JP2003141181A - 乱流の解析方法,乱流の解析システム並びに乱流解析プログラム - Google Patents
乱流の解析方法,乱流の解析システム並びに乱流解析プログラムInfo
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Abstract
レーションにおいて、SGS応力のモデル係数の局所的
な最適値を、瞬時の流動状況に応じて自動的に算出する
方法であり、なおかつ数値的な不安定現象の生じにくい
解析方法を提供する。 【解決手段】波数空間上で、サブテストスケールであり
かつグリッドスケールでもある波数領域7でのエネルギ
ー授受の平衡を仮定する、「局所スケール間平衡仮定」
をもとに、SGSモデル係数の算出式を導出し、SGS
応力項の計算に利用する。 【効果】SGS応力のモデル定数が自動的に算出され、
しかも数値的に安定な解析が実行可能となる。
Description
機器における流れの数値解析方法に関わり、特に乱流場
を非定常解析する計算方法であるラージ・エディ・シミ
ュレーションにおいて、SGS応力のモデル係数を自動
的に決定する方法に関する。
解析が利用されることが多い。そして対象とする流れ場
の多くは乱流である。乱流の解析方法の一つにラージ・
エディ・シミュレーション(LES)がある。
となる領域を、空間的に有限個の領域、あるいは有限個
の物理量定義点に分割して扱う。これを空間の離散化と
いい、一般的にはメッシュ分割,要素分割,セル分割な
どとよぶ。空間を離散化すると、たとえばメッシュ幅よ
りもサイズが小さい渦などの流れ構造は、もはや解像で
きなくなってしまう。しかし、こうした微小な流れ構造
も、全体の流れ場に影響を及ぼすので、その影響を考慮
する必要がある。こうした微小な流れ構造(波数空間上
での高波数域の速度の変動成分)の影響をサブグリッド
スケールモデル(SGSモデル)として考慮し、流れを
非定常計算するのがLESである。
の、高波数成分を除去する一種のローパスフィルタとみ
なすことができ、このフィルタをグリッドフィルタとよ
ぶ。波数空間において、グリッドフィルタにより除去さ
れる高波数の領域のことをサブグリッドスケールとよ
び、除去されない低波数域のことをグリッドスケールと
よぶ。また波数空間上でグリッドスケールに含まれる物
理量の空間変動成分のことをグリッドスケール成分(G
S成分)とよび、サブグリッドスケールに含まれる空間
変動成分をサブグリッドスケール成分(SGS成分)と
よぶ。
に分布するφにグリッドフィルタを作用させて得られる
値を
流れ構造、すなわち空間的な速度変動のSGS成分が、
流れの運動量変化に及ぼす影響は、応力の形であらわれ
る。この応力をサブグリッドスケール応力(SGS応
力)という。
S応力は数1であらわされる。
ないため、SGS応力に対してモデル化が必要となる。
に、スマゴリンスキーモデルがある。スマゴリンスキー
モデルは数2で表される渦粘性型のSGSモデルであ
る。
は数3で与えられる。
をモデル定数Cを含んだ数4で与える。
いて、アインシュタインの総和規約を用いるものとす
る。また任意のテンソルΦijに対し、Φij * はその非等
方成分Φij *≡Φij−δijΦkk/3をあらわすものとす
る。
れの性状によりその最適値が異なる。例えば一様等方性
乱流ではその最適値は0.03 から0.04 程度の値で
あり、チャンネル乱流では0.01 程度の値が最適値で
ある。
解析で精度の高い結果を得るためには、対象とする流れ
場に適したモデル定数を用いる必要がある。しかし複雑
な流れ場を対象とするとき、そのようなモデル定数のチ
ューニングは極めて難しい。
的な値を自動的に算出する方法が提案されている。その
方法はフィジックス オブ フルイズ エー 4(19
92年)第633頁から第635頁(Physics of Fluid
s A 4 (1992) pp.633-635 )に記載されたものである。
この方法をもちいたSGSモデルはダイナミック・スマ
ゴリンスキーモデル(DSM)と呼ばれる。またこのと
きモデル定数を算出するために用いる計算手続きはリリ
ーの最小自乗法とよばれる。
外のモデルを適用する場合についても、モデル定数を自
動的に算出する方法が提案されている。例えば数5はス
ケール相似則モデルの一つであるバーディナモデルであ
るが、これと数2,数4のスマゴリンスキーモデルとを
線形結合したモデルとして、数6に示すミックスドモデ
ルがある。
中に含まれるスマゴリンスキーモデル部のモデル定数C
を算出する方法が、フィジックス オブ フルイズ A
5(1993年)第3186頁から第3196頁(Ph
ysics of Fluids A 5(1993)pp.3186-3196)に記載され
ている。この方法はダイナミック・ミックスドモデル
(DMM)とよばれる。ダイナミック・ミックスドモデ
ルにおいても、モデル定数の算出手続きにはリリーの最
小自乗法が用いられている。
ドモデルはミックスドモデルの一種であり、モデル定数
を2つ含むモデルである。
方法はフィジックス オブ フルイズ 7(1995
年)第2831頁から第2847頁(Physics of Fluid
s 7(1997) pp.2831-2847)に記載されている。この方法
はダイナミック・ツーパラメータ・ミックスドモデル
(DTMM)と呼ばれる。またこの方法でモデル定数を
算出するために用いられる方法はやはり、リリーの最小
