JP2003141769A - 光ピックアップ及び光ディスク装置 - Google Patents

光ピックアップ及び光ディスク装置

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JP2003141769A JP2001331854A JP2001331854A JP2003141769A JP 2003141769 A JP2003141769 A JP 2003141769A JP 2001331854 A JP2001331854 A JP 2001331854A JP 2001331854 A JP2001331854 A JP 2001331854A JP 2003141769 A JP2003141769 A JP 2003141769A
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Yoshihiro Konuma
順弘 小沼
Kunikazu Onishi
邦一 大西
Toshio Sugiyama
俊夫 杉山
Akio Yabe
昭雄 矢部
Daisuke Tomita
大輔 冨田
Naoki Ito
直紀 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビームスプリッタへの光線の入射角がばらつ
いたり、半導体レーザの発振波長がばらついた場合にお
いても、より効率良く2つの半導体レーザからの光ビー
ムを合成することができる2つのビームスプリッタ構成
を備える光ピックアップ及び光ディスク装置を提供す
る。 【解決手段】 第1のビームスプリッタとして、S偏光
を効率良く反射してP偏光を効率良く透過する偏光ビー
ムスプリッタ膜面10aを有する偏光ビームスプリッタ
プリズム10を用いた。さらに、偏光ビームスプリッタ
膜面10aの特性として、短波長の光を効率良く反射し
て長波長の光を効率良く透過するダイクロイック膜特性
を持たせた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクの情報
信号を記録または再生する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク装置は、非接触、大容量、高
速アクセス、低コストメディアを特徴とする情報記録再
生装置であり、これらの特徴を生かしてディジタルオー
ディオ信号の記録再生装置として、あるいはコンピュー
タの外部記憶装置として利用されている。
【0003】現在、光ディスクにおいては、大別して、
半導体レーザの使用する発振波長と光ディスクの基板厚
さ等の仕様が異なる第1の光ディスクと第2のディスク
が存在する。第1の光ディスクは、DVD、DVD−R
OM、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RWなど
のディスク基板厚さ0.6mmのものであり、記録再生
に最適な半導体レーザの発振波長は略660nmであ
る。第2の光ディスクは、例えばCD、CD−ROM、
CD−R、CD−RWなどのディスク基板厚さ1.2m
mのものであり、記録再生に最適な半導体レーザの発振
波長は略785nmである。そのため、第1の光ディス
クであるDVD用の光ピックアップでは、既に普及して
いるCD系の第2の光ディスクとの互換を考慮して略7
85nmと略660nmの2つの発振波長の半導体レー
ザを搭載したものが主流となっている。
【0004】以下、説明の簡単化のために、ディスク基
板厚さ0.6mmである第1の仕様の各種光ディスクの
ことをDVD系光ディスク、ディスク基板厚さ1.2m
mである第2の仕様の各種光ディスクのことをCD系光
ディスク、第1の略660nmの発振波長の半導体レー
ザのことをDVD用半導体レーザ、第2の略785nm
の発振波長の半導体レーザのことをCD用半導体レーザ
と呼ぶことにする。
【0005】以下図面を用いて従来の、互いの発振波長
の異なる2つの半導体レーザと、2つのビームスプリッ
タとを用いて、互いに基板厚さ等の仕様が異なる2つの
光ディスクの両方の情報を兼用して記録または再生でき
るようにした光ピックアップについて詳細に説明する。
【0006】図4は、従来の一実施形態に係る光ピック
アップの概略構成図であり、互いに基板厚さ等の仕様が
異なるDVD系光ディスク1及びCD系光ディスク2を
再生している状態を同一の図に重ねて示している。
【0007】DVD系光ディスク1の基板厚さは0.6
mmである。CD系光ディスク2の基板厚さは1.2m
mである。なお、実際には、この他にも各光ディスクの
仕様はさまざまな種類のものが多く存在するが、ここで
は説明の簡単のため、記録面が1面のみの単板ディスク
を示した。
【0008】DVD用半導体レーザ3の発振波長は略6
60nm、CD用半導体レーザ27の発振波長は略78
5nmである。なお、一般にDVD系光ディスク1の対
応波長は650nm帯、CD系光ディスク2の対応波長
は780nm帯とされているが、実際の半導体レーザの
発振波長にはばらつきがあるため、設計波長を実際の半
導体レーザの中心波長に合わせているのが実状である。
【0009】まず、DVD系光ディスク1を再生する場
合について説明する。DVD用半導体レーザ3の発光点
3aより出射した光ビームは、回折格子50に入射し、
主光ビーム51と図示しない2つの副光ビームに分離さ
れる。副光ビームは、3ビーム法または差動プッシュプ
ル法による光ディスクのトラッキング検出に用いられ
る。図面では、簡単のため主光ビーム51の光線の経路
のみを示し、副光ビームの光線の経路は省略する。
【0010】従来例では、半導体レーザ3は、光ピック
アップのケース52に対して、無調整で固定する構成で
ある。回折格子50は光軸回り方向の1次元のみの調整
である。
【0011】光ビーム51は、第2のビームスプリッタ
であるダイクロイックハーフミラー53のダイクロイッ
クハーフミラー膜面53aで反射した後、第1のビーム
スプリッタであるダイクロイックハーフプリズム54、
増反射ミラーである立上げミラー14を介し、カップリ
ングレンズ15によって略平行な光ビーム55に変換さ
れ、対物レンズ19に達する。
【0012】ダイクロイックハーフミラー膜面54a
は、DVD用半導体レーザの略660nmの波長の光ビ
ームに対し、透過率が略100%、反射率が略0%の分
光特性も有している。なお、CD用半導体レーザ2の略
785nmの波長の光ビーム62に対し、透過率、反射
率共に略50%の分光特性を有している。
【0013】対物レンズ19は、図示しないアクチュエ
ータに一体に保持されており、図示しない駆動コイルに
通電することにより、DVD系光ディスク1の情報記録
面1a上に光ビームを合焦し光スポットを形成すること
が可能である。
【0014】DVD系光ディスク1を反射した光ビーム
56は、往路光と同様の光路を逆にたどって、対物レン
ズ19、カップリングレンズ15、立上げミラー14を
介して、第1のビームスプリッタであるダイクロイック
ハーフプリズム54のダイクロイックハーフミラー膜面
54aに入射する。
【0015】ダイクロイックハーフミラー膜面54a
は、略660nmの波長の光ビームに対し、透過率が略
100%の分光特性を有するので、略100%が透過す
る。ダイクロイックハーフミラー膜面54aを透過した
光ビーム57は、第2のビームスプリッタであるダイク
ロイックハーフミラー53のダイクロイックハーフ膜面
53aを透過した後、検出レンズ58を介し、光検出器
24に導くようになっている。
【0016】したがって、DVD系往路における2つの
ビームスプリッタを総合した光利用効率は略50%であ
る。
【0017】次に、CD系光ディスク2を再生する場合
について説明する。略785nmの波長で発光するCD
用半導体レーザ27の発光点27aより出射した光ビー
ム59は、補助レンズ60の回折格子60aに入射し、
主光ビーム61と図示しない2つの副光ビームに分離さ
れる。副光ビームは、3ビーム法または差動プッシュプ
ル法による光ディスクのトラッキング検出に用いられ
る。図面では、説明の簡単のため主光ビーム61の光線
の経路のみを示し、副光ビームの光線の経路は省略す
る。
【0018】光ビーム61は、補助レンズ60の凸球面
