〜106を図示しているが、スレーブ装置の数は
任意であり、多くのスレーブ装置を有することが出来
る。)に特に適している。
【0049】マスター装置101は、第1の2線式電源
多重通信部111、マイクロコンピュータ112、ブザ
ー駆動回路(圧電ブザーを含む。)113、ランプ駆動
回路(発光ダイオード(LED)を含む。)114、直
流定電圧Vccを出力する電源115を有する。第1の
2線式電源多重通信部111は、電源電圧出力用FET
(電界効果トランジスタ)121、ペアトランジスタ1
22及び123、抵抗124、125、ペアトランジス
タ126及び127、SW(スイッチ)128、出力増
幅器129、入力増幅器130(差動増幅器)並びにオ
フセット用(閾値設定用)基準電圧発生器131を有す
る。
【0050】スレーブ装置104〜106、は、第2の
2線式電源多重通信部141、マイクロコンピュータ1
42、コンデンサ143、抵抗144、146、SW1
45、トランジスタ147、負荷(例えばランプであ
る。)148を有する。第2の2線式電源多重通信部1
41は、ダイオード151〜153、抵抗154〜15
6、ペアトランジスタ157及び158を有する。複数
のスレーブ装置104〜106は全て同じ内部構成を有
している。図1においては代表的に1つのスレーブ装置
104についてのみ、その内部構成を図示している。マ
スター装置101は、2本の接続線102、103を通
じて、複数のスレーブ装置104〜106に電源を供給
すると共に、マスター装置101と複数のスレーブ装置
104〜106との間でマスター・スレーブ方式による
データ通信を行う。マスター装置は、相手のスレーブ装
置を指定してデータを送ることも出来るし、相手を指定
せずに不特定の又は全てのスレーブ装置に対してデータ
を送ることも出来る。
【0051】以下、図1の2線式電源多重通信システム
の動作を説明する。マスター装置101の電源115
は、マスター装置101内部の回路に電源を供給すると
共に(図示していない。)、パワーMOSFET12
1、接続線102を通じて、各スレーブ装置104〜1
06に電源を供給する。マスター装置101のマイクロ
コンピュータ112は、任意のスレーブ装置104に対
してコマンドデータ(マスター装置からスレーブ装置に
伝送するデータ)を出力する。コマンドデータは、マイ
クロコンピュータ112のOut1端子(出力端子)か
ら出力され、第1の2線式電源多重通信部111、接続
線102、スレーブ装置のダイオード152、153及
び抵抗154を通じて、各スレーブ装置104〜106
のマイクロコンピュータ142のIn1端子(入力端
子)に入力される。
【0052】第1の2線式電源多重通信部111は、S
W128がON状態で動作するモード(マスター装置送
信フェーズ、エンドビット送信時及び待機フェーズ時で
ある。マスター装置が送信する。)と、SW128がO
FF状態で動作するモード(スレーブ装置送信フェーズ
のスタートビット及びデータビット送信時である。スタ
ートビットはマスター装置が送信し、スレーブ装置送信
フェーズのデータビットはスレーブ装置が送信する。)
とを有する。第1の2線式電源多重通信部111におい
て、ペアトランジスタ122及び123、126及び1
27はそれぞれカレントミラーを構成する。
【0053】<マスター装置送信フェーズ時、エンドビ
ット送信時及び待機フェーズ時の動作説明>最初にSW
128がON状態で動作するモード(例えばコマンドデ
ータ送信時)を説明する。図2にマスター装置101が
コマンドデータを出力する時の動作状態を等価回路を含
めて図示する。図2は図1と同じ回路であり、図1と同
一の素子には同一の符号を付している。マイクロコンピ
ュータ112のOut1端子(出力端子)がハイレベル
を出力すると、出力増幅器129はハイレベルを出力
し、ペアトランジスタ122、123、FET121は
カットオフ状態となり、ペアトランジスタ126、12
7は一定の電流を流す定電流源として動作する(接続線
102をプルダウンする。)。トランジスタ127は接
続線102の電位をロウレベル(グラウンドレベル)に
する。
【0054】マイクロコンピュータ112のOut1端
子(出力端子)がロウレベルを出力すると、出力増幅器
129はロウレベルを出力し、ペアトランジスタ12
6、127はカットオフ状態となり、ペアトランジスタ
122、123は一定の電流を流す定電流源として動作
し、FET121は電源電圧Vccを低出力インピーダ
ンスで接続線102に出力する(接続線102をプルア
ップする。)。トランジスタ123は接続線102の電
位をハイレベル(電源レベルVcc)にする。トランジ
スタ123は事実上ほとんど電流を流さず、ほとんど全
ての電流がFET121を通じて流れる。エンドビット
送信時(マスター装置送信フェーズ及びスレーブ装置送
信フェーズのいずれも含む。)及び待機フェーズ時に
は、マイクロコンピュータ112のOut1端子(出力
端子)がロウレベルを出力し、上記と同様にFET12
1が電源電圧Vccを低出力インピーダンスで接続線1
02に出力する(接続線102をプルアップする。)。
【0055】エンドビット送信時等にFET121が電
源電圧Vccを低出力インピーダンスで接続線102に
出力すると、各スレーブ装置104〜106のコンデン
サ143がダイオード151を通じて充電される。コン
デンサ143は、接続線102上をデータが伝送される
期間(特にスレーブ装置送信フェーズのデータビット伝
送期間)、蓄積した電荷を放出してマイクロコンピュー
タ142を含むスレーブ装置を継続動作させる役割を果
たす。後述するように実施例1の2線式電源多重通信シ
ステムにおいては、エンドビット期間が一定時間内に必
ず1回発生する。そこで、コンデンサ143の容量を、
エンドビット期間から次のエンドビット期間までスレー
ブ装置を継続動作させるのに必要な値より大きな値に設
定する。
【0056】スレーブ回路の電源回路時定数がエンドビ
ット期間から次のエンドビット期間までスレーブ装置を
継続動作させるのに必要な値より大きな値になるよう
に、コンデンサ143の容量C0は、下記の式に従って
決定される。 C0=(S・I・T)/(Vstd−Vmin) 但し、Sは安全率(S>1であるが、部品等のばらつき
を考慮し、安全率Sを例えば5〜6程度に設定す
る。)、Iは定格電圧時のスレーブ装置の負荷電流(単
位:A)、Tはエンドビット間のインターバル時間(単
位:秒)、Vstdはマイコンの定格動作電圧(単位:
V)、Vminはマイコンの最低動作電圧(単位:V)
である。
【0057】コマンドデータ送信時には、各スレーブ装
置104〜106の出力トランジスタ(ペアトランジス
タ)157、158はカットオフ状態に設定され、Ou
t1端子(出力端子)はロウレベルに設定される。即
ち、これらの素子及び端子はマイクロコンピュータ14
2のIn1端子がコマンドデータを入力するのを妨げな
い。In1端子に直列に接続された抵抗154は、In
1端子の内部回路の保護用抵抗である。マイクロコンピ
ュータ142のIn1端子には、ロウレベル(グラウン
ドレベル)、又は電源電圧Vccからダイオード2個分
(152、153)電圧降下した電圧(Vcc−2V
f)が入力される(Vcc>>Vfとする。例えばVc
c=5Vである。)。電源電圧Vccからダイオード2
個分(152、153)電圧降下した電圧は、マイクロ
コンピュータ142の電源電圧(電源電圧Vccからダ
イオード1個分(151)電圧降下した電圧)よりも低
い。これにより、In端子にマイクロコンピュータ14
2の電源電圧より高い電圧が印加されることによるラッ
チアップ現象の発生を防止することが出来る。
【0058】<スレーブ装置送信フェーズのスタートビ
ット及びデータビット送信時、並びに待機フェーズ時の
動作説明>次にSW128がOFF状態で動作するモー
ド(例えばレスポンスデータ送信時)を説明する。SW
128がOFF状態で動作するモードは、スレーブ装置
送信フェーズのスタートビット及びデータビット送信時
である。上述のようにスタートビットはマスター装置が
送信し、スレーブ装置送信フェーズのデータビットはス
レーブ装置が送信する。最初にスレーブ装置送信フェー
ズのスタートビットでの状態を説明する。後述するよう
にスタートビットは、マスター装置送信フェーズ及びス
レーブ装置送信フェーズのいずれにおいても、マスター
装置101がロウレベルを出力する(接続線102をプ
ルダウンする。)。この時、マスター装置101のマイ
クロコンピュータ112のOut1端子はハイレベルを
出力する。トランジスタ127が導通し、ペアトランジ
スタ122、123、FET121はカットオフ状態に
なる。トランジスタ127は接続線102の電位をロウ
レベル(グラウンドレベル)にする(図2でFET12
1がカットオフ状態になった状態)。
【0059】次にスレーブ装置104がレスポンスデー
タを出力する時(スレーブ装置送信フェーズのデータビ
ット送信時)の動作を説明する。図3にスレーブ装置1
04がレスポンスデータを出力する時の動作状態を等価
回路を含めて図示する。図3は図1と同じ回路であり、
図1と同一の素子には同一の符号を付している。スレー
ブ装置104がレスポンスデータを出力する時、マスタ
ー装置101のマイクロコンピュータ112のOut1
端子(出力端子)は常にロウレベルを出力する。ペアト
ランジスタ126、127はカットオフ状態となり、ペ
アトランジスタ122、123は一定の電流を流す定電
流源として動作する。トランジスタ123は接続線10
2の電位をハイレベル(無負荷であれば電源レベルVc
cになる。)にする(接続線102をプルアップす
る。)。SW128はOFF状態である故に、FET1
21はカットオフ状態である。
【0060】スレーブ装置104がレスポンスデータを
出力する時、スレーブ装置の出力トランジスタ158が
導通状態になることにより接続線102の電位をロウレ
ベルにし(接続線102をプルダウンする。)、スレー
ブ装置の出力トランジスタ158がカットオフ状態にな
ることにより、マスター装置101のトランジスタ12
3が接続線102の電位をハイレベルにする(接続線1
02をプルアップする。)。即ち、マスター装置101
が電源から電流を流す役割を果たし、各スレーブ装置の
出力トランジスタ158がON又はOFFすることによ
り、接続線102の電位がロウレベル又はハイレベルに
なる。
【0061】コマンドデータで指定されたスレーブ装置
104のマイクロコンピュータ142は、そのコマンド
データに応じたレスポンスデータ(スレーブ装置104
からマスター装置101及び他のスレーブ装置106に
伝送するデータ)を出力する。レスポンスデータは、マ
イクロコンピュータ142のOut2端子(出力端子)
から出力され、ペアトランジスタ157及び158、ダ
イオード152、153、接続線102、入力増幅器1
30(マスター装置)を通じて、マスター装置101の
マイクロコンピュータ112のIn端子(入力端子)に
入力される。同様に、レスポンスデータは、マイクロコ
ンピュータ142のOut2端子(出力端子)から出力
され、ペアトランジスタ157及び158、ダイオード
152、153、接続線102、他のスレーブ装置10
6のダイオード152、153、抵抗154を通じて、
他のスレーブ装置106のマイクロコンピュータ142
のIn1端子に入力される。
【0062】スレーブ装置104のOut2端子がロウ
レベルを出力して出力トランジスタ158がカットオフ
状態の時、マスター装置101のトランジスタ123が
定電流を流す故に、接続線102は電源電位Vccにな
る(接続線102をプルアップする。)。スレーブ装置
104のトランジスタ158の電流駆動能力は、マスタ
ー装置101のトランジスタ123の電流駆動能力より
高く設定されている。従って、スレーブ装置104のO
ut2端子がハイレベルを出力して、スレーブ装置10
4のトランジスタ158が定電流駆動する(プルダウ
ン)状態においては、接続線102の電位は2Vf(V
fはダイオード1個分の順方向降下電圧であり、約0.