自乗法である。
る問題点は、数値的に不安定な点である。すなわち、S
GSモデルのモデル定数の自動算出に従来の技術を用い
た解析では、数値振動が生じやすく、場合によっては非
物理的な振動解が計算結果として得られる。さらには計
算途中においてゼロ割りやフローティングポイントオー
バーフローなどが生じ、計算の続行が不能となることも
ある。
に一様な方向への平均操作を用いる方法が提案されてお
り、その一例はフィジックス オブ フルイズ エー
3(1991年)第1760頁から第1765頁(Phys
ics of Fluids A 3 (1991)pp.1760-1765)に記載されて
いる。但しこうした平均操作は単純な体系にしか適用で
きず、またその物理的な根拠も不明であるため、一般的
な解決策ではない。乱流の解析方法の一つであるLES
において、SGS応力のモデル式中に含まれるモデル係
数もしくはモデル定数の局所的な値を、瞬時の流動状況
に応じて自動的に算出することが望ましい。さらに加え
て、数値的な不安定現象が生じにくい、数値的に安定な
計算方法であることが望ましい。
あるLESにおいて、SGS応力のモデル式中に含まれ
るモデル係数もしくはモデル定数を、自動的に算出し、
数値的に安定な乱流の解析方法,乱流の解析システム並
びに乱流解析プログラムを提供することにある。
サブテストスケール且つグリッドスケールである波数領
域でのエネルギー授受の仮定した平衡関係に基づき、サ
ブグリッドスケールモデル係数の算出式を導出し、サブ
グリッドスケール応力を算出する。
ルを時間・空間的に変化させる作用をもつ。そのため必
然的に、流れの運動エネルギー変化に対しても作用を及
ぼすことになる。
ー(SGS運動エネルギー)の時間変化に関する簡略式
を示す。
のSGS成分がもつ運動エネルギーに相当する。数8の
中の保存項は、移流項や拡散項など、SGS運動エネル
ギーの輸送に関連した項であり、SGS運動エネルギー
の生成や消滅には直接的には関係しない項である。SG
S運動エネルギーの生成・消滅に関与するのは、運動エ
ネルギーのSGS成分の粘性散逸量と、グリッドスケー
ルからサブグリッドスケールへのエネルギー伝達量であ
る。数8において、粘性散逸は消滅項として働き、グリ
ッドスケールからサブグリッドスケールへのエネルギー
伝達は生成項として働く。運動エネルギーのSGS成分
の粘性散逸量は数9で与えられ、運動エネルギーのGS
成分の粘性散逸量は数10で与えられる。
スケールへのエネルギー伝達量は数11で与えれれる。
与するのは、グリッドスケールからサブグリッドスケー
ルへのエネルギー伝達量に関してである。
(GS運動エネルギー)の時間変化に関する簡略式を示
す。
GS成分がもつ運動エネルギーに相当する。数12にお
いて、運動エネルギーのGS成分の粘性散逸は消滅項と
して働き、グリッドスケールからサブグリッドスケール
へのエネルギー伝達量もまた消滅項として働く。すなわ
ち、GS運動エネルギーの一部が消滅し、その消滅分が
SGS運動エネルギーの生成分となる。
ルギー伝達に関する概念図を示す。図1は波数空間上で
のエネルギースペクトルを表しており、運動エネルギー
のGS成分の粘性散逸1、およびSGS成分の粘性散逸
2により、運動エネルギーの一部は熱として散逸する。
また、運動エネルギーのGS成分の一部は、グリッドス
ケールからサブグリッドスケールへのエネルギー伝達3
により、運動エネルギーのSGS成分に移動する。
伝達特性は、計算の数値安定性および計算精度の観点か
ら極めて重要である。グリッドスケールからサブグリッ
ドスケールへのエネルギー伝達量を過小評価するという
ことは、GS運動エネルギーの減衰が小さいということ
で、グリッドスケールの高波数域に運動エネルギーが蓄
積されることになる。すなわち、非物理的な高波数の数
値振動が生じやすくなる。その反対にエネルギー伝達量
を過大評価すると、GS運動エネルギーの減衰が大きく
なり、特に高波数域での減衰が大きくなる。そのため微
小な流れ構造を解像することができなくなってしまい、
解析結果の精度が悪くなる。したがってSGS応力のモ
デルには、グリッドスケールからサブグリッドスケール
へのエネルギー伝達量を適切に模擬することが求められ
る。
ル定数の決定法はすべて、リリーの最小自乗法を用いた
ものであった。ここでリリーの最小自乗法について説明
する。
去する空間フィルタであるテストフィルタを導入する。
このとき任意の物理量φにテストフィルタを作用させて
得られる値を
ルタを物理量のGS成分に作用させ、GS成分のうちの
高波数域の成分を除去した、残りの低波数領域をテスト
スケールとよび、その成分をテストスケール成分(TS
成分)とよぶ。また全波数域からテストスケールを除去
した残りの高波数領域をサブテストスケールとよび、そ
の成分をサブテストスケール成分(STS成分)とよぶ
ことにする。
が運動量に及ぼす影響であるサブテストスケール応力
(STS応力)は、数13で与えられる。
に示す関係式が成り立つ。
等式と呼ばれる。
式中のSGS応力およびSTS応力に対し、同一のSG
Sモデルを適用する。また、このときの残差テンソルを
数15で定義する。
までのn個のモデル定数が含まれる場合について考え
る。リリーの最小自乗法では、数16に示すように、残
差テンソル成分の自乗和の、モデル定数に対する偏微分
値が、すべてのモデル定数に対して0となるよう、モデ
ル定数C1〜Cnを求める。