レンズ面60bを透過し、光ビーム62となる。凸球面
レンズ面60bは、光路長の短縮と光利用効率の向上を
目的に形成したものである。補助レンズ60は、回折格
子60aと凸球面レンズ面60bを有し、上記した2つ
の機能を1つの部品により実現するものである。
【0019】また、CD用半導体レーザ27は、光ピッ
クアップのケース52に対して、光軸に垂直な方向の位
置を調整した後に、接着剤にて固着する構成である。補
助レンズ60は、光軸方向と光軸回りの回転調整後に、
接着剤にて固着する構成である。
【0020】光ビーム62は、第1のビームスプリッタ
であるダイクロイックハーフプリズム54のダイクロイ
ックハーフミラー膜面54aで反射した後、立上げミラ
ー14を介し、カップリングレンズ15によって略平行
な光ビーム62に変換され、対物レンズ19に達する。
【0021】対物レンズ19は、図示しないアクチュエ
ータに一体に保持されており、図示しない駆動コイルに
通電することにより、CD系光ディスク2の情報記録面
2a上に光ビームを合焦し光スポットを形成することが
可能である。
【0022】CD系光ディスク2を反射した光ビーム6
3は、往路光と同様の光路を逆にたどって、対物レンズ
19、カップリングレンズ15、立ち上げミラー14を
介して、第1のビームスプリッタであるダイクロイック
ハーフプリズム54のダイクロイックハーフミラー膜面
54aに入射する。ダイクロイックハーフミラー膜面5
4aは、前記したように略785nmの波長の光ビーム
に対し、透過率、反射率共に略50%の分光特性を有す
るので、略50%が反射し、略50%が透過する。ダイ
クロイックハーフミラー膜面54aを透過した光ビーム
64は、第2のビームスプリッタであるダイクロイック
ハーフミラー53のダイクロイックハーフ膜53aを透
過した後、検出レンズ58を介し、光検出器24に導く
ようになっている。なお、ダイクロイックハーフミラー
53は、光ビーム64の光軸に対して45°の角度をな
して配置される。また、ダイクロイックハーフミラー膜
面53aは、CD用半導体レーザ2の略785nmの波
長の光ビーム64に対し、透過率が略100%、反射率
が略0%の分光特性を有するので、略100%が透過す
る。
【0023】したがって、CD系往路の2つのビームス
プリッタを総合した光利用効率は略50%である。
【0024】従来例においては、検出レンズ58は光ピ
ックアップのケース52に対し、光軸方向の位置を調整
した後に、接着剤で固定する構成である。
【0025】また、光検出器24は基板65に固定さ
れ、光ピックアップのケース52に対して、光軸に垂直
な方向の位置を調整した後に、接着剤にて固着する構成
である。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、発振波
長の異なる2つの半導体レーザを搭載した光ピックアッ
プにおいては、2つの半導体レーザからの入射光を合成
するビームスプリッタとして、ダイクロイックプリズム
またはダイクロイックミラーを使用する。光ピックアッ
プの小型化のためには、半導体レーザからの発散光中に
ビームスプリッタを配置する必要がある。通常の設計に
おいて、光線の入射角は略±6〜7°程度ばらつく。し
かし、ダイクロイック膜の透過反射率には入射角依存性
があるため、効率良く2つの半導体レーザからの入射光
を合成することができない。また、安価なビームスプリ
ッタとするために層数の少ないダイクロイック膜設計に
おいては、透過反射率は波長に対して緩やかな分光特性
しか得ることができない。通常、半導体レーザの発振波
長は中心波長に対して±20nm程度のばらつきが有る
ため、上記したような緩やかな分光特性では効率良く2
つの半導体レーザからの入射光を合成することができな
い。プリズムタイプに比べて、ミラータイプの方が、実
用的なダイクロイック膜設計の可能性は有るが、ダイク
ロイックミラーの場合には平行平板に発散光を透過させ
ると非点収差が発生するという問題が有る。また、プリ
ズムタイプにおいても、ダイクロイック膜への入射角を
45°よりも小さくすれば実用的なダイクロイック膜設
計の可能性は有るが、複雑なプリズム形状となってしま
うため、汎用の正三角柱タイプのプリズムに比べて高価
となってしまう。
【0027】記録はせず再生のみの光ピックアップであ
れば、ビームスプリッタにそれほど高い合成の効率は要
求されない。しかし、記録再生する光ピックアップにお
いては非常に高い合成の効率が要求される。特に、安価
な高出力半導体レーザを用い、光ディスクの回転速度あ
るいは線速度が標準速以上の倍速を実現するためには、
光ディスク面上出力光パワーを向上させる必要が有り、
より高い合成の効率が要求される。
【0028】しかしながら、上記のように光線の入射角
がばらついたり、半導体レーザの波長がばらついた場合
には、従来のダイクロイック膜を用いたビームスプリッ
タでは、波長の異なる2つの半導体レーザからの入射光
を効率良く合成することができず、安価に倍速記録でき
る光ピックアップの実用化に対する大きな障害となって
いた。すなわち、従来実施例ではDVD系往路とCD系
往路の2つのビームスプリッタの総合効率は略50%と
説明したが、上記説明したように、従来のダイクロイッ
ク膜を用いたビームスプリッタでは実際には略50%よ
りも小さい光利用効率しか得られない。
【0029】また、DVD系光ディスクとCD系光ディ
スクの両方を記録かつ再生する光ピックアップにおいて
は、DVD用半導体レーザとCD用半導体レーザの両方
とも高出力光パワーの半導体レーザが要求される。しか
し、現在安価に入手可能な高出力半導体レーザの最大光
パワーは、CD用半導体レーザが略150mWであるの
に対して、DVD用半導体レーザは略70mWと小さ
い。これは、高出力CD用半導体レーザの開発期間に比
べて、高出力DVD用半導体レーザの開発期間が比較的
短いためである。したがって、DVD系光ディスクとC
D系光ディスクの両方を記録かつ再生する光ピックアッ
プには、長波長のCD用半導体レーザを用いた場合に比
べて、短波長のDVD半導体レーザを用いた場合の方
が、より光利用効率の高い2つのビームスプリッタ構成
が要求されるべきであるが、従来の光ピックアップにお
いては、DVD系の光利用効率をCD系の光利用効率よ
りも高くする技術に関する配慮はされていなかった。
【0030】また、従来の光ピックアップ構成において
は、半導体レーザへの戻り光が、半導体レーザからの出
射光の偏光方向と一致する偏光方向の成分が有るため、
半導体レーザの発振モードに影響を与えることがある。
この場合、同じ電流入力に対して光パワー出力が低下し
たり、光パワー出力が変動する等の問題が発生すること
がある。再生時には比較的低光パワー出力なので、光パ
ワーをモニタしてフィードバック制御するオートパワー
コントロールにより実用的に問題なくパワー出力をほぼ
一定に保つことができる。しかし、記録時に最大の光パ
ワー出力が低下してしまうと、オートパワーコントロー
ルを用いてもパワー出力を安定に一定に保つことができ
ない。さらに、最大定格電流以上の過電流を入力させて
しまうので、半導体レーザが劣化あるいは破壊にいたる
場合があった。
【0031】なお、半導体レーザへの戻り光の偏光方向
が半導体レーザからの出射光の偏光方向に対して直交す
るようにするための手段として4分の1波長板を用いる
技術が知られている。通常の4分の1波長板は各半導体
レーザの波長に合わせたものを使用する必要があるか
ら、2つの半導体レーザからの入射光を合成するビーム
スプリッタより前側に配置する必要が有る。この場合、
4分の1波長板により円偏光となった光ビームがビーム
スプリッタや立上げミラーを通過することになる。ビー
ムスプリッタや立上げミラーは誘電体多層膜により構成
されており、一般に誘電体多層膜を透過または反射する
と偏光の位相差が発生するため、円偏光が楕円偏光に変
化してしまう。このため、半導体レーザへの戻り光の偏
光方向が半導体レーザからの出射光の偏光方向に対して
完全に直交させることができない。したがって、半導体
レーザへの戻り光が、半導体レーザからの出射光の偏光
方向と一致する偏光方向の成分が発生することになり、
上記したような戻り光の問題が起こる。
【0032】また、光ディスクの基板材料はポリカーボ