7Vである。2Vfは、ダイオード152及び153に
よる降下電圧である。)になる。マスター装置101の
オフセット用基準電圧発生器131の出力電圧を{(V
cc−2Vf)/2}+2Vf=(Vcc/2)+Vf
に設定することにより、入力増幅器130(差動増幅
器)はスレーブ装置104の出力データを正しく2値化
することが出来る。
【0063】トランジスタ158の電流駆動能力は、マ
スター装置101のトランジスタ123(プルアップト
ランジスタ)の電流駆動能力の2倍が最適である。電源
電圧をVccとすると、トランジスタ158がカットオ
フ時には接続線102の電位はVccとなり、トランジ
スタ158がオン時には接続線102の電位は2Vf
(ダイオード152及び153の電圧降下分)になる。
マスター装置101のプルダウントランジスタ127の
電流駆動能力は、トランジスタ123(プルアップトラ
ンジスタ)の電流駆動能力に等しく、その値は、接続線
102の浮遊容量、通信速度及びスレーブ装置の出力ト
ランジスタの電流駆動能力等から決まる。
【0064】他のスレーブ装置(レスポンスデータを出
力する以外のスレーブ装置)106のマイクロコンピュ
ータ142はCMOS構造であり、そのIn1端子の閾
値は(Vcc−Vf)/2である。従って、他のスレー
ブ装置106は、スレーブ装置104の出力データを正
しく2値化することが出来る。レスポンスデータ送信時
には、他のスレーブ装置106の出力トランジスタ(ペ
アトランジスタ)157、158はカットオフ状態に設
定されており、マイクロコンピュータ142のOut1
端子(出力端子)はロウレベルに設定されている(図
3)。即ち、これらの素子及び端子はマイクロコンピュ
ータ142のIn1端子がコマンドデータを入力するの
を妨げない。In1端子に直列に接続された抵抗154
は、In1端子の内部回路の保護用抵抗である。
【0065】スレーブ装置104の出力トランジスタ1
58がカットオフ状態である時、マスター装置のトラン
ジスタ123が出力する電流(プルアップ電流)は、各
スレーブ装置の抵抗155を通じてマイクロコンピュー
タ142のOut1端子に流れる(Out1端子はロウ
レベルに設定される。)。接続線102の浮遊容量によ
る通信データへの影響を除く為に抵抗155を通じてプ
ルダウン定電流が流れている。マスター装置101に多
くのスレーブ装置を接続すると、マスター装置のトラン
ジスタ123の電流駆動能力を超える故、接続線102
の電位が低下してくる。
【0066】そこで実施例1の2線式電源多重通信シス
テムにおいては、スレーブ装置104が出力するデータ
を必要としないスレーブ装置105のマイクロコンピュ
ータ142のOut1端子(出力端子)をハイレベルに
設定する(図3)。スレーブ装置105の出力トランジ
スタ(ペアトランジスタ)157、158はカットオフ
状態に設定されている。スレーブ装置105のマイクロ
コンピュータ142のIn1端子は常にハイレベルにな
り、当該In1端子はスレーブ装置104が出力するデ
ータを読み取ることが出来ないが、スレーブ装置105
の抵抗155には電流が流れない故に、マスター装置1
01に多くのスレーブ装置を接続した場合の接続線10
2の電位低下を防止できる。
【0067】スレーブ装置104のデータ伝送期間が過
ぎてエンドビット期間又はその後の待機フェーズになっ
た時(マイクロコンピュータ142が時間を計測するこ
とにより、エンドビット期間等になったことを検出でき
る。)、スレーブ装置105のマイクロコンピュータ1
42のOut1端子をハイレベルからロウレベルに変更
する。エンドビット期間及び待機フェーズにおいては、
マスター装置101のFET121が低出力インピーダ
ンスで電源電圧Vccを出力する(接続線102をプル
アップする)故、マスター装置101に多くのスレーブ
装置を接続していても接続線102の電位は電源電位V
ccを維持する(電位降下しない。)。スレーブ装置1
05は、次のスタートビット及びコマンドデータを入力
できる。
【0068】FET121が導通している状態において
(低出力インピーダンスで電源電圧Vccを出力してい
る状態において)、ペアトランジスタ157、158を
誤って導通させたとしても、トランジスタ158が破壊
しないように(非破壊限界以下であるように)トランジ
スタ158の電流駆動能力が設定されている。これによ
り、マスター装置101とスレーブ装置との動作タイミ
ングにずれがあっても(例えばスレーブ装置送信フェー
ズにおいて、スレーブ装置が最後のデータ(ロウレベル
とする。)を出力し終わらないうちに、マスター装置が
エンドビットを出力した場合でも)、システムの素子が
破壊されることはない。
【0069】マスター装置101とスレーブ装置104
〜106との間で相互に通信を行って、マスター装置1
01及びスレーブ装置104〜106はデータ処理を実
行する。実施例1においては、例えばマスター装置10
1は、ブザー113を鳴らしたり、ランプ114を点灯
したりする。同様にスレーブ装置104〜106は、S
W145がONしたことを検出し、負荷148(例えば
ランプ)を駆動する。負荷の制御及び検出器の信号は図
1に示す様にマイコンの入出力ポートにより制御され
る。マスター装置からのコマンドデータに基づいてスレ
ーブ装置が負荷を駆動する場合、スレーブ装置のマイク
ロコンピュータ142は、スレーブ装置送信フェーズの
期間、負荷をオフにする。マイクロコンピュータ142
はSW145等の検出器からの入力情報を通信によりマ
スター装置に報告する。
【0070】<通信データの構成の説明>図4は、実施
例1の2線式電源多重通信システムにおける通信データ
の構成を図示する。図5は、図4の通信データの中の、
スタートビットからエンドビットまでの1区間のデータ
構成を図示する。図4に示すように、1つのパケット期
間41は、マスター装置送信フェーズ42と、スレーブ
装置送信フェーズ43と、待機フェーズ44とを有す
る。マスター装置送信フェーズ42は、マスター装置か
らスレーブ装置にデータ(コマンドデータ)を送信する
期間である。マスター装置送信フェーズ42は、スター
トビット45(1ビット)とデータビット46(4ビッ
ト)とエンドビット47(1ビット)とを有する区間
を、複数有する。同様にスレーブ装置送信フェーズ43
は、スタートビット45(1ビット)とデータビット4
6(4ビット)とエンドビット47(1ビット)とを有
する区間を、複数有する。待機フェーズ47は、複数ビ
ット長のハイレベル期間である。待機フェーズ47にお
いては、マスター装置101がハイレベルを出力する。
【0071】図5(a)は、マスター装置送信フェーズ
42の区間の詳細を示す。スタートビット45はロウレ
ベルの1ビットデータである。データビット46はロウ
レベル又はハイレベル(0又は1)の4ビットデータで
ある。エンドビット47は、ハイレベルの1ビットデー
タである。マスター装置送信フェーズ42のスタートビ
ット45とデータビット46とエンドビット47とは、
全てマスター装置101が出力する。図5(b)は、ス
レーブ装置送信フェーズ43の区間の詳細を示す。スタ
ートビット45はロウレベルの1ビットデータである。
データビット46はロウレベル又はハイレベル(0又は
1)の4ビットデータである。エンドビット47は、ハ
イレベルの1ビットデータである。スレーブ装置送信フ
ェーズ43のスタートビット45とエンドビット47と
は、マスター装置101が出力し、スレーブ装置送信フ
ェーズ43のデータビット46は、スレーブ装置104
〜106が出力する。図5(a)、(b)において、実
線で示すビットはマスター装置101が出力し、破線で
示すビットはスレーブ装置104〜106が出力する。
各ビットの出力方法については上述している。
【0072】各スレーブ装置104〜106は、ハイレ
ベルであるエンドビット47又は待機フェーズ44から
ロウレベルであるスタートビット45に変化する立ち下
がりエッジを検出して、当該エッジを基準として内部ク
ロックによりタイミングを取り、送信ではビットエッジ
でデータを出力し、受信ではビット中央でデータを読み
込む。各スレーブ装置104〜106は、スタートビッ
トのローエッジを基準として内部クロックによりタイミ
ングを取り、送信ではビットエッジでデータを出力し、
受信ではビット中央でデータを読み込む。スタートビッ
ト検出の誤差及び内部クロックの誤差により送信出力が
エンドビットに掛かる場合が発生する。エンドビットは
電源供給期間のため低インピーダンスでプルアップして
いる。スレーブ装置の出力トランジスタの電流駆動能力
は、熱破壊が発生しない電流値以下の値に設定してい
る。
【0073】各スレーブ装置104〜106は、エンド
ビット47で区間の終了を検出し、且つエンドビット期
間において(マスター装置101のFET121は低出
力インピーダンスで電源電圧Vccを出力する。)、コ
ンデンサ143を充電する。各スレーブ装置104〜1
06は、コンデンサ143に蓄積された電荷を利用し
て、次の充電期間までスレーブ装置を動作させる。図4
に示すように、エンドビット47は6ビット期間毎に1
回確実に発生する故に、コンデンサ143の容量は、エ
ンドビットのインターバル期間の間スレーブ装置が継続
動作するのに必要な容量より大きな値に設定する。
【0074】従来例2の電源供給期間から次の電源供給
期間までのインターバルと比較して、エンドビットから
次のエンドビットまでのインターバルは非常に短い。図
4を例に取れば、通信期間(マスター装置送信フェーズ
42とスレーブ装置送信フェーズ43とを加算した時間
長)は、エンドビットから次のエンドビットまでの期間
の7倍以上である。インターバルが短い故に、スレーブ
装置が内蔵するコンデンサの容量は小さくて済み、且つ
多量のデータ通信が可能である。
【0075】<2線式電源多重伝送方法の説明>図6、
図7を用いて、実施例1の2線式電源多重伝送方法を説
明する。 <マスター装置送信フェーズの説明(図6)>図6は、