る。すなわち、リリーの最小自乗法は、ジャーマノ恒等
式をなるべく満足するように、モデル式で与えられたS
GS応力テンソルの成分値を最適化する方法である。
グリッドスケールからサブグリッドスケールへのエネル
ギー伝達特性に関しては、直接的には何一つ言及してい
ない。しかし、ジャーマノ恒等式に関する残差テンソル
が十分に小さくなるならば、SGS応力テンソルの成分
に関する近似精度が十分に高くなることが期待でき、数
11の関係を通し、エネルギー伝達量に関しても高い近
似精度が得られると期待される。
デルとしてスマゴリンスキーモデル,ミックスドモデ
ル,ツーパラメータ・ミックスドモデルが適用されてい
る。これらのモデルはすべて、モデル中に渦粘性型のモ
デルを含んだものである。渦粘性型のモデルを含んだモ
デルを採用していることには理由がある。ミックスドモ
デルやツーパラメータ・ミックスドモデルの非渦粘性モ
デル部はスケール相似則モデルになっている。一般にス
ケール相似則モデルは、グリッドスケールからサブグリ
ッドスケールへのエネルギー伝達量を過小評価する傾向
があり、それ単独での解析では数値的に不安定になりや
すい。そのため渦粘性係数を適切に選べば十分なエネル
ギー伝達量を与えられる渦粘性型のモデルと併用し、数
値的に安定化させている。
ように、SGS応力の非等方成分テンソルが、グリッド
スケールの歪率テンソルに比例すると仮定している。し
かしこの仮定が成立しない場合も多いことが知られてお
り、それは例えば東京大学出版会 数値流体力学シリー
ズ 3乱流解析 (1995年) 第83頁などに記載
されている。
粘性型のモデルが必須であるが、しかし渦粘性型のモデ
ルではSGS応力テンソルの成分については十分には近
似できないということになる。このような渦粘性型のモ
デルを含んだSGSモデルに対し、リリーの最小自乗法
を適用する場合、SGS応力テンソルの成分に関して十
分に高い近似精度を得ることは難しい。その結果、リリ
ーの最小自乗法自体がエネルギー伝達特性の近似手法で
ないこともあり、グリッドスケールからサブグリッドス
ケールへのエネルギー伝達量に関しても、高い近似精度
は期待できない。こうしたことにより従来の技術では、
計算が数値的に不安定になりやすかったものと考えられ
る。
めには波数空間上でのエネルギー伝達特性を十分に反映
させる必要があると考えられる。
ストスケールからサブテストスケールへのエネルギー伝
達量は、グリッドスケールからサブグリッドスケールへ
のエネルギー伝達量と、サブテストスケールでありかつ
グリッドスケールである波数領域からのエネルギーの粘
性散逸量との和に等しい」と仮定する。図2を用いてこ
の仮定を説明する。図2は波数空間上でのエネルギース
ペクトルの概念図を示している。上記の仮定は、サブテ
ストスケールでありかつグリッドスケールである波数領
域7でのエネルギー授受の平衡を仮定するものである。
つまりこの領域7に入ってくるエネルギーは、テストス
ケールからサブテストスケールへのエネルギー伝達量6
であり、この領域7から出ていくエネルギーは、グリッ
ドスケールからサブグリッドスケールへのエネルギー伝
達量3′および、運動エネルギーのSTS成分でありか
つGS成分である成分の粘性散逸量5であって、こうし
たエネルギー流入流出がバランスすると仮定する。この
仮定は厳密には正しくないが、領域7の範囲がそれほど
広くない場合には、近似的に成立すると考えられる。L
ESの計算においては、領域7の範囲は、グリッドフィ
ルタとテストフィルタとの二重フィルタの特性幅に対応
する波数、およびグリッドフィルタの特性幅に対応する
波数の間の範囲となる。これらの波数の比はおよそ2程
度の値となるが、乱流場では乱流領域にあたる慣性小領
域の範囲が数桁のオーダーに達することもあることを考
えると、上記の仮定は決して悪くはない近似だと考えら
れる。
りかつGS成分である成分の粘性散逸量5は、運動エネ
ルギーのGS成分の粘性散逸量1′と、TS成分の粘性
散逸量4との差で与えられる。
仮定」とよぶことにする。局所スケール間平衡仮定を表
す式は、数17で与えられる。
関係式」とよぶ。ここで運動エネルギーのTS成分の粘
性散逸量は数18で与えられる。
ルへのエネルギー伝達量は数19で与えられる。
間上でのエネルギー伝達特性をモデル化したものであ
り、グリッドスケールからサブグリッドスケールへのエ
ネルギー伝達量自体をその式中に含むものである。従っ
て局所スケール間平衡仮定関係式を満たすようにSGS
応力モデルのモデル係数を調整してやれば、エネルギー
伝達特性を十分に反映した、数値的に安定なSGSモデ
ル定数の自動算出法が構築できると考えられる。
ネルギーのTS成分の粘性散逸量の近似値と、運動エネ
ルギーのGS成分の粘性散逸量の近似値と、テストスケ
ールからサブテストスケールへのエネルギー伝達量の近
似値とを局所スケール間平衡仮定関係式に代入する。さ
らにグリッドスケールからサブグリッドスケールへのエ
ネルギー伝達量を局所スケール間平衡仮定関係式に代入
するに際し、グリッドスケールからサブグリッドスケー
ルへのエネルギー伝達量を、SGS応力テンソルと速度
の空間変動のGS成分に対する歪率テンソルとの内積に
(−1)を乗じたのち、テストフィルタを作用させて得ら
れる値とみなす。さらにこのときSGS応力テンソル
を、その値をまだ定めていないモデル係数を1つだけ含
むモデル式で与える。しかるのち、SGS応力テンソル