ネート(PC)を使用している。この材料は耐環境性に
優れた材料であるが、比較的複屈折すなわち偏光の位相
差が大きい材料である。このように光ディスクの複屈折
が大きいと、光ディスクへの入射光が直線偏光や円偏光
の場合であっても、光ディスクからの反射光が元の偏光
から楕円偏光に変化する。一般にビームスプリッタの透
過反射率は、P偏光とS偏光とで異なる。P偏光透過率
はS偏光透過率よりも大きく、S偏光反射率はP偏光反
射率よりも大きい。例えば、ビームスプリッタを透過後
に光検出器に入射する偏光成分がP偏光のみとなるよう
に設計された光ピックアップにおいては、光ディスクの
複屈折が大きいとP偏光成分が減少してS偏光成分が増
加するため、全体として透過率が減少する。逆に、ビー
ムスプリッタを透過後に光検出器に入射する偏光成分が
S偏光のみとなるように設計された光ピックアップにお
いては、光ディスクの複屈折が大きいとS偏光成分が減
少してP偏光成分が増加するため、全体として透過率が
増加する。いずれの場合においても、光ディスクの複屈
折の位相差に応じて透過率が変動することになる。ここ
で、複屈折の位相差は光ディスクの基板厚さに比例する
ので、厚さ0.6mmのDVDに比べて、厚さ1.2m
mのCDの方が、複屈折の位相差が2倍と大きい。
【0033】複屈折が大きいCD系光ディスクにおいて
は、上記したようにビームスプリッタに入射するP偏光
成分とS偏光成分とが大きく変動してしまうので、ビー
ムスプリッタを介して光検出器に入射する光パワー変動
が発生することになるが、従来の光ピックアップではこ
のパワー変動を緩和する技術に関する配慮はされていな
かった。
【0034】また、第1の半導体レーザおよび第2の半
導体レーザのオートパワーコントロールに用いる前方光
モニタ検出器を含む構成において、従来2つの半導体レ
ーザに対応して2個の前方光モニタ光検出器を用いる必
要があった。また、前方光モニタ光検出器に光ビームを
導くために、光利用効率がばらつくビームスプリッタ内
を透過あるいは反射させるため、安定なオートパワーコ
ントロールを得ることができなかった。
【0035】そこで本発明の目的は、ビームスプリッタ
への光線の入射角がばらついたり、半導体レーザの発振
波長がばらついた場合においても、より効率良く2つの
半導体レーザからの光ビームを合成することができる2
つのビームスプリッタ構成を備える光ピックアップ及び
光ディスク装置を提供することである。
【0036】また、本発明の目的は、長波長のCD用半
導体レーザを用いた場合に比べて、短波長のDVD半導
体レーザを用いた場合の方が、より光利用効率の高い2
つのビームスプリッタ構成を備える光ピックアップ及び
光ディスク装置を提供することである。
【0037】また、本発明の目的は、長波長のCD用半
導体レーザを用いた場合と、短波長のDVD用半導体レ
ーザを用いた場合の、いずれの場合においても、半導体
レーザへの戻り光の偏光方向が半導体レーザからの出射
光の偏光方向に対して直交するように構成した光ピック
アップ及び光ディスク装置を提供することである。
【0038】また、本発明の目的は、短波長のDVD半
導体レーザを用いた場合に比べて、長波長のCD用半導
体レーザを用いた場合の方が、光ディスク基板の複屈折
によって光検出器へ入射する光パワー変動がより少ない
光ピックアップ及び光ディスク装置を提供することであ
る。
【0039】また、本発明の目的は、第1の半導体レー
ザおよび第2の半導体レーザのオートパワーコントロー
ルに用いる前方光モニタ光検出器を含む構成において、
1個の前方光モニタ光検出器で安定なオートパワーコン
トロールを得ることができる光ピックアップ及び光ディ
スク装置を提供することである。
【0040】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、互いに発振波長の異なる第1の半導体レ
ーザおよび第2の半導体レーザと、第1の半導体レーザ
を出射した第1の光ビームを反射させるとともに第2の
半導体レーザを出射した第2の光ビームを透過させるこ
とによって第1の光ビームと第2の光ビームの光路を合
成する第1のビームスプリッタと、第1の光ビームおよ
び第2の光ビームを光ディスクに照射する対物レンズ
と、光ディスクを反射した第1の光ビームおよび第2の
光ビームを検出する光検出器と、第1の半導体レーザお
よび第2の半導体レーザを出射した第1の光ビームおよ
び第2の光ビームを対物レンズに導くとともに光ディス
クを反射した第1の光ビームおよび第2の光ビームを光
検出器に導くための第2のビームスプリッタとを備え、
基板厚さが互いに異なる第1の光ディスクと第2の光デ
ィスクの両方の情報を兼用して記録または再生できるよ
うにした光ピックアップにおいて、第1のビームスプリ
ッタは少なくとも第1の半導体レーザの発振波長および
第2の半導体レーザの発振波長に対してP偏光を効率良
く透過してS偏光を効率良く反射する特性を有する偏光
ビームスプリッタであり、第1の半導体レーザを出射し
た第1の光ビームの偏光状態をS偏光で第1のビームス
プリッタへ入射させて反射させ、第2の半導体レーザを
出射した第2の光ビームの偏光状態をP偏光で第1のビ
ームスプリッタへ入射させて透過させるように構成し
た。
【0041】また、本発明では、第1の半導体レーザの
発振波長が第2の半導体レーザの発振波長よりも短く、
第1のビームスプリッタは、第1の半導体レーザの発振
波長である短波長の光を効率良く反射して、第2の半導
体レーザの発振波長である長波長の光を効率良く透過す
るダイクロイック膜特性を持たせた。
【0042】また、本発明では、第1の半導体レーザの
発振波長が第2の半導体レーザの発振波長よりも長く、
第1のビームスプリッタは、第1の半導体レーザの発振
波長である長波長の光を効率良く反射して、第2の半導
体レーザの発振波長である短波長の光を効率良く透過す
るダイクロイック膜特性を持たせた。
【0043】また、本発明では、第1の半導体レーザを
出射した第1の光ビームの偏光状態をS偏光で第2のビ
ームスプリッタへ入射させて反射させ、第2の半導体レ
ーザを出射した第2の光ビームの偏光状態をP偏光で第
2のビームスプリッタへ入射させて反射させ、第1の半
導体レーザの発振波長と第2の半導体レーザの発振波長
のいずれに対しても4分の1波長板としての機能を有す
る広帯域4分の1波長板を第2のビームスプリッタと前
記光ディスクとの間に配置した。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施例とし
ての光ピックアップの構成ならびに動作を図面を参照し
ながら詳細に説明する。
【0045】図1は、本発明の一実施例に係る光ピック
アップの概略構成図であり、異なる仕様の光ディスクで
あるDVD系光ディスク1及びCD系光ディスク2を記
録再生している状態を同一の図を用いて重ねて示してい
る。
【0046】DVD系光ディスク1の基板厚さは0.6
mmである。CD系光ディスク2の基板厚さは1.2m
mである。なお、実際には、この他にも各光ディスクの
仕様はさまざまな種類のものが多く存在するが、ここで
は説明の簡単のため、記録面が1面のみの単板ディスク
を示した。
【0047】DVD用半導体レーザ3の対応波長は略6
60nmであるのに対し、CD用半導体レーザ27の対
応波長は略785nmである。なお、一般にDVD系光
ディスク1の対応波長は650nm帯、CD系光ディス
ク2の対応波長は780nm帯とされているが、実際の
半導体レーザの波長にはばらつきがあるため、設計波長
を実際の半導体レーザの中心波長に合わせているのが実
状である。
【0048】まず、DVD系光ディスク1を記録再生す
る場合について説明する。略660nmの波長で発光す
るDVD用半導体レーザ3の発光点3aより出射した水
平偏光の光ビーム4は、補助レンズ5を透過して、2分
の1波長板機能と回折格子機能を備える複合光学素子6
に入射する。
【0049】補助レンズ5の凸球面レンズ面5aは、光
路長の短縮と光利用効率の向上を目的に形成したもので
ある。
【0050】複合光学素子6は、2分の1波長板6a
を、ガラス基板6bと、回折格子6cとで挟み込んで接
合した構成である。水平偏光の光ビーム4は、2分の1