マスター装置送信フェーズのフローチャートを示す。最
初にステップ601でi=1(初期値)を設定する。i
はマスター装置送信フェーズにおける区間(スタートビ
ット45からエンドビット47までの区間)の数のカウ
ンタである。次に、ステップ602で、マスター装置1
01のハイレベル出力回路を低出力インピーダンスで電
源電圧を出力するモードに設定する(SW128をON
する。)。次にマスター装置101はスタートビット=
0を出力する(ステップ603)。スレーブ装置104
〜106はスタートビットを受信する(ステップ60
4)。
【0076】次にマスター装置101はデータビット=
0又は1(4ビット)を出力する(ステップ605)。
スレーブ装置104〜106はデータビットを受信する
(ステップ606)。次にマスター装置101はエンド
ビット=1(電源電圧Vcc)を出力する(ステップ6
07)。スレーブ装置104〜106はエンドビットを
受信して区間の終了を検出すると共に、コンデンサ14
3を充電する(ステップ608)。コンデンサ143の
両端電圧は、電源電圧Vccよりダイオード151によ
る電位降下分Vfだけ低い電圧になる。次に、i=i+
1にする(ステップ609)。次に、i≦imaxか否
かをチェックする(ステップ610)。imaxは、マ
スター装置送信フェーズにおいて送信すべき区間数であ
る。i≦imaxであれば、ステップ603に戻ってス
タートビット45、データビット46、エンドビット4
7の送信を継続する。i≦imaxでなければ、スレー
ブ装置送信フェーズ(図7)に移行する。
【0077】図7は、スレーブ装置送信フェーズのフロ
ーチャートを示す。最初にステップ701でj=1(初
期値)を設定する。jはスレーブ装置送信フェーズにお
ける区間(スタートビット45からエンドビット47ま
での区間)の数のカウンタである。次に、ステップ70
2で、マスター装置101のハイレベル出力回路を定電
流でハイレベルを出力するモードに設定する(SW12
8をOFFにする。)。次にマスター装置101はスタ
ートビット=0を出力する(ステップ703)。スレー
ブ装置104〜106はスタートビットを受信する(ス
テップ704)。
【0078】次にスレーブ装置104〜106はデータ
ビット=0又は1(4ビット)を出力する(ステップ7
05)。マスター装置101はデータビットを受信する
(ステップ706)。次にマスター装置101はエンド
ビット=1を出力する(定電流でハイレベルを出力す
る。)(ステップ707)。マスター装置101は、エ
ンドビット期間709において、ハイレベル出力回路を
低出力インピーダンスで電源電圧Vccを出力するモー
ド(SW128をONにする。)に設定する(ステップ
710)。マスター装置101は電源電圧Vccでエン
ドビット=1を出力する(ステップ711)。スレーブ
装置104〜106はエンドビットを受信して区間の終
了を検出すると共に(ステップ708)、コンデンサ1
43を充電する(ステップ712)。コンデンサ143
の両端電圧は、電源電圧Vccよりダイオード151に
よる電位降下分だけ低い電圧になる。
【0079】次に、j=j+1にする(ステップ71
3)。次に、j≦jmaxか否かをチェックする(ステ
ップ714)。jmaxは、スレーブ装置送信フェーズ
において送信すべき区間数である。j≦jmaxであれ
ば、ステップ702に戻ってスタートビット45、デー
タビット46、エンドビット47の送信を継続する。j
≦jmaxでなければ、待機フェーズに移行する(ステ
ップ715)。待機フェーズは複数ビット長のハイレベ
ル期間である。待機フェーズにおいて、マスター装置1
01は低出力インピーダンスで電源電圧Vccを出力す
る。
【0080】実施例1においては、エンドビットを各ス
レーブ装置の電源充電期間にした。エンドビットに代え
て、任意のデータ伝送用同期信号(ハイレベル出力ビッ
ト)を用いても良い。例えば、スタートビットを01の
2ビット長にする。各スレーブ装置が最初の0でスター
トビットの開始を検出し、次の1で電源充電(コンデン
サの充電)を行うことが出来る。これにより、同様の効
果が得られる。
【0081】《実施例2》図8、図9を用いて、実施例
2の2線式電源多重通信システムを説明する。図8は、
実施例2の2線式電源多重通信システムの概略的な外観
を示す。実施例2の2線式電源多重通信システムは、フ
ァイルサーチシステムである。ドキュメントファイル収
納ラックは、8台のマスター装置81が格納された1つ
のラックと、複数のドキュメントファイル収納箱82
(スレーブ装置である。)を収納するラック(ラックの
数は1つでも良く、複数でも良い。)と、1台のコンピ
ュータ83とを有する。1台のマスター装置81と、ラ
ックの1段若しくは数段又は1つのラック全体に収納さ
れたドキュメントファイル収納箱82とは、2本の接続
線で接続されている。マスター装置81は、2本の接続
線84を通じて各ドキュメントファイル収納箱82に電
源を供給し、相互に通信を行う。コンピュータ83と8
台のマスター装置81とはRS232Cケーブル85で
接続されており、コンピュータ83は、8台のマスター
装置81と統括管理する。
【0082】マスター装置81は図示しないブザーを有
する。各ドキュメントファイル収納箱82は、2端子コ
ネクタ821(2個の電極端子。プラグ)、ランプ(L
ED)822、取っ手823を有する。ドキュメントフ
ァイル収納箱82は、任意の書類、情報記録媒体等のド
キュメントファイルを格納する。ドキュメントファイル
収納箱82の形状は任意であり、図8に示す箱形形状
(ドキュメントファイルを収納する。)でも良く、又は
小型のスレーブ装置をドキュメントファイルに物理的に
取付ける形状(例えば薄い紙挟みの様な物)であっても
良い。
【0083】ドキュメントファイル収納箱82を任意に
ラックに収納したり、ラックから取り出したりすること
が出来る。ドキュメントファイル収納箱82をドキュメ
ントファイル収納ラックに収納すると、ドキュメントフ
ァイル収納箱82の背面パネルに取り付けられた2端子
コネクタ821(プラグ側)がドキュメントファイル収
納ラック内の2端子コネクタ(レセプタクル側であっ
て、2本の接続線に接続されている。)と接続され、そ
のドキュメントファイル収納箱82は自動的に2線式電
源多重通信システムに組み込まれる。新たなドキュメン
トファイル収納箱82がドキュメントファイル収納ラッ
クに収められて2線式電源多重通信システムに組み込ま
れると、スレーブ装置82のランプ822が一定時間点
灯し、且つマスター装置81のブザーが一定時間鳴る
(その時間は通常短い。)。これにより、操作者は新た
なドキュメントファイル収納箱82が正しくドキュメン
トファイル収納ラックに収められたことを知る。
【0084】実施例2の2線式電源多重通信システム
は、スレーブ装置82を通信ライン(接続線)から任意
に脱着出来ること、及び不揮発性メモリーに32ビット
の固有ID番号(第1の固有識別子)を持つスレーブ装
置が1つのマスター装置に最大で数百台接続されること
を特徴とする。ドキュメントファイルサーチシステム
は、ラックに戻されたドキュメントファイルのドキュメ
ント名(固有ID番号)を読込むこと(ID読出しコマ
ンド、固有識別子出力指令)、ラックに保管されている
ドキュメントファイルの有無を監視すること(保管検索
コマンド、保管検索指令)、要求されたドキュメントフ
ァイルを有するドキュメントファイル収納箱82の表示
LEDを点灯すること(表示コマンド)等の管理機能を
有する。マスター装置81は各スレーブ装置にID読出
しコマンド等の種々のコマンドを送信し、各スレーブ装
置82から送られたレスポンスを受信する。
【0085】実施例2のドキュメントファイルの収納ラ
ックは、事務所等においてドキュメントファイルを保管
管理し、要求されたドキュメントファイルを素早く正し
く検索して引き渡すための装置である。操作者がコンピ
ュータ83のキーボード等から必要なドキュメントファ
イルのキーワード情報(例えば氏名、ファイル名等)又
は固有識別子(第1の固有識別子)を入力して、特定の
ドキュメントファイルを指定する。コンピュータ83
は、そのドキュメントファイルを第1の固有識別子で特
定する。
【0086】コンピュータ83は、その第1の固有識別
子を有するマスター装置81にそのドキュメントファイ
ルの検索を要求する。要求されたマスター装置81は内
部の記憶部のテーブルを検索し、検索要求された第1の
固有識別子を調べる。マスター装置81はその第1の固
有識別子のスレーブ装置82(ドキュメントファイル収
納箱)に、ランプ822の点灯を指示する。その第1の
固有識別子のスレーブ装置82(ドキュメントファイル
収納箱)は、そのランプ822を点灯させてその物理的
位置を知らせる。操作者は、容易に且つ正確にドキュメ
ントファイルを発見することが出来る。例えばドキュメ
ントファイルが個人毎のファイルであって、各人がIC
カードを有する場合には、ICカードの読み取り装置が
ICカードに記憶された第1の固有識別子を読み取るこ
とにより、ドキュメントファイルの検索が更に容易にな
る。
【0087】実施例2の2線式電源多重通信システムに
おける、マスター装置81から各スレーブ装置82への
電源供給、及びマスター装置81と各スレーブ装置82
との間のデータ通信の方法は、実施例1と同様である。
実施例2の説明において、回路構成に言及する時は、図
1のブロック図とその符号(図1)を用いる。実施例2
の2線式電源多重通信システムにおいては、極めて多種
類のドキュメントファイル収納箱を効率的にコントロー
ルする点に特徴がある。ドキュメントファイル収納箱8
2をひとつひとつ区別するために、それぞれのドキュメ
ントファイル収納箱82は、多くの情報量からなる(実
施例2においては32ビットデータ)固有識別子(第1
の固有識別子と呼ぶ。)を有する。第1の固有識別子
は、ドキュメントファイル収納箱82が内蔵するマイク
ロコンピュータ142(図1)に接続されたEEPRO
M(又はROM)に格納される。