のモデル式中の、値がまだ定められていないモデル係数
について局所スケール間平衡仮定関係式を整理すること
により、未定であったモデル係数の値を算出するための
モデル係数算出式が求まるから、これを用いてモデル係
数を算出する。以上の手続きを含んだLESの解析方法
を提供することにより、上記の目的は達成される。
リッドスケールからサブグリッドスケールへのエネルギ
ー伝達量の評価に、その定義式である数11の関係を用
いることが望ましい。このときSGS応力テンソルのモ
デル式には、未定のモデル係数を1つだけ含むものを用
いるが、これは局所スケール間平衡仮定関係式がスカラ
ー式であるからで、未知量は1つのみでなければならな
いからである。
S成分の粘性散逸量の差を0と近似して与えることも可
能であり、対象とする乱流場の波数空間上での乱流領域
のレンジが極めて広い場合など、粘性散逸の効果を無視
できる場合に演算量を減らせる利点をもつ。
ールへのエネルギー伝達量を、STS応力テンソルと速度
の空間変動のTS成分に対する歪率テンソルとの内積
に、(−1)を乗じた値で与え、さらにこのとき、ST
S応力テンソルを、その値がまだ定められていないモデ
ル係数を、1つも含まないモデル式で与えても良い。
のエネルギー伝達量を、その定義式である数19で与え
ると、更にその解析精度が高まることが期待される。ま
た、STS応力テンソルのモデルに、未定のモデル係数
が1つも含まれていないから、局所スケール間平衡仮定
関係式に含まれる未知数はSGS応力のモデル係数1つ
のみで、容易にモデル係数算出式を導出できる。
逸量を、速度の空間変動のGS成分に対する歪率テンソ
ルの絶対値の2乗と、動粘性係数との積の2倍の値に、
さらにテストフィルタを作用させて得られた値、または
それと等価の値で与える。また、運動エネルギーのTS
成分の粘性散逸量を、速度の空間変動のTS成分に対す
る歪率テンソルの絶対値の2乗と、動粘性係数との積の
2倍の値、もしくはそれと等価の値で与えても良い。運
動エネルギーのTS成分,GS成分の粘性散逸量を、そ
の定義式である数10,数18で与えるので、更なる解
析精度の向上が望める。
のエネルギー伝達量,運動エネルギーのTS成分および
GS成分の粘性散逸量に関し、物理的に正しい定義式を
用いることにより、高い解析精度が得られるものと期待
される。
だモデル式で与え、SGS応力テンソルの近似におい
て、スマゴリンスキーモデルやミックスドモデルなど、
渦粘性型のモデル部を含むモデル式を適用しても良い。
渦粘性型のモデルは、グリッドスケールからサブグリッ
ドスケールへのエネルギー伝達量を近似するモデルとし
て適しており、計算の安定性向上にも寄与する。よっ
て、解析精度の向上と、計算安定性の向上とが期待でき
る。
より説明する。図3は、乱流の解析方法に、LESを用
いた場合の流れの非定常計算のフローチャートの一例を
示すものである。また本例は密度一定の非圧縮性流れの
場合を想定したものである。
値,時間刻みといった、計算条件等の入力をS1におい
て行う。ついでS2において速度,圧力等の初期値を設
定する。ついでS3において、解析時刻tをゼロクリア
する。ついでS4において、数20に示す運動量保存式
の、移流項による速度の加速量を計算し、計算機メモリ
に保存しておく。
粘性項による速度の加速量を計算し、計算機メモリに保
存しておく。ついでS6において、圧力項による速度の
加速量を計算し、計算機メモリに保存しておく。ついで
S7において、計算機メモリ上に保存された移流項,S
GS応力項および粘性項,圧力項による速度の加速量を
用いて速度場を更新する。ついでS8においてS7で更
新された速度場が、質量保存式を満足するか判定する。
質量保存を十分には満足していない場合にはS9で速度
・圧力の修正計算を行った後、再度S8で質量保存則の
満足度をチェックする。S8において速度場が質量保存
則を満たすと判断された場合は、S10において計算結果
をモニタあるいは磁気ディスク上のファイルなどに出力
する。ついでS11において解析時刻tが、解析終了時
刻tendを越えたかどうか判定する。解析終了時刻を
越えていない場合は、S12において解析時刻を更新
し、さらにS4にもどり、S4からS10までの手続き
を行ったのち、再度S11の判定を行う。S11で解析
時刻が解析終了時刻を越えたと判断されたときは、計算
を終了する。
SGS応力項および粘性項の計算において、SGS応力
テンソルを算出するために用いる。
明する。
ットフィルタとみなし、さらにグリッドフィルタの特性
幅について、その4乗以上に関する項を無視して、数2
1で近似する。
る。
グリッドフィルタの特性幅の1乃至2倍程度の値を与え
ておく。
されるSTS応力を整理し、グリッドフィルタの特性幅
についてその4乗以上に関する項を無視すると、STS
応力を近似するモデル式が数23で与えられる。
ル係数を、1つも含んでいない。
を局所スケール間平衡仮定関係式である数17に代入す
ると、数24が得られる。
ル式で近似する。数25のSGS応力テンソルを近似す
るモデル式は、渦粘性モデル部と、非渦粘性モデル部か
らなる。非渦粘性モデル部は、その値が未定であるモデ
ル係数を含まないものとする。このとき、数25のモデ
ル式に含まれる、値が未定のモデル係数は渦動粘性係数
のみである。
26が得られる。
渦動粘性係数の算出式である。数26の右辺は既知量の
みから構成されるので、数26を用いれば、渦動粘性係