波長板6aの作用により垂直偏光の光ビーム7を出射す
る。さらに、回折格子6cの作用により、主光ビーム7
と図示しない2つの副光ビームに分離される。副光ビー
ムは、3ビーム法または差動プッシュプル法による光デ
ィスクのトラッキング検出に用いられる。図では説明の
簡単のため、主光ビーム7の光線の経路のみを示し、副
光ビームの光線の経路は省略する。
【0051】2分の1波長板6aと回折格子6cを備え
る複合光学素子6は、回転調整可能な補助レンズ5に接
合により一体化する構造とした。これにより、トラッキ
ング検出に用いる3ビームを発生させる回折格子6cの
格子角度を補助レンズ5の回転調整にて調整することに
より、2分の1波長板6aの光学軸角度を精密に設定す
ることが可能となる。これにより、水平偏光の光ビーム
4を垂直偏光の光ビーム7に精密に変換することができ
る。
【0052】なお、補助レンズ5の調整は回転調整のみ
だけで、光軸方向調整はしない。その代わり、光軸方向
調整は、DVD用半導体レーザ3の前後調整で行う。こ
れにより、補助レンズ5を調整するための大きな調整し
ろを設ける必要がなく、前後方向の動きを規制する組立
構成が可能となり、経時変化による部品のずれが発生し
ないという効果がある。
【0053】また、DVD用半導体レーザ3の調整は前
後のみだけで、光軸と直交する方向の調整はしない。こ
れにより、DVD用半導体レーザ3を調整するための大
きな調整しろを設ける必要がなく、光軸と直交する方向
の動きを規制する組立構成が可能となり、経時変化によ
る部品のずれが発生しないという効果がある。
【0054】また、DVD用半導体レーザ3は、水平方
向にあおるための熱伝導の良い金属製のホルダ8に取付
けられ、光ピックアップの熱伝導の良い金属製のケース
9に対して、光ビーム4の強度中心が光軸と一致するよ
うにあおり調整した後に、接着固定する構成とした。ホ
ルダ8は、水平方向にあおるだけの1次元調整のみであ
る。これにより、ホルダ8を調整するための大きな調整
しろを設ける必要がなく、水平方向のあおり以外の動き
を規制する組立構成が可能となり、経時変化による部品
のずれが発生しないという効果がある。
【0055】従来の調整では、半導体レーザは光軸と直
交する方向の2次元の調整、補助レンズは光軸方向と回
転方向の2次元の調整であった。このため、調整箇所が
2箇所別々であるためそれぞれに調整するための大きな
調整しろを設ける必要があり、半導体レーザと補助レン
ズの相対位置を精密に設定することができないといった
課題があったが、各調整を1次元のみと限定したため、
上記したような課題がないといった効果がある。
【0056】また、本実施例では、DVD用半導体レー
ザ3で発生する熱が、熱伝導の良い金属製のホルダ8を
介して、熱伝導の良い金属製の光ピックアップのケース
9に効率良く放熱されるため、DVD用半導体レーザ3
の温度上昇を防止することができる。
【0057】次に、垂直偏光の光ビーム7は、第1のビ
ームスプリッタである偏光ビームスプリッタプリズム1
0の偏光ビームスプリッタ膜面10aにより反射されて
垂直偏光の光ビーム11となる。偏光ビームスプリッタ
はPBSとも呼ばれ、S偏光を効率良く反射して、P偏
光を効率良く透過する光学素子である。垂直偏光の光ビ
ーム7は偏光ビームスプリッタ膜面10aに対してS偏
光であるので、反射光である光ビーム11の光利用効率
を非常に高くすることができた。
【0058】また、本実施例では、偏光ビームスプリッ
タ膜面10aの特性として、短波長の光を効率良く反射
して長波長の光を効率良く透過するダイクロイック膜特
性を持たせた。図2に偏光ビームスプリッタ膜面10a
の分光透過率特性を示した。なお、分光反射率特性は、
100%から分光透過率特性を差し引いた特性である。
光ビーム7は、DVD用半導体レーザ3より出射された
短波長の光なので、反射光である光ビーム11の光利用
効率を非常に高くすることができた。ダイクロイック膜
特性とPBS膜特性をあわせ持つ偏光ビームスプリッタ
膜面10aは光線の入射角がばらついたり、DVD用半
導体レーザ3の発振波長がばらついた場合においても、
より効率良く反射させることができた。
【0059】また、本実施例では、第1の半導体レーザ
であるDVD用半導体レーザ3から第1のビームスプリ
ッタである偏光ビームスプリッタプリズム10に至る光
路中に2分の1波長板6aを配置したことにより、第1
の半導体レーザから出射した水平偏光の光ビームを垂直
偏光へと偏光状態を変換させて第1のビームスプリッタ
に入射させることができ、反射光である光ビーム11の
光利用効率を非常に高くする効果を生み出すことを可能
にした。
【0060】垂直偏光の光ビーム11は、第2のビーム
スプリッタであるビームスプリッタミラー12に入射す
る。ビームスプリッタミラー12の表面のビームスプリ
ッタ膜面12aで反射されて垂直偏光の光ビーム13と
なる。
【0061】ビームスプリッタミラー12は、光ビーム
11の光軸に対して30°の角度をなして配置した。こ
のように45°よりも小さい30°の角度で配置するこ
とにより、以下で述べるように、ビームスプリッタミラ
ー12のP偏光透過率とS偏光透過率を近づける分光特
性の設計を可能とした。
【0062】それでは、ビームスプリッタ膜面12aの
膜設計について詳細に説明する。図3にビームスプリッ
タ膜面12aの分光透過率特性を示した。なお、分光反
射率特性は、100%から分光透過率特性を差し引いた
特性である。ビームスプリッタ膜面12aのP偏光透過
率が、DVD用半導体レーザ3の略660nmの波長に
対して、略10%となるように設計した。なお、一般に
S偏光透過率は、P偏光透過率に比べて小さくなるが、
膜設計を工夫することによりS偏光透過率の低下を最小
限となるようにした。但し、膜設計は光吸収の少ない誘
電体多層膜による設計を行った。吸収膜や金属膜によれ
ば、よりP偏光透過率とS偏光透過率を近づけることは
可能であるが、吸収膜では光の吸収を伴うため光利用効
率が低下する問題が有り、金属膜では腐食等の耐環境性
能に問題があるため、いずれも採用しなかった。この膜
設計の結果、ビームスプリッタ膜面12aのS偏光透過
率は、P偏光透過率に比べて略5%程度低い、略5%を
得た。したがって、ビームスプリッタ膜面12aのS偏
光反射率は略95%、P偏光反射率は略90%を得た。
【0063】垂直偏光の光ビーム11は、ビームスプリ
ッタ膜面12aに対してS偏光であるから、反射された
垂直偏光の光ビーム13は、略95%の光利用効率であ
る。第1のビームスプリッタである偏光ビームスプリッ
タプリズム10の反射の光利用効率は略100%、第2
のビームスプリッタであるビームスプリッタミラー12
の反射の光利用効率は略95%であるから、第1のビー
ムスプリッタと第2のビームスプリッタを総合したビー
ムスプリッタによるDVD往路の光利用効率は略95%
と、記録再生する光ピックアップに要求される非常に高
い光利用効率が得られる。これにより、光ディスク面上
出力光パワーを向上させることができ、安価な高出力半
導体レーザを用い、光ディスクの回転速度あるいは線速
度が標準速以上の倍速を実現することができた。
【0064】光ビーム13は、増反射ミラーである立上
げミラー14を介し、カップリングレンズ15によって
略平行な光ビーム16に変換され、広帯域4分の1波長
板17に入射する。広帯域4分の1波長板17は、第2
のビームスプリッタであるビームスプリッタミラー12
と、DVD系光ディスク1またはCD系光ディスク2と
の間に配置され、略660nmの波長の光と、略785
nmの波長の光に対して、いずれの波長の場合にも4分
の1波長板として作用するように工夫して構成されたも
のである。垂直偏光の光ビーム16は、広帯域4分の1
波長板17の偏光作用により、右回り円偏光の光ビーム
18となる。
【0065】光ビーム18は、対物レンズ19を介し
て、DVD系光ディスク1に達する。
【0066】なお、説明の簡単のために、図において立
上げミラー14の2点鎖線14aを境にして、下部は上
面図、上部は正面図を示した。
【0067】対物レンズ19は、図示しないアクチュエ
ータに一体に保持されており、図示しない駆動コイルに
通電することにより、DVD系光ディスク1の情報記録
面1a上に光ビームを合焦し光スポットを形成すること