【0088】ドキュメントファイルの種類は任意である
故に、第1の固有識別子を32ビットデータとしており
広い拡張性(広い論理空間)を持たせている。32ビッ
トの第1の固有識別子により最大約4300万台のスレ
ーブ装置を識別可能であるが、実際に1台のマスター装
置81が管理可能なスレーブ装置の数、又はラックに収
納可能なスレーブ装置の数は、その数よりもはるかに少
ない(実施例2においては数百台)。データ量の多い第
1の固有識別子をそのままデータ通信で各スレーブ装置
(ドキュメントファイル収納箱82)を指定する情報と
して利用したのでは、データ通信におけるスレーブ装置
の特定に非常に多くの情報量が必要となる故にデータ通
信の伝送効率が悪くなってしまう。又、第1の固有識別
子の全ての値についてマスター装置がドキュメントファ
イルの有無をチェックすると、実用的な処理速度を実現
できない。
【0089】そこで、新たなドキュメントファイル収納
箱82(スレーブ装置)が収納されると、マスター装置
81はそのスレーブ装置82に、その第1の固有識別子
を伝送するように要求する。マスター装置は、そのスレ
ーブ装置から第1の固有識別子を受け取ると、そのスレ
ーブ装置に第1の固有識別子よりもはるかにデータ長が
短い(例えば10ビット)第2の固有識別子(実施例2
においては、「スレーブ装置管理番号」と呼ぶ。)を割
り当てる。マスター装置は、第1の固有識別子と第2の
固有識別子とを対応付けてその記憶部(実施例2におい
てはRAM)に格納すると共に、そのスレーブ装置82
に割り当てた第2の固有識別子を伝送する。スレーブ装
置は、割り当てられた第2の固有識別子をその記憶部
(実施例2においてはRAM)に格納する。マスター装
置81はスレーブ装置82に、ランプ822の点灯を指
示する表示コマンドを送信する。ランプ822が点灯す
る。マスター装置81は、マスター装置番号と新たに割
り当てたスレーブ装置管理番号とを、コンピュータ83
に伝送する。コンピュータ83は、第1の固有識別子
と、スレーブ装置管理番号とを対応付けて、スレーブ装
置の存在を表す保管テーブルに登録する。コンピュータ
83は、マスター装置81を通してそのスレーブ装置8
2にランプ822の消灯を指示する表示コマンドを送信
する。ランプ822は、一定時間点灯後消灯する。
【0090】以後、2本の接続線を利用したマスター装
置とそのスレーブ装置とのデータ通信においては、その
スレーブ装置の指定に第2の固有識別子(スレーブ装置
管理番号)のみを用いる。これにより、データ通信にお
いて短いデータ長でスレーブ装置を特定することが出来
る。マスター装置とスレーブ装置との間のデータ通信の
伝送効率が向上する。
【0091】例えば、コンピュータ83に第1の固有識
別子が入力され、コンピュータ83がその第1の固有識
別子のドキュメントファイルをマスター装置81に要求
すると、マスター装置81は記憶部を検索して、その第
1の固有識別子を第2の固有識別子に変換する。マスタ
ー装置81は、その第2の固有識別子を有するスレーブ
装置(ドキュメントファイル収納箱82)にランプを点
灯するように命じるコマンドデータを送信する。2本の
接続線を通じてそのコマンドデータが送信され、その第
2の固有識別子を有するスレーブ装置ドキュメントファ
イル収納箱82は、そのランプ822を点灯させる。
【0092】スレーブ装置管理番号は、グループを表わ
すグループ番号とグループ内の順番を表わす順番号から
なる。実施例2のシステムではグループ番号は保管数を
最大に設定した場合42であり、1〜42の任意の値を
設定することが出来る。順番号は0から15である。こ
のスレーブ装置管理番号はスレーブ装置82のRAM上
に記憶され、通信ライン(接続線)に接続時のみ有効で
あり、通信ラインから取り外されると無効となる。実施
例2においては、電源供給がなくなり、RAMデータが
消えてしまうことにより、自動的に無効にしている。
【0093】スレーブ装置がシステム(接続線102、
103)に接続されているか否か(保管検索コマンド)
又はスレーブ装置の状態等の単純情報は、1ビットで表
示可能である。マスター装置は、グループ番号でスレー
ブ装置を指定して、そのグループの各スレーブ装置に単
純情報の送信を要求することが出来る。要求対象グルー
プの各スレーブ装置は、マスター装置からの要求(マス
ター装置送信フェーズ)に続くスレーブ送信フェーズに
おいて、それぞれの情報(各1ビット)を送信する。
【0094】例えばマスター装置81が、ラックに保管
されているスレーブ装置82の存在を検索するために、
保管検索コマンドに付加データとしてスレーブ装置管理
番号のグループ番号を付加して送信する。そのグループ
に属する全てのスレーブ装置82がその問い合わせに対
する1つのレスポンスデータ(その中に16ビットの接
続情報を含める。)を送信する。16ビットの接続情報
は、そのグループに属する順番号が0〜15のスレーブ
装置に対応している。レスポンスデータ送信時に、各ス
レーブ装置は自己の順番号に応じた接続情報のタイミン
グでロウレベル(=0)を出力する。対応するスレーブ
装置がシステムから取り外されていれば、その接続情報
はハイレベル(=1)になる。これにより、1パケット
の通信で16台のスレーブ装置の接続情報をマスター装
置に伝送することが出来る。1回のパケット通信により
16台のスレーブ装置とのデータ通信が可能であるため
(各データの情報量は1ビットであり短い。)、通信デ
ータ量の大幅な削減が可能である。マスター装置は、こ
の単純情報の要求コマンドをポーリングしてシステムの
管理を行っている。
【0095】ラックから抜かれたスレーブ装置(ドキュ
メントファイル収納箱)82については、複数回の検出
を繰り返し、その全てについてそのスレーブ装置82が
不存在であることを確認した場合に、コンピュータ83
はそのスレーブ装置がラックから抜かれたものと判断す
る。これにより、接点のチャタリング等に起因する誤検
出を防止している。マスター装置81から送信される保
管検索コマンドはグループ番号を変えながらポーリング
させている。
【0096】マスター装置が新たに収納されたドキュメ
ントファイル収納箱に第1の固有識別子を要求し、受信
した第1の固有識別子に対応付けて第2の固有識別子を
割り当てる方法(フローチャート)を図9に示す。図9
において、最初にマスター装置は、一定時間が経過した
か否かをチェックする(ステップ901)。新たなドキ
ュメントファイル収納箱が何時ドキュメントファイル収
納ラックに収納されるか分からない故に、マスター装置
は一定時間毎に新たにドキュメントファイル収納ラック
が収納されていないかどうかをチェックする。一定時間
が経過していなければ、ステップ901に戻る。一定時
間が経過していれば、マスター装置は相手のスレーブ装
置を特定しないで固有識別子出力指令を送信する(ステ
ップ902)。
【0097】スレーブ装置であるドキュメントファイル
収納箱82がドキュメントファイル収納ラックに収納さ
れると、そのドキュメントファイル収納箱82は自動的
に2線式電源多重通信システムに組み込まれ、且つその
スレーブ装置に電源電圧が供給されて、スレーブ装置の
電源が起動される(ステップ903)。次に、スレーブ
装置が、マスター装置から伝送された固有識別子出力指
令を受信する(ステップ904)。スレーブ装置は、第
1の固有識別子を既に送信済みか否かをチェックする
(ステップ905)。もし、第1の固有識別子を既に送
信済みであれば、そのスレーブ装置は第1の固有識別子
を送信しないで処理を終える。もし、第1の固有識別子
を未だ送信していなければ、そのスレーブ装置は第1の
固有識別子を送信する(ステップ906以下)。以上の
処理により、マスター装置から相手のスレーブ装置を特
定しないで送ってきた固有識別子出力指令に対して、新
たに収納されたドキュメントファイル収納箱(新たに接
続されたスレーブ装置)のみが応答することになる。
【0098】第1の固有識別子を未だ送信していないス
レーブ装置は、ステップ906以下の処理を実行する。
スレーブ装置は、その第1の固有識別子を送信する(ス
テップ906〜910)。複数台のスレーブ装置が同時
にドキュメントファイル収納ラックに収納されれば(典
型的には、複数のドキュメントファイル収納箱を収納し
た状態でドキュメントファイル収納ラックの電源を起動
させると、複数台のスレーブ装置が同時にドキュメント
ファイル収納ラックに収納された状態になる。)、第1
の固有識別子を未だ送信していない複数のスレーブ装置
が、同時に第1の固有識別子の送信を開始する。実施例
2の2線式電源多重通信システムにおいては、複数のス
レーブ装置が同時にデータを送信して互いのデータを破
壊するおそれを、下記の方法により回避している。
【0099】図1(又は図3)において実施例2のスレ
ーブ装置は、出力トランジスタ158からデータを出力
すると同時に、トランジスタ158のコレクタのレベル
をマイクロコンピュータ142のIn1端子から入力す
る。もし、そのスレーブ装置のみが第1の固有識別子を
送信しているならば、出力トランジスタ158のレベル
とIn1端子から入力したレベルとは常に一致する(I
n1端子から入力したレベルは、常にマイクロコンピュ
ータ142のOut2のレベルの反転レベルであ
る。)。
【0100】複数のスレーブ装置が同時に第1の固有識
別子を送信する場合を考える。出力トランジスタ158
が導通状態の場合は(i番目のビット=0の場合は)、
In1端子から入力したレベルは必ずロウレベル(=
0)になる。しかし、スレーブ装置(例えば104とす
る。)の出力トランジスタ158がカットオフ状態であ
って(i番目のビット=1)、他のスレーブ装置(例え
ば106とする。)の出力トランジスタ158が導通状
態(i番目のビット=0)になった場合、接続線102
の電位がロウレベルになる。スレーブ装置104及び1
06のマイクロコンピュータ142のIn1端子から入
力したレベルはロウレベル(=0)になる。
【0101】スレーブ装置106においては出力レベル