数を容易に求めることができる。
SGS応力を近似し、図3のS5においてSGS応力項
を計算すれば、流動状況に応じた、瞬時・局所的なモデ
ル係数の最適値をもちいて解析したことになるので、高
い解析精度が期待できる。さらに本実施例によれば、グ
リッドスケールからサブグリッドスケールへのエネルギ
ー伝達特性が十分に反映されるため、数値的に安定であ
ることが期待できる。
説明する。ここで数25のSGS応力モデルの非渦粘性
モデル部を数27で与える。
で近似する。数25,数27を数24に代入して整理す
ると、渦動粘性係数の算出式である数28が得られる。
SGS応力を近似し、図3のS5においてSGS応力項
を計算すれば、第1の実施例で述べた効果に加えて、S
GS応力のモデルの、非渦粘性モデル部については計算
しなくてすむため、計算時間の短縮と使用メモリ量の節
約が可能となる。
て説明する。ここで数25のSGS応力モデルの非渦粘
性モデル部を、数29で与える。
ナモデルで与える。数25,数29を数24に代入して
整理すると、渦動粘性係数の算出式である数30が得ら
れる。
SGS応力を近似し、図3のS5においてSGS応力項
を計算すれば、第1の実施例で述べた効果に加えて、バ
ーディナモデル部がSGS応力テンソル成分について高
い近似精度を有することからして、さらに高い精度の解
析結果が得られると期待できる。
て説明する。ここで数25のSGS応力モデルの非渦粘
性モデル部を、数31で与える。
値は、あらかじめ設定しておく。数31のモデル定数の
設定については、まずSGS応力を数32に示すモデル
で与え、これに対して従来の技術で用いられてきたリリ
ーの最小自乗法を適用し、算出する。
れるSGS応力のモデル式では、値が未定のモデル係数
はやはり、渦動粘性係数のみである。渦動粘性係数の算
出式は、数25,数31を数24に代入して整理するこ
とにより得られ、数33で表される。
の効果が期待される。
て説明する。ここで数25のSGS応力モデルの非渦粘
性モデル部を、数34で与える。
いて近似したものである。数25,数34を数24に代
入して整理することにより、本実施例での唯一のモデル
係数である、渦動粘性係数の算出式が数35のように得
られる。
の効果が期待される。
説明する。ここで数25のSGS応力モデルの渦動粘性
係数を数4で与える。すなわち数25のSGS応力モデ
ルの渦粘性モデル部を、スマゴリンスキーモデルで与え
る。このとき、値が未定のモデル係数は、モデル定数C
のみである。数4,数25を数24に代入して整理する
と、モデル定数Cの算出式である数36が得られる。
SGS応力を近似し、図3のS5においてSGS応力項
を計算すれば、第1の実施例で述べたのと同様の効果が
期待できる。また、本実施例において、数25で与えら
れるSGS応力モデルの非渦粘性モデル部については、
第2,第3,第4,第5の実施例で述べたのと同様のも
のが適用できる。
説明する。ここではまず、グリッドフィルタをトップハ
ットフィルタとみなし、グリッドフィルタの特性幅の4
乗に関する項まで考慮して、数37で近似する。
次中心差分法を用いて近似する。このとき、数22の中
の2階微分項は、打切り誤差について4次の項まで考慮
すると、数38のように表せる。
化すると、グリッドフィルタの特性幅の4乗に関する打
ち切り誤差項があらわれるため、テストフィルタとして
は、実際には数39のフィルタを用いたことになる。
されるSTS応力を整理し、グリッドフィルタの特性幅
についてその4乗以下に関する項までを考慮すると、S
TS応力を近似するモデル式が数40で与えられる。
ル係数を、1つも含んでいない。
TS応力のモデル式である数40を局所スケール間平衡
仮定関係式である数17に代入して整理すると、数41
が得られる。
渦動粘性係数の算出式である。数41の右辺は既知量の
みから構成されるので、数41を用いれば、渦動粘性係
数を容易に求めることができる。
SGS応力を近似し、図3のS5においてSGS応力項
を計算すれば、流動状況に応じた、瞬時・局所的なモデ
ル係数の最適値をもちいて解析したことになるので、高
い解析精度が期待できる。さらに本実施例によれば、グ
リッドスケールからサブグリッドスケールへのエネルギ
ー伝達特性が十分に反映されるため、数値的に安定であ
ることが期待できる。さらに本実施例は、第1,第2,
第3,第4,第5,第6の実施例がSTS応力をグリッ
ドフィルタの特性幅の2乗に関する項まで考慮したのに
対し、さらに加えて4乗に関する項につていも考慮して
いるため、STS応力に関して近似精度が高い。それに
ともないテストスケールからサブテストスケールへのエ
ネルギー伝達量に関する近似精度も高くなるので、第1
から第6の実施例に比べてさらに高精度の解析結果が期
待できる。
4は、SGS応力テンソルの渦粘性モデル部における、
渦動粘性係数を算出する際のデータフローを示すもので
ある。GS成分の速度ベクトルデータ11は、すでに求
まっているものとする。12は、GS成分の歪率テンソ
ルの算出部であり、GS成分の速度ベクトル11を用い
てGS成分の歪率テンソルを算出する。13では、運動
エネルギーのGS成分の粘性散逸量を、12で求めたG
S成分の歪率テンソルを用いて算出する。14は、SG
S応力テンソルの非渦粘性モデル部の算出部であり、G
S成分の速度ベクトル11を用いて、例えば数27,数
29,数31,数34等の近似式により算出する。15