が可能である。
【0068】右回り円偏光の光ビーム18は、DVD系
光ディスク1を反射して、今度は左回り円偏光の光ビー
ム20となる。左回り円偏光の光ビーム20は、往路光
と同様の光路を逆にたどって、対物レンズ19を介して
広帯域4分の1波長板17に入射する。左回り円偏光の
光ビーム20は、広帯域4分の1波長板17の偏光作用
により、今度は水平偏光の光ビーム21となる。
【0069】光ビーム21は、カップリングレンズ1
5,立上げミラー14を介して、第1のビームスプリッ
タであるビームスプリッタミラー12の表面のビームス
プリッタ膜面12aに入射する。ビームスプリッタ膜面
12aは、前記したように略660nmの波長の光ビー
ムに対し、P偏光透過率が略10%、S偏光透過率が略
5%、P偏光反射率が略90%、S偏光反射率が略95
%の分光特性を有する。水平偏光の光ビーム21は、ビ
ームスプリッタ膜面12aに対してP偏光であるので、
略10%が透過し、略90%が反射する。
【0070】ビームスプリッタ膜面12aを透過した水
平偏光の光ビーム22は、検出レンズ23を介し、光検
出器24に導くようになっている。
【0071】本実施例においては、検出レンズ23は光
ピックアップのケース9に対して無調整で固定する構成
とした。これにより、検出レンズ23とケース9との相
対的な位置、角度を精密に設定することが可能となり、
ケース9と検出レンズ23を調整するための大きな調整
しろを設ける必要がないので、経時変化による部品のず
れが発生しないという効果がある。
【0072】また、光検出器24は基板25に固定さ
れ、光ピックアップのケース9に対して位置調整した後
に、接着固定する構成とした。基板25は、光軸に垂直
な方向である2次元方向、光軸方向の合計3次元の調整
を、図示しない3次元調整治具を用いて行い、調整完了
後に接着剤26が固化するようにした。従来の調整で
は、検出レンズは光軸方向の1次元の調整、光検出器は
光軸と垂直方向の2次元の調整であった。このため、従
来は3次元調整治具を必要とせずに比較的簡単な調整手
段により調整可能という利点はあったが、調整箇所が2
箇所別々であるためそれぞれに調整するための大きな調
整しろを設ける必要があり、検出レンズの絶対位置を精
密に設定することができないといった課題があった。本
実施例では、3次元調整治具が必要になるものの、上記
したような課題がないという効果がある。また、従来は
調整すべき部品が検出レンズと光検出器の2点であった
が、本実施例では調整すべき部品が基板25の1点であ
り、調整すべき部品点数を1点減らすことができた。
【0073】次に、CD系光ディスク2を記録再生する
場合について説明する。略785nmの波長で発光する
CD用半導体レーザ27の発光点27aより出射した水
平偏光の光ビーム28は、補助レンズ29を透過して、
回折格子30に入射する。
【0074】補助レンズ29の凸球面レンズ面29a
は、光路長の短縮と光利用効率の向上を目的に形成した
ものである。
【0075】水平偏光の光ビーム28は、回折格子30
の作用により、主光ビーム31と図示しない2つの副光
ビームに分離される。副光ビームは、3ビーム法や差動
プッシュプル法による光ディスクのトラッキング検出に
用いられる。図では説明の簡単のため、主光ビーム31
の光線の経路のみを示し、副光ビームの光線の経路は省
略する。
【0076】回折格子30は、光軸方向調整可能な補助
レンズ29に接合により一体化する構造とした。
【0077】なお、補助レンズ29の調整は光軸前後方
向の調整のみであり、回転調整はしない。これにより、
補助レンズ29を調整するための大きな調整しろを設け
る必要がなく、回転方向の動きを規制する組立構成が可
能となり、経時変化による部品ずれが発生しないという
効果がある。
【0078】また、CD用半導体レーザ27と、CD用
半導体レーザ27をあおるための熱伝導の良い金属製の
ホルダ32と、補助レンズ29は、熱伝導の良い金属製
のホルダ33に一体に取付けられている。ホルダ33
は、光ピックアップの熱伝導の良い金属製のケース9に
対して、光軸と直交する方向の2次元の調整と回転調整
の3次元調整を図示しない調整治具を用いて行う。ホル
ダ33は光軸方向の調整はしない。その代わり、CD用
半導体レーザ27をホルダ32に対して光軸方向の調整
を行う。
【0079】また、本実施例では、CD用半導体レーザ
27で発生する熱が、熱伝導の良い金属製のホルダ3
2,熱伝導の良い金属製のホルダ33を介して、熱伝導
の良い光ピックアップのケース9に効率良く放熱される
ため、CD用半導体レーザ27の温度上昇を防止するこ
とができる。
【0080】次に、水平偏光の光ビーム31は、第1の
ビームスプリッタである偏光ビームスプリッタプリズム
10の偏光ビームスプリッタ膜面10aを透過して水平
偏光の光ビーム34となる。前記したように、偏光ビー
ムスプリッタはPBSとも呼ばれ、S偏光を効率良く反
射し、P偏光を効率良く透過する光学素子である。水平
方向の光ビーム31は偏光ビームスプリッタ膜面10a
に対してP偏光であるので、透過光である光ビーム34
の光利用効率を非常に高くすることができた。
【0081】また、本実施例では、前記したように、偏
光ビームスプリッタ膜面10aの特性として、短波長の
光を反射し長波長の光を透過するダイクロイック膜特性
を持たせた。光ビーム31は、CD用半導体レーザ27
より出射された長波長の光なので、透過光である光ビー
ム34の光利用効率を非常に高くすることができた。ダ
イクロイック膜特性と偏光ビームスプリッタ膜特性をあ
わせ持つ偏光ビームスプリッタ膜面10aは光線の入射
角がばらついたり、半導体レーザの波長がばらついた場
合においても、より効率良く透過させることができた。
【0082】水平偏光の光ビーム34は、第2のビーム
スプリッタであるビームスプリッタミラー12に入射す
る。ビームスプリッタミラー12の表面のビームスプリ
ッタ膜面12aで反射されて水平偏光の光ビーム35と
なる。
【0083】ビームスプリッタミラー12は、光ビーム
34の光軸に対して30°の角度をなして配置した。こ
のように45°よりも小さい30°の角度で配置するこ
とにより、以下で述べるように、ビームスプリッタミラ
ー12のP偏光透過率とS偏光透過率を近づける分光特
性の設計を可能とした。
【0084】それでは、ビームスプリッタ膜面12aの
膜設計について詳細に説明する。ビームスプリッタ膜面
12aのS偏光透過率が、CD用半導体レーザ27の略
785nmの波長に対して、略10%となるように設計
した。なお、一般にP偏光透過率は、S偏光透過率に比
べて大きくなるが、膜設計を工夫することによりP偏光
透過率の増大を最小限となるようにした。但し、膜設計
は光吸収の少ない誘電体多層膜による設計を行った。吸
収膜や金属膜によれば、よりS偏光透過率とP偏光透過
率を近づけることは可能であるが、吸収膜では光の吸収
を伴うため光利用効率が低下する問題が有り、金属膜で
は腐食等の耐環境性能に問題があるため、いずれも採用
しなかった。この膜設計の結果、ビームスプリッタ膜面
12aのP偏光透過率は、S偏光透過率に比べて略8%
程度高い、略18%を得た。したがって、ビームスプリ
ッタ膜面12aのP偏光反射率は略82%、S偏光反射
率は略90%を得た。
【0085】水平偏光の光ビーム34は、ビームスプリ
ッタ膜面12aに対してP偏光であるから、反射された
水平偏光の光ビーム35は、略82%の光利用効率であ
る。第1のビームスプリッタである偏光ビームスプリッ
タプリズム10の反射の光利用効率は略100%、第2
のビームスプリッタであるビームスプリッタミラー12
の反射の光利用効率は略82%であるから、第1のビー
ムスプリッタと第2のビームスプリッタを総合したビー
ムスプリッタによるCD往路の光利用効率は略82%
と、記録再生する光ピックアップに要求される非常に高
い光利用効率が得られる。これにより、光ディスク面上
出力光パワーを向上させることができ、安価な高出力半
導体レーザを用い、光ディスクの回転速度あるいは線速
度が標準速以上の倍速を実現することができた。
【0086】光ビーム35は、立上げミラー14を介
し、カップリングレンズ15によって略平行な光ビーム
36に変換され、広帯域4分の1波長板17に入射す