と入力レベルが一致するが、スレーブ装置104につい
ては出力レベルと入力レベルとが一致しない。スレーブ
装置104は、当該データ不一致に基づいて、他のスレ
ーブ装置と競合して第1の固有識別子を出力しているこ
とを判別し、第1の固有識別子の出力を中止する。出力
データと入力データとが一致したスレーブ装置106は
第1の固有識別子の出力を続行する。この方法により複
数のスレーブ装置が同時に第1の固有識別子を送信する
場合、最も値が小さい第1の固有識別子を有するスレー
ブ装置のみが自動的に最後まで第1の固有識別子を出力
することが出来る。
【0102】全てのスレーブ装置は、マスター装置が出
力するスタートビットに同期してデータを出力する故
に、送信中の全スレーブ装置がデータを出力するタイミ
ングは揃っている。従ってデータ出力タイミングのずれ
による誤りは発生しない。第1の固有識別子を最後まで
出力できなかったスレーブ装置は、次回の固有識別子出
力指令に応じて第1の固有識別子を出力する。次回の固
有識別子出力指令に対しては、第1の固有識別子の送信
を完了した最も小さい第1の固有識別子のスレーブ装置
は応答せず、次に小さい第1の固有識別子を持つスレー
ブ装置がその第1の固有識別子を送信する。ステップ9
06〜910は、上記の処理を実行する。
【0103】ステップ906において、i=1(初期
値)を設定する。iは、送信する第1の固有識別子のビ
ット番号である。第1の固有識別子のビット長(ビット
数)をimaxとする。次に第1の固有識別子の第i番
目のビットを出力する(スレーブ装置送信フェーズ43
のデータビット46)(ステップ907)。次に第i番
目のビットを出力すると同時に入力したビットレベル
が、出力したビットレベルと同一か否かチェックする
(ステップ908)。同一でなければ第1の固有識別子
の出力を中止し、ステップ904に戻って次回の固有識
別子出力指令を待つ。入力したビットレベルが出力した
ビットレベルと同一であれば、第1の固有識別子の出力
を続行する。i=i+1とする(ステップ909)。次
にi≦imaxか否かをチェックする(ステップ91
0)。i≦imaxであれば、第1の固有識別子の次の
ビットを出力するためにステップ907に戻る。i≦i
maxでなければ、第1の固有識別子の出力を完了した
ので、ステップ911に進む。
【0104】ステップ911において、スレーブ装置
は、第1の固有識別子の後に検証信号(実施例2におい
ては10の2ビットデータ)を送信する。検証信号は、
そのスレーブ装置が、第1の固有識別子を最後まで正し
く送信できたことを示す。スレーブ装置送信フェーズ中
に新たなスレーブ装置が通信ライン(接続線102)に
接続された場合、接続されたスレーブ装置の電源回路へ
の電流の流入により送信中の信号ラインのハイレベルの
信号がロウレベルに変化する場合がある。この場合、送
信側のスレーブ装置及び受信側のマスター装置が共に通
信エラーが発生したので通信が無効であることを共有す
る必要がある。検証信号により、スレーブ装置及び受信
側のマスター装置は、通信エラーの有無の情報を共有す
ることが出来る。
【0105】実施例2においてスレーブ装置は、第1の
固有識別子を最後まで正しく正しく送信した場合はHigh
とLowとの2ビット(10)を、送信エラーが発生した
場合はHighとHighとの2ビット(11)又はLowとLowと
の2ビット(00)を、第1の固有識別子の後に付加し
て送信する。この最終2ビット(以降 検証ビットと記
述する)がHighとHigh又はLowとLowの場合は送信側であ
るスレーブ装置及び受信側であるマスター装置はそれぞ
れ無効データと解釈し、再通信(リトライ)を行う。
【0106】マスター装置は、新たに挿入されたドキュ
メントファイル収納箱(スレーブ装置)の第1の固有識
別子及び検証信号を入力する(ステップ912)。マス
ター装置は、検証信号により、入力した第1の固有識別
子が正しいことを確認出来る。次にマスター装置は、一
定時間(短時間)ブザーを鳴らし、ドキュメントファイ
ル収納箱82が正しく2線式電源多重通信システムに組
み込まれたことを操作者に知らせる(ステップ91
3)。次にマスター装置は、その第1の固有識別子に未
使用のスレーブ装置管理番号(第2の固有識別子)を割
り当てる(ステップ914)。次に、マスター装置は、
新たに挿入されたスレーブ装置に割り当てたスレーブ装
置管理番号を送信する(ステップ915)。マスター装
置は、第1の固有識別子と割り当てたスレーブ装置管理
番号(第2の固有識別子)とを対応付けて、記憶部(R
AM)に格納する(ステップ916)。
【0107】スレーブ装置は、自己に割り当てられたス
レーブ装置管理番号(第2の固有識別子)を受信する
(ステップ917)。スレーブ装置は、スレーブ装置管
理番号を内部の記憶部(RAM)に格納する(ステップ
918)。次にマスター装置からの指令に従い、スレー
ブ装置は、ランプ822を一定時間点灯する(ステップ
919)。実施例2においては、マスター装置81が第
1の固有識別子及び第2の固有識別子を登録した後、マ
スター装置からスレーブ装置82にランプ822の点灯
を指令し、コンピュータ83が第1の固有識別子及び第
2の固有識別子を登録した後、コンピュータ83からマ
スター装置を経由してスレーブ装置82にランプ822
の消灯を指令する。このようにして、ランプ822を一
定時間点灯させている。操作者の目視よる確認は正確で
ある反面、集中力が必要なため確認作業ミスが発生し易
い。LED表示とマスターのブザー音の両面から作業者
に接続を知らせる。マスター装置及びスレーブ装置がス
レーブ装置管理番号を格納する記憶部は、揮発性のRA
M等でも良く、不揮発性のEEPROM等でも良い。
【0108】マスター装置は、一定時間毎に各スレーブ
装置にその状態を問い合わせることにより、ドキュメン
トファイル収納ラックから抜き取られたスレーブ装置を
検出することが出来る。実施例2のシステムにおいて
は、マスター装置が、脱着可能な多くのスレーブ装置の
それぞれが通信ラインに接続されているか否かという情
報及びスレーブ装置の状態の情報等のデータ(それぞれ
のデータの情報量は少ない)を、スレーブ装置に対しポ
ーリング管理する。
【0109】このような場合、スレーブ装置が有する第
1の固有識別子の桁数が大きい故に、第1の固有識別子
を用いて個々のスレーブ装置と1対1の通信を行い、そ
のスレーブ装置からデータを入手することは出来ない。
マスター装置がしていたのでは、全ての値の第1の固有
識別子を出力することによる通信回数の増大と第1の固
有識別子を送信するための通信データ量の増大とによ
り、通信ラインに接続された全スレーブ装置との通信周
期、即ちポーリング周期が長くなり、変化(例えばスレ
ーブ装置の新たな脱着)等の情報入手が遅れる。実施例
2により通信速度を変えることなく、短いポーリング周
期の2線式電源多重通信システムを実現できた。上記の
構成により、実施例2の2線式電源多重通信システム
は、第2の固有識別子を用いて高い伝送効率で相互の通
信を行うことが出来る。
【0110】図1に示すように、各スレーブ装置は、ダ
イオード152、153を有する故に、マイクロコンピ
ュータ142のOut1端子をロウレベルに設定しない
と、接続線102を伝送されるデータを読込むことが出
来ない。しかし、スレーブ装置送信フェーズではマスタ
ー装置101の定電流トランジスタ123が接続線10
2をプルアップしている電流が一定の値である故に、抵
抗155を通じてマイクロコンピュータ142のOut
1端子に流入するプルダウン電流の総和が大きくなると
(定電流トランジスタ123の電流駆動能力を超える
と)、接続線102の電圧が低下して、正しくデータを
伝送できない。なお、マスター装置送信フェーズにおい
ては、低出力インピーダンスで電源電圧が出力される故
に、全てのスレーブ装置がデータを読み込むことが出来
る。
【0111】実施例2においては、マスター装置は、コ
マンドデータを送信する場合に、相手のスレーブ装置を
指定すると共に、そのスレーブ装置が出力する通信デー
タを読み込むスレーブ装置を指定する。例えばスレーブ
装置の第1の固有識別子又は第2の固有識別子の特定部
分の値(例えば上位4ビット又は下位4ビットの値)が
指定値(コマンドデータに含まれる。)と一致するスレ
ーブ装置のみが、応答を要求されたスレーブ装置のレス
ポンスデータを読み込むことを許可される。新たにシス
テムに組み込まれたスレーブ装置は第2の固有識別子を
有しないが、新たにシステムに組み込まれたスレーブ装
置はその起動プログラムを実行することにより、第2の
固有識別子の特定部分の値を仮に0とする。これにより
全てのスレーブ装置が第2の固有識別子有する故に、全
てのスレーブ装置について、レスポンスデータの読み込
みを管理することが出来る。
【0112】レスポンスデータの読み込みを許可された
スレーブ装置は、そのマイクロコンピュータ142のO
ut1端子をロウレベルに設定して、通信データを読み
込む。レスポンスデータの読み込みを許可されなかった
スレーブ装置は、そのマイクロコンピュータ142のO
ut1端子をハイレベルに設定する。これによりダイオ
ード152、153を通じて電流が流れない。例えば第
2の固有識別子の上位4ビットの値が特定の値であるス
レーブ装置のみにレスポンスデータの読み込みを許可す
ることにより、各スレーブ装置の抵抗155を通じて流
れるプルダウン電流の総和は、全てのスレーブ装置がレ
スポンスデータを読み込む場合の1/16になる。接続
線102の電圧の低下を防止できる。そのデータ通信が
終了後(そのパケット期間の待機フェーズにおいて)、
全てのスレーブ装置は、マイクロコンピュータ142の
Out1端子をロウレベルに設定する。これにより、全
てのスレーブ装置が次のコマンドデータを読み込むこと
が出来る。
【0113】《実施例3》図10を用いて、実施例2の
2線式電源多重通信システムを説明する。実施例3の2
線式電源多重通信システムは、実施例2と類似してい