では、TS成分の速度ベクトルをGS成分の速度ベクト
ル11を用いて算出する。算出に用いるテストフィルタ
には、例えば数22,数39等を適用する。16はTS
成分の歪率テンソルの算出部であり、15で求めたTS
成分の速度ベクトルを用いて算出する。17では、運動
エネルギーのTS成分の粘性散逸量を、16で求めたT
S成分の歪率テンソルを用いて算出する。18はSTS
応力テンソルの算出部で、11のGS成分の速度ベクト
ル、15のTS成分の速度ベクトル等を用い、例えば数
23,数40等の近似式によってSTS応力テンソルの
近似値を算出する。19では渦動粘性係数を算出する。
ンソル、16のTS成分の歪率テンソル、13の運動エ
ネルギーのGS成分の粘性散逸量、17の運動エネルギ
ーのTS成分の粘性散逸量、14のSGS応力の非渦粘
性モデル部、18のSTS応力テンソルを用いる。な
お、ここで求めた渦動粘性係数は、SGS応力テンソル
の近似式である数2あるいは数25を介し、フローチャ
ート図3のステップS5において、SGS応力項の計算
で用いられる。
モデル部における、渦動粘性係数を算出する際のデータ
フローを示すものであり、TS成分の歪率テンソル算出
部16′以外は、図4と同様である。16′はTS成分
の歪率テンソルの算出部であり、12のGS成分の歪率
テンソルに対し、テストフィルタ操作を行うことにより
算出する(図4ではTS成分の速度ベクトル15を用い
て算出)。
性モデル部における、渦動粘性係数に関するモデル定数
を算出する際のデータフローを示すものである。基本的
には図4のデータフローと同様である。両者の違いは、
図4が渦動粘性係数を求めるデータフローであったのに
対し、図6が渦粘性モデルとしてスマゴリンスキーモデ
ルを用いる際(数4)の、モデル定数Cを算出するデー
タフローである点である。20では渦動粘性係数に関す
るモデル定数を算出する。算出に際しては、12のGS
成分の歪率テンソル、16のTS成分の歪率テンソル、
13の運動エネルギーのGS成分の粘性散逸量、17の
運動エネルギーのTS成分の粘性散逸量、14のSGS
応力の非渦粘性モデル部、18のSTS応力テンソルを
用いる。
出部16′以外は、図6と同様である。
方法の一つであるLESにおいて、SGS応力のモデル
式に含まれるモデル係数の局所的な値を、瞬時の流動状
況に応じて自動的に算出するため、モデル係数のチュー
ニングを必要とせずに、高い精度の解析結果が得られる
という効果を奏する。
ムを作成し、このプログラム若しくはこのプログラムを
記録した記録媒体でコンピュータによって容易に乱流解
析を実施できる。
出するに際し、本実施例では波数空間上でのエネルギー
伝達特性のモデル式である、局所スケール間平衡仮定関
係式をもちいる。さらに本実施例では特に、グリッドス
ケールからサブグリッドスケールへのエネルギー伝達量
の評価に、その定義式である数11の関係を用いる。そ
のため本実施例によれば、SGS応力のモデル係数の算
出に際し、エネルギー伝達特性が十分に考慮されるか
ら、解析が数値的に安定化するという効果が得られる。
ールへのエネルギー伝達量を、その定義式である数19
で与えるので、高い解析精度が得られるという効果があ
る。
分の粘性散逸量を、その定義式である数10,数18で
与えるので、さらに高い解析制度が得られるという効果
がある。
ールへのエネルギー伝達量,運動エネルギーのTS成分
およびGS成分の粘性散逸量に関し、物理的に正しい定
義式を用いたことにより、高い解析精度が得られる効果
がある。
を含んだモデル式で与えるものである。渦粘性型のモデ
ルは計算の安定化に寄与するから、本実施例によれば、
数値的に極めて安定な乱流解析が可能となるという効果
が得られる。
であるLESにおいて、SGS応力のモデル式中に含ま
れるモデル係数もしくはモデル定数を、自動的に算出
し、数値的に安定な乱流の解析方法,乱流の解析システ
ム並びに乱流解析プログラムを提供することができると
いう効果を奏する。
ャート。
るデータフロー。
るデータフロー。
エネルギーのSGS成分の粘性散逸量、3…グリッドス
ケールからサブグリッドスケールへのエネルギー伝達
量、1′…運動エネルギーのGS成分の粘性散逸量、
2′…運動エネルギーのSGS成分の粘性散逸量、3′
…グリッドスケールからサブグリッドスケールへのエネ
ルギー伝達量、4…運動エネルギーのTS成分の粘性散
逸量、5…運動エネルギーのSTS成分でありかつGS
成分である成分の粘性散逸量、6…テストスケールから
サブテストスケールへのエネルギー伝達量、7…サブテ
ストスケールでありかつグリッドスケールである波数領
域、11…GS成分の速度ベクトルのデータ、12…G
S成分の歪率テンソルの算出部、13…運動エネルギー
のGS成分の粘性散逸量の算出部、14…SGS応力テ
ンソルの非渦粘性モデル部の算出部、15…TS成分の
速度ベクトルの算出部、16…TS成分の歪率テンソル
の算出部、16′…TS成分の歪率テンソルの算出部、
17…運動エネルギーのTS成分の粘性散逸量の算出
部、18…STS応力テンソルの算出部、19…渦動粘
性係数の算出部、20…渦動粘性係数に関するモデル定
数の算出部、S1…計算条件等の入力ステップ、S2…
初期値設定ステップ、S3…解析時刻ゼロクリアステッ
プ、S4…移流項の計算ステップ、S5…SGS応力項
・粘性項の計算ステップ、S6…圧力項の計算ステッ
プ、S7…速度場の更新ステップ、S8…質量保存則の