る。広帯域4分の1波長板17は、略660nmの波長
の光と、略785nmの波長の光に対して、いずれの波
長の場合にも4分の1波長板として作用するように工夫
して構成されたものである。水平偏光の光ビーム36
は、広帯域4分の1波長板17の偏光作用により、左回
り円偏光の光ビーム37となる。
【0087】光ビーム37は、対物レンズ19を介し
て、CD系光ディスク2に達する。
【0088】対物レンズ19は、図示しないアクチュエ
ータに一体に保持されており、図示しない駆動コイルに
通電することにより、CD系光ディスク2の情報記録面
2a上に光ビームを合焦し光スポットを形成することが
可能である。
【0089】左回り円偏光の光ビーム37は、CD系光
ディスク2を反射して、今度は右回り円偏光の光ビーム
38となる。右回り円偏光の光ビーム38は、往路光と
同様の光路を逆にたどって、対物レンズ19を介して広
帯域4分の1波長板17に入射する。右回り円偏光の光
ビーム38は、広帯域4分の1波長板17の偏光作用に
より、今度は垂直偏光の光ビーム39となる。
【0090】光ビーム39は、カップリングレンズ1
5,立上げミラー14を介して、第1のビームスプリッ
タであるビームスプリッタミラー12の表面のビームス
プリッタ膜面12aに入射する。ビームスプリッタ膜面
12aは、前記したように略785nmの波長の光ビー
ムに対し、S偏光透過率が略10%、P偏光透過率が略
18%、S偏光反射率が略90%、P偏光反射率が略8
2%の分光特性を有する。垂直偏光の光ビーム39は、
ビームスプリッタ膜面12aに対してS偏光であるの
で、略10%が透過し、略90%が反射する。
【0091】ビームスプリッタ膜面12aを透過した垂
直偏光の光ビーム40は、検出レンズ23を介し、光検
出器24に導くようになっている。
【0092】上記したように、本実施例では、波長の異
なる2つの半導体レーザであるDVD用半導体レーザ3
とCD用半導体レーザ27を用いた光ピックアップにお
いて、第1のビームスプリッタとして偏光ビームスプリ
ッタプリズム10を使用したので、偏光ビームスプリッ
タプリズム10の光線の入射角がばらついたり、半導体
レーザの波長がばらついた場合においても、より効率良
く2つの半導体レーザからの入射光を合成することがで
きた。
【0093】なお、本実施例では、第1の半導体レーザ
の発振波長が第2の半導体レーザよりも短く、第1のビ
ームスプリッタは短波長の光を効率良く反射して長波長
の光を効率良く透過するダイクロイック膜特性を待たせ
たが、これに限定されるものではない。
【0094】例えば、別の実施例として、第1の半導体
レーザの発振波長が第2の半導体レーザの発振波長より
も長く、第1のビームスプリッタは長波長の光を効率良
く反射して短波長の光を効率良く透過するダイクロイッ
ク膜特性を持たせることもできる。この実施例の場合に
おいても、第1のビームスプリッタはダイクロイック膜
特性と偏光ビームスプリッタ膜特性をあわせ持つため、
光線の入射角がばらついたり、半導体レーザの波長がば
らついた場合においても、2つの半導体レーザからの光
ビームをより効率良く合成することができる。
【0095】また、本実施例では、広帯域4分の1波長
板17を使用することにより、短波長の半導体レーザで
あるDVD用半導体レーザ3を用いた場合と、長波長の
半導体レーザであるCD用半導体レーザ27を用いた場
合の、いずれの場合においても、半導体レーザへの戻り
光の偏光方向が半導体レーザからの出射光の偏光方向に
対して直交して戻る。半導体レーザへの戻り光の偏光方
向が、半導体レーザからの出射光の偏光方向と同じ偏光
方向の成分が無いため、半導体レーザの発振モードに影
響を与えることがなくなり、同じ電流入力に対して光パ
ワー出力が低下したり、光パワー出力が変動する等の問
題が発生しない。再生時および記録時のいずれの場合に
おいても、オートパワーコントロールを用いてパワー出
力を安定に一定に保つことができる。したがって、最大
定格電流以上の過電流を入力させてしまい、半導体レー
ザが劣化あるいは破壊にいたることがない。
【0096】また、本実施例では、往路において第2の
ビームスプリッタであるビームスプリッタミラー12に
入射させる偏光方向を、短波長のDVD用半導体レーザ
からの光ビーム11はS偏光とし、長波長のCD用半導
体レーザ27からの光ビーム34はP偏光とした。これ
により、DVD往路のビームスプリッタの光利用効率を
略95%、CD往路のビームスプリッタの光利用効率を
略85%とした。このように、DVD往路のビームスプ
リッタの光利用効率を、CD往路のビームスプリッタの
光利用効率よりも大きく設定することができた。安価に
入手可能なCD用半導体レーザ27の最大光パワーは略
150Wもあるのに対して、安価に入手可能なDVD用
半導体レーザ3の最大光パワーは略70Wとまだ小さ
い。本実施例では、DVD往路のビームスプリッタの効
率を、CD往路のビームスプリッタの効率よりも大きく
設定できたので、略70Wと小さい最大光パワーのDV
D用半導体レーザ3を用いても、標準速に対して略2倍
速の記録性能を得ることができた。
【0097】また、本実施例では、復路において第2の
ビームスプリッタであるビームスプリッタミラー12に
入射させる偏光方向を、短波長のDVD用半導体レーザ
からの光ビーム21はP偏光とし、長波長のCD用半導
体レーザ27からの光ビーム39はS偏光とした。これ
により、DVD復路のビームスプリッタの光利用効率は
P偏光の場合には略10%、S偏光の場合には略5%で
ある。
【0098】DVD系光ディスク1に複屈折がない場合
にはP偏光成分のみであるが、複屈折がある場合にはP
偏光成分が減少してS偏光成分が増大する。したがっ
て、DVD系光ディスク1に複屈折があると略10%か
ら略5%まで光利用効率が変動する。すなわち、光利用
効率の変動比は最大略2倍である。
【0099】CD系光ディスク2に複屈折が無い場合に
はS偏光成分のみであるが、複屈折がある場合にはS偏
光成分が減少してP偏光成分が増大する。したがって、
CD系光ディスク2に複屈折があると略10%から略1
8%まで光利用効率が変動する。すなわち、光利用効率
の変動比は最大略1.8倍である。
【0100】このように、CD往路の光利用効率の変動
比は、DVD往路の光利用効率の変動比よりも小さくで
きた。光ディスク基板の複屈折は、DVD系光ディスク
1よりも、CD系光ディスク2の方が大きいので、CD
往路の光利用効率の変動比を小さくすることにより、C
D系光ディスク基板の複屈折によって光検出器へ入射す
る光パワー変動をより少なくすることができた。
【0101】次に、第1の半導体レーザおよび第2の半
導体レーザのオートパワーコントロールに用いる前方光
モニタ光検出器41を含む構成について説明する。本実
施例では、第1のビームスプリッタである偏光ビームス
プリッタプリズム10を出射した光ビーム11、34の
内、第2のビームスプリッタであるビームスプリッタミ
ラー12の中を透過せずに上空を通過する光ビーム4
2、43を前方光モニタ光検出器41に入射させる。
【0102】このように第1のビームスプリッタで2つ
の半導体レーザからの光ビームを合成した後の光ビーム
を前方光モニタ用として使用するので、前方光モニタ光
検出器は1個で良い。また、第2のビームスプリッタで
あるビームスプリッタミラー12の中を透過させないの
で、透過による光利用効率の低下がない。また、第2の
ビームスプリッタの光利用効率がばらついたり、波長変
化や温度変化で光利用効率が経時変化した場合において
も、前方光モニタ光検出器への光ビーム42、43の光
パワーが変動することがない。したがって、安定なオー
トパワーコントロールを得ることができる。また、前方
光モニタ光検出器へ光ビームを導くために、反射ミラー
等の追加部品を必要としないという利点がある。なお、
ビームスプリッタミラー12の上空を通過する光ビーム
42、43を前方光モニタ光検出器41に入射させるた
めに、前方光モニタ光検出器41の設置位置が上方に偏
ることになるが、光ピックアップと光ディスク間に配置
に十分なスペースが確保できるため、光ピックアップの
高さを増大させることがない。また、一般に半導体レー
ザの光ビームの強度分布は上下方向には広く、左右方向