る。実施例2においては、マスター装置は一定時間毎に
固有識別子出力指令を伝送し、新たにシステムに接続さ
れたスレーブ装置から第1の固有識別子を入手した。実
施例3においては、マスター装置が保管検索指令及びそ
の応答により、システムから接続を外されたスレーブ装
置のみならず、新たにシステムに接続されたスレーブ装
置を検出する。保管検索指令及びその応答により新たに
システムに接続されたスレーブ装置があることを検出し
た場合に、マスター装置が固有識別子出力指令を伝送
し、これに応じて新たにシステムに接続されたスレーブ
装置が第1の固有識別子を送信する。従って、マスター
装置は新たなスレーブ装置がシステムに接続された場合
を除いて、固有識別子出力指令を出力しない。他の点に
おいて、両者は同一である。以下、実施例3において、
新たに接続されたスレーブ装置から第一の固有識別子を
取得する方法を説明する。
【0114】マスター装置が新たに収納されたドキュメ
ントファイル収納箱に第1の固有識別子を要求し、受信
した第1の固有識別子に対応付けて第2の固有識別子を
割り当てる実施例3の方法(フローチャート)を図10
に示す。図10において、マスター装置は一定時間毎に
保管検索指令を送信して、新たなドキュメントファイル
収納箱がドキュメントファイル収納ラックに収納されて
いないかどうか、及び収納されていたドキュメントファ
イル収納箱がドキュメントファイル収納ラックから引き
出されていないかどうかをチェックする。最初にマスタ
ー装置は、一定時間が経過したか否かをチェックする
(ステップ1001)。一定時間が経過していなけれ
ば、ステップ1001に戻る。一定時間が経過していれ
ば、マスター装置は保管検索指令を送信する(ステップ
1002)。
【0115】スレーブ装置であるドキュメントファイル
収納箱82がドキュメントファイル収納ラックに収納さ
れると、そのドキュメントファイル収納箱82は自動的
に2線式電源多重通信システムに組み込まれ、且つその
スレーブ装置に電源電圧が供給されて、スレーブ装置の
電源が起動される(ステップ1003)。起動時にマイ
クロコンピュータ142は、そのスレーブ装置管理番号
を0に自動的に決定する(後述する様に、仮決定であ
る。)。新たにドキュメントファイル収納ラックに収納
されたスレーブ装置は、保管検索指令を受信する(ステ
ップ1005)。
【0116】スレーブ装置管理番号0のスレーブ装置は
レスポンスデータの中のスレーブ装置管理番号0に割り
当てられたビットをLowレベルにすることにより、新た
にシステムに組み込まれたスレーブ装置の存在を送信す
る(ステップ1006以下)。マスター装置は、レスポ
ンスデータの中のスレーブ装置管理番号0に割り当てら
れたビットをチェックし、スレーブ装置管理番号0のス
レーブ装置が存在するか否かを調べる(ステップ100
7)。もしスレーブ装置管理番号0のスレーブ装置が存
在しなければ、ステップ1001に戻る。もしスレーブ
装置管理番号0のスレーブ装置が存在すれば、ステップ
1008に進む。ステップ1008において、マスター
装置は固有識別子出力指令を送信する。スレーブ装置は
固有識別子出力指令を受信する(ステップ1009)。
もしスレーブ装置が既に第1の固有識別子を送信済みで
あれば処理を終える(ステップ1010)。もしスレー
ブ装置が未だ第1の固有識別子を送信していなければ、
第1の固有識別子を出力するステップ1011及び10
12に進む(ステップ1010)。ステップ1011に
おいて、1ビットずつ出力レベルと入力レベルが一致す
るか否かをチェックしながら、スレーブ装置は第1の固
有識別子を出力する。次に、全ビット正しく出力できた
か否かをチェックする(ステップ1012)。ステップ
1011及び1012は、図9のステップ1006〜1
010と同一のステップであり、これらのステップを簡
略化して表示している。ステップ1012において、全
ビット正しく出力出来ればステップ1013に進み、そ
うでなければステップ1009に戻って次回の固有識別
子出力指令を待つ。
【0117】ステップ1013において、スレーブ装置
は、第1の固有識別子の後に検証信号(実施例3におい
ては10の2ビットデータ)を送信する。マスター装置
は、新たに挿入されたドキュメントファイル収納箱(ス
レーブ装置)の第1の固有識別子及び検証信号を入力す
る(ステップ1014)。マスター装置は、検証信号に
より、入力した第1の固有識別子が正しいことを確認出
来る。次にマスター装置は、短時間ブザーを鳴らし、ド
キュメントファイル収納箱82が正しく2線式電源多重
通信システムに組み込まれたことを操作者に知らせる
(ステップ1015)。
【0118】次にマスター装置は、その第1の固有識別
子に未使用で且つ0でないスレーブ装置管理番号(第2
の固有識別子)を割り当てる(ステップ1016)。次
に、マスター装置は、新たに挿入されたスレーブ装置に
割り当てたスレーブ装置管理番号を送信する(ステップ
1017)。マスター装置は、第1の固有識別子と割り
当てたスレーブ装置管理番号(第2の固有識別子)とを
対応付けて、記憶部(RAM)に格納する(ステップ1
018)。スレーブ装置は、自己に割り当てられたスレ
ーブ装置管理番号(第2の固有識別子)を受信する(ス
テップ1019)。スレーブ装置は、スレーブ装置管理
番号を内部の記憶部(RAM)に格納する(ステップ1
020)。次にスレーブ装置は、ランプ822を一定時
間点灯する(ステップ1021)。実施例3において
は、マスター装置81が第1の固有識別子及び第2の固
有識別子を登録した後、マスター装置からスレーブ装置
82にランプ822の点灯を指令し、コンピュータ83
が第1の固有識別子及び第2の固有識別子を登録した
後、コンピュータ83からマスター装置を経由してスレ
ーブ装置82にランプ822の消灯を指令する。このよ
うにして、ランプ822を一定時間点灯させている。
【0119】実施例2の2線式電源多重通信システムに
おいては、マスター装置は、新たに収納されたスレーブ
装置を検出するために、一定時間毎に固有識別子送信要
求を出力する必要があった。実施例3の2線式電源多重
通信システムにおいては、スレーブ装置の存在の有無
(スレーブ装置がシステムから抜き取られたか否か)を
調べる保管検索コマンドを実行する中で、新たに収納さ
れたスレーブ装置を同時に検出できる。新たに収納され
たスレーブ装置は、自動的にスレーブ装置管理番号0
(グループ番号も順番号も0)をその第2の固有識別子
とする。マスター装置は、他のスレーブ装置(マスター
装置から正規の第2の固有識別子を割り当てられたスレ
ーブ装置)に順番号が0でないスレーブ装置管理番号を
割り当てる。
【0120】マスター装置がグループ番号0のグループ
に対して保管検索コマンドを送信すると、新たに収納さ
れたスレーブ装置がなければ順番号0に対応するビット
は1であり、新たに収納されたスレーブ装置があれば順
番号0に対応するビットは0である。これにより、マス
ター装置は、新たにスレーブ装置がシステムに組み込ま
れたことを知る。マスター装置は、新たなスレーブ装置
(第2の固有識別子)に対して固有識別子送信要求を出
力する。マスター装置及びスレーブ装置がスレーブ装置
管理番号を格納する記憶部は、揮発性のRAM等でも良
く、不揮発性のEEPROM等でも良い。
【0121】実施例3においては、新たに収納されたス
レーブ装置に特有のスレーブ装置管理番号0を割り当て
た。他の実施例においては、新たに収納されたスレーブ
装置については、第2の固有識別子の特定のビット(例
えば0番目のビット)を特有の値(=0)とし、他のス
レーブ装置(マスター装置から正規の第2の固有識別子
を割り当てられたスレーブ装置)については、当該特定
のビットをそれ以外の値(=1)にする。それ以外の点
に付いては、他の実施例は実施例3と同じである。マス
ター装置は、スレーブ装置からのレスポンスデータに含
まれる第2の固有識別子の特定のビットが1か0かを調
べる。そのビットが1であれば新たにシステムに組み込
まれたスレーブ装置はなく、そのビットが0であれば新
たにスレーブ装置がシステムに組み込まれていることが
分かる。
【0122】上記の構成により、実施例3の2線式電源
多重通信システムは、第2の固有識別子を用いて高い伝
送効率で相互の通信を行うことが出来る。上記の実施例
2等はドキュメントファイル収納ラックについて説明し
たが、スレーブ装置である収納箱に他の任意の物(例え
ば本、薬、パーツ等)を収納し、その保管及び在庫管理
を行うことが出来る。
【0123】
【発明の効果】本発明によれば、安価で信頼性が高く、
小型の2線式電源多重通信システムを実現出来るという
有利な効果が得られる(双方向通信を含む。)。本発明
によれば、同時に接続可能なスレーブ装置の数は一定数
以下であるが、接続可能なスレーブ装置の種類が極めて
多く、任意の新たなスレーブ装置を2線式電源多重通信
システムに接続したり、接続しているスレーブ装置をシ
ステムから切り離したりすることが出来る、安価で信頼
性が高く、小型の2線式電源多重通信システムを実現出
来るという有利な効果が得られる。多くのスレーブ装置
が接続されており且つ通信データ容量が少ない通信ライ
ンを用いて、高速且つ効率よく通信を行う2線式電源多
重通信システムを実現出来る。
【0124】本発明によれば、新たに接続されたスレー
ブ装置の固有識別子を従来例と比較して極めて効率良く
検出することが出来る2線式電源多重通信システムを実
現出来る。本発明によれば、小型で低コストのスレーブ
装置を実現出来る。
【0125】本発明によれば、多量のデータ通信が可能
であり、且つ小さな容量のコンデンサに蓄積した電荷を
用いて、スレーブ装置が電源供給期間から次の電源供給
期間までの期間安定して継続動作可能な2線式電源多重
通信システムが実現出来る。万一、マスター装置が低出
力インピーダンスで電源電圧を出力するタイミングと、
スレーブ装置が接続線の電位をグラウンドレベルにプル
ダウンするタイミングとが重なっても、素子が壊れる恐