満足度の判定ステップ、S9…速度・圧力の修正計算ス
テップ、S10…計算結果の出力ステップ、S11…計
算終了の判定ステップ、S12…解析時刻の更新ステッ
プ。
Claims (9)
- 【請求項1】波数空間上でサブテストスケール且つグリ
ッドスケールである波数領域でのエネルギー授受の仮定
した平衡関係に基づき、サブグリッドスケールモデル係
数の算出式を導出し、サブグリッドスケール応力を算出
する工程を含む乱流の解析方法。 - 【請求項2】解析しようとする流れ場を空間的に有限個
の領域若しくは有限個の点に離散化し、流体の運動を非
定常計算する解析方法であって、 該離散化に伴い空間的には解像することができなくなっ
た高波数域の速度の空間変動成分が流体の運動に与える
影響であるサブグリッドスケール応力(SGS応力)を
モデル化する工程を含み、 物理量の空間変動の波数成分のうち該離散化に伴い空間
的には解像することができなくなった高波数域(サブグ
リッドスケール)の成分をサブグリッドスケール成分
(SGS成分),物理量の空間変動の波数成分のうちS
GS成分ではない低波数域(グリッドスケール)の成分
をグリッドスケール成分(GS成分)とし、 物理量の空間変動の高波数成分を除去する作用をもつ空
間フィルタであるテストフィルタを、物理量の空間変動
の前記GS成分に対して作用させ、前記GS成分のうち
の高波数域の成分を除去した残りの低波数域(テストス
ケール)の成分をテストスケール成分(TS成分)と
し、物理量の空間変動の波数成分のうち前記TS成分に
は含まれない高波数域(サブテストスケール)の成分を
サブテストスケール成分(STS成分)とする場合、 運動エネルギーの該TS成分の粘性散逸量とテストスケ
ールからサブテストスケールへのエネルギー伝達量との
和が、運動エネルギーの該GS成分の粘性散逸量とグリ
ッドスケールからサブグリッドスケールへのエネルギー
伝達量との和に等しくなるという局所スケール間平衡仮
定関係式に、 運動エネルギーのTS成分の粘性散逸量の近似値と、運
動エネルギーのGS成分の粘性散逸量の近似値と、テス
トスケールからサブテストスケールへのエネルギー伝達
量の近似値とを代入し、 グリッドスケールからサブグリッドスケールへのエネル
ギー伝達量を該局所スケール間平衡仮定関係式に代入す
るに際し、グリッドスケールからサブグリッドスケール
へのエネルギー伝達量を、SGS応力テンソルと、速度
の空間変動のGS成分に対する歪率テンソルとの内積に
(−1)を乗じたのち、テストフィルタを作用させて得
られる値であるとみなし、このとき該SGS応力テンソ
ルを、その値をまだ定めていないモデル係数を、1つだ
け含むモデル式で与えるとき、該局所スケール間平衡仮
定関係式を、該値をまだ定めていないモデル係数につい
て整理することにより、該SGS応力のモデル式に含ま
れる該モデル係数を算出するためのモデル係数算出式を
導き、該モデル係数算出式を用いて該モデル係数を計算
することを特徴とする乱流の解析方法。 - 【請求項3】請求項2に記載の乱流の解析方法であっ
て、 速度の空間変動のSTS成分が流体の運動に及ぼす作用
であるところの応力をサブテストスケール応力(STS
応力)とよぶとき、テストスケールからサブテストスケ
ールへのエネルギー伝達量を、STS応力テンソルと、
速度の空間変動のTS成分に対する歪率テンソルとの内
積に、(−1)を乗じた値として与え、このときSTS
応力を、その値がまだ定められていないところのモデル
係数を、一つも含まないモデル式で与えることを特徴と
する乱流の解析方法。 - 【請求項4】請求項2に記載の乱流の解析方法であっ
て、 運動エネルギーのGS成分の粘性散逸量を速度の空間変
動のGS成分に対する歪率テンソルの絶対値の二乗と、
動粘性係数との積の2倍の値に対し、テストフィルタを
作用させて得られる値として与え、さらに運動エネルギ
ーのTS成分の粘性散逸量を速度の空間変動のTS成分
に対する歪率テンソルの絶対値の二乗と、動粘性係数と
の積の2倍の値として与えることを特徴とする乱流の解
析方法。 - 【請求項5】請求項3に記載の乱流の解析方法であっ
て、 運動エネルギーのGS成分の粘性散逸量を速度の空間変
動のGS成分に対する歪率テンソルの絶対値の二乗と、
動粘性係数との積の2倍の値に対し、テストフィルタを
作用させて得られる値として与え、さらに運動エネルギ
ーのTS成分の粘性散逸量を速度の空間変動のTS成分
に対する歪率テンソルの絶対値の二乗と、動粘性係数と
の積の2倍の値として与えることを特徴とする乱流の解
析方法。 - 【請求項6】請求項2〜請求項4の何れかに記載の乱流
の解析方法であって、 前記SGS応力を、渦粘性型のモデルを含んだモデル式
で与えることを特徴とする乱流の解析方法。 - 【請求項7】波数空間上でサブテストスケール且つグリ
ッドスケールである波数領域でのエネルギー授受の仮定
した平衡関係に基づき、サブグリッドスケールモデル係
数の算出式を導出し、サブグリッドスケール応力を算出
する手段を有する乱流の解析システム。 - 【請求項8】解析しようとする流れ場を空間的に有限個
の領域若しくは有限個の点に離散化し、流体の運動を非
定常計算する乱流解析プログラムであって、 該離散化に伴い空間的には解像することができなくなっ
た高波数域の速度の空間変動成分が流体の運動に与える
影響であるサブグリッドスケール応力(SGS応力)を
モデル化する手段を含み、 物理量の空間変動の波数成分のうち該離散化に伴い空間