には狭い。本実施例では、強度分布の広い上方向を選択
したので、前方光モニタ光検出器への光パワーを十分確
保することができる。
【0103】以上説明したように本発明に基づく実施例
によれば、互いに発振波長の異なる第1の半導体レーザ
および第2の半導体レーザと、第1の半導体レーザを出
射した第1の光ビームを反射させるとともに第2の半導
体レーザを出射した第2の光ビームを透過させることに
よって第1の光ビームと第2の光ビームの光路を合成す
る第1のビームスプリッタと、第1の光ビームおよび第
2の光ビームを光ディスクに照射する対物レンズと、光
ディスクを反射した第1の光ビームおよび第2の光ビー
ムを検出する光検出器と、第1の半導体レーザおよび第
2の半導体レーザを出射した第1の光ビームおよび第2
の光ビームを対物レンズに導くとともに光ディスクを反
射した第1の光ビームおよび第2の光ビームを光検出器
に導くための第2のビームスプリッタとを備え、基板厚
さが互いに異なる第1の光ディスクと第2の光ディスク
の両方の情報を兼用して記録または再生できるようにし
た光ピックアップにおいて、第1のビームスプリッタは
少なくとも第1の半導体レーザの発振波長および第2の
半導体レーザの発振波長に対してP偏光を効率良く透過
してS偏光を効率良く反射する特性を有する偏光ビーム
スプリッタであり、第1の半導体レーザを出射した第1
の光ビームの偏光状態をS偏光で第1のビームスプリッ
タへ入射させて反射させ、第2の半導体レーザを出射し
た第2の光ビームの偏光状態をP偏光で第1のビームス
プリッタへ入射させて透過させるように構成した。これ
により、第1のビームスプリッタへの光線の入射角がば
らついたり、半導体レーザの発振波長がばらついた場合
においても、より効率良く2つの半導体レーザからの光
ビームを合成することができるといった効果がある。
【0104】また、第1の半導体レーザの発振波長が第
2の半導体レーザの発振波長よりも短く、第1のビーム
スプリッタは、第1の半導体レーザの発振波長である短
波長の光を効率良く反射して、第2の半導体レーザの発
振波長である長波長の光を効率良く透過するダイクロイ
ック膜特性を持たせた。これにより、第1のビームスプ
リッタへの光線の入射角がばらついたり、半導体レーザ
の発振波長がばらついた場合においても、より効率良く
2つの半導体レーザからの光ビームを合成することがで
きるといった効果がある。
【0105】また、第1の半導体レーザの発振波長が第
2の半導体レーザの発振波長よりも長く、第1のビーム
スプリッタは、第1の半導体レーザの発振波長である長
波長の光を効率良く反射して、第2の半導体レーザの発
振波長である短波長の光を効率良く透過するダイクロイ
ック膜特性を持たせた。これにより、第1のビームスプ
リッタへの光線の入射角がばらついたり、半導体レーザ
の発振波長がばらついた場合においても、より効率良く
2つの半導体レーザからの光ビームを合成することがで
きるといった効果がある。
【0106】また、第1の半導体レーザを出射した第1
の光ビームの偏光状態をS偏光で第2のビームスプリッ
タへ入射させて反射させ、第2の半導体レーザを出射し
た第2の光ビームの偏光状態をP偏光で第2のビームス
プリッタへ入射させて反射させ、第1の半導体レーザの
発振波長と第2の半導体レーザの発振波長のいずれに対
しても4分の1波長板としての機能を有する広帯域4分
の1波長板を第2のビームスプリッタと前記光ディスク
との間に配置した。これにより、短波長の半導体レーザ
であるDVD用半導体レーザ1を用いた場合と、長波長
の半導体レーザであるCD用半導体レーザ2を用いた場
合の、いずれの場合においても、半導体レーザへの戻り
光の偏光方向が半導体レーザからの出射光の偏光方向に
対して直交して戻る。半導体レーザへの戻り光の偏光方
向が、半導体レーザからの出射光の偏光方向と同じ偏光
方向の成分が無いため、半導体レーザの発振モードに影
響を与えることがなくなり、同じ電流入力に対して光パ
ワー出力が低下したり、光パワー出力が変動する等の問
題が発生しない。再生時および記録時のいずれの場合に
おいても、オートパワーコントロールを用いてパワー出
力を安定に一定に保つことができる。したがって、最大
定格電流以上の過電流を入力させてしまい、半導体レー
ザが劣化あるいは破壊にいたる場合がない。
【0107】また、往路において第2のビームスプリッ
タであるビームスプリッタミラーに入射させる偏光方向
を、短波長のDVD用半導体レーザからの光ビームはS
偏光とし、長波長のCD用半導体レーザからの光ビーム
はP偏光とした。これにより、DVD往路のビームスプ
リッタの光利用効率を、CD往路のビームスプリッタの
光利用効率よりも大きく設定し、小さい最大光パワーの
DVD用半導体レーザを用いることができた。
【0108】また、復路において第2のビームスプリッ
タであるビームスプリッタミラーに入射させる偏光方向
を、短波長のDVD用半導体レーザからの光ビームはP
偏光とし、長波長のCD用半導体レーザからの光ビーム
はS偏光とした。これにより、CD往路の光利用効率の
変動比を、DVD往路の光利用効率の変動比よりも小さ
くでき、CD系光ディスク基板の複屈折によって光検出
器へ入射する光パワー変動をより少なくすることができ
た。
【0109】また、第1の半導体レーザおよび第2の半
導体レーザのオートパワーコントロールに用いる前方光
モニタ光検出器を、第1のビームスプリッタを出射した
第1の光ビームと第2の光ビームの内、第2のビームス
プリッタの中を透過せずに上空を通過する第1の光ビー
ムと第2の光ビームを入射させるように配置した。これ
により、前方光モニタ光検出器は1個で良い。また、第
2のビームスプリッタの透過による光利用効率の低下が
ない。また、第2のビームスプリッタの光利用効率がば
らついたり、波長変化や温度変化で光利用効率が経時変
化した場合においても、前方光モニタ光検出器への光ビ
ームの光パワーが変動することがなく、安定なオートパ
ワーコントロールを得ることができる。また、前方光モ
ニタ光検出器へ光ビームを導くために、反射ミラー等の
追加部品を必要としない。また、半導体レーザの光ビー
ムの強度分布の広い上方向を選択したので、前方光モニ
タ光検出器への光パワーを十分確保することができると
いった効果がある。
【0110】
【発明の効果】本発明によれば、ビームスプリッタへの
光線の入射角がばらついたり、半導体レーザの発振波長
がばらついた場合においても、従来に比べて効率良く、
複数の半導体レーザからの光ビームを合成することがで
きる複数のビームスプリッタ構成を備える光ピックアッ
プ、または光ディスク装置を提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の光ピックアップの概略構成図であ
る。
【図2】本実施例の光ピックアップの偏光ビームスプリ
ッタ膜面10aの分光透過率特性である。
【図3】本実施例の光ピックアップのビームスプリッタ
膜面12aの分光透過率特性である。
【図4】従来の光ピックアップの概略構成図である。
【符号の説明】
1…DVD系光ディスク、1a…情報記録面、2…CD
系光ディスク、2a…情報記録面、3…DVD用半導体
レーザ、3a…発光点、4…光ビーム、5…補助レン
ズ、5a…凸球面レンズ面、6…複合光学素子、6a…
2分の1波長板、6b…ガラス基板、6c…回折格子、
7…光ビーム、8…ホルダ、9…ケース、10…偏光ビ
ームスプリッタプリズム、10a…偏光ビームスプリッ
タ膜面、11…光ビーム、12…ビームスプリッタミラ
ー、12a…ビームスプリッタ膜面、13…光ビーム、
14…立上げミラー、14a…2点鎖線、15…カップ
リングレンズ、16…光ビーム、17…広帯域4分の1
波長板、18…光ビーム、19…対物レンズ、20…光
ビーム、21…光ビーム、22…光ビーム、23…検出
レンズ、24…光検出器、25…基板、26…接着剤、
26b…副光ビーム、27…CD用半導体レーザ、27
a…発光点、28…光ビーム、29…補助レンズ、29
a…凸球面レンズ面、30…回折格子、31…光ビー
ム、32…ホルダ、33…ホルダ、34…光ビーム、3
5…光ビーム、36…光ビーム、37…光ビーム、38
…光ビーム、39…光ビーム、40…光ビーム、41…