れがない信頼性の高い2線式電源多重通信システムを実
現出来る。本発明によれば、1つのレスポンスデータで
複数のスレーブ装置の情報を伝送する高効率の伝送シス
テム及び伝送方法を実現できるという有利な効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の2線式電源多重通信システムの構
成を示すブロック図
【図2】 実施例1の2線式電源多重通信システムにお
いて、マスター装置がコマンドデータを出力する時の動
作状態を示す図
【図3】 実施例1の2線式電源多重通信システムにお
いて、スレーブ装置がレスポンスデータを出力する時の
動作状態を示す図
【図4】 実施例1の2線式電源多重通信システムにお
ける通信データの構成を示す図
【図5】 図5(a)は実施例1の2線式電源多重通信
システムにおける通信データのマスター装置送信フェー
ズの1区間を示す図、図5(b)は実施例1の2線式電
源多重通信システムにおける通信データのスレーブ装置
送信フェーズの1区間を示す図
【図6】 実施例1の2線式電源多重通信方法における
マスター装置送信フェーズのフローチャート
【図7】 実施例1の2線式電源多重通信方法における
スレーブ装置送信フェーズのフローチャート
【図8】 実施例2の2線式電源多重通信システムの概
略的な外観図
【図9】 実施例2の2線式電源多重通信方法を示すフ
ローチャート
【図10】 実施例3の2線式電源多重通信方法を示す
フローチャート
【図11】 2線式電源多重通信システムの一般的な概
念図
【図12】 従来例の2線式電源多重通信システムの構
成を示すブロック図
【符号の説明】
101、81、1101、1201 マスター装置 102、103、84、1102、1103、120
2、1203 接続線 104、105、106、1104、1106、110
8、1110、1112、1114、1204、120
5 スレーブ装置 111 第1の2線式電源多重通信部 112、142、1213、1223 マイクロコン
ピュータ 113、1107 ブザー 114、1105、1116 ランプ 115 直流電源 121 FET 122、123、126、127、157、158
ペアトランジスタ 124、125、144、146、154、155、1
56 抵抗 128、145、1111、1115 スイッチ 129 出力増幅器 130 入力増幅器 131 オフセット用基準電圧発生器 141 第2の2線式電源多重通信部 143、1222 コンデンサ 147 トランジスタ 148 負荷 151、152、153 ダイオード 82 ドキュメントファイル収納箱 83 コンピュータ 85 RS232Cケーブル 821 2端子コネクタ 822 ランプ 823 取っ手 1109 モータ 1113 温度センサ 1212、1221 LPF 1216、1226 HPF 1214、1224 スリーステート型出力増幅器 1215、1225 入力増幅器

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つ又は複数のスレーブ装置に直流電源
    を供給し且つ前記スレーブ装置との間でマスター・スレ
    ーブ方式のデータ通信を行う第1の2線式電源多重通信
    部を、有し、 前記データ通信においては、通信データの前にスタート
    ビットを付加し又は後にエンドビットを付加し、 前記第1の2線式電源多重通信部は、少なくとも一部の
    スタートビット期間又はエンドビット期間において低出
    力インピーダンスである第1の出力インピーダンスで電
    源電圧を出力し、前記スレーブ装置が通信データを送信
    する送信期間においては第1の出力インピーダンスより
    も高い出力インピーダンスである第2の出力インピーダ
    ンスで電圧を出力する、 ことを特徴とするマスター装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のマスター装置と、前記
    マスター装置と2本の接続線を通じてデータ通信を行う
    第2の2線式電源多重通信部を有する1つ又は複数のス
    レーブ装置と、を有し、 前記スレーブ装置は、前記マスター装置が第1の出力イ
    ンピーダンスで電源電圧を出力する時に、前記マスター
    装置から電力を供給される、 ことを特徴とする2線式電源多重通信システム。
  3. 【請求項3】 前記通信データの送信期間において、前
    記第2の2線式電源多重通信部がロウレベルの通信デー
    タを出力する出力インピーダンスは第2の出力インピー
    ダンスよりも低く、又は前記第2の2線式電源多重通信
    部がロウレベルの通信データを出力する電流駆動能力は
    前記マスター装置が電圧を出力する電流駆動能力よりも
    大きく、且つ、 前記前記第2の2線式電源多重通信部の電流駆動能力
    が、前記マスター装置が第1の出力インピーダンスで電
    源電圧を出力している時に前記前記第2の2線式電源多
    重通信部がロウレベルの出力信号を出力したとしても、
    その非破壊限界以下である、 ことを特徴とする請求項2に記載の2線式電源多重通信
    システム。
  4. 【請求項4】 1つ又は複数のスレーブ装置に直流電源
    を供給し且つ前記スレーブ装置との間でマスター・スレ
    ーブ方式のデータ通信を行うマスター装置と、前記マス
    ター装置と2本の接続線で接続してデータ通信を行う第
    2の2線式電源多重通信部を有する1つ又は複数のスレ
    ーブ装置と、を有し、 前記第2の2線式電源多重通信部は、前記接続線と出力
    端子との間に接続され且つ直列に接続されたダイオード
    及び抵抗を有する第1の分枝と、前記ダイオードのカソ
    ードと通信データ入力端子との間に接続された第2の分
    枝と、を有し、 前記第2の2線式電源多重通信部は、前記出力端子をロ
    ウレベルにして前記通信データ入力端子が通信データを
    読み込む場合と、前記出力端子をハイレベルにして前記
    ダイオードをカットオフ状態にする場合と、を有する、 ことを特徴とする2線式電源多重通信システム。
  5. 【請求項5】 1つ又は複数のスレーブ装置に直流電源
    を供給し且つ前記スレーブ装置との間でマスター・スレ
    ーブ方式のデータ通信を行うマスター装置と、第1の固
    有識別子を記憶する不揮発性の記憶部を有し且つ前記マ
    スター装置と2本の接続線で接続してデータ通信を行い
    又はその接続を外すことが出来る1つ又は複数のスレー
    ブ装置と、を有し、 前記マスター装置は、新たに接続されたスレーブ装置に
    その第1の固有識別子の出力を指令する固有識別子出力
    指令を送信し、前記第1の固有識別子を入力すると、そ
    のスレーブ装置に固有の値であって、その第1の固有識
    別子よりも情報量が少ない第2の固有識別子をその第1
    の固有識別子に対応付けて記憶し、且つそのスレーブ装
    置に前記第2の固有識別子を送信し、 そのスレーブ装置は、送信された前記第2の固有識別子
    を記憶部に記憶し、 その後、前記マスター装置とそのスレーブ装置とは、前
    記第2の固有識別子をそのスレーブ装置の識別情報とし
    て用いて通信を行う、 ことを特徴とする2線式電源多重通信システム。
  6. 【請求項6】 前記スレーブ装置は、前記固有識別子出
    力指令に応じてその第1の固有識別子を含む通信データ
    を出力する時に、その通信データの出力レベルを入力
    し、 その通信データの入力レベルが出力レベルと一致する場
    合はその第1の固有識別子を含む通信データの出力を継
    続し、その第1の固有識別子の出力を正しく完了したな
    らばその後の固有識別子出力指令に応答せず、 その通信データの入力レベルが出力レベルと一致しない
    場合は出力を中止し、次に送信された固有識別子出力指
    令に応じて再びその第1の固有識別子を出力する、 ことを特徴とする請求項5に記載の2線式電源多重通信
    システム。
  7. 【請求項7】 前記スレーブ装置は、固有識別子出力指
    令に応じて第1の固有識別子の出力を正しく完了したな
    らば通信データの最後に、0のビットと1のビットとを
    含み且つ正しく第1の固有識別子を出力したことを示す
    検証信号を出力する、ことをを特徴とする請求項6に記
    載の2線式電源多重通信システム。
  8. 【請求項8】 前記マスター装置が、前記第1の固有識
    別子若しくは前記第2の固有識別子の一部を含み且つ前
    記スレーブ装置に通信データの送信を要求する送信要求
    指令を送信した場合は、送信を要求された前記スレーブ
    装置が前記送信要求指令に応じて通信データを送信し、
    前記スレーブ装置の中で前記送信要求指令に含まれる前
    記第1の固有識別子若しくは前記第2の固有識別子の一
    部により特定される前記スレーブ装置のみが、前記送信
    要求指令に応じて前記スレーブ装置が出力する通信デー
    タを入力する、 ことを特徴とする請求項5に記載の2線式電源多重通信
    システム。
  9. 【請求項9】 前記スレーブ装置は、電源多重通信シス
    テムに接続されて電源を供給されると、新たに接続され
    たスレーブ装置に固有の識別子である特定の値の前記第
    2の固有識別子又はその一部を初期値として自己設定
    し、 前記マスター装置は、特定の値の前記第2の固有識別子
    又はその一部を有する前記スレーブ装置が存在するか否
    かを問い合わせる保管検索指令を送信し、 特定の値の前記第2の固有識別子又はその一部を有する
    前記スレーブ装置は、前記マスター装置にその存在を知
    らせ、 前記マスター装置は、特定の値の前記第2の固有識別子
    又はその一部を有する前記スレーブ装置が存在する時