的には解像することができなくなった高波数域(サブグ
リッドスケール)の成分をサブグリッドスケール成分
(SGS成分)、物理量の空間変動の波数成分のうちS
GS成分ではない低波数域(グリッドスケール)の成分
をグリッドスケール成分(GS成分)とし、 物理量の空間変動の高波数成分を除去する作用をもつ空
間フィルタであるテストフィルタを、物理量の空間変動
の前記GS成分に対して作用させ、前記GS成分のうち
の高波数域の成分を除去した残りの低波数域(テストス
ケール)の成分をテストスケール成分(TS成分)と
し、物理量の空間変動の波数成分のうち前記TS成分に
は含まれない高波数域(サブテストスケール)の成分を
サブテストスケール成分(STS成分)とする場合、 運動エネルギーの該TS成分の粘性散逸量とテストスケ
ールからサブテストスケールへのエネルギー伝達量との
和が、運動エネルギーの該GS成分の粘性散逸量とグリ
ッドスケールからサブグリッドスケールへのエネルギー
伝達量との和に等しくなるという局所スケール間平衡仮
定関係式に、 運動エネルギーのTS成分の粘性散逸量の近似値と、運
動エネルギーのGS成分の粘性散逸量の近似値と、テス
トスケールからサブテストスケールへのエネルギー伝達
量の近似値とを代入し、 グリッドスケールからサブグリッドスケールへのエネル
ギー伝達量を該局所スケール間平衡仮定関係式に代入す
るに際し、グリッドスケールからサブグリッドスケール
へのエネルギー伝達量を、SGS応力テンソルと、速度
の空間変動のGS成分に対する歪率テンソルとの内積に
(−1)を乗じたのち、テストフィルタを作用させて得
られる値であるとみなし、このとき該SGS応力テンソ
ルを、その値をまだ定めていないモデル係数を、1つだ
け含むモデル式で与えるとき、該局所スケール間平衡仮
定関係式を、該値をまだ定めていないモデル係数につい
て整理することにより、該SGS応力のモデル式に含ま
れる該モデル係数を算出するためのモデル係数算出式を
導き、該モデル係数算出式を用いて該モデル係数を計算
する乱流解析プログラム。 - 【請求項9】解析しようとする流れ場を空間的に有限個
の領域若しくは有限個の点に離散化し、流体の運動を非
定常計算する乱流解析プログラムを記録した記録媒体で
あって、 該離散化に伴い空間的には解像することができなくなっ
た高波数域の速度の空間変動成分が流体の運動に与える
影響であるサブグリッドスケール応力(SGS応力)を
モデル化する手段を含み、 物理量の空間変動の波数成分のうち該離散化に伴い空間
的には解像することができなくなった高波数域(サブグ
リッドスケール)の成分をサブグリッドスケール成分
(SGS成分),物理量の空間変動の波数成分のうちS
GS成分ではない低波数域(グリッドスケール)の成分
をグリッドスケール成分(GS成分)とし、 物理量の空間変動の高波数成分を除去する作用をもつ空
間フィルタであるテストフィルタを、物理量の空間変動
の前記GS成分に対して作用させ、前記GS成分のうち
の高波数域の成分を除去した残りの低波数域(テストス
ケール)の成分をテストスケール成分(TS成分)と
し、物理量の空間変動の波数成分のうち前記TS成分に
は含まれない高波数域(サブテストスケール)の成分を
サブテストスケール成分(STS成分)とする場合、 運動エネルギーの該TS成分の粘性散逸量とテストスケ
ールからサブテストスケールへのエネルギー伝達量との
和が、運動エネルギーの該GS成分の粘性散逸量とグリ
ッドスケールからサブグリッドスケールへのエネルギー
伝達量との和に等しくなるという局所スケール間平衡仮
定関係式に、 運動エネルギーのTS成分の粘性散逸量の近似値と、運
動エネルギーのGS成分の粘性散逸量の近似値と、テス
トスケールからサブテストスケールへのエネルギー伝達
量の近似値とを代入し、 グリッドスケールからサブグリッドスケールへのエネル
ギー伝達量を該局所スケール間平衡仮定関係式に代入す
るに際し、グリッドスケールからサブグリッドスケール
へのエネルギー伝達量を、SGS応力テンソルと、速度
の空間変動のGS成分に対する歪率テンソルとの内積に
(−1)を乗じたのち、テストフィルタを作用させて得
られる値であるとみなし、このとき該SGS応力テンソ
ルを、その値をまだ定めていないモデル係数を、1つだ
け含むモデル式で与えるとき、該局所スケール間平衡仮
定関係式を、該値をまだ定めていないモデル係数につい
て整理することにより、該SGS応力のモデル式に含ま
れる該モデル係数を算出するためのモデル係数算出式を
導き、該モデル係数算出式を用いて該モデル係数を計算
する乱流解析プログラムを記録した記録媒体。
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CN113111610A (zh) * | 2021-05-10 | 2021-07-13 | 中国空气动力研究与发展中心计算空气动力研究所 | 一种新型亚格子尺度模型建立方法 |
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CN113111610A (zh) * | 2021-05-10 | 2021-07-13 | 中国空气动力研究与发展中心计算空气动力研究所 | 一种新型亚格子尺度模型建立方法 |
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