前方光モニタ光検出器、42…光ビーム、43…光ビー
ム、50…補助レンズ、50a…回折格子、51a…主
光ビーム、51b…副主ビーム、51c…副主ビーム、
52…光ビーム、53…光スポット、54…光ビーム、
55…光ビーム、56…光ビーム、57…光ビーム、5
8…検出レンズ、59…光ビーム、60…補助レンズ、
60a…回折格子、61b…凸球面レンズ面、61…光
ビーム、62…光ビーム、63…光ビーム、64…光ビ
ーム、65…基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小沼 順弘 岩手県水沢市真城字北野1番地 株式会社 日立メディアエレクトロニクス内 (72)発明者 大西 邦一 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所デジタルメディア開発本 部内 (72)発明者 杉山 俊夫 岩手県水沢市真城字北野1番地 株式会社 日立メディアエレクトロニクス内 (72)発明者 矢部 昭雄 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立画像情報システム内 (72)発明者 冨田 大輔 岩手県水沢市真城字北野1番地 株式会社 日立メディアエレクトロニクス内 (72)発明者 伊藤 直紀 岩手県水沢市真城字北野1番地 株式会社 日立メディアエレクトロニクス内 Fターム(参考) 5D118 BA01 BB01 CA13 CD03 CF16 CG04 CG24 5D119 AA24 AA33 AA41 AA43 BA01 BB01 BB02 BB03 EC41 EC45 EC47 FA08 HA13 JA12 JA27 JA31 5D789 AA24 AA33 AA41 AA43 BA01 BB01 BB02 BB03 EC41 EC45 EC47 FA08 HA13 JA12 JA27 JA31

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに発振波長の異なる第1の半導体レー
    ザおよび第2の半導体レーザと、前記第1の半導体レー
    ザを出射した第1の光ビームを反射させるとともに前記
    第2の半導体レーザを出射した第2の光ビームを透過さ
    せることによって前記第1の光ビームと前記第2の光ビ
    ームの光路を合成する第1のビームスプリッタと、前記
    第1の光ビームおよび前記第2の光ビームを光ディスク
    に照射する対物レンズと、前記光ディスクを反射した前
    記第1の光ビームおよび前記第2の光ビームを検出する
    光検出器と、前記第1の半導体レーザおよび前記第2の
    半導体レーザを出射した前記第1の光ビームおよび前記
    第2の光ビームを前記対物レンズに導くとともに前記光
    ディスクを反射した前記第1の光ビームおよび前記第2
    の光ビームを前記光検出器に導くための第2のビームス
    プリッタとを備え、基板厚さが互いに異なる第1の光デ
    ィスクと第2の光ディスクの両方の情報を兼用して記録
    または再生できるようにした光ピックアップにおいて、
    前記第1のビームスプリッタは少なくとも前記第1の半
    導体レーザの発振波長および前記第2の半導体レーザの
    発振波長に対してP偏光を効率良く透過してS偏光を効
    率良く反射する特性を有する偏光ビームスプリッタであ
    り、前記第1の半導体レーザを出射した前記第1の光ビ
    ームの偏光状態をS偏光で前記第1のビームスプリッタ
    へ入射させて反射させ、前記第2の半導体レーザを出射
    した前記第2の光ビームの偏光状態をP偏光で前記第1
    のビームスプリッタへ入射させて透過させるように構成
    したことを特徴とする光ピックアップ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の光ピックアップにおい
    て、前記第1の半導体レーザの発振波長が前記第2の半
    導体レーザの発振波長よりも短く、前記第1のビームス
    プリッタは、前記第1の半導体レーザの発振波長である
    短波長の光を効率良く反射して、前記第2の半導体レー
    ザの発振波長である長波長の光を効率良く透過するダイ
    クロイック膜特性を持たせたことを特徴とする光ピック
    アップ。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の光ピックアップにおい
    て、前記第1の半導体レーザの発振波長が前記第2の半
    導体レーザの発振波長よりも長く、前記第1のビームス
    プリッタは、前記第1の半導体レーザの発振波長である
    長波長の光を効率良く反射して、前記第2の半導体レー
    ザの発振波長である短波長の光を効率良く透過するダイ
    クロイック膜特性を持たせたことを特徴とする光ピック
    アップ。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の光ピックアップにおい
    て、前記第1の半導体レーザから前記第1のビームスプ
    リッタに至る光路中に、前記第1の半導体レーザを出射
    した前記第1の光ビームの偏光方向を変換させて前記第
    1のビームスプリッタに入射させる機能を有する2分の
    1波長板を配置したことを特徴とする光ピックアップ。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の光ピックアップにおい
    て、前記第1の半導体レーザを出射した前記第1の光ビ
    ームを主ビームと2つの副ビームとに分離する回折格子
    を備え、前記回折格子と前記2分の1波長板を一体で光
    軸回りに回転調整できるように構成したことを特徴とす
    る光ピックアップ。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の光ピックアップにおい
    て、前記第1の半導体レーザを出射した前記第1の光ビ
    ームの偏光状態をS偏光で前記第2のビームスプリッタ
    へ入射させて反射させ、前記第2の半導体レーザを出射
    した前記第2の光ビームの偏光状態をP偏光で前記第2
    のビームスプリッタへ入射させて反射させ、前記第1の
    半導体レーザの発振波長と前記第2の半導体レーザの発
    振波長のいずれに対しても4分の1波長板としての機能
    を有する広帯域4分の1波長板を前記第2のビームスプ
    リッタと前記光ディスクとの間に配置したことを特徴と
    する光ピックアップ。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の光ピックアップにおい
    て、前記第2のビームスプリッタからの前記第1の光ビ
    ームと前記第2の光ビームを反射させて前記光ディスク
    に導く増反射ミラーを備え、前記広帯域4分の1波長板
    を前記増反射ミラーと前記光ディスクとの間に配置した
    ことを特徴とする光ピックアップ。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の光ピックアップにおい
    て、前記第1の半導体レーザおよび前記第2の半導体レ
    ーザのオートパワーコントロールに用いる前方光モニタ
    光検出器を、前記第1のビームスプリッタを出射した前
    記第1の光ビームと前記第2の光ビームの内、第2のビ
    ームスプリッタの中を透過せずに上空を通過する第1の
    光ビームと第2の光ビームを入射させるように配置した
    ことを特徴とする光ピックアップ。
  9. 【請求項9】前記第1の光ディスクと前記第2の光ディ
    スクの両方の情報を兼用して記録かつ再生できるように
    した請求項1乃至8に記載の光ピックアップ。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9に記載の光ピックアップ
    を用いた光ディスク装置。
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