    に、前記固有識別子出力指令を送信する、 ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の2線式
    電源多重通信システム。
  10. 【請求項10】 前記マスター装置が新たに接続された
    前記スレーブ装置からその第1の固有識別子を入力する
    と、前記マスター装置又は新たに接続された前記スレー
    ブ装置が視覚又は聴覚により認識可能な表示を行うこと
    を特徴とする請求項5に記載の2線式電源多重通信シス
    テム。
  11. 【請求項11】 1つ又は複数のスレーブ装置に直流電
    源を供給し且つ前記スレーブ装置との間でマスター・ス
    レーブ方式のデータ通信を行うマスター装置と、グルー
    プの固有識別子とそのグループ内でのスレーブ装置の固
    有識別子とを含む第1の固有識別子を有し且つ前記マス
    ター装置と2本の接続線で接続してデータ通信を行う1
    つ又は複数のスレーブ装置と、を有し、 前記マスター装置は、グループの固有識別子を含むコマ
    ンドデータを送信し、 そのコマンドデータに応じて、そのグループに属するス
    レーブ装置がそれぞれに割り当てられた少なくとも1ビ
    ットのビットデータを出力することにより、1つのレス
    ポンスデータを生成して出力する、 ことを特徴とする2線式電源多重通信システム。
  12. 【請求項12】 マスター装置から1つ又は複数のスレ
    ーブ装置に直流電源を供給し且つ前記マスター装置及び
    前記スレーブ装置の間でマスター・スレーブ方式のデー
    タ通信を行う2線式電源多重通信方法であって、 前記マスター装置が接続線に電圧を出力し、前記マスタ
    ー装置又は前記スレーブ装置がその接続線を通じて通信
    データを送信する通信データ送信ステップと、 前記送信ステップの前にスタートビットを送信し又は後
    にエンドビットを送信し、少なくとも一部のスタートビ
    ット期間又はエンドビット期間において前記マスター装
    置が電源電圧を低出力インピーダンスで出力する電源電
    圧伝送ステップと、 を有し、 前記電源電圧伝送ステップにおいて前記マスター装置が
    電源電圧を出力する出力インピーダンスが、前記スレー
    ブ装置が通信データを送信する前記通信データ送信ステ
    ップにおいて前記マスター装置が電圧を出力する出力イ
    ンピーダンスよりも低く、 前記電源電圧伝送ステップにおいて、前記マスター装置
    が前記スレーブ装置に電力を供給する、 ことを特徴とする2線式電源多重通信方法。
  13. 【請求項13】 第1の固有識別子を記憶する不揮発性
    の記憶部を有し且つマスター装置と2本の接続線で接続
    してデータ通信を行い又はその接続を外すことが出来る
    1つ又は複数のスレーブ装置に前記マスター装置から直
    流電源を供給し、且つ前記マスター装置及び前記スレー
    ブ装置の間でマスター・スレーブ方式のデータ通信を行
    う2線式電源多重通信方法であって、 前記マスター装置が、前記スレーブ装置に第1の固有識
    別子の出力を指令する固有識別子出力指令を送信する固
    有識別子出力指令送信ステップと、 前記スレーブ装置が第1の固有識別子を出力する第1の
    固有識別子出力ステップと、 前記マスター装置が、前記スレーブ装置から前記第1の
    固有識別子を入力すると、そのスレーブ装置に固有の値
    であって、その第1の固有識別子よりも情報量が少ない
    第2の固有識別子をその第1の固有識別子に対応付けて
    記憶し、且つそのスレーブ装置に前記第2の固有識別子
    を送信する第2の固有識別子割当てステップと、 そのスレーブ装置が、送信された前記第2の固有識別子
    を記憶部に記憶する第2の固有識別子記憶ステップと、 その後前記マスター装置が、前記第2の固有識別子を用
    いてそのスレーブ装置を指定した指令である通信データ
    を送信する指令送信ステップと、 そのスレーブ装置が、その指令に応じて応答する応答ス
    テップと、 を有することを特徴とする2線式電源多重通信方法。
  14. 【請求項14】 前記第1の固有識別子出力ステップに
    おいて、前記スレーブ装置が、前記固有識別子出力指令
    に応じてその第1の固有識別子をを含む通信データを出
    力する時に、その通信データの出力レベルを入力し、そ
    の通信データの入力レベルが出力レベルと一致する場合
    はその第1の固有識別子を含む通信データの出力を継続
    し、その通信データの入力レベルが出力レベルと一致し
    ない場合は出力を中止し、 その第1の固有識別子の出力を中止した場合にのみ、次
    に送信された固有識別子出力指令に応じて、前記スレー
    ブ装置が再びその第1の固有識別子を出力する第1の固
    有識別子再送ステップを更に有する、 ことを特徴とする請求項13に記載の2線式電源多重通
    信方法。
  15. 【請求項15】 前記第1の固有識別子出力ステップに
    おいて、前記スレーブ装置は、固有識別子出力指令に応
    じて第1の固有識別子の出力を正しく完了したならば通
    信データの最後に、0のビットと1のビットとを含み且
    つ正しく第1の固有識別子を出力したことを示す検証信
    号を出力する、ことをを特徴とする請求項14に記載の
    2線式電源多重通信方法。
  16. 【請求項16】前記マスター装置が、前記第1の固有識
    別子若しくは前記第2の固有識別子の一部を含み且つ前
    記スレーブ装置に通信データの送信を要求する送信要求
    指令を送信するスレーブ装置送信要求ステップと、 送信を要求された前記スレーブ装置が前記送信要求指令
    に応じて通信データを送信し、前記スレーブ装置の中で
    前記送信要求指令に含まれる前記第1の固有識別子若し
    くは前記第2の固有識別子の一部により特定される前記
    スレーブ装置のみが、前記送信要求指令に応じて前記ス
    レーブ装置が出力する通信データを入力するスレーブ装
    置送信ステップと、 を有することを特徴とする請求項13に記載の2線式電
    源多重通信方法。
  17. 【請求項17】 新たに接続されて電源を供給された前
    記スレーブ装置が、新たに接続されたスレーブ装置に固
    有の識別子である特定の値の前記第2の固有識別子又は
    その一部を初期値として自己設定する第2の固有識別子
    自己設定ステップと、 前記マスター装置が、特定の値の前記第2の固有識別子
    又はその一部を有する前記スレーブ装置が存在するか否
    かを問い合わせる保管検索指令を送信する保管検索指令
    送信ステップと、 特定の値の前記第2の固有識別子又はその一部を有する
    前記スレーブ装置が、前記マスター装置にその存在を知
    らせる保管検索指令応答ステップと、 を更に有し、 前記マスター装置は、特定の値の前記第2の固有識別子
    又はその一部を有する前記スレーブ装置が存在する時
    に、前記固有識別子出力指令送信ステップを実行する、 ことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の2
    線式電源多重通信方法。
  18. 【請求項18】 前記マスター装置が新たに接続された
    前記スレーブ装置からその第1の固有識別子を入力する
    と、前記マスター装置又は新たに接続された前記スレー
    ブ装置が視覚又は聴覚により認識可能な表示を出力する
    表示ステップを更に有することを特徴とする請求項13
    に記載の2線式電源多重通信方法。
  19. 【請求項19】 グループの固有識別子とそのグループ
    内でのスレーブ装置の固有識別子とを含む第1の固有識
    別子を有し且つマスター装置と2本の接続線で接続して
    データ通信を行う1つ又は複数のスレーブ装置に前記マ
    スター装置から直流電源を供給し、且つ前記マスター装
    置及び前記スレーブ装置の間でマスター・スレーブ方式
    のデータ通信を行う2線式電源多重通信方法であって、 前記マスター装置が、グループの固有識別子を含むコマ
    ンドデータを送信するコマンドデータ送信ステップと、 そのコマンドデータに応じて、そのグループに属するス
    レーブ装置がそれぞれに割り当てられた少なくとも1ビ
    ットのビットデータを出力することにより、1つのレス
    ポンスデータを生成して出力するレスポンスデータ送信
    ステップと、 を有することを特徴とする2線式電源多重通信方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013542651A (ja) * 2010-09-22 2013-11-21 日本テキサス・インスツルメンツ株式会社 電力ライン通信デバイスのための結合回路
US9971666B2 (en) 2015-03-06 2018-05-15 Qualcomm Incorporated Technique of link state detection and wakeup in power state oblivious interface
JP2018512775A (ja) * 2015-03-06 2018-05-17 クアルコム,インコーポレイテッド 可変フレーム長を備えた2線式インターフェースシステムに対するインピーダンスに基づくフロー制御
JP2018535588A (ja) * 2015-11-10 2018-11-29 フォルクスヴァーゲン アクチエンゲゼルシャフトVolkswagen Aktiengesellschaft イーサネットバス、制御装置、および、イーサネットバスの制御装置をウェイクアップする方法

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